JP2006026942A - ノイズ検出装置、ノイズ検出プログラム、ノイズ検出方法、キャリブレーション装置、キャリブレーションプログラムおよびキャリブレーション方法 - Google Patents

ノイズ検出装置、ノイズ検出プログラム、ノイズ検出方法、キャリブレーション装置、キャリブレーションプログラムおよびキャリブレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ノイズを除去できるように確実に抽出するノイズ検出装置、ノイズ検出プログラム、ノイズ検出方法、キャリブレーション装置、キャリブレーションプログラムおよびキャリブレーション方法を提供する。
【解決手段】 記録媒体に印刷されたパッチに含まれるノイズを検出するにあたり、上記パッチにおける記録材の分布を示す分布情報を取得し、同取得した分布情報に基づいて、ノイズの影響を受けた分布情報を強調し、同強調された分布情報に基づいて、上記パッチのノイズを検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像データに基づいてノイズを検出する技術に関する。
インクジェットプリンタ等の印刷装置においては、最もノイズが少ない状態で印刷を実行できるように、製品出荷前の工程やエンドユーザの操作によってキャリブレーションを実施する。キャリブレーションを実施するためにはノイズの発生状況を検出する必要があるが、印刷装置にて生じるノイズには種々のノイズがあり、例えば、主走査方向(用紙送りと直角の方向)に何らかの周期性を伴って生じるバンディングノイズを検出する技術が知られている。(例えば、特許文献1参照)
特開2003−219158号公報
上述した従来の技術においては、検出対象のノイズ、特にバンディングノイズを確実に検出することができなかった。
すなわち、従来の技術では、バンディングノイズを検出するにあたり、明度等に対するフーリエ変換を行うが、バンディングノイズは画像の色によって目立ちやすさが異なり、総ての色に対して一様にフーリエ変換を適用した場合には確実にバンディングノイズを検出するのが困難であった。例えば、低明度の色では明るい色のバンディングノイズが目立ち、高明度の色では暗い色のバンディングノイズが目立つが、両者に対して同じようにフーリエ変換を行ってバンディングノイズを評価しても、その評価結果は、人間の目が知覚するバンディングノイズの発生程度と異なる評価になる。従って、画像データに対して単にフーリエ変換を適用しても確実にバンディングノイズを評価し、検出するのは困難であった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、ノイズを除去できるように確実に抽出するノイズ検出装置、ノイズ検出プログラム、ノイズ検出方法、キャリブレーション装置、キャリブレーションプログラムおよびキャリブレーション方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明においては、パッチにおける記録材の分布情報に基づいてパッチに含まれるノイズを検出するに際して、分布情報にてノイズの影響を受けた部分を強調する。すなわち、分布情報は記録材の分布を示すものであり、パッチに含まれるノイズや分布情報を取得する際のノイズによって分布情報が影響を受ける。この影響を受けた部分を強調すれば、分布情報に含まれるノイズ成分が増加することになるので、当該強調後の分布情報に基づいてノイズを検出することで、確実にノイズを検出することが可能になる。
尚、ノイズには、ある方向に対して周期的に発生するノイズと不規則に(非周期的に)発生するノイズが含まれる。例えば、前者の例としてはバンディングノイズが挙げられる。後者の例としては、パッチに付着したごみに起因するノイズ(ごみが付着したまま読み取りを行うことによって形成されるノイズ)や読み取り時のノイズ、パッチ印刷時にランダムに記録されたノイズ等を含む。特定のノイズを検出することを目的とする場合には、ノイズ強調手段による強調に際して当該特定のノイズの影響を受けた分布情報を強調すればよい。
ここで、パッチはノイズ検出手段における検出対象のノイズを含んでいれば良いが、当該ノイズが検出しやすいようにパッチの記録内容を決定し、印刷するのが好ましい。分布情報取得手段においては、記録材の分布を示す分布情報を取得することができれば良く、パッチに記録された記録材の分布を反映したデータを取得すればよい。従って、光学読取装置によってパッチを走査しても良いし、パッチにおける記録材の分布を示すデータを予め生成しておき、このデータを取得しても良い。いずれにしても、キャリブレーション前には、意図したとおりに記録材を的確に記録してパッチを生成するのは容易ではない。従って、キャリブレーション前には、パッチに上記バンディングノイズ等が含まれ得る。
分布情報は、記録材の分布を反映した情報であれば良く、種々の情報を採用可能である。例えば、パッチの色を示す色彩値が分布情報に含まれるように構成することができる。パッチにノイズが含まれる場合には、その色に変化が生じる。例えば、一様な色を印刷するためのデータでパッチを印刷した場合であっても、バンディングノイズが含まれる場合には、パッチの色の一部が意図した色にならない。そこで、色彩値を利用すれば、パッチに含まれるノイズを容易に評価可能な分布情報を取得することができる。
ここで、色彩値は色を示していれば良く、例えば、明度と彩度と色相とのいずれかまたは組み合わせを採用可能であるし、他にも、L***値やXYZ値等種々の情報を色彩値とすることができる。むろん、分布情報に色彩値が含まれる場合、ノイズ強調手段ではその色彩値を強調することによってノイズの影響を受けた分布情報を強調することになる。
ノイズ強調手段においては、その処理の結果としてノイズの影響を受けた分布情報を強調することができれば良いので、上記パッチに特定のノイズが含まれる場合には分布情報がどのように影響を受けるのかを定性的に分析し、その特性を強調することができればよい。このための構成例としては、種々の例を採用可能である。例えば、ノイズの影響によってパッチの色が変化する場合にその変化が目立つように分布情報を強調する構成を採用可能である。すなわち、パッチにノイズが含まれる場合とノイズが含まれない場合とを比較すると、前者においては後者に存在しない色の変化が生じる。そこで、その変化がより目立つように強調すれば、ノイズ検出手段において容易にノイズの有無を検出することが可能になる。
また、ノイズ強調手段にて強調を行う際に、ノイズの影響を受けている部分と受けていない部分とを予め詳細に分析することは必須ではない。すなわち、ノイズの影響を受けていない部分の一部がノイズの影響を受けた部分とともに強調されることがあっても、分布情報全体で、ノイズの影響を受けている部分が影響を受けていない部分と比較して相対的に強調されていればよい。ノイズの影響を受けている部分が影響を受けていない部分と比較して相対的に強調されるようにするためには、ノイズの影響を受けた場合の分布情報の変化を定性的に把握し、この変化と同様の変化をしている部分をそれ以外の部分と比較して相対的に大きく変化するように分布情報を強調するのが好ましい。
分布情報を強調するに際しては、所定の閾値と分布情報とを比較し、その大小関係によって強調程度を決定しても良い。すなわち、分布情報が閾値に対して大きいか否かによってノイズを強調する程度を決定すれば、非常に容易に強調すべきか否かを決定することができる。また、強調すべきか否かを閾値で定義することにより、強調の有無を決定することも可能である。また、閾値によれば、分布情報の変化を容易に評価することができる。すなわち、ある位置の分布情報が閾値を超えるあるいは下回る場合にその分布がノイズに起因すると考えればよい。
閾値との比較によって強調すべき分布情報を取得することができれば、閾値と分布情報との差に対して重み付け係数を乗じることで、容易に強調を行うことができる。尚、重み付け係数は、ノイズの影響を受けた部分を強調できるように設定されていれば良く、パッチの色や印刷条件等によって種々の大きさを設定することも可能である。種々の大きさに設定するとしても、予めその大きさを決定しておき、それらの中から閾値やパッチの色、印刷条件等に基づいて選択すればよい。
閾値として好ましい構成としては、分布情報の変化傾向を示す値を採用可能である。すなわち、分布情報はパッチにおける記録材の空間的な分布を示し、位置に依存する情報である。この分布の微視的な変化はノイズ等の情報を含むが、巨視的には細かいノイズの影響を受けない変化傾向、すなわち、全体としての大きな変化(低周波のうねり)が存在し得る。この変化傾向は細かいノイズの影響によるものではなく、例えば、パッチを印刷する際の印刷媒体の撓み等に起因しているものである。
しかし、このような大きな変化傾向が含まれると、細かいノイズの検出に好ましい影響は与えないので、変化傾向の影響を排除してノイズ検出を行うのが好ましい。このとき、上記閾値として変化傾向を示す値を採用し、閾値と分布情報との大小関係によって強調程度を決定すれば、変化傾向による影響を排除した上で分布情報の変化を排除することが可能になる。従って、的確に分布情報を解析することができる。
尚、当該変化傾向を示す値を閾値として採用するに際しては、一様な色のパッチを採用するのが好ましい。すなわち、一様な色で印刷を行うための印刷データによって印刷されたパッチの分布情報は、理想的には一様になるはずである。しかし、上述のようにパッチを印刷する際に印刷媒体に撓み等が発生し、一様とはなっていない場合、大きなうねりに細かいノイズが重畳されたような分布情報となる。そこで、閾値として変化傾向を採用すれば、大きなうねりに相当する変化傾向をキャンセルして分布情報を評価することができる。
この変化傾向は、パッチ全体に渡る分布情報の大きな変化を示していれば良く、種々の構成によって算出することができる。例えば、ある位置における変化傾向値をその位置を含む所定範囲内の分布情報の平均値として定義することができる。すなわち、分布情報を微視的に観察すると、変化傾向に対して振動が生じているように変化するので、上述の平均によってこの振動をキャンセルして変化傾向を算出することが可能になる。むろん、ここでは、分布情報に対していわゆるローパスフィルタを適用することができれば良く、他にも種々の構成を採用可能である。
また、ノイズ強調手段においては、状況に応じてノイズの強調程度を変更することが可能である。このための例として、パッチの色によって異なる強調程度とする構成を採用可能である。例えば、パッチの明度や彩度、色相によって強調程度を変更する。すなわち、パッチの色によってバンディングノイズ等のノイズが目立つ程度が異なるので、色毎に強調程度を変えることによってより確実にノイズを検出することが可能になる。
具体的には、人間の目に知覚されやすいノイズの強調程度を知覚されにくいノイズの強調程度より大きくすれば、知覚されやすいノイズを確実に検出することが可能である。暗い色(明度を0〜100と定義したときの明度50以下)のパッチでは、それより明るい色のノイズが目立つため、パッチの変化傾向値より大きい明度を強調(より大きく)すればよい。明るい色(明度を0〜100と定義したときの明度50以上)のパッチでは、それより暗い色のノイズが目立つため、パッチの変化傾向値より小さい明度を強調(より小さく)すればよい。
さらに、状況に応じてノイズの強調程度を変更する例として、パッチを印刷する際の印刷条件によって異なる強調程度とする構成を採用可能である。例えば、パッチを印刷する印刷媒体の種類、印刷時の解像度等によってバンディングノイ等のノイズが目立つ程度が異なるので、印刷条件毎に強調程度を変えることによってより確実にノイズを検出することが可能になる。
ここでも、人間の目に知覚されやすいノイズの強調程度を知覚されにくいノイズの強調程度より大きくすれば、知覚されやすいノイズを確実に検出することが可能である。光沢系の印刷媒体に印刷されたパッチでは、非光沢系の印刷媒体に印刷されたパッチよりノイズが目立つため、光沢系の印刷媒体における強調程度を非光沢系より大きくすればよい。低解像度で印刷されたパッチでは、それより高い解像度で印刷されたパッチよりノイズが目立つため、低解像度であるほど強調程度を大きくすればよい。
