JP2006035181A - アルカリ性廃棄物用処理剤およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】飛灰等のアルカリ性廃棄物の処理に適した、従来のアルカリ性廃棄物用処理剤に比較して取り扱い性に優れるアルカリ性廃棄物処理剤を提供すること。
【解決手段】[1]アルコール発酵液を蒸留することにより、前記アルコール発酵液を蒸留成分および蒸留残渣成分に分離した後、前記蒸留残渣成分を蒸留することにより前記蒸留残渣成分に含まれる揮発成分を液体として回収して得られるアルカリ性廃棄物用処理剤。
[2]アルカリ性廃棄物用処理が飛灰であることを特徴とする、上記[1]に記載のアルカリ性廃棄物用処理剤。
【選択図】なし

Description

本発明はアルカリ性廃棄物用処理剤およびその用途に関する。
家庭や工場等から出た一般廃棄物および産業廃棄物等は通常焼却処分されるか、あるいは適切な処理がなされた後に埋め立て処分される。前記一般廃棄物および産業廃棄物等を焼却処分した場合には、その中に塩素分等を含む場合には塩化水素ガス等の有害ガスが発生する。この有害ガスの発生を抑えることを目的として、前記一般廃棄物および産業廃棄物等を焼却する際には焼却炉の排ガスを消石灰等のアルカリ性物質で処理することが通常行われる。このため焼却処理後に得られた飛灰等は通常強いアルカリ性を示す。
前記飛灰等に代表されるアルカリ性廃棄物は環境に対する負荷が大きいことからそのままでは埋め立て等の処分に付することができない。このため、前記アルカリ性廃棄物を処理することを目的として、前記アルカリ性廃棄物に対し硫酸アルミニウム等のアルカリ性廃棄物用処理剤が使用されている(特許文献1)。
しかしながら、硫酸アルミニウム等のアルカリ性廃棄物用処理剤は粘度が高い等、その取り扱い性に問題があった。
特開2004−008904
本発明の目的は、取り扱い性に優れるアルカリ性廃棄物用処理剤を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、蒸留酒を製造した後に得られる蒸留廃液に含まれる揮発成分を回収して得られる液体が低粘度であり、アルカリ性廃棄物用処理剤として取り扱い性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]アルコール発酵液を蒸留することにより、前記アルコール発酵液を蒸留成分および蒸留残渣成分に分離した後、前記蒸留残渣成分を蒸留することにより前記蒸留残渣成分に含まれる揮発成分を液体として回収して得られるアルカリ性廃棄物用処理剤を提供するものであり、
[2]前記[1]に記載のアルカリ性廃棄物用処理剤と、アルカリ性廃棄物とを混合することを特徴とするアルカリ性廃棄物の処理方法を提供するものであり、
[3]更に重金属安定剤を含むことを特徴とする、前記[1]に記載のアルカリ性廃棄物の処理方法を提供するものであり、
[4]前記アルカリ性廃棄物が飛灰であることを特徴とする、前記[1]に記載のアルカリ性廃棄物用処理剤を提供するものであり、
[5]アルコール発酵液を蒸留することにより、前記アルコール発酵液を蒸留酒および蒸留廃液に分離した後、前記蒸留廃液を蒸留することにより前記蒸留廃液に含まれる揮発成分を液体として回収することを特徴とするアルカリ性廃棄物用処理剤の製造方法を提供するものである。
本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤は、従来の硫酸アルミニウム等のアルカリ性廃棄物用処理剤に比較して、粘度が低く取り扱い性に優れる。
本発明は前記の通りアルカリ性廃棄物用処理剤に関するものであるが、まず最初に本発明に使用するアルコール発酵液について説明する。
本発明に使用するアルコール発酵液は、一般にはもろみ等と呼ばれるものであり、アルコール、水等の液体成分と、酵母等の微生物類や果実、穀物等に由来する固体成分とを含むものである。
