JP2006018060A - 回折格子の複製方法及び回折格子並びにその回折格子を用いた光ヘッド装置及び光ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】計算機発生ホログラム(CGH)を回折格子の原板として用い、高効率な回折格子を大量に複製することができる複製方法を提供する。
【解決手段】本発明の回折格子の複製方法は、2光束干渉露光で形成される干渉縞と等価な干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を原板15として、該原板側から光照射して原板15から発生する透過0次光と1次回折光をリレー光学系のレンズ16,17を介して複製用記録材料18に入射させて生じる干渉縞を露光して複製する。従って、回折格子を複製するとき、原板と複製用記録材料を密着せず空間的に離して配置して複製できるので、密着複製するときの技術的な問題を回避することができ、高効率な回折格子を大量に複製することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の回折格子の複製方法は、2光束干渉露光で形成される干渉縞と等価な干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を原板15として、該原板側から光照射して原板15から発生する透過0次光と1次回折光をリレー光学系のレンズ16,17を介して複製用記録材料18に入射させて生じる干渉縞を露光して複製する。従って、回折格子を複製するとき、原板と複製用記録材料を密着せず空間的に離して配置して複製できるので、密着複製するときの技術的な問題を回避することができ、高効率な回折格子を大量に複製することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、回折格子(ホログラム)の複製方法及び、その複製方法を用いて作製した回折格子、並びにその回折格子を用いた光ヘッド装置(光ピックアップ装置)、及びその光ヘッド装置を搭載した光ディスクドライブ装置に関し、さらには、波長の異なる複数の光源を備え、CD(コンパクト・ディスク)系の光ディスク(CD,CD−R,CD−RW等)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系の光ディスク(DVD、DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RW、DVD−RAM等)、青色半導体レーザを光源とした高密度光ディスクなどの使用する波長の異なる複数規格の記録媒体(光ディスク)に対して記録または再生を行なうことが可能な光ヘッド装置及びその光ヘッド装置を搭載した光ディスクドライブ装置に関する。
従来、光ディスクドライブ装置における光ヘッド装置(光ピックアップ装置とも言う)として、記録媒体である光ディスクからの反射光を回折光学素子(回折格子、ホログラム等)により分岐し、光検出器で受光する光学系を備えたものが種々提案されており、回折光学素子として、偏光性の回折格子(偏光性ホログラム)を用いたものが知られている。例えば特許文献1には、複屈折媒体に凹凸格子を設けて、少なくとも凹部に等方性媒体を充填することで、光の偏光方向により回折効率の異なる偏光性を有するようにした回折格子が記載されている。
また、光ヘッド装置等に用いられる回折格子の作製方法の一例として、特許文献2には、マスターグレーティングに可干渉光を入射させ、透過直進させる光と透過回折する一対の光を発生させ、この光を結像系を用いて感光材料上で干渉させてマスターグレーティングに依存した回折格子を形成する回折格子アレイの作製方法が記載されており、特許文献3には、フォトレジストなどへの二光束干渉露光により回折格子を作製する方法であって、露光時に透過領域を一部にもつフォトマスクにより干渉縞を部分的に遮光して露光領域を設定する回折格子の作製方法が記載されている。
図33及び図34に従来の光ヘッド装置及びその光ヘッド装置に用いる回折格子の一例を示す。
図33に示すように光ヘッド装置は、半導体レーザ等からなる光源8、回折格子7、カップリングレンズ10、1/4波長板11、集光レンズ(対物レンズ)12、光検出器9を備えた構成であり、光源8からの光をカップリングレンズ10により光学系に取り込み、集光レンズ(対物レンズ)12で光記録媒体である光ディスク13に集光し、該光ディスク13からの反射光を光検出器9で検出して情報の記録または再生、あるいは記録及び再生を行なう。
図33に示すように光ヘッド装置は、半導体レーザ等からなる光源8、回折格子7、カップリングレンズ10、1/4波長板11、集光レンズ(対物レンズ)12、光検出器9を備えた構成であり、光源8からの光をカップリングレンズ10により光学系に取り込み、集光レンズ(対物レンズ)12で光記録媒体である光ディスク13に集光し、該光ディスク13からの反射光を光検出器9で検出して情報の記録または再生、あるいは記録及び再生を行なう。
回折格子7は例えば図34に示すように、透明基板1上に矩形凹凸形状を持つ複屈折(光学異方性)を示す媒体2が配置され、その上に光学的に等方性を示す媒体3が充填され、その上を透明基板1’で覆われている構成の偏光性回折格子であり、等方性媒体3の屈折率を複屈折媒体2の常光屈折率、または異常光屈折率のいずれかと等しくすることにより、偏光性(光学異方性)を示す回折格子となる。すなわち、ある方向の偏光に対してはほぼ全透過し、これと直交する偏光に対しては全回折するような特性を持たせることができる。
このような偏光性回折格子7を図33に示す光ヘッド装置の分岐素子として用いれば、光源8から光ディスク13へ向かう往路を全透過する偏光方向に設定して効率良く光ディスク13に集光させ、光路中に1/4波長板11を配置しておき光ディスク13からの反射光を往路の偏光方向とは直交して戻るようにさせて再び偏光性回折格子7に入射させると、復路光は全回折され光検出器9に効率良く受光されるようにでき、往路、復路とも高効率の光ヘッド装置が実現できる。
このような偏光性回折格子7を図33に示す光ヘッド装置の分岐素子として用いれば、光源8から光ディスク13へ向かう往路を全透過する偏光方向に設定して効率良く光ディスク13に集光させ、光路中に1/4波長板11を配置しておき光ディスク13からの反射光を往路の偏光方向とは直交して戻るようにさせて再び偏光性回折格子7に入射させると、復路光は全回折され光検出器9に効率良く受光されるようにでき、往路、復路とも高効率の光ヘッド装置が実現できる。
図35に図34に示す偏光性回折格子7の入射角・対・+1次回折光の回折効率特性を示す。この偏光性回折格子7は、矩形格子の特性として、垂直入射を中心に約40%程度の回折効率を持つ。従来は図35の回折効率を持つ偏光性回折格子で十分であったが、図33に示す構成の光ヘッド装置が搭載される光ディスクドライブ装置の記録・再生速度(特に再生速度)を高速化させようとした場合、光ディスク13からの反射信号を光検出器9で受光する場合のS/N比を向上させるため、偏光性回折格子には40%以上の回折効率が必要となってくる。特に青色領域の半導体レーザを光源とした高密度光ディスクに適用する場合、記録情報の高密度化により再生信号帯域が広帯域となり、同時に光検出器の感度が青色領域では赤色あるいは赤外領域より感度低下することの2面から、光検出信号のS/N比の低下が生じる。このS/N比の低下を改善させるため、偏光性回折格子の復路効率(+1次回折効率)は40%を越えた高回折効率が必要となる。また、青色領域で光源、光検出器一体の小型ホログラムユニット(図33の光源8と光検出器9及び偏光性回折格子7が一体化したユニット)を実現するためには、偏光性回折格子に必要な格子ピッチは短波長化にともない、1μmオーダーの狭ピッチが必要となる。
以上のように、今後の光源短波長化に伴い必要となる、狭ピッチで高回折効率の偏光性回折格子は、図34の矩形格子では+1次回折効率が40%以上にならないという点で実現できず、また、従来より片側の+1次回折効率を高効率化する方法であるブレーズ格子は80〜90%の高回折効率化はできるが、1μmオーダーの狭ピッチ化は加工の難易度が高く実現が困難である。また、例え加工が実現しても1μmの狭ピッチにおいてはブレーズ格子でも回折効率が減少し、波長405nmにおいて理論値でも回折効率が50%程度しか得られないことが知られている。
そこで本発明は、光ディスク用の光ヘッド装置に適用される回折格子において、片側の+1次(または−1次)回折効率の高効率化と格子ピッチの狭ピッチ化とを両立させることができる構成の回折格子、特に偏光性回折格子を大量に生産する方法を実現することを目的としている。
ここで、回折格子を大量に生産する方法としては、特許文献2に記載されているように、回折格子のマスターグレーティング(原板)に可干渉光を入射させ、原板からの直進透過光と透過回折光を結像系を用いて感光材料上で干渉させて、原板の複製を行ない、これを繰り返して生産する方法がある。
この方法では、原板の干渉縞を計算機で計算して人工的に回折格子を作る計算機発生ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)の技術を用いた原板を用いる場合がある。この場合、CGH原板に可干渉光を入射させたとき、所望の直進透過光(0次光)と透過回折光(両1次回折光のうちの一つ(例えば+1次回折光)が発生するが、CGHからはこの他に不要な回折光(もう一方の1次回折光や高次回折光)が生じてしまう。不要な回折光は感光材料上で不要な干渉縞を形成させ、その結果、回折格子からは不要な回折光が発生して本来高効率化したい+1次回折光の回折効率が低下してしまうという欠点がある。
この方法では、原板の干渉縞を計算機で計算して人工的に回折格子を作る計算機発生ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)の技術を用いた原板を用いる場合がある。この場合、CGH原板に可干渉光を入射させたとき、所望の直進透過光(0次光)と透過回折光(両1次回折光のうちの一つ(例えば+1次回折光)が発生するが、CGHからはこの他に不要な回折光(もう一方の1次回折光や高次回折光)が生じてしまう。不要な回折光は感光材料上で不要な干渉縞を形成させ、その結果、回折格子からは不要な回折光が発生して本来高効率化したい+1次回折光の回折効率が低下してしまうという欠点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、前記の目的に加え、計算機発生ホログラム(CGH)を回折格子の原板として用いたときにも、高効率な回折格子を複製することができる複製方法を提供することを目的とし、さらには、その複製方法を用いて作製した回折格子を提供することを目的とする。
また、本発明は、回折効率の高効率化と格子ピッチの狭ピッチ化とを両立させた回折格子を用いた光ヘッド装置及び、その光ヘッド装置を搭載した光ディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、回折効率の高効率化と格子ピッチの狭ピッチ化とを両立させた回折格子を用いた光ヘッド装置及び、その光ヘッド装置を搭載した光ディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明では以下のような手段を採っている。
