JP2006075154A - ハナビラタケの人工栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のハナビラタケよりβグルカンを多く含み、施設において工業的に、高品質かつ安価に、短期間に効率よく製造することが可能なハナビラタケの新菌株を提供し、さらに、ハナビラタケ子実体、菌糸体レベルでの特定系統の識別を可能とするハナビラタケの系統識別方法を提供する。
【解決手段】 βグルカンを子実体乾燥重量100gあたり48.0g以上含むことを特徴とするハナビラタケであり、好ましくはハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−31(FERM P−19770)及びハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)であるハナビラタケ及び前記菌株を用いたハナビラタケの人工栽培方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハナビラタケ(Sparassis crispa)の新菌株、その菌株を用いた栽培方法及びハナビラタケの系統識別方法に関するものである。
ハナビラタケは唐松などの針葉樹にまれに生えるキノコで、幻のキノコと呼ばれている。子実体は有柄、柄は繰り返して枝を分ける。各枝は平たくなり、波型にうねりくねった花弁状、全体はハボタン状になる。白からクリーム色、1株の径は10〜30cmに達する。花弁状の各片は厚さ1ミリほどで、柔軟だが上部で歯切れがよい肉質である。食用のキノコで日本のほかにヨーロッパなどでも発見されている。
ハナビラタケは、免疫を活性化させるといわれているβグルカンを多く含むことが知られており、今までに乾燥重量100gあたり43.6g含有する例が報告されている(特許文献1参照)。
一方、キノコは一般に、同じ種に属する菌株でありながら、採集された場所の違いにより菌糸の生育速度および子実体形成能力が著しく異なることが知られている。ハナビラタケにおいても系統の異なるものにおいて、βグルカンの含量や、芽だしの違いがあることがわかっている。従来、菌類の識別方法として、菌糸、胞子、および繁殖器官等の形態的特徴に基づく方法が知られている。具体的に、胞子等の形態的特徴に基づく方法とは、分生子、胞子、子のうか、子のう、子のう胞子、接合胞子、担子胞子等の大きさを比較して、菌類の同定、分類を行う方法である。しかしながら上述の形態学的特徴に基づく方法では、同種内における菌糸、菌根レベルでの特定系統の識別が不可能であるという問題を有していた。
きのこの系統の識別方法のひとつとしてこれまで対峙培養が用いられている。対峙培養は二つ以上の試菌株の二核菌糸を保存スラントよりブロックの形で切り出し、それぞれを同一寒天平板培地の中央部に対峙して接種し、培養後、両コロニー境界部に帯線が生じるか否かを判定する方法である。帯線を形成する菌株は対象の菌株と系統が異なることが示される。しかし、菌糸体の培養が長期にわたることや、帯線を形成しない菌株間の系統を解析することは困難である。
最近、遺伝子レベルでの解析をきのこなどの菌類に適用した例が報告されている(特許文献2、非特許文献1参照)。しかし、ハナビラタケにおいて遺伝子レベルでの解析がなされた報告はない。
特開2002−125460号公報 特開2003−116554号公報 Y.Zhang,F.I.Molina,FEMS Microbiology Letters 131,p.17-20,1995
βグルカンを効率的に摂取するためにはβグルカンの含有量が多い食品が望まれ、ハナビラタケは他のキノコに比べβグルカン含有量が多いため、効率的な摂取が可能である。そのため、従来のハナビラタケよりもさらに高含量のβグルカンを含むハナビラタケが望まれていた。
また、従来の形態学的特徴や対峙培養に基づく方法では、ハナビラタケの系統を評価するには不十分であった。
本発明の目的は、従来のハナビラタケよりβグルカンを多く含み、施設において工業的に、高品質かつ安価に、短期間に効率よく製造することが可能なハナビラタケの新菌株を提供することにある。もう一つの本発明の目的は、ハナビラタケ子実体、菌糸体レベルでの特定系統の識別を可能とするハナビラタケの系統識別方法を提供することにある。
本発明者等は、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、ハナビラタケを広く自然界から純粋分離培養を行い、スクリーニングといった単離工程を経て得られた特定の菌株が、βグルカンの含有量の高く、良好な子実体を形成することを見出し、本発明を完成するに到った。
