JP2006043694A - 金属ポルフィリン−スメクタイト複合体 - Google Patents

金属ポルフィリン−スメクタイト複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】金属ポルフィリン錯体を熱力学的、かつ光に対しても安定化し、有害物質を吸着捕捉し、脱離または分解する材料を提供する。
【解決手段】合成スメクタイトに金属ポルフィリンまたはその誘導体を吸着させた、一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、有機溶剤等の有害物質を吸着し、または分解する複合体であり、金属として白金、パラジウム等から選択してポリフィリン錯体を形成したもの。有害物質を吸着した複合体は、光または紫外線を照射することにより、有害物質を脱離または分解することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、膨潤性合成粘土に金属ポルフィリンを吸着させた複合体に関し、この複合体は有害物質を吸着することを特徴とする。
ヘマトポルフィリンまたはその誘導体に光照射すると色素が光エネルギーを吸収し、励起され、そのエネルギーが三重項酸素にわたり一重項酸素にかわる。一重項酸素は細胞障害性が特に腫瘍細胞に強く、光力学療法に利用されている。また腫瘍細胞の殺傷作用、血管弛緩作用、神経伝達作用に関係する一酸化窒素をニッケルポルフィリン錯体で補足すると言うことからニッケルポルフィリン錯体と陽イオン交換樹脂でコートした炭素繊維電極のマイクロセンサーを用いた電流電圧計で血管内皮細胞由来の一酸化窒素を検出することもできた。
ヘムタンパク質と一酸化窒素との親和性は古くから報告され、このタンパク質は酸素との親和性を1とした時、一酸化炭素は数100倍、一酸化窒素は数十万倍と報告している。
しかしながら、ポルフィリン類は癌の光力学療法の他には光安定性が良くないこととポルフィリン類は水に溶解しにくいこともあり実用的な応用はなされていない。そのために安定化させる試みがなされてきた。例えば特許文献1では、クロロフィルをベントナイトに結合させて光に安定な複合体を開示している。しかしながら、この複合体粉末は水を加えた時、不透明にしか分散しない。また、特許文献2,特許文献3には合成スメクタイトのような膨潤性合成粘土に、クロロフィル類又はキサントフィル類のような水に不溶な天然色素が結合した複合体が可溶化して透明な水溶液とすることができ、かつ光に安定化されると報告している。しかしながら、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害物質との吸着量、有害物質の脱離と再使用の面から充分ではなく更に改善の必要がある。
特公昭46−12309 特開平8−134366 Dyes andPigments,Vol.28,No.1,pp. 77−82,1995
本発明は、金属ポルフィリン錯体を熱力学的かつ光に対しても安定化させ、有害物質を特異的に吸着捕捉し、有害物質を脱離又は分解する材料を提供することにある。
本発明者は、膨潤性合成粘土、特に合成スメクタイトに金属ポルフィリンまたはその誘導体を吸着させた複合体が金属の種類により特異的に一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、硫化水素、チオール化合物、アンモニア、有機溶媒、有機ガス等の有害物質、特に一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害物質をよく吸着すること、更に、光を照射することで有害物質を脱離又は分解でき、しかも光に極めて安定であるため、再度繰り返して有害物質の吸着・脱離に使用が可能であることを見出した。
