複数種類の車体を搬送台車に位置決め保持可能にするために、図28のようなシステムを採用した場合、位置決め保持予定の車体の種類毎に異なる構成の専用受け具を設ける必要があること、各専用受け具は大型であること、この専用受け具を複数の台車分準備する必要があること、新たな種類の車体を搬送台車に位置決め保持可能にするためには、その新たな車体に対応する専用受け具を別途製作する必要があること、等により、設備コストが非常に高価になる。しかも、専用受け具は大型であるため、複数の台車分の未使用の専用受け具を保管する保管スペースも非常に大きくなる。
次に、前記のように、搬送台車に装着された専用受け具を含む部位に付着した塗膜が、専用受け具と搬送台車との間に挟まり、専用受け具が搬送台車に適正に装着されなくなって、搬送台車への車体の位置決め精度が低下する虞があるが、それを未然に防止するために、専用受け具を含む部位の塗膜付着状態を把握することは難しい。つまり、位置決め精度が低下するのを簡単に確実に防ぐことは難しく、その結果、前記塗装不良やシール不良が起こる虞が高くなる。尚、作業者が目視により塗膜付着状態を把握することは難しくまた非常に煩雑である。
本発明の目的は、保持体に複数種類の被塗装物を確実に位置決め保持可能にし、設備コストを大幅に削減することができ、保持体への被塗装物の位置決め精度の低下を自動的に確実に防止することができ、被塗装物に対する塗装不良やシール不良が起こるのを確実に防止することができる、被塗装物の位置決め装置を提供することである。
請求項1の被塗装物の位置決め装置は、被塗装物を位置決め保持する為の保持体を備えた位置決め装置において、前記保持体に設けられ複数種類の被塗装物に対応する複数の受け部と、前記受け部に着脱可能に装着され且つ装着状態で被塗装物の所定部位を位置決めして受け止め可能な位置決め受け具と、前記保持体に位置決め保持予定の被塗装物の種類に応じた受け部に位置決め受け具をセットするように位置決め受け具を着脱するセット手段と、前記セット手段により受け部から位置決め受け具を取り外すときの操作力を検出可能な力センサと、前記力センサからの検出信号を受けて位置決め受け具を含む部位の塗膜付着状態を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
この被塗装物の位置決め装置では、保持体に被塗装物が位置決め保持され、この保持体によって搬送される被塗装物に塗装が施される。保持体には複数種類(サイズ・形状)の被塗装物を位置決め保持可能に構成され、そのために、保持体には複数種類の被塗装物に対応する複数の受け部が設けられ、この受け部に着脱可能に装着され且つ装着状態で被塗装物の所定部位を位置決めして受け止め可能な位置決め受け具が設けられている。そして、セット手段により、保持体に位置決め保持予定の被塗装物の種類に応じた受け部に位置決め受け具がセットされるように位置決め受け具が着脱される。
ここで、保持体に複数種類の被塗装物に対応する複数の受け部を設けたので、位置決め受け具を複数の受け部の何れに対しても着脱可能に共通に構成することができ、保持体に位置決め保持予定の被塗装物の種類毎に異なる構成の位置決め受け具を設ける必要がなく、保持体に対する位置決め受け具の装着位置の切り換えにより、保持体に複数種類の被塗装物を確実に位置決め保持することが可能になる。また、保持体によって搬送される被塗装物に塗装を施すと、保持体に装着された位置決め受け具を含む部位に塗料が付着し、その後の位置決め受け具の着脱の際に、その塗膜が新たに装着される位置決め受け具と受け部との間に挟まり、位置決め受け具が受け部に適正に装着されなくなって、保持体への被塗装物の位置決め精度が低下するという虞があるが、次のように解決できる。
つまり、力センサにより、セット手段により受け部から位置決め受け具を取り外すときの操作力が自動的に検出され、判定手段により、力センサからの検出信号を受けて位置決め受け具を含む部位の塗膜付着状態が自動的に判定される。例えば、力センサにより検出された操作力が設定範囲外になった場合に、判定手段により塗膜付着状態が異常であると判定され、この判定に基づいて、その判定対象となった位置決め受け具の清掃、この位置決め受け具が装着されていた受け部の清掃等の対策を施すことが可能になり、その結果、保持体への被塗装物の位置決め精度の低下を自動的に確実に防止することが可能になる。
本発明においては、次の構成を採用可能である。
前記力センサは、セット手段により受け部に位置決め受け具を装着するときの操作力を検出する(請求項2)。前記判定手段により塗膜付着状態が予め設定された判定レベルよりも悪いと判定された場合、前記セット手段は前記判定対象となった位置決め受け具を清掃するために搬出し、良品の位置決め受け具を受け部にセットするように作動する(請求項3)。前記判定対象となった位置決め受け具を清掃する為の第1清掃手段を設ける(請求項4)。前記セット手段は、判定手段により塗膜付着状態が予め設定された判定レベルよりも悪いと判定された場合に、その判定対象となった位置決め受け具が装着されていた受け部を清掃する第2清掃手段を有する(請求項5)。
