JP2006029432A - 摩擦プレート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望の面精度及び熱容量を確保しつつ、簡易な加工工程によりコストを低減した摩擦プレートを提供する。
【解決手段】 摩擦締結機構の固定体もしくは回転体に軸方向の両面をスナップリングにより係止された固定プレートに隣接して配設され、略環状の本体部と、本体部の外周側または内周側に突出した複数の爪部とを有し、本体部において摩擦締結を行い、爪部により回転体に対して回転トルクの伝達を行う摩擦プレートにおいて、爪部の厚みを本体部の厚みよりも薄くした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、多板摩擦締結機構における摩擦プレートに関し、特に被動側摩擦プレートであるドリブンプレートに関する。
従来、多板摩擦締結機構においては、リテーニングプレートがスナップリングによりトランスミッションケースに係止されている。リテーニングプレートは、スナップリングに対応する部分が他の部分に比べて薄肉とされている。薄肉部分を設けることの利点としては、軸方向厚さの増大を招くことなくコンパクトなレイアウトを実現する点にある。具体的には、リテーニングプレートは略環状の本体部と本体部の外周から突出する爪部からなり、爪部と本体部の外周側の全周が薄肉とされている。また、リテーニングプレートのような環状部材に薄肉を形成する方法として、プレス加工や切削加工を用いるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特公3484273号公報
しかしながら従来技術にあっては、爪部と本体部の外周側全周をプレス加工するためプレス面積が広く、本体部の主面(フェイシング面)の面精度が悪化し、変速時の異音をもたらすという問題がある。とりわけドリブンプレートのような薄い部材をプレスする場合、プレスによる変形量が大きく面精度の悪化がより顕著となる。面精度の悪化を回避するためプレスを行わず切削により薄肉部分を形成してもよいが、プレス加工に比べコストが高く、切削面に返りが生じるため更に表面加工を行う必要がある。また、切削により薄肉部分を設ける場合、ドリブンプレートの体積減少に伴う熱容量の低下によってドリブンプレートの耐熱性及び耐久性が確保できない、という問題があった。
また、爪部のみをプレス加工する方法もあるが、爪部をプレスする前にプレートを打ち抜いてしまうため、打ち抜かれたプレートをプレス装置に装着して位置決めを行う必要があり、加工工程が煩雑という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、所望の面精度及び熱容量を確保しつつ、簡易な加工工程によりコストを低減した摩擦プレートを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、摩擦締結機構の固定体若しくは回転体に軸方向の両面をスナップリングにより係止された固定プレートに隣接して配設され、略環状の本体部と、本体部の外周側または内周側に突出した複数の爪部とを有し、本体部において摩擦締結を行い、爪部により回転体に対して回転トルクの伝達を行う摩擦プレートにおいて、爪部の厚みを本体部の厚みよりも薄くした。
よって、所望の面精度及び熱容量を確保しつつ製造コストを低減し、また締結面積を増大させて締結性能を向上させた摩擦プレートを提供できる。
以下、本発明の摩擦プレート及びその製造方法を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1ないし実施例6に基づいて説明する。
[自動変速機の全体構成及び締結作動]
実施例1につき図1ないし図10に基づき説明する。図1は、本願摩擦プレートを適用した自動変速機のスケルトン図、図2は、本願摩擦プレートを適用した自動変速機の締結作動表である。G1,G2は遊星ギヤ、M1,M2は連結メンバ、UD/Cはアンダードライブクラッチ、OD/Cはオーバードライブクラッチ、R/Cはリバースクラッチ、2nd/Bはセカンドブレーキ、L&R/Bはロー&リバースブレーキ、INは入力軸、OUTは出力軸を示す。
第1、第2遊星ギヤG1、G2はそれぞれシングルピニオン型遊星ギヤであり、第1遊星ギヤG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛み合うピニオンを支持する第1キャリアPC1を有し、第2遊星ギヤG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛み合うピニオンを支持する第2キャリアPC2を有する。
第1、第2連結メンバM1,M2はそれぞれ第1キャリアPC1と第2リングギヤR2、第1リングギヤR1と第2キャリアPC2、とを一体的に連結する。
