JP2006049202A - 燃料電池システム及び燃料電池車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排水素処理系統に故障が生じても運転停止することはせず、運転条件を制限して運転継続することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 制御装置21は、燃料電池システム1全体を制御すると共に、排水素処理系故障状態検出手段22と、運転制限手段23とを兼ねる。排水素処理系故障状態検出手段22が、パージ弁11及び排水素処理装置13を含む排水素処理系統の故障状態を検出すると、運転制限手段23は、排水素処理系故障状態検出手段22が検出した故障状態に応じて燃料電池スタック2の運転条件を制限して運転を継続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排水素処理系統に故障が生じても運転継続可能な燃料電池システム及び燃料電池車両に関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化剤ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。燃料電池は、電解質の種類により、水酸化カリウム型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池、固体高分子型燃料電池等に分類される。特に、固体高分子型燃料電池は、運転温度が低く、固体電解質を用いているので取り扱いが容易であることから電動車両用の電源として注目されている。
固体高分子型燃料電池に用いられる高分子電解質は、湿潤状態でなければ良好な陽イオン伝導性を発揮しないものが多いために、燃料電池に供給する水素ガスまたは酸化剤ガス(以下、両者を併せて反応ガスと呼ぶ)は加湿されている。また、発電効率を高めるために燃料電池の出力電流から要求される反応ガスの質量流量より多くのガスを供給し、余剰の水素ガスは、水素循環経路によりアノード入口へ再循環させている。
このような燃料電池システムにおいて、カソードからアノードへ電解質膜をリークした空気中の不活性ガス(窒素、アルゴン等)は、アノード循環経路内に蓄積して水素分圧を低下させ、発電効率を低下させる。また、発電の電気化学反応により生じる生成水が液水となってガス通路に蓄積し、ガス流通やガス拡散を妨げ、発電効率の低下や発電停止に至ることがある。このような不純物ガスや液水をガス通路内から一掃するために、アノードから排出されるアノーオフガスを循環経路外へ放出するパージ弁が設けられている(例えば、特許文献1)。
通常、パージ弁の下流には、排水素処理装置として、希釈装置や触媒燃焼装置が設けられる。希釈装置は、空気によりパージガス濃度を制限濃度未満に希釈して系外へ放出する。触媒燃焼装置は、燃焼触媒によりパージガス中の水素を燃焼させて水蒸気として系外へ放出する。
特開2004−071307号公報(第7頁、図1)
しかしながら、上記従来の燃料電池システムにあっては、パージ弁や排水素処理装置に故障が発生した場合、制限濃度以上の水素ガスを放出しないためには、燃料電池システムの運転を停止する必要があった。このような事態が燃料電池車両に生じると、燃料電池車両は、自力で車庫や整備工場に辿り着くことができないという問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、アノードに供給された水素ガス及びカソードに供給された酸化剤ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、前記アノードから未反応の水素ガスを含むアノードオフガスを排出するパージ弁と、該パージ弁から排出されたアノードオフガス中の水素濃度を規定値以下に低減して系外へ排出する排水素処理装置と、前記パージ弁及び前記排水素処理装置を含む排水素処理系統の故障状態を検出する排水素処理系故障状態検出手段と、該排水素処理系故障状態検出手段が検出した故障状態に応じて前記燃料電池の運転条件を制限して運転継続する運転制限手段と、を備えたことを要旨とする燃料電池システムである。
本発明によれば、排水素処理系統に故障が生じても、直ちに運転停止することはせず、運転条件を制限して燃料電池システムの運転を継続することができるので、運転停止を最小限度に抑制した燃料電池システムを提供することができるという効果がある。
特に、燃料電池車両に適用すれば、排水素処理系統に故障が生じても運転条件を制限して運転を継続することができるので、車庫または修理工場等へ辿り着くことができるという効果がある。
