JP2006044689A - パレットボードと荷物運搬用パレット - Google Patents
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Abstract
【課題】 軽量かつ高い剛性を有し、耐久性に優れ、汚れ難く、サイズ仕様が可変で釘や木ネジ等の固定具を用いて簡単に組み立てることが可能な荷物運搬用パレットを提供することを目的とする。
【解決手段】 平行に配置された複数の木製の桁材2と、両面に凸条5と凹溝6が形成された合成樹脂製のパレットボード3と、桁材2の側面にパレットボード3を取り付けるための固定具とを備え、凸条5及び凹溝6が桁材2に対して直交するようにパレットボード3が桁材2の上下両側面にそれぞれ取り付けられ、凹溝6を形成する底部6a及び側面部6bにおいて底部6aの肉厚が側面部6bの肉厚よりも厚い構造を有することを特徴とする。
【選択図】 図7
【解決手段】 平行に配置された複数の木製の桁材2と、両面に凸条5と凹溝6が形成された合成樹脂製のパレットボード3と、桁材2の側面にパレットボード3を取り付けるための固定具とを備え、凸条5及び凹溝6が桁材2に対して直交するようにパレットボード3が桁材2の上下両側面にそれぞれ取り付けられ、凹溝6を形成する底部6a及び側面部6bにおいて底部6aの肉厚が側面部6bの肉厚よりも厚い構造を有することを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
本発明は、フォークリフトによる荷役作業において繰り返し使用される荷物運搬用パレットに係り、特に軽量かつ頑丈で耐久性に優れるパレットボードと荷物運搬用パレットに関する。
工場や倉庫などで荷物を運搬する際に使用されるパレットは、多量の荷物を積載してフォークリフトによる移動、保管に繰返し使用されるため、軽量かつ頑丈であることが要求される。また、パレットには大きな荷重や衝撃が加わったり、野外に放置されたりするので、耐久性も必要とされる。
従来より、これらの特性を満足するものとして木製パレットと合成樹脂製パレットが用いられてきた。木製のパレットは、構造が簡単で、釘打ちで組み立てられ、比較的軽量かつ頑丈である。すなわち、パレットの性能規格(JIS規格、利用者の規格など)の重要な項目は、所定の加重をかけたときの各種の曲げたわみ(曲げ剛性)であるが、木材の弾性率/比重は、比較的弱い杉でも、7000MPa/0.4もあり、ポリプロピレンあるいはポリエチレンの弾性率/比重、1200MPa/0.9に比べて約15倍と非常に大きいので、木製パレットの場合は単純な板と桁の釘打ち組み立てでも十分な性能が出て、同じ性能で比べた場合、木製パレットの方が合成樹脂製パレットよりも軽量化できる。また、木製の角材で形成される桁は、手打ちでも、自動釘打ち機によっても、釘や木ネジを打ち込みやすく、また抜け難いので、組み立てが容易である。さらに、一部が破損しても、その部分の釘抜き、釘打ちで部分補修ができる。また、板と桁を簡単に切断研削することによって、利用者の要求に応じて自由なサイズのものができる。同じ性能の合成樹脂製パレットと比較すると木製パレットは比較的低価格である。一方、木製パレットは表面からトゲが出たり、木屑が落ちたりし易く、また、表面に水や油、積載物から落ちた汚れあるいは取り扱いの際に落ちた汚れなどが染み込み易く、カビや汚れもつき易い。さらに、その汚れが目立ち易く、洗浄しても落ち難いので、積載面が黒く汚れることが多く、食品などの積荷の荷役用には忌避される傾向もある。また、水が染み込んで腐食して板がかけたり折れたりすると合成樹脂製に比べて耐久性が著しく低下する可能性がある。
一方、合成樹脂製パレットは、表面に汚れが染み込むことが少なく、清潔感があり、破損しない限り、耐久性があり、また、一度型が決まると射出成形機などにより大量に連続成形することができるため、生産性が高いことが特徴であるが、木製パレットと同等の頑丈さを有するものは高価である。さらに、合成樹脂製パレットは自由なサイズのものが簡単にはできず、積載面やフォーク当接面が滑り易く、破損した場合補修が困難であるといった欠点を有している。
合成樹脂製パレットは、一般にパレットボードと桁材を射出成形などにより一体成形したものと、上下の構造を別々に成形し、熱融着などで貼り合わせた上下貼り合わせのものとに大別される。これらはいずれも一つの寸法形状のパレット仕様に対して、一組の金型を必要とする。前述したとおり、ポリプロピレンなどの合成樹脂は、木材に比べて重さあたりの剛性(比弾性率)が15分の1と小さいので、強度・剛性を十分保って極力軽量化するためには複雑な肉抜きが必要であり、またパレットボードと桁材とを連続した構造体とするために精密で複雑な成形金型を使用する必要がある。このような金型は非常に高価であり、一つの金型で多数の成形品を生産しないと減価償却ができないため、一般に合成樹脂製パレットは高価である。また、多種少量生産といった利用者の要求に対応するためには、多くの種類の金型と在庫を持つ必要がある。なおこの場合、別の金型へ切り替えるのにさらに時間とコストが余分にかかるという問題がある。
また、合成樹脂製パレットは、一体成形型も上下貼り合わせ型もJIS規格や利用者の要求に対して必要な強度・剛性を保持し、かつ十分軽く作るためにパレットボードと桁材を分けずに、幅方向(あるフォーク爪差込口から見た幅の方向)と同時に奥行き方向(幅方向に対して直角方向、2方差しパレットではフォーク爪差込方向、すなわち桁材の配列方向)の曲げ強度、曲げ剛性を合成樹脂の連続体からなる全体のネットワーク構造で保持するように設計し、複雑な金型で、できるだけ薄いリブ構造を多数形成している。このために、フォーク爪の突きや衝突落下により破損し易く、また、一箇所破損すると修理がほとんどできないため、全体を廃棄せざるを得ないという欠点がある。さらに、複雑なリブ構造の内面や凹部に汚れが溜まり易く、その清掃洗浄が容易でないという欠点もある。
