JP2006029744A - 集中式空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率の良い集中式空気調和装置でありながら、冷媒がリークしても、室内の人に悪影響を及ぼさない、安全な空気調和装置を得ることにある。
【解決手段】冷凍装置(11〜14)を含む集中式冷凍回路(10)とファンコイルユニット(31)を含む室内回路(30)と中間熱交換器(21,22,122,142)を含む中継回路(20)とを備え、中継回路を介して室内回路を集中式冷凍回路に接続することで、中間熱交換器によって室内回路を集中式冷凍回路から分離すると共に、室内回路にこれを設置した部屋の許容冷媒濃度以下の量の冷媒を充填してある。
【選択図】図2

Description

この発明は、集中式空気調和装置に係わり、更に詳しくは、複数の空気熱交換器を備えた、比較的規模の大きな集中式空気調和装置の改良に関している。
近年、地球環境保全の目的から、省エネルギー化が重要視され、空気調和装置においても非常に大切な要点になっている。
比較的規模の大きな空気調和装置の省エネルギー化を図る場合、分散式より集中式の設備の方が有利なことが多い。しかし、多くの室内空調用熱交換器を備えた集中式空気調和装置では、一部の部屋で冷媒が漏れた場合、大量の冷媒がその部屋に充満し、人命に係る事故につながる危険性がある。
このような問題を解決するものとして、圧縮機、凝縮器及び受液器等を含む冷凍機回路と蒸発器となる室内空調用熱交換器をもつ室内空調回路とを備え、室内空調回路を中間熱交換器を介して冷凍機回路に接続することで、室内空調回路を中間熱交換器によって冷凍機回路から分離し、冷凍機回路にアンモニアのような冷却効率の高い冷媒を、室内空調回路に毒性が低く、かつ難燃性の冷媒を使用した空気調和装置が提供されている(例えば、特許文献1を参照)
特開平5−333926号公報
しかしながら、このような空気調和装置も、規模が大きくなると、中間熱交換器の二次側に大量の冷媒が充填されるため、経年変化、地震などの天災によって、機器や配管が損傷したり、接続が緩んだりすると、冷媒が部屋に大量に漏れ、人命に係る事故につながる危険性がある。冷媒が、例えば、安全といわれる炭酸ガスであっても、この冷媒は無色無臭であるため、大量に漏れても気づかず、窒息する危険がある。
そこで、本発明の目的は、効率の良い集中式空気調和装置でありながら、冷媒が漏れても、室内の人に悪影響を及ぼさない、安全な空気調和装置を得ることにある。
上記目的を達成するために、請求項1の集中式空気調和装置は、冷凍装置を含む集中式冷凍回路と室内熱交換器を含む室内回路と中間熱交換器を含む中継回路とを備え、中継回路を介して室内回路を集中式冷凍回路に接続することで、中間熱交換器によって室内回路を集中式冷凍回路から分離すると共に、室内回路にこれを設置した部屋の許容冷媒濃度以下の量の冷媒を充填してあることを特徴としている。
また、請求項2の集中式空気調和装置は、請求項1に記載の集中式空気調和装置において、中間熱交換器が冷媒を自然循環させる縦形流路を持つ熱交換器からなることを特徴としている。
また、請求項3の集中式空気調和装置は、請求項1又は請求項2に記載の集中式空気調和装置において、中継回路が第一の中間熱交換器とこの第一の中間熱交換器の二次側流路と閉回路を構成する一次側流路をもつ第二の中間熱交換器とを備え、第一の中間熱交換器の一次側流路が集中式冷凍回路に、第二の中間熱交換器の二次側流路が室内回路に接続されていることを特徴としている。
