JP2006056750A - 多孔質炭素材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 メソ孔や溝が選択的に形成され、高いメソ孔率を有する多孔質炭素材料およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 炭素質材料に第8族金属を含む微粒子を担持させ、前記第8族金属を含む微粒子により前記炭素質材料を還元的に接触分解することにより、メソ孔や溝を形成した多孔質炭素材料が得られる。前記炭素質材料に前記第8族金属を含む微粒子を担持させるには、例えば、前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸し、還元処理を施して前記第8族金属を含む微粒子を形成させる。前記多孔質炭素材料は、好ましくは、前記第8族金属を含む微粒子を除去することにより、メソ孔率を著しく増大させることができる。

Description

本発明は多孔質炭素材料およびその製造方法に関する。
活性炭に代表される多孔質炭素材料は、化学的に安定であり、かつ吸着性能や分離機能に優れていることから、溶剤回収、ガス精製、ガスの分別回収、空気浄化、排煙脱硫、異臭成分除去、溶液の脱色・精製、溶質の捕集回収、浄水処理、し尿処理、上下水道および工業廃水処理、医療用吸着剤などの幅広い分野に利用されている。また、近年では、多孔質炭素材料が電気伝導性や電子授受機能を有する性質またはその細孔内の表面に触媒を高分散担持させることができるなどの性質に着目して、電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)用の炭素電極、燃料電池、空気電池、リチウムイオン電池などの電池用の炭素電極などの電極用材料として、あるいは、炭素系触媒や、各種金属触媒の担体として利用されている。
多孔質炭素材料の吸着性能や分離機能は、その細孔構造に基づいている。一般に、多孔質炭素材料の細孔は、その細孔径により、ミクロ孔(細孔径<2nm)、メソ孔(細孔径2〜50nm)およびマクロ孔(細孔径>50nm)に分類されている。これらの細孔の中でも、ミクロ孔およびメソ孔が吸着質の種類に関係し、細孔径が大きいほど吸着速度が速くなる。その反面、細孔径が小さいほど比表面積が大きく、それに比例して吸着量も大きくなる。それゆえ、細孔径を制御することが多孔質炭素材料の吸着性能や分離機能を決定付ける重要な要素になっている。
細孔の形成は、原材料、炭化条件、賦活条件などに影響されるが、特に賦活条件に大きく影響される。ガス賦活や薬品賦活では、主にミクロ孔が形成され、細孔径の大きい細孔は形成することができない。そのため、現在市販されている活性炭の多くは、ミクロ孔が発達した、いわゆるミクロ多孔性活性炭であり、ミクロ孔と同等またはそれ以下の小さい分子しか吸着できない。より大きい分子を吸着するためには、ミクロ孔より大きいメソ孔を多く有する活性炭が必要である。そのため、メソ孔が発達した、いわゆるメソ多孔性活性炭を調製するための研究が盛んに行われている。例えば、非特許文献1には、炭素質材料に金属を複合化したものを賦活処理することにより得られる、全比表面積に対するメソ孔比表面積の割合、すなわちメソ孔率の高い活性炭が報告されている。しかし、この活性炭は、活性炭の重要な性質であるミクロ多孔性を大きく損なっているので、全比表面積は一般に低い値を示している。
そこで、ミクロ多孔性を損なわずに、鋳型を用いてメソ孔を形成した炭素材料を製造する方法として、例えば、特許文献1、2には、フッ素系樹脂、またはフッ素系樹脂にガンマー線を照射して解重合させた低分子量フッ素系樹脂を、アルカリ金属またはアルカリ金属含有溶液で還元脱フッ素化反応させ、その反応生成物を酸処理して鋳型の副生アルカリ金属フッ素化物を除去し、得られた脱フッ素化炭素質物質を炭素前駆体として高温熱処理する方法が開示されている。また、特許文献3には、無機質粒子を鋳型として用い、炭素前駆体との複合体を形成した後、これを不活性雰囲気において熱処理して無機質鋳型/炭素複合体を製造してから、塩基または酸で処理して鋳型の無機質粒子を除去する方法が開示されている。さらに、特許文献4には、モノマーおよび/またはプレポリマー中に鋳型である界面活性剤のミセルを形成させた後、前記モノマーおよび/またはプレポリマーを重合硬化させて、ミセル含有有機ポリマーを形成し、さらにこの有機ポリマーを焼成して炭素化を行う方法が開示されている。
しかし、いずれの製造方法でも、鋳型の粒径を揃えることが困難であるので、メソ孔を選択的に形成できないという問題がある。また、炭素前駆体の高分子材料を焼成して炭素化しているので、製造コストが高くなるという問題や、鋳型を除去するのにフッ化水素酸などの危険な薬品を用いているので、安全性の問題もある。
そこで、鋳型を含む炭素前駆体を焼成して炭素化することなく、また、フッ化水素酸などの危険な薬品を用いることなく、出発材料の炭素質材料にメソ孔を形成した炭素材料を製造する方法として、特許文献5には、炭素質材料に第8族金属の化合物を添加し、酸化性ガス雰囲気下で賦活処理する方法が開示されている。
しかし、特許文献5に開示された製造方法では、炭素質材料を酸化性ガス雰囲気下で賦活処理しているので、大きい全比表面積を得ることはできるが、依然として、メソ孔や溝を選択的に形成することはできず、また、高いメソ孔率を得ることはできない。
