JP2006067999A - 噴霧水耕栽培法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 培養土を支持材とし、従来の農薬や化学肥料を用いない先願発明の噴霧水耕栽培法(噴霧耕)の問題点を解決し更に発展させた画期的な噴霧耕の提供。
【解決手段】 (1)植物の根に直接ミスト状の液肥を供給する噴霧水耕栽培法において、植物の根が下方に向かって自由に伸張可能な底面を有する栽培培地容器を架台上に設置した栽培ベッドを使用し、この栽培培地容器に、培養土を含有する無菌化処理を施した栽培培地を敷き詰めて幼樹を育成すると共に、架台の下方の空間の開放面を遮光可能な素材で覆ってミスト噴霧室とし、該ミスト噴霧室の上方から下方に向って液滴の大きさが50μm以下の液肥ミストを噴霧することを特徴とする噴霧水耕栽培法。
(2)網目状底部を有する栽培培地容器の底に不織布を敷き、その上に栽培培地を敷き詰めることを特徴とする(1)記載の噴霧水耕栽培法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、植物の根に直接ミスト状の液肥を供給する噴霧水耕栽培法(噴霧耕)の改良に関し、特に従来の農薬や化学肥料を用いない噴霧水耕栽培法に関する。
現在の農業は、長年に亘る農薬や化学肥料の使用により土壌の活力が失われたため植物の生命力が低下し、益々多くの農薬や化学肥料を必要とするという悪循環に陥っている。昭和20年代と最近との作物の栄養価を比較したところ、産地により差はあるが、総じて1/2〜1/10程度に低下しているという驚くべきデータも報告されている。更に農薬は、環境汚染、農業従事者への直接的薬害、残留農薬を含む作物を食べたことによる免疫力低下などを引き起すため、癌やアレルギー疾患などの原因の一つとなっている可能性も否定できない。従って、一日も早い無農薬、脱化学肥料農業の普及が望まれる。
土壌の劣化に対応可能な植物栽培方法として水耕栽培が知られている(例えば特許文献1〜2など)。水耕栽培は養液栽培とも言い、土壌を使わずに作物を栽培するので「無土壌栽培法」とも呼ばれており、21世紀の植物栽培法の一つとして土耕栽培とは違った分野で脚光を浴びている。今日、作物生産においては従事する人口の減少や高齢化が問題となっており、施設園芸においては塩類集積障害による土壌劣化が深刻なため、その対策として水耕栽培が研究されている。また、企業的な植物増産分野、特にバイオテクノロジーの面でも水耕栽培が注目されている。更に、作物の品質(栄養価の高いものを望む)についても、水耕栽培では高品質、高栄養的栽培を容易に実施できることが判り、益々重要視されつつある。見方によっては水耕栽培は既に普及段階に入っているとも言える。
現在、知られている水耕栽培の種類を示すと図5のようになる。
水耕栽培では土壌の代りに様々な担持体を利用し植物を支持している。それぞれに一長一短があり作物の特性に合わせて選択する必要がある。また、水耕栽培には常に根の呼吸障害が伴うため、様々な工夫がなされているが、根が溶液中に在る限り完全には解決できない。そこで近年、噴霧水耕栽培法(噴霧耕)という方式が注目され研究が進められている(例えば、図8及び特許文献3参照)。噴霧耕は、養液(液肥)を噴霧ポンプでミスト状にして根に吹き付ける方式であり、根が溶液中に浸らず空中に支えられているので呼吸障害を回避することができる。
現在実際に生産圃場で採用されている噴霧耕では、ポリウレタンに定植された苗を穴あきパネルに差し込み、パネルを斜めに固定して下部から液肥ミストを噴霧しており、レタスの栽培を行っている。人工光源を用い完全な温度管理と二酸化炭素の付加施用で短期促成を目指す植物工場で採用され、また農業試験所又は農学部や専門学校で様々な研究が盛んに行われているが、栽培培地に土壌は用いられていない。水耕栽培とは無土壌栽培であるという認識が研究者の間でも一般化しているため土壌を用いないと思われる。しかし、植物は土に根を張り貴重なミネラルを土から取り込むことが基本である。土壌は液肥と異なり様々な緩衝能を有し植物が生育する上で好ましい環境と言える。従って土壌を栽培培地に用いると同時に、一定の厚さの土壌を通り抜けて成長した根には、液肥により生育ステージに合致した濃度の養分を供給することが出来れば、植物が健常に育ち、また促成効果や作物の高栄養化も可能となる。
本出願人は、既にこの考え方に基づく発明を出願している(特許文献4参照、以下、先願発明という)。しかし、その後の検討により、先願発明には幾つかの改善すべき点があることが分った。