前記受け部に着脱可能に装着され且つ装着状態でその受け部をカバーするカバー部材を設け、前記セット手段は、前記保持体に位置決め保持予定の被塗装物の種類に応じた受け部以外の受け部にカバー部材をセットするようにカバー部材を着脱し、前記力センサは、セット手段により受け部に対してカバー部材を着脱するときの操作力を検出すると共に、前記判定手段は、前記力センサからの検出信号を受けてカバー部材を含む部位の塗膜付着状態を判定する(請求項6)。
前記位置決め受け具は、複数の受け部に対して共通の形状に構成される(請求項7)。前記受け部は挿入孔を有し、前記位置決め受け具はこの挿入孔に挿入可能でその内周面に部分的に接する多角形状のピン部を有する(請求項8)。前記セット手段がロボットにより構成される(請求項9)。前記ロボットは、位置決め受け具とカバー部材とを保持可能でそれらの一方を受け部から取り外し他方を同受け部に装着可能なハンド部を有する(請求項10)。前記保持体は搬送台車に備えられ、前記被塗装物は車両の車体である(請求項11)。
請求項1の被塗装物の位置決め装置によれば、先ず、前記複数の受け部と位置決め受け具とセット手段を設けたので、位置決め受け具を複数の受け部の何れにも着脱可能に共通に構成することができ、保持体に対する位置決め受け具の装着位置の切り換えにより、保持体に複数種類の被塗装物を確実に位置決め保持することが可能になる。つまり、新たな種類の被塗装物を保持体に位置決め保持可能にする場合も含めて、保持体に位置決め保持予定の被塗装物の種類毎に異なる構成の位置決め受け具を設ける必要がなくなり、位置決め受け具の数を非常に低減でき、特に、複数の保持体(搬送台車等)を備えた塗装ラインに対して適用する場合、設備コストを大幅に削減することが可能になり、また、未使用の位置決め受け具を保管する保管スペースも非常に小さくできる。
しかも、力センサにより、セット手段により受け部から位置決め受け具を取り外すときの操作力を自動的に検出し、判定手段により、力センサからの検出信号を受けて位置決め受け具を含む部位の塗膜付着状態を自動的に判定して、例えば、力センサにより検出された操作力が設定範囲外になった場合に、判定手段により塗膜付着状態が異常であると判定し、この判定に基づいて、その判定対象となった位置決め受け具の清掃、この位置決め受け具が装着されていた受け部の清掃等の改善対策を施すことが可能になり、従って、塗膜が新たに装着される位置決め受け具と受け部との間に挟まり、位置決め受け具が受け部に適正に装着されなくなって、保持体への被塗装物の位置決め精度が低下するということを自動的に確実に防止することができ、その結果、塗装不良が起きることや、被塗装物である車体の接合されるパネル間をシールするシール材を塗布するような場合、シール不良が起きることを防止することができる。
請求項2の被塗装物の位置決め装置によれば、力センサは、セット手段により受け部に位置決め受け具を装着するときの操作力を検出するので、例えば、力センサにより検出された操作力が設定範囲外になった場合に、判定手段により塗膜付着状態が異常であると判定し、この判定に基づいて、前記改善対策を施すことが可能になり、保持体への被塗装物の位置決め精度の低下をより確実に防止することができる。
請求項3の被塗装物の位置決め装置によれば、判定手段により塗膜付着状態が予め設定された判定レベルよりも悪いと判定された場合、セット手段は前記判定対象となった位置決め受け具を清掃するために搬出し、良品の位置決め受け具を受け部にセットするように作動するので、前記判定対象となった位置決め受け具をそのまま使用し続けないようにして確実に清掃し、良品の位置決め受け具を受け部にセットして、保持体への被塗装物の位置決め精度の低下を確実に防止すように構成することができる。
請求項4の被塗装物の位置決め装置によれば、前記判定対象となった位置決め受け具を清掃する為の第1清掃手段を設けたので、この位置決め受け具を確実に清掃でき、その後、良品の位置決め受け具として使用することができる。
請求項5の被塗装物の位置決め装置によれば、セット手段は、判定手段により塗膜付着状態が予め設定された判定レベルよりも悪いと判定された場合に、その判定対象となった位置決め受け具が装着されていた受け部を清掃する第2清掃手段を有するので、前記判定対象となった位置決め受け具を受け部から取り外した後、その受け部を簡単に確実に清掃して、保持体への被塗装物の位置決め精度の低下を一層確実に防止できる。
請求項6の被塗装物の位置決め装置によれば、受け部に着脱可能に装着され且つ装着状態でその受け部をカバーするカバー部材を設け、セット手段は、保持体に位置決め保持予定の被塗装物の種類に応じた受け部以外の受け部にカバー部材をセットするようにカバー部材を着脱するので、先ず、保持体によって搬送される被塗装物に塗装が施される際に、未使用の受け部(つまり、カバー部材が装着された受け部)に塗料が付着することを確実に防止することができる。このカバー部材についても、複数の受け部の何れにも着脱可能に共通に構成することができるので、設備コスト的に有利になる。