次に、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。尚、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両に適用した例を説明するが、燃料電池車両以外の用途にも本発明を適用可能であることは明らかである。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの実施例1の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システム1は、燃料電池スタック2と、水素を貯蔵する水素タンク3と、水素タンク3から放出される水素を所望の圧力まで減圧する減圧弁5と、減圧弁5から供給される水素と水素循環ポンプ8で循環される水素とを混合して燃料電池スタック2へ供給するエゼクタ6と、燃料電池スタック2のアノード出口から排出される水素をアノード入口側へ循環させる水素循環ポンプ8と、パージ弁11と、排水素処理装置13と、酸化剤ガスとしての空気を圧縮して燃料電池スタック2のカソードに供給する空気過給器15と、燃料電池スタック2の冷却水を循環させる冷却水循環ポンプ17と、燃料電池スタック2のカソードから排出する空気を絞る空気調圧弁19と、燃料電池スタック2が発電した電力を負荷に適合するように変換する電力変換装置20と、燃料電池システムを制御する制御装置21と、車両を制御する車両制御ユニット24と、メータユニット25とを備えている。
制御装置21は、パージ弁11及び排水素処理装置13を含む排水素処理系統の故障状態を検出する排水素処理系故障状態検出手段22と、排水素処理系故障状態検出手段22が検出した故障状態に応じて燃料電池スタック2の運転条件を制限して運転継続する運転制限手段23とを備えるとともに、燃料電池システム全体を制御する制御装置である。
制御装置21は、特に限定されないが本実施例では、CPUと、プログラム及び各種制御マップを記憶したROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。
また、メータユニット25には燃料電池システムの故障状態を表示する警告灯26が設けられ、制御装置21から車両制御ユニット24を介して、燃料電池システムの故障状態を表示可能となっている。運転制限手段が故障状態に応じて運転制限した場合、この警告灯26による故障表示により、運転者は燃料電池の出力制限運転中であることを認識して、低出力に適合した運転操作を行うことにより安全に車庫または整備工場へ辿り着くことができる。この後に、車両を点検して必要な整備を行うことができる。
また、燃料電池システム1の各部の状態を検出するために、圧力センサ4,7,10,13,15と、温度センサ9,17が設けられている。これらのセンサ類の検出信号は、制御装置21へ接続されている。
圧力センサ4は、水素タンク3に貯蔵された高圧水素ガスの圧力を検出するセンサである。圧力センサ7は、燃料電池スタック2のアノード入口の燃料ガス圧力を検出するセンサである。圧力センサ10は、パージ弁11の上流の圧力を検出するセンサである。圧力センサ14は、大気圧を検出し、圧力センサ16は、空気過給器15から燃料電池スタック2のカソードに供給される空気の圧力を検出する。温度センサ9は、パージ弁11の上流のガス温度を検出し、温度センサ18は、冷却水温度を検出する。
燃料電池スタック2は、例えば固体高分子型燃料電池であり、水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。この発電電力は、電力変換装置20を介して、例えば交流電流に変換され、図示しない車両駆動用モータに供給される。
燃料ガスとしての水素は、高圧ガスタンクや水素吸蔵材料タンクを用いた水素タンク3に貯蔵されている。水素タンク3の水素は、減圧弁5により減圧調整されて、エゼクタ6のノズルへ供給される。エゼクタ6は、ノズルに供給された比較的圧力の高い水素ガスを駆動流として、水素循環ポンプ8により還流するアノードオフガスを吸込口から吸引し、両者の混合ガスを吐出口から燃料電池スタック2のアノードへ供給する。アノードで電気化学反応しなかった水素は、アノード出口から排出され、水素循環ポンプ8によりエゼクタ6の吸込口へ循環される。
燃料電池スタック2の運転中にカソードからアノードへリークした空気中の窒素やアルゴン等の不活性ガスは、アノード、水素循環ポンプ8、エゼクタ6で構成される循環経路内に蓄積し水素分圧が低下する。また発電の電気化学反応による生成水がアノードの内部に凝結し液水となって水素ガスの供給を妨げる場合がある。このような状況が生じた場合、パージ弁11を開いて不純物を含んだ水素ガスをアノードから排出させる。排出されたガスは、排水素希釈装置13に入り、排水素希釈装置13に設けられた希釈ファンから供給される空気により、制限濃度未満の濃度まで希釈された後に外部へ排出される。希釈ファンには、回転速度を制御するインバータと回転速度を検出する回転計が内蔵され、制御装置21から回転速度指令値が与えられるとともに、実際の回転速度が制御装置21へ報告されるものとする。
