JP2006039425A - 光スイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】入力側マイクロ可動ミラーアレイの回転動作範囲に対する要求条件を軽減し、制御情報テーブルのエントリ数の増加を抑える。
【解決手段】光スイッチは、入力光ファイバアレイ3−1と、出力光ファイバアレイ3−8と、入力光ファイバアレイ3−1から出射した複数の光信号をそれぞれ独立に任意の方向に偏向させる入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4と、複数の光信号をそれぞれ独立に任意の方向に偏向させて出力光ファイバに導く出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6と、入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4により偏向させた光信号の出射角度と到達位置とを1対1に対応させて、この光信号を出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6上の特定の位置に到達させる凹面ミラー3−5とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】光スイッチは、入力光ファイバアレイ3−1と、出力光ファイバアレイ3−8と、入力光ファイバアレイ3−1から出射した複数の光信号をそれぞれ独立に任意の方向に偏向させる入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4と、複数の光信号をそれぞれ独立に任意の方向に偏向させて出力光ファイバに導く出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6と、入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4により偏向させた光信号の出射角度と到達位置とを1対1に対応させて、この光信号を出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6上の特定の位置に到達させる凹面ミラー3−5とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光通信で用いられる光スイッチに関するものである。
WWW(World Wide Web)やビデオ等ストリームデータに代表されるデータトラヒックの急激な増大により、インターネットを構成する基幹ネットワークの大容量化が求められている。ネットワークの伝送路部分には10Gbit/sを越える高速大容量光通信装置や、同一光ファイバ上に波長の異なる光信号を多重化することでさらなる大容量化を実現したWDM(Wavelength Division Multiplexing)光通信装置が導入されている。
一方、ネットワークのノード部分においては一旦光信号を電気信号に変換し、従来の電気回路を用いたスイッチで方路の切り替えを行った後、再び光信号に変換してネットワークに戻す方法を採ることが一般的である。ここに示した電気信号から光信号に変換する装置、あるいは光信号から電気信号に変換する装置のコストや消費電力は信号帯域の向上に伴って大幅に上昇することが指摘されており、特に信号速度が40Gbit/sに到達する場合には光信号を光のままスイッチングする光スイッチを用いることが有効であるとされている。中でも、光ビームを用いた高密度立体配線を用いるフリースペース型光スイッチは、1000端子を越える大規模光スイッチをコンパクトに構成することができるため、光クロスコネクト装置やルータを構成するスイッチ部への導入が見込まれる。
図4は、フリースペース型光スイッチの従来例を示す斜視図である(例えば、非特許文献1参照)。図4において、1−1は入力光ファイバアレイ、1−2はコリメート用マイクロレンズアレイ、1−3は光ビーム、1−4は入力側マイクロ可動ミラーアレイ、1−5は出力側マイクロ可動ミラーアレイ、1−6は集光用マイクロレンズアレイ、1−7は出力光ファイバアレイである。光ファイバアレイ1−1,1−7は、それぞれ二次元的に配列された複数の光ファイバからなり、マイクロレンズアレイ1−2,1−6は、それぞれ二次元的に配列された複数のマイクロレンズからなり、マイクロ可動ミラーアレイ1−4,1−5は、それぞれ二次元的に配列された複数のマイクロ可動ミラーからなる。図4における矢印は光ビームの進行方向を示している。マイクロ可動ミラーは、マイクロマシン技術を用いて半導体基板上に形成された能動素子であり、X軸およびY軸を中心としてミラー面の回転角度を調整することができる。