さらに、合成樹脂製パレットの性能は、一体成形型も上下貼り合わせ型も材料として使用する樹脂の機械的強度に依存する。すなわち、再生合成樹脂などの強度弾性率が低下した材料を用いて、通常の合成樹脂用の金型でパレットを成形すると、曲げたわみが非常に大きくなり、幅広い用途に使用することができない。従って、十分な強度・剛性を確保するために全体的に肉厚を厚くし、樹脂を多く使用せざるを得なくなり、その結果、パレットが非常に重くなるという課題があった。
また、パレットボードと桁材を合成樹脂で別々に成形した部品を接合金具などで連結固定した場合、サイズの自由度が上がり、部分補修も可能になるが、パレットボードと桁材が分割されているために、一体成形型や貼り合わせ型の合成樹脂製パレットに比べると桁材方向の曲げに対してパレットボードの曲げ強度・剛性がほとんど寄与せず、桁材方向の強度・剛性が小さくなるため、十分軽く、かつ頑丈なパレットを製造することができないという課題があった。
また、パレットボードと桁材を合成樹脂で別々に成形した部品を接合金具などで連結固定した場合、サイズの自由度が上がり、部分補修も可能になるが、パレットボードと桁材が分割されているために、一体成形型や貼り合わせ型の合成樹脂製パレットに比べると桁材方向の曲げに対してパレットボードの曲げ強度・剛性がほとんど寄与せず、桁材方向の強度・剛性が小さくなるため、十分軽く、かつ頑丈なパレットを製造することができないという課題があった。
このような課題に対処するため、いくつかの発明及び考案が開示されている。例えば特許文献1には、「パレット」という名称で、積荷の保管や運搬等に用いるパレットに関する考案が開示されている。
以下、図8を参照しながら、特許文献1に開示された技術について説明する。図8は従来技術の一実施例を示すパレットの全体斜視図である。図8に示すようにこの実施例に係るパレット50は、釘打ち部55が形成された中空二重構造のプラスチック製のデッキボード51と、木製又はプラスチック製のデッキボード52と、木製の桁材53とから構成され、デッキボード51には上壁面の一方から凹ませて互いに溶着した厚肉状の釘打ち部55が形成されるとともに、デッキボード51は釘打ち部55に打ち込まれた釘54により桁材53の両端に固定配置され、デッキボード52は釘54により桁材53の両端以外の箇所に固定配置された構造を備えるものである。
このような構造のパレットにおいては、厚肉状の釘打ち部55は強度が大きいため、釘54を釘打ち部55から桁材53に打ち込むことによりデッキボード51を桁材53に強固に固定することが可能となる。従って、構造が簡単で堅牢度の高いパレットが構成される。
このような構造のパレットにおいては、厚肉状の釘打ち部55は強度が大きいため、釘54を釘打ち部55から桁材53に打ち込むことによりデッキボード51を桁材53に強固に固定することが可能となる。従って、構造が簡単で堅牢度の高いパレットが構成される。
また特許文献2には、「樹脂製パレット」という名称で、樹脂材料を素材として用いたパレットに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、平行に配置された樹脂製脚材と、脚材と直交する方向に配置された樹脂製デッキ材とから構成され、デッキ材は裏面側が空洞部とされた凸条と凹溝とが交互に配列した形状であり、デッキ材と脚材とはデッキ材の凹溝の底面に打ち込んだ固定具により一体に固定された構造を備えるものである。
このような構造のパレットにおいては、組み立てが容易であり、部分的な損傷に対する交換補修も可能であり、かつ、サイズが異なる場合でも製造コストを高騰させることなく容易に対応することが可能である。
特許文献2に開示された発明は、平行に配置された樹脂製脚材と、脚材と直交する方向に配置された樹脂製デッキ材とから構成され、デッキ材は裏面側が空洞部とされた凸条と凹溝とが交互に配列した形状であり、デッキ材と脚材とはデッキ材の凹溝の底面に打ち込んだ固定具により一体に固定された構造を備えるものである。
このような構造のパレットにおいては、組み立てが容易であり、部分的な損傷に対する交換補修も可能であり、かつ、サイズが異なる場合でも製造コストを高騰させることなく容易に対応することが可能である。
特許文献3には「パレット」という名称で、荷物の保管、荷役、輸送に用いるパレットに関する考案が開示されている。
特許文献3に開示された考案は、桁とデッキボードを接合したパレットにおいて、デッキボードを構成するデッキボード部材の少なくとも一部を内部に補強壁を有する中空状プラスチック板材とするものである。
このような構造のパレットにおいては、軽量でしかも曲げなどの強度に優れる可能性があり、使用時におけるデッキボード部材からの破損屑の発生を防ぐことができる。
特許文献3に開示された考案は、桁とデッキボードを接合したパレットにおいて、デッキボードを構成するデッキボード部材の少なくとも一部を内部に補強壁を有する中空状プラスチック板材とするものである。
このような構造のパレットにおいては、軽量でしかも曲げなどの強度に優れる可能性があり、使用時におけるデッキボード部材からの破損屑の発生を防ぐことができる。
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された考案においては、デッキボード51、52と桁材53との接合方法を提示しているが、この方法は中空ボードを成形し、さらに上下が融着した釘打ち用窪みを成形する必要があり、その成形方法の記載がなく、また実施が困難であり製造コストも非常に高くなるという問題がある。また、パレットの重量増加を抑えつつ曲げ剛性を高める構造については何の記載も示唆もされていないし、図8のようにデッキボードの長さ方向に直角な方向に長い釘打ち用窪みを設けることは、逆にデッキボードの曲げ剛性を低下させてしまうという問題を生ずる。
