JP2006015338A - 揮発性有機化合物の分解除去法と分解除去用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水蒸気存在条件下においても高いVOC(揮発性有機化合物)分解率を発揮できるようにし、尚かつ貴金属担持触媒よりも低コストなVOC分解除去法および分解除去触媒を提供する。
【解決手段】 触媒としてセリア(CeO2)を用いることで、排ガス中の揮発性有機化合物を分解除去することが可能であり、さらに、排ガス中に水蒸気が存在している場合でも、揮発性有機化合物を十分に分解可能である。
【選択図】 図11

Description

本発明は揮発性有機化合物の分解除去法と分解除去用触媒に関する。さらに詳述すると、本発明は、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、ナフタレンなどの多環芳香族炭化水素といった揮発性有機化合物による環境汚染に対する対策の改良に関する。
揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds、以下単に「VOC」ともいう)とは、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、およびナフタレンなどの多環芳香族炭化水素(PAH:Polycyclic Aromatic Hydrocarbons)などの物質を指す。VOCの代表的な成分である芳香族炭化水素、特にベンゼン、トルエンなどは有機溶剤や塗料など幅広い用途に用いられているが、その多くは大気汚染を引き起こす可能性を持ったものである。中でもベンゼンは発ガン性物質として知られており、表1に示すように環境基準も定められている。また、VOC成分はそれ自体に発ガン性や有害性があるだけでなく、大気中に放出されるとオゾンなどの光化学オキシダントを合成し、窒素酸化物(NOx)とともに光化学大気汚染をもたらす主要な原因物質となる。これら2次的に生成する光化学オキシダントおよび浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)は人体にも影響を及ぼすため環境基準が定められている(表1参照)。要するに、ここで述べたVOCは、大気汚染物質としてすでに規制されている窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)と同様、環境および人体への影響が懸念される有害汚染物質の一つである。このため、近年、大気中へのVOC排出が問題視されており、ディーゼルエンジンの排ガスといった各種燃焼排ガスだけでなく、今後は、各種工場や廃棄物処理などの固定発生源で発生するVOC量を抑制するための処理技術が必要となる可能性がある。
VOC処理技術は、欧米を中心に法規制の強化とともに発展し、各種装置の導入が進んだ経緯がある。一方、日本では臭気対策が中心であり、排ガス脱臭装置として導入され、結果的にVOCが処理されてきたのが実情である。このようなVOC排ガス処理技術は、燃焼酸化法(直接燃焼、触媒燃焼)、吸着法、活性汚泥法(生物処理法)に大別され、排ガス処理量、VOC濃度などによってどの手法によるかが決定される。また最近では、プラズマ分解法などの新処理方式も開発されている。各種処理技術において、様々な課題がある中、酸化チタン(TiO2)などの光触媒作用による分解、および貴金属担持触媒などによる触媒燃焼(接触酸化)は、最終的に二酸化炭素(CO2)と水(H2O)にまでVOCを分解することから有効な処理手段に挙げられる。
ここで、後者の貴金属担持触媒によるVOCの処理技術については、1)反応温度が低く、燃料費の節約が可能、2)サーマルNOxがほとんど発生しない、3)システムが単純で小型化が可能(設置スペースが小さい)、などの特徴が挙げられる。このような貴金属担持触媒によるVOC処理技術の具体例としては、金属酸化物の担体に白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの貴金属を活性成分として担持したもの、数種類の金属酸化物を組み合わせた複合酸化物を用いたもの等がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2001−38207号公報 特開平11−57470号公報
