JP2006048907A - 光ディスク装置、光情報記録方法およびプログラム - Google Patents

光ディスク装置、光情報記録方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】特殊な記録パターンを用いることなく、使用する光ディスクに最適なパラメータを短時間で設定することができる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光情報記録媒体に基準ストラテジあるいは基準ストラテジに対して、少なくとも一つの設定パラメータを複数の種類のマークおよびスペースの組み合わせにおいて変化させたライトストラテジで記録されたマーク長およびスペース長を計測する手段と、計測されたマーク長およびスペース長と理論長に基づいて、ライトストラテジが変化させたことによる各マークおよびスペースのデビエーション値を算出する手段と、算出されたデビエーション値と、各マークおよびスペースの存在確率からすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量を算出する手段とを有することにより、使用する光ディスク固有の伸縮量を短時間で算出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、CDやDVD等の光記録媒体に情報を記録し、再生する光ディスク装置および光情報記録方法およびプログラムに関する。
近年、情報通信技術の発達により、インターネット等が目覚しい勢いで普及したことにより、ネットワークを介して多くの情報がさかんにやり取りされている。こうした状況の中、近年、情報記録装置の分野において、CD−Rなどの追記型光ディスクやCD−RWなどの書き換え型光ディスクが記録媒体として注目を浴びており、最近では、レーザ光源としての半導体レーザの短波長化、高い開口数(Numerical Aperture)を有する高NA対物レンズによるスポット径の小径化、及び薄型基板の採用などにより、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAMなどの大容量の光ディスクが情報記録装置において用いられている。
CD−R等への情報の記録は、PC(PC:Personal Computer)等から与えられた記録情報をEFM(EFM:Eight to Fourteen Modulation)信号に変換して行われるが、使用する光ディスクを構成する色素記録層等の組成の違いから、記録媒体の蓄熱や冷却速度の不足に起因するマークの形成不良等の問題が生じるために、EFM信号をそのまま記録しようとしても、所望のランドやスペースを形成することはできない。
そのため、基準となる記録波形に対して、使用する個々の光ディスク固有の記録パラメータ(以下、これをライトストラテジという。)を定めて良好な記録品質を維持する方式が採用されている。
このライトストラテジは、上記のように、光ディスクの色素、相変化材料、色素の膜厚あるいは溝の形状等ばかりでなく、記録速度とも密接な関係があることが知られている。一般に、代表的なライトストラテジは、ピットとランドの比率を可変する方法、記録パルスの先端部に付加パルスを加える方法、ピットとランドの組み合わせにより、パルスの立ち上がりあるいは立下り位置を変える方法、記録パルスをマルチパルス化する方法等がある。
ピットとランドの比率を可変する方法は、低速記録時にピットの長さを短くすることにより、強い記録パワーで短いパルスを光ディスクに照射することで、生成されるピットの先端および終端の形状を良くする作用がある。
記録パルスの先端部に付加パルスを加える方法は、レーザの照射が熱に変換されにくいピットの先端部に対して、付加的に記録パワーを与えることにより、形成されるピット先端部の形状を良くする作用がある。
ピットとランドの組み合わせにより、パルスの立ち上がりあるいは立下り位置を変える方法は、例えば、ひとつ前のピットの熱がランドを伝わって次のピットに影響を与えることから、前のランドの長さに応じて、ランドの終端位置を変えたり、記録ピットの熱が前方に伝わるために、その記録ピットの長さに応じて、ピットの先端位置を変えたり、記録ピットの熱が後方に伝わるために、その記録ピットの長さに応じて、ピットの終端位置を変えたり、ひとつ後ろのピットの熱が、後のランドを伝わって影響を及ぼすために、後ろのランドの長さに従ってランドの先端位置を変えることにより、形成されるピットおよびランドの長さのばらつきを均一化できる作用がある。
記録パルスをマルチパルス化する方法は、CD−RW等の相変化型ディスクあるいはDVDに用いられる方法である。相変化型ディスクに連続したパルスで情報の記録を行うと、自身の熱の作用によって記録したピットの先端部分を消去してしまうため、ピット間に冷却期間を設けたマルチパルスが用いられるのである。
このようなライトストラテジは、上述のように、使用する光ディスクを構成する色素記録層等の組成の違いや記録速度の違いにより、使用する光ディスクごとに最適化されて用いられるが、このライトストラテジの最適化を行うドライブメーカは、このために大変な時間と工数を要しているのが現状である。
また、市場には、ドライブメーカが把握しきれないほどの大量の種類におよぶ光ディスクが流通していることから、市場に流通しているすべての光ディスクについて予め適切なライトストラテジを用意することは不可能である。
このような問題に対して、光ディスクのテストエリアにおいて、複数のトラックにライトストラテジを変化させた複数の情報を記録し、再生ジッタが最小となるストラテジを選択する方法(例えば、特許文献1参照。)や特殊な記録パターンにより情報を記録した後に、マークとスペースとの組み合わせによるジッタ値あるいはデビエーション値が最も小さくなる組み合わせを求める方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特開2000−30254号公報 特開2003−30837号公報
しかしながら、前者の方法では、最終的に選択されるライトストラテジが、設定したライトストラテジの中で最良のライトストラテジであるにすぎず、必ずしも、使用する光ディスクに最適なライトストラテジとは言えない。また、テストに要する記録領域だけトラックを使用してしまうという問題がある。
また、後者の方法では、特殊な記録パターンを使用する関係上、特定のマークあるいはスペースを変化させたときの他のマークあるいはスペースへの影響が十分考慮されないために、一度の記録再生テストにより、使用する光ディスクに最適なライトストラテジを設定することは極めて困難であるという問題がある。
