JP2006063259A - 水系分散体と水系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水分散体として長期間の保存安定性に優れると共に、硬化剤を配合した際の可使時間の長い水分散体を得る。
【解決手段】 末端基の80%以上が水酸基であり、かつ数平均分子量が2000〜50000のハイパーブランチポリエステル(I)、沸点が60〜200℃の水溶性有機化合物(II)および水(III)からなり、(I)、(II)、(III)の合計量を100重量%としたときに、(I)が10〜70重量%、(II)が2〜40重量%、(III)が20〜88重量%であり、しかも下記式の比率を満足することを特徴とする水系分散体に関する。
0.05<[(II)の重量/{(II)の重量+(III)の重量}]<1
【選択図】 なし

Description

本発明はハイパーブランチポリエステルの水系分散体に関する。更に詳しくは各種コート剤や接着剤、繊維処理剤に用いる事ができ、耐水性、耐候性に優れた皮膜を形成でき、貯蔵安定性に優れたハイパーブランチポリエステルの水系分散体に関する。
高度に分岐したポリマーとして重合中に枝分かれを繰り返しながら生長していくポリマーが知られている。このポリマーはハイパーブランチポリマーと呼ばれている。ハイパーブランチポリマーはABx(xは2以上の整数)型の分子の重合により合成できる事が知られている(非特許文献1、2)。ここでA、Bは互いに異なる官能基a、bを有する有機基であり、官能基a、bは互いに化学的に縮合反応、付加反応を起こす事が可能であるものである。ABxの重合時にAB型分子(1分子中にAとBの有機基を各1つ有する化合物)を共重合させる事も知られている。
2(Aの有機基を1分子中に2個有する化合物)とB3(Bの有機基を1分子中に3個有する化合物)の等モル反応から、ハイパーブランチポリマーが得られることも知られている。この場合A2とB3の最初の反応が、続いて起こる反応よりも早い場合にハイパーブランチ構造が形成されるが、反応条件により容易にゲル化することも報告されている(非特許文献3)。
また、A2とB’B2(1分子中にB’の有機基を1個、Bの有機基を2個有する化合物で、B’はBと反応しないが、Aと反応する。Aに対するB’とBの反応性は異なる。)の反応からもハイパーブランチポリマーが得られることも知られている(非特許文献4)。
ハイパーブランチポリマーとしてはポリエステルでは特許文献1、及び特許文献2にはジメチロールプロピオン酸のような1分子中に水酸基を2個、カルボン酸基を1個有するものから得られる水酸基を末端基とするポリエステルが記述されている。また、芳香族ポリエステルでもハイパーブランチポリエステルが知られている(特許文献3)。
P.J.フローリ(岡 小天、金丸 競 共著)、「高分子化学」第9章 丸善(株)、(1956) 石津 浩二、「分岐ポリマーのナノテクノロジー」第6章、(株)アイピーシー(2000) M. Jikei, S. H. Chon, M. Kakimoto, S. Kawauchi, T. Imase and J. Watanabe, Macromolecules,1999, 32, 2061. D. Yan and C. Gao, Macromolecules, 2000, 33, 7693. 米国特許公報第3,669,939号 特許第2574201号公報 特開平5−214083号公報
高度に分岐したハイパーブランチポリマーは末端基濃度が従来の線状ポリマーより圧倒的に高い。従って末端基が水酸基の場合、有機溶剤で溶解した場合、溶液粘度の経時変化が激しく、容易にプリン化する。また末端基濃度が高いため、末端基と常温で反応する硬化剤を配合すると架橋反応が急速に進行し、使用可能時間が短いという問題がある。本発明の目的は水分散体として長期間の保存安定性に優れると共に、硬化剤を配合した際の可使時間の長い水分散体を得ることにある。
本発明者達はハイパーブランチポリエステルを種々の溶剤への溶解や分散について、鋭意研究してきた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、末端基の80%以上が水酸基であり、かつ数平均分子量が2000〜50000のハイパーブランチポリエステル(I)、沸点が60〜200℃の水溶性有機化合物(II)および水(III)からなり、(I)、(II)、(III)の合計量を100重量%としたときに、(I)が10〜70重量%、(II)が2〜40重量%、(III)が20〜88重量%であり、しかも下記式の比率を満足することを特徴とする水系分散体である。
0.05<[(II)の重量/{(II)の重量+(III)の重量}]<1
また、上記水系分散体に、さらに、アミノ樹脂、エポキシ樹脂およびイソシアネート化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物を含有してなることを特徴とする水系樹脂組成物である。
本発明の水分散体は流動性の変化が少なく、特に硬化剤を配合したものでも粘度の経時変化が少ない。ハイパーブランチ構造に起因する溶液粘度の変化を少なくするために極めて有用なものである。
