JP2006065044A - 光変調器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
LN基板の下方に所定厚さの低誘電率接着層を備え、電気信号の等価屈折率を下げるとともにLN基板の破損を抑える機械的強度を有する光変調器を提供する。
【解決手段】
基板と、光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記基板の他方の面側で前記基板に接着して形成され、前記基板の比誘電率より低い材料から成る低誘電率接着層とを具備し、前記光導波路が入力光導波路と、相互作用光導波路と、出力光導波路からなる光変調器において、前記相互作用光導波路の近傍を伝搬する電気信号の電気力線のうち、空気中以外に存在する電気力線が前記基板と前記低誘電率接着層を通過することにより該電気信号の等価屈折率が下がり、前記光導波路を伝搬する前記光の前記等価屈折率に近づくように前記低誘電率接着層の厚みを設定するとともに、前記低誘電率接着層が前記基板の破損を抑える。
【選択図】
図2

Description

本発明は高速で駆動電圧が低く、かつ製作の歩留まりの良い光変調器の分野に属する。
リチウムナイオベート(LiNbO3)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、キーデバイスとして期待されている。
このLN光変調器では進行波電極を伝搬する電気信号の等価屈折率nmと光導波路を伝搬する光の等価屈折率noおよび、電気信号の伝搬損失が光変調の応答帯域に決定的な役割を果たすが、その中でも、電気信号の等価屈折率nmと光の等価屈折率noとはその値が大きく異なっており、光変調の応答帯域を制限する決定的な要因となっている。そこで、これらを一致させる(電気信号と光の速度整合、あるいは簡単に速度整合と言う)ために、研究・開発が進められている。
z−cutLN基板についてはリッジ構造が考案されるとともにその有効性を実証されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、x−cutLN基板についてはまだ決定的に優れた構造がないのが実情である。
このx−cutLN基板において電気信号と光の速度整合を達成するための技術が、特許文献2に開示されている。その1実施形態の斜視図を図5に、図5中のA−A’線における断面図を図6及び図7に示す。図6及び図7は電気信号と光が相互作用する、いわゆる相互作用部の断面図に対応する。なお、図7は図6に電気力線等を追記したものである。
図中、1はx-cutLN基板、2は接着材からなる低誘電率接着層、3は保持基体である。4はx-cutLN基板1にTiを蒸着後、1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。また、4a、4bは電気信号と光が相互作用する部位(相互作用部と言う)における光導波路、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームである。進行波電極5は中心導体5a、接地導体5b、5cからなっている。6aと6bは電気信号の電気力線であり、これらの電気力線6a、6bと光導波路4a、4bを伝搬する光のパワーの重なり積分が半波長電圧Vπと相互作用長Lとの積Vπ・Lを決定する。
図6から分かるように、x-cutLN基板1はその一方の面1aに光導波路4と進行波電極5の中心導体5aと接地導体5b、5cが形成されており、主基板としての機能を果たしている。低誘電率接着層2はx-cutLN基板1の他方の面1bに、十分な機械的強度を有する保持基体3の一方の面3aを固定する役割をする。
さて、図7に示すようにx−cutLN基板1の一方の面1aに平行な方向をx方向、垂直な方向をy方向とすると、x方向の比誘電率εrxとy方向の比誘電率εryは各々28、43と大変大きい。そのため、通常、電気信号の等価屈折率nmは3.0〜4.2程度と、光の等価屈折率no(約2.15)よりも大きな値となる。
そこで、この従来の実施形態においては、低誘電率接着層2の比誘電率は3〜5と低いことを利用し、電気力線6a、6bにこの低誘電率接着層2の領域を通過させることにより電気信号の等価屈折率nmを下げ、光の等価屈折率noに近づけるようにしている。なお、説明を簡単にするために図7においては空気中に存在する電気力線の図示を省略している。
電気力線6a、6bにこの低誘電率接着層2の領域を通過させるためには、x-cutLN基板1の厚みT1を10μm程度まで薄くする必要がある。しかしながら、その程度の厚みのx-cutLN基板1のみでは機械的な強度が極めて弱くなってしまい、不図示のパッケージ筺体にx-cutLN基板1をそのまま固定し、光変調器として使用することは事実上不可能となる。