また、ハナビラタケ菌糸体および子実体の遺伝子レベルでの系統識別としてRAPD(Random Amplified polymorphic DNA)解析が有用であり、特定のプライマー配列を見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、βグルカンを子実体乾燥重量100gあたり48.0g以上含むことを特徴とするハナビラタケを要旨とするものであり、好ましくは、ハナビラタケが、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−31(FERM P−19770)及びハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)並びにこれらの変異株からなる群から選択される菌株である前記のハナビラタケであり、また、ハナビラタケが、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−31(FERM P−19770)又はハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)との対峙試験において帯線を形成しない菌株である前記のハナビラタケである。
また、本発明は、βグルカンを乾燥重量100gあたり48.0g以上含む子実体を形成しうるハナビラタケを要旨とするものである。
また、本発明は、ハナビラタケが、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassiscrispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassiscrispa)UT−31(FERM P−19770)及びハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)並びにこれらの変異株からなる群から選択されるハナビラタケを要旨とするものであり、また、ハナビラタケが、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−31(FERM P−19770)又はハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)との対峙試験において帯線を形成しないハナビラタケを要旨とするものである。
また本発明の第二は、前記したハナビラタケを、大鋸屑に栄養分を添加した培地に接種し、培養・生育工程を経て、βグルカンを子実体乾燥重量100gあたり48.0g以上含む子実体を形成させた後、該子実体を収穫することを特徴とするハナビラタケの人工栽培方法を要旨とするものである。
さらに本発明の第三は、RAPD(Random Amplified polymorphic DNA)解析を用いてハナビラタケの系統を識別することを特徴とするハナビラタケの系統識別方法を要旨とするものであり、好ましくは、RAPD(Random Amplified polymorphic DNA)解析が、プライマー対として、配列agcagcgcctca、配列ggcatggccttt又は配列ccgcagttagatを用いてPCR法を行い、電気泳動によりDNAパターンを比較する方法であるハナビラタケの系統識別方法である。
本発明によれば、子実体に含まれるβグルカン量がより多いハナビラタケを得ることができるため、機能性の高いハナビラタケを高能率で生産することができる。
また、本発明によれば、高い確度での系統識別が可能となるため、優良菌株の育種などに有効に利用することができる。
本発明のハナビラタケは、絶乾した子実体重量100gあたりβグルカンを48.0g以上含有するものである。また、本発明のハナビラタケは、βグルカンを乾燥重量100gあたり48.0g以上含む子実体を形成しうるハナビラタケである。
本発明におけるβグルカン量は、以下の方法により得られた値をいう。
〔前処理〕
収穫したハナビラタケの子実体の凍結乾燥品0.25gを100ml三角フラスコに入れ、次に0.08Mリン酸緩衝液(pH6.0)を加えて全量25mlにする。熱耐性αアミラーゼ(シグマ社製)を1000Unit添加し、沸騰水中で、30分間インキュベートする。水酸化ナトリウムを用いて中和し、pH7.5とした。さら50mg/mlプロテアーゼ(シグマ社製)溶液を50μl添加し、さらに60℃、30分間インキュベートする。つぎに塩酸でpH4.3に調整し、アミログルコシダーゼ(シグマ社製)溶液を50μl加え、再び60℃、30分間インキュベートする。次に95%エタノールを4倍量添加し、室温で1時間以上静置する。生成した沈殿をガラス繊維ろ紙(Advantec社製、品番GA-100)を用い、ろ過し、回収する。80%エタノールで沈殿を洗浄し、さらにアセトンで洗浄する。
〔硫酸分解〕
回収した沈殿を72%硫酸5mlで懸濁する。4時間静置する。水70ml添加し、沸騰水中で2時間、加水分解を行う。その後、氷水で冷却し中和する。ろ紙(Advantec社製、品番GA-100)によりろ過し、ろ液をサンプルとした。
〔グルコース量の測定〕
