JP2006045241A - 色うつり抵抗型唇用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象物への不注意による色移りを防ぎ、さらにつや、光沢と共に、望ましい適用法と感触の特性を持つ組成物を提供する。
【解決手段】一次物質と二次物質より成り、その二次物質が一次物質中全体に組み入れられている安定な唇用組成物に関するものである。一次および二次物質は互いに充分に非相溶性であり、その組成物が唇へ適用された時生じた剪断力が一次物質からの二次物質の分離を起こし、唇上へ塗布された一次物質上に遮蔽層を形成する。このような組成物の使用で、始めに唇上に適用された口紅の上に別個に遮蔽層を適用する事が必要でなくなる。
【選択図】なし
【解決手段】一次物質と二次物質より成り、その二次物質が一次物質中全体に組み入れられている安定な唇用組成物に関するものである。一次および二次物質は互いに充分に非相溶性であり、その組成物が唇へ適用された時生じた剪断力が一次物質からの二次物質の分離を起こし、唇上へ塗布された一次物質上に遮蔽層を形成する。このような組成物の使用で、始めに唇上に適用された口紅の上に別個に遮蔽層を適用する事が必要でなくなる。
【選択図】なし
Description
本発明は一次物質と二次物質より成り、その二次物質が一次物質中全体に組み入れられている安定な唇用組成物に関するものである。一次および二次物質は互いに充分に非相溶性であり、その組成物が唇へ適用された時生じた剪断力が一次物質からの二次物質の分離を起こし、唇上へ塗布された一次物質上に遮蔽層を形成する。このような組成物の使用で、始めに唇上に適用された口紅の上に別個に遮蔽層を適用する事が必要でなくなる。
第一の目的が前記の口紅の着用時間の延長、汚れの色うつりへの抵抗および光沢の増加であるような唇用製品は技術的によく知られている。オーバーコートのようなこれらの製品のいくつかは、種々のポリマー型の液体およびその上にそれが適用された口紅の色うつりを避ける遮蔽層を形成するフィルム形成技術を利用している。このような組成物の例は、両方ともここに参照文献として組み込まれるが、1993年8月31日に公開された特開平5(1993)−221829号と1994年12月21日に出願され同時に係属している米国特許出願番号第08/361,246号中に開示されている。
前記のオーバーコート製品は、対象物への不注意による色うつりを防ぐことには効果的であるけれども、それらは唇上へ適用された色素添加された唇用組成物上に別の適用を必要とする。それゆえ、これら二つの別々の適用段階をひとつの単一の段階に合わせる製品を供給することは有益なことである。
本発明は、一次物質と二次物質より成り、その一次物質がその中全体に二次物質を組み入れた唇用組成物である。前記の一次および二次物質は充分に非相溶性であり、唇上へ本組成物が適用された時生じた剪断力が一次物質からの二次物質の分離を起こし、唇上へ塗布された一次物質上に遮蔽層を形成する。
それゆえ、本発明の目的は唇に触れた時に食器や衣類のような物への一次物質の不注意による色うつりを防ぐ遮蔽物を二次物質が形成する組成物を供給することである。本発明のもうひとつの目的は、一段階で色素添加された唇用組成物上に遮蔽層を供給することである。更に本発明のもうひとつの目的は、いったん唇上へ適用された時、改良された組成物のつやと光沢と共に、望ましい適用法と感触の特性を持つ組成物を供給することである。本発明の最後の目的は、このような組成物を作る製造工程を供給することである。
本発明の組成物は、棒状固体、クリームおよび香膏を含む唇用組成物にしばしば関連するいくつかの形をとることができる。別に指示されない限り、全てのここで開示される百分率は組成物の全重量比である。
1.一次物質
本発明の一次物質すなわち連続相の物質は、ワックス、揮発性油、非揮発性油およびそれらの混合物で、そこでの油が前記のワックスが液体になった時に前記のワックスと相溶性である群から選択される親油性の物質より成る。一次物質は組成物の約30%から約95%、望ましくは約50%から約85%、そして最も望ましくは約50%から約60%より成る。
本発明の一次物質すなわち連続相の物質は、ワックス、揮発性油、非揮発性油およびそれらの混合物で、そこでの油が前記のワックスが液体になった時に前記のワックスと相溶性である群から選択される親油性の物質より成る。一次物質は組成物の約30%から約95%、望ましくは約50%から約85%、そして最も望ましくは約50%から約60%より成る。
