JP2006040637A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル Download PDF

Info

Publication number
JP2006040637A
JP2006040637A JP2004216265A JP2004216265A JP2006040637A JP 2006040637 A JP2006040637 A JP 2006040637A JP 2004216265 A JP2004216265 A JP 2004216265A JP 2004216265 A JP2004216265 A JP 2004216265A JP 2006040637 A JP2006040637 A JP 2006040637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
dielectric layer
display panel
address
plasma display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004216265A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinsuke Yura
信介 由良
Isamu Abe
勇 阿部
Toshio Kobayashi
利夫 小林
Hideji Kawarasaki
秀司 河原崎
Ko Sano
耕 佐野
Katsuhiro Hirose
克弘 廣瀬
Seitaro Makino
誠太郎 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2004216265A priority Critical patent/JP2006040637A/ja
Publication of JP2006040637A publication Critical patent/JP2006040637A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】 アドレス放電の応答性を改善し、アドレス放電の時間を短縮することにより、アドレス放電不良の発生を抑え、表示のチラツキの少ない高精細のプラズマディスプレイパネルを得る。
【解決手段】 非表示面基板1に形成されるアドレス電極2を被覆する第二誘電体層3の放電空間と対向する面を第三誘電体層5で被覆し、アドレス電極2に沿った方向に隣り合う放電セル7の間で、かつ、第二誘電体層3と対向する位置に形成される放電抑止体を形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、プラズマディスプレイパネルに係り、アドレス放電の改良に関する。
プラズマディスプレイパネルは放電空間を形成する対向配置された表示面基板と非表示面基板、透明電極及びバス電極で構成される一対(X−Y)の放電維持電極を被覆する一様な第一誘電体層、放電のカソードとして機能する一様な保護膜、放電空間を介して平面側から見て放電維持電極と交差するアドレス電極、個々のアドレス電極を区画する隔壁、アドレス電極と隔壁の壁面に形成された赤色、緑色、青色の光を発光する蛍光体層などによって構成される。隔壁の頂部が保護膜に接することで、蛍光体層と保護膜とに囲まれた放電空間が形成されており、放電空間は放電ガスとなるネオンとキセノンなどの混合ガスが封入されている。一対の放電維持電極間に電圧又は電圧パルスを印加して放電空間内に放電を起こす。この放電により生じる紫外線が蛍光体を励起することによって放電空間が各蛍光体色で発光する。
このようなプラズマディスプレイパネルにおいて、一対の放電維持電極と一本のアドレス電極とで表示セルである放電セルが規定されるが、アドレス電極に沿った方向に隣り合う放電セル間の保護膜上に放電抑止体となる絶縁膜として放電不活性膜を形成し、放電領域を放電空間中心近傍に限定することにより、放電セルの放電干渉が抑制される。これにより、放電セルの配置間隔を短くできるので、プラズマディスプレイパネルの高精細化が可能となる。また、放電領域が放電空間中心近傍に限定されるため、アドレス電極と放電維持電極との間の放電であるアドレス放電の応答性が改善される。(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−102280号公報(第2−5頁、第1図)
プラズマディスプレイパネルにおいて、アドレス放電はアドレス電極と放電維持電極との間の対向放電に引き続き、一対の放電維持電極間の面放電が起こり完了する。従来のプラズマディスプレイパネルでは、放電領域が放電セル中心近傍に限定されるため面放電が起こりやすくなる。一方、対向放電はアドレス電極の電位と逆極性にある放電維持電極の電位の影響を受けて起こりにくく、アドレス放電に必要な時間が長くなる。ディスプレイの高精細化にともないアドレス電極に印加する電圧パルスであるアドレスパルスの時間幅を短くする必要があるが、アドレスパルスの時間幅を短くするとアドレス放電が正常に完了しない場合があり、この結果、表示のちらつきが発生するという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、アドレス放電の応答性を改善し、アドレス放電の時間を短縮することにより、アドレス放電を正常に完了させて、表示のちらつきの少ないプラズマディスプレイパネルを得るものである。
