次に、本発明に好適な実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、上記DVDに対して本発明を適用した実施の形態について説明するものである。
なお、以下の実施の形態においては、下記リストの左側に示した特許請求の範囲における各構成要素の一例が、下記リストの右側に示した要素から夫々構成されている。
データグループ :タイトル
再生許可レベル :パレンタル(Parantal)ID
再生管理領域 :ビデオマネージャ
再生許可範囲情報:パレンタルマネージメントテーブル
(I)情報記録媒体の実施の形態
始めに、本発明が適用された情報記録媒体の実施の一形態であるDVDの物理的及び論理的な構成並びにその動作について、図1乃至図2を用いて説明する。
始めに、映像情報及び音声情報のDVD上における記録フォーマット(物理的記録フォーマット)について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、実施形態のDVD1は、その最内周部にリードインエリアLIを有すると共にその最外周部にリードアウトエリアLOを有しており、その間に、映像情報及び音声情報が、夫々にID(識別)番号を有する複数のVTS3(VTS#1乃至VTS#n)に分割されて記憶されている。ここで、VTS(Video Title Set)とは、関連する(音声、サブピクチャのストリーム数や、仕様、対応言語などの属性が同じ)タイトル(映画等の、製作者が視聴者に提示しようとする一つの作品)を一まとめにしたセット(まとまり)であり、より具体的には、例えば、一本の同じ映画について、異なる言語の複数の映画が夫々にタイトルとして記録されたり、又は、同じ映画であっても劇場版と特別版とが夫々別のタイトルとして記憶されたりするものである。また、VTS3が記録されている領域の先頭には、ビデオマネージャ2が記録される。このビデオマネージャ2として記録される情報は、例えば、各タイトルの名前を示すメニューや、違法コピー防止のための情報、又は夫々のタイトルにアクセスするためのアクセステーブル等、当該DVD1に記録される映像情報及び音声情報の全体に係わる情報が記録される。
次に、一のVTS3は、コントロールデータ11を先頭として、夫々にID番号を有する複数のVOB10に分割されて記録されている。ここで、複数のVOB10により構成されている部分をVOBセット(VOBS)という。このVOBセットは、VTS3を構成する他のデータであるコントロールデータ11と、映像情報及び音声情報の実体である複数のVOB10の部分とを区別するために当該実体部分についてVOBセットとしたものである。
VTS3の先頭に記録されるコントロールデータ11には、複数のセル(セルについては後述する。)を組合わせた論理的区分であるプログラムチェインに関する種々の情報であるPGCI(Program Chain Information)等の情報が記録される。また、各VOB10には、制御情報の他に映像情報及び音声情報の実体部分(制御情報以外の映像又は音声そのもの)が記録されている。
更に、一のVOB10は、夫々にID番号を有する複数のセル20により構成されている。ここで、一のVOB10は、複数のセル20により完結するように構成されており、一のセル20が二のVOB10に跨がることはない。
次に、一のセル20は、夫々にID番号を有する複数のVOBユニット(VOBU)30により構成されている。ここで、VOBユニット30とは、映像情報、音声情報及び副映像情報(映画における字幕等の副映像の情報をいう。)の夫々を含む情報単位である。
そして、一のVOBユニット30は、ナビパック41と、映像情報を有しているビデオパック42と、音声情報を有しているオーディオパック43と、副映像情報を有しているサブピクチャパック44とにより構成されている。ここで、ビデオパック42としては画像データの含まれるパケットが記録され、オーディオパック43としては音声データの含まれるパケットが記録される。また、サブピクチャパック44としては副映像としての文字や図形等のグラフィックデータの含まれるパケットが記録される。なお、DVD1に記録可能な音声は8種類であり、記録可能な副映像の種類は32種類であることが規格上定められている。
また、一のVOBユニット30に対応する再生時間(一のナビパック41と当該一のナビパック41に隣接するナビパック41との間に記録されているデータに対応する再生時間)は、0.4秒以上の長さを有するように記録される。さらに、一のVOBユニットにおいてナビパック41は必ず先頭に存在するが、ビデオパック42、オーディオパック43、サブピクチャパック44の夫々は必ずしも存在する必要はなく、存在する場合であってもその数及び順序は任意である。
最後に、ナビパック41は、表示させたい映像や音声等を検索するための検索情報(具体的には、当該表示させたい映像や音声等が記録されているDVD1上のアドレス等)であるDSI(Data Search Information)パケット51と、DSIパケット51に基づいて検索してきた映像や音声等を表示する際の表示制御に関する情報であるPCI(Presentation Control Information)パケット50とにより構成され、更に、一のVOBUに含まれる全てのビデオデータは、1個以上のGOP(Group Of Picture)52により構成されている。なお、PCIパケット50には、視聴者によって選択される選択項目に対してその項目が選択されたときの表示や動作を定義したハイライト情報が含まれている。ハイライト情報によって例えば視聴者が選択すべき項目を表した画像(いわゆるメニュー画面)における、選択された項目に対する画面表示の変化や変化すべき表示位置及び選択した項目に対応するコマンド(選択された項目に対応して実行される命令)の設定が行われる。
