JP2006020795A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗濯槽を陰極化して、洗濯槽への微生物の付着を確実に抑制し、かつ陽極にリント等が付着することのない洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯水を溜める外槽4と、この外槽4の内部に配置され、洗濯物が投入される内槽10と、この内槽10の底部に設けられる攪拌翼13と、により構成される洗濯槽を備えてなる洗濯機において、洗濯槽の少なくとも一部を導体で構成して陰極とするとともに、その対極である陽極30を、導体から距離をおいて配置し、陰極と陽極との間に洗濯水を介して電圧を印加することにより洗濯槽に微生物が付着することを抑制する構成とする。そしてこの構成では陽極30を、電極の作用面が設置部位の面と同一平面をなすように設置し、陽極30にリント等が付着することのない構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】洗濯水を溜める外槽4と、この外槽4の内部に配置され、洗濯物が投入される内槽10と、この内槽10の底部に設けられる攪拌翼13と、により構成される洗濯槽を備えてなる洗濯機において、洗濯槽の少なくとも一部を導体で構成して陰極とするとともに、その対極である陽極30を、導体から距離をおいて配置し、陰極と陽極との間に洗濯水を介して電圧を印加することにより洗濯槽に微生物が付着することを抑制する構成とする。そしてこの構成では陽極30を、電極の作用面が設置部位の面と同一平面をなすように設置し、陽極30にリント等が付着することのない構成とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は洗濯機に関し、特に洗濯槽に微生物が付着することを抑制する機能を有する洗濯機に係るものである。
洗濯機において洗濯槽には、洗濯の度に洗剤溶液、汗、垢、泥等の汚れ成分が接触し、洗濯終了後は汚れを含む洗剤溶液が付着して残存するため、湿度が高い状態となる。また、洗濯物に付着した細菌、真菌類(カビ)等の微生物が洗濯により洗剤溶液中に溶け込んで残存する。
このため、洗濯槽を構成する外槽、内槽、攪拌翼などにおいて、微生物が洗剤成分や汚れ成分を栄養源として繁殖し、数ヶ月後には、繁殖した微生物が剥離して洗剤溶液中に浮遊し、洗濯物に付着するようになる。
これを防止するためには、洗濯機の使用者が数ヶ月に一度程度、市販の洗濯槽クリーナを使用して、洗濯槽に付着した微生物を除去しているのが現状である。
この洗濯槽に付着する微生物の問題に対処できる洗濯機として特許文献1には、洗濯槽内に設置され、微生物の付着、殺菌及び離脱を行う少なくとも一対の電極と、当該電極間に印加極性を切替え可能に駆動用の電位差を印加する電源装置と、を有してなる洗濯機が記載されている。そして、この特許文献1には、洗濯槽内に突出する陽極を設け、この陽極に微生物を付着させて殺菌する構成が記載されている。
また、非特許文献1には、電極による電気化学的殺菌、すなわち陽極側に特定の微生物を電気的に吸着させて酸化反応を起こさせ、微生物を死滅または不活性化する技術について記載がある。
特開平5−184776号公報(段落0032および図5参照)
松永是著「微生物の電気制菌」ケミカル・エンジニアリング1990年12月号 (株)化学工業社 1990年
また、非特許文献1には、電極による電気化学的殺菌、すなわち陽極側に特定の微生物を電気的に吸着させて酸化反応を起こさせ、微生物を死滅または不活性化する技術について記載がある。
これらの特許文献および非特許文献に記載の技術を適用した洗濯機では、洗濯物から出たリント(糸屑類)等が陽極に付着しやすく、特に特許文献1における陽極は洗濯槽内に大きく突出しているため、これにリント等が引掛かる状態となって洗濯槽内に残存し、そこからまた微生物が繁殖するおそれがあった。
本発明は上述の如き問題点を解消するためになされたもので、洗濯槽に微生物が付着することを確実に抑制し、かつ陽極にリント等が付着することのない洗濯機を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため本発明は、洗濯水を溜める外槽と、この外槽の内部に配置され、洗濯物が投入される内槽と、この内槽の底部に設けられる攪拌翼と、により構成される洗濯槽を備え、洗濯槽の少なくとも一部を導体で構成して陰極とするとともに、その対極である陽極を、導体から距離をおいて配置し、陰極と陽極との間に洗濯水を介して電圧を印加することにより洗濯槽に微生物が付着することを抑制する構成とする。そしてこの構成においては、陽極を、電極の作用面が設置部位の面と同一平面をなすように設置するものとする。