また、特許文献2に開示された発明においては、デッキ材だけでなく脚材も樹脂成形品としているため、脚材方向の剛性が十分ではない。そこで、脚材を太くするか、脚材の本数を増やすことになるが、どちらも重量及び製造コストを増加させることになる。また、釘打ち又はネジによって樹脂同士を固定する場合、固定強度が十分ではなく、また、部材が破損する可能性も高い。さらに、積載面あるいはフォーク当接面の滑りについての対策に関して何ら記載がされていない。
特許文献3に開示された考案においては、内部に補強壁を有する中空構造の樹脂製デッキボードを成形する必要があるため、ブロー成形あるいは押出成形の高度な設備を要し、金型の構造が複雑になり、製造コストが高くなる。また、中空二重壁に釘などの固定具を用いても固定効果が弱いという問題がありながら、デッキボードと桁との接合方法に関して十分な記載がない。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、軽量かつ高い強度・剛性を有し、サイズが可変で耐久性に優れ、汚れ難く、釘や木ネジ等の固定具を用いて簡単に組み立てることが可能な荷物運搬用パレットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明であるパレットボードは、平行な複数の凸条と凹溝が表裏両面に形成される合成樹脂製パレットボードであって、凹溝は、側面部とこの側面部よりも厚い肉厚を有する底部とを備える凹溝であるものである。
ここで、断面2次モーメントと部材の曲げ強度について説明する。長さをL、ヤング率をE、断面2次モーメントをIとする薄板状の部材に対して、両端を単純支持し中央に荷重Wを加えた場合、中央部のたわみ量Yは次の式(1)で表される。
Y=(W・L3)/(48・E・I) (1)
式(1)に示すようにたわみ量Yは断面2次モーメントIに逆比例する。荷物を積載したパレットボードにおいては、上記の場合と拘束条件や荷重条件が異なるため、そのたわみ量は式(1)で表されるとは限らない。しかしながら、たわみ量と断面2次モーメントについては上記と同様の関係が成り立つ。すなわち、パレットボードの断面2次モーメントを大きくすると、たわみ量が少なくなり、曲げ強度が向上する。
次に断面2次モーメントについて説明する。部材の断面形状において微小面積をΔA、ΔAの中立面からの距離をxとするとその断面2次モーメントIは次の式(2)で表現される。
I=Σ(ΔA・x2) (2)
式(2)によれば、部材の重量増加を抑えつつ断面2次モーメントを大きくするには、部材の断面形状において中立面に近い部分の面積を小さくし、中立面から遠い部分の面積を大きくすることが有効である。
Y=(W・L3)/(48・E・I) (1)
式(1)に示すようにたわみ量Yは断面2次モーメントIに逆比例する。荷物を積載したパレットボードにおいては、上記の場合と拘束条件や荷重条件が異なるため、そのたわみ量は式(1)で表されるとは限らない。しかしながら、たわみ量と断面2次モーメントについては上記と同様の関係が成り立つ。すなわち、パレットボードの断面2次モーメントを大きくすると、たわみ量が少なくなり、曲げ強度が向上する。
次に断面2次モーメントについて説明する。部材の断面形状において微小面積をΔA、ΔAの中立面からの距離をxとするとその断面2次モーメントIは次の式(2)で表現される。
I=Σ(ΔA・x2) (2)
式(2)によれば、部材の重量増加を抑えつつ断面2次モーメントを大きくするには、部材の断面形状において中立面に近い部分の面積を小さくし、中立面から遠い部分の面積を大きくすることが有効である。
上記の説明によれば、請求項1記載のパレットボードは、凸条及び凹溝が設けられているため、凸条又は凹溝の方向に直角な方向の曲げに対する断面2次モーメントが同一重量(同一断面積)の平坦な形状のパレットボードよりも大きいという作用を有する。さらに、凹溝を構成する側面部及び底部において底部の肉厚が側面部よりも厚いため、本パレットボードは同一重量(同一断面積)であって肉厚が均一、かつ凸条及び凹溝を有するパレットボードよりも上記の断面2モーメントが大きいという作用を有する。この場合、積載面から見た凸条の肉厚も厚い方が好ましいことはいうまでもないが、次項で述べるように凸条の幅は十分広くとる方が好ましいので、凸条の肉厚が側面部の肉厚よりも大きいことは必須ではない。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のパレットボードにおいて積載面から見た凸条の幅を凹溝の幅よりも広く設けたものである。
上記構成のパレットボードにおいては、請求項1記載の発明と同様の作用を有するとともに、荷物との接触面積が広いことにより荷物から受ける接触圧力が小さいという作用を有する。
上記構成のパレットボードにおいては、請求項1記載の発明と同様の作用を有するとともに、荷物との接触面積が広いことにより荷物から受ける接触圧力が小さいという作用を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のパレットボードにおいて、凹溝に対して平行となるように線状の薄肉部を設けたものである。
上記構成のパレットボードにおいては、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の作用を有するとともに、線状の薄肉部を超音波カッターなどを用いて切断することによりパレットボードが容易に分割されるという作用を有する。
上記構成のパレットボードにおいては、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の作用を有するとともに、線状の薄肉部を超音波カッターなどを用いて切断することによりパレットボードが容易に分割されるという作用を有する。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の合成樹脂製のパレットボードにおいて、凸条の表面に微小な凹凸を形成した構造を備えるものである。