さらに、DVD−Rの規格に従えば、可変できるマークおよびスペースの組み合わせが3T、4T、5−14Tの3通りしかなく、かつ各パラメータの可変範囲が−0.1T〜+0.05Tの狭い範囲に制限されているため、マークおよびスペースをずらしながらデビエーションを0に近づけていく方法のみでは限界がある。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、可変できるマークおよびスペースの組み合わせが制限され、かつ、パラメータの可変範囲が狭い場合にも、使用する光ディスクに最適なパラメータを短時間で設定することができる光ディスク装置、光情報記録方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の事項を提案している。
請求項1に係る発明は、光情報記録媒体にマークおよびスペースを形成して情報の記録あるいは再生を行う光ディスク装置であって、該光情報記録媒体に基準ライトストラテジおよび基準ライトストラテジに対して、特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長を計測する第1の計測手段と、該第1の計測手段の計測結果を記憶する第1の計測値記憶手段と、各マークあるいはスペースの理論長を記憶する理論長記憶手段と、前記第1の計測値記憶手段に記憶されたマーク長と前記理論長記憶手段に記憶されたマーク長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークのデビエーション値を算出する第1のデビエーション値算出手段と、該算出されたデビエーション値と、各マークの存在確率からすべてのマーク固有の伸縮量を算出する第1の伸縮量算出手段と、該算出されたすべてのマーク固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、基準ライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定する第1のライトストラテジ設定手段と、特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたときに、各マークの前後のスペース長の変化量を各マークの存在確率に基づいて算出する変化量算出手段と、前記第1のライトストラテジ設定手段により設定されたライトストラテジに前記変化量算出手段において算出された変化量を付加して、各マーク前後のスペース長の変化量が等しくなるように各マークをシフトしてライトストラテジを更新するライトストラテジ更新手段とを有することを特徴とする光ディスク装置を提案している。
請求項3に係る発明は、光情報記録媒体に基準ライトストラテジおよび基準ライトストラテジに対して、特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長を計測するステップと、該各マーク長の計測結果を記憶するステップと、予め記憶されたマーク長と前記記憶されたマーク長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークのデビエーション値を算出するステップと、該算出されたデビエーション値と、各マークの存在確率からすべてのマーク固有の伸縮量を算出するステップと、該算出されたすべてのマーク固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、基準ライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定するステップと、前記ライトストラテジを設定ステップにおいて設定されたライトストラテジに、各マークの存在確率に基づいて算出される特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたときの各マークの前後のスペース長の変化量を付加するとともに、各マーク前後のスペース長の変化量が等しくなるように各マークをシフトしてライトストラテジを更新するステップとを有することを特徴とする光情報記録方法を提案している。
請求項5に係る発明は、光情報記録媒体に基準ライトストラテジおよび基準ライトストラテジに対して、特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長を計測するステップと、該各マーク長の計測結果を記憶するステップと、予め記憶されたマーク長と前記記憶されたマーク長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークのデビエーション値を算出するステップと、該算出されたデビエーション値と、各マークの存在確率からすべてのマーク固有の伸縮量を算出するステップと、該算出されたすべてのマーク固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、基準ライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定するステップと、前記ライトストラテジを設定ステップにおいて設定されたライトストラテジに、各マークの存在確率に基づいて算出される特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたときの各マークの前後のスペース長の変化量を付加するとともに、各マーク前後のスペース長の変化量が等しくなるように各マークをシフトしてライトストラテジを更新するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
これらの発明によれば、第1の計測手段の作動により、光情報記録媒体に基準ライトストラテジおよび基準ライトストラテジに対して、特定のマークおよびパワードにパルスを変化させたライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長が計測される。測定された各マーク長は、第1のデビエーション値算出手段の作動により、予め記憶されている各マークの理論長に基づいて、ライトストラテジを変化させたことによる各マークのデビエーション値を算出される。算出されたデビエーション値は、第1の伸縮量算出手段の作動により、各マークの存在確率からすべてのマーク固有の伸縮量が算出される。そして、第1のライトストラテジ設定手段の作動により、算出されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、基準ライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジが設定される。次に、このライトストラテジに各マークの存在確率に基づいて算出される特定のマークおよびパワードにパルスを変化させたときの各マークの前後のスペース長の変化量が付加され、各マーク前後のスペース長の変化量が等しくなるように各マークをシフトしてライトストラテジが更新される。