特許文献5にはエアロゾル化して噴霧する養液の粒径を100μm以下にすることが記載されている。また〔0041〕には、「エアロゾルの粒径はエアロゾルの移動距離によってコントロールし、一般的には長さ20mから50mの移送距離となると40μm以下のものが要求される。そして植物の葉の裏側に当たるころにはエアロゾルが気化して約10μm前後の大きさとなる。」という記載がある。しかし、この発明は根を空中に自由に伸ばさせて栽培する本発明の噴霧耕とは態様が異なる。また液肥ミストの液滴の大きさと植物の生長促進との関係については記載も示唆もされておらず、本発明のように根に噴霧する液肥ミストの大きさを50μm以下とした場合の顕著な効果についても全く開示がない。
また、植物の栽培にキチン・キトサンやゼオライトを用いることは特許文献6〜7に、養液栽培において無機養液と有機養液の供給を別々に行なうことは特許文献8に、植物の生長促進補助材としてAgイオン水を用いることは特許文献9に、養液リサイクル型栽培システムにおいてディスクフィルターを用いることは特許文献10に、それぞれ記載されているが、本発明のような噴霧耕に応用することついては全く記載がない。また、ミスト栽培において根部水切り受網体を用いることは特許文献11に記載されている。
特開平11−46577号公報 特開平9−275831号公報 特開平7−213180号公報 特開2003−274774号公報 特開平6−46696号公報 特開平1−108921号公報 特開2001−103857公報 特開2004−33151公報 特開昭63−60905号公報 特開2001−112363公報 実開昭50−131244号公報
本発明は、培養土を支持材とする噴霧水耕栽培法(噴霧耕)の問題点を解決し更に発展させた画期的な噴霧耕の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜7)の発明によって解決される。
1) 植物の根に直接ミスト状の液肥を供給する噴霧水耕栽培法において、植物の根が下方に向かって自由に伸張可能な底面を有する栽培培地容器を架台上に設置した栽培ベッドを使用し、この栽培培地容器に、培養土を含有する無菌化処理を施した栽培培地を敷き詰めて幼樹を育成すると共に、架台の下方の空間の開放面を遮光可能な素材で覆ってミスト噴霧室とし、該ミスト噴霧室の上方から下方に向って液滴の大きさが50μm以下の液肥ミストを間歇的に(連続的でなく休止時間を設けて)噴霧することを特徴とする噴霧水耕栽培法。
2) 網目状底部を有する栽培培地容器の底に不織布を敷き、その上に栽培培地を敷き詰めることを特徴とする1)記載の噴霧水耕栽培法。
3) 栽培培地が、少なくとも腐植(完熟堆肥)とキチン・キトサンとゼオライトを含有することを特徴とする1)又は2)の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
4) 液肥として、別々に用意した有機液肥とCa複合液肥を混合したアミノ酸入り総合液肥を用いることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
5) 栽培培地よりも下方に根が伸びた段階から、抗菌用の金属イオンを含むアミノ酸入り総合液肥を根に噴霧することを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
6) 金属イオンとして銀イオンを選択し、銀電極と白金電極を備えた水の電気分解装置を銀イオン発生器として用い、液肥に銀イオンを供給することを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
7) 架台底部に液肥回収用の受け皿を設けると共に液肥循環経路にディスクフィルターを装備した沈殿槽を設けて液肥を循環利用し、受け皿の上方に、伸張した根が受け皿まで降りないようにするためのネット棚を設けることを特徴とする1)〜6)の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
先願発明は従来技術より遥かに優れているものの、改善すべき点が多々あることが判り、これらの点の解決を図ったのが本発明である。以下、改善点について順に説明する。
<液肥ミストの均一噴霧>
研究により液肥ミストの液滴の大きさが植物の生育に顕著な影響を与えることが分った。即ち、図6として液滴の大きさが変ると根の状態が変ることを説明するためのイメージ図を示すが、液滴が大きいと根が水に浸された状態に近くなり常に濡れた状態になるため根の伸張が遅くなると共に、図6(a)のように、側根に付着した液肥の重さで側根が垂れ下がり水平方向への生育が妨げられるため、ミスト噴霧室内の根の密度が低くなってしまう。また、伸張した根が壁となり、噴霧ノズルから離れた株の根に液肥ミストが十分に供給されず生育障害を起こすことがある。