図2は、実施例1における制御装置21による運転圧力制限を説明する制御ブロック図である。図2では、希釈ファン回転速度信号及びパージ弁開度信号を排水素処理系故障状態検出手段の入力とし、これらの信号に基づいて運転制限手段がアノード供給水素圧力の目標値である目標運転圧力を制限して燃料電池スタックの運転を継続する制御ブロックの例を示す。
図2において、制御装置21は、希釈可能水素流量算出部51と、パージ弁上流水素圧力上限値算出部52と、スタック上流水素圧力上限値算出部53と、目標発電電力算出部54と、仮想目標運転圧算出部55と、スタック上流水素目標圧力算出部56とを備えている。
希釈可能水素流量算出部51は、排水素処理装置13から出力され制御装置21へ入力される希釈ファン回転速度と、圧力センサ14が検出した大気圧Patm から、希釈可能水素流量Qprmax を算出する。この算出には、図5に示すような制御マップを参照する。
図5において、希釈ファン実回転速度と希釈可能水素流量は、1次式の関係で表される。また大気圧実測値が標準大気圧より低い場合、即ち気象的に低気圧下にあるか、或いは燃料電池車両が高地へ移動した場合には、空気密度が減少し、同一回転速度であっても希釈ファンが送出する空気の質量流量が減少するので、希釈可能水素流量は減少する。逆に高気圧下、或いは海抜以下の低地に燃料電池車両が移動すれば、空気密度が増加し、同一回転速度であっても希釈ファンが送出する空気の質量流量が増加するので、希釈可能水素流量は増加する。
このように、希釈ファンの実際の回転速度に基づいて排水素処理可能な水素流量を算出しているので、後述するパージ弁上流水素圧力の上限値の抑制を最低限度とすることができ、水素希釈可能な範囲で最大の運転圧力で運転が継続可能となる。
パージ弁上流水素圧力上限値算出部52は、希釈可能水素流量算出部51が算出した希釈可能水素流量Qprmax と、パージ弁11から出力されるパージ弁開度信号と、圧力センサ14が検出した大気圧Patm からパージ弁上流の水素圧力上限値Ppvを算出する。
ここでパージ弁開度信号からパージ弁部の通路断面積Aが求まり、この通路断面積Aを通過する流量をQprmax 、パージ弁上流水素圧力上限値Ppv、パージ弁下流圧=大気圧Patm とすれば、例えば次の式(1)からパージ弁上流水素圧力上限値Ppvを求めることができる。
〔数1〕
Qprmax /A=k1 √〔k2 T{1−(Patm/Ppv)r}〕 …(1)
ここで、k1 ,k2 ,rは、定数である。
スタック上流水素圧力上限値算出部53は、予め実験的に求められ制御装置21に記憶された燃料電池スタック2の水素ガス通路の流体抵抗と、パージ弁上流水素圧力上限値Ppvからスタック上流水素圧力上限値Plim を算出する。
目標発電電力算出部54は、アクセル開度と車速及び駆動モータや燃料電池スタックの電力制限値などから燃料電池スタック2の目標発電電力を算出する。
仮想目標運転圧算出部55は、目標発電電力算出部54が算出した目標発電電力から予め制御装置21に記憶した制御マップ等を参照して、仮に燃料電池スタック2のアノードに供給する水素圧力である仮想目標運転圧Pt を算出する。
スタック上流水素目標圧力算出部56は、スタック上流水素圧力上限値Plim と仮想目標運転圧Pt との小さい方を選択して、その選択値を目標運転圧力として出力する。同時に、Plim <Pt のとき、運転圧力がPlim に制限されていることにより目標発電電力が達成されないので、出力不足を運転者に告知する警告灯表示信号を出力する。この警告灯表示信号は、車両制御ユニット24を介してメーターユニット25内の警告灯26を点灯させ、運転者に出力不足状態を報知する。
図3は、実施例1における制御装置21による排水素処理系故障状態の検出制御を説明するフローチャートである。例えば、このフローチャートは、燃料電池システム1の起動後に、運転停止するまで、所定時間(例えば、20〔mS〕)毎にメインルーチンから呼び出されて実行されるものとする。この排水素処理系故障状態の検出制御は、希釈ファンの回転速度指令値と実回転速度との差が所定値以上、あるいは制御装置21がパージ弁閉を指令しているにもかかわらずパージ弁の開度信号が0となっていない場合を排水素処理系の故障状態と判断し、それぞれのエラーフラグをセットするものである。
