JP2006058202A - テンシオメータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 土壌中の水分量を常に正確に計測できるテンシオメータを提供する。
【解決手段】 ポーラスカップ20と、ポーラスカップ20に一端が接続されるとともに他端が開放したパイプ10と、パイプ中の圧力を計測する圧力センサ31と、パイプの他端に嵌められてパイプ及びポーラスカップ内部を密閉状態にする蓋体を備えたテンシオメータ1であって、パイプ及びポーラスカップ内部を少なくともポーラスカップ内部を含む下部室11と当該下部室11に隣接した上部室12とに画成する分離弁40と、分離弁40の開閉をテンシオメータ外部から操作可能とする分離弁開閉機構50とを備え、圧力センサが下部室内の圧力を計測するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば農園における土壌の水分量を検出するのに用いられるテンシオメータに関する。
植物栽培を合理的に進める上で、植物が吸収する土壌中の水分量を知ることは基本的な重要事項であり、昔から様々な方法で土壌水分の計測が行われている。中でも植物栽培にとって最も一般的なのが、図5に示すように、例えば素焼きの瀬戸物など多孔質の物質でできた壷であるポーラスカップ120を用いて土壌の水ポテンシャルを求める方法である。この方法の特徴は、土壌中に含まれる水の総量的な体積含有率や重量含水量ではなく、植物の根を通して吸収できる水の量について計測できることである(例えば、特許文献1参照)。
このテンシオメータ100の構造は、図5に示すように、20mm程度の直径を有するパイプ110の一方の端部にポーラスカップ120が接着されている。また、ポーラスカップ120及びパイプ110の上部に圧力センサ131を予め備えておく。そして、ポーラスカップ120及びパイプ110の中に水を入れてパイプ110の他方の端部をゴム栓119で閉塞する。次いで、ゴム栓119の備わった他方の端部(上端部)と圧力センサ131を地表に残して残りを地中に埋める。また、外部には圧力を表示する表示計135を備えて、圧力センサ131の計測値をこの表示部から読み取る。
ポーラスカップ120の多孔質の構造とポーラスカップ周囲の土壌の細かい隙間によっていわゆる毛細管現象が生じ、土壌が乾燥しているとポーラスカップ外部への水の吸引力が増して吸引力は大きくなり、土壌が湿っているとポーラスカップ外部への水の吸引力は弱くなり水の浸みだしは少なくなる。
このとき、パイプ110の中の圧力は、吸引力が大きければ−1気圧近傍まで下がる。この圧力から水のポテンシャルが算出でき、通常はpF(potential freeenergy)の単位で表示される。また、パイプ内の水が少なくなると、ゴム栓119を外して人手で水を補給するようにしている。
特開2002−286711号公報(3−4頁、図1)
従来の方法によると、水がポーラスカップ外部へ吸い出されてパイプ内部が負圧になると、水に溶け込んでいた空気が現れてこれに水蒸気が分圧として加わり、気泡が発生してしまう。気泡が発生すると、ポーラスカップ外部に水を吸い出す吸引力とパイプ内部の負圧力及びポーラスカップ外部の大気圧との間で圧力平衡に達するために、発生した気体の体積分だけさらに水がポーラスカップ外部に出てしまう。
このように水がポーラスカップ外部に吸い出された後に降雨や灌漑等で土壌水分量が再び上昇すると、吸引力が減少するため、土壌中の水がパイプ内に逆流して再び圧力平衡に達する。この際、パイプ内の気泡の体積が大きければ大きいほど、ポーラスカップ内部に逆流する水分量も多くなり、平衡に達する時間もかかる。また逆流した水は、空気が溶け込んでいるのでこれが低圧のカップ内で放出されてさらに気泡が大きくなる。テンシオメータの上部は、地上に出ているので、日射や昼夜の地表の気温差で気体が膨張収縮してこの分の水がポーラスカップから出入りする。このようにしていったん気泡ができてしまうと相乗的に気泡が大きくなる特性がある。さらに、この逆流した水分には肥料などの他の成分が浸みだしており、パイプ内に当初充満していた純粋な水とは浸透圧等が異なり、吸引力に影響を与えてパイプ内部の圧力が土壌の水分量に正確に対応しなくなり、計測値も影響をうけ、ひいては土壌中の水分量の正確な計測ができなくなる。また、ポーラスカップから浸出した水は被測定物である土壌に水を与えることとなり植物の根がポーラスカップに集まってしまうなどの影響も出るおそれがある。