ノイズ検出手段においては、ノイズを検出することができれば良く、本発明では特定のノイズの特性に基づいて分布情報を強調するので、ノイズの特性が分布情報に反映されるようなノイズを検出対象とする。その好ましい例としては、周期的なノイズが挙げられる。周期的なノイズを検出するための構成例としては、分布情報を空間周波数に対するスペクトルに変換した値を利用する構成を採用可能である。空間周波数への変換で得られたスペクトル値を利用すれば、当該周期的なノイズの発生程度を評価する値(例えば積分値)を取得することができ、この値の大小によってノイズを検出可能である。
周期的なノイズはそのノイズを生じさせる原因が存在すると考えられ、印刷装置のキャリブレーションによってそのノイズを除去できる可能性が高い。すなわち、周期的なノイズの発生程度を評価することができれば、パッチを印刷する印刷装置にて複数の設定による印刷を行うことにより、いずれの設定が最もノイズを抑えるのか把握することができる。そこで、周期的なノイズの発生程度を示す値が最も小さいパッチを印刷したときの設定になるように調整すれば、ノイズを抑える設定にすることができる。
尚、ノイズ強調手段においては、確実にノイズを検出するための付加的な処理を導入することも可能である。例えば、記録媒体上に印刷されたパッチをより小さな領域に分割し、領域毎に記録材の分布情報を強調する。このように、分割領域毎に処理を進めることにより、パッチ全体として均した状態ではなく、分割領域毎に強調を実施することが可能になる。また、分布情報を分割領域毎に比較し、特異な分布となる領域を抽出/除去することにより、非周期的に発生するノイズを含む領域を予め抽出/除去することができる。
ノイズの検出は、上記キャリブレーションに際して実施するのが好ましく、この意味では、パッチを印刷する印刷装置にてノイズが発生する設定になっているか否かを確実に把握することができればよい。そこで、ノイズを検出し易いパッチを採用するのが好ましい。この構成例としては、ノイズであるか否かを確実に顕在化するため、一色かつ一様なパッチを採用するのが好ましい。
さらに、パッチには人間の目にノイズが認識されやすい色が含まれるように構成するのが好ましい。人間の目によって認識される色は各人によって異なるが、一般的には、有彩色より無彩色の方が色の差(色差)を認識しやすい。そこで、パッチに無彩色を含めておき、当該無彩色によってノイズを検出するように構成すれば、人間の目による知覚に対応したノイズの検出を実施することが可能である。むろん、無彩色以外にもノイズが認識されやすい色であれば、パッチに含めるのが好ましい。
また、ノイズが目立つか否かを判断する基準として人間以外を採用しても良い。すなわち、印刷装置の機種や印刷装置に搭載する記録材の種類に依存して特定の色でノイズが目立つこともある。このような場合は、各印刷装置の機種や各記録材の種類毎に異なる色のパッチを印刷する。この結果、印刷装置の機種や記録材の種類にかかわらず確実にノイズを検出することが可能になる。この色を決定するに際しては、各印刷装置の機種や各記録材の種類毎に複数の色を印刷し、その中で相対的に高頻度でノイズが発生する色を選択すればよい。むろん、パッチは1色のみで印刷しても良いし、複数色印刷しても良い。
さらに、1色以上のパッチを印刷する際に、印刷装置で使用可能な総ての色の記録材を使用するのが好ましい。例えば、1色のパッチを印刷するために総ての色を使用しても良いし、2色以上のパッチのいずれかに総ての色の記録材が含まれるように構成しても良い。すなわち、ノイズ発生には特定の色が大きく影響することがあり得るので、このようなノイズが発生し得る状況で総ての色を使用してパッチを印刷すれば、いずれかのパッチにおいてノイズを検出することができる。従って、ノイズの発生を見過ごすことがない。
ノイズ発生に特定の色が大きく影響する例としては、インクジェットプリンタにおいて特定の色を吐出するための特定のノズルから飛翔するインク滴の飛翔方向が、他のノズルからのインク滴の飛翔方向と異なる場合やノズルの製造誤差によってある色のインクを吐出するノズルのいずれかが他のノズルと異なるピッチとなる場合等が挙げられる。むろん、インクジェットプリンタに限らずレーザープリンタ等においても、複数の色を組み合わせて多色を表現する構成である限り、特定の色がノイズの発生に大きく寄与し得る。
さらに、所定の明度の色とそれより低明度の色との2色を含むパッチを印刷する構成を採用可能である。すなわち、高明度の色では意図せずに低明度となる部位がノイズとなり、低明度の色では意図せずに高明度となる部位がノイズとなる。そこで、高明度のパッチと低明度のパッチを上述のパッチとして採用すれば、いずれのノイズであっても検出することが可能になる。ここで、高明度の色で意図せずに低明度となる部位が生じる例としては、記録材が意図せずに重なって記録されてしまう場合が挙げられる。逆に、低明度の色で意図せずに高明度となる部位が生じる例としては、記録材が意図せずに離れて記録され、記録媒体の地色(通常は白)が露出してしまう場合が挙げられる。
ここでは、異なる2種類の明度でパッチを印刷すればよいが、異なる明度の色についてより明確にノイズを顕在化させるため、両者の明度はある程度離れていることが好ましい。例えば、明度の値域が0〜100である時に、明度55のパッチと明度35のパッチとを印刷するように構成する例を採用可能である。
さらに、複数のパッチを印刷することとし、かつ、印刷装置における主走査の中心位置を挟んで略対称の位置にこれらのパッチを配置する構成を採用しても良い。すなわち、主走査は通常印刷媒体の送り方向に対して直角の方向であり、主走査の範囲では送り量が一定であることが理想的であるところ、送り量が主走査の範囲内で一定でないことに起因してノイズが発生し得る。そこで、これらのノイズの発生状況を検出するため、主走査の中心位置を挟んで対称の位置にパッチを印刷し、両者のノイズの発生状況を比較すれば、容易に送り量が適切であるか否かを検出することができる。むろん、主走査方向の両端で異なる程度のノイズを発生させる原因としては、記録媒体の送り量以外にも種々の原因が想定される。
尚、ここでは、主走査の位置によってノイズの発生程度が異なるか否かを確実に比較するため、比較するパッチの色は同じ色(すなわち、同じ画像データに基づいて印刷されるパッチ)であることが好ましい。また、パッチは、主走査の中心位置を挟んで略対称の位置に配置されればよいが、主走査の両端で最もノイズの発生程度の差が生じると考えれば、できるだけ端部に近い位置にパッチを印刷することが好ましい。
また、光学読取装置によってパッチにおける記録材の分布情報を取得する際に好適な構成例として、光源安定化のために分布情報の取得に先立って光源を発光させる構成を採用可能である。この時、単に光源を発光させてもよいし、光学読取装置が通常備えるプレビュースキャン(本スキャンより低解像度での簡易スキャン)を行っても良い。むろん、プレビュースキャンや光源の発光は複数回実施しても良い。さらに、分布情報を取得する際に光学読取装置の読み取りバラツキの影響をできるだけ低減するため、複数回の読み取りを行って平均化したり、複数回の読み取りを行って最後あるいは最後の複数回の読み取り結果に基づいて分布情報を取得する構成等を採用可能である。また、複数回の読み取りを行い、それぞれについてノイズを評価するための値を算出して平均化しても良い。
尚、以上のように、ノイズ検出対象のデータに対してノイズの影響を受けた部位を強調する前処理を行ってノイズを検出する構成は、パッチの読み取り結果以外に適用することも可能である。すなわち、複数の画素を含む画像データを取得し、解析対象の領域内でノイズの影響を受けているデータを強調し、ノイズを検出する。この結果、目立ちやすいノイズを確実に検出することができる。むろん、ノイズの検出はキャリブレーション時に利用することが可能である。すなわち、印刷装置において複数の状態に設定可能な(可変の)パラメータについてその設定値を変更し、複数のパラメータによってパッチを印刷してそのノイズを検出すれば、各パッチにおけるノイズの発生程度を評価することができる。そこで、ノイズの発生が最も抑えられたパラメータを最良のパラメータとして印刷装置に設定すれば、キャリブレーションを実施することができる。
ところで、このような装置は、単独の装置として存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。発明の思想の具現化例として装置のソフトウェアとなる場合の例として、請求項19〜請求項21にかかる発明を採用しても良い。
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階についても同等である。また、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
また、このような装置においては、その制御手順に従って処理を進めていく上で、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然であり、方法としても適用可能である。このため、請求項22〜請求項24にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。むろん、上記プログラムおよび方法において上記請求項2〜請求項16に対応した構成を採用することも可能である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の概略構成:
(2)キャリブレーションシステムの構成:
(2−1)コンピュータの構成:
(2−2)調整用パターンの構成:
(2−3)キャリブレーションモジュールの構成:
(2−4)プリンタの構成:
(3)キャリブレーション処理:
(3−1)調整用パターンの印刷処理:
(3−2)スキャン処理:
(3−3)バンディングノイズ値取得処理:
(3−4)最良値抽出処理:
(4)他の実施形態:
(1)本発明の概略構成:
図1は本発明の概略を説明するための説明図である。同図において、プリンタ40はA2サイズなど大きなサイズの印刷用紙を利用して印刷を実行可能なインクジェットプリンタであり、複数のノズルからインク滴を吐出して印刷用紙に画像を記録する。本実施形態においては、プリンタ40における印刷用紙の送り量と使用ノズルとを調整し、主走査方向に意図せずに生じる線状のノイズ(バンディングノイズ)の発生を抑える。
このため、調整に際して当該プリンタ40とプリンタ40を制御するコンピュータ10とスキャナ30とによって調整システムを形成している。すなわち、プリンタ40によって複数のパッチを含む調整用パターンを印刷用紙に印刷し、スキャナ30によって当該調整用パターンをスキャンし、スキャン結果に基づいてバンディングノイズを評価することにより、バンディングノイズを抑えることが可能な調整値を取得する。
ここで、バンディングノイズに影響を与える要因である印刷用紙の送り量と使用ノズルの選定とについて最適な状態に調整するため、それぞれの調整を目的とした調整用パターンを利用する。すなわち、まず送り量を調整するためにプリンタ40において送り量を変更して同じ調整用パターンを複数回印刷する。これらの調整用パターンをスキャナ30で取り込むとともに異なる送り量同士でバンディングノイズの状態を比較すれば、バンディングノイズを最も抑えられる送り量を取得することができる。そこで、この最適な送り量で印刷用紙を送るようにプリンタ40に送り量を設定すれば、バンディングノイズを最も抑えられる送り量でプリンタ40を駆動することができる。
さらに、この送り量が設定された状態で、さらに最適な使用ノズルを把握するために、印刷時に使用するノズルを変更して同じ調整用パターンを複数回印刷する。この印刷結果についても同様の解析処理を行えば、バンディングノイズを最も抑えられる使用ノズルの組を取得することができる。そこで、得られた使用ノズルの組を利用して印刷を実行するようにプリンタ40に設定すれば、バンディングノイズを最も抑えられるノズルの組を利用してプリンタ40を駆動することができる。尚、本発明は、プリンタ40の製造者がその出荷前に行っても良いし、プリンタ40の使用者が行っても良い。
尚、本実施形態においては、上記スキャナ30にて調整用パターンを読み取り、当該読取結果においてバンディングノイズに起因して変化していると思われる部分を強調する。バンディングノイズの解析は当該強調した結果に基づいて実施する。このとき、パッチの色や印刷媒体の種類に応じて異なる強調程度とし、人間の目に認識されやすい(目立つ)バンディングノイズがより目立つようにしている。従って、目立ちやすいバンディングノイズを確実に検出することができるし、目立ちにくいに対する考慮を相対的に抑えることができる。この結果、バンディングノイズを抑えるキャリブレーションを確実に実施可能になる。