しかも、力センサは、セット手段により受け部に対してカバー部材を着脱するときの操作力を検出すると共に、判定手段は、力センサからの検出信号を受けてカバー部材を含む部位の塗膜付着状態を判定して、例えば、力センサにより検出された操作力が設定範囲外になった場合に、判定手段により塗膜付着状態が異常であると判定し、この判定に基づいて、その判定対象となったカバー部材の清掃、このカバー部材が装着されていた受け部の清掃等の改善対策を施すことが可能になり、その結果、保持体への被塗装物の位置決め精度の低下を自動的により確実に防止することができる。
請求項7の被塗装物の位置決め装置によれば、位置決め受け具を、複数の受け部に対して共通の形状に構成したので、位置決め受け具を複数の受け部の何れにも装着可能になり、位置決め受け具の数を低減し、設備コストを大幅に削減し、未使用の位置決め受け具を保管する保管スペースも非常に小さくできる。
請求項8の被塗装物の位置決め装置によれば、受け部は挿入孔を有し、位置決め受け具はこの挿入孔に挿入可能でその内周面に部分的に接する多角形状のピン部を有するので、位置決め受け具を受け部に簡単に着脱することができ、位置決め受け具を受け部に装着する際の塗膜の噛み込みを極力防止することができる。
請求項9の被塗装物の位置決め装置によれば、セット手段をロボットにより構成したので、受け部に位置決め受け具やカバー部材をセットする着脱作業を全自動化できる。
請求項10の被塗装物の位置決め装置によれば、ロボットは、位置決め受け具とカバー部材とを保持可能でそれらの一方を受け部から取り外し他方を同受け部に装着可能なハンド部を有するので、受け部に位置決め受け具やカバー部材をセットする着脱作業を効率よく実行することができる。
請求項11の被塗装物の位置決め装置によれば、保持体は搬送台車に備えられ、被塗装物は車両の車体であるので、搬送台車に複数種類の車体を確実に位置決め保持可能にし、設備コストを大幅に削減することができ、搬送台車への車体の位置決め精度の低下を簡単に確実に防止することができる。
以下、本発明の実施例1について図1〜図24に基づいて説明する。
図1に示すように、車両(自動車)の塗装ライン1に沿って、コンベア2により複数の搬送台車3が順次搬送され、各搬送台車3に位置決め保持された車体4(図2参照)に塗装が施され、また、各車体2の接合されたパネル間の所定部位にシール材が塗布される。この塗装ライン1の上流部側の台車タイプ切り換えステーション5において、コンベア3の両側に、1対の受け具切り換えロボット6(以下、ロボット6という)と1対の第1清掃機7(第1清掃手段)と1対の受け具ラック8が対称に配置され、これらロボット6と第1清掃機7は制御装置9により制御される。
図1、図3〜図5に示すように、本発明の被塗装物の位置決め装置10は、被塗装物である車体4を位置決め保持する為の保持体に相当する搬送台車3と、搬送台車3に設けられ複数種類の車体4に対応する複数(例えば、9つ)の受け部11と、受け部11に着脱可能に装着され且つ装着状態で車体4の所定部位を位置決めして受け止め可能な位置決め受け具12と、受け部11に着脱可能に装着され且つ装着状態でその受け部11をカバーするカバー部材13とを備えている。
また、位置決め装置10は、搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じた受け部11に位置決め受け具12をセットするように位置決め受け具12を着脱すると共に、搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じた受け部11以外の受け部11にカバー部材13をセットするようにカバー部材13を着脱するするセット手段に相当する1対のロボット6と、各ロボット6により受け部11に対して位置決め受け具12を着脱するときの操作力とカバー部材13を着脱するときの操作力を検出する力センサ14と、力センサ14からの検出信号を受けて位置決め受け具12を含む部位とカバー部材13を含む部位の塗膜付着状態を判定する判定手段を構成する制御装置9と、制御装置9により塗膜付着状態が予め設定された判定レベルよりも悪いと判定された場合、この判定対象となった位置決め受け具12、カバー部材13を清掃して付着した塗膜を取り除く為のブラシ7aとブラシモータ7bとを有する1対の第1清掃機7とを備えている。
図2に示すように、車体4には、その前部に左右2つの位置決め穴4aが形成され、後部に左右2つの位置決め穴4bが形成され、これら4つの位置決め穴4a,4bに搬送台車3にセットされた4つの位置決め受け具12の位置決めピン32が夫々挿入された状態で、車体4が搬送台車3に位置決め保持される。搬送台車3には複数種類の車体4を位置決め保持可能に構成され、種類の異なる車体4については、前記4つの位置決め穴4a,4bの穴形成位置が異なっている。