しかしながら、これら貴金属担持触媒には、Pt などの貴金属をアルミナなどの高表面積担体に担持したものが用いられていることからコスト高になるという問題がある。このことは、各種工場から排出される膨大な量のVOC含有排ガスやディーゼルエンジンなどからの燃焼排ガス等に対してVOC処理を実施しようとする場合に深刻な問題となる。このため、VOCの十分な分解能は確保しつつも現状の貴金属担持触媒の代替となりうるという低コストな触媒が望まれている。
加えて、上述したような貴金属担持触媒によるVOC処理技術には以下のような問題がある。すなわち、貴金属担持触媒を利用した場合、ドライガス条件下では非常に高い分解率を達成するが、水蒸気が混入した条件になると分解率がとたんに大きく低下してしまうという問題がある。例えば、貴金属担持触媒としてPdPt/Al2O3 を用いた場合、ドライガス条件(CO2:15%、O2:5%、N2:バランスガス、空間速度SV(供給ガス量/触媒充填量):12000h-1、温度:150℃)の下では98.2%だった分解率が、水蒸気を含む条件(CO2:15%、O2:5%、H2O:9%、N2:バランスガス)の下では25%にまで低下する(表4参照)。ところが、各種工場から排出される排ガスには2〜3%、燃焼排ガスには8%程度の水蒸気が含まれることから、貴金属担持触媒をVOC分解触媒としてそのまま用いることはできない。このため、例えば工場などからの排気といったようなVOCに水蒸気が混入しうるような条件下では別の触媒成分を併用あるいは混合させる必要があった。
そこで、本発明では、水蒸気存在条件下においても高いVOC(揮発性有機化合物)分解率を発揮でき、さらに貴金属担持触媒よりも低コスト化を実現することができる揮発性有機化合物の分解除去法と分解除去用触媒を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明者は種々の実験と検討を行った。具体的には、トルエンなどの脱臭装置に使用されているパラジウム(Pd)、白金(Pt)などを担持した貴金属担持触媒の7種類、およびこれら貴金属担持触媒より安価な酸化物触媒として酸化チタン(TiO2)、セリア(CeO2)、ジルコニアセリア(ZrO2CeO2)など9種類を用いて、代表的なVOCであるベンゼンの分解反応試験を行った結果、貴金属担持触媒に比べて安価ではあっても、ドライガス下ではVOC分解率が極端に低く、貴金属担持触媒の担持体としては用いられているが触媒としては使われていなかったセリアが水蒸気条件下においては高い分解率を発揮できるとの知見を得た。
さらに、CeO2をベンゼン、トルエンの分解除去に適用するための条件を種々検討したところ、水蒸気が存在しない排ガス中のVOCを分解することが可能であり、さらに、反応温度と空間速度SVを一定条件に制御することで貴金属担持触媒と同等のVOC分解性能が得られることを知見した。
また、水蒸気が存在する排ガス中のVOC分解除去においても、一定条件下で貴金属担持触媒と同等のVOC分解性能が得られることを知見した。
本発明はかかる知見に基づくものであり、請求項1に記載の発明は、排ガス中の揮発性有機化合物の分解除去法において、触媒としてセリア(CeO2)を用いるようにしている。
VOC(揮発性有機化合物)分解反応においては反応温度と空間速度SV(供給ガス量/触媒充填量)が分解性能を左右する重要なパラメーターである。これらを一定の条件に制御してCeO2を触媒として用いれば、Pt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2、および貴金属担持触媒と同等のVOC分解率を発揮することが可能である。さらに貴金属担持触媒よりも低コスト化を図ることが可能である。