本発明で用いるハイパーブランチポリエステルはコア物質の存在下あるいは不存在下でABx(xは2以上の整数)型の分子の重縮合により合成された物が望ましい。ここでA、Bは互いに異なる官能基a、bを有する有機基であり、官能基a、bは互いに化学的に縮合反応、付加反応を起こす事が可能であるものである。Aの官能基はカルボン酸基、Bが水酸基であることが望ましいが、AとBが逆の場合や、Aがカルボン酸のメチルエステル基あるいはエチルエステル基等の低級アルコールからのエステル基でBが水酸基、Bがカルボン酸のメチルエステル基でAが水酸基であっても良い。これらの場合のように、エステル形成時に水や低級アルコールを放出する反応以外に、さらに、Aが水酸基の酢酸エステル基でBがカルボン酸、Bが水酸基の酢酸エステル基でAがカルボン酸の場合のようにエステル形成時、酢酸を放出する反応でハイパーブランチポリエステルを重合しても良い。得られたポリエステルの末端基がカルボン酸やエステル基の場合には、本発明の目的のためには末端基を水酸基に変換する操作を必要とする。水酸基はアルコール性水酸基以外にフェノール性水酸基であっても良い。
原料のABx(xは2以上の整数)型の分子の具体例としてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、3,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、5−(2−ヒドロキシエトキシ)イソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、5−アセトキシイソフタル酸、3,5−ジアセトキシイソフタル酸、ジフェノール酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のメチルエステル等が挙げられ、これらの中でジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が望ましい。
本発明で用いるポリエステルには官能基濃度の調整や物性の最適化等のためにAB型分子(A、Bは互いに異なる官能基a、bを有する有機基であり、官能基a、bは互いに化学的に縮合反応、付加反応を起こす事が可能)を共重合させても良い。AB型分子の具体的な例としてはグリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、あるいはAB型分子の自己縮合物であるラクトン化合物、ラクチド化合物が挙げられる。AB型分子はポリエステル中重量比で70%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。
本発明で用いるポリエステルの末端基の80%以上は水酸基である。ABx(xは2以上の整数)型の分子の重縮合でハイパーブランチポリエステルを得る場合には、Bの官能基が水酸基の場合には、ポリエステルの末端基は実質的に水酸基である。末端基が水酸基以外の場合、たとえばカルボン酸基やエステル基には、グリシジル化合物との反応や加水分解等の水酸基に変換する操作が必要である。他の官能基を20%以上導入すると、水分散化ができないおそれがあり、安定性が低下する等の問題が発生することがある。
本発明で使用するポリエステルの分子量は数平均分子量で2000〜50000の物を用いることが望ましい。数平均分子量が2000以下では樹脂が脆く、実用上問題が多い。数平均分子量が50000を超えると水分散体の安定性が低下するおそれがある。
本発明で使用する沸点が60〜200℃の水溶性有機化合物(II)はポリエステルの水に対する親和性を高め分散性を補助する働きをする。その結果、ポリエステルは水中で安定なミセルを形成できるため、分散体の流動性が安定する。水溶性有機化合物(II)は20℃で1kgの水に対する溶解度が100g以上の有機化合物であり、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、アミン化合物が挙げられる。具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の一価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類がなどである。これらのうち特にエタノール、イソプロパノール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールプロピルエーテルが好ましい。これらの水溶性有機化合物は単独で、または2種以上の併用系で使用することができる。また、水溶性有機化合物(II)の沸点は60〜200℃の範囲にある。60℃よりも低いと、ポリエステルの水分散体を製造する時に、充分な温度を保てない。200℃を超えると得られた水分散体の乾燥性が悪くなる。
本発明の水分散体はハイパーブランチポリエステル(I)、水溶性有機化合物(II)および水(III)からなり、(I)、(II)、(III)の合計量を100重量%としたときに、(I)が10〜70重量%、(II)が2〜40重量%、(III)が20〜88重量%であり、しかも下記式の比率を満足することを特徴とする水系分散体。
0.05<[(II)の重量/{(II)の重量+(III)の重量}]<1
水系分散体に含まれるハイパーブランチポリエステル(I)の濃度が10重量%未満の場合や70重量%を超える場合は水系分散体の粘度が低くまたは高くなりすぎることがある。水系分散体に含まれる水溶性有機化合物(II)の割合が2重量%未満では分散性が劣り容易に凝集が起こる場合がある。40重量%を超えると乾燥性や水系分散体の保存性等が悪化する傾向にある。
