JP2006071180A - 過熱水蒸気発生装置 - Google Patents

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Masaki Nagato
正樹 長門
Takayuki Fujii
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Abstract

【課題】構造の簡略化を図ることができると共に、水分を一気に過熱水蒸気に変化させて、高温の過熱水蒸気を容易に得ることが可能な過熱水蒸気発生装置を提供すること。
【解決手段】
水分を供給する被加熱水分供給装置に一端が接続された複数の水分加熱用細管12a〜12dを備え、この複数の水分加熱用細管12a〜12dを並べてらせん状に巻いて被加熱部Hを形成すると共に、この被加熱部Hを誘導コイル20の内側に配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水分を加熱して過熱水蒸気を発生させる過熱水蒸気発生装置に関するものである。
従来の過熱水蒸気発生装置としては、金属管をコイル状に巻いて形成された被加熱部を誘導加熱によって加熱すると共に、この被加熱部に飽和水蒸気を通気させて過熱水蒸気を発生させるものが知られている(特許文献1〜特許文献3参照)。
特開2003−297537号公報 特開2004−69168号公報 特開2004−141474号公報
ところで、上述の過熱水蒸気発生装置では、高温の過熱水蒸気を得るために、被加熱部を複数箇所設けたものや、被加熱部に通気させる飽和水蒸気をボイラー等の加熱装置であらかじめ加熱しておくもの等が考えられている。
そのため、構造が複雑になるとともに、熱効率が低下しやすいという問題が生じていた。
そこで、この発明は、構造の簡略化を図ることができると共に、水分を一気に過熱水蒸気に変化させて、高温の過熱水蒸気を容易に得ることが可能な過熱水蒸気発生装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、水分を供給する被加熱水分供給装置に一端が接続された複数の水分加熱用細管を備え、この複数の水分加熱用細管を並べてらせん状に巻いて被加熱部を形成すると共に、この被加熱部を誘導コイルの内側に配置したことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、複数の水分加熱用細管を並べてらせん状に巻くことで誘導コイルの内側に配置する被加熱部を形成したので、誘導コイルによって加熱される被加熱部の管路長を比較的長く形成することが可能となる。
そのため、この水分加熱用細管の内部を通過する水分を加熱する加熱時間を延長することができ、内部を流れる水分を十分に加熱することが可能となる。
これにより、低温の水分を一気に高温の過熱水蒸気に変化させることができ、容易に高温の過熱水蒸気を得ることができる。
また、低温の水分から一気に高温の過熱水蒸気を得ることができるので、被加熱部を複数設けたり、水分をあらかじめ加熱したりする必要がなくなって構造を簡略化することができると共に、熱効率の低下を防止することが可能となる。
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態の過熱水蒸気発生装置を説明する。
図1に示す過熱水蒸気発生装置1は、被加熱水分供給装置(図示せず)に一端が接続された流入管10と、この流入管10に第一接続板11を介して一端が接続された複数の水分加熱用細管(以下、細管という)12a〜12dと、この複数の細管12a〜12dを並べてらせん状に巻きつけた支持管13と、細管12a〜12dの他端に第二接続板14を介して接続された流出管15と、支持管13の両端を保持する一対の固定金具16とを備えている。
そして、複数の細管12a〜12dを並べてらせん状に巻くことによって、誘導コイル20の内側に配置される被加熱部Hを形成している。
また、この被加熱部Hは断熱材21によって囲まれており、断熱材21も誘導コイル20の内側に配置されている。
流入管10は、冷水または飽和水蒸気等の水分を供給する被加熱水分供給装置の図示しない出力口に一端が接続され、被加熱水分供給装置から供給された水分を複数の細管12a〜12d内に流入させるものである。
なお、被加熱水分供給装置は、ポンプを備えた給水タンク等であり、構造は周知であるのでここでの説明は省略する。
