JP2006052167A - 錠剤組成物 - Google Patents

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貴彦 中森
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Abstract

【課題】 咀嚼性又は嚥下性に優れるにも拘わらず、適度な強度を有し、容易に製造可能な錠剤組成物を得る。
【解決手段】 錠剤組成物を(A)室温で液状、かつ低揮発性の化合物と、(B)ケイ酸、ケイ酸の塩(ケイ酸カルシウムなど)、ヒドロタルサイト及び酸化マグネシウムから選択された少なくとも一種と、(C)賦形剤とで構成する。前記化合物(A)の割合は、錠剤組成物全体に対して3〜18重量%であり、前記成分(B)の割合は、前記化合物(A)1重量部に対して、0.5重量部以上である。前記化合物(A)としては、分子量600以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが使用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、適度な錠剤硬度を有しながらも、口腔内での咀嚼や嚥下を容易に行うことができ、服用感に優れる錠剤組成物に関する。
口腔内で、咀嚼などにより崩壊又は溶解させて服用する咀嚼錠剤は、水がなくても服用できるため携帯に便利であり、また、手間なく服用できるという利点がある。しかし、一般的な咀嚼錠剤は、お年寄りや、咀嚼を困難とするような体の不自由な患者が服用するには、硬度が高く、咀嚼が容易でない。
このような点から、錠剤の硬度を下げて、咀嚼性を改善することが考えられるが、錠剤硬度を下げると、咀嚼性は改善できるものの、実用上十分な強度が得られなくなる。すなわち、製造、運搬、投薬などの種々の段階で錠剤が破損又は摩耗し易く、錠剤が破損又は摩耗すると、質量が減少して、必要な服用量を摂取するのが困難となる。例えば、複数の錠剤を瓶詰めしたり、携帯用の容器に詰めて運搬又は移動すると、錠剤の破損や摩耗により、一定の品質や服用量を確保するのが困難となる。また、強度が不十分な錠剤の破損や摩耗を防止するために、SP包装やPTP包装などの包装方法により、1錠毎に個装すると、コストが高くなる。
ところで、硬度が低い錠剤は、一般に、(1)錠剤の圧密性を低下させたり、(2)錠剤の打錠圧を低減することにより、製造されている。上記(1)の方法では、具体的には、崩壊剤の割合を多くすることにより、錠剤の圧密性を低下させることが可能である。しかし、崩壊剤の割合が多くなると、錠剤にヒビ割れが生じ易くなる。また、上記(2)の方法では、錠剤の形状を維持できるように結合剤を増量する必要が生じ、そのため、適当な錠剤の硬さを維持するためには、非常に狭い範囲の打錠圧に限定して打錠しなければならず、打錠圧のコントロールが困難である。
そこで、口腔内での速やかな崩壊性及び溶解性と、製造工程及び流通工程において必要とされる適度な強度とを兼ね備えた錠剤の開発が検討されてきた。例えば、特開平11−33084号公報(特許文献1)には、薬効成分、糖類及びポリエチレングリコールを含有し、かつ前記ポリエチレングリコールが前記薬効成分及び前記糖類との間に粒子間架橋を形成した多孔質構造を有する口腔内溶解型錠剤が開示されている。また、特開平11−35451号公報(特許文献2)には、薬効成分、糖類及び低融点物質を含有し、かつ前記低融点物質が前記薬効成分及び前記糖類との間に粒子間架橋を形成した多孔質構造を有する口腔内溶解型錠剤が開示されている。特開2002−308760号公報(特許文献3)には、生理活性物質と、メタケイ酸アルミン酸塩でコーティングした糖類を含有する組成物とを圧縮成型した少量の水分でも速やかに崩壊する圧縮成型製剤が開示されている。特開2000−273038号公報(特許文献4)には、少なくとも1種の有効成分、乳糖、結晶セルロース及び軽量無水ケイ酸を含有し、錠剤中の配合量が乳糖20〜70重量%、結晶セルロース20〜50重量%及び軽質無水ケイ酸0.1〜10重量%である口腔内溶解性錠剤が開示されている。
特開平11−33084号公報(請求項1) 特開平11−35451号公報(請求項1) 特開2002−308760号公報(請求項5) 特開2000−273038号公報(請求項1)