この発明に係るプラズマディスプレイパネルにおいては、表示面基板と非表示面基板とを対向配置し、表示面基板に形成される複数の放電維持電極を被覆する第一誘電体層と、非表示面基板に形成される複数のアドレス電極を被覆する第二誘電体層と、第一誘電体層と第二誘電体層との間に形成される隔壁と、第一誘電体層と第二誘電体層と隔壁とにより画定される放電空間と、第二誘電体層の放電空間と対向する面を被覆する第三誘電体層と、一対の放電維持電極と一本のアドレス電極とにより規定される一区画分の放電空間である放電セルと、アドレス電極に沿った方向に隣り合う放電セル間で、かつ、第二誘電体層と対向する位置に形成される放電抑止体とを有するものである。
この発明は、アドレス電極を被覆する第二誘電体層の放電空間と対向する面を被覆する第三誘電体層と放電のひろがりを抑える放電抑止体とを形成することにより、アドレス電極と放電維持電極との間の対向放電及び放電維持電極間の面放電が起こりやすくなり、アドレス放電の時間が大幅に短縮されるので、表示のちらつきが少ない表示品位の良好な高精細プラズマディスプレイパネルを提供することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1におけるプラズマディスプレイパネルの構造図である。図1の(a)は表示面側から見た平面図、図1の(b)は図1の(a)のA−A線における断面図、図1の(c)は図1の(a)のB−B線における断面図である。図1において非表示面基板1にアドレス電極2を形成し、アドレス電極2を被覆するように第二誘電体層3を形成し、第二誘電体層3の上にストライプ状の隔壁4を形成する。次に、露出している第二誘電体層3を被覆するように酸化チタン微粒子を用いて第三誘電体層5を形成する。隔壁4の放電空間と対向する面を被覆するように酸化チタン微粒子を用いて第三誘電体層5を形成してもよい。第三誘電体層5を覆うように赤色蛍光体層6R、緑色蛍光体層6G、青色蛍光体層6Bのいずれかの蛍光体層を形成する。
一方、表示面基板9に透明電極10及びバス電極11によって構成される放電維持電極12を形成し、放電維持電極12を被覆するように第一誘電体層13を形成し、第一誘電体層13を被覆するように保護膜14を形成する。なお、第一誘電体層13を被覆する保護膜14、第二誘電体層3及び隔壁4で囲まれる空間を放電空間として画定し、一対の放電維持電極12と一本のアドレス電極2が交差して規定される一区画分の放電空間を放電セル7とする。図1の(a)の平面図において、N−1行、N行、N+1行はそれぞれ一対の放電維持電極12で規定されるライン上に並んだ放電セル7の集まりである。この図では、N行の中の赤色、緑色、青色に発光する放電セル7を各1セルずつ示しており、N−1行及びN+1行については半分の領域の放電セル7しか示していない。
アドレス電極2と放電維持電極12との間の放電であるアドレス放電の応答性を良くするため放電領域が放電空間中心近傍に限定されるように、アドレス電極に沿った方向に隣り合う放電セル7の間で、かつ、第二誘電体層3と対向する位置に放電のひろがりを抑える放電抑止体を形成する。放電抑止体を形成することで隣り合う放電セル7の間での放電干渉も抑制することができる。ここでは、非表示面基板1から見て第一誘電体層13を覆うために、バス電極11の形成領域に対向した保護膜14面を被覆するように放電抑止体となる絶縁膜として放電不活性膜15を形成する。そして、表示面基板9と非表示面基板1を封着し、放電空間内の気体を排気した後で、放電を起こしやすくする放電ガスであるネオンとキセノンなどの混合ガスを全圧400〜700Torrとなるように封入する。これにより、プラズマディスプレイパネルが作製される。
このような構造を有するプラズマディスプレイパネルにおける画像表示を行なうためのパネル駆動のシーケンスは次のとおりである。
(a)リセット期間:放電確率を高めるために表示履歴に関わらず、パネル全面で一対の放電維持電極12間に電圧パルスを印加し、放電させる。
(b)アドレス期間:線順次走査により放電維持電極12に電圧パルスを印加し、それに同期してアドレス電極2に画像信号に応じた電圧パルスを印加することで、アドレス電極2と放電維持電極12との間の対向放電16と一対の放電維持電極12間の面放電17からなるアドレス放電を1回起こし、発光させたい放電セル7の放電維持電極近傍の保護膜14上に壁電荷を蓄積させる。
(c)放電維持期間:パネル全面で放電維持電極12間に放電維持のための交流パルスを1回以上印加することで、壁電荷が蓄積された放電セル7内に一対の放電維持電極12間の放電を交流パルスの数に応じて起こさせる。
(d)消去期間:パネル全面で一対の放電維持電極12間に傾斜が急峻な電圧パルスを印加して、維持期間で発光した放電セル7の壁電荷を消去する。
ところで、アドレス電極2と放電維持電極12との間の放電であるアドレス放電の応答性を更に改善するために第三誘電体層5の材料選定が重要である。電束密度が隔壁4の内部で高くなり、この電束が隔壁4の表示面基板9側付近で放電空間に漏れ出るため、隔壁4の表示面基板9側の付近の電界は放電空間よりも高くなる。第三誘電体層5の比誘電率が隔壁4の比誘電率より高く、第三誘電体層5自体がこの付近に形成されている場合、この付近の電界は更に高くなり、アドレス電極2と放電維持電極12との間の対向放電16が起こりやすくなり、アドレス放電の時間が短縮される。