次に、請求項2に記載の発明は、排ガス中の揮発性有機化合物の分解除去法において、ガス中に水蒸気が存在する条件下で触媒としてセリア(CeO2)を用いるというものである。上述のスクリーニングの結果から、Pt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2、および貴金属担持触媒と同等のVOC(揮発性有機化合物)分解率を発揮しうるという点でCeO2 を用いることが好ましい。また、貴金属担持触媒よりも低コスト化を図ることが可能である。また、一定条件下においては、貴金属担持触媒と同等のVOC分解性能を有するようになる。
次に、請求項3に記載の揮発性有機化合物の分解除去用触媒は、揮発性有機化合物を分解するために用いられ、セリア(CeO2)からなることを特徴とするものである。
セリア(CeO2)触媒は貴金属担持触媒と比べて低コストであるうえに、一定条件下においては、貴金属担持触媒と同等のVOC分解性能を有するようになる。
また、請求項4に記載の揮発性有機化合物の分解除去用触媒は、水蒸気が存在する排ガス中の揮発性有機化合物を分解するために用いられ、セリア(CeO2)からなることを特徴とするものである。
セリア(CeO2)触媒は排ガス中に水蒸気が存在していても、貴金属担持触媒のように大きな分解率の低下がないという特徴を有している。よって、セリア(CeO2)触媒を揮発性有機化合物の分解除去用触媒とすることで、排ガス中に水蒸気が存在していても、それが存在しない場合の揮発性有機化合物の分解性能を保持できる上に、一定条件下においては、貴金属担持触媒と同等のVOC分解性能を有するようになる。
しかして、請求項1記載の分解除去法によれば、貴金属担持触媒よりも低コストな触媒(CeO2)を用いつつ、貴金属担持触媒を用いた場合と同等の分解率でVOCを分解することが可能となる。したがって、所定の分解除去能は確保しつつ低コスト化を実現することができる。
しかも、セリア(CeO2)を触媒に用いた場合、請求項2に記載したように、水蒸気存在下でも高い分解率を発揮するため、貴金属担持触媒のように水蒸気が混入すると分解率がとたんに低下してしまうというようなことがない。したがって、例えば工場などからの排気といったようなVOCに水蒸気が混入しうるような条件下において、別の触媒成分を併用したり混合したりしなくて済むという利点がある。
加えて、本発明によれば、貴金属担持触媒におけるように担体を用いることなく、酸化物(CeO2)を単独の触媒として使用することになるため触媒製造や取扱いが容易だという効果もある。また、担体を用いずそのままガスライン(あるいはこれを含んだシステム)に組み込めるという利点がある。
次に、請求項3に記載の揮発性有機化合物の分解除去用触媒によれば、貴金属担持触媒よりも低コストな触媒を実現しつつ、貴金属担持触媒を用いた場合と同等の分解率でVOCを分解することが可能となる。したがって、所定の分解除去能は確保しつつ低コスト化を実現することができる。
しかも、本発明にかかる触媒は、分解除去するにあたり水蒸気存在下で高い分解率を発揮するため、貴金属担持触媒のように水蒸気が混入すると分解率がとたんに低下してしまうというようなことがない。したがって、例えば工場などからの排気といったようなVOCに水蒸気が混入しうるような条件下において、別の触媒成分を併用したり混合したりしなくて済むという利点がある。
加えて、この触媒によれば、貴金属担持触媒におけるように担体を用いることなく、酸化物(CeO2)を単独の触媒として使用することになるため触媒製造や取扱いが容易だという効果もある。また、担体を用いずそのままガスライン(あるいはこれを含んだシステム)に組み込めるという利点がある。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明にかかる排ガス中の揮発性有機化合物の分解除去法は、触媒としてセリア(CeO2)を用いることを特徴とするものである。
本発明において対象となるVOC(揮発性有機化合物)とは、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、およびナフタレンなどの多環芳香族炭化水素などの物質を指すが、これらに限られるものではない。中でもベンゼン、トルエンなどは有機溶剤や塗料など幅広い用途に用いられている揮発性有機化合物である。
