JP2006039344A - 偏光板および液晶プロジェクタ - Google Patents

偏光板および液晶プロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 光源からの可視光以外の光の悪影響による偏光フィルムのさらなる劣化を防ぎ、偏光板と液晶プロジェクタの商品の寿命を延ばす。
【解決手段】 液晶表示素子に近接配置されてなり、透明基板41の出射側主面に偏光フィルム42が貼付された偏光板において、前記偏光板の入射側主面に可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタ43が形成されてなる。前記色補正フィルタが赤外線カットフィルタ、紫外線カットフィルタからなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶プロジェクタに使用され、液晶表示素子の前後に配置される偏光板とそれを用いた液晶プロジェクタに関するものである。
従来、特許文献1にも開示されているように、透過型液晶プロジェクタに使用される偏光板は、透明基板に樹脂性の偏光フィルムが粘着材により貼付されたものが用いられている。このように偏光フィルムを単体で用いることなく、透明基板に貼付させて使用する理由は、偏光フィルムは、熱収縮性が高く、偏光フィルムは光源からの光を吸収して発熱した際に変形しやすいので、透明基板が放熱基板として機能させて偏光フィルムの変形を防止している。
前記透明基板としては、ガラスや水晶、サファイヤなどが用いられる。これら透明基板の熱伝導率(w/m・k)は、サファイヤが41.9と最も高く、次に水晶が5.4〜9.3、ガラス(青板ガラス)が0.55〜0.75となり、サファイヤが最も優れている。しかしながら、コスト面では、逆にガラスが最も安く、水晶、サファイヤの順となる。また、サファイヤは、硬度が高いために加工性が悪く、屈折率が高いために透過率が低下すると言った欠点を有している。このことから、水晶が、コスト面と熱伝導性能のバランスがとれた最も実用的な偏光フィルム用の透明基板として利用されているのが現状である。
特開2003−228058号公報
しかしながら、上述のように偏光フィルムを透明基板に貼り付けたとしても、光源の熱的悪影響を完全になくすことや、映像として取り出される可視光以外の光の悪影響を抑制することはできない。特に液晶プロジェクタに使用される光源としては、超高圧水銀灯やメタルハライドランプのような強力なランプが用いられるので、偏光板の温度が80℃を超えることもあるため、熱的な影響を長期間にわたって受けることで偏光フィルムが劣化することがあった。また、液晶プロジェクタが小型化されると、各種光学系もより近接して配置されるので、光路外からの熱的なもれの悪影響を受けやすくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、光源からの可視光以外の光の悪影響による偏光フィルムのさらなる劣化を防ぎ、偏光板と液晶プロジェクタの商品の寿命を延ばすこと目的とする。
本発明の特許請求項1による偏光板は、液晶表示素子に近接配置されてなり、透明基板の出射側主面に偏光フィルムが貼付された偏光板において、前記偏光板の入射側主面に可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタが形成されてなることを特徴とする。
また、特許請求項2に示すように、前記色補正フィルタが赤外線カットフィルタであることを特徴とする。
また、特許請求項3に示すように、前記色補正フィルタが紫外線カットフィルタであること、もしくは赤外紫外線カットフィルタであることを特徴とする。
また、特許請求項4に示すように、前記透明基板が水晶であることを特徴とする。
本発明の特許請求項5に示すように、光源と、透過した光を画像情報に応じて光強度変調する液晶表示素子と、その変調された光学情報を投射する投射手段とを具備してなる液晶プロジェクタであって、偏光板は、透明基板の出射側主面に偏光フィルムが貼付され、入射側主面に可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタが形成されてなることを特徴とする。前記色補正フィルタは、赤外線カットフィルタであってもよく、紫外線カットフィルタであってもよい。前記透明基板が水晶であってもよい。