図3において、まず制御装置21は、ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、排水素処理装置13の希釈ファン回転速度指令値Rcを読み込む。希釈ファンは、常に一定回転速度で回転するように設定されていてもよいし、パージ弁11から排水素が放出されるパージ期間中だけ高回転速度となるように制御されていてもよい。
次いで、S12において、制御装置21は、希釈ファンの実回転速度Rrを読み込み、S14で、回転速度指令値Rcと実回転速度Rrとの差が既定値dより大きいか否かを判定する。S14の判定でRc−Rr>dであれば、希釈ファンの実回転速度Rrが既定値以上、指令値Rcから低下している故障状態と認定し、S16へ進んで希釈ファンエラーフラグをセットし、S20へ進む。
S14の判定でRc−Rr>dでなければ、希釈ファンの実回転速度Rrと指令値Rcとのさが既定値d以内で正常と判定し、S18へ進んで希釈ファンエラーフラグをリセットし、S20へ進む。
S20では、制御装置21は、パージ弁11に対する開閉指令値を読み込む。パージ弁11の開閉指令値は、本ルーチンとは別のパージ制御ルーチン内で設定される指令値であり、例えば、所定の運転時間毎や所定発電電力量毎に、一定時間の間パージ弁を開く開指令値が設定される。
次いで、S22で制御装置21は、パージ弁指令値が閉であるか否かを判定する。パージ弁閉指令でなければ、S30へ進み、パージ弁エラーフラグをリセットして、メインルーチンへリターンする。
S22の判定で、パージ弁閉指令であれば、制御装置21は、S24へ進み、パージ弁11からパージ弁開度信号を読み込む。次いで、S26で制御装置21は、パージ弁の開度信号が開度0を示しているか否かを判定する。開度0であれば、閉指令に対する開度0であるのでパージ弁11は正常と判断し、S30へ進む。
S26の判定で、パージ弁11の開度が0でなければ、閉指令にも拘わらず開度0でないので、パージ弁の開固着故障と判断して、S28へ進み、パージ弁エラーフラグをセットして、リターンする。
図4は、実施例1における制御装置21による燃料電池スタック2の運転圧力の算出制御を説明するフローチャートである。例えば、このフローチャートは、燃料電池システム1の暖機完了後に運転停止するまで、所定時間(例えば、20〔mS〕)毎にメインルーチンから呼び出されて実行されるものとする。運転圧力の算出制御は、車両状態に基づいて目標発電電力を算出し、次いで、これに対応する仮想目標運転圧力を算出する。次に、排水素処理系に故障状態(エラー)がなければ、仮想目標運転圧力を目標運転圧力として出力する。排水素処理系に故障があれば、この故障状態でも希釈可能水素流量による運転圧力に制限した目標運転圧力を出力するものである。
図4のS40において、まず制御装置21は、車速及びアクセル開度を車両制御ユニット24を介して読み込む。次いで制御装置21はS42で、車速及びアクセル開度及び駆動モータや燃料電池スタックの電力制限値などに基づいて目標発電電力を算出する。次いで、制御装置21は、S44で目標発電電力に基づいて、予め制御装置21に記憶した制御マップ等を参照して、仮に燃料電池スタック2のアノードに供給する水素圧力である仮想目標運転圧Pt を算出する。
次いで、制御装置21は、S46で希釈ファンエラーフラグが1か否かを判定する。希釈ファンエラーフラグが1であれば、S52へ進む。S46の判定で、希釈ファンエラーフラグが1でなければ、次いでS48で、パージ弁エラーフラグが1か否かを判定する。パージ弁エラーフラグが1でなければ、排水素処理系統に故障はないとして、S50へ進み、目標運転圧力Ptを出力して、メインルーチンへリターンする。
S48の判定で、パージ弁エラーフラグが1であれば、S52へ進む。
S52では、排水素処理装置13から出力され制御装置21へ入力される希釈ファン回転速度と、圧力センサ14が検出した大気圧Patm から、希釈可能水素流量Qprmax を算出する。この算出には、図5に示すような制御マップを参照する。
次いでS54で、制御装置21は、希釈可能水素流量Qprmax と、パージ弁11から出力されるパージ弁開度信号と、圧力センサ14が検出した大気圧Patm からパージ弁上流の水素圧力上限値Ppvを算出する。
このように、本実施例では、パージ弁11からパージ弁の開度信号を制御装置21へ読み込み、この開度信号に基づいて、以下のパージ弁上流水素圧力上限値を求めているので、必要以上の圧力制限を回避し、実際の故障状況に応じた運転圧力制限を行うことができるという効果がある。