ここで、メニュー画面を構成して表示するために必要な、枠、選択ボタン等を構成して表示するための画像情報は、上記の副映像情報としてサブピクチャパック44に記録される。
更に、上記GOP52は、本実施の形態におけるDVD1に画像情報を記録する際に採用されている画像圧縮方式であるMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)方式の規格において定められている単独で再生可能な最小の画像単位である。
ここで、MPEG2方式についてその概要を説明すると、一般に、連続したフレーム画像において、一枚のフレーム画像の前後にあるフレーム画像は、互いに類似し相互関係を有している場合が多い。MPEG2方式はこの点に着目し、数フレームを隔てて転送される複数のフレーム画像に基づき、当該複数のフレーム画像の間に存在する別のフレーム画像を、原画像の動きベクトル等に基づく補間演算にて生成する方式である。この場合、当該別のフレーム画像を記録する場合には、複数のフレーム画像との間における差分及び動きベクトルに関する情報を記録するだけで、再生時には、それらを参照して上記複数のフレーム画像から予測して当該別のフレーム画像を再生することが可能となる。これにより、画像の圧縮記録が可能となるのである。
更に、上記GOP52について図2を用いてその概要を説明する。なお図2は、一のGOP52を構成する複数のフレーム画像の例を示している。図2では、一のGOP52が12枚のフレーム画像から構成されている場合(MPEG2方式では、一のGOP52に含まれるフレーム画像数は一定ではない。)を示しているが、この内、符号「I」で示されるフレーム画像は、Iピクチャ(Intra-coded picture:イントラ符号化画像)と呼ばれ、自らの画像のみで完全なフレーム画像を再生することができるフレーム画像をいう。また、符号「P」で示されるフレーム画像は、Pピクチャ(Predictive-codedpicture:前方予測符号化画像)と呼ばれ、既に復号化されたIピクチャ又は他のPピクチャに基づいて補償再生された予測画像との差を復号化する等して生成する予測画像である。また、符号「B」で示されるフレーム画像は、Bピクチャ(Bidirectionallypredictive-coded picture:両方向予測符号化画像)といい、既に復号化されたIピクチャ又はPピクチャのみでなく、光ディスク等に記録されている時間的に未来のIピクチャ又はPピクチャをも予測に用いて再生される予測画像をいう。図2においては、各ピクチャ間の予測関係(補間関係)を矢印で示している。
なお、本実施形態におけるDVD1で用いるMPEG2方式においては、夫々のGOP52に含まれるデータ量が一定でない可変レート方式を採用している。すなわち、一のGOP52に含まれる各ピクチャが、動きの速い動画に対応しており、各ピクチャ間の相関関係が小さい場合には、各ピクチャを構成するためのデータ量が多くなり、従って、一のGOP52に含まれるデータ量も多くなる。一方、一のGOP52に含まれる各ピクチャが、あまり動きのない動画に対応しており、各ピクチャ間の相関関係が大きい場合には、各ピクチャを構成するためのデータ量も少なくなり、一のGOP52に含まれるデータ量も少なくなることとなる。
以上説明した図1に示す階層構造の記録フォーマットにおいて、夫々の区分は、製作者がその意図に応じて自在に区分設定をして記録させることができる。これらの区分毎に後述の論理構造に基づいて再生することにより、変化に富んだ種々の再生が可能となるのである。
次に、図1に示す物理的な区分により記録された情報を組合わせた論理的フォーマット(論理構造)について図3を用いて説明する。なお、図3に示す論理構造は、その構造で実際にDVD1上に情報が記録されているのではなく、図3に示す論理構造で図1に示す各データ(特にセル20)を組合わせて再生するための情報(アクセス情報又は時間情報等)がDVD1上の、特にコントロールデータ11の中に記録されているものである。
説明の明確化のために、図3の下位の階層から説明していくと、上記図1において説明した物理構造のうち、複数のセル20を選択して組合わせることにより、一のプログラム60が製作者の意図に基づいて論理上構成される。このプログラム60は、後述の再生装置におけるシステムコントローラが、区分を識別してコマンドによってアクセスできる最小の論理的単位でもある。なお、このプログラム60を1個以上まとめたものを視聴者が自由に選択して視聴することができる最小単位として製作者が定義することもでき、この単位をPTT(Part Of Title)という。
また、一のプログラム60が複数のセル20を選択して論理的に構成されることから、複数のプログラム60で一のセル20を用いる、すなわち、一のセル20を異なった複数のプログラム60において再生させる、いわゆるセル20の使い回しを行うことも可能となっている。
ここで、一のセル20の番号については、当該セル20を図1に示す物理フォーマットにおいて取り扱う際にはセルID番号として扱われ(図1中、セルID#と示す。)、図3に示す論理フォーマットにおいて取り扱う際には、後に述べるPGCI中の記述順にセル番号として扱われる。