以上の処理により得られたサンプルをグルコースCIIテストワコー(和光純薬工業社製)によりグルコース量を測定し、βグルカンが0.9gあたり、グルコース1gに変換されたものとしてハナビラタケのβグルカン量に換算した。
〔水分率の測定と補正〕
測定に供したハナビラタケを105℃で3時間絶乾して水分率を測定し、前記のグルコース量から求めたβグルカン量より絶乾での子実体100gあたりのβグルカン重量に補正して、本発明でいうβグルカン量とした。
本発明における子実体絶乾重量100gあたりβグルカンを48.0g以上含有するハナビラタケは、従来の栽培ビンによる人工栽培方法によって得られる。すなわち、1)栽培ビンに大鋸屑に栄養分を添加した固形培地を作成する。固形培地には接種孔を開けておくことが望ましい。2)この固形培地に種菌を接種する。3)接種した培地を通常の条件で培養・生育させる。
本発明で用いられる大鋸屑としては、マツ、モミ、ツガ、ブナ、シイなどの大鋸屑が挙げられるが、好ましくは針葉樹の大鋸屑が好ましく、この中でもカラマツの大鋸屑が好ましい。広葉樹と針葉樹の大鋸屑の混合物を用いることもでき、大鋸屑にコーンコブなどを混合してもよい。添加する栄養分としては、必要に応じ適宜添加することができるが、小麦粉などが好ましく、小麦粉を1%〜30%、好ましくは3%〜20%、さらに好ましくは5%〜10%を混合する。これを通常850ccのポリプロピレン製栽培ビンに約520g充填する。この際、培地中央に接種孔を開けておくと、接種量を多くすることができ培地全体に菌糸が回りやすくなり、また通気がよくなるため好ましい。接種孔を開けることにより結果として収穫までの期間が短縮でき、収量が上がるなどの利点が生じる。接種孔の大きさは断面積がほぼ80mm2以上あればよい。固形培地は、高圧殺菌などの方法により殺菌をしておく。
このような培地に同様のオガクズ培地で培養した種菌を接種する。接種量は通常8g〜18gである。種菌を接種した後、一定の条件下、すなわち温度は15℃〜30℃、好ましくは18℃〜28℃、20〜25℃が最も好ましく、湿度は50%〜80%、好ましくは55%〜75%、60%〜70%が最も好ましい条件下で培養し、培地に菌糸を回らせる。その後、芽出し操作として、菌掻きと異種キノコの接種をおこなう(詳細は、特開2002−369621号公報を参照)。異種キノコは、同様のオガクズ培地でホウライタケを培養して作成した種菌2gを用いた。その後、ビンのふたを取って、(括弧内削除:温度約19℃、湿度約90%の)栽培室に移し、子実体を成育させる。栽培室の温度は10〜30℃、好ましくは15〜28℃、最も好ましくは17〜25℃、湿度は80%以上、好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上である。通常、芽出し操作後約56日間の生育工程により成長が終了するので、子実体の収穫を行う。
本発明者らは、ハナビラタケの保存菌株及び新たに自然界から単離した菌株について人工栽培により得られた子実体のβグルカン量を調べたところ、本発明の子実体乾燥重量100gあたり48.0g以上のβグルカンを含有する菌株を見出した。さらに好ましくは、子実体乾燥重量100gあたり50.0g以上のβグルカンを含有する菌株である。したがって、本発明のハナビラタケは以上のようなスクリーニング操作を行うことにより取得することができる。
本発明のハナビラタケに属する具体的な菌株として、ハナビラタケ(Sparassiscrispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−31(FERM P−19770)及びハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)を挙げることができる。これらの菌株は、以下に記載する培養的・形態的性質及び生理学的・化学分類学的性質においては公知の菌株と大きな相違はないが、本発明の特徴であるβグルカン量において差があり、さらに後述するRAPD解析において公知菌株にはない特徴的なDNAバンドを有していることが明らかであるため、新菌株として独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託した。
次に、前記した新菌株の菌学的諸性質をそれぞれ示す。
〔ハナビラタケUT−18株〕
1)バレイショ・ブドウ糖寒天培地における生育状態
14日目でコロニー径は8mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は19mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
2)フェノールオキシダーゼ検定用培地〔0.1%没食子酸添加ポテト・グルコース寒天培地〕における生育状態
14日目でコロニー径は14mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は25mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
