JP2006036171A - ブライン式空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブライン式空調装置において、ブライン回路の構成の煩雑化を抑制しつつ、冷房始動時における冷房の応答性を向上する。
【解決手段】 ブライン冷却用熱交換器15にて冷却されたブラインを循環するブライン回路に、冷房用室内熱交換器25と、ブライン蓄積用のタンク23と、タンクバイパス流れとブラインがタンク23を通過する非バイパス流れとを切り替える流路切替弁24とを設け、流路切替弁24を、感温部材44の体積変化に応答して変位する弁体35、36を有するサーモスタット構造にする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、冷凍サイクルに備えられたブライン冷却用熱交換器にて冷却された
低温ブラインを冷房用室内熱交換器に循環して、室内の冷房を行うブライン式空調装置に関するもので、車両用として好適なものである。
従来より、この種の車両用ブライン式空調装置は種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
ところで、ブラインは通常、比熱の大きい水を主成分としているので、熱容量が大きい。そのため、冷房始動時にブラインの温度を急速に低下させることが困難となり、冷房の応答性が悪いという問題がある。
このことは、炎天下駐車後に車室内を急速に冷房したい場合に、冷媒蒸発器にて直接空気を冷却する通常の空調装置に比較して急速冷房(クールダウン)性能を悪化させることになり、車両用ブライン式空調装置の実用化にとって大きな課題になっている。
そこで、特許文献3においては、冷却された低温ブラインを冷房用室内熱交換器に循環するブライン回路に、低温ブラインを蓄積する蓄冷タンクおよびブライン循環用のポンプをそれぞれ2個ずつ設け、蓄冷タンク内に蓄積されている冷却済みの低温ブラインを利用して、冷房始動時における冷房の応答性を向上することが提案されている。
特開平10−86654号公報 特開平10−338023号公報 特開2000ー161722号公報
しかしながら、車両を炎天下に長時間駐車した場合には、車両温度の上昇に伴って蓄冷
タンク内のブライン温度が蓄冷タンク外部のブライン温度と同等の温度まで上昇してしま
う。すると、1次回路をなす冷凍サイクルにおいて冷却すべきブライン量は蓄冷タンク内
部のブラインを含むブライン回路全体の量となるので、蓄冷タンクを持たない場合に比較
して増大する。
従って、特許文献3によると、炎天下に長時間駐車した場合には蓄冷タンクの容量が大
きいほど、冷房始動時における急速冷房性能をより一層悪化させることになる。
また、蓄冷タンクおよびブライン循環用のポンプをそれぞれ2個ずつ設けているので、
ブライン回路の構成部品点数が増えて、ブライン回路全体の必要スペースが増大し、車両
搭載性を悪化する。また、構成部品点数の増加によるコストアップ、重量増加といった不
具合も発生する。
本発明は、上記点に鑑み、ブライン式空調装置において、ブライン回路の構成の煩雑化
を抑制しつつ、冷房始動時における冷房の応答性を向上することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ブライン冷却用熱交換器(15)を有する冷凍サイクル(10)と、
前記ブライン冷却用熱交換器(15)にて冷却されたブラインを循環するブライン回路(20)とを備え、
前記ブライン回路(20)には、
前記ブラインによって室内吹出空気を冷却する冷房用室内熱交換器(25)と、
前記ブラインを蓄積するタンク(23)と、
前記ブラインが主に前記タンク(23)をバイパスして流れるバイパス流れと、前記ブラインが主に前記タンク(23)を通過して流れる非バイパス流れとを切り替えるブライン流れ切替手段(24、241、242)とが設けられ、
更に、前記ブライン流れ切替手段(24、241、242)は、ブライン温度の変化に応答して体積が変化する感温部材(44、441、442)と、前記感温部材(44、441、442)の体積変化に応答して前記バイパス流れと前記非バイパス流れとの切替を行う弁体(35、36)とを有していることを特徴としている。
これによると、ブライン温度を感知する感温部材(44、441、442)の体積変化に応答して弁体(35、36)を変位させて、バイパス流れと非バイパス流れとを直接切り替えることができる。
そして、空調装置を長時間放置した後の冷房始動時には、ブライン温度が上昇しているので、これを感知してバイパス流れの状態を設定できる。これにより、ブライン冷却用熱交換器(15)はタンク(23)内の蓄積ブライン量を除いた量のブラインを冷却するだけでよい。
この結果、熱交換器(15)の冷却対象のブライン量が減少して、その分だけ、ブライン冷却速度を高めて、冷房始動時における冷房応答性を向上できる。
しかも、ブライン回路(20)にはタンク(23)を1個のみ設け、その1個のタンク(23)に対するブラインのバイパス流れと非バイパス流れとを切替手段(24、241、242)により切り替えるだけでよいから、ブライン回路(20)の構成の煩雑化を抑制できる。
更に、感温部材(44、441、442)の体積変化に応答して弁体(35、36)を直接変位させるから、電気的なセンサ、制御手段、アクチュエータ等の機器も一切必要とせず、構成を極めて簡素化できる。
なお、ブラインが主にタンク(23)をバイパスして流れるバイパス流れとは、ブライ
ンの全量がタンク(23)をバイパスして流れる状態と、ブラインの大部分がタンク(2
3)をバイパスして流れ、ブラインの一部がタンク(23)を通過して流れる状態との両
方を包含する。
また、ブラインが主にタンク(23)を通過して流れる非バイパス流れとは、ブライン
の全量がタンク(23)を通過して流れる状態と、ブラインの大部分がタンク(23)を
を通過して流れ、ブラインの一部がタンク(23)をバイパスして流れる状態との両方を
包含する。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のブライン式空調装置において、前記ブライン流れ切替手段(24)は、前記バイパス流れを形成するタンクバイパス通路(24a)と、前記非バイパス流れを形成するタンク側通路(24b〜24d)とを有し、
