JP2006027935A - テンプレート法によるセラミックスナノ粒子の成形方法及びその焼結体 - Google Patents

テンプレート法によるセラミックスナノ粒子の成形方法及びその焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】テンプレート法によるセラミックスナノ粒子の成形方法及びその焼結体を提供する。
【解決手段】有機系基質粒子表面上にセラミックスナノ粒子を被覆させたセラミックスナノ粒子被覆複合体を構成要素とするナノ粒子成形体であって、原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製し、このナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製し、上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、ことにより得られる、セラミックスナノ粒子成形体、その焼成体からなる多孔質セラミックス、それらの製造方法、及びその応用製品。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックスナノ粒子の成形方法及び該方法により作製されるセラミックスナノ粒子の一次粒子で構成される多孔質セラミックスに関するものであり、更に詳しくは、有機系基材表面にセラミックスナノ粒子を被覆させたセラミックスナノ粒子被覆複合体を用いて、これを湿式成形することにより作製してなるセラミックスナノ粒子成形体、該成形体を焼成してなる、骨格がセラミックスナノ粒子であり、マクロポーラスとミクロポーラスが共存した多孔質セラミックスに関するものである。本発明は、セラミックスナノ粒子の構造用部材等の製造及び応用の技術分野において、従来法では、セラミックスナノ粒子の成形体及びその焼結体を製造することは困難であったことを踏まえ、これらの構造用部材等を製造することを可能とする新しいセラミックスナノ粒子の成形体及びその焼成体ないし焼結体の製造方法及び該方法によって作製されたセラミックスナノ粒子の焼成体ないし焼結体を提供するものである。
本発明は、セラミックスナノ粒子を水系において成形するために、例えば、有機樹脂球表面上へセラミックスナノ粒子を被覆するテンプレート法によってセラミックスナノ粒子被覆複合体(被覆粒子)を製造し、その被覆粒子に対し、水系湿式成形を行うこと、また、焼成によるテンプレート有機樹脂球の除去によって孔の形状、内部構造を制御したセラミックス多孔質体を製造すること、それによって、その構造は、ナノ粒子で、しかも一次粒子で形成された骨格を有し、焼結温度を上げることにより焼結粒が1〜2個の構造骨格を有する多孔質セラミックスを製造し、提供することを可能とするものである。尚、本願発明において、ナノ粒子とは、サブミクロン以下の粒子径を有するものであることを意味する。
一般に、セラミックス材料として、例えば、酸化ジルコニウムは、常温での機械的強度が高く、破壊靱性が大きい材料であり、例えば、工業用の刃物、光コネクター部品、粉砕機械のメディアなどの構造セラミックス材料として広く利用されている。また、この機能性セラミックス材料の酸化ジルコニウムは、例えば、固体電解質型燃料電池の固体電解質材料として期待されている。更に、この酸化ジルコニウムは、高温で使用可能であり、調製、保存が容易であることなどの利点を持つことから、例えば、固体超強酸触媒の担体として研究されている。1996年、Rajuらは、固体超強酸電解質として、SO4 2-/ZrO2 を用いてシリルエノールエーテルとベンズアルデヒドのアルドール反応からSyn型が優先的に得られる結果を報告している(非特許文献1)。
このように、酸化ジルコニウムは、構造材料部材、機能性セラミックス材料、触媒担体などの幅広い応用が期待された材料であるが、一般に、これらの特性をもつ酸化ジルコニウムに代表されるセラミックスは、粒子径が小さいほど、焼結しやすく、比表面積が大きくなり、反応活性点などが多くなることから、その性能が向上することが指摘さている。このため、粒子径の小さなセラミックスナノ粒子の成形によるバルク構造体の製造が期待される。
鋳込成形、遠心成形に代表されるセラミックスの水系による湿式成形では、セラミックスは、セラミックス粉体、水、ポリカルボン酸系アンモニウムイオンに代表される分散剤を混合し、分散することでスラリーを製造し、成形される。しかしながら、サブミクロンサイズ以下の粒子径をもつ小さなナノサイズのセラミックス粒子は、凝集力が強く、このセラミックスナノ粒子に、セラミックスの一般的な成形方法を適用することは困難である。