本発明の目的は、土壌中の水分量を従来より正確に計測できるテンシオメータを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明にかかるテンシオメータは、ポーラスカップと、前記ポーラスカップに一端が接続されるとともに他端が開放したパイプと、前記パイプ内の圧力を計測する圧力センサと、前記パイプの他端に嵌められて前記パイプ及びポーラスカップ内部を密閉状態にする蓋体を備えたテンシオメータであって、前記パイプ及びポーラスカップ内部を少なくともポーラスカップ内部を含む下部室と当該下部室に隣接した上部室とに画成する分離弁と、前記分離弁の開閉を前記テンシオメータ外部から操作可能とする分離弁開閉機構とを備え、前記圧力センサが前記下部室内の圧力を計測するようになったことを特徴としている。
テンシオメータのパイプ内を少なくともポーラスカップ内部を含む下部室と当該下部室に隣接した上部室とに分離し、レバー操作によって簡単に下部室内をできるだけ気泡の少ない状態で運転し、ポーラスカップから土壌への水の出入りを少なくすることが出来る。
また、本発明の請求項2に記載のテンシオメータは、請求項1に記載のテンシオメータにおいて、前記分離弁は、前記分離弁開閉機構の分離弁開操作により前記上部室から下部室へ水をわずかに流入させる第1の分離弁と、前記上部室から下部室へ水を多量に流入させる第2の分離弁とを備え、前記下部室が負圧状態で前記第1の分離弁が第2の分離弁より先に開放するようになったことを特徴としている。
最初に第1の分離弁を開けて狭い通路を介して下部室に水をゆっくりと流入させ、下部室内の負圧が小さくなったときに第2の分離弁を開ける。分離弁がこのように2段開閉構造になっていることで、分離弁を開ける際に負圧になっている下部室に急に水が流入することで生じるウオーターハンマ現象を防止し、敏感な圧力センサに衝撃的な圧力が作用するのを防ぐ。
また、本発明の請求項3に記載のテンシオメータは、請求項1又は請求項2に記載のテンシオメータにおいて、前記テンシオメータが土壌に埋め込まれた状態で前記圧力センサの計測値を地表の外から確認可能とする表示部をさらに備えたことを特徴としている。
このような表示部を備えることで、土壌の状態を常に正確に判断することができるようになる。
本発明のテンシオメータによると、ポーラスカップで発生した気泡を早めに取り除くことができ、圧力測定を温度影響の少ない地下部に位置させることにより、ポーラスカップからの水の出入りを小さくして測定の応答時間を早め、地表の日射や温度の影響をできるだけ小さくし、被測定土壌への影響を少なくし、使用する水の補給量を少なくすることが出来る。
発明の一実施形態にかかるテンシオメータについて説明する。本発明の一実施形態にかかるテンシオメータ1は、図1に示すように、パイプ10と、パイプ10の下端部に設けられたポーラスカップ20と、パイプ10のポーラスカップ近傍部に設けられた圧力センサ31と、パイプ10の上端開口部を閉塞する栓19と、パイプ内部の圧力センサ取付け位置近傍上部に設けられた分離弁40と、パイプ10の上部から延在した分離弁開閉レバー50と、圧力センサ31と接続された表示計35とを備えている。
パイプ10は、例えば直径約18Φで長さが約500mm程度の塩ビ管からなり、上述したように下端部10aがポーラスカップ20との接続部をなし、ポーラスカップ20との接続部近傍の管壁に圧力計測用の孔部10bが形成され、孔部10bに圧力センサ31が取り付けられるようになっている。また、パイプ内部の孔部上方には分離弁40を着座させるための段部15がパイプ内周方向全周に連続的に形成されている。