また、上述したように、VOC(揮発性有機化合物)分解反応においては反応温度と空間速度SV(供給ガス量/触媒充填量)がVOC分解性能を左右する重要なパラメーターである。触媒のVOC分解性能を高めるためには、反応温度を高くして、SVを小さくする、すなわち触媒充填量を増やすか、供給ガス量を小さくすればよいが、ランニングコストの問題等を考えた場合、反応温度はできるだけ低くしておき、触媒充填量を減らし、供給ガス量を多くすることが好ましい。そこで、以下に排ガス中のベンゼンおよびトルエンを除去する場合の好適な反応温度、空間速度SVおよび水蒸気濃度について詳細に説明する。
セリアを水蒸気を含まない排ガス中のベンゼンの分解除去に用いる場合、反応温度に関しては図10に示すように、150℃〜200℃までは分解率が上昇して、200℃〜300℃で分解率が徐々に減少していく。そして、300℃から分解率が再び上昇し始める。
このような分解率の温度依存性は、以下のように説明される。すなわち、150℃〜200℃では触媒表面にベンゼンが徐々に吸着するとともに分解反応が起こるが、この温度範囲では分解反応よりも吸着反応が起こりやすい状態であり、触媒表面が徐々に吸着されたベンゼンに覆われるようになる。次に、200℃〜300℃では、触媒表面に吸着されないベンゼンがそのまま通過し、分解率が減少してしまう。そして、300℃以上で触媒表面の触媒活性が上がり、分解率が再び向上するようになるため、吸着反応よりも分解反応がより起こりやすくなる。かかる観点により、反応温度は300℃以上とすることが好ましく、350℃以上であればさらに好ましいが、最も好ましくは400℃以上である。
尚、反応温度が150℃〜300℃ではVOCの触媒表面への吸着が分解反応よりも起こりやすい。よって、単にVOCの吸着のみを目的とする場合には、反応温度を150℃〜300℃にしておけばよい。
さらに、反応温度を150℃〜300℃として触媒表面が吸着されたベンゼンに覆われて吸着されなくなる程度の時間まで処理し、その後に温度を400℃程度まで上昇させて一定時間保持するというサイクルを繰り返すことをおこなうようにしてもよい。こうすることで、150℃〜300℃で吸着したベンゼンを400℃で分解処理できる上に、常時400℃に反応温度を維持する場合に比べてランニングコストを格段に小さくすることが可能となる。
次に、空間速度SVに関しては図10に示すように、300℃においてその影響が最も大きくなり、300℃より低温になるにつれて、また高温になるにつれて徐々にその影響が小さくなっていく。
すなわち、反応温度が300℃付近であれば、SVを小さくした方が高い分解率が得られるが、反応温度が300℃より大きくなるにつれて、分解率のSV依存性は小さくなっていき、400℃においてはSVが12000h-1であっても、十分に高い分解率を得ることが可能である。尚、350℃以上であればSVが12000h-1であっても90%以上の分解効率を得ることが可能である。
次に、セリアを水蒸気を含まない排ガス中のトルエンの分解除去に用いる場合、図12に示すように反応温度が150℃で分解が始まり、180℃付近では95%以上、200℃以上では97%程度の分解率を示す。すなわち、反応温度は150℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは180℃以上、最も好ましくは200℃以上である。
尚、上述したように、VOC分解性能はSVにより変化する可能性がある。SVが5600h-1では、180℃において95%以上の分解率が得られるが、SVが大きくなるにつれて、180℃における分解率は減少することが考えられる。よってSVが5600h-1より大きくなる場合には、所望の分解率が得られるように反応温度を上昇させればよい。逆にSVが5600h-1より小さくなる場合には、反応温度を180℃未満にしてもよい。
結局のところ、排ガス中のVOC分解性能を高めるためには反応温度、空間速度SVのバランスが重要である。反応温度を高くしておけば、空間速度SVは、ある程度大きくなっても十分な分解性能を有する。逆に、反応温度が低い場合には、空間速度SVを小さくすれば十分な分解性能を有するようになる。
次に、水蒸気が存在する排ガス中の揮発性有機化合物の分解除去法について説明する。