従って、本発明の目的は、咀嚼が容易であるにも拘わらず、取り扱い上十分な強度を有するとともに、容易に製造可能な錠剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の成分を特定の割合で組み合わせると、適度な硬度又は強度を有するにも拘わらず、口腔内での咀嚼性や嚥下性に優れる錠剤組成物が簡便な方法により得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の錠剤組成物は、(A)室温で液状、かつ低揮発性の化合物、(B)ケイ酸、ケイ酸の塩、ヒドロタルサイト及び酸化マグネシウムから選択された少なくとも一種、及び(C)賦形剤を含有する錠剤組成物であって、前記化合物(A)の割合は錠剤組成物全体に対して3〜18重量%であり、前記化合物(A)1重量部に対して、前記成分(B)を0.5重量部以上の割合で含有する。
通常、室温で液体の化合物を錠剤組成物中に多量に含有させると、錠剤の構成成分が打錠杵に付着して(スティッキング)、打錠が困難になると考えられている。本発明のような割合で室温で液体の化合物を含有させても、円滑に打錠でき、適度な硬度及び強度を有し、かつ口腔内での咀嚼性や嚥下性に優れる錠剤が得られることは意外なことである。
前記化合物(A)としては、多価アルコール(例えば、分子量600以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)を使用してもよい。前記ケイ酸の塩は、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム、及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選択された少なくとも一種であってもよい。前記成分(B)は、吸油量50〜500ml/100gを有していてもよい。前記賦形剤(C)は、セルロース、デンプン、デキストリン、デキストラン、糖アルコール、乳糖、及びブドウ糖から選択された少なくとも一種を含有してもよい。
本発明では、特定の成分を特定の割合で組み合わせて用いるので、咀嚼や嚥下が容易であるにも拘わらず、取り扱い上十分な強度を有するとともに、打錠圧のコントロールが容易で、ヒビ割れやスティッキングを起こすことなく錠剤組成物を容易に製造することができる。
成形性を改善できるため、単に構成成分を混合した組成物を打錠などにより成形するという簡便な操作で、適度な硬度を備えながらも咀嚼性、嚥下性、崩壊性や溶解性に優れた錠剤を得ることができる。そのため、従来、易崩壊錠を得るのに有用とされた凍結乾燥や複雑な製造工程を必ずしも経る必要がなくなる。
本発明の錠剤組成物は、上記のように、適度な強度又は硬度を有するため、PTP包装などを必ずしも行う必要がなく、瓶などの包装容器に充填して流通や販売を行うことも可能であり、コスト的にも有利である。
[錠剤組成物]
本発明の錠剤組成物は、前記化合物(A)、成分(B)及び賦形剤(C)を必須成分として含有する。
(A)化合物
前記化合物(A)としては、室温で液状で、かつ低揮発性であれば特に制限されず、例えば、ヘキサノール、デカノールなどのC6-10アルカノール、シクロヘキサノールなどのシクロアルカノールなどであってもよいが、通常、多価アルコールが挙げられる。なお、室温とは、日本薬局方に従って1〜30℃を意味するものとする。
前記多価アルコールとしては、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコールなどのアルキレングリコールなど)、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコールなどが挙げられる。化合物(A)には、前記脂肪族多価アルコールの重合物、例えば、ポリオキシアルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなど)、ポリグリセリン(ジグリセリンなど)、ポリペンタエリスリトール(ジペンタエリスリトールなど)なども含まれる。これらの化合物(A)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記脂肪族多価アルコールの重合物の分子量は、例えば、600以下(例えば、106〜600程度)、好ましくは550以下(例えば、106〜550程度)である。
なお、化合物(A)の揮発性は、例えば、蒸気圧760mmHg(101.332kPa)を示す温度の高低を指標として表すことができ、この温度がより高い物質ほど低揮発性である。蒸気圧760mmHgを示す温度は、例えば、メタノールで64.51℃、エタノールで78.32℃、1−プロパノールで97.21℃、アセトンで21.65℃、ジエチルエーテルで34.55℃、クロロホルムで61.75℃であり、これらの有機溶媒は、本発明においては、高揮発性の物質に分類するものとする。
