JP2006043847A - 微小構造体、微小構造体の封止方法、微小電気機械素子とその製造方法、及び電子機器 - Google Patents

微小構造体、微小構造体の封止方法、微小電気機械素子とその製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体プロセスを用いて密閉構造を容易に形成できるようにした微小構造体、微小電気機械素子を提供する。
【解決手段】 基板42上に微小電気機械素子本体46を囲うように外囲壁部48が形成され、外囲壁部48の上面に膜特性により下げられた上部膜49が密着され、微小電気機械素子本体46が密閉されて成る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微小構造体、微小構造体の封止方法、微小電気機械素子とその製造方法、及び微小電気機械素子を備えた電子機器に関する。
微小構造体、さらに静電駆動を利用した微小電気機械素子、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechnical Systems)素子が開発されている。図20A,Bは、一般的な微小電気機械素子の代表的な一例である。この微小電気機械素子1は、基板2上に形成した基板側電極(以下、下部電極という)3と、この下部電極3に対向して平行配置したビーム5と、このビーム5の一端を支持する支持部6とを有して構成される。ビーム5と下部電極3とは、その間の空間4によって電気的に絶縁されている。ビーム5は、その一端がこれと一体の支持部6を介して基板2に支持された片持ち梁式構造に形成される。
基板2は、例えば、シリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)などの半導体基板上に絶縁膜を形成した基板、石英基板やガラス基板のような絶縁性基板などが用いられる。下部電極3は、不純物をドーピングした多結晶シリコン膜、金属膜(多結晶W,Cr)などで形成される。ビーム3は、例えばシリコン窒化膜(SiN膜)等の絶縁膜(図示ぜず)と、その上面に形成された膜厚100nm程度の例えばAl膜からなる駆動側電極(以下、上部電極という)8とから構成される。
この微小電気機械素子1は、下部電極3と上部電極8に与える電位に応じて、ビーム5が下部電極3との間に生じる静電力により変位し、例えば図20Bで示すように、下部電極3に対して平行状態(実線)と傾斜状態(破線)に変位する。
図21A,Bは、一般的な微小電気機械素子の代表的な他の例である。この微小電気機械素子11は、基板2上に形成した下部電極3と、この下部電極3をブリッジ状に跨ぐように配置したビーム12とを有して構成される。ビーム12と下部電極3とは、その間の空間14によって電気的に絶縁されている。ビーム12は、その両端がこれと一体の支持部13〔13A,13B〕を介して基板2に支持された両持ち梁式構造に形成される。ビーム12は、前述と同様に絶縁膜(図示せず)と上部電極15の2層膜で形成される。
この微小電気機械素子11では、下部電極3と上部電極15に与える電位に応じて、ビーム12と下部電極3との間に生じる静電力により変位し、例えば図21Bの実線と破線で示すように、下部電極3に対してビーム12が平行状態と凹み状態に変位する。
一方、上述のような微小電気機械素子は、温度や気圧、微小パーティクルなどの外部環境の影響を受けやすい。このため、可動構造部分であるビームについては空間的に密閉することが望ましい場合が多い。また、流体の流路などのように、密閉構造や分割構造を必要とする微小構造体も数多く存在する。
現在、微小電気機械素子において密閉構造を得る方法は、幾つか提案されている。図18は1つの方法を示す。この方法は、接合などにより微小電気機械素子に対して直接蓋をする方法である。すなわち、図18に示すように、先に基板22上に半導体プロセスを用いて下部電極23及び上部電極を有するビーム24を形成して微小電気機械素子25を形成する。ここでは、犠牲層を除去してビーム24の中空構造を形成する。犠牲層除去のプロセスまで終了した後、ガラス等によるカップ状の蓋体26を微小電気機械素子25の全体を蓋するように基板22上に配置し、蓋体26と基板22とを接合して密閉構造を得る。接合としては、Siの基板22と他の材料の蓋体26との直接接合の他、例えば金属層27のリフローによる接着などが行われる。
また、半導体プロセスを用いて密閉構造を得る方法として、図19に示す方法が考えられる。先ず、図19Aに示すように、基板22上の下部電極23を形成し、犠牲層28を介してビーム24を形成し、さらに微小電気機械素子25の全体を覆う犠牲層29を形成する。次いで、犠牲層29を覆うように、密閉層31を堆積し、この密閉層31の上面の一部に犠牲層用の抜き孔30を形成する。抜き孔30を通じて選択エッチングにより犠牲層29及び28を除去する。この犠牲層29及び28の除去で密閉層31に下側に空間32が形成される。次に、図19Bに示すように、抜き孔30に何らかの方法により封止物質33で封止する(鎖線図示)。このようにして微小電気機械素子25を密閉した密閉構造を得る。抜き孔30の封止方法はいくつかの技術が提案されており、例えば漏れ性の悪い有機ポリマー樹脂を用いる方法が特許文献1(微細構造体の製造方法)に開示されている。
特開2002−365153号公報。
ところで、微小電気機械素子を密閉する方法として、上述した図18の蓋体26と基板22を直接接合する密閉方法では、接合可能な材料の組み合わせが限られており、また接合後に応力の違いなどによる変形・破壊などの懸念が存在する。またより微細な空間を密閉するためには,必ずしも適当な方法とはいえない。
より微細な空間を密閉する方法としては、図19の密閉方法が適している。しかし、この方法の架台は犠牲層を除去した後の抜き孔30の封止である。例えばスパッタ法やCVD(化学気相成長)法などを用いて封止する場合、通常の手法では図19Bに示すように、封止物質33が抜き孔30を通過して内部空間内に堆積される。従って、抜き孔30が大きいと封止は極めて困難となる。抜き孔30が小さい場合でも密閉度が問題となるケースが多い。さらに、抜き孔30の下部にビーム24や回路などが存在する場合には、この方法は適用し難い。
また、密閉すべき内部空間32の容積が大きい場合には、犠牲層の抜き孔30が小さいと犠牲層29、28が十分に除去できないという懸念も存在する。これを解決するためには、小さい抜き孔30を多数形成することが考えられるが、抜き孔30が多数存在する場合には、これらが全て封止されていなければならず、歩留りの問題が生じる。
以上のことから、微小構造体、さらには静電駆動型の微小電気機械素子などにおいて、半導体プロセスを用いて密閉空間を容易に形成できる新規な技術が望まれる。
本発明は、上述の点に鑑み、半導体プロセスを用いて密閉構造を容易に形成できるようにした微小構造体とその微小構造体の封止方法、微小電気機械素子とその製造方法、及び微小電気機械素子を備えた電子機器を提供するものである。
本発明に係る微小構造体は、基板上に微小空間を仕切る側壁部が形成され、隣合う側壁部間に差し渡るように側壁部の上面に膜特性により下げられた上部膜が密着され、微小空間が封止されて成ることを特徴とする。
本発明に係る微小構造体の封止方法は、基板上に微小空間を仕切る側壁部を形成する工程と、隣合う側壁部を覆うように犠牲層を形成する工程と、犠牲層の上面を含み基板表面に至る上部膜を形成する工程と、犠牲層を除去し、膜特性により上部膜を下げて隣合う側壁部間に差し渡るように、側壁部の上面に密着させ前記微小空間を封止する工程を有することを特徴とする。
本発明では、上部膜に引張り応力を有する膜を用いることができる。
本発明では、上部膜に1軸方向の引張り応力を有する膜を用いることができる。