この問題を回避するには機械的強度を高める必要がある。そのため、前述のようにx-cutLN基板1の光導波路4や進行波電極5を形成していない他方の面1bに、低誘電率接着層2を用いて十分な機械的強度を有する保持基体3の面3aを固定することにより、LN光変調器全体としての機械的強度を高めている。さらに保持基体3の他方の面3bを不図示のパッケージ筺体に固定することにより、通信に使用できる形態とする。なお、特許文献2によれば保持基体3としてx-cutLN基板そのものを用いている。
特開平4−288518号公報 特開2003−215519号公報
しかしながら、この特許文献2に示される従来技術は、次に示す解決すべき課題を有している。前述のように、低誘電率接着層2の比誘電率は3〜5と低く、電気力線6a、6bにこの低誘電率接着層2の領域を通過させることにより電気信号の等価屈折率nmを下げ、光の等価屈折率noに近づけるようにしている。しかし、この電気力線6a、6bは厚みT2が通常30μm程度の低誘電率接着層2を突き抜け、保持基体3に達してしまう。
前述のように、この保持基体3の材料としてはx−cutLN基板を用いている。つまり保持基体3の比誘電率は光導波路4と進行波電極5が形成されているx−cutLN基板1と同様に大きいので、電気信号の等価屈折率nmは光の等価屈折率noよりも大きくなりやすい。特に進行波電極5の中心導体5aの幅Sや、中心導体5aと接地導体5b、5cの間のギャップWが数十μmと大きい場合には、電気力線6a、6bの広がり方がさらに大きくなり、低誘電率接着層2を突き抜け、保持基体3に達してしまう。このように進行波電極のサイズが大きい場合には、電気信号の等価屈折率nmがより一層大きくなり、光の等価屈折率noから大きく外れてしまうという問題点があった。
なお、保持基体3として比誘電率の大きなx−cutLN基板の代わりに、アルミナ基板や石英基板を用いることも考えられる。しかしながら、これらは比誘電率が3〜5である低誘電率接着層2に比べて比誘電率が高く(約10前後)、やはり電気信号の等価屈折率nmが大きくなる傾向は免れ得ない。
さらに、アルミナ基板や石英基板基板はx−cutLN基板1と比較して熱膨張係数が数桁大きい。従って、これらを保持基体3として用いた場合には温度の変化とともにLN基板にストレスが発生し、電気信号に重畳するバイアス電圧がドリフトする、あるいは最悪の場合にはx−cutLN基板1その物が破壊される場合もある。
また、図5から図7に示した従来の実施形態では、光導波路4と進行波電極5が形成されているx−cutLN基板1の他に、別途、保持基体3を使用するので、当然のことながら保持基体3の部材費とその形状に加工するための加工費が必要となる。さらに、保持基体3の一方の面3aと、光導波路と進行波電極が形成されているLN基板1の他方の面1bとの接着固定するための工程が必要となり、結果的にコスト上昇につながってしまっていた。
さらに重要な問題として、この接着固定の際に、低誘電率接着層2と保持基体3の一方の面3aとの間に空気が入りやすいという問題点があった。低誘電率接着層2と保持基体3の一方の面3aとの間に空気が入った場合には、その後の高温試験の際に、保持基体3の一方の面3aとの間に入った空気が熱膨張し、厚みが10μm程度と薄くて機械的な強度が低いx−cutLN基板1を破裂・破壊し、歩留まりが低下する原因となっていた。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器では、
電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記基板の他方の面側で前記基板に接着して形成され、前記基板の比誘電率より低い材料から成る低誘電率接着層とを具備し、前記光導波路が、前記光を入射するための入力光導波路と、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路と、前記相互作用光導波路において変調された結果生成された信号光を出射する出力光導波路からなる光変調器において、
前記相互作用光導波路の近傍を伝搬する電気信号の電気力線のうち、空気中以外に存在する電気力線が前記基板と前記低誘電率接着層を通過することにより該電気信号の等価屈折率が下がり、前記光導波路を伝搬する前記光の等価屈折率に近づくように前記低誘電率接着層の厚みを設定するとともに、前記低誘電率接着層が前記基板の破損を抑えることを特徴としている。