上記構成のパレットボードにおいては、積載面として使われる上記凸条表面の微小な凹凸が積載物を滑り難くし、また、裏面の凸条に設けられた微小な凹凸がフォーク爪を滑り難くするという作用を有する。
上記構成のパレットボードにおいては、積載面として使われる上記凸条表面の微小な凹凸が積載物を滑り難くし、また、裏面の凸条に設けられた微小な凹凸がフォーク爪を滑り難くするという作用を有する。
請求項5記載の発明は、平行に配置された複数の木製の桁材と、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパレットボードと、桁材の上下両側面にパレットボードを取り付けるための固定具とを備えた荷物運搬用パレットにおいて、凸条及び凹溝が桁材に対して直交するようにパレットボードを桁材の上下両側面にそれぞれ取り付けたものである。
上記構成の荷物運搬用パレットにおいては、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様の作用を有するとともに、桁材がフォークリフトの爪を差し込む方向、すなわち奥行き方向に対して十分な曲げ強度・剛性を与え、それと直角方向、すなわち幅方向に対してはパレットボードが必要な曲げ強度・剛性を与えるという作用を有する。
上記構成の荷物運搬用パレットにおいては、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様の作用を有するとともに、桁材がフォークリフトの爪を差し込む方向、すなわち奥行き方向に対して十分な曲げ強度・剛性を与え、それと直角方向、すなわち幅方向に対してはパレットボードが必要な曲げ強度・剛性を与えるという作用を有する。
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の荷物運搬用パレットにおいて、パレットボードが桁材に取り付けられた状態で、上下のパレットボードに穿設された固定具の取り付け箇所が桁材に関して非対称となるものである。
上記構成の荷物運搬用パレットにおいては、請求項5に記載の発明と同様の作用を有するとともに、パレットボードを取り付けるために打ち込まれた固定具が桁材の内部で衝突や干渉がないという作用を有する。
上記構成の荷物運搬用パレットにおいては、請求項5に記載の発明と同様の作用を有するとともに、パレットボードを取り付けるために打ち込まれた固定具が桁材の内部で衝突や干渉がないという作用を有する。
以上説明したように、本発明の請求項1記載のパレットボードは、合成樹脂製であるため、荷物を積載する面が汚れ難く、木屑も発生し難い。さらに、本パレットボードは断面が重量をあまり増加させずに凸条又は凹溝の方向に直角な方向の曲げに対する断面2次モーメントを大きくする形状となっているため、本パレットボードを用いることにより、軽量かつ頑丈なパレットを実現することが可能である。
本発明の請求項2記載のパレットボードにおいては、請求項1記載の発明と同様の効果を有するとともに、凸条の幅を凹溝の幅よりも広くすることにより、荷物に凹溝の痕がつくことを防ぐとともに荷物の凹溝への落ち込み及びそれに伴う損傷を防ぐことができる。
本発明の請求項3に記載の発明においては、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の効果を有するとともに、実際に使用する大きさによらず一定の大きさで成形した板状の合成樹脂成形品をパレットボードとして使用することが可能である。また、パレットボードの破損した部分のみを分割して交換することができるため、製造及び補修にかかるコストを下げ、パレット寿命を延ばすことができる。さらに、異種類のパレットボードを同時に製造して分割し、それらを組み合わせて異種類のパレットを組み立てることが可能である。
本発明の請求項4に記載の発明においては、請求項1乃至請求項3に記載の発明と同様の効果を有するとともに、凸条の表面に設けられた微細な凹凸が滑り止めの作用を有するため、積載荷物の荷崩れ、滑り落ちを防ぎ、フォーク当接面が滑り難くなり、安全に荷役作業を行うことができる。従って、通常の合成樹脂製パレットの滑り止めとして使用されている滑り止めチップ(グローメット)の嵌め込み数を削減することが可能である。
本発明の請求項5に記載の荷物運搬用パレットにおいては、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様の効果を有するとともに、合成樹脂よりも曲げ弾性率が大きく比重が小さい木材を桁材に使用するため、全体が合成樹脂製のパレットに比べて、軽量かつ頑丈な構造とすることができる。また、木製の桁材は固定具を取付け易いと同時に固定具を容易に取り外せるため、一部が破損した場合に簡単に部分補修を行うことが可能である。
本発明の請求項6に記載の荷物運搬用パレットにおいては、請求項5に記載の発明と同様の効果を有するとともに、十分に長い固定具を用いることができるので頑丈なパレットを作ることができ、また、固定具を打ち込み損ねることがないため、パレットボードを桁材へ取り付ける作業が容易となり、製造及び補修にかかるコストを下げることができる。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係るパレットボードと荷物運搬用パレットの実施例について図1乃至図7を用いて説明する。
実施例1について図1を用いて説明する(特に、請求項1に対応)。図1(a)、(b)、(c)はいずれもパレットボードの断面形状を示す図である。まず、図1(a)は肉厚が均一で、かつ凸条5及び凹溝6を有するパレットボード3の断面形状を示したものである。このような構造のパレットボード3においては、重量及び断面積が図1(a)と同じで凸条5及び凹溝6を有しない平板状のパレットボードに比べて凸条5又は凹溝6の方向に直角な方向の曲げに対する断面2次モーメントを大きくすることが可能である。