図5は、図4のフリースペース型光スイッチの側面図であり、入力光ファイバアレイ1−1の上端に位置する入力ポートから光ビームが出射した場合の光スイッチの動作を示している。入力光ファイバアレイ1−1から出射した光信号は、コリメート用マイクロレンズアレイ1−2の上端に位置するマイクロレンズにより光ビーム1−3に変換され、入力側マイクロ可動ミラーアレイ1−4に到達する。入力側マイクロ可動ミラーアレイ1−4に到達した光ビームは、マイクロ可動ミラーのミラー面が半導体基板に対して平行な場合、すなわちミラー面のY軸を中心とする回転角度θ1 が0[rad]の場合には図5中の破線2−5に示す方向に進行し、ミラー面の回転角度θ1 が+δ[rad]の場合には実線2−6に示す方向に進行する。
破線2−5の方向に進行した光ビームは、出力側マイクロ可動ミラーアレイ1−5に到達し、ミラー面のY軸を中心とする回転角度θ2 が0[rad]のマイクロ可動ミラーにより反射された後、集光用マイクロレンズアレイ1−6の上端のマイクロレンズにより集光され、出力光ファイバアレイ1−7の上端の出力光ファイバに導かれる。一方、実線2−6の方向に進行した光ビームは、回転角度θ2 が+δ[rad]のマイクロ可動ミラーにより反射された後、集光用マイクロレンズアレイ1−6の下端のマイクロレンズにより集光され、出力光ファイバアレイ1−7の下端の出力光ファイバに導かれる。
この様に、マイクロ可動ミラーアレイ1−4,1−5のY軸を中心とするミラー面の回転角度θ1,θ2を調整することにより、X軸上に配列された任意の入力光ファイバと出力光ファイバ間を接続することができる。同様に、マイクロ可動ミラーアレイ1−4,1−5のX軸を中心とするミラー面の回転角度を調整することにより、Y軸上に配列された任意の入力光ファイバと出力光ファイバ間を接続することができる。したがって、X軸およびY軸を中心としてミラー面の回転角度を変化させることにより、二次元的に配列された任意の入力光ファイバと出力光ファイバ間を接続することができる。
図5は、入力光ファイバアレイ1−1の上端に位置する入力ポートから出射した光ビームを、出力光ファイバアレイ1−7の上端又は下端の光ファイバに導くためには、マイクロ可動ミラーアレイ1−4,1−5のマイクロ可動ミラーに要求される回転角度θ1,θ2が最大で+δになることを示している。
一方、図6は、入力光ファイバアレイ1−1の中央部に位置する入力ポートから光ビームが出射した場合の光スイッチの動作を示している。入力光ファイバアレイ1−1から出射した光信号は、コリメート用マイクロレンズアレイ1−2の中央部のマイクロレンズにより光ビーム2−14に変換され、入力側マイクロ可動ミラーアレイ1−4に到達する。入力側マイクロ可動ミラーアレイ1−4に到達した光ビームは、ミラー面のY軸を中心とする回転角度θ1 が−Δ/2[rad]の場合には図6中の破線2−16に示す方向に進行し、ミラー面の回転角度θ1 が0[rad]の場合には破線2−17に示す方向に進行し、ミラー面の回転角度θ1 が+Δ/2[rad]の場合には実線2−18に示す方向に進行する。
破線2−16の方向に進行した光ビームは、出力側マイクロ可動ミラーアレイ1−5に到達し、ミラー面のY軸を中心とする回転角度θ2 が−Δ/2[rad]のマイクロ可動ミラーにより反射された後、集光用マイクロレンズアレイ1−6の上端のマイクロレンズにより集光され、出力光ファイバアレイ1−7の上端の出力光ファイバに導かれる。破線2−17の方向に進行した光ビームは、回転角度θ2 が0[rad]のマイクロ可動ミラーにより反射された後、集光用マイクロレンズアレイ1−6の中央部のマイクロレンズにより集光され、出力光ファイバアレイ1−7の中央部の出力光ファイバに導かれる。実線2−18の方向に進行した光ビームは、回転角度θ2 が+Δ/2[rad]のマイクロ可動ミラーにより反射された後、集光用マイクロレンズアレイ1−6の下端のマイクロレンズにより集光され、出力光ファイバアレイ1−7の下端の出力光ファイバに導かれる。
図6は、入力光ファイバアレイ1−1の中央部に位置する入力ポートから出射した光ビームを、出力光ファイバアレイ1−7の上端又は下端の光ファイバに導くためには、マイクロ可動ミラーアレイ1−4,1−5のマイクロ可動ミラーに要求される回転角度θ1,θ2が最大で±Δ/2になることを示している。マイクロ可動ミラーの傾き量が比較的小さい場合、前記のδとΔはほぼ等しい関係にある。多くのマイクロ可動ミラーアレイにおいては、アレイを構成する各ミラーの回転動作範囲は等しいこと、またXY両軸を中心とする各回転方向の動作範囲は等しいことから、図5、図6に示す光スイッチ構成においてはマイクロ可動ミラーに要求される回転角度の動作範囲は入出力光ファイバ位置に対応して2倍程度まで変化する。つまり、入力光ファイバアレイ1−1の上端又は下端に位置する入力ポートから出射した光ビームの方路制御に必要なミラーの回転角度は最大でδとなるのに対し、入力光ファイバアレイ1−1の中央部に位置する入力ポートから出射した光ビームの方路制御に必要なミラーの回転角度は最大でΔ/2(δ≒Δ)となるからである。