前記弁体として、前記タンクバイパス通路(24a)を開閉する第1弁体(35)と前記タンク側通路(24b〜24d)を開閉する第2弁体(36)とを設け、
前記感温部材として、前記第1弁体(35)および前記第2弁体(36)の両方を連動して変位させる共通の感温部材(44)を設けることを特徴とする。
これによると、1つの三方弁タイプの弁構造にてタンクバイパス通路(24a)とタンク側通路(24b〜24d)とを開閉できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のブライン式空調装置において、前記ブライン流れ切替手段は、前記バイパス流れを形成するタンクバイパス通路(24a)を開閉する第1流路切替弁(241)と、前記非バイパス流れを形成するタンク側通路(24b〜24d)を開閉する第2流路切替弁(242)とから構成され、
前記第1流路切替弁(241)および前記第2流路切替弁(242)に、それぞれ前記感温部材(441、442)および前記弁体(35、36)が独立に設けられていることを特徴とする。
このように、2つの独立した流路切替弁(241、242)を組み合わせてブライン流れ切替手段を構成してもよい。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のブライン式空調装置において、前記ブライン温度が高温側から低温側へ変化する過程において前記第1流路切替弁(241)が開状態から閉状態に変化するとともに、前記第2流路切替弁(242)が閉状態から開状態に変化するようになっており、
前記第1流路切替弁(241)が開状態から閉状態に変化する時のブライン温度よりも前記第2流路切替弁(242)が閉状態から開状態に変化する時のブライン温度の方が高いことを特徴とする。
これによると、冷房始動時に、冷凍サイクル(10)が始動してブライン温度が低下する過程において、第1流路切替弁(241)が開状態を維持している間に第2流路切替弁(242)を閉状態から開状態に変化させることができる。従って、第1、第2流路切替弁(241、242)を一時的に、同時に開状態にできる。
これにより、タンクバイパス通路(24a)のバイパス流れを維持しながら、同時にタンク側通路(24b〜24d)およびタンク(23)を通過する非バイパス流れを形成できる。そのため、タンク(23)内の高温ブラインを低温ブラインに置換する作用を急激に行わず、徐々に行うことができる。
その結果、冷房用室内熱交換器(25)への流入ブライン温度がブライン流路の切替に伴って急上昇するという不具合を抑制できる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載のブライン式空調装置において、前記ブライン温度が高温側から低温側へ変化する過程において前記第1流路切替弁(241)では前記感温部材(441)が凝固して体積が収縮することにより開状態から閉状態に変化し、また、前記第2流路切替弁(242)では前記感温部材(441)が凝固して体積が収縮することにより閉状態から開状態に変化するようになっており、
前記第1流路切替弁(241)における前記感温部材(441)の凝固温度よりも前記第2流路切替弁(242)における前記感温部材(441)の凝固温度の方を高くしたことを特徴とする。
これによると、第1、第2流路切替弁(241、242)の感温部材(441、442)の凝固温度に差をつけることにより、請求項4の作用効果を発揮できる装置を簡単に得ることができる。
請求項6に記載の発明のように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のブライン式空調装置において、前記感温部材(44、441、442)が前記タンク(23)の入口側ブラインの温度に応答して体積を変化するという配置構成を採用できる。
請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のブライン式空調装置において、前記感温部材(44、441、442)が前記タンク(23)の出口側ブラインの温度に応答して体積を変化するようにしてもよい。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載のブライン式空調装置において、前記冷凍サイクル(10)および前記ブライン回路(20)は車両に搭載され、前記冷房用室内熱交換器(25)により車室内へ吹き出す空気を冷却することを特徴とする。
これにより、車両用のブライン式空調装置において冷房始動時の冷房応答性向上、構成の簡素化等の効果を発揮できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関
係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜図4は第1実施形態を示すもので、第1実施形態は車両用ブライン式空調装置に
関するものである。図1は第1実施形態による冷凍サイクル10と、ブライン回路20と
を包含する全体システム構成図であり、冷凍サイクル10は1次回路をなすものであって
、車両のエンジンルーム11内に搭載される。
冷凍サイクル10には、冷媒を圧縮し、吐出する圧縮機12が備えられている。この圧
縮機12は、電磁クラッチ12a等を介して車両走行用エンジン(図示せず)により回転
駆動される。
圧縮機12は常に一定の吐出容量(圧縮機1回転当たりの冷媒吐出量)で作動する固定
容量型圧縮機である。この固定容量型圧縮機12の冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)は、周
知のごとく電磁クラッチ12aの断続制御によって圧縮機稼働率を変えることにより調整
できる。
圧縮機12の吐出側には高圧冷媒放熱器としての凝縮器13が配置され、圧縮機吐出冷
媒を冷却、凝縮する。凝縮器13の出口側には減圧手段としての温度式膨張弁14が配置
され、高圧液冷媒を低温低圧の気液2相状態に減圧する。
温度式膨張弁14の出口側には冷媒蒸発器をなすブライン冷却用熱交換器15が配置さ
れている。このブライン冷却用熱交換器15は、冷凍サイクル10側の冷媒通路(冷媒蒸
