JP2006048252A - 簡易型現金払出システムおよびその構成装置、自動販売機を用いた現金払出方法、コンピュータプログラム - Google Patents

簡易型現金払出システムおよびその構成装置、自動販売機を用いた現金払出方法、コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 急な現金需要があったときに簡易な手続で身近な場所で現金の払出を受けることができる簡易型現金払出システムを提供する。
【解決手段】 広域ネットワークにCDS(キャッシュ・ディペンス・サービス)サーバ4を配備するとともに、自動販売機5に現金払出のための機構を付加する。CDSサーバ4は、携帯電話機1を操作する利用者により指定された額の現金の払出しを許容するための指定額払出認容コードを生成し、これを携帯電話機1に保存させる。利用者が携帯電話機1に保存された指定額払出認容コードを身近の自動販売機5に送信すると、その自動販売機5から指定額の現金が払い出される。払い出された現金は、CDSサーバ4および金融機関システム7を介して自動販売機5の設置者に還元される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、急な現金需要があったときに、利用者に対して、簡易な手続で身近な場所から現金の払出を行うサービスを提供する簡易型現金払出システムおよびその構成要素に関する。
急な現金需要があったときの対策として、従来は、利用者が銀行等に出向いてその受付窓口で所定の手続きを行うか、所定の場所に設置されているオート・テラー・マシン(ATM)、あるいは、キャッシュ・ディスペンサ(CD)等を利用するのが一般的である。前者の場合は通帳および登録印鑑による手続、後者の場合はキャッシュカード等による利用が前提となる。また、いずれの場合も、一部を除いて、早朝・夜間、土日祝日の利用に制限があるし、設置場所が限られているとか、利用集中時の混雑が発生するなど、利用者の立場からすると不便な点が多い。最近は、インターネットバンキングが普及しており、携帯電話機その他の携帯端末で任意の場所から預貯金口座の残高や取引内容の照会ができたり、振込・振替ができたりしている。しかし、インターネットバンキングは、あくまで電子的な処理に留まるリモートサービスなので、現金の払出までは行えない。
このような不便な点を解消するためのひとつの方策として、ATM又はCD(以下、「ATM等」と称する)の絶対数を増やし、利用者の生活エリアに遍く設置していくこと、あるいは、ATM等の利用可能時間を延長することなどが考えられる。しかし、このようなことを従来型のATM等で実現することは難しい。なぜなら、高額取引に対応するための大量の紙幣・硬貨をATM等に保管する必要があることから、盗難犯罪防止のための高いセキュリティ対策が求められることになり、コスト負担が膨大となるためである。特に、無人型のATM等の場合、重機を使った盗難犯罪の増加等も想定されるため、そのための対策も必要となる。
本発明は、利用者の立場からは、急な現金需要があったときに、簡易な手続で身近な場所で現金の払出しを受けることができ、サービス運営者の立場からは、設備開発のコスト抑制と運営コストの抑制とを図ることができる、新たな現金払出しのインフラを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、簡易型現金払出システム、現金払出支援サーバ、自動販売機、自動販売機用現金払出ユニット、現金払出方法およびコンピュータプログラムを提供する。
本発明が提供する簡易型現金払出システムは、メモリを有する携帯端末を操作する利用者により指定された金額を入力し、入力した金額の現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを生成するとともに、生成した前記第1コードを当該携帯端末のメモリに記録させ、さらに、前記携帯端末の利用者により指定された決済手法により前記指定された額の決済処理を行うサーバと、前記携帯端末からそのメモリに記録されている第1コードを受信したときに当該第1コードにより特定される額の現金を払い出すとともに払出した額の現金の決済処理を前記サーバに依頼する自動販売機とを備えて構成される。
ATM等と異なり、設置台数が多く、利用時間帯も比較的長い自動販売機を現金受取の窓口として利用することができ、しかも、携帯端末から第1コードを自動販売機に送信するだけで、利用者認証を行うことなく、指定した額の現金をその自動販売機から受け取ることができるので、急な現金需要が生じたときでも、迅速に現金を入手することができるようになる。
自動販売機は、例えば、街頭、店舗又は役務提供の場に設置されるものである。この自動販売機は、前記携帯端末との間で非接触通信を行う非接触式通信ユニットを含み、この非接触式通信ユニットを通じて前記第1コードを受信するように構成される。非接触通信により第1コードを送信することができるので、自動販売機にわざわざ携帯端末を接続しなくとも所期の目的を達成することができ、利用者に本システムを利用することのモチベーションを高めることができる。
非接触式通信ユニットは、例えば、前記携帯端末との間で赤外線通信を行うための赤外線通信ユニット、前記携帯端末が備える非接触ICチップとの間で無線通信を行うための無線通信ユニット、前記携帯端末が備えるRFID(Radio Frequency Identification)通信機との間でRFID通信を行うためのRFID通信ユニットのいずれかである。これらは、いずれも簡易な非接触通信のために普及しているので、この発明の実施を促進することができる。
非接触式通信ユニットは、前記携帯端末のディスプレイに表示される二次元コードの読み取りを行う二次元コードリーダとすることもできる。二次元コードを媒介とすることで、電波を放射しなくとも必要な情報を伝達(通信)することができる。また、伝達する情報量も無線通信よりも多くすることができる。
本発明のある実施の態様では、前記自動販売機からの払出しが許容される現金は、前記自動販売機において販売用に使用されている金額単位の現金とする。これにより、自動販売機に逐次投入される現金を流用することもできるので、払い出す現金の補充の回数を少なくすることができる利点が生じる。
なお、前記自動販売機は、払出しの対象となる現金を扱う金融機関とは独立した組織により設置運営されるものであっても良い。いわゆる小口現金なので、このような組織による運営も容易となる。