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された光ディスク装置について、前記更新されたライトストラテジおよび更新されたライトストラテジに対して、所定のマークあるいはスペースを変化させたときのライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長あるいはスペース長を計測する第2の計測手段と、該第2の計測手段の計測結果を記憶する第2の計測値記憶手段と、前記第2の計測値記憶手段に記憶されたマーク長あるいはスペース長と前記理論長記憶手段に記憶されたマーク長あるいはスペース長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークあるいはスペース長のデビエーション値を算出する第2のデビエーション値算出手段と、該算出されたデビエーション値と、各マークあるいはスペース長の存在確率からすべてのマークあるいはスペース長固有の伸縮量を算出する第2の伸縮量算出手段と、該算出されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、前記更新したライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定する第2のライトストラテジ設定手段とを有することを特徴とする光ディスク装置を提案している。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載された光情報記録方法について、前記更新されたライトストラテジおよび更新されたライトストラテジに対して、所定のマークあるいはスペースを変化させたときのライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長あるいはスペース長を計測するステップと、該計測結果を記憶するステップと、該記憶されたマーク長あるいはスペース長と前記理論長記憶手段に記憶されたマーク長あるいはスペース長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークあるいはスペース長のデビエーション値を算出するステップと、該算出されたデビエーション値と、各マークあるいはスペース長の存在確率からすべてのマークあるいはスペース長固有の伸縮量を算出するステップと、該算出されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、前記更新したライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定するステップとを有することを特徴とする光情報記録方法を提案している。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載されたプログラムについて、前記更新されたライトストラテジおよび更新されたライトストラテジに対して、所定のマークあるいはスペースを変化させたときのライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長あるいはスペース長を計測するステップと、該計測結果を記憶するステップと、該記憶されたマーク長あるいはスペース長と前記理論長記憶手段に記憶されたマーク長あるいはスペース長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークあるいはスペース長のデビエーション値を算出するステップと、該算出されたデビエーション値と、各マークあるいはスペース長の存在確率からすべてのマークあるいはスペース長固有の伸縮量を算出するステップと、該算出されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、前記更新したライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定するステップとをコンピュータに実行させるための請求項5に記載されたプログラムを提案している。
これらの発明によれば、第2の計測手段の作動により、更新されたライトストラテジおよび更新されたライトストラテジに対して、所定のマークあるいはスペースを変化させたときのライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長あるいはスペース長が計測される。計測された各マーク長あるいはスペース長は、第2のデビエーション値算出手段の作動により、予め記憶されている各マークあるいはスペースの理論長に基づいて、ライトストラテジが変化したことによる各マークあるいはスペースのデビエーション値を算出される。算出されたデビエーション値は、第2の伸縮量算出手段の作動により、各マークあるいはスペースの存在確率からすべてのマークあるいはスペース固有の伸縮量が算出される。そして、第2のライトストラテジ設定手段の作動により、算出されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークあるいはスペースのデビエーション値が所定の範囲になるように、更新したライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジが設定される。
本発明によれば、例えば、DVD−Rの規格書に書いてあるような調整できるマークおよびスペースの組み合わせが少なく、かつ各パラメータの可変範囲が狭い場合においても、最適なライトストラテジを設定することができるという効果がある。
また、求めたマーク幅に、光記録装置固有の所定マーク前後のスペースに与える影響を付加し、所定マーク前後のスペース長を等しくするように、マークのシフト量を求めるため、光記録装置の計算負荷やメモリに対する負荷を軽減できるという効果がある。
本発明の実施形態に係る光ディスク装置およびライトストラテジの設定方法について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る光ディスク装置は、図1に示すように、光ディスク1と、光ピックアップ2と、ヘッドアンプ3と、データデコーダ4と、記録長検出部5と、ROM6と、RAM7と、デビエーション算出部8と、パラメータ調整部9と、記録パルス列補正部10と、制御部11と、補正値算出順序決定部12と、コントローラ13と、データエンコーダ14と、レーザ駆動部15とから構成されている。
光ディスク1は、半導体レーザにより情報の記録、再生、消去を行える光情報記録媒体であり、例えば、CD−R、CD−RW、DVD±R、DVD±RW、DVD−RAM等がある。