本発明の洗濯機では、外槽、洗濯兼脱水槽、攪拌翼の少なくとも一部を導体で構成して陰極としたことにより、洗濯水の中で負に帯電した微生物との間で反発力が生じることになるので、外槽、洗濯兼脱水槽、攪拌翼に微生物が付着することを効果的に抑制することができる。そして、特に本発明の洗濯機では、陽極がその設置部位の面から突出することがないので、陽極にリント等が付着することを効果的に防止することができ、微生物の繁殖をより確実に抑制することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は本発明による洗濯機の一実施例を示す構成図である。
図において1は洗濯機の外筐を構成する四角筒状の外枠を示し、この外枠1は、全体として鋼板等の金属板材で構成され、一部分が樹脂材で形成されており、その上面側には、洗濯物投入口2を開閉する上扉3が装着されている。
図1は本発明による洗濯機の一実施例を示す構成図である。
図において1は洗濯機の外筐を構成する四角筒状の外枠を示し、この外枠1は、全体として鋼板等の金属板材で構成され、一部分が樹脂材で形成されており、その上面側には、洗濯物投入口2を開閉する上扉3が装着されている。
前記外枠1の内部に設けられる洗濯槽は、洗濯水を溜める外槽4と、この外槽4の内部に配置される内槽しての洗濯兼脱水槽10と、この洗濯兼脱水槽10の底部に設けられる攪拌翼13と、により構成される。
外槽4は樹脂製の水槽であって、この外槽4に洗濯水供給手段から給水された洗濯水が溜められる。洗濯水供給手段は、水道栓に接続される接続口5と外槽4内に開口する注水口6との間に給水電磁弁7を配置して構成され、この給水電磁弁7を開放することによって外槽4内に洗濯水として水道水が給水される。なお、この構成に加えて、風呂水ポンプによって風呂の残り湯を給水する風呂水給水手段を設けてもよい。
また、外槽4に溜まった洗濯水は、排水電磁弁8を開放することによって外槽4の底部から排水ホース9を通って洗濯機外へと排水されるようになっている。
また、外槽4に溜まった洗濯水は、排水電磁弁8を開放することによって外槽4の底部から排水ホース9を通って洗濯機外へと排水されるようになっている。
内槽である洗濯兼脱水槽10は、ステンレス製の側板部10aと、アルミダイカスト材を内含する樹脂製の底板部10bとからなり、この洗濯兼脱水槽10に洗濯物が投入される。この洗濯兼脱水槽10の側板部10aには通水および通風のための多数の小穴11が形成され、また側板部10aの上端には回転時にバランスをとるための流体バランサ12が取り付けられている。
攪拌翼13は、洗濯兼脱水槽10の底部に回転可能に配置される羽根付円盤状の部材であり、これを回転させることによって洗濯水および洗濯物を攪拌し、洗濯物に対する洗い力を作用させるものである。
外槽4の底部の外側には、洗濯兼脱水槽10と攪拌翼13を回転駆動するための駆動装置15が鋼板製の取り付けベース16を介して取り付けられている。この駆動装置15は、駆動電動機(モータ)と電動操作クラッチ機構と遊星歯車減速機構を内蔵し、その出力軸である同軸構造の回転軸15aと15bにそれぞれ攪拌翼13と洗濯兼脱水槽10が連結されている。
そして、この駆動装置15は、洗濯兼脱水槽10を静止させた状態で撹拌翼13を回転させる「撹拌モード」と、洗濯兼脱水槽10と撹拌翼13をそれぞれ反対方向に回転させる「洗濯モード」と、洗濯兼脱水槽10と撹拌翼13を一体的に同一方向に高速回転させる「脱水モード」とを切り換えて動作させる選択的な駆動機能を有し、これによって洗濯機における一連の洗濯・脱水動作が行われるようになっている。
このように構成される洗濯機に備えられる微生物付着抑制手段は、水中に浮遊する微生物が、一般に負に帯電していることを利用し、洗濯水(洗剤溶液)と接する外槽4、洗濯兼脱水槽10、攪拌翼13の表面を負に帯電させることにより、微生物が当該表面に付着することを抑制するものである。
