JP2006066068A - 光記録方法及び光記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 相変化型記録媒体において、光ディスク160に記録されたライトストラテジ推奨値のパルス幅推奨値と、パワー比率の推奨値と、記録パワーの推奨値と、光記録装置の特性に基づいて、記録に用いるパワー比率と変調度の値を決定し、決定されたパワー比率と変調度の値に基づいて光ディスク160に対する記録を行う。
【選択図】 図13
Description
また、第2の目的は予め最適なストラテジ情報が判明していない光ディスクに対しても最適な記録が行えるようにした光記録方法及び光記録装置を得ることである。
しかも、事前に全ての光記録媒体について適切なライトストラテジを実験的に求めて記憶しておく必要がなく、労力やコストを節約することができ、また大容量のメモリを必要としないという効果がある。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
以下に説明する実施の形態における光記録方法は、マークエッジ記録(PWM記録)を行うものである。そして、光ディスク上に記録すべきデータに基づき、半導体レーザをマルチパルス発光させて、記録マークを形成することにより情報の記録をおこなっている。
即ち、以下の実施の形態で用いられるライトストラテジは、マルチパルス型のものであり、マーク期間中に1つ以上のパルスを有する。そして、このようなマルチパルス型のライトストラテジにおいて、以下に説明する実施の形態では、パルス幅を光記録装置の光ピックアップの光学系の特性に応じて変更することとしている。
さらにまた、以下に説明する実施の形態では、光ディスクへの情報の記録が、EFM+変調の3T〜11T及び14T(Tはチャネルクロック周期)のマークに対応したパターンの光パルスを光ディスクに照射することにより行われるものとする。
なお、最長マーク(長さ14Tのマーク)は、シンクパターンである。
上記のうち、半導体レーザ110と、コリメートレンズ130と、ビームスプリッタ140と、対物レンズ150、検出レンズ170とで光学系が構成され、この光学系と受光素子180とで光ピックアップが構成されている。
受光素子180は光信号を電気信号に変換する。受光素子180において変換された電気信号は、ヘッドアンプ190を介してデータデコーダ200とプリピット検出部210とアシンメトリ検出部220とに入力される。データデコーダ200は、入力された電気信号に復調やエラー訂正などの処理を行うことにより、光ディスク160に記録されたデータを生成(再生)する。
またプリピット検出部210は、入力された電気信号から、光ディスク160に記録すべきライトストラテジの推奨値であるライトストラテジ推奨値等の情報を含むプリピット情報を検出する。
β=(A1+A2)/(A1−A2)・・・(1)
ここで、ピークレベルA1、ボトムレベルA2は、最長スペースと最長マークが交互に現れる部分で発生するものであり、それらの値は、最短スペースと最短マークが交互に現れる部分のピークレベルとボトムレベルの平均値をゼロレベルとして表したものである。
レーザ駆動部120は、生成されたライトストラテジ信号に応じた駆動電流により半導体レーザ110を駆動する。半導体レーザ110から出射されたデータ記録に必要な出力値(記録パワー)を有するレーザ光がコリメートレンズ130とビームスプリッタ140と対物レンズ150とを介して光ディスク160に集光照射される。これにより、情報が記録される。
図3(b)及び、図3(c)は、最短マークを記録し、次に4番目に短いマークを記録する場合を想定している。
図3(c)の右側に示すように、記録データが4番目に短いマークを記録する場合のライトストラテジは、LTFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く3個のマルチパルスMからなる。
記録データがn番目(4<n<10)に短いマーク((n+2)Tに対応する長さを有する)を記録する場合のライトストラテジは、LTFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く(n−1)個のマルチパルスMからなる。
また、記録データが最長マーク(14Tの長さを有するマーク)を記録する場合のライトストラテジは、LTFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く11個のマルチパルスMからなる。