本発明が提供する現金払出支援サーバは、上述した簡易型現金払出システムの「サーバ」に対応するもので、メモリを有する携帯端末および金融機関が運営する金融機関システムとの間でネットワークを介して通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記携帯端末から指定された金額の現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを生成するとともに、生成した前記第1コードを当該携帯端末のメモリに記録させるコード管理手段と、前記携帯端末からそのメモリに記録されている第1コードを受信したときに当該第1コードにより特定される額の現金を払い出す機構を備えた自動販売機から、払出した額の現金の決済処理の依頼を受け付け、受け付けた決済処理の依頼に基づき、前記金融機関システムとの間で決済処理を行う決済手段と、を備えて構成される。
これらの構成要素は、コンピュータに本発明のコンピュータプログラムを読み込ませて実行させることによっても実現することができる。このようなコンピュータプログラムは、CD−ROM等の可搬性記録媒体に記録され、適宜、コンピュータにインストールされるものである。
本発明が提供する自動販売機は、商品又は役務享受の権利を人手を介在させることなく販売する自動販売機であって、現金保管機構、現金払出機構、並びに、これらの機構の動作を制御する制御手段と、携帯端末との間で非接触通信を行う非接触通信手段と、前記携帯端末から前記非接触通信手段を通じて、現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを受信したときに、受信した第1コードにより特定される額の現金が前記現金保管機構より引き出されて前記現金払出機構から払い出されるようにするための指示を前記制御手段に出力するとともに、払い出された額の現金の決済処理を、前記第1コードを前記携帯端末に付与したサーバに依頼する処理手段とを備えるものである。上記の構成要素をユニット化した自動販売機用現金払出ユニットとすることにより、既存の自動販売機をそのまま現金払出のための装置として使用することができる。
本発明が提供する現金払出方法は、メモリを有する携帯端末と、この携帯端末との間で双方向通信を行うサーバと、前記携帯端末との間で非接触式通信を行うとともに現金払出を行う機構を備えた自動販売機との協働により実行される方法であって、前記携帯端末が、それを操作する利用者により指定された金額と決済方法の指定を含む払出要求データを前記サーバに送信する段階と、前記サーバが、前記携帯端末より受信した払出要求データに基づいて、前記指定された金額の現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを生成するとともに、生成した前記第1コードを当該携帯端末のメモリに記録させる段階と、前記携帯端末が、そのメモリに記録されている第1コードを非接触通信により前記自動販売機に送信する段階と、前記第1コードを受信した前記自動販売機が、当該第1コードにより特定される額の現金を払い出すとともに払出した額の現金の決済処理を前記サーバに依頼する段階と、前記決済処理の依頼を受け付けた前記サーバが、前記指定された決済手法により前記指定された額の決済処理を行う段階とを有する、自動販売機を用いた現金払出方法である。
本発明によれば、サーバで生成した第1コードを携帯端末のメモリに保存しておき、街頭などに多数設置される自動販売機にこの第1コードを送信して現金を引き出すことができるので、急な現金需要に柔軟に対応することができる、という特有の効果が得られる。払い出した現金は、利用者が任意に指定した決済手法で決済することができるし、自動販売機の設置者にとってみれば、結果的にその自動販売機を利用する者が増えることが期待されるので、利用者と自動販売機の設置者の双方に便利なインフラを実現することができる。このような自動販売機は、既存のものに現金払出ユニットを付加することによっても実現することができるので、新規に開発する場合に比べてコスト低減を図ることもできる。
以下、本発明の実施の形態例を説明する。
[本発明の概要]
本発明は、好ましくは取扱金額を小口現金に制限し、且つ、利用者への小口現金の払出のための装置として、現金払出ユニットを有する自動販売機(以下、「自販機CD」)を用いるとともに、利用者が自販機CDから現金を受け取るときの手続を簡略化する、そのようなキャッシュ・ディペンス・サービス(CDS)を提供する簡易型の現金払出システムである。
「小口現金」は、銀行その他の金融機関が設置するATM等で扱う現金よりも低額の現金をいう。概念的には、一般的なサラリーマンが自分の財布に入れておく程度の金額、例えば数千円、数百円、多くても数万円程度(複数回利用による)を想定している。好ましくは、自販機CDにおいて商品又は役務享受の権利の販売用に使用されている金額単位の現金、例えば1又は複数枚の千円札ないし五百円以下の硬貨とする。このような小口現金とすることにより、商品等を購入した者が投入した現金を流用できて、非常に便利である。
このように小口現金に制限することにより、現金盗難事故等のリスクを低減化させ、現金払出のための機構の簡略化とサービス運用面におけるセキュリティリスクの低減化とを期待することができる。すなわち、払い出す際の在庫として保管する紙幣・硬貨が小額なので、悪意の者が、多大な労力と大きなリスクを負ってまで不正を働くことに対するモチベーションを下げることができる。これにより、従来型のATM等よりも製作・設置・管理運営コストを抑制することができる。
また、自販機に現金払出ユニットを付加した自販機CDを用いることにより、サービス運営者にとっては、現金払出のための装置を新規に開発するコストを抑制することができるし、本発明の実施の促進を期待することもできる。従来型のATM等に比べて、飲食品、タバコ、書籍、券売機、駐車場における精算機等の自販機は、その数十倍、あるいは数百倍の設置台数がある。設置場所も、街頭、店舗、駅等、様々であり、従来型のATM等よりも長い時間帯で利用できるようになっている。このように広く普及している自販機を自販機CDとして用いることにより、従来型のATM等に比べて、はるかに利便性の高い現金払出のインフラの構築が期待できる。
利用者が行う手続の簡略化は、利用者が保有する携帯端末、例えば携帯電話機と、広域ネットワーク上に設けられたサーバとの間で、事前に現金払出のための手続きを済ませることで実現する。
より具体的には、利用者が携帯電話機を操作して、利用者を識別するための情報と、払出しを希望する金額(指定額)を含む払出要求データをサーバに送信し、サーバから、指定額の現金払出しを認容するためのコード、すなわち、指定額払出認証コードを携帯電話機を受け取り、この指定額払出認証コードを携帯電話機のメモリに保存しておく。そして、任意の時点で、自販機CDにそれを送信するだけで、自販機CDから指定額の現金の払出しを受けることができるようにする。