この場合、本発明では、外槽4、洗濯兼脱水槽10、攪拌翼13の一部を導体で構成し、これを陰極として用いるようにしている。すなわち、外槽4の外側面には導体によりなる電極板22が付設され、また洗濯兼脱水槽10は側板部10aが導体であるステンレスで形成されているとともに底板部10bには導体であるアルミダイカスト材を内含し、さらに攪拌翼13にも導体が内含されており、それぞれが陰極として作用するようになっている。一方、外槽4の底部においては、前記陰極の対極である陽極30が前記導体から距離をおいて設けられている。
この微生物付着抑制手段の電気的な接続は、電源回路21から、導線23、外枠1、導線24を介して外槽4の外側面の電極板22に負の電圧を印加して陰極とし、また外枠1より導線25、取り付けベース16、駆動装置15の回転軸15bを介して洗濯兼脱水槽10の底板部10b内のアルミダイカスト材に負の電圧を印加しさらにここから導線26を介してステンレス製の側板部10aに負の電圧を印加して陰極とし、さらには取り付けベース16より駆動装置15の回転軸15aを介して攪拌翼13の内部の導体に負の電圧を印加して陰極とする。これに対し陽極30には、電源回路21から導線27を介して正の電圧を印加する。
印加電圧は、例えば、陰極である洗濯兼脱水槽10の側板部10aと陽極30との電位差が2.5V以上、望ましくは3.0V以上、さらに望ましくは3.3V以上となるようにする。外槽4の場合、外側面に電極板22を付設してあるため、外槽4の内側面と陽極30との電位差が前記の2.5V以上となるように30V程度の印加電圧を設定することが必要である。
これにより、陰極の表面または陰極近傍の樹脂表面には負電荷が蓄えられ、洗濯水の中で負に帯電した微生物との間で反発力が生じることになるので、陰極の表面または陰極近傍の樹脂表面である外槽4の内側面や洗濯兼脱水槽10の内外面、攪拌翼13の表面に微生物が付着するのを抑制することができる。
前記の電圧印加による微生物の付着抑制作用は、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス、酵母、ブドウ球菌等の微生物(真菌類、細菌)の付着抑制実験により効果を確認した。
前記の電圧印加による微生物の付着抑制作用は、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス、酵母、ブドウ球菌等の微生物(真菌類、細菌)の付着抑制実験により効果を確認した。
なお、この洗濯機では、アース線18を介して外枠1をアースに接続し、陰極の電位をアースと等しくすることにより、使用者が洗濯機の外枠1や洗濯兼脱水槽10等に触れても感電することがないようにしている。
図2は、陽極30の構成を示す図であり、(A)は上面図、(B)は縦断面図である。
この陽極30は、その本体である電極31を、絶縁体によりなる基板34に嵌め込んで構成されている。電極31は、導体からなり、ステンレス鋼、アルミ板等の金属や炭素棒または炭素繊維あるいは導電性セラミックスを用いている。洗濯水中での電気的な腐食を防止するためには,炭素または導電性セラミックスを用いることが望ましい。
この電極31の端子32には導線33が接続されており、この導線33を介して電源回路から電極31に正の電圧が印加され、電極31の表面が陽極として作用する。
この陽極30は、その本体である電極31を、絶縁体によりなる基板34に嵌め込んで構成されている。電極31は、導体からなり、ステンレス鋼、アルミ板等の金属や炭素棒または炭素繊維あるいは導電性セラミックスを用いている。洗濯水中での電気的な腐食を防止するためには,炭素または導電性セラミックスを用いることが望ましい。
この電極31の端子32には導線33が接続されており、この導線33を介して電源回路から電極31に正の電圧が印加され、電極31の表面が陽極として作用する。
ここで図2(B)に示す如く陽極30は、電極31の表面(露出面)がその設置部位である外槽4の底部内面4aと同一平面をなすように設置されている。この構成により陽極30は、外槽4の底部内面4aから電極31が突出することがないので、これに洗濯物から出るリント等が付着することを効果的に防止することができる。
またこの陽極30では、電極31の端子32を樹脂製の被覆材35で覆うことにより、端子32に腐食等が起こらないようにしてある。ここで電極31が炭素繊維の場合、単に端子32を覆うだけでは毛細管力により電極31から端子32に洗濯水が浸透し、端子32に腐食が起こる恐れがあるため、電極31における端子32の近傍部分に樹脂を含浸させて洗濯水が端子32まで浸透しないようにすることが望ましい。