リョン・リョウ(Ryong Ryoo)、外2名,「カチオン性−中性界面活性剤の混合物からのMCM−48のエネルギー的に好ましい形成(Energetically Favored Formation of MCM-48 from Cationic-Neutral Surfactant Mixtures)」,ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリーB(J. Phys. Chem. B),(米国),アメリカン・ケミカル・ソサイエティ・パブリケーションズ(American Chemical Society Publications),1999年9月2日,第103巻,第35号,p.7435−7440 特開2001−278607号公報 特開2002−105124号公報 特開2001−233674号公報 特開2004−59904号公報 特開平7−155587号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、その目的とするところは、メソ孔や溝が選択的に形成され、高いメソ孔率を有する多孔質炭素材料およびその製造方法を提供することにある。
本発明による多孔質炭素材料の製造方法は、炭素質材料に第8族金属を含む微粒子を担持させ、前記第8族金属を含む微粒子により前記炭素質材料を還元的に接触分解することを特徴とする。
前記炭素質材料としては、好ましくは、活性炭、カーボンブラックまたは活性炭素繊維を含む炭素質材料が用いられる。前記第8族金属としては、好ましくは、鉄、コバルトまたはニッケルを含む第8族金属が用いられ、より好ましくは、さらに白金またはパラジウムを含んでいてもよい。
前記炭素質材料に前記第8族金属を含む微粒子を担持させるには、例えば、前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させ、還元性ガス雰囲気中で200℃以上、500℃以下の温度に加熱すればよい。前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させるには、前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を、前記炭素質材料に対する金属質量比で、一般的には0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、かつ、一般的には30質量%以下、好ましくは20質量%以下の割合で添加する。
前記炭素質材料に前記第8族金属を含む微粒子を担持させた後、前記炭素質材料を還元的に接触分解するには、例えば、還元性ガスまたは不活性ガス雰囲気中で500℃以上、1000℃以下の温度に加熱すればよい。
また、前記炭素質材料に前記第8族金属を含む微粒子を担持させると共に、前記炭素質材料を還元的に接触分解してもよい。この場合は、例えば、前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させ、還元性ガス雰囲気中で500℃以上、1000℃以下の温度に加熱するか、あるいは、前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させ、不活性ガス雰囲気中で500℃以上、1000℃以下の温度に昇温し、前記不活性ガス雰囲気を還元性ガス雰囲気に置換して加熱すればよい。
ここで、前記還元性ガスとしては、好ましくは、水素、あるいは、アルゴン、窒素またはその混合物で希釈された水素が用いられる。また、前記不活性ガスとしては、好ましくは、アルゴン、窒素またはその混合物が用いられる。
前記炭素質材料を還元的に接触分解した後、好ましくは、前記多孔質炭素材料から前記第8族金属を含む微粒子を除去する。前記第8族金属を含む微粒子を除去するには、好ましくは、酸またはその水溶液が用いられる。
本発明の多孔質炭素材料は、上記のような製造方法により得られる。
本発明による多孔質炭素材料の製造方法によれば、出発材料の炭素質材料に主としてメソ孔や溝を選択的に形成することができる。メソ孔や溝を形成した多孔質炭素材料は、高いメソ孔率を有するが、酸またはその水溶液で処理することにより、メソ孔率を著しく増大させることができる。
本発明による多孔質炭素材料の製造方法は、炭素質材料に第8族金属を含む微粒子を担持させ、前記第8族金属を含む微粒子により前記炭素質材料を還元的に接触分解して、前記炭素質材料に主としてメソ孔や溝を選択的に形成して多孔質炭素材料を得るものである。
それゆえ、出発材料の炭素質材料としては、入手可能であれば、いかなる炭素質材料を用いることもできる。入手が容易であり、比表面積や、水への分散性、親水性などの特性を自由に選択できることなどから、活性炭、カーボンブラック、活性炭素繊維などが好ましく、フェノール系の活性炭やフェノール系の活性炭素繊維がより好ましい。これらの炭素質材料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。炭素質材料の形状は、特に限定されることはなく、粉末状、粒状、顆粒状、球状、塊状、繊維状、針状、柱状、板状などのいずれの形状であってもよい。また、最終的に得られる炭素質材料の形状を自由に設計するために、炭素前駆体を所望形状に成形してから焼成して炭素化した炭素質材料を用いることもできる。使用する炭素前駆体としては、木材やヤシ殻などの植物系や石炭などの鉱物系の天然材料を原料とするものや、合成樹脂を利用したものが挙げられる。