多孔質セラミックスの製造方法については、一般的に、有機物質をセラミックス練土、スラリー、粉の中に混入し、成形後、焼成することで有機成分を除去し、孔を形成して製造する方法、成形体を焼成する際に、焼成温度を低くすることで焼結を制御して製造する方法などがある。しかしながら、これらの製造方法では、多孔質セラミックスの孔の形状、大きさ、分布、配置などを制御することはできない。
孔の大きさ、配置を制御した多孔質セラミックスの製造方法としては、例えば、ポリスチレン樹脂球のコロイド溶液を濾過し、粒子を充填した後、セラミックス前駆体のゾルを流し込み、ゲル化することで成形体を得て、その成形体を焼成することで有機樹脂球を除去して、多孔質セラミックスを製造する方法が提案されている(非特許文献2、非特許文献3)。しかしながら、この種の方法は、単に、充填したポリスチレン成形体の中にゾルを流し込むことから、成形方法が濾過方法のみであり、セラミックスの成形方法に適応できないという問題があり、そのため、大量生産に難点がある。また、ナノメートル領域のナノ粒子を流し込むことによって、ポリスチレン成形体の粒間にナノ粒子を均一に導入し、充填させることは、極めて難しい。そのため、この種の方法では、ナノ粒子の成形はできない。
Satya V. N. Raju, S. Pontrathnam,C. R. Rajan and K. V. Srinivasan,SYNLETT 、1996、pp239-240 S. H. Park and Y. Xia,Adv. Mater. 1998, 10, No. 13, pp1045-1048 B. T. Holland, C. F. Blanford,and A. Stein, Science, 1998, Vol.281, pp-538-540
このような状況下にあって、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、孔の大きさ、配置を制御した、セラミックスナノ粒子の成形体及びその多孔質セラミックスを製造し、提供することを可能とする新しいセラミックスナノ粒子の成形方法、その多孔質セラミックスの製造方法及びそれらの製品を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、セラミックスナノ粒子を有機系基質粒子に被覆したセラミックスナノ粒子被覆複合体(被覆粒子)を用いることによって所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完了するに至った。本発明は、セラミックスナノ粒子を水系で湿式成形するための成形方法と、セラミックスナノ粒子から構成される多孔質セラミックス、及びその製品を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)有機系基質粒子表面上にセラミックスナノ粒子を被覆させたセラミックスナノ粒子被覆複合体を構成要素とするセラミックスナノ粒子成形体であって、
1)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する、
2)このナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製する、
3)上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、
ことにより得られる、上記セラミックスナノ粒子成形体。
(2)セラミックスナノ粒子を被覆させた有機系基質粒子の湿式成形によるセラミックスナノ粒子成形体を焼成してなるナノ粒子の一次粒子で構成された多孔質セラミックスであって、
1)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する、
2)このセラミックスナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製する、
3)上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、
4)上記セラミックスナノ粒子成形体を焼成する、
ことにより得られる、均一孔で連続孔を有する、ナノ粒子の一次粒子で構成された多孔質セラミックス。
(3)構造体の骨格がセラミックスナノ粒子であり、マクロポーラスとミクロポーラスが共存した多孔質セラミックスである、前記(2)に記載の多孔質セラミックス。
(4)構造体の骨格が焼結粒1〜2個で形成される高気孔率の多孔質セラミックスである、前記(2)に記載の多孔質セラミックス。
(5)有機系基質粒子表面上にセラミックスナノ粒子を被覆させたセラミックスナノ粒子被覆複合体を構成要素とするセラミックスナノ粒子成形体を製造する方法であって、
1)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する、