本発明の請求項2の光変調器では、
電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記基板の他方の面側で前記基板に接着して形成され、前記基板の比誘電率より低い材料から成る低誘電率接着層とを具備し、前記光導波路が、前記光を入射するための入力光導波路と、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路と、前記相互作用光導波路において変調された結果生成された信号光を出射する出力光導波路からなる光変調器において、
前記相互作用光導波路の近傍を伝搬する電気信号の電気力線のうち、空気中以外に存在する電気力線が前記基板と前記低誘電率接着層のみを通過することにより該電気信号の等価屈折率が下がり、前記光導波路を伝搬する前記光の等価屈折率に近づくように前記低誘電率接着層の厚みを設定するとともに、前記低誘電率接着層が前記基板の破損を抑えることを特徴としている。
本発明の請求項3の光変調器では、
請求項1および2に記載の光変調器において、前記基板の厚みが50μm以下であることを特徴としている。
本発明の請求項4の光変調器では、
請求項1から3に記載の光変調器において、前記基板の前記他方の面が略平坦であることを特徴としている。
本発明の請求項5の光変調器では、
請求項1から4に記載の光変調器において、前記基板がx−cutリチウムナイオベート基板であることを特徴としている。
本発明の請求項6の光変調器では、
請求項1から4に記載の光変調器において、前記基板がz−cutリチウムナイオベート基板であることを特徴としている。
本発明の請求項7の光変調器では、
請求項1から5に記載の光変調器において、前記基板の厚み、前記低誘電率接着層の比誘電率、前記中心導体の幅と厚み、前記接地導体の厚み、及び前記中心導体と前記接地導体との間のギャップを、前記進行波電極を伝搬する電気信号の等価屈折率と前記光導波路を伝搬する前記光の等価屈折率が近くなるように、それぞれの値を設定したことを特徴としている。
本発明の請求項8の光変調器では、
請求項6に記載の光変調器において、前記基板の厚み、前記低誘電率接着層の比誘電率、前記中心導体の幅と厚み、前記接地導体の厚み、前記中心導体と前記接地導体との間のギャップ、及びバッファ層の厚みを、前記進行波電極を伝搬する電気信号の等価屈折率と前記光導波路を伝搬する前記光の等価屈折率とが近くなるように、それぞれの値を設定したことを特徴としている。
本発明においては従来接着層と考えられていた低誘電率接着層を厚く、また強度の強い材料を使用して保持基台とすることにより、従来技術の保持基体の機能を持つようにしたので、光導波路や進行波電極を形成した基板の下に保持基体の役割をする比誘電率が3〜5程度と低い低誘電率接着層が厚く存在する。その結果、電気信号の等価屈折率nmを下げ、光の等価屈折率noに近づけることが容易になるばかりでなく、電気信号の等価屈折率nmの設定にばらつきがなくなり、光変調帯域についての歩留まりが著しく向上する。
また、従来はx−cutLN基板により製作していた保持基体その物が不要となるため、部品点数が減ることによる光変調器のコスト低減を実現できるばかりでなく、LN基板の他方の面1bとを低誘電率接着層2を介して保持基体を接着固定する工程が不要となり、一層のコスト低減を図ることができる。さらに、特にこの接着工程その物がないので、接着固定する際に問題となっていた低誘電率接着層2と保持基体3の一方の面3aとの間に空気が入ることによる歩留まりの低下を完全に解決できるという利点がある。本発明はx−cutLN基板のみでなく、z−cutLN基板にも適用可能であるという利点もある。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図5から図7に示した従来の実施形態と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
[第1実施形態]
図1に本発明の第1実施形態における光変調器の斜視図を、図2に図1のB−B’における断面図を示す。図1と図2から分かるように、本実施形態では従来の実施形態である図5から図7に示した高い比誘電率を有するx−cutLN基板からなる保持基体3が存在しない。その代わりに、保持基台7がx−cutLN基板1の下方に設けられている。x−cutLN基板1の他方の面1bに保持基台7の一方の面7aが接着して形成されている。この保持基台7は、図5から図7に示した従来技術の低誘電率接着層2と同様、誘電率が低い接着材から形成されている。しかし、従来技術とは異なり、強度の高い材料で形成されるとともに、その厚みが厚く形成されている。これにより、接着の機能に加え、従来技術の保持基体3が有していた十分な機械的強度の機能も有している。