膨潤性合成粘土としては、合成スメクタイト、特にヘクトライト型、サポナイト型、スチブンサイト型のものが市販されている。特にNa0.33(Mg2.67Li0.33)Si410(OH)2の構造式を有するスメクタイトが好適に用いられる。また、上記結晶構造中のOH-がF-で同型置換された合成物フッ素雲母膨潤型(SWF)や膨潤型ナトリウム四ケイ素雲母、膨潤型のNa又はLi型テニオライト、あるいはNa又はLi型ヘクトライトが知られており、このような膨潤性合成粘土はすべて用いることができる。
金属ポルフィリン及びその誘導体としては、ウロポルフィリンI及びIII、コプロポルフィリン I,II,III,及びIV、ヘマトポルフィリン、ジューテロポルフィリン、プロトポルフィリン、メソポルフィリン、エチオポルフィリン等及びこれらのアルコール類あるいはポリエチレングリコールやアミノ酸及びペプチド等とのエステル、エーテル、酸アミド誘導体で、白金、パラジューム、カドミウム、コバルト、銀、鉄、亜鉛、錫、マンガン、チタン等との錯体が用いられる。特にプロトポルフィリンやヘマトポルフィリン及びその誘導体の金属錯体が好適に用いられる。
本発明品は、これらの金属ポルフィリン及びその誘導体をベンゼン、トルエン、アセトン等の有機溶媒に溶解し、これに膨潤性合成粘土を添加して、合成粘土に吸着させ、複合体を沈殿物として得る。この沈殿物を遠心分離後、減圧乾燥して粉末として得る。
本発明のスメクタイト−金属ポルフィリン複合体は容易に製造でき、熱力学的及び光学的に安定で、水溶液中または大気中の有害物質を確実に吸着し、吸着した有害物質を安全に脱離または分解し、再度繰り返し使用ができる。
ポルフィリン関連化合物は天然ポルフィリンとその前駆体、関連化合物、誘導体、合成ポルフィリン、胆汁色素と多数存在し、ピロール環の窒素原子は金属イオンと結合しやすく、金属ポルフィリンはタンパク質と結合して生化学的に重要な役割をしている。生体中に低濃度ながら存在し、代謝異常の確認もできる。癌との関連でポルフィリンは癌細胞に多く吸着され、赤色レーザー光の放射により癌組織の破壊にも利用されている。本発明で使用されるポルフィリンは四つのピロール環がメチレン基により結合閉環した化合物であり、その側鎖として、メチル、エチル、ビニル、酢酸、プロピオン酸等が結合した物である。フタロシアニンやテトラフェニルポルフィリン等のピロール環が修飾された物、大きい側鎖を持つポルフィリン関連化合物は膨潤性合成粘土との吸着は不適当である。それは立体構造的に恐らく膨潤性合成粘土との接触面が小さくなるために殆ど吸着しないかあるいは弱い吸着になるものと推測される。金属イオンは白金、パラジウム、カドミウム、コバルト、銀、鉄、亜鉛、錫、マンガン、チタン等で、これらの金属はポルフィリン及びその誘導体と容易に錯体を作り、その錯体の熱力学的安定性は、Pt>Pd>Ni>Co>Ag>Cu>Fe>Zn>Mg>Cd>Sn>Baである。金属は熱力学的安定性とポルフィリン環への入りやすさのバランス及び有害物質との吸着力で選択される。
膨潤性合成粘土は合成スメクタイト、特にヘクトライト型、サポナイト型、スチブンサイト型のものが市販されているがいずれでも使用可能である。特に、Na0.33(Mg2.67 Li0.33)Si410(OH)2の構造式を有するスメクタイトが好適に用いられる。
金属ポルフィリンとスメクタイトの重量比は、0.2/100〜10/100である。
金属ポルフィリンの一酸化炭素、二酸化炭素の吸着については、ヘモグロビン、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、チトクローム等のヘム蛋白質が知られているが、工業的には有害物質の除去には応用できない。工業的に応用するためには、容易に製造でき、熱力学的及び光学的に安定で、有害物質を確実に吸着し、吸着した有害物質を安全に脱離または分解し、再度繰り返して有害物質除去材として使用できることが必要である。
