JP2006026652A - 溶接用シールドガス - Google Patents
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Abstract
【課題】 ランニングコストが低廉でかつ、高い溶接性能をえることのできる新しい組成のシールドガスを提供する。
【解決手段】 軟鋼や低合金鋼の溶接時に使用する溶接用のシールドガスであって、ベースとなる窒素ガス中に、2〜8VOL%の酸素ガスが混合されている窒素-酸素の混合ガスで構成した。
【選択図】 なし
【解決手段】 軟鋼や低合金鋼の溶接時に使用する溶接用のシールドガスであって、ベースとなる窒素ガス中に、2〜8VOL%の酸素ガスが混合されている窒素-酸素の混合ガスで構成した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、イナートガスアーク溶接で軟鋼や低合金鋼を溶接する際に使用するシールドガスの組成に関する。
一般に、イナートガスアーク溶接としては、消耗電極式のシールドガス溶接法であるMIG溶接やMAG溶接、あるいは、非消耗電極式のシールドガス溶接法であるTIG溶接が知られている。これらの溶接方法に使用されるシールドガスとしては、MIG溶接にあってはアルゴンガスをベースに2VOL%程度の酸素ガスを添加した混合ガスが、MAG溶接にあっては、アルゴンガスをベースに20VOL%程度の炭酸ガスを添加した混合ガスが、また、TIG溶接にあっては、アルゴンガスやヘリウムガスが使用されている。
そして、軟鋼や490Mpa級高張力鋼あるいは低合金鋼の溶接であってもそのシールドガス組成は大きく異なる事はなく、例えば、アルゴンガスをベースに酸素ガスとヘリウムガスの3種ガスの混合ガスを使用する技術が知られている。(特許文献1)
特開平11−291040号公報
ところが、前記従来のものも、不活性ガスであるアルゴンガス及びヘリウムガスを90VOL%以上使用していることから、ランニングコストが高く、経済的ではないという問題があった。また、炭酸ガスをシールドガスとして使用する炭酸ガスアーク溶接も知られているが、炭酸ガスは地球温暖化の要因とされるという問題がある。
本発明は、このような点に鑑み、ランニングコストが低廉でかつ、高い溶接性能をえることのできる新しい組成のシールドガスを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために本発明は軟鋼や低合金鋼の溶接用のシールドガスを、窒素ガスをベースとし、2〜8VOL%の酸素ガスを混合させた混合ガスとしたことを特徴としている。
本発明では、シールドガスアーク溶接に使用するシールドガスを窒素ガスをベースとして、2〜8VOL%の酸素ガスを含有するガス組成としていることから、安価でありながら、従来の不活性ガスをベースとするシールドガスを使用した溶接と遜色のない溶接結果を得ることができた。
本発明に係る軟鋼溶接用シールドガスは、不反応性ガスである窒素ガスをベースとして、数パーセント(2〜8VOL%)の酸素ガスを前記ベースガスに添加した混合ガスで構成してあり、主として、MIG溶接やMAG溶接等の消耗電極式シールドガス溶接法に適用される。
板厚2.3mmの軟鋼板(SS400)の突き合わせ部を、Ti・Al入りの1.2mmφ溶接ワイヤを使用して、溶接電流を100Aに固定し、混合する酸素の濃度と溶接速度とを変化させてMAG溶接機を使用して溶接した。この場合、酸素混合量は1VOL%から9VOL%まで1VOL%ごとに、また、溶接速度は20cm/minから60cm/minまで10cm/minごとにそれぞれ変化させた。
その結果を、溶接部でのブローホール発生状態による溶接評価として図1に示す。
図1によれば、酸素濃度が2VOL%よりも少ない場合には、アークが安定せず、溶接速度40cm/minよりも早い場合には、ブローホールが多数見られ、また、溶接速度40cm/minよりも遅い場合でも、ブローホールが見られ、溶接の評価として不可であった。
図1によれば、酸素濃度が2VOL%よりも少ない場合には、アークが安定せず、溶接速度40cm/minよりも早い場合には、ブローホールが多数見られ、また、溶接速度40cm/minよりも遅い場合でも、ブローホールが見られ、溶接の評価として不可であった。
また、酸素濃度が8VOL%よりも多くなると、ブローホールの発生度合いが高くなって、溶接評価は不可であった。
さらに、前記の溶接条件でさらに、溶接速度を30cm/minに固定して溶接した場合での溶接部の硬さを測定した。対比例としてアルゴンガスに酸素ガスを2VOL%、4VOL%、5VOL%混入した場合についてその硬さを測定した。その結果を図2に示す。
図2の結果から、窒素ガスをベースとし酸素ガスを混合させた混合ガスを溶接用シールドガスとして使用しても、溶接部の硬さはアルゴンガスベースのものとほとんど変わらず、溶接用シールドガスとして十分使用することができることがわかる。
なお、溶接用シールドガスとして使用する混合ガスは、窒素ガスボンベや液体窒素貯蔵容器等の高純度の窒素ガスを貯蔵している窒素ガス貯蔵容器からの窒素ガスと、酸素ガスボンベ等の酸素ガス貯蔵容器からの酸素ガスとを溶接現場で、酸素ガスの混合濃度が2〜8VOL%となるように混合して使用したり、予め酸素ガスの混合濃度が2〜8VOL%のうちの所要の濃度に調整されて貯蔵されている酸素−窒素混合ガス容器から取り出して使用するようにしてもよい。
また、溶接作業個所にPSA式空気分離装置や膜分離式空気分離装置を配置し、この空気分離装置での空気分離性能を残存酸素濃度が2〜8VOL%程度となるように調整した空気分離装置を利用して、空気から分離生成した窒素ガスを溶接用のシールドガスとして使用するようにしてもよい。
本発明は、軟鋼や490Mpa級高張力鋼あるいは低合金鋼の消耗電極式シールドガスアーク溶接法や非消耗電極式シードガスアーク溶接法のシールドガスとして使用することができる。
Claims (2)
- 軟鋼や低合金鋼のシールドガスアーク溶接に使用するシールドガスであって、窒素ガスをベースとし、2〜8VOL%の酸素ガスを混合させた混合ガスであることを特徴とする溶接用シールドガス。
- 混合ガスの供給源が空気分離装置である請求項1に記載した溶接用シールドガス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004205460A JP2006026652A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | 溶接用シールドガス |
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JP2004205460A JP2006026652A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | 溶接用シールドガス |
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JP2004205460A Pending JP2006026652A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | 溶接用シールドガス |
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2004
- 2004-07-13 JP JP2004205460A patent/JP2006026652A/ja active Pending
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