これに対し、液滴が小さくなり、特に50μm以下の霧状になると、図6(b)のように水平方向への枝分かれが多くなり、枝分かれしたそれぞれの側根から産毛のような毛根が多数発生するので、根が濡れた状態にならないで済むと共に根の伸張も早くなる。また液滴が小さければ、短時間でミスト噴霧室内に充満し、狭い隙間にも侵入するので、ノズルから離れた株の根にも十分に液肥が供給されることになる。
表1に液滴の大きさが根及び葉の生育状態に及ぼす影響に関する比較データを示すが、液滴が小さくなるに従い、根の重量及び葉の枚数が顕著に増えることが分る。なお、このデータは、後述する実施例と同じ栽培条件において液肥ミストの液滴の大きさだけを変え、培地から根が出始めたときから10日間の大葉の状態変化を調べたものであり、表の数値は10株の平均値である。
表1の結果から、液滴はより小さい方が好ましいと推測される。そこで、35μmの場合についても検討したが、35μmにしようとすると、ノズル口径が小さくなるため直ぐにノズル噴出口の目詰まりが発生しメンテナンスが大変になること、給水ポンプの圧力を高くする必要があるため消費電力が増大し栽培コストが高くなること、配管内の圧力が高くなるため樹脂配管が使えず設備コストが高くなることなどから、現状では実用的でないことが分った。但し、植物の生育の観点からは液滴が小さくなっても問題ないと考えられる。
<液肥ミストの噴霧方向の改善>
従来は液肥の吸収を容易にするため液肥ミストを根の先端部に向けて噴霧する方式が基本とされていた。その典型例を図7に示す。図中のステンレスネットは伸張した根が噴霧(ミスト)ノズルを覆ってしまわないようにするためのネット棚であり、噴霧ノズルは根の先端部よりも下方に設置されている。しかし、この方式では、根が密生する前の隙間がある状態のときには液肥ミストが栽培培地容器の底面に直接当るため、噴霧ノズルの真上の培地が過湿状態となるし、根が密生して密度が高くなったときには、垂れ下がる根に阻まれてミスト噴霧室全体に液肥ミストが充満するのに多くの時間がかかり、その結果、ノズルに近い根はずぶ濡れ状態となり、逆にノズルから離れた根には十分に液肥ミストが行き渡らないという問題があることが分った。
そこで、本発明では、噴霧ノズルを栽培培地容器の底面に近い位置に設けることにした(例えば図2参照)。このようなノズル配置にして液肥ミストを下方に向けて噴霧しても、液滴の大きさが50μm以下であれば短時間でミスト噴霧室全体に液肥ミストが充満し、上記従来技術の問題点を克服できる。しかも液滴の根への衝突が穏やかになり、特に空中に繁茂する多数の毛根に対してストレスを与えることなく養分の供給ができるという利点がある。液肥ミストが霧状に撒き上がり易くするため、噴霧ノズルは出来るだけ栽培培地容器の底面に近い位置に設置する。底面から離れるほど霧状に撒き上がらないで液化してしまうため好ましくない。
表2に液滴の大きさと液肥ミストがミスト噴霧室に充満する時間の比較データを示す。表2のデータは、後述する実施例と同じ栽培条件において、根が十分に伸びて垂れ下がった状態で、液肥ミストの液滴の大きさだけを変えて測定したものである。表から、100μmでは充満するのに55秒もかかっていたのが、50μmでは10秒という短時間で充満することが分る。
<ミスト噴霧室の遮光>
図8に示したような従来の噴霧耕ではミスト室の遮光は全く考慮されていない。しかし本発明者が検討した結果、ミスト噴霧室の遮蔽用シートを遮光性にして光が入らないようにすると、根が褐色にならず真っ白となり伸張も旺盛で活力ある根となることが分った。従来法では根が褐変して活力が落ち、根の伸張速度が遅くなり、茎葉の成長も鈍くなってしまう。光が少しでも入ると褐変するため出来るだけ完全に遮光することが望ましい。
また、遮光によりミスト噴霧室の藻類の発生を防止できることが分った。藻類が発生すると、ディスクフィルターの目詰まりが早くなり、メンテナンスに多大の労力と時間がかかるため、藻類の発生を防止できる実用上のメリットは大きい。
<液肥ミストの間歇噴霧>
液肥ミストの噴霧を連続的に行なわず、適当な休止時間を設けることにより、毛根や葉の生育に明らかな差を生じることが分った。
表3に比較データを示すが、後述する実施例と同じ栽培条件において液肥ミストの噴霧時間と休止時間だけを変え、培地から根が出始めたときから10日間の大葉の状態変化を調べたものであり、表の数値は10株の平均値である。なお、表3において「連続」とは、休止なしで連続して噴霧することを意味し、例えば2段目の「噴霧時間1分、休止時間5分」とは、1分の噴霧と5分の休止を繰り返すことを意味する。