(2)キャリブレーションシステムの構成:
(2−1)コンピュータの構成:
次に、上述の発明を実現するための構成を詳細に説明する。図2は、コンピュータ10のハードウェアおよびソフトウェアによる機能を示すブロック図である。コンピュータ10は、CPU11,RAM12,ROM13等のプログラム実行環境を備えており、ROM13やHDD(ハードディスクドライブ)14に記録された各種プログラムをRAM12に読み出して実行することができる。本実施形態においては、そのプログラムとして図示しないOSやPRTDRV(プリンタドライバ)20、スキャナDRV(ドライバ)30a等を含み、同OSの実行下において各種プログラムを起動することができる。
また、コンピュータ10はUSBI/F15を介してスキャナ30,プリンタ40と接続され、図示しないI/Fを介してディスプレイ17,キーボード16a,マウス16b,スキャナ30と接続される。すなわち、ディスプレイ17に対して所定の画像を出力可能であり、キーボード16aおよびマウス16bを介して各種入力操作を受け付けることができる。以上のように、コンピュータ10は汎用的なコンピュータが一般的に備えるハードウェアを利用し、後述するソフトウェアを実行することによって本発明を実現可能である。
PRTDRV20は、印刷対象の画像や文字等をプリンタ40に印刷させるためのデータを生成するプログラムであり、本実施形態においては、当該PRTDRV20にキャリブレーションのためのモジュールが含まれている。すなわち、PRTDRV20は画像処理部21とキャリブレーションモジュール22とを備えている。画像処理部21は、印刷対象の画像を示す画像データを取得し、所定の画像処理を施して印刷データを生成する。
すなわち、画像データの解像度変換処理や色変換処理、ハーフトーン処理等を実施し、プリンタ40にて印刷を実行させるための印刷データを生成する。生成された印刷データは、上記USBI/F15を介してプリンタ40に受け渡される。プリンタ40は、当該印刷データに基づき、後述するようにして印刷を実行する。画像処理部21は、このとき印刷条件に従って上述の画像処理を実施する。例えば、指示された解像度で印刷を実行するために解像度変換処理を実施し、指示された印刷用紙に対応した色変換テーブルを参照して色変換を実施する。
本実施形態においては、キャリブレーションに際して測定する調整用パターンを印刷するために、調整用パターンの画像を示す調整用パターンデータ14aと調整に際して設定する印刷条件を示す印刷条件データ14bとがHDD14に予め記録されている。すなわち、画像処理部21は印刷条件データ14bを参照し、当該条件下で調整用パターンデータ14aに示される画像データに画像処理を施す。この結果をプリンタ40に出力することによってプリンタ40は調整用パターンを印刷する。
印刷条件データ14bにおいては、調整を実施すべき印刷条件を示していれば良く、キャリブレーションの結果を適用する際に設定し得る種々の印刷条件を印刷条件データ14bとして採用可能である。例えば、印刷時に使用する印刷用紙毎にキャリブレーション結果を適用する場合には、複数の印刷用紙の種類を示すデータが印刷条件データ14bに含まれるし、解像度毎にキャリブレーション結果を適用する場合には、複数の印刷解像度を示すデータが印刷条件データ14bに含まれる。
(2−2)調整用パターンの構成:
図3においては、その上部に本実施形態において採用した調整用パターンを示している。このパターンは印刷用紙の長手方向(主走査方向)に沿って長い複数の矩形パターンP1〜P5を含んでおり、各矩形パターンP1〜P5では、キャリブレーション対象の設定値(パラメータ値)が異なっている(図3では#1〜#5としてパラメータが異なることを示している)。また、各矩形パターンP1〜P5の左右端部はグレー(Gr)のパッチで形成され、所定の明度のグレーを一様に印刷するための画像データによって印刷される。
グレーのパッチのそれぞれに対してはバイオレット(V)のパッチが並べて配置される。このパッチは所定の明度のバイオレットを一様に印刷するための画像データによって印刷される。尚、本実施形態においては、グレーのパッチとバイオレットのパッチとで明度が異なり、前者の方が高明度、後者の方が低明度である。矩形パターンP1〜P5のそれぞれは2個のグレーパッチと2個のバイオレットパッチを含み、図3上部に示すように各パッチが主走査方向に並ぶことになる。但し、矩形パターンP1〜P5のそれぞれにおいては、上述のようにキャリブレーション対象のパラメータが異なるので、パラメータによってバンディングノイズの発生状況が異なり得る。
また、グレーは人間の目にとって色の変化が最もわかりやすく、この意味でバンディングノイズの発生状況を解析する色として好ましい色である。バイオレットはプリンタ40によってバンディングノイズが発生しやすい色であり、この意味でバンディングノイズの発生状況を解析する色として好ましい色である。むろん、調整用パターンとして採用するパッチの色は、バンディングノイズを検出する上で好ましい色であればよく他にも種々の色を採用可能である。
さらに、本実施形態においては、後述するように複数の色のインクをプリンタ40に搭載可能であり、グレーのパッチとバイオレットのパッチによって上記複数の色の総てが少なくとも一回使用される。すなわち、いずれの色のインクもグレーパッチとバイオレットパッチとのいずれかまたは双方に含まれる。尚、本実施形態においてバイオレットのパッチの間にはバンディングノイズの解析に利用されるパッチが印刷されることはないが、他のパッチを印刷してバンディングノイズの検出に使用しても良い。また、印刷ヘッドからインクを吐出し続けることによってインクの飛翔状態を安定化させることができるので、バンディングノイズの解析に使用しない場合であっても主走査方向の全体に渡って何らかのパッチを印刷するのが好ましい。
(2−3)キャリブレーションモジュールの構成:
キャリブレーションモジュール22は、主にバンディングノイズの発生状況を解析するためのモジュールを備えており、パラメータ設定部22aと最良値抽出部22bとバンディングノイズ値取得部22cと特異領域除去部22dとFFT部22eと重み付け処理部22fと分割処理部22gとパッチ切出部22hとを備えている。パラメータ設定部22aは、USBI/F15を介して所定の制御信号を出力することにより、プリンタ40に対して各種のパラメータを設定するモジュールである。
すなわち、本実施形態においては、当該パラメータを変更しながら同じ調整用パターンデータ14aに基づく画像を印刷させ、得られた印刷物のバンディングノイズの状態によって最良のパラメータ値を設定する。そこで、当該パラメータを示すデータと変更後の値を示すデータとをパラメータデータ14cとしてHDD14に記録しておく。本実施形態においては、キャリブレーション対象が送り量と使用ノズルであり、送り量については変更後の値として複数の送り量を示すデータが記録される。使用ノズルを示すデータは、複数のノズルの組を指定するデータである。
図4は本実施形態における使用ノズルについてのパラメータデータを説明する説明図である。同図はプリンタ40が搭載する印刷ヘッド47aのノズル面に形成されるノズルの配列を模式的に示す図である。同図に示す印刷ヘッド47aは印刷時の主走査によって同図に示す主走査方向に往復動され、印刷用紙は紙送りによって同図に示す副走査方向に相対的に移動する。印刷ヘッド47aのノズル面には、副走査方向に同じ色のインクを吐出するためのノズルNzが複数個(例えば180個)並んでおり、このノズル列は7色のインク色に対応して7列形成されている。
本実施形態におけるパラメータデータは、各列で使用するノズルの数を固定するとともに副走査方向で異なる位置のノズルを使用するように指定したデータである。例えば、同図に示す例のように、ノズルを140個組で使用するとともに副走査方向にノズル数10個ずつずらした組を使用ノズルとし、パラメータ#1〜#5のようなノズルを指定する。いずれにしても、パラメータ設定部22aではキャリブレーション対象を特定するとともにそのパラメータ値を設定する。これにより、同じ画像データを異なるパラメータで印刷させるように設定する。
尚、本実施形態においては、パラメータ設定部22aによってパラメータを設定し、画像処理部21によって調整用パターンを印刷する処理を実施し、さらにパラメータ設定部22aがパラメータを変更して画像処理部21による処理を繰り返すことによって上記図3に示す矩形パターンP1〜P5を印刷する。また、調整用パターンの印刷に際しては、送り量に関するパラメータのみを変更した場合と使用ノズルに関するパラメータのみを変更した場合との2通り実施する。
スキャナDRV30aは、上記スキャナ30における取り込みを制御するドライバであり、上記キーボード16a等によって設定される解像度等の読取条件に従って、原稿台に載置された読取対象を読み取り、その画像データ14dを取得する。本実施形態において、この画像データ14dは、画像を複数の画像で表現するとともに各画像の色をRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色成分毎の階調値で表現したデータである。
本実施形態においては、キャリブレーションモジュール22によってプリンタ40のキャリブレーションが実施されるときにスキャナDRV30aが起動され、調整用パターンを印刷した印刷条件に対応した読取条件を設定してスキャンを行う。例えば、各印刷条件で印刷した調整用パターンデータをスキャンするために好ましい読取解像度に設定する。すなわち、バンディングノイズを検出する精度を上げるためには高解像度の読取を実施するのが好ましいが、過度に高解像にすると過度にデータ量が増加し、処理速度が遅くなる。
また、印刷解像度に近い読取解像度(例えば、±10dpiの範囲内)であれば、モアレが生じるおそれがある。そこで、精度と処理速度とを勘案して好ましい読取解像度を設定したり、モアレの発生を防止する読取解像度とすると好ましい。尚、読取をCCDで行う場合には、複数個のCCDによる読取結果から一つの画素を生成することが多いが、整数個あるいは(整数/2)個程度のCCDから一つの画素を生成するのが好ましい。例えば、2画素分の画像データを5個のCCDから生成するように読取解像度を設定する構成等を採用すればよい。
尚、以上の例では、上記画像データ14dを解析するにあたり、キャリブレーション対象を的確に把握するための構成を採用している。すなわち、図3に示す調整用パターンでは、その調整用パターンを印刷した時の変更対象(この例では送り量あるいは使用ノズル)を示す情報を調整用パターンの左上に記述するようになっている。より具体的には、文字”I”の位置および数によってこれらの情報を示しており、スキャナDRV30aは上記画像データ14dでこれらの文字に該当する部分を参照し、キャリブレーション対象を取得する。このキャリブレーション対象を示す情報は、キャリブレーションモジュール22に受け渡され、最良のパラメータ値を設定する際に参照される。また、本実施形態においては、スキャナ30による読み取りバラツキを排除するため、後述のように複数回のスキャンを実施する。
パッチ切出部22hは、上述のようにして読み取られた画像データ14dに基づいて上記パッチを色毎に切り出すとともに表色系を変換する処理を実施する。すなわち、HDD14から画像データ14dを取得し、各パッチに相当する画素数のデータを抽出する。この結果、例えば、図3の中央左に示すようにパラメータ#5の矩形パターンP5におけるGrのパッチに相当する画像データが抽出されるなど、パッチ毎の画像データが抽出される。
尚、ここでは、複数の矩形パターンP1〜P5から色の異なるパッチを切り分けることができれば良く、予め決められた画素数でパッチを切り出す構成の他、RGBの各色成分における階調値が所定の範囲内にあるデータを切り出すなど種々の構成を採用可能である。むろん、パッチの境界における画像データを排除するなど、各種の付随的な処理を実施可能である。
パッチ切出部22hは、切り出された各パッチの画像データにおける表色系を変換し、各画素における明度(L*値)を取得する。すなわち、典型的なバンディングノイズは図3の中央右に示すように画像において主走査方向(図3の左右方向)に意図せずに生じる線状の部位であり、周りの画像と比較して異なる色(明るい部分や暗い部分)が主走査方向に連続することによって発生する。そこで、本実施形態においては、画像内の明度によってバンディングノイズを解析することにしている。
