JP2006040655A - 電子機器の操作体 - Google Patents

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【課題】暗い場面における操作性をより向上する。
【解決手段】明るい場面と暗い場面の両方で使用される車両用空調装置への設定温度調整の操作を受け付ける温度調整スイッチ10は、金属で形成された意匠である金属意匠16が形成されている。さらに、金属意匠16と対向して設けられたLED28と、LED28からの光を温度調整スイッチ10の表面に導くリングレンズ30を有する。そして、このリングレンズ30の表面に、光の透過が可能な膜厚を備え、金属意匠16を構成する金属薄膜を形成する。これにより、暗い場面ではLED28の点灯により金属意匠16が光る。
【選択図】図2

Description

本発明は、明るい場面と暗い場面の両方で使用される電子機器への操作を受け付ける操作体に係り、特に、一部に金属で形成された意匠である金属意匠が形成された電子機器の操作体に関する。
例えば、車両に搭載される車両用電子機器などは、明るい場面(昼間など)と、暗い場面(夜間やトンネル内など)の両方で使用される。このような電子機器への操作を受け付ける操作体には、暗い場面でも容易に操作できる工夫がなされている。具体的には、操作体表面に透明樹脂などの透光性材料で意匠を形成し、暗い場面においては、この意匠を操作体内部に設けられた光源で照明する。これにより、暗い場面においても、意匠部分だけは、光源の光によって照らされ、浮かび上がるようになる。操作者は、照明された意匠により各操作体の位置や内容を認識でき、暗い場面でも電子機器の操作が可能となる。
また、電子機器の操作体には、明るい場面での見栄えを考慮して一部に金属で描かれた意匠、金属意匠が形成される場合がある。金属意匠は、操作体に高級感を出し、操作体の見栄えを向上することができる。このような金属意匠は、操作体の外周を縁取るように配置されることが多い。
ところで、この金属意匠は、当然ながら、暗い場面では認識することはできない。また、金属意匠に限らず、暗い場面では操作体を構成する各構成要素の輪郭線などを認識できない。唯一、透明樹脂で形成された意匠部分のみは光源により照明されるため、認識できるようになっている。この透明樹脂で形成された意匠は、通常、操作体の表面の一部に形成される。したがって、暗い場面においては、操作体の大体の位置は認識できるものの、操作体全体の大きさや形状は認識できない。そのため、明るい場面に比べて暗い場面における操作性が悪いという問題があった。もちろん、透明樹脂で形成された意匠を大きくすることにより暗い場面での視認性を向上できる。しかし、透明樹脂部分を大きくしすぎると、明るい場面での見栄えが低下するという問題がある。
また、明るい場面では、金属意匠や複数の構成要素の輪郭線などが視認出来るのに対して、暗い場面では視認出来得る線が極端に少ない。そのため、明るい場面と暗い場面とで操作体のデザイン的印象が大きく異なり、操作者に違和感を与えていた。
そこで、本発明では、暗い場面における操作性を向上できる電子機器の操作体を提供することを目的とする。
本発明の操作体は、明るい場面と暗い場面の両方で使用される電子機器への操作を受け付ける操作体であって、一部に金属で形成された意匠である金属意匠が形成された電子機器の操作体において、金属意匠と対向して設けられた光源と、金属意匠と対応する形状を備え、光源からの光を操作体の表面に導く導光レンズと、光の透過が可能な膜厚を備え、導光レンズの表面の少なくとも一部に形成された金属薄膜であって、金属意匠を構成する金属薄膜と、を有し、暗い場面では光源の点灯により金属意匠が光ることを特徴とする。
好適な態様では、金属意匠は、操作体の外周輪郭に沿って設けられる。他の好適な態様では、金属薄膜は、蒸着により導光レンズの表面に形成される。他の好適な態様では、導光レンズは、光源点灯時に、金属薄膜表面で影として写る影部を有する。他の好適な態様では、導光レンズは、金属意匠と対向する面に不連続面が形成されており、影部は、不連続面のエッジである。他の好適な態様では、電子機器は、車両に搭載される車両用電子機器である。