本発明の第1の手段は、回折格子の複製方法であって、2光束干渉露光で形成される干渉縞と等価な干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を原板として、該原板側から光照射して原板から発生する透過0次光と1次回折光をリレー光学系を介して複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して複製することを特徴とする(請求項1)。
本発明の第1の手段は、回折格子の複製方法であって、2光束干渉露光で形成される干渉縞と等価な干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を原板として、該原板側から光照射して原板から発生する透過0次光と1次回折光をリレー光学系を介して複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して複製することを特徴とする(請求項1)。
本発明の第2の手段は、光源からの光を集光レンズで記録媒体に集光し、該記録媒体からの反射光を光検出器で検出して情報の記録または再生、あるいは記録及び再生を行なう光ヘッド装置に用いられる回折格子であって、格子部は複数の領域に分割され、各領域からの回折光は光検出器の対応した個別の光検出領域で受光されるように設定され、格子部の各領域は、光ヘッド装置の光源の発光点と等価な位置から出射する発散光と各光検出領域に対応した受光点と等価な位置から出射する発散光とによる干渉縞を記録材料へ露光する2光束干渉露光、あるいは光源の発光点と等価な位置へ集光する収束光と各光検出領域に対応した受光点と等価な位置へ集光する収束光とによる干渉縞を記録材料へ露光する2光束干渉露光で形成されている回折格子を複製する回折格子の複製方法において、前記の2光束干渉露光で形成される干渉縞と光学的に等価な干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を原板として用い、該原板側から光照射して原板から発生する透過0次光と1次回折光をリレー光学系を介して複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して複製することを特徴とする(請求項2)。
本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の回折格子の複製方法において、干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を第一原板として、該第一原板を原板複製用記録材料に略密着し、該第一原板側から光照射して第一原板から発生する透過0次光と1次回折光を原板複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して第二原板を作成し、該第二原板を複製用原板として、該第二原板側から光照射して第二原板から発生する0次光と1次回折光をリレー光学系を介して複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して複製することを特徴とする(請求項3)。
また、本発明の第4の手段は、第1〜第3のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法において、干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子の原板が、ブレーズ格子あるいは階段近似されたブレーズ格子であることを特徴とする(請求項4)。
また、本発明の第4の手段は、第1〜第3のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法において、干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子の原板が、ブレーズ格子あるいは階段近似されたブレーズ格子であることを特徴とする(請求項4)。
本発明の第5の手段は、第1〜第4のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法において、前記リレー光学系内に原板からの0次光と片方の1次回折光のみを透過させ、その他の次数の回折光及びノイズ光を遮断する空間フィルタを配置したことを特徴とする(請求項5)。
また、本発明の第6の手段は、第5の手段の回折格子の複製方法において、前記リレー光学系の中で原板からの0次光が収束する集光点であって、リレー光学系光軸に垂直な面に前記空間フィルタを配置したことを特徴とする(請求項6)。
また、本発明の第6の手段は、第5の手段の回折格子の複製方法において、前記リレー光学系の中で原板からの0次光が収束する集光点であって、リレー光学系光軸に垂直な面に前記空間フィルタを配置したことを特徴とする(請求項6)。
本発明の第7の手段は、第1〜第6のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法において、前記リレー光学系により原板面と複製用記録材料面が略結像の共役面となっていることを特徴とする(請求項7)。
また、本発明の第8の手段は、第1〜第7のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法において、前記リレー光学系は2つのレンズ系から成り、原板に近い第一のレンズ系の前側焦点が原板面と一致し、第一のレンズ系の後側焦点と第二のレンズ系の前側焦点を一致させ、かつ第二のレンズ系の後側焦点が複製用記録材料面に一致していることを特徴とする(請求項8)。
また、本発明の第8の手段は、第1〜第7のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法において、前記リレー光学系は2つのレンズ系から成り、原板に近い第一のレンズ系の前側焦点が原板面と一致し、第一のレンズ系の後側焦点と第二のレンズ系の前側焦点を一致させ、かつ第二のレンズ系の後側焦点が複製用記録材料面に一致していることを特徴とする(請求項8)。
本発明の第9の手段は、第1〜第8のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法において、前記原板からリレー光学系を介して干渉露光する複製用記録材料として、少なくとも、誘電異方性を有する非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物を一対の透明基板間に保持し、前記組成物を2光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の偏光選択性回折格子を複製することを特徴とする(請求項9)。
本発明の第10の手段は、回折格子であり、第1〜第9のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法を用いて作製したことを特徴とする(請求項10)。
本発明の第11の手段は、光源からの光を集光レンズで記録媒体に集光し、該記録媒体からの反射光を光検出器で検出して情報の記録または再生、あるいは記録及び再生を行なう光ヘッド装置において、前記記録媒体から前記光検出器に至る光路中に回折格子を有し、前記光記録媒体からの反射光を前記回折格子により分岐して光検出器で受光する光学系を備え、該光学系において配置する前記回折格子が、第10の手段の回折格子であることを特徴とする(請求項11)。
また、本発明の第12の手段は、第11の手段の光ヘッド装置において、光源と光検出器及び回折格子が一体化されていることを特徴とする(請求項12)。
さらに本発明の第13の手段は、第11または第12の手段の光ヘッド装置において、前記光源として、波長の異なる複数の光源を備えたことを特徴とする(請求項13)。
また、本発明の第12の手段は、第11の手段の光ヘッド装置において、光源と光検出器及び回折格子が一体化されていることを特徴とする(請求項12)。
さらに本発明の第13の手段は、第11または第12の手段の光ヘッド装置において、前記光源として、波長の異なる複数の光源を備えたことを特徴とする(請求項13)。
本発明の第14の手段は、記録媒体に対して光ヘッド装置を用いて情報の記録または再生、あるいは記録及び再生を行なう光ディスクドライブ装置において、前記光ヘッド装置として、第11〜第13のいずれか一つの手段の光ヘッド装置を搭載したことを特徴とする(請求項14)。
本発明の第1,2,7,8の手段に係る回折格子の複製方法では、ホログラム原板から露光複製する方法においてホログラム原板を計算機発生ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)で作成することにより、回折格子の分割領域の自由な設定が容易であり、原板記録波長と複製したホログラム回折格子を、光ヘッド装置やその他に応用したときの使用波長の違いによる収差発生の問題が生じない(干渉縞を計算する波長を光ヘッド装置での使用波長とすればよい)などメリットが多い。
また、ホログラム回折格子を複製するとき、原板と複製用記録材料を密着せず空間的に離して配置して複製できるので、密着複製するときの技術的に難しい点(原板と複製用記録材料の間のギャップを小さくするために原板あるいは記録材料のカバーガラスを極薄にしなければならないこと、あるいは密着した原板と記録材料の間の多重反射による不要な干渉縞の発生を防ぐために密着面に屈折率マッチング液を挟まなければならない点等)を回避することができる。従って、極薄カバーガラス、屈折率マッチング液などを使用しなくても高品質なホログラム回折格子が複製できる。また、原板は複製用記録材料に密着させないので、多数回の複製における接触による原板の損傷を生じることがない。
本発明の第3の手段に係る回折格子の複製方法では、第1、第2の手段の効果に加え、この方法により第一原板はフォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィなどを用いた計算機発生ホログラムの作成に適した1次原板とし、第二原板は最終的に光ヘッド装置で使われるホログラム回折格子が高回折効率を持つような複製露光ができるホログラム原板とするように、複製工程において原板を最適化できる。つまり原板を2枚用いることにより、計算機発生ホログラムから最終的な高回折効率のホログラム回折格子が複製できるようになる。
本発明の第4の手段に係る回折格子の複製方法では、第1〜第3の手段の複製方法において、CGHによる原板をブレーズ型格子、または階段状ブレーズ型格子とすることで、0次光と+1次回折光の回折効率を均等にし、かつ他の回折次数の発生が抑制され、この原板から複製露光で作成されたホログラム回折格子の+1次回折光の回折効率を高効率にできる。
本発明の第5、第6の手段に係る回折格子の複製方法では、第4の手段の複製方法において、CGHによる原板をブレーズ型格子、または階段状ブレーズ型格子とすることで生じる不要回折光、ノイズ的回折光を、リレー光学系中で遮断、除去することができ、複製用記録材料には0次光と+1次回折光の純粋な2光束干渉露光を行なうことができ、複製露光で作成されたホログラム回折格子の+1次回折効率を大幅に高めることができる(例えば80%以上の高効率が可能となる)。
本発明の第9の手段に係る回折格子の複製方法では、液晶材料を含む複製用記録材料を用いることにより、往路は高透過率、復路は高回折効率の偏光性回折格子が実現でき、この偏光性回折格子を光ヘッド装置に用いることにより、高速記録、高速再生が可能でかつ小型・軽量な光ヘッド装置を実現することが可能となる。