本発明では、上部膜に2軸方向の引張り応力を有する膜を用いることができる。
本発明では、犠牲層をエッチング特性を異にした複数の犠牲層で形成し、複数の犠牲層をそれぞれ段階的に除去することができる。
本発明では、犠牲層を除去したとき時に上部膜が下がらず、犠牲層の除去した後に所要の熱環境下で上部膜の膜特性を変化させ、上部膜を側壁部上面に下げるようにすることができる。
本発明では、上部膜を圧縮応力を有する膜と引張り応力を有する膜の2層膜で形成し、犠牲層を除去した後に圧縮応力を有する膜を除去して引張り応力を有する膜のみの上部膜の応力を解放し、上部膜を側壁部上面に下げるようにすることができる。
本発明では、犠牲層の形成前に、側壁部の上面にリフロー材料層を形成する工程、犠牲層を除去し、上部膜を側壁部の上面のリフロー材料層に下げた後、リフロー材料層をリフロー処理する工程を有するようにすることができる。
本発明では、上部膜を下げて側壁部の上面に密着させる工程の後、上部膜と側壁部の上面を覆う被覆膜を形成する工程を有するようにすることができる。
本発明に係る微小電気機械素子は、基板上に微小電気機械素子本体を囲うように外囲壁部が形成され、外囲壁部の上面に膜特性により下げられた上部膜が密着され、微小電気機械素子本体が密閉されて成ることを特徴とする。
本発明では、上部膜を引張り応力を有する膜で形成し、犠牲層の除去で上部膜を外囲壁部の上面に降下して密着させて構成することができる。
上部膜としては、1軸方向に引張り応力を有する膜で形成することができる。
上部膜としては、2軸方向に引張り応力を有する膜で形成することができる。
本発明では、上部膜を引張り応力を有する膜で形成し、エッチング特性を異にした複数の犠牲層をそれぞれ段階的に除去することで、上部膜を外囲壁部の上面に降下して密着させて構成することができる。
本発明では、犠牲層を除去した後の処理で、上部膜の特性を変化させて上部膜を外囲壁部の上面に降下して密着させて構成することができる。
本発明では、上部膜を圧縮応力を有する膜と引張り応力を有する膜の2層膜で形成し、犠牲層の除去後に圧縮応力の膜が除去されて引張り応力を有する膜のみの上部膜を、外囲壁部の上面に降下して密着させて構成することができる。
本発明では、上部膜と外囲壁部の上面との間にリフロー材料層を介在させて構成することができる。
本発明では、密着された上部膜と外囲壁部の上面を覆って被覆膜を形成した構成とすることができる。
本発明に係る微小電気機械素子の製造方法は、基板上に微小電気機械素子本体を囲う外囲壁部を形成する工程と、外囲壁部を覆うように犠牲層を形成する工程と、犠牲層の上面を含み基板表面に至る上部膜を形成する工程と、犠牲層を除去し、膜特性により上部膜を下げて前記外囲壁部の上面に密着させる工程を有することを特徴とする。
本発明では、上部膜に引張り応力を有する膜を用いることができる。
本発明では、上部膜に1軸方向の引張り応力を有する膜を用いることができる。
本発明では、上部膜に2軸方向の引張り応力を有する膜を用いることができる。
本発明では、犠牲層をエッチング特性を異にした複数の犠牲層で形成し、複数の犠牲層をそれぞれ段階的に除去することができる。
本発明では、犠牲層を除去したとき時に上部膜が下がらず、犠牲層の除去した後に所要の熱環境下で上部膜の膜特性を変化させて、上部膜を外囲壁部の上面に下げるようにすることができる。
本発明では、上部膜を圧縮応力を有する膜と引張り応力を有する膜の2層膜で形成し、犠牲層を除去した後に圧縮応力を有する膜を除去して引張り応力を有する膜のみの上部膜の応力を解放し、上部膜を外囲壁部の上面に下げるようにすることができる。
本発明では、犠牲層の形成前に、外囲壁部の上面にリフロー材料層を形成する工程と犠牲層を除去し、上部膜を外囲壁部の上面のリフロー材料層に降下させた後、リフロー材料層をリフロー処理する工程を有するようにすることができる。
本発明では、上部膜を下げて外囲壁部の上面に密着させる工程の後、上部膜と外囲壁部の上面を覆う被覆膜を形成する工程を有するようにすることができる。
本発明に係る電子機器は、上述の基板上に微小空間を仕切る側壁部が形成され、隣合う側壁部間に差し渡るように側壁部の上面に膜特性により下げられた上部膜が密着され、微小空間が封止されてなる微小構造体を、備えて成ることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、上述の基板上に微小電気機械素子本体を囲うように外囲壁部が形成され、外囲壁部の上面に膜特性により降下した上部膜が密着され、微小電気機械素子本体が密閉されてなる微小電気機械素子を、備えて成ることを特徴とする。
本発明に係る微小構造体によれば、上部膜の自らの膜特性、例えば引張り応力を利用することにより、上部膜は自動的に下げられて微小空間を仕切る側壁部の上面に密着する。この上部膜の側壁部上面への密着によって微小空間が封止され、密閉空間が形成される。すなわち、密閉空間を有する微小構造体を半導体プロセスを用いて容易に実現することができる。同時に複数の密閉空間を形成することができ、複数密閉空間を有する微小構造体を容易に実現できる。この微小構造体では、密閉空間内に可動構造を有する、あるいは可動構造を有しない、のいずれの場合にも適用できる。
本発明に係る微小構造体の封止方法によれば、微小空間を仕切る隣合う側壁部を覆うように犠牲層を形成し、犠牲層上及び基板に至る上部膜を形成した後、犠牲層を除去することにより、犠牲層の除去に上部膜は自らの膜特性で自動的に下げられて側壁部の上面に密着する。この上部膜の側壁部上面への密着により微小空間が封止され、密閉空間を有する微小構造体を製造することができる。本発明では半導体プロセスを用いて容易にかかる微小構造体を製造することができる。
上部膜に引張り応力を有する膜を用いることにより、犠牲層を除去した後、上部膜は引張り応力によって自動的に下がり側壁部の上面に密着する。
上部膜に1軸方向の引張り応力を有する膜を用いることにより、犠牲層を除去した後、上部膜は1軸方向に引っ張られ、自動的に下がり側壁部の上面に密着する。
上部膜に2軸方向の引張り応力を有する膜を用いることにより、犠牲層を除去した後、上部膜は2軸方向に引っ張られ、自動的に下がり側壁部の上面に密着する。この場合上部膜は2軸方向に引っ張られて下げられるので、密閉度を高めることができる。
犠牲層としてエッチング特性を異にする複数の犠牲層を形成し、複数の犠牲層を段階的に除去することにより、微小空間内部の犠牲層残りが回避され、犠牲層残りに起因する不都合が低減し製造歩留りを向上することができる。
熱環境下で膜特性が変化する上部膜を用い、犠牲層を除去したときには上部膜が下がらず、その後の熱環境下で膜特性、例えば引張り応力を生じさせて、上部膜を側壁部の上面に下げ密着させることにより、微小空間内部の犠牲層を確実に除去することができ、犠牲層残りに起因する不都合が低減し製造歩留りを向上することができる。
圧縮応力を有する膜と上部膜となる引張り応力を有する膜の2層膜を用いることにより、犠牲層を除去しても2層膜は応力が釣り合っているので下がらない。その後、圧縮応力を有する膜を除去することにより、引張り応力を有する上部膜の応力が解放され、自動的に上部膜は下げられて側壁部の上面に密着する。この場合も、微小空間内部の犠牲層を確実に除去することができ、犠牲層残りに起因する不都合が低減し製造歩留りを向上することができる。
犠牲層を形成前に側壁部の上面にリフロー材料層を形成し、上部膜を側壁部上に接触させた後、リフロー処理して上部膜を側壁部の上面に密着させることにより、より密閉度を向上することができる。
犠牲層を除去し上部膜を側壁部の上面に密着させた後、さらに上部膜及び側壁部の表面に被覆膜を形成することにより、より密閉度を向上することができる。