パッチ毎の明度データを取得すると分割処理部22gがこの明度データを分割する。この分割は、上記色毎に切り出された各パッチを副走査方向に平行な線で分割することによって実施される。例えば、図3の中央左に示す色毎のパッチを主走査方向に一定数の画素(例えば16ピクセル)でまとめて一組にすることによって実施される。また、本実施形態においては、32個程度の領域に分割している。分割して得られるデータは図3の中央右に示すように副走査方向に長い矩形の領域の明度データに相当する。本明細書においては各領域を分割領域と呼ぶ。
本実施形態においては、当該分割領域毎にまとめて処理を行うため、分割処理部22gは分割領域で明度の平均を算出する。ここでは、バンディングノイズを検出することを目的としており、バンディングノイズは主走査方向に略平行であるため、主走査方向に並ぶ画素の明度は平均化する。すなわち、図3の中央右に示す16画素の明度を平均化し、副走査方向の位置に対する平均明度の関係を分割領域毎に算出する。このようにして算出される位置に対するL*値の関係は、図3の下部に示すグラフのような関係である。尚、このグラフにおいて横軸は位置(単位0.1mm)であり、縦軸はL*値である。
重み付け処理部22fは、得られた明度値に対して重み付けを実施するモジュールである。ここでの重み付けは、バンディングノイズに起因して発生し得る明度変化をより強調するための処理である。具体的には種々の処理を採用可能であり、例えば、高明度のパッチ(図3ではGr)では、低明度の線がバンディングノイズになり易いという洞察のもと、明度L*の高周波分を除いて得られる全体の変化傾向より小さい明度を強調する。尚、詳細な処理については後述する。
いずれにしても重み付けがなされた分割領域毎の明度が得られると、FFT部22e(FFT:Fast Fourier Transformation)がフーリエ変換を実施する。すなわち、FFT部22eは、入力されるデータに対してフーリエ変換を実施するモジュールであり、上記重み付けされた明度を分割領域毎に取得し、分割領域毎にフーリエ変換を実施する。
図5の上部には当該フーリエ変換の結果例を示している。同図において横軸は空間周波数、縦軸はパワースペクトル値であり、フーリエ変換結果は破線で示している。特異領域除去部22dは、分割領域毎のフーリエ変換結果を比較し、スキャン時に記録媒体に付着したごみやノイズの影響によりフーリエ変換結果が他の分割領域におけるフーリエ変換結果と大きく異なる領域(特異領域と呼ぶ)のデータを除去(解析に使用しないように設定)する。この処理の詳細は後述する。
バンディングノイズ値取得部22cは、上記特異領域を除いた後の分割領域毎のフーリエ変換値から、バンディングノイズの発生程度を示す値(バンディングノイズ値と呼ぶ)を取得するモジュールである。本実施形態においては、図5の上部に示すパワースペクトル値からバックグラウンドを除去することによって、バンディングノイズによる影響をより確実に顕在化してバンディングノイズ値を求めており、処理の詳細は後述する。
以上のようにバンディングノイズ値を算出する処理は各パッチ(図3に示す例では、パラメータ#1〜#5のそれぞれについてグレーおよびバイオレットのパッチがそれぞれ2個ずつ、計20個)について実施され、各パッチについてバンディングノイズ値が算出される。最良値抽出部22bは、これらのバンディングノイズ値を参照して最良のパラメータを取得する。本実施形態においてキャリブレーション対象は、送り量と使用ノズルであり、プリンタ40の駆動時に一回の主走査内でキャリブレーション対象のパラメータを変化させることはできない。
従って、本実施形態においては、主走査の左右で異なるパラメータを設定することはできず、主走査の左右におけるバンディングノイズ値からみて、全体としてバンディングノイズが抑えられているパラメータを設定すべきである。また、色毎に異なるパラメータを設定することもできず、各色のパッチで全体としてバンディングノイズが抑えられているパラメータを設定すべきである。例えば、上記図3に示す矩形パターンP1〜P5において、主走査の左右で異なる矩形内のパッチが最良のバンディングノイズ値であるとしても、主走査の左でパラメータ#1、主走査の右でパラメータ#2などのように設定してプリンタ40を駆動することはできない。
そこで、最良値抽出部22bは、各バンディングノイズ値を参照し、主走査の左右および色毎のバンディングノイズを比較して最もバンディングノイズが抑えられているパラメータを選択する。最良値抽出部22bが最良のパラメータを抽出すると、そのパラメータ値が上記パラメータ設定部22aに受け渡され、パラメータ設定部22aはUSBI/F15を介してプリンタ40に最良パラメータ値を設定する。この結果、プリンタ40においては、最良のパラメータ値を利用して印刷を実行することができ、バンディングノイズの発生を抑えた状態で印刷を実行することができる。
尚、本実施形態においては、キャリブレーション対象が送り量と使用ノズルとであり、それぞれについて調整用パターンを印刷するので、上述の処理は少なくとも2回実施される。むろん、それぞれのキャリブレーション対象の調整に際して一回目にはパラメータの変動幅を大きくして粗調整し、粗調整後に変動幅を小さくして調整を行うようにしてもよい。
(2−4)プリンタの構成:
図6は、プリンタ40のハードウェアおよびソフトウェアによる機能を示すブロック図である。プリンタ40は、CPU41,RAM42,ROM43,EEPROM44等のプログラム実行環境を備えており、所定のプログラムに従い、I/F45a〜45dを介して各部を制御する。USBI/F45aは、上記コンピュータ10が出力する印刷データや送り量、使用ノズルの設定を行うための制御データを取得するI/Fである。
I/F45b〜45dには、それぞれキャリッジ機構46と印刷ヘッドユニット47と紙送り機構48とが接続されている。印刷ヘッドユニット47は、上記印刷ヘッド47aやインクカートリッジに充填されたインクをインク室に供給する機構等によって構成され、印刷ヘッド47a内のインク室にはノズル毎にインクを吐出するためのピエゾ素子が備えられている。各ピエゾ素子は、I/F45cを介して制御され、この制御の結果画素毎にインクが記録され、または非記録とされる。むろん、この構成は一例であり、他にも種々の構成、例えば、バブルによってインクの吐出/非吐出を制御する構成やインク滴の吐出量を数段階に制御する構成等を採用することができる。
キャリッジ機構46は、上記印刷ヘッドユニット47を搭載するとともに主走査方向(紙送り方向と略直角)に駆動可能な部位を備え、CPU41の制御によって上記インクの吐出/非吐出に同期させながら印刷ヘッドユニット47を主走査させる。紙送り機構48は、図示しない蓄積部に蓄積された印刷用紙を一枚ずつ搬送する機構を備えており、この機構によって、インクを記録する部位に印刷用紙を搬送する。そして、上記インクの吐出/非吐出に同期させながら副走査を行う。
このような構成のプリンタ40において、本実施形態では上記CPU41等の制御によって印刷実行部41aとパラメータ設定部41bとによる処理を実行可能である。印刷実行部41aは、上記USBI/F15を介して印刷データを取得し、同印刷データに基づいて各部を駆動することによって印刷を実行する。すなわち、印刷データにおいては、画素毎にインクの記録/非記録を示しているので、このデータ通りにインクが記録されるように上記印刷ヘッドユニット47とキャリッジ機構46と紙送り機構48とを制御する。尚、このとき、EEPROM44に記録された送り量設定値と使用ノズル設定値を参照し、設定された通りの送り量で印刷用紙を送るように紙送り機構48を制御し、設定された通りの使用ノズルを使用してインク滴を吐出するように印刷ヘッドユニット47およびキャリッジ機構46を制御する。
パラメータ設定部41bは、当該EEPROM44に対して送り量設定値と使用ノズル設定値とを記録するモジュールであり、上記USBI/F15を介してコンピュータ10が送信するパラメータ設定値を取得し、EEPROM44に記録する。従って、上述のように調整用パターンデータを印刷する場合には、上記矩形パターンP1〜P5を印刷するたびにEEPROM44にパラメータ設定値を書き込み、各矩形パターンP1〜P5が異なるパラメータで印刷されるように制御する。また、最良パラメータが抽出された後は、当該最良パラメータをEEPROM44に書き込み、以後プリンタ40がこのパラメータを使用して印刷するように制御する。
(3)キャリブレーション処理:
図7〜図13は、本実施形態におけるキャリブレーション処理の手順を示すフローチャートである。当該キャリブレーション処理の概略フローは、図7に示すとおりであり、まず、ステップS100にて紙送り量を変更して調整用パターンを印刷する。
(3−1)調整用パターンの印刷処理:
図8は、当該調整用パターンの印刷処理を示す詳細フローチャートである。ステップS200ではパラメータの番号に相当するカウンタnを”1”に初期化し、ステップS210ではパラメータ設定部22aがパラメータデータ14cを参照し、プリンタ40に対して設定を行う。すなわち、パラメータデータ14cを参照してパラメータ番号nの設定値を取得し、プリンタ40に対して制御データを送信してEEPROM44に当該設定値を記憶させる。図8に示すフローチャートは、送り量を変更する場合と使用ノズルを変更する場合とで共通のフローであり、むろん送り量を変更する場合には当該ステップS210において送り量のパラメータnをプリンタに設定し、使用ノズルを変更する場合には当該ステップS210にて使用ノズルのパラメータnをプリンタに設定する。
ステップS220では画像処理部21が調整用パターンデータ14aを取得し、ステップS230で印刷条件データ14bにて指示された印刷条件の一つで印刷を行うための印刷データを生成する。生成された印刷データはステップS240にてプリンタ40に対して出力される。この結果、キャリブレーション対象のパラメータが、あるパラメータnに設定された状態で調整用パターン(上記矩形パターンの一つ)が印刷される。
ステップS250においては、カウンタnが予め決められたパラメータ数α(図3に示す例ではα=5)を超えたか否かを判別し、同ステップS250にてカウンタnがパラメータ数αを超えたと判別されなければステップS260にてカウンタnをインクリメントし、ステップS210以降の処理を繰り返す。ステップS250にてカウンタnがパラメータ数αを超えたと判別された場合は、予め決められた範囲でパラメータを変動しながら調整用パターンの印刷を完了したことになるので、図7の処理に復帰する。
(3−2)スキャン処理:
図7の処理に復帰すると、ステップS110にて印刷済の調整用パターンをスキャンし、その画像データをHDD14に記録する。図9は、当該調整用パターンのスキャン処理を示す詳細フローチャートである。ステップS300では、上記図8に示すフローで印刷された調整用パターンをスキャナ30の原稿台に載置する。ステップS310では、原稿に対して投光する光源を安定させるため、スキャナDRV30aがスキャナ30を制御して予め決められた所定回数のダミースキャンを行う。むろん、ここでは光源からの光量を安定させられることができればよいので、スキャナDRV30aの機能として標準的なプレビューを実施しても良いし、光源を点灯した状態で所定時間経過させたり、断続的に光源を点灯させるなど種々の構成を採用可能である。
ステップS320ではスキャナDRV30aが上記調整用パターンを印刷した際の印刷条件に適合した読取解像度を設定し、ステップS330ではこの読取解像度によってスキャンを2回実施する。ステップS340では2回分のスキャン結果に基づく画像データをHDD14に記録して図7に示す処理に復帰する。このスキャンにおいては、スキャンの測定バラツキにおける変動をできるだけ低減するために2回スキャンを行って平均を算出している。むろん、ここでは測定バラツキを抑えることができれば良く、スキャン回数は2回に限られない。ステップS310におけるダミースキャンによってスキャン結果が充分に安定するのであればスキャンが1回でも構わないが、いわゆるコンシューマ向けのスキャナでスキャンを行う場合など、2回以上スキャンした方が好ましい。
(3−3)バンディングノイズ値取得処理:
図7の処理に復帰したら、上記ステップS350でHDD14に記録した画像データ14dに基づいて、ステップS120にてバンディングノイズ値を取得する。図10は、当該バンディングノイズ値の取得処理を示す詳細フローチャートである。ステップS400では、上記パッチ切出部22hが画像データ14dを取得し、予め決められた画素数に基づいてパッチを切り出す。すなわち、画像データ14dにて各パッチに相当する位置から決められた画素数分のデータを切り出し、個別のパッチのデータを生成する。例えば、上記図3に示す例では、主走査方向左右両端に位置するグレーのデータとその内側に位置するバイオレットのデータとを合わせて20個切り出す。
ステップS405では、パッチ切出部22hが各パッチにおけるRGBデータからL*値を取得する。ここでは、各パッチの明度を取得することができれば良く、予め用意された色変換テーブルを参照して補間演算等によってL*値を取得しても良いし、RGBデータの各階調値をRGB、明度をLとし、L=0.3R+0.59G+0.11B等の式によって簡易的に算出しても良い。
ステップS410では、分割処理部22gが各パッチをバンディングノイズに直交する方向で分割し、複数の分割領域を生成する。また、ステップS415では、分割処理部22gがある分割領域について明度を平均化し、バンディングノイズに直交する方向の位置に対する明度の関係を当該分割領域毎に取得する。この分割の幅は少なくとも典型的なごみやノイズの幅より大きな幅(主走査方向の画素数)であることが好ましい。
すなわち、本実施形態においては、このようにパッチを分割して上記特異領域除去部22dの処理によって特異な分割領域を排除しており、これにより上記ごみやノイズに影響を受けたスキャン結果を排除している。従って、スキャン時に調整用パターンに付着し得る典型的なごみやノイズの大きさを想定し、これらのごみやノイズが一つの分割領域に収まるように分割領域の大きさを決定する。例えば、250dpi程度の読取解像度において16ピクセル程度の幅にすると効果的にごみやノイズが除去できることが判明している。
ステップS420では、重み付け処理部22fがバンディングノイズを目立たせるための処理を実施する。バンディングノイズは、意図せずに一定の色が生じる状態、例えば、一様な画像内にそれと異なる色の線が生じる状態である。このバンディングノイズは、明るい画像内の暗い部分や暗い画像内の明るい部分で特に目立つので、本実施形態においては、このような目立ちやすいバンディングノイズに相当する明度値をより強調するために、ステップS420にて色毎の重み付けを行っている。
図11は、当該重み付け処理の詳細を示すフローチャートであり、この処理に際して重み付け処理部はまずステップS500にて、明度Lの変化傾向値を算出する。すなわち、明度Lの変化はバンディングノイズを反映しているが、バンディングノイズは明度Lが周りの画像と比較して変化しているか否かによって検出されるので、明度変化の基準を把握するためにその変化傾向を算出する。本実施形態におけるパッチは一様な色で印刷を行うための印刷データで印刷されるので、基準の明度はほぼ一定であるはずであるが、実際には変化傾向(低周波のうねり)が見られる。
例えば、図3の下部に示すグラフでは、明度を細線、変化傾向を太線で示しており、同図に示すように、変化傾向はL*値56程度で緩やかに変化する。すなわち、明度Lには、パッチを印刷する際の印刷媒体の撓み等、バンディングノイズ以外の特性も含まれ、この大きな変化傾向をキャンセルした方が、一様な画像内のバンディングノイズを顕在化させやすくなる。そこで、本実施形態においては、固定の明度値に対して比較を行うのではなく、変化傾向値を算出し、ステップS505にて明度Lから変化傾向値をキャンセルする。これにより、低周波のうねりがキャンセルされ、基準の値が”0”となる。
尚、ここでは基準が”0”になるようにオフセットしているが、オフセットを行うとしても、実質的には、明度の変化を評価していると言える。また、以上の変化傾向は位置に対する明度の変化にローパスフィルタを適用することによって算出可能であり、例えば、ある点の変化傾向値は、その点を中心に副走査方向に前後2mmの範囲(に相当する画素)で明度値を取得し、平均化するなどして算出可能である。また別の例として、ある点の変化傾向値は、その点を中心に副走査方向に前後2mmの範囲(に相当する画素)で明度値を取得し、メディアンフィルタ等によって中央値を求め、それを6次近似するなどしても算出可能である。むろん、変化傾向は、明度の全体的な変化の傾向を示す値であれば良く、平均を算出する範囲は2mmに限定されないし、他にも種々の手法によって算出可能である。
むろん、本実施形態においては一様な色で印刷させるための印刷データでパッチを印刷しているので、明度値が充分に均等である場合に変化傾向値をキャンセルすることが必須というわけではない。但し、本実施形態ではフーリエ変換によってバンディングノイズを解析しており、バンディングノイズ以外の要因によって生じる明度の変化をできるだけ排除した方が、より確実にバンディングノイズ値を算出することが可能である。
変化傾向値をキャンセルした後には、ステップS510にて位置を示すカウンタmを”1”に初期化し、ステップS515にてキャンセル後の値が基準”0”より大きいか否かを判別する。ここで、キャンセル後の値とは明度Lから変化傾向値を減じた値であり、具体的には、位置mの明度Lから位置mの変化傾向値を減じた値である。キャンセル後の値が基準”0”より大きい場合、その点での明度はパッチの色より明るく、白色のバンディングノイズの原因になりやすい。逆に、キャンセル後の値が基準”0”より小さい場合、その点での明度はパッチの色より暗く、黒色のバンディングノイズの原因になりやすい。
また、本実施形態におけるパッチの色は2色にしてあり、Grのパッチは高明度、Vのパッチはそれより低明度に設定してある。従って、Grのパッチにおいては、Vのパッチより黒色のバンディングノイズが目立ちやすく、Vのパッチにおいては、Grのパッチより白色のバンディングノイズが目立ちやすい。そこで、バンディングノイズの影響を受けた明度をより強調するため、キャンセル後の値が基準より大きいか否か、およびパッチの色に依存する重み付け係数を予め用意し、当該重み付け係数によって強調を行う。
すなわち、ステップS515でキャンセル後の値が基準”0”より大きいと判別されない場合には、ステップS520で処理対象のパッチの色を判別する。パッチの色は明度Lから判定しても良いし、ステップS400における切り出し時に何らかのフラグを設定しても良く、種々の構成を採用可能である。ステップS520にてパッチの色がGrであると判別された場合には、高明度のGrパッチでキャンセル後の値が基準”0”より小さい場合であるので、このキャンセル後の値を強調するため、キャンセル後の値に重み付け係数Cb1を乗じる。
ステップS520にてパッチの色がVであると判別された場合には、キャンセル後の値に重み付け係数Cb2を乗じる。尚、この場合は、低明度のVパッチでキャンセル後の値が基準”0”より小さい場合であるので、重み付け係数Cb2はキャンセル後の値を強調するための係数ではない。ここでは、GrパッチとVパッチとで前者が相対的に強調されればよいので、重み付け係数Cb1の大きさが重み付け係数Cb2の大きさより大きくなるように設定すればよい。例えば、重み付け係数Cb1=1.5、重み付け係数Cb2=1.0をとすればよい。
ステップS515でキャンセル後の値が基準”0”より大きいと判別された場合には、ステップS535で処理対象のパッチの色を判別する。ステップS535にてパッチの色がGrであると判別された場合には、キャンセル後の値に重み付け係数Cw1を乗じる。この場合は、高明度のGrパッチでキャンセル後の値が基準”0”より大きい場合であるので、重み付け係数Cw1はキャンセル後の値を強調するための係数ではない。ステップS535にてパッチの色がVであると判別された場合には、キャンセル後の値に重み付け係数Cw2を乗じる。この場合は、低明度のVパッチでキャンセル後の値が基準”0”より大きい場合であるので、重み付け係数Cw2はキャンセル後の値を強調するための係数である。ここでも、GrパッチとVパッチとで前者が相対的に強調されるように値を設定すればよい。
尚、相対的な強調という意味では、バンディングノイズの影響をより顕在化するように強調することができれば良く、同じ色のパッチに対する重み付け係数も調整するのが好ましい。すなわち、Grパッチにおける重み付け係数Cb1と重み付け係数Cw1とで、前者の大きさを大きくすれば、黒色のバンディングノイズが目立ちやすいGrパッチで当該バンディングノイズに起因する明度変化をより強調することができる。また、Vパッチにおける重み付け係数Cb2と重み付け係数Cw2とで、前者の大きさを大きくすれば、白色のバンディングノイズが目立ちやすいVパッチで当該バンディングノイズに起因する明度変化をより強調することができる。また、以上のような重み付け係数は、予め決定し、HDD14に記録しておけばよい。
重み付け係数による補正を行った後には、ステップS550においてカウンタmが予め決められた最大値より大きいか否か判別し、最大値より大きいと判別されなければステップS560にてカウンタmをインクリメントしてステップS515以降を繰り返す。すなわち、1次元の位置の総てについて重み付け係数による補正処理を実施する。
以上のようにして重み付けが終了すると、基準が”0”であるとともにバンディングノイズによる明度変化がより強調されたデータとなっており、図10のステップS430ではFFT部22eがこのデータに対してフーリエ変換を実施する。以上のようにして分割領域毎のフーリエ変換結果が得られたら、ステップS440では一つのパッチについて得られた総ての分割領域についてフーリエ変換処理が終了したか否かを判別する。同ステップS440にて総ての分割領域についてフーリエ変換処理が終了したと判別されないときには、ステップS445にて処理対象の分割領域を変更してS415以降を繰り返す。すなわち、各分割領域のそれぞれについて同様の処理を実施する。
ステップS440にて総ての分割領域についてフーリエ変換処理が終了したと判別されたときには、特異領域除去部22dがステップS450にて特異な分割領域を排除する。すなわち、分割領域同士で比較してフーリエ変換結果の様子が他の領域と異なる領域については、調整用パターンに付着したごみやノイズによる影響を受けていると考えて、解析対象から排除する。
図12は、当該特異領域除去処理の詳細フローチャートである。特異領域除去部22dは、まずステップS600にて各分割領域についてのフーリエ変換結果を、空間周波数に対して積分する。ステップS610では、各分割領域についての積分値が正規分布である想定として標準偏差σを算出する。すなわち、各積分値の平均値を算出し、平均値と積分値との差分の2乗の平均値を算出し、平方根を取る。ステップS620では、標準偏差σの2倍と各積分値とを比較し、当該2σを超える積分値となる分割領域が存在するか否かを判別する。
同ステップS620にて2σを超える積分値となる分割領域が存在すると判別されたときには、ステップS630にてその分割領域のデータを解析対象から排除する。同ステップS620にて平均からの偏差が2σを超える積分値となる分割領域が存在すると判別されないときには、ステップS630をスキップする。すなわち、本実施形態においては、分割領域の明度変化を比較する際に積分値を比較している。また、積分値の標準偏差によって、積分値の大多数が分布する値域に含まれない分割領域を排除している。
また、以上の処理では平均からの偏差が2σを超えるものを排除している。すなわち、本実施形態において特異領域を除去するのは、上記ごみやノイズの影響を受けたデータを除去するためであり、これらの影響は積分値を大きくするように作用する。より具体的には、ごみ等による影響が特定の周期で生じることはまれであるので、フーリエ変換後のデータに対しては低周波側のパワースペクトルが全体として増加するように寄与しやすい。そこで、これらの影響を受けた分割領域を排除するため、積分値が+2σを超えるか否かを判別することにしている。むろん、大多数の積分値と異なる分割領域が特異領域であるとし、例えば、−2σを下回る分割領域を排除しても良い。
以上の比較および排除は標準偏差によって容易に実現することができるという意味で好ましいが、むろん、他の構成によって特異領域を除去することは可能である。例えば、各分割領域の積分値の平均値を算出し、平均値より所定の閾値以上離れた積分値を持つ分割領域を排除しても良いし、積分値以外の値やフーリエ変換前の値を利用して特異領域を抽出、排除しても良い。