次に、複数のプログラム60を組合わせて一のPGC(Program Chain)61が製作者の意図に基づいて論理上構成される。このPGC61の単位で、前述したPGCI(Program Chain Information)が定義され、当該PGCIには、夫々のプログラム60を再生する際の各プログラム60毎のセル20の再生順序(この再生順序により、プログラム60毎に固有のプログラム番号が割当てられる。)、夫々のセル20のDVD1上の記録位置であるアドレス、一のプログラム60における再生すべき先頭セル20の番号、各プログラム60の再生方式[(本実施形態のDVD1に情報を記録する際には、再生時において、ランダム再生(乱数によるランダム再生であり、同じプログラム60が複数回再生されることがある。)、シャッフル再生(ランダム再生と同様の乱数によるランダム再生であるが、同じプログラム60は一度しか再生されず、同じプログラム60が複数回再生されることはない。)又はループ再生(一つのPGC61を何度も再生すること。)のうち、いずれか一つまたは、ループ再生、ランダム再生またはシャッフル再生の組み合わせによる再生方法をPGC61毎に製作者が選択して再生させるようにすることができる。)及び各種コマンド(PGC61またはセル20毎に製作者が指定可能なコマンド)が含まれている。なお、PGCIのDVD1上の記録位置は、上述の通り、コントロールデータ11内ではあるが、或いは、ビデオマネージャ2内のコントロールデータ(図示せず)内である(図1参照)。
また、一のPGC61には、上記PGCIの他に、実体的な画像及び音声等のデータがプログラム60の組合わせとして(換言すれば、セル20の組合わせとして)含まれることとなる。
更に、一のPGC61においては、上記のプログラム60における説明において示したセル20の使い回し(すなわち、異なるPGC61により、同一のセル20を用いること。)も可能である。また、使用するセル20については、DVD1に記憶されている順番にセル20を再生する方法(連続配置セルの再生)の他に、DVD1に記憶されている順序に関係なく再生する(例えば、後に記録されているセル20を先に再生する等)方法(非連続配置セルの再生)を製作者が選択することができる。
次に、一又は複数のPGC61により、一のタイトル62が論理上構成される。このタイトル62は、例えば、映画一本に相当する単位であり、製作者がDVD1の視聴者に対して提供したい完結した情報である。
そして、一又は複数のタイトル62により、一のVTS63が論理上構成される。このVTS63に含まれるタイトル62は、夫々に共通の属性を有するものであり、例えば、一本の同じ映画に対して違う言語の映画が夫々のタイトル62に相当することとなる。また、図3に示す一のVTS63に相当する情報は、図1に示す一のVTS3に含まれている情報に対応している。すなわち、DVD1には、図3に示す論理上のVTS63内に含まれる全ての情報が一のVTS3として記録されていることとなる。
以上説明した論理フォーマットに基づいて、物理構造において区分された情報を製作者が指定することにより、視聴者が見るべき画像(映画等)が形成されるのである。
なお、図1に示す物理構造の説明においては、内容の理解の容易化のため、複数のセル20がID番号の順に記録されているとして説明したが、実施形態のDVD1においては、実際には、一のセル20が図4に示す複数のインターリーブドユニットIUに分割されて記録される場合がある。
すなわち、例えば図4に示すように、製作者が一のPGC61AをID番号1、2及び4を有するセル20により構成し、他のPGC61BをID番号1、3及び4を有するセル20により構成する場合を考えると、当該PGC61Aに基づいてDVD1から情報を再生する際には、ID番号1、2及び4を有するセル20のみを再生し、PGC61Bに基づいてDVD1から情報を再生する際には、ID番号1、3及び4を有するセル20のみを再生することとなる。この場合に、セル20がID番号毎に分離して記録されていると、例えば、PGC61Aの場合には、ID番号2のセル20のDVD1上の記録位置からID番号4のセル20DVD1上の記録位置まで、再生のためのピックアップをジャンプする時間が必要となり、後述の再生装置におけるトラックバッファの容量によっては、ID番号2のセル20とID番号4のセル20を連続的に再生すること(以下、これをシームレス再生という。)ができなくなる。
そこで、図4に示す場合には、ID番号2のセル20とID番号3のセル20を、上記トラックバッファにおける入出力処理の速度に対応して、一時的に入力信号の入力が停止しても、出力信号の連続性が損なわれない長さのインターリーブドユニットIU(すなわち、一のインターリーブドユニットIUの間だけピックアップがジャンプすることによりトラックバッファへの入力信号が途絶えても、当該トラックバッファからの出力信号を連続的に出力可能な長さのインターリーブドユニットIU)に夫々分解して記録し、例えば、PGC61Aに基づいて再生する場合には、ID番号2に対応するセル20を構成するインターリーブドユニットIUのみを連続して検出し、再生することが行われる。同様に、PGC61Bに基づいて再生する場合には、ID番号3に対応するセル20を構成するインターリーブドユニットIUのみを連続して検出し、再生するのである。なお、インターリーブドユニットIUの長さは、上述のように、トラックバッファの容量を勘案して決定される他に、トラックジャンプを行うためのスライダモータ等の駆動機構の性能をも加味して決定される場合がある。
このように、製作者の意図によって、一のセル20を複数のインターリーブドユニットIUに分割して記録しておくことにより、飛び飛びのID番号のセル20を含むPGC61を再生する際にも、トラックバッファから出力される信号は途切れることはなく、従って、視聴者は中断することのない再生画像を視聴することができるのである。