図1、図3〜図5に示すように、搬送台車3は水平姿勢のフレーム構造に構成されて、コンベア2で移動駆動されるキャリッジ2aに連結支持されている。搬送台車3には、前部に左右の受け部取付板3aが設けられ、後部に左右の受け部取付板3aが設けられ、各受け取付板3aに、複数種類(例えば、3種類)の車体4に夫々対応する複数(例えば、3つ)の受け部11(11a〜11c)が設けられている。前側と後側の夫々の左側の受け部取付板3aの複数の受け部11と右側の受け部取付板3aの複数の受け部11とは左右対称に配置されている。
図3〜図8に示すように、複数の受け部11は全て共通の形状に構成され、各受け部11は、基台部20と、基台部20に立設された円筒状部21と、基台部20の下側に連結されたベース板部22とを有する保持具からなり、その基台部20とベース板部21が複数のボルトで受け部取付板3aに直接的に或いはスペーサ24を介して固定されている。搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じて、受け部11に対して適切な上下長のスペーサ24が適用される。
各受け部11において、円筒状部21と基台部20とに縦向きの挿入孔25が形成され、その挿入孔25のうち、円筒状部25の上端部分と基台部20の上端部分が同心且つ同径の平面視円形のピン摺動穴25a,25bに形成され、円筒状部21のピン摺動穴25aの下側部分が、ピン摺動部25a,25bよりも大径の中空穴25cに形成され、円筒状部21の上端部にはピン摺動穴25aに連なるテーパ状のピン案内面25dが形成されている。複数の受け部11は全て搬送台車3に常設される。
図5、図9〜図11に示すように、複数の位置決め受け具12は複数の受け部11に対して共通の形状に構成され、各位置決め受け具12は、基部30と、基部30の中央部から下方へ延びるピン部31と、ピン部31に対して側方へシフトした位置において基部30に立設された位置決めピン32と、ピン部31対して位置決めピン32と反対の側方へシフトした位置において基部30に設けられた1対の回り止め部33,34とを有する。
各位置決め受け具12において、ピン部31は受け部11の挿入孔25に挿入可能で、その挿入孔25のピン摺動穴25a,25bの内周面に部分的に接する多角形(四角形)状に形成され、その下端部はテーパ部に形成され、ピン部31が受け部11の挿入孔25に挿入され、基部30が受け部11の円筒状部21の上面に当接し、回り止め部33,34と受け部11の基台部20の側面同士が面接触して回り止めされた状態で、この位置決め受け具12が受け部11に装着された状態となる。1対の回り止め部33,34には、1対の縦向きのガイド孔33a,34aが貫通状に形成され、基部30の側端部には、1対の被把持部35が設けられている。搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じた複数(例えば、4つ)の受け部11に複数(例えば、4つ)の位置決め受け具12が装着されセットされる。
図5、図12〜図14に示すように、カバー部材13は、位置決め受け具12において、位置決めピン32とその取り付けに必要な部分を省略した構成であり、受け部11への装着状態も位置決め受け具12と同じである。即ち、各カバー部材13は、1対の把持部45が形成された基部40、ピン部41、1対のガイド孔43a,44aが夫々形成された1対の回り止め部43,44を有し、搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じた複数(例えば、4つ)の受け部11以外の複数(例えば、8つ)受け部11に複数(例えば、8つ)のカバー部材13が装着されセットされる。
図1に示すように、左右のロボット6は対称構造に構成され、左側のロボット6が、搬送台車3の左側の前側及び後側の複数の受け部11(左前側3つの受け部11a〜11cと、左後側3つの受け部11a〜11c)に対する位置決め受け具12とカバー部材13の着脱を担当し、右側のロボット6が、搬送台車3の右側の前側及び後側の複数の受け部11(右前側3つの受け部11a〜11cと、右後側3つの受け部11a〜11c)に対する位置決め受け具12とカバー部材13の着脱を担当する。制御装置9において、一方のロボット6を制御する制御データをミラー変換して他方のロボット6の制御に用いることができる。
図1、図15〜図17に示すように、各ロボット6は、位置決め受け具12とカバー部材13とを保持可能でそれらの一方を受け部11から取り外し他方を同受け部11に装着可能なハンド部50と、そのハンド部50の基端部側に組み込まれた力センサ14であって、このハンド部50により受け部11に対して位置決め受け具12を着脱するときの操作力とカバー部材13を着脱するときの操作力とを検出可能な力センサ14とを有する。