本発明品は、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、硫化水素、チオール化合物、アンモニア、有機溶媒、有機ガスを含む物質等の処理、精製、回収に用いることができる。また、吸着冷凍等の温度差利用のための吸着剤として用いられ、空気清浄に用いられる。200メッシュ以上また使用方法によって16〜32メッシュの本発明品をタバコフィルタ−として用い、フィルターの作成の構造によって活性炭によらないタール分、ニコチン等の吸着を行い低タール志向の利用に期待できる。
また、冷陰極光ランプから出る紫外線等の光触媒作用により、例えばエアフィルタ−として用いて環境中の有害ガス、工業用エチレンガス、果実等の農産物からでるエチレンガスの処理等の脱臭、分解に用いられ実用化されている酸化チタンの光触媒作用による強力な酸化分解作用と本発明品の作用を相乗的に利用し、有害物質の吸着、脱着に止まらず、更に分解まで進行させるために併用させることにも期待される。同様に、スメクタイトにコバルトイオン等の金属イオンをイオン交換で結合させ、金属−スメクタイトを作成し、本発明品と混合し有害物質をより大量に吸着させ、光照射で脱離又は分解させることも可能になる。その場合、スメクタイトの有する吸着能とイオン交換能、あるいは混和によって作用が相乗的に増幅機能を出すことを利用する。光触媒として金属イオンと本発明品双方の励起を起こす共通な光源光線、例えば、自然光や白色光と紫外線の併用が利用できる。
本発明の複合体の物性は通常用いられる方法によるものであるが、一酸化炭素吸着、二酸化炭素の固定化及び光安定性実験は下記のように行われる。
(酸素吸着、一酸化炭素吸着実験)
ヘミン(Fe3+)はアセトン中で合成スメクタイトと吸着しヘミン−スメクタイト複合体をつくる。ヘミン−スメクタイト複合体は暗赤色透明なコロイド溶液を形成し、水溶液に溶解する。水中における吸収スペクトルは398nmにソレットバンド(分子吸光係数εat 398nm = 11.6x104-1cm-1)を持ち、モノメリックヘマチン(ソレットバンド分子吸光係数εat 398nm =12.2±3x104-1cm-1)と非常に類似していて、この複合体はペルオキシダーゼのように酸化還元反応を触媒した。ヘミン(Fe3+)-スメクタイトは水中でディチオナイトのような還元剤で簡単に還元され、ヘム(Fe2+)-スメクタイト複合体が作成され、その吸収スペクトル(α,β及びソレットバンドは568,534,411nm)はオキシヘモグロビン(α,β及びソレットバンドは577,541,414nm)と非常に類似していた。ヘム(Fe2+)-スメクタイト複合体は酸素(O2)と結合し、O2-ヘム(Fe2+)-スメクタイトを形成し、これに一酸化炭素(CO)を添加するとCO−ヘム(Fe2+)-スメクタイトが作成され、その吸収スペクトルにおいて、吸収バンドは561,530,408nmでカルボキシヘモグロビン(CO−Hb)(570,538,418nm)と類似していた。それ故、他の複合体の酸素吸着、一酸化炭素吸着の実験は吸収スペクトルでその変化をみることにした。吸収スペクトルはShimazu spectrophotometerMPS−2000(Kyoto,Japan)で測定した(表1)。
Figure 2006043694
(二酸化炭素固定化)
Ochoaらの方法で(Ochoa,S.,Mehler,A,and Kornberg,A.(1947)J.Biol.Chem.167,871−872;Ochoa,S,Mehler,A.H.andKornberg,A.(1948)J.Biol.Chem.174,979−1000)検体15μMとNADP+(Trihydrate β−nicotinamide adenine dinucleotide,phosphate)3.2mM,ピルビン酸0.8mM,塩化マグネシウム15mM,アスコルビン酸6mMを50mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)10mlに溶解し、これにフェレドキシン−NADP+還元酵素2.5Uとリンゴ酸酵素5Uを加える。三首丸底フラスコ中の検体混合物をポンプで脱気する。その後、炭酸水素ナトリウム180mMを加え、アルゴンガスをくわえる。検体混合液をマグネチックスターラーで攪拌し、30℃で10cmの距離から60W白色ランプで照射する(光強度:200Jm-2-1)。NADPHを通してピルビン酸と二酸化炭素の反応でリンゴ酸が生成することを利用する。