金属意匠を光の透過可能な膜厚の金属薄膜で構成し、暗い場面で金属意匠を照明することにより、暗い場面でも金属意匠を視認できる。これにより暗い場面での操作性をより向上できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に本発明の実施の形態である車両用空調装置の温度調整スイッチ10を示す。これは、車両に搭載された空調装置の設定温度についての調整操作を受け付ける操作体として機能する。この温度調整スイッチ10は、回転自在のダイヤルノブ12を回転させることにより、空調装置の設定温度を変更できるロータリースイッチである。
温度調整スイッチ10の正面中央には意匠プレート14が設けられている。意匠プレート14は、基本的には不透光の樹脂などから形成されているが、選択可能な温度範囲を示す表示マーク部14aのみは透明樹脂等の透光性素材で形成されている。この表示マーク部14aの形状は、明るい場面ではその周囲との素材の違いやエッジなどから視認できる。また、暗い場面では、後述するバルブ22での照明により表示マーク部14aのみが光ることで表示マーク部14aの形状を視認できるようになっている。
意匠プレート14の周囲には、意匠プレート14に対して回転自在のダイヤルノブ12が配置されている。このダイヤルノブ12は不透光の樹脂などからなる。ただし、意匠プレート14に対する回転位置を示す指針表示部12aのみは透光性素材で形成されている。この指針表示部12aも明るい場面、暗い場面の両方で視認可能となっている。
さらに、ダイヤルノブ12の周囲には、金属意匠16が形成されている。金属意匠16は、金属、例えば、ステンレスなどで描かれた意匠であり、パネル面18と温度調整スイッチ10との境界部分に設けられている。換言すれば、温度調整スイッチ10の外周輪郭に沿って形成されている。金属意匠16を設けることにより、温度調整スイッチ10に高級感を出し、デザイン性を向上できる。
図2は図1におけるA−A断面図である。ダイヤルノブ12は略円筒形状となっており、回転自在に支持されている。このダイヤルノブ12の下方には、可動接点21が接続されおり、ダイヤルノブ12の回転に連動して移動する。可動接点21は、基板26に固定配置された固定接点20と接触配置されている。この固定接点20には空調装置の設定温度を変更する回路を閉路する複数の接点(不図示)が形成されている。また、可動接点21には、この固定接点20の所定端子間を導通させる端子(不図示)が形成されている。そして、ダイヤルノブ12を回転操作することにより固定接点20に対する可動接点21の接触状態が変化する。この接触状態の変化により、所望の設定温度の選択ができる。
基板26上の意匠プレート14と対向する位置には発光体であるバルブ22が設けられている。このバルブ22は夜間など、暗い場面で点灯される。バルブ22で発せられた光は、すり鉢上に広がる導光体23に沿って広がり、意匠プレート14の表示マーク部14aおよびダイヤルノブ12の指針表示部12aを照射する。記述したように表示マーク部14aおよび指針表示部12aは透光性素材で形成されているため、バルブ22の光を透過させる。そして、夜間など暗い場面では表示マーク部14aおよび指針表示部12aが光るようになっている。
ダイヤルノブ12の周囲には、略円筒形状のリングレンズ30が設けられている。このリングレンズ30は透光性材料からなり、基板26上に設けられた発光体であるLED28の光を導く。また、リングレンズ30の上面には金属意匠16を構成する金属薄膜が形成されている。
リングレンズ30の部分断面図を図3に示す。また、図3におけるB−B断面図を図4に示す。なお、図3、図4に図示したリングレンズ30は金属薄膜形成前の状態である。
リングレンズ30は、透光性材料からなり、その上方が若干内側に傾斜した略円筒形状となっている。リングレンズ30の大部分は、パネル面に遮られ外部からは視認出来ないが、この傾斜した上方のみがパネル面18から突出して外部に露出した状態となる(図2参照)。この傾斜した部分の内周面には複数のスリット32がリングレンズ30の本体と一体成形されている。このスリット32は断面形状が凹半円であり、各スリット32の接続部分がエッジ32aとなっている。リングレンズ30を上面から見た場合、スリット32は、傾斜した部分の内周面に形成されているため、リングレンズ30の上面に遮られ、直接視認できない。しかし、スリット32のエッジ32aは、リングレンズ30を介して線状に視認できるようになっている。