この様なアルコール発酵液としては、例えば、具体的にはワイン類を製造する際に得られる果実等を原料とする発酵物類、清酒類、ウイスキ類、ウオッカ類、ジン類、焼酎類等を製造する際に得られる穀物等を原料とする発酵物類、ラム類等を製造する際に得られるサトウキビ等を原料とする発酵物類、テキーラ類等を製造する際に得られる竜舌蘭等を原料とする発酵物類等を挙げることができる。
前記穀物類の具体例としては、例えば、米、芋、麦、黒糖、蕎麦、栗、胡麻等を挙げることができる。
本発明に使用するアルコール発酵液は、上記発酵物類の中でも穀物類を原料とする発酵物類が好ましく、黒糖を原料とする発酵物が取り扱い性の面からさらに好ましい。
なお、本発明においては、濾過等の操作により前記発酵物類に含まれる固体成分を除去した後の液体成分を前記アルコール発酵液として使用してもよい。
次に本発明に使用する蒸留残渣成分について説明する。
本発明に使用する蒸留残渣成分は、前記アルコール発酵液を蒸留により蒸留成分および蒸留残渣成分に分離し、前記アルコール発酵液から蒸留成分を除去することにより得ることができる。
前記蒸留は、例えば、図1に示した装置により実施することができる。図1の投入口7よりアルコール発酵液を蒸留釜3に投入した後、蒸留釜3の外部ジャケット9に熱媒体を循環させる等の操作により蒸留釜3を加熱することにより、アルコール発酵液に含まれる蒸留成分を気化させ、蒸留塔8から冷却管11を経てこの蒸留成分を回収することができる。前記蒸留残渣成分は排出口10から回収することができる。
前記蒸留は、例えば蒸留釜3を用いて実施する場合には、その内部の液温が60〜110℃の範囲となるように通常実施される。
また前記蒸留は常圧下で実施してもよいし減圧下に実施してもよい。減圧下に実施する
際は、その圧力は通常は70〜90kPaの範囲である。
前記蒸留は、例えば、アルコール発酵液を一度蒸留釜3に投入した後、アルコール発酵液を蒸留釜3に追加しないで一度だけ蒸留する等の単式蒸留操作により実施してもよいし、また例えば、アルコール発酵液を一度蒸留釜3に投入した後、蒸留釜3にアルコール発酵液を逐次追加しながら蒸留する等の連続蒸留操作により実施してもよい。
前記蒸留は、通常は前記蒸留成分に含まれるアルコール含量が20%以下となったときに終了することができる。前記蒸留は前記蒸留成分に含まれるアルコール含量が15%以下、さらに好ましくは10%以下となったときに蒸留を終了することが好ましい。
なお前記蒸留成分に含まれるアルコール含量の測定は、例えば、ガスクロマトグラフ法により、アルコール含量が既知である標準液のクロマトグラムと、前記蒸留成分のクロマトグラムとを比較する等の分析方法により決定することができる。
次に本発明に使用される、前記蒸留残渣成分に含まれる揮発成分を回収した液体について説明する。
本発明に使用される前記液体は、前記蒸留残渣成分を蒸留し、その中に含まれる揮発分を回収することにより得ることができる。
この蒸留は、例えば図2に示した装置により実施することができる。図2に例示される様に、投入口5より前記蒸留残渣成分を貯蔵タンク1に一度貯めておいた後、蒸留釜3へ配管6を通じて移送装置2により、前記蒸留残渣成分を移送する。次に蒸留釜3の外部ジャケット9に熱媒体を循環させる等の操作により蒸留釜3を加熱し、前記蒸留残渣成分に含まれる揮発成分を気化させ、蒸留塔8から冷却管11を経てこの揮発成分を回収することにより前記液体を得ることができる。前記液体は、例えば、配管12を経てタンク4に貯蔵しておき、このタンク4から得ることができる。
この蒸留は、通常蒸留釜3内部の液温が60〜110℃の範囲となるように実施される。また前記蒸留は常圧下で実施してもよいし減圧下に実施してもよい。減圧下に実施する際は、その圧力は通常は70〜90kPaの範囲である。
この蒸留は、例えば、図2に示した装置で実施する場合には、前記蒸留残渣成分を一度蒸留釜3に投入した後、前記蒸留残渣成分を蒸留釜3に追加しないで一度だけ蒸留する等の単式蒸留操作により実施してもよいし、また例えば、前記蒸留残渣成分を一度蒸留釜3に投入した後、蒸留釜3に前記蒸留残渣成分を逐次追加しながら蒸留する等の連続蒸留操作により実施してもよい。