パイプ10の下端部に備わったポーラスカップ20は、上述したポーラスカップ120と同様に例えば素焼きの瀬戸物など多孔質の物質でできた壷からなり、ポーラスカップ内部の水がポーラスカップ20の多孔質の孔とポーラスカップ周囲の土壌の細かい隙間を介していわゆる毛細管現象により土壌中に吸い出されるようになっている。
また、パイプ10の上端部10cは栓19で閉塞可能なようになっており、パイプ上端部から水を注入し、ポーラスカップ20及びパイプ10に注入された水を内部に雨水やごみが入らない状態で溜めるようになっている。
また、パイプ10とポーラスカップ20とで形成される空間は、後述する分離弁40を介してポーラスカップ内部を含む下部室11と下部室11より上方に位置する上部室12に画成され、分離弁40を介してこの夫々の空間に別々に水を溜めることができるようになっている。
圧力センサ31は、分離弁40によって画成されたポーラスカップ内部を含む下部室内の圧力を計測するためのもので、下部室内に水が充満していても圧力計測できるとともに、この水がポーラスカップ20より土壌中に吸い出されて水に溶けた空気や水蒸気が下部室11に現れて下部室11に空気や水蒸気が混在する場合の圧力も計測できるようになっている。そして、圧力センサ31は地表の外に設置された表示計35に電線を介して圧力データを送るようになっている。
一方、パイプ10の上部には牽引ロープ導出部18が備えられ、パイプ10から一定距離離間して設けられた分離弁開閉レバー50から延在した牽引ロープ導出部18を介してパイプ内部に導入され、後述する分離弁40の一部に接続されている。そして、分離弁開閉レバー50を操作することによって、牽引ロープ51をパイプ内部から若干導出したりパイプ内部に導入したりすることができ、これによって分離弁40を開閉操作可能としている。
分離弁40は、図2に詳細に示すように、第1の分離弁41と、第1の分離弁41を一部囲うように配置された第2の分離弁42とを備えている。そして、第1の分離弁41はニードル状をなし、略中央部分に拡径された弁体41aを備えるとともに、一端部に圧縮バネ44の着座部41bを備えている。また、第1の分離弁41の他端部近傍には引っ張りバネ43の一方の端部が固定され、当該引っ張りバネ43は第1の分離弁41に巻回されてその他端部が第1の分離弁41の他端部より下方に位置するパイプ内壁の固定部17に固定されている。また、第1の分離弁41の他端部には上述した分離弁開閉レバー50から延在する牽引ロープ51の一端が接続されている。
また、第2の分離弁42は第1の分離弁41の弁体41aを内部に収容可能な筒体をなし、第2の分離弁42の下端部には縮径されて第1の分離弁41を着座させる着座部42aが構成されている。また、第2の分離弁42の着座部42a及び下端部外周部縁近傍には例えばゴムでできたO−リング48,49が備わっており、分離弁閉止状態で上部室12から下部室11に水が流入しないようになっている。また、第2の分離弁42の下端面と第1の分離弁41の一端部との間には圧縮バネ44が介在されている。
なお、引っ張りバネ43と圧縮バネ44は、下部室11が負圧となっている際、牽引ロープ51によって第1の分離弁41が上方に引っ張られたときに、最初に引っ張りバネ43が伸びて第1の分離弁41のみが上方に移動し、これによって下部室11に水が流入して下部室内の圧力が上昇して第2の分離弁42に下部室11からの負圧力が作用しなくなり、圧縮バネ44で付勢された第2の分離弁42がその後に上方に移動するように各バネ定数が設計されている。