(光安定性実験)
検体を13μMを3mlの50mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)に溶解し、60W白熱灯ランプで10cm距離(光強度200Jm-2-1)で、210分、嫌気下、30℃で照射し、光照射前の吸収極大波長での吸光度を100%として相対比をとる。
廃ガス中の窒素酸化物(NO,NO2)の定量法としては、亜鉛還元ナフチルエチレンジアミン吸光光度法及びフェノールジスルホン酸吸光光度法(JIS K 0104ー1984、廃ガス中の窒素酸化物分析方法)で行う。アンモニウムイオンは、中和滴定法、インドフェノールブルー吸光光度法およびイオン電極法を用いる方法(JIS K 0102ー1986、工場排水試験方法;並木博編“詳解・工場排水試験方法”日本規格協会、1986)で行う。硫化水素および硫化水素として遊離できる硫黄化合物はメチレンブル−法(L.Gustafsson、Talanta、4、227、1960)が用いられる。硫黄酸化物の代表である二酸化硫黄(SO2)はパラローザニリン法(E.H.Hansen、Anal.Chim.Acta、114、19、1980)またはスルホナゾIII法(O.Kondo et al、Anal.Chim.Acta、134、353、1982)を用いる。チオ−ル化合物はN−置換マレイミド化合物を用いる方法(T.Sekine et al、Anal.Biochem、48、557、1972;奈良安規ら、分化、22、451、1973)を用いる。
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 ポルフィリン金属錯体−合成スメクタイト複合体の調製
(ヘミン−合成スメクタイトの調製)
スメクタイト300mgにヘミンのアセトン溶液(3mg/15ml)を加えて1時間攪拌する。沈澱物を3000rpmで20分遠心して集めて減圧下乾燥する。検体番号Fe3+PP−Sme−1。収量290mg。鉄ポルフィリン含量は0.25%である。ソレットバンド398nmで分子吸光係数はεmM =116。
(コバルトポルフィリン−スメクタイトの調製)
プロトポルフィリン8.88μmolを15mlのジメチルスルフォキシド(DMSO)に溶解し、120℃に加熱する。これに88.8μmolの塩化コバルトを5mlのDMSOに溶解して加え、120℃で20分加熱する。反応終了後、20倍以上の水を加えて生じた沈殿物を10000rpmで5分間遠心して集める。更に、水で3回洗浄して減圧下乾燥してコバルトポルフィリン錯体(検体番号CoPP−1)5.5mgを得る。プロトポルフィリン及びコバルトポルフィリン錯体の吸収スペクトルを図1に示した。
検体番号 CoPP−1のコバルトポルフィリン錯体1.7mgをアセトン5mlに溶解し600mgのスメクタイトを加えて1時間攪拌する。沈殿物を3000rpmで20分遠心して集めて減圧下乾燥してコバルトポルフィリン−スメクタイト(検体番号CoPP−Sme−1)を600mg得る。コバルトポルフィリン含量は0.286%である。
(亜鉛ポルフィリン−スメクタイトの調製)
プロトポルフィリン8.8μmolを10mlのDMSOに溶解し、90℃に加温する。これに88.8μmolの塩化亜鉛のDMSO溶液を加え、90℃で1時間30分反応する。反応液に20倍以上の水を加えて生じた沈殿物を10000rpmで5分遠心して集める。この沈澱を3回洗浄し、減圧下乾燥して亜鉛ポルフィリン錯体(検体番号ZnPP−1)5.6mgを得る。プロトポルフィリン及び亜鉛ポルフィリン錯体の吸収スペクトルを図2に示した。
