JP2006039119A - 画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に1種類以上の画像表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示する画像表示板を具備する画像表示装置を製造する画像表示装置の製造方法では、画像表示媒体充填工程において、ワーク11の背面に配置した光源12から均一光束を照射したときの均一光束の透過光分布を光検出手段13で測定し、PC14において光検出手段13の出力信号を解析して、透過輝度の面内標準偏差に基づいてワーク11の画像表示媒体の充填分布状態(均一性)を評価する中間検査を行い、この中間検査でNGとなったワーク11をリワークすることにより、最終製品のNG数を減少させて歩留まりを向上させる。
【選択図】図4
Description
図1(a)、(b)に示す例では、2種以上の色の異なる粒子3(ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
図2(a)、(b)に示す例では、2種以上の色の異なる粒子3(ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
図3(a)、(b)に示す例では、1種の色の粒子3(ここでは白色粒子3W)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
以上の説明は、白色粒子3Wを白色粉流体に、黒色粒子3Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
(1)基板への隔壁(リブ)および電極パターンの形成工程(隔壁および電極を必要とする場合のみ行う)
(2)基板への画像表示媒体の充填(散布)工程
(3)隔壁上の不要な画像表示媒体の除去工程
(4)充填分布状態を評価する中間検査工程
(5)隔壁への接着剤層形成工程(この接着剤層形成工程は、画像表示媒体の充填工程の前に行われる場合もある)
(6)アライメントの重ね合わせ工程
(7)2枚の基板の貼り合わせ工程
(8)表示品質を評価する最終検査工程
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1、図2において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、粒子群(あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、装置シール部分を除いた、いわゆる粒子群(あるいは粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、粒子群あるいは粉流体の充填、基板の組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における粒子群又は粉流体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には粒子又は粉流体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
本発明に用いる画像表示媒体として、気体中で用いる粒子群や粉流体について説明してきたが、本発明は電気泳動粒子群が内包されたマイクロカプセル型などの画像表示媒体を充填する場合の中間検査としても適用できる。
以下の(1)〜(8)の工程によって、図2(b)に示す本発明の画像表示装置を製作した。なお、各工程の詳細については以下に詳述する。
(1)基板への隔壁(リブ)および電極パターンの形成工程
(2)基板への画像表示媒体の充填(散布)工程
(3)隔壁上の不要な画像表示媒体の除去工程
(4)充填分布状態を評価する中間検査工程
(5)隔壁への接着剤層形成工程(この接着剤層形成工程は、画像表示媒体の充填工程の前に行われる場合もある)
(6)アライメントの重ね合わせ工程
(7)2枚の基板の貼り合わせ工程
(8)表示品質を評価する最終検査工程
(2)基板2の表示セル内に、それぞれ帯電特性の異なる白色粒子群および黒色粒子群をそれぞれ6g/m2 の密度となるよう、自由落下法にて充填した。
(3)隔壁上に、微粘着性フィルムをロールによって押し当てて剥がすことによって、隔壁上の不要な画像表示媒体を除去した。
[基準1]標準偏差;3√V≦5%
[基準2]最小値/最大値≧90%
上記基準1、基準2が共にOKの場合は、次工程である(5)に進め、上記基準1、基準2の少なくとも一方がNGの場合は、ワーク11を洗浄した後、リワーク(前工程である(2)、(3)のやり直し)を行った。
(6)&(7)基板1、2上に形成した電極の位置を、それぞれが対向するように合わせて基板1および基板2を貼り合わせ、接着剤の硬化を行った。
[基準3]標準偏差;3√V≦8%
[基準4]最小値/最大値≧85%
上記(4)の中間検査工程において、OKまたはNGの評価に用いる2つの均一性の基準を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の画像表示装置を製作した。
[基準1−2]標準偏差;3√V≦8%
[基準2−2]最小値/最大値≧85%
上記(4)の中間検査工程を省略したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の画像表示装置を製作した。
実施例1、実施例2、比較例についてそれぞれ、ワークの投入枚数を50枚としたときの歩留まりは表1に示すようになった。すなわち、実施例1は、中間検査において50枚中9枚がNGとなってリワークされた結果、最終検査におけるNG数が50枚中1枚となり、98%という高い歩留まりが得られた。同様に、実施例2は、中間検査において50枚中6枚がNGとなってリワークされた結果、最終検査におけるNG数が50枚中3枚となり、94%という高い歩留まりが得られた。それに対し、中間検査およびリワークを行わない比較例は、最終検査におけるNG数が50枚中7枚となり、実施例1、実施例2に比べて格段に低い86%という歩留まりしか得られなかった。これにより、本発明における中間検査およびリワークが歩留まりの向上に寄与していることが確認できた。
3 画像表示媒体(粒子、粉流体)
3W 白色粒子、白色粉流体
3B 黒色粒子、黒色粉流体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 ワーク
12 光源
13 光検出手段
14 パーソナルコンピュータ(PC)
Claims (5)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に1種類以上の画像表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示する画像表示板を具備する画像表示装置を製造する画像表示装置の製造方法であって、
画像表示媒体充填工程において、2枚の基板の間の画像表示媒体の充填分布状態を評価する中間検査を行うことを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 前記中間検査は、画像表示媒体を透明な基板側に充填した後に、透明な基板側に充填された画像表示媒体の充填分布状態を評価するために行うものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記中間検査は、透明な基板の背面から均一光束を照射したときに前記透明な基板の前面に配置した光検出手段によって透過光分布を測定することにより行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像表示装置の製造方法。
- 画像表示媒体充填量と透過光量とに関する検量線を予め取得しておくことにより、前記中間検査において画像表示媒体の総充填量を同時に測定することを特徴とする請求項3記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記画像表示媒体は粒子群または粉流体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の画像表示装置。
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