このように、4番目に短いマークから最長マークまでは、先頭のパルスの幅がいずれの場合もLTFであり、互いに同じである。
記録データが2番目に短いマークを記録する場合のライトストラテジは、2TFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く1個のマルチパルスMからなる。
記録データが3番目に短いマークを記録する場合のライトストラテジは、3TFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く2個のマルチパルスMからなる。
記録されるマークが上記のいずれであっても、マルチパルスMの幅はすべて同じである。
中央制御部250は特に、後に図4及び図5を参照して説明するライトストラテジの決定、特にそのパルス幅及びパワー比率の算出、アシンメトリ値の計算、修正されたライトストラテジとアシンメトリ値を用いて行われる試し書きの制御などを行う。
一般に、記録パワーを大きくすればアシンメトリ値は大きくなり、記録パワーを小さくすればアシンメトリ値は小さくなる。
中央制御部250では、互いに異なる複数の記録パワーに対応するアシンメトリ値の検出値を目標値と比較して、目標値に最も近い検出値を生じさせた記録パワーを最適の記録パワーとする。
なお、このようにする代わりに、一つの記録パワーで光ディスク160への試し書きを行なった後再生し、再生結果からアシンメトリ値を検出し、検出されたアシンメトリ値を、目標とするアシンメトリ値と比較して比較結果に応じて記録パワーを増減して最適値を求めるようにしても良い。
最初に記録に用いられる光ディスクが光記録装置に挿入されると、ステップS11において、光記録媒体から、ライトストラテジ推奨値、記録条件推奨値、即ち、各マークを記録するためのライトストラテジの先頭パルス幅の推奨値iTP(i=1,2,3,L)、ライトストラテジのマルチパルス幅の推奨値TMP、推奨アシンメトリ値β1を読み取る(ステップS11)。
ライトストラテジ推奨値には、各マークを記録するためのライトストラテジの先頭パルスのパルス幅の推奨値が含まれる。この先頭パルス幅の推奨値iTPとしては、少なくとも、
記録データが最短マークの場合の先頭パルスFの推奨パルス幅1TPと、
記録データが2番目に短いマークの場合の先頭パルスFの推奨パルス幅2TPと、
記録データが4番目に短いマークから最長マークの場合の先頭パルスFの推奨パルス幅LTPとが読み取られる。
推奨アシンメトリ値β1は、試し書きにおいて記録パワーを決定する為の目標値となるものである。
β2=β1+E×(NA2−NA1)・・・(2)
開口数NA1は、既知であり、開口数NA1を表すデータが予め中央制御部250内の例えば不揮発性メモリ(例えばROMで構成される)に格納されている。また、対物レンズ150の開口数NA2、及び定数Eを表すデータも中央制御部250内の不揮発性メモリ格納されており、これらを読み出して式(2)の計算に用いる。
ステップS121においては、ステップS11において取得された推奨パルス幅2TPと、係数K2、C2とから以下の式(3)を用いて、記録データが2番目に短いマークの場合の先頭パルスFのパルス幅2TFを算出する。
2TF=K2×2TP+C2・・・(3)
LTF=KL×LTP+CL・・・(4)
また、ステップS122で算出したパルス幅LTFの値を、記録データが3番目に短いマークの場合の先頭パルスFのパルス幅3TFに設定する。
TM=KM×(TMP×2TP×LTP/1TP)+CM・・・(5)
光ディスクには上記のように所定の領域にライトストラテジ推奨値や、推奨アシンメトリ値などが記録されているが、光ディスク160にこのライトストラテジ推奨値を記録したときの記録条件における対物レンズ150の開口数NA1と、記録に用いられる光記録装置100が有する対物レンズ150の開口数NA2とが異なる場合には、記録されているライトストラテジ推奨値とアシンメトリ値とを使用してパワーを決定すると、開口数の違いにより光ディスク160に与える熱量やその分布が異なってしまう。そのため、各マーク長に対して形成されるピットの大きさや形が最適な状態とは異なり、ジッタが悪化してしまう。そこで、記録条件の差異、特に開口数の違いを補償するため、ライトストラテジの修正乃至最適化を行っている。