本発明において、前記化合物(A)は、蒸気圧760mmHgを示す温度が、例えば、150℃以上(例えば、150〜400℃程度)、好ましくは180℃以上(例えば、180〜370℃程度)、さらに好ましくは200℃以上(例えば、200〜350℃程度)であってもよい。蒸気圧760mmHgを示す温度は、例えば、エチレングリコールで197.36℃、ジエチレングリコールで245.77℃、1,3−プロパンジオールで214.91℃、グリセリンで290.12℃である。
これらの化合物(A)のうち、特に、分子量600以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンなどが好ましい。
錠剤組成物全体において、前記化合物(A)の含有量は、総量で、3〜18重量%、好ましくは4〜15重量%、より好ましくは4〜12重量%、さらに好ましくは4〜9重量%程度である。
(B)成分
前記成分(B)としては、ケイ酸、ケイ酸の塩、ヒドロタルサイト及び酸化マグネシウムからなる群より選択された少なくとも1種が挙げられる。前記成分(B)は、通常、生理学的又は薬学的に許容可能な成分が使用される。
前記ケイ酸としては、オルトケイ酸、メタケイ酸、メソ二ケイ酸、メソ三ケイ酸、メソ四ケイ酸などが挙げられる。前記ケイ酸の塩としては、前記例示のケイ酸の金属塩、前記例示のケイ酸と金属酸化物との複塩などがあげられる。このようなケイ酸の塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。これらの成分(B)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの成分(B)のうち、ケイ酸、ケイ酸の塩が好ましい。
また、前記成分(B)は、50〜500ml/100g程度の吸油量を有するのが好ましく、より好ましくは100〜450ml/100g、さらに好ましくは150〜400ml/100g程度である。
なお、前記成分(B)は、含水物及び無水物のいずれも使用できる。また、前記成分(B)は、天然物、合成物のいずれであってもよく、市販品を使用してもよい。
成分(B)の割合は、化合物(A)の総量1重量部に対して、成分(B)の総量で、0.5重量部以上(0.5〜10重量部程度)である。前記割合は、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部、特に0.5〜1.5重量部程度である。
(C)賦形剤
前記賦形剤(C)としては、通常、医薬品や医薬部外品、食品の分野において用いられる賦形剤であれば、特に制限されず用いることができるが、錠剤組成物の崩壊性、溶解性、咀嚼性、嚥下性とともに、製造工程及び流通工程において必要とされる適度な強度を付与する観点から、下記の成分を用いるのが好ましい。
前記賦形剤としては、セルロース(結晶セルロースなど)、デンプン(コメデンプン、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、αデンプンなど)、デキストリン、デキストラン、糖アルコール(マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルトース、マルチトール、ソルビトールなど)、乳糖、ブドウ糖などが例示できる。これらの賦形剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記賦形剤のうち、セルロース、糖アルコール(なかでも、マンニトール、エリスリトール、キシリトール)及び乳糖が好ましい。
賦形剤の含有量は、錠剤組成物全体に対して、例えば、30〜95重量%、好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは60〜90重量%、特に70〜90重量%程度である。賦形剤の含有量が多すぎると、錠剤組成物の崩壊性、溶解性、咀嚼性、嚥下性が低下する場合があり、少なすぎると強度が不十分となる虞がある。なお、成分(A)、(B)及び(C)、並びに必要により用いてもよい他の成分の総量は100重量%である。
本発明の錠剤組成物は、さらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、前記他の成分は、生理学的又は薬学的に許容可能な塩であってもよい。