ここで、x−cutLN基板1の厚みT1と低誘電率接着材からなる保持基台7の厚みT7は各々約10μm、約500μmとし、進行波電極の厚みT5は20μmとした。なお、保持基台7は紫外線硬化接着材をスピナーでスピンコートしたのち、紫外線を照射し固化した。スピナーでスピンコートすることにより重ね塗りが可能であり、容易に300μm程度の保持基台7を製作することができた。
本発明では、保持基台7としてエポキシ系やアクリル系等の接着材を使用している。接着材の固化の方法としては、紫外線硬化、加熱あるいはそれらを併用しても良い。注意すべきことは、低誘電率接着層を保持基台7として用いているので、熱膨張係数や特に機械的強度等、つまり従来技術の保持基体3において要求される条件を満たすことができる接着材を使用することが重要である。なお、接着材は、固化時の収縮率が2%以下と小さいことが望ましく、かつ熱膨張係数としては0.5×10-5/K〜3×10-5/Kでの範囲で選ぶと良い。
なお、x−cutLN基板1の他方の面1bは、研磨により略平坦とした。これは主基板としてz−cutあるいはy−cutなどその他の方位の基板でも同じである。ここで、この略平坦とは研磨など加工の範囲内における凹凸や湾曲などを含んで平坦という意味である。また、保持基台7の他方の面7bを不図示のパッケージ筺体に固定することにより、通信に使用できる形態とする。
図7と同様に、図2には電気力線6a、6bを示している。なお、説明を簡単にするために、図2においては空気中に存在する電気力線の図示を省略している。
図2から分かるように電気力線6a、6bは比誘電率の高いx−cutLN基板1を突き抜けた後、低い比誘電率を持つ保持基台7の内部に全て分布している。従って、電気力線6a、6bがx−cutLN基板1を突き抜けた後、比誘電率が大きなx−cutLN基板からなる保持基体3に入射する図5から図7に示した従来の実施形態とは異なり、電気信号の等価屈折率nmを下げ、光の等価屈折率noに近づけることが容易になるばかりでなく、電気信号の等価屈折率nmの設定にばらつきがなくなり、光変調帯域についての歩留まりを著しく向上できる。
さらに、前述のように進行波電極5の中心導体5aの幅Sや、中心導体5aと接地導体5b、5cの間のギャップWが大きい場合には、電気力線6a、6bの広がり方が大きくなるが、電気力線6a、6bはx−cutLN基板1を突き抜けた後、低い比誘電率を持つ保持基台7に全てが入っているので、電気信号の等価屈折率nmを低く抑え、光の等価屈折率noに近くすることが可能である。つまり、進行波電極5の寸法が大きい場合に、電気信号の等価屈折率nmが大きくなりやすいという従来の実施形態が有していた問題を顕著に解決することができる。
前述のように、本実施形態では図5から図7に示した高い比誘電率を有するx−cutLN基板からなる保持基体3が存在しないので、これを準備するための部材費や加工費、さらには従来必要であったx−cutLN基板1とx−cutLN基板からなる保持基体3との接着の工程が不要となり、人件費に起因するコストを低減できる。
また、一般に誘電体基板の熱膨張係数はx−cutLN基板1の値より数桁大きいが、接着材は各種の材料を混ぜて製作されているため、x−cutLN基板1と同程度の製品もある。そうした接着材を保持基台7として用いることにより、x−cutLN基板1と保持基台7との熱膨張係数差を小さくすることができるので、使用環境温度が大きく変化しても熱膨張係数差のためにDCドリフトが生じる、あるいは素子が破壊されるという心配もない。
さらに重要なことに、従来の実施形態図5から図7において、x−cutLN基板1と保持基体3との接着固定の際に問題となっていた低誘電率接着層2と保持基体3の一方の面3aとの間に空気が入りやすいという問題も、本発明では保持基体3が存在しないので、当然のことながら解決できる。
また、x−cutLN基板1の厚みが10μm程度と薄いので電気力線6a、6bはx−cutLN基板1に閉じこもる傾向がある。その結果、光導波路4a、4bを伝搬する光との相互作用の効率が上昇するので、半波長電圧Vπと相互作用長Lとの積Vπ・Lを小さくすることができ、結果的に駆動電圧を低減することが可能となる。
[第2実施形態]
図3に本発明の第2実施形態における光変調器の断面図を示す。図中、8は保持基台7と異なる比誘電率を持つ媒質であり、例えば保持基台7より低い比誘電率を有する接着材でも良いし、逆に高い比誘電率を有する接着材でも良い。さらには空気でも良い。
