JP2006057898A - 履物用殺菌・乾燥キャビネット - Google Patents

Abstract

【課題】 紫外線ランプにより紫外線を万遍なく履物に照射して殺菌する履物用殺菌・乾燥キャビネットを提供する。
【解決手段】 扉２を有する本体１と、この本体１内に設けられた複数の段数を有する履物１１を乗せる棚５と、前記履物１１の履口側に配置された紫外線ランプ９と、この紫外線ランプ９の照射光を反射させる反射板３と、本体１内を乾燥させる温風発生装置２０と、前記紫外線ランプ９と温風発生装置２０を所定時間通電する制御回路１７とを具備した履物用殺菌・乾燥キャビネットにおいて、前記棚５を移動する棚移動装置７を設け、棚５に乗せられた履物１１の内部を万遍なく紫外線ランプ９の光が照射されるように棚５を移動可能とした。
【選択図】 図１

Description

本発明は、革靴やスリッパ等の履物を殺菌し乾燥させる履物用殺菌・乾燥キャビネットに関するものである。

一般に革靴やスリッパ等の履物は、通常使用限界まで継続して使用される為、夏の暑い時など足が蒸れて往々にしてその内面、特に爪先部分に水虫の原因となる白癬菌等の雑菌が繁殖し、水虫になり易いとか異臭が発生するといった問題があり、現在水虫の推定人口は１５００万人ともいわれ、約４割の人が感染していると言われている。

そこで、従来よりこのような水虫の原因となるような雑菌の殺菌を行う履物用殺菌装置としては、収容ケース本体内に複数の紫外線ランプと、履物に温風を直接送風するドライヤーを設け２足の履物内部を殺菌し乾燥している（例えば、特許文献１参照）。

実用新案登録第３０６３０１７号公報

しかしながら、上記の従来技術において、多くの履物を一度に少数の紫外線ランプで各々の履物内部の爪先まで殺菌させるものは、各々の履物内の爪先まで紫外線ランプ照射させる事が難しく影となる箇所が発生し、部分的に殺菌できないと言った問題があった。

本発明は上記のような履物用殺菌装置の問題点を解決しょうとするものであり、紫外線光による殺菌では紫外線光の陰となる部分まで充分に殺菌を行うようにするものである。その他、菌の抵抗力は湿度が高いほど抵抗力が強くなり、紫外線の照射量も多く必要となるので、湿度の高い梅雨、雨の日等では紫外線の殺菌効果が薄れるといった不具合も解消するものである。

本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、請求項１では扉を有する本体と、この本体内に設けられた複数の段数を有する履物を乗せる棚と、前記履物の履口側に配置された紫外線ランプと、この紫外線ランプの照射光を反射させる反射板と、本体内を乾燥させる温風発生装置と、前記紫外線ランプと温風発生装置を所定時間通電する制御回路とを具備した履物用殺菌・乾燥キャビネットにおいて、前記棚を移動する棚移動装置を設け、棚に乗せられた履物の内部を万遍なく紫外線ランプの光が照射されるように棚を移動可能としたものである。

また、請求項２では扉の開閉を検知する扉センサーを設け、扉の閉を扉センサーが検知した時、紫外線ランプと温風発生装置と棚移動装置を制御回路により所定時間通電可能とするものである。

また、請求項３では履物位置修正スイッチを設け、扉が開いている時に前記履物位置修正スイッチをオンして棚移動装置を駆動することにより、履物を出し入れし易い位置に棚を移動可能としたものである。

本発明の履物用殺菌・乾燥キャビネットは、上記のように構成したことにより、殺菌灯である紫外線ランプの光が対象物の履物に直射できないような陰の位置であっても、自動的に棚を所定角度で上下に回転することにより万遍なく紫外線を照射することができ、また、履物に直接照射されない紫外線も殺菌室壁面に設置した反射板により乱反射しながら履物に照射することができるため、紫外線ランプからの照射効率が高く、殺菌効果の高いものとすることができる。

また、棚移動装置で棚に乗せられた履物を上下に回転移動させることにより温風発生装置からの温風を履物内部の隅々まで循環させることができるため、熱に弱いほとんどの雑菌を死滅させることが出来ると同時に乾燥により菌の繁殖力を押さえる事ができ、更に、万遍なく紫外線を照射できる構成により優れた殺菌を行うことができる。