続いて、かかるテンシオメータ1の実際の使用方法について説明する。最初に、テンシオメータ1のポーラスカップ20を土壌中の例えば植物の根がはった深さまで達するようにポーラスカップ20を下端部にして垂直に埋める。すなわち、パイプ下端のポーラスカップ20が根の活動範囲に合わせて地表から10cmから40cm程度の深さになるようにパイプ10を埋め込む。なお、テンシオメータ1の上端部は、栓19を外して水を流入させるために地表から突出したままとする。また、分離弁開閉レバー50を地上の適所に配置するとともに、表示計35を地表の適所に配置する。
次いで、栓19を外してパイプ10の上端から水を流し込む。この際、分離弁開閉レバー50を操作して分離弁40を開き、水を上部室12のみならず下部室11にも流入させる。なお、テンシオメータ1を土壌に埋めた直後は下部室11が大気圧となったままであり、第2の分離弁42には負圧が作用していないので、分離弁開閉レバー50を操作することで第1の分離弁41と第2の分離弁42をともに同時に引き上げて分離弁40を素早く広く開けるので、水を下部室11及び上部室12に効率的に流入させることができる。
次いで、水をテンシオメータ1の内部いっぱいに溜めた後、パイプ10の上端部に栓19を被せてテンシオメータ内部を密封する。
このようにして土壌中に埋められたテンシオメータ1のポーラスカップ20からは、ポーラスカップ周囲の土壌の乾き具合いに応じて水が土壌中に吸い出され、下部室内の水位が低下するとともに、下部室内の水に溶け込んだ空気及び水蒸気が現れて気泡が生じ、やがては下部室上部に空気がたまる。このようにパイプ内の下部室11に溜まった水はポーラスカップ20を通して土壌中に吸い出され、下部室内が負圧となって水が吸い出される際の抗力となり、吸い出し力と負圧による抗力とバランスしたところで安定する。なお、土壌が乾燥していれば吸い出し力も強くなるので、下部室内の負圧も大きくなる。そして、圧力センサ31で計測した圧力値を地表の適所に備えた表示計35によって読み取ることで土壌中の水分量を把握する。この下部室内の圧力の大きさは土壌が乾燥していると、殆どマイナス1気圧近くにまでなる。なお、この装置は、引っ張る力、即ち張力を計るのでテンシオメータと呼ばれる。
ここで、本実施形態にかかるテンシオメータ1は、テンシオメータ外部に分離弁40を介して下部室11と上部室12とに画成していることで、ポーラスカップ20に満たされた水を収容する下部室11の容積が小さくなる。従って、この空間内の水がポーラスカップ20の外部に吸い出されて下部室11が負圧になった際にポーラスカップ内部の水から発生する気泡の量が少なくて済む。そのため、以下のような特有の作用を生じさせることができる。
具体的には、水が吸い出されてパイプ10の中が負圧になると、予めパイプ10に入れた水の中に溶け込んでいた空気が現れるとともに、水が蒸発して水蒸気となり、分圧としてこれに加わって下部室内に気泡が発生する。圧力平衡に達するために水が外に出ていき、相当量の水が吸い出されて最後に圧力平衡に達する。しかしながら、本実施形態にかかるテンシオメータ1は負圧になる下部室11の容積が従来のテンシオメータに比べて小さいので、テンシオメータ内に発生する気泡が小さくて済む。すなわち、分離弁40が閉止した状態では下部室11は小さな容積を備えた密閉空間となる。下部室11はこのように容積が小さいため、最初に水に溶け込んだ空気が発生する量を減少させることができ、水蒸気の体積も減少させることができる。
なお、ポーラスカップ20は地中で大気圧の気層とも接しているので、ここから空気が少しずつ溶け込み、ポーラスカップ内に移動して、内部の負圧状態により空気を再放出する。
一方、溜水や降雨などで土壌水分量が上昇するとポーラスカップ20から土壌中への吸引力が減少するので、土壌中の水が下部室内に逆流して圧力平衡となる。しかしながら、下部室内の気泡の体積が上述したように小さいので、この体積に見合う逆流する水の量も小さくて済む。従って、このように逆流した水は、肥料など他の成分も溶け込んでいるが、水自体が少量であるのでポーラスカップ20から土壌に向かう吸引力に影響を与えることは少ない。