本発明に係る微小電気機械素子によれば、上部膜の自らの膜特性、例えば引張り応力を利用することにより、上部膜は自動的に下げられて微小電気機械素子本体を囲う外囲壁部の上面に密着する。この上部膜の外囲壁部上面への密着によって微小電気機械素子本体が密閉される。すなわち、密閉された微小電気機械素子本体を有する微小電気機械素子を半導体プロセスを用いて容易に実現することができる。
本発明に係る微小電気機械素子の製造方法によれば、微小電気機械素子本体を覆うように犠牲層を形成し、犠牲層上及び基板に至る上部膜を形成した後、犠牲層を除去することにより、犠牲層の除去に上部膜は自らの膜特性で自動的に下げられて外囲壁部の上面に密着する。この上部膜の外囲壁部上面への密着により微小電気機械素子本体が密閉され、密閉構造の微小構造体を製造することができる。本発明では半導体プロセスを用いて容易にかかる微小構造体を製造することができる。
さらに、本発明の微小電気機械素子及びその製造方法によれば、上部膜に引張り応力を有する膜を用いることにより、犠牲層を除去した後、上部膜は引張り応力によって自動的に下がり外囲壁部の上面に密着する。
上部膜に1軸方向の引張り応力を有する膜を用いることにより、犠牲層を除去した後、上部膜は1軸方向に引っ張られ、自動的に下がり外囲壁部の上面に密着する。
上部膜に2軸方向の引張り応力を有する膜を用いることにより、犠牲層を除去した後、上部膜は2軸方向に引っ張られ、自動的に下がり外囲壁部の上面に密着する。この場合上部膜は2軸方向に引っ張られて下げられるので、密閉度を高めることができる。
犠牲層としてエッチング特性を異にする複数の犠牲層を形成し、複数の犠牲層を段階的に除去することにより、密閉構造内部の犠牲層残りが回避され、犠牲層残りに起因する微小電気機械素子本体の動作不良を低減し、歩留りを向上することができる。
熱環境下で膜特性が変化する上部膜を用い、犠牲層を除去したときには上部膜が下がらず、その後の熱環境下で膜特性、例えば引張り応力を生じさせて、上部膜を外囲壁部の上面に下げ密着させることにより、密閉構造内の犠牲層を確実に除去することができ、犠牲層残りに起因する微小電気機械素子本体の動作不良を低減し、歩留りを向上することができる。
圧縮応力を有する膜と上部膜となる引張り応力を有する膜の2層膜を用いることにより、犠牲層を除去しても2層膜は応力が釣り合っているので下がらない。その後、圧縮応力を有する膜を除去することにより、引張り応力を有する上部膜の応力が解放され、自動的に上部膜は下げられて側壁部の上面に密着する。この場合も、密閉構造内の犠牲層を確実に除去することができ、犠牲層残りに起因する微小電気機械素子本体の動作不良を低減し、歩留りを向上することができる。
犠牲層を形成前に外囲壁部の上面にリフロー材料層を形成し、上部膜を外囲壁部上に接触させた後、リフロー処理して上部膜を外囲壁部の上面に密着させることにより、より密閉度向上することができる。
犠牲層を除去し上部膜を外囲壁部の上面に密着させた後、さらに上部膜及び外囲壁部の表面に被覆膜を形成することにより、より密閉度向上することができる。
本発明に係る電子機器によれば、上述の密閉度のよい微小構造体、あるいは微小電気機械素子本体が密閉された微小電気機械素子を備えることにより、この種の電子機器の信頼性を向上することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、微小構造体、特に微小空間の分割・封止を要する微小構造体、あるいは微小構造体の下位概念であって密閉が必要な微小電気機械素子(いわゆるMEMS素子)において、強い引張り応力を有する膜を用いて、自動的に密閉構造を形成するものである。
図1は、本発明に係る微小電気機械素子(いわゆるMEMS素子)の実施の形態を示す。本実施の形態に係る微小電気機械素子41は、基板42上に下部電極43とこの下部電極43に対して空間44を挟んで対向するビーム45とからなる微小電気機械素子本体46が形成され、この微小電気機械素子本体46を囲うように外囲壁部48が形成され、この外囲壁部48の上面に膜特性、すなわち引張り応力により降下した上部膜49が密着され、微小電気機械素子本体46が外囲壁部48と上部膜49とによって密閉されて成る。上部膜49は、中央領域が外囲壁部48で囲まれた領域を蓋するように形成されると共に、両端が固定点となる支持部49A,49Bとして基板42に固着される。この微小電気機械素子本体46は、外囲壁部48と上部膜49とによって形成される密閉空間内に配置される。
外囲壁部48及び上部膜49は、半導体プロセスで使用可能な材料で形成される。前述と同様に、基板42は、例えばシリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)などの半導体基板上に絶縁膜を形成した基板、石英基板やガラス基板のような絶縁性基板などが用いられる。下部電極43は、不純物をドーピングした多結晶シリコン膜、金属膜(多結晶W,Cr)などで形成される。ビーム45は、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO2 膜)、その他の絶縁膜(図示ぜず)と、その上面に形成された上部電極(図示せず)とから構成される。
本実施の形態に係る微小電気機械素子41によれば、上部膜自身が有する引張り応力により、自動的に降下して外囲壁部の上面に密着して構成されるので、微小電気機械素子本体は外囲壁部と上部膜により密閉空間内に封じ込められる。これにより、半導体プロセスを用いて容易に微小電気機械素子本体の密閉を実現することができ、前述した従来の密閉構造における懸念を解決することができる。
次に、本発明に係る微小電気機械素子の各実施の形態について、その製法と共に説明する。
図2〜図3は、第1実施の形態に係る微小電気機械素子を示す。本実施の形態は、強い引張り応力を有する上部膜を犠牲層上に形成し、犠牲層を除去することによって自動的に密閉構造となした微小電気機械素子を得るようにしたものである。
先ず、図2Aに示すように、基板42上の微小電気機械素子本体の形成領域に下部電極43を形成し、またこの形成領域の外側に該形成領域を囲うように所要の高さH1 、すなわち後で形成するビームの高さ位置より高い外囲壁部48を形成する。さらに、下部電極43を覆うように選択的に第1の犠牲層51を形成し、犠牲層51の上面から一部基板42の面に延長するビーム45を形成する。ビーム45は絶縁膜とその上の上部電極で形成される。犠牲層51は、同時に外囲壁部48内と外囲壁部48外に選択的に形成され、外囲壁部48外では外囲壁部48を挟んで一対の開口53A,53Bを有する犠牲層51が形成される。第1の犠牲層51の膜厚H2 は外囲壁部48の高さH1 より低い膜厚に設定される。
次に、図2Bに示すように、外囲壁部48の上面よりも高くなるように第2の犠牲層54を形成する。すなわち第2の犠牲層54の上面から基板42の面までの高さH3 は外囲壁部48の高さH1 より高くなる。この第2の犠牲層54を選択エッチングによりパターニングする。この第2の犠牲層54は、外囲壁部48内、外囲壁部48及び外囲壁部48外の一部を含む領域に形成される。ここで、第2の犠牲層54のエッチングの深さは、外囲壁部48の外側において外囲壁部48の高さH1 より低くなる深さであればよく、エッチング深さに対して特に精度良くエッチングする必要はない。第1及び第2の犠牲層51及び54は同物質であるか、もしくは同一プロセスによって除去可能な物質で形成する。第2の犠牲層54の上面は、例えばCMP(化学機械研磨)等の工程により平坦な面に形成する。
次に、図2Cに示すように、第1及び第2の犠牲層51及び54上、開口53A,53B内を含んで引張り応力の強い上部膜49を堆積し、この上部膜49を外囲壁部48を被覆する幅でパターニングする。上部膜49の開口53A,53Bに対応する部分が基板42に固着された支持部49A,49Bとなる。引張り応力の強い上部膜49としては、例えば減圧CVD法により形成されるシリコン窒化膜(SiN膜)とすることができる。