また、流入管10の他端は、図2(b)に示すように、第一接続板11に溶着固定されている。
第一接続板11は、図2(b)に示すように、複数の連通孔11aが形成された細管側接続板11bと、流入管10の開口に対向した通気孔11cが形成された流入管側接続板11dと、細管側接続板11bと流入管側接続板11dとに挟持されたパッキン材11eとを備えている。
そして、細管側接続板11bと流入管側接続板11dとパッキン材11eとは、ネジNによって固定されている。
また、連通孔11aは、流入管10側から細管12a〜12d側に向って放射状に延在されている(図2(b)参照)。さらに、図2(a)に示すように、連通孔11aの一方の開口は、流入管10の開口の内側に位置している。
なお、パッキン材11eには、通気孔11cとほぼ同じ内径の貫通孔11fが形成されており(図2(b)参照)、連通孔11aと通気孔11cとが連通するようになっている。
複数の細管12a〜12dは、例えばステンレスのような導電性を有する金属によって形成され、ここでは図2(a)に示すように、第一〜第四細管12a〜12dによって構成されている。また、この第一〜第四細管12a〜12dの内径は、流入管10及び流出管15の内径よりも十分に小さく(細く)なるように形成されている。
そして、この第一〜第四細管12a〜12dは、一端がそれぞれ第一接続板11の連通孔11aに接続されており、この第一接続板11を介して流入管10と連通している。
さらに、第一〜第四細管12a〜12dは、支持管13の端部に形成された複数の切欠部13aにそれぞれ嵌合されると共に、互いに重ならず且つ互いに密着した状態で、順に支持管13の表面に巻きつけられている。これにより、第一〜第四細管12a〜12dは、並んだ状態でらせん状に巻かれることとなる。
また、この第一〜第四細管12a〜12dの他端は、図3(b)に示すように、第二接続板14の後述する連通孔14aにそれぞれ接続されている。
支持管13は、細管12a〜12dの形状を保持するためのものである。そして、この支持管13の径及び長さは、細管による加熱特性が十分に得られるように、この細管12a〜12dの長さ及び巻き径を確保できるようなものとなっている。
また、この支持管13の両端部には、長手方向に延びる切欠部13aがそれぞれ複数、ここでは第一〜第四細管12a〜12dに対応して四箇所ずつ形成されている。この複数の切欠部13aは、互いに対向する位置に形成されており、第一〜第四細管12a〜12dを各切欠部13aに嵌合させることによって、支持管13を細管12a〜12dで挟持した状態となる。
第二接続板14は、図3(b)に示すように、複数の連通孔14aが形成されており、各連通孔14aは流出管15の開口に対向している。なお、この連通孔14aは、細管12a〜12d側から流出管10側に向って収束するように延在されている。
流出管15は、一端が第二接続板14に溶着固定されると共に、図示しない他端が開放しており、複数の細管12a〜12dを通過する際に加熱されて発生した過熱水蒸気を出力するものである。
固定金具16は、支持管13の一方の端部の内側と第一接続板11、支持管13の他方の端部の内側と第二接続板14とにそれぞれ溶着固定されて、支持管13を保持している。
この固定金具16は、支持管13の内側に固定されるフランジ部16aと、第一、第二接続板11、14にそれぞれ固定される脚部16bとを備えている。
脚部16bは、図3(a)に示すように、第一〜第四細管12a〜12dのほぼ中央に位置している。なお、ここでは、流入管10側の脚部16bを図示していないが、図3(a)に示す流出管15側と同様の構成となっている。
誘導コイル20は、コイル状に形成された導電体であり、図示しない高周波電流発生装置に接続されている。なお、この構造については周知であるので、ここでは説明を省略する。
また、断熱材21は、筒状に形成された難燃性の不織布等によって構成されており、第一接続板11と第二接続板14との間に設けられている。なお、ここでは、一方の開口の内側に第一接続板11が嵌合され、他方の開口の外側に第二接続板14の細管側接続板14cが密着している。
次に、この過熱水蒸気発生装置1の作用について説明する。
この過熱水蒸気発生装置1によって過熱水蒸気を発生させるには、まず、図示しない被加熱水分供給装置から水分として冷水または飽和水蒸気を供給する。
ここで、冷水とは常温に保温された水であり、飽和水蒸気とは100℃程度に加熱された空気中に含まれる水蒸気である。なお、供給される飽和水蒸気が含まれる空気の温度は100℃に限らず、例えば100℃以上であっても、目標加熱温度より十分に低い温度であればよい。
