JP2006040183A - Icタグ用半導体装置、icタグ及びicタグの制御方法 - Google Patents

Icタグ用半導体装置、icタグ及びicタグの制御方法 Download PDF

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Toshiyuki Miyashita
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和美 関
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達也 内野
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Abstract

【課題】
受信したコマンドに基づく処理を実行中にデータを含む変調波を受け取っても、それに基づいて誤動作しないICタグ半導体装置を提供する。
【解決手段】
ICタグ用半導体装置では、受信したRF信号から受信データを復調する受信部と、受信部により復調された受信データからデータ信号よりなるコマンドを検出し、コマンドに基づいて処理を実行する信号処理部を有し、信号処理部は、受信データからコマンドを検出するコマンド受付モードと、コマンドを実行するコマンド実行モードとを有し、コマンド実行モードにおいて、受信データからデータ信号が検出された場合に当該データ信号を無効とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、リーダ・ライタから送られる電波からコマンドを検出して実行するICタグ用半導体装置、ICタグ、及びICタグの制御方法に関する。
近年、例えば工場での物流管理、又は小売店での物品管理などにおいて、商品の固有情報を書き込んだICを有するタグを貼り付けて、その情報を無線アンテナで読み取り、リアルタイムに商品の管理をするために、商品を自動認識する手段としてRFID(Radio Frequency IDentification)に関する技術が注目されている。
このようなRFID用のICタグ(以下、ICタグという)は、データを格納するためのメモリを有するICチップと無線を受信するためのアンテナとが一体化されたものでる。ICタグは、リーダ・ライタからRF信号を受信し、そのRF信号に応じた動作を行う。また、ICタグには、電池を搭載したアクティブ型と呼ばれるものと、電池を搭載しないパッシブ型と呼ばれるものとがある。パッシブ型のICタグでは、リーダ・ライタからRF信号を経由して電力を受け取り、これによりICチップを動作させるための電源を確保する(非特許文献1参照)。すなわち、ICタグとリーダ・ライタとの間で、RF信号による無線通信がなされとともに、このRF信号がタグへの電力供給に利用される。
ICタグには、使用される目的に応じて、多機能・高性能・高信頼性を達成すべく、内蔵するICチップに様々な機能を実行させるICタグと、内蔵するICチップに識別番号と簡単な情報を記憶するだけで十分とするICタグが存在する。特に後者のICタグおいては、極力余計な機能を持たせず、内蔵されるICチップの面積を最小限に抑えることで、安価なICタグを提供することを最大の目的としている。電源を内蔵しないパッシブ型のICタグは、その代表例である。
前述したように、ICタグは、リーダ・ライタから出力される搬送波を変調したRF信号(変調波)によって、命令コマンドのみからなるコマンド、又は命令コマンド及びデータからなるコマンドを無線通信にて取得する。変調方式には、ASK(amplitude shift keying)、PSK(phase shift keying)、FSK(frequency shift keying)等がある。
ICタグは、変調波をアンテナによって受信する。アンテナには、放射電磁波(主に利用される周波数帯域は2.45GHz)用のアンテナ(例えばダイポールアンテナ等)と、誘導電磁波(主に利用される周波数帯域は13.56MHz)用のアンテナ(例えばアンテナコイル等)に大別される。ICタグは、変調波をアンテナにて受信すると、ICチップ内の受信部は、適用されている変調方式に従って、受信データを「0」と「1」の2値データ(ディジタルデータ)へと復調する。復調されたディジタルデータは、ICチップ内の信号処理部へと送られ、コマンドを解析し、内蔵メモリへのアクセス等の処理を行う。
ウド・カートハウス(Udo Karthaus)他著、「フリー・インテグレーテッド・パッシブ・ユーエイチエフ・アールエフアイディー・トランスポンダー・アイシー・ウィズ・16.7マイクロワット・ミニマム・アールエフ・インプット・パワー(Fully Integrated Passive UHF RFID Transponder IC With 16.7−μW Minimum RF Input Power)」、アイイーイーイー・ジャーナル・オブ・ソリッド−ステート・サーキッツ(IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS)、VOL.38、NO.10、2003年10月、p.1602−1608
しかしながら、ICタグにおいて受信したコマンドに基づく処理を実行中にリーダ・ライタからはフレームパルスを含む変調波が送られている。このとき、変調波に含まれるのがフレームパルスのみであれば、ICタグは現在の処理を実行し続けるが、この変調波にフレームパルスに加えノイズが乗ってしまうと、ノイズをデータとして検出してしまうため、ICタグは新しいコマンドが来たものと判断し、現在行っている処理を中止してしまう可能性がある。このため、受け取ったコマンドに基づく処理がノイズによって正常に終了されないという問題が起こる。
したがって、本発明は、受信したコマンドに基づく処理を実行中にデータを含む変調波を受け取っても、それに基づいて誤動作しないICタグ半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、ICタグ用半導体装置では、受信したRF信号から受信データを復調する受信部と、前記受信部により復調された受信データからデータ信号よりなるコマンドを検出し、前記コマンドに基づいて処理を実行する信号処理部を有し、前記信号処理部は、前記受信データから前記コマンドを検出するコマンド受付モードと、前記コマンドを実行するコマンド実行モードとを有し、前記コマンド実行モードにおいて、前記受信データから前記データ信号が検出された場合に当該データ信号を無効とする。
さらに、前記信号処理部は前記受信データから前記データ信号を検出する検出部と、前記データ信号からなるコマンドに基づいて動作する制御部とを有する構成としても良い。
