JP2006054495A - 水性現像可能な感光性抵抗体組成物及び厚膜抵抗体の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a) 貴金属、ルテニウムの酸化物及びルテニウム系パイロクロア酸化物の少なくとも一種類の微細粒子 5〜50重量%、
(b) 350℃〜825℃のガラス転移温度及び0.1〜10μmの粒径を有する無機バインダーの微細粒子 5〜75重量%、および
(c) 0.01〜10μmの粒径を有する金属酸化物および/またはフッ化物添加剤 0〜30重量%
からなる無機固体分 30〜80重量%、および
(d) 有機重合体バインダー、
(e) 光開始剤、
(f) 光硬化性モノマーおよび
(g) 有機媒体
からなる有機ビヒクル 70〜20重量%
からなり、酸化性雰囲気または実質的に非酸化性雰囲気中で焼成可能な水性現像可能な感光性抵抗体組成物。
【選択図】 なし
Description
(a) 貴金属、ルテニウム酸化物及びルテニウム系パイロクロア酸化物の少なくとも1種の微細粒子 5〜50重量%、
(b) 350℃〜825℃のガラス転移温度及び0.1〜10μmの粒径を有する無機バインダーの微細粒子 5〜75重量%、および
(c) 0.01〜10μmの粒径を有する金属酸化物および/またはフッ化物添加剤 0〜30重量%、
からなる無機固体分 30〜80重量%、および
(d) 有機重合体バインダー、
(e) 光開始剤、
(f) 光硬化性モノマーおよび
(g) 有機媒体
からなる有機ビヒクル 70〜20重量%
からなり、酸化性雰囲気または実質的な非酸化性雰囲気中で焼成可能なことを特徴とする水性現像可能な感光性抵抗体組成物である。
本発明の厚膜抵抗体組成物は、導電成分として、貴金属、ルテニウムの酸化物またはルテニウム系パイロクロア酸化物を含有する。貴金属の例としては金、銀、白金、パラジウム等をあげることができる。ルテニウム系パイロクロア酸化物は、次の一般式で表わされるRu+4、Ir+4またはその混合物(M″)の多成分化合物であるパイロクロア酸化物の一種である。
(MxBi2-x)(M′y M″2-y)O7-z
式中、Mはイットリウム、タリウム、インジウム、カドミウム、鉛、銅および希土類金属よりなる群から選ばれ、
M′は白金、チタン、クロム、ロジウムおよびアンチモンよりなる群から選ばれ、
M″はルテニウム、イリジウムまたはその混合物であり、
xは0〜2であるが、ただし1価の銅に対してはx≦1であり、
yは0〜0.5であるが、ただしM′がロジウムであるかまたは白金、チタン、クロム、ロジウムおよびアンチモンのうちの1種より多い場合にはyは0〜1であり、そして
zは0〜1であるが、ただしMが2価の鉛またはカドミウムの場合にはこれは少なくとも約x/2に等しい。
これらルテニウム系パイロクロア酸化物は、米国特許第3583931号明細書に詳細に記載されている。
本発明に使用するガラスフリットは導電成分粒子を焼結を補助するものであり、導電成分の融点以下の軟化点を有するよく知られた任意の組成物であってもよい。兎に角、デバイスの十分な導電性を得るためには、無機バインダーのガラス転移温度〔Tg〕は350〜825℃、さらに好ましくは350〜750℃であるのが望ましい。
無機バインダーは20m2/g以下の比表面積を持つべきである。平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましい。
無機バインダーは、全組成物の重量の5〜75重量%であることが好ましい。無機バインダーの量がさらに多くなると、基体に対する結合性が低下する。
本発明の厚膜抵抗体組成物は添加物として金属酸化物および/またはフッ化物を30重量%まで含有していてもよい。この金属酸化物および/またはフッ化物は抵抗体の特性を変える役目をし、主に
−TCRを動かす
−焼結状態を変える
−熱膨張率(TCE)を変える
−焼成表面状態を変える
等の目的に応じて0.01〜10μmの平均粒径を有する金属酸化物および/またはフッ化物を添加することができる。