以上の視点に基づく、本発明の現金払出システムの構成例を、以下、具体的に説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の現金払出システムの全体構成の一例を示す図である。この現金払出システムは、利用者が操作する携帯電話機1、携帯電話機1とホスト局3との間を有線通信路L1で接続するための複数の中継局2、各中継局2を、それぞれ有線通信路L2を通じて広域ネットワークL3に接続するための携帯電話機用ホスト3、広域ネットワークL3に設けられた、現金払出支援サーバ(以下、「CDSサーバ」と称する)4、広域ネットワークL3に接続可能なパーソナルコンピュータ(以下、「PC」)6、街頭などに配備される複数の自販機CD5、CDSサーバ4と決済ネットワークL4を介して接続される金融機関システム(全銀システム、CAFIS等)7を含んで構成される。
広域ネットワークは、例えばインターネットのような公衆通信型のネットワークである。自販機CD5とCDSサーバ4は、好ましくは有線通信路又は無線通信路L5により接続されるようにするが、常にそのようにしなければならないというものでもなく、受け渡し対象となる情報をCD−ROM等の可搬性記録媒体に記録し、この可搬性記録媒体の受け渡しを行うことで、バッチ処理による間接的に両者を接続するようにしても良い。
<携帯電話機、中継局、ホスト局>
携帯電話機1は、メモリ、プロセッサ、ディスプレイ、データ通信機能(インターネット接続、メール通信を含む)、および、自販機CD5との間で双方向の赤外線通信を行うための赤外線通信機能を有するものである。データ通信機能、赤外線通信機能は、例えば、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモが提供している「iモード」対応の携帯電話機が備えているようなものである。携帯電話機1からCDSサーバ4へは、データ通信機能により、CDSサーバ4がインターネット上に公開している携帯電話機用Webサーバを介してアクセスすることになる。赤外線通信は、携帯電話機1の赤外線通信ポートを介して行われる。中継局2は、地域毎に設けられている無線送受信機であり、ホスト局3は、中継局2毎に設けられている有線送受信機である。
<CDSサーバ>
CDSサーバ4は、払出しの対象となる現金を扱う金融機関、および、自販機により商品等を提供する者とは独立した機関であるサービス提供者により運営される。つまり、銀行、クレジット会社とは独立した企業等により運営される。但し、本発明は、身近な場所で現金の払出を受けることができるインフラを創りあげる点に主眼があるので、常にそのようにしなければならないというものではない。
図2は、CDSサーバ4のハードウエア構成図である。CDSサーバ4は、プロセッサ(CPU)40、CPU40の実行に必要な環境を構築するための基本制御プログラム等が記録されたROM41、RAMから成るシステムメモリ42、ローカルストレージの一例となるハードディスク装置(HD)43、広域ネットワークL3、有線通信路L4、有線通信路又は無線通信路L5に接続するための通信インタフェース(以下、インタフェースを「I/F」と表現する)44、ディスプレイ、キーボード、プリンタ等のデバイスとの間のデータの入出力を制御する入出力I/F45を有している。
システムメモリ42には、携帯電話機制御プログラム、金融機関接続制御プログラム、自販機CD接続制御プログラム、Webサーバプログラム、メールサーバプログラムがHDから逐次展開され、CPU40により実行されるようになっている。HD43には、DB(DBはデータベースの略、以下同じ)制御プログラムが格納されている。このDB制御プログラムは、利用者情報DB431および払出処理情報DB432の記録、更新、削除等を制御するためのプログラムである。HD43には、また、携帯電話機1に提供するための専用アプリケーション(AP)が格納されている。
CDSサーバ4では、システムメモリ42に展開された各種プログラムをCPU40が実行することにより、CDSのための情報処理を行うための各種機能を形成する。
図3は、CDSサーバ本体に構築される機能構成図である。
図3に示されるように、CDSサーバ4には、携帯電話機制御プログラムの実行により携帯電話機1への接続を制御する携帯電話機接続制御部411、接続された携帯電話機1に専用APをロードさせるための専用APロード処理部401、利用者情報DB431へのデータ登録を行うための利用者情報登録処理部402、払出要求データを受け付けたときにその内容を確認するための払出要求受付確認処理部403、受け付けた払出要求データを払出処理情報DB432に登録するための払出要求受付登録処理部404、後述する指定額払出認容コードの作成等の処理を行うための指定額払出認容コード作成処理部407の機能が形成される。
CDSサーバ4には、また、金融機関接続制御プログラムの実行により金融機関接続制御部413、利用者情報DB432への引落要求登録を行うための引落要求登録処理部405、同じく引落要求登録を行うための引落結果登録処理部406の機能が形成される。
CDSサーバ4には、さらに、自販機CD接続制御プログラムの実行により自販機CD接続制御部415、払出処理情報DB432に記録されている払出内容を確認するための払出内容確認処理部408、払出処理情報DB432に記録されている払出内容(結果)を更新するための払出内容結果更新処理部409の機能が形成される。
<自販機CD>
自販機CD5は、既存の自販機に専用の現金払出ユニットを後で付加したものであっても良く、現金払出ユニットを当初から自販機に搭載したものであっても良い。ここでは、後者の場合の構成例を説明する。
図4は、自販機CD5、特に現金払出ユニットを要部として含む部分のハードウエア構成図である。自販機CD5は、プロセッサ(CPU)501、CPU501の実行環境を構築するための基本制御プログラム等を記録したROM502、CPU501のシステムメモリおよびワークメモリであるRAM503、日時を計時するためのリアル・タイム・クロック(RTC)504、および、1回毎の払出上限額等の規則を定めたテーブル、指定額払出認容コードの受付処理記録、払出結果等を蓄積・保管し、また、自販機CD内の紙幣・硬貨の数量、入出金履歴等を管理するためのデータベースが格納されているストレージユニット505が、内部バス53に接続されている。ストレージユニット505には、払出履歴等を読み出して可搬性記録媒体に複写又は移動させるための媒体記録機構も備えられている。CPU501が、現金払出用に特化されて設計されたプロセッサ(DSP等)でない汎用のものである場合、CPU501に現金払出用の情報処理を実行させるためのプログラムは、ストレージユニット505に格納される。