次に図1(b)のパレットボード3は、図1(a)において肉厚を一様に厚くしたものである。このような構造のパレットボード3においては、図1(a)に比べて上記の断面2次モーメントを大きくすることができるが、その反面、重量の増加分も大きくなる。
図1(c)は、図1(a)において凹溝6を形成する底部6aの肉厚を側面部6bよりも厚くしたものである。このような構造のパレットボード3においては、図1(a)に比べて重量を増加させずに凸条5又は凹溝6の方向の曲げに対する断面2次モーメントをより大きくすることが可能である。なお、図1(c)はさらに凹溝6の開口部を底部6aよりも広くして側面部6bに抜き勾配を設けているが、このような構造によれば金型を用いて成形する場合に成形後のパレットボード3を容易に金型から外すことができるとともに、凹溝6と直角な方向に作用するせん断力に対する強度を向上させることが可能である。
次に図1(b)のパレットボード3は、図1(a)において肉厚を一様に厚くしたものである。このような構造のパレットボード3においては、図1(a)に比べて上記の断面2次モーメントを大きくすることができるが、その反面、重量の増加分も大きくなる。
図1(c)は、図1(a)において凹溝6を形成する底部6aの肉厚を側面部6bよりも厚くしたものである。このような構造のパレットボード3においては、図1(a)に比べて重量を増加させずに凸条5又は凹溝6の方向の曲げに対する断面2次モーメントをより大きくすることが可能である。なお、図1(c)はさらに凹溝6の開口部を底部6aよりも広くして側面部6bに抜き勾配を設けているが、このような構造によれば金型を用いて成形する場合に成形後のパレットボード3を容易に金型から外すことができるとともに、凹溝6と直角な方向に作用するせん断力に対する強度を向上させることが可能である。
上記の説明において、本発明の実施の形態に係る実施例1のパレットボード3は合成樹脂製であって、図1(c)に示した断面形状を有するものである。このような構造のパレットボードにおいては、木屑の発生が無く、また油や水が染み込まないため、荷物の積載面に汚れが付着し難い。また、一方向に凹溝が走っているので付着した汚れを洗浄し易い。さらに、本パレットボードを用いれば、軽量かつ頑丈なパレットの実現が可能である。
なお、本発明に係るパレットボードは上記実施例に限定されるものではない。例えば、凸条5又は凹溝6の方向に直角な方向の曲げに対する断面2次モーメントを大きくする方法としては、凹溝6の底部6aと凸条5の両方の肉厚を側面部6bの肉厚よりも厚くした構造とすることもできる。また、凸条5又は凹溝6の幅は等間隔でなくても良い。
次に実施例2について説明する(特に、請求項2に対応)。図2(a)、(b)、(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る実施例2のパレットボードの断面形状を示す図である。なお、実施例1と同一の要素については同一の符号を付してその構成及びそれに伴う作用若しくは効果の説明を省略する。
図2(a)、(b)、(c)に示すように、実施例2は実施例1のパレットボード3において凸条5の幅を凹溝6の幅よりも広く設けるものである。このうち、図2(b)は図2(a)に対して曲げ強度を補うために凹溝6と平行に形成されるリブ9を凸条5の下方に凸設したものであり、図2(c)は図2(a)に対して釘用窪み7aを凸条5に設けたものである。なお、固定具として木ネジ8を用いる場合には、凸条5に木ネジ用窪み8a及び木ネジ用下穴10を設けるものとする。本実施例について具体的に説明すると、積載面側から見た凹溝6の幅は20〜30mmが好ましい。また、積載面の凸条5の幅(溝に直角方向の長さ)は35mm以上とすることが望ましい。
図2(a)、(b)、(c)に示すように、実施例2は実施例1のパレットボード3において凸条5の幅を凹溝6の幅よりも広く設けるものである。このうち、図2(b)は図2(a)に対して曲げ強度を補うために凹溝6と平行に形成されるリブ9を凸条5の下方に凸設したものであり、図2(c)は図2(a)に対して釘用窪み7aを凸条5に設けたものである。なお、固定具として木ネジ8を用いる場合には、凸条5に木ネジ用窪み8a及び木ネジ用下穴10を設けるものとする。本実施例について具体的に説明すると、積載面側から見た凹溝6の幅は20〜30mmが好ましい。また、積載面の凸条5の幅(溝に直角方向の長さ)は35mm以上とすることが望ましい。
上記構成のパレットボード3においては、荷物と接触する面積が広いため、荷物に凹溝の痕がつき難く、荷物の凹溝への落ち込みやそれに伴う荷物の損傷を防ぐことができる。
また、図2(b)に示されるパレットボード3においては、リブ9によって積載物の荷重によるたわみを緩和させることができる。このリブ9は、図2(b)においては凹溝6の深さと同じ程度に凸設されているが、この長さに限定されるものではなく、例えば図示される長さの半分であっても曲げ強度は十分に補われるものである。
図2(c)に示されるパレットボード3においては、釘や木ネジでパレットボード3を固定することができると同時に、図2(b)のリブ9に代えて釘用窪み7aあるいは木ネジ用窪み8aを設けることで、その部分の曲げに対しても補強することが可能である。特に、凸条5の幅が広くなっている場合には、凹溝6の底部に釘や木ネジあるいはボルトを貫通させて上下のパレットボード3と挟まれる桁材を固定するだけでは固定力が不足するので、これらの窪みを設けて追加で釘や木ネジを貫通させることにより、固定に関する補強が可能である。
また、図2(b)に示されるパレットボード3においては、リブ9によって積載物の荷重によるたわみを緩和させることができる。このリブ9は、図2(b)においては凹溝6の深さと同じ程度に凸設されているが、この長さに限定されるものではなく、例えば図示される長さの半分であっても曲げ強度は十分に補われるものである。