一方、テンシオメータ1のパイプ上端部は地表に突出しているので、従来のテンシオメータ100では日射や地表の温度でパイプ上部が加熱されてパイプ内部の気体が膨張し、この体積に相当する水がポーラスカップ20を介して更に地中に吸い出される。そして、夜間になって地表部の気温が低下すると、パイプ内部の空気も冷やされるので体積は減少し、パイプ内部の圧力が低下するので、ポーラスカップ周辺の土壌中の水が、外部から再び逆流入していた。
しかしながら、本実施形態にかかるテンシオメータ1は、下部室11が地中にあるため、日射や地表の温度の影響を受けず、気体の体積変化も抑えることができる。これにより、地表の温度変化に伴う下部室内に発生した気泡の膨張や収縮を抑えることができ、これに伴うポーラスカップ20から土壌への水の出入りも最小限に抑えることができる。
以上のような理由で、ポーラスカップ20から土壌への水の出入りを少なくすることができ、パイプ内の水の消費量を抑え、応答時間を低下させなくて済む。これに伴って、外部に流出した水のためにテンシオメータ周囲の土壌から構成される被測定系にも影響を与えることがなくなり、例えば従来例のテンシオメータ100を用いた場合のような植物の根がポーラスカップ周辺に集まるような不具合を軽減できる。
また、テンシオメータ内の下部室11の水が少なくなった場合、以下に説明するようにウオーターハンマによる悪影響を圧力センサ31に与えることなく水を簡単に補給することができる。以下、この水の補給について説明する。
まず、ポーラスカップ20からある程度の水が周囲の土壌中に吸い出された後に、下部室11の上部に貯まった空気を分離弁40を操作することによってテンシオメータ1の上部に移動させる。具体的には、分離弁開閉レバー50を操作することによって、図3に示すように、分離弁40の第1の弁体41を引っ張りバネ43の引っ張り力に抗して上方に移動させる。なお、この際、第2の分離弁42はその下端面が下部室内の負圧によって下方に引っ張られているため、第1の分離弁41と第2の分離弁42との間に備わった圧縮バネ44の付勢力によっても第2の分離弁42が上方にすぐに移動することはない。そして、第1の分離弁41が上方に移動して第2の分離弁42との間で隙間が生じることによって、上部室内の水が少量ずつ下部室内に流入する。これによって、下部室内の水位が上昇するとともに、下部室内の負圧が徐々に小さくなっていき、やがては第2の分離弁42が負圧によって下部室方向に引っ張られなくなり、図4に示すように、第2の分離弁42も圧縮バネ44の付勢力によって上方に移動する。このようにして第2の分離弁42も開放することで、下部室11に上部室12から先ほどより多い量の水が流入して下部室11を素早く水で満たすことができる。
このように上部室12から下部室11までの水の流入量を最初が少なく後に多くすることによって、下部室内に配置された圧力センサ31がいわゆるウオーターハンマ現象により破損するのを防止する。
なお、上述の実施形態においては、分離弁40を第1の分離弁41と第2の分離弁42とに分けて構成し、上部室12から下部室11への水の流入量を変えることによって、ウオーターハンマ現象をなくして圧力センサ31の保護を図ったが、圧力センサ31の破損の心配がなければ、このように分離弁40を第1の分離弁41と第2の分離弁42に分けて構成する必要はない。
また、パイプ10の上部にはめ込む栓19はゴム栓に限らずどのような蓋体であっても良い。また、パイプ10の径及び長さ並びに材質は上述した実施形態に必ずしも限定されるものではない。同様に、分離弁40の材質についても金属や樹脂などさまざまな材質が考えられる。
また、分離弁40の開閉は、分離弁開閉レバー50及び牽引ロープ51を介して行うようにしたが、例えば気泡の発生を検知する光学センサなどを下部室11の気泡が発生し易い位置に取付け、光学センサによって気泡の発生を検知したときに分離弁40をモータ等により電気的に開閉するようにしても良い。