3)麦芽エキス寒天培地における生育状態
14日目でコロニー径は16mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は31mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
4)最適育成温度
各温度でそれぞれ培養したところ、最適生育温度は25℃付近であった。また、5℃ではほとんど育成せず、30℃付近ではまったく生育しなかった。
5)最適育成pH
生育培地を各pHに調整し、生育を調べたところ、最適pHは4〜5の間であった。また、本菌株の生育範囲は、pH4〜pH8の間であった。
〔ハナビラタケUT−21株〕
1)バレイショ・ブドウ糖寒天培地における生育状態
14日目でコロニー径は13mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は24mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
2)フェノールオキシダーゼ検定用培地〔0.1%没食子酸添加ポテト・グルコース寒天培地〕における生育状態
14日目でコロニー径は13mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は22mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
3)麦芽エキス寒天培地における生育状態
14日目でコロニー径は17mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は32mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
4)最適育成温度
各温度でそれぞれ培養したところ、最適生育温度は25℃付近であった。また、5℃ではほとんど育成せず、30℃付近ではまったく生育しなかった。
5)最適育成pH
生育培地を各pHに調整し、生育を調べたところ、最適pHは4〜5の間であった。また、本菌株の生育範囲は、pH4〜pH8の間であった。
〔ハナビラタケUT-31株〕
1)バレイショ・ブドウ糖寒天培地における生育状態
14日目でコロニー径は10mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は21mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
2)フェノールオキシダーゼ検定用培地〔0.1%没食子酸添加ポテト・グルコース寒天培地〕における生育状態
14日目でコロニー径は9mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は18mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
3)麦芽エキス寒天培地における生育状態
14日目でコロニー径は15mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は29mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
4)最適育成温度
各温度でそれぞれ培養したところ、最適生育温度は25℃付近であった。また、5℃ではほとんど育成せず、30℃付近ではまったく生育しなかった。
5)最適育成pH
生育培地を各pHに調整し、生育を調べたところ、最適pHは4〜5の間であった。また、本菌株の生育範囲は、pH4〜pH8の間であった。
〔ハナビラタケUT−33株〕
1)バレイショ・ブドウ糖寒天培地における生育状態
14日目でコロニー径は12mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は24mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
2)フェノールオキシダーゼ検定用培地〔0.1%没食子酸添加ポテト・グルコース寒天培地〕における生育状態
14日目でコロニー径は13mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は23mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
3)麦芽エキス寒天培地における生育状態
14日目でコロニー径は19mm、白色で密な菌糸、気菌糸を多量に生じる。22日目でコロニー径は35mmとなり、菌糸は白色で密、直線状に伸びる。気菌糸が多い。裏面は一様で変色は無い。
4)最適育成温度
各温度でそれぞれ培養したところ、最適生育温度は25℃付近であった。また、5℃ではほとんど育成せず、30℃付近ではまったく生育しなかった。