この場合にVOC分解率を左右する重要なパラメーターは、反応温度と空間速度SVに加えて、水蒸気濃度である。触媒の分解性能を高めるためには、反応温度を高くして、SVを小さくする、すなわち触媒充填量を増やすか、供給ガス量を小さくすればよいことは上記したが、水蒸気濃度が高くなると、VOC分解性能に影響を及ぼす可能性がある。そこで、以下に、水蒸気が存在する排ガス中のベンゼンおよびトルエンを除去する場合の好適な反応温度、空間速度SVおよび水蒸気濃度について詳細に説明する。
セリアを水蒸気が存在する排ガス中のベンゼンの除去に適用する場合、図11に示すように、反応温度は300℃から分解率が上昇し始め、400℃付近では非常に高い分解率を示す。すなわち、反応温度は300℃以上にすることが好ましく、さらに好ましくは350℃以上、最も好ましくは400℃以上である。
また、水蒸気濃度が2.07〜7.34%の場合と、8.84〜10.83%の場合で分解率の温度依存性が異なり、8.84〜10.83%の場合の方が分解率が若干低くなる。すなわち、水蒸気濃度が高くなるにつれて、分解率が僅かではあるが低下していくことが考えられる。よって、水蒸気濃度が高い場合には、反応温度を高温にして、SVを小さくすることで所望の分解率を得るようにすればよい。
尚、セリアを水蒸気が存在する排ガス中のベンゼンの除去に適用する場合における好適な例を以下に挙げると次のようになる。すなわち、SVが5600h-1であり、反応温度が400℃以上、排ガス中の水蒸気濃度が11%以下であれば90%以上の分解率となり、排ガス中の水蒸気濃度が7%以下で、尚且つ反応温度が400℃以上となれば、貴金属担持触媒の場合と匹敵する95%以上という高い分解率となる。
次に、反応温度、空間速度SVおよび水蒸気濃度のうち一つを固定した場合の他の2つのパラメータの取り扱いについて検討する。
まず、反応温度を固定した場合について説明する。反応温度が400℃以上の場合には、水蒸気濃度が11%以下で、SVが5600h-1以下であれば90%以上のVOC分解性能を有する。SVに関してはドライガスにおいて400℃におけるSVの影響がほとんど無いことを考えると、SVが12000h-1であっても分解性能は90%以上となることが考えられる。
次に、水蒸気濃度を固定した場合について説明する。水蒸気濃度が11%以下であれば、反応温度400℃以上でSVが5600h-1以下であれば90%以上の分解性能を有する。SVに関してはドライガスにおいて400℃におけるSVの影響がほとんど無いことを考えると、SVが12000h-1であっても分解性能は90%以上となることが考えられる。
次に、セリアを水蒸気が存在する排ガス中のトルエンの除去に適用する場合、図14および図15に示すように、反応温度が150℃から分解率が上昇し始め、180℃付近まで急激に分解率が上昇し、200℃以上になるとほぼ一定の分解率を示すが、水蒸気濃度が3%以下の場合には、200℃からも分解率が少しずつ上昇する。すなわち、反応温度は150℃より高温にすることが好ましく、さらに好ましくは180℃以上、最も好ましくは200℃以上である。さらに、水蒸気濃度が3%以下であれば、350℃以上とすることが最も好ましい。
水蒸気濃度に関しては、図15に示すように水蒸気濃度が高くなるにつれて、分解率が僅かに低下していく。従って、水蒸気濃度が高濃度になるにつれて、分解性能は低下することが考えられ、この場合には、反応温度を高温にして、SVを小さくすることで所望の分解率を得るようにすればよい。
SVに関しては、図14に示すように5600h-1〜7500h-1では分解率にそれほど差がないが、10000h-1で分解率が若干低くなった。しかし、10000h-1においても、350℃では十分高い分解性能が得られる。すなわち、SVが10000h-1よりも大きい場合には、反応温度をより高温にすることで所望の分解率を得るようにすればよい。
尚、セリアを水蒸気が存在する排ガス中のトルエンの除去に適用する場合における好適な例を以下に挙げると次のようになる。すなわち、SVが5600h-1であり、排ガス中の水蒸気濃度が7%以下で、尚且つ反応温度が180℃以上であれば、貴金属担持触媒の場合と匹敵する90%以上という高い分解率の下でトルエンを分解することができる。