炭素質材料は、市販品を利用するのであれば、そのまま使用してもよいし、例えば、従来公知の加熱処理や真空処理によって、吸着されている水分や吸着質を除去したり、表面の官能基を減少させたりするなどの前処理を施してもよい。炭素前駆体を焼成して炭素化した炭素質材料を用いるのであれば、炭素化後または炭素化中に従来公知の賦活処理を施しておくことが好ましい。
本発明において、第8族金属を含む微粒子とは、第8族金属の微粒子だけでなく、少なくとも第8族金属を含有する微粒子を包含する趣旨であり、後者の微粒子は第8族金属以外の元素を含有していてもよい。第8族金属とは、短周期型周期表の第8族に属する元素に対応する金属であって、具体的には、鉄、コバルト、ニッケルなどの鉄族金属、ロジウム、ルテニウム、白金、イリジウム、パラジウムなどの白金族金属が挙げられる。これらの金属は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。あるいは、これらの金属の2種以上を合金の形態で用いてもよい。第8族金属を合金の形態で用いると、第8族金属を含む微粒子が高温で凝集することを抑制できると考えられるので、形成されるメソ孔や溝を所望サイズに制御しやすくなる。もちろん、前記合金は、第8族金属以外の元素を含有していてもよい。また、これらの金属の中でも、比較的低温で炭素の還元的な接触分解が進行するので、鉄、コバルトおよびニッケルが好ましく、コバルトおよびニッケルがより好ましい。特に、得られた多孔質炭素材料を炭素系触媒として用いる場合には、鉄族金属と白金族金属とを合金の形態で用いることが好ましく、例えば、鉄、コバルトまたはニッケルと、白金またはパラジウムとを含有する合金がより好ましい。
上記のような炭素質材料に主として細孔径2〜50nmのメソ孔や幅2〜50nm、長さ1〜100nm、深さ0.5〜10nmの溝を選択的に形成するには、まず、前記炭素質材料に、粒径が一般的には0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、かつ、一般的には50nm以下、好ましくは30nm以下、より好ましくは10nm以下の第8族金属を含む微粒子を担持させる必要がある。例えば、従来公知の液相法やプラズマ法、スパッタリング法などにより、粒径を制御した第8族金属を含む微粒子を調製し、例えば、混合することにより、直接、前記炭素質材料に担持させればよい。また、液相中で生成させた第8族金属のコロイドを炭素質材料に担持させる方法や、液相中で第8族金属酸化物のコロイドを調製し、それを炭素質材料に担持させる方法、その金属コロイドや金属酸化物コロイドの表面を有機物質で保護して炭素質材料に担持させる方法などが考えられる。
また、炭素質材料に第8族金属の化合物を含浸させ、還元性ガス雰囲気中で所定温度に加熱してもよい。この加熱処理により、前記第8族金属の化合物が還元されて前記第8族金属を含む微粒子を形成する。得られる微粒子の粒径は、用いた第8族金属の種類に依存して変化しうるが、一般的には、加熱温度および加熱時間を調節することにより、所望粒径の第8族金属を含む微粒子を形成することができる。
炭素質材料に第8族金属の化合物を含浸させるには、例えば、前記第8族金属の化合物を、粉末または溶液の状態で前記炭素質材料と混合し、得られた混合物を充分に攪拌し、乾燥させる。前記第8族金属の化合物を適当な溶媒に溶解して溶液を調製する際や、前記炭素質材料と混合する際には、超音波処理を施してもよい。
炭素質材料に担持させる第8族金属の化合物としては、第8族金属の酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩などの無機酸塩;酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩;カルボニル錯体、ビピリジン錯体などの錯化合物などが挙げられる。これらの金属化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの金属化合物の中でも、第8族金属の硝酸塩、塩化物、炭酸塩が好適に用いられる。
第8族金属の化合物は、炭素質材料に対する金属質量比で、一般的には0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、かつ、一般的には30質量%以下、好ましくは20質量%以下の割合で添加する。添加量が0.1質量%未満であると、充分な量の第8族金属を含む微粒子を形成することが困難な場合がある。また、30質量%を超えて多量に添加すると、後の工程でより高温に加熱した際に第8族金属を含む微粒子が凝集してしまい、所望サイズのメソ孔や溝を形成することができない場合がある。
第8族金属の化合物を含浸させた炭素質材料を加熱する温度および時間は、所望サイズのメソ孔や溝を形成するのに必要な粒径の前記第8族金属を含む微粒子が得られるように調節すればよい。加熱温度は、一般的には200℃以上、好ましくは300℃以上、かつ、一般的には500℃以下、好ましくは400℃以下である。加熱温度が200℃未満であると、第8金属を含む微粒子を効率よく形成することが困難な場合がある。また、500℃を超えて加熱すると、第8族金属を含む微粒子が凝集するので、後の工程で形成されるメソ孔や溝を所望サイズに制御することができず、選択性が低下する場合がある。加熱時間は、一般的には0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、かつ、一般的には5時間以下、好ましくは3時間以下、より好ましくは2時間以下である。加熱時間が0.1時間未満であると、第8族金属を含む微粒子を必要なサイズに形成することが困難な場合がある。また、5時間を超えて加熱すると、第8族金属を含む微粒子が凝集するので、後の工程で形成されるメソ孔や溝を所望サイズに制御することができず、選択性が低下する場合があるだけでなく、生産効率の点からも好ましくない。