前記他の成分には、薬効成分(生理活性成分、薬理活性成分、又は有効成分)が含まれる。これらの成分としては、特に制限されず、例えば、解熱鎮痛成分(アスピリン、サリチル酸メチルなどのサリチル酸誘導体;アセトアミノフェン、サザピリン、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、インドメタシン、イブプロフェンなど)、鎮静催眠成分(ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素など)、抗炎症成分(セレコキシブ、リゾチーム、アズレンスルホン酸など)、抗ヒスタミン成分(クロルフェニラミン、メキタジン、ジフェンヒドラミンなど)、抗アレルギー成分(エメダスチンなど)、去痰成分(グアヤコールスルホン酸カリウム、塩酸L−エチルシステイン、クレゾールスルホン酸カリウム、塩酸ブロムヘキシン、塩酸アンブロキソール、グアイフェネシンなど)、鎮咳成分(マオウ、ナンテンジツなどの生薬など)、気管支拡張剤(カフェインなどのキサンチン誘導体など)、副交感神経遮断剤(ベラドンナアルカロイド、ベラドンナ総アルカロイドなど)、殺菌成分(塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジンなど)、昇圧剤(塩酸フェニレフリンなど)、健胃成分(アニス実、アロエなどの生薬;カルニチンなどの副交感神経興奮剤;メトクロプラミドなどの抗ドーパミン薬;トリメブチン、メントール、グルタミン酸など)、制酸成分(炭酸マグネシウム、沈降炭酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ヒスタミンH2受容体拮抗剤(シメチジンなど)、プロトンポンプ阻害剤(ランソプラゾールなど)など)、粘膜修復成分(グリチルリチン酸又はその塩など)、消化成分(ジアスターゼ、パンクレアチン、ペプシンなど)、細胞賦活成分(レチナール、レチノールなど)、生薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、ミネラル類などが例示できる。薬効成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
薬効成分の含有量は、錠剤組成物の大きさや用途などによって適宜選択でき、錠剤組成物全体に対して、例えば、0.001〜30重量%、好ましくは0.001〜20重量%、さらに好ましくは0.01〜10重量%程度であってもよい。
錠剤組成物は、前記薬効成分の他に、前記他の成分として、医薬部外品や医薬品に使用される慣用の成分、例えば、甘味剤、矯味剤、滑沢剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、キレート剤、抗酸化剤、清涼化剤の他、コーティング剤、崩壊補助剤、安定化剤、懸濁化剤、流動化剤、乳化剤、粘稠化剤、増粘剤、緩衝剤、香料、着色剤、分散剤、吸着剤、湿潤剤、防湿剤、帯電防止剤、発泡剤などを含有してもよい。
錠剤は、口腔内において、必要により咀嚼して崩壊又は溶解することにより服用(嚥下)可能な形態であればよく、例えば、チュアブル錠(咀嚼錠)、口腔内速崩壊錠、口腔内速溶解錠などであってもよい。
錠剤組成物は、内服が容易な大きさ及び形状を適宜選択することができ、素錠であってもよく、糖等で被覆されていてもよい。また、口腔内において必要により咀嚼して崩壊又は溶解することにより服用(嚥下)可能な形態であるチュアブル錠、口腔内速崩壊錠、口腔内速溶解錠であることが好ましい。また、水や湯に溶かして用いる形態である発泡錠等としても有用である。
錠剤組成物は、慣用又は公知の方法により製造することができる。例えば、打錠により製造する場合には、湿式打錠法、乾式打錠法、直接打錠法、間接打錠法などが採用できる。なお、予め複数種の顆粒をそれぞれ整粒し、整粒した顆粒を混合して打錠する方法では、少なくとも成分(A)及び(B)を同じ顆粒に含有させるのが好ましい。打錠により製造する場合、打錠圧は、適宜調整でき、特に制限されず、例えば1〜25kN/杵程度の範囲から選択することができる。本発明の錠剤組成物では、幅広い打錠圧範囲において適度な硬度の錠剤を得ることができる。
錠剤組成物の硬度は、錠剤を直径方向から加圧して錠剤が割れたときの加重(kg)で表すことができ、例えば、錠剤破壊強度測定器(富山産業(株))等で測定できる。錠剤組成物の硬度は、例えば、2〜8kg、好ましくは2〜5kg、さらに好ましくは2〜4.5kg、特に2.5〜4kg程度が好ましい。なお、錠剤組成物の硬度が高すぎると、口腔内での溶解性又は崩壊性、咀嚼した場合の咀嚼性又は嚥下性が不十分となる虞があるとともに、硬度が低すぎると、製造工程や流通過程で必要とされる強度が得られない虞がある。
本発明の錠剤組成物は、医薬品や医薬部外品、食品などの用途において、錠剤形態の組成物として用いることができる。さらに、必要により咀嚼して崩壊又は溶解することにより服用できる形態、例えば、チュアブル錠、口腔内速崩壊錠、口腔内速溶解錠などとしてより有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1及び比較例1〜2