ワックスは湯e丸伯^口紅のような固形の形状を形成するのを補助する固形化剤として働く。ここで用いられる時、ワックスは常温/室温で固形物を形成する熱可塑性の有機化合物または高分子量物質の混合物として定義される。ここで用いられる時、ワックスは一種類の型のワックスまたはワックスの混合物として表わされる。
前記のワックスは炭化水素または脂肪酸と脂肪族アルコールのエステルを含みそして天然、合成および鉱物の資源から由来する。このようなワックスはReinhold Publishing CorporationのWarthによるChemistry and Technology of Waxes、第1部および第2部、1956年中に開示されている。天然ワックスは蜜蝋、鯨蝋、ラノリン、シェラックワックスのような動物由来、例えばカルナウバ、キャンデリラ、ベイベリー、サトウキビワックスのような植物由来、または例えばオゾケライト、セレシン、モンタン、パラフィン、微結晶ワックス、石油および鉱油ワックスのような鉱物由来のものでよい。合成ワックスは約40℃より高い融点を持つ、カルボワックスおよび炭化水素型のワックスのようなポリオールエーテルエステル、シリコーンワックスおよびポリエチレンワックスを含む。ここで最も有用なワックスは、約55℃から約110℃の融点を持ちそしてC8〜C50の炭化水素ワックスから選択される。
本組成物中での使用に望ましいワックスはキャンデリラ、蜜蝋、遊離脂肪酸が除かれた蜜蝋(変性蜜蝋)、カルナウバ、鯨蝋、モンタン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ベイベリー、カスターワックス、合成ワックス、微結晶ワックス、シリコーンワックス(他の一次物質と相溶性であるように変性された)およびそれらの混合物より成る群から選択される。より望ましくは、ワックスは微結晶ワックス、鯨蝋、キャンデリラ、変性蜜蝋、カルナウバ、オゾケライト、パラフィン、セレシン、シリコーンワックスおよびそれらの混合物より成る群から選択される。最も望ましくは、ワックスはキャンデリラ、オゾケライト、パラフィン、カルナウバワックスおよびそれらの混合物より成る群から選択される。
本発明の揮発性および非揮発性油は、一般的に例えば適用性、接着性、崩壊性(yield)、光沢そしておそらく最も重要な点は湿気を閉じ込めておくことのようないくつかの機能上の目的を持つ。前記の油は、常温で液体で、そしてエステル、トリグリセリド、炭化水素、シリコーンおよびそれらの混合物を含む。
揮発性油、特に揮発性炭化水素、ポリジメチルシロキサン、環状ポリジメチルシロキサンおよびそれらの混合物より成る群から選択されるものは、いったん揮発性成分が蒸発した際にはフィルム中の、より高い油に対するワックスの比によってより堅固な口紅のフィルムを与えるために口紅の組成物中に組み込まれる。
特に有用なものは炭化水素を基礎とした揮発性油である。前記の揮発性油は、一分子あたり約8個から約30個の炭素原子、望ましくは一分子あたり約8個から約20個の炭素原子、そして最も望ましくは一分子あたり約8個から約14個の炭素原子を持つ飽和分岐型炭化水素、不飽和分岐型炭化水素、飽和直鎖型炭化水素、不飽和直鎖型炭化水素およびそれらの混合物より成る群から選択される。揮発性油の添加によって産生される堅固なフィルムは他の物質へ色うつりする口紅の量を減少させる。堅固なフィルムを作るための揮発性油の使用に関連した1994年6月22日に発行された欧州特許公開第602905号のような技術中で教示されているにもかかわらず、本発明は実用的によりすぐれている。本発明は、堅固なフィルム単独では産生できない、唇上の長く持続する潤いとすべすべした感覚を使用者に提供する遮蔽層を前記の堅固なフィルム上に与える。
前に述べられたように、この発明はまた非揮発性油の添加を明らかにしている。本発明中で有用な特定の非揮発性油は、カプリリックトリグリセリド;カプリックトリグリセリド;イソステアリックトリグリセリド;アジピックトリグリセリド;麦芽油;水素添加植物油;鉱油;分岐鎖炭化水素;アルコールおよびエステル;ひまし油;ラノリン油;コーン油;綿実油;オリーブ油;パーム核油;菜種油;紅花油;ホホバ油;マツヨイグサ油;アボガド油;鉱物油;シアバター;オクチルパルミテート、マレイル化大豆油;グリセロールトリオクタノエート;ジイソプロピルジメレート;ジメチコン、フェニルジメチコン、シクロメチコン、ポリ(パーフルオロアルキル)シロキサン、直鎖および環状のポリアルキルシロキサンを含む揮発性および非揮発性シリコーン油およびそれらの混合物を含む。