さらに、前記受信したRF信号から電源電圧を生成する電源電圧発生部を有することも可能である。
さらに、前記信号処理部は前記コマンド受信モードにおいて、前記データ信号以外の受信データを検出した場合は当該受信データを無効としてもよい。
ICタグ用半導体装置は前記コマンドを格納するレジスタを備え、前記コマンド実行モードから前記コマンド受信モードに移行する際に前記レジスタをリセットすることが可能である。
前記受信データは複数のパルスより構成され、前記パルスの数に基づいて受信データの内容が判定されることとしてもよい。
ICタグ用半導体装置は、クロック生成部を備え、前記クロック生成部は前記受信データの複数のパルスのうち、少なくともひとつに基づいて前記信号処理部に供給するクロック信号を生成することが可能である。
さらに、前記制御部は前記クロック信号をカウントするカウンタ回路を備え、前記カウンタ回路のカウント値に基づいて前記コマンド受信モードおよびコマンド実行モードを切り替えることとしてもよい。
本発明のICタグは、リーダ・ライタと電波を送受信するアンテナと、
前記アンテナに接続された上記のようなICタグ用半導体装置とを備える。
さらに、本発明は、リーダ・ライタから送信されるRF信号を受信して、該RF信号を復調した受信データに基づいて処理を実行するICタグの制御方法であって、前記ICタグは、コマンド受信モードで前記受信データに含まれるデータ信号からなるコマンドを検出し、コマンド実行モードでは、前記検出したコマンドを実行し、前記コマンド実行モードにおいて、前記受信データからデータ信号が検出された場合は、当該データ信号を無効とする。
本発明によれば、コマンド実行中にデータを有するRF信号を受け取っても、それに基づいて誤動作しないICタグが提供可能である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、パッシブ型のICタグ及びその制御方法に適用したものである。ICタグが通信を行う上では、ICタグに対してデータを読み書きするためのリーダ・ライタが必要である。パッシブ型のICタグは、リーダ・ライタからRF信号を経由して電力を受け取り、これによりICチップを動作させる。ここでは、先ず、ICタグとリーダ・ライタからなる送受信システム(RFIDシステム)について説明する。
図1は、ICタグとリーダ・ライタとからなるRFIDシステムを示す模式図である。RFIDシステム300は、ICタグ100とリーダ・ライタ200とを有し、ICタグ100は、リーダ・ライタ200から受け取ったRF信号により通信を行う。
リーダ・ライタ200は、例えば、コンピュータ(不図示)と通信可能に接続されており、このコンピュータの指示に従って動作する。ICタグ100は、データを格納するメモリと、RF信号を受信するためのアンテナを有している。ICタグ100が、リーダ・ライタ200によって作り出されたRFフィールド内に入ると、ICタグ100にRF信号を介して電力が供給される。このRF信号にはコマンドが含まれており、ICタグ100はそのコマンドを受け取り、ICタグ100のメモリに所定のデータを書き込んだり、メモリからデータを読み出しリーダ・ライタ200に送信したりする。こうして、ICタグ100とリーダ・ライタ200との間でデータの送受信が行われる。
本発明に係るICタグ100を示すブロック図は、図2に示されるように、ICタグ100は、リーダ・ライタ200との電波の送受信を行うアンテナ110と、ICチップ120とを有している。ICチップ120には、アンテナ110から受信したRF信号がアンテナ接続端子121を介して供給されている。ICチップ120は、このRF信号を復調して受信データとする受信部131と、RF信号から電源電圧を生成する電源電圧生成部132と、リーダ・ライタ200に送信するRF信号を生成する送信部133と、受信データが供給される信号処理部140と、EEPROMなどの不揮発性メモリ150とを有する。本実施の形態におけるICチップ120は、受信したRF信号から電力及びデータを抽出するパッシブ型RFID用の半導体装置である。
受信部131は、アンテナ110を介して受信したRF信号に含まれるデータ(受信データ)を、デジタル形式で復調する。受信部131によって復調される受信データには、少なくとも前述したコマンドを構成する命令コマンドの”0”、”1”のデータの他、信号処理部140の動作に必要なクロック信号を生成するためのタイミングの基準となる信号である基準信号(フレームパルス)が含まれている。
また、送信部133は、リーダ・ライタ200の命令によりメモリ150から読み出したリードデータを信号処理部140から受け取り、アンテナ110を介してリーダ・ライタ200に送信する。
電源電圧生成部132は、リーダ・ライタ200との距離が所定範囲内であるときリーダ・ライタ200から送信されるRF信号からICチップ120が動作するための電源電圧を生成する。
また、メモリ150は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetic RAM)又はOUM(Ovonic Unified Memory)等の不揮発性メモリとすることができ、個別情報など様々なデータを格納する。なお、メモリ150として、例えばEEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを使用する場合、読み出しの際には、信号処理部140を構成する論理回路が動作可能な最小の電圧と同程度の電圧で動作するが、書き込みの際には、通常、読み出しの際に必要な電圧に比べて大きな電圧を必要とする。よって、書き込み電圧の電圧値が必要な値以上でなければ、正常な書き込み動作をすることができないため、例えば、生成した電源電圧を昇圧し書き込み時に必要な電圧を作り出すためのチャージポンプ回路(不図示)をメモリ150の内部又は外部に設けることができる。