リングレンズ30の表面には金属薄膜が蒸着により形成される。蒸着とは、周知のように金属などの材料を加熱蒸発させ、気体分子となった材料を試料(リングレンズ30表面)に衝突、付着させることにより膜を形成する方法である。この蒸着技術を利用すれば、極めて薄い金属膜を形成できる。本実施形態における金属薄膜は、光の透過が可能な膜厚、例えば、金属としてステンレスを用いる場合は約200〜300オングストローム(約2〜3ナノメートル)程度に形成される。このような極薄の金属薄膜は、明るい側から暗い側は透視できないが、その逆は可能なハーフミラーのように機能する。本実施形態では、この金属薄膜をリングレンズ30のうち少なくとも外部に露出する部分の表面、具体的には図3における境界線Cより上方のリングレンズ30表面に形成する。これにより、この金属薄膜が温度調整スイッチ10を取り囲む金属意匠16となる。
金属薄膜(金属意匠16)を形成した様子を図5に示す。リングレンズ30と対向する位置には、LED28が設けられている。このLED28は、夜間など暗い場面で点灯される発光体であり、LED28から発せられた光はリングレンズ30を介して金属意匠16に導かれる。ここで、記述したように金属意匠16を構成する金属薄膜は透光可能な膜厚に形成されている。したがって、LED28からの光は金属意匠16を透過することができる。そのため、夜間などの暗い場面では、金属意匠16が光り、浮かび上がることとなる。この際、スリット32のエッジ32aは、径方向に放射状に伸びる線として浮かぶ。
図6は暗い場面における温度調整スイッチ10の見た目を示す図である。暗い場面では、意匠プレート14やダイヤルノブ12の輪郭線は見えなく、または、見えづらくなる。一方で、透光性材料で形成された表示マーク部14a、指針表示部12aは、バルブ22により照らされ、その意匠形状が光る。また、透光可能な膜厚の金属薄膜で構成される金属意匠16も、LED28により照らされ光る。
操作者は、光り照らされる表示マーク部14a、指針表示部12a、および、金属意匠16により、温度調整スイッチ10の位置や大きさ、内容を認識することができる。そのため、暗い場面でも、容易に温度調整の操作が可能となる。特に、金属意匠16は、ダイヤルノブ12を取り囲む形状であり、この金属意匠16が光り、浮かび上がることにより、操作対象であるダイヤルノブ12の輪郭を容易に認識することができる。これにより暗い場面での操作性をより向上できる。
また、暗い場面において、リングレンズ30のスリット32のエッジ32aは、金属意匠16内で影を形成し、金属意匠16内で放射状に均等配置された線として写る。つまり、スリット32のエッジは、光源点灯時に、金属薄膜(金属意匠16)表面で影として写る影部として機能する。そして、影部として機能するエッジ32aを設けることにより暗い場面(LED28の点灯時)にのみ浮かび上がる模様を形成することができる。これにより、明るい場面(昼間など)と暗い場面(夜間など)とで異なる演出効果を提供することができ、デザインの幅を広げることができる。また、従来、昼間に比べて線が乏しかった夜間の見た目と、昼間の見た目とのギャップを低減でき、操作者への違和感を低減できる。また、暗い場面でのみ視認できる模様は、スリット32により形成されている。このスリット32はリングレンズ30本体と一体成形されているため、模様形成のための新たな手間を必要とせず、簡易に模様を形成できる。
なお、図7は、金属意匠16を設けない、または、金属意匠16を不透光にした温度調整スイッチ10の、暗い場面での見た目を示す図である。金属意匠16がない場合、表示マーク部14aと指針表示部12aのみが浮かび上がり、全体として寂しい見栄えであることが分かる。また、操作対象であるダイヤルノブ12の輪郭を認識できないことが分かる。