本発明の第10の手段に係る回折格子においては、第1〜第9のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法を用いて作製したことにより、第1〜第9のいずれか一つの手段と同様の効果を有し、高回折効率で、大量生産が可能で低コストな回折格子(偏光性回折格子)を実現することができる。
本発明の第11の手段に係る光ヘッド装置においては、第10の手段の回折格子(第1〜第9のいずれか一つの手段の回折格子の複製方法を用いて作製した回折格子)を用いることにより、回折格子を光源に近づけて、光源、光検出器構成をコンパクトにする場合に、格子ピッチの微細化が可能であり、往路は記録媒体への透過率が高く、復路は記録媒体からの反射光の検出効率の高い光ヘッド装置が実現でき、高速記録・高速再生が可能となる。
本発明の第12の手段に係る光ヘッド装置においては、光源、光検出器及び回折格子を一体化してユニット構成とすることにより、光ヘッド装置の組立てを行なう際に光源、光検出器、回折格子が一体化されているので組立て時間が短縮され、光学系調整も簡単になる。また、一体化されているので、光ヘッド装置に使用したときの周囲温度変化および経時変化に強く、信頼性の高い光ヘッド装置を実現することができる。
また、本発明の第13の手段の光ヘッド装置においては、第11または第12の手段の効果に加え、前記光源として、波長の異なる複数の光源を備えたことにより、使用する波長の異なる複数規格の記録媒体(CD系、DVD系の光ディスク等)に対して記録または再生を行なうことが可能な光ヘッド装置を実現することができる。
また、本発明の第13の手段の光ヘッド装置においては、第11または第12の手段の効果に加え、前記光源として、波長の異なる複数の光源を備えたことにより、使用する波長の異なる複数規格の記録媒体(CD系、DVD系の光ディスク等)に対して記録または再生を行なうことが可能な光ヘッド装置を実現することができる。
本発明の第14の手段の光ディスクドライブ装置においては、光ヘッド装置として、第11〜第13のいずれか一つの光ヘッド装置を搭載したことにより、安定した信号検出ができ、記録・再生速度の高速化を達成することができる光ディスクドライブ装置を実現することができる。
また、光ヘッド装置内に波長の異なる複数の光源を備えることにより、CD系やDVD系の光ディスク、青色半導体レーザを光源とした高密度光ディスクなどの使用する波長の異なる複数規格の光ディスクを記録または再生することができる光ディスクドライブ装置を実現することができる。
また、光ヘッド装置内に波長の異なる複数の光源を備えることにより、CD系やDVD系の光ディスク、青色半導体レーザを光源とした高密度光ディスクなどの使用する波長の異なる複数規格の光ディスクを記録または再生することができる光ディスクドライブ装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
[実施例1]
まず第1,7,8,10の手段に係る実施例を説明する。
図2に2光束干渉露光によりホログラム回折格子を作成する方法を示す。図2において、符号19はホログラム記録材料であり、干渉露光法は、ホログラム記録材料19に可干渉性のあるビーム(1)とビーム(2)を異なる入射角で照射し、2つのビームが重なったところで生じる干渉縞をホログラム記録材料19に露光して回折格子を作成する方法である。しかし、回折格子の応用において作成される回折格子を一つ一つ上述した干渉露光で作成していくことは非常に手間がかかり、また、干渉露光系が大きく複雑で、振動にも影響を受け易いという欠点があり、生産性が良くない。
まず第1,7,8,10の手段に係る実施例を説明する。
図2に2光束干渉露光によりホログラム回折格子を作成する方法を示す。図2において、符号19はホログラム記録材料であり、干渉露光法は、ホログラム記録材料19に可干渉性のあるビーム(1)とビーム(2)を異なる入射角で照射し、2つのビームが重なったところで生じる干渉縞をホログラム記録材料19に露光して回折格子を作成する方法である。しかし、回折格子の応用において作成される回折格子を一つ一つ上述した干渉露光で作成していくことは非常に手間がかかり、また、干渉露光系が大きく複雑で、振動にも影響を受け易いという欠点があり、生産性が良くない。
そこで、上述の干渉露光によるホログラム回折格子と等価な干渉縞を計算機上で計算して発生させたホログラム回折格子(計算機発生ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram))を原板(原版)とする方法がある。すなわち、干渉露光により生じる干渉縞を計算機で計算して、そのデータを元にマスクを作成し、ホログラム原板とする方法がある。この方法では、干渉露光と等価な波面による干渉縞を計算機上で計算して電子ビームリソグラフィー、あるいはフォトリソグラフィー手法によりホログラムの干渉縞を形成する。そしてCGHによる原板に可干渉光を入射させて、原板から発生する透過0次光と+1次回折光を記録材料上で干渉させて原板の回折格子を複製して、ホログラム回折格子を作成していく。この方法によると、複製露光系は簡易で済み、また、振動等にも強くなり生産性が向上する。
図1に原板から記録材料へ複製する光学系の一例を示す。原板15と複製用記録材料18は空間的に離して配置し、両者の間にリレー光学系を介在させる構成である。図1において原板15を複製照射光で照射して原板15から生じる0次光と+1次回折光を第1、第2のレンズ16,17で構成されるリレー光学系で複製用記録材料18に入射させる。このときリレー光学系は原板15を物体面、複製用記録材料18がその像面となる結像の共役面の関係になっている。このことにより原板15で発生した0次回折光と1次回折光は記録用材料面で再び重なって干渉縞を生じる。複製用記録材料18はこの干渉縞を記録することにより原板15の複製が行われる。
図1においてリレー光学系は2つのレンズ系である第1レンズ16と第2レンズ17から構成されている。図では各レンズ系は単レンズであるが、2つのレンズ系は各々複数レンズを組み合わせたものでも良い。
第1レンズ16はその前側焦点が原板面と一致して、第1レンズ16の後側焦点と第2レンズ17の前側焦点が一致するように各レンズを配置し、また、第2レンズ17の後側焦点を複製用記録材料面と一致させている。図1では第1レンズ16と第2レンズ17の焦点距離は共にfであり等しい場合を示す。第1レンズ16と第2レンズ17の焦点距離が等しいとリレー光学系により原板面は等倍で記録材料面に結像する。そして原板15に記録されたホログラム分割パターンは等倍で複製用記録材料18に露光される。また、ホログラム格子パターンも原板15と同じピッチで複製用記録材料18に形成される。
第1レンズ16はその前側焦点が原板面と一致して、第1レンズ16の後側焦点と第2レンズ17の前側焦点が一致するように各レンズを配置し、また、第2レンズ17の後側焦点を複製用記録材料面と一致させている。図1では第1レンズ16と第2レンズ17の焦点距離は共にfであり等しい場合を示す。第1レンズ16と第2レンズ17の焦点距離が等しいとリレー光学系により原板面は等倍で記録材料面に結像する。そして原板15に記録されたホログラム分割パターンは等倍で複製用記録材料18に露光される。また、ホログラム格子パターンも原板15と同じピッチで複製用記録材料18に形成される。
[実施例2]
次に第2,7,8,10の手段に係る実施例を説明する。
ここでは、光ヘッド装置に用いる回折格子として、図33に示した構成の光ヘッド装置の回折格子7と同様の位置に配置される回折格子を例に挙げて説明する。図3は回折格子の複数に分割された格子部の回折格子領域と光検出器の光検出領域との関係を示す図である。図3(a)に示すように、この回折格子20は、基板中に形成された格子部が複数の領域に分割されており、例えばセクター(1),(2),(3)の3つの回折格子領域20−1〜20−3で構成されている。また、図3(b)に示すように、光検出器は回折格子20の回折格子領域(セクター(1),(2),(3))20−1〜20−3に対応して3つの光検出領域PD(1)〜PD(3)で構成されている。但し、図3は典型的な実施例の一つであり、回折格子や光検出器の領域は、この分割形式に限定されるものではない。ここで、回折格子20のセクター(1)の回折格子領域20−1で回折された光は2分割された光検出領域PD(1)の分割線上に集光し、ナイフエッジ法によるフォーカス検出を行なう。また、回折格子20のセクター(2)及びセクター(3)の回折格子領域20−2,20−3からの回折光はそれぞれPD(2)及びPD(3)で受光し、プッシュプル法によるトラック検出を行なう。
次に第2,7,8,10の手段に係る実施例を説明する。
ここでは、光ヘッド装置に用いる回折格子として、図33に示した構成の光ヘッド装置の回折格子7と同様の位置に配置される回折格子を例に挙げて説明する。図3は回折格子の複数に分割された格子部の回折格子領域と光検出器の光検出領域との関係を示す図である。図3(a)に示すように、この回折格子20は、基板中に形成された格子部が複数の領域に分割されており、例えばセクター(1),(2),(3)の3つの回折格子領域20−1〜20−3で構成されている。また、図3(b)に示すように、光検出器は回折格子20の回折格子領域(セクター(1),(2),(3))20−1〜20−3に対応して3つの光検出領域PD(1)〜PD(3)で構成されている。但し、図3は典型的な実施例の一つであり、回折格子や光検出器の領域は、この分割形式に限定されるものではない。ここで、回折格子20のセクター(1)の回折格子領域20−1で回折された光は2分割された光検出領域PD(1)の分割線上に集光し、ナイフエッジ法によるフォーカス検出を行なう。また、回折格子20のセクター(2)及びセクター(3)の回折格子領域20−2,20−3からの回折光はそれぞれPD(2)及びPD(3)で受光し、プッシュプル法によるトラック検出を行なう。
次に図3に示す回折格子20を作製する方法の一例を図4に示す。図4において、符号24は透明基板、25はその基板上に形成されたホログラム記録材料である。このホログラム記録材料25に近接してセクターマスク23−1が配置されている。図示しないが、ガスレーザ、固体レーザ、あるいは半導体レーザ(LD)などのレーザ光源からのコヒーレントなレーザ光をハーフミラーなどで2分割した後、その一方を第1のレンズ21に入射させ集光させる。このときの集光点は、図33に示した構成の光ヘッド装置の光源8としてのLDの発光点と等価な位置に集光する。これにより光ヘッド装置の光源(LD)8の発光点と等価な点から発散する光となり記録材料25に入射する。また、ハーフミラーで分割されたもう一方のレーザ光は第2のレンズ22に入射させ集光させる。このときの集光点は、図33に示した構成の光ヘッド装置の光検出器9の光検出領域PD(1)の受光点と等価な位置に集光する。これにより光ヘッド装置の光検出器9の光検出領域PD(1)の受光点と等価な点から発散する光となり記録材料25に入射する。従って、第1のレンズ21からの入射光と第2のレンズ22からの入射光とが記録材料25上で重なり、2光束干渉露光による干渉縞が記録材料25に露光される。
この露光のとき、記録材料25の直前にセクターマスクを配置して、回折格子のセクター(1)〜(3)の領域を規定する。すなわち、セクターマスクは図5(a)〜(c)に示すように、回折格子の各セクター領域以外を遮蔽する開口マスクで構成されている。例えば図4はセクター(1)を記録する際の配置の例であり、このときは図5(a)のセクターマスク23−1を配置して前述の2光束干渉露光を行う。図6はセクター(2)を記録する際の配置の例であり、このときは図5(b)のセクターマスク23−2を配置して、光検出領域PD(2)の受光点と等価な点からの発散光と、光源の発光点と等価な点からの発散光とにより2光束干渉露光を行なう。図7はセクター(3)を記録する際の配置の例であり、このときは図5(c)のセクターマスク23−3を配置して、光検出領域PD(3)の受光点と等価な点からの発散光と、光源の発光点と等価な点からの発散光とにより2光束干渉露光を行なう。