信号処理部140は、受信部131にて復調された受信データからコマンドを検出し、コマンドに従ってメモリ150にデータを書き込む又はメモリ150からデータを読み出す等の処理を実行するもので、受信データとして受け取ったデータからコマンドを検出するコマンド受信モードと、検出したコマンドを実行するコマンド実行モードとを有する。そして、特に、本実施の形態における信号処理部140は、コマンド受信モードにおいて、復調した受信データのうち、少なくとも命令コマンドを示すビット数のデータ(例えば16ビットのデータ)の範囲内で、”0”又は”1”のデータが無いという受信データがあった場合には、意図しない受信データを受け取ったことに起因して生じる誤動作を防止すると共に、本来受け取るべきコマンドが受け取れなかった旨の履歴を残す。ただし、データが無いという受信データは、フレームパルスのみからなるものとし、”0”又は”1”のデータがある受信データは、フレームパルス+データからなるものとする。これに対し、コマンド実行モードでは、コマンド受信モード期間に本来受け取るべきコマンドを受け取ることができた場合に、受信したコマンドを実行する。このコマンド実行モードにおいて新しいコマンドを受信した場合、本来受け取るべきコマンドではないものとして(通常、コマンドの受信は、コマンド受信モード期間にのみ行われるため)当該受信したコマンドを無効にし、意図しない受信データを受け取ったことに起因して生じる誤動作を防止する。
この信号処理部140は、受信部131より出力される受信データから後述する検出信号を生成する検出部141と、受信データから検出部141及び制御部143の順序回路を動作させるために必要な複数のクロック信号を生成するクロック生成部142と、検出部141にて検出された検出信号からコマンドを取得しクロック生成部142にて生成されたクロック信号にしたがって所定のタイミングでこれを実行することで、不揮発性メモリ150にデータを書き込み又はデータを読み出す等の処理を行う制御部143とを有する。また、制御部143は、検出信号に含まれるコマンドを保持するコマンドレジスタ144を有する。
以下、この信号処理部140について詳細に説明する。クロック生成部142は、受信データに含まれるフレームパルスを所定時間遅延させる等して複数種類のクロック信号を生成し、検出部141及び制御部143に供給する。
検出部141は、受信部131から転送される受信データと上記クロック信号に基づきフレームパルス及び0又は1を示すデータ信号を検出し、検出した検出信号を制御部143に転送する。
制御部143は、検出部141にて検出された検出信号のうち、0又は1を示すデータ信号をコマンドレジスタ144にシリアルに取り込み、取り込み完了後の受信データの正当性をチェックする。コマンドの正当性の確認はチェックサム又は巡回冗長検査(Cyclic Redundancy check:CRC)で行うことができる(ISO/IEC FDIS 18000-4:2003(E), Information technology - Automatic identification and data capture techniques - Radio frequency identification for item management - Part4 : Parameters for air interface communications at 2.45 GHz , pp17-20)。例えば、リーダ・ライタ200から送られてくるコマンドに含まれるチェックサムデータと、送られてくるコマンドから計算したチェックサムの値とを比較し、コマンドが正確に受け取れたか否かをチェックすることで実行する。そして、正当性の確認後、コマンドをデコードして実行する。
また、制御部143は、受信したコマンドをデコードして得られたライト命令、リード命令、後述するエラーフラグのセット・リセットなどを指示する制御信号と、クロック生成部142から出力された複数種類のクロックとを受けて、レジスタ又は不揮発性メモリ150との間でデータの書き込み若しくはデータの読み出し、又はフラグのセット・リセットなど各コマンドの実行、及びリーダ・ライタ200に送信するデータの格納とそのデータの符号変換、送信部133への転送を行う。
次に、本実施の形態におけるICタグ100の動作について説明する。図3及び図4は、ICタグ100にて生成される信号を示すタイミングチャートである。図3に示すDETECT信号D1は、受信部131によってデジタル形式として復調された受信データである。この復調された受信データは、フレームパルスのみによって構成されるフレームパルスFP信号と、フレームパルスとデータから構成されるDATA0信号又はDATA1信号とに分けられる。DATA0信号は、フレーパルスと1個のパルスからなり、DATA1信号は、フレームパルスと2個のパルスからなる。
本実施の形態においては、このフレームパルスに続く2番目のパルスは、復調された受信データがフレームパルスのみのフレームパルスFP信号であるのかそれともDATA0信号又はDATA1信号からなるデータ信号であるのかを示す識別信号として機能する。この2番目のパルスが存在するならば「0」又は「1」のデータ信号であり、2番目のパルスが存在しなければフレームパルスFP信号である。
また、2番目のパルスに続く3番目のパルスは、データ信号の内容を示すデータ識別信号として機能し、この3番目のパルスが存在するならば、そのデータ信号は「1」であり、3番目のパルスが存在しなければ、そのデータ信号は「0」を示す。
ICタグ100は、コマンド実行モードにおいては、フレームパルスのみを含むフレームパルスFP信号を受信し、コマンド受信モードにおいては、データ信号であるDATA0信号又はDATA1信号を受信する。
受信部131は、受信電波をフレームパルスFP信号、DATA0信号又はDATA1信号のいずれかを示すDETECT信号D1に復調し、検出部141及び信号生成部142に供給する。
クロック生成部142は、DETECT信号D1の1番目のフレームパルスからクロックを生成する。フレームパルスは、一定の周期を有するパルスであって、DETECT信号D1に常に含まれる信号である。このフレームパルスは、信号処理部内の順序回路用クロックのタイミングの基準となっているため、通常、ICチップ120が動作する間は、このフレームパルスがリーダ・ライタ200から、継続的に供給されている。クロック生成部142は、フレームパルスを適当な時間遅延させる等して3種類のクロックCLK1〜CLK3を生成し、検出部141及び制御部143に供給する。なお、本実施の形態では、クロック生成部142は3種類のクロックCLK1〜CLK3を生成するものとしているが、必要に応じた種類のクロックを生成すればよい。また、クロック生成部は、例えば、検出部141の内部又はその信号処理部140の前段等に設けた構成としてもよい。
検出部141は、DETECT信号D1及びクロックCLK1〜CLK3を受け取り、DETCT信号D1がフレームパルスFP信号である場合はフレームパルス検出信号D2を生成し、DETECT信号D1がDATA0信号である場合は「0」を検出したことを示すデータ信号としてDATA0検出信号D3を生成し、また、DETECT信号D1がDATA1信号である場合は、「1」を検出したことを示すデータ信号としてDATA1検出信号D4を生成し、これらの検出信号D2〜D4を制御部143に転送する。