この蒸留は、通常は、得られた前記液体の取り扱い性の面から前記蒸留残渣成分の体積が1/5〜1/20の範囲となるように実施されるのが好ましく、この体積が1/8〜1/12の範囲となるように実施されるとさらに好ましい。
次に本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤について説明する。
本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤は前記液体からなるものである。
前記液体は、水分および有機分からなるものであるが、前記有機分としては、例えば、エタノール等のアルコール類、酢酸等の有機酸類、エステル類等を挙げることができる。前記有機分は一種または二種以上からなるものであってもよい。
前記液体は、アルカリ性廃棄物用処理剤として水分を93〜99%および有機分を1〜7%含むものが好ましい。また、前記液体をアルカリ性廃棄物と混合した後に、この混合物の状態を目視により簡単に識別することを可能とするため、前記液体は25℃の温度下において無色透明の液体であることが好ましい。
前記液体の粘度は、取り扱い性の観点から、0.1〜10mPa・sの範囲にあることが好ましく、1〜5mPa・sの範囲であればさらに好ましい。
次に本発明に使用する前記アルカリ性廃棄物について説明する。
本発明に使用する前記アルカリ性廃棄物としては、例えば、アルミ製造の際に排出される、ボーキサイト等の原料を水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質で処理したアルミン酸ナトリウム等を含む廃液や赤泥等の沈殿物等、半導体製造の際に排出されるアルカリ性エッチング液等、一般廃棄物および産業廃棄物を焼却した際に排出される飛灰等を挙げることができる。中でも本発明に使用するアルカリ性廃棄物は飛灰が好ましい。
次に本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤の使用方法について説明する。
本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤の使用方法としては、例えば、前記アルカリ性廃棄物用処理剤と前記アルカリ性廃棄物とを混合する方法等を挙げることができる。
これらを混合する方法としては、例えば、前記アルカリ性廃棄物が液体の場合には、前記アルカリ性廃棄物を貯蔵している反応槽に前記アルカリ性廃棄物用処理剤を撹拌しながら添加する方法、前記アルカリ性廃棄物用処理剤を貯蔵している反応槽に前記アルカリ性廃棄物を撹拌しながら添加する方法、反応槽へ前記アルカリ性廃棄物および前記アルカリ性廃棄物用処理剤を撹拌しながら添加する方法等を挙げることができる。
また例えば、前記アルカリ性廃棄物が固体の場合には、前記アルカリ性廃棄物に前記アルカリ性廃棄物用処理剤を添加する方法、前記アルカリ性廃棄物用処理剤に前記アルカリ性廃棄物を添加する方法等を挙げることができる。
前記アルカリ性廃棄物が固体の場合には、前記アルカリ性廃棄物と前記アルカリ性廃棄物用処理剤とを混ぜるために、ミキサ、ニーダ、ロール等の装置により両者を撹拌する等の操作を行なうことが好ましい。
また前記アルカリ性廃棄物が気体の場合、例えば粉塵状等の場合には、例えば、前記アルカリ性廃棄物に対し、前記アルカリ性廃棄物用処理剤をスプレーノズル等により霧状に添加する等の方法が挙げられる。
前記添加の操作は、連続的に実施しても良いし、二回もしくはそれ以上に分割して実施してもよい。
上記で説明した前記アルカリ性廃棄物用処理剤と前記アルカリ性廃棄物とを混合する方法等により、前記アルカリ性廃棄物を中和することができ、得られた混合物を安全に埋め立て処分等することができる。
また本発明に使用する前記アルカリ性廃棄物は重金属を含むものであってもよい。
前記重金属としては、例えば、具体的にはカドミウム、鉛、ヒ素、水銀、セレン、亜鉛、銅等を挙げることができる。