本構成においては、各入出力光ファイバ間を接続するために必要な各マイクロ可動ミラーの回転角度に関する情報が格納された制御情報テーブルが用意されており、入力光ファイバと出力光ファイバとの接続毎に同制御情報テーブルを参照してマイクロ可動ミラーを動作させ、所望の入出力光ファイバ間の接続を行う。本構成においてN入力N出力の規模を持つ光スイッチを構成する場合、入力側マイクロ可動ミラーアレイ1−4および出力側マイクロ可動ミラーアレイ1−5の制御に要求される制御情報テーブルのエントリ数はそれぞれN2 に到達する。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
山本他,「3−D MEMS大規模光スイッチ」,信学技報,PS2002,2002年
山本他,「3−D MEMS大規模光スイッチ」,信学技報,PS2002,2002年
以上のように、従来の光スイッチにおいては、入力側マイクロ可動ミラーアレイに要求される回転角度が対応する入力光ファイバにより変化し、特に入出力光ファイバアレイのコーナー部に位置する入出力光ファイバに対応する入力側マイクロ可動ミラーアレイの回転動作範囲に対する要求条件が高くなるという問題点があった。また、入出力光ファイバ数の増加に伴い、入力側マイクロ可動ミラーアレイの回転角度制御に必要な制御情報テーブルのエントリ数が著しく増加するという問題点があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は入力側マイクロ可動ミラーアレイの回転動作範囲に対する要求条件を軽減し、かつ入力側マイクロ可動ミラーアレイの制御に必要な制御情報テーブルのエントリ数の増加を抑えることにある。
本発明は、複数の光信号の空間的配列を入れ替えて出力する光スイッチにおいて、前記複数の光信号を入力する入力光ファイバアレイと、前記複数の光信号を出力する出力光ファイバアレイと、前記入力光ファイバアレイから出射した複数の光信号をそれぞれ独立に任意の方向に偏向させる入力側マイクロ可動ミラーアレイと、入射した複数の光信号をそれぞれ独立に任意の方向に偏向させて前記出力光ファイバに導く出力側マイクロ可動ミラーアレイと、前記入力側マイクロ可動ミラーアレイにより偏向させた光信号の出射角度と到達位置とを1対1に対応させて、この光信号を前記出力側マイクロ可動ミラーアレイ上の特定の位置に到達させる変換手段とを備えるものである。
また、本発明の光スイッチの1構成例において、前記変換手段は、光学的フーリエ変換光学系である。
また、本発明の光スイッチの1構成例は、前記入力側マイクロ可動ミラーアレイと前記出力側マイクロ可動ミラーアレイとを前記光学的フーリエ変換光学系の焦点位置に配置するものである。
また、本発明の光スイッチの1構成例は、前記変換手段が形成する位相共役面に、前記入力光ファイバアレイから出射した光信号が形成する入力側ビームウエストおよび前記出力光ファイバアレイに向かう光信号が形成する出力側ビームウエストを配置するものである。
また、本発明の光スイッチの1構成例において、前記変換手段は、光学的フーリエ変換光学系である。
また、本発明の光スイッチの1構成例は、前記入力側マイクロ可動ミラーアレイと前記出力側マイクロ可動ミラーアレイとを前記光学的フーリエ変換光学系の焦点位置に配置するものである。
また、本発明の光スイッチの1構成例は、前記変換手段が形成する位相共役面に、前記入力光ファイバアレイから出射した光信号が形成する入力側ビームウエストおよび前記出力光ファイバアレイに向かう光信号が形成する出力側ビームウエストを配置するものである。
本発明によれば、入力側マイクロ可動ミラーアレイにより偏向させた光信号の出射角度と到達位置とを1対1に対応させて、この光信号を出力側マイクロ可動ミラーアレイ上の特定の位置に到達させる変換手段を光路内に挿入することにより、入力側マイクロ可動ミラーアレイの各ミラーの回転動作範囲が入出力光ファイバの位置に依存することなく等しくなる。その結果、入力側マイクロ可動ミラーアレイの回転動作範囲に対する要求条件を軽減することができる。また、入力側マイクロ可動ミラーアレイの制御に必要な制御情報テーブルのエントリ数の増加を抑えることができる。
また、変換手段が形成する位相共役面に、入力光ファイバアレイから出射した光信号が形成する入力側ビームウエストおよび出力光ファイバアレイに向かう光信号が形成する出力側ビームウエストを配置することにより、低損失な光接続を実現することができる。
[第1の実施の形態]
以下、図面を用いて本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光スイッチの側面図であり、図中の矢印は光ビームの進行方向を示している。図1において、3−1は入力光ファイバアレイ、3−2はコリメート用マイクロレンズアレイ、3−3は光ビーム群、3−4は入力側マイクロ可動ミラーアレイ、3−5は凹面ミラー、3−6は出力側マイクロ可動ミラーアレイ、3−7は集光用マイクロレンズアレイ、3−8は出力光ファイバアレイをそれぞれ示している。
以下、図面を用いて本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光スイッチの側面図であり、図中の矢印は光ビームの進行方向を示している。図1において、3−1は入力光ファイバアレイ、3−2はコリメート用マイクロレンズアレイ、3−3は光ビーム群、3−4は入力側マイクロ可動ミラーアレイ、3−5は凹面ミラー、3−6は出力側マイクロ可動ミラーアレイ、3−7は集光用マイクロレンズアレイ、3−8は出力光ファイバアレイをそれぞれ示している。