この冷水または飽和水蒸気(以下、水分という)は、流入管10から第一接続板11の連通孔11aを介して複数の細管12a〜12dにほぼ等分に分散しながら流入する。
このとき、図示しない高周波電流発生装置によって発生させた交流の高周波電流を誘導コイル20に通電させる。これにより、誘導コイル20の内側に交番磁束が生じ、この交番磁束が被加熱部Hであるらせん状に巻いた複数の細管12a〜12dに渦電流(誘導電流)を発生させる。そして、この渦電流によって被加熱部H中にジュール熱が発生し、被加熱部Hが加熱される。
このように加熱された被加熱部Hである複数の細管12a〜12dの内部を水分が通過するので、この水分が細管12a〜12dを通過する間に十分に加熱されて高温、ここでは300℃程度以上の過熱水蒸気となる。そして、この過熱水蒸気は、複数の細管12a〜12dから第二接続板14を介して流出管15に流出し、出力される。
なお、第一接続板11は、細管側接続板11bと流入管側接続板11dとの間にパッキン材11eが挟持された構成となっているので、流入管10から流入する水分を外部に漏らすことなく複数の細管12a〜12d内に流入させることができる。
そして、この過熱水蒸気発生装置1では、複数の細管12a〜12dの内径を流入管10及び流出管15の内径よりも十分に小さくなるように形成すると共に、複数の細管12a〜12dを並べてらせん状に巻いている。
そのため、流入管10や流出管15と同程度の内径の管をらせん状に巻いた場合と比較すると、被加熱部Hを形成する細管12a〜12dの管路長を大幅に延長することが可能となる。
また、被加熱部Hの管路長を比較的長く形成することによって、誘導コイル20による加熱時間を大幅に延長することができる。そして、この細管12a〜12dの内部を通過する水分を十分に加熱することが可能となる。
そのため、細管12a〜12dの内部に流入する水分が比較的低温の水分であっても、一気に加熱して高温の過熱水蒸気を容易に得ることが可能となる。
また、ここでは、支持管13の外径が流入管10及び流出管15の外径よりも大きくなるように形成されているので、細管12a〜12dの管路長をさらに延長することが可能となり、この細管12a〜12dの内部を通過する水分をさらに十分に加熱することができる。
以上説明したように、この発明の過熱水蒸気発生装置1では、水分を供給する図示しない被加熱水分供給装置に一端が接続された複数の水分加熱用細管12a〜12dを備え、この複数の水分加熱用細管12a〜12dを並べてらせん状に巻いて被加熱部Hを形成すると共に、この被加熱部Hを誘導コイル20の内側に配置した。
これにより、誘導コイル20によって加熱される被加熱部Hの管路長を比較的長く形成することが可能となる。
そのため、この水分加熱用細管12a〜12dの内部を通過する水分を加熱する加熱時間を延長することができ、この水分加熱用細管12a〜12dの内部を流れる水分を十分に加熱することが可能となる。
これにより、低温の水分を一気に高温の過熱水蒸気に変化させることができ、容易に高温の過熱水蒸気を得ることができる。
また、低温の水分から一気に高温の過熱水蒸気を得ることができるので、被加熱部を複数設けたり、水分をあらかじめ加熱したりする必要がなくなって構造を簡略化することができると共に、熱効率の低下を防止することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る被過熱水蒸気発生装置を示す一部破断側面図である。 (a)は、図1におけるA−A線に沿った断面図であり、(b)は図2(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 (a)は、図1におけるC−C線に沿った断面図であり、(b)は図3(a)におけるD−D線に沿った断面図である。
符号の説明
10 過熱水蒸気発生装置
12a〜12d 水分加熱用細管
20 誘導コイル
H 被加熱部

Claims (1)

  1. 水分を供給する被加熱水分供給装置に一端が接続された複数の水分加熱用細管を備え、この複数の水分加熱用細管を並べてらせん状に巻いて被加熱部を形成すると共に、この被加熱部を誘導コイルの内側に配置したことを特徴とする過熱水蒸気発生装置。

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