すなわち、検出部141は、フレームパルスの1周期内(1フレーム)に含まれるDETECT信号D1のパルス数をカウントし、パルス数が1である場合は、フレームパルス検出信号D2、パルス数が2である場合は、DATA0検出信号D3、パルス数が3である場合はDATA1検出信号D4を生成する。以下、DATA0検出信号D3及びDATA1検出信号D4を合わせてデータ信号という。
なお、本実施の形態においては、検出部141は、1フレームに含まれるDETECT信号D1のパルス数をカウントして検出信号を生成し、1フレーム内に含まれるパルス数が1個ならば、フレームパルスFP信号、2個ならばDATA0信号、3個ならばDATA1信号)としている。しかしながら、この1フレーム内に含まれるパルス数だけでDATA0信号、DATA1信号を判断せずに、1フレームに含まれるパルスのタイミングも考慮してデータ信号の内容を判断しても良い。
ここで、1フレーム内で、所定間隔で連続して3つのパルスが来る場合を「111」と表した場合、この実施の形態のフレームパルスFP信号は「100」、DATA0信号を「110」、DATA1信号を「111」と表現できる。1フレームに含まれるパルスのタイミングを考慮すれば、例えばDATA0信号が「101」でDATA1信号が「110」などと対応付けることも可能である。
制御部143は、検出部141からの各種検出信号D2〜D4及びクロック生成部142からのクロック信号CLK1〜CLK3に基づき、コマンド受信期間はハイレベルとなるコマンド受信信号D5、コマンドの受信開始からコマンドの実行が終了するまでの間ハイレベルとなる受信開始・動作終了信号D6、コマンド受信終了したことを示すコマンド受信終了信号D8、コマンド実行期間はハイレベルとなるコマンド実行信号D9、コマンドレジスタ144をリセットするコマンドレジスタリセット信号D7など各種のタイミングを示す信号を生成する。
具体的には、制御部143は、DATA0検出信号D3、又はDATA1検出信号D4を受け取ると、コマンド受信信号D5をハイレベルとする。このコマンド受信信号D5は、コマンドを受信(検出)する期間内はハイレベルとされる信号で、この間、制御部143はコマンド受信モードとなる。また、コマンド受信信号D5をハイレベルにすると更に、受信開始・動作終了信号D6をハイレベルとする。この受信開始・動作終了信号D6は、コマンド受信開始後、コマンドの実行が終了するまでの間はハイレベルとされる。
さらに、図4に示すように、コマンド受信信号D5がハイレベルになると、コマンドレジスタ144をリセットするコマンドレジスタリセット信号D7を生成し、コマンドレジスタ144がリセットされる。これにより、以降のコマンド受信期間に受信されるデータ信号を確実に取り込むようになされている。コマンドレジスタ144は、DATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4を受け、コマンド受信期間は「0」又は「1」のデータを順次取り込む。ここで、図4に示すコマンドは16ビットからなるコマンド列であるが、本実施の形態においては、このうち上位3ビットは予約ビットとし、2ビット目にコマンドレジスタ144をリセットするようにしている。なお、コマンドは、16ビットのコマンド列に限らず、例えば24ビットのコマンド列からなってもよい。また、予約ビットを設定しない場合はコマンド受信モードに移行した時点でコマンドレジスタ144をリセットするようにしてもよい。
また、コマンド受信信号D5がハイレベルになるとカウンタ(不図示)によりカウントを開始し、カウント値が所定の値となった時点でコマンドの受信の終了を示すコマンド受信終了信号D8を生成し、コマンド受信信号D5をロウレベルにすると共に、コマンド実行信号D9をハイレベルとする。このコマンド実行信号D9は、受信したコマンドを実行するための期間であるコマンド実行期間内はハイレベルとされ、制御部143は、コマンド実行モードとなる。そして、上記カウンタのカウンタ値が所定の値になったとき、受信開始・動作終了信号D6及びコマンド実行信号D9をロウレベルにし、コマンド実行モードを解除する。
すなわち、本実施の形態におけるICタグ100は、図5に示すように、フレームパルスFP信号のみを受信しているフレームパルス受信期間T0はフレームパルス受信モードとなり、コマンドを受信しているコマンド受信期間T1はコマンド受信モードとなり、コマンドを実行しているコマンド実行期間T2はコマンド実行モードとなる。フレームパルス受信期間T0は、コマンド受信信号D5及びコマンド実行信号D9がいずれもロウレベルの期間であり、コマンド受信前、コマンド実行後などにおいて、ICタグがフレームパルスFP信号のみを受信し、かつコマンドを実行したり、受信したりしていない期間である。コマンド受信期間T1は、コマンド受信信号D5がハイレベルの期間であり、DATA0検出信号D3及びDATA1検出信号D4を受け取り、コマンドを検出する期間である。コマンド実行期間T2は、コマンド実行信号D9がハイレベルの期間であり、コマンド受信期間T1にて受信され検出されたコマンドに従った処理を実行する期間である。
例えば、図5において、コマンドA、コマンドCは、データの書き込みを指示するライトコマンドであり、コマンドBはデータ読み出しを指示するリードコマンドとした場合について説明する。ライトコマンドは、ライト命令と共に書き込むべきデータ及び当該データを書き込むメモリのアドレスとからなり、リードコマンドは、リード命令及び読み出すべきメモリのアドレスからなるものとすることができる。尚、図5におけるコマンドBのリードコマンドは、コマンドAのライトコマンドが正常に行われたか否かを確認するための処理として行われるためのものであるため、コマンドA及びコマンドBに含まれるメモリアドレスは、同一アドレスを示すことになる。
以下、本実施の形態における制御部143の動作について更に詳細に説明する。制御部143は、フレームパルスFP信号を受信するフレームパルス受信モードとなっているフレームパルス受信期間T0において、検出部141からDATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4を受け取るとコマンド受信信号D5をハイレベルとし、コマンド受信モードとなる。
そして、制御部143は、コマンド受信モードでは、コマンドの受信が終了するまで、すなわちコマンド受信信号D5がハイレベルのコマンド受信期間T1の間においては、図6の上図に示すように、DATA0検出信号D3、又はDATA1検出信号D4のみを受け取り、受け取ったDATA0検出信号D3、又はDATA1検出信号D4からコマンドを検出する。