表3の結果から、休止時間を設けることにより、生長促進の程度にバラツキはあるものの、連続噴霧に比べて顕著に成長が促進されることが分る。また、噴霧時間は3分よりも1分の方がよく、停止時間は5分よりも10分の方がよい。これらの結果を勘案すると、休止時間に根が乾燥することにより、液肥の吸収能力を高めるため毛根の発生が活発になり、植物の成長が促進されると考えられる。即ち、噴霧時間と停止時間は、必要な液肥の供給量及び根の乾燥に必要な時間を考慮して決定すればよいことになる。
なお、液肥ミストを間歇的に噴霧した従来例はあるが、その目的は、噴霧用のポンプを連続運転すると故障するため、止むを得ずポンプを止めていたものであり、植物の成長の観点から噴霧時間と停止時間を制御する本発明とは全く異なる。
<栽培培地の流出防止>
灌水や液肥の水分により栽培培地容器の底部の網目から栽培培地が流れ出し、循環する液肥に混入して噴霧ノズルが閉塞されるのを防止するため、容器の底部に工夫を施すことが望ましい。具体的手段として底部にネットを張ることを検討したが、その後、不織布を敷く方が更に好ましいことが分った。不織布は目開きの融通性が高いので、根が成長して太くなっても自在に対応可能であり、目合いを変えることができないネットよりも優れている。また、ネットに比べて培地の流出度合いも大幅に低下するので、液肥の濾過部(ディスクフィルター)のメンテナンス回数も少なくできる(表4参照)。更に、不織布の適度な吸水性により培地の底面から液肥が浸透し培地内の環境が良くなるし、ミスト噴霧室の乾燥を防ぐことができるので、噴霧間隔の調節が容易になるという利点もある。
不織布としては、耐水性が高く目開きが適当で且つ根の成長に合わせて容易に隙間が広がる特性を有するものが好ましい。目開き0.5〜1mm程度、厚さ5〜10mm程度のものが好ましく用いられる。具体例としては、ポリエステル繊維からなる住友スリーエム社製のコレトンが挙げられる。
ネットとしては防虫ネットなどを利用すればよいが、環境に配慮して、トウモロコシのデンプンから得られる乳酸を利用して作られる生分解性「ポリ乳酸繊維」(例えば、鐘紡製:ラクトロン、ユニチカ製:テラマック、クラレ製:プラスターチ)で作製されたものを用いることが好ましい。ネットの目合いは培地に合わせて適宜選択すればよいが、通常は0.8〜1.0mm程度とする。
養液循環経路には沈殿槽(流速5m/分)を設け、併せて精度の高い濾過器であるディスクフィルター(25μm)も装備し、養液貯槽にシルトが戻らないような対策を講じることが望ましい。ディスクフィルターを用いるとノズルの目詰まりを顕著に減少させることができるからである。その際に不織布とネットで大きな差が生じる。
表4に、不織布(住友スリーエム社製のコレトン:厚さ7mmのCW−15型)を敷いた場合と、目合い1mmの生分解性「ポリ乳酸繊維」(鐘紡製:ラクトロン)ネットを張った場合の比較結果を示すが、不織布ではメンテナンス回数(ディスクフィルターの交換回数)を約半分にすることができる。
<アミノ酸入り総合液肥の開発>
魚屑を原料として作られるアミノ酸液肥は色々な種類のものが発売されているが、総合肥料(N・P・K・Ca・Mg・他微量要素)にアミノ酸を配合した液肥(アミノ酸入り総合液肥)は無い。何故ならば、有機物とCaを一緒にすると結合し析出してしまうからである。その結果、化学肥料のみを用いることになり、作物本来の味や香りが出ないため水耕栽培の作物は何となく呆けた味で風味が無く偽物感の高いものとなっている。しかし味や香りの問題を解決するため液肥にアミノ酸を添加すると、濃厚原液では微生物汚染は生じないが、施用濃度に希釈すると直ちに微生物に汚染される。従って、抗菌システムを組み込んでいない養液システムでは、液肥にアミノ酸を添加することは出来ず葉面散布に止まっているのが現状であり、液肥メーカーもアミノ酸入り総合液肥は作っていない。
そこで、アミノ酸入り総合液肥について検討した結果、純良な材料から作物別の適合液肥を得ることができるようになった。その作成方法の手順の一例を、次の(イ)〜(ヘ)に示す。但し、この作成方法に限られる訳ではなく、原料や作成手順を適宜変更して種々の液肥を作ることができる。
(イ)有機資材には鰹の可食部をボイルするときの煮汁を濃縮し魚油を分離したものを用
いる。(内蔵を含まないため重金属などが混入する恐れがない)
(ロ)タンパク質分解酵素で処理してアミノ酸に分解した後、熱処理して酵素を失活させ
る。(酵素分解を採用したことにより常に安定した分子量のアミノ酸を確保でき