また、第三誘電体層5の比誘電率が第二誘電体層3の比誘電率よりも高くなると、アドレス電極2と放電維持電極12との間の対向放電16及び放電維持電極12間の面放電17が起こりやすくなり、アドレス放電の時間が大幅に短縮される。第三誘電体層5の材料を酸化チタンとすることにより、酸化チタンの比誘電率が100程度であるので、比誘電率が7程度の酸化鉛などで形成される第二誘電体層3と比べると、第三誘電体層5の比誘電率が第二誘電体層3の比誘電率よりも高くなる。
酸化チタン微粒子からなる第三誘電体層5は次のようにして形成する。酸化チタン微粒子として、例えば石原産業株式会社製のCR−97(平均粒径0.25μm)を使用した場合について説明する。酸化チタン微粒子は酸化アルミニウム又は酸化ジルコニアを用いて表面処理が施されている。この酸化チタン微粒子、溶剤及びバインダーを調合して誘電体ペーストを作製し、隔壁4と第二誘電体層3で構成される放電空間にスクリーン印刷法で誘電体ペーストを塗布する。誘電体ペースト内の溶剤成分を乾燥により消失させた後、450〜500℃での焼成工程によりバインダー成分が焼失し、第三誘電体層5が形成される。第三誘電体層5の厚さは15μmとした。第三誘電体層5は第二誘電体層3を被覆するだけでもよいが、第三誘電体層5が隔壁4の放電空間と対向する面を被覆するように、第三誘電体層5の形成範囲を広げてもよい。
蛍光体層6R、6G、6Bは例えば一般に用いられる赤色蛍光体YBO:Eu、緑色蛍光体ZnSiO:Mn、青色蛍光体BaMgAl1017:Euを使用して形成する。赤色、緑色、青色のいずれかの蛍光体、溶剤及びバインダーからなる蛍光体ペーストを作成する。それぞれ発光させたい色に対応する放電空間にスクリーン印刷法で蛍光体ペーストを塗布・乾燥した後、450℃〜500℃で焼成することで、赤色蛍光体層6R、緑色蛍光体層6G、青色蛍光体層6Bを形成する。蛍光体層6R、6G、6Bの厚さは10μmとした。
ここで、第三誘電体層5となる誘電体ペーストを印刷・乾燥した後に焼成を行なわず、蛍光体ペーストを印刷・乾燥した後に、第三誘電体層5と蛍光体層6R、6G、6Bの一括焼成を行なうと焼成工程において蛍光体層6R、6G、6Bに亀裂が入ってしまう場合がある。このため、第三誘電体層5の印刷・乾燥した後の焼成と蛍光体層6R、6G、6Bの印刷・乾燥した後の焼成は別々の焼成工程に分けて行なう必要がある。
以上のように、第三誘電体層を焼成した後に、第三誘電体層の放電空間と対向する面に形成した蛍光体層6R、6G、6Bを有することで、焼成工程において蛍光体層6R、6G、6Bに発生する亀裂を防ぐことができる。
放電抑止体となる絶縁膜である放電不活性膜15は次のようにして形成する。ここでは、放電不活性膜15として第三誘電体層5の比誘電率より低い比誘電率を有する酸化アルミニウムを使用する。酸化アルミニウムの比誘電率は8.5前後であるため、第三誘電体層5が酸化チタンで形成される場合には、第三誘電体層5の比誘電率が放電抑止体の比誘電率よりも高くなる。平均粒径0.10μmの酸化アルミニウム微粒子、溶剤及びバインダーからなる放電不活性ペーストを作製し、MgO保護膜14上にスクリーン印刷法で放電不活性ペーストを塗布する。ペースト内の溶剤成分を乾燥により消失させた後、焼成によりバインダー成分が焼失し、放電不活性膜15を形成する。放電不活性膜15の厚さは約2μmとした。
上記の構成により作製した画素数1280×768の46インチサイズのワイドXGAパネルA、同サイズの比較用パネルB及び同サイズの比較用パネルCのアドレス放電完了時間を表1に示す。このワイドXGAパネルにおいて一つの画素の寸法は縦0.74mm×横0.79mmである。一つの画素は隔壁4で縦方向に三分割されて、それぞれ赤色蛍光体層6R、緑色蛍光体層6G、青色蛍光体層6Bが形成されている。比較用パネルBは第三誘電体層5を形成しない従来例のパネルに相当するもので、比較用パネルCは第三誘電体層5及び放電不活性膜15を形成しない一般的なパネルに相当する。アドレス放電は放電空間の広さの影響も受けるため、第三誘電体層5を形成しない比較用パネルB及び比較用パネルCでは、蛍光体層6R、6G、6Bの厚さを約25μmとして放電空間の広さをほぼ同一とした。
アドレス放電完了時間は次のようにして測定した。アドレス電極2にアドレス放電用の電圧パルスであるアドレスパルスを印加し、アドレス放電の応答性として得られる赤外線の発光波形を赤外線プローブとデジタルオシロスコープで測定し、1000ショット分の発光波形を平均化処理して得られた結果をアドレス放電遅れ時間の確立分布曲線と定義した。ここでは、この確率分布曲線をアドレスパルス印加後からの経過時間tで積分したものを、その時間tにおけるアドレス放電確率とし、アドレス放電確率が90%となる時間tをアドレス放電完了時間とした。ワイドXGAの場合、768対の放電維持電極12があるが、ここではパネルの上下2分割してパネル駆動を行なう。アドレス放電を起こすアドレス期間では、リセット期間でのパネル全面での放電に続き、384対の放電維持電極12に電圧パルスを順次印加する。一般的に、電圧パルスを印可する時間が遅くなるほど、アドレス放電が起きにくくなるが、ここではアドレス放電が起きにくい380対目の放電維持電極12での発光波形を測定した。また、蛍光体そのものの比誘電率が赤色、緑色、青色の色によって異なるため、アドレス放電の起こりやすさも蛍光体によって異なる。ここでは、赤色蛍光体層6Rを有する放電セル7である赤色放電セルと緑色蛍光体層6Gを有する放電セル7である緑色放電セルにおけるアドレス放電完了時間を測定した。各パネルにおけるアドレス放電完了時間の測定結果を表1に示す。
Figure 2006040637