請求項1に記載の集中式空気調和装置は、冷凍装置を含む集中式冷凍回路と室内熱交換器を含む室内回路と中間熱交換器を含む中継回路とを備え、中継回路を介して室内回路を集中式冷凍回路に接続することで、中間熱交換器によって室内回路を集中式冷凍回路から分離すると共に、室内回路にこれを設置した部屋の許容冷媒濃度以下の量の冷媒を充填してあるため、経年変化や天災などによって室内回路の管継ぎ手や管材などが損傷し、冷媒がファンコイルを設置した部屋内に漏れることがあっても、部屋内の人に影響を与えることがなくなり、室内環境を常にかつ確実に安全に保つことができる。そして、中間熱交換器によって熱交換を一回多く行っているが、集中式冷凍回路と室内回路とにそれぞれ最適な冷媒を使用することができるため、冷却効率の低下をなくすことができる。
請求項2に記載の集中式空気調和装置は、請求項1の集中式空気調和装置において、中間熱交換器が冷媒を自然循環させる縦形流路を持つ熱交換器からなるため、ポンプなしに冷媒を中間熱交換器とファンコイルユニットとの間を循環させることができて、中間熱交換器が存在するにもかかわらず、低コストで設備を構築することができる。
請求項3に記載の集中式空気調和装置は、請求項1あるいは請求項2の集中式空気調和装置において、中継回路が第一の中間熱交換器とこの第一の中間熱交換器の二次側流路と閉回路を構成する一次側流路をもつ第二の中間熱交換器とを備え、第一の中間熱交換器の一次側流路が集中式冷凍回路に、第二の中間熱交換器の二次側流路が室内回路に接続されているため、室外回路を設置した部屋から完全に隔離することができる。例えば、集中式冷凍回路と一緒に第二の中間熱交換器を地下室などに配置することで、集中式冷凍回路にアンモニア冷媒を採用しても、室内への有毒冷媒の漏れを確実に阻止することができて、より安全でありながら、冷却効率の高い集中式空気調和装置を得られる。
以下、図面を参照して、本発明の集中式空気調和装置の実施例を説明する。
図1及び図2は、本発明の集中式空気調和装置の第一の実施例を示している。
この集中式空気調和装置は、図1に示すように、集中式冷凍回路10、室内回路30及びこれらの回路10,30を分離する中継回路20からなっている。
集中式冷凍回路10は、アンモニアを冷媒とするもので、往復動式の圧縮機11、凝縮器12、受液器13及び膨張弁14を備えている。圧縮機11は、冷媒吐き出し口を凝縮器12の冷媒入口に、凝縮器12の冷媒出口を受液器13冷媒入口に接続され、膨張弁14は、受液器14の冷媒出口に接続されている。室内回路30は、炭酸ガスを冷媒とするもので、室内熱交換器としてのファンコイルユニット31を備えている。中継回路20も、炭酸ガスを冷媒とするもので、第一の中間熱交換器21と第二の中間熱交換器22とを備えている。第一の中間熱交換器21の一次側流路は、圧縮機11と受液器13との間に接続されている。第一の中間熱交換器21の二次側流路は、第二の中間熱交換器22の一次側流路と閉回路を構成している。第二の中間熱交換器22の二次側流路は、各々のファンコイルユニット31に接続されている。
本発明による集中式空気調和装置において、室内回路30の炭酸ガス冷媒の充填量は、ファンコイルユニット31が設置される部屋の許容炭酸ガス濃度以下となっている。
すなわち、通常の酸素濃度の場合、空気中の炭酸ガス濃度が人体に及ぼす影響は、よく知られているように、以下のようになっている。
炭酸ガス濃度(%) 影響
0.04 正常空気
0.5 長期安全限界(平均許容滞在時間は8時間)
1.5 作業性及び基礎的生理機能に影響を及ぼさずに長時間に亘っ
て耐えることができるが、カルシウム、リン代謝に影響の出
る場合がある。
2.0 呼吸が深くなる。一回の呼吸量が30%増加する。
3.0 作業性低下。生理機能の変化が体重、血圧、心拍数などの変
化として現れる。
4.0 呼吸がさらに深くなる。呼吸数が増加して、軽度のあえぎ状
態となる。相当な不快感がある。
米国政府の産業衛生専門家会議(American Conference of Govermaital Industrial Hyginists)では、人体に及ぼす炭酸ガス濃度に関して、健康な成人に対し、一日8時間、一週間40時間程度の労働を基準としたときに、炭酸ガス許容濃度を0.5%、平均許容時間15分の短時間暴露のときに、許容濃度を3%としている。日本産業衛生学会でも、恕限量0.5%を勧告している。