本発明の水系分散体はそのままでも使用されるが、架橋剤としてアミノ樹脂、エポキシ樹脂およびイソシアネート化合物の群から選ばれた1種以上の化合物を配合してもよい。有機溶剤系では硬化剤の配合により常温で硬化反応が進行するような組み合わせであって も、水系分散体を利用する本発明の系では常温での硬化反応の進行は遅く、粘度変化が遅いため、配合物としての可使時間が長くなる。一方、水と水溶性有機化合物を蒸発させると、硬化反応は急速に進む。
アミノ樹脂としては例えば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等のホルムアルデヒド付加物、さらに炭素数が1〜6のアルキル化物を挙げる事ができる。
エポキシ樹脂としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、スイソカビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステルエーテル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートが挙げられる、低分子化合物、高分子化合物のいずれを用いてもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などとを反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートのブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノールなどの第3級アルコール類、ε−カプロラクタム、δーバレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピルラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートはイソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
本発明においては、高度の耐光性を実現するためには、使用するイソシアネート化合物は、脂肪族系であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂水系分散体に配合することから、配合後塗工液の可使時間を考慮すると、ブロックタイプまたは水分散型(イソシアネート化合物をポリエーテル等で変性したもの)のイソシアネート系硬化剤が好ましい。ブロックタイプのものは、ブロック化剤を外すために、100℃以上の高温条件下に基材を保つことになり、耐熱性の乏しいオレフィン等の素材には不適切であり、基材による使用制限を受けるので、水分散型が好ましい。ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体化合物のポリエチレングリコール変性品が、ポリエステル水分散体との相溶性が良好で、可使時間も長く、硬化塗膜も高い接着強度を示し、かつ高い耐光性、耐久性を示す。
本発明の水系分散体は塗料、インキ、コーティング剤および繊維製品や紙等の処理剤の分野で使用され、有機溶剤系では得られない特性が得られる。さらにサイジング剤として用いることも可能である。本発明の水分散体には顔料、染料、各種添加剤などを配合することができる。
以下本発明をさらに詳細に説明するために、実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。なお、実施例中の測定は以下の方法で行った。
(1)数平均分子量
テトラヒドロフランを溶離液としたウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150cを用いて、カラム温度35℃、流量1ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただしカラムは昭和電工(株)shodex KF−802、804、806を用いた。
(2)ガラス転移温度
サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定した。ガラス転移温度は、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
(3)酸価
樹脂0.2gを20cm3のクロロホルムに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、樹脂106g当たりの当量(当量/トン)を求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
(4)水酸基価
樹脂50gをトルエン60g、2−ブタノン60gの混合溶剤に溶解し、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート50gを加え、80℃で2時間反応させた。ついで、反応液中の残存イソシアネート基濃度を滴定により定量し、水酸基価を求めた。水酸基価の値は樹脂106g当たりの当量(当量/トン)を求めた。
[実施例1]