即ち、上記の開口数の違いにより、検出されるアシンメトリ値にも違いが現れる。例えば、NA1<NA2で有る場合、すなわち、記録に用いられる光記録装置100が有する対物レンズ150の開口数NA2が、光ディスク160に推奨アシンメトリ値を記録したときの記録条件における対物レンズの開口数NA1よりも大きい場合には、開口数NA2の対物レンズにより検出されるアシンメトリ値は、開口数NA1の対物レンズにより検出されるアシンメトリ値よりも大きい値となる。従って、推奨アシンメトリ値β1を目標に開口数NA2の対物レンズにより記録を行うと、開口数の違いによりアシンメトリ値が大きく検出され、推奨アシンメトリ値β1よりも小さいアシンメトリ値で記録されてしまう。その為、開口数NA2の対物レンズにより記録を行う場合は推奨アシンメトリ値β1よりも大きい値に目標を設定するのが望ましい。
そして、再生ジッタを最小にする先頭パルス幅iTF(i=2、又はL)(このように再生ジッタを最小にするパルス幅を「最適パルス幅」或いは「パルス幅の最適値」と言うことがある)と、パルス幅推奨値iTP(i=2、又はL)との関係に直線性があること、即ちこの関係が式(3)、(4)で表される直線により近似できることを、実験で得られたデータに対して回帰分析を行うことにより、見出した。
また、最短マークを記録するためのライトストラテジの先頭パルス幅の最適値1TFと、2番目に短いマークを記録するためのライトストラテジの先頭パルス幅の最適値2TFが等しいことと、
3番目に短いマークを記録するためのライトストラテジの先頭パルス幅の最適値3TFと、4番目に短いマークから最長マークを記録するためのライトストラテジの先頭パルス幅の最適値LTFが等しいことも見出した。
さらに、マルチパルス幅の最適値TMと、パルス幅推奨値のTMP×2TP×LTP/1TPとの関係に直線性があることも見出した。
即ち、光ディスク160にライトストラテジ推奨値を記録したときの記録条件における対物レンズの開口数NA1は0.60であり、この実験において使用した、光記録装置100が有する対物レンズ150の開口数NA2は0.64であった。
上記のように、最適のアシンメトリ値は、記録に用いる光記録装置の開口数の影響を受けるので、光記録装置の開口数が、ライトストラテジ推奨値を定める際に用いられた記録条件の開口数と異なる場合には、記録に用いるアシンメトリ値の決定に当たり、開口数をも考慮に入れるのが望ましい。本実施の形態では、開口数の差に基づいて定めた補正量を、推奨アシンメトリ値β1に加算することにより、記録に用いるアシンメトリ値β2を求めている。具体的には、上記の式(2)を用いるのが適切であることが分かった。
β2=β1+E×(NA2−NA1)・・・(2)
図4のステップS13で、式(2)を用いるのはその理由による。
なお、上記のように、特定の光記録装置においては、定数Eの値を上記のように定めれば良い結果が得られることが分かった。
図12において、×印は、各光ディスクに記録されたライトストラテジ推奨値を用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
また△印は、各光ディスクに最適な再生ジッタが得られるように調整した最適なライトストラテジを用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
また○印は、前述の式(3)、(4)、(5)を用いて修正されたライトストラテジを用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
この場合、式(3)、(4)、(5)中の各定数を、K2=1、C2=−0.02、KL=0.87、CL=0.18、KM=0.18、CM=0.435、E=1.0とした。
図12においては、各光ディスクに記録されたライトストラテジ推奨値を用いて記録した場合(×)よりも、修正されたライトストラテジを用いて記録した場合(○)の方が、全てのディスクで良好な再生ジッタを得ることができた。また、修正されたライトストラテジを用いて記録を行う場合(○)には、最適なライトストラテジを用いて記録を行った場合(△)とほぼ同じくらい良好な再生ジッタを得ることができた。
尚、定数の決定は各型式乃至仕様の光記録装置に対して一度行えば良く、同じ型式乃至仕様の多数の光記録装置に対して同じ定数を用いることができる。即ち、ある型式乃至仕様の光記録装置に関して定数が求められたら、求められた定数を同じ型式乃至仕様の光記録装置に設定して出荷することとすれば良い。
光記録装置100の型式乃至仕様が変更になった場合は、式(3)、(4)、(5)の定数(K2、KL、KM、C2、CL、CM、E)を再度選定乃至決定することにより、ストラテジ条件の最適化を簡単に行うことができる。
即ち、式(3)や式(4)に示される、パルス幅を表す式を一般化すれば以下のようになる。
iTF=Ki×iTP+Ci
但し、i=1、2、3、又はL
である。
