JP2006017360A - 空気清浄ユニットおよびこれを備えた空気調和機 - Google Patents

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  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)

Abstract

【課題】 構成を簡易化できるとともに、プリーツ状のフィルタを用いた場合でもフィルタに担持された光触媒を効果的に活性化させることが可能な空気清浄ユニットおよびこれを備えた空気調和機を提供する。
【解決手段】 空気清浄ユニット40は、プレフィルタ41、放電部42、光触媒フィルタ43およびプラズマ触媒フィルタ44を備えている。放電部42において、ストリーマ放電電極と対向電極との間に直流、交流、またはパルスの放電電圧が印加されると、両電極間にストリーマ放電が生じ、放電場に低温プラズマが生成する。光触媒フィルタ43は、プリーツ状に形成されており、静電フィルタおよびチタンアパタイト担持フィルタを張り合わせて形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、エアフィルタを備えた空気清浄ユニットおよびこれを備えた空気調和機に関する。
近年、空気に浮遊する臭気、塵埃、菌、およびウィルスなどを除去処理する空気清浄機が普及している。
このような空気清浄機の中には、オゾンを利用して臭気分子、塵埃、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化するものまで存在する。通常、オゾンは、オゾン発生器によって生じ、近傍に存在する臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する。このため、屋内の空気だけではなく空気清浄機の内部も清潔に保たれ、二次感染などが発生するおそれを低減することができる。
例えば、特許文献1には、プレフィルタ、プラズマイオン化部、静電フィルタ、酸化チタンフィルタ、光触媒フィルタ、インバータランプ等をフィルタ類として備えた空気清浄機が開示されている。この空気清浄機によれば、比較的大きい塵や埃をプレフィルタで捕集した後、プラズマイオン化部を通過して帯電した煙や埃等を静電フィルタで吸着させる。そして、インバータランプから光触媒フィルタに紫外線を照射して光触媒を活性化させ、光触媒フィルタを通過する空気を光触媒作用によって浄化することができる。
特開2004−60947号公報(平成16年2月26日公開)
しかしながら、上記従来の空気清浄機では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された空気清浄機では、光触媒フィルタに担持された光触媒を活性化させるためのインバータランプ(光源)が必要となり、構成が複雑化するという問題がある。さらに、このインバータランプからの紫外線を均等に光触媒に照射するためには、光触媒を担持しているフィルタとして平面状のフィルタを用いなくてはならない。このため、捕集効率が高く圧損の小さいプリーツ状のフィルタを採用することは困難であった。
本発明の課題は、構成を簡易化できるとともに、プリーツ状のフィルタを用いた場合でもフィルタに担持された光触媒を効果的に活性化させることが可能な空気清浄ユニットおよびこれを備えた空気調和機を提供することにある。
第1の発明に係る空気清浄ユニットは、プリーツ状のエアフィルタと、活性種生成部とを備えている。プリーツ状のエアフィルタは、空気中に浮遊する塵埃、臭気分子、ウィルスおよび菌のうち少なくとも1つを吸着する。活性種生成部は、塵埃等のうち少なくとも1つを分解、死滅、または不活化する活性種を生成する。
ここでは、プリーツ状のエアフィルタと活性種生成部とを備え、エアフィルタにおいて捕集した塵埃等を、活性種生成部において生成される活性種によって分解、死滅、または不活化している。
これにより、プリーツ状のエアフィルタを用いることで、平面状のエアフィルタを用いた場合と比較して、集塵面積を拡大して効率よく塵埃等を吸着できるとともに、圧損が低減され、寿命の長いエアフィルタを得ることができる。
第2の発明に係る空気清浄ユニットは、第1の発明の空気清浄ユニットであって、エアフィルタは、塵埃等のうち少なくとも1つを分解、死滅、または不活化する光触媒を担持している。
ここでは、プリーツ状のエアフィルタと活性種生成部とを備え、エアフィルタに担持された光触媒を、活性種生成部において生成される活性種によって活性化させる。
通常、このように光触媒を担持したフィルタ等のエアフィルタでは、光触媒を活性化させるために光を照射する光源が必要となる。そして、プリーツ状のエアフィルタを用いた場合には光源からの光が十分に届かない部分ができてしまうことから、平面状のものを用いる必要があった。