なお、上記インターリーブドユニットIUを形成する際には、一のVOB10内で完結するように形成され、一のインターリーブドユニットIUが隣り合う複数のVOB10に跨がることはない。また、インターリーブドユニットIUとVOBユニット30との関係については、一のインターリーブドユニットIU内に一又は複数のVOBユニット30が含まれ、一のインターリーブドユニットIU内においては一のVOBユニット30が完結するように構成されており、一のVOBユニット30が分割されて複数のインターリーブドユニットIUに跨がることはない。
次に、上記の物理構造及び論理構造を有する画像情報及び音声情報のうち、特に本発明に係る(パレンタルマネージメントテーブル及びパレンタルID)について詳細に説明する。
図5に、各ビデオタイトルセット毎のアメリカ及び日本のパレンタルレベルと、タイトルパレンタルIDとの対応関係の一例を示す。パレンタルレベルとは、例えば、日本では映倫の成人向け(O18)及び一般向け(U17)の2レベルで運営され、アメリカでは現在X、R、NC17、PG13、PG、Gの6レベルで運営されている。ここでは、日本及びアメリカ向けに作成したディスクが1つのVTSとして5つのタイトルT1〜T5を有し、タイトルT1、T2、T3、T4及びT5が、図5に示された各パレンタルレベルに対して、それぞれタイトルパレンタルIDとして5,0,4,3,5を有しているものとする。T2、T3及びT4は、日本のパレンタルレベルは全てU17であるが、アメリカでのパレンタルレベルが異なっているため、パレンタルIDが異なっている。
図5に示す対応関係に基づき作成したパレンタルマネージメントテーブル(パレンタルレベルとタイトルパレンタルIDとの対比表(PTM))の一例を図6に示し、各タイトルパレンタルIDの一例を図7に示す。
図6の各ID指定欄には、国毎の各レベル(LVL#1〜6)で再生することのできるタイトルパレンタルIDのID番号を1として記述する。ここで、各レベルは、LVL#1から順にリニアでレベルの高い順に並んでいる。すなわち、レベル1が選択された場合にはレベル2〜6で再生可能なタイトルはすべて再生可能である。当該実施の形態において、パレンタルマネージメントテーブルは、ビデオマネージャ2内のボリュームインフォメーションファイルにパレンタルマネージメントインフォメーションテーブル(PINF)として格納されているものとするが、ディスク内の任意の位置にまとめて配置することができる。
図7に示す各タイトルパレンタルIDは、該当するIDにフラグ1を立てることによって表示される。例えば、タイトルT1の場合、タイトルパレンタルIDが5であるため、ID5にフラグ1が立っているアメリカレベルのLVL#1または#2が選択された場合または日本レベルのLVL#1が選択された場合に再生可能である。当該実施の形態では、タイトルパレンタルIDは、タイトルのインフォメーションテーブル内に記述されているものとするが、ディスク内の任意の位置に配置することができる。例えば、各タイトルパレンタルIDをビデオマネージャ2内のタイトルをアクセスするためのアクセステーブル内に記述することもできる。このように、タイトルパレンタルIDには各国毎の情報を記述しないで、単に識別のためのIDのみを記述しているので、パレンタルレベルに関する情報を記憶するための記憶容量を減少させることができる。
図6及び図7に示すように、パレンタルマネージメントテーブル及びタイトルパレンタルIDを設けることによって、再生装置が、設定されたレベル(LVL#)に対応するパレンタルID(IDA)をディスクのパレンタルマネージメントテーブルから読み出すとともに、選択されたタイトルのパレンタルID(IDB)をディスクから読み出し、IDBがIDAに含まれる場合に選択されたタイトルを再生する。したがって、各国毎に異なるパレンタルレベルに対して同一のディスクを各国対応で再生できる。
図8に、ビデオマネージャ内に記録される実際のパレンタルマネージメントインフォメーションテーブル(PINF)の一例を示す。図8に示すPINFは、パレンタルマネージメントインフォメーションテーブルの管理テーブル(PIMT)と、複数のパレンタルマネージメントテーブルサーチポインタ(PMT−SRP)と、複数のパレンタルマネージメントインフォメーションテーブル(PMT)とを備えて構成される。
PIMTは、ディスク内にパレンタルのインフォメーションを保有している国の数(CTY−No.)、ディスク内に記録されているビデオタイトルセットの数(VTS−No.)及びPINFのエンドアドレス(PINF−EA)を有している。
また、各PMT−SRPは、国名を表すコード(CTY_CD)及びその国の有するパレンタルレベル数(P−LVL−No.)及び該当するPMTのスタートアドレス(PMT−SA)を有している。
各PMTは、対応する国毎に複数のパレンタルテーブルを最大8個まで有している。また、PTM内の各パレンタルレベルには、各ビデオタイトルセット毎にパレンタルIDテーブルが格納される。したがって、図6に示すPTMは、図8においてディスク内で対応する国数が、アメリカと日本の2カ国で、且つディスク内にT1からT5までの5つのタイトルで構成されるビデオタイトルセットが1つのみ(VTS#1のみ)存在する場合のPINF内のPTMの例である。
なお、タイトルパレンタルIDを、前記のようにビデオマネージャのタイトルサーチポインタ(TT−SRP)に格納することができる。タイトルサーチポインタの場合、そのタイトルに含まれるPGCのPTL−IDをすべて「1」とする。
第1の実施例