また、発散光同士による2光束干渉記録の他に、図8に示すように収束光同士により2光束干渉記録する方法もある。この場合は図8に示すように、図示しない光源やハーフミラーと、レンズ21,22を、ホログラム記録材料25を形成した基板24の背面側に配置し、第1のレンズ21により図33に示した構成の光ヘッド装置の光源8としてのLDの発光点と等価な位置に集光する収束光と、第2のレンズ22により図33に示した構成の光ヘッド装置の光検出器9の光検出領域PD(PD(1)〜(3)のいずれか)の受光点と等価な位置に集光する収束光を、ホログラム記録材料25上で干渉させて記録する。このときホログラム記録材料25を形成した基板24に密着して図5(a)〜(c)のいずれかと同様のセクターマスク23を配置し、回折格子の分割領域を規定する。
以上のような方法で複数領域に分割された光ヘッド装置用のホログラム回折格子を作製することができるが、図9にこのホログラム回折格子を図33と同様の構成の光ヘッド装置に使用するときの様子を示す。図示しない光ディスクからの反射光は、カップリングレンズであるコリメートレンズレンズ27により光源である半導体レーザ(LD)(図示せず)の発光点に向かって集光する。収束光の途中におかれたホログラム回折格子20には2光束干渉露光のときの一方の光が入射するので、ホログラム回折格子20からは効率良く+1次回折光が発生し、図3に示したようにホログラム回折格子20を構成する各分割領域(セクター(1),(2),(3))で回折された回折光が光検出器の各光検出領域PD(1),(2),(3)に集光し、光検出器で受光される。
以上のようにして作成される光ヘッド装置用回折格子20を一つ一つ上述した干渉露光法で作成していくことは非常に手間がかかり、また、干渉露光系が大きく複雑で、振動にも影響を受け易いという欠点があり、生産性が良くない。
そこで、上述の干渉露光によるホログラム回折格子と等価な干渉縞を計算機上で計算して発生させたホログラム回折格子(計算機発生ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram))を原板(原版)とする方法がある。すなわち干渉露光により生じる干渉縞を計算機で計算してそのデータを元にマスクを作成し、ホログラム原板とする方法である。
そこで、上述の干渉露光によるホログラム回折格子と等価な干渉縞を計算機上で計算して発生させたホログラム回折格子(計算機発生ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram))を原板(原版)とする方法がある。すなわち干渉露光により生じる干渉縞を計算機で計算してそのデータを元にマスクを作成し、ホログラム原板とする方法である。
図10に計算機で計算したデータを元にホログラムを作製したホログラム原板30の一例を示す。このホログラム原板30では、干渉露光と等価な波面による干渉縞を計算機上で計算して、電子ビームリソグラフィー、あるいはフォトリソグラフィー手法により基板29上にホログラムセクター30−1〜30−3を形成する。
この方法によると回折格子の分割領域の自由な設定が容易であり、原板記録波長と複製したホログラム回折格子を光ヘッド装置に搭載したときの使用波長の違いによる収差発生の問題が生じない(干渉縞を計算する波長を光ヘッド装置での使用波長とすればよい)などのメリットが増して好ましい。
また、この方法では、CGHによる原板に可干渉光を入射させて、原板から発生する透過0次光と+1次回折光を記録材料上で干渉させて原板の回折格子を複製して、光ヘッド装置に搭載するホログラム回折格子を作成していく。この方法によると、複製露光系は簡易で済み、また、振動等にも強くなり生産性が向上する。
この方法によると回折格子の分割領域の自由な設定が容易であり、原板記録波長と複製したホログラム回折格子を光ヘッド装置に搭載したときの使用波長の違いによる収差発生の問題が生じない(干渉縞を計算する波長を光ヘッド装置での使用波長とすればよい)などのメリットが増して好ましい。
また、この方法では、CGHによる原板に可干渉光を入射させて、原板から発生する透過0次光と+1次回折光を記録材料上で干渉させて原板の回折格子を複製して、光ヘッド装置に搭載するホログラム回折格子を作成していく。この方法によると、複製露光系は簡易で済み、また、振動等にも強くなり生産性が向上する。
図11は本発明に係る複製方法の一実施例を示す図であり、計算機で計算したデータを元にホログラムを作製したホログラム原板から、複製用記録材料へ複製する光学系の一例を示している。これは原板42(例えば図10に示すホログラム原板30)と複製用記録材料45を空間的に離して配置し、両者の間にリレー光学系を介在させる構成である。図11において原板42を第1のレンズ41からの収束光で照射して原板42から生じる0次光と1次回折光を第2、第3のレンズ43,44で構成されるリレー光学系で複製用記録材料45に入射させる。このときリレー光学系は原板42を物体面、複製用記録材料45がその像面となる結像の共役面の関係になっている。このことにより原板42で発生した0次回折光と1次回折光は複製用記録用材料面で再び重なって干渉縞を生じる。複製用記録材料45はこの干渉縞を記録することにより原板42のホログラム回折格子の複製が行われる。
原板42への複製露光照射光は図11に示すように第1のレンズ41により光ヘッド装置の光源の発光点と等価な点に集光される光を原板42に入射する。原板42からは光源発光点に集光する0次光と光ヘッド装置の受光器の受光点と等価な位置に集光する+1次回折光が生じる。この2光束はリレー光学系により複製用記録材料面で再び重なった後、0次光は光源発光点’、+1次回折光は受光点’に集光する。複製用記録材料面で重なった2光束は干渉縞を形成して、これが複製用記録材料45に露光される。
図11においてリレー光学系は2つのレンズ系、すなわち第2レンズ43と第3レンズ44から構成されている。図では各レンズ系は単レンズであるが、2つのレンズ系は各々複数レンズを組み合わせたものでも良い。
第2レンズ43はその前側焦点が原板面と一致して、第2レンズ43の後側焦点と第3レンズ44の前側焦点が一致するように各レンズを配置し、また、第3レンズ44の後側焦点を複製用記録材料面と一致させている。図11では第2レンズ43と第3レンズ44の焦点距離は共にfであり等しい場合を示している。第2レンズ43と第3レンズ44の焦点距離が等しいとリレー光学系により原板面は等倍で記録材料面に結像する。そして原板42に記録されたホログラム分割パターンは等倍で複製用記録材料45に露光される。また、ホログラム格子パターンも原板42と同じピッチで複製用記録材料45に形成される。図11では原板面と記録材料面はリレー光学系により結像の共役面になっているが、同時に原板から発生する光源発光点の面(図11のa面)とリレー光学系による光源発光点’の面(b面)も結像の共役面となっている。
第2レンズ43はその前側焦点が原板面と一致して、第2レンズ43の後側焦点と第3レンズ44の前側焦点が一致するように各レンズを配置し、また、第3レンズ44の後側焦点を複製用記録材料面と一致させている。図11では第2レンズ43と第3レンズ44の焦点距離は共にfであり等しい場合を示している。第2レンズ43と第3レンズ44の焦点距離が等しいとリレー光学系により原板面は等倍で記録材料面に結像する。そして原板42に記録されたホログラム分割パターンは等倍で複製用記録材料45に露光される。また、ホログラム格子パターンも原板42と同じピッチで複製用記録材料45に形成される。図11では原板面と記録材料面はリレー光学系により結像の共役面になっているが、同時に原板から発生する光源発光点の面(図11のa面)とリレー光学系による光源発光点’の面(b面)も結像の共役面となっている。
原板42を照射する光が光ヘッド装置に搭載時の光源波長近傍の波長を持ち、光源発光点と等価な位置に集光する収束光とすることにより、複製用記録材料45へ入射する2光束がリレー光学系で形成された光源発光点と等価な光源発光点’への収束光と、受光器受光点と等価な受光器受光点’への収束光であるので、複製されたホログラム回折格子が光検出器に回折、集光するスポットに収差が生じず、また、回折効率は回折格子全面にわたって高効率を持たせることができる。これは光ヘッド装置の使用波長で光ディスクからの反射戻り光と光検出器への回折光に相当する2光束による干渉露光を行なっているので、複製用記録材料中に形成される干渉縞は作成の2光波に対して最適化されたブラッグ格子となっている。このため光ヘッド装置で使用するとき、光ディスクからの戻り光は光源発光点に集光する収束波としてホログラム回折格子に入射するが、このときホログラム回折格子の全面にわたりブラッグ条件が満たされ、高効率の1次回折光が生じる。
図12は、本発明に係る複製方法の別の実施例を示す図であり、原板42’のホログラムが複数の分割ホログラムから構成されている例である。この場合、光源発光点に集光する光が原板42’に照射されると、各分割ホログラムからは受光器上の異なる受光領域に対応した点に集光し、受光点群を形成する。原板42からの光源発光点に集光する0次光と受光点群に集光する1次回折光群はリレー光学系のレンズ43,44により複製用記録材料面で再び重なり合い、各分割領域に対応した干渉縞が形成されて複製用記録材料45に露光される。
図13は本発明に係る複製方法のさらに別の実施例を示す図であり、リレー光学系を構成する2つのレンズ系の焦点距離が異なる場合である。リレー光学系はレンズ43’,44’から構成され、レンズ43’の焦点距離はf1、レンズ44’の焦点距離はf2である。レンズ43’及び44’の前側焦点、後側焦点の配置関係は図11の場合と同じである。図13の配置ではリレー光学系により原板面は倍率f2/f1倍で複製用記録材料面に結像される。原板42に記録された分割ホログラムパターン及び格子ピッチはf2/f1倍で複製用記録材料45に記録される。
また、最終的ホログラムの格子ピッチが小さく、ホログラム原板の作成が困難のときなどは、f1>f2として原板の格子ピッチを粗くして原板を作成して複製することもできる。
また、最終的ホログラムの格子ピッチが小さく、ホログラム原板の作成が困難のときなどは、f1>f2として原板の格子ピッチを粗くして原板を作成して複製することもできる。
[実施例3]
次に第3,10の手段に係る実施例を説明する。
本実施例はホログラム原板から複製用記録材料への露光による複製方法であり、ホログラム原板を2段階で作成する複製方法の実施例を図14に示す。図14(a)において第1の原板301は干渉露光により生じる干渉縞を計算機で計算してそのデータを元にマスクを作成し、ホログラム原板としたものである。これは干渉縞を計算機上で計算して電子ビームリソグラフィー、あるいはフォトリソグラフィー手法により領域分割されたホログラムセクター(1),(2),(3)を形成し、第1の原板301とする。この第1の原板301を感光性のある原板記録材料に略密着して第1の原板301側から光を照射して第1の原板301からの0次光と1次回折光による干渉縞を露光記録して第2の原板302とする。