そこで、本発明の空気清浄ユニットによれば、集塵効率の高いプリーツ状のフィルタを使用した場合でも、活性種生成部において生成される活性種を用いてエアフィルタの光触媒を活性化させることができるため、光触媒を活性化させるための光源を不要にして構成を簡略化できる。
第3の発明に係る空気清浄ユニットは、第1または第2の発明の空気清浄ユニットであって、エアフィルタは、アパタイトを有している。
ここでは、エアフィルタがアパタイトを有しているため、臭気分子、菌、およびウィルスなどを強力に吸着することができる。よって、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する効率を高めることができる。
なお、上記アパタイトとは、化学式Ax(BOy)zXa(Aは、Ca,Co,Ni,Cu,Al,La,Cr,Fe,Mgなどの各種の金属原子、Bは、P,Sなどの原子、Xは、水酸基(−OH)やハロゲン原子(例えば、F,Cl)等に相当。)で表される物質であり、代表的なものとしてハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、およびクロロアパタイト、リン酸三カルシウムおよびリン酸水素カルシウム等がある。これらの中でも、Ca10(PO46(OH)2で示されるカルシウムハイドロキシアパタイトは、カチオンともアニオンともイオン交換し易いため吸着性に富んでおり、特にタンパク質などの有機物を吸着する能力に優れている。加えて、カルシウムハイドロキシアパタイトは、カビや細菌などを強力に吸着することによって、それらの増殖を阻止ないし抑制し得ることが知られている。
第4の発明に係る空気清浄ユニットは、第3の発明の空気清浄ユニットであって、アパタイトは、光触媒機能を有している。
ここでは、アパタイトが、紫外線だけでなく活性種によってもその光触媒機能が活性化される光触媒機能を有しているため、活性種のみならず、光触媒反応によって生成するヒドロキシラジカルなどの活性種も臭気分子、菌、およびウィルスなどの分解、死滅、あるいは不活化に寄与させることができる。よって、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する効率をさらに高めることができる。
なお、上記光触媒機能を有するアパタイトとは、例えば、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイト等をいう。また、光触媒機能を有するアパタイトとは、例えば、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトなどである。
第5の発明に係る空気清浄ユニットは、第1から第4の発明のいずれか1つの空気清浄ユニットであって、活性種生成部は、放電電極と対向電極とを有している。そして、エアフィルタは、放電電極および対向電極の少なくとも一方に隣接して配置される。
ここでは、エアフィルタが、放電電極および対向電極の少なくとも一方に隣接して配置されているため、非常に活性の高い活性種を高濃度でエアフィルタに提供することができる。よって、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する速度をさらに高めることができる。
第6の発明に係る空気清浄ユニットは、第1から第5の発明のいずれか1つの空気清浄ユニットであって、活性種生成部は、ストリーマ放電器である。
ここでは、活性種生成部としてストリーマ放電器を採用している。
一般的に、ストリーマ放電器は、グロー放電器やバリア放電器などよりも強い放電場を作り出すことができるため、他のプラズマ生成器よりも高エネルギーレベルの活性種を生成することができる。したがって、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する速度をさらに高めることが可能になる。
なお、上記ストリーマ放電とは、放電端の先端から対向電極まで微小アークが連続することにより、発光を伴ったプラズマ柱として形成されるものである。そして、このストリーマ放電が行われると、放電空間に低温プラズマが発生し、この低温プラズマによって活性種(被処理空気中に含まれる臭気物質や有害物質等の被処理成分に作用する因子)として高速電子、イオン、オゾン、ヒドロキシラジカル等のラジカルや、その他励起分子(励起酸素分子、励起窒素分子、励起水分子等)などが生成される。
第7の発明に係る空気調和機は、第1から第6のいずれか1つに記載の空気清浄ユニットと、空気清浄ユニットの活性種生成部側からエアフィルタ側への空気の流れを形成する送風部と、を備えている。
ここでは、活性種生成部からエアフィルタへの空気の流れを形成する送風機によってプリーツ状のエアフィルタに対して活性種を送り込むことで、エアフィルタに担持された光触媒を活性種によって活性化させる。