次に、図3Dに示すように、第1及び第2の犠牲層51及び54を除去する。例えば、犠牲層51及び54をポリシリコン膜で形成するときは、XeFのエッチングガスを用いてエッチング除去する。これにより下部電極43と空間44を挟んで対向するビーム45とによる微小電気機械素子本体46が形成される。また、犠牲層51及び54が完全に除去されると、強い引張り応力を有する上部膜49も同時に解放される。このとき上部膜49は、応力F1 により両端方向へ引っ張られる。
そして、図3Eに示すように、この上部膜49自身が持つ引張り応力F1 により、上部膜49は下側へシフトして(下がり)、自動的に外囲壁部48の上面に密着し、外囲壁部48と上部膜49で密閉空間55を形成する。すなわち、微小電気機械素子本体46がこの密閉空間55内に密閉された目的の微小電気機械素子411が得られる。
図4A,Bは、この上部膜49が解放された前後の形状をシミュレーションにより解析した結果を示している。図4Aに示す犠牲層を除去する前(解放前)は、上部膜49の形状が犠牲層に沿った形状であり、例えば各段差の高さd1 =500nm、高さd2 =300nmである。そして、図4Bに示すように、犠牲層を除去した後(解放後)は、上部膜49の全体に引張り応力が働き、自ら上部膜49が下がって、例えば上面が高さd3 =300nmになっていることが分かる。
第1実施の形態によれば、犠牲層51、54を除去した後、上部膜49が自らの引張り応力F1 により、微小電気機械素子本体46を囲う外囲壁部48に蓋する形になり、中空構造の微小電気機械素子本体46を内部に含む密閉構造の微小電気機械素子を実現することがでる。密閉度に高いパッケージングが必要となる微小電気機械素子、もしくは望ましい微小電気機械素子を、半導体プロセスを用いて容易に実現することができる。
図5は、第1実施の形態の上部膜49として1軸方向に引張り応力F1 を有する膜を用いたときの、外囲壁部48と上部膜49の構成を模式的に示している。
図6は、第2実施の形態に係る微小電気機械素子を示す。本実施の形態は、強い引張り応力を有する上部膜を、2軸方向に応力を作用させて密閉性を増大させた微小電気機械素子を得るようにしたものである。
第2実施の形態に係る微小電気機械素子412は、その基本構造を第1実施の形態の構造と同じであるも、特に、図6の模式図で示すように、上部膜49が外囲壁部48に囲まれた領域を蓋する中央領域49Eと、2軸方向に固定点となる支持部49A,49B,及び49C,49Dを有して、引張り応力F2 ,F3 が2軸方向に作用するような膜構造に形成されて構成される。その他の構成は、第1実施の形態と同様であるので重複説明を省略する。
第2実施の形態によれば、2軸方向に引張り応力を有する上部膜49を有することにより、外囲壁部48と上部膜49との密着性がさらに良好となり、内部の密閉度をより向上することができる。そして、本実施の形態の微小電気機械素子412は、中空構造の微小電気機械素子46を内部に含む密閉構造について、より密閉度を高めることができる。ただし、この構造自体のフットプリント(いわゆる占有面積)は増大するため、用途及び要求に合わせて第1実施の形態と併用することが望ましい。
図7及び図8は、第3実施の形態に係る微小電気機械素子を示す。本実施の形態は、複数段階の犠牲層の除去工程により、内部の犠牲層残りを生じさせない密閉構造となした微小電気機械素子を得るようにしたものである。この第3実施の形態に係る基本構造は、第1実施の形態、もしくは第2実施の形態の構造と同一である。
先ず、図7Aに示すように、前述と同様に基板42上に下部電極43、外囲壁部48、第1の犠牲層51、微小電気機械素子45を形成した後、エッチング特性を異にする複数の犠牲層を形成する。本例では、第1の犠牲層51除去工程と同じ工程で除去可能な第3の犠牲層57と第3の犠牲層57の除去工程では除去されない第4の犠牲層58の2つの犠牲層を外囲壁部48の上面よりも高くなるように形成する。第3の犠牲層57は外囲壁部48内から外囲壁部48の外側の一部にわたって形成し、第4の犠牲層58は第3の犠牲層57の外側に形成し、パターニングして、前述の第1実施の形態の第2の犠牲層54と略同様の形状に形成する。外囲壁部48の外側に位置する犠牲層には、外囲壁部48を挟んで基板42が臨む一対の開口53A,53Bを形成する。第3及び第4の犠牲層57及び58は、前述の第1実施の形態の第2の犠牲層54と同じ条件で形成する。
この例では、第4の犠牲層58は外囲壁部48外に形成し、第3の犠では47は残りの全ての部分に形成する。また、第1の犠牲層51と第3の犠牲層57は同材質、あるいは同じエッチングで除去可能な材料で形成する。
次いで、第3及び第4の犠牲層57及び58上、開口53A,53B内を含んで引張り応力の強い上部膜49を堆積し、この上部膜49を外囲壁部48が被覆されるパターンでパターニングする。
次に、図7Bに示すように、第1及び第3の犠牲層51及び57を同じ除去工程で除去する。この除去工程では、第4の犠牲層58は除去されずに残る。この第4の犠牲層58の存在により、上部膜48による密閉は行われず、第1及び第3の犠牲層51及び57は確実に除去される。この犠牲層51及び57の除去で、下部電極43と空間44を挟んで対向するビーム45とによる微小電気機械素子本体46が形成される。
次に、図8Cに示すように、第4の犠牲層58を所要のエッチングガスを用いて除去する。第4の犠牲層58が除去されると、強い引張り応力を有する上部膜49も同時に解放され、例えば1軸方向の応力を有する場合には、上部膜49が応力F1 により両端方向へ引っ張られる。
そして、図8Dに示すように、この上部膜49自身が持つ引張り応力F1 により、上部膜49は下側へシフトして(下がる)、自動的に外囲壁部48の上面に密着し、外囲壁部48と上部膜49で密閉空間55を形成する。すなわち、微小電気機械素子本体46がこの密閉空間55内に密閉された目的の微小電気機械素子413が得られる。
第3実施の形態によれば、犠牲層51、57、58を除去した後、上部膜49が自らの引張り応力F1 により、微小電気機械素子本体46を囲う外囲壁部48に蓋する形になり、中空構造の微小電気機械素子本体46を内部に含む密閉構造の微小電気機械素子413を実現することがでる。密閉度に高いパッケージングが必要となる微小電気機械素子、もしくは望ましい微小電気機械素子を、半導体プロセスを用いて容易に実現することができる。
さらに、犠牲層としてエッチング特性の異なる第3及び第4の犠牲層57及び58を形成して、第3及び第4の犠牲層57及び58を段階的に除去することにより、第1、第2実施の形態と比較してより確実に密閉構造内の犠牲層を除去することができる。従って、犠牲層のエッチング残りに起因する微小電気機械素子本体46の動作不良を低減し、歩留りを向上することができる。
図9及び図10は、第4実施の形態に係る微小電気機械素子を示す。本実施の形態は、犠牲層を除去したときに上部膜が下がらず、その後に上部膜の膜特性を変化させて密閉構造となした微小電気機械素子を得るようにしたものである。本実施の形態の基本構造は、第1実施の形態、もしくは第2実施の形態の構造と同一である。
先ず、図9Aに示すように、例えば前述の図2Aと同様に、基板42上に下部電極43、外囲壁部48、第1の犠牲層51、開口53A,53B、ビーム45を形成し、さらに第2の犠牲層54を形成する。次いで、成膜状態では引張り応力を有さず、熱環境(つまり温度雰囲気)を変化させることにより引張り応力が発生する上部膜61を、第2の犠牲層54、第1の犠牲層51及び開口53A,53B内を含んで堆積し、この上部膜61を外囲壁部48が被覆されるようなパターンでパターニングする。上部膜61としては、例えば、高温(例えば700℃)の成膜では応力を有さず、成膜後に低温(例えば300〜400℃)あるいは室温としたときに引張り応力を有するシリコン窒化膜(SiN膜)などを用いることができる。本例では高温時に引張り応力を有さず、室温で引張り応力を有する物質を上部膜61として用いる。