光ピックアップ2は、図示しないレーザダイオード等のレーザ光源や、コリメータレンズ、フォーカスアクチュエータあるいはトラッキングアクチュエータとによって駆動される対物レンズ、偏光ビームスプリッタ、シリンドリカルレンズ等の光学部品、及びA,B,C,Dの4つの領域に分割され、光を電気信号に変換する4分割あるいは2分割のフォトディテクタ(PD)あるいは記録再生時のレーザ出力をモニタするフロントモニタダイオード等を備えている。
ヘッドアンプ3は、光ディスク1からの反射光を検出し、検出した反射光より反射光量を演算して、4分割PDの各領域への反射光量の総和を示すRF信号を生成するとともに、光ピックアップ2の照射レーザの焦点ずれを検出した信号であるフォーカスエラー信号(FE)を非点収差法によって生成し、さらに光ピックアップ2の照射レーザのトラックずれを検出した信号であるトラッキングエラー信号(TE)をプッシュプル法によって生成する。また、本実施形態においては、生成したRF信号のジッタ値を測定する機能およびRF信号からアシンメトリを検出する機能をも有している。
データデコーダ4は、ヘッドアンプ3において生成されたRF信号からEFM信号を生成し、さらにこれを所望の形式の信号に変換してコントローラ13に出力する。
記録長検出部5は、データデコーダ4からEFM信号を入力し、図示しない時間計測回路により、入力したEFM信号のパルス幅を測定する。ROM6は、書き換え不能の記憶装置であり、光ディスク装置全体を制御するための制御プログラムや基準ライトストラテジ、各マークおよびスペースの理論長あるいは各マークおよびスペースの組合せにおける存在確率あるいはマーク幅によるマーク前後のスペースの影響を示す値等が記憶されている。
RAM7は書き換え可能な記憶装置であり、光ディスクごとの補正量、記録長検出部5から入力した記録長の測定結果、記録長の測定値と各マークおよびスペースの理論長とのデビエーション値、各マークおよびスペース固有の伸縮量あるいは測定したジッタ値等が一時的に記憶される。
デビエーション算出部8は、RAM7内に記憶された記録長の測定値と各マークおよびスペースの理論長とのデビエーション値、さらに、すでにデビエーション値を算出した結果同士を対比してさらにデビエーション値を算出する。
パラメータ調整部9は、RAM7に記憶されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量とROM6に記憶された存在確率に基づいて、すべてのマークおよびスペースのデビエーション値が所定の範囲になるように、基準ライトストラテジに対する補正値を算出する。
記録パルス列補正部10は、パラメータ調整部9から補正値を入力し、これに基づいて記録パルス列を使用する光ディスクに最適な記録パルス列に補正する。
制御部11は、光ディスク装置全体を制御プログラムにしたがって光ディスクに対する情報の記録および再生動作に関する制御を行う。
補正値算出順序決定部12は、基準ライトストラテジで情報を記録したときの各エッジ前後のデビエーション値と、各設定パラメータを変化させて記録した信号のジッタ値とに基づいて、各設定パラメータに対応したすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量を算出する順序を決定する。
コントローラ13は、記録信号をデータエンコーダ4に供給し、また、データデコーダ4から記録信号の読み出す装置であり、データエンコーダ14は、コントローラ13からの記録信号をEFM信号等に変換して記録パルス列補正部10に出力する。レーザ駆動部15は、入力した記録パルスに応じたレーザダイオード駆動用のパルス信号を生成して、これを光ピックアップ2内の図示しない半導体レーザに供給する。
次に、図2から図21を用いて、本実施形態の処理手順について説明する。
本実施形態においては、例えば、DVD−Rのように、パラメータを可変できるマークおよびスペースの組合せが少なくなく、しかもパラメータの可変量が狭い光ディスクに対して、最適なライトストラテジを設定できる方法を提供するものである。その具体的な手法について、以下、説明する。
図2及び図3は、本実施形態の概念を示した図である。本実施形態では、基準ライトストラテジおよび基準ライトストラテジに対して3T、4T、5T−14Tのマークおよびパワードパルスのパルス幅を可変したライトストラテジ(図2参照)で記録したマーク長と各マークの理論長とから求められるデビエーションおよび各マークの存在確率に基づいて各マーク幅を調整する。一方、マーク幅を調整することにより影響を受ける各マークの前後にあるスペース長を補正し、この前後のスペース長の変化量が等しくなるように、マークをシフトする操作を行う(図3参照。)。
この処理の流れについて、図4を用いて詳細に説明する。
まず、コントローラ13から基準ライトストラテジをレーザ駆動部15に出力して、基準ライトストラテジで情報を光ディスクの所定のエリアに記録する(ステップ101)。次に、基準ライトストラテジに対して各マーク(図2の例では、3T、4T、5T−14Tのマーク)およびパワードパルス(図2の例では、5Tのパワードパルス)に所定幅のパルスを付加したライトストラテジで情報を記録する(ステップ102)。情報の記録が終了すると、それぞれの記録情報を再生し、記録長検出部5がデータデコーダ4からの信号に基づいて各マークのマーク長を測定し、その測定結果をRAM7に格納する(ステップ103)。
マーク長の測定が終了すると、デビエーション算出部8がROM6に格納した各マークの理論長とRAM7に格納した測定値に基づいて、デビエーションを算出する(ステップ104)。算出されたデビエーションは、パラメータ調整部9に出力される。パラメータ調整部9では、入力した各マークの2つデビエーションについて差分値を算出するとともに(ステップ105)、算出した差分の平均値と各マークの存在確率とから各マークの固有伸縮量を算出する(ステップ106)。
ここで、各マークの固有伸縮量の算出方法を図8を用いて説明する。
図8(a)の「Ref(1)」は、基準ライトストラテジで情報を記録した場合の3Tから11Tおよび14Tマークの理論長とのデビエーションを、「+3、4、5T(2)」は、基準ライトストラテジに対して3T、4Tのマーク幅と5Tのパワードパルス幅とに最小分解能の2倍分付加したライトストラテジで情報を記録した場合の3Tから11Tおよび14Tマークの理論長とのデビエーションを示している。また、図8(b)は、各マークの図8(a)におけるデビエーションの差分値の平均を示している。なお、図8の例では、6Tから14Tまでのデビエーションの差分値の平均(AVE(6T〜14T))は−3.04となる。
いま、3T、4Tのマーク幅と5Tのパワードパルス幅の固有伸縮量をそれぞれ、Δ3T、Δ4T、Δ5Tとし、それぞれの存在確率をR(3)、R(4)、R(5)とし、さらに、各マークのデビエーションの平均値をd3T、d4T、d5Tとすると、3Tから5Tマークについて、以下の数1が成り立つ。