表1に示す処方の試験錠剤を調製した。
すなわち、軽質無水ケイ酸、d−マレイン酸クロルフェニラミン、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、濃グリセリン(日本薬局方)、及びD−マンニトールを表1に示す割合で秤量し、混合して、押出造粒法により造粒した。造粒物を整粒した後、さらに表1の割合のステアリン酸マグネシウムを添加、混合し、得られた混合物(打錠用顆粒)をロータリー型打錠機(コレクト19K、(株)菊水製作所製)により打錠(打錠圧10kN/杵)し、円形錠剤(直径10mm、一錠400mg)を得た。
試験錠剤を用いて、錠剤の硬度、摩損度、携帯容器に収容し回転させたときの割れや欠けについて評価を行った。
(錠剤の硬度)
錠剤破壊強度測定器(富山産業(株)製,TH−203)を用いて、錠剤の直径方向に加圧し、錠剤が割れたときの加重(kg)を測定し、硬度とした。
(摩損度試験)
第十四改正日本薬局方に収載される錠剤の摩損度試験法に準拠して試験を行った。すなわち、錠剤17錠の全質量(初期質量)を精密に量り、摩損度試験機のドラムに投入し、4分間で100回転させた。回転終了後、錠剤の明らかなヒビ及び欠けがないことを確認し、全錠剤の質量を測定し、摩損度(初期質量に対する減少質量の質量百分率)を求めた。
(携帯容器内における振倒試験)
ライター型携帯容器(15錠/箱)に錠剤(直径10mm)を15錠入れ、4回/分の間隔で、携帯容器を長辺方向に24時間回転し、容器内における錠剤の割れ及び欠けの発生頻度を調べた。なお割れ及び欠けの発生頻度は、15錠中における割れ及び欠けが生じた錠剤の個数の割合を%で表した。
結果を表1に示す。
Figure 2006052167
表1から明らかなように、実施例1では、摩損度が低く、試験中に錠剤の割れや欠けは認められなかった。また、錠剤表面に光沢があり、打錠障害(スティッキング)は観察されなかった。一方、グリセリンの割合が3重量%未満である比較例1の錠剤では、割れ及び欠けが著しく摩損度を測定できなかった。また、比較例1では、振倒試験においても100%の錠剤に割れや欠けが見られた。さらに、錠剤表面に多数の細かい窪みが生じ(軽度なスティッキング)、また、打錠機の錠剤排出口から稀に割れた錠剤が排出された。また一方、グリセリン1重量部に対して、軽質無水ケイ酸が0.5重量部未満である比較例2の錠剤は、摩損度は低いものの、振倒試験では、全体の半分近くの錠剤に割れや欠けが見られた。また、比較例2では、上下杵の粉の付着も多く、錠剤表面の中心に著しい窪みが生じ(重度なスティッキング)、錠剤重量と打錠圧の制御が困難であった。
実施例2〜6及び比較例3〜7
実施例1と同様にして、打錠用顆粒を調製し、この顆粒をロータリー型打錠機(コレクト19K、(株)菊水製作所製)を用いて、打錠圧5kN/杵(実施例2)、10kN/杵(実施例3)、12kN/杵(実施例4)、15kN/杵(実施例5)、又は20kN/杵(実施例6)で打錠し、円形錠剤(直径10mm、一錠400mg)を得た。
実施例1の打錠用顆粒に代えて比較例1の打錠用顆粒を用いる以外は、実施例2〜6と同様にして、円形錠剤を得た(比較例3〜7)。
各錠剤(実施例2〜6、比較例3〜7)について、錠剤破壊強度測定器(富山産業(株)製,TH−203)により硬度を測定した。図1に打錠圧と錠剤の硬度との関係を示した。
図1から明らかなように、実施例2〜6では、5〜20kN/杵の幅広い範囲の打錠圧において、錠剤硬度を2.0〜4.0kgの範囲で維持することができ、錠剤の硬度を容易にコントロールできた。一方、比較例3〜7では、錠剤硬度を2.0〜4.0kgの範囲に維持するためには打錠圧を5〜7.5kN/杵の範囲に厳密に制御する必要があった。
実施例7
塩酸フェニレフリン30重量部、d−マレイン酸クロルフェニラミン6重量部、ベラドンナ総アルカロイド0.4重量部、軽質無水ケイ酸40重量部、結晶セルロース100重量部、ヒドロキシプロピルセルロース15重量部、D−マンニトール708.6重量部、濃グリセリン(日本薬局方)40重量部、及び結晶セルロース140重量部を混合して、押出造粒法により造粒した。次いで、ロータリー型打錠機(コレクト19K、(株)菊水製作所製)にて打錠(打錠圧10kN/杵)し、円形錠剤(直径10mm、1錠350mg)を得た。得られた錠剤の硬度をデジタル硬度計にて測定したところ、3kgであった。
実施例8