次に、図9Bに示すように、第1及び第2の犠牲層51及び54を高温雰囲気下でエッチング除去する。このとき、上部膜61は引張り応力を有していないので、犠牲層51及び54が完全に除去されても上部膜49が応力で下がることはない。この犠牲層51及び57の除去で、下部電極43と空間44を挟んで対向するビーム45とによる微小電気機械素子本体46が形成される。
次に、図10Cに示すように、犠牲除去後に熱環境を変える。すなわち、雰囲気を室温に戻す。室温に戻すことにより上部膜61に引張り応力、例えば1軸方向の引張り応力F1 が発生する。
そして、図10Dに示すように、上部膜61に発生した引張り応力F1 により、上部膜61は下側へシフトして(下がり)、自動的に外囲壁部48の上面に密着し、外囲壁部48と上部膜61で密閉空間55を形成する。すなわち、微小電気機械素子本体46がこの密閉空間55内に密閉された目的の微小電気機械素子414が得られる。
第4実施の形態によれば、犠牲層51、54を除去した後、熱環境を変えて上部膜49に発生する引張り応力F1 により、微小電気機械素子本体46を囲う外囲壁部48に上部膜61が蓋する形になり、中空構造の微小電気機械素子本体46を内部に含む密閉構造の微小電気機械素子414を実現することがでる。密閉度に高いパッケージングが必要となる微小電気機械素子、もしくは望ましい微小電気機械素子を、半導体プロセスを用いて容易に実現することができる。
さらに、上部膜として、犠牲層51、54が除去されたときには引張り応力を有さず、犠牲層除去後の室温雰囲気で引張り応力を有する上部膜61を用いることにより、第1、第2実施の形態と比較して確実に密閉構造内の犠牲層を除去することができる。従って、犠牲層のエッチング残りに起因する微小電気機械素子本体46の動作不良を低減し、歩留りを向上することができる。
図11は、第5実施の形態に係る微小電気機械素子を示す。本実施の形態は、上部膜として引張り応力を有する膜と圧縮応力を有する膜の2層膜で形成し、最終的に圧縮応力を有する膜を除去して密閉構造とした微小電気機械素子を得るようにしたものである。この第5実施の形態に係る基本構造は、第1実施の形態、もしくは第2実施の形態の構造と同じである。
先ず、図11Aに示すように、例えば前述の図2Aと同様に、基板42上に下部電極43、外囲壁部48、第1の犠牲層51、開口53A,53B、ビーム45を形成し、さらに第2の犠牲層54を形成する。次いで、強い引張り応力を有する膜62とその上の強い圧縮応力を有する膜63とを積層した2層膜64を、第2の犠牲層54、第1の犠牲層51及び開口53A,53B内を含んで堆積し、この2層膜64を外囲壁部48が被覆されるようなパターンでパターニングする。引張り応力を有する膜62は、最終的に密閉に供する上部膜となる。引張り応力を有する膜62としては、例えばシリコン窒化膜(SiN膜)を用いることができる。圧縮応力を有する膜63としては、例えばチタン窒化膜(TiN膜)を用いることができる。この場合、両膜62及び63は、それぞれ互いに応力が相殺されるような強さの引張り応力及び圧縮応力を有する。
次に、図11に示すように、第1及び第2の犠牲層51及び54をエッチング除去する。このとき、引張り応力を有する膜62は、圧縮応力を有する膜63の応力により、引張り方向の応力が相殺されているため、2層膜64は下がらない。犠牲層51及び54が除去されることにより、外囲壁部48内に下部電極43と空間44を挟んで対向するビーム45とによる微小電気機械素子本体46が形成される。
次に、図11Cに示すように、2層膜64の上側に形成されている圧縮応力を有する膜63のみを除去する。この工程後、引張り応力を有する膜、すなわち上部膜62は、応力が解放されて下側へシフトし(下がり)、自動的に外囲壁部48の上面に密着し、外囲壁部48と上部膜62で密閉空間55を形成する。すなわち、微小電気機械素子本体46がこの密閉空間55内に密閉された目的の微小電気機械素子415が得られる。
第5実施の形態によれば、犠牲層51、54を除去した後に、上層の圧縮応力を有する膜63が除去され、上部膜となる引張り応力を有する膜62の応力が解放されることにより、微小電気機械素子本体46を囲う外囲壁部48に上部膜61が蓋する形になり、中空構造の微小電気機械素子本体46を内部に含む密閉構造の微小電気機械素子414を実現することがでる。密閉度に高いパッケージングが必要となる微小電気機械素子、もしくは望ましい微小電気機械素子を、半導体プロセスを用いて容易に実現することができる。
さらに、第1、第2実施の形態と比較して確実に密閉構造内の犠牲層を除去することができる。従って、犠牲層のエッチング残りに起因する微小電気機械素子本体46の動作不良を低減し、歩留りを向上することができる。
図12は、第6実施の形態に係る微小電気機械素子を示す。本実施の形態は、最終的に上部膜と密着する箇所にリフロー可能な材料層を形成してリフローさせ、密閉度に高い密閉構造とした微小電気機械素子を得るようにしたものである。この第6実施の形態に係る基本構造は、第1実施の形態、第2実施の形態の構造と同じである。
先ず、図12Aに示すように、例えば前述の図2Aと同様に、基板42上に下部電極43、外囲壁部48、第1の犠牲層51、開口53A,53B、ビーム45を形成し、さらに第2の犠牲層54、上部膜49を形成する。そして、本例では特に、外囲壁部48の上面にリフロー可能なリフロー材料層66を形成する。このリフロー材料層66としては、例えばクロム(Cr)や金(Au)などによる金属膜を用いることができる。リフロー材料層66は、例えば第2の犠牲層45を形成する前の工程で形成することができる。
次に、図12Bに示すように、犠牲層51及び54をエッチング除去する。この犠牲層の除去で上部膜48の応力は解放され、上部膜48自身が有する引張り応力F1 により上部膜49が自動的に下側にシフトし(下がり)、外囲壁部48の上面に形成されているリフロー材料層66上に接触する。
次に、図12に示すように、リフロー処理を行い、外囲壁部48上のリフロー材料層66をリフローする。このリフロー処理により、外囲壁部48と上部膜49との間の密着性が向上する。このようにして、外囲壁部48と上部膜49で形成された密閉空間55内に微小電気機械素子本体46が密閉された目的の微小電気機械素子416が得られる。
第6実施の形態によれば、前述の実施の形態と同様に、犠牲層51、54を除去した後に、上部膜49の応力が解放されることにより、微小電気機械素子本体46を囲う外囲壁部48に上部膜61が蓋する形になり、中空構造の微小電気機械素子本体46を内部に含む密閉構造の微小電気機械素子416を実現することがでる。密閉度に高いパッケージングが必要となる微小電気機械素子、もしくは望ましい微小電気機械素子を、半導体プロセスを用いて容易に実現することができる。
さらに、本実施の形態では、上部膜49と外囲壁部48間にリフロー材料層66を形成したことにより、第1、第2実施の形態と比較して密閉構造内の機密性を向上することができる。従って、密閉性が十分でないことによる不良が低減し、歩留りを向上することができる。
図13は、第7実施の形態に係る微小電気機械素子を示す。本実施の形態は、上部膜の応力解放後に、別の膜を新たに形成して密閉度の高い密閉構造とした微小電気機械素子を得るようにしたものである。本実施の形態の基本構造は、第1実施の形態の構造と同じである。
先ず、図13Aに示すように、前述の図3Dの犠牲層51、54を除去する工程までを行う。上部膜49の応力が解放され、上部膜49が自身の引張り応力により下がり、上部膜49が外囲壁部48の上面に密着される。