[第3実施形態]
図4には本発明をz−cut基板に適用した第3実施形態における光変調器の断面図を示す。本実施形態では、光導波路4a、4bを形成したz−cutLN基板10の一方の面10aと進行波電極5の間に比誘電率が3〜5と低いSiO2などの低誘電率材料からなるバッファ層9を挿入している。z−cutLN基板10の他方の面10bは本発明のその他の実施形態と同様に、低誘電率接着材からなる保持基台7に接着固定されている。
このバッファ層9は光導波路4a、4bを伝搬する光が進行波電極5に吸収されるのを防ぐ効果と、電気信号の等価屈折率nmを低減する効果を併せ持つ。従って、このバッファ層9の厚みを最適化することにより、z−cutLN基板10の厚みT10を10μm以上、例えば30μm程度、あるいは50μm程度にでも設定することが可能となり、LN光変調器の製作性が向上することになる。
さらに、電気力線がz−cutLN基板10の中に閉じこもるので、駆動電圧を低減できることにもなる。また、バッファ層が厚いとVπ・Lが大きくなるが、本実施形態には電気信号の等価屈折率nmを低減する効果があるので、バッファ層9の厚みを薄くでき、この観点からも駆動電圧を低減できることになる。
なお、z−cutLN基板10の他方の面10bは略平坦である。この略平坦とは研磨など加工の範囲内における凹凸や湾曲などを含んで平坦という意味である。
[各実施形態について]
なお、本発明の実施形態としてx−cutLN基板1やz−cutLN基板10など主基板の厚みとして10μm程度を好適な例として上げたが、進行波電極5の中心導体5aの幅や中心導体5aと接地導体5b、5cとのギャップ、さらにはこれらの厚みやバッファ層9の材料や厚みなどによっては、LN基板の厚みとしてその他の厚みでも良いことは言うまでもない。つまり、20μm、30μmあるいは50μmなど厚くても良い。さらに、低誘電率接着層からなる保持基台7の厚みT7として、500μmを例にとり説明をしたが、進行波電極の寸法に応じてさらに薄くても良いし、厚くても良いことは言うまでもない。
以上の実施形態に示したx−cutLN変調器ではSiO2などのバッファ層が無いとして説明したが、もちろんバッファ層はあっても良い。バッファ層は電気信号の等価屈折率nmを低減する効果を有するので、ない場合と比較してx−cut基板1の厚みは厚くても高速光変調を実現できることになる。
また、上方の空気の部分以外における電気信号の電気力線は、x−cutLN基板1と保持基台7、もしくはz−cutLN基板10、バッファ層9、及び保持基台7の中に全て入っていても良いし、一部がそれらの下に突き抜けていても良い。
なお、進行波電極5を構成する金などの金属は光を吸収し、光の挿入損失を増加させてしまう。そのため、中心導体5aのエッジ付近にのみバッファ層を形成し、その上中心導体4aのエッジを形成しておけば光導波路4a、4bを中心導体5aのエッジ付近に近づけることが可能となる。また、図1からわかるように、本発明においては接地導体5bの下に光導波路4が配置されるとともに、進行波電極5の中心導体5aが電気信号と光の相互作用部付近において光導波路を横切るので、これらの部分にバッファ層を形成しておけば光の挿入損失を低減できることになる。
さらに、電極としてコプレーナウェーブガイド(CPW)型の進行波電極を想定したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)など、他の構造の進行波電極でも良いし、請求項においては、進行波電極と述べているが、本発明はもちろんキャパシタンスを低減するために集中定数型電極にも適用できる。また、基板としてLN基板を想定したがリチウムタンタレートなどその他の誘電体基板、さらには半導体基板でも良い。また、本発明では低誘電接着層からなる充分に厚い保持基台7を形成しているので、製作したLN光変調器のチップを固定するパッケージの表面は平坦であっても良いが、平坦でなくても良い。
また、通常、LN光変調器に光を入射させる際には穴のあいたガラスビーズを用い、そ
の穴の中に単一モード光ファイバを通してLN基板に形成した光導波路4の端面に固定する。ガラスビーズとLN基板に形成した光導波路端面との接着面積が不足する場合には、LN基板の上面によく使われる補強板の他に、LN基板の下側の一部もしくは下部全体に、光導波路4の端面においてガラスビーズとの接着面積を増加させるための補強板を設置し、光導波路の端面付近を紫外線硬化接着材などで固定しておけば良い。なおこの場合において、電気信号と光とが相互作用する相互作用部近辺にて、この補強板と保持基台7とは互いに接着固定されている必要はない。