Figure 2006048907
数1は、各マークのデビエーションの平均値d3T、d4T、d5Tが、各マークの固有伸縮量に他のマークからの影響を加味したものになるということを示している。数1において、R(3)、R(4)、R(5)は、既知の値であり、d3T、d4T、d5Tは測定済みであることから3元連立方程式であることを考えれば、これらを解いて、Δ3T、Δ4T、Δ5Tを求めることができる。
ところで、図8の例では、マーク幅を変化させたのは、3Tから5Tマークのみであり、6Tから14Tまでについては、このような操作を行わなかったわけであるから、逆に言えば、6Tから14Tまでのデビエーションの差分値の平均(AVE(6T〜14T))は、3Tから5Tマークを変化させたがために生じたデビエーションであるといえる。すなわち、AVE(6T〜14T)は、Δ3T、Δ4T、Δ5TおよびR(3)、R(4)、R(5)を用いて、数2のように表すことができる。
Figure 2006048907
この数2を数1に代入して整理すると、数3のようになり、数3から、3T、4Tのマーク幅と5Tのパワードパルス幅の固有伸縮量Δ3T、Δ4T、Δ5Tを求めると、数4のようになる。したがって、R(3)、R(4)、R(5)は、既知の値であることから、d3T、d4T、d5Tを測定すれば、3T、4Tのマーク幅と5Tのパワードパルス幅の固有伸縮量Δ3T、Δ4T、Δ5Tを求めることができる。
Figure 2006048907
Figure 2006048907
各マークの固有伸縮量の算出が終了すると、次に、各マークの固有伸縮量等に基づいて、デビエーションが0に近づくように、付加パルス幅を調整する(ステップ107)。この具体的な処理に関して、図5から図7を用いて説明する。
図5は、3Tマーク幅を変化させたときの他のマークのデビエーションとジッタの変化を示しており、図6は、同様に4Tマーク幅を変化させたときの影響を示している。図5から、3Tマークの幅を一定量ずつ変化させていくと、マーク幅が増加するにつれて、他のマークのデビエーションがプラスのデビエーションからマイナスのデビエーションへとリニアに変化することがわかる。
また、各マークのデビエーションの絶対値が最小のときに、ジッタ値が最もよいことがわかる。この傾向は、図6に示すように、4Tマークを変化させたときも同様である。すなわち、本発明は、上記の事実に基づいて、各マークのデビエーションの絶対値が最小となるように処理を行うことにより、好適なライトストラテジを設定するものである。
具体的な処理としては、図7に示すように、パラメータ調整部9がRAM7に格納された3Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値と3Tマークの固有伸縮量とを読出し、3Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値が3Tマークの固有伸縮量よりも大きいか否かが判断される(ステップ201)。ここで、3Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値が3Tマークの固有伸縮量よりも大きいと判断される場合には、3Tマークのデビエーションを補正し、加えて他のマークのデビエーションも各マークの存在確率に基づいて補正する(ステップ202)。そして、ステップ201に戻って、再び、3Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値が3Tマークの固有伸縮量よりも大きいか否かが判断される。
一方、3Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値が3Tマークの固有伸縮量よりも小さいと判断される場合には、次に、パラメータ調整部9がRAM7に格納された4Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値と4Tマークの固有伸縮量とを読出し、4Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値が4Tマークの固有伸縮量よりも大きいか否かが判断される(ステップ203)。ここでも、3Tマークの場合と同様な判断処理がなされ、4Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値が4Tマークの固有伸縮量よりも大きいと判断される場合には、4Tマークのデビエーションを補正し、加えて他のマークのデビエーションも各マークの存在確率に基づいて補正する(ステップ204)。そして、ステップ201に戻って、再び、3Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値が3Tマークの固有伸縮量よりも大きいか否かが判断される。こうした処理が5T−14Tマークおよび5Tマークについても行われ、5Tマークの基準ライトストラテジに対するデビエーションの絶対値が5Tマークの固有伸縮量よりも小さいと判断される場合に、処理が終了し、一連の処理動作により補正されたパルス幅がRAM7に格納される。
ところで、ステップ107までの処理で、マークに関してはデビエーションを最小にすることができたが、マーク幅を操作することにより、マークの前後のスペースに与える影響は残ってしまう。そこで、特定のマーク幅を変化させたときのそのマーク前後にあるスペースに対する影響について図9および図10を用いて説明する。
図9は、3Tマーク幅を変化させたときのその前後にあるスペースのデビエーションの変化を示しており、図10は、同様に4Tマーク幅を変化させたときの影響を示している。図9から、3Tマークの幅を一定量ずつ変化させていくと、変化率は異なるものの3Tマークの前後にあるスペースの幅が同じようにリニアに変化する(図9では、スペースのデビエーションをY軸、3Tマーク幅をX軸とすれば、3Tマークの前にあるスペース幅は、y=−23.643x+49.879の直線上で変化し、3Tマークの後にあるスペース幅は、y=−42.571x+88.614の直線上で変化する。)この傾向は、図10に示すように、4Tマークを変化させたときも同様である(図10では、スペースのデビエーションをY軸、4Tマーク幅をX軸とすれば、4Tマークの前にあるスペース幅は、y=−32.786x+84.182の直線上で変化し、4Tマークの後にあるスペース幅は、y=−9.7143x+25.286の直線上で変化する。)。
なお、図9および図10に示すように、3Tマーク幅を変化させたときと、4Tマーク幅を変化させたときのその前後のスペースに与える影響は異なっている。また、上述のように、特定のマーク幅を変化させたときのマークの前後のスペースに与えられる影響度合いも異なる。さらに、特定のマーク幅を変化させたときのマーク前後のスペースに与える影響度合いの傾きは光記録装置の分解能に依存することがわかっている。