る)
(ハ)高圧フィルタープレスにより高精度で夾雑物を濾過除去する。(夾雑物が無くなる
のでノズル閉塞の心配は解消し、粘性要因も同時に除去される)
(ニ)反応釜で硝酸態窒素、水溶性リン酸、カリの他、必要な微量要素を加えて有機液肥
を得る。
(ホ)Ca液肥は、析出を避けるため有機液肥とは別に作成し、硝酸態窒素や配合可能な
Mg、Mn、B、Cu、Znなどを適量混合してCa複合液肥とする。
(ヘ)干渉や析出を起さないように、有機液肥:Ca複合液肥=2:1程度の割合で混合
希釈する。
開発した液肥の一つについて、肥料取締法第7条の規定に基づき農林大臣に登録を行い平成16年6月25日に登録された。その仕様は次の通りである。
<有機液肥>
肥料の名称 CSしそアミノ 登録番号 生 第 85146号
肥料の内容 液状複合肥料
肥料の保証成分 (%) 窒素全量 2.0
内硝酸性窒素 1.0
水溶性りん酸 1.5
水溶性加里 7.0
使用されている効果発現促進材として (%)
エチレンジアミン四酢酸鉄(鉄として) 0.001
モリブデン酸ナトリウム(モリブデンとして) 0.0008
<Ca複合液肥>
肥料の名称 CSミスト1号 登録番号 生 第 85147号
肥料の内容 液状複合肥料
肥料の保証成分 (%) 硝酸性窒素 7.5
水溶性加理 1.0
水溶性苦土 3.2
水溶性マンガン 0.07
水溶性ほう素 0.07
使用されている効果発現促進材として (%)
硝酸石灰(カルシウムとして) 8.18
エチレンジアミン四酢酸銅(銅として) 0.001
エチレンジアミン四酢酸亜鉛(亜鉛として) 0.001
<栽培培地の改良>
先願発明では栽培培地として無菌化処理を施した培養土を用いていたが、この培養土のみでは透水性、保水性、塩基置換容量などの要求を十分に満たさなことがあるため改良を加えた。即ち、栽培培地として、通常の土耕栽培に用いる土に対し、腐植(完熟堆肥)に生育活性を補完するキチン・キトサンや塩基置換容量を高めるゼオライトなどを配合して無菌化処理を施したものを用いると、保水性や透水性(通気性)が大幅に改善され、穏やかな肥効も備わり、特に生育初期の作物の栽培培地として理想的であり、幼樹の生育が一層力強くなる。腐植(完熟堆肥)とキチン・キトサンとゼオライトの配合比(容量比)は、50〜60%:100倍水溶液で5〜6%:10〜15%程度が好ましい。これに土を加えて全体で100%とする。なお、栽培培地の無菌化処理は、90〜100℃程度の高温水蒸気を用いて無菌化する方法などにより行えばよい。また、栽培培地は1作毎に加熱消毒して無菌化し、完全リサイクルを行うことが好ましい。
<伸張した根の受け皿上への堆積防止>
根が伸張して液肥回収用の受け皿(例えば、ドレーンパン)上に堆積し、循環する液肥を堰き止めてしまうため、根が液肥に浸り根の呼吸が不完全になることがある。そこで、受け皿の上方(通常100mm程度上の位置)にネット棚を設けて、根が受け皿まで降りないようにすることが好ましい。このネットには耐水性の高い樹脂(例えばビニール製)を用い、網目の目合いは通常0.8〜1.0mm程度とする。
<ミスト噴霧室の覆いを開閉自在とする>
根の成長が良くて伸びすぎた場合に根を切る必要が生じることがある。そこで、ミスト噴霧室を覆っている遮蔽用シートなどの覆いを開閉自在とすることが好ましい。手段は特に限定されないが、例えば、ミカド化工社製の銀・黒ダブルマルチシートの上部を、東都興業社製のビニペットで架台上部に固定し、マルチシートの下部を架台に固定せず垂れ下げるようにすれば、養液ミストを完全に遮蔽でき、且つミスト噴霧室内のメンテナンスが必要な時は垂れ下げてあるシートを捲り上げれば容易に点検作業が行える。
<栽培ベッドを可動自在とする>
通常、ハウスの中に栽培ベッドを複数並列に並べて栽培するが、例えば大葉の場合、収穫は人が手で摘むことにより行なう。その時、収穫対象となっていない隣の栽培ベッドの大葉に触れると大葉が損傷することがある。そこで栽培ベッドの下端にキャスターを付けるなどして可動式にし、隣の栽培ベッドとの間を広げられるようにすることが好ましい。
<抗菌方式の工夫>
近年、水耕栽培では、促成栽培を目指し液肥濃度を高める傾向があり、結果として作物中の食品としては有害な硝酸態窒素の蓄積量が高まりつつある。有機肥料を中心とした土耕栽培ではその様なことは無く、水耕栽培でも有機肥料を用いることができればよいのであるが、有機肥料を液肥に混入して使用すると微生物が侵入し有機成分を資化(食べる)するため、次の(1)〜(3)のような障害が発生する。そのため、有機肥料は葉面散布でしか施用できていないのが実情である。