2)このナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製する、
3)上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、
ことを特徴とする上記セラミックスナノ粒子成形体の製造方法。
(6)セラミックスナノ粒子を被覆させた有機系基質粒子の湿式成形によるセラミックスナノ粒子成形体を焼成してなるナノ粒子の一次粒子で構成された多孔質セラミックスを製造する方法であって、
1)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する、
2)このナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製する、
3)上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、
4)上記セラミックスナノ粒子成形体を焼成する、
ことを特徴とする上記多孔質セラミックスの製造方法。
(7)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する際に、40mV以上の表面電荷を有するように、pHコントロールする、前記(6)に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
(8)セラミックスナノ粒子として、50nmから100nmの範囲の径を有するセラミックスナノ粒子を使用する、前記(6)に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
(9)有機系基質粒子として、均一径の有機樹脂球を用いる、前記(6)に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
(10)セラミックスナノ粒子成形体を500〜1400℃で焼成する、前記(6)に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
(11)前記(6)から(10)のいずれかに記載の方法で作製された多孔質セラミックスを構成要素として含むことを特徴とする構造用部材。
(12)前記(6)から(10)のいずれかに記載の方法で作製された多孔質セラミックスを構成要素として含むことを特徴とする担体用部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、例えば、有機樹脂球表面へセラミックスナノ粒子を吸着・被覆したセラミックスナノ粒子被覆複合体(被覆粒子)を用いることにより、そのナノ粒子を成形することを可能とする新しいテンプレート法によるナノ粒子の成形方法とナノ粒子の成形体を提供すること、また、この成形体を焼成することで、一次粒子のナノ粒子を構造骨格としたマクロポーラスとミクロポーラスを共存させた連続孔を有し、孔の形状が均一な多孔質セラミックス構造体を提供すること、更に、焼成温度を上げてナノ粒子を焼結させることにより、焼結粒が1〜2個の骨格を有した薄い壁の高気孔率の多孔質セラミックス構造体を提供すること、を特徴とするものである。
本発明は、好適には、例えば、0.1μm以上の有機樹脂球表面上へセラミックスナノ粒子を均一に吸着・被覆することでナノ粒子の被覆粒子を合成すること、その粒子径は、サブミクロンサイズ以上であるため、セラミックスの一般的な成形方法の湿式成形に適応でき、更に、被覆粒子とナノ粒子の混合分散液を用いて鋳込成形などの湿式成形することにより、粒子間に存在する空孔をうめた成形体を得ること、更に、テンプレート物質である有機樹脂球を焼成によって除去することにより、一次粒子径のナノ粒子を骨格構造とした多孔質セラミックスを合成すること、この多孔質セラミックスは、マクロポーラスとミクロポーラスが共存した構造を持つが、更に、焼結温度を上げてセラミックスナノ粒子を焼結することによって、1〜2個の焼結粒が骨格構造である薄い壁の高気孔率の多孔質セラミックスを合成すること、を特徴としている。
本発明では、まず、セラミックスナノ粒子の凝集している、例えば、酸化ジルコニウムナノ粒子をpH調整した水中でホモジナイザーにより粉砕することで安定したジルコニアナノ粒子の分散液を作製する。次に、そのナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する均一径の有機樹脂球等の有機系基質粒子を含んだ水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって、被覆反応を行い、サブミクロンサイズ以上の径を有するセラミックスナノ粒子被覆複合体(被覆粒子)を製造する。