したがって、逆に言えば、光記録装置ごとに、特定のマーク幅を変化させたときのそのマーク前後のスペースに対する影響の度合いを図9および図10に示すように調べておき、これを記憶していれば、特定のマーク幅を変化した場合に、そのマークの前後のスペースに与える影響を計算により求めることができる。
本発明においては、このことに着目し、上記の関係を予め記憶し、ステップ107においてデビエーションが0に近づくような付加パルス幅を決定した後に、この付加パルスを加えたことにより、そのマーク前後のスペースに与える影響を計算により求めて、これをスペ−スに付加する(ステップ108)。
次に、各マークの前後のスペースのデビエーションが等しくなるように、各マークをシフトする(ステップ109)。これは、図11および図12からも明らかなように、各マークの前後のスペースのデビエーションが等しくなるときが、ジッタ値が最もよくなるためである。
ただし、実際には、シフトさせる特定のマークにより、他のマークの前後に存在するスペースへの影響度は異なる。図13は、3Tマーク、4Tマーク、5Tマーク、5−14Tマークをシフトした場合に、これらのマークの後ろにあるスペースの影響度をデビエーションの平均値として示したものである。図13によれば、いずれの場合もリニアな変化となっているが、どのマークをシフトさせるかによって、その変化の傾きが異なっている。
これは、各マークの前後に存在するスペースへの影響係数K(n)が数5に示すように、光記録装置における1Tの幅Dと各マークの存在確率R(n)に依存するためである。すなわち、図12に示すように、3Tマークを後方にシフトする場合、3Tマークに挟まれたスペースについては何ら変化がないが、3Tマークと他のnTマークに挟まれたスペースについては、このnTマークの存在確率に応じて、挟まれたスペースの長さが短くなることになる。したがって、数5に示した関係に基づいて、各マークの前後に存在するスペースへの影響係数K(n)を算出し、この影響も加味した上で、マーク前後のスペース長に対する変化量(デビエーション)が等しくなるように、各マークのシフト量を算出し(ステップ109)、これらに基づいて好適なライトストラテジを設定する(ステップ110)。
Figure 2006048907
なお、図15は、3T、4T、5T、5T〜14Tの存在確率をそれぞれ31.5%、23.8%、17.1%、44.7%とし、1Tの幅を37nsとして数5により求めた各マーク前後のスペースについての影響係数と実測値との関係を示している。この図によれば、計算値と実測値とが極めて近い値になっていることがわかる。また、図16は、図4の処理フローに基づいて設定したライトストラテジ(図中、Auto WSが相当する。)を用いて情報を記録した場合と、市販製品により情報を記録した場合のジッタ値をメディア別に示したものである。この図によれば、本実施形態におけるライトストラテジで記録された情報の記録品質は、どのメディアにおいても大変良好な結果を示していることがわかる。
図16等に示したように、いままで述べてきた方法により、従来よりも好適なライトストラテジを設定することができるが、以下の処理を引き続き実行することにより、さらに最適なライトストラテジを設定することが可能となる。
以下では、図17から図21を用いて、この処理について説明する。
図17から図21に示した処理においては、各マークおよびスペースの組合せによる存在確率を利用して、他のスペースあるいはマークの長さが変化したときの影響度を求め、これを利用して各マークおよびスペース固有の伸縮量を算定している。
本来、EFM信号のマークとスペースは、マーク長の総和とスペース長の総和が等しくなるように構成されている。したがって、例えば、あるスペースの長さが長くなると、マークとスペースの分布バランスが崩れてしまい、これを補正するために、変化した特定のスペースを含め、全体的にスペースの長さが短くなる。この現象は、実際の再生波形(RF信号)においては、スライスレベルが変化した状態で現われることになる。
例えば、CDの場合を例に、具体的に、EFM信号のうち、3TマークをΔT(3T)だけ伸ばした場合の他のスペース、すなわち、4Tから11Tのマーク長の変化をみてみると、図18(a)のようになる。なお、図18(a)は、縦軸に理論長に対するデビエーションを、横軸に3Tから11Tを割り当てたものであり、各線は、3Tマークのパルス付加が0の場合、14.4ns、28.8ns、43.2nsのパルス付加をそれぞれ加えた場合におけるそれぞれのデビエーションの変化を示している。
いま、EFM信号における3Tマークの存在確率を33%とすれば、4Tから11Tマークの変化量との間には、数6の関係が成り立つ。
Figure 2006048907
これから、4Tから11Tマークの変化量は、3Tマークの変化量の約半分になることがわかる。このことは、図18(a)に示す実測結果によっても裏付けられており、図18(b)に示すように、存在確率の低い6Tマークを同様に変化させた場合には、他のマークあるいはスペースの長さに与える影響度合いは極めて小さいことがわかる。
よって、各マークおよびスペースの組合せによる存在確率を利用すれば、特定のマークあるいはスペースの長さが変化した場合の他のマークあるいはスペースの長さに関する影響度を把握することが可能となる。
この考え方をベースとして、本実施形態における各マークおよびスペース固有の伸縮量を算定する方法を図17および図18を用いて説明すると、制御部11は、RAM7に格納してある前段で設定したライトストラテジを記録パルス列補正部10にセットして、記録動作を実行する(ステップ301)。次に、このライトストラテジに対して、他のマークおよびスペースに対して影響度の高い、存在確率の高い3Tスペースから5Tスペース前の3Tマークから5Tマークをライトストラテジを設定できる最小分解能の整数倍だけのばしたライトストラテジで記録動作を実行する(ステップ302)。なお、後の処理を考慮すれば、伸張量は、最小分解能であるほうが良いが、最小分解能が極めて小さい値であることを考えれば、誤差の影響を小さくする意味でも最小分解能の整数倍とすることが望ましい。また、ライトストラテジの設定を行うLSIは、所定のクロックをベースに動作していることから、ライトストラテジの変更もアナログ的に連続して変化させることは不可能であり、1クロックを最小の変化量とする離散的な変更を行う。ここでは、この最小の変化量を最小分解能という。
それぞれの記録動作が完了すると、それぞれの記録信号を再生し、記録長検出部5において、すべてのマークおよびスペースの組合せにおける記録長を測定し、測定結果をライトストラテジごとに、RAM7に格納する(ステップ303)。