通常、このように光触媒を担持したフィルタ等のエアフィルタでは、光触媒を活性化させるために光を照射する光源が必要となる。そして、プリーツ状のエアフィルタを用いた場合には光源からの光が十分に届かない部分ができてしまうことから、平面状のものを用いる必要があった。
そこで、本発明の空気調和機によれば、活性種生成部において生成される活性種を用いてエアフィルタの光触媒を活性化させることができるため、光源を不要にできる。そして、プリーツ状のエアフィルタを用いることが可能になるため、平面状のエアフィルタを用いた場合と比較して、集塵面積を拡大して効率よく塵埃等を吸着できるとともに、圧損が低減され、寿命の長いエアフィルタを得ることができる。
第1の発明に係る空気清浄ユニットによれば、集塵面積を拡大して効率よく塵埃等を吸着するとともに、圧損が低減され、寿命の長いエアフィルタを得ることができる。
第2の発明に係る空気清浄ユニットによれば、光触媒を活性化させるための光源を不要にして構成を簡略化できる。
第3の発明に係る空気清浄ユニットによれば、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する効率を高めることができる。
第4の発明に係る空気清浄ユニットによれば、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する効率をさらに高めることができる。
第5の発明に係る空気清浄ユニットによれば、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する速度をさらに高めることができる。
第6の発明に係る空気清浄ユニットによれば、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する速度をさらに高めることが可能になる。
第7の発明に係る空気調和機によれば、構成を簡易化できるとともに、集塵面積を拡大して効率よく塵埃等を吸着できるとともに、圧損が低減され、寿命の長いエアフィルタを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和機について、図1〜図9を用いて説明すれば以下の通りである。
<空気清浄機の概略構成>
本実施形態の空気清浄機(空気調和機)1は、図1および図2に示すように、室内の空気を清浄に保ち室内の快適性を向上させるために、室内の床に設置される。空気清浄機1は、本体ケーシング11と、本体ケーシング11の正面側に設けられる正面パネル21とを備えている(図1参照)。
<本体ケーシング11>
本体ケーシング11は、吹き出し口12と、上面吸い込み口13と、側面吸い込み口14とを有している(図1参照)。吹き出し口12は、本体ケーシング11の上面部11aの背面側端部に設けられる。吹き出し口12は、清浄後の空気を空気清浄機1から上方に向かって吹き出すための開口である。上面吸い込み口13と側面吸い込み口14とは、空気清浄機1内において室内空気を清浄するために、室内空気を空気清浄機1内に吸い込むための略矩形の開口である。上面吸い込み口13は、吹き出し口12が設けられる面と同じ本体ケーシング11の上面部11aの正面側端部に設けられる。上面吸い込み口13の横方向の長さは、正面パネル21の横方向の長さと略同一である。側面吸い込み口14は、本体ケーシング11の左右の側面部11bの正面側にそれぞれ設けられる一対の開口である。側面吸い込み口14の縦方向の長さは、正面パネル21の縦方向の長さと略同一である。
<正面パネル21>
正面パネル21は、本体ケーシング11の前方に設けられており、本体ケーシング11の内部に設置される空気中に含まれる微粒子を除去するための空気清浄ユニット40等を覆っている。この正面パネル21は、正面吸い込み口(吸気口)22を有する。正面吸い込み口22は、正面パネル21の略中央部に設けられており、室内空気を空気清浄機内に吸い込むための開口である。また、正面パネル21には、後述する表示パネルが外部から目視できるように表示パネル開口23a,23b,23cが設けられている。表示パネル開口23bは、正面吸い込み口22と一体的に形成されている。さらに、正面パネル21には、超音波発生装置から発生される超音波を室内の広い範囲に送るための超音波開口24が設けられている。
また、この正面パネル21の高さは、空気清浄機1の奥行きより長い構成となっている。
<本体ケーシング11内の構成>
本体ケーシング11内には、ファンモータ(送風部)30と、ファンモータ30によって回転駆動される送風ファン(送風部)31とが設けられている(図3参照)。ファンモータ30としては、インバータ回路により周波数制御されるインバータモータを採用している。送風ファン31としては、遠心ファンを採用している。このため、送風ファン31は、回転軸方向(第1空間側)から空気を吸い込み、回転中心から半径方向外側(第2空間側)に向かって空気を吹き出す。