ここで、本来ならばコマンド受信期間T1において、フレームパルス検出信号D2は入力されない信号である。しかし、外乱の影響等により上述の2ビット目及び/又は3ビット目の信号が復調できなかった場合、図6の下図に示すように検出部141は、DETECT信号D1からDATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4ではなく、フレームパルス検出信号D2を検出して制御部143に転送してしまう。
制御部143がコマンド受信期間T1にフレームパルス検出信号D2を受け取った場合、本実施の形態における制御部143は、本来受け取るべきDATA0検出信号D2若しくはDATA1検出信号D3が受信できなかった又は正しく復調されていないものと判断し、受信途中のコマンドを無効にする。すなわち、現在のコマンド受信期間T1において、コマンドレジスタ144に取り込み中であるDATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4から成るデータ列を無効にする。このように、制御部143は、DATA0検出信号D3、又はDATA1検出信号D4以外のデータ、すなわちフレームパルス検出信号D2を受け取った場合に受信中のコマンドを無効にする。制御部143が、コマンド受信期間T1にフレームパルス検出信号D2を受け取ると、図7に示すように、エラーフラグE1を生成してエラーフラグE1格納レジスタ145に保存する。制御部143は、コマンド受信期間T1に続くコマンド実行期間T2(コマンド実行信号D9がハイレベルの間)、コマンド受信期間T1において受信したコマンドを実行するが、エラーフラグE1が生成されている場合は、コマンドを無効にしており実行しない。
ここで、コマンドの正当性は、チェックサムによっても確認されるが、チェックサムによる確認方式は、コマンド列を先頭から順に加算した総計の下位1バイトを抽出し、コマンドと共に送信されてきたチェックサムデータと比較ことで、その一致不一致によりコマンドの正当性を判断するという単純な確認方法である。そのため、受信したコマンド列のうちデータ信号として受信できなかった場合、すなわちフレームパルスFP信号として受信された場合、本来このデータが「0」であるのか、「1」であるのかが不明であり、これをDATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4のいずれかであるとみなすと誤動作の原因となり、前述するチェックサムによる確認方式では誤動作を確実に防止することができない。よって、このような場合は、受信中のコマンド列そのものを無効とすることで、確実に誤動作を防止することができる。
また、ICタグ100は、リーダ・ライタ200によるエラーフラグE1読み出し命令を受信した場合には、エラーフラグE1格納レジスタ145から保存したエラーフラグE1を読み出し、リーダ・ライタ200に対して送信する。エラーフラグE1読み出し命令は、コマンドの一種であるため、メモリに対するライト命令やリード命令の場合と同様、コマンド受信モード(図5ではコマンド受信期間T1に相当)にて受信されるものである。
一般的な、パッシブ型のICタグにおいては、低コスト化・小型化を達成すべく、必要最小限の機能のみ搭載したICチップを内蔵するため、ICタグはリーダ・ライタによるライト命令が正常に行われたか否かを確認する機能を有していない。そのため、ICタグに対するライト命令が正常に行われたか否かを確認するための方法として、ライト命令によってICタグに書き込んだデータを、今度はリード命令によってICタグから読み出し、リーダ・ライタが書き込んだデータと読み出したデータの一致・不一致を判断し、一致であるならばライト命令が正常に行われたものとし、不一致であるならばライト命令が正常に行われなかったものとする方法を採用している。すなわち、ICタグに対してライト命令をする場合には、その直後にライト命令によって指定したメモリアドレスと同じメモリアドレスを指定するリード命令を併せて行うことにより、ライト命令が正常に行われたか否かを確認している。したがって、ライト命令により書き込みを行ったライトデータと、リード命令により読み出したリードデータとを比較し、その一致・不一致にて、正常な書き込み処理が行われたことを確認している。
このような、一般的な、ICタグでは、例えば受信したコマンド列の中にフレームパルスが含まれていたことが原因で、ライトデータ≠リードデータとなり、ライト命令が正常に行われなかったことを確認できたとしても、リーダ・ライタからは、何が原因でICタグに対するライト命令が正常に行われなかったかどうかを把握することができない。
ライト命令が正常に行われない原因としては、前述したコマンド受信の失敗の他、例えばリーダ・ライタとパッシブ型のICタグの距離が所定の間隔以上であったため、不揮発性メモリに書き込みを行う際に必要な書き込み電圧を生成するために必要なエネルギーを十分得ることができなかったこと(チャージポンプ回路による昇圧電圧の生成不足)による場合も考えられる。このような場合には、リーダ・ライタは、コマンド受信の失敗が原因でライト命令が正常に行われなかったのか、それとも昇圧電圧の生成不足が原因でライト命令が正常に行われなかったのかを確認することができない。
このようにライト命令が正常に行われなかった場合には、再度ライト命令を行うことになる。しかし、一般的なRFIDのシステムではライト命令が正常に行われなかった原因が明確に把握できていないため、再度ライト命令を行ったとしても、再び同様の原因でライト命令が正常に行われない可能性が高い。
これに対し本発明では、コマンド受信の失敗が生じた場合には、制御回路143はエラーフラグE1を出力し、エラーフラグE1格納レジスタ145に保存する。リーダ・ライタ200から送信されたエラーフラグ読み出し命令を受信した場合には、制御回路143はエラーフラグE1をエラーフラグE1格納レジスタ145より読み出し、送信部133に出力する。送信部133は、受け取ったエラーフラグE1を変調し、リーダ・ライタ200に対して送信する。このようにして送信されたエラーフラグE1を受信したリーダ・ライタ200は、ICタグ100にコマンド受信の失敗が生じていたことを把握することができる。そのため、再びICタグ100がコマンドの受信を失敗しないように考慮し、先に失敗したICタグ100への送信状況とは異なる状況で再度コマンドを送信することができるため、再び同様の原因によるエラーが発生することを確実に軽減することができる。
