JP2006039923A - 弾性体の変形計算方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 計算対象となる弾性体の形状の複雑さに係らず、境界条件がより汎用的に適応できる方法、かつリメッシュの際の計算負荷の少ない弾性体の変形計算方法を提供することである。
【解決手段】 弾性体の形状を形状特性関数を用いて表現し、メッシュ変形後の物理量を、微係数を用いる補間によって元のメッシュにリメッシュする方法により、弾性体の変形を計算する。
【選択図】 図2
【解決手段】 弾性体の形状を形状特性関数を用いて表現し、メッシュ変形後の物理量を、微係数を用いる補間によって元のメッシュにリメッシュする方法により、弾性体の変形を計算する。
【選択図】 図2
Description
本発明は弾性体の変形を数値的に計算する方法に関するものである。
従来、弾性体の変形を計算する場合、計算対象の弾性体の形状に適合するようにメッシュを生成し、このメッシュを物体と共に変形移動させて、有限要素法により変形計算を行うことが通例であった。しかし、計算対象の形状が複雑になると、有限要素法のためのメッシュの生成が非常に困難になり、多くの時間とコストがこのメッシュ生成に必要となる。近年の計算機の普及に伴い、設計にCADが多く用いられるようになってきており、開発コスト削減のためにCADの形状データをそのまま数値計算のための形状情報として使用できないかというニーズや、有限要素法メッシュの作成を自動化してメッシュ生成の負荷を減らそうというニーズが高まっている。そこで、CADの形状データから数値計算のためのメッシュを生成して、弾性体変形計算を行う方法が研究されており、鈴木、寺田、大坪、米里 「ボクセル情報を用いたソリッド構造の解析法」日本造船学会論文集第182号 pp.595−600(1997年)に記載されているように、空間を格子状の直方体に分割したボクセルを有限要素メッシュとして用い、計算対象である弾性体の内部にボクセルがある場合と外部にある場合の2値の情報をボクセルに与えることにより弾性体の形状を表現し、有限要素法を用いて変形の計算を行い、ある程度変形が進んだ段階で再び直方体のボクセルにより構成されるメッシュを新しいメッシュとして生成し直すリメッシュを行い変形計算を続行し、また、ある程度の変形計算を行った後、リメッシュを行うというように、これを繰り返すことにより弾性体の変形計算を行うというように構成されている。
特開平03−144304号公報
しかしながら、上記従来の技術例では、計算対象の物体の形状をボクセルの2値により表現、すなわち直方体の集合として表現していることにより、ボクセルで表された物体モデルの境界が階段状の形状となり、実際の物体の境界と一致しないため、変形を計算するために必要な境界条件の与え方が複雑になってしまう課題があった。また、弾性変形計算の初期化の際や、ボクセルにより構成されるメッシュでリメッシュを行う際に、物体の2値による形状情報をボクセルに与える方法は幾何学的な内外判定のアルゴリズムによるため、リメッシュの際の計算負荷が大きいという課題もあった。
本出願に係る発明の目的は、計算対象となる弾性体の形状の複雑さに係らず、境界条件がより汎用的に適応できる方法、かつリメッシュの際の計算負荷の少ない弾性体の変形計算方法を提供することである。
前述の課題を解決するため、本発明の弾性体の変形計算方法は弾性体の形状を形状特性関数を用いて表現し、メッシュ変形後の物理量を、微係数を用いる補間によって元のメッシュにリメッシュすることを特徴とする。上記構成において、形状特性関数とは、空間に固定された一定体積(以降、検査体積と呼ぶ)中の物体の存在体積比率のことである。形状特性関数は計算領域全体に存在する全ての物質について定義され0〜1の値を取り、1つの検査体積において、形状特性関数の和は1である。本発明ではこの形状特性関数により物体の形状を表現することを特徴とするが、物体の界面を仮想的にある有限の幅を持ったものと考え、その有限な幅の領域で形状特性関数が連続的になめらかに遷移するモデルにより界面を表現する。弾性変形計算は従来の技術として記載した空間を直交格子状に切ったボクセルメッシュを用いるが、本発明では物質の有無の2値情報ではなく、各物質ごとの形状特性関数をボクセルを構成する格子点を中心とした検査体積の代表点として格子点に持たせる。また、変形計算の結果得られる変位量も格子点上の値として定義する。また、物体の物理的特性を表す弾性率などの物性値は各検査体積において、(1)式のように各物性値を形状特性関数で重み付けした値として定義する。