また、空気清浄機1は、後述する空気清浄ユニット40が取り付けられるスペースの奥側(空気流路における下流側)に、第1仕切り板51を有している(図9参照)。第1仕切り板51は、送風ファン31の上流側の第1空間と、送風ファン31の下流側の第2空間とを仕切っている。送風ファン31の上流側の第1空間には、空気清浄ユニット40が収納される。送風ファン31の下流側の第2空間には、ファンモータ30、送風ファン31および送風ファン31の側面(送風ファンの回転軸を中心とする円周方向)に沿って形成されたスクロール52が収納されている。そして、送風ファン31から吹き出される空気が、スクロール52に沿って吹き出し口12から室内へ送り出される。
<空気清浄ユニット40>
空気清浄機1は、本体ケーシング11の内方に、図3に示すように、各吸い込み口(上面吸い込み口13、側面吸い込み口14、正面吸い込み口22)から吸い込んだ室内空気中に含まれる異物を除去するための空気清浄ユニット40を備えている。
空気清浄ユニット40は、プレフィルタ41、放電部(活性種生成部)42、光触媒フィルタ(プリーツ状のエアフィルタ)43およびプラズマ触媒フィルタ44を備えている。
〔プレフィルタ41〕
プレフィルタ41は、空気流における最も上流側に配置されており、比較的大きなホコリや塵を除去する。プレフィルタ41は、図5に示すように、ネット410とネット410を保持するフレーム411とから構成されている。ネット410は、ポリプロピレン(以下、PPという)製の糸状の樹脂網であって、本体ケーシング11内に吸い込まれる空気に含まれる比較的大きな塵埃などが付着する。また、ネット410を構成する繊維は、図6に示すように、PPによって構成される芯410aと同じくPPによって構成される被覆層414とからなる。被覆層414には、可視光線型の光触媒412とカテキン413とが空気側に露出するように担持されている。可視光線型の光触媒412は、可視光線により光触媒作用が活性化される酸化チタンなどを含んでおり、ネット410に付着する塵埃などに含まれるカビ菌や細菌などの菌やウィルスを除去する。カテキン413は、ポリフェノールの一種であって、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどの総称である。このカテキン413は、ネット410に付着する塵埃などに含まれるカビ菌や細菌などの菌の繁殖を抑制したりウィルスを不活化したりする。
〔放電部42〕
放電部42は、主に、対向電極422、イオン化線421、およびストリーマ放電電極423から構成されている。対向電極422は、方形波形状の断面を有する金属板であって、実質的に電極として機能する実電極部422aと複数のスリット部422bとから成る。なお、スリット部422bは、空気を後方側に流す役割を果たす(図4(a)の白抜き矢印参照)。イオン化線421は、対向電極422の空気流れ方向(図4(a)の白抜き矢印参照)上流側に配置される。なお、このとき、イオン化線421は、実電極部422a間に1つずつ配置される。また、このイオン化線421は、微小径のタングステン線材などによって形成され、放電電極として用いられる。ストリーマ放電電極423は、電極保持部423aと電極部423bとを有し、電極部423bは、電極保持部423aに対して樹脂を挟んで固定されている。そして、このストリーマ放電電極423は、図4(c)に示されるように、対向電極422の空気流れ方向(図4(c)の白抜き矢印参照)下流側に配置される。
なお、これらの電極421,422,423のうち、対向電極422とイオン化線421とは、プレフィルタ41を通過した空気中に浮遊している比較的小さな塵埃を耐電させる役割を担う。一方、対向電極422とストリーマ放電電極423とは、後述するチタンアパタイト担持フィルタ431に供給する活性種を生成する役割を担う。以下、それぞれの電極の組合せについて詳述する。
(対向電極とイオン化線)
この放電部42において、イオン化線421と実電極部422aとの間に高電圧が印加されると、両電極421,422間に放電が生じる。この結果、両電極421,422間を通過する塵埃などがプラス電荷に帯電される。そして、帯電された塵埃は、スリット部422bを介して後方に供給され、後述する光触媒フィルタ43の静電フィルタ430によって静電吸着される。また、この際、塵埃に含まれるウィルスや菌なども帯電されるため、後述するチタンアパタイトへのウィルスや菌の吸着効率が高まる。
(対向電極とストリーマ放電電極)