発通路)16とブライン回路20側のブライン通路21との間で熱交換を行うように構成
されている。
すなわち、冷媒蒸発通路16とブライン通路21とを熱伝導性に優れた金属材料(アル
ミニュウム等)を介して熱的に結合し、冷媒通路16内の低圧冷媒がブライン通路21内
のブラインから吸熱して蒸発することにより、ブライン通路21内のブラインを冷却する
。冷媒通路16を流出した低圧冷媒は圧縮機12に吸入され、再度圧縮される。
ブライン回路20は不凍液等を混合した水からなるブラインを循環する閉回路であって
、冷凍サイクル10に対する2次回路をなす。このブライン回路20には、ブライン冷却
用熱交換器15のブライン通路21の他に、ブライン循環用のポンプ手段をなす電動ポン
プ22、ブライン通路21で冷却された低温ブラインを蓄積する蓄冷タンク23、流路切替弁24、冷房用室内熱交換器25等を備えている。
なお、蓄冷タンク23は周囲雰囲気から低温ブラインが吸熱することを抑えるために断
熱性の高い構造とすることが好ましい。
流路切替弁24は三方弁タイプのブライン流れ切替手段を構成するものであって、図2(a)の矢印Aに示すようにブラインが蓄冷タンク23をバイパスして流れるバイパス流れの状態と、図2(b)の矢印Bに示すようにブラインが蓄冷タンク23内部を通過して流れる非バイパス流れの状態とを切り替える。
このため、流路切替弁24は蓄冷タンク23をバイパスするタンクバイパス通路24aと、蓄冷タンク23にブラインを流すためのタンク側通路24b、24cを有している。そして、図2(a)のバイパス流れの状態では、タンク側通路24b、24cを遮断してタンクバイパス通路24aを開口することにより、ブラインがタンクバイパス通路24aを流れるので、ブラインは蓄冷タンク23をバイパスする。
また、図2(b)の非バイパス流れの状態では、タンクバイパス通路24aを遮断してタンク側通路24b、24cを開口することにより、ブラインが蓄冷タンク23内部を通過して流れる。
ブライン回路20において、タンクバイパス通路24aは蓄冷タンク23の出入口間を直結する主流通路を構成し、タンク側通路24b、24cはこの主流通路に対する分岐通路となる。
ブライン回路20のうち、冷房用室内熱交換器25は車室内26に配置される室内空調
ユニット27の内部に配置される。より具体的には、室内空調ユニット27は車室内26
の前部に位置する車両計器盤(図示せず)の内側に配置され、室内空調ユニット27の空
気流れ上流部には遠心式の電動送風機28が配置される。この電動送風機28の吸入側には周知の内外気切替箱(図示せず)が配置され、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)を切り替え導入するようになっている。
そして、電動送風機28の空気流れ下流部にブライン回路20の冷房用室内熱交換器2
5が配置され、更に、この冷房用室内熱交換器25の空気流れ下流部に車両エンジンの温
水回路(図示せず)に接続される暖房用室内熱交換器29が配置される。この暖房用室内
熱交換器29の空気流れ下流部に空調風を車室内26に吹き出すための周知の複数の吹出
口(図示せず)が設けられている。
また、両室内熱交換器25、29の間には、車室内への吹出空気の温度調整手段をなす
周知のエアミックスドア30が配置されている。このエアミックスドア30は、暖房用室
内熱交換器29を通過する温風と暖房用室内熱交換器29のバイパス通路29aを通過す
る冷風との風量割合を調整することにより、車室内への吹出空気温度を調整する。
なお、エアミックスドア30の代わりに、暖房用室内熱交換器29に流入する温水流量や温水温度を調整する周知の温水弁を用いて、車室内への吹出空気温度を調整してもよい。
夏期の冷房時には、電動送風機28の送風空気を冷房用室内熱交換器25内の低温ブラ
インにより冷却し、その冷却空気を車室内26へ吹き出して車室内26を冷房することが
できる。
また、冬期暖房時には、車両エンジンにより加熱された高温の温水を暖房用室内熱交換器29に導入することにより、暖房用室内熱交換器29内の高温の温水により電動送風機28の送風空気を加熱し、その加熱空気を車室内26へ吹き出して車室内26を暖房することができる。
次に、流路切替弁24の具体的構成を図3により説明する。流路切替弁24は、感温部材をなすワックスが温度変化に基づいて体積変化することにより弁体の開閉作動(流路切替)を行う純機械的な機構を持つ温度応答弁(サーモスタット)である。
流路切替弁24はハウジング部材31を有し、このハウジング部材31内部に図2で既述したタンクバイパス通路24aを構成する。そして、ハウジング部材31には、図1のブライン冷却用熱交換器15のブライン通路21の出口側からブラインが流入するブライン入口32、および第1、第2ブライン出口33、34が設けられている。
第1ブライン出口33は、タンク入口側通路24bを介して蓄冷タンク23に連通する。また、第2ブライン出口34には蓄冷タンク23の出口側通路24cが合流するようになっている。そして、第2ブライン出口34は冷房用室内熱交換器25の入口側に連通する。
ハウジング部材31の内部には第1弁体35および第2弁体36が所定間隔を開けて円筒状ケース37と一体に設けられている。第1弁体35はタンクバイパス通路24aを開閉するもので、第2弁体36はタンク入口側通路24bを開閉するものである。この第1、第2弁体35、36および円筒状ケース37は以下述べる機構により図3の上下方向に一体で変位するようになっている。
円筒状ケース37はその一端部(図3の上端部)が開口し、他端部(図3の下端部)が閉塞した形状になっている。そして、円筒状ケース37のうち開口端側(図3の上端部側)に第1弁体35が環状の板形状で一体に固定される。これに対し、第2弁体36は円筒状ケース37の閉塞端側に円板形状で一体に固定される。
ハウジング部材31には第1弁体35に対向して第1弁座38が設けられ、また、第2弁体36に対向して第2弁座39が設けられている。
円筒状ケース37の内部にはゴム等からなる弾性変形可能な袋部材40が配置されている。この袋部材40は、その一端部(図3の上端部)が開口し、他端部(図3の下端部)が閉塞した形状になっている。そして、袋部材40の開口端側(図3の上端側)が取付板41およびシール材42を介して円筒状ケース37に固定されている。