図14は、以上の様な特異領域の除去がバンディングノイズ値の解析に際して非常に大きく寄与していることを説明する説明図である。同図においては、パッチに複数の大きさのごみが印刷媒体に付着している状態で読取を行った場合の画像データについて本発明における処理を行った場合のバンディングノイズ値と、上記分割を実施しない場合のバンディングノイズ値とを示している。尚、同図において、横軸はごみの大きさ(正方形のごみの一辺)であり、縦軸は後に詳述するバンディングノイズ値の比率である。
ここではごみの大きさ”0”としてごみが付着していない状態を示しており、ごみの大きさが”0”である場合のバンディングノイズ値を”1”としている。尚、ごみが付着していない場合、本発明における処理を行った場合のバンディングノイズ値と、上記分割を実施しない場合のバンディングノイズ値とは等しい。また、対象となるパッチは横512ピクセル、縦256ピクセル、上記分割領域は横16ピクセル、縦256ピクセルの領域であり、読取解像度は300dpiである。
同図に示すように、本実施形態における処理を行った場合のバンディングノイズ値は、ごみの大きさが1.50mmに達するまで、ごみが付着していない状態と一致している。すなわち、ごみの大きさが1.50mmより小さい場合、バンディングノイズ以外のノイズ(ごみ)を確実に除去してバンディングノイズ値を評価可能であると言える。
一方、本実施形態のように分割を実施しない場合には、パッチの横方向に明度を平均化してバンディングノイズ値を算出することになる。この場合、バンディングノイズ値はごみが大きくなるに連れ逓増する。当該逓増の程度は大きく、ごみが付着しない場合のバンディングノイズ値に対する整数倍であっても容易に達してしまう。バンディングノイズの影響によってバンディングノイズ値が変化する程度はこれほど大きくないので、図14に示す程度の影響がバンディングノイズ値に存在すると、実際は全くバンディングノイズを評価できないと言うことになる。従って、本実施形態における特異領域の除去は、実際にバンディングノイズを評価する上で非常に重要であると言える。
尚、確実に除去可能なごみの大きさは、分割領域の横幅に依存している。すなわち、300dpiにおける16ピクセルは1.35mmに相当するため、この程度の大きさのごみであれば、非常に効果的に除去可能である。従って、典型的なごみの大きさが1.35mmより大きい、あるいは小さい場合には、その大きさによって分割領域の横幅を調整すればよい。
また、バンディングノイズはパッチのある方向に略平行に発生するため、その方向と略直行する1次元フーリエ変換を利用して評価するのが好ましいが、パッチの画像データに対して2次元フーリエ変換を実施してバンディングノイズを評価する場合も想定し得る。しかし、当該2次元フーリエ変換を行ってバンディングノイズ値を算出した場合であっても、上述のようにごみを除去していなければバンディングノイズ値に与える影響は大きい。従って、本実施形態のようにして特異領域を除去する効果は顕著に現れる。
さらに、以上のようにパッチを複数の領域に分割することによって、別の顕著な作用効果を得ることができる。すなわち、パッチを分割せずに平均化してフーリエ変換を行う構成ではスキャナ30におけるスキャン時の用紙傾きによって解析不能になる程度の影響を受ける。しかし、パッチを分割して平均化してからフーリエ変換を行うことにより、用紙傾きが生じたとしてもその影響によって解析不能になることを防止することができる。より具体的には、調整用パターンを印刷した印刷用紙が傾いた状態でスキャンした画像データを分割せずに平均化すると、バンディングノイズが有する周期性(副走査方向に周期的に発生する周期性)が実質的に消えてしまい、フーリエ変換を実施してもバンディングノイズによる影響がパワースペクトル値に反映されにくくなる。
図15は、この様子を説明するための説明図である。同図においては、パッチの境界およびバンディングノイズを実線で示し、解析のために切り出す領域を破線で示している。同図にて破線で示す大きな矩形の境界線と実線で示すパッチの境界線とは相対的に傾いており、これによってスキャナ30によるスキャン時に印刷用紙が傾いたことを模式的に示している。バンディングノイズの状況を解析するためにフーリエ変換を使用する技術は、バンディングノイズが何らかの周期性を持つと考え、フーリエ変換によって周期的成分が含まれる量を把握することをねらったものである。
すなわち、プリンタにおいては、主走査を行って記録材を記録し、副走査を行って記録媒体を送るという制御の繰り返しによって印刷を行っているため、送り量が不適切、使用ノズルのいずれかから吐出されるインクの飛翔方向が他と異なっているなど、同じ原因に基づくバンディングノイズは繰り返し現れ、何らかの周期性を有するはずである。従って、バンディングノイズを解析するためには、この周期性が確実に反映された状態のフーリエ変換結果を取得する必要がある。
このバンディングノイズの解析において、パッチを分割せずに全体で平均化することを想定すると、図15において破線で示す大きな矩形の各画素における明度値を紙面左右方向(平均化方向,スキャンの主走査方向)に総て足し合わせて平均化することになる。この結果、縦方向(スキャンの副走査方向)の位置に対する平均明度が得られるが、同図に示すように印刷用紙が傾いている場合にはバンディングノイズも傾くのでバンディングノイズは縦方向の複数の画素にまたがって影響を及ぼす。例えば、図15で破線に示す矩形の右側には、バンディングノイズをスキャン時の副走査方向へ投影して得られる範囲を矢印で示すことによってバンディングノイズ同士がまたがる領域を示しており、副走査方向に狭い範囲に存在すべきバンディングノイズが広い範囲に分散して影響を及ぼすことになる。従って、平均化後の明度変化が小さくなるとともにその空間周波数が曖昧に(本来の周波数より非常に低い周波数でしか検出できなく)なる。
一方、図15には、同じ状況下で領域を分割した場合の様子を示している。分割領域は同図に示す位置方向に長い破線の矩形によって示しており、本実施形態においては、この分割領域毎に各位置についての明度値を平均化する。従って、図15の下部に示すように破線の矩形内で実線のバンディングノイズが傾いているとしても、バンディングノイズ同士が位置方向でまたがっておらず、また矢印で示すように一つのバンディングノイズが存在する位置方向の範囲(副走査方向へ投影して得られる範囲)はごく狭い範囲になる。
従って、分割領域内で明度を平均化したとしても、その影響はある周期Tで確実に顕在化する。各分割領域でバンディングノイズによる影響を受ける位置が異なるとしても、バンディングノイズの周期Tがほぼ一定であれば、フーリエ変換後では、ある空間周波数あるいはその高調波成分のパワースペクトルが大きくなる。この結果、確実にバンディングノイズの影響を含めた状態のフーリエ変換結果を得ることができ、印刷用紙の傾きの影響を受けることなく解析を実施することができる。
以上のように、パッチを複数の領域に分割することなく解析を行うと、印刷用紙の傾斜によってバンディングノイズを全く検出しないような状況も生じ得る。また、傾斜の程度によってフーリエ変換結果に大きな影響を及ぼし、解析結果が非常に不安定になる。しかし、本発明のように領域を分割すれば、非常に容易に解析の確実性を保証することが可能になる。尚、分割領域の主走査方向の幅としては、典型的な傾きによって生じるバンディングノイズの広がりが副走査方向で重ならず、かつその広がりができるだけ小さな範囲に収まるようにできればよい。
図16は、傾きがバンディングノイズ値に与える影響を示す図である。同図においては、スキャン時の主走査方向と印刷時の主走査方向とが平行な状態を角度0とし、両者を相対的に傾けた場合のバンディングノイズ値を示しており、横軸は角度である。縦軸は角度0である場合の値で規格化したバンディングノイズ値の比率である。ここでも、各角度において本実施形態における処理を実施した場合と実施しない場合との比較を行っている。スキャンの条件やパッチは上記図14における例と同じであるが、図16に示す例では、ごみが付着していない状態でスキャンを行った画像データに基づいて処理を行っている。
本実施形態のように分割領域毎にその明度を平均化し、分割領域毎にフーリエ変換を行った場合、上記角度が”0,0.25,0.5,0.75,1.0”と変化しても、バンディングノイズ値の比率はほぼ1である。すなわち、回転による影響はほとんど生じていない。一方、本実施形態のように分割を行うことなく、全体で平均化してフーリエ変換を行った場合、上記角度の変化とともにバンディングノイズ値の比率が大きく変動している。ここでもその変動は大きく、バンディングノイズの影響によってバンディングノイズ値が変化する程度はこれほど大きくないので、全体で平均化した場合には傾斜によって全くバンディングノイズを評価できないことになる。従って、本実施形態における領域分割は、実際にバンディングノイズを評価する上で非常に重要であると言える。
尚、以上のように分割を行うのが好ましいが、分割領域毎の平均化することなく、主走査方向の各画素に対してフーリエ変換を実施するのは好ましくない。すなわち、プリンタ40による印刷はインク滴の記録によって実現されるため、スキャンした画素単位ではこのインク滴の粒による影響を受け、人間の目で知覚できる明度変化を超えて過度の明度変化となり得る。また、画素毎に処理を行うと、過度に細かいデータになり易い。従って、本実施形態のように分割領域毎に明度を平均化することで、過度に明度が変化するデータや過度に大量のデータを扱うことなく効果的にバンディングノイズを解析することが可能である。
以上のようにして、ステップS450にて特異領域を除去すると、バンディングノイズによる明度変化の影響が確実にパワースペクトル値に反映された分割領域毎のフーリエ変換結果が残ることになる。そこで、これらの結果を用いてパッチ毎にバンディングノイズの発生状況を比較できるようにするために、各パッチにおけるバンディングノイズの発生状況を示すバンディングノイズ値を算出する。
バンディングノイズ値取得部22cは、ステップS455にて各フーリエ変換結果からそのバックグラウンドを除去する。ここでいうバックグラウンドは、バンディングノイズに起因する周期性を反映していないスペクトル値である。すなわち、バンディングノイズは上述のように周期的に発生するので、図5の上部に示すようなパワースペクトルにおいては、各ピークがバンディングノイズによって生じたスペクトルであると考える。そこで、全空間周波数に渡って存在するバックグラウンドを算出し、スペクトル値から除去する。図5の下部にはバックグラウンドを除去した後のピークを示している。
本実施形態においては、図5の上部に示すパワースペクトル値に対してメディアンフィルタを適用し、得られた結果を6次関数でフィッティングすることによってバックグラウンドを算出している。ここで、メディアンフィルタとしては、例えば、ある空間周波数のパワースペクトル値をその前後5周波数以内に含まれるパワースペクトル値の中央値で置換するフィルタ等を採用可能である。尚、6次関数でフィッティングするのは、バックグラウンドの変化をできるだけ滑らかにするためである。むろん、ここではバックグラウンドを算出し、除去することができれば良く、他にも種々の構成を算出可能である。
各フーリエ変換結果についてバックグラウンドを除去すると、ステップS457では、総てのフーリエ変換結果を空間周波数毎に合算し、平均化する。すなわち、分割領域毎のフーリエ変換結果から、パッチ全体におけるバンディングノイズを反映した値を取得する。尚、ここでは、平均化することによって一つの分割領域におけるスペクトルに対応する値を取得するようにしており、この処理によって同じ色についての相対的な比較を実施できるようにしている。従って、相対的な比較を実施できる限りにおいて、上記平均化以外にも種々の処理を採用可能である。
さらに、ステップS460では、得られた値に対して、人間の視覚特性に基づいて人間が知覚できる空間周波数のパワースペクトルのみを残す処理を行っている。すなわち、人間の視覚にとって認識しやすい空間周波数と認識できない空間周波数とが存在するので、人間が知覚するバンディングノイズをより確実に解析するために視覚特性によるフィルタ処理を行う。視覚特性によるフィルタとしては人間の視覚特性を反映した各種フィルタを採用可能であり、例えば、視覚伝達関数(VTF:Visual Transfer Function)を利用しても良いし、単に一定の空間周波数のみ(例えば0.2mm〜4mm)を残す構成であっても良い。