次に、図9〜図12を参照して、1タイトルが1PGCから成り、それぞれ3つのタイトルからなる2つのVTSの例について説明する。図9に示すように、VTS#1は、3つのタイトルT1、T2及びT3からなり、VTS#2は、3つのタイトルT4、T5及びT6からなる。図5の場合と同様に、パレンタルレベルは、日本では映倫の成人向け(O18)及び一般向け(U17)の2レベルで運営され、アメリカではX、R、NC17、PG13、PG、Gの6レベルで運営されているものとする。そして、各タイトルT1、T2、T3、T4、T5及びT6のPGCパレンタルIDを、それぞれ3,1,5,3,2,4とした場合のパレンタルマネージメントインフォメーションテーブル(PINF)は、図10に示すようになる。
図10に示すパレンタルマネージメントインフォメーションテーブル(PINF)は、パレンタルマネージメント管理テーブル(PIMT)と、2カ国分(アメリカ及び日本)のパレンタルマネージメントテーブルサーチポインタ(PMT−SRP)と、2カ国分のパレンタルマネージメントテーブル(PMT)と、を備えて構成される。
パレンタルマネージメント管理テーブル(PIMT)は、インフォメーションを保有している国の数(CTY−No.=2)、ディスクに記憶されているビデオタイトルセットの数(VTS−No.=2)及びパレンタルマネージメントインフォメーションテーブルのエンドアドレス(PINF−EA)を有している。
また、各パレンタルマネージメントテーブルサーチポインタ(PMT−SRP)は、各国のコード(CTY_CD)、パレンタルレベルの数(PLT−LVL−No.)(アメリカの場合は6、日本の場合は2である。)などを有している。
また、各パレンタルマネージメントテーブル(PMT)は、図11に示す通りである(図11の※部分である)。図11において、矢印は同一内容であることを示している。
当該第1の実施例では、タイトルサーチポインタ(TT−SRP)は、PGCが1個なので、そのPTL−IDは、図12(A)に示すようになる。したがって、アメリカで、プレーヤがPG13にレベル設定されている場合、図11に示すPMTから、図12(B)に示すようにVTS#1はT1及びT2のみが再生可能であり、VTS#2はT4のみが再生可能である。
第2の実施例
次に、図13及び図14を参照して、1タイトルが2PGCから成り、アメリカレベルで図13に示す3つのレベル(3つのID)を有している例について説明する。
図13に示すように、VTS#1は、2つのタイトルT1及びT2からなる。タイトルT1の第1PGCはID=3からなり、第2PGCはID=1からなる。また、タイトルT2の第1PGIはID=1からなり、第2PGIはID=5からなるものとする。
このようにIDを構成すると、PMTは図14(A)のようになる。すなわち、レベル1の場合(a)には、ID1,3,5に「1」を記述し、レベル2、3または4の場合(b)には、ID1,3に「1」を記述し、レベル5または6の場合(c)には、ID1に「1」を記述する。
また、VTS#1のTT−SRPのPLT−IDは図14(B)のようになる。すなわち、T1では、ID1,3に「1」を記述し、T2では、ID1,5に「1」を記述する。
アメリカレベル2(R)に設定されたプレーヤの場合、図14(C)に示すように、図14(A)の(a)の場合のPMTからVTS#1に対して、ID番号1,3のフラグが1であるタイトルパレンタルIDを有しているタイトルが再生可能となる。したがってT1はそのパレンタルIDのID番号1及び3のフラグのみが1であるため再生可能であるが、T2はそのパレンタルIDのID番号5のフラグが1であり再生不能である。
このようにパレンタルレベルをID付けすることによって、各国別のパレンタルに対応するテーブルの情報量を減少させることができる。また、当該テーブルを一箇所にまとめて記述することによって記憶容量を減少させることができる。さらに、各国毎にソフト製作者の意図で自由にID付けを行うことができ、ID付けに関して規制を設ける必要がないとともに、レベルの変更にも対応できる。
なお、上記DVDは、例えば、一本の映画を記録する他に、当該映画に対応する字幕について、複数種類の言語の字幕をも同一の光ディスクに記録することが可能な記憶容量を有しているので、上記の記録フォーマットは、特にDVD1に対して適用することが効果的である。
(II)記録装置の実施形態
次に、上述の制御情報、画像情報及び音声情報をDVD1に記録するための記録装置の実施形態について、図15を用いて説明する。
始めに、図15を用いて、実施形態の記録装置の構成及び動作について説明する。
図15に示すように、実施形態に係る記録装置S1は、VTR(Video Tape Recorder)70と、メモリ71と、信号処理部72と、ハードディスク装置73と、ハードディスク装置74と、コントローラ75と、多重器76と、変調器77と、マスタリング装置78とにより構成されている。
次に、動作を説明する。
VTR70には、DVD1に記録すべき音楽情報や映像情報等の素材である記録情報Rが一時的に記録されている。そして、VTR70に一時的に記録された記録情報Rは、信号処理部72からの要求により当該信号処理部72に出力される。
信号処理部72は、VTR70から出力された記録情報RをA/D変換した後、MPEG2方式により圧縮処理し、音楽情報と映像情報とを時間軸多重して圧縮多重信号Srとして出力する。その後、出力された圧縮多重信号Srは、ハードディスク装置73に一時的に記憶される。
これらと並行して、メモリ71は、上記記録情報Rを部分記録情報Prに予め区分し、それぞれの部分記録情報Prに関するパレンタルマネージメントテーブル及びタイトルパレンタルIDが記載されたキューシートSTに基づき、予め入力された当該部分記録情報Prに関する内容情報を一時的に記憶し、信号処理部72からの要求に基づいて内容情報信号Siとして出力する。