検体番号ZnPP−1の亜鉛ポルフィリン錯体6.7mgをアセトン21mlに溶解し600mgのスメクタイトを加えて1時間攪拌する。沈殿物を3000rpmで20分遠心して集める。減圧下乾燥して亜鉛ポルフィリン−スメクタイト(試験番号ZnPP−Sme−1)を600mgを得る。亜鉛ポルフィリン含量は1.12%である。
実施例2 ヘム−スメクタイトの調製とヘミン−スメクタイトとヘム−スクタイトの吸収スペクトルの比較
ヘミン−スメクタイト15mgを水3mlに溶解し、凍結脱気した後、30mgのディチオナイトを添加して還元し、ヘム(Fe2+)−スメクタイト複合体を調製した。表1に示すように、還元する事によりヘミン(Fe3+)−スメクタイトは大きく吸収スペクトルが異なり、オキシヘモグロビンと非常に類似したスペクトルを示し、ヘム(Fe2+)−スメクタイト複合体は酸素(O2)を吸着しているO2−ヘム(Fe2+)−スメクタイト複合体と判断した。更に、O2−ヘム(Fe2+)−スメクタイト複合体に一酸化炭素を添加することにより、表1に示すように、カルボキシヘモグロビンの吸収スペクトルと類似しており、一酸化炭素吸着ヘム(Fe2+)−スメクタイト複合体、即ち、CO−ヘム(Fe2+)−スメクタイトと判断した。
実施例3 コバルトポルフィリン−スメクタイトの一酸化炭素の吸着・脱離実験
実施例1の検体番号CoPP−Sme−1の14mgを水3mlに溶解し、凍結脱気して、脱酸素のために30mgのハイドロサルファイトを添加して、これに一酸化炭素を封入する。更に、これに30℃、照射距離5cmで60W白色ランプで5分間照射する(光強度200Jmー2ー1)。検体番号CoPP−Sme−1はハイドロサルファイト・一酸化炭素処理で416nmが398nmへ、560nmが552nmへと大きくシフトし、それが光照射2分で408nm、556nmと変化し、更に5分で416nm,560nmと変化し、再びCoPP−Sme−1に近似した。これは検体番号CoPP−Sme−1が一酸化炭素処理で一酸化炭素を吸着し、光照射で一酸化炭素が脱離したことを示す。図3に吸光スペクトルの変化を示した。
実施例4 ヘミン−スメクタイトによる2−メルカプトエタノールの吸着−光照射とその繰り返しによる吸光スペクトルの変化
15mgの実施例1の検体番号Fe3+−PP−Sme−1を水3mlに溶かし、2−メルカプトエタノール(RSH)を1μl加える。検体番号Fe3+−PP−Sme−1はRSHの配位によってソレットバンドである398nmのピークが380nmに変化し、それに伴い2−メルカプトエタノールの異臭は全く消失した。これに光を照射すると380nmのピークが400nmになりヘミン−スメクタイトのそれに近い値になった。再度、2−メルカプトエタノ−ルを1μl加えるとソレットバンドのピークは380nmになり更に光照射を行うと400nmに変化した(表2)。図4ではそのときのスペクトル変化を示した。
Figure 2006043694
実施例5 コバルトポルフィリン−スメクタイトによる2−メルカプトエタノ−ルの吸着と光照射による分解
14mgの実施例1の検体番号CoPP−Sme−1を水3mlに溶かし、2−メルカプトエタノ−ルを100μlを加える。検体番号CoPP−Sme−1はRSHの配位によりソレットバンドは416nmから398nmとなり、長波長の560nmのピ−クが555nmと変化した(図5)。2ーメルカプトエタノ−ルの異臭は全く消失した。更に光を5分照射することで吸光スペクトルはコバルトポルフィリン−スメクタイトと同様になった。
実施例6 コバルト−スメクタイト−コバルトポルフィリンによる2−メルカプトエタノ−ルの吸着と光照射による脱離消失
ジメチルスルホキシド15mlに15mgの塩化コバルト(CoCl2)を溶解させ、そこへスメクタイト600mgを入れ1時間攪拌する。その後遠心分離し沈殿物をエタノールで洗浄し、粉末状のコバルト−スメクタイトを得る。これを水に溶解し、100μlの2−メルカプトエタノールを加えると特有の異臭が消失し、吸光スペクトルは500nmに吸収を持つようになる(図6)。さらに上記のコバルト-スメクタイト600mgにコバルトポルフィリンのアセトン溶液(1.7mg/5ml)を加えてコバルト−スメクタイト−コバルトポルフィリンを得る。コバルト−スメクタイト−コバルトポルフィリンの水溶液(10mg/5ml)に100μlの2−メルカプトエタノ−ルを加えると完全に2−メルカプトエタノ−ルの異臭は消失する。更に光を照射すると2−メルカプトエタノ−ルは脱離消失した。
