JP2006019276A - 燃料電池システムおよびそれを用いた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】
燃料改質器を有する燃料電池システムで使用されてきた改質器や燃料電池は温度上昇のための待ち時間が必要であるため、始動性が悪いという欠点があり、また内部温度を燃料の自着火温度以上に上げて改質効率を向上させることが困難であった。
【解決手段】
エネルギー発生装置は、原料を入力して反応生成物を生成する1つ以上の前段反応手段を有し、機械的動力を外部より入力することにより前記反応生成物を生成するか、または前記前段反応手段内での化学反応により発生する機械的動力を外部に出力しており、更に原料と酸素もしくは水とを反応させて反応生成物として水素を生成する改質反応および原料との酸化反応との反応形態を生じさせており、前記エネルギー管理手段は、車両の冷間始動時に、反応形態の内、部分酸化反応による反応形態を行い、燃料電池が作動温度に達してからは水蒸気改質反応による反応形態を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は一般的なエネルギー発生装置に係り、特に改質器兼動力発生用の内燃機関と燃料電池を有するシステムに対し効果的である。内燃機関に改質器としての機能を持たせ、従来の改質器では用いることが不可能であった爆発エネルギーを積極的に利用するものに関する。このシステムは熱収支を上げることにより、燃料電池システムにおいて燃料改質効率およびシステム全体の効率向上を実現するものである。本発明は特に機械的動力を出力として得る対象であって、小型高効率なシステムを要求する対象、特に車両に適用された場合に効果が大きい。
エネルギー・環境問題への意識の高まりから、自動車の高効率・低エミッション化が求められている。燃料電池は燃焼という形態を用いずに燃料からエネルギーを取り出し、かつ、排気は水のみであるため、高効率な原動機として注目されているが、燃料が水素であるため、小型軽量化が必要な自動車には搭載が困難である。そこで、メタノールなどの水素を含む化合物を車両に搭載し、車両内で水素に改質する手法が提案されている。燃料改質方式は外部より熱を与え、触媒を用いて反応速度を高める方式を利用している。例えば特許文献1にはメタノールの酸化反応の反応熱を用いて水蒸気改質に必要な熱量を供給するシステムが開示されている。
特開平9−315801号
しかし、従来の燃料改質器は触媒を用い、比較的低い温度で反応を行うため、爆発を伴う熱エネルギーを自己加熱以外の形で利用することが困難であった。
本発明は、上記の不具合をなくすためになされたものであり、改質反応に伴う発生熱を有効利用するため内燃機関を改質器として用い、システムの熱エネルギーを利用して吸気加熱を行い改質効率を向上させるものである。これによって、高効率な燃料電池システムを供給することが可能となる。また、特殊な触媒を用いていないため、経時変化による改質効率の変動が少ないという利点を合わせ持つ。
本発明は、原料を入力して反応生成物を生成する1つ以上の前段反応手段と前記反応生成物を入力としてエネルギーを発生する後段反応手段を有するエネルギー発生装置であって、前記前段反応手段は機械的動力を外部より入力することにより前記反応生成物を生成するかまたは前記前段反応手段内での化学反応により発生する機械的動力を外部に出力することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記前段反応手段の少なくとも1つは前記原料と前記機械的動力を入力して前記原料よりも化学的エネルギーが高い反応生成物を発生することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記前段反応手段の少なくとも1つは前記原料と燃焼の性質が異なる反応生成物を発生することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記前段反応手段は反応生成物または反応生成物の組成割合を制御する反応組成制御手段を有し、前記前段反応手段の反応生成物出力口に接続された根元配管は二本以上の移送配管に分岐し、前記移送配管の少なくともひとつは前記後段反応手段に接続され、前記エネルギー発生装置は使用配管選択手段を有し、前記使用配管選択手段は前記反応組成制御手段からの情報を用いて使用する前記移送配管を切り替えることを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記前段反応手段は電気エネルギーを機械的動力にまたは機械的動力を電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段を有することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記前段反応手段と前記後段反応手段とが伝熱手段により接合していることを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記前段反応手段は熱機関であり、前記後段反応手段は燃料電池であることを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記熱機関は水供給手段を有し、前記熱機関は前記水供給手段により供給された水を用いた水蒸気雰囲気内で前記前段反応を行うことを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記熱機関は内燃機関であり、前記内燃機関は燃料噴射弁を備え、前記反応組成制御手段は前記燃料噴射弁より噴出される燃料量を制御することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記熱機関は内燃機関であり、前記内燃機関は可変駆動バルブを有し、前記反応組成制御手段は前記可変駆動バルブの開閉タイミングを変化させて前記内燃機関の圧縮比を制御することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記熱機関は機械的動力を発生する期間を有し、前記熱機関は前記機械的動力を用いて前記燃料電池に圧縮空気を供給する。
ことを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記熱機関は燃料電池に供給する燃料を生成する改質反応と機械的動力発生反応のいずれかまたは双方を行う期間を有し、前記エネルギー発生装置は前記燃料電池の発電に伴う発生熱を用いて前記熱機関に投入する原料を加熱する低温伝熱手段、または、前記熱機関自身の排熱により前記熱機関に投入する原料を加熱するための高温伝熱手段を有することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記エネルギー発生装置は前記熱機関に投入する原料を加熱する加熱手段を有し、前記エネルギー発生装置は前記熱機関と燃料電池との間に燃料選択手段を備え、前記燃料選択手段は燃料電池に供給する反応燃料と前記加熱手段に供給する加熱燃料を取捨選択し、前記加熱手段は前記加熱燃料を加熱手段用燃料として用いることを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記エネルギー発生装置は前記熱機関に投入する原料を加熱する加熱手段を有し、前記エネルギー発生装置は燃料電池反応生成物出口部に燃料回収手段を備え、前記加熱手段は前記燃料回収手段により回収された燃料電池における未反応物を前記加熱手段用燃料として用いることを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記内燃機関は原料を搬送する吸気管を有し、前記加熱手段と前記内燃機関の吸気管に沿った距離をL1とし、前記高温伝熱手段と前記内燃機関の吸気管に沿った距離をL2とし、前記低温伝熱手