重合体バインダーは本発明の組成物にとり重要である。それは水性処理可能性を考慮しそして高い解像力を与えるものでなければならない。これらの要件は下記のバインダーを選択することにより満たされることがわかっている。すなわち、このバインダーは(1)C1〜C10アルキルアクリレート、C1〜C10アルキルメタクリレート、スチレン、置換スチレンまたはそれらの組み合わせからなる非酸性コモノマーおよび(2)全ポリマー重量の少なくとも15重量%である部位を占めるエチレン系不飽和カルボン酸からなる酸性コモノマーからなるコポリマーまたはインターポリマーである。
ポリマーは、慣用の溶液重合技術によるアクリレート重合の従来技術によって製造することができる。
スクリーン印刷をした後、該ペーストを通常90℃までの温度で乾燥するが、この温度以下のTgのものは、一般に極めて粘着性のある組成物となる。スクリーン印刷以外の方法によって塗布する物質に対してはさらに低いTg値を採用することができる。
有機重合体バインダーは、一般に乾燥光重合性層の全重量に基づいて5〜45重量%の量で存在する。
適当な光開始剤系は、熱的に不活性であるが85℃またはそれ以下の温度で活性光線に露光した場合にフリーラジカルを発生するものである。これらは、共役した炭素環系において2つの分子内環を有する化合物である置換または未置換の多核キノン、例えば、9,10−アンスラキノン、2−メチルアンスラキノン、2−エチルアンスラキノン、2−ターシャリーブチルアンスラキノン、オクタメチルアンスラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントレンキノン、ベンズ(ザ)アントラセン−7,12−ジオン、2,3−ナフタセン−5,12−ジオン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、1,4−ジメチル−アントラキノン、2,3−ジメチルアントラキン、2−フェニルアントラキン、2,3−ジフェニルアントラキン、レテンキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフタセン−5,12−ジオンおよび1,2,3,4−テトラヒドロベンズ(ザ)アントラセン−7,12−ジオンを包含する。また有用である他の光開始剤は、いくらかが85℃のような低い温度でも熱的に活性であるとしても米国特許第2,760,863号に記述されていて、隣接の(ビシナル)ケタールドニルアルコール、例えばベンゾイン、ビバロイン、アシロインエーテル、例えばベンゾインメチルおよびエチルエーテル;α−ヒドロカーボン−置換芳香族アシロイン、これにはα−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾインおよびα−フェニルベンゾインを包含する。
本発明の光硬化性モノマー成分は、少なくとも1個の重合性エチレン基を有する少なくとも1個の付加重合性エチレン系不飽和化合物で構成されている。
このような化合物は、フリーラジカルによって開始され、連鎖成長付加重合してポリマーを形成しうるものである。モノマー化合物は、100℃以上の沸点を有する、すなわち非ガス性であり、有機重合性バインダーの可塑化作用を有する。
有機ポリマーおよびモノマーによる無機材料の効果的な濡れを確実にするために分散剤を加えることができる。良好な可撓性、未処理塩基強度および焼成中の有機物の完全燃焼に必要な特性を有する光活性シートの調製には完全に分散した無機バインダーが望ましい。分散剤は、重合体バインダーが無機固体分を湿潤させて凝集物のない系を与えるように作用する。
乾燥や保存中の熱重合を防止するために抑制剤を添加することが一般に望ましい。しかしながら、光重合性組成物にとっては不可欠ではない。光重合性組成物に用いることのできる熱重合抑制剤としては、p−メトキシフェノール、ヒドロキノン、アルキル−およびアリール−置換ヒドロキノン類ならびにキノン類、tert−ブチル−カテコール、ピロガロール、樹脂酸銅、ナフチルアミン類、β−ナフトール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トリルキノンおよびクロラニルをあげることができる。また、米国特許第4,168,982号明細書に開示されているニトロソ組成物も熱重合抑制剤として有用である。