この袋部材40の内部にはピン部材43の一端側(図3の下端側)が挿入される。このピン部材43の他端部(図3の上端部)はハウジング部材31の壁面に支持固定される。
そして、円筒状ケース37の内壁面と袋部材40の外面との間の環状空間に感温部材をなすワックス44が収納される。ここで、円筒状ケース37は金属製であり、熱伝導性に優れているので、ブライン入口32からハウジング部材31内に流入する入口側ブラインの熱は円筒状ケース37の壁面を経てワックス44に良好に伝達される。
従って、ワックス44の体積はブライン入口32からのタンク入口側ブラインの温度に応じて変化するようになっている。なお、ワックス44として本例では融解(凝固)温度Tmが夏期の外気温よりも十分低い温度である5℃付近のものを用いている。
そのため、ブライン温度がこの融解温度以下であるときはワックス44が凝固して体積を収縮する。これに対し、ブライン温度がこの融解温度よりも高いときはワックス44が融解して体積を膨張する。
第1ブライン出口33において第2弁体36に対向する部位にばね支持台座45が環状に形成され、このばね支持台座45と第2弁体36との間にコイル状のばね46が配置され、このばね46のばね力により第1、第2弁体35、36および円筒状ケース37の三者を図3の上方側へ押圧するようになっている。
図4は流路切替弁24のワックス44がタンク入口側ブラインの温度Taを感知して流路切替を行うこと、つまり、ワックス44により構成される感温部が蓄冷タンク23の入口側に配置されることを示している。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。図3(a)は流路切替弁24のワックス44と熱伝導関係に置かれるタンク入口側ブラインの温度Taがワックス44の融解温度Tmよりも高い温度に上昇して、ワックス44が融解している場合を示す。
この場合は、ワックス44の融解によりワックス44の体積が膨張するので、第1、第2弁体35、36および円筒状ケース37に図3下方への押し下げ力が作用する。
これにより、第1、第2弁体35、36がばね46のばね力に打ち勝って図3の下方へ変位するので、第1弁体35が第1弁座38から開離してタンクバイパス通路24aを開口し、第2弁体36が第2弁座39に圧接してタンク側通路24bを遮断(閉塞)する。従って、図3(a)の流路切替弁24はタンクバイパス流れの流路切替状態、すなわち、図2(a)の状態となる。
これに対し、図3(b)は図3(a)とは逆に、タンク入口側ブライン温度Taがワックス44の融解温度Tmよりも低い温度に低下して、ワックス44が凝固している場合を示す。この場合は、ワックス44の凝固によりワックス体積が収縮するので、ばね46のばね力により第1、第2弁体35、36および円筒状ケース37の三者が図3の上方側へ変位する。
これにより、第1弁体35が第1弁座38に圧接してタンクバイパス通路24aを遮断(閉塞)し、第2弁体36は第2弁座39から開離してタンク入口側通路24bを開口する。従って、図3(b)の流路切替弁24は非バイパス流れの流路切替状態、すなわち、図2(b)の状態となるので、ブラインが蓄冷タンク23内を通過して流れる。
上記は、タンク入口側ブライン温度Taの変化に基づくブライン流路の切替作動であるが、この流路切替作動を実際の空調使用条件と関連付けて次に説明する。
まず、最初に、夏期の炎天下に車両を長時間放置(駐車)した後における冷房始動時の作動を説明する。乗員の冷房始動操作に伴って圧縮機12の電磁クラッチ12aに通電され、電磁クラッチ12aが接続状態となるので、圧縮機12が作動する。これにより、冷凍サイクル10では低圧冷媒がブライン冷却用熱交換器15で蒸発してブラインの冷却作用を開始する。また、ブライン回路20では、電動ポンプ22を作動させて冷房用室内熱交換器25を含む閉回路内にブラインを循環させる。
このような冷房始動時の作動状態において、ブライン回路20の流路切替弁24は入口側ブライン温度Taに基づいて流路切替を行う。ここで、車両を炎天下に長時間放置した後における冷房始動時では、ブライン回路20においてブライン温度は蓄冷タンク23内部も含めて外気温相当の温度まで昇温している。
一方、ワックス44の融解温度は夏期の外気温よりも十分低い温度、例えば5℃付近に設定してあるので、図4に示す各部ブライン温度、すなわち、タンク入口側ブライン温度Ta、タンク内ブライン温度Tbおよびタンクバイパス出口合流部温度Tcがいずれも冷房始動時にワックス44の融解温度Tmより高くなっている。
なお、タンク入口側ブライン温度Taはタンクバイパス通路24aとタンク入口側通路24bとの分岐点よりも上流側の温度で、タンクバイパス出口合流部温度Tcは、タンクバイパス通路24aからのブラインとタンク出口側通路24cからのブラインとの合流部またはこの合流部よりも下流側のブライン温度である。
図5は上記各部のブライン温度Ta、Tb、Tcの変化を示すもので、図5の縦軸の上部は温度で、縦軸の下部は流路切替弁24の流路切替状態を示す。つまり、図5縦軸の「バイパス」は図2(a)、図3(a)に示すタンクバイパス流れ状態(タンクバイパス通路24aの開状態)を示し、図5縦軸の非バイパスは図2(b)、図3(b)に示す非バイパス流れ状態(タンク側通路24b、24cの開状態)を示す。図5の横軸は空調装置の冷房始動後の経過時間である。
図5では時刻t1において冷房運転が始動され、そのときに、各部ブライン温度Ta、Tb、Tcがいずれもワックス44の融解温度(凝固温度)Tmよりも高い温度に上昇している。このため、冷房始動時にワックス44が融解して体積膨張するので、流路切替弁24の流路切替状態が図2(a)、図3(a)に示すタンクバイパス流れの状態となる。
これにより、ブライン回路20においては、蓄冷タンク23内の蓄積ブラインを除いた量のブラインを循環することになるので、冷凍サイクル10のブライン冷却用熱交換器15においてブライン冷却熱負荷がタンク内蓄積ブラインの分だけ減少する。
その結果、ブライン冷却用熱交換器15によるブラインの冷却速度が上昇するので、冷房用室内熱交換器25に流入するブライン温度を、蓄冷タンク23内の蓄積ブラインを含む全量を循環する場合に比較して速やかに低下できる。これにより、冷房用室内熱交換器25にて低温ブラインにより冷却される室内吹出空気の温度を速やかに低下して、冷房応答性(クールダウン性能)を向上できる。