ステップS465では得られたデータ、すなわち、特異領域を除去し、バックグラウンドを除去し、パッチ内のバンディングノイズを反映した値に視覚特性によるフィルタ処理を行ったデータについて空間周波数に対して積分を行う。この積分結果がバンディングノイズ値である。尚、ステップS455〜S465においては、パッチ毎のバンディングノイズ値を算出できれば良く、バックグラウンドを除去する前にフーリエ変換結果を足し合わせたり、その平均を算出するなどしても良く、種々の処理および処理手順を採用可能である。
以上の処理の結果、あるパッチについてのバンディングノイズ値が取得されたことになるので、ステップS470では、調整用パターンに含まれる総てのパッチについてバンディングノイズ値を算出したか否かを判別する。同ステップS470にて総てのパッチについてバンディングノイズ値を取得していると判別されないときにはステップS475にて処理対象のパッチを変更し、ステップS400以降の処理を繰り返す。ステップS470にて総てのパッチについてバンディングノイズ値を取得していると判別されたときには、スキャン済みの画像についてバンディングノイズ値を算出したか否かをステップS480にて判別する。同ステップS480にてスキャン済みの画像についてバンディングノイズ値を算出したと判別されないときには、対象となる画像データをステップS485にて変更してステップS400以降の処理を繰り返す。すなわち、上記ステップS330ではスキャンを2回実施して画像データを取得しているので、それぞれに基づいてバンディングノイズ値を算出する。ステップS490では、各画像データについて算出されたバンディングノイズ値を平均化し、上記RAM12に保存する。以上の処理によって全パッチのバンディングノイズ値が取得、保存されると、上述の図7の処理に復帰する。
(3−4)最良値抽出処理:
図7の処理に復帰すると、ステップS130にてバンディングノイズ値を参照し、最良のパラメータ値を選択する。また、選択したパラメータをプリンタ40に対して設定する。図13は、当該最良パラメータの選択処理を示す詳細フローチャートであり、図17はバンディングノイズ値の一例を調整用パターンとともに示す図である。最良値抽出部22bは、ステップS700にて上記調整用パターンにおいて同色のパッチのバンディングノイズ値を取得する。
例えば、図17に示すパターンにおいて、副走査方向に並ぶ同色のパッチを列毎に取得してバンディングノイズ値を取得する。すなわち、左端に並ぶ5個のGrパッチ(列A)、左から2列目に並ぶ5個のVパッチ(列B)、右端に並ぶ5個のGrパッチ(列C)、右から2列目に並ぶ5個のVパッチ(列D)のそれぞれのバンディングノイズ値が取得される。以降においては、列毎に同色のパッチについてのバンディングノイズ値を取得する例について説明するが、ここでは同色のパッチについて取得していればよく、列A,Dを同時に取得する構成であっても良い。
複数のパッチについてのバンディングノイズ値を取得したら、ステップS705ではその中で最小の値を検索し、ステップS710では当該最小の値によって各バンディングノイズ値を除する。ステップS715では、以上の処理を全パッチについて実施したか否か判別し、全パッチについて実施していると判別されなければ処理対象を変更してステップS700以降の処理を繰り返す。以上の処理は、最小のバンディングノイズ値によって列毎に規格化を行った処理であるといえる。尚、図17においては、かっこ内に規格化の結果を示している。例えば、列Aにおいて、最小のバンディングノイズ値はパラメータ#3の値15であり、パラメータ#1〜#5のバンディングノイズ値”25,21,15,22,28”を”15”で除すと、かっこ内の値となる。
ステップS720,S725では、規格化後の値をパラメータ毎に合算する。すなわち、ステップS720にてあるパラメータについて規格化後の値を合算し、ステップS725にて全パラメータについて処理を行ったと判別されるまでステップS720以降の処理を繰り返す。例えば、図17に示す例では、パラメータ#1について規格化された値は列A〜列Dに対してそれぞれ”1.67,1.47,1.30,1.58”であり、これらを加え合わせて値”6.02”を算出する。パラメータ#2〜#5も同様に算出した値が”4.82,4.20,5.40,6.13”である。
ステップS730では、以上のようにして算出したパラメータ毎の合計値の中で最小の値を抽出する。バンディングの発生頻度や発生強度が大きくなるほどバンディングノイズ値も大きくなるので、上記合計値が最小の値を抽出することにより、各パッチを印刷するにあたりできるだけバンディングが生じない状態を抽出しているといえる。すなわち、複数のパッチのそれぞれにおいてはバンディングノイズの発生状況が異なり、列毎に各パッチを比較したときに、バンディングノイズ値が最小のものが最小のバンディングノイズであると言える。
しかし、プリンタ40に対してあるパラメータを設定して印刷を実施する必要があるため、最小のバンディングノイズ値となるパッチが異なるパラメータに存在する場合(例えば、列Aではパラメータ#3,列Bではパラメータ#2が最小)であってもいずれか一つのパラメータを選択しなくてはならない。そこで、本実施形態においては、バンディングノイズ値を規格化し、パラメータ毎に合算し、この合計値を比較することによって最良のパラメータを選択している。この結果、最良の(全体として最もバンディングノイズの発生頻度が低い)パラメータを抽出することができる。
尚、以上のようなパラメータの抽出に際しては、バンディングノイズ値を規格化しているが、これは、上述の重み付け係数による補正の様子が各パッチによって異なることに対する対処である。同じ色のパッチについては重み付け係数の値が同じであるため、同じ色のパッチについてはほぼ同じように重み付け係数による補正が行われていると考えられる。しかし、異なる色のパッチについては、重み付け係数の大きさが同じであるとは限らないし、補正によって強調される程度や頻度も異なり得る。そこで、同じ色同士で先に規格化すれば、各色で最良の(最も少ない)ノイズ状態に対して相対的にどの程度ノイズが存在するのかを示す指標を提供することができ、この指標の合計値に基づいて最良のパラメータを選択可能になる。
さらに、本実施形態においては、より確実に最良の設定を行うため、不良機体であるか否かを判定する。すなわち、上述のようにして最良のパラメータを選択したとしても、まれに、キャリブレーションを完了するには不十分な不良機体が存在し得る。例えば、総てのパラメータについてのバンディングノイズ値が許容値を超えている場合には、相対比較の後に最良のパラメータを選択しても、キャリブレーションが完了したとは言えない。また、上記規格化した値の合計値が最小でも主走査の両端においてバンディングノイズ値に大きな差が生じている場合には、主走査方向と副走査方向とが直角になるべきところ、傾いていると考えられる。従って、この場合にもキャリブレーションが完了したとすべきではない。
そこで、本実施形態においては、ステップS735にて最良のパラメータにおけるバンディングノイズ値が所定の閾値以下であるか否かを判別する。すなわち、予めGrパッチについて閾値T1,Vパッチについて閾値2を設定してHDD14に記録しておき、最良のパラメータにおける2つのGrパッチのバンディングノイズ値と閾値1を比較し、2つのVパッチのバンディングノイズ値と閾値2を比較する。尚、閾値1,閾値2のそれぞれは、許容されるバンディングノイズの限界値に相当するバンディングノイズ値である。
ステップS735にて最良のパラメータにおけるバンディングノイズ値が閾値以下であると判別されたときには、ステップS740にて両端のパッチのバンディングノイズ値の差を算出する。このとき、同色、すなわち、Grパッチ同士、Vパッチ同士の差分を算出する。ステップS745では、当該差分が所定の閾値3以下であるか否か判別する。ここで、閾値3は両端のパッチにおけるバンディングノイズ値の差分として許容できる値であり、予め決定される。
ステップS745にて、上記差分が所定の閾値3以下であると判別されたときには、上記ステップS730で抽出された最良パラメータによってバンディングノイズを抑えることができ、プリンタ40に対する設定値として適切であることも確認されたことになる。そこで、パラメータ設定部22aは、ステップS747において当該パラメータをプリンタ40に設定する。
尚、ステップS735にて最良のパラメータにおけるバンディングノイズ値が所定の閾値以下であると判別されないとき、およびステップS745にて上記差分が所定の閾値3以下であると判別されないときには、ステップS750にて最良値抽出部22bが上記ディスプレイ17を制御し、プリンタ40の機体が不良であることを表示する。この表示がなされた場合には、キャリッジの高さ調整等の手動調整やパラメータを変更する再調整、上記最良のパラメータではないが上記閾値や目視によって許容されるパラメータを採用して設定する処理等を実施する。一方、ステップS747の処理を終えると、図7におけるステップS130に相当する処理が終了し、この処理の結果、プリンタ40においては、最もバンディングノイズが抑えられる紙送り量に設定されたことになる。
本実施形態においては、当該紙送り量の調整を実施した後、さらに使用ノズルについての調整も実施するようになっており、図7のステップS140〜S170にて使用ノズルを調整するための処理を実施する。この処理は上記図8〜図13に示す処理と同様であり、処理対象が使用ノズルである点が異なる。すなわち、パラメータ値を図4に示すように変更して調整用パターンを印刷し、バンディングノイズ値を解析し、最良のパラメータになるように設定を行う。むろん、上述の閾値1〜3等の値は紙送り量の調整と使用ノズルの調整とで変更することができる。この処理の結果、最もバンディングノイズが抑えられるノズルの組を使用して印刷を実行するように設定される。
尚、本実施形態においては、バンディングノイズの発生要因(送り量の設定と使用ノズルの設定)を個別に変更して調整用パターンを印刷している。バンディングノイズを発生させる要因が複数個存在するとしても、その一つのみに着目した状態で個別に最良のパラメータに設定し、当該設定後に他のパラメータに着目した状態で最良のパラメータに設定するので、各要因を調整して確実にバンディングノイズを抑えることができる。
また、送り量の変更と使用ノズルの変更とを比較すると、送り量の変更の方がバンディングノイズの発生程度に与える影響が大きい。従って、本実施形態においては、バンディングノイズの発生程度に与える影響が大きい要因について先に調整を行っている。送り量による影響は大きいため、送り量の調整がなされていないことによってバンディングノイズの発生程度が大きい場合、再調整を行うことが好ましい。しかし、使用ノズルの変更による影響は小さいため、再度送り量の調整をすることなく使用ノズルの再調整をしたり、パラメータの再設定を行うなどしてキャリブレーションを完了できる可能性が高い。従って、バンディングノイズの発生程度に与える影響が小さい要因から調整を行う場合と比較して、容易かつ確実にキャリブレーションを完了することができる。
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実現するための例であり、むろん他の構成や処理手順を採用することも可能である。例えば、インクジェットプリンタではなく、レーザープリンタに本発明を適用しても良い。この場合、バンディングノイズの発生要因としては、上記紙送り量の他、レーザーの出力等、種々の要因に着目することができる。また、ノズルの配列も上記図4に示す配列に限らず、1色のインクについて2列のノズルを形成しても良いし、インクの色数も7色に限られない。
さらに、使用ノズルを変更する場合に、図4に示すように使用ノズル数を固定する構成が必須というわけではない。この場合、使用ノズル数を変更して得られる複数のノズルの組をパラメータデータ14cで特定するようにしておき、パラメータ設定部22aにおける設定でこれらを適宜変更して調整用パターンを印刷する。使用ノズルの数や使用するノズルの位置をどのように変更したとしても、上述の調整用パターンにおけるバンディングノイズ値の算出によって、確実にバンディングノイズを抑えるパラメータを取得することができる。
さらん、調整用パターンも上述のようなパターンに限定されるわけではない。例えば、複数のインク色のそれぞれから吐出されるインク滴のみで構成するパッチを主走査方向に並べても良い。この結果、色毎に個別にバンディングノイズが発生し得るか否かを検出することができる。むろん、このパターンに対してさらに主走査方向の端部で対称の位置に例えばグレーのパッチを加えても良く、種々の構成を採用可能である。