多価金属カチオンが抵抗体組成物中に存在する場合、安定剤を加えることが好ましい。安定剤を加えないと、多価カチオンが重合体バインダー中の酸官能基と反応してイオン的に重合体鎖が架橋し、抵抗体組成物の粘度を上昇させる。かかる架橋を防止するが感光性抵抗体組成物の他の性質に悪影響を与えない任意の化合物を、分散中の組成物に添加できる。これらの安定剤は多価カチオンと錯体を形成し、重合体バインダー中の酸官能基との反応を抑制する。その機構は明確にわからないが、トリアゾール化合物は本発明の組成物において安定剤として十分に機能することがわかっている。ベンゾトリアゾールおよび/またはそのカルボン酸誘導体、1H−ベンゾトリアゾールカルボン酸が特に好ましい。アニオン系界面活性剤およびその他の分子中に含まれているカルボン酸も粘度の低下または粘度上昇の防止に効果がある。
有機媒体の主な目的は、組成物の微細な固体の分散物のビヒクルとして作用し、セラミックまたは他の基体に容易に塗布可能な形態にすることである。したがって、第1に有機媒体は十分な安定性で固体を分散できるものでなければならない。第2に、有機媒体のレオロジー性は良好な適用性を分散物に与えるようなものでなければならない。
最終組成物はチキソトローピックであってもよく、あるいは組成物に導入される添加物に依存してニュートン性を有する。
感光性抵抗体組成物は膜の形で基体にあるいは例えばスクリーン印刷によってペーストの形で基体に一般的に適用される。次いで、抵抗組成物を活性光線に像露光し、露光部分を確定する。水性現像し、層の未露光部分を除去する。露光部分は、0.8重量%の炭酸ナトリウムを含有する完全な水溶液のような現像液の使用により実質上影響されない。本発明では実際の使用では0.8重量%の炭酸ナトリウム溶液を用いて現像を行う必要はなく、例えば他のアルカリの水溶液を用いてもよいことが理解される。しかしながら、本発明の組成物はそのような炭酸塩溶液中での現像可能性を有する。通常、現像は0.25〜2分以内で行なわれる。
1) 成分材料
A. 無機物
ガラスフリットI、II:下記の表2に示した。
パイロクロアI、II、ルテニウム酸化物I、II:下記の表1に示した。
B. 重合体バインダー
バインダー:75%のメチルメタクリレートおよび25%のメタクリル酸のコポリマー(分子量7000、Tg−110℃、酸価160)
C. モノマー
モノマーI:TEOTA 1000−ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート(分子量1,162)
モノマーII:TMPTA−トリメチロールプロパントリアクリレート
D. 溶媒
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
E. 開始剤
光開始剤1:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
〃 2:イソプロピルチオキサントン
〃 3:エチル−p−ジメチルアミノベンゾエート
F. 安定剤
1H−ベンゾトリアゾールカルボン酸
G. 分散剤
Gafac 610(Riverside Chemical Inc.)−複合有機りん酸エステル
H.熱重合抑制剤
1,4,4−トリメチル−2,3−ジアザビシクロ〔3.2.2〕−ノン−2−オン−N,N′−ジオキシド
A. 有機ビヒクルの製造
有機成分、溶媒およびアクリル系ポリマーを混合した。撹拌しながら120℃まで加熱しそしてすべてのバインダーポリマーが溶解するまで加熱および撹拌を継続した。次いで溶液を90℃まで冷却しそして開始剤および安定化剤を加えた。この混合物を次に90℃で撹拌して固体を溶解し、その後溶液を400メッシュフイルターを通過させそして冷却した。
成 分 重量%
溶 媒 52.11
重合体バインダー 38.82
光開始剤1 2.74
〃 2 2.31
〃 3 2.31
抑制剤 0.07