前記アルカリ性廃棄物が重金属を含む場合には、前記アルカリ性廃棄物用処理剤と前記アルカリ性廃棄物とを混合する際に、さらに重金属安定剤を添加することができる。
この様な重金属安定剤としては、例えば、キレート剤、セメント、鉄塩、硫化塩等を挙げることができる。
前記キレート剤としては、例えば、具体的にはジチオカルバミン酸およびこの塩等のカ
ルバミン酸系化合物類、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、アスパラギン酸二酢酸およびこれらの塩等の酢酸系化合物類、ピロリジン系硫黄化合物類、イミン系硫黄化合物類、リン酸エステル化合物類、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、ジチオ基、カルバミン酸基、チオール基等の一種もしくは二種以上の官能基を有する樹脂類等を挙げることができる。
前記セメントとしては、例えば、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、二酸化ケイ素、骨材等を含む混合物等を挙げることができる。
前記鉄塩としては、例えば、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄等を挙げることができる。
前記硫化塩としては、例えば、硫化ナトリウム等を挙げることができる。
重金属安定剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記アルカリ性廃棄物および前記アルカリ性廃棄物用処理剤を含む混合物ならびに前記アルカリ性廃棄物、重金属安定剤および前記アルカリ性廃棄物用処理剤を含む混合物は、その水素イオン濃度指数が8〜12の範囲であることが好ましく、9〜12の範囲であればより好ましく、10〜12の範囲であればさらに好ましい。
前記水素イオン濃度指数が8よりも小さい場合や12を超える場合には、前記混合物に含まれる重金属イオン等の有害物質が雨水、地下水、海水等により流失し易くなる傾向がある。
前記アルカリ性廃棄物および前記アルカリ性廃棄物用処理剤等を含む混合物の混合状態は、前記混合物の異なる場所から試料をサンプリングし、その水素イオン濃度指数を測定した結果を相互に比較することにより確認することができる。
なお水素イオン濃度指数を測定する方法は、例えば、昭和48年2月17日の環境庁告示第十三号に記載された方法に従って試料液を作成し、JIS K−0102に記載のガラス電極法に従って実施することができる。
前記アルカリ性廃棄物に対する前記アルカリ性廃棄物用処理剤の使用量は、前記アルカリ性廃棄物および前記アルカリ性廃棄物用処理剤等の混合物の水素イオン濃度指数により決定することができる。
例えば、あらかじめ一定重量の前記アルカリ性廃棄物をサンプリングしておき、このサンプルに対して前記アルカリ性廃棄物用処理剤を混合し、得られた混合物の水素イオン濃度指数を測定する。次に前記水素イオン濃度指数と前記アルカリ性廃棄物用処理剤の量との関係を調べておく。この関係から単位重量当たりの前記アルカリ性廃棄物に対し、どの程度の量の前記アルカリ性廃棄物用処理剤を混合すれば前記混合物の水素イオン濃度指数を8〜12の範囲とすることができるかを決定することができる。
次にアルカリ性廃棄物に前記重金属が含まれる場合において、本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤により、アルカリ性廃棄物に含まれる重金属を固定する方法について説明する。
本発明の前記アルカリ性廃棄物用処理剤は、この処理剤のみで、または先に説明した重金属安定剤と併用することにより、前記アルカリ性廃棄物に含まれる重金属を固定することができ、雨水、地下水、海水等による前記重金属の流失を防止することができる。