段と前記内燃機関の吸気管に沿った距離をL3とすると、L1<L2<L3となることを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記加熱手段は投入原料を前記温度管理手段が提示する目標温度に加熱するため、前記燃料電池からの未反応成分および前記燃料選択手段からの排出物の供給割合を変えることにより供給熱量を制御することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記熱機関は内燃機関であり、前記エネルギー発生装置は伝熱手段または加熱手段を有し、前記伝熱手段は燃料電池の発生熱を熱機関にまたは熱機関の発生熱を燃料電池に伝達し、前記加熱手段は前記内燃機関に投入する原料を加熱し、前記エネルギー発生装置は前記熱機関および前記燃料電池の温度管理手段を有し、前記温度管理手段は前記内燃機関の着火時直前の反応室内温度が原料の反応室内雰囲気における自着火温度以上になるように前記伝熱手段および前記加熱手段の熱量および燃料の供給量を制御し、また、前記温度管理手段は前記燃料電池に供給する燃料の温度を前記燃料電池の作動温度になるように前記伝熱手段および前記加熱手段の熱量および燃料の供給量を制御することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記温度管理手段は前記内燃機関を制御する内燃機関制御手段を有し、前記内燃機関制御手段は前記温度管理手段より送出される吸入原料温度情報を受信し、前記内燃機関制御手段は当量比、圧縮比、圧縮履歴、冷却水温度、潤滑油温度、潤滑油圧、吸気流量、および圧縮速度のいずれかの情報を用いて前記燃料電池に供給する燃料の生成量を制御することを特徴とする。
本発明は、好ましくは、エネルギー発生装置を塔載した車両であって、前記車両は前記燃料電池より得られる電力を機械的動力に変換するモータを有し、前記モータの出力軸および前記熱機関の機械的動力出力軸は機械的伝達要素を介して車軸に接続されたことを特徴とする。
本発明は、好ましくは、エネルギー発生装置を塔載した車両であって、前記車両は前記燃料電池より得られる直流電力を貯える蓄電手段を有し、前記熱機関の機械的動力出力軸は発電機に接続され、前記発電機により得られる交流電力は交流電力変換手段により直流電力に変換され前記蓄電手段に貯えられ、前記車両は前記蓄電手段に貯えられた電力を用いて車両を駆動するモータを有し、前記モータの出力軸は機械的伝達要素を介して車軸に接続されたことを特徴とする。
本発明は、好ましくは、前記車両は運転者の指令信号と車両情報と前記燃料電池の内部状態を入力として前記反応組成制御手段と前記発電機と前記モータを制御するエネルギー管理手段を備えたことを特徴とする。
本発明は改質器と熱機関とを一体化した改質機関と燃料電池を有するエネルギー発生装置において、燃料電池、改質機関、および未反応燃料からの熱を有効利用し、改質機関の入口温度を高めることにより改質効率を向上させ、システム全体の効率向上を計るものである。
以下本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明によるエネルギー発生装置搭載車両の一実施例である。91は車両の駆動軸である。92は本発明の特徴である内燃機関を用いた改質機関である。93は燃料電池であり、改質機関92により得られる水素などの燃料を燃料極に、空気などの酸化剤を空気極に供給することにより直流電力を発生する。つまり、本システムは前段反応装置が改質器兼内燃機関である改質機関、後段反応装置が燃料電池であるエネルギー発生装置である。ここで、内燃機関とは燃焼ガスが作動流体であるものを指し、レシプロエンジン、ロータリーエンジン、ガスタービン、およびジェットエンジンなどが含まれる。今回は一例としてレシプロエンジンを想定した。また、本文中における改質機関とは改質反応による改質燃料と機械的動力の双方を発生するもの、もしくは機械的動力により改質行程を行うものを指す。
改質機関92は複数の気筒より構成され、各気筒は原料を改質する反応室を有する。また、改質機関92は燃料電池の空気極に供給する空気を圧送する手段を有する。一実施例として原料がメタンであり、反応生成物が水素の場合では、燃料改質反応は高温であるほど促進される。本発明においては改質機関92の反応室内雰囲気温度を従来の改質器では利用不可能であった原料の自着火温度まで高めることにより、生成水素量を増加させると同時に機械的動力も発生させることを特徴とする。また、特殊な触媒を用いていないため、経時変化による改質効率の低下および冷間始動時の無能力時間などとは無関係である。
改質機関92の反応室内で行われる改質反応として、通常は少なくとも1気筒は発熱反応が選択される。この発熱反応を利用して原料の加熱を行う。なお、詳細については後述する。改質機関92は複数の気筒より構成されているため、少なくとも1気筒が残りの気筒の圧縮行程を賄うだけの出力を発生していれば運用は可能である。また、本構成の改質機関92は改質燃料を燃料電池93に送出する動力源として自身の発生する機械的動力を用いることを想定している。
94は燃料選択手段であり、改質機関92からの排出物のうち燃料電池94に供給する成分とそれ以外の成分とに分類する。以降、燃料電池に供給する反応生成物を燃料と称し、燃料成分以外の成分を未反応原料と称する。
95は発電機兼モータであり、改質機関92と機械的に接続している。改質機関92からの機械的動力の発生が生じた場合は発電機として働き、改質機関92からの機械的動力の要求がある場合はモータとして働く。
96はエネルギー変換手段であり、改質機関92からの機械的動力を電力に変換する手段もしくは改質機関92へ機械的動力を供給する手段で、通常は発電および出力が可能なモータなどを用いる。
97はモータ駆動手段であり、燃料電池93およびエネルギー変換手段96からの電気エネルギーを用いてモータを駆動するための装置、例えば2次電池、コンバータ、およびインバータなどを有している。98はモータであり、一般的には堅牢、高効率であることを理由として誘導モータ、同期モータ、リラクタンスモータなどの交流モータが用いられる。
改質機関92の改質効率を向上させるためは反応室内温度をさらに高温化させることが望ましい。本発明は反応室内高温化策として吸入原料を加熱し、改質機関92の入口温度を上げることを特徴とする。以下にシステムの廃熱および未反応成分を利用し、投入する原料を加熱する手段を述べる。
99は熱交換器である低温伝熱装置であり、燃料電池93からの廃熱を用いて改質機関92に投入する原料を加熱するものである。燃料電池の廃熱は内燃機関である改質機関の廃熱よりも低いため、ここでは低温と称した。100は熱量調節バルブであり、低温伝熱装置99は熱量調節バルブ100を調節することにより供給熱量を制御可能である。ここでは伝熱媒体の流れる配管を有する構成としているが、改質機関92の吸気管を燃料電池93の外壁面に設ける構成としても良い。この構成は低温伝熱装置99の伝熱媒体の使用を削減することができるという特徴を有する。
101は熱交換器である高温伝熱装置であり、改質機関92からの廃熱を用いて改質機関92に投入する原料を加熱するものである。102は熱量調節バルブであり、高温伝熱装置101は熱調節バルブ102を調節することにより供給熱量を制御可能である。低温伝熱装置99と同様、改質機関92の吸気管を改質機関92の外壁面に設けることにより高温伝熱装置101の伝熱媒体の使用を削減する構成も可能である。
103は加熱装置であり、燃料選択手段94により分類された未反応原料を燃料とし、改質機関92に投入する原料を加熱する。加熱装置103は燃焼器および伝熱装置からなる。104は未反応原料供給量調節バルブであり、加熱装置103は供給量調節バルブ104を調節し、未反応原料の供給量を制御することにより燃焼器の火炎温度を目標値に近づける。また、105は未反応燃料供給量調節バルブであり、加熱装置103は燃料電池93の未反応成分も、同様に加熱用燃料として用いる。原料をメタンとして反応燃料を水素と想定すると、未反応原料の主成分は一酸化炭素であり、未反応燃料の主成分は水素となる。そのため、加熱装置103は火炎温度の異なる未反応原料および未反応燃料の供給量を独立に制御することができ、供給熱量の精密管理が可能であるという特徴を有する。