一般的に、均一径を有する粒子は、高充填させることにより、六方最密充填が可能である。特に、鋳込などの湿式成形は、粒子が均一径を有し、高分散可能であるならば、最密充填することができる。従って、本発明で用いる均一径の被覆粒子は、セラミックスの湿式成形方法である鋳込成形、遠心成形に適応可能なサブミクロン以上のサイズであり、最密充填の成形体を得ることができる特徴を有する。
このようにして製造したセラミックスナノ粒子成形体を、有機系基質粒子、例えば、有機樹脂球の完全分解温度の500℃以上で焼成することにより有機樹脂球を除去することで、高気孔率70%以上を有し、且つ孔の形状、大きさが均一で、高配列の孔を有したセラミックス多孔質材料を製造することができる。更に、このセラミックス多孔質材料は、その構造がナノ粒子の一次粒子で形成され、マクロポーラスとミクロポーラスの共存した多孔質構造体を有することを特徴としている。
また、本発明では、セラミックスナノ粒子被覆複合体の成形体の焼成温度を変えることで、セラミックス多孔質材料の均一孔の形状を変化させることが可能である。また、その構造を形成するのは1〜2個の焼結粒であり、本発明により、極めて薄い骨格構造の多孔質セラミックスを製造することが可能である。本発明においては、ナノ粒子を被覆させたナノ粒子被覆複合体を用いることにより、セラミックスの水系湿式成形方法を適用した成形がナノ粒子に対して可能である。本発明におけるナノ粒子被覆複合体(被覆粒子)は、ナノ粒子を有機樹脂球等の有機系基質粒子表面上に均一に吸着させた粒子を意味する。この様な有機樹脂球表面にナノ粒子を被覆させた被覆粒子をセラミックスナノ粒子の成形方法に適応することで、セラミックスナノ粒子の成形体を大量生産することが可能となる。
本発明で用いる有機系基質粒子としては、例えば、有機樹脂球が例示されるが、水に分散可能であり、被覆後サブミクロンサイズ以上の径を有するものであれば、いずれのものでも良い。疎水性の有機球もスルホン酸基や水酸基などの親水性基を表面処理することによって同様に用いることができる。後記する実施例では、水に分散可能なスルホン酸基を表面に有したポリスチレン球を用いたが、ポリアクリル樹脂球、ポリエチレン樹脂球などの有機樹脂球に親水性基の表面処理を行えば、有機樹脂球は、水に分散可能となり、実施例と同様に、使用することができる。本発明では、有機系基質粒子として、好適には、例えば、水に分散可能な表面にスルボン酸基を有するポリスチレン樹脂球が例示される。
本発明で用いられるセラミックスナノ粒子は、水に分散された状態でなければならない。そのために、40mV以上の表面電荷を有するようにpHコントロールし、更に、ホモジナイザーによって凝集性を壊すことによって分散液を調製する。本明細書において、「ナノ粒子」は、100nm以下のサブミクロンサイズ以下の径を有するものを意味する。
本発明において、例えば、酸化ジルコニウムナノ粒子の表面電荷は、pH7で等電点を有し、等電点を境界に低pH側では正の電荷、高pH側では負の電荷を帯び、更に、低pHに調整することにより、正電荷の大きさは増す。更に、pH4で表面電荷は40mVを超え、ホモジナイザーなどの解砕方法によって分散させることができる。しかしながら、50nm以下のナノ粒子は凝集性が強いため、本発明では、望ましくは、50nmから100nm以下の径を有するナノ粒子を用いるのが望ましい。
また、本発明において、例えば、セラミックスナノ粒子を被覆する有機樹脂球の径は、一般的なセラミックスの成形方法が可能である0.1μm以上のものが用いられる。0.1μm以上の径を有する粒子であれば、鋳込成形、遠心成形などの一般的なセラミックスの湿式成形が可能である。更に、粒子を高充填した成形体を得るために、有機樹脂粒子は、均一径のものを用いることが望ましが、これに限定されるものではなく、非均一径のものを用いることも可能である。
本発明において、例えば、酸化ジルコニウムナノ粒子は、水中に存在する場合に表面電荷を有する。従って、本発明では、被覆粒子を製造するために、ナノ粒子の表面電荷と反対の表面電荷を有する有機樹脂球が用いられる。そのために、後記する実施例で用いた有機樹脂球であるポリスチレン球の表面電荷は、広い範囲のpHで負の電荷を帯びている。つまり、正の電荷を帯びたナノ粒子は、吸着させることができる。本発明は、ナノ粒子の有機樹脂球への吸着は、均一に被覆し、均一径の有機樹脂球を用いたとき、その被覆粒子の径は均一であることに一つの特徴がある(図1)。
ナノ粒子の有機樹脂球への吸着及び被覆は、ナノ粒子の表面電荷と有機樹脂球の表面電荷の大きさに依存することになる。例えば、実施例で用いたpH4に調整した酸化ジルコニウムナノ粒子の表面電荷は、正電荷を帯び、負の表面電荷をもつポリスチレン樹脂球の表面上に吸着及び被覆を行う。しかしながら、正の電荷をもつポリエチレンイミン(PEI)を負の電荷を持っているポリスチレン樹脂球の分散液中に滴下することでポリスチレン樹脂球表面に吸着させた樹脂球の表面電荷は正の電荷となるため、正の表面電荷を帯びている酸化ジルコニウムナノ粒子は、均一に被覆しない(図2)。そのため、本発明におけるナノ粒子の均一被覆には、表面電荷の調整が重要である。