リバースクラッチR/Cは入力軸INと第1サンギヤS1とを選択的に断接し、オーバードライブクラッチOD/Cは入力軸INと第1キャリアPC1とを選択的に断接する。また、アンダードライブクラッチUD/Cは入力軸INと第2サンギヤS2とを選択的に断接する。
セカンドブレーキ2nd/Bは、第1サンギヤS1の回転を選択的に停止させ、ロー&リバースブレーキL&R/Bは、第1連結メンバM1の回転を選択的に停止させる。
さらに、各クラッチ及びブレーキには、各変速段にて締結圧や解放圧を作り出す図外の変速油圧制御装置(油圧制御タイプ,電子制御タイプ,油圧+電子制御タイプ)が接続されている。車両の走行状態に応じて変速段が決定され、図2に示す締結表に基づいて各クラッチ及びブレーキが適宜締結・開放される。
入力軸INは、エンジン回転駆動力を図外のトルクコンバータを介して入力する。出力軸OUTは、第2キャリアPC2に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪に伝達する。
[摩擦プレート付近の詳細]
図3は、本願摩擦プレートを適用したセカンドブレーキ2nd/B付近における自動変速機の部分断面図である。図3においてはx軸をドラムの回転方向と定義する。セカンドブレーキ2nd/Bのx軸正方向側には、ロー&リバースブレーキL&R/Bが設けられている。
セカンドブレーキ2nd/Bはドラム2を介して図外のリバースクラッチR/C及び第1サンギヤS1と接続し、トランスミッションケース1とスプライン嵌合してドラム2の回転を止めるブレーキとして機能する。このセカンドブレーキ2nd/Bのx軸負方向にはセカンドブレーキピストン3が設けられてセカンドブレーキ2nd/Bをx軸正方向に押圧する。また、セカンドブレーキピストン3には第1リターンスプリング4が設けられてx軸負方向に付勢される。
セカンドブレーキ2nd/Bのx軸正方向にはリテーニングプレート30が設けられている。リテーニングプレート30はトランスミッションケース1とスプライン嵌合して回転方向の動きを規制され、第1、第2スナップリング31,32によってx軸方向の動きを規制される。
このセカンドブレーキ2nd/Bにはドリブンプレート10及びドライブプレート20が交互に設けられ、ドリブンプレート10は外周側においてトランスミッションケース1とスプライン嵌合し、ドライブプレート20は内周側においてドラム2とスプライン嵌合している。なお、ドリブンプレートをセパレータプレート、ドライブプレートをフリクションプレートと呼称してもよく特に限定しない。
セカンドブレーキ2nd/Bにおけるドリブンプレート10には、ドリブンプレート10の外周から径方向外側に突出する突出部110及びドライブプレート20との摩擦締結面である本体部120が設けられ、突出部はトランスミッションケース1と嵌合する爪部130を有する。
ドリブンプレート10のうち最もx軸正方向の第1ドリブンプレート11の突出部110における爪部130は、プレス加工を施されることにより本体部120よりも薄く形成されている。第1ドリブンプレート11の径方向外側には第1スナップリング31が存在するため、第1ドリブンプレート11の爪部130を本体部120よりも薄肉とすることにより、第1ドリブンプレート11と第1スナップリング31の干渉を回避する。
リテーニングプレート30のx軸正方向にはロー&リバースブレーキL&R/Bが設けられ、このロー&リバースブレーキL&R/Bはトランスミッションケース1及び第3メンバM3と一体に締結する。また第3メンバM3は図外の第1メンバM1を介して第1ピニオンキャリヤPC1及び第2リングギヤR2と接続し、これによりロー&リバースブレーキL&R/Bは第1ピニオンキャリヤPC1及び第2リングギヤR2の回転を止めるブレーキとして機能する。
また、ロー&リバースブレーキL&R/Bのx軸正方向にはロー&リバースピストン15が設けられ、このロー&リバースピストン15はロー&リバースブレーキL&R/Bをx軸負方向に押圧する。このロー&リバースピストン15には第2リターンスプリング16が設けられてロー&リバースピストン15をx軸正方向に付勢する。
[実施例1における第1ドリブンプレートの詳細]
図4は実施例1における第1ドリブンプレート11の正面図、図5は図4のI−I断面における断面図である。第1ドリブンプレート11はトランスミッションケース1とスプライン嵌合する爪部130と、ドライブプレート20と摩擦締結する本体部120を有する。爪部130は4個ずつ集中して設けられて集合Aを形成しており、この集合Aが第1ドリブンプレート11の外周に4つ等間隔で設けられている。上述のように、爪部130はプレス加工により本体部120よりも薄肉に設けられている。