また、ICタグ100は、自発的にエラーフラグE1格納レジスタ145からエラーフラグE1を読み出し、リーダ・ライタ200に対して送信してもよい。但し、一般的にRFIDシステムは、複数のICタグを少なくとも1以上のリーダ・ライタとの間で同時に送受信を行うことが特徴である。そのため、RFIDシステムには、必ずアンチコリジョン(データ衝突防止機能)が考慮されているが、リーダ・ライタから送信されるコマンド対応してICタグからデータが送信される以外に、ICタグから自発的にデータが送信されてくるのは好ましいことではない。
そこで、例えば、前述したリーダ・ライタ200から送信されたライト命令に対する正常な書き込み処理を確認するためのリード命令を受信した場合であって、かつ、ライト命令受信の失敗によりエラーフラグE1が立っている場合には、ICタグ100は、リードデータを送信せず、自発的にエラーフラグE1を送信することにしてもよい。このようにすることにより、ICタグ100による自発的なデータの送信であっても、リーダ・ライタ200に対する命令コマンドに対するものであるため、ICタグ100とリーダ・ライタ200間で行う送受信の回数をむやみに増加させることはない。また、改めて、エラーフラグE1を読み出す命令をする必要がないことから、ICタグ100とリーダ・ライタ200間で行う送受信の回数を減らす効果もある。
また、コマンドの受信が終了すると、コマンド受信期間T1にて受信したコマンドを実行するコマンド実行モードに移行する。上述したように、コマンド受信期間T1にてフレームパルスFP信号が検出された場合、コマンドは無効にされている。したがって、コマンド実行モードに移行してコマンドが実行できるのは、コマンド受信期間T1において正常にコマンドが受信された場合となる。
コマンド実行モードに移行すると、コマンドの実行が終了するまでのコマンド実行期間T2においては、ICタグ100はDETECT信号D1としてフレームパルスFP信号のみを含む電波をリーダ・ライタ200から受け取りコマンドを実行する。クロック生成部142は、フレームパルスFP信号からコマンド実行に必要な各種のクロックを生成する。
ここで、本来ならばこのコマンド実行期間T2において、DATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4は生成され得ない信号であるが、例えば外乱の影響により上述の2ビット目及び又は3ビット目の信号が復調され、DATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4が検出部141にて生成され制御部143に入力される場合がある。制御部143がこれをコマンドと認識すると、コマンド実行を中断又は中止してコマンド受信モードに切り替わったり、コマンドを実行しつつコマンドを受信したり、新たに受け取ったコマンドを実行するなどの誤動作をする場合がある。これを防止するため、制御部143は、コマンド実行期間T2においてDATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4が検出された場合にはそれを無効にする。なお、その他、コマンドを無効にする方法としては、コマンド実行信号D9がハイレベルの間は、検出部141におけるDATA0検出信号D3及びDATA1検出信号D4をロウレベルに固定するようにしてもよい。
また、制御部143は、コマンド実行期間T2においてDATA0検出信号D3及びDATA1検出信号D4が入力された場合にこれを無効にすると共に、エラーフラグE2を生成し、エラーフラグE2格納レジスタ146するようにしてもよい。すなわち、コマンド実行モードにおいて本来リーダ・ライタ200が送信していないDATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4がICタグ100で検出された場合、リーダ・ライタ200とICタグ100との間の通信状態がよくないことを示す。したがって、リーダ・ライタ200が必要に応じて又はICタグ100が自動的にこのエラーフラグE2をリーダ・ライタ200に送信して受信状態の悪化を通知するようにしてもよい。
これにより、ICタグ100がコマンド実行期間において異常なデータが送られてきたことをリーダ・ライタ200に通知することができ、リーダ・ライタ200は、ICタグ100に再度同様のコマンドを発行したり、ICタグ100との間の電波状態がよくないことを示す通知音を鳴らしたり等の処理を行うことができる。
次に、ICタグ100とリーダ・ライタ200との間の送受信のやり取りの一例について説明しておく。図8は、ICタグ100の送受信動作を示すフローチャートであり、図9は、リーダ・ライタ200の送受信動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、ICタグ100は、リーダ・ライタ200から送信される搬送波とフレームパルスFP信号を含んだRF信号を受信し、電源電圧を生成すると共に、信号処理部140を構成する論理回路の初期化及びクロック信号の生成を行う(ステップSP1)。ICタグ100は、コマンドの受信・実行以外の期間であってフレームパルスのみの受信データを受信しているフレームパルス受信モードとなっている(図5のT0の期間に相当する)。
そして、一定期間経過後にリーダ・ライタ200から送信されるコマンドを受信すると(ステップSP2:YES)、ICタグ100はコマンド受信モードとなる。例えば、ライトコマンドを受信する場合は、ライト命令、書き込み先アドレス及びライトデータからなるコマンドを受信する。コマンド受信モードでは、受信したRF信号を復調した受信データに含まれるDATA0信号又はDATA1信号以外のデータ(本実施の形態においては、フレームパルスFP信号)を受信すると(ステップSP3:YES)、当該受信中のコマンドを無効にする。この際、エラーフラグE1を生成して制御部143内のエラーフラグE1格納レジスタ145に保持する(ステップSP4)。
そして、コマンド受信期間が終了するまでコマンドの受信を継続し、コマンド受信期間が終了する(ステップSP5:YES)と、受信したコマンドを実行するコマンド実行モードに移行する。なお、ステップSP4にてエラーフラグE1が生成されている場合はコマンドを実行しない。