106は温度管理手段であり、燃料電池システムの各装置の温度管理を行う。107は改質機関吸気温度計測手段であり、改質機関の吸気温度を計測する。108は内燃機関制御装置であり、改質機関の各反応室の反応形態、例えば着火時期、当量比、および圧縮比などを制御する。109はエネルギー管理手段であり、運転者指令および車両情報に応じ、各コンポーネントに指令信号を発生する。
図1の構成による燃料電池システムには以下の特徴がある。まず、システムの廃熱を有効利用できる。本システムは、燃料電池および内燃機関を有するため、熱源および加熱燃料が複数存在する。これら熱源および加熱燃料を改質機関92の原料の加熱に用いることにより生成水素量を増加させる。原料を熱源の温度が低いものから徐々に加熱してゆく。改質機関92と加熱装置103との吸気管距離をL1とし、改質機関92と高温伝熱装置101との吸気管距離をL2とし、改質機関92と低温伝熱装置99との吸気管距離をL3とするとL1<L2<L3の関係となる。本システムでは各コンポーネントの熱収支を監視および制御するため、燃料電池93および改質機関92の作動温度管理が容易である。さらに、改質機関92の反応燃料の吐出量および機械的出力からシステム全体の出力を推測可能であるため、改質機関92を管理することによりシステムの出力特性を制御できる。また、改質機関92からの機械的出力を電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段96を搭載しているため、燃料電池が故障した場合でもシリーズ方式のハイブリット車両として走行可能である。
図2に温度管理手段の詳細を示す。本図において、温度管理手段106は6つの制御手段により構成されている。
本システムの効率は改質機関の生成水素量および機械的出力により決まるため、改質機関の動作管理が重要である。改質機関の水素生成量は反応室内の温度に依存する。反応室内温度を上げるためには吸気温度を制御することが効果的である。また、改質機関の機械的特性を考慮すると改質反応に伴う爆発エネルギーを上死点直後で利用したいため、上死点での反応室内温度を反応燃料の自着火温度以上に上げ、瞬間的に爆発を誘起し、改質反応を瞬時に終結させることが求められる。さらに、改質機関の反応室内温度が上昇することに伴い燃料電池に供給する燃料の温度も上昇し、燃料電池の作動温度範囲以上にまで上がる可能性もある。
以下温度管理手段について説明を行う。
111は内燃機関吸気温度制御手段であり、改質機関92の吸気温度情報Tintおよび内燃機関制御装置108の改質器運転情報、例えば当量比φ、最高到達圧Pmax、回転数Neなどを得て、高温伝熱系制御手段への吸気温度制御指令Tint−h*、加熱装置制御手段への吸気温度制御指令Tint−ref*、および改質機関の運転制御指令ωe*を発生する。温度管理手段とエンジン制御装置は独立であるため、内燃機関制御装置は従来のエンジン制御装置を流用可能であり、運転制御指令ωe*は従来のエンジン制御指令と何ら変らなくても良い。また、従来のエンジン制御装置を用いることによりコストも低減できる。
112は燃料電池作動温度制御手段であり、燃料電池93の作動温度情報、例えば作動温度Tfc、発電効率ηfc、および電池内湿度ρfcなどを得て、燃料電池が適正な作動温度に保たれているか監視するとともに低温伝熱系制御手段への吸気温度制御指令Tint−l*、加熱装置制御手段への吸気温度制御指令Tint−fc*を発生する。
113は高温伝熱系制御手段であり、高温伝熱装置101からの供給熱量情報Qhおよび内燃機関吸気温度制御手段111からの吸気温度制御指令Tint−h*を受け、熱量調節バルブ102に操作量r102を与える。
114は加熱装置制御手段であり、内燃機関吸気温度制御手段111からの吸気温度制御指令Tint−ref*、燃料電池作動温度制御手段112からの吸気温度制御指令Tint−fc*、および加熱装置103からの加熱温度情報Tftを受け、未反応原料供給量調整バルブ104および未反応燃料供給量調整バルブ105に操作量r104およびr105を与える。
115は低温伝熱系制御手段であり、低温伝熱装置99からの供給熱量情報Qlおよび燃料電池作動温度制御手段112からの吸気温度制御指令Tint−l*を受け、熱量調節バルブ100に操作量r100を与える。
116はシステム冷却系制御手段であり、定常では吸気温度情報Tintおよび作動温度Tfcなどを受け、システムの冷却系制御指令Tcl*を発生する。システムの冷却装置は従来のものを流用しても何ら差し支えはない。また、システム冷却系制御手段116は改質機関92、燃料電池93、および改質機関92の吸気温度のいずれかが異常に上昇した場合に調節バルブを操作し、熱を遮断する機能を有する。
117は温度情報統括管理手段であり、エネルギー管理手段109からの指令に対し、各コンポーネンツの温度情報を突合せ、内燃機関吸気温度制御手段111、燃料電池作動温度制御手段112およびシステム冷却系制御手段に動作指令Rref、Rfc、およびRclを与える。
図2の制御手段は以下のように動作する。
車両の駆動エネルギーが必要な場合、エネルギー管理手段109は温度情報統括管理手段117に反応生成物の増加指令信号を発生する。温度情報統括管理手段117は内燃機関吸気温度制御手段111より改質機関92の運転情報および吸気温度情報を得て、目標吸気温度を設定し、温度応答性に優れる加熱装置への加熱燃料供給量の増加もしくは燃焼温度の高い燃料の供給割合の増加を行う。続いて改質機関の排出する熱量が安定化すると温度管理手段106は加熱装置への燃料供給量を減らし、吸気温度を目標値に安定させる。
図3に本発明によるエネルギー発生装置搭載車両の一実施例を示す。
121は速度制御手段であり、改質機関92からの機械的動力を機械的に変速する。122は駆動力制御手段であり、駆動軸91に伝達する駆動力を速度制御手段121からの機械的駆動力とモータ98からの電気的駆動力との駆動力配分を制御する。
図4に本発明のエネルギー発生装置の一実施例として、エネルギー発生装置が複数の気筒から成る内燃機関の場合を示す。11から14は反応室である。反応室11に関して15はピストンであり、16は出力軸であり、17は出力軸とピストンとを結ぶロッドである。18は反応室11〜14の有する各ピストンの変動を軽減するバランスシャフトである。同様に反応室12にはピストン19およびロッド20、反応室13にはピストン21およびロッド22、および反応室14にはピストン23およびロッド24が備えてある。一実施例として反応室11と反応室13が発熱を伴う改質反応、反応室12と反応室14が吸熱を伴う改質反応の場合を説明する。
供給原料はメタノールと酸素とする。反応室11および13では発熱反応により熱発生が生じ、作動流体である燃焼ガスによりピストン15および21が押し下げられロッド17および22を介して機械的動力が出力軸16に発生する。また、主成分が未反応メタノール、水素、水蒸気、一酸化炭素、および二酸化炭素などである反応生成物が発生する。反応室11および13で発生した反応生成物は反応室12および14に供給される。反応室11および13で発生した機械的動力は出力軸16を介してピストン19および23を押し上げる動力となり、反応室12および14での圧縮仕事をする。圧縮仕事を受けた反応室12および14では高圧高温場となり吸熱を伴う改質反応が行われる。例えば、反応生成物の未反応メタノールと水蒸気との反応である以下の反応が生じる。
CH3OH+H2O=CO2+3H2−131kJ/mol … (1)