この放電部42において、ストリーマ放電電極423と対向電極422との間に直流、交流、またはパルスの放電電圧が印加されると、両電極422,423間にストリーマ放電が生じる。このようにして、ストリーマ放電が生じると、放電場に低温プラズマが生成する。そして、この低温プラズマにより、高速電子、イオン、オゾン、ヒドロキシラジカルなどのラジカル種や、その他の励起分子(励起酸素分子、励起窒素分子、励起水分子)などが生成される。そして、これらの活性種は、空気流れに乗って、後述する光触媒フィルタ43のチタンアパタイト担持フィルタ431に供給される。
なお、これらの活性種は、非常にエネルギーレベルが高く、チタンアパタイト担持フィルタ431に到達する前であっても、空気に含まれるアンモニア類や、アルデヒド類、窒素酸化物など小さな有機分子を分解・消臭する能力を有する。
〔光触媒フィルタ43〕
光触媒フィルタ43は、プリーツ状に形成されており、図7に示すように、静電フィルタ430およびチタンアパタイト担持フィルタ431を張り合わせて形成されている。なお、この光触媒フィルタ43は、静電フィルタ430が送風ファン31による空気流れの上流側に、チタンアパタイト担持フィルタ431が空気流れの下流側に面するように配置される。静電フィルタ430は、放電部42を通過する際に帯電させられた塵埃などを吸着する。チタンアパタイト担持フィルタ431は、静電フィルタ430を通過する塵埃などを吸着する。なお、このチタンアパタイト担持フィルタ431は、プレフィルタ41と同様に、チタンアパタイトを担持させたPPの繊維から形成されている。なお、チタンアパタイトとは、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトである。このチタンアパタイトは、塵埃などに含まれるウィルスやカビ菌、細菌などを特異的に吸着する性質を有する。そして、このチタンアパタイトは、放電部42から供給される活性種により光触媒機能が活性化され、ウィルスやカビ菌、細菌などを不活化または死滅させる。
また、この光触媒フィルタ43は、図8(a)に示すように、プリーツ状に形成されているため、図8(b)に示すように、折り目に合わせて容易に折り畳むことが可能である。このため、光触媒フィルタ43は、折り畳んだ状態で、第1仕切り板51の下方に形成された交換用フィルタ収納部Aに収納される(図9参照)。
なお、この交換用フィルタ収納部Aは、図9に示すように、第1仕切り板51に対して垂直な方向に立設された第2仕切り板53を上面とし、下面と側面とを本体ケーシング11の下面と側面とする収納空間であって、図8(b)に示す交換用の光触媒フィルタ43を1本ずつパッキングされた状態で6本収納する。
〔プラズマ触媒フィルタ44〕
プラズマ触媒フィルタ44には、アナターゼ型の二酸化チタンが担持されている。プラズマ触媒フィルタ44では、光触媒フィルタ43に吸着されなかった空気中のウィルスや菌などを吸着する。このプラズマ触媒フィルタ44では、吸着された菌やウィルスなどが活性種により活性化された二酸化チタンによって死滅あるいは不活化される。
[空気清浄ユニットの特徴]
(1)
本実施形態の空気清浄ユニット40は、プレフィルタ41、活性種を生成する放電部42、プリーツ状の光触媒フィルタ43およびプラズマ触媒フィルタ44を備えている。
通常、光触媒フィルタを搭載した空気清浄機では、光触媒を活性化させるための光源を必要とする。このため、光源からの光を効果的に光触媒に照射するために、光触媒フィルタとしては平面的なフィルタが採用されていた。しかし、このような平面的なフィルタでは、集塵面積が狭く、圧力損失も大きいという欠点があった。
そこで、本実施形態の空気清浄ユニット40では、光触媒フィルタ43として、平面的なフィルタではなくプリーツ式のフィルタを用いている。
これにより、平面状のフィルタと比較して、集塵面積が広く、フィルタにおける圧損が小さい空気清浄ユニットを得ることができる。この結果、空気中の塵や埃等を効率よく捕集して寿命の長い光触媒フィルタを有する空気清浄ユニットを提供することが可能になる。
さらに、本実施形態の空気清浄ユニット40は、光触媒の活性化手段として、光源ではなく活性種生成部を用いている。
これにより、活性種によって光触媒を活性化させることができるため、光源を構成要素から削除して、構成の簡略化が図れる。
(2)
本実施形態の空気清浄ユニット40では、光触媒フィルタ43が、チタンアパタイト担持フィルタ431を有している。
これにより、フィルタを通過する空気中に含まれる臭気分子、菌、ウィルス等をより強力に吸着して、より効果的に臭気分子等を不活化させることができる。
(3)
本実施形態の空気清浄ユニット40では、光触媒フィルタ43を構成するチタンアパタイト担持フィルタ431が光触媒機能を有している。
これにより、放電部42から供給される活性種により光触媒機能を活性化させて、ウィルスやカビ菌、細菌などを不活化または死滅させることができる。
(4)