炭素質材料に第8族金属を含む微粒子を担持させた後、前記炭素質材料を還元的に接触分解するには、例えば、還元性ガスまたは不活性ガス雰囲気中で所定温度に加熱すればよい。この加熱処理により、前記第8族金属を含む微粒子により前記炭素質材料が還元的に接触分解されて、より詳しくは前記第8族金属を含む粒子の表面で炭素質材料が還元性ガスと反応し、おそらく炭化水素となって炭素材料が消耗し、それに伴って前記第8族金属を含む粒子が前記炭素質材料を掘削または表面移動して、主としてメソ孔や溝が形成される。なお、不活性ガス雰囲気中での加熱処理によっても前記炭素質材料の還元的な接触分解が進行するのは、前記炭素質材料に前記第8族金属を含む微粒子を担持させた際に前記炭素質材料の細孔中に吸着された還元性ガスによるものと考えられる。得られるメソ孔や溝のサイズは、用いた第8族金属の種類に依存して変化しうるが、一般的には、加熱温度および加熱時間を調節することにより、所望サイズのメソ孔や溝を形成することができる。
第8族金属を含む微粒子を担持させた炭素質材料を加熱する温度および時間は、所望サイズのメソ孔や溝が形成されるように調節すればよい。加熱温度は、一般的には500℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは800℃以上、かつ、一般的には1000℃以下、好ましくは900℃以下である。加熱温度が500℃未満であると、炭素質材料の還元的な接触分解が進行せず、メソ孔や溝を形成することが困難な場合がある。また、1000℃を超えて加熱すると、形成されるメソ孔や溝を所望サイズに制御することができず、選択性が低下する場合がある。加熱時間は、一般的には0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、かつ、一般的には50時間以下、好ましくは20時間以下、より好ましくは10時間以下である。加熱時間が0.1時間未満であると、炭素質材料の還元的な接触分解が充分に進行せず、メソ孔や溝を形成することが困難な場合がある。また、50時間を超えて加熱すると、炭素質材料を還元的に接触分解する速度が次第に低下するだけでなく、生産効率の点からも好ましくない。
上記の方法では、炭素質材料に第8族金属を含む微粒子を担持させる工程と、前記炭素質材料を還元的に接触分解する工程を順番に行っているが、両方の工程を並行して進めることもできる。この場合は、炭素質材料に第8族金属の化合物を含浸させ、還元性ガス雰囲気中で所定温度に加熱するか、あるいは、炭素質材料に第8族金属の化合物を含浸させ、不活性ガス雰囲気中で所定温度に昇温し、前記不活性ガス雰囲気を還元性ガス雰囲気に置換して加熱すればよい。この加熱処理により、前記第8族金属の化合物が還元されて前記第8族金属を含む微粒子を形成すると共に、前記第8族金属を含む微粒子により前記炭素質材料が還元的に接触分解されて、より詳しくは前記第8族金属を含む微粒子が前記炭素質材料を掘削または表面移動して、主としてメソ孔や溝が形成される。
第8族金属の化合物を含浸させた炭素質材料を加熱する温度および時間は、所望サイズのメソ孔や溝が形成されるように調節すればよい。加熱温度は、一般的には500℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは800℃以上、かつ、一般的には1000℃以下、好ましくは900℃以下である。加熱温度が500℃未満であると、炭素質材料の還元的な接触分解が進行せず、メソ孔や溝を形成することが困難な場合がある。また、1000℃を超えて加熱すると、形成されるメソ孔や溝を所望サイズに制御することができず、選択性が低下する場合がある。加熱時間は、一般的には0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、かつ、一般的には50時間以下、好ましくは20時間以下、より好ましくは10時間以下である。加熱時間が0.1時間未満であると、炭素質材料の還元的な接触分解が充分に進行せず、メソ孔や溝を形成することが困難な場合がある。また、50時間を超えて加熱すると、炭素質材料を還元的に接触分解する速度が次第に低下するだけでなく、生産効率の点からも好ましくない。
本発明の製造方法において、還元性ガスまたは不活性ガス雰囲気としては、加熱装置内の雰囲気をそれぞれ還元性ガスまたは不活性ガスで置換するか、あるいはこれらのガスを流通させればよい。第8族金属を含む微粒子の形成や炭素質材料の還元的な接触分解に際しては、ガス状の反応生成物が発生する可能性があるので、還元性ガスまたは不活性ガスを流通させて、前記反応生成物を排出することが好ましい。還元性ガスとしては、第8族金属の化合物または炭素質材料を還元することができるガスを含んでいれば、いかなるガスであってもよい。例えば、水素、あるいは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素などの不活性ガスまたはその混合物で希釈した水素、好ましくは、水素、あるいは、アルゴン、窒素またはその混合物で希釈された水素、より好ましくは、アルゴン、窒素またはその混合物で希釈された水素が用いられる。還元性ガス中における水素の希釈率は、一般的には1体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、かつ、一般的には100体積%以下、好ましくは50体積%以下、より好ましくは20体積%以下である。また、不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素などの不活性ガスまたはその混合物、好ましくは、アルゴン、窒素またはその混合物が用いられる。