本発明は、メッシュの移動状況を追跡する必要がなく、形状特性関数により弾性体の形状表現をして、常に直交格子上で弾性体のつりあいの方程式を解くので、変形計算の際の境界条件の設定や、リメッシュが簡明なものとなり、リメッシュの負荷が低減でき、計算時間などのコストが低減できる利点がある。
<実施形態1>
図1はx軸方向100[cm]、y軸方向30[cm]の2次元の片持ち梁があり、その形状をもとにメッシュの格子点で定義される片持ち梁の形状特性関数を構築し、その等高線を表したものである。図1に示す片持ち梁の物性値はヤング率が300000[N/cm2]、ポアソン比が0.2、片持ち梁の周りには空気が存在していて、空気は仮想的にヤング率、ポアソン比、共に片持ち梁の1/1000の物性値をもつ弾性体であると仮想的に扱っている。このように空気を仮想的に弾性体であると考えて計算を行ったときの片持ち梁の変形への影響は無視できるほど小さいものである。メッシュの分割数はx軸方向に24分割、y軸方向に16分割である。
図1はx軸方向100[cm]、y軸方向30[cm]の2次元の片持ち梁があり、その形状をもとにメッシュの格子点で定義される片持ち梁の形状特性関数を構築し、その等高線を表したものである。図1に示す片持ち梁の物性値はヤング率が300000[N/cm2]、ポアソン比が0.2、片持ち梁の周りには空気が存在していて、空気は仮想的にヤング率、ポアソン比、共に片持ち梁の1/1000の物性値をもつ弾性体であると仮想的に扱っている。このように空気を仮想的に弾性体であると考えて計算を行ったときの片持ち梁の変形への影響は無視できるほど小さいものである。メッシュの分割数はx軸方向に24分割、y軸方向に16分割である。
図2は、図1の片持ち梁の左端(x=0)が固定されていて、片持ち梁の形状特性関数の値が0.5となる片持ち梁の右上の角に相当する格子点にy軸の負の方向に各計算ステップ1[cm]の変位指定を与え、40ステップ計算後の片持ち梁の変形の様子を示した図である。本実施例においては、形状特性関数を微係数を用いて補間する方法として、特開平2−210577号「物理量を数値解析する方法」に記載されている方法を用いている。この補間方法は、補間される点に空間的に近い物理量が定義された2点のその物理量の値とそこでの物理量の空間微分を補間の際に必要となる変数として用い、3次関数により補間を行う方法である。この補間方法の特徴として物理量の空間分布の変化量の情報を用いるので、図2にも表れているように、ある程度の数値拡散は見られるが物理量の分布形状が大きく拡散して広がることは防ぐことができる。
<実施形態2>
本発明の流体と弾性体の連成計算方法を用いた流体と弾性体の連成計算プログラムを図4に示すようにフロッピー(登録商標)ディスクやCD-Rなどの情報記録媒体に記録した。
本発明の流体と弾性体の連成計算方法を用いた流体と弾性体の連成計算プログラムを図4に示すようにフロッピー(登録商標)ディスクやCD-Rなどの情報記録媒体に記録した。
<実施形態3>
図3に本発明の弾性体変形計算の処理装置の一例を示す。装置は、計算条件等を入力する入力部31、計算を行う計算部32、計算結果を出力する出力部33で概略構成される。入力部31はキーボード、マウス等で構成される。計算部32はCPU34及びメモリ(主記憶)35で構成され、記録媒体39に記録された記録内容を読み込むことができる。出力部33は計算結果を表示するCRT36及び、印刷による出力が可能なプリンタ37で構成されている。また、計算結果保存部38に計算結果を保存しておくことも可能である。記録媒体39には上述した計算を実行する計算プログラムが記録されており、計算部32には読み込んだプログラムに従って計算を実行する。なお、入力部31と、計算部32と、出力部33とはワークステーションあるいはパーソナルコンピュータの形態であってもよい。
図3に本発明の弾性体変形計算の処理装置の一例を示す。装置は、計算条件等を入力する入力部31、計算を行う計算部32、計算結果を出力する出力部33で概略構成される。入力部31はキーボード、マウス等で構成される。計算部32はCPU34及びメモリ(主記憶)35で構成され、記録媒体39に記録された記録内容を読み込むことができる。出力部33は計算結果を表示するCRT36及び、印刷による出力が可能なプリンタ37で構成されている。また、計算結果保存部38に計算結果を保存しておくことも可能である。記録媒体39には上述した計算を実行する計算プログラムが記録されており、計算部32には読み込んだプログラムに従って計算を実行する。なお、入力部31と、計算部32と、出力部33とはワークステーションあるいはパーソナルコンピュータの形態であってもよい。