式(1)の反応は水蒸気改質と呼ばれ、メタノール1molから水素3molが生成する。未反応メタノールの量が少なければ、反応室12および14に燃料供給装置を設ける。
ここで、反応室11および13で発生した機械的動力が反応室12および14での圧縮仕事以上であれば、出力軸を介して外部へ出力される。
また、このエネルギー発生装置が車両に搭載されている場合には、車両の減速エネルギーを用いて燃料であるメタノールを製造する反応
CO+2H2 = CH3OH… (2)
を生じさせ、回生エネルギーを燃料として保存することも可能である。
図4の構成による改質器兼内燃機関システムには以下の特徴がある。このシステムでは1機の内燃機関により部分酸化反応と水蒸気改質反応もしくはコンバインド改質反応を行うことが可能であり、熱と水素の供給および動力の供給が可能となる。
図5に本発明のエネルギー発生装置の一実施例として、内燃機関からの排気エネルギーを用いて燃料電池に空気を圧送する場合を示す。131は圧縮装置であり、圧縮装置131は2つのタービンを有し、2つのタービンは一軸上に配され機械軸により連結している。圧縮装置131は一方のタービンを改質機関92で生成した反応生成物を燃料電池93に供給する配管の途中に配置し、他方を燃料電池に空気を送る配管の途中に配置されている。圧縮装置131は改質機関92の排気エネルギを用いて排気側のタービンを回し、その反力で回る空気側のタービンで空気を燃料電池に圧送する。
図6に本発明のエネルギー発生装置の一実施例として、内燃機関の気筒から空気を燃料電池に圧送する場合を示す。141は改質機関を構成する気筒であり、空気を燃料電池に圧送するための気筒として用いる。空気圧送気筒141は空気のみを吸入し、改質反応を行う反応室12を有する他の気筒が発生する機械的動力を用いて空気を燃料電池に圧送する。
図7に本発明のエネルギー発生装置の例を示す。エネルギー発生装置は原料と機械的動力を入力することにより化学的エネルギーの高い反応生成物を生成する。31は本発明であるエネルギー発生装置であり、32は投入する原料、33は入力する機械的動力であり、34はエネルギー発生装置より生成させられる反応生成物である。一実施例として、原料32をメタノール、反応生成物34を水素として、メタノールから水素を生成する反応を説明する。メタノールを水蒸気の雰囲気下で機械的動力33を与え、高温高圧場を実現し、式(1)の反応式で表される水素を生成する水蒸気改質反応が促進される。式(1)の反応は吸熱反応であり、500K以上の雰囲気温度で促進される。水蒸気改質を行うことにより、メタノール1molから水素が3mol生成する。メタノールの1モル当たりの低位発熱量は675kJ/molであり、水素の1モル当たりの低位発熱量は240kJ/molであるため、メタノール1molの化学的熱エネルギーが675kJから720kJに上昇したのと同意となる。
また、エネルギー発生装置は原料32と機械的動力33を入力することにより、原料32とは燃焼特性の異なる反応生成物34を生成する。一実施例として、メタノールからジメチルエーテル(以下DME)を生成する反応を説明する。メタノールを原料32として外部より機械的動力33を与え、高温高圧場を実現し、以下の反応を行わせる。
2CH3OH=CH3O CH3+H2O … (3)
式(3)の反応よりDMEを生成することも可能である。メタノールとDMEの燃焼の性質を表す指標としてセタン価を比較する。セタン価とは着火性を表す指標である。メタノールのセタン価は5であるのに対しDMEは55〜60であるため、本発明であるエネルギー発生装置により原料であるメタノールを燃焼の性質の異なる反応生成物であるDMEに改質することが可能である。ここで、燃焼の性質とは自着火温度、火炎伝播速度、およびオクタン価などでも何ら差し支えはない。
図8に原料と機械的動力を入力して反応生成物を生成するエネルギー発生装置を前段反応装置として備え、反応生成物を入力してエネルギーを発生する後段反応装置を有するエネルギー発生装置の例を示す。41は前段反応装置であり、42は後段反応装置である。43は前段反応装置41に投入する原料であり、44は前段反応装置41に供給する機械的動力である。また、45は前段反応装置41が生成する反応生成物であり、46は後段反応装置42が発生するエネルギーである。一実施例として、前段反応装置41に圧縮機関、後段反応装置42に燃料電池の場合を説明する。
原料43をメタノールと水蒸気とする。原料43が外部からの機械的動力により実現される圧縮機関内部の高温高圧場に投入されることにより式(1)の反応が促進され、反応生成物45として水素が生成する。反応生成物45である水素は燃料電池に供給され、エネルギー46を発生する。
図9に原料を入力して機械的動力と反応生成物を生成するエネルギー発生装置を前段反応装置と、前記反応生成物を入力してエネルギーを発生する後段反応装置を有するエネルギー発生装置の例を示す。51は前段反応装置であり、52は後段反応装置である。53は前段反応装置51に投入する原料であり、54は前段反応装置51に反応のきっかけを供給する励起手段である。また、55は前段反応装置51が発生する機械的動力であり、56は前段反応装置51が生成する反応生成物である。57は後段反応装置52が発生するエネルギーである。一実施例として、前段反応装置51に膨張機関、後段反応装置52に燃料電池の場合を説明する。
原料53をメタノールと酸素とする。圧縮膨張機関が有する反応室内の状態を量論比によりも過濃にし、励起手段54により点火エネルギーを加えると、
CH3OH+1/2O2=CO2+2H2+155kJ/mol … (4)
の部分酸化反応が促進される。式(4)の反応は発熱であるため、圧縮膨張機関の膨張仕事ならびに圧縮仕事を行い、さらに外部へと機械的動力を発生することが可能である。反応生成物55として生成した水素は燃料電池に供給され、エネルギー57を発生する。
図10に原料と機械的動力を入力して反応生成物と機械的動力を生成するエネルギー発生装置を前段反応装置と、前記反応生成物を入力してエネルギーを発生する後段反応装置を有するエネルギー発生装置の例を示す。61は前段反応装置であり、62は後段反応装置である。63は前段反応装置61に投入する原料であり、64は前段反応装置61に供給する機械的動力である。また、65は前段反応装置61が発生する機械的動力であり、66は前段反応装置61が生成する反応生成物である。67は後段反応装置62が発生するエネルギーである。一実施例として、前段反応装置61に圧縮膨張機関、後段反応装置62に燃料電池の場合を説明する。
原料63をメタノールと酸素とする。圧縮膨張機関が有する反応室内の状態を量論比によりも過濃にし、機械的動力64により圧縮仕事を加えて高圧高温場を実現すると、式(3)の反応が促進される。式(3)の反応は発熱であるため、圧縮膨張機関の膨張仕事ならびに圧縮仕事を行い、さらに外部へと機械的動力65を発生することが可能である。反応生成物66として生成した水素は燃料電池に供給され、エネルギー67を発生する。
図11に原料を入力して反応生成物を生成する際に、機械的動力を発生、入力、もしくは入力して発生する期間のいずれかを有する前段反応装置と、前記反応生成物を入力してエネルギーを発生する後段反応装置を有するエネルギー発生装置の例を示す。71は前段反応装置であり、72は後段反応装置である。73は前段反応装置51に投入する原料であり、74は前段反応装置71に供給する機械的動力である。また、75は前段反応装置71が発生する機械的動力であり、76は前段反応装置71が生成する反応生成物である。77は前段反応装置71へ供給する機械的動力を調節するスイッチであり、78は前段反応装置71から発生する機械的動力を調節するスイッチである。79は後段反応装置72が発生するエネルギーである。一実施例として、前段反応装置71に圧縮膨張機関、後段反応装置72に燃料電池の場合を説明する。