内部バス53には、さらに、シリアル制御I/F511を介して通信ユニット521が接続されており、シリアル制御I/F512を介して赤外線通信ユニット522が接続されており、表示デバイス制御I/F513を介して表示デバイス523が接続されており、入力デバイス制御I/F514を介して入力デバイス524が接続されており、シリアル制御I/F515を介してCDユニット525が接続されており、コンパネ(コントロールパネルの略)入力制御I/F516を介してコンパネ526が接続されており、ベンダー・メカニズム(VM)制御I/F517を介してVMユニット527が接続されている。VMユニット527は、既存の自販機においても設けられているものである。
上記の各I/F511〜517は、現金払出用の処理を実行するCPU501により制御される。CPU501は、各I/F511〜517の動作を制御するときは制御手段としても機能する。
なお、現金保管機構、保管されている現金の取り出し機構、金種選別機構、並びに、これらの機構を制御する制御機構については、自販機が一般的に備えているものをそのまま流用することができる。CPU501は、これらの制御機構をも制御するものである。
なお、内部に保管されている紙幣および硬貨が、現在、どの程度の額になっているかを計測する計測機構、紙幣および硬貨が指定量を下回ったときにアラームを出力するアラーム機構を備えるようにしても良い。また、計測機構による計測結果、アラーム機構により出力されたアラームをそれぞれ上記の通信ユニット521を介してCDSサーバ4に通知する機構を付加しても良い。
自販機CD5は、固有のIDが、ROM502又はストレージユニット505内のテーブルに記録されており、各種データを生成するときに、そのIDが読み出されて、それらのデータに付加されるようになっている。
通信ユニット521は、CDSサーバ4との間で双方向通信を行うためのユニットであり、赤外線通信ユニット522は、携帯電話機1の赤外線通信ポートとの間で双方向の赤外線通信を行うものである。後述する「指定額払出認容コード」の受信は、この通信ユニット521を通じて行われる。
表示デバイス523は、ユーザーインターフェイスとなる画面に、「使用可」、「取引中」、「使用不可」、「取引中止」といった類の、一目で当該自販機CD5の使用可否が判別できるような表示を行う。この表示は、自販機の残高管理機能とリンクしており、動的に表示内容が変化するようになっている。自販機CD5の払出処理中に全額あるいは一部の払出しがなされないエラーが発生し、自販機CD5がセンサ(図示省略)によってそれを検知した場合、あるいは、自販機CD5が払出処理完了を検知できない場合、自販機CD5は、CD機能を一時利用停止とし、使用可否確認機能の表示を「使用不可」、「取引中止」のように変更し、他の自販機CD5の利用を促す旨の案内を表示する。
入力デバイス524は、例えば利用者によるデータ入力を受け付けるためのタッチパネル等であり、CDユニット525は、現金保管機構から取り出した現金を運搬するための機構と、運搬された現金を払い出すための現金払出口とが形成されているものである。
<運用形態例>
次に、上記のように構成される現金払出システムの運用形態の一例を説明する。
[事前登録]
利用者がこのシステムを利用する場合は、事前に個人情報等を登録し、システム利用の権限情報を取得しておく必要がある。図5は、この事前登録の手順を示している。
前提として、利用者は、金融機関システム7に口座を開設し、口座情報を取得しておく(R11)。金融機関は、銀行、郵便局のほか、クレジット機関であっても良い。
口座開設が済むと、利用者は、携帯電話機1のインターネット接続機能を用いて、CDSサーバ4がインターネット上に公開しているWebページを介してCDSサーバ4にアクセスする(R12)。Webページには、利用のルールを含むサービス概要が掲示されている。利用者は、このWebページに掲示されている内容を閲覧し、サービス利用の申込を行うと、CDSサーバ4は、携帯電話機接続制御部411および専用APロード処理部401(図3参照)が起動して、サービス利用を可能にするための専用APを携帯電話機1に提供する(R13)。携帯電話機1は、この専用APをダウンロードし、所定のメモリ領域にインストールする。
専用APのインストールが終了すると、携帯電話機1には、CDSの利用環境が構築される。利用者は、この専用APにより携帯電話機1のディスプレイに表示される画面を通じて、CDSサーバ4に利用者登録の申込を行う(R14)。この申込に際しては、氏名、住所、電話番号等の個人情報のほか、使用する携帯電話機1の情報(データ通信アドレス等)、ログインパスワード、暗証番号、口座情報その他、システムから要求される情報を送信する。
CDSサーバ4は、利用者登録申込を受け付けると、利用者情報登録処理部402が起動して、利用者IDを採番し、利用者情報DB431に、その利用者IDにより特定される利用者情報フィールドを形成する。そして、この利用者情報フィールドに、利用者ID、個人情報、CDS権限情報、データ通信アドレス等を記録するとともに、金融機関システム7に、その利用者用のサービス利用口座の登録依頼を行う(R15)。金融機関システム7からサービス利用口座の登録完了通知を受け取ると(R16)、登録されたサービス利用口座の情報を利用者情報DB431のうち、当該利用者用のフィールドに追記する。そして、利用者IDを伴うサービス利用登録の完了通知メールと共に、CDS権限情報、例えばログインパスワードその他のデータを携帯電話機1に送信する(R17)。携帯電話機1は、このCDS権限情報等をメモリに保存する。これにより、利用者IDおよびCDS権限情報等を用いたサービスの利用が可能になる。
[払出要求#1]
小口現金の需要がある場合、利用者は、まず、携帯電話機1のデータ通信機能を用いてCDSサーバ4に払出要求を行い、指定額払出認容コードを受け取る。図6は、この場合の手順例を示している。
図6を参照すると、利用者の操作に従い、携帯電話機1はCDSサーバ4へのログイン処理を開始する。ログイン処理は、CDSサーバ4との通信を確立して、CDSサーバ4にログインデータを送信する処理である。図12の左上の画面101は、ログイン処理を行うときの携帯電話機1のディスプレイの表示画面である。この画面101に示されるように、ログイン処理に際して入力されるログインデータは、ここでは、ログインパスワードである。携帯電話機1から送信されたログインパスワードに基づいてCDSサーバ4では、利用者認証処理を行う(P11)。利用者認証処理は、携帯電話機1から送信されたログインパスワードが、利用者情報DB431に登録されているものと一致しているかどうかを照合する処理である。利用者認証の結果が正当であればログイン処理が完了する。利用者認証の結果が不当であった場合、つまり、ログインデータが予め登録されたものと不一致であった場合、CDSサーバ4は、携帯電話機1にその旨を伝え、ログインを阻止する。