炭素質材料を還元的に接触分解した後、多孔質炭素材料から第8族金属を含む微粒子を除去すれば、メソ孔率が著しく向上するので好ましい。前記第8族金属を含む微粒子を除去するには、前記第8族金属を含む微粒子を除去できる溶剤であれば、いかなる溶剤を用いてもよいが、好ましくは、酸またはその水溶液が用いられる。酸としては、特に限定されないが、硫酸、硝酸、塩酸などが好適に用いられる。これらの酸は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。例えば、得られた多孔質炭素材料を適当な酸またはその水溶液と混合し、攪拌して充分に洗浄した後、水で充分に洗浄し、乾燥させて、前記第8族金属を含む微粒子を除去した多孔質炭素材料が得られる。なお、本明細書を通じて、多孔質炭素材料から第8族金属を含む微粒子を除去するかしないかにかかわらず、いずれも多孔質炭素材料と呼ぶことにする。
本発明による多孔質炭素材料の製造方法では、得られた多孔質炭素材料の全比表面積またはメソ孔比表面積が、出発材料である炭素質材料に比べて低下する場合がある。これは前記炭素質材料が本来有するミクロ孔を犠牲にしてメソ孔が形成されているためであると考えられる。ここで重要なのは、所望サイズのメソ孔や溝を形成して、高いメソ孔率を有する多孔質炭素材料を製造し得るということである。本発明による多孔質炭素材料の製造方法によれば、例えば、出発材料として全比表面積が約2000m2/gの炭素質材料を用いた場合、全比表面積が500m2/g以上、1500m2/g以下、メソ孔率が18%以上、50%以下の多孔質炭素材料が得られる。
本発明による多孔質炭素材料の製造方法は、出発材料の炭素質材料に主としてメソ孔や溝を選択的に形成して多孔質炭素材料を得るものである。それゆえ、最終的に得られる多孔質炭素材料は、出発材料の炭素質材料と実質的に同一の形状を有する。したがって、必ずしも製造後に成形する必要はなく、出発材料の形状を選択するだけで、任意形状の多孔質炭素材料を得ることができる。もちろん、本発明の多孔質炭素材料は、用途によっては、製造後に所望形状に成形してもよい。
本発明の多孔質炭素材料は、上記のような製造方法により得られるものであり、出発材料の炭素質材料に、主としてメソ孔や溝が選択的に形成されているので、予め設計された吸着性能や分離機能を有する。それゆえ、本発明の多孔質炭素材料は、電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)用の炭素電極、燃料電池、空気電池、リチウムイオン電池などの電池用の炭素電極などの電極用材料;炭素系触媒や、各種金属触媒の担体;有害物質、金属イオンなどの吸着材;水素、メタン、天然ガスなどの吸蔵材;工業用、医療用などの各種吸着剤や分離膜などに好適である。
本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。なお、実施例で用いられる「質量%」という用語は、炭素質材料に対する金属質量比を表す。また、実施例で用いられた分析法は以下のとおりである。
(1)N2吸脱着測定
試料の比表面積および細孔径分布は、高速比表面積/細孔径分布測定装置(ASAP−2010、マイクロメリティックス社)を用いて、N2吸脱着測定を行って評価した。試料に物理吸着した水分を除去するために、予め200℃で1時間の真空加熱処理を施した。全比表面積の評価にはBET法、メソ孔比表面積の評価にはBJH法、ミクロ孔比表面積の評価にはt−プロット法を用いた。
(2)電子顕微鏡による観察
高分解能電界放出型走査電子顕微鏡(S−5000、(株)日立製作所;以下「HRSEM」という)を用いて、入射加速電圧20kVで観察した。
実施例1
炭素質材料として、フェノール系の活性炭素繊維(2D−30μ長の粉砕品、日本カイノール(株);以下「ACF」という)を用いた。ACFは前処理を行わず、そのまま使用した。第8族金属の化合物として、Co(NO3)2・6H2O(以下「硝酸コバルト」という)を用いた。まず、硝酸コバルト19.86gを蒸留水250mLに添加し、30分間超音波処理を行って溶解させた。得られた溶液25mLとACF1.60gを混合し、2時間超音波処理を行って、溶液をACFの細孔内にまで充分に含浸させた。その後、攪拌しながら、約90℃で24時間乾燥させて、コバルト金属換算で20質量%になるように硝酸コバルトを含浸させたACF試料2.90gを得た。