本発明中で用いられる望ましい油はカプリリックトリグリセリド、カプリックトリグリセリド、イソステアリックトリグリセリド、ひまし油、アジピックトリグリセリド、ジメチコン、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、水素添加植物油、マレイン化大豆油、ラノリン油、ポリブテン、オレイルアルコール;ヘキサデシルアルコール麦芽グリセリドおよびそれらの混合物より成る群から選択される。選択された個々の油または油の集合体は、ここでの使用のために選択された液化されたワックスに可溶でなければならない。それゆえ、油は約5から約10の溶解度指数を持つ。ワックスおよび油に対するそれぞれの溶解度指数は、ここに参照文献として組み込まれるが、"Cosmetics & Toiletries"、第103巻、1988年、10月;中に報告されている。
本発明中で有用な柔軟化剤は、ここに参照文献として組み込まれるが、The C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook、572-575頁、1992年;中に見いだされる。前記の柔軟化剤は、ラノリン、合成ラノリン誘導体、変性ラノリン、イソプロピルパルミテート、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルイソステアレート、セチルリシノレエート、オクチルパルミテート、セチルリシノレエート、グリセリルトリオクタノエート、ジイソプロピルジメレート、プロピレングリコール、ミリスチルアセテート、イソプロピルミリステート、ジエチルセバケート;ジイソプロピルアジペート;トコフェリルアセテート;トコフェリルリノレエート;ヘキサデシルステアレート;エチルラクテート;セチルラクテート、セチルオレエート、オクチルヒドロキシステアレート;オクチルドデカノール、デシルオレエート、プロピレングリコールリシノレエート、イソプロピルラノレート、ペンタエリスリチルテトラステアレート、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジカプレート、水素添加ココグリセリド、イソトリデシルイソノナノエート、イソノニルイソノナノエート、ミリスタールミリステート、トリイソセチルシトレート、セチルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコールおよびそれらの混合物を含む。特に有用な柔軟化剤はラノリン、イソプロビルイソステアレート、セチルラクテート、オクチルヒドロキシステアレートおよびそれらの混合物より成る群から選択される。
本発明中で有用な湿潤剤は、ここに参照文献として組み込まれるが、The C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook、567頁、1992年;中に開示されているものを含む。本発明中で有用な閉塞剤(occulusives)は同様に、ここに参照文献として組み込まれるが、The C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook中の578-580頁;に見いだされる。
2.二次物質
本発明の二次物質は、前記の二次物質が30℃で約10mmHgより小さい蒸気圧を持つ揮発性物質、非揮発性物質およびそれらの混合物より成る群から選択され、ここで前記の二次物質が約0.5から約5,000センチストークの粘度である。本発明中で二次物質は、組成物の約5%から約70%、望ましくは約15%から約50%、そして最も望ましくは約30%から約40%から成る。
本発明の二次物質は、前記の二次物質が30℃で約10mmHgより小さい蒸気圧を持つ揮発性物質、非揮発性物質およびそれらの混合物より成る群から選択され、ここで前記の二次物質が約0.5から約5,000センチストークの粘度である。本発明中で二次物質は、組成物の約5%から約70%、望ましくは約15%から約50%、そして最も望ましくは約30%から約40%から成る。