パージ弁開度信号からパージ弁部の通路断面積Aが求まり、この通路断面積Aを通過する流量をQprmax 、パージ弁上流水素圧力上限値Ppv、パージ弁下流圧=大気圧Patm とすれば、上述の式(1)からパージ弁上流水素圧力上限値Ppvを求めることができる。
次いでS56で、制御装置21は、予め実験的に求められ制御装置21に記憶された燃料電池スタック2の水素ガス通路の流体抵抗と、パージ弁上流水素圧力上限値Ppvからスタック上流水素圧力上限値Plim を算出する。
次いで、S58で、制御装置は、Pt>Plim か否かを判定する。Pt>Plim であれば、S60へ進み、PtにPlim を代入して、S62へ進む。即ち、PtをPlim で制限する。S58の判定で、Pt>Plim でなければ、S62へ進む。
S62では、運転圧力Ptで発電可能か否かを判定する。S62で発電可能と判定すれば、S66へ進み、目標運転圧力Ptを出力し、S68で、運転者に燃料電池の出力制限中であることを示す警告灯信号を出力して、メインルーチンへリターンする。この出力制限警告灯信号は、車両制御ユニット24を介してメーターユニット25内の警告灯26を点灯させ、運転者に出力不足状態を報知する。
S62の判定で、運転圧力Ptで発電不可能であれば、S64へ進み、発電停止警告灯信号を出力して、メインルーチンへリターンする。この発電停止警告灯信号は、車両制御ユニット24を介してメーターユニット25内の警告灯26を点灯させ、運転者に発電停止したことを報知する。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施例2を説明する。実施例2の構成は、図1に示した実施例1の構成と同様であるで、重複する説明を省略する。実施例2の特徴は、排水素処理系統に故障が生じた場合、実施例1の制御に加えて、燃料電池の運転温度を通常温度より上昇させることにより、アノードオフガスの水蒸気分圧を上昇させ、その分だけアノードオフガスの水素分圧を低下させることにより、排水素処理装置から排出される水素濃度を制限値未満としながら燃料電池の運転を継続させることである。
図6は、実施例2の運転温度上昇による運転制限を説明する制御ブロック図である。図6では、希釈ファン回転速度信号及びパージ弁開度信号を排水素処理系故障状態検出手段の入力とし、これらの信号に基づいて運転制限手段が燃料電池スタック2の運転温度を上昇させることにより、排水素処理装置13から排出される水素濃度を制限値未満に制限して燃料電池スタックの運転を継続する制御ブロックの例を示す。
図6において、制御装置21は、希釈可能水素流量算出部51と、パージ弁上流水素分圧上限値算出部52と、パージ弁部ガス流量算出部61と、パージ弁上流水蒸気分圧下限値算出部63と、燃料電池出口水素温度下限値算出部63と、燃料電池冷却水目標温度算出部64とを備えている。
希釈可能水素流量算出部51は、実施例1と同様に、排水素処理装置13から出力され制御装置21へ入力される希釈ファン回転速度と、圧力センサ14が検出した大気圧Patm から、希釈可能水素流量Qprmax を算出する。この算出には、図5に示すような制御マップを参照する。
パージ弁上流水素分圧上限値算出部52は、実施例1と同様に、希釈可能水素流量算出部51が算出した希釈可能水素流量Qprmax と、パージ弁11から出力されるパージ弁開度信号と、圧力センサ14が検出した大気圧Patm からパージ弁上流の水素分圧上限値Ppvを算出する。
パージ弁部ガス流量算出部61は、パージ弁11の開度信号と圧力センサ14が検出した大気圧Patm とからパージ弁11を通過するガス流量を算出する。
パージ弁上流水蒸気分圧下限値算出部62は、パージ弁上流水素分圧上限値算出部52が算出したパージ弁上流の水素分圧上限値Ppvと、パージ弁部ガス流量算出部61が算出したパージ弁のガス流量とに基づいてパージ弁11上流の水蒸気分圧下限値を算出する。
燃料電池出口水素温度下限値算出部63は、パージ弁上流水蒸気分圧下限値算出部62が算出したパージ弁11上流の水蒸気分圧下限値となる飽和水蒸気圧の温度を燃料電池出口の水素温度下限値として求める。これには、予め記憶した水蒸気の飽和蒸気圧曲線を利用する。
燃料電池冷却水目標温度算出部64は、燃料電池出口水素温度下限値算出部63が算出した燃料電池出口水素温度下限値と、燃料電池システムの水収支と、燃料電池スタック2の運転可能温度上限とに基づいて、燃料電池冷却水の目標温度を算出する。
図7は、実施例2における制御装置21による燃料電池スタック2の運転温度の算出制御を説明するフローチャートである。例えば、このフローチャートは、燃料電池システム1の暖機完了後に運転停止するまで、所定時間(例えば、20〔mS〕)毎にメインルーチンから呼び出されて実行されるものとする。