この試料0.80gを流速200mL/minのAr(95%)−H2(5%)気流中、昇温速度10℃/minで昇温し、450℃に達した時点で1時間加熱することにより、硝酸コバルトを還元して金属コバルトを含む微粒子を形成させた。引き続いて、この試料を流速200mL/minのAr(95%)−H2(5%)気流中、昇温速度10℃/minで昇温し、800℃に達した時点で1時間加熱することにより、金属コバルトを含む微粒子によりACFを還元的に接触分解させて多孔質炭素材料0.55gを得た。得られた多孔質炭素材料の全比表面積は1070m2/g、メソ孔比表面積は252m2/g、メソ孔率は23.6%であった。なお、未処理ACFの全比表面積は2090m2/g、メソ孔比表面積は356m2/g、メソ孔率は17.0%であった。未処理ACFの細孔径分布を図1に、得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を図2に示す。図1と図2を比較すると明らかなように、本実施例で得られた多孔質炭素材料は、細孔径約4nmにおける微分細孔容積が増大し、細孔径約4nmのメソ孔が選択的に形成されていた。
実施例2
450℃での加熱処理の後、Ar(95%)−H2(5%)気流をAr(100%)気流に置換してから800℃に昇温したこと以外は実施例1と同様にして多孔質炭素材料0.54gを得た。得られた多孔質炭素材料の全比表面積は930m2/g、メソ孔比表面積は231m2/g、メソ孔率は24.8%であった。得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を図3に示す。図1と図3を比較すると明らかなように、本実施例で得られた多孔質炭素材料は、細孔径約4nmにおける微分細孔容積が大きく増大し、細孔径約4nmのメソ孔が選択的に形成されていた。図2と図3を比較すると明らかなように、800℃での加熱処理をAr(95%)−H2(5%)気流中で行うよりAr(100%)気流中で行った方が細孔径約4nmにおける微分細孔容積は約2倍近く増大した。
比較例1
ACFに硝酸コバルトを含浸させないこと以外は実施例2と同様にして多孔質炭素材料0.75gを得た。得られた炭素材料の全比表面積は1980m2/g、メソ孔比表面積は288m2/g、メソ孔率は14.5%であった。得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を図4に示す。図4から明らかなように、金属コバルトを含む微粒子を担持させない場合には、ACFにメソ孔が選択的に形成されないことが分かる。
実施例3
20質量%の硝酸コバルトを含浸させたACF試料2.90gを実施例1と同様にして調製した。この試料0.80gを流速200mL/minのAr(95%)−H2(5%)気流中、昇温速度10℃/minで昇温し、800℃に達した時点で1時間加熱することにより、硝酸コバルトを還元して金属コバルトを含む微粒子を形成させると共に、金属コバルトを含む微粒子によりACFを還元的に接触分解させて多孔質炭素材料0.54gを得た。得られた多孔質炭素材料の全比表面積は1060m2/g、メソ孔比表面積は247m2/g、メソ孔率は23.3%であった。得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を図5に示す。図1と図5を比較すると明らかなように、本実施例で得られた多孔質炭素材料は、細孔径約4nmにおける微分細孔容積が増大し、細孔径約4nmのメソ孔が選択的に形成されていた。
実施例4
試料をAr(100%)気流中で加熱し、800℃に達した時点でAr(100%)気流をAr(95%)−H2(5%)気流に置換したこと以外は実施例3と同様にして多孔質炭素材料0.52gを得た。得られた多孔質炭素材料の全比表面積は1010m2/g、メソ孔比表面積は203m2/g、メソ孔率は20.1%であった。得られた多孔質炭素材料の細孔径分布およびHRSEM像をそれぞれ図6および図7に示す。図1と図6を比較すると明らかなように、本実施例で得られた多孔質炭素材料は、細孔径約4nmにおける微分細孔容積が大きく増大し、細孔径約4nmのメソ孔が選択的に形成されていた。図5と図6を比較すると明らかなように、800℃までの加熱処理をAr(95%)−H2(5%)気流中で行うよりAr(100%)気流中で行った方が細孔径約4nmにおける微分細孔容積は約2倍近く増大した。これは、本実施例では800℃までの加熱処理を不活性ガス雰囲気中で行ったために、金属コバルトを含む微粒子の凝集が抑制されたからである。図7から明らかなように、得られた多孔質炭素材料の表面には、数nmから約20nmまでの広い範囲の細孔と、数nmから約20nmまでの粒子径の金属コバルトを含む微粒子が見られた。
実施例5
実施例4で得られた多孔質炭素材料0.52gと0.5M・H2SO460mLを混合し、5分間超音波処理を行って分散させ、さらに15分間攪拌した。次いで、遠心分離を行って、上澄み液を分取した。ここまでの操作を3回繰り返した。さらに0.5M・H2SO4をH2Oに替えて、上澄み液が中性になるまで同じ操作を3回繰り返した。上澄み液を取り除いた後の沈殿試料を乾燥させて、金属コバルトを含む微粒子を除去した多孔質炭素材料0.41gを得た。得られた多孔質炭素材料の全比表面積は1390m2/g、メソ孔比表面積は303m2/g、メソ孔率は21.8%であった。得られた多孔質炭素材料の細孔径分布およびHRSEM像をそれぞれ図8および図9に示す。図6と図8を比較すると明らかなように、金属コバルトを含む微粒子を除去することにより、すべての細孔径において微分細孔容積が増大したが、特に細孔径約3.5〜4nmにおいて微分細孔容積が約2〜4倍に増大した。また、図9から明らかなように、得られた多孔質炭素材料の表面には、数nmから約20nmまでの広い範囲の細孔が見られた。ただし、図8に示すように、細孔径分布は約4nm付近に極大値があり、得られた多孔質炭素材料には、細孔径約3.5〜4nmのメソ孔が選択的に形成されていた。