ハイパーブランチポリエステルとしてパーストプ社のボルトンH40(トリメチロールプロパンを核とするジメチロールプロパンの重縮合物)35部、イソプロピルアルコール20部及び水45部を容器中に仕込み、70℃で約3時間攪拌し水分散体を得た。20℃で保存後の1日後の状態を観察した。水分散体は粘度や流動特性には変化がなかった。なお、使用したボルトンH40の数平均分子量は5000、ガラス転移温度は40℃、水酸基価は8400当量/トン、酸価は180当量/トンである。
[実施例2〜3]
実施例1で用いたイソプロピルアルコールの変わりに、実施例2ではプロピレングリコールプロピルエーテルを、実施例3ではn−ブチルセロソルブを用いた。実施例1と同様に水分散体を得た。1日後の状態を観察したところ、粘度や流動特性には変化がなかった。
[実施例4]
実施例1で用いたボルトンH40を35部、イソプロピルアルコール20部及び水55部を容器中に仕込み、70℃で約3時間攪拌し水分散体を得た。内温を100℃まで昇温し、大部分のイソプロピルアルコールを溜去後、直ちにN−メチルモノエタノールアミン3部を加え、室温まで冷却した。水を追加する事により固形分濃度を35%に調整した。最終的な溶剤組成はイソプロピルアルコール/N−メチルモノエタノールアミン/水=/1/3/61であった。得られた水分散体を20℃で保存し、1日後の状態を観察した。水分散体は粘度や流動特性には変化がなかった。
[比較例1〜4]
実施例1で用いたボルトンH40を35部、メチルエチルケトン33部、トルエン32部を容器中に仕込み、70℃で約3時間攪拌し有機溶剤溶液を得た。20℃保存1日後の状態を観察した。溶解品はプリン化し傾けても流動しなかった。他の溶剤系の溶液ないし分散体も得た。比較例2では溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(21/21/23重量比)、比較例3ではトルエン/エタノール(32/33重量比)、比較例4ではイソプロピルアルコール/水(1/64重量比)である。実施例1と同様に1日後の流動性を観察した。いずれも流動性は不良であった。
[比較例5]
実施例1で用いたボルトンH40を35部、イソプロピルアルコール20部及び水55部を容器中に仕込み、70℃で約3時間攪拌しポリエステル水分散体を得た。内温を100℃まで昇温し、大部分のイソプロピルアルコールを溜去後、直ちに28%アンモニア水を12部加え、室温まで冷却した。水を追加する事により固形分濃度を35%に調整した。最終的な溶剤及びアンモニアの組成はイソプロピルアルコール/アンモニア/水=1/3/61であった。得られた水分散体を20℃で保存後、1日後の状態を観察した。水分散体は流動不良であった。
[実施例5]
実施例1で用いたパーストプ社のボルトンH40を100部とε−カプロラクトン30部をオートクレーブに仕込み、さらにテトラブトキシチタネート0.01部加えた。系内を窒素に置換し、200℃に昇温した。30分間付加反応後取り出した。得られた樹脂の数平均分子量は6200、ガラス転移温度は−13℃、水酸基価は6000当量/トン、酸価は220当量/トンであった。この樹脂35部をイソプロピルアルコール20部及び水45部を容器中に仕込み、70℃で約3時間攪拌し水分散体を得た。20℃保存1日後の状態を観察した。水分散体は粘度や流動特性には変化がなかった。
[実施例6〜7][比較例6]
実施例1及び実施例5で得られた水系分散体100部に日本ポリウレタン社製水分散タイプポリイソシアネート「アクアネート210」20部加えた。この配合液をコロナ放電処理ポリプロピレンフィルム(厚み50μ)の処理面に乾燥後の厚みで5μになるように塗布し、70℃で2分間乾燥した。塗布面同士を重ね70℃で張り合わせた。接着物の接着力を、測定温度20℃、引張り速度200mm/分の条件でT型剥離強度を測定した。各種耐久試験後の結果も併せて表−1に示す。また水分散体とポリイソシアネートの配合物を8時間20℃で放置した後の流動状態を観察した。
同様に比較例6では比較例1で得られた溶液を用いてポリイソシアネートを配合した。ポリイソシアネートの配合は比較例1の溶液を加熱し流動性を回復させた後に冷却し、配合した。8時間後には配合品は流動性を無くしていた。これを加熱しても流動性は戻らなかった。
Figure 2006063259
以上述べてきたように、本発明の水分散体は流動性の変化が少なく、特に硬化剤を配合したものでも粘度の経時変化が少ない。ハイパーブランチ構造に起因する溶液粘度の変化を少なくするために極めて有用なものである。

Claims (2)

  1. 末端基の80%以上が水酸基であり、かつ数平均分子量が2000〜50000のハイパーブランチポリエステル(I)、沸点が60〜200℃の水溶性有機化合物(II)および水(III)からなり、(I)、(II)、(III)の合計量を100重量%としたときに、(I)が10〜70重量%、(II)が2〜40重量%、(III)が20〜88重量%であり、しかも下記式の比率を満足することを特徴とする水系分散体。
    0.05<[(II)の重量/{(II)の重量+(III)の重量}]<1
  2. 請求項1に記載の水系分散体に加えて、アミノ樹脂、エポキシ樹脂およびイソシアネート化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物を含有してなることを特徴とする水系樹脂組成物。
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