例えば受信したコマンドがライトコマンドであれば、受け取ったデータをメモリ150の所定のアドレスに書き込む処理を実行する。このコマンド実行モードでは、リーダ・ライタ200からはフレームパルスのみを含むRF信号が送信される。したがって、コマンド実行期間内に受信したRF信号を復調した受信データに含まれるフレームパルスFP信号以外のデータ(本実施の形態においては、DATA0信号又はDATA1信号)を受信した場合(ステップSP6:YES)には、当該データは、異常なデータであるとしてこのデータを無効にする。この際、この異常なデータを破棄するのみでもよいが、エラーフラグE2を生成し、制御部143内のエラーフラグE2格納レジスタ146に保持するようにしてもよい(ステップSP7)。
そして、コマンド実行期間が終了するまでフレームパルスFP信号を受信し、DATA0信号又はDATA1信号のようなデータの受信を無効にし、コマンドを実行する。コマンド実行期間が終了した後、フレームパルス受信モード又はコマンド受信モードに移行する。データが受信された場合には、コマンド受信モードに移行して再びステップSP3からの処理を繰り返す。
また、リーダ・ライタ200がICタグ100への書き込みを行う場合には、図9に示すように、先ず、リーダ・ライタ200は、フレームパルスに基づいて搬送波を変調したRF信号を送信し(ステップSP11)、一定期間経過後にライト命令、書き込み先アドレス、及びライトデータからなるライトコマンドを発行し、ICタグ100に送信する(ステップSP12)。コマンドを送信した後、コマンドを実行させる一定期間の間はフレームパルスFP信号を送信する(ステップSP13)。本実施の形態においては、ライトコマンドが正常に実行されたか否かを確認するため、ライトコマンドの送信後に、リード命令、読み出し先アドレス(ライトコマンドの際に指定した書き込み先と同じアドレス)からなるリードコマンドを送信する(ステップSP14)。そして、コマンドを実行させる一定期間の間、フレームパルスFP信号を送信し(ステップSP15)、リードコマンドに従って送信されてくるデータの受信を待つ。読み出しデータを受信した場合(ステップSP16:YES)、ステップSP12において送信したライトコマンドのライトデータと、ICタグ100から読み出したリードデータとが一致するか否かを確認し(ステップSP17)、一致すれば処理を終了する。
一方、一致しない場合は、例えばステップS12に戻って再びライトコマンドを送信することができる。また、一致しない場合には、ICタグ100が、ステップSP4において受信したコマンドを無効にしたことを示すエラーフラグE1を生成している可能性がある。すなわち、ICタグ100は、当該ライトコマンドを正常に受信することができなかったため、ライトコマンドを実行できず、ステップSP17において、「NO」と判断した可能性がある。従って、リーダ・ライタ200は、エラーフラグE1読み出し命令を送信し、ICタグ100からエラーフラグE1を読み出すことによって、リーダ・ライタ200は、ICタグ100のエラーの原因を認識することができる。すなわち、当該ライトコマンドが正常に実行されなかった原因が、例えばリーダ・ライタ200からICタグ100へのデータ送信の際に問題があったのか、リーダ・ライタ200側の送信回路に問題があったのか、ICタグ100側のメモリへの書き込みの際に問題があったのかが不明確であるが、リーダ・ライタ200は、ステップSP4にて生成されたエラーフラグE1を受信することができれば、リーダ・ライタ200からICタグ100へのデータ送信の際に問題があったことを認識することができる。従って、当該データ送信問題の対策をしてライトコマンドを再送することができるため、再び同様の原因でライトコマンドの正常な実行が失敗することを大幅に軽減することができる。
また、エラーフラグE2読み出し命令を送信し、ICタグ100からエラーフラグE2を読み出すことができる。リーダ・ライタ200とICタグ100間の通信状態が悪い場合には、SP12又はSP14に対するコマンド実行期間中に、ICタグ100はエラーフラグE2を生成し、エラーフラグE2格納レジスタ146にエラーフラグE2を格納する。従って、リーダ・ライタ200は、エラーフラグE2の生成有無を知ることにより、ICタグ100との通信状態の程度を把握することができる。従って、エラーフラグE2が生成された場合、すなわちリーダ・ライタ200とICタグ100間の通信状態が悪い場合には、当該問題の対策をすることで、当該問題に起因して生じるデータの送受信に係るエラーを未然に防ぐことができる。
また、ICタグ100が、コマンド毎に識別可能なエラーフラグ(リードコマンド用エラーフラグE1、ライトコマンド用エラーフラグE1等)を生成している場合は、効率よくエラーフラグの有無を入手し、利用することができる。例えば、リーダ・ライタ200からICタグ100へリードコマンド、ライトコマンドを送信する場合には、リーダ・ライタ200は、エラーフラグE1読み出し命令を行えば、リードコマンド用エラーフラグE1及びライトコマンド用エラーフラグE1を1度に入手することができる。また、リードコマンド用エラーフラグE1のみ生成されていた場合には、リードコマンドのみ再実行すればよく、ライトコマンド用エラーフラグE1のみ生成されていた場合には、ライトコマンドのみ再実行すればよい。
リーダ・ライタ200は、エラーフラグE1やエラーフラグE2のようなエラー信号を受け取ることで、リーダ・ライタ200とICタグ100との間の無線状態の程度を認識し、必要に応じて警告通知音を発したりしてもよい。
本実施の形態においては、ICタグ100は、コマンドを受信するコマンド受信モードのときにDATA0検出信号D3及びDATA1検出信号D4以外の検出信号を受け取った場合は、受信中のコマンドが正確に受信できないものとの判断し、当該コマンドを無効とすることで、間違ったコマンドにデコードするなどして誤動作することがなく、またこの際エラーフラグE1を生成し、リーダ・ライタ200のリード命令にしたがって、又は自発的にリーダ・ライタ200にエラーフラグE1を送信することで、コマンドの受信に失敗したことをリーダ・ライタ200に通知することができる。
また、ICタグ100は、コマンド実行モードのときにフレームパルス検出信号D2以外の検出信号、例えばDATA0検出信号D3又はDATA1検出信号D4を受け取った場合は、これを異常データとして無効とすることで、有効なコマンドとして受信したコマンドに基づいたコマンド実行中の動作の停止又は中断や異常データをコマンドとして認識して誤動作することがない。
更に、ICタグ100は、コマンド実行モードにおいて異常データを検出した場合にもエラーフラグE2を生成し、リーダ・ライタ200のリード命令にしたがって、又は自発的にエラーフラグE2をリーダ・ライタ200に送信すれば、例えば受信状態の良否をリーダ・ライタ200に認識させ、ICタグによるコマンド受信エラーを未然に防止又は軽減することができる。