5)最適育成pH
生育培地を各pHに調整し、生育を調べたところ、最適pHは4〜5の間であった。また、本菌株の生育範囲は、pH4〜pH8の間であった。
上記のハナビラタケの新菌株は、本発明の第三のハナビラタケの系統識別方法によれば、公知の菌株と異なるDNAパターンを有しており、さらに各々とも相違するDNAパターンであることから各新菌株はそれぞれ系統の異なるハナビラタケであると考えられた。
RAPD解析とは、通常のPCRと異なり、PCR反応条件、合成プライマーの塩基配列や長さなどを任意に変えることによって、得られる複数の部位から様々なPCR増幅産物のDNA多型を利用する方法である。プライマーとしては、通常10塩基から12塩基のプライマーが用いられる。DNAの多型は、得られたPCR増幅産物を電気泳動にかけることによるバンドパターンにより把握することができる。この方法によりハナビラタケの系統識別を行うには、ハナビラタケのゲノムDNAをランダムに増幅させ、電気泳動をかけた場合に他のハナビラタケには無い安定したバンドを探すことにより行うことができる。安定したバンドとは複数回、同じサンプルでRAPD解析を行ったときに、毎回確認されるバンドのことを示す。菌株の系統識別に用いるバンドは安定したバンドで、他の菌株のRAPD解析で同じDNA断片長が確認されないものが好ましい。また、菌株の系統識別に用いるバンドは1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
本発明者らは、このRAPD解析において、プライマーとして塩基配列ggcatggccttt、塩基配列ccgcagttagat又は塩基配列agcagcgcctcaを用いることで上記ハナビラタケに特異的なバンドを探し出した。具体的な方法及び本発明の各新菌株に特有の安定したバンドは以下のとおりである。
〔染色体DNAの調製〕
ハナビラタケUT−18、同UT−21、同UT−31及び同UT−33についてのハナビラタケから以下のようにして染色体DNAを抽出、調製した。ハナビラタケ子実体および菌糸体100 mgを液体窒素を入れた乳鉢中で磨細したのち、組織重量と等量の溶液(100 mM Na2HPO4, 50 mMクエン酸, pH6.0, 10 mM EDTA, 2% N-ラウロイルサルコシンナトリウム)中に懸濁し、65℃で30分間放置した。次に冷却遠心分離機によって7000 rpmで10分間遠心し、上清を回収した。フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(=75:24:1)溶液を等量加えて処理し(2回)、冷却遠心分離機によって13000 rpmで15分間遠心し、上層を回収した。1/10容量の3M NaOAcを加えた後、2.5倍量のエタノールを加えた後、−80℃で20分間放置した。13000 rpmで20分間遠心を行い、DNAを沈殿した。得られたDNAをTES-buffer(組成 30 mM Tris-HCl, pH8.0, 5 mM EDTA, 50 mM NaCl)に加えてよく溶かした後、RNaseを終濃度100 μg/mlとなるように加えてRNAを分解した。等量のフェノール:クロロホルム液を加えて攪拌した後、微量冷却遠心分離機によって13000 rpmで15分間遠心し、水層(DNAを含む)を回収した。1/10容量の3M NaOAcを加えた後、2.5倍量のエタノールを加えた後、−80℃で20分間放置した。13000 rpmで20分間遠心を行い、DNAを沈殿した。DNAをTE-buffer(組成 10 mM Tris-HCl, pH7.5, 1 mM EDTA)に加えてよく溶かした後、得られたDNA量を定量した。その結果ハナビラタケの染色体DNAが約30〜100 μg得られた。
〔PCRによる増幅〕
上記のようにして得られたハナビラタケの染色体DNA 5 ngをテンプレートとしてPCRを行った。プライマーには12塩基のプライマーを各種用いた。PCRの条件は変性温度94℃を30秒、アニーリング温度42℃で2分、伸長反応温度72℃3分間を45サイクル行った。TaqポリメラーゼはTaKaRa EX Taq Hot Start Version(宝酒造社)を用いた。
〔電気泳動〕
PCR増幅産物のバンドパターンの確認を、TAEバッファーに1%の濃度で作成したアガロースゲルにPCR産物を5μlをローディングし、100V、27分間電気泳動により行った。DNAマーカーは200bp ladder (宝酒造社)を用いた。電気泳動後、ゲルをエチジウムブロマイドで染色し、トランスイルミネータ上でバンドの確認を行った。
〔結果〕
まず、PCRのプライマーとして配列ggcatggcctttを用いた。その結果RAPD解析から得られたバンドパターンを図1に示す。図1よりハナビラタケUT−33はプライマーとして配列ggcatggcctttを用いた場合に他の菌株には現れない2300±200 bpのバンドを示すこと、ハナビラタケUT−21はプライマーとして配列ggcatggcctttを用いた場合に他の菌株には現れない2500±200 bpのバンドを示すことが明らかになった。