冷間始動時では、燃料電池は作動温度よりも低く、加熱が必要である。そのため、圧縮膨張機関は水素の生成量を多少犠牲にしながらも放出される熱を用いて燃料電池を加熱する。燃料電池が作動温度に達してからは水素生成量重視の運転に移行する運転を行う。原料73がメタノール、水蒸気、および酸素の場合、圧縮膨張機関が有する反応室内の反応形態を冷間始動時は発熱反応である式(4)の部分酸化反応を行い、燃料電池が作動温度に達してからは式(1)の水蒸気改質反応を行う。その際、スイッチ77は前段反応装置71への機械的動力74の供給を増加する方向に働き、スイッチ78は前段反応装置71からの機械的動力75の発生を停止する方向に働く。その間、後段反応装置72は前段反応装置71からの反応生成物76である水素を用いてエネルギー79を発生する。
図12に原料と機械的動力を入力して反応生成物を生成する装置を前段反応装置、原料を入力して機械的動力と反応生成物を生成する装置を前段反応装置として有し、これら前段反応装置からの反応生成物を入力してエネルギーを発生する後段反応装置を有するエネルギー発生装置の例を示す。81は原料を入力して機械的動力と反応生成物を生成する装置を前段反応装置であり、82は原料と機械的動力を入力して反応生成物を生成する装置を前段反応装置であり、83は後段反応装置である。84は前段反応装置81に供給する原料であり、85は前段反応装置81の反応のきっかけを供給する励起手段である。86は前段反応装置81より発生し、前段反応装置82に供給する機械的動力であり、87は前段反応装置81より生成し、前段反応装置82に供給する反応生成物であり、88は前段反応装置82より生成する反応生成物である。89は後段反応装置が発生するエネルギーである。一実施例として、前段反応装置81に圧縮膨張機関、前段反応装置82に圧縮機関、後段反応装置83に燃料電池の場合を説明する。
原料84をメタノールと酸素とする。前段反応装置81では式(1)の部分酸化反応が行われ、機械的動力86と反応生成物87が発生する。反応生成物87は未反応メタノール、水素、水蒸気、一酸化炭素、および二酸化炭素など主成分である。前段反応装置82に投入された反応生成物87は機械的動力86により、メタノールと水蒸気の反応である式(2)の水蒸気改質反応、もしくは、式(1)および式(2)が混在するコンバインド改質反応が促進する。このシステムでは式(1)と式(2)を有するため、燃料電池に熱と水素の両者を安定供給可能である。
ここでは、前段反応装置として原料と機械的動力を入力して反応生成物を生成する装置、原料を入力して機械的動力と反応生成物を生成する装置を取り上げたが、原料と機械的動力を入力して機械的動力と反応生成物を生成する反応装置を前段反応装置として用いることは何ら差し支えはない。また、各種前段反応装置の配置は直列以外でも何ら差し支えはなく、各種前段反応装置の個数は2つ以上でも何ら差し支えはない。
以上が本発明の一実施例であり、前段反応装置および後段反応装置を有するエネルギー発生装置およびエネルギー発生装置搭載車両について説明した。前段反応装置に供給する原料を加熱する加熱用燃料は未反応成分について説明したが、原料および反応生成物を用いても何ら差し支えはない。
なお、前段反応装置の一例として内燃機関を取り上げたが、前段反応装置は外燃機関などでも差し支えない。同様に伝熱手段を介して原料を加熱する熱源は改質機関と燃料電池について説明したが、モータ、インバータや2次電池などのモータ駆動手段、および機械的負荷を熱源としても何ら差し支えはない。改質機関、燃料電池、モータ、モータ駆動手段、および機械的負荷以外の熱源を有するならばその熱を利用できることは言うまでもない。また、後段反応装置の一例として燃料電池を取り上げたが、後段反応装置は熱機関、発光装置、および音響装置などでも差し支えない。さらに、自動車のみならず、船舶、鉄道車両など他の輸送機関および化学プラント、発電施設などにも本発明を適用できることは言うまでもない。
次に、本発明を用いて車両を構成した場合の別の実施例について説明する。
図13は本発明による燃料電池システム塔載車両の一実施例である。ここで211は車両の駆動軸である。212は本発明の特徴である改質機関であり、メタノールを大気中の酸素と部分酸化させることにより水素、熱および機械的動力を発生する。なお、本文中で改質機関とは改質反応により水素と機械的動力の双方を発生可能であるものを指す。改質機関212の詳しい説明は後述する。
213は燃料電池であり、改質機関212より得られる水素を燃料極に供給することにより直流電力を発生する。また、燃料電池213は改質機関212より発生する熱を受け取ることにより、効率的反応可能温度への速やかな移行が可能となる。
214は発電機であり、改質機関212が発生する機械的動力を電気的エネルギーに変換する。215は交流電力変換手段であり、発電機214により得られた交流電力を直流電力に変換する。なお、交流電力変換手段は一般的にはコンバータと称されるものと同等品であり、ダイオードブリッジなどにより構成される。
216は蓄電手段であり、通常ニッケル水素電池、リチウム電池などの二次電池、あるいはコンデンサバンク、電気二重層コンデンサなどを用いる。燃料電池213、発電機214より得られる電力は蓄電手段216に貯えられる。
217は直流電力変換手段であり、一般的にはインバータと称されるものと同等である。218はモータであり、一般的には堅牢、高効率であることを理由として誘導モータ、同期モータ、リラクタンスモータなどの交流モータが用いられる。直流電力変換手段217は交流モータ218を駆動するために設けられたものである。
219はエネルギー管理手段であり、アクセル開度などの運転者指令および車速などの車両情報に応じ、各コンポーネントに指令信号を発生する。本システムはモータ218のエネルギー源として燃料電池213と発電機214という並列された二つの手段を有するため、運転状態に応じて最適な発電割合を決定する必要上、エネルギー管理手段219が設けられている。
図13の構成による燃料電池システムには以下の特徴がある。まず、燃料電池とは別途電気的エネルギー発生手段を有するため、始動時など燃料電池温度が低い場合でも電力を供給できる。次に、改質機関212は燃料電池に水素燃料を供給する改質器と発電機に機械的動力を供給するエンジンとが一体化した働きを有するため、個別に改質器とエンジンを搭載した場合よりシステム容積を小さくまとめることができる。また、改質機関212と燃料電池213との間の熱交換を利用することにより燃料電池213の温度を最適値に保つことが容易になり、燃料電池213の効率よい運転が可能になる。さらに、燃料電池故障の際も発電機を用いて電力を供給できるため、堅牢なシステムを構築できる。
本システムの特徴は改質機関212にある。以降図14を用いて改質機関212の説明を行う。
図14において、221は反応室、222はピストン、223はクランク、224は機械的出力軸である。改質機関212は反応室221内で改質反応、あるいは発熱反応、またはその双方を行う。ここで改質反応とは、組成として水素を含む化合物を原材料として水素を生成する反応を指し、また発熱反応とは反応時に熱を生じる反応を指す。一般的に改質反応の原材料としてはメタン、メタノール、DME(ジメチルエーテル)などが用いられるが、本発明は特定の燃料に限定されるものではない。ここでは、メタノールを原材料とした時の挙動について説明する。
ピストン222はシリンダ状の反応室221を往復運動自在に取り付けられており、ピストン222はコンロッドによりクランク223に取り付けられる。ピストン222の往復運動はクランク223で回転運動に変換され、前記回転運動は機械的出力軸224より取り出される。
225は吸気口、226は燃料噴射弁、227は燃料パイプ、228は掃気口、229は水噴射弁。230は吸気バルブ、231は排気バルブ、232は点火プラグである。