以上説明したように、分離弁40が閉止すると、下部室11は小さな容積の密閉空間となる。下部室11の容積は全体から切り離されて小さいので、最初にとけ込んだ空気が発生する量を減少し、これに応じて分圧で加わる水蒸気の体積も減少させることができる。また、下部室11は地中にあり、日射や地表の温度の影響を受けず温度が一定しているので、気体の体積変化も抑えられる。これによって、ポーラスカップ20とその周囲の土壌との間での余分な水の出入りを極力抑えることができ、パイプ内の水の消費量を抑え、応答時間を低下させなくて済む。これに伴って、外部に流出した水のためにテンシオメータ周囲の土壌から構成される被測定系にも影響を与えることがなくなる。
また、本実施形態にかかるテンシオメータによれば、牽引ロープに繋がった分離弁開閉レバー50を引くだけで下部室11に貯まった空気の全てを短時間で抜き、水を下部室11に満たすことができる。従って、従来のように水の容器を毎回持ち歩いて補給することに比べてテンシオメータの管理上遥かに簡便となる。なお、水の補給を頻繁に行えば、空気が溶けた水の流入量も少なくでき、分離弁を再び閉止した後のテンシオメータ自体の応答性も向上する。
なお、上部室の水が無くなった場合は、栓を開けて補給しなければならないが、このとき下部室の圧力は変化しないので、圧力センサ出力特性の不必要な変化を生じさせずに済む。
本発明の一実施形態にかかるテンシオメータを土壌中に埋め込んだ状態で示す断面図である。 図1に示したテンシオメータの分離弁の部分であって分離弁が閉止した状態を拡大して示した断面図である。 図2に対応する断面図であり、分離弁の第1の分離弁のみが開いた状態を示した断面図である。 図2に対応する断面図であり、分離弁の第1の分離弁と第2の分離弁とがともに開いた状態を示した断面図である。 従来のテンシオメータを土壌中に埋め込んだ状態で示す断面図である。
符号の説明
1 テンシオメータ
10 パイプ
10a 下端部
10b 孔部
10c 上端部
11 下部室
12 上部室
15 段部
17 固定部
18 牽引ロープ導出部
19 栓
20 ポーラスカップ
31 圧力センサ
35 表示計
40 分離弁
41 第1の分離弁
41a 弁体
41b 着座部
42 第2の分離弁
42a 着座部
43 引っ張りバネ
44 圧縮バネ
48,49 O−リング
50 分離弁開閉レバー
51 牽引ロープ
100 テンシオメータ
110 パイプ
119 ゴム栓119
120 ポーラスカップ
131 圧力センサ
135 表示計

Claims (3)

  1. ポーラスカップと、
    前記ポーラスカップに一端が接続されるとともに他端が開放したパイプと、
    前記パイプ内の圧力を計測する圧力センサと、
    前記パイプの他端に嵌められて前記パイプ及びポーラスカップ内部を密閉状態にする蓋体を備えたテンシオメータであって、
    前記パイプ及びポーラスカップ内部を少なくともポーラスカップ内部を含む下部室と当該下部室に隣接した上部室とに画成する分離弁と、前記分離弁の開閉を前記テンシオメータ外部から操作可能とする分離弁開閉機構とを備え、前記圧力センサが前記下部室内の圧力を計測するようになったことを特徴とするテンシオメータ。
  2. 前記分離弁は、前記開閉機構の分離弁開操作により前記上部室から下部室へ水をわずかに流入させる第1の分離弁と、前記上部室から下部室へ水を多量に流入させる第2の分離弁とを備え、前記下部室が負圧状態で前記第1の分離弁が第2の分離弁より先に開放するようになったことを特徴とする、請求項1に記載のテンシオメータ。
  3. 前記テンシオメータが土壌に埋め込まれた状態で前記圧力センサの計測値を地表の外から確認可能とする表示部を更に備えたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のテンシオメータ。
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