放電不活性膜15だけを形成した比較用パネルBにおいては、放電領域が放電セル7中心近傍に限定されるため、一対の放電維持電極12間での面放電17は起こりやすくなるが、放電セル7中心近傍でのアドレス電極2と放電維持電極12との間の対向放電16は走査電極と逆極性にある放電維持電極12の電位の影響を受けて起こりにくくなる。その結果、アドレス放電完了時間が比較用パネルCに比べ赤色放電セルと緑色放電セルとの平均で16%短縮された。一方、放電不活性膜15及び第三誘電体層5を形成したパネルAでは、対向放電16と面放電17が共に起こりやすくなり、アドレス放電完了時間が比較用パネルCに比べ赤色放電セルと緑色放電セルとの平均で48%短縮された。
第三誘電体層5に酸化チタン微粒子を使用したことにより、表示面に発光した光を効率的に取り出すことができ、パネルの輝度が高くなる効果も得られる。また、放電不活性膜15により隣り合う放電セル7の間での放電干渉も抑制することができるので、隣り合う放電セル7の間の間隔を狭くしてパネルの精細度を高くすることも可能である。以上のことから、製造プロセスの難易度の低いストライプ状の隔壁4を用いても、表示品位が良好で、輝度が高く、高精細のプラズマディスプレイパネルを実現することができる。
なお、アドレス放電が起こりやすく、アドレス放電の時間を短縮できる効果として酸化チタン微粒子の帯電効果もある。酸化チタン微粒子が正に帯電しやすい性質があるとすると、放電空間内での放電による電荷を吸収して酸化チタン微粒子は常に正に帯電することになる。これが壁電圧となって、アドレス電極2に印加された正の電圧に重畳されるため、アドレス電極2と放電維持電極12との間での対向放電16が起こりやすくなると考えられる。しかし、一般的に、蛍光体は鉄粉に対して正に帯電し、酸化チタン微粒子は鉄粉に対して負に帯電するので、アドレス放電の応答性を改善することは期待できない。
そこで、酸化チタンに比べ正の帯電性向を持つ酸化アルミニウムや酸化ジルコニアにより表面処理された酸化チタン微粒子(CR−97)を使用すると、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体のいずれの蛍光体に対しても酸化チタン微粒子が正に帯電する性質が備わる。つまり、酸化チタンより帯電性向が正の材料を用いて表面処理された酸化チタン微粒子で第三誘電体層5を形成することで、アドレス放電の応答性が良くなると考えられる。
ここでは、第三誘電体層5として酸化チタンの場合について示したが、酸化チタンに代えて酸化アルミニウムのように正の帯電性向の強い粉体材料でも同様の効果が得られることが予想される。この場合、蛍光体発光の反射層としての機能も付与するべく、酸化アルミニウム粒子の平均粒径は0.3μm前後とするのが望ましい。その他、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ジルコニウム、窒化シリコン等の酸化物微粒子又は窒化物微粒子を用いても、アドレス放電の応答性が良くなると考えられる。
ところで、図1において、2本の透明電極10は一定間隔をもって平行に延長した構造になっているが、放電セル7毎に分断されていてもよい。また、放電セル7毎に透明電極10はバス電極11に向かって1本のライン状の接続部を有しているが、この接続部が2本以上あってもよく、この接続部が表示面基板9側から見て隔壁4と重なるように配置されていてもよい。
以上のように、アドレス電極2を被覆する第二誘電体層3の放電空間と対向する面を被覆する第三誘電体層5を形成し、放電のひろがりを抑える放電抑止体として絶縁膜である放電不活性膜15を形成することにより、アドレス電極2と放電維持電極12との間の対向放電16及び放電維持電極12間の面放電17が起こりやすくなり、アドレス放電の時間が大幅に短縮されるので、表示品位の良好な高精細のプラズマディスプレイパネルを提供することができる。なお、隔壁4の放電空間と対向する面を第三誘電体層5で被覆しても同様の効果が得られる。
実施の形態2.
実施の形態1では第三誘電体層5として微粒子だけを用いて形成したが、微粒子だけで第三誘電体層5を形成すると微粒子の表面積が広くなり不純物ガスを吸着しやすい。このため、放電空間内の気体を排気する排気工程で不純物ガスを放出するため排気効率が悪くなる。そこで、排気工程における排気効率を向上するために、酸化チタン微粒子などの微粒子成分18にガラス材19を混合して、第三誘電体層5を形成してもよい。図2は実施の形態2におけるプラズマディスプレイパネルの構造を示す図1の(a)のC−C線における断面図である。酸化チタン微粒子などの微粒子成分18とガラス材19の混合物からなる第三誘電体層5は次のようにして形成する。ガラス材19となる酸化鉛などの無機材料、平均粒径約0.25μmの酸化チタン微粒子、溶剤及びバインダーを調合して誘電体ペーストを作製し、隔壁4と第二誘電体層3で構成される放電空間にスクリーン印刷法で誘電体ペーストを塗布する。誘電体ペースト内の溶剤成分を乾燥により消失させた後、焼成によりバインダー成分を焼失させて、第三誘電体層5を形成する。図2に示すように第三誘電体層5は微粒子成分18がガラス材19で包まれるように構成される。