次に図14(b)に示すように第2の原板302を複製用記録材料31に略密着して第2の原板302側から光ヘッド装置の使用波長と略同一の波長を持つ光を照射し、第2の原板302からの0次光と1次回折光による干渉縞を露光記録して最終的に光ヘッド装置に搭載するホログラム回折格子を作製する。
次に第3,10の手段に係る実施例を説明する。
本実施例はホログラム原板から複製用記録材料への露光による複製方法であり、ホログラム原板を2段階で作成する複製方法の実施例を図14に示す。図14(a)において第1の原板301は干渉露光により生じる干渉縞を計算機で計算してそのデータを元にマスクを作成し、ホログラム原板としたものである。これは干渉縞を計算機上で計算して電子ビームリソグラフィー、あるいはフォトリソグラフィー手法により領域分割されたホログラムセクター(1),(2),(3)を形成し、第1の原板301とする。この第1の原板301を感光性のある原板記録材料に略密着して第1の原板301側から光を照射して第1の原板301からの0次光と1次回折光による干渉縞を露光記録して第2の原板302とする。
次に図14(b)に示すように第2の原板302を複製用記録材料31に略密着して第2の原板302側から光ヘッド装置の使用波長と略同一の波長を持つ光を照射し、第2の原板302からの0次光と1次回折光による干渉縞を露光記録して最終的に光ヘッド装置に搭載するホログラム回折格子を作製する。
この方法により第1の原板301はフォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィなどを用いた計算機発生ホログラムの作製に適した1次原板とし、第2の原板302は最終的に光ヘッド装置で使われるホログラム回折格子が高回折効率を持つような複製露光ができるホログラム原板とするように複製工程において原板を最適化できるのである。つまり計算機上で発生したホログラムから最終的に高回折効率のホログラム回折格子が形成できるように原板を2枚用いる。
以上のようにして作製した第2の原板は、図11の複製用光学系の原板42として用いることができ、原板42で発生した0次光と+1次回折光を干渉させて複製用記録材料45への複製記録が行なわれる。
なお、第1の原板301から略密着により第2の原板302を作成するときの複製光の照射条件は、第2の原板302から最終的な複製用記録材料31に略密着露光複製するとき、第2の原板302から発生する0次光と1次回折光の回折効率が略等しくなるような照射条件(主光線方向及び集光点または発散点位置)を設定する。このとき照射波長は必ずしも光ヘッド装置の使用波長あるいは第2の原板302からの2段階目の複製波長と同一でなくても良い。第2の原板302からの0次光と1次回折光の露光強度が略等しくなると、最終的複製記録材料に対しては最もコントラストの高い干渉縞が形成されて、複製されたホログラムを高回折効率化できる。
以上の方法により、計算機で計算された理想的ホログラム回折格子を原板として、高回折効率でかつ、回折光に収差の生じない光ヘッド装置用ホログラム回折格子を複製することができる。
[実施例4]
次に第4,10の手段に係る実施例を説明する。
前述のCGHによる原板は、基本的には0次光及び+1次回折光のみが発生して、かつ両回折光の強度が略等しいことが望ましい。これは0次光及び+1次回折光とは別の回折光が生じると、理想的な2光束干渉露光とはならなくなってしまうからである。すなわち多光束干渉露光となって複数の干渉縞が同時に形成されてしまい、重要である複製された回折格子の+1次回折光の回折効率を高くできなくなってしまう。また、原板からの0次光と+1次回折光の回折強度が略等しいということは、2光束にのる干渉縞のコントラストを最大にすることができ、やはり+1次回折光を高効率化することができる。
次に第4,10の手段に係る実施例を説明する。
前述のCGHによる原板は、基本的には0次光及び+1次回折光のみが発生して、かつ両回折光の強度が略等しいことが望ましい。これは0次光及び+1次回折光とは別の回折光が生じると、理想的な2光束干渉露光とはならなくなってしまうからである。すなわち多光束干渉露光となって複数の干渉縞が同時に形成されてしまい、重要である複製された回折格子の+1次回折光の回折効率を高くできなくなってしまう。また、原板からの0次光と+1次回折光の回折強度が略等しいということは、2光束にのる干渉縞のコントラストを最大にすることができ、やはり+1次回折光を高効率化することができる。
このような目的のためにはCGHによる原板の格子形状は図15に示すようなブレーズ型の回折格子形状であることが望ましい。ブレーズ型回折格子33に入射した光は格子深さの適正化により、0次光と+1次回折光の回折効率を略等しくさせ、かつ−1次回折光の回折効率を低く設定することができる。
また、図16に示すように、ブレーズ型回折格子の鋸歯状の格子形状をデジタル的に階段状の形状で近似させた、いわゆるバイナリーブレーズ型格子34を用いても、格子深さの適正化により0次光と+1次回折光の回折効率を略等しくさせ、かつ−1次回折光の回折効率を低く設定することができる。このような階段状のバイナリーブレーズ型格子34を実施例1や実施例2のCGHによる原板として用いても良い。
また、図16に示すように、ブレーズ型回折格子の鋸歯状の格子形状をデジタル的に階段状の形状で近似させた、いわゆるバイナリーブレーズ型格子34を用いても、格子深さの適正化により0次光と+1次回折光の回折効率を略等しくさせ、かつ−1次回折光の回折効率を低く設定することができる。このような階段状のバイナリーブレーズ型格子34を実施例1や実施例2のCGHによる原板として用いても良い。
[実施例5]
次に第5,6,10の手段に係る実施例を説明する。
実施例4で示したブレーズ型回折格子33、あるいは階段状のバイナリーブレーズ型回折格子34を用いた場合、0次光と+1次回折光の回折効率を略等しくさせ、かつ−1次回折光の回折効率を低く設定することができるが、図15のブレーズ型回折格子33の場合は不要な−1次回折光の抑制は行なうことができるが、完全に発生させなくすることはできず、数%の回折効率は生じてしまう。
この−1次回折光の存在は、複製露光において不必要な干渉縞を記録材料内に形成し、+1次回折光を高効率化する際の阻害要因になる。
次に第5,6,10の手段に係る実施例を説明する。
実施例4で示したブレーズ型回折格子33、あるいは階段状のバイナリーブレーズ型回折格子34を用いた場合、0次光と+1次回折光の回折効率を略等しくさせ、かつ−1次回折光の回折効率を低く設定することができるが、図15のブレーズ型回折格子33の場合は不要な−1次回折光の抑制は行なうことができるが、完全に発生させなくすることはできず、数%の回折効率は生じてしまう。
この−1次回折光の存在は、複製露光において不必要な干渉縞を記録材料内に形成し、+1次回折光を高効率化する際の阻害要因になる。
また、図16の階段状のバイナリーブレーズ型回折格子34は、図17に示すように数%の−1次回折光の発生とともに、連続鋸歯形状を階段状のステップ形状で近似させることによる量子化ノイズが、正規の0次光、±1次回折光以外の回折角で発生する。図17ではこれらをノイズ的回折光(一点鎖線の矢印)として表示している。
これらノイズ的回折光は階段状で近似したときの正規のステップからのずれが大きくなると更に増加していく。
これらノイズ的回折光は階段状で近似したときの正規のステップからのずれが大きくなると更に増加していく。
以上のように、原板から0次光、+1次回折光、−1次回折光の他に、ノイズ的回折光が発生すると、本来必要とされる干渉縞の他に、不要なノイズ的回折光間の干渉縞、あるいはノイズ的回折光と各次数の回折光との干渉縞が記録材料内に形成される。このため、必要とする+1次回折光を高効率化することに対しては更に阻害要因になる。
以上の原板のCGHとしてブレーズ型あるいは階段状ブレーズ型回折格子を用いたときの、不要な回折光及びノイズ的回折光の除去法を図18に示す。原板42(例えば図15のブレーズ型回折格子33、または図16の階段状のバイナリーブレーズ型回折格子34)への複製露光照射光は図18に示すように第1のレンズ41により光ヘッド装置の光源の発光点と等価な点に集光される光を原板42に入射する。原板42からは光源発光点に集光する0次光と光ヘッド装置の受光器の受光点と等価な位置に集光する1次回折光が生じる。この0次光の集光点を含み、リレー光学系の光軸に垂直な面に空間フィルタ46を配置する。
空間フィルタ46は0次光と+1次回折光の集光点部分だけに開口が開けられているか、あるいは透明な部材で形成され、0次光と+1次回折光のみが空間フィルタ46を通過し、他の回折次数光あるいはノイズ的回折光は空間フィルタ46部で遮断される。空間フィルタ46を通過した原板42からの0次光と+1次回折光はリレー光学系のレンズ43,44により、複製用記録材料45上で2光束干渉して記録される。複製用記録材料45には0次光と+1次回折光のみで干渉露光されているので、干渉露光の露光量及び複製用記録材料45の厚さを適正化することにより、記録されたホログラム格子からは80%以上の+1次回折効率を発生させることが可能になる。
図19は別の実施例を示す図であり、原板42へはレンズ41により、一度光源発光点と等価な点に集光した後、その光源発光点と等価な点から発散光となって原板42に入射する。原板42からはそのまま発散する0次光と、受光器受光点から発散する+1次回折光が発生し、それに加えCGH原板のときは−1次回折光およびノイズ的回折光も発生する。これら諸回折光はリレー光学系のレンズ43,44を介して、図19のa’面に対する結像の共役面b’面で一端集光する。0次光が集光する点でリレー光学系の光軸に垂直な面(b’面)に空間フィルタ46を配置して、0次光及び+1次回折光のみを通過させ、他の次数光及びノイズ的回折光は空間フィルタ46で遮断して、その背後に置かれた複製用記録材料45に0次光と+1次回折光のみで干渉露光される。
図20はさらに別の実施例を示す図であり、レンズ41により光ヘッド装置の受光器受光点と等価な点に集光される光を原板42に入射する。原板42からは受光器受光点に集光する0次光と光ヘッド装置の光源発光点と等価な位置に集光する−1次回折光が生じる(注:このときは原板42への照射光は斜入射の角度であるので、原板42からの回折光は、これが0次光になり、光源発光点と等価な収束点へ回折する光は−1次回折光となる)。
この実施例の場合は、原板42からの0次光の集光点を含み、リレー光学系の光軸に垂直な面に空間フィルタ46を配置する。
この実施例の場合は、原板42からの0次光の集光点を含み、リレー光学系の光軸に垂直な面に空間フィルタ46を配置する。
空間フィルタ46は0次光と−1次回折光の集光点部分だけに開口が開けられているか、あるいは透明な部材で形成され、0次光と−1次回折光のみが空間フィルタ46を通過し、他の回折次数光あるいはノイズ的回折光は空間フィルタ部で遮断される。空間フィルタ46を通過した原板からの0次光と−1次回折光はリレー光学系のレンズ43,44により、複製用記録材料45上で2光束干渉して記録される。複製用記録材料45には0次光と−1次回折光のみで干渉露光されているので、干渉露光の露光量及び複製用記録材料45の厚さを適正化することにより、80%以上の−1次回折効率を発生させることが可能になる。