図3に、酸化ジルコニウムナノ粒子をPEIで分散させた分散液に、ポリスチレン樹脂球を加えた後の樹脂球表面の状態を示す。樹脂球表面には、酸化ジルコニウムナノ粒子が吸着している部分としていない部分が観察される。つまり、PEIがポリスチレン樹脂球表面上に吸着した部分では、ナノ粒子は吸着せず、PEIが樹脂球表面上に吸着しなかった部分には、表面電荷の違いでナノ粒子は吸着することになる。
本発明における被覆粒子による鋳込成形での成形体の製造において、サブミクロンサイズ径(0.1μm)以上の被覆粒子は、セラミックスの湿式成形を行うことが可能である。しかしながら、図4の被覆粒子による成形体モデルで示すように、被覆粒子のみでは粒子間の充填に伴う空孔が存在し、25%以上の焼成後の収縮が大きくなる問題が発生する。
そのため、被覆粒子のスラリー中に被覆されていないナノ粒子が存在して、成形後、粒子間の充填に伴う空孔を埋めることが望ましい。それにより、焼成に伴う収縮率は10〜20%に抑えることができる。また、空孔を埋めるため、被覆粒子以外にスラリー中に存在するナノ粒子の量は0.1vol%から0.3vol%であることが望ましい。ただし、空孔が埋められていなくとも焼成することは可能であるため、被覆されていないナノ粒子がスラリー中に存在していなくても問題とならない。
有機系基質粒子であるポリスチレン樹脂球は、その分解温度である500℃以上で除去され、本発明における成形体を焼成することで製造される焼成体の構造は、500℃から1200℃まではその孔は有機樹脂球が抜けた形で均一径を有する球状の連続孔の構造体が形成され、例えば、酸化ジルコニウムが焼結する温度1300℃以上では、網目状の均一な孔を有する多孔質構造が形成される。
また、被覆粒子以外に、例えば、酸化ジルコニウムナノ粒子をスラリー中に存在させて成形し、焼成することによって、その収縮率は1000℃までは10%、1200℃で15%、1400℃で20%と比較的低い収縮率とすることができる。更に、本発明は、構造体の骨格がナノ粒子である多孔質セラミックスの製造において、被覆粒子の成形体を焼成温度1200℃以下で焼成体を製造した場合、多孔質体の構造を作る骨格が、一次粒子のナノ粒子で作られることに特徴を有する。本発明の多孔質セラミックスは、例えば、構造用部材、触媒担体等の担体用部材等として使用することができる。
本発明によって、1)セラミックスナノ粒子被覆複合体を用いることにより、セラミックスの水系湿式成形方法をナノ粒子に対して適用可能となる、2)ナノ粒子を有機樹脂球表面上に均一に吸着、膜形成させた、サブミクロンサイズ以上の径を有する、有機樹脂球表面にナノ粒子を被覆させた粒子をセラミックスの成形方法に適応することで、ナノ粒子の成形体を大量生産することが可能となる、3)また、ナノ粒子を被覆した粒子を成形し、焼成によってテンプレート物質である有機系基質粒子の有機樹脂球を除去することで、被覆されたナノ粒子の構造膜は、壊れず、ナノ粒子で孔を形成した壁構造を有する多孔質セラミックスを製造できる、4)更に、焼成温度を上げることで、壁を形成しているナノ粒子は焼結し、均一な孔を有し、1〜2個の焼結粒を骨格構造とした多孔質セラミックス構造体を製造できる、5)このため、本発明は、比表面積が大きく、ナノ粒子の特徴を生かした、電池材料、ガスフィルター、液フィルター、センサー、触媒材料のような軽量・高気孔率が望まれるセラミックス部材として有効に利用できる、6)加えて、本発明では、鋳込成形、押出成形、遠心成形などの一般的なセラミックス湿式成形方法を用いることができることから、本発明は、微小材料から大型材料まで製造することが可能である、という格別の効果が奏される。
次に、本発明について、以下の実施例を参照してより具体的に説明する。なお、以下においては、ナノ粒子として酸化ジルコニウムについて実施例を挙げるが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではなく、ナノ粒子の種類等においても他の構成を採用し得るものである。
セラミックスナノ粒子としては、市販の平均粒径が70nm程度の酸化ジルコニウムを用いた。被覆粒子を製造するための有機系基質粒子である有機樹脂球としては、粒径が1μmで均一粒子径をもつポリスチレン樹脂球を用いた。