デビエーション算出部8は、RAM7に格納された前段で設定されたストラテジで記録したときの記録長とROM6に格納されたすべてのマークおよびスペースの組合せにおける理論長とのデビエーションおよび上記の所定のマークおよびスペースを最小分解能の整数倍だけのばしたライトストラテジで記録した場合の記録長とROM6に格納されたすべてのマークおよびスペースの組合せにおける理論長とのデビエーションを算出し(ステップ304)、さらに両者のデビエーション値を算出する(ステップ305)。
ここで、算出したデビエーション値から各マークおよびスペース固有の伸縮量を算出するためには、上記で説明した各マークおよびスペースの組合せによる存在確率を用いて行う(ステップ306)。
ステップ306において、各マークおよびスペースの組合せにおける固有の伸縮量が求まると、図19に示すように、デビエーションをゼロに近づけるような補正値の算出を行う。
本実施形態の補正値算出方法は、先程、説明した最小分解能に相当する伸縮に対応する固有の伸縮量を用いて、前段で設定したライトストラテジで情報を記録した場合のストラテジを最小分解能以下に押さえ込むことにより、最適なライトストラテジを設定するものである。
また、各マークおよびスペースの補正値の追い込みは、存在確率が高い順番に処理することを特徴としている。すなわち、存在確率の高いマークおよびスペースの組合せを補正すると、その影響が他のマークおよびスペースの組合せに大きく作用することから、こうした処理を行うことにより、短時間で、各補正値を収束することができる。
具体的には、図19に示すように、存在確率の最も高い3Tマークと3Tスペースの組合わせについて、前段で設定したストラテジに対するデビエーションの絶対値が固有の伸縮量より大きいか否かを判断する(ステップ401)。判断の結果、基準ストラテジに対するデビエーションの絶対値が固有の伸縮量より大きいときには、デビエーションを補正するとともに、他のマークおよびスペースの組合せについても存在確率に基づいてデビエーション値を補正する(ステップ402)。
一方で、基準ストラテジに対するデビエーションの絶対値が固有の伸縮量より小さいときには、次に存在確率の高い3Tマークと4Tスペースの組合わせについて補正を行う(ステップ403)。なお、3Tマークと4Tスペースの組合わせについて補正についても、3Tマークと3Tスペースの組合わせと同様の処理が行われ(ステップ403、404)、こうした処理が14Tマークと14Tスペースの組合わせについてまで実行される。
したがって、本実施形態によれば、上記の処理によって、可変できるマークおよびスペースの組み合わせが制限され、かつ、パラメータの可変範囲が狭い場合にも、使用する光ディスクに最適なパラメータを短時間で設定することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
光ディスク装置の構成図である。 本実施形態の概念を示した図である。 本実施形態の概念を示した図である。 マーク幅を可変して好適なライトストラテジを設定する処理フロー図である。 3Tマーク幅を可変したときに他のマーク幅に与える影響を示した図である。 4Tマーク幅を可変したときに他のマーク幅に与える影響を示した図である。 各マークのデビエーションを最小にするための処理フローを示した図である。 各マークのデビエーションを例示した図である。 3Tマーク幅を変化させた場合の3Tマーク前後のスペースに与える影響を示した図である。 4Tマーク幅を変化させた場合の4Tマーク前後のスペースに与える影響を示した図である。 3Tマークをシフトした場合に3Tマークの前後のスペースに与える影響を示した図である。 4Tマークをシフトした場合に4Tマークの前後のスペースに与える影響を示した図である。 各マークをそれぞれシフトした場合に、マークの後のスペースに与える影響を示した図である。 マークをシフトした場合にスペースに与える影響を概念的に示した図である。 本実施形態による計算値と実測値を示す図である。 本発明の効果を示す図である。 固有の伸縮量を求めるための処理フローである。 3Tマークあるいは6Tマークの長さを変化させたときの他のマークへの影響度を示す図である。 最適な調整パラメータを選択する手順を示した図である。
符号の説明
1・・・光ディスク、2・・・光ピックアップ、3・・・ヘッドアンプ、4・・・データデコーダ、5・・・記録長検出部、6・・・ROM、7・・・RAM、8・・・デビエーション算出部、9・・・パラメータ調整部、10・・・記録パルス列補正部、11・・・制御部、12・・・補正値算出順序決定部、13・・・コントローラ、14・・・データエンコーダ、15・・・レーザ駆動部、

Claims (6)

  1. 光情報記録媒体にマークおよびスペースを形成して情報の記録あるいは再生を行う光ディスク装置であって、
    該光情報記録媒体に基準ライトストラテジおよび基準ライトストラテジに対して、特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長を計測する第1の計測手段と、
    該第1の計測手段の計測結果を記憶する第1の計測値記憶手段と、
    各マークあるいはスペースの理論長を記憶する理論長記憶手段と、
    前記第1の計測値記憶手段に記憶されたマーク長と前記理論長記憶手段に記憶されたマーク長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークのデビエーション値を算出する第1のデビエーション値算出手段と、
    該算出されたデビエーション値と、各マークの存在確率からすべてのマーク固有の伸縮量を算出する第1の伸縮量算出手段と、
    該算出されたすべてのマーク固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、基準ライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定する第1のライトストラテジ設定手段と、
    特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたときに、各マークの前後のスペース長の変化量を各マークの存在確率に基づいて算出する変化量算出手段と、
    前記第1のライトストラテジ設定手段により設定されたライトストラテジに前記変化量算出手段において算出された変化量を付加して、各マーク前後のスペース長の変化量が等しくなるように各マークをシフトしてライトストラテジを更新するライトストラテジ更新手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記更新されたライトストラテジおよび更新されたライトストラテジに対して、所定のマークあるいはスペースを変化させたときのライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長あるいはスペース長を計測する第2の計測手段と、