図21はさらに別の実施例を示す図であり、CGH原板42に平行光を入射させ、原板より発生する0次光、±1次回折光、及びノイズ的回折光(図示せず)はリレー光学系のレンズ43とレンズ44の中間で一度集光される。0次光の集光点においてリレー光学系の光軸に垂直な面に空間フィルタ46を配置して0次光及び+1次回折光のみを通過させ、他の回折光は空間フィルタ46で遮断する。リレー光学系を出射した0次光、+1次回折光の2光束は各々平行光となり、複製用記録材料45上で干渉露光される。複製用記録材料45には0次光と+1次回折光のみで干渉露光されているので、干渉露光の露光量及び複製用記録材料45の厚さを適正化することにより、80%以上の+1次回折効率を発生させることが可能になる。
[実施例6]
次に第9,10の手段に係る実施例を説明する。
実施例1〜5の複製用記録材料として用いる素子の断面の一例を図22に示す。図22に示すように、非重合性液晶分子と重合性モノマーあるいはプレポリマーと図示しない光重合開始剤とを均一に混合した組成物を二枚の透明基板間に挟む。組成物の厚みは基板間隔を制御する図示しないスペーサー部材によって制御できる。この組成物は感光性を有するため、素子作製工程において感度を有する波長域の光を遮断した環境下で取り扱うことが好ましい。
次に第9,10の手段に係る実施例を説明する。
実施例1〜5の複製用記録材料として用いる素子の断面の一例を図22に示す。図22に示すように、非重合性液晶分子と重合性モノマーあるいはプレポリマーと図示しない光重合開始剤とを均一に混合した組成物を二枚の透明基板間に挟む。組成物の厚みは基板間隔を制御する図示しないスペーサー部材によって制御できる。この組成物は感光性を有するため、素子作製工程において感度を有する波長域の光を遮断した環境下で取り扱うことが好ましい。
非重合性液晶としては、屈折率異方性を有する液晶ならば一般的なものを使用できる。液晶材料を選択する時は、あるオーダーパラメーターの配向状態において、重合性モノマーあるいはプレポリマーの硬化層の屈折率と等しい屈折率となる液晶材料を選択してもよく、また、液晶材料を選択してから、その液晶のあるオーダーパラメーターの配向状態での屈折率と同じ屈折率になるように重合性モノマーあるいはプレポリマーを選択してもよい。
また、重合性モノマーまたはそのプレポリマーとしては、重合による硬化収縮が大きいものを用いることが好ましい。
また、重合性モノマーまたはそのプレポリマーとしては、重合による硬化収縮が大きいものを用いることが好ましい。
光重合開始剤としては公知の材料を用いることができ、光重合開始剤の添加量が少なすぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が起こり難くなり、必要な露光時間が長くなってしまう。逆に、光重合開始剤が多すぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が不十分な状態で硬化してしまうため、ポリマー中に多くの液晶分子が取り込まれ、偏光選択性が小さくなるという問題がある。
スペーサー部材としては、液晶表示装置に用いられるような球形スペーサー、ファイバースペーサー、フィルムなどを用いることが出来る。また、フォトリソグラフィーとエッチングあるいは成型技術などによって基板表面に突起形状を加工しても良い。スペーサー部材はホログラムの有効領域外に形成することが好ましい。スペーサー部材の高さは数μmから数十μm範囲が好ましく、回折光の波長とポリマー部と液晶部の屈折率差に応じて所望のホログラム層厚みとなるように適宜設定される。
透明基板としては、液晶表示装置に用いられるようなガラス、プラスチックなどを用いることが出来る。
透明基板としては、液晶表示装置に用いられるようなガラス、プラスチックなどを用いることが出来る。
次に相分離によるホログラム形成過程について図23,24を用いて説明する。図23において、図示しない所望の波長のレーザー光源による二光束干渉露光系を用いて、組成物中に露光を行うと、図24に示すように干渉縞の明部において重合性モノマーあるいはプレポリマーの光重合反応が始まる。この時、硬化収縮が起こって密度差が生じ、隣接する重合性モノマーあるいはプレポリマーが明部に移動し更に重合が進行する。それと同時に明部に存在していた非重合性液晶が暗部に向かって追い出されることで相分離が起こる。このとき液晶分子が移動して行く際にモノマーやポリマー鎖との相互作用で液晶分子長軸を移動方向に配向させようとする力が働くと考えられる。すなわち、相分離過程において干渉縞の間隔方向に液晶分子を配向させようとする力が働くと考えられる。最終的には図25に示すように、干渉縞の明暗のピッチに対応してポリマー層と非重合性液晶層の周期構造が形成され、液晶層部の配向ベクトルが干渉縞の間隔方向を向いた状態が得られると考えられる。この干渉露光及び相分離過程において、試料を適当な温度に加熱保持しておくことが好ましい。すなわち、温度によって相分離の速度が変化し、液晶分子の配向性に影響を及ぼすと考えられる。最適な加熱温度は使用する材料によって異なるが、40℃から100℃程度が好ましい。
本実施例では、図25に示すように、液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率npがほぼ一致するように液晶の種類とポリマーの種類の組合せを適宜設定することで、s偏光の入射光に対しては液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率npの差を感じないため回折せず、p偏光の入射光に対しては液晶部全体の異常光屈折率neとポリマー部の屈折差を感じて回折するような偏光選択性ホログラムが得られる。ここで、体積ホログラムの回折効率は屈折率変調量Δnと厚みdの積Δn・dに依存するので、屈折率差Δnを大きく出来るとホログラムの厚みdを薄く出来る。体積ホログラムの厚みを薄くすると回折効率の角度依存性が小さくなり、入射角変動に対する光利用効率低下が改善する。したがって、偏光選択性が大きく入射角度依存性が比較的少ない高効率な偏光選択性ホログラムが得られる。
この素子を光ヘッド装置に用いれば、往路の透過率が高く、かつ記録媒体からの反射光が通る復路においても高効率で受光器に光を入射することができ、高速の記録及び再生が可能となる。
[実施例7]
次に第11の手段に係る実施例を説明する。
ここでは実施例1〜6で説明した回折格子のうち、特に偏光性回折格子を光ヘッド装置(光ピックアップ装置)に適用する実施例を示す。図26は本発明の一実施例を示す光ヘッド装置の概略構成図である。図中の符号48は半導体レーザ(LD)からなる光源、47は本発明の偏光性回折格子、50はカップリングレンズであるコリメートレンズ、51は1/4波長板、52は対物レンズ(集光レンズ)、53は光記録媒体である光ディスク、49は光検出器である。
次に第11の手段に係る実施例を説明する。
ここでは実施例1〜6で説明した回折格子のうち、特に偏光性回折格子を光ヘッド装置(光ピックアップ装置)に適用する実施例を示す。図26は本発明の一実施例を示す光ヘッド装置の概略構成図である。図中の符号48は半導体レーザ(LD)からなる光源、47は本発明の偏光性回折格子、50はカップリングレンズであるコリメートレンズ、51は1/4波長板、52は対物レンズ(集光レンズ)、53は光記録媒体である光ディスク、49は光検出器である。
図26において、光源48よりの出射光は偏光性回折格子47をほとんど全透過するような偏光方向に設定され、コリメートレンズ50で略平行光にコリメートした後、1/4波長板51により円偏光となり、対物レンズ52で光ディスクに集光される。光ディスク53からの反射光は対物レンズ52で略平行光となり、1/4波長板51で往路とは直交する偏光方向に変換されてコリメートレンズ50により集束光となり、偏光性回折格子47に入射する。この入射光は往路とは直交する偏光なのでほとんど回折し、+1次回折光が光検出器9に入射して信号検出される。このとき光ディスク53のトラック方向が紙面とは垂直方向にあるとすると、トラッキング信号としてのPush-Pull信号は偏光性回折格子47への戻り集束光について光軸を中心に左側と右側の光量を比較して、その差信号から得られる。
また、図27に示すように、本発明の偏光性回折格子47の回折効率(II)は前述したように垂直入射で80%以上あり、従来の垂直矩形格子(図34に示す偏光性回折格子7)の回折効率(I)の約40%よりも回折効率が大幅にアップしているので、高速の信号再生ができるというメリットが生じる。
図28は光ヘッド装置の別の実施例であり、偏光性回折格子としては図21の複製光学系配置を用いて作成されたものを使う。この偏光性回折格子47’はコリメートレンズ50と1/4波長板51の間に配置される。偏光性回折格子47’からは平行光が+1次回折光として回折され、コリメートレンズ50で光検出器49の受光面に集光される。
[実施例8]
次に第12の手段に係る実施例を説明する。
図29は本発明の別の実施例を示す光ヘッド装置の概略構成図である。本実施例では、実施例7で説明した図26に示す構成の光ヘッド装置において、光源48、光検出器49及び偏光性回折格子47を一つのケース54の内部と開口部に配置して一体化し、ユニット構成としたものであり、このようなユニット構成とすることにより、光ヘッド装置の組立てを行なう際に光源48、光検出器49、偏光性回折格子47が一体化されているので組立て時間が短縮され、調整も簡単になる。
次に第12の手段に係る実施例を説明する。
図29は本発明の別の実施例を示す光ヘッド装置の概略構成図である。本実施例では、実施例7で説明した図26に示す構成の光ヘッド装置において、光源48、光検出器49及び偏光性回折格子47を一つのケース54の内部と開口部に配置して一体化し、ユニット構成としたものであり、このようなユニット構成とすることにより、光ヘッド装置の組立てを行なう際に光源48、光検出器49、偏光性回折格子47が一体化されているので組立て時間が短縮され、調整も簡単になる。
[実施例9]
次に第13の手段に係る発明の実施例を説明する。
ここでは実施例1〜6で説明した回折格子のうち、特に偏光性回折格子を2波長対応の光ヘッド装置(光ピックアップ装置)に適用する実施例を示す。図30は本実施例の光ヘッド装置の概略構成図である。図中の符号48−1,48−2は異なる波長を持つ半導体レーザ(LD)からなる光源、47は本発明の偏光性回折格子、50はカップリングレンズであるコリメートレンズ、51は1/4波長板、52は2波長に対して収差補正された対物レンズ(集光レンズ)、53は光記録媒体である光ディスク、49は2波長共通の光検出器である。
次に第13の手段に係る発明の実施例を説明する。
ここでは実施例1〜6で説明した回折格子のうち、特に偏光性回折格子を2波長対応の光ヘッド装置(光ピックアップ装置)に適用する実施例を示す。図30は本実施例の光ヘッド装置の概略構成図である。図中の符号48−1,48−2は異なる波長を持つ半導体レーザ(LD)からなる光源、47は本発明の偏光性回折格子、50はカップリングレンズであるコリメートレンズ、51は1/4波長板、52は2波長に対して収差補正された対物レンズ(集光レンズ)、53は光記録媒体である光ディスク、49は2波長共通の光検出器である。
この2波長対応の光ヘッド装置は、波長の異なる2つの光源48−1,48−2を備えているので、記録密度が異なる2種類の光ディスク53に対応することができる。光ディスク53としては例えば通常の記録密度のCD系の光ディスクと、高密度記録が可能なDVD系の光ディスクなどがある。CD系とDVD系では記録密度が異なるので、使用する光源の波長と光ディスクの基板厚が異なり、例えば波長780nmを用いるCD系ディスクの場合、基板厚は1.2mmであり、波長660nmを用いるDVD系ディスクの場合、基板厚は0.6mmとなる。