改質機関212は吸気口225より外気を吸入し、反応室221において外気を圧縮する。メタノールはピストン222の上死点付近で燃料噴射弁226より噴出され、前記メタノールと吸入された外気との混合気は点火プラグ232により着火、反応する。なお、ここでは従来の内燃機関構成に似せて反応開始手段として点火プラグ232を有する実施例を示したが、反応開始手段として点火プラグ232による点火の代わりに圧縮熱を用いて改質反応を行わせる手段や、触媒、バーナにより改質を行うといった手段を用いることもできる。反応開始手段は水素生成効率や温度管理方法の容易さを考慮して選定される。また、二つ以上の反応開始手段を有しても差し支えない。
反応生成物は掃気口228より掃気される。これらの反応行程は4サイクルエンジンと同等であるため、詳しい説明は省略する。
233は改質ガス送出配管、234は排気口、235は弁機構である。弁機構235は反応室221の反応状態によって掃気口228より掃気された反応生成物の流路を変更する。反応生成物が水素リッチの改質ガスの場合には、弁機構235によって反応生成物は改質ガス送出配管233を経由して燃料電池213に送出される。それ以外の場合、反応生成物は弁機構235によって排気口234を経由して外部に送出される。
236は熱伝達手段、237は発電機214に取り付けられたエンコーダである。熱伝達手段236は改質機関212より発生する熱を燃料電池213に、もしくは燃料電池213より発生する熱を改質機関212に伝達する働きをする。熱伝達手段236は必要に応じて熱抵抗を変化させるための熱クラッチといった手段を用いることもある。また、本構成では改質機関212の機械的出力軸224が発電機214と直結しているので、発電機214の速度センサを想定したエンコーダ237は改質機関の回転数を測定することも可能である。図14に示した改質機関では、改質機関の回転数が吐出水素量に比例するため、燃料電池への燃料供給量は反応室221内の温度がわかればエンコーダ237により正確に把握できる。
240は改質機関212を制御する改質機関制御手段、241は燃料噴射弁226より噴射されるメタノール燃料量、および水噴射弁229より噴射される水の量を制御する噴射量制御手段、242は吸気バルブ230および排気バルブ231の開閉を制御するバルブ開閉制御手段、243は弁機構235を制御する弁制御手段である。
次に、本発明による改質機関212の動作について説明を行う。
改質機関212は反応室221内で以下の4つの熱方程式で示された反応のうちのいずれかを行う。
CH3OH + 2O2 → 2H2O + CO2 + 727kJ/mol
…(5)
CH3OH + 1/2O2 → 2H2 + CO2 + 155kJ/mol
…(6)
CH3OH + 1/3O2 + 1/3H2O → CO2 + 7/3H2+
59.7kJ/mol …(7)
CH3OH + H2O → CO2 + 3H2 − 131kJ/mol
…(8)
式(5)は完全酸化の反応式である。式(6)は部分改質と呼ばれる反応であり、式(7)はコンバインド改質と呼ばれる反応、式(8)は水蒸気改質と呼ばれる反応である。図14中、水噴射弁229は式(7)、式(8)を実現するために設けられたものである。
メタノール1mol当たり発生する水素が多い順に上式をならべると以下のようになる。
式(8) > 式(7) > 式(6) > 式(5)
なお、式(5)の反応では水素を発生しない。
また、発生熱量が多い順に上式をならべると以下のようになる。
式(5) > 式(6) > 式(7) > 式(8)
なお、ここで式(8)は吸熱反応であるため、外部に機械的動力を取り出すには不適である。
以上により、発電機214による発生電力の割合を増加させるには式(5)、式(6)による反応を反応室221内で行い、燃料電池213を主に用いる場合には式(7)による反応を行えばよい。また、燃料電池213の温度が高い場合には式(8)を用い、吸熱反応により冷却する。弁制御手段243は、式(6)、(7)、(8)の反応時には弁機構235を操作して掃気口228を改質ガス送出配管233に接続し、生成水素を燃料電池213に送出する。また、式(5)の反応時には掃気口228を排気口234に接続し、外部に排出する。以降、これらの動作詳細について説明する。
改質機関212は、始動時などで燃料電池温度が燃料電池の最適温度よりかなり低い場合には、メタノールを式(5)のように完全酸化させ、メタノールの持つ全てのエネルギーを燃焼熱として取り出す。この場合、全エネルギーは機械的動力軸224より出力され、発電機214を介して蓄電手段216に貯えられる。この事により燃料電池213が使用不能な状態であっても本システムは発電機経由でエネルギーを取り出すことが可能である。なお、このときの改質機関212の動作は、メタノールエンジンと同一である。また、改質機関212より発生する廃熱は熱伝達手段236により燃料電池213に送られ、燃料電池213を暖める。このことにより燃料電池213の起動時間を短縮する効果も合わせ持つ。
燃料電池温度が上昇し、燃料電池で発電できるようになったときには、改質機関212は式(6)に示す部分酸化反応を行う。この反応は発熱反応であるため、水素を生成しながら機械的動力を取り出すことができる。この反応の排熱は熱伝達手段236により燃料電池213の余熱に用いられる。なお、式(6)は1.5molの被反応物より3molの生成物が得られることを示しており、水素生成反応促進のためには(1)の反応を行う場合と比較して、圧縮率を低めにすることが望ましい。図14における吸気バルブ230、排気バルブ231はそれぞれバルブ開閉制御手段242によって制御されており、圧縮比の変更に対処する。
燃料電池が適温となり、かつ蓄電手段216にあまり電力が残っていないとき、改質機関212は式(7)に示すコンバインド改質を行う。この反応による発熱は少ないものの、生成した水素の送出に必要なポンピング程度の機械的動力は充分取り出すことができる。
反応室221が充分高温となった場合、式(8)の水蒸気改質を行う。式(8)は吸熱反応であり、そのままではピストン222を往復動できず、改質ガスを燃料電池213に送出できない。そのため、発電機214をモータとして用い、改質ガスをポンピングして燃料電池に送る。交流電力変換手段215は蓄電手段216より得られる直流電力を交流電力に変換することにより発電機214をモータリングする。発電機214の必要とするエネルギーは、初期圧縮時に駆動トルクが必要ではあるが、機械的出力軸224の慣性モーメントを大きくとれば、全体としての損失はポンピングロス程度で非常に小さくなり、また式(8)による水蒸気改質反応は提示した四種類の反応のうち、最も水素生成効率が高いため、モータリングによる損失を差し引いても充分効率の高い運転が可能となる。このように水蒸気改質を行うことで高温となった反応室221を冷却し、反応室221の温度を過度に上げない働きを有する。
ここで反応室221の温度を下げる場合について述べたが、改質温度は各反応毎に異なるので、反応室221の温度を上げる手段も有さねばならない。温度を上げるにはシリンダに熱源を取り付ける方法や、一旦過渡的に(5)の発熱反応を起こす方法などがある。さらに吸排気バルブ230,231の開閉タイミングを操作して圧縮比を一時的に上げるといった手段を併用することもできる。これは断熱圧縮により瞬時に温度を上げることができるという特徴を有する。
改質装置として図14の構成を採ることにより、次のような利点が生じる。
まず、本構成はシステム全体を小型軽量化できることがあげられる。本構成は内燃機関と改質器の双方の機能を持っており、燃料電池の性能が低い環境下であっても内燃機関として動作して発電性能を確保できる。このような機能をもたせるために、従来は改質器とエンジンとを備える必要があり、システム全体が大きくなるという問題があった。また、本構成では水素燃料の量を回転数により制御するため、小排気量の改質機関であっても高速で動作させることにより十分な水素燃料を供給可能である。このことも装置全体の小型化に貢献する。