そして、信号処理部72は、VTR70から出力される上記記録情報Rに対応したタイムコードTt及びメモリ71から出力される内容情報信号Siに基づき、タイムコードTtを参照して上記部分記録情報Prに対応するアクセス情報信号Sacを生成して出力し、当該アクセス情報信号Sacがハードディスク装置74に一時的に記憶される。以上の処理が記録情報R全体について実行される。
記録情報Rの全てについて上記の処理が終了すると、コントローラ75は、ハードディスク装置73から圧縮多重信号Srを読み出すとともにハードディスク装置74からアクセス情報信号Sacを読み出し、これらに基づいて付加情報DAを生成し、ハードディスク装置74に記憶する。これは各種制御信号中に圧縮多重信号Srの生成結果によって内容が定まるものがあるからである。一方、コントローラ75は、上記信号処理部72、ハードディスク装置73及びハードディスク装置74の夫々の動作の時間管理を行い、当該付加情報DAに対応する付加情報信号Saをハードディスク装置74から読み出して出力するとともに、圧縮多重信号Srと付加情報信号Saを時間軸多重するための情報選択信号Sccを生成して出力する。
その後、圧縮多重信号Srと付加情報信号Saは、情報選択信号Sccに基づき、多重器76により時間軸多重されて情報付加圧縮多重信号Sapとして出力される。
そして、変調器77は、出力された情報付加圧縮多重信号Sapに対してリードソロモン符号等のエラー訂正コード(ECC)の付加及び8−16変調等の変調を施してディスク記録信号Smを生成し、マスタリング装置78に出力する。
最後に、マスタリング装置78は、当該ディスク記録信号Smを光ディスクを製造する際のマスタ(抜き型)となるスタンパディスクに対して記録する。そして、このスタンパディスクを用いて図示しないレプリケーション装置により、一般に市販されるレプリカディスクとしての光ディスクが製造される。
次に、当該実施の形態の特徴部分である、記録装置Rによる、付加情報DAに基づくパレンタルマネージメントテーブル及びタイトルパレンタルIDの記録動作について説明する。
まず、コントローラ75により、キューシートSTにより入力されたパレンタルマネージメントテーブル及びタイトルパレンタルIDを指定する内容情報Siに基づき生成されたアクセス情報信号Sacに応じたタイミングで、付加情報信号Saを選択すべき旨の情報選択信号Sccが出力され、多重器76は、付加情報信号Sa側にスイッチされる。そして、パレンタルマネージメントテーブル及びタイトルパレンタルIDは、ビデオマネージャを構成する付加情報信号Saの一部として変調器77に入力されて、更にディスク記録信号Smの一部としてマスタリング装置78に入力される。
以上の結果、本実施の形態によれば、ビデオマネージャ内にパレンタルマネージメントテーブル及びタイトルパレンタルIDを記録しているマスタディスクを作成することができる。
情報記録媒体の実施の形態において説明した例と同様のフォーマットで、当該記録装置Rによって、ビデオマネージャ内にパレンタルマネージメントテーブル及びタイトルパレンタルIDを記録することができる。
なお、その他の制御情報に関しても同様にキューシートSTから記録される。
(III)再生装置の実施形態
次に、上記の記録装置S1によりDVD1に記録された情報を再生するための再生装置の実施形態を、図16及び図17を用いて説明する。
始めに、図16を用いて、実施形態の再生装置の構成及び動作について説明する。
図16に示すように、実施形態に係る再生装置S2は、ピックアップ80と、復調訂正部81と、ストリームスイッチ82及び84と、トラックバッファ83と、システムバッファ85と、デマルチプレクサ86と、VBV(Video Buffer Verifier)バッファ87と、ビデオデコーダ88と、サブピクチャバッファ89と、サブピクチャデコーダ90と、混合器91と、オーディオバッファ92と、オーディオデコーダ93と、PCIバッファ94と、PCIデコーダ95と、ハイライトバッファ96と、ハイライトデコーダ97と、入力部98と、ディスプレイ99と、システムコントローラ100と、ドライブコントローラ101と、スピンドルモータ102と、スライダモータ103とにより構成されている。なお、図16に示す構成は、再生装置S2の構成のうち、画像及び音声の再生に関する部分のみを記載したものであり、ピックアップ80及びスピンドルモータ102並びにスライダモータ103等をサーボ制御するためのサーボ回路等は従来技術と同様であるので、記載及び細部説明を省略する。
次に、全体動作を説明する。
ピックアップ80は、図示しないレーザダイオード、偏向ビームスプリッタ、対物レンズ、光検出器等を含み、DVD1に対して再生光としての光ビームBを照射すると共に、当該光ビームBのDVD1からの反射光を受光し、DVD1上に形成されている情報ピットに対応する検出信号Spを出力する。このとき、光ビームBがDVD1上の情報トラックに対して正確に照射されると共に、DVD1上の情報記録面で正確に焦点を結ぶように、図示しない対物レンズに対して従来技術と同様の方法によりトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御が施されている。
ピックアップ80から出力された検出信号Spは、復調訂正部81に入力され、復調処理及び誤り訂正処理が行われて復調信号Sdmが生成され、ストリームスイッチ82及びシステムバッファ85に出力される。