上記の実施の形態1では、光ディスク160が色素系記録媒体で有る場合の記録方法について説明しているが、以下に光ディスク160が相変化型記録媒体である場合で、さらに記録速度が標準速記録である場合を説明する。
MOD=(B1−B2)/B1・・・(6)
ここで、ピークレベルB1、ボトムレベルB2は、最長スペースと最長マークが交互に現れる部分で発生するものであり、それらの値は、受光素子180への入射光が無い場合の受光素子180の出力レベルをゼロレベルとして表したものである。
図15(b)及び、図15(c)は、最短マークを記録し、次に4番目に短いマークを記録する場合を想定している。
図15(c)の右側に示すように、記録データが4番目に短いマークを記録する場合のライトストラテジは、LTFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く4個のマルチパルスMと、それに続く再生パワーレベルにある1個のクーリングパルスCからなる。
記録データがn番目(4<n<10)に短いマーク((n+2)Tに対応する長さを有する)を記録する場合のライトストラテジは、LTFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続くn個のマルチパルスMと、それに続く再生パワーレベルにある1個のクーリングパルスCからなる。
また、記録データが3番目に短いマーク(5Tに対応する長さを有する)を記録する場合のライトストラテジは、LTFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く3個のマルチパルスMと、それに続く再生パワーレベルにある1個のクーリングパルスCからなる。
また、記録データが最長マーク(14Tの長さを有するマーク)を記録する場合のライトストラテジは、LTFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く12個のマルチパルスMと、それに続く再生パワーレベルにある1個のクーリングパルスCからなる。
このように、3番目に短いマークから最長マークまでは、先頭のパルスの幅がいずれの場合もLTFであり、互いに同じである。
記録データが2番目に短いマークを記録する場合のライトストラテジは、2TFのパルス幅を有する先頭パルスFとそれに続く2個のマルチパルスMと、それに続く再生パワーレベルにある1個のクーリングパルスCからなる。
記録されるマークが上記のいずれであっても、マルチパルスMの幅はすべて同じである。
また、記録されるマークが上記のいずれであっても、クーリングパルスCの幅はすべて同じである。
一般に、記録パワーを大きくすれば変調度の値は大きくなり、記録パワーを小さくすれば変調度の値は小さくなる。
中央制御部250では、互いに異なる複数の記録パワーに対応する変調度の検出値を目標値と比較して、目標値に最も近い検出値を生じさせた記録パワーを最適の記録パワーとする。
なお、このようにする代わりに、一つの記録パワーで光ディスク160への試し書きを行なった後再生し、再生結果から変調度の値を検出し、検出された変調度の値を、目標とする変調度の値と比較して比較結果に応じて記録パワーを増減して最適値を求めるようにしても良い。
最初に記録に用いられる光ディスクが光記録装置に挿入されると、ステップS21において、光記録媒体から、標準速記録を行う場合のライトストラテジ推奨値、記録条件推奨値、即ち、各マークを記録するためのライトストラテジの先頭パルス幅の推奨値iTP1(i=1,2,3,L)、マルチパルス幅の推奨値TMP1、クーリングパルス幅の推奨値TCP1、パワー比率の推奨値εP1(消去パワー/記録パワーで定義された値)、記録パワーの推奨値PW1を読み取る(ステップS21)。
ライトストラテジ推奨値には、各マークを記録するためのライトストラテジの先頭パルスのパルス幅の推奨値が含まれる。この先頭パルス幅の推奨値iTPとしては、少なくとも、記録データが最短マークの場合の先頭パルスFの推奨パルス幅1TPが読み取られる。
ε1=KE1×(PW1×εP1×TMP1)+CE1・・・(7)
定数KE1、CE1を表すデータは中央制御部250内の不揮発性メモリに格納されており、これらを読み出して式(7)の計算に用いる。
MOD1=KMOD1×(TMP1×TCP1/1TP1)+CMOD1・・・(8) 定数KMOD1、CMOD1を表すデータは中央制御部250内の不揮発性メモリに格納されており、これらを読み出して式(8)の計算に用いる。