ハンド部50は、長板状の回動体52と、この回動体52の両端部に連結された1対の把持機構53とを備えている。この回動体52はその長さ方向中央部が回動軸となり、各把持機構53は、前記回動軸と平行に先端側へ延び且つ位置決め受け具12又はカバー部材13の1対の被把持部35又は45を夫々把持可能な1対の把持部材54と、これら把持部材54を前記可動軸と直交する方向へ互いに接近・離隔させるように駆動するアクチュエータ55と、前記回動軸と平行に先端側へ延び且つ位置決め受け具12又はカバー部材13の1対のガイド孔33a,34a又は43a,44aに夫々挿入可能な1対のガイド軸56とを有する。
図18〜図21に示すように、各把持機構53により位置決め受け具12を把持又は把持解除する動作は、主に、位置決め受け具12が受け部11に装着された状態で行われる。位置決め受け具12が所定姿勢にある状態で、ロボット6が作動して、把持機構53の1対のガイドピン56を位置決め受け具12の1対のガイド孔33a,34aに挿入せることができ、この状態で、位置決め受け具12に対して把持機構53が位置決めされ、1対の把持部材54がアクチュエータ55により接近駆動されて位置決め受け具11の1対の被把持部35を把持し、この状態から、1対の把持部材35がアクチュエータ55により離隔駆動されて位置決め受け具12の1対の被把持部35を把持解除する。尚、各把持機構53によりカバー部材13を把持又は把持解除する動作も同様である。
ここで、前記のように、ロボット6は、搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じた受け部11に位置決め受け具12をセットするように位置決め受け具12を着脱すると共に、搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じた受け部11以外の受け部11にカバー部材13をセットするようにカバー部材13を着脱するが、本実施例の場合、各ロボット6が担当する全ての受け部11に位置決め受け具12又はカバー部材13が装着された状態で、そのロボット6のハンド部50には、1対の把持機構53の一方でカバー部材13を把持し他方では何も把持していない状態となる。
図21の概略図に基づいて、各受け部取付板3aのセット位置Bの受け部11にセットされた位置決め受け具12をセット位置Aの受け部11にセットし直す場合について説明する。尚、▲が位置決め受け具12で■がカバー部材13である。先ず、(a)に示す状態から(b)に示すように、ハンド部50が移動して、何も把持していない把持機構53で受け部11に装着された位置決め受け具12を把持して受け部11から引き抜いて取り外し、次に、(c)に示すように、ハンド部50が鉛直軸心回りに180度回動してから、把持機構53で保持しているカバー部材13を受け部11に挿入して装着する。
この状態で、ハンド部50には、1対の把持機構53の一方で位置決め受け具12を把持し他方では何も把持されていない状態となり、次に、(d)に示すように、ハンド部50が移動して、何も把持していない把持機構53で受け部11に装着されたカバー部材13を把持して受け部11から引き抜いて取り外し、次に、(e)に示すように、ハンド部50が鉛直軸心回りに180度回動してから、把持機構53で保持している位置決め受け具12を受け部11に挿入して装着し、その後、(f)に示すように、ハンド部50が退避して完了する。
さて、力センサ14としては、ハンド部50に作用する力を3次元的に検出可能な歪みセンサが適用され、この力センサ14は制御装置9に電気的に接続され、制御装置9では、少なくとも受け部11に対して位置決め受け具12を着脱するときとカバー部材13を着脱するときに力センサ14で検出された検出信号に基づいて、位置決め受け具12を含む部位とカバー部材13を含む部位の塗膜付着状態を判定する。
制御装置9が行う塗膜付着状態の判定について図22に基づいて詳細に説明する。
尚、説明の便宜上、位置決め受け具12を受け部11に対して着脱する場合について記載するが、カバー部材13を受け部11に対して着脱する場合も同等である。但し、位置決め受け具12とカバー部材13の重量の違い(詳細には、位置決め受け具12の方がカバー部材13よりも重い)を加味して、後述の引き抜き異常判定レベル、挿入異常判定レベルについては、位置決め受け具12の場合とカバー部材13の場合とで異なるレベルとしてもよい。
図22は、力センサ14で検出される引っ張り力を縦軸に上向きを正にしてとり、ロボット6のハンド部50により位置決め受け具12を受け部11から引き抜いて取り外すときと、位置決め受け具12を受け部11に挿入して装着するときの力をグラフで描いたものである。前記のように、搬送台車3によって搬送される車体4に塗装が施されるため、この搬送台車3の受け部11、位置決め受け具12、それらの近傍に塗料が付着する可能性があり、その塗膜が影響を及ぼすと前記引っ張り力が変化する。