本発明の二次物質は、一次物質と非相溶性である単一の物質または物質の集合体から成る。非相溶性ということによって、二次物質が液化された一次物質中全体に乳濁層と同様に、分散されるということを意味する。固化によって、この二次物質は最終的に望ましくは均一な分布で;すなわち一次物質中全体に分布した小粒子または小滴として、一次物質中に組み入れられる。二次物質はその組成物が、唇上での組成物の適用によって産生される剪断力を受けるまで一次物質中に組み入れられて留まっている。この時点で、組み入れられた二次物質はその癒合を防ぐ物理的な遮蔽を持たず、そこでの二次物質が一次物質上に拡散し、事実上一次物質上に遮蔽層を形成する。
しかしながら、一次および二次物質を形成する個々の成分のいくつかは相手の物質とある程度の相溶性を示してもよいということが注目されるべきである。実際、一次または二次物質のどちらかとして選択された物質のいくつかは、一次および二次物質の間で共通に存在することがある。揮発性油は一次および二次物質の間に共通に存在するそのような例のひとつである。しかしながら、本発明中の一次および二次物質の両方に対して、少なくともいくらかの相溶性を示すいかなる成分も、その包含が一次および二次物質を完全に相溶性にする程の相溶性は示さないであろう。更に、二次物質が一次物質と非相溶性である場合、前記の二次物質は物質の集合体でもよく、ここでこれらの物質のいくつかそしておそらく全てが互いに非相溶性である。
前記の一次物質内に組み入れられた二次物質の存在は、乳濁液の遠心分離による二つの分離した相の形成、組み入れられた二次物質が固体の親油性物質の連続した層内に直接観察される固体成分の顕微鏡検査を含む、技師による定型的な分析法を用いて容易に検出できる。
「揮発性」ということによって、前記の揮発性油の蒸気圧が、当業者に知られている分析法を用いて30℃で測定された時、約10mmHgより小さく、望ましくは約1mmHgより小さく、そして最も望ましくは約0.5mmHgより小さいということを意味する。本発明の前記の二次物質は約0.5から約5,000センチストーク(cSt)、望ましくは約1から約500cSt、最も望ましくは約10から約100cStの粘度を持つ。本発明の二次物質は揮発性でも非揮発性のどちらかでよいけれども、非揮発性物質が望ましい。
本発明の前記の二次物質は、前記の組成物の唇への適用の結果生じる厚さにおいて、望ましくは光学的に透明または半透明に近い。唇上で一次物質上に遮蔽層またはフィルムを形成する二次物質は、組成物が唇に適用された後唇での本組成物の色の表現をゆがめないように、裸眼で検出できないようなものである。この光学的な透明さはフィルム対照比(film contrast ratio)によって測定される。対照比は望ましくは前記の二次物質の1ミル(0.001インチ)の厚さのフィルムに対して0.00と0.20の間である。対照比の測定法は以下のようなものである:
1.平板な空の(vacuum)テーブル上に2A型不透明用紙(The Leneta Company,Ho-Ho-Kus,NJ,USA)を置く;
2.不透明用紙上に0.001"Brydフィルムアプリケーター(MCD Industries,Medfield,MA,USA)を用いて、用紙の白と黒の両方の領域をコートして前記の二次物質の0.001"の厚さのフィルムを引く;そして
3.分光光度計(例えば、Microflash,Datacolor International,Lawrenccville,NJ,USA)を用いて用紙の黒の部分上のY-値および白の部分上のY-値を測定する。
対照比はY-値(黒)/Y-値(白)として定義される。
1.平板な空の(vacuum)テーブル上に2A型不透明用紙(The Leneta Company,Ho-Ho-Kus,NJ,USA)を置く;
2.不透明用紙上に0.001"Brydフィルムアプリケーター(MCD Industries,Medfield,MA,USA)を用いて、用紙の白と黒の両方の領域をコートして前記の二次物質の0.001"の厚さのフィルムを引く;そして
3.分光光度計(例えば、Microflash,Datacolor International,Lawrenccville,NJ,USA)を用いて用紙の黒の部分上のY-値および白の部分上のY-値を測定する。
対照比はY-値(黒)/Y-値(白)として定義される。