図2(c)に示されるパレットボード3においては、釘や木ネジでパレットボード3を固定することができると同時に、図2(b)のリブ9に代えて釘用窪み7aあるいは木ネジ用窪み8aを設けることで、その部分の曲げに対しても補強することが可能である。特に、凸条5の幅が広くなっている場合には、凹溝6の底部に釘や木ネジあるいはボルトを貫通させて上下のパレットボード3と挟まれる桁材を固定するだけでは固定力が不足するので、これらの窪みを設けて追加で釘や木ネジを貫通させることにより、固定に関する補強が可能である。
実施例3について説明する(特に、請求項3及び請求項4に対応)。図3(a)、(b)、(c)はいずれも本発明の実施の形態に係るパレットボードの実施例3の断面形状を示す図である。なお、実施例1又は実施例2と同一の要素については同一の符号を付してその構成及びそれに伴う作用と効果の説明は省略する。
図3(a)、(b)、(c)は全て凹溝6に薄肉部11が設けられ、凸条5に微小な凹凸状の滑り止め4が形成されるものである。このうち、図3(a)は凸条5に釘用窪み7aを設け、図3(b)は補強のためのリブ9を凸条5に設け、図3(c)は釘用窪み7aと下穴10を凸条5に設けたものである。
図3(a)、(b)、(c)は全て凹溝6に薄肉部11が設けられ、凸条5に微小な凹凸状の滑り止め4が形成されるものである。このうち、図3(a)は凸条5に釘用窪み7aを設け、図3(b)は補強のためのリブ9を凸条5に設け、図3(c)は釘用窪み7aと下穴10を凸条5に設けたものである。
このような構造のパレットボード3においては、線状の薄肉部11を超音波カッターなどを用いて容易に切断することが可能である。従って、例えば同一種類のパレットボードについては、凸条5及び凹溝6に直角方向の長さを調整することが可能である。このことによって、同じ金型で奥行きの異なった仕様のパレットを作ることができる。また、異種類のパレットボードを1つの金型で成形した後、切断して複数種類のパレットを組み立てることが可能である。
また、破損したパレットボード3の一部を分割して交換することができるため、補修にかかるコストを低減することが可能である。
さらに、本パレットボード3においては、滑り止め4が荷物を積載する側の凸条表面に形成されている場合には荷物の滑りを防止し、床と接する側に形成されている場合にはパレット自体の滑りを防ぐことが可能である。この滑り止め4は、パレットボード3の凸条5の表面に形成される細かな線状あるいは粒状のシボ模様、ロゴマークなどの凹凸によって構成されるものである。この滑り止め4は射出成形などの成形金型により容易に形成することができる。
また、破損したパレットボード3の一部を分割して交換することができるため、補修にかかるコストを低減することが可能である。
さらに、本パレットボード3においては、滑り止め4が荷物を積載する側の凸条表面に形成されている場合には荷物の滑りを防止し、床と接する側に形成されている場合にはパレット自体の滑りを防ぐことが可能である。この滑り止め4は、パレットボード3の凸条5の表面に形成される細かな線状あるいは粒状のシボ模様、ロゴマークなどの凹凸によって構成されるものである。この滑り止め4は射出成形などの成形金型により容易に形成することができる。
実施例4について説明する(特に、請求項5に対応)。図4は本発明の実施の形態に係る荷物運搬用パレットの実施例4の外観斜視図である。図4に示すように、荷物運搬用パレット1は平行に配置された複数の木製の桁材2と、合成樹脂製のパレットボード3と、固定具である釘7とから構成され、凸条5及び凹溝6が桁材2に対して直交するように釘7を用いて2枚のパレットボード3が桁材2の上下両側面にそれぞれ取り付けられたものである。なお、パレットボード3は分割されたものを桁材2の上下にそれぞれ複数枚取り付けても良いし、少なくとも上面は連続した一枚を取り付けても良い。図5は実施例4において釘7又は木ネジ8を固定具として用いた場合の荷物運搬用パレットの構成図である。図5に示すように、釘7又は木ネジ8を用いてパレットボード3を桁材2に固定する場合には、凸条5に木ネジ用窪み8aを設け、凹溝6に図示しない釘用窪みあるいは位置決めマークを設けることが好ましい。なお、実施例1乃至実施例3のいずれかと同一の要素については同一の符号を付してその構成及びそれに伴う作用若しくは効果の説明を省略する。
このような構造の荷物運搬用パレット1においては、桁材2に合成樹脂よりも曲げ弾性率が大きく比重が小さい木材を使用するため、全体を合成樹脂製とするパレットに比べて、軽量かつ頑丈な構造とすることが可能である。また、桁材2が奥行き方向に対して十分な曲げ強度・剛性を与えるため、パレットボード3は主として幅方向に対する曲げ強度のみを受け持てば良く、リブ構造が単純で軽くなり、全体を合成樹脂製とするパレットの場合のように高剛性の樹脂材料を使用する必要がない。例えば、安価な再生合成樹脂材料を使用することも可能である。また、木製の桁材2は容易に固定具を取り外せるので、全体を合成樹脂製とするパレットとは異なり、一部が破損した場合に簡単に部分補修を行うことができる。さらに、本実施例においては、釘7又は木ネジ8を桁材2に手打ちでも自動釘打ち機によっても容易に打ち込むことができるとともに、打ち込んだ釘7や木ネジ8は固定効果が大きいため、荷物運搬用パレット1の組み立てが容易である。
本実施例について具体的に説明する。サイズが1400mm×1100mm×35mm、凸条5の幅が40mm、凹溝6の幅が開口部30mm、底部25mm、凸条5の肉厚が7mm、凹溝6の肉厚が8mm、側面部6bの肉厚が4mm(パレットボード3の両端のみいずれも肉厚8mm)のパレットボード3を、弾性率約900MPaの再生合成樹脂を原料として射出圧縮成形機を用いて一体成形した。次に、このパレットボード3を上下面ボードとして、50mm×80mm×1100mmサイズの木製の角材を桁材2として使用し釘7と木ネジ8を用いて組み立てて、幅1400mm、奥行き1100mm、高さ150mmの両面2方差型パレットを製造した。