図6は爪部130の拡大正面図、図7は図5の領域Dにおける拡大断面図である。爪部130は第1ドリブンプレート11の外周140から突出する突出部110の一部に設けられている。
すなわち、実施例1において爪部130は根元部150を挟んで外周140よりも外径側に設けられ、爪部130と根元部150との境界線160は先細り状の突出部110に設けられるため境界線160の長さaは突出部110と外周140との境界線170の長さa'よりも短くなる。また、この根元部150は本体部120と同じ厚みとなるよう形成される。
上述のように爪部130はプレス加工により薄肉化を行うこととするが、切削加工により薄肉化を行ってもよく特に限定しない。プレス加工の場合、図7に示すように薄肉化した爪部130と根元部150との間の段部には必然的にRが形成され、応力集中を低減することとなる。
[第1ドリブンプレート加工方法]
図8は、従来例(特許文献1)と本願実施例における第1ドリブンプレート加工方法の対比を示す図である。従来例では、まず第1工程で素材板を第1ドリブンプレートの形状に打ち抜き、第2工程で爪部のみをプレス加工している。
本願実施例では、
第1工程 素材板の中央部分、及び第1ドリブンプレート11の爪部130に相当する部分の外側を多角形状に打ち抜く。
第2工程 第1工程で打ち抜いた多角形状孔によりセンタリングを行い、爪部130とその近傍に相当する部分をプレスする。
第3工程 素材板を第1ドリブンプレート11の形状に打ち抜く。
以上の第1〜第3工程により、第1ドリブンプレート11の作成を行う。
従来技術にあっては爪部はドリブンプレート外周に周方向等間隔で設けられているため、素材板において爪部に対応する部分をプレスする際の回転方向位置決めはさほど大きな問題ではないが、本願実施例1においては爪部130が領域A内に集中的に形成されており、素材板において爪部130と対応する部分を正確にプレスする必要がある。多角形状孔は位置決め部材を挿入しやすいため、本願実施例1においては第1工程において素材板中央部に多角形状孔を設けて回転方向位置決めの正確性を向上させている。
[従来例と本願実施例1における作用効果の対比]
図9は、特許文献1における製法で作成した場合の第1ドリブンプレートの正面図、図10はその爪部の拡大図である。従来技術にあっては、第1ドリブンプレート11'は略環状の本体部120'と本体部120'の外周140'から突出する爪部130'からなり、爪部130'と本体部120'の外周140'側の全周が薄肉とされている。
しかしながら上記従来技術にあっては、爪部130'と本体部120'の外周側全周をプレス加工するためプレス面積が広く、第1ドリブンプレート11'のような薄い部材の場合プレスによる変形量が大きく、本体部120'の主面の面精度が悪化して変速時の異音をもたらすという問題がある。
この問題を解決するため、面精度の悪化を回避するためプレスを行わず切削により薄肉部分を形成してもよいが、爪部130'と本体部120'の外周140'側全周を切削加工するためコストが高く、切削面に返りが生じるため更に表面加工を行う必要がある。また、外周側全周をプレスまたは切削して薄肉部分を設ける場合、第1ドリブンプレート11'は体積減少に伴い熱容量が減少する。そのため、厚みが均一とされたドリブンプレートに比べ、第1ドリブンプレート11'の耐熱性及び耐久性が確保できないという問題があった。
また、図8に示すように特許文献1に記載の製造技術により本願実施例1のような第1ドリブンプレート11を製造する場合、第1工程においてプレートを先に打ち抜いてしまうため、第2工程では打ち抜かれたプレートをプレス装置に装着して位置決めを行う必要があり、第2工程が煩雑となっていた。
これに対し本願実施例1では、第1ドリブンプレート11の本体部120から外径方向に突出する突出部110に爪部130を設け、この爪部130の厚みを本体部120の厚みよりも薄く設けるとともに、爪部130は4つずつ集中して設けられて集合Aを形成し、この集合Aが外周140の周方向等間隔に4つ設けられることとした。また、爪部130は根元部150を挟んで外周140よりも外径側に設けられ、この根元部150は本体部120と同じ厚みとなるよう形成されることとした。
これにより、爪部130のみにプレス加工を施して薄肉化することで、本体部120の面積を大きく設けることができる。また、プレス加工に伴う本体部120の面精度の悪化を回避することが可能となるとともに締結面積を広く確保することが可能となり、第1ドリブンプレート11の締結性能を向上させることができる。
また、爪部130以外は薄肉化を行わないため、第1ドリブンプレート11の体積減少に伴う熱容量減少の抑制が可能となり、第1ドリブンプレート11の耐熱性及び耐久性を確保することができる。また、爪部130は集合Aに集中的に設けられているため、従来技術のようにドリブンプレート全周に爪部を設けているものと比べ、プレス金型の小型化を図ることができる(請求項1に対応。)。