塩酸メクリジン50重量部、臭化水素酸スコポラミン0.5重量部、塩酸ピリドキシン12重量部、マンニトール1100重量部、結晶セルロース100重量部、軽質無水ケイ酸75重量部、アスパルテーム20重量部、濃グリセリン(日本薬局方)90重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース20重量部を混合し、流動層造粒法により造粒した。得られた造粒物を整粒した後、さらに、ステアリン酸マグネシウム16重量部を添加して、混合し、ロータリー型打錠機(コレクト19K、(株)菊水製作所)にて打錠して(打錠圧10kN/杵)、円形錠剤(1錠400mg 直径10mm)を得た。得られた錠剤の硬度をデジタル硬度計にて測定したところ、硬度4.0kgであった。
実施例9
塩酸メクリジン50重量部、臭化水素酸スコポラミン0.5重量部、塩酸ピリドキシン12重量部、マンニトール300重量部、キシリトール500重量部、結晶セルロース100重量部、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム90重量部、濃グリセリン(日本薬局方)100重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース20重量部を混合して、攪拌造粒法により造粒した。得られた造粒物を整粒した後、さらに、アスパルテーム10重量部及びステアリン酸マグネシウム12重量部を添加して、混合し、ロータリー型打錠機(コレクト19K、(株)菊水製作所))にて打錠して(打錠圧10kN/杵)、円形錠剤(1錠300mg 直径9mm)を得た。得られた錠剤の硬度をデジタル硬度計にて測定したところ、硬度3.5kgであった。
実施例10
塩酸メクリジン50重量部、臭化水素酸スコポラミン0.5重量部、塩酸ピリドキシン12重量部、マンニトール1500重量部、エリスリトール600重量部、結晶セルロース100重量部、合成ヒドロタルサイト75重量部、ポリエチレングリコール400(120重量部)、及びヒドロキシプロピルセルロース50重量部を混合して、押出造粒法により造粒した。得られた造粒物を整粒した後、さらに、アスパルテーム10重量部及びステアリン酸マグネシウム24重量部を添加して、混合し、ロータリー型打錠機(コレクト19K、(株)菊水製作所))にて打錠して(打錠圧10kN/杵)、円形錠剤(1錠600mg 直径15mm)を得た。得られた錠剤の硬度をデジタル硬度計にて測定したところ、硬度4.2kgであった。
実施例11
塩酸フェニレフリン15重量部、ぺラドンナ総アルカロイド0.4重量部、無水カフェイン60重量部、マンニトール1000重量部、結晶セルロース100重量部、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム90重量部、ポリエチレングリコール300(100重量部)、及びヒドロキシプロピルセルロース20重量部を混合して、攪拌造粒法により造粒した。得られた造粒物を整粒した後、さらに、アルパルテーム20重量部及びステアリン酸マグネシウム16重量部を添加して、混合して、ロータリー型打錠機(コレクト19K、(株)菊水製作所)にて打錠して(打錠圧10kN/杵)、円形錠剤(1錠400mg 直径10mm)を得た。
得られた錠剤の硬度をデジタル硬度計にて測定したところ、硬度4.2kgであった。
図1は実施例2〜6及び比較例3〜7の錠剤における打錠圧と錠剤の硬度との関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. (A)室温で液状、かつ低揮発性の化合物、(B)ケイ酸、ケイ酸の塩、ヒドロタルサイト及び酸化マグネシウムから選択された少なくとも一種、及び(C)賦形剤を含有する錠剤組成物であって、前記化合物(A)の割合が錠剤組成物全体に対して3〜18重量%であり、前記化合物(A)1重量部に対して、前記成分(B)を0.5重量部以上の割合で含む錠剤組成物。
  2. 化合物(A)が、分子量600以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンから選択された少なくとも一種である請求項1記載の錠剤組成物。
  3. ケイ酸の塩が、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム、及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選択された少なくとも一種である請求項1記載の錠剤組成物。
  4. 成分(B)が、吸油量50〜500ml/100gを有する請求項1記載の錠剤組成物。
  5. 賦形剤(C)が、セルロース、デンプン、デキストリン、デキストラン、糖アルコール、乳糖、及びブドウ糖から選択された少なくとも一種を含む請求項1記載の錠剤組成物。
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