また、扉の閉を扉センサーが検知した時、紫外線ランプと温風発生装置と棚移動装置を制御回路により所定時間通電可能としたことにより、安全性が高く非常に使いやすい履物用殺菌・乾燥キャビネットを提供することができる。

さらに、履物位置修正スイッチを設けたことにより、履物を棚に乗せる際に、履物を棚に乗せやすい位置まで棚を移動することができるので大変使いやすく便利なものとすることができる。

以下、本発明の一実施例を図１、図２を参照して説明する。図１は本発明の一実施例を示す履物用殺菌・乾燥キャビネットの縦断面図、図２は同じく履物用殺菌・乾燥キャビネットの電気回路構成図である。

図において１は履物用殺菌・乾燥キャビネットの本体で、本体１の前面には靴等の履物１１を出し入れする両開き(又は片開き)の扉２がある。

３は反射板で、表面を磨いたステンレス材で構成され本体１の内壁面に設けてある。４は殺菌室で、反射板３の内面側に形成されている。

５は棚で、殺菌室４の内側に上下５段で構成され、それぞれの５段の棚５が前側を移動軸８同士でスペーサ１０により連結され、後側は固定軸６同士で同じくスペーサ１０により連結されている。そして後側の固定軸６側は本体１に固定され、固定軸６を中心に移動軸８が上下の所定範囲内で回転移動することができ、棚５に乗せられた履物１１は固定軸６を中心に上下の所定範囲内で回転移動することができる。

９は殺菌灯である紫外線ランプで、本体１前面の扉２内の反射板３で覆われた殺菌室４に縦方向に設けられ、５段の棚５を直接照射するとともに反射板３による反射光でも照射する構成となっている。また、紫外線ランプ９は履物１１の履口側に設けられ、履口から履物１１の内部に直接照射できるようになっている。

１２は保護ガードで、開口率の大きいメッシュ状となっていて紫外線ランプ９の回りを保護している。

１３は温風吹き出し口で、殺菌室４の下部に開口していて、この温風吹き出し口１３の下方にはヒータ１４と送風ファン１５とで構成する温風発生装置２０が設けてあり、本体１内の殺菌室４を乾燥させる。

１６はサーミスタで、前記温風吹き出し口１３の開口部の温風温度を検知する。

１７は制御回路で、サーミスタ１６の検知する温風温度から所定の温風温度になるようにヒータ１４の通電を制御したり、紫外線ランプ９と温風発生装置２０を所定時間通電するように制御する。

１８は扉センサーで、履物１１を出し入れする両開き(又は片開き)の扉２が締まっているか開いているかを検知するものであり、締まっている時のみ紫外線ランプ９や温風発生装置２０が運転できるようになっている。

１９は履物位置修正スイッチで、扉２が開いている時にこの履物位置修正スイッチ１９をオンすることで、棚５が履物１１の取出し易い位置に移動することができるように棚移動装置７を動作させることができる。

２１は電源である。２２は電圧変換回路で、電源２１の電圧を電気回路部品に適した電圧に変換する回路である。２３は運転スイッチである。２４はリレーである。そして、運転スイッチ２３をオンすると制御回路１７により所定時間リレー２４を通電する。２７は棚移動装置７の駆動用のモータである。２６はリレー２４の接点回路である。

次に、以上の構成による作用を説明する。

履物殺菌・乾燥キャビネットを用いて履物１１を殺菌する場合は、本体１の前側にある扉２を開け、殺菌・乾燥したい履物１１を本体１内部に有る棚５に乗せるために履物位置修正スイッチ１９を操作して棚５を上下動させながら履物１１が乗せやすい角度になる様に棚５を移動させ、履物１１を棚５に乗せる。

なお、履物位置修正スイッチ１９は扉２を開けたとき連動してオンさせ、棚５が履物１１を入れ易い角度になると自動的に棚移動装置７を停止させる様に動作させてもよい。

次に、履物１１を乗せ終えて扉２を閉めると、扉センサー１８が検知してオンし、運転スイッチ２３を押すと、制御回路１７に通電され、リレー２４がオンし、紫外線ランプ９と温風発生装置２０のヒータ１４、送風ファン１５、棚移動装置７のモータ２７に通電され、紫外線と温風によって棚５に乗っている履物１１が殺菌され始める。