次に、図13B及びCに示すように、上部膜49の上面から上部膜49の側面、さらに段差68から外囲壁部48の側面にわたるように所要の被覆膜67を形成する。この被覆膜67は、段差68に十分形成される膜が望ましく、例えばCVD法によるSiN膜、SiO膜等で形成することができる。この被覆膜67により、密着部分は完全に密閉される。このようにして、外囲壁部48と上部膜49で形成された密閉空間55内に微小電気機械素子本体46が密閉された目的の微小電気機械素子417が得られる。
第7実施の形態によれば、前述の実施の形態と同様に、犠牲層51、54を除去した後に、上部膜49の応力が解放されることにより、微小電気機械素子本体46を囲う外囲壁部48に上部膜61が蓋する形になり、中空構造の微小電気機械素子本体46を内部に含む密閉構造の微小電気機械素子417を実現することがでる。密閉度に高いパッケージングが必要となる微小電気機械素子、もしくは望ましい微小電気機械素子を、半導体プロセスを用いて容易に実現することができる。
さらに、本実施の形態では、上部膜49の上面から外囲壁部48の側面にわたり被覆膜67を形成することにより、第1、第2実施の形態と比較して密閉構造内の機密性を向上することができる。従って、密閉性が十分でないことによる不良が低減し、歩留りを向上することができる。
図14は、本発明の第8実施の形態に係る微小構造体を示す。本実施の形態は、複数の密閉空間を有する微小構造体である。本実施の形態の密閉構造の基本構造は、第1、第2実施の形態の構造と同一である。
本実施の形態においては、図14Aに示すように、基板72上に微小空間を仕切る複数の側壁部73と最外側壁部79を形成する。この基板72上に側壁部73の高さH1 より低い高さH2 の第1の犠牲層51を形成し、さらに基板72の面からの高さH3 が側壁部73より高い第2の犠牲層75を複数の側壁部73及び最外側壁部79を覆うように形成する。第1の犠牲層74の外側には、基板72の面が臨む例えば一対の開口76A,76Bが形成される。次いで、第2の犠牲層75上面から開口76A,76B内に至るように強い引張り応力を有する上部膜77を形成する。
次に、図14Bに示すように、第1及び第2の犠牲層74及び75をエッチング除去する。犠牲層74、75が除去されることにより、上部膜77の応力が解放され、自身の持つ引張り応力により、上部膜77が下がり各隣合う側壁部73及び最外側壁部79の上面に密着し、各微小空間78が封止される。すなわち、独立した複数の密閉空間78が形成される。このようにして、側壁部73及び最外側壁部79の相互間の空間が上部膜77で封止され、各独立に分割された複数の密閉空間78を有する微小構造体71が得られる。
最外側壁部79を、図5に示す外囲壁部48と同じ周囲を囲む構造に形成しても良く、あるいは一方向に延びる構造に形成することができる。
最外側壁部79を周囲を囲む構造としたときには、上部膜77で上部が封止された各微小空間78は、完全密閉空間となる。この場合、各微小空間78内に鎖線で示すように前述の微小電気機械素子本体46を内蔵させることにより、この微小構造体71は、微小電気機械素子として構成される。
最外側壁部79を一方に延びる構造としたときには、一方向が解放された密閉空間となる。この場合、例えば流路のように、内部に可動構造を有しない密閉空間を有した微小構造体として構成することができる。
この微小構造体71においては、微小空間78を、微小空間78内に可動構造を持たない空間として用いる場合、図12のように犠牲層を第1、第2の犠牲層74、75に分けて形成する必要はなく、一層の犠牲層でも良い。すなわち、側壁部73、最外側壁部79の形成、次いで犠牲層の形成、次いで犠牲層の上面の平坦化、次いで上部膜7の形成、次いで犠牲層の除去、という工程で密閉構造を有する微小構造体を製造することができる。
第8実施の形態によれば、複数の密閉空間78を同時に形成することが可能になる。また、上部膜77と側壁部73、最外側壁部79との密着部が増えるため、確実な密閉空間78を得るためには、図12に示す第6実施の形態を併用することが望ましい。
図14では、複数の密閉空間78を有した微小構造体を構成したが、1つの密閉空間78を有する微小構造体として構成することもできる。
各実施の形態では、微小電気機械素子本体46として、ビームを片持ち梁式構造としたもの(図 参照)を適用したが、ビームを両持ち梁式構造としたもの(図 参照)を適用することできる。
上述したように、本発明の実施の形態態によれば、強い引張り応力を有する上部膜を犠牲層の上面に形成し、犠牲層除去後に自らの引張り応力で自動的に密閉空間を形成した微小構造体、微小電気機械素子を実現することができる。これによって密閉度の高いパッケージングが必要な、もしくは望ましい微小構造体、微小電気機械素子において、これを半導体プロセスを用いて容易に製造することができる。
従来の密閉構造で懸念されていた密閉度の問題も、特に第3〜第7実施の形態を用いることにより、解決することができる。
同時に多数の密閉空間を形成することが必要である場合には、第8実施の形態を用いることにより、容易に実現することができる。
本発明の微小構造体、微小電気機械素子は、例えば高周波フィルタ、中間周波フィルタ、音響共鳴による周波数フィルタ等のフィルタや、プリンタに備えるインクジェットプリンタヘッドや、ジャイロセンサ、赤外線センサ、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ等の各種センサに適用することができる。また、微小電気機械素子のビームを光反射膜に兼用して、光の反射方向を利用した光スイッチや回折光を利用したGLV(登録商標)素子等の光学微小電気機械素子に適用することも可能である。このときには上部膜は光透過性を有する膜で形成される。
本発明は、上述した各デバイスに適用される微小構造体、微小電気機械素子を備えた各種の電子機器を構成することができる。
インクジェットプリンタヘッドは、微小電気機械素子をアクチュエータ(駆動源)として用い、その上にノズルを有するインク室が配置され、このインク室に通じるインクの流路、インク供給部を有して成る。このようなインクジェットプリンタヘッドでは、少なくともインク流路の形成に本発明を適用することができる。
図15及び図16は夫々、高周波フィルタあるいは中間周波フィルタ等のフィルタに適用した実施の形態である。各図は概略図である。
図15のフィルタ81は、基板82上に下部電極で構成した入力電極83及び出力電極84が形成され、この入出力電極83、84に空間85を挟んで所要の共振周波数を有するビーム(振動電極)86が形成されフィルタ本体87が構成される。さらに、基板82上にフィルタ本体87を密閉するように前述したと同様の構成を採る外囲壁部88とこの外囲壁部88の上面に密着する上部膜89が形成されて構成される。
このフィルタ81は、入力電極83に信号が入力され、ビーム89に直流バイアス電圧が印加される。入力電極83に目的周波数の信号が入力されると、ビーム89と入力電極83間に生じる静電力で、ビーム89が共振し、出力電極84から目的周波数の信号が出力される。他の周波数の信号が入力されたときは、ビーム89が共振せず、出力電極84から信号が出力されない。
図16のフィルタ91は、基板82上に下部電極となる出力電極92と配線層93が形成され、出力電極92に空間94を挟んで所要の共振周波数を有する振動電極となるビーム95が形成されたフィルタ本体96が構成される。さらに、基板82上にフィルタ本体96を密閉するように前述したと同様の構成を採る外囲壁部88とこの外囲壁部88の上面に密着する上部膜89が形成されて構成される。