またこの陽極30において、基板34の材料に防カビ材を練り込んだ樹脂を用いると、陽極に付着したカビ等の微生物が繁殖することを防止することができる。
また、電極31が炭素繊維である場合、繊維の一端がほつれて陰極側に接触し、短絡してしまう恐れがある。この場合に備えて電源回路21には、陰極と陽極との間に流れる過電流を検知することにより両極への電圧印加を停止する回路を設けておく。
また、電極31の炭素繊維の表面をメッシュ状の絶縁部材で覆うことにより、ほつれた繊維が陰極側に接触するのを防止する構造としてもよい。さらに電極31に炭素繊維を用いる場合、炭素繊維を折り重ねて設置すると、電気分解による炭素繊維の劣化、減量に対する寿命を延ばすことができる。
図3は、洗濯兼脱水槽10における底板部10bの中央付近の縦断面図である。
洗濯兼脱水槽10の底板部10bは、樹脂材41にアルミダイカスト材42を内含した構成となっており、その中心部において駆動装置15の回転軸15bに連結固定されている。回転軸15bはステンレス鋼製であり、この回転軸15bと前記アルミダイカスト材42との電気的接続を図るため、その間に導体によりなるワッシャ43を挟み込む形で洗濯兼脱水槽10の底板部10bを回転軸15bにナット状の締め具44によって固定している。
洗濯兼脱水槽10の底板部10bは、樹脂材41にアルミダイカスト材42を内含した構成となっており、その中心部において駆動装置15の回転軸15bに連結固定されている。回転軸15bはステンレス鋼製であり、この回転軸15bと前記アルミダイカスト材42との電気的接続を図るため、その間に導体によりなるワッシャ43を挟み込む形で洗濯兼脱水槽10の底板部10bを回転軸15bにナット状の締め具44によって固定している。
本実施例においては、回転軸15b、アルミダイカスト材42ともに弱アルカリ性の洗剤溶液中で負の電圧を印加される。このとき、ワッシャ43とアルミダイカスト材42との間に接触電位差が生じてアルミダイカスト材42の腐食が発生する場合がある。そのため、ワッシャ43として標準電極電位がアルミダイカスト材42とステンレス鋼製の回転軸15bとの中間レベルにある導体を用いることが望ましい。このワッシャ43の材質としては、低炭素鋼等の鋼材が好適である。
また、アルミダイカスト材42の腐食を防止するため、ワッシャ43を絶縁体としてアルミダイカスト材42と回転軸15bとを絶縁し、回転軸15bと洗濯兼脱水槽10の側板部10aとを導線によって直接導通させる構成としてもよい。
図4は、攪拌翼13の中央付近の縦断面図である。
攪拌翼13は、その中心部に金属製の軸受46を有し、これを駆動装置15の回転軸15aに嵌合させた状態で、回転軸15aの頂部の螺子穴47に螺合される螺子48によって固定してある。攪拌翼13は全体として樹脂材49によりなり、その内部には金属製の軸受46に電気的に接続する形で導体50が内含されている。この構成により、ステンレス鋼製の回転軸15aから金属製の軸受46を介して攪拌翼13の内部の導体50に負の電圧を印加することで、樹脂材を介して攪拌翼13の表面が負に帯電し、攪拌翼13が陰極として作用する。
攪拌翼13は、その中心部に金属製の軸受46を有し、これを駆動装置15の回転軸15aに嵌合させた状態で、回転軸15aの頂部の螺子穴47に螺合される螺子48によって固定してある。攪拌翼13は全体として樹脂材49によりなり、その内部には金属製の軸受46に電気的に接続する形で導体50が内含されている。この構成により、ステンレス鋼製の回転軸15aから金属製の軸受46を介して攪拌翼13の内部の導体50に負の電圧を印加することで、樹脂材を介して攪拌翼13の表面が負に帯電し、攪拌翼13が陰極として作用する。
図5は、外槽4の外側面への電極板22の付設形態を示す部分的な縦断面図である。
外槽4の外側面には電極板22を固定するための突起51が設けられ、これと対応して電極板22には、突起51を通すための穴52が形成されている。そして、電極板22を外槽4の外側面に密着させ、穴52に突起51を通した状態で突起51の頭部を潰してかしめることにより電極板22を固定した構造となっている。この構造により、電極板22は外槽4の外側面にしっかりと固定され、洗濯機の脱水動作時の振動等が加わっても電極板22が外槽4の外側面から外れてしまうことはない。この構成では、電極板22に負の電圧を印加することにより、外槽4を構成する樹脂材を介して外槽4の内側面が負に帯電し、その面が陰極として作用することになる。