(1)折角の有機肥料成分が作物に吸収されず無駄になる。
(2)微生物が繁殖するとスライムを形成したり、根に取り憑いて呼吸障害を起こす。
(3)噴霧耕の場合は、液肥をポンプで加圧してノズルからミスト噴霧するが、繁殖した
微生物がノズルや液肥循環経路のフィルターを閉塞し循環不良が発生する。
これらの障害に対処するには、液肥の抗菌対策が重要となるが、在来の養液抗菌システムは、紫外線殺菌方式、オゾン殺菌方式、加熱殺菌方式などであって、コストが高く大容量の処理には不向きであり、試験採用の例はあるが本格採用はされていない。
一方、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンが高い殺菌効果を有することは古くから知られており、例えば中世ヨーロッパの王侯貴族は、食物の腐敗を防ぎ毒殺から身を守るために銀製の食器を愛用していたし、ボルドー液に代表されるように、銅化合物は殺虫剤や防腐剤として広く用いられてきた。そこで、コストが安く食品の安全性も確保できる抗菌システムとして、銀イオンの利用を検討した。
まず、水に溶解する逆性ガラス(珪酸ソーダガラス)に銀イオンを結合させ、その徐放性を利用して水中に常に一定量の銀イオンを放出させることにより抗菌効果を得る方法について微生物の抑制試験を行った。10リットルの液肥に対し20グラムの割合で銀イオン含有逆性ガラスを浸積させ、24時間後に銀イオン濃度を測定ところ、70ppbであった。その液肥に、無処理の液肥に発生している水カビを接種して増殖を待ったが、全く増殖は起きず接種した水カビは消滅した。この試験を温度を変えて何度も行ったが、70ppb以上の銀イオン濃度であれば確実に微生物の繁殖を抑えられることが確認できた。
しかし、このやり方では銀イオンが約3ヶ月で全部放出されてしまうため、3ヶ月毎に補充する必要がある。そこで、銀を電極とする水の電気分解装置を開発し、銀電極を2年に一度交換すればよい銀イオン発生器として用いるシステムを考案した。即ち、銀電極と白金電極を備えた電気分解装置を、10〜25Vの範囲で可変可能な直流電源に接続し、該電極を養液槽内に設置した状態で液肥を曝気して攪拌すれば、発生した銀イオンが液肥内に拡散し抗菌効果を発揮するというシステムである。銀イオン濃度は70〜100ppb範囲とし、イオンセンサーで濃度を検知して、電気分解装置の印加電圧を制御することにより常に適正なイオン濃度を保持できる。
この抗菌システムを採用すれば、液肥の微生物汚染は完全に阻止され、アミノ酸入り総合液肥を用いても全く問題はないし、メンテナンスの手間も少なくできる。
上記システムにおいて、銀イオンを他の金属イオンに変えることは可能であるが、安全性などの点で、銀イオンが最も好ましい。なお、その後に銀イオンが農薬登録されたため、完全無農薬という条件では銀イオンを使うことができなくなった。しかし、危険性のない物質であるから、非常に有力な抗菌手段であることに変りはない。
<採算性の改善>
噴霧耕は初期投資が従来の水耕施設に比べて数倍も高いため、栽培に適した方式であるにも拘わらず、一般農家ではなかなか採用されない。従って、施設メーカーも積極的には展開していない。そこで、初期投資が高くても十分に採算が取れる噴霧耕の方式について検討した結果、育成に適した配合の土壌を用いた栽培培地で健常な幼樹を育成すると共に、根が出た段階から、アミノ酸入り総合液肥を用いて十分な養分を根に供給することにより、通常の土耕を大幅に上回る出葉率と生育度を実現でき、かつ樹が老化せず1年以上経過した更新の時まで毎日の収量が下がらない非常に生産性の高い栽培システムを開発した。
更に、本発明の実施に際しては、通常の場合、高設栽培ベッドを用いるが、栽培培地容器を約80cmの高さ(容器の操作性の良い高さ)に支える架台の作製に、農業用の亜鉛メッキ鋼管(径25mm)を利用し、架台の下部にベースプレートを設置して不整地に対応できるようにし、栽培ベッドは鋼管を接続金具により現場で組み立てる極めて簡易な構成とし、ミスト室の遮蔽も農業用PO(ポリオレフィン)を用いてビニペットで固定するようにすれば、一層簡素でローコストな省力型施設とすることができる。
ここで、図1、図2により本発明の噴霧水耕栽培を実施するための施設の概要を簡単に説明するが、本発明の実施の態様はこれに限られる訳ではない。
図1は、栽培施設の一例の概要を示す鳥瞰図であって、農業用の亜鉛メッキ鋼管などで作製した架台上に栽培培地容器を載せた栽培ベッドが設置され、栽培ベッドの上部には栽培培地に液肥を滴下するための設備が設けられ、栽培ベッドの上空には害虫やカビ病の忌避剤散布及び真夏の細霧冷房などのためのミストシャワー設備が設けられ、栽培ベッドの下部空間には植物の根に液肥ミストを噴霧するための設備が設けられ、架台底部にはミスト噴霧した液肥の余りを循環利用するための設備が設けられている。なお、実際の栽培は、通常の場合、農業用ハウス内に図1の栽培施設を多数配列して行うことになる。