このフィルタ91は、ビーム95と接地間に直流バイアス電圧が印加された状態で、ビーム95に目的周波数の信号が入力されると、ビーム95と出力電極92間に生じる静電力で、ビーム95が共振し、出力電極92から目的周波数の信号が出力される。他の周波数の信号が入力されたときは、ビーム95が共振せず、出力電極92から信号が出力されない。
本発明は、上述した実施の形態のフィルタ81又は91を備えた通信装置、例えば携帯電話、無線LAN、無線トランシーバ、テレビチューナ、ラジオチューナ等の、電磁波を利用して通信する通信装置を提供するこができる。
次に、上述した本発明の実施の形態のフィルタを適用した通信装置の構成例を、図17を参照して説明する。
まず送信系の構成について説明すると、Iチャンネルの送信データとQチャンネルの送信データを、それぞれデジタル/アナログ変換器(DAC)201I及び201Qに供給してアナログ信号に変換する。変換された各チャンネルの信号は、バンド・パス・フィルタ202I及び202Qに供給して、送信信号の帯域以外の信号成分を除去し、バンド・パス・フィルタ202I及び202Qの出力を、変調器210に供給する。
変調器210では、各チャンネルごとにバッファアンプ211I及び211Qを介してミキサ212I及び212Qに供給して、送信用のPLL(phase-locked loop)回路203から供給される送信周波数に対応した周波数信号を混合して変調し、両混合信号を加算器214で加算して1系統の送信信号とする。この場合、ミキサ212Iに供給する周波数信号は、移相器213で信号位相を90°シフトさせてあり、Iチャンネルの信号とQチャンネルの信号とが直交変調されるようにしてある。
加算器214の出力は、バッファアンプ215を介して電力増幅器204に供給し、所定の送信電力となるように増幅する。電力増幅器204で増幅された信号は、送受信切換器205と高周波フィルタ206を介してアンテナ207に供給し、アンテナ207から無線送信させる。高周波フィルタ206は、この通信装置で送信及び受信する周波数帯域以外の信号成分を除去するバンド・パス・フィルタである。
受信系の構成としては、アンテナ207で受信した信号を、高周波フィルタ206及び送受信切換器205を介して高周波部220に供給する。高周波部220では、受信信号を低ノイズアンプ(LNA)221で増幅した後、バンド・パス・フィルタ222に供給して、受信周波数帯域以外の信号成分を除去し、除去された信号をバッファアンプ223を介してミキサ224に供給する。そして、チャンネル選択用PLL回路251から供給される周波数信号を混合して、所定の送信チャンネルの信号を中間周波信号とし、その中間周波信号をバッファアンプ225を介して中間周波回路230に供給する。
中間周波回路230では、供給される中間周波信号をバッファアンプ225を介してバンド・パス・フィルタ232に供給して、中間周波信号の帯域以外の信号成分を除去し、除去された信号を自動ゲイン調整回路(AGC回路)233に供給して、ほぼ一定のゲインの信号とする。自動ゲイン調整回路233でゲイン調整された中間周波信号は、バッファアンプ234を介して復調器240に供給する。
復調器240では、供給される中間周波信号をバッファアンプ241を介してミキサ242I及び242Qに供給して、中間周波用PLL回路252から供給される周波数信号を混合して、受信したIチャンネルの信号成分とQチャンネルの信号成分を復調する。この場合、I信号用のミキサ242Iには、移相器243で信号位相を90°シフトさせた周波数信号を供給するようにしてあり、直交変調されたIチャンネルの信号成分とQチャンネルの信号成分を復調する。
復調されたIチャンネルとQチャンネルの信号は、それぞれバッファアンプ244I及び244Qを介してバンド・パス・フィルタ253I及び253Qに供給して、Iチャンネル及びQチャンネルの信号以外の信号成分を除去し、除去された信号をアナログ/デジタル変換器(ADC)254I及び254Qに供給してサンプリングしてデジタルデータ化し、Iチャンネルの受信データ及びQチャンネルの受信データを得る。
ここまで説明した構成において、各バンド・パス・フィルタ202I,202Q,206,222,232,253I,253Qの一部又は全てとして、本例の構成のフィルタを適用して帯域制限することが可能である。図17の例では、各フィルタをバンド・パス・フィルタとして構成したが、所定の周波数よりも下の周波数帯域だけを通過させるロー・パス・フィルタや、所定の周波数よりも上の周波数帯域だけを通過させるハイ・パス・フィルタとして構成して、それらのフィルタに本例の構成のフィルタを適用してもよい。また、図17の例では、無線送信及び無線受信を行う通信装置としたが、有線の伝送路を介して送信及び受信を行う通信装置が備えるフィルタに適用してもよく、さらに送信処理だけを行う通信装置や受信処理だけを行う通信装置が備えるフィルタに、上述した実施の形態の構成のフィルタを適用してもよい。
本発明に係る微小電気機械素子の実施の形態を示す構成図である。 A〜C 第1実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図(その1)である。 D〜E 第1実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図(その2)である。 A,B 本発明の説明に供する上部膜の斜視図である。 第1実施の形態に係る微小電気機械素子の模式図である。 第2実施の形態に係る微小電気機械素子の模式図である。 A〜B 第3実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図(その1)である。 C〜D 第3実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図(その2)である。 A〜B 第4実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図(その1)である。 C〜D 第4実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図(その2)である。 A〜C 第5実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図である。 A〜C 第6実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図である。 A〜B 第7実施の形態に係る微小電気機械素子の製造工程図である。 C 図13BのAーA線上の断面図である。 A〜B 第8実施の形態に係る微小構造体の製造工程図である。 本発明に係るフィルタの一実施の形態を示す構成図である。 本発明に係るフィルタの他の実施の形態を示す構成図である。 本発明に係る通信装置の実施の形態を示す回路図である。 従来の密閉構造の微小電気機械素子の一例を示す構成図である。 A〜B 従来の密閉構造の微小電気機械素子の他の例を示す製造工程図である。 A 静電駆動型の微小電気機械素子の代表的な一例を示す斜視図である。 B その断面図である。 A 静電駆動型の微小電気機械素子の代表的な他の例を示す斜視図である。 B その断面図である。
符号の説明
41〔411〜417〕・・微小電気機械素子、42・・基板、43・・下部電極、44・・空間、45・・ビーム、46・・微小電気機械素子本体、48・・外囲壁部、49・・上部膜、49〔49A〜49D〕・・上部膜の支持部、49E・・上部膜の中央領域、51、54、57、58・・犠牲層、55・・密閉空間、66・・リフロー材料層、71・・微小構造体、72・・基板、73・・側壁部、74、75・・犠牲層、77・・上部膜、78・・微小空間、79・・最外側壁部

Claims (30)

  1. 基板上に微小空間を仕切る側壁部が形成され、
    隣合う前記側壁部間に差し渡るように、前記側壁部の上面に膜特性により下げられた上部膜が密着され、
    前記微小空間が封止されて成る