外槽4の外側面には電極板22を固定するための突起51が設けられ、これと対応して電極板22には、突起51を通すための穴52が形成されている。そして、電極板22を外槽4の外側面に密着させ、穴52に突起51を通した状態で突起51の頭部を潰してかしめることにより電極板22を固定した構造となっている。この構造により、電極板22は外槽4の外側面にしっかりと固定され、洗濯機の脱水動作時の振動等が加わっても電極板22が外槽4の外側面から外れてしまうことはない。この構成では、電極板22に負の電圧を印加することにより、外槽4を構成する樹脂材を介して外槽4の内側面が負に帯電し、その面が陰極として作用することになる。
図6は、洗濯兼脱水槽10における側板部10aと底板部10bとの間の電気的な接続構造を示す部分的な縦断面図である。
洗濯兼脱水槽10のステンレス製の側板部10aと、底板部10bに内含されるアルミダイカスト材42との電気的接続を図るため、側板部10aと底板部10bの間には洗濯兼脱水槽10の外側において導線26が配置され、その両端部をそれぞれ螺子54と55によって側板部10aとアルミダイカスト材42に接続してある。ここで側板部10aと導線26とは、絶縁膜56を介した電気的接続とするものであり、またアルミダイカスト材42側の螺子55は金属製であるのに対し、側板部10a側の螺子54は絶縁体である樹脂材で形成されている。この構成により、導線26と側板部10aとの間で部分的にコンデンサを形成して側板部10aを陰極化することができる。
洗濯兼脱水槽10のステンレス製の側板部10aと、底板部10bに内含されるアルミダイカスト材42との電気的接続を図るため、側板部10aと底板部10bの間には洗濯兼脱水槽10の外側において導線26が配置され、その両端部をそれぞれ螺子54と55によって側板部10aとアルミダイカスト材42に接続してある。ここで側板部10aと導線26とは、絶縁膜56を介した電気的接続とするものであり、またアルミダイカスト材42側の螺子55は金属製であるのに対し、側板部10a側の螺子54は絶縁体である樹脂材で形成されている。この構成により、導線26と側板部10aとの間で部分的にコンデンサを形成して側板部10aを陰極化することができる。
図7は、図6の変形例を示す部分的な縦断面図である。
この例では、洗濯兼脱水槽10の側板部10aにおける螺子54の周囲の部分に空隙57を設けてある。このため、螺子54は金属製でも樹脂製でもよく、金属製とした場合は接続部分の強度を高めることができる。
この例では、洗濯兼脱水槽10の側板部10aにおける螺子54の周囲の部分に空隙57を設けてある。このため、螺子54は金属製でも樹脂製でもよく、金属製とした場合は接続部分の強度を高めることができる。
図8は、図6の他の変形例を示す部分的な縦断面図である。
この例では、洗濯兼脱水槽10の側板部10aと導線26との間に空隙58を設けて電気的に接続する構造をとっている。この構造では、洗濯時に空隙58の中が洗剤溶液で満たされる状態となるため、大容量のコンデンサとして機能する。この場合も、螺子54は金属製と樹脂製のどちらでもよい。
この例では、洗濯兼脱水槽10の側板部10aと導線26との間に空隙58を設けて電気的に接続する構造をとっている。この構造では、洗濯時に空隙58の中が洗剤溶液で満たされる状態となるため、大容量のコンデンサとして機能する。この場合も、螺子54は金属製と樹脂製のどちらでもよい。
図9は、陽極30の他の構成例を示す縦断面図である。
すなわちこの例は、陽極30を構成する電極31の表面に薄膜状の保護部材36を貼付し、これで電極31を覆った構造としたものである。ここで保護部材36としては、細孔の開いた樹脂でもよいし、導電膜等、通常の樹脂よりも電気伝導度の高い部材でもよい。具体的には、酸化スズ、酸化インジウム等の無機部材や高分子電解質膜等の有機部材が好適に用いられる。このように電極31の表面を保護部材36で覆うことにより、電極の摩耗を抑えて寿命を延ばすことができる。
すなわちこの例は、陽極30を構成する電極31の表面に薄膜状の保護部材36を貼付し、これで電極31を覆った構造としたものである。ここで保護部材36としては、細孔の開いた樹脂でもよいし、導電膜等、通常の樹脂よりも電気伝導度の高い部材でもよい。具体的には、酸化スズ、酸化インジウム等の無機部材や高分子電解質膜等の有機部材が好適に用いられる。このように電極31の表面を保護部材36で覆うことにより、電極の摩耗を抑えて寿命を延ばすことができる。