即ち、ステップS22において決定されたパワー比率をレーザ波形制御部240に設定することにより、レーザ波形制御部240で記録データに基づいたライトストラテジを生成し、ステップ24において決定された記録パワーにより、光ディスク160への書き込みを行う。
光ディスクには上記のように、所定の領域にパワー比率の推奨値などが記録されているが、光ディスク160にこのパワー比率の推奨値を記録したときの記録条件における対物レンズ150の開口数NA1と、記録に用いられる光記録装置100が有する対物レンズ150の開口数NA2とが異なる場合には、記録されているパワー比率の推奨値を使用してパワーを決定すると、開口数の違いにより光ディスク160に与える熱量が異なってしまう。そのため、各マーク長に対して形成されるピットの大きさや形が最適な状態とは異なり、ジッタが悪化してしまう。そこで、記録条件の差異、特に開口数の違いを補償するため、パワー比率の修正乃至最適化を行っている。
上記のように、特定の光記録装置においては、定数KE1とCE1を上記のように定めれば良い結果が得られる事がわかった。
しかし、上記の値に限らず、係数KE1の値を0.03付近、CE1の値を0.48付近に定めれば満足できる結果が得られるものと考えられる。
変調度の値は光ディスク160にその推奨値が記録されていない為、パルス幅推奨値の値から推定する必要がある。
図18は種々の光ディスクについて、特定の光記録装置100において再生ジッタが最小となる変調度MOD1の値を○印で示すと共に、式(8)でKMOD1=0.2、CMOD1=0.59としたときに得られる変調度MOD1の値を直線で示す。図18に示すように、式(8)を用いることで、再生ジッタが最小となる変調度の値(最適な変調度の値)を直線近似できることが分かった。
なお、上記のように、特定の光記録装置においては、定数KMOD1とCMOD1を上記のように定めれば良い結果が得られる事がわかった。
しかし、上記の値に限らず、係数KMOD1の値を0.2付近、CMOD1の値を0.6付近に定めれば満足できる結果が得られるものと考えられる。
図19において、×印は、各光ディスクに記録されたパワー比率推奨値を用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
また△印は、各光ディスクに最適な再生ジッタが得られるように調整した最適なパワー比率を用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
また○印は、前述の式(7)を用いて修正されたパワー比率を用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
この場合、式(7)中の各定数を、KE1=0.029、CE1=0.475とした。
図19においては、各光ディスクに記録されたパワー比率推奨値を用いて記録した場合(×)よりも、修正されたパワー比率推奨値を用いて記録した場合(○)の方が、全てのディスクで良好な再生ジッタを得ることができた。また、修正されたパワー比率推奨値を用いて記録を行う場合(○)には、最適なパワー比率を用いて記録を行った場合(△)とほぼ同じくらい良好な再生ジッタを得ることができた。
なお、定数の決定は各型式乃至仕様の光記録装置に対して一度行えば良く、同じ型式乃至仕様の多数の光記録装置に対して同じ定数を用いることができる。即ち、ある型式乃至仕様の光記録装置に関して定数が求められたら、求められた定数を同じ型式乃至仕様の光記録装置に設定して出荷することとすれば良い。
光記録装置100の型式乃至仕様が変更になった場合には、式(7)、(8)の定数(KE1、CE1、KMOD1、CMOD1)を再度選定乃至決定することにより、記録条件の最適化を簡単に行うことができる。
上記の実施の形態2では、光ディスク160が相変化型記録媒体である場合で、さらに記録速度が標準速記録である場合について説明しているが、以下に光ディスク160が相変化型記録媒体である場合で、さらに記録速度が2倍速記録である場合を説明する。
最初に記録に用いられる光ディスクが光記録装置に挿入されると、ステップS21において、光記録媒体から、2倍速記録を行う場合のライトストラテジ推奨値、即ち、各マークを記録するためのライトストラテジの先頭パルス幅の推奨値iTP2(i=1,2,3,L)、パワー比率の推奨値εP2(消去パワー/記録パワーで定義された値)、記録パワーの推奨値PW2を読み取る(ステップS21)。
ライトストラテジ推奨値には、各マークを記録するためのライトストラテジの先頭パルスのパルス幅の推奨値が含まれる。この先頭パルス幅の推奨値iTP2としては、少なくとも、記録データが最短マークの場合の先頭パルスFの推奨パルス幅1TP2が読み取られる。