さらに、本発明の適用対象となる画像データはパッチのスキャン画像に限られない。パッチ以外の画像を示す画像データであっても本発明のように、領域を分割し、分割領域毎に一方向に平均化し、1次元FFT結果を積分して比較すれば、特異領域、すなわち非周期ノイズが含まれる領域を容易に抽出することができる。従って、非周期ノイズを容易に発見することができる。また、1次元FFT結果の積分値を比較することにより、周期的なノイズの発生程度を把握することができ、周期的なノイズを発見することも容易である。むろん、この発明の適用対象は、画像が一様であることによってノイズが目立つ画像、例えば、夜空の暗い部分等であることが好ましい。
上述の実施形態においては、ある印刷媒体に対してGrパッチとVパッチを印刷し、パッチの色(Gr,V)によって重み付け係数の大きさを調整し、また、パッチの明度が変化傾向値より大きいか否かによって重み付け係数の大きさを調整していたが、むろん、他の指標を加味して重み付け係数の大きさを決定しても良い。例えば、印刷媒体の種類毎に異なる大きさの重み付け係数としてもよい。具体的には、光沢紙とマット紙とでは同じ印刷データに基づいて印刷を行ってもバンディングノイズの発生状況が異なることがあり得る。
そこで、当該重み付け係数を決定する際に、印刷媒体毎に異なる値に設定する。バンディングノイズが目立つ場合にその影響を強調するという意味では、バンディングノイズが目立つ光沢紙で、それより目立ちにくいマット紙より重み付け係数を大きくする構成等を採用可能である。むろん、バンディングノイズが目立たない場合には重み付け係数値を小さくする他、強調を実施しないように値を”1”にしても良いし、重み付け係数同士で大きさに差を与えないようにしても良い。
本発明の概略を説明するための説明図である。 コンピュータの構成を示すブロック図である。 調整用パターンを示す図である。 使用ノズルについてのパラメータデータを説明する説明図である。 フーリエ変換の結果およびその後の処理示す図である。 プリンタの構成を示すブロック図である。 キャリブレーション処理の手順を示す概略フローチャートである。 調整用パターンの印刷処理を示すフローチャートである。 スキャン処理を示すフローチャートである。 バンディングノイズ値を取得する際の処理を示すフローチャートである。 重み付け処理を示すフローチャートである。 特異領域の除去処理を示すフローチャートである。 最良パラメータの選択処理を示すフローチャートである。 特異領域を除去することによる効果を説明する説明図である。 パッチを分割することによる作用を説明する説明図である。 傾きがバンディングノイズ値に与える影響を示す図である。 バンディングノイズ値の一例と調整用パターンを示す図である。
符号の説明
10…コンピュータ、14a…調整用パターンデータ、14b…印刷条件データ、14c…パラメータデータ、14d…画像データ、20…PRTDRV、21…画像処理部、22…キャリブレーションモジュール、22a…パラメータ設定部、22b…最良値抽出部、22c…バンディングノイズ値取得部、22d…特異領域除去部、22e…FFT部、22f…重み付け処理部、22g…分割処理部、22h…パッチ切出部、30…スキャナ、40…プリンタ、41a…印刷実行部、41b…パラメータ設定部、44…EEPROM、46…キャリッジ機構、47…印刷ヘッドユニット、47a…印刷ヘッド、48…紙送り機構


Claims (24)

  1. 記録媒体に印刷されたパッチにおける記録材の分布を示す分布情報を取得する分布情報取得手段と、
    同取得した分布情報に基づいて、ノイズの影響を受けた分布情報を強調するノイズ強調手段と、
    同強調された分布情報に基づいて、上記パッチのノイズを検出するノイズ検出手段とを具備することを特徴とするノイズ検出装置。
  2. 上記分布情報はパッチの色を示す色彩値を含み、上記ノイズ強調手段は当該色彩値を強調することを特徴とする上記請求項1に記載のノイズ検出装置。
  3. 上記ノイズ強調手段は、上記ノイズの影響による色の変化がより目立つように分布情報を強調することを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  4. 上記ノイズ強調手段は、ノイズの影響を受けた分布情報がノイズの影響を受けていない分布情報より相対的に大きく変化するように分布情報を変化させて上記強調を行うことを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  5. 上記ノイズ強調手段は、上記分布情報と所定の閾値とを比較し、当該閾値との大小関係によって分布情報を強調させる程度を示す重み付け係数を決定し、当該重み付け係数に基づいて強調を行うことを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  6. 上記所定の閾値は、上記分布情報が位置によって変化する変化傾向を示す値であることを特徴とする上記請求項5に記載のノイズ検出装置。
  7. 上記変化傾向を示す値は位置毎に定義され、ある位置についての変化傾向を示す値は、その位置および周囲の所定範囲内に含まれる分布情報の平均値であることを特徴とする上記請求項6に記載のノイズ検出装置。
  8. 上記ノイズ強調手段による強調程度は、上記パッチの色によって異なることを特徴とする上記請求項5〜請求項7のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  9. 上記ノイズ強調手段による強調程度は、上記パッチを印刷する際の印刷条件によって異なることを特徴とする上記請求項5〜請求項8のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  10. 上記ノイズ強調手段は、上記取得した分布情報に基づいて、上記パッチより小さな複数の分割領域における分布情報を取得し、分割領域毎に強調を行うことを特徴とする上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  11. 上記パッチは、人間の目に上記ノイズが認識されやすい色を含むことを特徴とする上記請求項1〜請求項10のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  12. 上記パッチは、当該パッチを印刷する印刷装置において上記ノイズが高頻度で発生する色を含むことを特徴とする上記請求項1〜請求項11のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  13. 上記パッチは複数の色のパッチを含み、これらのパッチには印刷装置で使用可能な総ての色の記録材が含まれることを特徴とする上記請求項1〜請求項12のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  14. 上記パッチは、所定の明度の色とそれより低明度の色との2色を含むことを特徴とする上記請求項1〜請求項13のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  15. 上記パッチは、印刷装置における主走査の中心位置を挟んで略対称の位置に配置される複数のパッチを含むことを特徴とする上記請求項1〜請求項14のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  16. 上記分布情報取得手段は光学読取装置であり、分布情報の取得に先だって光源安定化のためにプレビュースキャンあるいは光源を発光させる処理を実施することを特徴とする上記請求項1〜請求項15のいずれかに記載のノイズ検出装置。
  17. 複数の画素を含む画像データから解析対象の領域を抽出する解析対象領域抽出手段と、
    解析対象の領域の画像データに基づいて、ノイズの影響を受けた画像データを強調するノイズ強調手段と、
    同強調された画像データに基づいて、上記解析対象内のノイズを検出するノイズ検出手段とを具備することを特徴とするノイズ検出装置。
  18. 印刷装置における可変のパラメータを逐次異なるパラメータに設定して記録媒体上にパッチを記録させるパッチ記録手段と、
    上記パッチにおける記録材の分布を示す分布情報を取得する分布情報取得手段と、
    同取得した分布情報に基づいて、ノイズの影響を受けた分布情報を強調するノイズ強調手段と、
    同強調された分布情報に基づいて、上記パッチのノイズを検出するノイズ検出手段と、
    同検出されたノイズの発生程度に基づいてノイズを抑えるパラメータを特定し、このパラメータで駆動するように上記印刷装置を設定するパラメータ設定手段とを具備することを特徴とするキャリブレーション装置。
  19. 記録媒体に印刷されたパッチに含まれるノイズを検出するノイズ検出プログラムであって、
    上記パッチにおける記録材の分布を示す分布情報を取得する分布情報取得機能と、
    同取得した分布情報に基づいて、ノイズの影響を受けた分布情報を強調するノイズ強調機能と、
    同強調された分布情報に基づいて、上記パッチのノイズを検出するノイズ検出機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするノイズ検出プログラム。
  20. 画像内のノイズを検出するノイズ検出プログラムであって、
    複数の画素を含む画像データから解析対象の領域を抽出する解析対象領域抽出機能と、
    解析対象の領域の画像データに基づいて、ノイズの影響を受けた画像データを強調するノイズ強調機能と、
    同強調された画像データに基づいて、上記解析対象内のノイズを検出するノイズ検出機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするノイズ検出プログラム。
  21. 印刷装置に対する設定を行うキャリブレーションプログラムであって、
    印刷装置における可変のパラメータを逐次異なるパラメータに設定して記録媒体上にパッチを記録させるパッチ記録機能と、
    上記パッチにおける記録材の分布を示す分布情報を取得する分布情報取得機能と、
    同取得した分布情報に基づいて、ノイズの影響を受けた分布情報を強調するノイズ強調機能と、
    同強調された分布情報に基づいて、上記パッチのノイズを検出するノイズ検出機能と、
    同検出されたノイズの発生程度に基づいてノイズを抑えるパラメータを特定し、このパラメータで駆動するように上記印刷装置を設定するパラメータ設定機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするキャリブレーションプログラム。
  22. 記録媒体に印刷されたパッチに含まれるノイズを検出するノイズ検出方法であって、
    上記パッチにおける記録材の分布を示す分布情報を取得する分布情報取得工程と、
    同取得した分布情報に基づいて、ノイズの影響を受けた分布情報を強調するノイズ強調工程と、
    同強調された分布情報に基づいて、上記パッチのノイズを検出するノイズ検出工程とを具備することを特徴とするノイズ検出方法。
  23. 画像内のノイズを検出するノイズ検出方法であって、
    複数の画素を含む画像データから解析対象の領域を抽出する解析対象領域抽出工程と、
    解析対象の領域の画像データに基づいて、ノイズの影響を受けた画像データを強調するノイズ強調工程と、
    同強調された画像データに基づいて、上記解析対象内のノイズを検出するノイズ検出工程とを具備することを特徴とするノイズ検出方法。
  24. 印刷装置に対する設定を行うキャリブレーション方法であって、
    印刷装置における可変のパラメータを逐次異なるパラメータに設定して記録媒体上にパッチを記録させるパッチ記録工程と、
    上記パッチにおける記録材の分布を示す分布情報を取得する分布情報取得工程と、
    同取得した分布情報に基づいて、ノイズの影響を受けた分布情報を強調するノイズ強調工程と、
    同強調された分布情報に基づいて、上記パッチのノイズを検出するノイズ検出工程と、
    同検出されたノイズの発生程度に基づいてノイズを抑えるパラメータを特定し、このパラメータで駆動するように上記印刷装置を設定するパラメータ設定工程とを具備することを特徴とするキャリブレーション方法。

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