次に、微粒子成分18とガラス材19の混合の効果について説明する。図3は酸化チタン微粒子からなる微粒子成分18とガラス材19を混合して厚さ10μmの第三誘電体層5を形成した場合のガラス混合比(=ガラス材/(微粒子成分+ガラス材))と第三誘電体層5の表面積比の関係を示すグラフである。ガラス混合比が一定以上に達すると、酸化チタン微粒子層内部の隙間がガラス材19によって埋められた状態となり、表面積比の値は収束する。表面積比が収束するガラス混合比は酸化チタン微粒子の充填率に依存するが、微粒子において細密充填(充填率74%)以上の充填はありえないため、ガラス混合比は少なくとも26vol%以上必要である。このようにガラス材19を混合して微粒子間の隙間が埋まることで微粒子成分18の表面積が低減できるので、微粒子の表面の不純物ガスの吸着量が減少する。このため、排気工程で不純物ガスの放出が少なくなり、排気効率は大幅に改善される。つまり、排気効率を改善するためには、少なくとも26vol%以上のガラスを混合し、ガラス材19の中に微粒子成分18が高分散した状態にすることが望ましい。
表2に酸化チタンの微粒子成分18にガラス材19を35vol%以上混合した第三誘電体層5を形成したパネルD、酸化チタンの微粒子成分18のみで第三誘電体層5を形成したパネルE、第三誘電体層5を形成しないパネルFにおけるプラズマディスプレイパネルの色度座標のy値を示す。色度座標のy値はプラズマディスプレイパネル発光した青色成分の純度を示す値でもあり、青色の純度が高くなると色度座標のy値は小さくなる。放電空間内の排気効率は高く排気状態が良いと青色の純度が高くなるので、色度座標のy値を排気状態の指標として用いることができる。なお、放電空間は排気工程において気体を通す排気通路となるが、この排気通路の大きさを同一にするために第三誘電体層5を形成しないパネルFでは蛍光体層6R、6G、6Bを25μmと厚くした。
Figure 2006040637
酸化チタン微粒子のみで第三誘電体層5を形成したパネルEでは色度座標のy値が高くなっており、排気状態が悪いことを示している。ガラス材19を35vol%混合したパネルDでは、第三誘電体層5なしのパネルFとほぼ同等の色純度であり、排気状態が悪化していないことがわかる。なお、ガラス材19を混合したパネルDでは、ガラス材19を混合しないパネルEに比べて輝度は低下するが、第三誘電体層5がないパネルFに比べれば輝度も向上している。
以上のように、第三誘電体層5の材料にガラス材19を混合することで、第三誘電体層5形成後から排気工程に至るまでに第三誘電体層5の微粒子成分18の表面に不純物ガスが吸着することを抑制することできる。この結果、排気効率が向上し、安定したプラズマディスプレイパネルの製造を行なうことができる。
実施の形態3.
図4は実施の形態3におけるプラズマディスプレイパネルの構造を示す図1の(a)のC−C線における断面図である。第三誘電体層5が酸化チタン微粒子などの微粒子成分18で形成され、微粒子成分18を被覆するガラスコート膜20が形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。ガラスコート膜20は次のようにして形成する。酸化鉛などの無機材料、溶剤及びバインダーを調合してガラスペーストを作製し、第三誘電体層5上にスクリーン印刷法でガラスペーストを塗布する。ガラスペースト内の溶剤成分を乾燥工程により消失させた後、焼成工程によりバインダー成分を焼失させて、ガラスコート膜20を形成する。ガラスコート膜20は厚さ1〜10μmの緻密な膜である。なお、第三誘電体層5の形成に合わせて、第三誘電体層5用の誘電体ペーストを印刷、乾燥した後、ガラスコート膜20を印刷、乾燥した後で、一括して焼成してもよい。
以上のように、第三誘電体層5の放電空間と対向する面にガラスコート膜20を形成することで、第三誘電体層5形成後から排気工程に至るまでに第三誘電体層5の微粒子成分18の表面に不純物ガスが吸着することを抑制することできる。この結果、排気効率が向上し、安定したプラズマディスプレイパネルの製造を行なうことができる。
実施の形態4.
図5は、この発明を実施するための実施の形態4におけるプラズマディスプレイパネルの構造図である。図5の(a)は表示面側から見た平面図、図5の(b)は図5の(a)のA−A線における断面図、図5の(c)は図5の(a)のB−B線における断面図である。バス電極11の形成領域に対向した保護膜14面での放電を抑制し、放電領域を放電セル7中心の近傍に限定する放電抑止体の別の形態であり、隔壁4と直交する横方向隔壁21を配置した。横方向隔壁21は隔壁4と同時に形成することが可能である。例えば、隔壁4の形成のためのマスクパターンに横方向隔壁21の形成のためのパターンを組込むことで、隔壁4の形成時に横方向隔壁21も一括して形成する。隔壁4がストライプ形状である場合、隔壁4と横方向隔壁21を合わせた全体の隔壁構造は格子状になる。なお、隔壁4の形成のためのマスクパターンは、例えばサンドブラスト加工用のマスクパターンでも良いし、スクリーン印刷用の開口パターンでも、他の形成方法のパターンでも良い。
なお、横方向隔壁21を形成した場合、放電空間が排気路から孤立してしまうため、バス電極11の形成領域に対向した保護膜14面での放電が起こらない程度に、横方向隔壁21の高さを隔壁4の高さより低くして排気通路を確保してもよい。横方向隔壁21の高さを隔壁4の高さより低くする方法としては、横方向隔壁21のパターン幅を隔壁4のパターン幅より狭くすることで隔壁4及び横方向隔壁21の焼成による収縮差を利用して実現することができる。
以上のように、放電抑止体として隔壁4と直交する横方向隔壁21を形成したことにより、アドレス電極2と放電維持電極12との間の対向放電16及び放電維持電極12間の面放電17が起こりやすくなり、アドレス放電の時間が大幅に短縮されるので、表示品位の良好な高精細のプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
実施の形態5.