次に図3の計算部32で実行する記録媒体39に記録された弾性体変形計算プログラムのフローチャートを図4に示す。プログラムが開始されると(ステップ101)、まず、計算に必要な計算領域、物性値、境界条件などのデータを入力し、メモリあるいはディスク上に保存する。(ステップ102)次に計算に必要な変数を格納するための領域をメモリあるいはディスク上に確保し、入力されたデータからそれらの変数を初期化する。ここで、空間固定メッシュのEulerメッシュを直交均一格子となるように生成する。(ステップ103)
続いて、メモリ上あるいはディスク上の変数に保持されている物理量を計算結果として出力部、ディスクに出力する。(ステップ104)次に、直交均一格子を生成する。(ステップ106)次に、弾性体の変形計算をするための変位、外力の境界条件をステップ105で生成したメッシュ上の格子点上に設定する。(ステップ107)次に、ステップ105で生成したメッシュ上で、ステップ106で設定した境界条件のもと、有限要素法を用いて、弾性体の変位量を計算する。(ステップ107)次に、メッシュをステップ107で求めた変位に従って移動させる。(ステップ108)次に、移動後のメッシュ上の物理量を元のメッシュ上の物理量へと補間を用いて変換する。(ステップ109)次に、各検査体積での形状特性関数の合計が1になるように数値的な誤差を含んだ形状特性関数を補正する。(ステップ110)最後に計算終了条件(計算時間、ステップ数)を満たしているかをチェックする。(ステップ111)もし条件を満たしているならば計算を終了する。(ステップ112)条件を満たしていなければ計算を続行するため、ステップ104へ戻る。
続いて、メモリ上あるいはディスク上の変数に保持されている物理量を計算結果として出力部、ディスクに出力する。(ステップ104)次に、直交均一格子を生成する。(ステップ106)次に、弾性体の変形計算をするための変位、外力の境界条件をステップ105で生成したメッシュ上の格子点上に設定する。(ステップ107)次に、ステップ105で生成したメッシュ上で、ステップ106で設定した境界条件のもと、有限要素法を用いて、弾性体の変位量を計算する。(ステップ107)次に、メッシュをステップ107で求めた変位に従って移動させる。(ステップ108)次に、移動後のメッシュ上の物理量を元のメッシュ上の物理量へと補間を用いて変換する。(ステップ109)次に、各検査体積での形状特性関数の合計が1になるように数値的な誤差を含んだ形状特性関数を補正する。(ステップ110)最後に計算終了条件(計算時間、ステップ数)を満たしているかをチェックする。(ステップ111)もし条件を満たしているならば計算を終了する。(ステップ112)条件を満たしていなければ計算を続行するため、ステップ104へ戻る。
FD フロッピー(登録商標)ディスク
CDR CD−R
CDR CD−R
Claims (1)
- 弾性体の形状を形状特性関数を用いて表現し、メッシュ変形後の物理量を、微係数を用いる補間によって元のメッシュにリメッシュすることを特徴とする弾性体の変形計算方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004218675A JP2006039923A (ja) | 2004-07-27 | 2004-07-27 | 弾性体の変形計算方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004218675A JP2006039923A (ja) | 2004-07-27 | 2004-07-27 | 弾性体の変形計算方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006039923A true JP2006039923A (ja) | 2006-02-09 |
Family
ID=35904860
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004218675A Withdrawn JP2006039923A (ja) | 2004-07-27 | 2004-07-27 | 弾性体の変形計算方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006039923A (ja) |
-
2004
- 2004-07-27 JP JP2004218675A patent/JP2006039923A/ja not_active Withdrawn
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