図10は、図9の変形例を示す縦断面図である。
この例は、基板34の内部に電極31を埋め込んだ構造としたものである。この場合、電極31に正の電圧を印加することにより、基板34の外表面34aが正に帯電し、その面が陽極として作用する。このように電極31を基板34の内部に埋め込んだ構造とすることで、電極31をより確実に保護することができ、その寿命をさらに延ばすことが可能となる。
この例は、基板34の内部に電極31を埋め込んだ構造としたものである。この場合、電極31に正の電圧を印加することにより、基板34の外表面34aが正に帯電し、その面が陽極として作用する。このように電極31を基板34の内部に埋め込んだ構造とすることで、電極31をより確実に保護することができ、その寿命をさらに延ばすことが可能となる。
図11は、陽極30のさらに他の構成例を示す縦断面図である。
この例の陽極30は、電極31の両端部に端子32aと32bが設けられており、洗濯運転時には電源回路から導線33aを介して一方の端子32aより電極31に正の電圧を印加し、洗濯運転が終了した後は、外槽4内に洗濯水が残っている状態で、電源回路から導線33aと33bを介して両側の端子32aと32b間に電圧を印加して電極31をヒータとして加熱するようにする。これにより、電極31に付着した微生物を死滅または不活性化させることができる。この場合、外槽4に残った洗濯水に電極31が浸った状態で電極31を加熱するようにしたことで、電極31の過熱による焼損を防止することができる。
この例の陽極30は、電極31の両端部に端子32aと32bが設けられており、洗濯運転時には電源回路から導線33aを介して一方の端子32aより電極31に正の電圧を印加し、洗濯運転が終了した後は、外槽4内に洗濯水が残っている状態で、電源回路から導線33aと33bを介して両側の端子32aと32b間に電圧を印加して電極31をヒータとして加熱するようにする。これにより、電極31に付着した微生物を死滅または不活性化させることができる。この場合、外槽4に残った洗濯水に電極31が浸った状態で電極31を加熱するようにしたことで、電極31の過熱による焼損を防止することができる。
図12は、電源回路から洗濯槽に負の電圧を印加する電気経路において、導線23と外枠1の接続部の構造を示す断面図である。
ここで導線23は、その端子23aを、絶縁体60を介して外枠1の内側面に接続するようにしている。この場合、導線23の端子23aと外枠1とを固定するリベット61も絶縁体で形成する。これにより、使用者が外枠1に触れても感電しないようにしている。
ここで導線23は、その端子23aを、絶縁体60を介して外枠1の内側面に接続するようにしている。この場合、導線23の端子23aと外枠1とを固定するリベット61も絶縁体で形成する。これにより、使用者が外枠1に触れても感電しないようにしている。
図13は、図12の変形例であり、外枠1の内側に延長板部62を突出形成し、この延長板部62に絶縁体60を介して導線23の端子23aを接続する構成としたものである。この構成では、導線23の端子23aを固定するリベット61が外枠1の外側面に表出しないという利点がある。
図14は、本発明の他の実施例であり、ここでは洗濯兼脱水槽10の構成のみを示してある。
この実施例では、洗濯兼脱水槽10の底板部10bに電池70と陽極30を設置し、電池70から導線71を介して側板部10aに負の電圧を印加するとともに、電池70から導線72を介して陽極30に正の電圧を印加する構成としている。これにより、駆動装置の回転軸15bを介さずに洗濯兼脱水槽10に電圧を印加することができるので、電圧印加による回転軸15bの腐食の問題を回避することができる。
この実施例では、洗濯兼脱水槽10の底板部10bに電池70と陽極30を設置し、電池70から導線71を介して側板部10aに負の電圧を印加するとともに、電池70から導線72を介して陽極30に正の電圧を印加する構成としている。これにより、駆動装置の回転軸15bを介さずに洗濯兼脱水槽10に電圧を印加することができるので、電圧印加による回転軸15bの腐食の問題を回避することができる。
図15は、本発明のさらに他の実施例を示す構成図である。