また、排ガス中の水蒸気濃度が3%以下であれば、SVが5600h-1〜10000h-1の範囲内では、反応温度が180℃以上で、貴金属担持触媒の場合と匹敵する90%以上という高い分解率の下でトルエンを分解することができる。尚、SVが7000h-1の場合には、165℃においても75%程度の分解性能を有する。すなわち、SVが7000h-1以下であれば、165℃においても75%以上の分解性能を有することが考えられ、7000h-1より大きくなるにつれて、165℃における分解性能が僅かずつ減少していくことが考えられる。
次に、反応温度、空間速度SVおよび水蒸気濃度のうち一つを固定した場合の他の2つのパラメータの取り扱いについて検討する。
まず、反応温度を固定した場合について説明する。反応温度が300℃以上の場合には、SVが10000h-1以下、水蒸気濃度が10%以下であれば、90%以上のVOC分解性能を有する。また、反応温度が180℃以上で、水蒸気が3%以下の場合であれば、SVが10000h-1以下で、90%以上の分解性能を有するし、SVが5600h-1以下の場合には、水蒸気濃度が7%以下であれば、90%以上の分解性能を有する。
次に、空間速度SVを固定した場合について説明する。SVが5600h-1の場合には、反応温度が180℃以上で、水蒸気濃度が7%以下であれば、90%以上のVOC分解性能を有する。また、SVが10000h-1以下であれば、水蒸気濃度3%以下で反応温度が180℃以上であれば90%以上のVOC分解性能を有する。
さらに、水蒸気濃度を固定した場合について説明する。水蒸気濃度が3%以下の場合には、反応温度が180℃でSVが10000h-1以下であれば、90%以上の分解性能を有する。また、水蒸気濃度が10%であれば、反応温度200℃以上で、SVが5600h-1以下の場合には、90%以上の分解性能を有する。
結局のところ、水蒸気が存在する排ガス中のVOC分解性能を高めるためには反応温度、空間速度SVおよび水蒸気濃度のバランスが重要である。反応温度を高くしておけば、空間速度SVおよび水蒸気濃度がある程度大きくなっても十分な分解性能を有し、さらに空間速度SVを小さくしておけば、水蒸気濃度をさらに高くしても十分な分解性能を有するし、水蒸気濃度を小さくしておけば空間速度SVをさらに大きくしても十分な分解性能を有する。逆に、反応温度が低い場合には、空間速度SVを小さくし、水蒸気濃度を低くすれば十分な分解性能を有するようになる。
次に、セリア(CeO2)からなる揮発性有機化合物の分解除去用触媒について詳細に説明する。
セリア(CeO2)触媒は、貴金属担持触媒と比べて低コストである上に、貴金属担持触媒におけるように担体を用いることなく、酸化物(CeO2)を単独の触媒として使用することになるため触媒製造や取扱いが容易である。また、担体を用いずそのままガスラインあるいはこれを含んだシステムに組み込めるという利点がある。
セリア(CeO2)触媒を用いる際の形態としては、粉末状もしくはペレット状で用いても良いが、所望の形状に成形してから用いてもよい。この場合には、プレス形成法、押出形成法、鋳型形成法、造粒法等により形成すればよいが、所望の形状が得られるのであれば、これらに限られるものではない。
この触媒を上述したような条件下で用いることでより高い分解性能を得ることが可能となり、さらに一定条件下においては、貴金属担持触媒と同等のVOC分解性能を有するようになる。
尚、セリア(CeO2)触媒は、印刷工場、塗装工場および有機溶剤工場からの排ガス、さらには自動車エンジン、石油ファンヒーター、ガスストーブなど各種燃焼機器からの排出ガスからのVOC分解除去に適用可能であるが、これらに限られるものではない。
尚、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、VOC流路に対してセリア(CeO2)触媒を2箇所以上に配置するようにし、VOCが最終的に通過する部分のみVOC分解率が非常に高い反応温度とし、触媒充填量も小さくして、熱源も小さくするようにする。そして、その前段階ではある程度ガスを分解除去できる程度の条件にしておけば、VOC高分解率を維持しつつ、ランニングコストを低減することも可能である。