このパレットボード3の積載面全面に均等に1トンの荷重をかけた場合、最もたわみ易いフォーク爪挿入孔が形成される桁材2間のパレットボード3のたわみ量は3.7mmであり、桁材2間の距離425mmに対するこのたわみ量の割合(たわみ率)は約0.9%であった。また、同じ箇所の桁材2間の中央に約500kgの集中荷重を与えた場合(JIS−Z0602の下面デッキボード試験)、上記と同一箇所の曲げたわみは5.6mmであり、たわみ率は約1.3%であった。さらに、このパレットに対しフォーク差込方向から見て左右の両端のみを支持した状態で1トンの均等荷重をかけた場合(JIS−Z0602の曲げ強度試験)、パレット全体のたわみ量は7.6mmであり、たわみ率は0.6%と十分大きな剛性を示した。また、パレットの側面(フォーク差込方向と直角方向)から見て、両端のみを支持し、1トンの均等荷重をかけたときのたわみ量は、3.5mmであり、たわみ率は0.3%であった。また、このパレットの重量は37kgであった。
このパレットボード3の積載面全面に均等に1トンの荷重をかけた場合、最もたわみ易いフォーク爪挿入孔が形成される桁材2間のパレットボード3のたわみ量は3.7mmであり、桁材2間の距離425mmに対するこのたわみ量の割合(たわみ率)は約0.9%であった。また、同じ箇所の桁材2間の中央に約500kgの集中荷重を与えた場合(JIS−Z0602の下面デッキボード試験)、上記と同一箇所の曲げたわみは5.6mmであり、たわみ率は約1.3%であった。さらに、このパレットに対しフォーク差込方向から見て左右の両端のみを支持した状態で1トンの均等荷重をかけた場合(JIS−Z0602の曲げ強度試験)、パレット全体のたわみ量は7.6mmであり、たわみ率は0.6%と十分大きな剛性を示した。また、パレットの側面(フォーク差込方向と直角方向)から見て、両端のみを支持し、1トンの均等荷重をかけたときのたわみ量は、3.5mmであり、たわみ率は0.3%であった。また、このパレットの重量は37kgであった。
本発明におけるパレットボード3のサイズは、上記実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。パレットボード3は、積載面に垂直方向の荷重に対する曲げ強度・剛性が十分にあることが重要な性能規格なので、パレットボード3の厚さが重要である。同じ材質、断面形状の場合、曲げたわみ量はパレットボード3の厚さの3乗に反比例する。特に問題となるのは、積載荷重によって最もたわみ易いフォーク挿入孔が形成される桁材2間におけるパレットボード3の曲げ強度・剛性である。この部分は極力厚くしたいが、パレット全体としては、あまり厚いものは好まれず、一般的に最大でも150mm程度である。他方、フォーク挿入孔の高さは、あまり低いものはフォークリフトの操作上不便であり、少なくとも80mm以上あることが好ましい。これらの制約から、合成樹脂の弾性率、強度にもよるが、パレットボード全体の厚さ、あるいは少なくともフォーク挿入孔が設けられる桁材2間の合成樹脂製のパレットボード3の厚さは30mm以上、35mm以下であることが好ましい。
なお、図4及び図5に示した本実施例においては、パレットボード3として凸条5と凹溝6及び側面部6b肉厚及び幅を明示していないが、もちろん図1(c)に示される凹溝6の底部6aの肉厚を側面部6bよりも厚くしたパレットボード3、図2(a)に示される凸条5が凹溝6よりも幅広いものあるいは図2(b)に示されるようにリブ9を備えたものをパレットボード3として荷物運搬用パレット1を組み立てられることは言うまでもない。
実施例5について説明する(特に、請求項6に対応)。図6は実施例5における固定具の取り付け状態を示す断面図であり、図7は本発明の実施の形態に係る荷物運搬用パレットの実施例5の外観斜視図である。この図で理解されるように、パレットボード3の両端を所定の位置で切断し、桁位置をずらすことによって本実施例の荷物運搬用パレット1は幅仕様を容易に変更することが可能である。なお、実施例4と同一の要素については同一の符号を付してその構成及びそれに伴う作用若しくは効果の説明を省略する。
実施例5は、図6に示すように実施例4のパレットボード3を桁材2に取り付けた場合に釘7又は木ネジ8などの固定具が桁材2に対して上下で非対称の位置に配されるものである。また、本実施例の荷物運搬用パレット1は、凹溝6の一部に雨水などの溜まりを防ぐ目的で水抜き穴12を設けた構造ともなっている。
このような構造を備えた荷物運搬用パレット1においては、上下面から桁材2に打ち込まれた釘7や木ネジ8が桁材2の内部で衝突したり干渉することがないため、釘7や木ネジ8を打ち込み損ねることがなく、また、十分に長い固定具を用いることができるので固定強度が損なわれることがない。
実施例5は、図6に示すように実施例4のパレットボード3を桁材2に取り付けた場合に釘7又は木ネジ8などの固定具が桁材2に対して上下で非対称の位置に配されるものである。また、本実施例の荷物運搬用パレット1は、凹溝6の一部に雨水などの溜まりを防ぐ目的で水抜き穴12を設けた構造ともなっている。
このような構造を備えた荷物運搬用パレット1においては、上下面から桁材2に打ち込まれた釘7や木ネジ8が桁材2の内部で衝突したり干渉することがないため、釘7や木ネジ8を打ち込み損ねることがなく、また、十分に長い固定具を用いることができるので固定強度が損なわれることがない。
なお、本発明に係る荷物運搬用パレットは上記実施例に限定されるものではない。原料の合成樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの他、強度・剛性がやや低下した再生合成樹脂などを使用しても良い。また、木粉などの充填材、増量材を含む合成樹脂複合材料も使用できる。