1vol%の酸化ジルコニウムナノ粒子の分散液を作製するために、酸化ジルコニアの量に対して1−3wt%のポリエチレンイミン(PEI)を添加し、これを15分間攪拌し、その後、10分間ホモジナイザーで分散させた。更に、その分散液を0.3mmの酸化ジルコニアボールを用いて24時間ボールミルを行うことで酸化ジルコニウムナノ粒子へのPEIの吸着を促進し、分散スラリーを得た。その分散液中の粗大粒子を取り除くために、5000rpmで1分間遠心分離を行った。
同様に、PEIを用いずに、ホモジナイザー、ボールミル工程を経て、酸化ジルコニウムナノ粒子の分散液を作製した。この時、酸化ジルコニウムナノ粒子がPEIを用いずに安定な分散液になるのは、工程後のpHが4.5となり、ゼータ電位が40mVを超えるためであると考えられる(図2)。
酸化ジルコニウムナノ粒子の有機樹脂球表面上への吸着は、上記で作製したナノ粒子分散液を8wt%ポリスチレン樹脂球の分散液に加え、pH4で24時間攪拌することで実行した(図1)。図2より、用いたポリスチレン樹脂球は、すべてのpHで負の表面電荷を帯びており、等電点は存在せず、酸化ジルコニウムナノ粒子は、pH7に等電点が存在することがわかる。この等電点を境にして、低pHでは酸化ジルコニウムナノ粒子の表面電荷は正の電荷を帯びており、高pHでは負の電荷を帯びていることになる。
つまり、等電点より低いpHでは、負の表面電荷を帯びているポリスチレン表面上に正の電荷を帯びている酸化ジルコニアナノ粒子が引きつけられ被覆することになる。実際に、酸化ジルコニアナノ粒子を被覆したポリスチレン樹脂球の等電点は、pH7に現れ、酸化ジルコニウムナノ粒子の等電点と一致し、ナノ粒子が有機樹脂球表面上へ被覆した被覆粒子を合成できる。
一方、PEIを使って、酸化ジルコニウムナノ粒子を分散させたジルコニアの等電点はpH9に表れ、ポリスチレン樹脂球に被覆反応させた後の等電点と一致する。しかしながら、PEIは、正の電荷をもっているため、酸化ジルコニウムナノ粒子と競争吸着が行われ、このゼータ電位測定結果からは、ポリスチレン樹脂球表面上へPEI、ナノ粒子どちらが吸着しているかは分からない(図3)。
実際に、レーザー方式の粒度分布を測定(図5)すると、用いたポリスチレン樹脂球の平均粒径は0.775μm、酸化ジルコニウムナノ粒子の平均粒径0.107μm、PEIを用いた時の酸化ジルコニウムナノ粒子の平均粒径0.105μm、ポリスチレン表面に酸化ジルコニウムを被覆反応させた粒子の平均粒径1.256μm、ポリスチレン表面に1wt%PEIで分散させた酸化ジルコニウムを被覆させた粒子の平均粒径1.050μm、ポリスチレン表面に3wt%PEIで分散させた酸化ジルコニウムを被覆させた粒子の平均粒径0.873μmとなり、PEIを用いずに分散させたナノ粒子を被覆ポリスチレン樹脂球に被覆反応させた被覆粒子はナノ粒子が一層吸着している。一方、PEIにより分散させたナノ粒子の被覆反応後の粒子径はPEIの濃度が増すことで小さくなり、3wt%のPEIを用いた場合ポリスチレン樹脂球の平均粒径とほぼ同じで酸化ジルコニウムナノ粒子はポリスチレン樹脂球表面に吸着しない。
つまり、PEIを用いて酸化ジルコニウムナノ粒子を分散させたスラリーを用いてポリスチレン樹脂球へ吸着させる場合、PEIと酸化ジルコニウムナノ粒子の競争吸着反応はPEIが先にポリスチレン表面へ吸着し表面が正の電荷を帯びることで酸化ジルコニウムナノ粒子の吸着を行わない。本発明では、表面電荷を調整することによってナノ粒子の吸着反応並びに被覆反応を行うことができる(図4)。本発明では、上記した方法で酸化ジルコニウムナノ粒子をサブミクロンサイズ以上の有機樹脂球表面上に被覆させた粒子を合成することで、セラミックス成形法である鋳込成形を行うことができる。
鋳込成形のためのスラリーを作製するために、1vol%の酸化ジルコニウムナノ粒子の分散液をpH4に調整し、10分間ホモジナイザーをかけることで分散させた。その分散液中の粗大粒子を取り除くために、5000rpmで1秒間遠心分離を行った。酸化ジルコニウムナノ粒子による被覆粒子は、ナノ粒子分散液を8wt%ポリスチレン樹脂球の分散液に加え、pH4で24時間攪拌することで合成し、そのスラリーを鋳込成形に用いた。その分散スラリーを、石膏型に流し込み、鋳込成形を行った。鋳込成形体は、48時間、風乾することで乾燥させ成形体を取り出した。
図6に、鋳込成形体破断面の様子の電子顕微鏡写真を示す。酸化ジルコニウムナノ粒子は、ポリスチレン樹脂球表面上にきれいに被覆され、被覆粒子の大きさは均一であった。更に、粒子間の一部はナノ粒子で埋まっている様子が観察され、本発明により、酸化ジルコニウムナノ粒子の成形が可能であり、ナノ粒子の成形体を提供できることが分かった。
図7に、1000℃で焼成することで有機系基質粒子であるポリスチレン樹脂球を成形体から除去した様子の電子顕微鏡写真を示す。孔の形状は球で有機系基質粒子であるポリスチレン樹脂球が除去された状態であった。また、構造体の内部まで連続孔を有している多孔質構造体であった。更に、孔を形成している壁の構造は、用いた酸化ジルコニウムナノ粒子の一次粒子径(平均粒子径70nm)で形成されており、ナノ粒子の成形体構造を維持したものであり、本発明により、ナノ粒子の状態を維持したセラミックス構造体を提供可能であることが分かった。