復調信号Sdmが入力されたストリームスイッチ82は、ドライブコントローラ101からのスイッチ信号Ssw1によりその開閉が制御され、閉のときには、入力された復調信号Sdmをそのままスルーしてトラックバッファ83に出力する。一方、ストリームスイッチ82が開のときには、復調信号Sdmは出力されず、不要な情報(信号)がトラックバッファ83に入力されることがない。
復調信号Sdmが入力されるトラックバッファ83は、FIFO(First In First Out)メモリ等により構成され、入力された復調信号Sdmを一時的に記憶すると共に、ストリームスイッチ84が閉とされているときには、記憶した復調信号Sdmを連続的に出力する。トラックバッファ83は、MPEG2方式における各GOP毎のデータ量の差を補償すると共に、インターリーブドユニットIUに分割されたデータの読み取りの際等に、上記のシームレス再生におけるトラックジャンプに起因して不連続に入力される復調信号Sdmを連続的に出力し、当該不連続による再生の中断を解消するためのものである。
連続的に復調信号Sdmが入力されるストリームスイッチ84は、デマルチプレクサ86における分離処理において、後段の各種バッファがオーバーフローしたり、逆に空になってデコード処理が中断することがないように、システムコントローラ100からのスイッチ信号Ssw2により開閉が制御される。
一方、トラックバッファ83と並行して復調信号Sdmが入力されるシステムバッファ85は、DVD1をローディングしたときに最初に検出され、DVD1に記録されている情報全体に関する管理情報やVTS3のコントロールデータ11を蓄積して制御情報Scとしてシステムコントローラ100に出力すると共に、情報再生中に必要に応じて上記ナビパック41毎のDSIパケット51に含まれる情報を一時的に蓄積し、システムコントローラ100に制御情報Scとして出力する。
ストリームスイッチ84を介して復調信号Sdmが連続的に入力されたデマルチプレクサ86においては、当該復調信号Sdmから映像情報、音声情報、副映像情報及びナビパック41毎のPCIパケット50を分離し、ビデオ信号Sv、副映像信号Ssp、オーディオ信号Sad並びにPCI信号Spcとして、夫々VBVバッファ87、サブピクチャバッファ89、オーディオバッファ92及びPCIバッファ94に出力する。なお、復調信号Sdmには、音声情報又は副映像情報として複数の言語が別々のストリームとして含まれている場合があるが、その場合には、システムコントローラ100からのストリーム選択信号Slcにより所望の言語が夫々選択されてオーディオバッファ92又はサブピクチャバッファ89に出力される。
ビデオ信号Svが入力されるVBVバッファ87は、FIFOメモリ等により構成され、ビデオ信号Svを一時的に蓄積し、ビデオデコーダ88に出力する。VBVバッファ87は、MPEG2方式により圧縮されているビデオ信号Svにおける各ピクチャ(図2参照)毎のデータ量のばらつきを補償するためのものである。そして、データ量のばらつきが補償されたビデオ信号Svがビデオデコーダ88に入力され、MPEG2方式により復調が行われて復調ビデオ信号Svdとして混合器91に出力される。
一方、副映像信号Sspが入力されるサブピクチャバッファ89は、入力された副映像信号Sspを一時的に蓄積し、サブピクチャデコーダ90に出力する。サブピクチャバッファ89は、副映像信号Sspに含まれる副映像情報を、当該副映像情報に対応する画像情報と同期して出力するためのものである。そして、映像情報との同期が取られた副映像信号Sspがサブピクチャデコーダ90に入力され、復調が行われて復調副映像信号Sspdとして混合器91に出力される。
なお、副映像信号Sspが、メニュー画面を構成して表示するために必要な、枠、選択ボタン等を構成するための画像情報を含んでいる場合には、システムコントローラ100からのハイライト制御信号Schに基づき、表示すべき選択ボタン等の表示状態の変更を行って出力する。
ビデオデコーダ88から出力された復調ビデオ信号Svd及びサブピクチャデコーダ90から出力された復調副映像信号Sspd(対応する復調ビデオ信号Svdとの同期が取れている。)は、混合器91により混合され、最終的な表示すべき画像信号Svpとして図示しないCRT(Cathode Ray Tube)等の表示部に出力される。
次に、オーディオ信号Sadが入力されるオーディオバッファ92は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたオーディオ信号Sadを一時的に蓄積し、オーディオデコーダ93に出力する。オーディオバッファ92は、オーディオ信号Sadを対応する映像情報を含むビデオ信号Sv又は副映像信号Sspに同期して出力させるためのものであり、対応する映像情報の出力状況に応じてオーディオ信号Sadを遅延させる。そして、対応する映像情報と同期するように時間調整されたオーディオ信号Sadは、オーディオデコーダ93に出力され、所定のデコードが施されて復調オーディオ信号Saddとして図示しないスピーカ等に出力される。なお、アクセス直後の再生で一時的に音声を中断する(ポーズする)必要があることが検出された場合には、システムコントローラ100からポーズ信号Scaがオーディオデコーダ93に出力され、当該オーディオデコーダ93において一時的に復調オーディオ信号Saddの出力を停止する。
更に、PCI信号Spcが入力されるPCIバッファ94は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたPCI信号Spcを一時的に蓄積し、PCIデコーダ95に出力する。PCIバッファ94は、PCI信号Spcに含まれるPCIパケット50と当該PCIパケット50に対応する映像情報、音声情報、副映像情報等とを同期させ、当該映像情報、音声情報、副映像情報等にPCIパケット50を適用させるためのものである。そして、PCIバッファ94により対応する映像情報、音声情報、副映像情報等と同期したPCI信号Spcは、PCIデコーダ95によりPCIパケット50に含まれるハイライト情報が分離され、ハイライト信号Shiとしてハイライトバッファ96に出力されると共に、PCIパケット50のハイライト情報以外の部分がPCI情報信号Spciとしてシステムコントローラ100に出力される。