(A)は、受け部11、位置決め受け具12、それらの近傍に塗料が殆ど付着していない正常時のグラフを示している。この場合、受け部11に装着された位置決め受け具12を把持して引き抜いて取り外す際、先ず、受け部11の挿入孔25と位置決め受け具12のピン部31との間に作用する引き抜き抵抗により引っ張り力が増加し、受け部11から位置決め受け具12が分離すると引っ張り力が減少して安定する。尚、この引き抜き動作前と分離後の引っ張り力の差Faが位置決め受け具12の自重に相当する。
次に、把持した位置決め受け具12を受け部11に挿入して装着する際、先ず、多くは、位置決め受け具12のピン部31が受け部11のピン案内面25dに接触して挿入孔25に案内され、その誘い込み移動の抵抗により引っ張り力が少し減少し、その後、引っ張り力が増加して元の力に戻って安定し、位置決め受け具12を受け部11に装着完了すると、引っ張り力が減少して安定する。尚、この装着完了前と後の引っ張り力の差Fbが位置決め受け具12の自重に相当する。
さて、例えば、実験的に、受け部11、位置決め受け具12、それらの近傍に付着した塗料が、受け部11に位置決め受け具12(カバー部材13)を装着する際に、それらの間に挟み込まれ、搬送台車3に対する車体4の位置決め精度が低下する虞がある値に、(A)の正常時における引っ張り力の最大値(即ち、分離時)よりも高い値の引き抜き異常判定レベルと、(A)の正常時における引っ張り力の最小値(即ち、引き抜き前や挿入後)よりも低い値の挿入異常判定レベルとが予め設定されている。
(B)は、受け部11に装着された位置決め受け具12を含む部位に塗膜が異常に付着したときのグラフを示している。この場合、受け部11に装着された位置決め受け具12を把持して引き抜いて取り外す際、先ず、前記引き抜き抵抗に加えて、塗膜の抵抗(塗膜と受け部11、位置決め受け具12を分離する際の抵抗)により引っ張り力が大きく増加し、引き抜き異常判定レベルよりも大きくなる。こうして、制御装置9により、塗膜付着状態が引き抜き異常判定レベルよりも悪いと判定される。
(C)は、位置決め受け具12が装着されていない状態の受け部11を含む部位に塗膜が異常に付着したときのグラフを示している。この場合、把持した位置決め受け具12を受け部11に挿入して装着する際、前記誘い込み移動の抵抗により引っ張り力が少し減少し、その後、引っ張り力が増加して正常な場合は元の力に戻るが、受け部11の挿入孔25と位置決め受け具12のピン部31との間に塗膜が噛み込んで抵抗となり、引っ張り力が大きく減少し、挿入異常判定レベルよりも小さくなる。こうして、制御装置9により、塗膜付着状態が挿入異常判定レベルよりも悪いと判定される。
ここで、制御装置9により塗膜付着状態が予め設定された判定レベルよりも悪いと判定された場合、ロボット6は、この判定対象となった位置決め受け具12又はカバー部材13を第1清掃機7で清掃するために搬出し、良品の位置決め受け具12又はカバー部材13を受け部11にセットするように作動する。受け部11に位置決め受け具12又はカバー部材13を装着する際に異常判定となった場合には、その装着動作を中断して清掃のために搬出する。
第1清掃機7による位置決め受け具12又はカバー部材13の清掃については、ロボット6で位置決め受け具12又はカバー部材13を把持して自動的に行われるが、収納ラック8には、例えば、1又は複数の予備の位置決め受け具12、1又は複数の予備のカバー部材13が収納されている。これにより、前記清掃よりも、受け部11への位置決め受け具12又はカバー部材13の装着を優先的に行うことが可能になる。
つまり、前記判定対象となった位置決め受け具12又はカバー部材13を不良状態のまま収納ラック8に一時的に収納して、予備の位置決め受け具12又はカバー部材13に取り換えて、その良品の位置決め受け具12又はカバー部材13を受け部11に装着する。そして、例えば、受け部11への位置決め受け具12又はカバー部材13の着脱を行わないときに、収納ラック8に不良状態のまま一時的に収納された位置決め受け具12又はカバー部材13を第1清掃機7で清掃し、良品となった位置決め受け具12又はカバー部材13を予備として収納ラック8に収納しておく。
次に、搬送台車3に位置決め保持予定の被塗装物の種類に応じた受け部11に位置決め受け具をセットし且つその受け部11以外の受け部11にカバー部材13をセットするように位置決め受け具12とカバー部材13を着脱する、制御装置9によるロボット6の制御を含むセット位置切り換え動作について、図23、図24のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中のSi(i=1、2、3・・・)は各ステップを示す。