前に述べられたように、二次物質は組成物が唇上に適用された後一次物質上に遮蔽層を形成する。それゆえ、二次物質が一次物質中で減衰したりまたは一次物質上に別個の小滴を形成したりすることなく前記の遮蔽層を形成するために、組成物の通常の適用によって一次物質から分離しそして唇上へ容易に拡散するということが重要である。このような状態で分離しそして残留する二次物質の能力は、二次物質の表面張力と下の層の一次物質の表面張力とによって決定される。二次物質はその表面張力が表面の濡れに対する臨界表面張力に等しいかまたはそれ以下の時に、表面に拡がることができるとわかっている。FoxとZismanによって最初に定義された表面の濡れに対する臨界表面張力は、表面でのゼロ接触角を丁度示す二次物質の表面張力に等しい;すべてがここに参照文献として組み込まれるが、H.W.Fox and W.A.Zisman,J.Colloid Sci.,5,514(1950)、H.W.Fox and W.A.Zisman,J.Colloid Sci.,7,109(1952)およびH.W.Fox and W.A.Zisman,J.Colloid Sci.,7,428(1952)を参照。この濡れに対する臨界表面張力は一次物質の組成によって変化するので、濡れに対する臨界表面張力に等しいかまたはそれ以下の表面張力を持つ二次物質はそれぞれの特定の一次物質の組成によって選択されなくてはならない。このような二次物質は、組成物の一次物質の平らな、塗布されたフィルム上に置かれた時に約ゼロの接触角を示すであろう。
本発明の二次物質の表面張力は約35dynes/cmより小さく、望ましくは約30dynes/cmより小さく、最も望ましくは約25dynes/cmより小さい。
ここで末端基R1およびR6はそれぞれ水酸基、約C1から約C6の炭素鎖長を持つ低級アルキル基およびそれらの混合物、望ましくはメチル基より成る群から独立に選択され、そして非末端基のR2、R3、R4およびR5はそれぞれメチル基、フルオロアルキル基、フェニル基およびそれらの混合物より独立に選択される。
メチル基から成る非末端基(R2、R3、R4およびR5)を持つポリ(有機シロキサン)液は技術的に知られており、比較的非親油性の特性の最終生成物を与える。このような非末端基を持つ購入可能な非揮発性シリコーン液は、Dow Corningから200 Fluidsとして入手可能なものおよびGeneral ElectricからSF-96シリーズとして入手可能なものを含む。フルオロアルキル基から成る非末端基を持つシリコーン液もまたここでは有用である。しかしながら、フッ素原子がC3からC8の鎖長を持つアルキル基に結合し、そこでのフッ素原子がシリコーン/炭素結合から3番目より近くない炭素原子の位置で前記のアルキル基に結合していることが望ましい。このような非末端基を持つ購入可能な非揮発性シリコーン液は、Dow Corningから1265 Fluidsシリーズとして入手可能なもの、およびGeneral ElectricからSF-1153シリーズとして入手可能なものを含み、最も望ましいものは1265 Fluidシリーズであり、最も望ましくは約100cStから約350cStの粘度を持つものである。
アリール基から成る非末端基を持つシリコーン液もまた本発明中では有用である。本発明中で特に有用なアリール基はフェニル基である。購入可能な特に有用なアリル置換シリコーン液は、Dow Corningから556シリーズとして入手可能である。
本発明の望ましいポリ(有機シロキサン)液はポリ(ジメチルシロキサン)液、ポリ(フェニルメチルシロキサン)液、ポリ(フルオロアルキルメチルシロキサン)液、前記の液のコポリマーおよびそれらの混合物より成る群から選択される。より望ましい液体は、ポリ(ジメチルシロキサン)液、それらのコポリマーおよびそれらの混合物より成る群から選択される。最も望ましいものはポリ(ジメチルシロキサン)液およびそれらのコポリマーで、望ましくはジメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコンおよびそれらの混合物より成る群から選択される。
ここでR1からR5はフッ素原子、パーフルオロアルキル基、オキシパーフルオロアルキル基およびそれらの混合物より成る群から選択され、p、q、およびrの値は合わせてパーフルオロポリエーテルの分子量が約500から約10,000になるような値であり、そこでのp、qおよびrは等しくてもよい。望ましいパーフルオロポリエーテルは、イタリア、ミラノのMontefluosuより入手可能なFomblin HC−01、−02、−03および−04、HC−25およびHC−Rとして知られている購入可能な製品である。非揮発性パーフルオロポリエーテルが望ましい。