次にPCRのプライマーとして配列ccgcagttagatを用いてRAPD解析して得られたバンドパターンを図2に示す。図2よりハナビラタケUT−31はプライマーとして配列ccgcagttagatを用いた場合に他の菌株には現れない1300±200 bpのバンドを示すことが明らかになった。
さらにPCRのプライマーとして配列agcagcgcctcaを用いた場合のバンドパターンを図3に示す。図3よりハナビラタケUT−18はプライマーとして配列agcagcgcctcaを用いた場合に他の菌株には現れない1600±200 bpにバンドを示すことが明らかとなった。
本発明のハナビラタケには、上述した新菌株であるハナビラタケUT−18、ハナビラタケUT−21、ハナビラタケUT−31及びハナビラタケUT−33のほかに、これらの各菌株の変異株も含むものである。ここで変異株とは、これらの菌株に限定されるものではなく、上記の性質を有する菌株のことを言う。
さらに、本発明のハナビラタケの新菌株は、上述した方法を更に改良して、菌株を同定することが可能である。以下にその方法を示す。上述のRAPD法により得られたバンドパターンの内、その菌株に特異的なDNA断片に着目し、その塩基配列を解析することによって、菌株に特有の塩基配列を得た。この塩基配列を用い、ハナビラタケ菌株識別用プライマーを作製し、PCR法を用いることによって、さらに正確な同定を行うことが可能となった。つぎに、その具体的な方法を示す。
ハナビラタケUT−18を識別するためにプライマー配列として5’-tagcagcgcctcagcactat-3’及び5’-attagcagcgcctcacaatg-3’を用いてPCRを行った。PCRの条件は変性温度94℃を30秒、アニーリング温度60℃で30秒、伸長反応温度72℃90秒間を30サイクル行った。PCR反応後、上記の方法と同じ条件でPCR反応液の電気泳動を行った。その結果を図4に示す。図4によりUT−18にのみ1200-1600bpの間にDNA断片がひとつ確認される。他の菌株にこのプライマーを用いても1250bpの1200-1600bpの間にDNA断片は確認できない。よって、この方法によりハナビラタケUT−18の同定が可能である。
さらに、ハナビラタケUT−21を識別するためにプライマー配列として5’-atagggcgggggaataaagt-3’及び5’-ggataggggaatagccattgt-3’を用いてPCRを行った結果を図5に示す。図5より、UT−21および、UT−33において1800-2000bpの間にDNA断片が確認される。さらにプライマー配列として5’-acgaatagagcgggctgat-3’および5’-tcggacgaatacgaaagtacg-3’を用いてPCRを行った結果を図6に示す。図6によりUT−21において1400-1800bpの間にDNA断片が確認される。一方、UT−33において1800-2000bpの間にDNA断片が確認される。よって、この方法によりハナビラタケUT−21の同定が可能である。ハナビラタケUT−31を識別するためにプライマー配列として5’-gcctttgctattggagctgt-3’及び5’-ggcatggcctttgagatgta-3’を用いてPCRを行った結果を図7に示す。図7よりUT−31において2000-3000bpの間にDNA断片が確認される。他の菌株にこのプライマーを用いても2000-3000bpの間にDNA断片は確認できない。よって、この方法によりハナビラタケUT−31の同定が可能である。ハナビラタケUT−33を識別するためにプライマー配列として5’-acgaatagagcgggctgat-3’及び5’-tcggacgaatacgaaagtacg-3’を用いてPCRを行った結果を図6に示す。図6よりUT−33において1800-2000bpの間にDNA断片が確認される。他の菌株にこのプライマーを用いても1800-2000bpの間にDNA断片は確認できない。よって、この方法によってハナビラタケUT−33の同定が可能である。
さらに、本発明のハナビラタケには、ハナビラタケUT−18、ハナビラタケUT−21、ハナビラタケUT−31又はハナビラタケUT−33との対峙試験において帯線を形成しない菌株を含むものである。ここで対峙試験とは、二つ以上の試菌株の二核菌糸を保存スラントより3mm×3mm×3mmブロックの形で切り出し、それぞれを同一寒天平板培地の中央部に約2cm間隔で対峙して接種し、培養後、両コロニー境界部に帯線が生じるか否かを判定する方法のことをいい、帯線とは異なる試菌株同士のコロニー境界部の菌糸が融合しないために生じる境界線のことをいう。