アルカリ性廃棄物に含まれる重金属を固定するためには、アルカリ性廃棄物およびアルカリ性廃棄物用処理剤等を混合するか、またはアルカリ性廃棄物、重金属安定剤およびアルカリ性廃棄物用処理剤等を混合すればよい。これらを混合する方法については先に説明したアルカリ性廃棄物およびアルカリ性廃棄物用処理剤を混合する場合と同様である。
アルカリ性廃棄物に含まれる重金属が固定化されたかどうかについては、前記アルカリ性廃棄物および前記アルカリ性廃棄物用処理剤等の混合物を用いて、例えば、昭和48年2月17日の環境庁告示第十三号に従って試料液を作成し、この試料液を用いてJIS K−0102に記載の発光分光分析法等の分析方法に従って重金属の定量分析を実施することにより確認することができる。
例えば、飛灰等のアルカリ性廃棄物に含まれる鉛等の重金属の溶出は、前記アルカリ性廃棄物80〜90重量%および前記アルカリ性廃棄物用処理剤10〜20重量%からなる混合物の場合であれば、前記アルカリ性廃棄物用処理剤を使用しない場合に比較して、1/5〜1/50に減少する。
また例えば、飛灰等のアルカリ性廃棄物に含まれる鉛等の重金属の溶出は、飛灰等のアルカリ性廃棄物77〜89重量%、重金属安定剤1〜3重量%および前記アルカリ性廃棄物用処理剤10〜20重量%からなる混合物の場合であれば、前記アルカリ性廃棄物用処理剤を使用しない場合に比較して、1/20〜1/10000に減少する。
本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤の使用により得られた処理済廃棄物としては、例えば、具体的には、前記アルカリ性廃棄物70〜90重量%および前記アルカリ性廃棄物用処理剤10〜30重量%を含む混合物、好ましくは前記アルカリ性廃棄物80〜90重量%および前記アルカリ性廃棄物用処理剤10〜20重量%を含む混合物等や、
前記アルカリ性廃棄物65〜94重量%、重金属安定剤1〜5重量%および前記アルカリ性廃棄物用処理剤5〜30重量%を含む混合物、好ましくは、前記アルカリ性廃棄物77〜89重量%、重金属安定剤1〜3重量%および前記アルカリ性廃棄物用処理剤10〜20重量%を含む混合物等を挙げることができる。
前記処理済廃棄物は、環境に対する負荷を低減するため、例えば、具体的には鉛が前記分析方法により0.3ppm未満のものが好ましい。
次に実施例によりさらに詳細に本発明について説明する。なお本発明は下記の実施例により限定されるものではない。
図1に示す蒸留装置により、黒糖を用いた発酵物を蒸留して、この発酵物を蒸留成分である黒糖焼酎と蒸留残渣成分に分離した。この蒸留残渣成分は水分が96重量%、有機分が4重量%であり、茶褐色に強く着色していた。次に図2に示す蒸留装置のタンク1に前記蒸留残渣成分を貯めておき、移送装置2により配管6を通じて前記蒸留残渣成分を蒸留釜3へ移送した。
蒸留釜3に設置されている外部ジャケット9に温度115℃の水蒸気を110kPaの圧力で吹き込み蒸留釜3を加温した。蒸留釜3内部の液の内温を90℃、蒸留釜3内部の圧力を83kPaとして蒸留を実施した。
前記蒸留残渣成分に含まれていた揮発分は、蒸留塔8を通って冷却管11で凝縮されて、液体として配管12を通って、タンク4に回収された。
蒸留釜3内部にある前記蒸留残渣成分の体積が蒸留開始前の体積を基準として1/10となった時点で蒸留を中止した。
上記の操作により得られた前記液体からなるアルカリ性廃棄物用処理剤は無色透明であり、室温下で水と良く似た性状であった。また前記処理剤からはアルコール臭、微かなエステル臭が感じられたが、不快臭、刺激臭等は感じられなかった。
得られたアルカリ性廃棄物用処理剤の物性を表1に示す。比較として、硫酸アルミニウ
ムの物性を表1に併せて記載した。
Figure 2006035181
なお、各物性値の測定方法は次の通りである。
・pH(水素イオン濃度指数):平成3年環境庁告示第46号に従い検液を作成し、JIS K0102 12.1の方法に従って測定した。
・比重:JIS Z8804の方法に従い、浮ひょうにより測定した。
・色度:上水試験方法に従い、透過光測定法により測定した。
・粘度:20℃の温度下で測定した。単位はmPa・sである。