本発明による空気調和装置では、各々の部屋の炭酸ガス濃度が0.5%以下となるように、第二の中間熱交換器22の二次側流路、つまり、第二の中間熱交換器22の二次側流路、ファンコイルユニット31の流路及びこれらを接続する配管に充填される炭酸ガス冷媒量を決定している。
例えば、人が排出する炭酸ガスのすべてが換気されるとし、部屋の幅、高さ及び奥行きが10m×20m×5mであるとすると、部屋容積は1000m3 であり、許容炭酸ガス量は3.3m3 となる。
本発明による空気調和装置では、ファンコイルユニット31、第二の中間熱交換器22の二次側流路及びこれらを接続する流路の炭酸ガス冷媒の充填量は3.3m3 以下として、万一、全量の炭酸ガス冷媒がファンコイルユニット31を設置した部屋に漏れても、炭酸ガス許容濃度を0.5%以下に抑えて、部屋に居る人が窒息しないようにしている。
図2は、このような集中式空気調和装置のより具体的な構成を示している。
集中式冷凍回路10は、往復動式圧縮機11、凝縮器12、受液器13及び膨張弁14からなる冷凍装置を備え、この空気調和装置が設置されるビルディングにおける人が常時居る部屋A〜Cから独立しておりかつ室外となる空間、例えば、このビルディングの地下にある機械室Dに設置されている。
室内回路30を構成するファンコイルユニット31a〜31cは、地上にある部屋A〜Cに配置され、それぞれ、中継回路20を介して集中式冷凍回路10に接続されている。ファンコイルユニット31aは、一台が一階となる部屋Aに設置されている。ファンコイルユニット31bは、複数台在り、二階部屋Bの天井に吊ってある。ファインコイルユニット31cは、一台在り、三階の部屋Cの床に設置されているが、この部屋の天井に向かって延びるダクト32cを備えている。
中継回路20は、一つの第一の中間熱交換器21と、ファンコイルユニット31a〜31c毎に配置された複数の第二の中間熱交換器22a〜22cとを備えている。これらの中間熱交換器21,22a〜22cは、いずれも、プレート式熱交換器からなっている。
第一の中間熱交換器21は圧縮機11、凝縮器12及び受液器13と一緒に機械室Dに配置され、第二の中間熱交換器22a〜22cは、部屋A〜Cから独立した空間、例えば、このビルディングにおけるガスや上下水道の配管を通すためのシャフトEに配置されている。第一の中間熱交換器21の一次側流路は、圧縮機11と膨張弁14との間に接続されている。第一の中間熱交換器21の二次側流路は、流路23,24によって第二の中間熱交換器22a〜22cの一次側流路に接続され、かつこれらと閉回路を構成している。流路23には、冷媒を圧送するためのポンプ23aが接続されている。第二の中間熱交換器22a〜22cの二次側流路は、各々のファンコイルユニット31a〜31cに接続されている。開閉弁25a〜25cは、流量調整弁としての機能を有するもので、第二の中間熱交換器22a〜22cの一次側流路に接続されている。そして、開閉弁26a〜26c,27a〜27cが第二の中間熱交換器22a〜22cの一次側流路の冷媒入口側に、開閉弁28a〜28c,29a〜29cが一次側流路の冷媒出口側に接続されている。
集中式冷凍回路10を流れる冷媒はアンモニア、中継回路20の冷媒は炭酸ガス、そして、室内回路30の冷媒も炭酸ガスからなっている。第二の中間熱交換器22a〜22cの二次側流路の炭酸ガス冷媒は、前述のように、部屋A〜Cに居る人の安全を保てる量に設定されている。部屋Bは、他の部屋A,Cよりも容積が大きく、多数のファンコイルユニット31bを必要とするため、各々のファンコイルユニット31b毎に第二の中間熱交換器22bを組み合わせて、流路長を短くし、各々のファンコイルユニット31b、第二の中間熱交換器22a〜22cの二次側流路及びこれらを接続する流路の炭酸ガス冷媒量の合計を炭酸ガス許容濃度の0.5%以下に抑えている。