本発明の特許請求項1によれば、透明基板による偏光フィルムの放熱性を高めるだけでなく、偏光フィルムが貼付された主面と対向する入射側主面に形成された可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタにより、偏光フィルムの劣化に結びつく光成分が偏光フィルムに到達する前に除去され、偏光フィルムが当該劣化に結びつく光成分を吸収することがない。このため、液晶表示素子の光学的特性を低下させることなく、偏光フィルムのさらなる劣化を防ぐことができ、偏光板の商品寿命を延ばすことができる。また、上述のような機能を1つの偏光板に持たせることができるので省スペース化がはかれる。
特許請求項2によれば、透明基板による偏光フィルムの放熱性を高めるだけでなく、偏光フィルムが貼付された主面と対向する入射側主面に形成された赤外線カットフィルタにより、熱放射成分(赤外光)が偏光フィルムに到達する前に除去し、偏光フィルムが発熱することがない。このため、液晶表示素子の光学的特性を低下させることなく、偏光フィルムのさらなる熱的劣化を防ぐことができ、偏光板の商品寿命を延ばすことができる。また、上述のような機能を1つの偏光板に持たせることができるので省スペース化がはかれる。
また、特許請求項3によれば、透明基板による偏光フィルムの放熱性を高めるだけでなく、偏光フィルムが貼付された主面と対向する入射側主面に形成された紫外線カットフィルタにより、紫外光が偏光フィルムに到達する前に除去し、偏光フィルムが紫外線を吸収することがない。このため、液晶表示素子の光学的特性を低下させることなく、偏光フィルムや偏光フィルムの粘着部等の紫外光劣化を防ぐことができるので、偏光板の変色、強度劣化、偏光特性の劣化などをなくし、偏光板の商品寿命を延ばすことができる。また、赤外線カットフィルタを組み合わせることで、液晶表示素子の光学的特性を低下させることなく、偏光フィルムの熱的劣化と紫外光劣化を同時に防ぐことができ、偏光板のさらなる商品寿命を延ばすことができる。そして、上述のような機能を1つの偏光板に持たせることができるので省スペース化がはかれる。
また、特許請求項4によれば、上述の作用効果に加え、コスト面と熱伝導性能のバランスがとれ、加工性もよく透過率の低下もない最も実用的な部材である水晶を用いた偏光板を提供することができる。
また、本発明の特許請求項5によれば、前記偏光板は、透明基板による偏光フィルムの放熱性を高めるだけでなく、透明基板の出射側主面に偏光フィルムが貼付され、入射側主面に可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタが形成されてなることで、光源からの出射光による偏光フィルムの劣化に結びつく光成分を当該偏光板の出射側の偏光フィルムに到達する前に除去し、偏光フィルムが当該劣化に結びつく光成分を吸収することがない。このため、液晶表示素子の光学的特性を低下させることなく、偏光フィルムのさらなる劣化を防ぐことができ、偏光板の商品寿命を延ばし、液晶プロジェクタの商品寿命を延ばすことができる。また、上述のような機能を1つの偏光板に持たせることができるので省スペース化がはかれ、液晶プロジェクタの小型化が実現できる。
以下、本発明の実施形態について、透過型液晶プロジェクタとこれに使用される偏光板を例にとり図面に基づいて説明する。図1は本形態に係る透過型液晶プロジェクタの構成図であり、図2は本形態の偏光板の構成図を示す。
図1に示すように、液晶プロジェクタは、白色光を出射するランプなどの光源1と、液晶表示素子と、その他の光学系と、スクリーンに投射する投射手段とから構成されている。
光源1は、例えば超高圧水銀灯やメタルハライドランプ等からなり、液晶表示素子は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色にそれぞれ対応する3つの液晶表示素子2R,2G,2Bを具備している。
光学系としては、光源からの光路に沿って次の順序で構成されている。すなわち、レンズアレイ31,32により、光源の白色光は複数の光束に分割され、偏光用のPBSプレート33により、前記白色光はR(赤)・G(緑)・B(青)の3原色に分光されるとともに、コンデンサレンズ34によって、光源からの光を集めて均一に光路に向かって照射する。
前記白色光は、特定の色の光のみを反射・透過する2枚のダイクロックミラー35,36と全反射ミラー37,38,39によって得られる光路に沿って、次の液晶表示素子のエリアに導かれる。このとき、ダイクロックミラー35は赤透過緑青反射型の特性を有しており、ダイクロックミラー36は青透過緑反射型の特性を有しているので、前記白色光はR(赤)・G(緑)・B(青)の3原色にそれぞれ分離されながら、各3原色に対応する前記液晶表示素子2R,2G,2Bに導かれることになる。