光ファイバアレイ3−1,3−8は、それぞれ二次元的に配列された複数の光ファイバからなり、マイクロレンズアレイ3−2,3−7は、それぞれ二次元的に配列された複数のマイクロレンズからなり、マイクロ可動ミラーアレイ3−4,3−6は、それぞれ二次元的に配列された複数のマイクロ可動ミラーからなる。入力光ファイバアレイ3−1を構成する個々の入力光ファイバとコリメート用マイクロレンズアレイ3−2を構成する個々のコリメート用マイクロレンズとは1対1で対応し、出力光ファイバアレイ3−8を構成する個々の出力光ファイバと集光用マイクロレンズアレイ3−7を構成する個々の集光用マイクロレンズとは1対1で対応している。また、入力光ファイバアレイ3−1を構成する個々の入力光ファイバと入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4を構成する個々のマイクロ可動ミラーとは1対1で対応し、出力光ファイバアレイ3−8を構成する個々の出力光ファイバと出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6を構成する個々のマイクロ可動ミラーとは1対1で対応している。マイクロ可動ミラーは、マイクロマシン技術を用いて半導体基板上に形成された能動素子であり、X軸およびY軸を中心としてミラー面の回転角度を調整することができる。
入力光ファイバアレイ3−1から出射した光信号は、コリメート用マイクロレンズアレイ3−2により光ビーム群3−3に変換され、入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4に到達する。ここで、マイクロ可動ミラーアレイ3−4を構成する各ミラーのY軸を中心とする回転角度θ1 を0[rad]とする場合、光ビーム群はすべて一定の出射角度α1 [rad]の方向に進行する。その後、凹面ミラー3−5で反射された光ビーム群は、凹面ミラー3−5の焦点位置に集中する。
ここで、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6の中央部のマイクロ可動ミラーを凹面ミラー3−5の焦点位置に配置すると、凹面ミラー3−5で反射されたすべての光ビームは中央部のマイクロ可動ミラーに到達する。図1中の実線3−9は、入力光ファイバアレイ3−1の中央部に位置する入力光ファイバから出射した光ビームを示している。この光ビームは、入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4で反射された後、凹面ミラー3−5の光軸中心において反射されて進行方向を変え、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6で再び反射された後、集光用マイクロレンズアレイ3−7の中央部のマイクロレンズにより集光され、出力光ファイバアレイ3−8の中央部の出力光ファイバに導かれる。
次に、図2を用いて入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4を構成する各ミラーの回転角度を変化させた場合の動作について説明する。図2において、3−11は光ビーム群を示している。入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4を構成する各ミラーのY軸を中心とする回転角度θ1 を+σ1 [rad]とする場合、光ビーム群はすべて一定の出射角度α2 [rad]の方向に進行する。
その後、凹面ミラー3−5で反射された光ビーム群は、図1の場合と同様に凹面ミラー3−5の焦点位置に集中するが、このときの焦点位置は図1の場合と異なり、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6の中央部よりXshift だけシフトしている。シフト量Xshift は、凹面ミラー3−5の焦点距離fと凹面ミラー3−5に入射する光ビームの入射角度によって一意に定まり、凹面ミラー3−5における各収差の影響が無視できる場合には、以下の関係が成り立つ。
Xshift =f・(α2−α1) ・・・(1)
σ1 =(α2−α1)/2 ・・・(2)
Xshift =f・(α2−α1) ・・・(1)
σ1 =(α2−α1)/2 ・・・(2)
式(1)および式(2)より、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6に到達する光ビームの位置は、入力光ファイバの位置に依存することなく、凹面ミラー3−5の焦点距離fと入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4を構成するミラーの回転角度θ1 によって決定される。一般に、式(1)に示した光ビームの入射角度と光ビームの到達位置との変換作用は「光学的フーリエ変換」と呼ばれ、同様の作用は凸レンズや組み合わせレンズ等を用いても提供可能である(例えば、文献「富田康生著,“光波エレクトロニクス”,培風館,1997年」参照)。