[実施例1]
低温活性に優れ尚かつ低コストな触媒を見出すという観点で燃焼排ガス等に適用可能なVOC分解触媒のスクリーニングを行った。以下、この実験内容を実施例1として図面に基づいて詳細に説明する。以下に実施例としてその内容を説明するとおり、この観点からの触媒としてはセリア(CeO2)が最も相応しい。
1.VOC分解触媒
VOC分解触媒としては、光分解ではTiO2 およびそれらの複合酸化物、触媒酸化法では主にAl2O3 を担体としてPt などの貴金属を担持した触媒による様々な研究が行われている。これに対し、本発明者は超微粒子生成・複合化装置で作製したTiO2、酸化鉄(Fe2O3)およびTiO2(関東化学株式会社,アナターゼ)、酸化銅(CuO;関東化学株式会社)、Al2O3(住友化学工業株式会社,TA-1301)、ジルコニア(ZrO2;第一稀元素化学工業,RC-100)、セリア(CeO2;第一稀元素化学工業,HS)、ZrO2CeO2(第一稀元素化学工業,ACZ-58)、TiO2ZrO2(第一稀元素化学工業)の9種類の酸化物触媒を選定して実際にベンゼンを分解するという研究を行った。また、これまで出願人たる電力中央研究所にてメタンの低温酸化用に研究が進められてきたPdPt 担持触媒(PdPt/Al2O3)やPdPt/Al2O3 に助触媒としてZrO2、CeO2 などを添加した触媒(PdPt/ZrO2、PdPt/ZrO2CeO2 など)、およびPd担持触媒(Pd/Al2O3)、Pt 担持触媒(Pt/Al2O3)などの貴金属担持触媒6種類について、VOC分解触媒としての可能性を試みた。各貴金属担持触媒の仕様を表2に示す。各種触媒はプレス成形後、9〜16メッシュ(mesh)に整粒し(一例として目開きが2mm(8.6メッシュ)、1mm(16メッシュ))、触媒の物性分析および反応試験に用いた。
2.物性分析
触媒性能を比較評価する上で重要な因子となる比表面積および貴金属担持触媒表面上の活性成分である金属成分へのCO 吸着量を測定した。比表面積の測定は、自動比表面積測定装置(Micromeritics社,GEMINI 2360)を用いて、BET法に基づいて行った。CO による化学吸着量は、全自動触媒ガス吸着量測定装置(大倉理研,MODEL R6015)を用いて測定した。本装置は、触媒などの表面上の活性成分が、CO、H2 などの活性ガスを化学吸着する性質を利用したもので、活性ガスをパルス状に触媒に導入し、総吸着量を測定する。なお、本装置は触媒学会の測定法に準拠している。測定は、前処理としてヘリウム気流中で室温から400℃まで10℃/minで昇温後、400℃で15分水素還元し、その後15分脱気した後、10℃/minで降温し、50℃に保持した。次に、試料出口のCO 濃度を熱伝導度方式の検出器(TCD)で測定しながら、ヘリウム気流中で49.7%のCO をパルス状に試料に供給し、飽和点までのCO の吸着量を測定した。
3.VOC分解反応試験
VOC分解反応試験に用いた実験装置を図3に示す。石英製の反応管2に触媒1を2ml充填し、石英ウール(図示省略)により触媒1の前後を固定した。触媒1を充填した反応管2を管状電気炉3内に設置し、所定温度に昇温後、表3に示すような実験条件で反応試験を開始した。ベンゼン(試薬特級:>99.5%,関東化学製)は、ガラス製拡散管4に注入し、その後一定温度に保持し、窒素を一定流量流すことによって希釈したガスを発生させた。また、水蒸気は、水蒸気発生部5において水を一定温度でバブリングすることによって導入した。ベンゼンおよび水蒸気を含んだガス流路は、リボンヒーターで120℃以上に保温した(図中ではリボンヒーターで加熱される部分を斜線で示している)。各種固定発生源からの排ガス中のVOC濃度は、化学工場などで数ppm〜数100ppm、廃棄物処理では数ppm〜20ppm程度であることから、今回の試験においては表3に示すようなベンゼン濃度に制御した。ベンゼン濃度はガス検知管(ガステック製)を用いて計測した。ガスサンプリングされなかった残りのガスは水トラップ6と活性炭7を通過させた後に排気した。
4.実験結果
4−1 各種触媒でのベンゼン分解反応試験結果