ログイン処理が完了すると、利用者は、図12に示すように、携帯電話機1の専用APによって携帯電話機1のディスプレイに表示される入力受付画面102〜104に従って払出要求のためのデータを入力する。このデータは、口座情報と引出を望む指定額である。携帯電話機1は、これらのデータに、払出要求データであることを表すヘッダと、利用者を識別するための情報、例えば予めCDSサーバ4から受け取った利用者IDと、払出要求日時と、その他の情報とを付加して、払出要求データを生成し、この払出要求データをCDSサーバ4に送信する(P12)。払出要求データは、例えば、図13上段のようなデータ構造のものとなる。
CDSサーバ4は、携帯電話機1から受信した払出要求データに基づき、金融機関システム7との間で事前決済処理を行う(P13)。事前決済処理は、金融機関システム7において管理されているサービス利用口座からの指定額の引き落とし処理である。金融機関システム7において事前決済処理が完了した旨の通知を受けると(P14)、CDSサーバ4は、指定された金額の現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための指定額払出認容コード生成処理を行う。
この処理は、例えば図13中段に示される構造の指定額払出認容コードを生成する処理である。このコードには、指定額払出認容コードであることを表すヘッダと、トランザクション毎にユニークに採番されるトランザクション番号(No.)と、CDSサーバ4で認証したことを証明する認証コードと、指定額と、認証日時と、有効期限とか有効回数のような利用条件データとが含まれる。暗号処理等によって全体をカプセル化するため、「コード」と命名されている。但し、カプセル化は、本発明を実施する上で必須の処理ではない。
CDSサーバ4は、指定額払出認容コードを生成すると、これを払出処理情報DB432に保存するとともに、携帯電話機1へ送信する(P15)。
携帯電話機1は、指定額払出認容コードを受信すると、これを所定のメモリ領域に保存する。このとき、携帯電話機1のディプレイに表示される画面は、図12左下のような確認画面105となる。直ちに、現金払出しを行うときは「はい」のボタン画像を操作し、そうでなければ「いいえ」のボタン画像を操作することになる。
[払出要求#2〜#4]
払出要求を行った後、指定額払出認容コードを受け取るまでの手順は、必ずしも図6の例に限定されるものではなく、図7〜図9の手順に従うものであっても良い。
図7の例では、CDSサーバ4と金融機関システム7とで行う事前決済処理を、CDSサーバ4による指定額払出認容コードの生成、携帯電話機1への送信(P23)の後、任意の時点で行う(P24,P25)点が、図6の手順と異なっている。図7の例は、利用者が迅速に現金の払出を受けることができるという利点が生じる。
図8の例は、図7の手順において、事前決済処理を行わないようにする場合の例である。この例では、CDSサーバ4による指定額払出認容コードの生成、携帯電話機1への送信(P23)の後、利用者毎の決済に関わるトランザクションを保存しておき、このトランザクションの内容に基づいて、CDSサーバ5と金融機関システム7との間で決済処理を行うようにしたものである(P34)。この場合の決済処理には、例えば、携帯電話機1の利用に対して利用者が支払う手数料に、指定額を追加する処理等である。
図9の例では、CDSサーバ4へのログイン処理(CDSサーバ4では利用者認証処理)、および払出要求データの入力、送信を、それぞれ利用者が操作するPC6において行い(P41、P42)、CDSサーバ4からの指定額払出認容コードをその利用者が操作する携帯電話機1で受信する(P43)ようにしたものである。この場合、PC6においても専用APをインストールすることが必要となる場合がある。
なお、PC6によるログイン処理は、上述した携帯電話機1によるログイン処理よりも、入力すべきログインデータを多くすることが望ましい。すなわち、携帯電話機1によるログイン処理では、図12左上に示されるようにログインパスワードだけで足りることとしたが、PC6の場合には、入力の手間が携帯電話機1よりも少ないこと、携帯電話機1は利用者本人が常に保有していて第三者がそれを使用できない状態になっているのに対して、PC6の場合は第三者による使用が容易であることから、セキュリティ性を高める必要がある。予め利用者情報DB431に登録されているいくつかの個人情報をログインデータとして入力すれば良いが、セキュリティ性を厳しくする場合には、PC操作可能性のある利用者に予めログイン処理用の特殊コードを利用者情報DB431に登録させておき、PC6によるログイン処理時にその特殊コードの入力を要求するようにすれば良い。
[現金払出#1]
次に、図10を参照して、現金払出の手順例を説明する。現金払出は、利用者による送信指示の入力、例えば、図12左下の確認画面105において、利用者が「はい」のボタン画像を操作することを契機に可能となる。
携帯電話機1は、指定額払出認容コードをメモリから読み出し、赤外線ポートから自販機CD5の赤外線通信ユニット522(図4参照)に向け送信する(M11)。送信先の自販機CD5は、CDS対応のものであればどの自販機CDであっても良い。なお、携帯電話機1からは、送信指示の入力がない限り、指定額払出認容コードは送信されないようになっている。
指定額払出認容コードを受信した自販機CD5は、受信完了を伝える赤外線信号を携帯電話機1に返信するとともに、その指定額払出認容コードの内容を解読し、携帯電話機1との間で、取引確認処理を行う(M12)。取引確認処理は、具体的には、自販機CD5において認識した金額を携帯電話機1のディスプレイに表示させ、利用者に確認させる処理である。この金額は、当該自販機CD5のユーザーインターフェイスユニット(ディスプレイ)に表示されるようにしても良い。利用者は、表示された金額を確認した後、処理を続行する場合は、例えば携帯電話機1のディスプレイに表示されている確認済のボタン画像を操作することにより、実行指示を送信する(M13)。
自販機CDは、実行指示を確認すると、CDSサーバ4との間で権限確認処理を行う(M14)。具体的には、指定額払出認容コードに当該自販機CD5のIDを付加してCDSサーバ4へ送信する。CDSサーバ4は、受信した指定額払出認容コードが自ら発行したものでかつ有効なものかどうかを認証し、正当であれば、正当権限確認通知を自販機CD5に返す(M15)。認証の結果、不当であった場合は、その旨を自販機CD5へ伝える。