この実施例は、図1で示した洗濯機の構成に加えて、外槽4に溜まった洗濯水を循環ポンプ80で汲み上げて洗濯兼脱水槽10の上方の散水口81から降り掛ける循環流路82を有し、洗濯運転時にはこの循環流路82によって洗濯水を循環させることで、使用水量を抑え、かつ洗浄効果を高める構成としている。そしてこの実施例では、循環流路82における循環ポンプ80の上流側の位置に陽極30を設置する。これにより、循環する洗濯水の流れを利用して、陽極30への微生物の付着を少なくすることができる。
この実施例は、図1で示した洗濯機の構成に加えて、外槽4に溜まった洗濯水を循環ポンプ80で汲み上げて洗濯兼脱水槽10の上方の散水口81から降り掛ける循環流路82を有し、洗濯運転時にはこの循環流路82によって洗濯水を循環させることで、使用水量を抑え、かつ洗浄効果を高める構成としている。そしてこの実施例では、循環流路82における循環ポンプ80の上流側の位置に陽極30を設置する。これにより、循環する洗濯水の流れを利用して、陽極30への微生物の付着を少なくすることができる。
本発明は、実施例で示したような洗濯機に限ることなく、他にも例えばいわゆるドラム式の洗濯機や、乾燥機能が付いた洗濯乾燥機においても広く適用が可能である。
1…外枠、4…外槽、4a…底部内面(陽極設置面)、10…洗濯兼脱水槽(内槽)、10a…側板部(陰極)、13…攪拌翼、21…電源回路、22…電極板(陰極)、30…陽極、31…電極、34…基板、36…保護部材、50…導体(陰極)、80…循環ポンプ、82…循環流路
Claims (6)
- 洗濯水を溜める外槽と、前記外槽の内部に配置され、洗濯物が投入される内槽と、前記内槽の底部に設けられる攪拌翼と、により構成される洗濯槽を備え、前記洗濯槽の少なくとも一部を導体で構成して陰極とするとともに、その対極である陽極を、前記導体から距離をおいて配置し、前記陰極と前記陽極との間に洗濯水を介して電圧を印加することにより前記洗濯槽に微生物が付着することを抑制する構成とし、この構成において、前記陽極は、電極の作用面が設置部位の面と同一平面をなすように設置されることを特徴とする洗濯機。
- 請求項1に記載の洗濯機において、前記陽極は、電極の表面を保護部材で覆った構造としたことを特徴とする洗濯機。
- 請求項1に記載の洗濯機において、前記陽極は、基板に電極を埋め込んだ構造としたことを特徴とする洗濯機。
- 請求項1に記載の洗濯機において、前記陽極は、電極を加熱して細菌類を死滅または不活性化させるようにしたことを特徴とする洗濯機。
- 請求項1に記載の洗濯機において、前記陰極と前記陽極との間の過電流を検出し、電圧の印加を停止する手段を備えたことを特徴とする洗濯機。
- 請求項1に記載の洗濯機において、前記外槽に溜まった洗濯水を循環ポンプで汲み上げて前記内槽の上方から降り掛ける循環流路を備え、前記陽極は、前記循環流路における前記循環ポンプの上流側の位置に設置されることを特徴とする洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004200912A JP2006020795A (ja) | 2004-07-07 | 2004-07-07 | 洗濯機 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009090051A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-04-30 | Panasonic Corp | 電解銀溶出装置とそれを使用した洗濯機 |
JP2013075047A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Toshiba Corp | 洗濯機 |
JP2017200615A (ja) * | 2017-07-18 | 2017-11-09 | 東芝ライフスタイル株式会社 | 洗濯機 |
CN108286167A (zh) * | 2018-01-24 | 2018-07-17 | 洪忠伟 | 一种不用化学洗涤剂且具有消毒功能的电催化洗衣机及洗衣方法 |
-
2004
- 2004-07-07 JP JP2004200912A patent/JP2006020795A/ja active Pending
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