図23に示すように、先ず、搬送台車3が塗装ライン1の上流部側の台車タイプ切り換えステーション5に到着し(S1)、搬送台車3の所定のセット切り換え位置への位置決めが完了すると(S2)、その搬送台車3に対するIDチェックが行われ、搬送台車3の現在の台車タイプ(つまり、位置決め受け具12とカバー部材13のセット状態)が確認され(S3)、続いて、この搬送台車3の次の搭載車種タイプ(つまり、次の位置決め受け具12とカバー部材13の予定セット状態)が確認され(S4)、次に、現在の台車タイプと次の搭載車種タイプが一致しない場合(S5;No)、左側のロボット6による台車タイプ切り換え処理(S6)が実行され、これと並行して、右側のロボット6による台車タイプ切り換え処理(S7)が実行される。
図24に示すように、左側のロボット6による台車タイプ切り換え処理では、先ず、現在の位置決め受け具12の位置にチャックA(何も把持されていない把持機構53)が位置決めされ(S20)、そのチャックAで位置決め受け具12が把持され(S21)、受け部11から上方へ引き抜いて取り外され、次に、チャックAとチャックB(カバー部材13を把持している把持機構53)が180度反転され(S22)、チャックBで把持しているカバー部材13が受け部11に挿入される(S23)。
ここで、受け部11から位置決め受け具12を取り外すときと、受け部11にカバー部材13を装着するときに検出された力センサ14による検出値に基づいて、図22を用いて説明した操作力の異常判定が行われ(S24)、図22の(A)のように正常な場合(S24;Yes )には、受け部11へのカバー部材13のセットが完了し(S25)、図22の(B)、(C)のように異常な場合(S24;No)には、切り換え動作異常となり(S26)、復旧作業(S27)の後、S25へ移行する。この復旧作業とは、異常判定された不良の位置決め受け具12、カバー部材13を収納ラック8に一時的に収納し、予備の位置決め受け具12、カバー部材13に取り換えて、その良品の位置決め受け具12、カバー部材13を受け部11に装着する作業である。
次に、次の搭載車種タイプの位置決め受け具12の装着予定の受け部11にチャックB(何も把持されていない把持機構53)が位置決めされ(S28)、そのチャックBでカバー部材13が把持され(S29)、受け部11から上方へ引き抜いて取り外され、次に、チャックBとチャックA(位置決め受け具12を把持している把持機構53)が180度反転され(S30)、チャックAで把持している位置決め受け具12が受け部11に挿入される(S31)。
ここで、受け部11からカバー部材13を取り外すときと、受け部11に位置決め受け具12を装着するときに検出された力センサ14による検出値に基づいて、図22を用いて説明した操作力の異常判定が行われ(S32)、図22の(A)のように正常な場合(S32;Yes )には、受け部11への位置決め受け具12のセットが完了する(S33)。図22の(B)、(C)のように異常な場合(S32;No)には、切り換え動作異常となり(S34)、復旧作業(S35)の後、S33へ移行する。この復旧作業とは、S27の復旧作業と同様である。
こうして、位置決め受け具12、カバー部材13の切り換えが完了するが(S36)、S10〜S36は、搬送台車3の左前側の受け部取付板3aと左後側の受け部取付板3aの各々に対して行う動作であり、先ず、左前側の受け部取付板3aに対する切り換え完了後、左後側の受け部取付板3aに対する切り換えが未完の場合(S37;No)、S20へリターンし、その後、左後側の受け部取付板3aに対する切り換えも完了すると(S37;Yes )、左側のロボット6が原点位置に復帰し(S38)、左側全ての切り換えが完了する(S39)。
一方、右側のロボット6による台車タイプ切り換え処理は、左側のロボット6による処理に対して左右逆となるだけであるので、説明を省略する。さて、S6とS7の後、図23に示すように、左右全ての切り換えが完了し(S8)、切り換え後の位置決め受け具12の位置が確認され(S9)、次の搭載車種タイプの位置とあっていれば(S9;Yes )、搬送台車3の位置決めが解除され(S10)、搬送台車3が発進して(S11)、終了する。
一方、次の搭載車種タイプの位置とあっていない場合(S9;No)、位置決め受け具12の位置が異常とされ(S12)、復旧作業(S13)の後、S19へリターンする。また、S5において、現在の台車タイプと次の搭載車種タイプが一致した場合(S5;Yes )、S6とS7を実行する必要がなくなるため、収納ラック8に不良の位置決め受け具12、カバー部材13が有る場合には(S14)、その不良の位置決め受け具12、カバー部材13が第1洗浄機7で洗浄され(S15)、S9へ移行する。
以上説明した位置決め装置10によれば、次の効果を奏する。
搬送台車3に複数種類の車体4に対応する複数の受け部11を設け、受け部11に着脱可能に装着され且つ装着状態で車体4の所定部位を位置決めして受け止め可能な位置決め受け具12を設け、搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じた受け部11に位置決め受け具12をセットするように位置決め受け具12を着脱するロボット6を設けた。従って、位置決め受け具12を複数の受け部11の何れにも着脱可能に共通に構成することができ、搬送台車3に対する位置決め受け具12の装着位置を切り換えることにより、搬送台車3に複数種類の車体4を確実に位置決め保持することが可能になる。