上記したタンクバイパス流れの状態が継続されると、ブライン回路20内のタンク入口側ブライン温度(弁感温部温度)Taが低下してワックス44の融解温度Tm以下に低下する(図5の時刻t2)。すると、ワックス44の凝固が開始されワックス44の体積が収縮するので、前述したようにばね46のばね力により第1、第2弁体35、36および円筒状ケース37の三者が図3の上方側へ押圧される。
これにより、図3(b)に示すように第1弁体35が第1弁座38に圧接してタンクバイパス通路24aを遮断(閉塞)し、第2弁体36は第2弁座39から開離してタンク側通路24bを開口する。従って、流路切替弁24は非バイパス流れの流路切替状態となり、蓄冷タンク23内を通過してブラインが流れる。
これにより、蓄冷タンク23内の高温ブラインが押し出され、その代わりに、ブライン冷却用熱交換器15で冷却された低温ブラインが蓄冷タンク23内に蓄積されていく。つまり、ブライン回路20の非バイパス流れを継続することにより、蓄冷タンク23内に低温ブラインを蓄積する蓄冷モードを実行できる。
図5の時刻t3に達すると、蓄冷タンク23内のブライン温度Tbがタンク入口側ブライン温度Taと同等の温度まで低下して蓄冷が完了する。この蓄冷完了時のタンク内ブライン温度Tbは例えば1℃程度の低温である。
ところで、車両エンジンの燃費改善等のために、信号待ち等の停車時に車両エンジンを自動的に停止する制御(エコラン制御)を採用するエコラン車が近年増加する傾向にあり、このエコラン車では車両エンジンの自動停止に伴って冷凍サイクル11の圧縮機12も停止してしまう。
本実施形態はこのようなエコラン車に適用されるものであって、図5の時刻t4は上記エコラン制御により圧縮機12が自動停止された時点を示す。この圧縮機12のエコラン停止時には冷凍サイクル11のブライン冷却機能が停止するが、時刻t4以後も、ブライン回路20内の低温ブラインを電動ポンプ22により冷房用室内熱交換器25に循環し、低温ブラインの持つ蓄冷熱量を冷房用室内熱交換器25にて放出することにより、車室内吹出空気の冷却作用を圧縮機12のエコラン停止時にも続行できる。つまり、エコラン停止時には低温ブラインの放冷モードを実行して車室内冷房を続行できる。
図5の時刻t4から時刻t5の間は、タンク入口側ブライン温度(弁感温部温度)Taがワックス44の融解温度Tmより低いので、流路切替弁24は非バイパス流れの流路切替状態となり、蓄冷タンク23内を通過してブラインが流れる。
このように圧縮機12のエコラン停止時に蓄冷タンク23内の低温ブラインをも冷房用室内熱交換器25に循環するので、蓄冷タンク23を設けない場合に比較してタンク容積分だけブライン量が増加することになる。
その結果、エコラン停止時に本実施形態におけるタンクバイパス出口合流部温度Tcの上昇度合いを、蓄冷タンク23を設けない場合のタンクバイパス出口合流部ブライン温度Tc’に比較して十分小さくできる。これにより、エコラン停止時における放冷冷房効果を長時間良好に維持できる。
そして、エコラン停止後、時間が経過すると、低温ブラインの放冷によりブライン温度が徐々に上昇し、時刻t5に到達すると、タンク入口側ブライン温度(弁感温部温度)Taがワックス44の融解温度Tmより上昇する。これにより、ワックス44の融解が開始され、ワックス44の体積が膨張するので、流路切替弁24は、図3(b)に示す非バイパス流れの流路切替状態から再度、図3(a)に示すバイパス流れの流路切替状態に切り替わる。
従って、これ以後は、ブライン回路20におけるブライン流れは蓄冷タンク23内をバイパスする流れに切り替わるので、タンク入口側ブライン温度Taおよびタンクバイパス出口合流部ブライン温度Tcの上昇度合いに比較して、タンク内ブライン温度Tbの上昇度合いを小さくできる。これにより、次回の蓄冷モードにおける蓄冷タンク23内の蓄冷を短時間で完了できる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、蓄冷タンク23の入口側ブライン温度Taをワックス44により感知して流路切替弁24の流路切替作用を行うようにしているが、第2実施形態では、図6に示すように蓄冷タンク23から流出した出口側ブラインの温度、すなわち、タンク内ブライン温度Tbをワックス44により感知して流路切替弁24の流路切替作用を行うようにしている。つまり、ワックス44により構成される感温部を蓄冷タンク23の出口側通路24cに配置している。
図7(a)(b)は第2実施形態による流路切替弁24の具体的構成を示しており、図3(a)(b)に対応する。図7(a)(b)に図3(a)(b)と同等部分に同一符号を付して、第2実施形態の相違点のみを以下説明する。
第2実施形態の流路切替弁24では、ハウジング部材31の一端側にブライン冷却用熱交換器15のブライン通路21の出口側に連通する第1ブライン入口32を設け、ハウジング部材31の他端側に、タンク出口側通路24cを介して蓄冷タンク23内に連通する第2ブライン入口50を設けている。
また、ハウジング部材31の一端側にて第1ブライン入口32と反対側の部位にブライン出口34を設けている。そして、ハウジング部材31内には、第1ブライン入口32をブライン出口34に連通させるタンクバイパス通路(主流通路)24aと、第2ブライン入口50をブライン出口34に連通させるタンク出口側通路24dとを設けている。
ハウジング部材31内において、タンク出口側通路24dの形成部位(第2ブライン入口50側の部位)に円筒状ケース37を配置している。第2実施形態では、この円筒状ケース37はハウジング部材31の内壁面に固定され、固定側部材をなす。
これに伴って、タンクバイパス通路24aを開閉する第1弁体35と、タンク出口側通路24dを開閉する第2弁体36とをピン部材43の軸方向に所定間隔を開けて一体に設けている。これにより、第2実施形態では、ピン部材43を可動部材として構成することになり、第1、第2弁体35、36とピン部材43が一体となって、図7の上下方向に変位するようになっている。