ε2=KE2×((PW2^2)×εP2/1TP2)+CE2・・・(9)
定数KE2、CE2を表すデータは中央制御部250内の不揮発性メモリに格納されており、これらを読み出して式(9)の計算に用いる。
MOD2=KMOD2×(1TP2×PW2)^2
+KMOD3×(1TP2×PW2)+CMOD2・・・(10)
定数KMOD2、KMOD3、CMOD2を表すデータは中央制御部250内の不揮発性メモリに格納されており、これらを読み出して式(10)の計算に用いる。
即ち、ステップS22において決定されたパワー比率をレーザ波形制御部240に設定することにより、レーザ波形制御部240で記録データに基づいたライトストラテジを生成し、ステップ24において決定された記録パワーにより、光ディスク160への書き込みを行う。
なお、上記のように、特定の光記録装置においては、定数KE2とCE2を上記のように定めれば良い結果が得られる事がわかった。
しかし、上記の値に限らず、係数KE2の値を0.002付近、CE2の値を0.13付近に定めれば満足できる結果が得られるものと考えられる。
変調度の値は光ディスク160にその推奨値が記録されていない為、パルス幅推奨値の値から推定する必要がある。
図21は種々の光ディスクについて、特定の光記録装置100において再生ジッタが最小となる変調度MOD2の値を○印で示すと共に、式(10)でKMOD2=−0.012、KMOD3=0.18、CMOD2=0.045としたときに得られる変調度MOD2の値を曲線で示す。図21に示すように、式(10)を用いることで、再生ジッタが最小となる変調度の値(最適な変調度の値)を2次式で近似できることが分かった。
なお、上記のように、特定の光記録装置においては、定数KMOD2とKMOD3とCMOD2を上記のように定めれば良い結果が得られる事がわかった。
しかし、上記の値に限らず、係数KMOD2の値を−0.01付近、KMOD3の値を0.2付近、CMOD2の値を0.05付近に定めれば満足できる結果が得られるものと考えられる。
図22において、×印は、各光ディスクに記録されたパワー比率推奨値を用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
また△印は、各光ディスクに最適な再生ジッタが得られるように調整した最適なパワー比率を用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
また○印は、前述の式(9)を用いて修正されたパワー比率を用いて記録した場合の再生ジッタを示している。
この場合、式(9)中の各定数を、KE2=0.0017、CE2=0.125とした。
図22においては、各光ディスクに記録されたパワー比率推奨値を用いて記録した場合(×)よりも、修正されたパワー比率推奨値を用いて記録した場合(○)の方が、全てのディスクで良好な再生ジッタを得ることができた。また、修正されたパワー比率推奨値を用いて記録を行う場合(○)には、最適なパワー比率を用いて記録を行った場合(△)とほぼ同じくらい良好な再生ジッタを得ることができた。
なお、定数の決定は各型式乃至仕様の光記録装置に対して一度行えば良く、同じ型式乃至仕様の多数の光記録装置に対して同じ定数を用いることができる。即ち、ある型式乃至仕様の光記録装置に関して定数が求められたら、求められた定数を同じ型式乃至仕様の光記録装置に設定して出荷することとすれば良い。
光記録装置100の型式乃至仕様が変更になった場合には、式(9)、(10)の定数(KE2、CE2、KMOD2、KMOD3、CMOD2)を再度選定乃至決定することにより、記録条件の最適化を簡単に行うことができる。
110 半導体レーザ
120 レーザ駆動部
130 コリメートレンズ
140 ビームスプリッタ
150 対物レンズ
160 光ディスク
170 検出レンズ
180 受光素子
190 ヘッドアンプ
200 データデコーダ
210 プリピット検出部
220 アシンメトリ検出部
230 データエンコーダ
240 レーザ波形制御部
250 中央制御装置
260 変調度検出部
Claims (10)
- ライトストラテジ推奨値に含まれるパワー比率推奨値及び記録パワー推奨値が記録された相変化型光記録媒体から、前記ライトストラテジのパワー比率推奨値及び記録パワー推奨値を読み取る読み取り工程と、
読み取られたライトストラテジ推奨値のパワー比率推奨値及び記録パワー推奨値と、記録に用いられる光記録装置の光ピックアップの光学系の特性とに基づいて、記録に用いるべきパワー比率の値と、変調度の値を求める決定工程と、