また、爪部130はプレス加工により薄肉化されることとし、素材板の中央部分及び第1ドリブンプレート11の爪部130に相当する部分の外側を打ち抜く第1工程と、第1工程で打ち抜いた多角形状孔によりセンタリングを行い、爪部130とその近傍に相当する部分をプレスする第2工程と、素材板を第1ドリブンプレート11の形状に打ち抜く第3工程の各工程によって第1ドリブンプレート11を製造することとした。
これにより、多角形孔によりセンタリング及び回転方向位置決めを容易に行うことが可能となり、第2工程において爪部130のプレス位置決め精度を容易に向上させることができる。また、第2工程においては爪部130とその近傍に相当する部分のみをプレスすることで、プレス面積をできるだけ小さくすることが可能となり、押圧部分が大きい従来技術に比べプレス部分の面精度の向上及び押圧力の低減を達成することができる。
また、プレス加工においては押圧されて薄くなる被押圧部分から他の部分へ肉が押し出され、この押し出し力に基づく残留応力が発生するが、第1工程において爪部130に相当する部分の外側を打ち抜くことで肉を逃がすことが可能となり、第1ドリブンプレート11の残留応力を低減することができる(請求項6に対応。)。
実施例2につき図11及び図12に基づき説明する。基本的な構成は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例1では爪部130は根元部150を挟んで第1ドリブンプレート11の外周140よりも外径側に設けられているが、実施例2では爪部131は本体部121と接して設けられている点で実施例1とは異なる。
[実施例2における第1ドリブンプレートの詳細]
図11は実施例2における第1ドリブンプレート11の正面図、図12は爪部131の拡大正面図である。実施例1と同様、第1ドリブンプレート11はトランスミッションケース1とスプライン嵌合する爪部131と、ドライブプレート20と摩擦締結する本体部121を有し、爪部131が4個ずつ集中して設けられた集合Aが第1ドリブンプレート11の外周に4つ等間隔で設けられている。
実施例2の爪部131はプレス加工により本体部121よりも薄肉に設けられ、この爪部131は第1ドリブンプレート11の外周141から突出し、爪部131と外周141との境界線161は外周141と重なり合うこととなるため、境界線161の長さbは先細り状の突出部110に設けられた実施例1の境界線160の長さaよりも長く形成されることとなる。摩擦締結は本体部121によって行われるため、締結に関与しない外周141よりも外側の部分を全て薄肉化して軽量化を行っている。
[実施例2における作用効果]
実施例2においては、本体部121よりも薄肉に設けられた爪部131は第1ドリブンプレート11の外周141から突出することとした。これにより、摩擦締結に関与しない爪部131全体を薄肉化し、第1ドリブンプレート11の重量低減を図りつつ実施例1と同様の効果を得ることができる。
実施例3につき図13及び図14に基づき説明する。基本的な構成は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例3では本体部122と爪部132との間に介在する根元部152を外周140よりも内径方向に延在させ、かつ爪部132と同じ厚みに設ける点で実施例1と異なる。
[実施例3における第1ドリブンプレートの詳細]
図13は実施例3における第1ドリブンプレート11の正面図、図14は爪部132の拡大正面図である。実施例1と同様、第1ドリブンプレート11はトランスミッションケース1とスプライン嵌合する爪部132と、ドライブプレート20と摩擦締結する本体部122を有し、爪部132は4個ずつ集中して設けられた集合Aが第1ドリブンプレート11の外周に4つ等間隔で設けられている。
実施例3では本体部122と爪部132との間に介在する根元部152を外周142よりも内径方向に延在させ、本体部122と根元部152との境界線162を本体部122の内側に湾曲させている。また根元部152は爪部132と同じ厚みに設けている。この根元部152はプレスにより薄肉化され、プレス加工の際には爪部132と根元部152は同一工程において加工される。また、プレス加工を用いる場合、根元部152であって外周142の延長線である外周142'と境界線162との距離cは、プレスにより境界線152上に生じるRよりも若干大きめに設定されている。
[実施例3における作用効果]