前記各液晶表示素子2R,2G,2Bは、入射側に入射用偏光板4NR,4NG,4NBを、出射側に出射用偏光板4SR,4SG,4SBをそれぞれ具備しており、特定の偏光軸方向の光成分を透過・遮断するように構成されている。これらの液晶表示素子は、当該液晶表示素子を透過する光を画像情報に応じて画素ごとの光量を制御して濃淡を変えて変調する。
各液晶表示素子2R,2G,2Bを透過した光は、ダイクロックプリズム5によってR(赤)・G(緑)・B(青)それぞれの光を結合させ、投射レンズ6によりスクリーン7上に映像が映し出される。また、図示しない冷却用のファンが設けられており、前記光源1から照射されることで前記液晶表示素子と前記偏光板に吸収される熱を逃がし、冷却できるように構成されている。
そして、本形態の特徴とするところは、光源からの可視光以外の光の悪影響を受け、かつ映像の優劣に影響を及ぼす液晶表示素子に最も近接した偏光板自身に、当該可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタを形成して、偏光板のさらなる劣化を防いでいる点にある。以下、本形態の偏光板4について、図2とともに説明する。
図2(a)に示す前記偏光板4は、水晶からなる透明基板41の出射側の主面に偏光フィルム42が粘着材により貼付され、入射側の主面に可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタとして赤外線カットフィルタ43が形成されている。この赤外線カットフィルタ43は、前記透明基板41の入射側主面に、例えば真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法、スパッタリング法などの手法により、SiO2、TiO2等の誘電体薄膜を多層形成することにより得ることができる。このため、前記偏光板4は、水晶の透明基板による偏光フィルムの放熱性を高めるだけでなく、映像の優劣に影響を及ぼす液晶表示素子に最も近接した偏光板4の入射面に赤外線カットフィルタ43を形成しているので、偏光フィルム42の劣化に結びつく赤外線が当該偏光フィルム42に到達する前に除去され、偏光フィルム42が赤外線を吸収することがなく発熱することがない。特に、赤外線カットフィルタ43を誘電体薄膜からなるコート材により形成したことで、光の赤外線成分を吸収することなく反射させて除去でき、偏光板の薄型化が可能となる。また、コスト低減も実現できる。つまり、液晶表示素子の光学的特性を低下させることなく、偏光フィルム42の熱的劣化を防ぐことができ、偏光板4あるいは液晶プロジェクタのさらなる商品寿命を延ばすことができる。なお、入射面に形成される赤外線カットフィルタの領域は、出射面に形成される偏光フィルムの領域とほぼ同一かより広く形成されることが好ましい。
図2(b)に示す前記偏光板4は、水晶からなる透明基板41の出射側の主面に偏光フィルム42が粘着材により貼付され、入射側の主面に可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタとして紫外線カットフィルタ44が形成されている。この紫外線カットフィルタ43は、前記透明基板41の入射側主面に、例えば真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法、スパッタリング法などの手法により、SiO2、TiO2等の誘電体薄膜を多層形成することにより得ることができる。このため、前記偏光板4は、水晶の透明基板による偏光フィルムの放熱性を高めるだけでなく、映像の優劣に影響を及ぼす液晶表示素子に最も近接した偏光板4の入射面に紫外線カットフィルタ44を形成しているので、偏光フィルム42の劣化に結びつく紫外線が当該偏光フィルム42に到達する前に除去され、偏光フィルム42が紫外線を吸収することがない。特に、紫外線カットフィルタ44を誘電体薄膜からなるコート材により形成したことで、光の紫外線成分を吸収することなく反射させて除去でき、偏光板の薄型化が可能となる。また、コスト低減も実現できる。つまり、液晶表示素子の光学的特性を低下させることなく、偏光板単体での偏光フィルム42のさらなる紫外線劣化を防ぐことができ、偏光板4あるいは液晶プロジェクタのさらなる商品寿命を延ばすことができる。なお、入射面に形成される紫外線カットフィルタの領域は、出射面に形成される偏光フィルムの領域よりも広く形成されることが好ましい。