また、光学的フーリエ変換は、図2中のX軸方向のみではなく、Y軸方向にも適用可能である。この場合には、入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4を構成する各ミラーをX軸を中心とする回転方向に動作させることにより、同様に光ビーム入射角度と光ビーム到達位置との変換作用が実現可能である。
以上説明したとおり、本実施の形態によれば、凹面ミラーに代表される光学的フーリエ変換光学系の焦点位置に入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4および出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6を配置することにより、入力光ファイバの位置とは無関係に、入力側マイクロ可動ミラーの回転角度に応じて一意に出力光ファイバに対応する出力側マイクロ可動ミラーが決定されるため、入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4の各ミラーの回転動作範囲が入出力光ファイバの位置に依存することなく等しくなる。
また、本実施の形態において、N入力N出力の光スイッチを構成する場合、入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4の制御に必要な制御情報テーブルのエントリ数は、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6のミラーの数と同じNであり、従来の光スイッチに比べると1/2乗に減じられる。
なお、図1、図2の例では、入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4を構成する個々のマイクロ可動ミラーの回転角度を同一にしているが、図1、図2は動作説明のための図であり、実際には、個々のマイクロ可動ミラーの回転角度は対応する出力光ファイバの位置に応じて変わることは言うまでもない。
また、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6の各ミラーへのビーム入射角は、光ビームを放射した入力光ファイバの位置に応じて変わるので、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6のY軸を中心とするミラー面の角度θ2 は、入力光ファイバの位置に応じて変わり、同様にX軸を中心とするミラー面の角度も入力光ファイバの位置に応じて変わる。
また、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6の各ミラーへのビーム入射角は、光ビームを放射した入力光ファイバの位置に応じて変わるので、出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6のY軸を中心とするミラー面の角度θ2 は、入力光ファイバの位置に応じて変わり、同様にX軸を中心とするミラー面の角度も入力光ファイバの位置に応じて変わる。
[第2の実施の形態]
次に、図3を用いて本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本実施の形態の光スイッチ内部を伝搬する光ビームの様子を表現するために、図1に示した光スイッチにおいて1組の入出力光ファイバに着目した光学系のモデルを示している。
次に、図3を用いて本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本実施の形態の光スイッチ内部を伝搬する光ビームの様子を表現するために、図1に示した光スイッチにおいて1組の入出力光ファイバに着目した光学系のモデルを示している。
一般に、自由空間を伝搬する光ビームを内部のインタコネクションに用いるタイプの光スイッチでは、光通話路部で生じる損失は光ビームと出力光ファイバのコア部との結合部分におけるスポットサイズ不整合と位置ずれ、および角度ずれに起因する損失が支配的である。他の損失要因としては各屈折率境界面におけるフレネル反射損失や散乱が考えられるが、無反射コートが施された光学部品の表面反射率は0.5%以下であり、ほぼ無視できる。また、各光学部品開口によって生じるケラレ損失の影響は各構成部品に十分な開口を持たせることで回避できる。
図3において、4−1は図1の入力光ファイバアレイ3−1を構成する1本の入力光ファイバ、4−2はコリメート用マイクロレンズアレイ3−2を構成する1つのコリメート用マイクロレンズ、4−4は入力側マイクロ可動ミラーアレイ3−4を構成する1つの入力側マイクロ可動ミラー、4−6は出力側マイクロ可動ミラーアレイ3−6を構成する1つの出力側マイクロ可動ミラー、4−7は集光用マイクロレンズアレイ3−7を構成する1つの集光用マイクロレンズ、4−8は出力光ファイバアレイ3−8を構成する1つの出力光ファイバである。