ばね46は第1弁体35とハウジング部材31のタンクバイパス通路24a側の壁面との間に配置され、第1、第2弁体35、36およびピン部材43を図7の下方側へ押圧する。
また、第2弁体36が図7(a)のように弁座39に圧接してタンク出口側通路24dを閉じるときにも小流量のブラインがタンク出口側通路24dを流れるようにするために、第2弁体36には小面積のブリードポート36aを設けている。
これにより、第2弁体36の閉弁時(図7(a))にも、感温部をなすワックス44の周囲に小流量のブライン流れを形成して、ワックス44の感温精度を確保できる。ブリードポート36aの代わりに、弁座39側に小面積の切り欠き部等の連通手段を設けて、第2弁体36が弁座39に対して全閉しない構成としてもよい。
第2実施形態によると、感温部であるワックス44が蓄冷タンク23の出口側通路24dに配置されているので、タンク内ブライン温度Tbがワックス融解温度Tm以下に低下するまでの間、ワックス44は液体状態にあって体積が膨張している。
このため、Tb>Tmのときは図7(a)に示すようにワックス44の体積膨張によりピン部材43がばね46のばね力に抗して押し上げられ、第1弁体35がタンクバイパス通路24aを開口し、一方、第2弁体36は弁座39に圧接してタンク出口側通路24dを閉塞する。但し、タンク出口側通路24dは常開のブリードポート36aにより小面積の連通状態が維持される。
これに対し、Tb≦Tmのときはワックス44が凝固して体積が収縮するので、ばね46のばね力によって第1弁体35がピン部材43および第2弁体36と一体になって図7(b)に示すように下方へ押し下げられ、第1弁体35がタンクバイパス通路24aを閉塞し、第2弁体36がタンク出口側通路24dを開口する。
図8は第2実施形態の作動を示すもので、図5に対応する。第2実施形態においても、冷房始動時にTb>Tmの関係にあるときは、流路切替弁24が図7(a)に示すタンクバイパス流れの状態となるので、ブライン回路20においては、蓄冷タンク23内の蓄積ブラインを除いた量のブラインを循環することになる。
これにより、ブライン冷却用熱交換器15によるブラインの冷却速度が上昇するので、冷房始動時の冷房応答性(クールダウン性能)を向上できる。また、エコラン停止時には、蓄冷タンク23内の低温ブラインの蓄冷熱を含む全ブラインの蓄冷熱を利用して放冷冷房を実行できる。
ただ、第2実施形態によると、冷房始動後、タンク内ブライン温度Tbがワックス融解温度Tm以下に低下するまでの間(図8の時刻t1〜t6の間)、流路切替弁24がバイパス流れの状態(図7(a)の状態)を維持する。
従って、この間は、ブライン冷却用熱交換器15からの低温ブラインが蓄冷タンク23内に流入しないので、蓄冷タンク23に対する蓄冷モードの開始時期が第1実施形態に比較して時刻t3→時刻t6へ遅れる。このことは、蓄冷タンク23内の低温ブラインの蓄冷熱を含む全ブラインの蓄冷熱を利用した放冷冷房の利用可能な時期が第1実施形態より遅れることになる。
(第3実施形態)
第1、第2実施形態では、流路切替弁24を三方弁タイプに構成して、1つの流路切替弁24によりタンクバイパス通路(主流通路)24aとタンク側通路(タンク分岐通路)24b〜24dの両方を開閉するようにしているが、第3実施形態では、図9に示すように、タンクバイパス通路24aとタンク側通路24b、24cをそれぞれ開閉する第1、第2流路切替弁241、242を独立に構成している。
図10(a)(b)は第1流路切替弁241の具体的構成を示すもので、第1流路切替弁241は第1実施形態の流路切替弁24と同様に、弁体35を円筒状ケース371と一体に構成して、弁体35と円筒状ケース371の両者を図10(a)(b)の上下方向に一体に変位させる構成になっている。従って、ピン部材431はハウジング部材311に固定される固定側部材になっている。
なお、袋部材401、取付板411、シール材421およびワックス441は、第1実施形態の袋部材40、取付板41、シール材42およびワックス44と同一構成でよい。
ハウジング部材311の内壁面と弁体35との間にばね461を配置し、このばね461のばね力により弁体35および円筒状ケース371を図10の上方側(閉弁方向)へ押圧するようになっている。
バイパス通路51はハウジング部材311のブライン入口321とブライン出口341との間を小面積で常時連通するようにタンクバイパス通路24aの弁体35部分と並列に設けられている。従って、図10(b)に示すように、弁体35の閉弁時においても、ブライン入口321からバイパス通路51を通過してブライン出口341へ向かうブライン流れを形成できる。
これにより、弁体35の閉弁時にも感温部をなすワックス441にブライン入口321からのブライン流れの熱を常時伝導でき、ワックス441の感温精度を確保できる。
図10(a)は入口側ブライン温度Ta>ワックス441の融解温度Tm1という条件を満たすブライン高温時の状態を示しており、このブライン高温時にはワックス441が融解してワックス体積が膨張するので、弁体35および円筒状ケース371がばね461のばね力に抗して押し下がられる。
これにより、弁体35が弁座38から開離してタンクバイパス通路24aを開口するので、ブライン入口321のブラインがタンクバイパス通路24aを通過してブライン出口341へ向かう。
図10(b)は入口側ブライン温度Ta≦ワックス441の融解温度Tm1という条件を満たすブライン低温時の状態を示しており、このブライン低温時にはワックス441が凝固してワックス体積が収縮するので、弁体35および円筒状ケース371がばね461のばね力により押し上げられる。
これにより、弁体35が弁座38に圧接してタンクバイパス通路24aを閉塞するので、ブライン入口321からタンクバイパス通路24aを通過してブライン出口341へ向かうブライン流れを遮断する。
図11(a)(b)は第2流路切替弁242の具体的構成を示すもので、第2流路切替弁242は上記第1流路切替弁241の構成を上下逆転して配置した構成に相当している。すなわち、ばね462を弁体36の上方側に配置して、ばね461のばね力により弁体36および円筒状ケース372を図示下方へ押し下げて、弁体36を弁座39から開離させるようになっている。