C.任意の成分
本発明の組成物は更に、製品への様々の消費者にとって望ましい特性を供給するために、上に開示された組成物に加えられてもよい任意の成分を含む。前記の任意の成分は、望ましいとみなされる特定の化粧品としての効果を生み出すために、化粧品技術中で慣習的に用いられるものを含む。
本発明の組成物は更に、製品への様々の消費者にとって望ましい特性を供給するために、上に開示された組成物に加えられてもよい任意の成分を含む。前記の任意の成分は、望ましいとみなされる特定の化粧品としての効果を生み出すために、化粧品技術中で慣習的に用いられるものを含む。
界面活性剤は、それらが一次物質中に組み入れられた二次物質を充分には安定化せず、または唇上に適用された時一次物質から前記の二次物質を分離させる限りにおいて、本発明中で用いられてよい。界面活性剤は、色素やマイカおよびタルクのような他の固形物の分散性を増加し、水、グリセリンおよびグリセロールのような液体分散層を安定化し、柔軟化および皮膚での使用感の修正のような利点を得るためのものとして口紅製造業界でよく知られている;すなわち正しい組み合わせは口紅をより硬くなくすることができる。陰イオン型界面活性剤、非イオン型界面活性剤、陽イオン型界面活性剤、両性界面活性剤およびそれらの混合物が使用するのに適している。本発明中で用いられるより一般的な界面活性剤は、ここに参照文献として組み込まれるが、the C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook、587-592頁、1992年;中に見いだされるものを含む。より一般的に用いられるもののいくつかは、エトキシ化ひまし油、レシチン、脂肪酸と脂肪酸の塩(ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛)、脂肪族アルコール(例えばオレイルアルコール)、アスコルビルパルミテート、酸化されたワックス、モノおよびジグリセリド(グリセリルオレエート)、ラウロイルリジン、セチルラクテートおよびそれらの混合物を含む。
界面活性剤に加えて、保存剤、日光遮蔽剤、UV吸収剤、抗酸化剤、香料、香水、着色剤、染料および技術中で慣習的に用いられる他の成分のような、他の成分が含まれる。一次物質中に組み込まれる染料と着色剤の場合には、一次および二次物質は二次物質の色付や着色を避けるために充分に非相溶性であることが重要である。
実施例2
実施例1-9は、以下の指示に従って組み立てられる:
色素とひまし油を、色素が前記のひまし油中に組み込まれるまで撹拌しながら容器中で混ぜ合わせる。色素の粒子の油中の分散物を与えるように混合物を三本ロールミルに三回通す;これよりそれをスラリーと表わす。
色素とひまし油を、色素が前記のひまし油中に組み込まれるまで撹拌しながら容器中で混ぜ合わせる。色素の粒子の油中の分散物を与えるように混合物を三本ロールミルに三回通す;これよりそれをスラリーと表わす。
二次物質以外の、全ての残りの成分を加熱撹拌の装置のついた容器中で混ぜ合わせる。配合物を約95℃まで加熱し、そこでの前記の成分が液状になるように充分な時間それを持続する。加熱を続けながら、成分の配合物を約30分間撹拌し、透明な黄色い液体を得る。配合物を薄い黄色のワックス状の固体になるように約21℃に冷却する;これよりそれを基剤と表わす。
色素のスラリーと基剤、これより合わせて一次物質と表わすが、を最初に組成物中での重量百分率の高い順に二次物質と合わせる。配合物が液体になるまでこの配合物を約90℃まで加熱する。配合物の加熱をやめ、Janke & Kunkel Ultra-Turraxタービンミキサーを用いて10,000RPMで約3分間混ぜ合わせる。配合物を直ちに、室温のアルミニウムの弾丸状の型に注ぎ入れる。充填した型を配合物が固体になるまで冷却する。固体の組成物を型から取出し、適当な化粧品用容器に収める。
実施例10は以下の指示に従って作られる:
色素とジメチコンを撹拌装置のついた容器中で合わせる。ジメチコン中に色素を組み込んだ後に、ジメチコン中で色素の粒子の分散物を与えるように混合物を三本ロールミルに三回通す;これよりそれをスラリーと表わす。
色素とジメチコンを撹拌装置のついた容器中で合わせる。ジメチコン中に色素を組み込んだ後に、ジメチコン中で色素の粒子の分散物を与えるように混合物を三本ロールミルに三回通す;これよりそれをスラリーと表わす。