実施例3においては、爪部132と同じ厚みを持つ根元部152を本体部122の内側に延在させた。これにより、実施例1及び実施例2のように根元部152を延在させない場合に比べ、薄肉部分を増加させて第1ドリブンプレート11の軽量化を図りつつ、従来技術に対し実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、プレス加工の場合、第1ドリブンプレート11における根元部152であって、外周142の延長線である外周142'と境界線162との距離cは、プレスにより境界線152上に生じるRよりも若干大きめに設定されることとした。これにより、境界線152上に設けられたRが爪部132上にはみ出ることがないため、第1ドリブンプレート11がトランスミッションケース1の角部に当接するおそれがなくなり、第1ドリブンプレート11が軸方向に浮くことを防止できる(請求項2に対応。)
実施例4につき図15及び図16に基づき説明する。基本的な構成は実施例3と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例4では爪部133が4つ集中的に形成された領域A内において、隣り合う爪部133における根元部153同士を連結し、連結された根元部153全てを爪部133と同じ厚みとした点で実施例3と異なる。
[実施例4における第1ドリブンプレートの詳細]
図15は実施例4における第1ドリブンプレート11の正面図、図16は爪部133の拡大正面図である。実施例3と同様、本体部123と爪部133との間に介在する根元部153を外周143よりも内径方向に延在させるとともに、本体部123と根元部153との境界線163を本体部123の内側に湾曲させる。また、実施例3同様プレス加工を用いる場合、根元部153であって外周143の延長線である外周143'と境界線163との距離c'は、プレスにより境界線153上に生じるRよりも若干大きめに設定されている。
これに加え、実施例4では領域A内で隣り合う根元部153を連結している。また根元部153は爪部133と同じ厚みに設けている。この根元部153はプレスにより薄肉化され、プレス加工の際には爪部133と根元部153は同一工程において加工される。
[実施例4における作用効果]
実施例4においては、本体部123と爪部133との間に介在する根元部153を外周143よりも内径方向に延在させるとともに、実施例4では領域A内で隣り合う根元部153を連結した。これにより、実施例3に比べ薄肉の根元部153の面積を拡大し、更なる軽量化を図りつつ実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、実施例3同様プレス加工の場合、第1ドリブンプレート11における根元部153であって、外周143の延長線である外周143'と境界線163との距離c'は、プレスにより境界線153上に生じるRよりも若干大きめに設定されることとした。これにより、境界線153上に設けられたRが爪部133上にはみ出ることがないため、第1ドリブンプレート11がトランスミッションケース1の角部に当接するおそれがなくなり、第1ドリブンプレート11が軸方向に浮くことを防止できる。
また、根元部153を連結したことで、実施例3のように各根元部152を独立させてプレス加工する場合に比べプレス金型の形状を簡易化できる(請求項3に対応。)。
実施例5につき図17及び図18に基づき説明する。基本的な構成は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例5では、爪部134が4つ集中的に形成された領域A内において、本体部124の外周144であって爪部134の両側に所定の幅だけ径方向の凹部184を設け、本体部124の内側まで爪部134を広げるとともに、爪部134の厚みを本体部124の厚みよりも薄くする点で実施例1と異なる。
[実施例5における第1ドリブンプレートの詳細]
図17は実施例5における第1ドリブンプレート11の正面図、図18は爪部134の拡大正面図である。実施例5では、爪部134が4つ集中的に形成された領域A内において、外周144において爪部134の両側に所定の幅だけ径方向に延びる凹部184を設け、本体部124の内側まで爪部134を広げるとともに、爪部134の厚みを本体部124の厚みよりも薄くする。
この凹部184は各爪部134に互いに独立して設けられ、凹部184の底部が各爪部134と本体部124との境界線164となる。実施例5においても、爪部134はプレス加工により形成され、境界線164上にはRが形成される。また、プレス加工により爪部134を薄肉化する場合、爪部134であって外周144の延長線である外周144'と境界線164との距離dは、プレスにより境界線164上に生じるRよりも若干大きめに設定されている。すなわち、実施例3と比較した場合、実施例5は実施例3における根元部153を取り去り、爪部133を直接境界線163に設けた形態である。
[実施例5における作用効果]