図6は、この発明を実施するための実施の形態5におけるプラズマディスプレイパネルの構造図である。図6の(a)は表示面側から見た平面図、図6の(b)は図6の(a)のA−A線における断面図、図6の(c)は図6の(a)のB−B線における断面図である。バス電極11の形成領域に対向した保護膜14面での放電を抑制し、放電領域を放電セル7中心の近傍に限定する放電抑止体の別の形態であり、隔壁4と直交する排気溝221を有する溝付横方向隔壁22を配置した。この場合、ストライプ状の隔壁4は溝付横方向隔壁22により分断される。実施の形態4で示した横方向隔壁21を形成した場合、放電空間が排気路から孤立してしまうため、排気効率が低下する。このため、排気溝221を有する溝付横方向隔壁22を形成することで、放電空間の近傍に排気路が形成されるので排気効率を改善することができる。
溝付横方向隔壁22は隔壁4と同時に形成することが可能である。例えば、隔壁4の形成のためのマスクパターンに溝付横方向隔壁22の形成のためのパターンを組込むことで、隔壁4の形成時に溝付横方向隔壁22も一括して形成する。隔壁4がストライプ形状である場合、隔壁4と溝付横方向隔壁22を合わせた全体の隔壁構造は格子状になる。なお、隔壁4の形成のためのマスクパターンは、例えばサンドブラスト加工用のマスクパターンでも良いし、スクリーン印刷用の開口パターンでも、他の形成方法のパターンでも良い。
更に排気路を確保するために、バス電極11の形成領域に対向した保護膜14面での放電が起こらない程度に、溝付横方向隔壁22の高さを隔壁4の高さより低くして排気通路を確保してもよい。溝付横方向隔壁22の高さを隔壁4の高さより低くする方法としては、溝付横方向隔壁22のパターン幅を隔壁4のパターン幅より狭くすることで隔壁4の焼成による収縮差を利用して実現することができる。
以上のように、放電抑止体として隔壁4と直交する溝付横方向隔壁22を形成したことにより、排気効率が向上して安定したプラズマディスプレイパネルの製造を行なうことができるともに、アドレス電極2と放電維持電極12との間の対向放電16及び放電維持電極12間の面放電17が起こりやすくなり、アドレス放電の時間が大幅に短縮されるので、表示品位の良好な高精細のプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
実施の形態6.
図7は、この発明を実施するための実施の形態6におけるプラズマディスプレイパネルの構造図である。図7の(a)は表示面側から見た平面図、図7の(b)は図7の(a)のA−A線における断面図、図7の(c)は図7の(a)のB−B線における断面図である。図7に示すように、アドレス電極2に沿った方向に隣り合う放電セル7の間で放電維持電極12を共有するように、隣接する2本のバス電極11を1本にまとめた共有バス電極23が形成し、共有バス電極23の形成領域に対向した保護膜14面を被覆するように放電不活性膜15を形成し、非表示面基板1側では第三誘電体層5を形成する。バス電極11を共有することにより、放電維持電極12の本数が半減するのでプラズマディスプレイパネルのパネル構造を簡素化できる。
以上のように、アドレス電極2に沿った方向に隣り合う放電セル7の間で放電維持電極12を共有するように、隣り合う2本のバス電極11を1本にまとめた共有バス電極23が形成されるので放電維持電極12の本数が半減し、プラズマディスプレイパネルのパネル構造を簡素化できる。
実施の形態7.
図8は、この発明を実施するための実施の形態7におけるプラズマディスプレイパネルの構造図である。図8の(a)は表示面側から見た平面図、図8の(b)は図8の(a)のA−A線における断面図、図8の(c)は図8の(a)のB−B線における断面図である。図8に示すように、アドレス電極2に沿った方向に隣り合う放電セル7の間で放電維持電極12を共有するように、隣接する2本のバス電極11を1本にまとめた共有バス電極23が形成し、非表示面基板1側の横方向隔壁21を共有バス電極23と対向するように配置し、第三誘電体層5を形成する。バス電極11を共有することにより、放電維持電極12の本数が半減するのでプラズマディスプレイパネルのパネル構造を簡素化できる。
以上のように、アドレス電極2に沿った方向に隣り合う放電セル7の間で放電維持電極12を共有するように、隣り合う2本のバス電極11を1本にまとめた共有バス電極23が形成されるので放電維持電極12の本数が半減し、プラズマディスプレイパネルのパネル構造を簡素化できる。
実施の形態8.
実施の形態1〜7ではプラズマディスプレイパネルの構造の改良によりプラズマディスプレイパネルの高性能化を実現するものであるが、放電空間に封入する放電ガスを変えることによりプラズマディスプレイパネルの高性能化を実現することができる。例えば、実施の形態1におけるプラズマディスプレイパネルに封入した放電ガスはキセノンとネオンの混合ガスで、キセノンガスの混合比を10vol%としたものであるが、一般にキセノンガスの混合比を高くすると高発光効率のプラズマディスプレイパネルが得られる。しかし、キセノンガスの混合比を高くすると放電開始に必要な電圧が高くなり、アドレス放電が起こりにくくなる。なお、実用上、キセノンガスの混合比としては20vol%程度が上限である。
プラズマディスプレイパネルの高精細化とともに、形成するアドレス電極2の本数も増えるが、アドレス期間自体の時間を長くすることはできないので、アドレス電極2に1本単位で印加するアドレス放電を起こすための電圧パルスであるアドレスパルスの繰返し周期を短くする必要がある。例えば、画素数1280×768の高精細XGAパネルではアドレス電極2に印加するアドレスパルスの繰返し周期を2μs以下にする必要がある。
アドレスパルスの繰返し周期を短くすると、アドレス放電が起きない場合があり、表示のちらつきが起こりやすくなる。表示のちらつきが最も起こりやすい放電セル7は緑色蛍光体層6Gを有する緑色放電セルである。図9は緑色蛍光体層6Gを有する緑色放電セルにおける赤外線の発光波形を示すグラフであり、赤外線プローブとデジタルオシロスコープを用いてアドレス放電の応答性として得られた赤外線の発光波形の1000ショット分を平均化処理した結果である。縦軸は赤外線の発光強度、横軸はアドレスパルス印加後の経過時間である。ここでは20対目の放電維持電極12での発光波形を測定した。表1に示したパネルBと同じ仕様の第三誘電体層5を形成しないプラズマディスプレイパネルと表1に示したパネルAと同じ仕様の第三誘電体層5を形成するプラズマディスプレイパネルを使用して測定を行なった。放電ガス中のキセノンガスの混合比を15vol%として、第三誘電体層5を形成しない場合の赤外線の発光波形101と、第三誘電体層5を形成する場合の赤外線の発光波形102を比較すると、第三誘電体層5を形成する場合の赤外線の発光波形102の方が波形の応答特性が速い。
表1に示したパネルBと同じ仕様の第三誘電体層5を形成しないプラズマディスプレイパネルでキセノンガスの混合比を15vol%とした場合、表示テストの結果、アドレスパルスの繰返し周期を2μsにすると低階調表示における表示のちらつきが顕著である。一方、表1に示したパネルAと同じ仕様の第三誘電体層5を形成するプラズマディスプレイパネルでキセノンガスの混合比を15vol%とした場合、表示テストの結果、第三誘電体層5を形成しないプラズマディスプレイパネルでキセノンガスの混合比を10vol%にした場合と同様に、アドレスパルスの繰返し周期を2μsにしても低階調表示における表示のちらつきが実用上問題ない範囲に収まった。つまり、キセノンガスの混合比が10vol%を超える15vol%という条件下でも、第三誘電体層5を形成することによって、アドレス放電が起こりやすくなり、アドレスパルスの繰返し周期を2μs以下でも、アドレス放電が起こりやすくなることで、低階調表示における表示のちらつきが実用上問題ない範囲まで低減された。このことから、第三誘電体層5を形成することで、通常のキセノンガスの混合比である10vol%から実用上のキセノンガスの混合比の上限である20vol%まで、安定してアドレス放電が起こすことができる。