この集中式空気調和装置では、開閉弁26a〜26c,28a〜28cを開き、圧縮機11を運転すると、受液器13にある液状のアンモニア冷媒が第一の中間熱交換器21にて吸熱した後、蒸気となって圧縮機11に吸い込まれ、圧縮機11にて圧縮され、凝縮器12にて液状となり、受液器13に導かれる。
第一の中間熱交換器21において放熱し、かつ液化された二次側流路の炭酸ガス冷媒は、流路23を通って流量調整弁25a〜25cに流れ、第二の中間熱交換器22a〜22cに導かれ、これらの第二の中間熱交換器22a〜22cにて吸熱した後、蒸気となって流路24を経由して第一の中間熱交換器21に導かれる。このとき、炭酸ガス冷媒は第二の中間熱交換器22a〜22cにおいてファンコイルユニット31a〜31cを流れる炭酸ガス冷媒と熱交換する。第二の中間熱交換器22a〜22cの二次側流路の炭酸ガス冷媒は、液体状態となってファンコイルユニット31a〜31cの熱交換器33a〜33cに導かれ、ここで室内の内部空気と熱交換し、第二の中間熱交換器22a〜22cに戻り熱交換する。ファンコイルユニット31a〜31cの熱交換器33a〜33cにおいて冷やされた内部空気は、ファン34a〜34cによって室内A〜Cに吹き出される。
また、暖房時は冷凍装置11〜14の排熱等を利用し、第一の中間熱交換器21で吸熱した冷媒ガスを第二の中間熱交換器22a〜22cで放熱する。いま、開閉弁26a〜26c,28a〜28cを閉じ、開閉弁27a〜27c,29a〜29cを開くと、流路24内の炭酸ガス冷媒が第二の中間熱交換器22a〜22cの一次側流路を流れ、第二の中間熱交換器22a〜22cの二次側流路を流れる炭酸ガス冷媒は、吸熱してファンコイルユニット31a〜31cの熱交換器33a〜33cに流れ、ここで室内の空気と熱交換した後、ファン34a〜34cによって室内に吹き出され、室内温度を上昇させる。
この集中式空気調和装置は、以上のように、第二の中間熱交換器22a〜22cの二次側流路の炭酸ガス冷媒が部屋A〜Cに居る人の安全を保てる量に設定されているため、万一漏れることがあっても、人を窒息させたりする危険のない安全な集中式空気調和装置を得ることができる。
さらに、集中式冷凍回路10と室内回路30とが中継回路20によって分離されているため、各々に最適な性能を持つ冷媒を採用することができる。例えば、集中式冷凍回路10に、毒性が強くても、冷媒として性能の優れるアンモニア冷媒を採用することができ、採用しても、集中式冷凍回路10ばかりか、アンモニア冷媒が流れる第一の中間熱交換器21も部屋A〜Cから隔離された地下室に設置することができるため、安全で、しかも冷却効率の高い集中式空気調和装置を得ることができる。
図3は本発明による集中式空気調和装置の第二の実施例を示している。
この集中式空気調和装置も、集中式冷凍回路、中継回路及び室内回路を具備している。集中式冷凍回路は、図示されていないが、圧縮機、凝縮器、受液器及び膨張弁からなる冷凍装置を有するもので、この空気調和装置を設置するビルディングの屋上に配置されている。
室内回路を構成するファンコイルユニット131は、ビルディングの部屋A’に設置されていると共に、中継回路120を介して集中式冷凍回路に接続されている。
中継回路120は、第一の中間熱交換器と第二の中間熱交換器とを有するもので、このビルディングのシャフトE’に配置されている。いずれもプレート形熱交換器からなっている。第一の中間熱交換器は、図示されていないが、一次側流路を集中式冷凍回路に接続され、集中式冷凍回路と一緒にビルディングの屋上に配置されている。第二の中間熱交換器122は、二つの熱交換器、すなわち、冷却用熱交換器141及び加熱用熱交換器142からなっており、後述する三方向切替弁、関係する流路等と一緒にビルディングのシャフトE’に配置されている。