図30において、各光源48−1,48−2からの出射光は偏光性回折格子47をほとんど全透過するような偏光方向に設定され、コリメートレンズ50で略平行光にコリメートした後、2波長に対応した1/4波長板51により円偏光となり、対物レンズ52で光ディスク53に集光される。光ディスク53からの反射光は対物レンズ52で略平行光となり、1/4波長板51で往路とは直交する偏光方向に変換されてコリメートレンズ50により集束光となり、偏光性回折格子47に入射する。この入射光は往路とは直交する偏光なのでほとんど回折し、+1次回折光が2波長共通の光検出器49に入射して信号検出される。このとき光ディスク53のトラック方向が紙面とは垂直方向にあるとすると、トラッキング信号としてのPush-Pull信号は偏光性回折格子47への戻り集束光について光軸を中心に左側と右側の光量を比較して、その差信号から得られる。
また、本発明の偏光性回折格子47の回折効率(図27のII)は、前述したように垂直入射で80%以上あり、従来の垂直矩形格子の回折効率(図27のI)の約40%より回折効率が大幅にアップしているので、高速の信号再生が可能になる。
また、本発明の偏光性回折格子47の回折効率(図27のII)は、前述したように垂直入射で80%以上あり、従来の垂直矩形格子の回折効率(図27のI)の約40%より回折効率が大幅にアップしているので、高速の信号再生が可能になる。
[実施例10]
図31は本発明のさらに別の実施例を示す光ヘッド装置の概略構成図である。本実施例では、実施例9で説明した図30に示す構成の2波長対応の光ヘッド装置において、波長の異なる2つの光源48−1,48−2、光検出器49及び偏光性回折格子47を一つのケース54の内部と開口部に配置して一体化し、ユニット構成としたものである。このようなユニット構成とすることにより、光ヘッド装置の組立てを行なう際に、光源48−1,48−2、光検出器49及び偏光性回折格子47が一体化されているので、組立て時間が短縮され、調整も簡単になる。
図31は本発明のさらに別の実施例を示す光ヘッド装置の概略構成図である。本実施例では、実施例9で説明した図30に示す構成の2波長対応の光ヘッド装置において、波長の異なる2つの光源48−1,48−2、光検出器49及び偏光性回折格子47を一つのケース54の内部と開口部に配置して一体化し、ユニット構成としたものである。このようなユニット構成とすることにより、光ヘッド装置の組立てを行なう際に、光源48−1,48−2、光検出器49及び偏光性回折格子47が一体化されているので、組立て時間が短縮され、調整も簡単になる。
[実施例11]
次に第14の手段に係る実施例を説明する。
ここでは、実施例7〜10のいずれかに示した光ヘッド装置(光ピックアップ装置)を搭載した光ディスクドライブ装置の実施例について説明する。
実施例7〜10に示した光ヘッド装置(光ピックアップ装置)は、回折効率が高効率で、格子ピッチが狭ピッチ化された偏光性回折格子を用いるので、光利用効率が高く、高速な記録・再生に適した信頼性の高い信号が得られる。また、回折効率が高いと信号検出系の光集積回路(OPIC)のゲインを小さくでき、OPICの高速応答化に貢献できる。また、入射角度により回折効率が変わらなければオフセットの小さい信号が得られる。したがって光ディスクドライブ装置の記録・再生速度の高速化と安定したサーボ制御を達成することができる。
次に第14の手段に係る実施例を説明する。
ここでは、実施例7〜10のいずれかに示した光ヘッド装置(光ピックアップ装置)を搭載した光ディスクドライブ装置の実施例について説明する。
実施例7〜10に示した光ヘッド装置(光ピックアップ装置)は、回折効率が高効率で、格子ピッチが狭ピッチ化された偏光性回折格子を用いるので、光利用効率が高く、高速な記録・再生に適した信頼性の高い信号が得られる。また、回折効率が高いと信号検出系の光集積回路(OPIC)のゲインを小さくでき、OPICの高速応答化に貢献できる。また、入射角度により回折効率が変わらなければオフセットの小さい信号が得られる。したがって光ディスクドライブ装置の記録・再生速度の高速化と安定したサーボ制御を達成することができる。
さらに、本発明に係る光ヘッド装置は、偏光性回折格子を用い、光源と光検出器を配設したユニットと一体化しているので、光ヘッド装置の小型化、薄型化が可能であり、例えばノート型パーソナルコンピュータに搭載される光ディスクドライブ装置の光ヘッド装置(光ピックアップ装置)として好適に用いることができる。
次に光ディスクドライブ装置の一構成例を図32に示す。図32は光ディスクドライブ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。この光ディスクドライブ装置120は、光記録媒体としての光ディスク117を回転駆動するためのスピンドルモータ122、光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123、レーザコントロール回路124、エンコーダ125、モータドライバ127、再生信号処理回路128、サーボコントローラ133、バッファRAM134、バッファマネージャ137、インターフェース138、リード・オンリー・メモリ(ROM)139、中央演算処理装置(CPU)140、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)141などを備えている。尚、図32における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表わすものではない。また、図32の構成は一例であり、これに限るものではない。
光ディスク117としては、CD(コンパクト・ディスク)系の光ディスク(CD,CD−R,CD−RW)や、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系の光ディスク(DVD,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RW)、青色半導体レーザを光源とした高密度光ディスク等があるが、図30や図31に示す光ヘッド装置のように、光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123内に波長の異なる光源を複数備えた構成とし、光ディスク117の種類に応じて光源を選択的に駆動するようにすれば、複数種類の光ディスクに対して記録や再生を行うことができる光ディスクドライブ装置を構成することができる。
図32において、光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123は、光ディスク117のスパイラル状または同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射すると共に、記録面からの反射光を受光し、情報の記録または再生を行うための装置であり、例えば図28〜31のいずれかに示したような構成となっている。
再生信号処理回路128は、光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123の出力信号である電流信号を電圧信号に変換し、該電圧信号に基づいてウォブル信号、再生情報を含むRF信号及びサーボ信号(フォーカス信号、トラッキング信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路128では、ウォブル信号からアドレス情報及び同期信号等を抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU140に出力され、同期信号はエンコーダ125に出力される。さらに、再生信号処理回路128では、RF信号に対して誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ137を介してバッファRAM134に格納する。また、サーボ信号は再生信号処理回路128からサーボコントローラ133に出力される。サーボコントローラ133では、サーボ信号に基づいて光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123を制御する制御信号を生成しモータドライバ127に出力する。
再生信号処理回路128は、光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123の出力信号である電流信号を電圧信号に変換し、該電圧信号に基づいてウォブル信号、再生情報を含むRF信号及びサーボ信号(フォーカス信号、トラッキング信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路128では、ウォブル信号からアドレス情報及び同期信号等を抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU140に出力され、同期信号はエンコーダ125に出力される。さらに、再生信号処理回路128では、RF信号に対して誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ137を介してバッファRAM134に格納する。また、サーボ信号は再生信号処理回路128からサーボコントローラ133に出力される。サーボコントローラ133では、サーボ信号に基づいて光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123を制御する制御信号を生成しモータドライバ127に出力する。
前記バッファマネージャ137では、バッファRAM134へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定の値になると、CPU140に通知する。前記モータドライバ127では、サーボコントローラ133からの制御信号及びCPU140の指示に基づいて、光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123及びスピンドルモータ122を制御する。前記エンコーダ125では、CPU140の指示に基づいて、バッファRAM134に蓄積されているデータをバッファマネージャ137を介して取り出し、エラー訂正コードの付加などを行い、光ディスク117への書き込みデータを作成するとともに、再生信号処理回路128からの同期信号に同期して、書き込みデータをレーザコントロール回路124に出力する。前記レーザコントロール回路124では、エンコーダ125からの書き込みデータに基づいて、光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123からのレーザ光出力を制御する。
前記インターフェース138は、ホスト(例えば、パーソナルコンピュータ)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)等の標準インターフェースに準拠している。
前記ROM139には、CPU140にて解読可能なコードで記述された制御用のプログラム等が格納されている。CPU140は、ROM139に格納されている前記プログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM141に保持する。
前記ROM139には、CPU140にて解読可能なコードで記述された制御用のプログラム等が格納されている。CPU140は、ROM139に格納されている前記プログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM141に保持する。