求められたパワー比率の値と変調度の値を用いて、前記光記録装置により、前記光記録媒体への書き込みを行う書き込み工程とを有する光記録方法。 - 前記決定が、記録に用いられる光記録装置について予め定められている計算式を用いた演算により行われることを特徴とする請求項1に記載の光記録方法。
- パワー比率の値と変調度の目標値について、実験により再生ジッタが最小となるパワー比率の値と変調度の値を求め、前記実験により求められたパワー比率の値と変調度の値が算出結果又はそれに近似する値となるような計算式を生成しておき、
生成された計算式を、前記決定工程における演算に用いることを特徴とする請求項2に記載の光記録方法。 - 前記読み取り工程が、前記ライトストラテジ推奨値のマルチパルスのパルス幅をも読み取り、
記録速度が1倍速において、前記パワー比率の値を求める計算式が、
ε1=KE1×(PW1×εP1×TMP1)+CE1
(ε1は、記録するために用いられるパワー比率の値、
PW1は、記録パワー推奨値、
εP1は、パワー比率の推奨値、
TMP1は、ライトストラテジ推奨値のマルチパルスのパルス幅、
KE1、CE1は、パワー比率の値の決定のための定数)
で表されることを特徴とする請求項2又は3に記載の光記録方法。 - 前記読み取り工程が、前記ライトストラテジ推奨値のマルチパルスのパルス幅及びクーリングパルスのパルス幅と、最短マークを記録するためのライトストラテジ推奨値の先頭パルス幅をも読み取り、
記録速度が1倍速において、前記変調度の値を求める計算式が、
MOD1=KMOD1×(TMP1×TCP1/1TP1)+CMOD1
(MOD1は、記録するために用いられる変調度の値、
TMP1は、ライトストラテジ推奨値のマルチパルスのパルス幅、
TCP1は、ライトストラテジ推奨値のクーリングパルスのパルス幅、
1TP1は、最短マークを記録するためのライトストラテジ推奨値の先頭パルス幅、
KMOD1、CMOD1は変調度の値の決定のための定数)
で表されることを特徴とする請求項2又は3に記載の光記録方法。 - 前記読み取り工程が、最短マークを記録するためのライトストラテジ推奨値の先頭パルス幅をも読み取り、
記録速度が2倍速において、前記パワー比率の値を求める計算式が、
ε2=KE2×(PW2^2×εP2/1TP2)+CE2
(ε2は、記録するために用いられるパワー比率の値、
PW2は、記録パワー推奨値、
εP2は、パワー比率の推奨値、
1TP2は、最短マークを記録するためのライトストラテジ推奨値の先頭パルス幅、
KE2、CE2は、パワー比率の値の決定のための定数)
で表されることを特徴とする請求項2又は3に記載の光記録方法。 - 前記読み取り工程が、最短マークを記録するためのライトストラテジ推奨値の先頭パルス幅をも読み取り、
記録速度が2倍速において、前記変調度の値を求める計算式が、
MOD2=KMOD2×(1TP2×PW2)^2
+KMOD3×(1TP2×PW2)+CMOD2
(MOD2は、記録するために用いられる変調度の値、
1TP2は、最短マークを記録するためのライトストラテジ推奨値の先頭パルス幅、
PW2は、記録パワー推奨値、
KMOD2、KMOD3、CMOD2は変調度の値の決定のための定数)
で表されることを特徴とする請求項2又は3に記載の光記録方法。 - 記録再生のための光学系を有する光ピックアップを備え、
ライトストラテジ推奨値に含まれるパワー比率推奨値及び記録パワー推奨値が記録された相変化型光記録媒体から、前記ライトストラテジ推奨値のパワー比率推奨値と記録パワー推奨値を読み取る読み取り手段と、
読み取られたライトストラテジ推奨値のパワー比率推奨値と、記録パワー推奨値と、記録に用いられる光記録装置の光ピックアップの光学系の特性とに基づいて、記録に用いるべきパワー比率の値と、変調度の値を求める決定手段と、
求められたパワー比率の値と変調度の値を用いて、前記光記録装置により、前記光記録媒体への書き込みを行う書き込み手段とを有する光記録装置。 - 前記決定が、記録に用いられる光記録装置について予め定められている計算式を用いた演算により行われることを特徴とする請求項8に記載の光記録装置。
- パワー比率の値と変調度の目標値について、実験により再生ジッタが最小となるパワー比率の値と変調度の値を求め、前記実験により求められたパワー比率の値と変調度の値が算出結果又はそれに近似する値となるような計算式を生成しておき、
生成された計算式を、前記決定手段における演算に用いることを特徴とする請求項9に記載の光記録装置。
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