・重金属含有量:平成3年環境庁告示第46号に従い検液を作成し、JIS K0102
の方法に従って測定した。
次に一般廃棄物焼却炉から回収した飛灰を用いて、前記アルカリ性廃棄物用処理剤と混合し、その混合物の水素イオン濃度指数の変化を調べた。この結果を表2に示す。
前記アルカリ性廃棄物用処理剤および前記飛灰からなる混合物の水素イオン濃度指数の変化は、水分を73重量%含む市販の硫酸アルミニウム水溶液および前記飛灰からなる混合物の水素イオン濃度指数の変化と同程度であった。
この硫酸アルミニウム水溶液および前記飛灰からなる混合物の水素イオン濃度指数を表2に示した。
Figure 2006035181
また、この硫酸アルミニウム水溶液の物性を表1に示した。
表2に示される通り、本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤の粘度は、表1に示される通りその粘度が硫酸アルミニウム水溶液のおよそ1/10であり、取り扱い性に優れる。
実施例1で得たアルカリ性廃棄物用処理剤、実施例1に用いた飛灰および重金属安定剤を用いて、表3に示す割合(重量%)によりこれらを混合して得られた混合物について、それぞれ鉛の溶出量を測定した。
重金属安定剤はジチオカルバミン酸基を官能基とする高分子系液体キレート剤(商品名重金属安定剤A-200、JFEエンジニアリング株式会社製)を用いた。
鉛の溶出量測定に際しては、昭和48年2月17日の環境庁告示第十三号に従って試料液を作成し、この試料液を用いて平成3年の環境庁告示第四六号に従って測定用の検液を調整し、この検液を用いてJIS K−0102に記載の発光分光分析法により実施した。
結果を表3に示す。
Figure 2006035181
本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤を用いることにより鉛の溶出を有効に抑えることができる。
本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤はその主成分が水分であるので粘度が低く、使用する際の取り扱い性に優れる。また蒸留酒等の飲料用製品を製造する際の生成物を原料とし
ており、安全性面においても人体に対して比較的毒性が低く取り扱い性に優れる。このため本発明のアルカリ性廃棄物用処理剤は各種アルカリ性廃棄物に対し広く活用することができる。また、本発明は従来海中に廃棄処分されたり、埋め立て処分されたりしていた前記生成物の有効利用に資するものであり、環境に対する負荷低減に寄与できるものである。
蒸留酒を製造するための蒸留装置を例示した模式図である。 アルカリ性廃棄物用処理剤を製造するための蒸留装置を例示した模式図である。
符号の説明
1、4 貯蔵タンク
2 移送装置
3 蒸留釜
5、7 投入口
6、12 配管
8 蒸留塔
9 外部ジャケット
10 排出口
11 冷却管

Claims (5)

  1. アルコール発酵液を蒸留することにより、前記アルコール発酵液を蒸留成分および蒸留残渣成分に分離した後、前記蒸留残渣成分を蒸留することにより前記蒸留残渣成分に含まれる揮発成分を液体として回収して得られるアルカリ性廃棄物用処理剤。
  2. 請求項1に記載のアルカリ性廃棄物用処理剤と、アルカリ性廃棄物とを混合することを特徴とするアルカリ性廃棄物の処理方法。
  3. 更に重金属安定剤を含むことを特徴とする、請求項2に記載のアルカリ性廃棄物の処理方法。
  4. 前記アルカリ性廃棄物が飛灰であることを特徴とする、請求項1に記載のアルカリ性廃棄物用処理剤。
  5. アルコール発酵液を蒸留することにより、前記アルコール発酵液を蒸留成分および蒸留残渣成分に分離した後、前記蒸留残渣成分を蒸留することにより前記蒸留残渣成分に含まれる揮発成分を液体として回収することを特徴とするアルカリ性廃棄物用処理剤の製造方法。


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