自販機CD5は正当権限確認通知を受け取ったときは、現金払出処理を行う。すなわち、図12右下のような案内画面106を携帯電話機1に表示させるとともに、CDユニット525から指定額の現金の払出しを行う(M16)。利用者は、払出しに異常があったと認知した場合、自販機CD5の入力デバイス524上のエラー通知ボタンを押下することで処理異常が発生した旨をCDSサーバ4に通知することができる。このエラー通知ボタンは、自販機CD5が払出完了検知をした時点から所定時間経過するまで有効である。なお、通常、利用者がクレームをつけるのは異常があったときに限られるという心理法則に照らし、所定時間経過時点でエラー通知ボタンが押下されなかった場合は、自販機CD5は、払出処理が完了したものとみなして、作業を終了する。
その後、自販機CD5は、CDSサーバ4に対して、図13下段に例示するようなデータ構造の指定額払出データを伴う払出完了通知を送信する(M17)。自販機CD5は、また、現金払出しに関わる処理履歴をストレージユニット505内のデータベースに蓄積して管理する。
CDSサーバ4は、自販機CD5からの払出完了通知を受信すると、事後決裁処理を行う。すなわち、トランザクションにおける現金払出しのステイタスを「完了」を示すものに変更する。その後、CDSサーバ4は、当該払出しに関する「利用明細データ」を作成し、これを携帯電話機1に対して電子メールで通知する。携帯電話機1が当該電子メールを受信した段階で、利用者側の現金払出しの一連の作業は終了する。
[現金払出#2]
現金払出の手順は、図11に従うものであっても良い。図10に示した手順との相違は、CDSサーバ4との間で行う権限確認処理を、現金払出(M24)の後に行うようにした点である(M25、M26)。
なお、取引確認処理と実行指示の入力を携帯電話機1からではなく、自販機CD5の入力デバイス524を通じて行うようにしても良い。このようにすれば、携帯電話機1は、指定額払出認容コードを送信するだけとなり、現金引き出しのための時間をより短くすることができる。
[DB構造]
以上のような手順で現金引き出しに関する各種情報処理がなされる結果、CDSサーバ4では、利用者情報DB431および払出処理情報DB432に、各種データが次第に蓄積されていく。利用者が増えるにつれて、CDSサーバ4において管理しなければならないデータの量は飛躍的に多くなる。そこで、本発明では、利用者情報DB431および払出処理情報DB432の構造を、効率的なデータ管理を行えるようなものとしている。以下、これらのDBの構造について説明する。
図14は、利用者情報DB431と払出処理情報DB432の関係を示した図である。
利用者情報DB431には、利用者毎に、利用者ID4311、利用者個人情報4313、CDS権限情報4315、携帯電話機データ通信アドレス4317、サービス利用口座情報4319等が記録される。これらの情報は、利用者による事前登録(図5参照)の際に記録される。
払出処理情報DB432には、払出処理に関するトランザクションが発生するたびにその履歴データが記録される。この履歴データを効率的に管理するために、利用者ID4321と履歴ID4323とを記録したテーブルを利用者毎に設けており、さらに、各利用者のテーブルにおける履歴ID4323を、データ領域の履歴ID4333とリンクさせ、履歴データは、データ領域に蓄積するようにしている。
データ領域は、払出処理情報を固定長データで管理する領域4335と可変長データで管理する領域4337とに大別される。固定長データは、例えば可変長データで管理する領域4337における履歴データの格納アドレスとすることができる。従って、履歴データのサイズが不定であっても、それを可変長データで管理する領域4337に蓄積し、そのアドレスを固定長データで管理する領域4335に記録するようにすれば、メモリ資源を効率的に利用して履歴データを管理することができる。
図15は、固定長データとして管理される履歴データ(項目)の一例を示した図である。図15におけるa101〜a113は、可変長データで管理する領域4337における各項目毎の履歴データのアドレスである。
このようなDB構造では、利用者情報DB431と払出処理情報DB432とが利用者IDによりリンクされており、さらに、払出処理情報DB432に蓄積される利用者毎の履歴データが、利用者IDと組になる履歴IDをキーとして、それらの蓄積領域を直ちに特定することができるので、利用者の数が多くなった場合であっても、効率的に利用者毎の履歴データの管理を行うことができる。
[指定額払出認容コードの使用条件設定と利用枠設定]
上述した指定額払出認容コードは、CDSサーバ4が自販機CD5から払出完了通知を受け取ると、その再利用ができないように払出処理情報DB432から消去されるようになっている。従って、CDSサーバ4は、指定額払出認容コードによる払出完了通知を自販機CD5から受け取らない限り、携帯電話機1の求めに応じて指定額払出認容コードの再発行を行うことができる。
また、指定額払出認容コードは、1回の現金払出だけに使用するのではなく、例えば電車回数券のように、使用回数・使用期間・使用期限等を自由に組み合わせて設定できるようにしても良い。この場合は、上述した利用条件データとして、設定内容を含むようにする。また、利用者情報DB431に指定額払出認容コードに合計の引出し限度の利用枠を設定しておくようにしても良い。この場合は、CDSサーバ4が、自販機CD5に指定額払出認容コードを送信する段階で、任意の引出し金額の指定ができるようにしておく。なお、以上のように、1つの指定額払出認容コードで1回以上の現金引き出しを行うサービスを提供する場合、携帯電話機1にダウンロードされた指定額払出認容コードは、携帯電話機1又はPC6を通じてCDSサーバ4にアクセスして、いつでもその無効処理を行うことができるようにしておくことが、セキュリティ上は望ましい。
以上、詳細に説明したように、この実施形態の現金払出システムによれば、従来、ATM等の前で行っていたような作業を事前に携帯電話機1等で行い、しかも指定額の現金を身近な場所に設置されている自販機CD5から受け取ることができるので、現金需要が生じた後、実際に利用者が現金を受け取るまでの時間が短縮される。また、利用者は、時間帯を気にすることなく、何時でも自販機CD5から現金を受け取ることができるので、急な現金需要があっても容易に対処することができる。自販機CD5は、既存の自販機に専用のユニットを付加するだけでも実現することができるので、サービス運営者の立場からは、設備開発のコスト抑制と運営コストの抑制とを図ることができる。自販機CD5のベンダーの立場からは、自販機へのCD機能という付加価値により他の自販機と差別化することで自販機の設置増を見込めるといった効果も期待できる。
<実施形態の変形例>