まず、S70において、制御装置21は、燃料電池の耐熱性や水収支確保のために必要な温度条件から仮想目標冷却水温度Ttを算出する。
次いで、S72において、制御装置21は、排水素処理装置13の処理能力から冷却水温度の下限値Tlim を算出する。この処理は、図6の制御ブロックの演算内容に相当する処理である。
次いで、制御装置21は、仮想目標冷却水温度Ttから冷却水温度の下限値Tlim を減じた値が正か否か、言い換えればTt>Tlim か否かを判定する。Tt>Tlim であれば、Tlim をTtに代入し、運転温度をTtに決定してメインルーチンへリターンして終了する。S74の判定で、Tt>Tlim でなければ、運転圧力算出部へ移り、運転圧力による出力制限の再計算を行う。
以上説明した本実施例によれば、排水素処理処理系統の故障状態が生じた場合、燃料電池の運転温度を通常温度より上昇させることにより、アノードオフガスの水蒸気分圧を上昇させ、その分だけアノードオフガスの水素分圧を低下させることにより、運転圧力の制限を更に少なくしながら燃料電池の運転を継続させることができるという効果がある。
本発明に係る燃料電池システムの実施例の構成を説明するシステム構成図である。 実施例1における運転圧力制限の制御ブロック図である。 実施例1における排水素処理系故障状態の検出を説明するフローチャートである。 実施例1における運転圧力の算出を説明するフローチャートである。 排水素処理装置の希釈ファン回転速度に対する希釈可能水素流量の関係を説明する図である。 実施例2における運転温度による対策を説明する制御ブロック図である。 実施例2における運転温度の算出を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池システム
2…燃料電池スタック
3…水素タンク
4,7,10,14,16…圧力センサ
5…減圧弁
6…エゼクタ
8…水素循環ポンプ
9,18…温度センサ
11…パージ弁
13…排水素処理装置
15…空気過給器
17…冷却水循環ポンプ
19…空気調圧弁
20…電力変換装置
21…制御装置
22…排水素処理系故障状態検出手段
23…運転制限手段
24…車両制御ユニット
25…メータユニット
26…警告灯

Claims (7)

  1. アノードに供給された水素ガス及びカソードに供給された酸化剤ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    前記アノードから未反応の水素ガスを含むアノードオフガスを排出するパージ弁と、
    該パージ弁から排出されたアノードオフガス中の水素濃度を低減して系外へ排出する排水素処理装置と、
    前記パージ弁及び前記排水素処理装置を含む排水素処理系統の故障状態を検出する排水素処理系故障状態検出手段と、
    該排水素処理系故障状態検出手段が検出した故障状態に応じて前記燃料電池の運転条件を制限して運転継続する運転制限手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記排水素処理系故障状態検出手段が検出した故障状態を報知する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記運転制限手段は、前記排水素処理装置から排出される水素濃度が制限濃度以下となるように前記パージ弁の上流圧力を制限することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記排水素処理系故障状態検出手段が検出した故障状態が前記パージ弁の開固着故障である場合、前記運転制限手段は、前記パージ弁の開口面積を測定または推定し、この開口面積値に基づいて前記パージ弁の上流圧力制限値を算出することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記排水素処理系故障状態検出手段が検出した故障状態が前記排水素処理装置の希釈ファンの回転速度低下である場合、前記運転制限手段は、前記回転速度に基づいて前記パージ弁の上流圧力制限値を算出することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  6. 前記排水素処理系故障状態検出手段が故障を検出した場合、前記運転制限手段は、燃料電池の運転温度を通常温度より上昇させることにより、アノードオフガスの水蒸気分圧を上昇させて、アノードオフガスの水素濃度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システムを車両駆動用電源として備えたことを特徴とする燃料電池車両。
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