つまり、新たな種類の車体4を搬送台車3に位置決め保持可能にする場合も含めて、搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類毎に異なる構成の位置決め受け具12を設ける必要がなくなり、位置決め受け具12の数を非常に低減でき、特に、本実施例のように、複数の搬送台車3を備えた塗装ライン1に対して適用する場合、設備コストを大幅に削減することが可能になり、また、未使用の位置決め受け具12も著しく少なくできるため、その位置決め受け具12を保管する保管スペースも非常に小さくできる。
しかも、力センサ14により、ロボット6により受け部11から位置決め受け具12を取り外すときの操作力を自動的に検出し、制御装置9により、力センサ14からの検出信号を受けて位置決め受け具12を含む部位の塗膜付着状態を自動的に判定して、例えば、力センサ14により検出された操作力が設定範囲外になった(引き抜き異常判定レベルよりも大きい)場合に、制御装置9により塗膜付着状態が異常であると判定し、この判定に基づいて、その判定対象となった位置決め受け具12の清掃を行うことができる。
従って、塗膜が新たに装着される位置決め受け具12と受け部11との間に挟まり、位置決め受け具12が受け部11に適正に装着されなくなって、搬送台車3への車体4の位置決め精度が低下するということを自動的に確実に防止することができ、その結果、車体4の塗装不良が起きることや、車体4の接合されるパネル間をシールするシール材を塗布するような場合、シール不良が起きることを防止することができる。
力センサ14は、ロボット6により受け部11に位置決め受け具12を装着するときの操作力を検出するので、力センサ14により検出された操作力が設定範囲外になった(挿入異常判定レベルよりも小さい)場合に、制御装置9により塗膜付着状態が異常であると判定し、この判定に基づいて、その判定対象となった位置決め受け具12の清掃を行うことができ、搬送台車3への車体4の位置決め精度の低下をより確実に防止できる。
制御装置9により塗膜付着状態が予め設定された判定レベルよりも悪いと判定された場合、ロボット6は前記判定対象となった位置決め受け具12を清掃するために搬出し、良品の位置決め受け具12を受け部11にセットするように作動するので、前記判定対象となった位置決め受け具12をそのまま使用し続けないようにして確実に清掃し、良品の位置決め受け具12を受け部11にセットして、搬送台車3への車体4の位置決め精度の低下を確実に防止すように構成することができる。そして、前記判定対象となった位置決め受け具12を清掃する為の第1清掃機7を設けたので、この位置決め受け具12を確実に清掃でき、その後、良品の位置決め受け具12として使用することができる。
また、受け部11に着脱可能に装着され且つ装着状態でその受け部11をカバーするカバー部材13を設け、ロボット6は、搬送台車3に位置決め保持予定の車体4の種類に応じた受け部11以外の受け部11にカバー部材13をセットするようにカバー部材13を着脱するので、搬送台車3によって搬送される車体4に塗装が施される際に、未使用の受け部11(つまり、カバー部材13が装着された受け部11)に塗料が付着することを確実に防止できる。このカバー部材13についても、複数の受け部11の何れにも着脱可能に共通に構成できるので、設備コスト的に有利になる。
しかも、力センサ14は、ロボット6により受け部11に対してカバー部材13を着脱するときの操作力を検出すると共に、制御装置9は、力センサ14からの検出信号を受けてカバー部材13を含む部位の塗膜付着状態を判定して、力センサ14により検出された操作力が設定範囲外になった(引き抜き異常判定レベルよりも大きい、或いは、挿入異常判定レベルよりも小さい)場合に、制御装置9により塗膜付着状態が異常であると判定し、この判定に基づいて、その判定対象となったカバー部材13の清掃を行うことができその結果、搬送台車3への車体4の位置決め精度の低下を自動的により確実に防止することができる。
受け部11は挿入孔25を有し、位置決め受け具12はこの挿入孔25に挿入可能でその内周面に部分的に接する多角形状のピン部31を有するので、位置決め受け具12を受け部11に簡単に着脱することができ、位置決め受け具12を受け部11に装着する際の塗膜の噛み込みを極力防止することができる。ロボット6により、受け部11に位置決め受け具12やカバー部材13をセットする着脱作業を全自動化できる。ロボット6は、位置決め受け具12とカバー部材13とを保持可能でそれらの一方を受け部11から取り外し他方を同受け部11に装着可能なハンド部50を有するので、受け部11に位置決め受け具12やカバー部材13をセットする着脱作業を効率よく実行することができる。