次に本発明のハナビラタケの栽培方法について説明する。本発明のハナビラタケの栽培方法は、上述した子実体乾燥重量100gあたりβグルカンを48.0g以上含有するハナビラタケの菌株を、大鋸屑に栄養分を添加した培地に接種し、培養・生育工程を経て、βグルカンを子実体乾燥重量100gあたり48.0g以上含む子実体を形成させた後、該子実体を収穫することを特徴とするものである。ハナビラタケとして新菌株を用いる以外は、従来の栽培ビンによる人工栽培方法により行なわれる。すなわち、1)栽培ビンに大鋸屑に栄養分を添加した固形培地を作成する。固形培地には接種孔を開けておくことが望ましい。2)この固形培地に種菌を接種する。3)接種した培地を通常の条件で培養・生育させる。
本発明で用いられる大鋸屑としては、マツ、モミ、ツガ、ブナ、シイなどの大鋸屑が挙げられるが、好ましくは針葉樹の大鋸屑が好ましく、この中でもカラマツの大鋸屑が好ましい。広葉樹と針葉樹の大鋸屑の混合物を用いることもでき、大鋸屑にコーンコブなどを混合してもよい。添加する栄養分としては、必要に応じ適宜添加することができるが、小麦粉などが好ましく、小麦粉を1%〜30%、好ましくは3%〜20%、さらに好ましくは5%〜10%を混合する。これを通常850ccのポリプロピレン製栽培ビンに約520g充填する。この際、培地中央に接種孔を開けておくと、接種量を多くすることができ培地全体に菌糸が回りやすくなり、また通気がよくなるため好ましい。接種孔を開けることにより結果として収穫までの期間が短縮でき、収量が上がるなどの利点が生じる。接種孔の大きさは断面積がほぼ80mm2以上あればよい。固形培地は、高圧殺菌などの方法により殺菌をしておく。
このような培地に同様のオガクズ培地で培養した種菌を接種する。接種量は通常8g〜18gである。種菌を接種した後、一定の条件下、すなわち温度は15℃〜30℃、好ましくは18℃〜28℃、20〜25℃が最も好ましく、湿度は50%〜80%、好ましくは55%〜75%、60%〜70%が最も好ましい条件下で培養し、培地に菌糸を回らせる。その後、芽出し操作として、菌掻きと異種キノコの接種(詳細は、特開2002−369621号公報を参照)をおこなう。異種キノコは、同様のオガクズ培地でホウライタケを培養して作成した種菌2gを用いた。その後、ビンのふたを取って、(括弧内削除:温度約19℃、湿度約90%の)栽培室に移し、子実体を成育させる。栽培室の温度は10〜30℃、好ましくは15〜28℃、最も好ましくは17〜25℃、湿度は80%以上、好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上である。通常、芽出し操作後約56日間の生育工程により成長が終了するので、子実体の収穫を行う。
実施例1
ハナビラタケUT−18(FERM P−19768)の種菌を、栽培用のオガクズ培地に接種した。オガクズ培地の培地基材にはカラマツのオガクズを用い、これに小麦粉を7%混合し、水を加えて水分を60%に調製した。これを850ccのポリプロピレンの栽培ビンに520g充填し、直径20mmの接種孔を市販の穴あけ機を用いて栽培ビンの中央に1つ空けた後110℃で3時間高圧殺菌した。その後、培地温度が30℃以下まで下がるのを待って種菌を接種し、これを23℃、湿度65%で培養した。接種後、49日ほどでハナビラタケの菌糸が充満した。これに菌掻きを行い、栽培ビンのふたを取って、温度19℃、湿度90%の栽培室に移した。その後、ハナビラタケの子実体原基の形成が240本中240本見られ、その形成率は100%であった。菌掻きから収穫までの期間は約56日間であった。子実体形成の見られた栽培ビン240本つき1本のあたりの平均収量は約100gであり、全収穫量は24.0kgであった。
任意に選んだ栽培ビン3本から収穫したハナビラタケUT−18の子実体について、上述した方法によりβグルカン量を測定したところ、平均として乾燥重量100gあたり51.2gであった。
実施例2
ハナビラタケUT−21(FERM P−19769)を接種した以外は、実施例1と全く同様にして栽培した。子実体原基の形成率は99.6%であり、栽培ビン239本につき1本あたりの平均収量は約100gであり、全収穫量は23.9kgであった。
また、ハナビラタケUT−21のβグルカン量は、任意に選んだ栽培ビン3本からの子実体の平均として乾燥重量100gあたり50.0gであった。
実施例3
ハナビラタケUT−31(FERM P−19770)を接種した以外は、実施例1と全く同様にして栽培した。子実体原基の形成率は99.2%であり、栽培ビン238本につき1本あたりの平均収量は約96gであり、全収穫量は22.8kgであった。
また、ハナビラタケUT−33のβグルカン量は、任意に選んだ栽培ビン3本からの子実体の平均として乾燥重量100gあたり49.6gであった。
実施例4
ハナビラタケUT−33(FERM P−19771)を接種した以外は、実施例1と全く同様にして栽培した。子実体原基の形成率は99.6%であり、栽培ビン239本につき1本あたりの平均収量は約90gであり、全収穫量は21.5kgであった。