図2は、架台と栽培培地コンテナーからなる栽培ベッドの一例の設計図であって、図中の寸法の単位はmmである。この図では、架台底部に余剰液肥を回収し循環利用するためのドレーンパンを有し、該ドレーンパンの上部に伸張した植物の根がドレーンパンまで降りないようにするためのネット棚を有する。また、架台の下部には不整地に対応するためのベースプレートを有する。
栽培培地容器の形状、構造、材質は、植物の根が底面を通り抜けて下方に向って自由に伸張できさえすれば特に限定されず、公知の底面が網目状になったものなどを用いればよい。但し、栽培培地を敷き詰めるので、容器から栽培培地がこぼれないように、端部に適当な高さの側壁を有するものが好ましい。また、前述したように、容器の網目状底部に不織布などを敷き、栽培培地の流出を防止することが望ましい(図3参照)。容器内に敷き詰める培地の深さは通常4〜6cmとする。浅すぎると支持材としての機能を発揮することができないし水耕栽培と土耕栽培を組み合わせるメリットがなくなるので好ましくなく、深すぎると水耕栽培の利点が失われるので好ましくない。しかし、植物の種類や栽培培地の性質によっても変化するので上記の範囲に限定されるわけではない。架台は、高さ70〜80cm程度、幅80〜100cm程度とするが、作業環境などによって適宜変更可能である。長さはハウスの大きさ、並べる数や配置などよって変わるので任意である。栽培ベッドの下部空間には養液(液肥)のミスト噴霧装置(例えばミストノズルを一定間隔で有する塩ビ製パイプ)を設ける。栽培ベッドの両側面は遮光性のビニールシートなどで覆い下部空間を簡易なミスト噴霧室とする。
前記害虫やカビ病の忌避剤には植物由来のもの(クララ製剤など)を用いることが好ましい。また、抗菌、消臭、植物活性化などのため植物からの抽出液(例えば、本出願人の出願に係る特開2003−691号公報参照)を散布してもよい。更に、農業用ハウスや栽培施設には、防虫対策として防虫ネットを設けてもよい。
本発明は、噴霧耕が可能な植物であれば全て適用可能であるが、代表的なものとして、大葉シソ、トマト、ミツバ、レタス、イチゴ、メロン、ホウレン草などが挙げられる。
無農薬栽培であるから安全な作物が得られるし、市販のものよりも遥かに日持ちがよく栄養価も高い。トマト、イチゴ、メロンなどは糖度が飛躍的に向上するなど極めて高品質の作物が得られる。特に大葉シソでは、アミノ酸入り総合液肥の効果により、硝酸態窒素の残留量を大幅に低減でき、シソの香気成分であるアリルアルデヒドの値も高くなるし、農薬を用いないことと相俟って、通常の大葉シソのサイズが6cm×8cm(Mサイズ)であるのに対し、本発明では10cm×12cm程度のものが容易に得られる。また通常はサイズが大きくなると葉が硬くなると共にアクが強くなり商品価値が落ちるが、本発明では大きくても小さくても同等の柔らかさと味を保持している。更に何れの植物も根が著しく成長するが、完全無農薬で栽培されていることや含有ミネラルなどが豊富なことから、食用も含めて多目的な利用が期待される。
本発明によれば、噴霧耕のメリットと土耕のメリットを併せ持ち、植物は大地にドッシリと根を下ろした樹のようになり、促成効果を有し、収穫期間が伸び、驚異的な収穫量を確保できる上に、栄養価が高く日持ちのよい高品質の作物を生産できるという画期的な栽培法を提供できる。また、従来の水耕栽培では使えなかったアミノ酸入り総合液肥を循環させることにより自由な肥培管理が可能となる。
農業用ハウス内に、図1〜図3に概要を示したような栽培施設を設置して大葉シソを栽培した。架台の下方の解放面(側面など)を遮光性のシート(ミカド化工社製の銀・黒ダブルマルチシート)で覆った。栽培培地容器の底には不織布(住友スリーエム社製のコレトン:厚さ7mmのCW−15型)を敷いた。栽培培地には、腐植(完熟堆肥):キチン・キトサン:ゼオライト=55%:100倍水溶液で5%:12%(容量比)の配合物に土を加えて100%としたものを、95℃の高温水蒸気で無菌化処理して用いた。播種から20日後に栽培ベッドに定植し、栽培培地よりも下方に根が伸びた段階から、アミノ酸入り総合液肥(前述した、有機液肥:Ca複合液肥=2:1の容量比で混合した液肥)を根に噴霧した。噴霧ノズルにはヤマホ社製の微量ノズルを用い、液肥ミストの液滴の大きさを50μmとした。液肥ミストの噴霧は、1分噴霧、10分休止の繰り返しとした。