以上の実施形態では、携帯電話機1と自販機CD5との間の指定額払出認証コード等の通信手段として、赤外線通信を用いる例を説明したが、非接触ICチップ、RFIDを用いることもできる。また、指定額払出認証コード等の伝達に二次元バーコード等の二次元コードを用いることもできる。この場合は、自販機CD5に、二次元コード(画像)を読み取ってその内容を解読する二次元コードリーダを設ける必要がある。
また、CDSサーバ4に、利用者情報DB431および払出処理情報DB432に記録されている情報を、利用者からの照会要求に応じて提供する機能を付加しても良い。
また、携帯電話機1からCDSサーバ4に払出要求データを送信するのではなく、携帯電話機1からの払出要求データを自販機CD5に送信し、自販機CD5からCDSサーバ4経由で金融機関システム7に決済(引き落とし)依頼を行い、それが完了した後に、指定額の現金をCDユニット525から払い出す、という手順もとり得る。
<応用例>
(1)インターネットバンキングの現金払出サービス
本発明は、例えば図9に示した払出要求#4の手順を応用して、インターネットバンキングの現金払出しを自販機CD5から行うサービスに適用することが可能である。
(2)企業内自販機CD
本発明は、広域ネットワークL3を用いたシステムのみならず、企業の事業所内においてのみ有効となるシステムに応用することができる。すなわち、企業が、上述した自販機CD5を自社の事業所内に複数設置し、これらを、利用時間帯に制限のない、あるいは、従来型ATM等よりも長い時間帯で利用できるようにして、従業員専用の自販機CDとして活用することができる。より具体的には、管理者が常駐あるいはそれに順ずる管理体制にある企業の事業所内に、自販機CD5を設置し、利用者も従業員に限定する。これにより、街頭、公共施設、商業施設、交通施設等に設置され、不特定多数の利用を想定した自販機CD5に比べて、セキュリティリスクを著しく軽減することができるので、運用コストを抑制することができる。
このような従業員用のサービスの更なる応用として、従業員が自販機CD5を現金払出機として利用する場合に、払出した現金を利用者(従業員)の預金口座からの引落しの他、支払い予定の給与からの天引きを行うサービスを提供する、あるいは、企業が従業員に対して「仮払い」を行う場合に従業員毎に「仮払い上限額」等を設定し、従業員は自販機CDを利用してその上限額の範囲内で自由に仮払いを受けることができるサービスを提供する等も考えられる。これらのようなサービスを実施する場合、企業の経理担当者は、CDSサーバ4もしくは自販機CD5から現金払出しのトランザクション処理データの抽出や照会が可能であるか、当該企業の決済システムと連携が図れるような機能を持たせることも考えられる。
(3)携帯電話機1のキャッシュカード化又はクレジットカード化
携帯電話機1のメモリには、CDS権限情報等のみを保存しておき、指定額の入力等は、CDS権限情報等を正常に受信した自販機CD5の入力デバイス524において行うことにより、携帯電話機1を、利用者が金融機関システム7において管理されている口座に対するキャッシュカードあるいはクレジットカードとして利用することができる。
(4)電子マネーの現金換金サービス
上述したインターネットバンキングの現金払出サービスの変形として、電子マネーの読み取り機構を自販機CD5に備えておき、この読み取り機構に、自らが保有している電子マネーを現金に換金して、CDユニット525から払い出す、というサービスに適用する。
(5)融資現金払出サービス
携帯電話機1からCDSサーバ4に対して送信する払出要求データのうち指定の口座情報が融資先情報となった融資実行要求データを送信する。CDSサーバ4は、融資先との間で事前決済処理又は通常の決済処理を行い、決済処理が正常に完了したときに、指定額払出認容コードとその内容がほぼ同じとなる融資承認コードを生成し、これを携帯電話機1のメモリに保存させる。利用者は、携帯電話機1に保存された融資承認コードを自販機CD5に送信することにより、融資要求の際に指定した額の現金を自販機CD5から受け取る。このようなサービスは、簡易型のキャッシング、カードローンとして活用することができる。
本発明は、商品、役務享受の権利、券等の販売を人手を介さずに行う自動販売機、このような自動販売機を構成要素として含んで現金払出しに関するサービスを利用者に提供するネットワークコンピュータシステムにおいて利用が可能なものである。
本発明を適用した現金払出システムの全体構成図。 CDSサーバのハードウエア構成図。 CDSサーバにおける機能構成図。 自販機CDの構成図。 現金払出システムにおける事前登録の手順説明図。 現金払出システムにおける払出要求(#1)の手順説明図。 現金払出システムにおける払出要求(#2)の手順説明図。 現金払出システムにおける払出要求(#3)の手順説明図。 現金払出システムにおける払出要求(#4)の手順説明図。 現金払出システムにおける現金払出し(#1)の手順説明図。 現金払出システムにおける現金払出し(#2)の手順説明図。 携帯電話機の表示画面の変遷例を示した図。 現金払出システムにおいて使用する各種データの構造説明図。 データベース構造の関連性を説明するための図。 払出処理情報DBのデータ構造を説明するための図。
符号の説明
1・・・携帯電話機、2・・・中継局、3・・・ホスト局、4・・・CDSサーバ、5・・・自販機CD、6・・・PC、7・・・金融機関システム、40・・・CDSサーバのCPU、41・・・CDSサーバのROM、42・・・CDSサーバのシステムメモリ(RAM)、43・・・HD、44・・・通信I/F(インタフェース)、45・・・入出力I/F、401・・・専用APロード処理部、402・・・利用者情報登録処理部、403・・・払出要求受付確認処理部、404・・・払出要求受付登録処理部、405・・・引落要求登録処理部、406・・・引落結果登録処理部、407・・・指定額払出認容コード作成処理部、408・・・払出内容確認処理部、409・・・払出内容結果更新処理部、411・・・携帯電話機接続制御部、413・・・金融機関接続制御部、415・・・自販機CD接続制御部、431・・・利用者情報DB、432・・・払出処理情報DB、501・・・自販機CDのCPU、502・・・自販機CDのROM、503・・・自販機CDのRAM、504・・・RTC、505・・・ストレージユニット、511,512,515・・・シリアル制御I/F、516・・・コンパネ入力制御I/F、517・・・VM制御I/F、521・・・通信ユニット、522・・・赤外線通信ユニット、523・・・表示デバイス、524・・・入力デバイス、525・・・CDユニット、526・・・コンパネ(コントロールパネル)、527・・・VMユニット、L1〜L5・・・通信路。