実施例5においては、爪部134が4つ集中的に形成された領域A内において爪部134の両側に径方向に延びる凹部184を設け、本体部124の内側まで爪部134を広げるとともに、爪部134の厚みを本体部124の厚みよりも薄くし、凹部184は各爪部134に互いに独立して設けられることとした。
これにより、実施例3と比較して根元部152が存在しないため第1ドリブンプレート11の軽量化を図りつつ実施例1と同様の効果を得ることができる。
またプレス加工の場合、第1ドリブンプレート11における爪部134上であって、外周144の延長線である外周144'と境界線164との距離dは、プレスにより境界線164上に生じるRよりも若干大きめに設定されることとした。これにより、境界線164上に設けられたRが爪部134上にはみ出ることがないため、第1ドリブンプレート11がトランスミッションケース1の角部に当接するおそれがなくなり、第1ドリブンプレート11が軸方向に浮くことを防止できる。
また、第1ドリブンプレート11が組みつけられる摩擦締結機構は潤滑油に浸されているため、凹部184の存在により潤滑油を流れやすくすることが可能となり、実施例1の効果を得つつ潤滑及び冷却効果を向上させることができる。本願実施例における第1ドリブンプレート11は外径方向に爪部134が設けられているため、回転に伴う遠心力により潤滑油が外径部に集まることで特に冷却効果が期待できる(請求項4に対応。)。
実施例6につき図19及び図20に基づき説明する。基本的な構成は実施例5と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例5では凹部184は互いに独立して設けられていたが、実施例6では凹部185を互いに連結する点で実施例5と異なる。
[実施例6における第1ドリブンプレートの詳細]
図19は実施例5における第1ドリブンプレート11の正面図、図19は爪部135の拡大正面図である。実施例6では、爪部135が4つ集中的に形成された領域A内において、外周145であって爪部135と対応する部分に径方向に延びる凹部185を設け、本体部125の内側まで爪部135を広げるとともに、領域A内で隣り合う凹部185を連結している。
したがって実施例5と同様、爪部135と本体部125の境界線165は凹部185の底部と重なり合う。また実施例6においても、爪部135はプレス加工により形成され、境界線165上にはRが形成される。また、プレス加工により爪部135を薄肉化する場合、爪部135であって外周145の延長線である外周145'と境界線165との距離d'は、プレスにより境界線165上に生じるRよりも若干大きめに設定されている。すなわち、実施例4と比較した場合、実施例6は実施例4における根元部153を取り去った形態である。
[実施例6における作用効果]
実施例6においては、爪部134が4つ集中的に形成された領域A内において、外周145であって爪部135と対応する部分に径方向に延びる凹部185を設け、本体部125の内側まで爪部135を広げるとともに、領域A内で隣り合う凹部185を連結した。
これにより、実施例4と比較して根元部153が存在しないため第1ドリブンプレート11の軽量化を図りつつ実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、実施例4同様プレス加工の場合、第1ドリブンプレート11における爪部135上であって、外周145の延長線である外周145'と境界線165との距離d'は、プレスにより境界線165上に生じるRよりも若干大きめに設定されることとした。これにより、境界線165上に設けられたRが爪部135上にはみ出ることがないため、第1ドリブンプレート11がトランスミッションケース1の角部に当接するおそれがなくなり、第1ドリブンプレート11が軸方向に浮くことを防止できる。
また、凹部185は連結されているため実施例5の凹部184に比べ潤滑油が流れやすく、潤滑及び冷却効果をより向上させることができる。本願実施例における第1ドリブンプレート11は外径方向に爪部135が設けられているため、回転に伴う遠心力により潤滑油が外径部に集まることで特に冷却効果が期待できる。また、凹部185を連結したことで、実施例5のように各凹部184を独立させて爪部134をプレス加工する場合に比べプレス金型の形状を簡易化できる(請求項5に対応。)。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1ないし実施例6に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
本願実施例1〜6では爪部130〜135をプレス加工により薄肉化したが、切削加工により薄肉化してもよい。従来技術の第1ドリブンプレート(図9参照)に比べ切削面積を抑えることができるため、切削量の低減に伴って加工時間の短縮と工具寿命の向上が見込める。