図1はプロトポルフィリン及びコバルトポルフィリン錯体の吸収スペクトルである。図中縦軸は吸光度を、横軸は波長(nm)を表す。破線はプロトポルフィリンを、実線はコバルトポルフィリン錯体を表す。 図2はプロトポルフィリン及び亜鉛ポルフィリン錯体の吸収スペクトルである。図中縦軸は吸光度を、横軸は波長(nm)を表す。破線はプロトポルフィリンを、実線は亜鉛ポルフィリン錯体を表す。 図3はコバルトポルフィリン−スメクタイト複合体に一酸化炭素を吸着させ、その後、白色光を照射させた時の吸光スペクトルの変化である。図中縦軸は吸光度を、横軸は波長を表す。点線はコバルトポルフィリン−スメクタイトを、実線は一酸化炭素処理コバルトポルフィリン−スメクタイトそして破線は一酸化炭素処理後光を2分照射した検体を表す。 図4はヘミン−スメクタイト複合体に2−メルカプトエタノ−ルを吸着させた時の吸光スペクトルと可視光照射時の吸光スペトル変化を表す。図中縦軸は吸光度を、横軸は波長を表す。点線は2−メルカプトエタノ−ル処理ヘミン−スメクタイトを表し、実線はそれを光照射した時のスペクトルを表す。 図5はコバルトポルフィリン−スメクタイト複合体に2−メルカプトエタノ−ルを吸着させた時の吸光スペクトルの変化である。図中縦軸は吸光度を、横軸は波長を表す。実線はコバルトポルフィリン−スメクタイト複合体を、点線は2−メルカプトエタノ−ル処理コバルトポルフィリン−スメクタイト複合体を表す。 図6はコバルト−スメクタイトに2−メルカプトエタノ−ルを吸着させた時の吸光スペクトルの変化である。図中縦軸は吸光度を、横軸は波長を表す。実線はコバルト−スメクタイトに2−メルカプトエタノ−ルを吸着させた時の吸光スペクトルを点線は2−メルカプトエタノ−ルを吸着させる前の吸光スペクトルを表す。

Claims (6)

  1. 合成スメクタイトに金属ポルフィリンと酸化金属または金属イオンを吸着させた光安定性の有害物質除去複合体。
  2. 金属ポルフィリンがウロポルフィリン I及びIII、コプロポルフィリン I,II,III,及びIV、ヘマトポルフィリン、ジューテロポルフィリン、プロトポルフィリン、メソポルフィリン、エチオポルフィリン及びこれらのアルコ−ル類あるいはポリエチレングリコールやアミノ酸とのエステル、エーテル、酸アミド誘導体で、白金、パラジュム、カドミウム、ニッケル、コバルト、銀、鉄、亜鉛、錫、マンガン、チタンとの錯体であることを特徴とする請求項1に記載の複合体。
  3. 一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、硫化水素チオール化合物、アンモニア、有機溶媒、有機ガスの有害物質及びこれを含む物質の処理、精製、回収に用いることができる性質を有することを特徴とする請求項1または2に記載の複合体。
  4. 吸着された有害物質が光または紫外線を照射することにより脱離または分解する性質を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の複合体。
  5. 有害物質を脱離後再度、高効率で再使用できる性質を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の複合体。
  6. 前記合成スメクタイトが、ヘクトライト型、サポナイト型、スチブンサイト型のいずれかのものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の複合体。
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