    該第2の計測手段の計測結果を記憶する第2の計測値記憶手段と、
    前記第2の計測値記憶手段に記憶されたマーク長あるいはスペース長と前記理論長記憶手段に記憶されたマーク長あるいはスペース長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークあるいはスペース長のデビエーション値を算出する第2のデビエーション値算出手段と、
    該算出されたデビエーション値と、各マークあるいはスペース長の存在確率からすべてのマークあるいはスペース長固有の伸縮量を算出する第2の伸縮量算出手段と、
    該算出されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、前記更新したライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定する第2のライトストラテジ設定手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載された光ディスク装置。
  3. 光情報記録媒体に基準ライトストラテジおよび基準ライトストラテジに対して、特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長を計測するステップと、
    該各マーク長の計測結果を記憶するステップと、
    予め記憶されたマーク長と前記記憶されたマーク長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークのデビエーション値を算出するステップと、
    該算出されたデビエーション値と、各マークの存在確率からすべてのマーク固有の伸縮量を算出するステップと、
    該算出されたすべてのマーク固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、基準ライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定するステップと、
    前記ライトストラテジを設定ステップにおいて設定されたライトストラテジに、各マークの存在確率に基づいて算出される特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたときの各マークの前後のスペース長の変化量を付加するとともに、各マーク前後のスペース長の変化量が等しくなるように各マークをシフトしてライトストラテジを更新するステップと、
    を有することを特徴とする光情報記録方法。
  4. 前記更新されたライトストラテジおよび更新されたライトストラテジに対して、所定のマークあるいはスペースを変化させたときのライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長あるいはスペース長を計測するステップと、
    該計測結果を記憶するステップと、
    該記憶されたマーク長あるいはスペース長と前記理論長記憶手段に記憶されたマーク長あるいはスペース長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークあるいはスペース長のデビエーション値を算出するステップと、
    該算出されたデビエーション値と、各マークあるいはスペース長の存在確率からすべてのマークあるいはスペース長固有の伸縮量を算出するステップと、
    該算出されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、前記更新したライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定するステップと、
    を有することを特徴とする請求項3に記載された光情報記録方法。
  5. 光情報記録媒体に基準ライトストラテジおよび基準ライトストラテジに対して、特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長を計測するステップと、
    該各マーク長の計測結果を記憶するステップと、
    予め記憶されたマーク長と前記記憶されたマーク長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークのデビエーション値を算出するステップと、
    該算出されたデビエーション値と、各マークの存在確率からすべてのマーク固有の伸縮量を算出するステップと、
    該算出されたすべてのマーク固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、基準ライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定するステップと、
    前記ライトストラテジを設定ステップにおいて設定されたライトストラテジに、各マークの存在確率に基づいて算出される特定のマークおよびパワードパルスのパルス幅を変化させたときの各マークの前後のスペース長の変化量を付加するとともに、各マーク前後のスペース長の変化量が等しくなるように各マークをシフトしてライトストラテジを更新するステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  6. 前記更新されたライトストラテジおよび更新されたライトストラテジに対して、所定のマークあるいはスペースを変化させたときのライトストラテジを用いて情報を記録したときの各マーク長あるいはスペース長を計測するステップと、
    該計測結果を記憶するステップと、
    該記憶されたマーク長あるいはスペース長と前記理論長記憶手段に記憶されたマーク長あるいはスペース長に基づいて、前記ライトストラテジを変化させたことによる各マークあるいはスペース長のデビエーション値を算出するステップと、
    該算出されたデビエーション値と、各マークあるいはスペース長の存在確率からすべてのマークあるいはスペース長固有の伸縮量を算出するステップと、
    該算出されたすべてのマークおよびスペース固有の伸縮量と存在確率に基づいて、すべてのマークのデビエーション値が所定の範囲になるように、前記更新したライトストラテジに対する補正値を算出し、最適なライトストラテジを設定するステップと、
    をコンピュータに実行させるための請求項5に記載されたプログラム。
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