また、ハナビラタケUT−33のβグルカン量は、任意に選んだ栽培ビン3本からの子実体の平均として乾燥重量100gあたり48.1gであった。
比較例1
実施例1〜4と同様にして、NS422、NS424(以上、財団法人日本きのこ研究所より入手)、UT-15 UT-19 UT-23 UT-35(以上、ユニチカ株式会社保有菌株)を栽培し、β-グルカン含有量を測定した。乾燥重量100gあたりのβ-グルカン含量は、それぞれ33.6g、37.7g、43.0g、43.4g、44.0g、41.1gであった。
表1は実施例1〜4と比較例1の結果をまとめたものである。実施例1〜4のβ-グルカン含有量は他の菌株に比べて明らかに高いことが分かる。
PCRのプライマーとして配列ggcatggcctttを用いたときの電気泳動の結果を示す。 PCRのプライマーとして配列ccgcagttagatを用いたときの電気泳動の結果を示す。 PCRのプライマーとして配列agcagcgcctcaを用いたときの電気泳動の結果を示す。 PCRのプライマーとして配列tagcagcgcctcagcactatとattagcagcgcctcacaatgを用いたときの電気泳動の結果を示す。 PCRのプライマーとして配列atagggcgggggaataaagtとggataggggaatagccattgtを用いたときの電気泳動の結果を示す。 PCRのプライマーとして配列acgaatagagcgggctgatとtcggacgaatacgaaagtacgを用いたときの電気泳動の結果を示す。 PCRのプライマーとして配列gcctttgctattggagctgtとggcatggcctttgagatgtaを用いたときの電気泳動の結果を示す。

Claims (9)

  1. βグルカンを子実体乾燥重量100gあたり48.0g以上含むことを特徴とするハナビラタケ。
  2. βグルカンを乾燥重量100gあたり48.0g以上含む子実体を形成しうるハナビラタケ。
  3. ハナビラタケが、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−31(FERM P−19770)及びハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)並びにこれらの変異株からなる群から選択される菌株である請求項1記載のハナビラタケ。
  4. ハナビラタケが、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−31(FERM P−19770)及びハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)並びにこれらの変異株からなる群から選択されるハナビラタケ。
  5. ハナビラタケが、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−31(FERM P−19770)又はハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)との対峙試験において帯線を形成しない菌株である請求項1記載のハナビラタケ。
  6. ハナビラタケが、ハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−18(FERM P−19768)、ハナビラタケ(Sparassiscrispa)UT−21(FERM P−19769)、ハナビラタケ(Sparassiscrispa)UT−31(FERM P−19770)又はハナビラタケ(Sparassis crispa)UT−33(FERM P−19771)との対峙試験において帯線を形成しないハナビラタケ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のハナビラタケを、大鋸屑に栄養分を添加した培地に接種し、培養・生育工程を経て、βグルカンを子実体乾燥重量100gあたり48.0g以上含む子実体を形成させた後、該子実体を収穫することを特徴とするハナビラタケの人工栽培方法。
  8. RAPD(Random Amplified polymorphic DNA)解析を用いてハナビラタケの系統を識別することを特徴とするハナビラタケの系統識別方法。
  9. RAPD(Random Amplified polymorphic DNA)解析が、プライマー対として、配列agcagcgcctca、配列ggcatggccttt又は配列ccgcagttagatを用いてPCR法を行い、電気泳動によりDNAパターンを比較する方法である請求項8記載のハナビラタケの系統識別方法。
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