ペーストの調製は黄色灯の下で行った。最初に有機成分を調合後に予備混合し、次に予備混合した有機成分に無機成分を加えて混合した後、ロールミルを用いて混練した。
汚染は欠陥の原因になり得るので、コーティング組成物の製造工程においてそして製品の製造においてごみによる汚染を避けるべく注意を払った。工程の作業はクラス−100のクリーンルームで行なった。
ペーストを100〜400メッシュスクリーンを用いるスクリーン印刷によりセラミック製品に塗布した。製品を窒素または空気の雰囲気のオーブン中において70〜100℃で乾燥した。乾燥したコーティングの厚さは8〜20μmであった。
露光した製品は0.85重量%の炭酸ナトリウム水溶液(20〜45℃)でデュポン社製C11プロセッサーを用いて現像した。現像液は10〜25Psiで噴霧し、現像速度は3〜15フィート/分であった。
現像後、乾燥した製品を空気炉中において最高温度605℃、40分サイクルで焼成した。
A. 評価試料
表1に示す成分を用いて上記のようにして、実施例1〜5の試料を調製した。
導電性成分としてパイロクロアI 10.00%およびルテニウム酸化物 5%、無機結合剤としてガラスフリットI 30%およびガラスフリットII 25%、そしてビヒクル30%を含有する従来の厚膜抵抗体組成物を比較試料とした。
ここにビヒクルはエチルセルロース10〜30重量部とβ−テルピネオール90〜70重量部ならびに分散剤10重量部以下の混合物である。
表1に示す実施試料1〜5および比較試料の組成物を基板に印刷し、得られたパターンを乾燥および焼成して、シート抵抗値(Ω/□)、平均乾燥および焼成膜厚および解像度を測定した。ここに解像度は各ラインの一方が放射線上にひろがり、各ラインの他方が中心に向かって収斂するいわゆる扇状のパターンにおいて、幅の小さくなって行く方向にマイクロスコープで細くなった抵抗体ラインがどこまで切れずに形成されているかを観察し、ラインが切れている直前の抵抗体ライン幅を測定し(mil)単位で表わした。
評価結果を表3に示す。
Claims (6)
- (a) ルテニウム酸化物及びルテニウム系パイロクロア酸化物の少なくとも1種の微細粒子 5〜50重量%、
(b) 350℃〜825℃のガラス転移温度及び0.1〜10μmの粒径を有する無機バインダーの微細粒子 5〜75重量%、および
(c) 0.01〜10μmの粒径を有する金属酸化物および/またはフッ化物添加剤
0〜30重量%、
からなる無機固体分 30〜80重量%、および
(d) 有機重合体バインダー、
(e) 光開始剤、
(f) 光硬化性モノマーおよび
(g) 有機媒体
からなる有機ビヒクル 70〜20重量%
からなる、水性現像可能なフォトリソグラフィー用感光性抵抗体組成物。 - 有機重合体バインダーが(1)C1〜C10アルキルアクリレートまたはC1〜C10アルキルメタクリレート、スチレン、置換スチレンあるいはそれらの組み合わせを含む非酸性コモノマーおよび(2)エチレン系不飽和カルボン酸を含む酸性コモノマーからなるコポリマーまたはインターポリマーであり、すべての酸性コモノマーの合計はポリマーの少なくとも15重量%を構成し、かつ有機重合体バインダーが50,000以下の分子量(Mw)を有する請求項1記載の組成物。
- 有機重合体バインダーがメチルメタクリレートのコポリマーである請求項2記載の組成物。
- 有機媒体が分散剤を含有する請求項1記載の組成物。
- 活性光線に像露光後に0.8重量%の炭酸ナトリウムを含有する水溶液中で現像可能な請求項1記載の組成物。
- 請求項1の感光性抵抗体組成物を絶縁基板上に塗布し、露光し、そして現像後に500℃〜1,000℃の温度で焼成することを特徴とする厚膜抵抗体の形成方法。
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JP2005315538A JP2006054495A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 水性現像可能な感光性抵抗体組成物及び厚膜抵抗体の形成方法 |
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