パーフルオロポリエーテル液とスラリーを除いて、全ての残りの成分を加熱撹拌装置のついた容器中で混ぜ合わせる。残りの成分を約95℃まで加熱し、前記の成分が液状になるように充分な時間それを持続する。この温度を保ちながら、前記の成分を約30分間、または透明な黄色の液体が得られるまで撹拌する。配合物を薄い黄色のワックス状の固体になるまで約21℃に冷却する;これよりそれを基剤と表わす。
色素のスラリーと基剤を、これより合わせて一次物質と表わすが、二次物質であるパーフルオロポリエーテル液と合わせる。組成物をそれが液体になるまで約90℃まで加熱する。組成物の加熱をやめ、そして約3分間Janke & Kunkel Ultra-Turraxタービンミキサーを用いて10,000RPMで混ぜ合わせる。組成物を直ちに、室温のアルミニウムの弾丸状の型に注ぎ入れる。充填した型を組成物が固体になるまで冷却する。固体の組成物を型から取出し、適当な化粧品用容器に収める。
実施例11
実施例11は以下の指示に従って作られる:
色素とひまし油を、色素が前記のひまし油中に組み込まれるまで撹拌しながら容器中で混ぜ合わせる。色素の粒子の油中の分散物を与えるように混合物を三本ロールミルに三回通す;これよりそれをスラリーと表わす。
色素とひまし油を、色素が前記のひまし油中に組み込まれるまで撹拌しながら容器中で混ぜ合わせる。色素の粒子の油中の分散物を与えるように混合物を三本ロールミルに三回通す;これよりそれをスラリーと表わす。
二次物質とイソドデカン以外の、全ての残りの成分を加熱撹拌の装置のついた容器中で混ぜ合わせる。配合物を約95℃まで加熱し、そこでの前記の成分が液状になるように充分な時間それを持続する。加熱を続けながら、成分の配合物を約30分間撹拌し、透明な黄色い液体を得る。配合物を薄い黄色のワックス状の固体になるように約21℃に冷却する;これよりそれを基剤と表わす。
色素のスラリーと基剤、これより合わせて一次物質と表わすが、を最初に組成物中での重量百分率の高い順に二次物質と合わせる。配合物が液体になるまでこの配合物を約90℃まで加熱する。配合物の加熱をやめ、Janke & Kunkel Ultra-Turraxタービンミキサーを用いて10,000RPMで約3分間混ぜ合わせる。配合物を約70℃まで冷却し、イソドデカンを加え、そしてプロペラ型のミキサーを用いて1分間撹拌する。配合物を直ちに、冷たい(5℃)のアルミニウムの弾丸状の型に注ぎ入れる。充填した型を配合物が固体になるまで冷却する。固体の組成物を型から取出し、適当な化粧品用容器に収める。
Claims (7)
- 以下のものを含む口紅用組成物であって、
A) 一次物質を50〜85%含み、該一次物質が、
i)キャンデリア、オゾケライト、パラフィン、カルナバワックスおよびその混合物から成る群より選択されるワックス、
ii)前記ワックスと、カプリリックトリグリセリド、カプリックトリグリセリド、イソステアリックトリグリセリド、ひまし油、アジピックトリグリセリド、ジメチコン、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、水素添加植物油、マレイル化大豆油、ラノリン油、ポリブテン、ヘキサドデシルアルコール、麦芽グリセリドおよびそれらの混合物から成る群から選択される可溶性非揮発性油との配合物、もしくは
iii)前記ワックス/非揮発性油配合物および相溶性揮発性炭化水素油との配合物、であって、
B) 二次物質を15%〜50%含み、該二次物質は0.005〜50cm2/sの粘度を有し、かつ、ポリ(ジメチルシロキサン)液、ポリ(フェニルメチルシロキサン)液、ポリ(フルオロアルキルメチルシロキサン)液、パーフルオロポリエーテルおよびそれらの混合物から成る群から選択される非揮発性物質であり、
ここで、前記組成物が一次物質中に組み入れられた二次物質を十分に安定化する界面活性剤を含まない、ことを特徴とする口紅用組成物。 - 前記の二次物質が光学的に透明である請求項1に記載の組成物。
- 前記の二次物質が35dynes/cmより小さい表面張力を持つ請求項1または2に記載の組成物。
- 前記の二次物質が25dynes/cmより小さい表面張力を持つ請求項1または2に記載の組成物。
- 前記のシリコーン液がジメチコンである請求項1に記載の組成物。
- 前記のパーフルオロポリエーテルが非揮発性である請求項6に記載の組成物。
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