そして、この時の殺菌室４の温度は、温風吹出口１３に設置されたサーミスタ１６により検知され、菌が死滅する７０℃前後の温風温度に保持されるが、温度が高くなり過ぎるとヒータ１４の通電を抑え、所定温度（約５０〜９０℃まで制御可能）になる様に制御回路１７で自動制御し、熱に弱いほとんどの雑菌を死滅させることが出来ると同時に、昇温され乾燥した空気を履物１１に万遍なく当てて乾燥させることにより菌の繁殖力を抑える。

同時に、紫外線ランプ９からの紫外線は棚５上の履物１１を照射するが、棚５が所定の角度範囲で回転移動するので、履物１１内部の踵部から爪先部まで万遍なく紫外線を照射することができ、部分的に殺菌できない部分をなくしている。 そして、紫外線ランプ９からの照射光が履物以外に照射されても、殺菌室４の壁面に設置した反射板３で乱反射しながら反射して履物に照射される為、紫外線ランプ９からの照射効率を高いものにしている。

そして、所定時間になると自動的にタイマーで殺菌運転を停止するように、制御回路１７でコントロールして使いやすくしている。

このように、殺菌灯である紫外線ランプ９の光が対象物の履物１１に直射できないような陰の位置であっても、自動的に棚５を所定角度で上下に回転することにより万遍なく紫外線を照射することができ、また、履物１１に直接照射されない紫外線も殺菌室４壁面に設置した反射板３により乱反射しながら履物１１に照射することができるため、紫外線ランプ９からの照射効率が高く、殺菌効果の高いものとすることができる。

また、棚移動装置７で棚５に乗せられた履物１１を上下に回転移動させることにより温風発生装置２０からの温風を履物１１内部の隅々まで循環させることができるため、熱に弱いほとんどの雑菌を死滅させることが出来ると同時に乾燥により菌の繁殖力を押さえる事ができ、更に、万遍なく紫外線を照射できる構成により優れた殺菌を行うことができるものである。

また、扉２の閉を扉センサー１８が検知した時、紫外線ランプ９と温風発生装置２０と棚移動装置７を制御回路１７により所定時間通電可能としたことにより、安全性が高く非常に使いやすい履物用殺菌・乾燥キャビネットを提供することができる。

さらに、履物位置修正スイッチ１９を設けたことにより、履物１１を棚５に乗せる際に、履物１１を棚５に乗せやすい位置まで棚５を移動することができるので大変使いやすく便利なものとすることができる。

本発明の一実施例を示す履物用殺菌・乾燥キャビネットの縦断面図である。 同じく履物用殺菌・乾燥キャビネットの電気回路構成図である。

符号の説明

１ 本体
２ 扉
３ 反射板
４ 殺菌室
５ 棚
７ 棚移動装置
９ 紫外線ランプ
１１ 履物
１７ 制御回路
１９ 履物位置修正スイッチ
２０ 温風発生装置

Claims (3)

1. 扉（２）を有する本体（１）と、この本体（１）内に設けられた複数の段数を有する履物（１１）を乗せる棚（５）と、前記履物（１１）の履口側に配置された紫外線ランプ（９）と、この紫外線ランプ（９）の照射光を反射させる反射板（３）と、本体（１）内を乾燥させる温風発生装置（２０）と、前記紫外線ランプ（９）と温風発生装置（２０）を所定時間通電する制御回路（１７）とを具備した履物用殺菌・乾燥キャビネットにおいて、前記棚（５）を移動する棚移動装置（７）を設け、棚（５）に乗せられた履物（１１）の内部を万遍なく紫外線ランプ（９）の光が照射されるように棚（５）を移動可能としたことを特徴とする履物用殺菌・乾燥キャビネット。
2. 扉（２）の開閉を検知する扉センサー（１８）を設け、扉（２）の閉を扉センサー（１８）が検知した時、紫外線ランプ（９）と温風発生装置（２０）と棚移動装置（７）を制御回路（１７）により所定時間通電可能とすることを特徴とする請求項１記載の履物用殺菌・乾燥キャビネット。
3. 履物位置修正スイッチ（１９）を設け、扉（２）が開いている時に前記履物位置修正スイッチ（１９）をオンして棚移動装置（７）を駆動することにより、履物（１１）を出し入れし易い位置に棚（５）を移動可能としたことを特徴とする請求項１、２記載の履物用殺菌・乾燥キャビネット。
   

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