本実施形態の空気清浄ユニット40では、放電部42が、対向電極422と、ストリーマ放電電極423とを備えている。そして、光触媒フィルタ43が、放電部42の下流側であって、対向電極422に隣接して配置される。
これにより、放電部42において生成される活性種を、高濃度かつ活性が高い状態で光触媒フィルタ43へ供給することができる。よって、空気清浄機1内を通過する空気中に含まれる臭気分子、菌、ウィルス等を効率的に不活化させることができる。
(5)
本実施形態の空気清浄ユニット40では、放電部42が、ストリーマ放電電極423を有している。
これにより、例えば、グロー放電器やバリア放電器等の他のプラズマ生成器と比較して強い放電場を形成するストリーマ放電を起こさせることで、エネルギーレベルの高い活性種を生成することができる。よって、臭気分子や菌等を効率よく分解、死滅、不活化させることができる。
(6)
本実施形態の空気清浄機1は、上述した空気清浄ユニット40と、ファンモータ30、送風ファン31、スクロール52から構成される送風部と、を備えている。
これにより、活性種によって光触媒を活性化させることができるため、光源を構成要素から削除して、構成を簡略化した空気清浄機を提供できる。また、プリーツ状のフィルタを用いることができるため、平面状のフィルタと比較して、集塵面積が広く、フィルタにおける圧損が小さい空気清浄機を提供することができる。この結果、空気中の塵や埃等を効率よく捕集して寿命の長い光触媒フィルタを有する空気清浄機を提供することが可能になる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、放電部42の空気流れ方向下流側に光触媒フィルタ43を配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、光触媒フィルタ43を、対向電極422とストリーマ放電電極との間に配置してもよい。さらに、光触媒フィルタ43は、対向電極422に隣接するように配置してもよい。
(B)
上記実施形態では、放電部42の空気流れ方向下流側に光触媒フィルタ43を配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、対向電極422のストリーマ放電電極423と対向する面にチタンアパタイトをコーティングなどしてもよい。活性種の中には非常に寿命が短いものも存在し、活性が高い活性種ほどその傾向が高いため、非常に活性の高い活性種を高濃度でチタンアパタイトに供給することができる。この結果、臭気分子、菌、およびウィルスなどを分解、死滅、あるいは不活化する速度をさらに高めることができる。
(C)
上記実施形態では、ストリーマ放電を利用して活性種を生成した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、グロー放電やバリア放電などを利用して活性種を生成してもよい。
なお、グロー放電を利用する場合は、放電電極にチタンアパタイトをコーティングしてもよい。また、バリア放電を利用する場合は、放電場領域の絶縁材にチタンアパタイトをコーティングしてもよい。
(D)
上記実施形態では、光触媒フィルタ43にチタンアパタイトが担持された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、チタンアパタイトと、従来の光半導体触媒との混合物が光触媒フィルタ43に担持されてもよい。なお、上記従来の光半導体触媒とは、例えば、二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化鉄などに代表される金属酸化物、C60などのフラーレンに代表される炭素系の光半導体触媒、遷移金属からなるナイトライド、オキシナイトライドなどである。
(E)
上記実施形態では、光触媒フィルタ43にチタンアパタイトが担持された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、アパタイトが光触媒フィルタ43に担持されてもよい。
なお、上記アパタイトとは、例えば、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、およびクロロアパタイト、ならびにリン酸三カルシウムおよびリン酸水素カルシウムなどである。
(F)
上記実施形態では、光触媒フィルタ43にチタンアパタイトが担持された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、従来の光半導体触媒とアパタイトとの混合物が光触媒フィルタ43に担持された構成であってもよい。
(G)
上記実施形態では、光触媒フィルタ43を形成する繊維の被覆層にチタンアパタイトが担持された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、光触媒フィルタ43の空気流れ下流側の表面にチタンアパタイトが担持あるいはコーティングされてもよい。