次に、本構成は反応効率が良いという特徴がある。これは、反応物の割合を管理することが容易であり、未反応排出物が少ないためである。本構成は密閉空間で反応を起すため、反応室の容積は既知である。また、反応前の圧力は吸気バルブ230の開閉タイミング制御により検出可能である。したがって、燃料噴射弁232の燃料噴射直前の温度を実測、または冷却水温度などから推定すれば正確に反応物のモル数を管理できる。生成物の量を把握することも容易であり、燃料電池の発電量を正確に見積もることが可能であるという利点もある。
さらに、急速な負荷変動への対応が容易であるという特徴も有する。本構成では改質機関により常に発生水素燃料をポンピングして燃料電池に供給するため、水素燃料の量をすばやく調節できる。
以上、改質機関212の基本的な部分の構成について説明したが、改質効率向上のため、付加部品を取り付けることが可能である。たとえば、233は改質ガス送出配管中途にCO選択酸化器を挿入し、反応上悪影響を及ぼすCOを無害なCO2に変えることは有効である。また、H2選択透過膜の挿入も効果的である。これらの付加部品については公知であるため、詳しい説明は省略する。
図15は、水噴射弁229より噴射する水を回収する機構の一実施例である。ここで251は冷却器、252は水タンク、253は水ポンプである。
式(5)の反応により、H2OとCO2が生成される。これらは冷却器251により常温に冷却することによりH2Oを液体として回収できる。回収されたH2Oは水タンク252に一時貯えられ、水ポンプ253により水噴射弁229に送出される。
これまで、改質機関212の動作について説明したが、改質機関212は本発明の主旨を変えない範囲で他のさまざまな実施形態を採ることができる。たとえば、図14では4ストローク内燃機関の構成を示したが、2ストロークでも反応室221内で改質反応を行うことができる。さらに、内燃機関に限らず式(5)〜(7)の発熱反応を用いた外燃機関であっても本発明の主旨を変えないことは明らかである。
次に、本燃料電池システム塔載車両を制御するエネルギー管理手段219について、特に改質機関の制御方法を図16により説明する。
図16は図13におけるエネルギー管理手段219の一実施例である。
本燃料電池システムが発生する要求電力Preqは、直接車両駆動に用いる駆動電力Pdrvと蓄電手段16の蓄電量増加分に充てられる要求充電電力Pchgの和として表される。駆動電力はアクセル開度θacと車速Vvhを入力とする出力換算手段261によって算出される。一般的に、出力換算手段261はアクセル開度を車両要求トルクに変換するトルクマップを有し、前記駆動電力を前記トルクマップより得られるトルクと車速の積として算出する。要求充電電力Pchgは蓄電手段残存容量SOCより要求発電量マップ262を用いて決定される。
前記要求電力Preqは回転数設定手段263およびリミッタ264により回転数基本指令ω1に変換される。ここで、回転数設定手段は反応室221内温度Tcyl、採用反応式情報Nrとを入力として使用する。ここで採用反応式情報Nrとは、反応室221内で行おうとする反応式を指定する。反応式(5)を用いる場合には、たとえば整数1が回転数設定手段263に送出される。採用反応式情報Nrの決定方法については後述する。リミッタは発電機最高回転数、蓄電手段16の充電状態、燃料電池の最大発電量などによって決定される。
回転数設定手段263の動作について簡単に説明する。
改質機関212はメタノール燃料の持つ化学エネルギーを燃料電池に供出する水素の化学的エネルギーと、ピストン222の機械的圧下による機械的エネルギーに変換する。改質機関212の一サイクル当たりに生成する水素の化学エネルギーは生成水素のモル数に比例するため、単位時間当たりに変換する水素の化学エネルギー量は極く単純には下式で表される。
Pi(H2) = Kci・Pri・Vri・ωe/Tcyl …(9)
ここで添字iは使用反応式を指示するもので、たとえば式(5)の場合を1とする。現在対象としている反応式は(5)から(8)であり、i={1,2,3,4}とする。Pi(H2)は反応式iを使用した時の水素の化学エネルギー、Kciは定数、Priは反応式iを用いたときの反応直前における反応室212の圧力、Vriは反応式iを用いたときの反応直前における反応室212の容積、ωeは改質機関212の回転数、Tcylは反応室内温度の実測あるいは推定値である。反応式iが決定すれば、Ki、Pri、Vriは定まるため、反応式iを使用したときの水素の化学エネルギーPi(H2)は式(10)のように書ける。
Pi(H2) = Kci’・ωe/Tcyl …(10)
ここでKci’は定数である。
一方、改質機関212の一サイクル当たりに生成する機械エネルギーは、圧力と容積の積を時間積分したものとして表せる。一般的には圧力は時々刻々変化するが、ごく単純に近似すると、単位時間当たりの機械的エネルギー量は以下のように表せる。
Pi(Mech) = Kmi・Pmi・ωe …(11)
ここでKmiは定数である。
式(9)、(11)より、改質機関回転数ωeと要求電力Preqとの間には、下記の関係が成り立つことが分かる。
Preq = ηfc・Pi(H2) + ηe・Pi(Mech)
= ( ηfc・Kci’/Tcyl + ηe・Kmi・Pmi )ωe
= (A/Tcyl + B)ωe …(12)
ここでηfcは燃料電池効率、ηeは改質機関の機関効率、A、Bは反応式によって決定される定数である。式(12)により容易に要求電力Preqから回転数指令(ここではωe)を決定することができる。また、単純のため効率を定数として扱ったが、一般的にはηは反応室内温度Tcylと回転数ωeの関数である。これらを考慮する場合、要求発電量Preqは回転数ωeおよび反応室内温度Tcylの関数であるため、マップなどの手段により回転数ωeを決定することが可能である。
図16では、回転数基本指令ω1に回転数補正値Δωを加算して最終的な改質機関回転数指令ω*を決定する。これは、要求電力Preqと発生電力実測値Pgenとの間に差がある場合、回転数を補正して実際の発生電力を要求電力Preqに近づけるために設けられたものである。回転数補正手段65の動作については後述する。
最終的に得られた改質機関回転数指令ω*は発電機214のコントローラに送られる。発電機214のコントローラは速度制御を行い、発電機214の回転数は改質機関回転数指令ω*に追従する。発電機14は改質機関の機械的出力軸224に取り付けられるため、発電機214の速度制御により改質機関回転数を制御できる。
次に、採用反応式情報Nrの決定方法について説明する。
改質機関212はさまざまな反応を選択してエネルギーを発生できるが、その中でも総合エネルギー発生効率が最大となる反応を選択するのが望ましい。そのため、各反応式使用時の総合効率を推定する手段を設ける。ここで266は発電機実回転数から改質機関実回転数に変換する回転数変換手段である。一般的には改質機関212の機械的出力軸224と発電機214の回転軸とは歯車やプーリにより結合されるため、改質機関212の機械的出力軸224と発電機214の回転軸の回転数比を考慮するための回転数変換手段266が必要となる。
267は各式使用時全体効率推定手段である。268は反応式効率比較手段であり、267により得られる各式使用時効率を比較し、最高効率となる反応式を選択し、採用反応式情報Nrを出力する。採用反応式情報Nrは改質機関制御手段240に出力され、改質機関212の圧縮比、燃料噴射量、水噴射量、弁位置などを制御する。
269はトルク換算手段であり、アクセル開度θacよりモータ218のトルク指令を生成する。
図17に回転数補正手段265の説明図を示す。