ピン部材432はハウジング部材312の底部に固定されている。なお、袋部材402、取付板412、およびシール材422は上記袋部材401、取付板411、およびシール材421と同一構成でよい。
但し、第2流路切替弁242のワックス442の融解温度Tm2は、第1流路切替弁241のワックス441の融解温度Tm1よりも所定温度だけ高くしてある(Tm2>Tm1)。例えば、Tm1=5℃、Tm2=15℃である。
これにより、図12に示すように、ブライン入口321、322からのタンク入口側ブライン温度Taの変化に対して、第1流路切替弁241のタンクバイパス側開閉時期が低温側に設定され、第2流路切替弁242のタンク側開閉時期が高温側に設定される。
また、バイパス通路52は上記バイパス通路51と同じ役割を果たすもので、ハウジング部材312のブライン入口322とブライン出口342との間を小面積で常時連通する。
図11(a)は入口側ブライン温度Ta>ワックス442の融解温度Tm2という条件を満たすブライン高温時の状態を示しており、このブライン高温時にはワックス442が融解してワックス体積が膨張するので、弁体36および円筒状ケース372がばね462のばね力に抗して押し上げられる。
これにより、弁体36が弁座39に圧接してタンク入口側通路24bを閉塞するので、ブライン入口322からブラインがタンク入口側通路24bを通過してブライン出口342、蓄冷タンク23へ向かうことが阻止される。
図11(b)は入口側ブライン温度Ta≦ワックス442の融解温度Tm1という条件を満たすブライン低温時の状態を示しており、このブライン低温時にはワックス442が凝固してワックス体積が収縮するので、弁体36および円筒状ケース372がばね462のばね力により押し下げられる。
これにより、弁体36が弁座39から開離してタンク入口側通路24bを開口するので、ブライン入口322からブラインがタンク入口側通路24bを通過してブライン出口34、蓄冷タンク23へ向かって流れる。
図13は第3実施形態による各部ブライン温度Ta、Tb、Tcの変化と第1、第2流路切替弁241、242の開閉作動の関係を示すもので、図5および図8に対応する。図13の横軸の時刻t1、t3、t4における作動は図5および図8と同じである。
そして、第1流路切替弁241のワックス441の融解温度Tm1と第2流路切替弁242のワックス442の融解温度Tm2との関係を前述のようにTm2>Tm1の関係に設定してるから、冷房始動後、タンク入口側ブライン温度Taが第2流路切替弁242のワックス442の融解温度Tm2以下に低下する時刻t7の時点で、第2流路切替弁242が閉弁状態(図11(a)の状態)から開弁状態(図11(b)の状態)に向かって切替作動を先に開始する。
そして、タンク入口側ブライン温度Taが更に第1流路切替弁241のワックス441の融解温度Tm1まで低下する時刻t8の時点で、第1流路切替弁241が開弁状態(図10(a)の状態)から閉弁状態(図10(b)の状態)に向かって切替作動を遅れて開始する。
従って、時刻t7と時刻t8との間では、両切替弁241、242が同時に開弁する状態が設定される。このため、タンクバイパス通路(主流通路)24aにおける低温ブラインの流れを維持しながら、タンク入口側通路24bを通して蓄冷タンク23内へ低温ブラインを流入させる。
このとき、タンクバイパス通路24aはしばらくの間全開状態を維持するので、低温ブラインの主流がタンクバイパス通路24aを流れ、低温ブラインの一部が蓄冷タンク23内へ流入する。このため、第2流路切替弁242の開弁に伴って、蓄冷タンク23内の高温ブラインがタンク出口側通路24cへ一度にまとまって押し出されることがない。
この結果、第2流路切替弁242の開弁直後にタンクバイパス出口合流部温度Tcが急上昇することを抑制できる。因みに、第1、第2実施形態では、流路切替弁24の流路切替直後(図5の時刻t2および図8の時刻t6)に、タンクバイパス出口合流部温度Tcが急上昇する現象が生じるが、第3実施形態ではこの現象を抑制できるので、冷房用室内熱交換器25の吹出空気温度を良好に制御できる。
図13において、時刻t4は圧縮機12のエコラン制御停止時点であり、圧縮機12の停止によりタンク入口側ブライン温度Taが徐々に上昇し、時刻t9の時点でタンク入口側ブライン温度Taが第1流路切替弁241のワックス441の融解温度Tm1より高くなると、第1流路切替弁241が閉状態から開状態に向かって切替作動を先に開始する。そして、第1流路切替弁241が開状態に切り替わった後に、時刻t10の時点でタンク入口側ブライン温度Taが第2流路切替弁242のワックス442の融解温度Tm2より高くなると、第2流路切替弁242が開状態から閉状態に向かって切替作動を遅れて開始する。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のごとく種々変形可能である。
(1)上述の第3実施形態では、第1流路切替弁241および第2流路切替弁242の感温部位置、すなわち、ワックス441、442の位置をタンク入口側に設定しているが、第2実施形態のように、第1流路切替弁241および第2流路切替弁242のワックス441、442の位置をタンク出口側に設定してもよい。
(2)上述の実施形態では、蓄冷タンク23をブライン冷却用熱交換器15のブライン出口側と冷房用室内熱交換器25のブライン入口側との間に配置しているが、蓄冷タンク23を冷房用室内熱交換器25のブライン出口側とブライン冷却用熱交換器15のブライン入口側との間に配置してもよい。
この場合に、蓄冷タンク23が大気均圧弁を有する大気開放型のタンク構造である場合は、この大気開放型の蓄冷タンク23を電動ポンプ22の吸い込み直前位置に配置することにより、電動ポンプ22に負圧部分が生じることを防止でき、電動ポンプ22のキャビテーションを防止できる。
(3)蓄冷タンク23を魔法瓶構造による断熱性の高い構造とすれば、蓄冷タンク23の低温ブラインが周辺雰囲気から吸熱する熱ロスを低減できる。そのため、蓄冷タンク23の容積を小型化できる。
(4)蓄冷タンク23内部に、凝固点が低温ブラインの温度よりも高い蓄冷材を設定すれば、蓄冷材の凝固潜熱を利用して蓄冷熱量を増加できる。そのため、蓄冷タンク23の容積を小型化できる。このような蓄冷材としては、パラフィン系蓄冷材をカプセル内に封入した構成のものが好適である。