図9で示したような赤外線の発光波形を基に、任意のアドレスパルス印加後の経過時間までの赤外線の発光波形の積分値を全発光波形面積で規格化し、その時点でのアドレス放電の未達成率(=1−赤外線の発光波形の積分値/全発光波形面積)を算出した。図10にアドレスパルス印加後の経過時間とアドレス放電の未達成率の関係を示す。アドレス放電の未達成率はアドレス放電の成功の指標となるものである。
例えば、表1に示したパネルBと同じ仕様の第三誘電体層5を形成しないプラズマディスプレイパネルでキセノンガスの混合比を15vol%とした場合、アドレス放電の未達成特性曲線104からアドレスパルス印加後の経過時間2μsでのアドレス放電の未達成率は4.8%であり、このレベルでは表示のちらつきが顕著である。一方、表1に示したパネルAと同じ仕様の第三誘電体層5を形成するプラズマディスプレイパネルでキセノンガスの混合比を15vol%とした場合、アドレス放電の未達成特性曲線106からアドレスパルス印加後の経過時間2μsでのアドレス放電の未達成率は2.4%であり、このレベルでは表示のちらつきが実用上問題ない範囲まで低減される。また、第三誘電体層5を形成しないプラズマディスプレイパネルでキセノンガスの混合比を10vol%とした場合、アドレス放電の未達成特性曲線103からアドレスパルス印加後の経過時間2μsでのアドレス放電の未達成率は1.4%であり、第三誘電体層5を形成したプラズマディスプレイパネルでキセノンガスの混合比の10vol%とした場合、アドレス放電の未達成特性曲線105からアドレスパルス印加後の経過時間2μsでのアドレス放電の未達成率は1.3%である。
アドレス放電の未達成率が4.8%では表示のちらつきが顕著であるので、アドレス放電の未達成率が4.8%を下回るようにアドレス電極2に印加するアドレスパルスの繰返し周期を決定する必要がある。第三誘電体層5を形成してキセノンガスの混合比10vol%を超えるような条件では、アドレス放電の未達成特性曲線105からアドレス電極2に印加するアドレスパルスの繰返し周期は1.4μsが下限となる。また、高精細XGAパネルではアドレスパルスの繰返し周期を2μs以下にする必要があるので、アドレスパルスの繰返し周期を1.4〜2.0μsにすることでアドレス放電が安定する。そこで、実施の形態8で示したプラズマディスプレイパネルでは、アドレスパルスの繰返し周期を1.4〜2.0μsに設定するような駆動回路を備えた。この結果、表示のちらつきが少ない高精細XGAパネルを得ることができる。
以上のように、第三誘電体層5を形成することで、放電空間にネオン及びキセノンを含んだ混合ガスを充填し、混合ガス中のキセノンガスの混合比を10〜20vol%以下としても、高精細XGA用プラズマディスプレイパネルの必須要件であるアドレスパルスの繰返し周期を2μs以下でも安定したアドレス放電の応答性が得られ、表示のちらつきを実用上問題ない範囲まで低減できる。また、アドレス電極2に印加するアドレスパルスの繰返し周期を1.4〜2.0μsに設定する駆動回路を備えることにより、表示のちらつきが実用上問題ない高精細なプラズマディスプレイパネルを得ることができる。
この発明の実施の形態1を示すプラズマディスプレイパネルの構造図である。 この発明の実施の形態2を示すプラズマディスプレイパネルの構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態2におけるガラス混合比と表面積比の関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態3を示すプラズマディスプレイパネルの構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態4を示すプラズマディスプレイパネルの構造図である。 この発明の実施の形態5を示すプラズマディスプレイパネルの構造図である。 この発明の実施の形態6を示すプラズマディスプレイパネルの構造図である。 この発明の実施の形態7を示すプラズマディスプレイパネルの構造図である。 この発明の実施の形態8における赤外線の発光波形を示すグラフである。 この発明の実施の形態8におけるアドレスパルス印加後の経過時間とアドレス放電の未達成率と関係を示すグラフである。
符号の説明
1 非表示面基板
2 アドレス電極
3 第二誘電体層
4 隔壁
5 第三誘電体層
6R 赤色蛍光体層
6G 緑色蛍光体層
6B 青色蛍光体層
7 放電セル
9 表示面基板
10 透明電極
11 バス電極
12 放電維持電極
13 第一誘電体層
14 保護膜
15 放電不活性膜
16 対向放電
17 面放電
18 微粒子成分
19 ガラス材
20 ガラスコート膜
21 横方向隔壁
22 溝付横方向隔壁
23 共有バス電極
101、102 赤外線の発光波形
103、104、105、106 アドレス放電の未達成特性曲線
221 排気溝

Claims (13)

  1. 対向配置される表示面基板と非表示面基板と、
    前記表示面基板の前記非表示面基板と対向する面に形成される複数の放電維持電極を被覆する第一誘電体層と、
    前記非表示面基板の前記表示面基板と対向する面に形成される複数のアドレス電極を被覆する第二誘電体層と、
    前記第一誘電体層と前記第二誘電体層との間に形成される隔壁と、
    前記第一誘電体層と前記第二誘電体層と前記隔壁とにより画定される放電空間と、
    前記第二誘電体層の前記放電空間と対向する面を被覆する第三誘電体層と、
    前記複数の放電維持電極のうち一対の放電維持電極と前記複数のアドレス電極のうち一本のアドレス電極とにより規定される一区画分の前記放電空間である放電セルと、
    前記アドレス電極に沿った方向に隣り合う前記放電セルの間で、かつ、前記第二誘電体層と対向する位置に形成される放電抑止体と、
    を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記第三誘電体層が前記隔壁の前記放電空間と対向する面を被覆するように、前記第三誘電体層の形成範囲を広げたことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記第三誘電体層の比誘電率が前記第二誘電体層の比誘電率よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記第三誘電体層の材料を酸化チタンとすることを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記第三誘電体層の材料にガラス材を混合することを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記第三誘電体層の前記放電空間と対向する面にガラスコート膜を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記放電抑止体として、前記非表示面基板から見て前記第一誘電体層を覆うように絶縁膜を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記アドレス電極に沿った方向に隣り合う前記放電セルの間で前記放電維持電極を共有することを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記放電抑止体として、前記隔壁と直交する横方向隔壁を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記アドレス電極に沿った方向に隣り合う前記放電セルの間で前記放電維持電極を共有することを特徴とする請求項9に記載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 前記第三誘電体層を焼成した後に、前記第三誘電体層の前記放電空間と対向する面に形成した蛍光体層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  12. 前記放電空間にネオン及びキセノンを含んだ混合ガスを充填し、前記混合ガス中の前記キセノンの混合比を10〜20vol%以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  13. 前記アドレス電極に印加するアドレスパルスの繰返し周期を1.4〜2.0μsに設定する駆動回路を備えた請求項12記載のプラズマディスプレイパネル。