一般的に電力は回転数とトルクの積で表せる。回転数補正手段265では、発電機の電力誤差を発電機の実トルクで割ることで回転数の補正値を計算する構成としている。発電機の電力誤差ΔPgは、全体の電力誤差ΔPを比例配分して求める。ここで全体の発電量に対する燃料電池の発電割合を電力配分比と定義し、αと表記する。例えば、反応式(2)で運転している場合、燃料電池効率を0.5、機関効率を0.3と仮定したとき、電力配分比αは以下のように計算される。
まず、生成水素の化学エネルギーは、水素1モル当たり286kJ/molであるため、メタノール1モル当たり572kJ/molとなる。燃料電池効率を掛ると、燃料電池出力はメタノール1モル当たり286kJ/molと計算できる。
機械的エネルギーは、反応熱が155kJ/mol、機関効率が0.3なので、メタノール1モル当たり46.5kJ/molである。したがって、電力配分比αは以下のようになる。
α = 286/(286+46.5)=0.860 …(13)
上記計算は電力配分比演算手段271で行われる。なお、ここでは効率を定数として単純化しているが、回転数情報、反応室温度などを考慮して精度を上げることもできる。
272は発電機電力誤差演算手段であり、電力誤差に1−αをかけて発電機電力誤差を計算する。算出された発電機電力誤差は発電機の実トルクで割算され、ローパスフィルタ274を介して回転数補正値Δωとして出力される。なお、前記発電機の実トルクはトルクセンサを用いて実測してもよいが、ここでは改質機関の実回転数ωrealと発電機発生電力Pgにより推定する構成としている。
前出のように電力は回転数とトルクの積で表せるから、発電機の実トルク推定値は発電機の供給パワーを発電機の実回転数で割ったものである。発電機の供給パワーPgsは発電機発生電力Pgを効率補正して得られ、効率は発電機実回転数と発電機発生電力Pgを入力としてマップ検索することで得られる。276は効率逆マップであり、回転数と発生電力から効率を求めるマップである。277は発電機供給パワー算出手段であり、278は発電機実トルク推定値演算手段である。
なお、これまで式(5)から(8)に示した4個の反応式を選択して改質機関212を運転する方法について示したが、(6)から(8)へ連続的に移行する運転も容易に実現できる。
例えば、(6)による反応割合をγとすると、(6)と(8)の合成により下式が得られる。
Ch3OH +(γ/2)O2 +(1−γ)H2O →(3−γ)H2 + CO2 +(286γ−131)kJ/mol …(14)
本構成による改質機関212では、吸入空気量は吸排気バルブ開閉タイミングおよびシリンダ容積、反応室内温度により決定されるため、空気中の酸素濃度を掛けることで酸素量は推定できる。また、メタノール及び水の量は燃料噴射弁や水噴射弁により噴射量を制御できる。このように、反応物の量を厳密に管理できるために式(14)による反応は容易に実現可能となる。
式(14)を用いれば、熱的に完全にバランスした点(γ=0.458)での運転も可能であるため、改質に最適な温度に反応室内を保つことも容易である。
これまで、燃料電池213の発生電力と改質機関212の機械的動力の双方を全て蓄電手段216に貯える構造の燃料電池塔載車両について説明したが、改質機関212の発生する機械的動力を直接車軸211に伝達する構成にもできる。この場合、改質機関212に速度制御手段を設ける必要があるが、発電機214を省略できるので、システムの小型化が可能である。この構成例を図18に示す。ここで280はトルク合成手段である。これは、改質機関212とモータ218との両方で車軸を直接駆動できるように設けたものであり、各種歯車で容易に実現できる。もっと単純には、改質機関212の回転軸とモータ218の回転軸とを同軸上に配置し、クラッチで接続/断続する構成としてもよい。
本発明による燃料電池搭載車両の一構成例である。 改質機関の温度管理手段の一構成例である。 本発明による燃料電池搭載車両の一構成例である。 本発明による内燃機関を用いたエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明によるエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明による内燃機関を用いたエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明によるエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明によるエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明によるエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明によるエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明によるエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明によるエネルギー発生装置の一構成例である。 本発明による燃料電池塔載車両の一構成例である。 改質機関の構成を表す説明図である。 水回収手段の一構成例である。 エネルギー管理手段の一構成例である。 回転数補正手段の一構成例である。 本発明による燃料電池塔載車両の一構成例である。
符号の説明
91…車両の駆動軸、92…改質機関、93…燃料電池、94…燃料選択手段、95…発電機兼モータ、96…エネルギー変換手段、97…モータ駆動手段、98…モータ、99…低温伝熱装置、100…熱量調整バルブ、101…高温伝熱装置、102…熱調整バルブ、103…加熱装置、104…未反応原料供給量調節バルブ、105…未反応燃料供給量調節バルブ、106…温度管理手段、107…改質機関吸気温度計測手段、108…内燃機関制御装置、109…エネルギー管理手段。

Claims (4)

  1. エネルギー発生装置を備えた車両において、前記エネルギー発生装置は、原料を入力して反応生成物を生成する1つ以上の前段反応手段と、前記反応生成物を入力してエネルギーを発生する熱量電池と、前記前段反応手段、あるいは前記前段反応手段および前記熱量電池の動力発生情報、並びに運転指令情報を入力して前記反応形態を制御するエネルギー管理手段と、を有し、前記前段反応手段は機械的動力を外部より入力することにより前記反応生成物を生成するか、または前記前段反応手段内での化学反応により発生する機械的動力を外部に出力しており、
    さらに、前記前段反応手段は、原料と酸素もしくは水とを反応させて反応生成物として水素を生成する改質反応および原料との酸化反応との反応形態を生じさせており、前記エネルギー管理手段は、車両の冷間始動時に、反応形態の内、部分酸化反応による反応形態を行い、燃料電池が作動温度に達してからは水蒸気改質反応による反応形態を行うこと
    を特徴とするエネルギー発生装置を備えた車両。
  2. 請求項1において、前記前段反応手段は、改質反応と酸化反応とが混在したコンバイン改質反応の反応形態を行うことを特徴とするエネルギー発生装置を備えた車両。
  3. 請求項1において、前記前段反応手段では、原料としてメタノールが使用されて以下の4つの熱方程式で示される反応形態がなされることを特徴とするエネルギー発生装置を備えた車両。
    CH3OH + 2O2 → 2H2O + CO2 + 727kJ/mol … (5)
    CH3OH + 1/2O2 → 2H2 + CO2 + 155kJ/mol … (6)
    CH3OH + 1/3O2 + 1/3H2O → CO2 + 7/3H2 + 59.7kJ/mol … (7)
    CH3OH + H2O → CO2 + 3H2 − 131kJ/mol … (8)
  4. 請求項3において、前記前段反応手段は、
    CO+2HO→CH3OH
    の反応を生じさせることを特徴とするエネルギー発生装置を備えた車両。
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