さらに、この場合、LN基板の下側に置く補強板の表面は略平坦でなくても良い。この場合にも、本発明では薄いLN基板と低誘電率接着材からなる厚い保持基台7の効果により電気信号の等価屈折率nmを低減できることは言うまでもない。光導波路4の端面付近が固定された補強板がLN基板の下側にあっても、そのまま光変調器をパッケージに固定できる。なお、その際、この光変調器を固定するパッケージの表面は略平坦でも良いし、平坦でなくても良い。
本発明の光変調器の第1実施形態の斜視図 図1のB−B’線における断面図 本発明の第2実施形態の断面図 本発明の第3実施形態の断面図 従来の光変調器の斜視図 図5のA−A’線における断面図 図5のA−A’線における断面図で動作原理を説明する図
符号の説明
1:x−cutLN基板、2:低誘電率接着層、3:保持基体、4:Ti熱拡散光導波路、4a、4b:マッハツェンダ光導波路4の2本のアーム、5:進行波電極、5a:進行波電極5の中心導体、5b、5c:進行波電極5の接地導体、6a、6b:電気信号の電気力線、7:低誘電率接着層からなる保持基台、8:低誘電率接着層からなる保持基台7と異なる比誘電率の媒質、9:バッファ層、10:z−cutLN基板

Claims (8)

  1. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記基板の他方の面側で前記基板に接着して形成され、前記基板の比誘電率より低い材料から成る低誘電率接着層とを具備し、前記光導波路が、前記光を入射するための入力光導波路と、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路と、前記相互作用光導波路において変調された結果生成された信号光を出射する出力光導波路からなる光変調器において、
    前記相互作用光導波路の近傍を伝搬する電気信号の電気力線のうち、空気中以外に存在する電気力線が前記基板と前記低誘電率接着層を通過することにより該電気信号の等価屈折率が下がり、前記光導波路を伝搬する前記光の等価屈折率に近づくように前記低誘電率接着層の厚みを設定するとともに、前記低誘電率接着層が前記基板の破損を抑えることを特徴とする光変調器。
  2. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記基板の他方の面側で前記基板に接着して形成され、前記基板の比誘電率より低い材料から成る低誘電率接着層とを具備し、前記光導波路が、前記光を入射するための入力光導波路と、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路と、前記相互作用光導波路において変調された結果生成された信号光を出射する出力光導波路からなる光変調器において、
    前記相互作用光導波路の近傍を伝搬する電気信号の電気力線のうち、空気中以外に存在する電気力線が前記基板と前記低誘電率接着層のみを通過することにより該電気信号の等価屈折率が下がり、前記光導波路を伝搬する前記光の等価屈折率に近づくように前記低誘電率接着層の厚みを設定するとともに、前記低誘電率接着層が前記基板の破損を抑えることを特徴とする光変調器。
  3. 前記基板の厚みが50μm以下であることを特徴とする請求項1および2に記載の光変調器。
  4. 前記基板の前記他方の面が略平坦であることを特徴とする請求項1から3に記載の光変調器。
  5. 前記基板がx−cutリチウムナイオベート基板であることを特徴とする請求項1から4に記載の光変調器。
  6. 前記基板がz−cutリチウムナイオベート基板であることを特徴とする請求項1から4に記載の光変調器。
  7. 前記基板の厚み、前記低誘電率接着層の比誘電率、前記中心導体の幅と厚み、前記接地導体の厚み、及び前記中心導体と前記接地導体との間のギャップを、前記進行波電極を伝搬する電気信号の等価屈折率と前記光導波路を伝搬する前記光の等価屈折率が近くなるように、それぞれの値を設定したことを特徴とする請求項1から5に記載の光変調器。
  8. 前記基板の厚み、前記低誘電率接着層の比誘電率、前記中心導体の幅と厚み、前記接地導体の厚み、前記中心導体と前記接地導体との間のギャップ、及びバッファ層の厚みを、前記進行波電極を伝搬する電気信号の等価屈折率と前記光導波路を伝搬する前記光の等価屈折率とが近くなるように、それぞれの値を設定したことを特徴とする請求項6に記載の光変調器。
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