    ことを特徴とする微小構造体。
  2. 基板上に微小空間を仕切る側壁部を形成する工程と、
    隣合う前記側壁部を覆うように犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の上面を含み前記基板表面に至る上部膜を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去し、膜特性により前記上部膜を下げて前記隣合う側壁部間に差し渡るように、前記側壁部の上面に密着させ前記微小空間を封止する工程を有する
    ことを特徴とする微小構造体の封止方法。
  3. 前記上部膜に引張り応力を有する膜を用いる
    ことを特徴とする請求項2記載の微小構造体の封止方法。
  4. 前記上部膜に1軸方向の引張り応力を有する膜を用いる
    ことを特徴とする請求項2記載の微小構造体の封止方法。
  5. 前記上部膜に2軸方向の引張り応力を有する膜を用いる
    ことを特徴とする請求項2記載の微小構造体の封止方法。
  6. 前記犠牲層をエッチング特性を異にした複数の犠牲層で形成し、
    前記複数の犠牲層をそれぞれ段階的に除去する
    ことを特徴とする請求項2記載の微小構造体の封止方法。
  7. 前記犠牲層を除去したとき時に前記上部膜が下がらず、
    前記犠牲層の除去した後に所要の熱環境下で前記上部膜の膜特性を変化させ、前記上部膜を前記外囲壁部上に下げる
    ことを特徴とする請求項2記載の微小構造体の封止方法。
  8. 前記上部膜を圧縮応力を有する膜と引張り応力を有する膜の2層膜で形成し、
    前記犠牲層を除去した後に前記圧縮応力を有する膜を除去して前記引張り応力を有する膜のみの上部膜の応力を解放し、
    前記上部膜を前記外囲壁部上に下げる
    ことを特徴とする請求項2記載の微小構造体の封止方法。
  9. 前記犠牲層の形成前に、前記外囲壁部の上面にリフロー材料層を形成する工程、
    前記犠牲層を除去し、前記上部膜を前記外囲壁部の上面のリフロー材料層に下げた後、前記リフロー材料層をリフロー処理する工程を有する
    ことを特徴とする請求項2記載の微小構造の封止方法。
  10. 前記上部膜を下げて前記外囲壁部の上面に密着させる工程の後、前記上部膜と前記外囲壁部の上面を覆う被覆膜を形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項2記載の微小構造体の封止方法。
  11. 基板上に微小電気機械素子本体を囲うように外囲壁部が形成され、
    前記外囲壁部の上面に膜特性により下げられた上部膜が密着され、
    前記微小電気機械素子本体が密閉されて成る
    ことを特徴とする微小電気機械素子。
  12. 前記上部膜が引張り応力を有する膜で形成され、
    犠牲層の除去で前記上部膜が前記外囲壁部の上面に下がり密着して成る
    ことを特徴とする請求項11記載の微小電気機械素子。
  13. 前記上部膜が1軸方向に引張り応力を有する膜で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項11記載の微小電気機械素子。
  14. 前記上部膜が2軸方向に引張り応力を有する膜で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項11記載の微小電気機械素子。
  15. 前記上部膜が引張り応力を有する膜で形成され、
    エッチング特性を異にした複数の犠牲層をそれぞれ段階的に除去することで、前記上部膜が前記外囲壁部の上面に下がり密着して成る
    ことを特徴とする請求項11記載の微小電気機械素子。
  16. 犠牲層を除去した後の処理で、前記上部膜の特性が変化して前記上部膜が前記外囲壁部の上面に下がり密着して成る
    ことを特徴とする請求項11記載の微小電気機械素子。
  17. 前記上部膜が圧縮応力を有する膜と引張り応力を有する膜の2層膜で形成され、
    犠牲層の除去後に前記圧縮応力の膜が除去されて前記引張り応力を有する膜のみの上部膜が、前記外囲壁部の上面に下がり密着して成る
    ことを特徴とする請求項11記載の微小電気機械素子。
  18. 前記上部膜と前記外囲壁部の上面との間にリフロー材料層が介在して成る
    ことを特徴とする請求項11記載の微小電気機械素子。
  19. 密着された前記上部膜と前記外囲壁部の上面を覆って被覆膜が形成されて成る
    ことを特徴とする請求項11記載の微小電気機械素子。
  20. 基板上に微小電気機械素子本体を囲う外囲壁部を形成する工程と、
    前記外囲壁部を覆うように犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の上面を含み前記基板表面に至る上部膜を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去し、膜特性により前記上部膜を下げて前記外囲壁部の上面に密着させる工程を有する
    ことを特徴とする微小電気機械素子の製造方法。
  21. 前記上部膜に引張り応力を有する膜を用いる
    ことを特徴とする請求項20記載の微小電気機械素子の製造方法。
  22. 前記上部膜に1軸方向の引張り応力を有する膜を用いる
    ことを特徴とする請求項20記載の微小電気機械素子の製造方法。
  23. 前記上部膜に2軸方向の引張り応力を有する膜を用いる
    ことを特徴とする請求項20記載の微小電気機械素子の製造方法。
  24. 前記犠牲層をエッチング特性を異にした複数の犠牲層で形成し、
    前記複数の犠牲層をそれぞれ段階的に除去する
    ことを特徴とする請求項20記載の微小電気機械素子の製造方法。
  25. 前記犠牲層を除去したとき時に前記上部膜が下がらず、
    前記犠牲層の除去した後に所要の熱環境下で前記上部膜の膜特性を変化させ、前記上部膜を前記外囲壁部上に下げる
    ことを特徴とする請求項20記載の微小電気機械素子の製造方法。
  26. 前記上部膜を圧縮応力を有する膜と引張り応力を有する膜の2層膜で形成し、
    前記犠牲層を除去した後に前記圧縮応力を有する膜を除去して前記引張り応力を有する膜のみの上部膜の応力を解放し、
    前記上部膜を前記外囲壁部の上面に降下させる
    ことを特徴とする請求項20記載の微小電気機械素子の製造方法。
  27. 前記犠牲層の形成前に、前記外囲壁部の上面にリフロー材料層を形成する工程、
    前記犠牲層を除去し、前記上部膜を前記外囲壁部の上面のリフロー材料層に下げた後、前記リフロー材料層をリフロー処理する工程を有する
    ことを特徴とする請求項20記載の微小電気機械素子の製造方法。
  28. 前記上部膜を下げて前記外囲壁部の上面に密着させる工程の後、前記上部膜と前記外囲壁部の上面を覆う被覆膜を形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項20記載の微小電気機械素子の製造方法。
  29. 基板上に微小空間を仕切る側壁部が形成され、
    隣合う前記側壁部間に差し渡るように該側壁部の上面に膜特性により下げられた上部膜が密着され、
    前記微小空間が封止されてなる微小構造体を、
    備えて成る
    ことを特徴とする電子機器。
  30. 基板上に微小電気機械素子本体を囲うように外囲壁部が形成され、
    前記外囲壁部の上面に膜特性により降下した上部膜が密着され、
    前記微小電気機械素子本体が密閉されてなる微小電気機械素子を、
    備えて成る
    ことを特徴とする電子機器。
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