(H)
上記実施形態では、本発明を空気清浄機1に適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図10に示すような冷暖房を行う空気調和機100に本発明を適用してもよい。
この空気調和機100は、調和された空気を室内に供給するための装置であって、室内の壁面などに取り付けられる室内機101と、室外に設置される室外機102とを備えている。室内機101には、室内の空気を空気調和機100内に取り込むための吸い込み口105が設けられており、この吸い込み口105の内側にフィルタユニット(図示せず)が装備される。このフィルタユニットに対して本発明を適用した場合にも、空気中の塵や埃等を効率よく捕集して寿命の長い光触媒フィルタを有する空気調和機を提供することが可能になる。
本発明の空気清浄ユニットおよび空気清浄機は、構成を簡略化できるとともに、集塵面積が広く、圧損の小さいプリーツ状のエアフィルタを用いることができるという効果を奏することから、空気清浄機以外の空気調和機等の各種機器に対して広く適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る空気清浄機の外観斜視図。 図1の空気清浄機の正面図。 図1の空気清浄機が内蔵している空気清浄ユニットの分解斜視図。 (a)〜(c)は、放電部を構成する各部を示す斜視図。 プレフィルタの詳細図。 プレフィルタのネット部分を構成する繊維の断面拡大図。 光触媒フィルタの側断面図の一部。 (a)は光触媒フィルタを示す斜視図、(b)は交換用の光触媒フィルタを折り畳んだ状態を示す図。 空気清浄ユニットを取り外した状態の空気清浄機の内部構成を示す正面図。 本発明の他の実施形態に係る空気調和機を示す図。
符号の説明
1 空気清浄機(空気調和機)
11 本体ケーシング
12 吹き出し口
13 上面吸い込み口
14 側面吸い込み口
21 正面パネル
22 正面吸い込み口
30 ファンモータ(送風部)
31 送風ファン(送風部)
40 空気清浄ユニット
41 プレフィルタ
410 ネット
410a 芯
411 フレーム
412 光触媒
413 カテキン
414 被覆層
42 放電部(活性種生成部)
421 イオン化線
422 対向電極
422a 実電極部
422b スリット部
423 ストリーマ放電電極(放電電極、ストリーマ放電器)
423a 電極保持部
423b 電極部
43 光触媒フィルタ(プリーツ状のエアフィルタ)
430 静電フィルタ
431 チタンアパタイト担持フィルタ
44 プラズマ触媒フィルタ
51 第1仕切り板
52 スクロール(送風部)
53 第2仕切り板
100 空気調和機
A 交換用フィルタ収納部

Claims (7)

  1. 空気中に浮遊する塵埃、臭気分子、ウィルスおよび菌のうち少なくとも1つを吸着するプリーツ状のエアフィルタ(43)と、
    前記塵埃等のうち少なくとも1つを分解、死滅、または不活化する活性種を生成する活性種生成部(42)と、
    を備えている空気清浄ユニット(40)。
  2. 前記エアフィルタ(43)は、前記塵埃等のうち少なくとも1つを分解、死滅、または不活化する光触媒を担持している、
    請求項1に記載の空気清浄ユニット。
  3. 前記エアフィルタ(43)は、アパタイト(431)を有している、
    請求項1または2に記載の空気清浄ユニット(40)。
  4. 前記アパタイト(431)は、光触媒機能を有している、
    請求項3に記載の空気清浄ユニット(40)。
  5. 前記活性種生成部(42)は、放電電極(423)と対向電極(422)とを有しており、
    前記エアフィルタ(43)は、前記放電電極(423)および前記対向電極(422)の少なくとも一方に隣接して配置される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の空気清浄ユニット(40)。
  6. 前記活性種生成部(42)は、ストリーマ放電器(423)である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の空気清浄ユニット(40)。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の空気清浄ユニット(40)と、
    前記空気清浄ユニット(40)の前記活性種生成部(42)側から前記エアフィルタ(43)側への空気の流れを形成する送風部(30,31,52)と、
    を備えた空気調和機(1,100)。
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