ハイライト信号Shiが入力されるハイライトバッファ96は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたハイライト信号Shiを一時的に蓄積し、ハイライトデコーダ97に出力する。ハイライトバッファ96は、当該ハイライト情報のための画像情報が含まれている副映像信号Sspに対応して、ハイライト情報に対応する選択項目の表示状態の変更が正確に行われるための時間軸補償を行うためのバッファである。そして、時間軸補償が行われたハイライト信号Shiは、ハイライトデコーダ97においてデコードされ、当該ハイライト信号Shiに含まれる情報が復調ハイライト信号Shidとしてシステムコントローラ100に出力される。ここで、システムコントローラ100は、当該復調ハイライト信号Shidに基づき、ハイライト情報による表示状態の変更を行うべく、上記のハイライト制御信号Schを出力することとなる。
システムコントローラ100は、システムバッファ85から入力される制御情報Sc、PCIデコーダ95から入力されるPCI情報信号Spci及びリモコン等の入力部98から入力される入力信号Sinに基づき、それらの信号に対応した正しい再生を行うために上記のスイッチ信号Ssw2、言語選択信号Slc、ポーズ信号Sca、ハイライト制御信号Schを出力すると共に、再生装置S2の動作状況等を表示するために表示信号Sdpを液晶表示装置等のディスプレイ99に出力する。
更に、システムコントローラ100は、上記制御信号Scまたは前述のDSIデータ等により、シームレス再生のためにサーチ等のトラックジャンプの処理が必要であることを検出したときには、ドライブコントローラ101に対して、当該トラックジャンプの処理に対応するシームレス制御信号Scslを出力する。
そして、シームレス制御信号Scslが入力されたドライブコントローラ101は、スピンドルモータ102又はスライダモータ103に対して駆動信号SDを出力する。この駆動信号SDにより、スピンドルモータ102又はスライダモータ103は、光ビームBが再生すべきDVD1上の記録位置に照射されるようにピックアップ2を移動させる(図16破線矢印参照)と共に、DVD1を回転数をCLV制御する。これと並行して、ドライブコントローラ101は、ピックアップ2が移動中であり復調訂正部81から復調信号Sdmが出力されないときには、シームレス制御信号Scslに基づきスイッチ信号Ssw1を出力し、ストリームスイッチ82を開とすると共に、復調信号Sdmが出力され始めると、ストリームスイッチ82を閉として復調信号Sdmをトラックバッファ83に出力する。
次に、上記再生装置S2の内、特に本発明に係るシステムコントローラ100の動作について、図17に示すフローチャートに基づいて説明する。
ここでは、再生装置は、予めアメリカ仕様に設定されているものとし、DVD1のビデオマネージャ2におけるパレンタルマネージメントインフォメーションテーブル(PINF)中のパレンタルマネージメントテーブル(PMT)が図6に示すパレンタルマネージメントテーブルであり、また、図7に示すタイトルパレンタルIDが格納されているものとする。
図17において、システムコントローラ100は、まずパレンタルレベルが選択されたか否かを判断する(ステップS2)。ここでは、ここでは、レベル3(NC17)が選択されたものとする。パレンタルレベルが選択されると(ステップS2,Y)、次にシステムコントローラ100は、タイトルが選択されたか否かを判断し(ステップS4)、タイトルが選択された場合(ステップS4,Y)にはタイトルサーチを指令する(ステップS6)。その後、システムコントローラ100は、選択されたレベル3(NC17)に相当するパレンタルID(IDA)をディスクのパレンタルマネージメントテーブルから読み出すとともに(ステップS8)、選択されたタイトルのパレンタルID(IDB)をディスクから読み出す(ステップS10)。次に、システムコントローラ100は、IDBがIDAに含まれているか否かを判断する(ステップS12)。ここで、図6に示すように、レベル3に相当するIDBは、ID番号4,3,0のフラグが1である。したがって、当該実施の形態では、選択されたタイトルのパレンタルIDのID番号4、3または0のフラグが1であるIDAを有しているか否かが判断される。IDBがIDAに含まれている場合(ステップS12,Y)、例えば、図7に示すように、パレンタルIDのID番号3のフラグが1であるT4が選択された場合にはタイトルの再生が行われ(ステップS14)処理を終了する。一方、IDBがIDAに含まれていない場合(ステップS12,N)、例えば、図7に示すように、パレンタルIDのID番号5のフラグが1であるT1が選択された場合にはタイトルの再生は行われず、タイトルの再生を行わないことをディスプレイ99に表示し(ステップS16)処理を終了する。
このように構成することによって、各国毎の情報をビデオマネージャ内に格納し、タイトルパレンタルIDには各国毎の情報を記述せず単に識別のためのIDのみを記述しているディスクを再生することができる。当該再生装置によれば、記録された情報を各国毎に異なるパレンタルレベルに対して各国対応で再生することが可能である。