焼成温度が500℃から1200℃の範囲で、同様なナノ粒子の成形体構造を維持した多孔質構造体を製造することができる。この場合、マクロポーラスとミクロポーラスが混在した多孔質セラミックス構造体が提供される。図8に、焼成温度を1400℃にした場合の構造体の様子の電子顕微鏡写真を示す。酸化ジルコニアの焼成温度が1400℃以上であることから、成形体を形成している酸化ジルコニウムナノ粒子の焼結が促進され、焼結された酸化ジルコニウムの多孔質体が製造される。
その多孔質体は、ほぼ均一の連続孔を有し、70%以上の気孔率を持っている。更に、本発明により、焼結粒が1〜2個程度の薄い壁骨格をもつ構造体を提供可能であることが分かった。つまり、本発明によって、有機樹脂球表面にナノ粒子を吸着被覆することでナノ粒子の成形が可能になり、更に、焼成温度を変えることによってナノ粒子で形成された構造体から多孔質構造を形成する骨格が極めて薄いセラミックス多孔質構造体を製造することができる。その孔は、連続であり、均一径を有している。本発明は、機械的強度を容易に調整可能な構造材料、機械的強度が必要な機能性材料に応用が可能であるだけでなく、ナノ粒子の特性を活かした材料への応用が可能である。
以上説明したように、本発明のセラミックスナノ粒子を表面電荷の違いによって分散有機樹脂球等の有機系基質粒子の表面上に被覆することができるテンプレート法によって、被覆粒子を製造し、ナノ粒子の湿式成形が可能である。更に、本発明によって提供されるナノ粒子を被覆させた粒子の成形体を焼成することで、ナノ粒子でできた壁を有するセラミックスナノ粒子を構造体とする多孔質体を製造することを達成でき、ナノ粒子の構造体を製造できる。更に、その構造体は、マクロポーラスとミクロポーラスが混在した多孔質セラミックスであることから、例えば、バルク体の比表面積が必要な機能性材料、電池材料などに応用が可能である。また、本発明は焼成温度を上昇させることで構造体を形成しているナノ粒子を焼結させることができ、その形成される孔は均一である。そのため、例えば、軽量多孔質構造セラミックス材料、機械的強度が必要な機能性セラミック材料に応用が可能である。例えば、複合ナノ粒子にも適応可能であることから、バルク体の比表面積が必要な電池材料分野などにも利用が可能である。
酸化ジルコニウムナノ粒子のポリスチレン樹脂球表面上への被覆状態(電子顕微鏡写真)を示す。 ゼータ電位とpHの関係を示す。 酸化ジルコニウムナノ粒子をPEIで分散させた分散液にポリスチレン樹脂球を加えた後の樹脂球表面(ナノ粒子の被覆状態)を示す。 被覆粒子の成形体モデルを示す。 粒度分布の測定結果を示す。 鋳込成形体の破断面の様子(被覆粒子による成形体の内部構造)を示す。 テンプレート法によって製造したナノ粒子の成形体を1000℃で焼成することによりテンプレート粒子のポリスチレン樹脂球を除去した様子(マクロ孔を形成する骨格が一次粒子のナノ粒子で形成されている)を示す。 テンプレート法によって製造したナノ粒子成形体を1400℃で焼成した後の構造体(均一粒の孔を有し、その孔を形成する骨格が1〜2個の焼結粒で形成されている)を示す。
符号の説明
(図2の符号)
(a) 本実施例で用いたポリスチレン樹脂球のゼータ電位
(b) ホモジナイザーによって分散させた酸化ジルコニウムナノ粒子のゼータ電位
(c) 上記(b)のナノ粒子をポリスチレン樹脂球表面へ被覆させたときの被覆粒子のゼータ電位
(d) 1wt%PEIによって分散させた酸化ジルコニウムナノ粒子のゼータ電位
(e) 上記(d)の酸化ジルコニウムナノ粒子をポリスチレン樹脂球表面へ被覆反応させた粒子のゼータ電位
(図4の符号)
1 ポリスチレン樹脂球であるテンプレート物質の有機樹脂球
2 酸化ジルコニウムナノ粒子
3 ナノ粒子を被覆させた被覆粒子
4 被覆粒子間の空孔
5 空孔を埋めたナノ粒子
(図5の符号)
(a) ホモジナイザーで分散させた酸化ジルコニウムナノ粒子
(b) 1wt%PEIを加え分散させた酸化ジルコニウムナノ粒子
(c) ポリスチレン樹脂球
(d) ポリスチレン樹脂球表面へ上記(a)の酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆させた被覆粒子
(e) 1wt%のPEIによって分散させた酸化ジルコニウムナノ粒子をポリスチレン樹脂球表面へ被覆反応を行った粒子
(f) 3wt%のPEIによって分散させた酸化ジルコニウムナノ粒子をポリスチレン樹脂球表面へ被覆反応を行った粒子


Claims (12)