以上、光ディスクドライブ装置の一構成例を説明したが、本発明では光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123として、回折効率が高い偏光性回折格子を用いた光ヘッド装置(光ピックアップ装置)を搭載しているので、光利用効率が高く、信頼性の高い信号が得られ、かつ記録・再生速度の高速化を達成することができる。さらに本発明では、図30または図31のように光ヘッド装置(光ピックアップ装置)123内に波長の異なる複数の光源を備えることにより、CD系やDVD系の光ディスク、青色半導体レーザを光源とした高密度光ディスクなどの使用する波長の異なる複数規格の光ディスクを記録または再生することができる光ディスクドライブ装置を実現することができる。
以上説明したように、本発明の回折格子の複製方法では、計算機発生ホログラム(CGH)を回折格子の原板として用いて、高効率な回折格子を複製することができので、光ディスク用の光ヘッド装置に適用される回折格子において、片側の+1次(または−1次)回折効率の高効率化と格子ピッチの狭ピッチ化とを両立させることができる構成の回折格子、特に偏光性回折格子を大量に生産することができる。また、この偏光性回折格子を用いることにより、回折格子を光源に近づけて、光源、光検出器構成をコンパクトにする場合に、格子ピッチの微細化が可能であり、往路は記録媒体への透過率が高く、復路は記録媒体からの反射光の検出効率の高い光ヘッド装置が実現でき、高速記録・高速再生が可能な光ディスクドライブ装置が実現できる。さらに本発明では、光ヘッド装置内に波長の異なる複数の光源を備えることにより、CD系やDVD系の光ディスク、青色半導体レーザを光源とした高密度光ディスクなどの使用する波長の異なる複数規格の光ディスクを記録または再生することができる光ディスクドライブ装置を実現することができる。
15:原板
16:リレー光学系のレンズ
17:リレー光学系のレンズ
18:複製用記録材料
20:回折格子
20−1〜20−3:回折格子領域
21,22:レンズ
23,23−1〜23−3:セクターマスク
24:基板
25:記録材料
27:レンズ(コリメートレンズ)
30:ホログラム原板
31:複製用記録材料
33:ブレーズ型回折格子
34:バイナリーブレーズ型回折格子
41:レンズ
42,42’:原板
43,43’:リレー光学系のレンズ
44,44’:リレー光学系のレンズ
45:複製用記録材料
46:空間フィルタ
47,47’:偏光性回折格子
48:光源
48−1,48−2:波長の異なる光源
49:光検出器
50:コリメートレンズ
51:1/4波長板
52:対物レンズ(集光レンズ)
53,117:光記録媒体(光ディスク)
54:ケース
123:光ヘッド装置(光ピックアップ装置)
301:第1の原板
302:第2の原板
16:リレー光学系のレンズ
17:リレー光学系のレンズ
18:複製用記録材料
20:回折格子
20−1〜20−3:回折格子領域
21,22:レンズ
23,23−1〜23−3:セクターマスク
24:基板
25:記録材料
27:レンズ(コリメートレンズ)
30:ホログラム原板
31:複製用記録材料
33:ブレーズ型回折格子
34:バイナリーブレーズ型回折格子
41:レンズ
42,42’:原板
43,43’:リレー光学系のレンズ
44,44’:リレー光学系のレンズ
45:複製用記録材料
46:空間フィルタ
47,47’:偏光性回折格子
48:光源
48−1,48−2:波長の異なる光源
49:光検出器
50:コリメートレンズ
51:1/4波長板
52:対物レンズ(集光レンズ)
53,117:光記録媒体(光ディスク)
54:ケース
123:光ヘッド装置(光ピックアップ装置)
301:第1の原板
302:第2の原板
Claims (14)
- 2光束干渉露光で形成される干渉縞と等価な干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を原板として、該原板側から光照射して原板から発生する透過0次光と1次回折光をリレー光学系を介して複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して複製することを特徴とする回折格子の複製方法。
- 光源からの光を集光レンズで記録媒体に集光し、該記録媒体からの反射光を光検出器で検出して情報の記録または再生、あるいは記録及び再生を行なう光ヘッド装置に用いられる回折格子であって、格子部は複数の領域に分割され、各領域からの回折光は光検出器の対応した個別の光検出領域で受光されるように設定され、格子部の各領域は、光ヘッド装置の光源の発光点と等価な位置から出射する発散光と各光検出領域に対応した受光点と等価な位置から出射する発散光とによる干渉縞を記録材料へ露光する2光束干渉露光、あるいは光源の発光点と等価な位置へ集光する収束光と各光検出領域に対応した受光点と等価な位置へ集光する収束光とによる干渉縞を記録材料へ露光する2光束干渉露光で形成されている回折格子を複製する回折格子の複製方法において、
前記の2光束干渉露光で形成される干渉縞と光学的に等価な干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を原板として用い、該原板側から光照射して原板から発生する透過0次光と1次回折光をリレー光学系を介して複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して複製することを特徴とする回折格子の複製方法。 - 請求項1または2記載の回折格子の複製方法において、
干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子を第一原板として、該第一原板を原板複製用記録材料に略密着し、該第一原板側から光照射して第一原板から発生する透過0次光と1次回折光を原板複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して第二原板を作成し、該第二原板を複製用原板として、該第二原板側から光照射して第二原板から発生する0次光と1次回折光をリレー光学系を介して複製用記録材料に入射させて生じる干渉縞を露光して複製することを特徴とする回折格子の複製方法。 - 請求項1〜3のいずれか一つに記載の回折格子の複製方法において、
干渉縞を計算機で計算して人工的に作成した回折格子の原板が、ブレーズ格子あるいは階段近似されたブレーズ格子であることを特徴とする回折格子の複製方法。 - 請求項1〜4のいずれか一つに記載の回折格子の複製方法において、
前記リレー光学系内に原板からの0次光と片方の1次回折光のみを透過させ、その他の次数の回折光及びノイズ光を遮断する空間フィルタを配置したことを特徴とする回折格子の複製方法。 - 請求項5記載の回折格子の複製方法において、
前記リレー光学系の中で原板からの0次光が収束する集光点であって、リレー光学系光軸に垂直な面に前記空間フィルタを配置したことを特徴とする回折格子の複製方法。 - 請求項1〜6のいずれか一つに記載の回折格子の複製方法において、
前記リレー光学系により原板面と複製用記録材料面が略結像の共役面となっていることを特徴とする回折格子の複製方法。 - 請求項1〜7のいずれか一つに記載の回折格子の複製方法において、
前記リレー光学系は2つのレンズ系から成り、原板に近い第一のレンズ系の前側焦点が原板面と一致し、第一のレンズ系の後側焦点と第二のレンズ系の前側焦点を一致させ、かつ第二のレンズ系の後側焦点が複製用記録材料面に一致していることを特徴とする回折格子の複製方法。 - 請求項1〜8のいずれか一つに記載の回折格子の複製方法において、
前記原板からリレー光学系を介して干渉露光する複製用記録材料として、少なくとも、誘電異方性を有する非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物を一対の透明基板間に保持し、前記組成物を2光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の偏光選択性回折格子を複製することを特徴とする回折格子の複製方法。 - 請求項1〜9のいずれか一つに記載の回折格子の複製方法を用いて作製したことを特徴とする回折格子。
- 光源からの光を集光レンズで記録媒体に集光し、該記録媒体からの反射光を光検出器で検出して情報の記録または再生、あるいは記録及び再生を行なう光ヘッド装置において、
前記記録媒体から前記光検出器に至る光路中に回折格子を有し、前記光記録媒体からの反射光を前記回折格子により分岐して光検出器で受光する光学系を備え、該光学系において配置する前記回折格子が、請求項10記載の回折格子であることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項11記載の光ヘッド装置において、
光源と光検出器及び回折格子が一体化されていることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項11または12記載の光ヘッド装置において、
前記光源として、波長の異なる複数の光源を備えたことを特徴とする光ヘッド装置。 - 記録媒体に対して光ヘッド装置を用いて情報の記録または再生、あるいは記録及び再生を行なう光ディスクドライブ装置において、
前記光ヘッド装置として、請求項11〜13のいずれか一つに記載の光ヘッド装置を搭載したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004196324A JP2006018060A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 回折格子の複製方法及び回折格子並びにその回折格子を用いた光ヘッド装置及び光ディスクドライブ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004196324A JP2006018060A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 回折格子の複製方法及び回折格子並びにその回折格子を用いた光ヘッド装置及び光ディスクドライブ装置 |
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JP2006018060A true JP2006018060A (ja) | 2006-01-19 |
Family
ID=35792391
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JP (1) | JP2006018060A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111508533A (zh) * | 2019-01-30 | 2020-08-07 | 中国科学院上海高等研究院 | 基于纳米光刻光盘及其物理存储介质结构和写入读出方法 |
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2004
- 2004-07-02 JP JP2004196324A patent/JP2006018060A/ja active Pending
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