冷却用熱交換器141及び加熱用熱交換器142は、流路123,124によって第一の中間熱交換器の二次側流路に接続されている。他の第二の中間熱交換器122は流路123,124における図示を省略した上方及び下方に並列接続され、第一の中間熱交換器の二次側流路は流路123,124の上端に接続されている。
冷却用熱交換器141の一次側下部口は、開閉弁126を介して流路123に接続され、一次側上部口は、開閉弁127を介して流路124に接続されている。加熱用熱交換器142の一次側上部口は、開閉弁128を介して流路124に、その一次側下部口は開閉弁129を介して流路123に接続されている。冷却用熱交換器141の二次側上部口は、三方向切換弁143を介して、ファンコイルユニット131を構成する熱交換器133の一方の冷媒口と加熱用熱交換器142の二次側上部口とに接続されている。
そして、加熱用熱交換器142の二次側下部口は、三方向切換弁144を介して、ファンコイルユニット131の熱交換器133の他方の冷媒口と冷却用熱交換器141の二次側下部口とに接続されている。
部屋A’の降温は、開閉弁128,129を閉じ、開閉弁126,127を開くと共に、冷却用熱交換器141の二次側流路とファンコイルユニット131の熱交換器133とを三方向切換弁143,144によって接続する。流路123を流れる炭酸ガス冷媒は、実線矢印で示すように、冷却用熱交換器141の一次側流路を通って冷却用熱交換器141の一次側流路に流れ、冷却用熱交換器141の二次側流路を流れる炭酸ガス冷媒と熱交換する。この二次側炭酸ガス冷媒は、三方向切換弁144を経由してファンコイルユニット131に流れ、熱交換器133にて内部空気と熱交換した後、三方向切換弁143を経由して冷却用熱交換器141に再び戻り、一次側流路の炭酸ガス冷媒と熱交換する。ファンコイルユニット131の熱交換器133にて冷却された内部空気は、ファン134によって室内に放出され、室内温度を低下させる。
また、部屋A’の昇温は、開閉弁126,127を閉じ、開閉弁128,129を開き、加熱用熱交換器142の二次側上部口とファンコイルユニット131の熱交換器133とを三方向切換弁143によって、熱交換器133と加熱用熱交換器142の二次側下部口とを三方向切換弁144によって接続する。流路124を流れる吸熱した炭酸ガス冷媒は、鎖線矢印で示すように、加熱用熱交換器142で放熱して一次側流路を通って流路123に流れる。加熱用熱交換器142の二次側流路を流れる炭酸ガス冷媒は一次側流路の炭酸ガス冷媒より吸熱、熱交換した後、三方向切換弁143を経由してファンコイルユニット131に流れ、熱交換器133にて放熱し、内部空気と熱交換した後、三方向切換弁144を経由して加熱用熱交換器142に戻る。ファンコイルユニット131の熱交換器133にて加熱された内部空気は、ファン134によって室内に放出され、室内温度を上げる。
この集中式空気調和装置においても、冷却用熱交換器141及び加熱用熱交換器142の二次側流路の炭酸ガス冷媒がファンコイルユニット131を設置した部屋容積の0.33%以下からなり、許容炭酸ガス量よりも少なく、しかも、ファンコイルユニット131が冷却用熱交換器141及び加熱用熱交換器142によって分離されているため、炭酸ガス冷媒が万一室内に漏れても、この部屋に居る人に悪影響を与えず、第一の中間熱交換器の一次側流路を含む集中式冷凍回路と、第一の中間熱交換器及び冷却用熱交換器141及び加熱用熱交換器142の一次側流路とによって構成される閉回路と、冷却用熱交換器141及び加熱用熱交換器142の二次側流路との各々に最適な性能を持つ冷媒をそれぞれ採用することができ、冷却効率を向上させることができ、集中式冷凍回路の冷媒として、冷媒として性能の優れるが、毒性の強いアンモニア冷媒を採用しても、集中式冷凍回路と第一の中間熱交換器を部屋A’から隔離された屋上に設置することができて、安全である。