(5)上述の実施形態では、室内空調ユニット27内に冷房用室内熱交換器25と暖房用室内熱交換器29とを配置しているが、1つの室内熱交換器に低温ブラインと高温の温水とを切替弁によって切替導入できるようにすれば、1つの室内熱交換器にて冷房機能と暖房機能の両方を発揮できる。
(6)上述の実施形態では、本発明を車両用ブライン式空調装置に適用した例について説明したが、本発明は車両用以外の用途においても同様に実施できる。
本発明の第1実施形態を示す冷凍サイクル、ブライン回路および室内空調ユニットを含む全体システム図である。 図1のブライン回路におけるブライン流れ切替機構の説明図である。 第1実施形態の流路切替弁を例示する半断面図を含む要部ブライン回路図である。 第1実施形態の流路切替弁の感温部位置を示す要部ブライン回路図である。 第1実施形態の作動説明図である。 第2実施形態の流路切替弁の感温部位置を示す要部ブライン回路図である。 第2実施形態の流路切替弁を例示する半断面図を含む要部ブライン回路図である。 第2実施形態の作動説明図である。 第3実施形態の第1、第2流路切替弁の感温部位置を示す要部ブライン回路図である。 第3実施形態の第1流路切替弁を例示する半断面図を含む要部ブライン回路図である。 第3実施形態の第2流路切替弁を例示する半断面図を含む要部ブライン回路図である。 第3実施形態の第1、第2流路切替弁の開閉特性図である。 第3実施形態の作動説明図である。
符号の説明
10…冷凍サイクル、11…エンジンルーム、15…ブライン冷却用熱交換器、
20…ブライン回路、23…蓄冷タンク(ブラインタンク)、
24、241、242…流路切替弁、24a…タンクバイパス通路、
24b、24c…タンク側通路、25…冷房用室内熱交換器、26…車室内、
27…室内空調ユニット、35、36…弁体、
44、441、442…ワックス(感温部材)。

Claims (8)

  1. ブライン冷却用熱交換器(15)を有する冷凍サイクル(10)と、
    前記ブライン冷却用熱交換器(15)にて冷却されたブラインを循環するブライン回路(20)とを備え、
    前記ブライン回路(20)には、
    前記ブラインによって室内吹出空気を冷却する冷房用室内熱交換器(25)と、
    前記ブラインを蓄積するタンク(23)と、
    前記ブラインが主に前記タンク(23)をバイパスして流れるバイパス流れと、前記ブラインが主に前記タンク(23)を通過して流れる非バイパス流れとを切り替えるブライン流れ切替手段(24、241、242)とが設けられ、
    更に、前記ブライン流れ切替手段(24、241、242)は、ブライン温度の変化に応答して体積が変化する感温部材(44、441、442)と、前記感温部材(44、441、442)の体積変化に応答して前記バイパス流れと前記非バイパス流れとの切替を行う弁体(35、36)とを有していることを特徴とするブライン式空調装置。
  2. 前記ブライン流れ切替手段(24)は、前記バイパス流れを形成するタンクバイパス通路(24a)と、前記非バイパス流れを形成するタンク側通路(24b〜24d)とを有し、
    前記弁体として、前記タンクバイパス通路(24a)を開閉する第1弁体(35)と前記タンク側通路(24b〜24d)を開閉する第2弁体(36)とを設け、
    前記感温部材として、前記第1弁体(35)および前記第2弁体(36)の両方を連動して変位させる共通の感温部材(44)を設けることを特徴とする請求項1に記載のブライン式空調装置。
  3. 前記ブライン流れ切替手段は、前記バイパス流れを形成するタンクバイパス通路(24a)を開閉する第1流路切替弁(241)と、前記非バイパス流れを形成するタンク側通路(24b〜24d)を開閉する第2流路切替弁(242)とから構成され、
    前記第1流路切替弁(241)および前記第2流路切替弁(242)に、それぞれ前記感温部材(441、442)および前記弁体(35、36)が独立に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のブライン式空調装置。
  4. 前記ブライン温度が高温側から低温側へ変化する過程において前記第1流路切替弁(241)が開状態から閉状態に変化するとともに、前記第2流路切替弁(242)が閉状態から開状態に変化するようになっており、
    前記第1流路切替弁(241)が開状態から閉状態に変化する時のブライン温度よりも前記第2流路切替弁(242)が閉状態から開状態に変化する時のブライン温度の方が高いことを特徴とする請求項3に記載のブライン式空調装置。
  5. 前記ブライン温度が高温側から低温側へ変化する過程において前記第1流路切替弁(241)では前記感温部材(441)が凝固して体積が収縮することにより開状態から閉状態に変化し、また、前記第2流路切替弁(242)では前記感温部材(441)が凝固して体積が収縮することにより閉状態から開状態に変化するようになっており、
    前記第1流路切替弁(241)における前記感温部材(441)の凝固温度よりも前記第2流路切替弁(242)における前記感温部材(441)の凝固温度の方を高くしたことを特徴とする請求項4に記載のブライン式空調装置。
  6. 前記感温部材(44、441、442)が前記タンク(23)の入口側ブラインの温度に応答して体積を変化するようになっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のブライン式空調装置。
  7. 前記感温部材(44、441、442)が前記タンク(23)の出口側ブラインの温度に応答して体積を変化するようになっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のブライン式空調装置。
  8. 前記冷凍サイクル(10)および前記ブライン回路(20)は車両に搭載され、前記冷房用室内熱交換器(25)により車室内へ吹き出す空気を冷却することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のブライン式空調装置。
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