本願摩擦プレートを適用した自動変速機のスケルトン図である。 本願摩擦プレートを適用した自動変速機の締結作動表である。 本願摩擦プレートを適用したセカンドブレーキ付近における自動変速機の部分断面図である。 実施例1における第1ドリブンプレートの正面図である。 実施例1における第1ドリブンプレートの断面図である。 実施例1における爪部の拡大正面図である。 実施例1における爪部の拡大断面図である。 特許文献1に記載の技術と本願実施例における第1ドリブンプレート加工方法の対比を示す図である。 従来技術における第1ドリブンプレートの正面図である。 従来技術における第1ドリブンプレートにおける爪部の拡大図である。 実施例2における第1ドリブンプレートの正面図である。 実施例2における爪部の拡大正面図である。 実施例3における第1ドリブンプレートの正面図である。 実施例3における爪部の拡大正面図である。 実施例4における第1ドリブンプレートの正面図である。 実施例4における爪部の拡大正面図である。 実施例5における第1ドリブンプレートの正面図である。 実施例5における爪部の拡大正面図である。 実施例6における第1ドリブンプレートの正面図である。 実施例6における爪部の拡大正面図である。
符号の説明
1 トランスミッションケース
2 ドラム
3 セカンドブレーキピストン
4 リターンスプリング
10 ドリブンプレート
11 第1ドリブンプレート
15 リバースピストン
16 リターンスプリング
20 ドライブプレート
30 リテーニングプレート
31,32 スナップリング
110 突出部
120〜125 本体部
130〜135 爪部
140〜145 外周
150〜153 根元部
160〜165 境界線
170 境界線
184,185 凹部
G1,G2 遊星ギヤ
M1,M2,M3 連結メンバ
2nd/B セカンドブレーキ
L&R/B ロー&リバースブレーキ
UD/C アンダードライブクラッチ
OD/C オーバードライブクラッチ
R/C リバースクラッチ

Claims (6)

  1. 摩擦締結機構の固定体もしくは回転体に軸方向の両面をスナップリングにより係止された固定プレートと、この固定プレートに隣接して配設され、略環状の本体部と、前記本体部の外周側または内周側に突出した複数の爪部とを有し、前記本体部において摩擦締結を行い、前記爪部により前記回転体に対して回転トルクの伝達を行う摩擦プレートにおいて、
    前記爪部の厚みを前記本体部の厚みよりも薄くしたことを特徴とする摩擦プレート。
  2. 請求項1に記載の摩擦プレートにおいて、
    前記爪部と前記本体部との間に介在する根元領域を有し、
    前記根元領域は、前記本体部の内側に延在し、かつ前記爪部と同じ厚みであることを特徴とする摩擦プレート。
  3. 請求項2に記載の摩擦プレートにおいて、
    前記本体部の外周側または内周側の所定の領域に前記爪部が集中的に形成され、前記爪部が近傍で隣り合うとき、隣り合う根元領域の間の領域と前記根元領域とを連結し、連結された領域全てを前記爪部と同じ厚みとしたことを特徴とする摩擦プレート。
  4. 請求項1に記載の摩擦プレートにおいて、
    前記本体部の外周側または内周側で、前記爪部の同径方向両側に所定の幅だけ径方向の凹部を設け、前記本体部の内側まで前記爪部を広げるとともに、前記爪部の厚みを前記本体部の厚みよりも薄くしたことを特徴とする摩擦プレート。
  5. 請求項4に記載の摩擦プレートにおいて、
    前記本体部の外周側または内周側の所定の領域に前記爪部が集中的に形成され、複数の前記爪部が近傍で隣り合うとき、互いに隣り合う前記爪部の間の前記凹部は1つであることを特徴とする摩擦プレート。
  6. 請求項1ないし請求項5に記載の摩擦プレートの製造方法において、
    素材板の略中央部分を多角形上に打ち抜き、前記素材板において前記爪部となる部分の外周側を打ち抜く第1工程と、
    前記第1工程において打ち抜かれた前記素材板における前記爪部となる部分をプレス加工する第2工程と、
    前記第2工程によってプレス加工された前記素材板を前記摩擦プレートの形状に打ち抜く第3工程と
    により形成される摩擦プレートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102010063003A1 (de) * 2010-12-14 2012-06-14 Zf Friedrichshafen Ag Lamellenbremse
KR101545275B1 (ko) * 2014-12-31 2015-08-20 (주)오토인더스트리 자동변속기용 언더 드라이브 브레이크 피스톤 소재의 제조방법

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