また、ωbeam-1は入力側に形成される光ビームのビームウエスト径、ωbeam-2は出力側に形成される光ビームのビームウエスト径、fは凹面ミラー3−5の焦点距離、d01は入力光ファイバ4−1の端面とコリメート用マイクロレンズ4−2との距離、d02は出力光ファイバ4−8の端面と集光用マイクロレンズ4−7との距離、dwaist-1 はコリメート用マイクロレンズ4−2から入力側のビームウエストまでの距離、dwaist-2 は集光用マイクロレンズ4−7から出力側のビームウエストまでの距離を示す。
ここで、入力光ファイバ4−1と出力光ファイバ4−8との間の光接続損失が最小となるためには、以下の3条件を同時に満たす必要がある。
(a)マイクロレンズ4−2,4−7に同じ焦点距離を有するレンズを用い、d01=d02とする。
(b)出力光ファイバに到達した光ビームの光軸ずれ、および入射角度が零である。
(c)入力側および出力側のビームウエストをそれぞれ凹面ミラー3−5の位相共役条件を満たす位置dimage に配置する。
(a)マイクロレンズ4−2,4−7に同じ焦点距離を有するレンズを用い、d01=d02とする。
(b)出力光ファイバに到達した光ビームの光軸ずれ、および入射角度が零である。
(c)入力側および出力側のビームウエストをそれぞれ凹面ミラー3−5の位相共役条件を満たす位置dimage に配置する。
ここで、凹面ミラー3−5の位相共役条件は以下の式で求められる。
式(3)において、λは光源波長である。また、マイクロレンズ4−2,4−7に同じレンズを用い、d01=d02とすることにより、ωbeam-1=ωbeam-2となり、式(3)では、ω=ωbeam-1=ωbeam-2としている。dimage が正の値をとる場合は図3中のAの位置、負の値をとる場合はBの位置がそれぞれ位相共役条件を満たす位置となる。なお、本実施の形態では、Aの位置に入力側ビームウエストおよび出力側ビームウエストを配置している。
以上説明したとおり、本実施の形態によれば、凹面ミラー3−5に代表される光学的フーリエ変換光学系の位相共役条件を満たす位置dimage に入力側ビームウエストおよび出力側ビームウエストがそれぞれ位置するように各構成部品を配置することにより、光接続損失の低減が可能となる。
本発明は、光信号の方路の切り替えを行う光スイッチに適用することができる。
3−1…入力光ファイバアレイ、3−2…コリメート用マイクロレンズアレイ、3−4…入力側マイクロ可動ミラーアレイ、3−5…凹面ミラー、3−6…出力側マイクロ可動ミラーアレイ、3−7…集光用マイクロレンズアレイ、3−8…出力光ファイバアレイ、4−1…入力光ファイバ、4−2…コリメート用マイクロレンズ、4−4…入力側マイクロ可動ミラー、4−6…出力側マイクロ可動ミラー、4−7…集光用マイクロレンズ、4−8…出力光ファイバ。
Claims (4)
- 複数の光信号の空間的配列を入れ替えて出力する光スイッチにおいて、
前記複数の光信号を入力する入力光ファイバアレイと、
前記複数の光信号を出力する出力光ファイバアレイと、
前記入力光ファイバアレイから出射した複数の光信号をそれぞれ独立に任意の方向に偏向させる入力側マイクロ可動ミラーアレイと、
入射した複数の光信号をそれぞれ独立に任意の方向に偏向させて前記出力光ファイバに導く出力側マイクロ可動ミラーアレイと、
前記入力側マイクロ可動ミラーアレイにより偏向させた光信号の出射角度と到達位置とを1対1に対応させて、この光信号を前記出力側マイクロ可動ミラーアレイ上の特定の位置に到達させる変換手段とを備えることを特徴とする光スイッチ。 - 請求項1記載の光スイッチにおいて、
前記変換手段は、光学的フーリエ変換光学系であることを特徴とする光スイッチ。 - 請求項2記載の光スイッチにおいて、
前記入力側マイクロ可動ミラーアレイと前記出力側マイクロ可動ミラーアレイとを前記光学的フーリエ変換光学系の焦点位置に配置することを特徴とする光スイッチ。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光スイッチにおいて、
前記変換手段が形成する位相共役面に、前記入力光ファイバアレイから出射した光信号が形成する入力側ビームウエストおよび前記出力光ファイバアレイに向かう光信号が形成する出力側ビームウエストを配置することを特徴とする光スイッチ。
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WO2011048599A1 (en) * | 2009-10-22 | 2011-04-28 | Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Ltd. | Method and system for switching optical channels |
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