以上の構成により、本実施の形態におけるICタグは、パッシブ型で、かつ間違ったデータを受け取っても誤り訂正等をする処理能力を持たない極めて簡易な構造としても、コマンド受信モードとコマンド実行モードとを切り替え、各モードにおいて受け取るべきデータ以外のデータを受信した場合には、受信中のコマンドを無効にしたり、すでに受信したコマンドを無効にしたりする処理を実行することで、極めて簡単にICタグ100の誤動作を防止することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の実施の形態にかかるICタグとリーダ・ライタとからなるRFIDシステムを示す模式図である。 本発明の実施の形態にかかるICタグを示すブロック図である。 本発明の実施の形態にかかるICタグにて生成される信号を示すタイミングチャートである。 同じく、本発明の実施の形態にかかるICタグにて生成される信号を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態にかかるICタグにおけるコマンド受信期間及びコマンド実行期間を説明するための図である 正常な受信データを受信した場合及び誤った受信データを受信した場合を示す図である。 誤った受信データを受信した場合に制御部にて生成される信号を説明する図である。 本発明の実施の形態にかかるICタグの送受信動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態にかかるリーダ・ライタの送受信動作を示すフローチャートである。
符号の説明
131 受信部、132 電源電圧生成部、133 送信部、
140 信号処理部、141 検出部、
142 クロック生成部、143 制御部、
150 メモリ、200 リーダ・ライタ、300 RFIDシステム、
D1 DETECT信号、D2 フレームパルス検出信号、
D3 DATA0検出信号、D4 DATA1検出信号、
D5 コマンド受信信号、D6 受信開始・動作終了信号、
D8 コマンド受信終了信号、D9 コマンド実行信号、
E エラーフラグ、FP フレームパルス、
T0 フレームパルス受信期間、T1 コマンド受信期間、T2 コマンド実行期間

Claims (15)

  1. 受信したRF信号から受信データを復調する受信部と、
    前記受信部により復調された受信データからデータ信号よりなるコマンドを検出し、前記コマンドに基づいて処理を実行する信号処理部とを有し、
    前記信号処理部は、前記受信データから前記コマンドを検出するコマンド受付モードと、前記コマンドを実行するコマンド実行モードとを有し、前記コマンド実行モードにおいて、前記受信データから前記データ信号が検出された場合に当該データ信号を無効にすることを特徴とするICタグ用半導体装置。
  2. 前記受信したRF信号から電源電圧を生成する電源電圧発生部を有することを特徴とする請求項1に記載のICタグ用半導体装置。
  3. 前記信号処理部は前記受信データから前記データ信号を検出する検出部と、
    前記データ信号からなるコマンドに基づいて動作する制御部とを有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載のICタグ用半導体装置。
  4. ICタグ用半導体装置は前記コマンドを格納するレジスタを備え、
    前記コマンド実行モードから前記コマンド受付モードに移行する際に前記レジスタをリセットすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のICタグ用半導体装置。
  5. 前記受信データは複数のパルスより構成され、前記パルスの数に基づいて受信データの内容が判定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のICタグ用半導体装置。
  6. ICタグ用半導体装置は、クロック生成部を備え、
    前記クロック生成部は前記受信データの複数のパルスのうち、少なくともひとつに基づいて前記信号処理部に供給するクロック信号を生成していることを特徴とする請求項5に記載のICタグ用半導体装置。
  7. 前記制御部は前記クロック信号をカウントするカウンタ回路を備え、
    前記カウンタ回路のカウント値に基づいて前記コマンド受付モードおよびコマンド実行モードを切り替えることを特徴とする請求項6に記載のICタグ用半導体装置。
  8. 前記信号処理部は、前記コマンド実行モード中に検出した前記データ信号を無効にする場合にエラー信号を生成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載のICタグ用半導体装置。
  9. 前記信号処理部は前記コマンド受付モードにおいて、前記データ信号以外の受信データを検出した場合は当該受信データを無効とすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載のICタグ用半導体装置。
  10. リーダ・ライタと電波を送受信するアンテナと、
    前記アンテナに接続され、請求項1乃至9のいずれか1に記載のICタグ用半導体装置と、
    を備えるICタグ。
  11. リーダ・ライタから送信されるRF信号を受信して、該RF信号を復調した受信データに基づいて処理を実行するICタグの制御方法であって、前記ICタグは、
    コマンド受付モードで前記受信データに含まれるデータ信号からなるコマンドを検出し、
    コマンド実行モードでは、前記検出したコマンドを実行し、
    前記コマンド実行モードにおいて、前記受信データからデータ信号が検出された場合は、当該データ信号を無効とすること特徴とするICタグの制御方法。
  12. 前記受信したRF信号から電源電圧を生成することを特徴とする請求項11に記載のICタグの制御方法。
  13. 前記受信データは複数のパルスより構成され、前記パルスの数に基づいて受信データの内容が判定されることを特徴とする請求項11あるいは12に記載のICタグの制御方法。
  14. 前記受信データの複数のパルスのうち、少なくともひとつに基づいてクロック信号を生成することを特徴とする請求項13に記載のICタグの制御方法。
  15. 前記クロック信号をカウントした値に基づいて前記コマンド受付モードおよびコマンド実行モードを切り替えることを特徴とする請求項14に記載のICタグの制御方法。
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