実施例6
加熱処理を900℃で行ったこと以外は実施例3と同様にして多孔質炭素材料0.50gを得た。得られた多孔質炭素材料の全比表面積は557m2/g、メソ孔比表面積は151m2/g、メソ孔率は27.1%であった。得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を図10に示す。図1と図10を比較すると明らかなように、本実施例で得られた多孔質炭素材料は、細孔径約4nmの微分細孔容積が著しく増大し、細孔径約4nmのメソ孔が極めて選択的に形成されていた。
実施例7
炭素質材料として、フェノール系の粒状活性炭1.60gを用い、800℃で20時間加熱したこと以外は実施例4と同様にして多孔質炭素材料1.81gを得た。得られた多孔質炭素材料0.50gを実施例5と同様に処理して、金属コバルトを含む微粒子を除去した多孔質炭素材料0.41gを得た。走査電子顕微鏡(S−3000N、(株)日立製作所)と組み合わせたエネルギー分散型X線分析装置(EMAX−ENERGYシリーズ、(株)堀場製作所)を用いて、多孔質炭素材料に金属コバルトを含む微粒子が実質的に残存していないことを確認した。得られた多孔質炭素材料の全比表面積は1170m2/g、メソ孔比表面積は239m2/g、メソ孔率は20.4%であった。なお、未処理活性炭の全比表面積は1290m2/g、メソ孔比表面積は145m2/g、メソ孔率は11.2%であった。得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を図11に示す。図1と図11を比較すると明らかなように、本実施例で得られた多孔質炭素材料は、細孔径約4nmの微分細孔容積が著しく増大し、細孔径約4nmのメソ孔が極めて選択的に形成されていた。
実施例8
炭素質材料として、カーボンブラック(Vulcan(登録商標)XC72R、比表面積約250m2/g、カボット社;以下「CB」という)を用いた。CBは前処理を行わず、そのまま使用した。第8族金属の化合物として、Pt(NH3)2(NO2)2(以下「ジニトロジアンミン白金」という)およびCo(NO3)2・6H2O(以下「硝酸コバルト」という)を用いた。まず、ジニトロジアンミン白金2.00gをエタノール100mLに溶解し、この溶液に硝酸コバルト1.80gを、白金が金属原子比で50原子%となるように添加した。得られた溶液とCB0.50gを、第8族金属の化合物が金属質量比で30質量%の割合で含浸されるように混合し、30分間超音波処理を行って、溶液をCBの細孔内にまで充分に含浸させた。その後、攪拌しながら、大気中、約60℃で2時間乾燥させて、ジニトロジアンミン白金および硝酸コバルトを含浸させたCB試料1.01gを得た。
この試料0.80gを流速250mL/minのAr(90%)−H2(10%)気流中、昇温速度50℃/minで昇温し、800℃に達した時点で10時間加熱することにより、ジニトロジアンミン白金および硝酸コバルトを還元して金属白金および金属コバルトを含む微粒子を形成させると共に、金属白金および金属コバルトを含む微粒子によりCBを還元的に接触分解させて多孔質炭素材料0.51gを得た。得られた多孔質炭素材料のHRSEM像を図12に示す。図12から明らかなように、本実施例で得られた多孔質炭素材料には、幅約10nm、長さ約30〜80nm、深さ約0.7〜5nmの溝が複数個形成されていた。
実施例9
900℃で2時間加熱したこと以外は実施例8と同様にして多孔質炭素材料0.42gを得た。得られた多孔質炭素材料のHRSEM像を図13に示す。図13から明らかなように、本実施例で得られた多孔質炭素材料には、幅約10nm、長さ約30〜80nm、深さ約0.7〜5nmの溝が複数個形成されていた。
本発明による多孔質炭素材料の製造方法は、出発材料の炭素質材料に主としてメソ孔や溝を選択的に形成することができるので、用途に応じて、多種多様の吸着性能や分離機能を設計することができる。それゆえ、本発明の製造方法により得られる多孔質炭素材料は、特に、電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)用の炭素電極、燃料電池、空気電池、リチウムイオン電池などの電池用の炭素電極などの電極用材料;炭素系触媒や、各種金属触媒の担体;有害物質、金属イオンなどの吸着材;水素、メタン、天然ガスなどの吸蔵材;工業用、医療用などの各種吸着剤や分離膜などの用途に好適に使用され、その性能を飛躍的に向上することができる。
実施例1〜6で用いた未処理ACFの細孔径分布を示すグラフ図である。 実施例1で得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を示すグラフ図である。 実施例2で得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を示すグラフ図である。 比較例1で得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を示すグラフ図である。 実施例3で得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を示すグラフ図である。 実施例4で得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を示すグラフ図である。 実施例4で得られた多孔質炭素材料のHRSEM像を示す図面代用写真である。 実施例5で得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を示すグラフ図である。 実施例5で得られた多孔質炭素材料のHRSEM像を示す図面代用写真である。 実施例6で得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を示すグラフ図である。 実施例7で得られた多孔質炭素材料の細孔径分布を示すグラフ図である。 実施例8で得られた多孔質炭素材料のHRSEM像を示す図面代用写真である。 実施例9で得られた多孔質炭素材料のHRSEM像を示す図面代用写真である。