  1. 有機系基質粒子表面上にセラミックスナノ粒子を被覆させたセラミックスナノ粒子被覆複合体を構成要素とするセラミックスナノ粒子成形体であって、
    (1)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する、
    (2)このナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製する、
    (3)上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、ことにより得られる、上記セラミックスナノ粒子成形体。
  2. セラミックスナノ粒子を被覆させた有機系基質粒子の湿式成形によるセラミックスナノ粒子成形体を焼成してなるナノ粒子の一次粒子で構成された多孔質セラミックスであって、
    (1)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する、
    (2)このセラミックスナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製する、
    (3)上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、(4)上記セラミックスナノ粒子成形体を焼成する、
    ことにより得られる、均一孔で連続孔を有する、ナノ粒子の一次粒子で構成された多孔質セラミックス。
  3. 構造体の骨格がセラミックスナノ粒子であり、マクロポーラスとミクロポーラスが共存した多孔質セラミックスである、請求項2に記載の多孔質セラミックス。
  4. 構造体の骨格が焼結粒1〜2個で形成される高気孔率の多孔質セラミックスである、請求項2に記載の多孔質セラミックス。
  5. 有機系基質粒子表面上にセラミックスナノ粒子を被覆させたセラミックスナノ粒子被覆複合体を構成要素とするセラミックスナノ粒子成形体を製造する方法であって、
    (1)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する、
    (2)このナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製する、
    (3)上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、ことを特徴とする上記セラミックスナノ粒子成形体の製造方法。
  6. セラミックスナノ粒子を被覆させた有機系基質粒子の湿式成形によるセラミックスナノ粒子成形体を焼成してなるナノ粒子の一次粒子で構成された多孔質セラミックスを製造する方法であって、
    (1)原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する、
    (2)このナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機系基質粒子を含む水溶液中に導入し、その表面電荷の違いによって被覆反応を行い、セラミックスナノ粒子被覆複合体を作製する、
    (3)上記ナノ粒子被覆複合体を湿式成形してセラミックスナノ粒子成形体を作製する、(4)上記セラミックスナノ粒子成形体を焼成する、
    ことを特徴とする上記多孔質セラミックスの製造方法。
  7. 原料のセラミックスナノ粒子の分散液を調製する際に、40mV以上の表面電荷を有するように、pHコントロールする、請求項6に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
  8. セラミックスナノ粒子として、50nmから100nmの範囲の径を有するセラミックスナノ粒子を使用する、請求項6に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
  9. 有機系基質粒子として、均一径の有機樹脂球を用いる、請求項6に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
  10. セラミックスナノ粒子成形体を500〜1400℃で焼成する、請求項6に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
  11. 請求項6から10のいずれかに記載の方法で作製された多孔質セラミックスを構成要素として含むことを特徴とする構造用部材。
  12. 請求項6から10のいずれかに記載の方法で作製された多孔質セラミックスを構成要素として含むことを特徴とする担体用部材。


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