JP2004216265A 2004-07-23 2004-07-23 プラズマディスプレイパネル Pending JP2006040637A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004216265A JP2006040637A (ja) 2004-07-23 2004-07-23 プラズマディスプレイパネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004216265A JP2006040637A (ja) 2004-07-23 2004-07-23 プラズマディスプレイパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006040637A true JP2006040637A (ja) 2006-02-09

Family

ID=35905410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004216265A Pending JP2006040637A (ja) 2004-07-23 2004-07-23 プラズマディスプレイパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006040637A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007242537A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Pioneer Electronic Corp 面放電型プラズマディスプレイパネル
JP2007242536A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Pioneer Electronic Corp 面放電型プラズマディスプレイパネル

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007242537A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Pioneer Electronic Corp 面放電型プラズマディスプレイパネル
JP2007242536A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Pioneer Electronic Corp 面放電型プラズマディスプレイパネル
JP4668816B2 (ja) * 2006-03-10 2011-04-13 パナソニック株式会社 面放電型プラズマディスプレイパネル
JP4668817B2 (ja) * 2006-03-10 2011-04-13 パナソニック株式会社 面放電型プラズマディスプレイパネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4108088B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
US6057643A (en) Discharge gas mixture for a fluorescent gas-discharge plasma display panel
KR20050099244A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR101012540B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP2006040637A (ja) プラズマディスプレイパネル
WO2009113256A1 (ja) プラズマディスプレイパネル
KR101075002B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
WO2009113229A1 (ja) プラズマディスプレイパネル
US20080042564A1 (en) Plasma display panel
KR100592285B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP2012031352A (ja) プラズマディスプレイ
US7576495B2 (en) Plasma display panel
KR100603362B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
WO2009110195A1 (ja) プラズマディスプレイパネル
KR100669805B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP4839233B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2005197260A (ja) プラズマディスプレイパネル
KR100751364B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100589348B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100922751B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP2007265969A (ja) ディスプレイパネル
JP2006140158A (ja) プラズマディスプレイパネル
KR20090076667A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
WO2009113140A1 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2005203174A (ja) プラズマディスプレイパネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20051222

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070921

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071002

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071129

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090602

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20091013

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02