以上の説明から分かるように、本実施形態によれば、透光性を備えた金属意匠を設けることにより夜間など暗い場面での操作性を向上できる。また、リングレンズにスリットなどを設けることにより暗い場面でのみ現れる模様を形成することができるため、デザインの幅を広げることができる。さらに、明るい場面と暗い場面での見た目のギャップを低減できるので、操作者の違和感を軽減できる。
なお、本実施形態では、金属薄膜を蒸着により形成しているが、光透過可能な膜厚で形成できるのであれば、スパッタリングや印刷などの技術で形成してもよい。また、本実施形態では金属意匠部分に内在させる模様(線)をスリットで構成しているが、LED点灯時に模様(線)として浮かび上がるのであれば、リングレンズ表面に不透光素材で模様を形成するようにしてもよい。また、金属意匠部分に内在する模様を、本実施形態では径方向に伸びる法線としているが、金属意匠と同心の円や波線などであってもよい。また、導光レンズとして、本実施形態ではリングレンズを用いているが、金属意匠と対応する形状を備えた導光体であれば、リングレンズに限らない。
また、本実施形態では、温度調整スイッチを例として説明しているが、電子機器の操作を受け付ける操作体であれば、矩形の押ボタンスイッチや、メカニカルスイッチなどに適用してもよい。その際、金属意匠は操作体の外周を取り囲む、換言すれば、操作体の輪郭を構成することが望ましいが、他の部位に設けられてもよい。また、対象となる操作体は、暗い場面と明るい場面の両方で用いられる電子機器、例えば、車両に搭載された電子機器などの操作体であれば、どのような電子機器の操作体でもよい。
本発明の実施の形態である車両用空調装置の温度調整スイッチの正面図である。 図1におけるA−A断面図である。 リングレンズの部分拡大図である。 図3におけるB−B断面図である。 リングレンズに金属薄膜を形成した様子を示す図である。 暗い場面における温度調整スイッチの見た目を示す図である。 金属薄膜を設けない温度調整スイッチの見た目を示す図である。
符号の説明
10 温度調整スイッチ、12 ダイヤルノブ、12a 指針表示部、14 意匠プレート、14a 表示マーク部、16 金属意匠、18 パネル面、20 固定接点、21 可動接点、22 バルブ、23 導光体、26 基板、28 LED、30 リングレンズ、32 スリット、32a エッジ。

Claims (6)

  1. 明るい場面と暗い場面の両方で使用される電子機器への操作を受け付ける操作体であって、一部に金属で形成された意匠である金属意匠が形成された電子機器の操作体において、
    金属意匠と対向して設けられた光源と、
    金属意匠と対応する形状を備え、光源からの光を操作体の表面に導く導光レンズと、
    光の透過が可能な膜厚を備え、導光レンズの表面の少なくとも一部に形成された金属薄膜であって、金属意匠を構成する金属薄膜と、
    を有し、暗い場面では光源の点灯により金属意匠が光ることを特徴とする電子機器の操作体。
  2. 請求項1に記載の電子機器の操作体であって、
    金属調意匠は、操作体の外周輪郭に沿って設けられることを特徴とする電子機器の操作体。
  3. 請求項1または2に記載の電子機器の操作体であって、
    金属薄膜は、蒸着により導光レンズの表面に形成されることを特徴とする電子機器の操作体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器の操作体であって、
    導光レンズは、光源点灯時に、金属薄膜表面で影として写る影部を有することを特徴とする電子機器の操作体。
  5. 請求項4に記載の電子機器の操作体であって、
    導光レンズは、金属意匠と対向する面に不連続面が形成されており、
    影部は、不連続面のエッジであることを特徴とする電子機器の操作体。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器の操作体であって、
    電子機器は、車両に搭載される車両用電子機器であることを特徴とする電子機器の操作体。
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