こればかりか、冷房に際し、冷却用熱交換器141の二次側流路にある炭酸ガス冷媒は、冷却用熱交換器141で放熱、液化し、落差によりファンコイルユニット131へと流れ、ここで吸熱、ガス化して、再び冷却用熱交換器141へと戻る。また、暖房に際しては、加熱用熱交換器142で吸熱、ガス化した炭酸ガス冷媒は、ファンコイルユニット131へと流れ、ここで放熱、液化して、落差により再び加熱用熱交換器142へと流れる。つまり、冷却用熱交換器141及び加熱用熱交換器142において、冷媒の各々が自然循環するため、ポンプを必要としない。このため、中継回路20が在るにもかかわらず、低コストでこの集中式空気調和装置を構築することができる。
なお、以上述べた実施例において、集中式冷凍回路を構成する冷凍装置は、往復動圧縮機、凝縮器、受液器等を含む冷凍装置からなっているが、スクリュー圧縮機や遠心圧縮機等の圧縮式冷凍機を用いた冷凍装置や吸収式冷凍装置等からなっていてもよい。
さらに、集中式冷凍回路と室内回路とは、二つの中間熱交換器によって分離しているが、設置環境に応じて、一つの中間熱交換器によって直接分離してもよい。すなわち、中継回路に一つの中間熱交換器の使用し、この中間熱交換器の一次側流路を集中冷凍回路に、二次側流路をファンコイルユニットに接続した構成としてもよい。
さらにまた、冷媒は集中式冷凍回路にアンモニア、中継回路に炭酸ガス及び室内回路に炭酸ガスを使用しているが、他の冷媒の組み合わせを採用しても良い。
さらにまた、第一及び第二の中間熱交換器にプレート形熱交換器を使用しているが、他の構造をもつ熱交換器を採用してもよい。
さらにまた、中継回路の一次側はポンプ、二次側は自然循環によって冷媒を流しているが、設置環境に応じて、一次側及び二次側をそれぞれ自然循環又はポンプによって、冷媒を流すようにしてもよい。
本発明の空気調和装置の第一の実施例の全体構成を示す説明図。 図1に示す集中式空気調和装置の系統図である。 本発明の空気調和装置の第二の実施例を示す系統図である。
符号の説明
10 ・・・集中式冷凍回路
11 ・・・圧縮機
12 ・・・凝縮器
13 ・・・受液器
14 ・・・膨張弁
20 ・・・中継回路
21 ・・・第一の中間熱交換器
22 ・・・第二の中間熱交換器
23,24 ・・・流路
23a ・・・ポンプ
25〜29 ・・・開閉弁
30 ・・・室内回路
31 ・・・ファンコイルユニット
33 ・・・熱交換器
34 ・・・ファン
120 ・・・中継回路
122 ・・・第一の中間熱交換器
141 ・・・冷却用熱交換器
142 ・・・加熱用熱交換器
126〜129 ・・・開閉弁
131 ・・・ファンコイルユニット
133 ・・・熱交換器
134 ・・・ファン
A〜C,A’ ・・・部屋
D ・・・機械室
E,E’ ・・・シャフト

Claims (3)

  1. 冷凍装置を含む集中式冷凍回路と室内熱交換器を含む室内回路と中間熱交換器を含む中継回路とを備え、前記中継回路を介して前記室内回路を前記集中式冷凍回路に接続することで、前記中間熱交換器によって前記室内回路を前記集中式冷凍回路から分離すると共に、前記室内回路にこれを設置した部屋の許容冷媒濃度以下の量の冷媒を充填してあること、を特徴とする集中式空気調和装置。
  2. 前記中間熱交換器が冷媒を自然循環させる縦形流路を持つ熱交換器からなる請求項1に記載の装置。
  3. 前記中継回路が第一の中間熱交換器とこの第一の中間熱交換器の二次側流路と閉回路を構成する一次側流路をもつ第二の中間熱交換器とを備え、前記第一の中間熱交換器の一次側流路が前記集中式冷凍回路に、前記第二の中間熱交換器の二次側流路が前記室内回路に接続されている請求項1又は請求項2に記載の装置。
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