さらに、パレットボードをより丈夫にする目的で、あるいはまた積載面の溝による積載物の底の損傷、溝跡がつくことを緩和する目的で、その表裏面、あるいはそのいずれかの溝において両側壁間に跨るリブを所定の間隔で設けることもできる。また、このパレットボードの溝や窪み部分に雨水などの溜まりを防ぐような水抜き孔を適宜設けることができる。
一方、成形方法としては、単純な波板構造の部分は、押出成形法でも良いが、射出成形法、射出圧縮成形法、プレス成形法などを用いることが好ましい。これらの成形法によれば後述する本発明の特徴である、溝の両側壁に跨るリブ、釘打ち部の窪み、水抜き孔、ネジ下孔、グローメット嵌め込み部などの成形が可能である。
また、言うまでもなく、一般の合成樹脂製パレットに用いられるようなゴム製等の滑り止めチップ(グローメット)を用いることもできる。さらに、荷物運搬用パレット1においてはパレットボード3を前後両端部と中央部とに分割して成形し、それぞれ異なる材料を使用することもできる。この場合、中央部には再生された合成樹脂を使用し、前後両端部には鋼やアルミニウムなどの金属材料若しくは耐衝撃強度特性の良い合成樹脂を使用しても良い。また、前後両端部のみに、より肉厚が厚い丈夫な断面構造のものを使用することもできる。
さらに、パレットボードをより丈夫にする目的で、あるいはまた積載面の溝による積載物の底の損傷、溝跡がつくことを緩和する目的で、その表裏面、あるいはそのいずれかの溝において両側壁間に跨るリブを所定の間隔で設けることもできる。また、このパレットボードの溝や窪み部分に雨水などの溜まりを防ぐような水抜き孔を適宜設けることができる。
一方、成形方法としては、単純な波板構造の部分は、押出成形法でも良いが、射出成形法、射出圧縮成形法、プレス成形法などを用いることが好ましい。これらの成形法によれば後述する本発明の特徴である、溝の両側壁に跨るリブ、釘打ち部の窪み、水抜き孔、ネジ下孔、グローメット嵌め込み部などの成形が可能である。
また、言うまでもなく、一般の合成樹脂製パレットに用いられるようなゴム製等の滑り止めチップ(グローメット)を用いることもできる。さらに、荷物運搬用パレット1においてはパレットボード3を前後両端部と中央部とに分割して成形し、それぞれ異なる材料を使用することもできる。この場合、中央部には再生された合成樹脂を使用し、前後両端部には鋼やアルミニウムなどの金属材料若しくは耐衝撃強度特性の良い合成樹脂を使用しても良い。また、前後両端部のみに、より肉厚が厚い丈夫な断面構造のものを使用することもできる。
本発明に係る荷物運搬用パレットは、工場や倉庫などでフォークリフト等を用いて行う荷役作業に適用できる。
1…荷物運搬用パレット 2…桁材 3…パレットボード 4…滑り止め 5…凸条 6…凹溝 6a…底部 6b…側面部 7…釘 7a…釘用窪み 8…木ネジ 8a…木ネジ用窪み 9…リブ 10…木ネジ用下穴 11…薄肉部 12…水抜き穴 50…パレット 51…デッキボード 52…デッキボード 53…桁材 54…釘 55…釘打ち部
Claims (6)
- 平行な複数の凸条と凹溝が表裏両面に形成されるパレットボードであって、前記凹溝は、側面部とこの側面部よりも厚い肉厚を有する底部とを備える凹溝であることを特徴とする合成樹脂製のパレットボード。
- 積載面から見て前記凸条の幅が前記凹溝の幅よりも広いことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製のパレットボード。
- 前記凹溝に対して平行となるように線状の薄肉部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂製のパレットボード。
- 前記凸条の表面に微小な凹凸を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の合成樹脂製のパレットボード。
- 平行に配置された複数の木製の桁材と、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパレットボードと、前記桁材の上下両側面に前記パレットボードを取り付けるための固定具とを備え、前記凸条及び前記凹溝が前記桁材に対して直交するように前記パレットボードを前記桁材の上下両側面にそれぞれ取り付けたことを特徴とする荷物運搬用パレット。
- 前記パレットボードが前記桁材に取り付けられた状態において、前記パレットボードに穿設された前記固定具の取り付け箇所が前記桁材に関して上下で非対称となることを特徴とする請求項5に記載の荷物運搬用パレット。
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JP2004224797A JP2006044689A (ja) | 2004-07-30 | 2004-07-30 | パレットボードと荷物運搬用パレット |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106541472A (zh) * | 2015-09-21 | 2017-03-29 | 苏州科维新型包装有限公司 | 一种木托盘生产的打钉方法 |
KR101895812B1 (ko) * | 2018-07-05 | 2018-09-07 | 윤상운 | 상호 결합 가능한 부재세트와, 부재의 결합구조, 및 그 결합구조가 포함된 파렛트 |
CN110921055A (zh) * | 2019-12-25 | 2020-03-27 | 北京化工大学 | 一种挤出成型的塑料托盘 |
-
2004
- 2004-07-30 JP JP2004224797A patent/JP2006044689A/ja active Pending
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