Claims (11)

  1. メモリを有する携帯端末を操作する利用者により指定された金額を入力し、入力した金額の現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを生成するとともに、生成した前記第1コードを当該携帯端末のメモリに記録させ、さらに、前記携帯端末の利用者により指定された決済手法により前記指定された額の決済処理を行うサーバと、
    前記携帯端末からそのメモリに記録されている第1コードを受信したときに当該第1コードにより特定される額の現金を払い出すとともに払出した額の現金の決済処理を前記サーバに依頼する自動販売機とを備えて構成される、
    簡易型現金払出システム。
  2. 前記自動販売機は、街頭、店舗又は役務提供の場に設置されるものであり、この自動販売機は、前記携帯端末との間で非接触通信を行う非接触式通信ユニットを含み、この非接触式通信ユニットを通じて前記第1コードを受信するように構成されている、
    請求項1記載の簡易型現金払出システム。
  3. 前記非接触式通信ユニットは、前記携帯端末との間で赤外線通信を行うための赤外線通信ユニット、前記携帯端末が備える非接触ICチップとの間で無線通信を行うための無線通信ユニット、前記携帯端末が備えるRFID通信機との間でRFID通信を行うためのRFID通信ユニットのいずれかである、
    請求項2記載の簡易型現金払出システム。
  4. 前記非接触式通信ユニットは、前記携帯端末のディスプレイに表示される二次元コードの読み取りを行う二次元コードリーダである、
    請求項2記載の簡易型現金払出システム。
  5. 前記自動販売機からの払出しが許容される現金は、前記自動販売機において販売用に使用されている金額単位の現金である、
    請求項1記載の簡易型現金払出システム。
  6. 前記自動販売機は、払出しの対象となる現金を扱う金融機関とは独立した組織により設置運営されるものである、
    請求項5記載の簡易型現金払出システム。
  7. メモリを有する携帯端末および金融機関が運営する金融機関システムとの間でネットワークを介して通信を行う通信手段と、
    前記通信手段を介して前記携帯端末から指定された金額の現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを生成するとともに、生成した前記第1コードを当該携帯端末のメモリに記録させるコード管理手段と、
    前記携帯端末からそのメモリに記録されている第1コードを受信したときに当該第1コードにより特定される額の現金を払い出す機構を備えた自動販売機から、払出した額の現金の決済処理の依頼を受け付け、受け付けた決済処理の依頼に基づき、前記金融機関システムとの間で決済処理を行う決済手段と、
    とを備えて構成される、
    現金払出支援サーバ。
  8. 商品又は役務享受の権利を人手を介在させることなく販売する自動販売機であって、
    現金保管機構、現金払出機構、並びに、これらの機構の動作を制御する制御手段と、
    携帯端末との間で非接触通信を行う非接触通信手段と、
    前記携帯端末から前記非接触通信手段を通じて、現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを受信したときに、受信した第1コードにより特定される額の現金が前記現金保管機構より引き出されて前記現金払出機構から払い出されるようにするための指示を前記制御手段に出力するとともに、払い出された額の現金の決済処理を、前記第1コードを前記携帯端末に付与したサーバに依頼する処理手段とを備えて構成される、
    自動販売機。
  9. 商品又は役務享受の権利を人手を介在させることなく販売する自動販売機に備えられる現金払出ユニットであって、
    現金保管機構、現金払出機構、並びに、これらの機構の動作を制御する制御手段と、
    携帯端末との間で非接触通信を行う非接触通信手段と、
    前記携帯端末から前記非接触通信手段を通じて、現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを受信したときに、受信した第1コードにより特定される額の現金が前記現金保管機構より引き出されて前記現金払出機構から払い出されるようにするための指示を前記制御手段に出力するとともに、払い出された額の現金の決済処理を、前記第1コードを前記携帯端末に付与したサーバに依頼する処理手段とを備えて構成される、
    自動販売機用の現金払出ユニット。
  10. メモリを有する携帯端末と、この携帯端末との間で双方向通信を行うサーバと、前記携帯端末との間で非接触式通信を行うとともに現金払出を行う機構を備えた自動販売機との協働により実行される方法であって、
    前記携帯端末が、それを操作する利用者により指定された金額と決済方法の指定を含む払出要求データを前記サーバに送信する段階と、
    前記サーバが、前記携帯端末より受信した払出要求データに基づいて、前記指定された金額の現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを生成するとともに、生成した前記第1コードを当該携帯端末のメモリに記録させる段階と、
    前記携帯端末が、そのメモリに記録されている第1コードを非接触通信により前記自動販売機に送信する段階と、
    前記第1コードを受信した前記自動販売機が、当該第1コードにより特定される額の現金を払い出すとともに払出した額の現金の決済処理を前記サーバに依頼する段階と、
    前記決済処理の依頼を受け付けた前記サーバが、前記指定された決済手法により前記指定された額の決済処理を行う段階とを有する、
    自動販売機を用いた現金払出方法。
  11. コンピュータを、メモリを有する携帯端末および金融機関が運営する金融機関システムとの間でネットワークを介して通信を行う通信手段、
    前記通信手段を介して前記携帯端末から指定された金額の現金の払出しを利用者認証を行うことなく許容するための第1コードを生成するとともに、生成した前記第1コードを当該携帯端末のメモリに記録させるコード管理手段、
    前記携帯端末からそのメモリに記録されている第1コードを受信したときに当該第1コードにより特定される額の現金を払い出す機構を備えた自動販売機から、払出した額の現金の決済処理の依頼を受け付け、受け付けた決済処理の依頼に基づき、前記金融機関システムとの間で決済処理を行う決済手段、として機能させるためのコンピュータプログラム。
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