Claims (15)

  1. 炭素質材料に第8族金属を含む微粒子を担持させ、前記第8族金属を含む微粒子により前記炭素質材料を還元的に接触分解することを特徴とする多孔質炭素材料の製造方法。
  2. 前記炭素質材料を還元的に接触分解した後、前記第8族金属を含む微粒子を除去する請求項1記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  3. 前記第8族金属を含む微粒子を酸またはその水溶液で除去する請求項2記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  4. 前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させ、還元性ガス雰囲気中で200℃以上、500℃以下の温度に加熱することにより、前記炭素質材料に前記第8族金属を含む微粒子を担持させる請求項1〜3のいずれか1項記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  5. 前記炭素質材料に前記第8族金属を含む微粒子を担持させた後、還元性ガスまたは不活性ガス雰囲気中で500℃以上、1000℃以下の温度に加熱することにより、前記炭素質材料を還元的に接触分解する請求項4記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  6. 前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させ、還元性ガス雰囲気中で500℃以上、1000℃以下の温度に加熱することにより、前記第8族金属を含む微粒子を形成すると共に、前記炭素質材料を還元的に接触分解する請求項1〜3のいずれか1項記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  7. 前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させ、不活性ガス雰囲気中で500℃以上、1000℃以下の温度に昇温し、前記不活性ガス雰囲気を還元性ガス雰囲気に置換して加熱することにより、前記第8族金属を含む微粒子を形成すると共に、前記炭素質材料を還元的に接触分解する請求項1〜3のいずれか1項記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  8. 前記還元性ガスが水素、あるいは、アルゴン、窒素またはその混合物で希釈した水素である請求項4〜7のいずれか1項記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  9. 前記不活性ガスがアルゴン、窒素またはその混合物である請求項5または7記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  10. 前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させる際に、前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を金属質量比で0.1質量%以上、30質量%以下の割合で添加する請求項4〜9のいずれか1項記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  11. 前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を含浸させる際に、前記炭素質材料に前記第8族金属の化合物を金属質量比で0.2質量%以上、20質量%以下の割合で添加する請求項10記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  12. 前記炭素質材料が活性炭、カーボンブラックまたは活性炭素繊維を含む請求項1〜11のいずれか1項記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  13. 前記第8族金属が鉄、コバルトまたはニッケルを含む請求項1〜12のいずれか1項記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  14. 前記第8族金属がさらに白金またはパラジウムを含む請求項13記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項記載の製造方法により製造された多孔質炭素材料。
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