図2(c)に示す前記偏光板4は、水晶からなる透明基板41の出射側の主面に偏光フィルム42が粘着材により貼付され、入射側の主面に可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタとして赤外紫外線カットフィルタ45が形成されている。この赤外紫外線カットフィルタ45は、前記透明基板41の入射側主面に、例えば真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法、スパッタリング法などの手法により、SiO2、TiO2等の誘電体薄膜を多層形成することにより得ることができる。このため、前記偏光板4は、水晶の透明基板による偏光フィルムの放熱性を高めるだけでなく、映像の優劣に影響を及ぼす液晶表示素子に最も近接した偏光板4の入射面に赤外紫外線カットフィルタ45を形成しているので、偏光フィルム42の劣化に結びつく赤外線と紫外線が当該偏光フィルム42に到達する前に除去され、偏光フィルム42が赤外線と紫外線を吸収することがない。特に、赤外紫外線カットフィルタ45を誘電体薄膜からなるコート材により形成したことで、光の赤外線成分と紫外線成分を吸収することなく反射させて除去でき、偏光板の薄型化が可能となる。また、コスト低減も実現できる。つまり、液晶表示素子2の光学的特性を低下させることなく、偏光板単体での偏光フィルム42のさらなる熱的劣化と紫外線劣化を防ぐことができ、偏光板4あるいは液晶プロジェクタのさらなる商品寿命を延ばすことができる。なお、入射面に形成される赤外紫外線カットフィルタの領域は、出射面に形成される偏光フィルムの領域よりも広く形成されることが好ましい。
−その他の実施形態−
上述した実施形態では、透明基板の材料として水晶を採用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、その他の硝材基板やサファイヤガラス等を採用することが可能である。また、可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタとして、赤外線カットフィルタや紫外線カットフィルタ、赤外紫外線カットフィルタを例にし、その材料として、SiO2、TiO2等が交互に積層されたものを例にしているが、他の材質を用いたものであってもよく、他の可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタであってもよい。例えば、高屈折材としてTa2O5、Nb2O5、ZrO2、低屈折材としてMgF2等の材料があり、これらを選択的に組み合わせることが可能である。また、他の色補正フィルタとして、明るさを落とすためのNDフィルタ、光源や表示素子の色あいを補正するための、色あい補正フィルタなどに転用することも可能である。加えて、偏光板に形成する色補正フィルタは、少なくとも前記入射用偏光板のみに形成されていれば、可視光以外の光成分による劣化を防ぐことができるが、入射用偏光板と出射用偏光板の両方に形成してもよい。
本形態に係る透過型液晶プロジェクタの構成図。 本形態の偏光板の構成図。
符号の説明
1 光源
2R,2G,2B 液晶表示素子
31,32 レンズアレイ
33 偏光用のPBSプレート
34 コンデンサレンズ
35,36 ダイクロックミラー
37,38,39 全反射ミラー
4 偏光板
4NR,4NG,4NB 入射用偏光板
4SR,4SG,4SB 出射用偏光板
5 ダイクロックプリズム
6 投射レンズ
7 スクリーン

Claims (5)

  1. 液晶表示素子に近接配置されてなり、透明基板の出射側主面に偏光フィルムが貼付された偏光板において、前記偏光板の入射側主面に可視光以外の光成分を反射する色補正フィルタが形成されてなることを特徴とする偏光板。
  2. 前記色補正フィルタが赤外線カットフィルタであることを特徴とする特許請求項1記載の偏光板。
  3. 前記色補正フィルタが紫外線カットフィルタであることを特徴とする特許請求項1、2のうちいずれか1項記載の偏光板。
  4. 前記透明基板が水晶であることを特徴とする特許請求項1〜3のうちいずれか1項記載の偏光板。
  5. 特許請求項1〜4のうちいずれか1項記載の偏光板を有するとともに、光源と、透過した光を画像情報に応じて光強度変調する液晶表示素子と、その変調された光学情報を投射する投射手段とを具備してなることを特徴とする液晶プロジェクタ。
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