栽培結果を、前述した本出願人の先願発明の栽培法及び従来の標準的な作型(図4参照)の場合と対比した。
なお、大葉シソは水耕栽培では良質な葉が収穫できないため、豊橋や大分で試験栽培されたことはあったが何れも継続されず、現在の施設加温栽培は全て土耕で行われており、かつ大量に農薬を散布しなければ収穫できないのが実情である。
まず収穫期間について比較すると、図4に示されているように、露地栽培では年間1作しか栽培できず収穫期間が短い。施設加温栽培では年間2作が標準であり、露地栽培よりも収穫期間が長くなるが、樹が老化し出葉率が低下するため1作毎に樹の更新を行う必要がある。これに対し、栽培培地を用いる噴霧水耕栽培法では、長期間に亘り樹の老化による出葉率の低下が生じないため、樹を更新することなく、先願発明では10ヶ月間、本発明では14ヶ月間、連続して収穫が可能である。
次に収穫量を比較すると、施設加温栽培では10a当り年間350万枚前後であるが、先願発明では2倍の年間700万枚、本発明では約3倍の年間1000万枚に達する驚異的な収穫が得られる。
先願発明と本発明との収穫量の違いをもう少し詳しく説明すると、先願発明では、定植から約1.5ヶ月で初期収穫が可能になって3日に1枚収穫でき、初期収穫から約1ヶ月で中期収穫が可能になって1日に1枚収穫でき、中期収穫から約1ヶ月で総量収穫が可能になって1日に2〜3枚収穫できるようになるのに対し、本発明では、同様の枚数の初期収穫が可能になるのに約1ヶ月、中期収穫が可能になるのに約半月、総量収穫が可能になるのに約半月であって大幅に収穫期を短縮できる。即ち、本発明の方が先願発明よりも、収穫の立ち上がりが早く、しかも長期間収穫可能である。
本発明に用いる栽培施設の一例の概要を示す鳥瞰図。 本発明に用いる架台と栽培培地容器からなる栽培ベッドの一例の設計図。(a)正面図、(b)部分側面図。 本発明に用いる栽培培地容器と培地流出防止ネットの一例を示す図。(A)網目状低部を有する栽培培地容器、(B)網目状底部に敷くネット、(C)栽培培地容器の底にネットを敷き詰めた状態。 従来の標準的な作型を示す図。 水耕栽培の分類を示す図。 液滴ミストの大きさと根の状態との関係を説明するイメージ図。(a)液滴が大きい場合、(b)液滴が小さい場合。 従来の噴霧水耕システムの典型例を示す図。 従来の噴霧水耕栽培法のイメージ図。

Claims (7)

  1. 植物の根に直接ミスト状の液肥を供給する噴霧水耕栽培法において、植物の根が下方に向かって自由に伸張可能な底面を有する栽培培地容器を架台上に設置した栽培ベッドを使用し、この栽培培地容器に、培養土を含有する無菌化処理を施した栽培培地を敷き詰めて幼樹を育成すると共に、架台の下方の空間の開放面を遮光可能な素材で覆ってミスト噴霧室とし、該ミスト噴霧室の上方から下方に向って液滴の大きさが50μm以下の液肥ミストを間歇的に(連続的でなく休止時間を設けて)噴霧することを特徴とする噴霧水耕栽培法。
  2. 網目状底部を有する栽培培地容器の底に不織布を敷き、その上に栽培培地を敷き詰めることを特徴とする請求項1記載の噴霧水耕栽培法。
  3. 栽培培地が、少なくとも腐植(完熟堆肥)とキチン・キトサンとゼオライトを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の噴霧水耕栽培法。
  4. 液肥として、別々に用意した有機液肥とCa複合液肥を混合したアミノ酸入り総合液肥を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
  5. 栽培培地よりも下方に根が伸びた段階から、抗菌用の金属イオンを含むアミノ酸入り総合液肥を根に噴霧することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
  6. 金属イオンとして銀イオンを選択し、銀電極と白金電極を備えた水の電気分解装置を銀イオン発生器として用い、液肥に銀イオンを供給することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
  7. 架台底部に液肥回収用の受け皿を設けると共に液肥循環経路にディスクフィルターを装備した沈殿槽を設けて液肥を循環利用し、受け皿の上方に、伸張した根が受け皿まで降りないようにするためのネット棚を設けることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の噴霧水耕栽培法。
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