図4に主な酸化物触媒および貴金属担持触媒のベンゼン分解反応試験結果を示す。実験条件は燃焼排ガス組成を想定し、まずCO2:15%、O2:5%、ガス流量400ml/min(空間速度SV:12000h-1)、反応温度150℃で反応試験を行った。TiO2、Al2O3、CeO2、ZrO2CeO2 など、9種類の酸化物触媒の中で分解性能を示したのはCeO2、ZrO2CeO2 のみで、その他7種類の酸化物触媒では分解性能を示さなかった。CeO2 は初期活性として45%の分解率を示すが、その後20%以下まで低下し、そのまま安定した。ZrO2CeO2 では、反応開始30分後まではCeO2 と同等の分解率を示すものの、60分後には分解性能を示さなかった。これに対して、Pd/Al2O3、Pt/Al2O3、およびPdPt/Al2O3、PdPt/ZrO2 などの6種類は、反応開始から高い分解率を示し、それぞれ98%以上の分解率が得られた。
尚、反応開始30分後に関して、酸化物触媒のCeO2、ZrO2CeO2 は、それぞれドライガス条件下で約10〜15%の分解率が得られるだけであったのに対し、貴金属担持触媒のうちの6種類はドライガス条件下で98%以上の分解率を示した(表4中の(i)参照)。
酸化物触媒の中で唯一分解性能を示したCeO2 について、Pd を担持したPd/CeO2(Pd 担持量:1wt%)を含浸法により調製し、反応試験を試みた。図4にも示したようにPd 担持によって、分解率は15%から55%まで大きく上昇したが、Pd/Al2O3 やPdPt/Al2O3 などの約半分程度であった。表5に貴金属担持触媒7種類および酸化物触媒の中で分解性能を示したCeO2、ZrO2CeO2 の初期物性を示す。CeO2 は約150m2/gと高い比表面積を有し、Pd 担持後も他の貴金属担持触媒の2倍近い約112m2/gであった。しかし、CO 吸着量は、PdPt/Al2O3 やPd/Al2O3 の半分以下となり、この差が触媒性能に現れたものと推察された。
燃焼排ガス中にはVOCとともに水蒸気が含まれる。そこで、水蒸気9%を含むCO2:15%、O2:5%、ガス流量400ml/min(SV:12000h-1)、反応温度150℃で試験を行った。触媒はドライガス条件下で高分解率を示したPdPt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2 などの貴金属担持触媒7種類と酸化物触媒の中で分解性能を示したCeO2、ZrO2CeO2 を選定した。図5に各種触媒の実験結果を示す。Pd/Al2O3、PdPt/Al2O3、PdPt/ZrO2 などでは、水蒸気の存在によって分解率は大きく低下し、中でもPd/Al2O3 は20%以下まで低下した。Pd/Al2O3 にPt を添加したPdPt 担持触媒の4種類はPd/Al2O3 より高い分解率を示し、活性成分の複合化による効果が明らかとなった。また、担体成分の違いで比較すると、Al2O3 のみであるPdPt/Al2O3 が最も分解率は低く、次いでPdPt/ZrO2、PdPt/CeO2、PdPt/ZrO2CeO2 の順序となった。これに対して、Pt/Al2O3 では分解率70%以上を保持し、Pd/Al2O3 やPdPt 担持触媒と比較して水蒸気の影響は少ないことが明らかとなった。一方、CeO2 に関しては、水蒸気の存在によって、むしろ分解率が向上することを見出した(表4中の(i),(ii)参照)。
4−2 空間速度(SV)の影響
化学工場や石油化学プラントおよび各種燃焼プロセスからの排ガス中には、VOC成分とともに水蒸気が含まれ、水蒸気が触媒の劣化要因の一つとなり、触媒寿命を短くする。そのため、助触媒添加などの触媒改良によって触媒性能の向上が図られる。また、水蒸気などのガス組成以外にも触媒の滞留時間や反応温度も触媒性能を決める重要な因子となる。そこで、本実施例ではまずSVを下げることによって分解率の変化について検討した。実験条件は、図5での水蒸気導入試験と同じ条件下である反応温度300℃およびSV:6000h-1とした。触媒は、Pt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2、PdPt/CeO2 の3種類を選定した。図6に反応試験結果を示すように、各触媒においてSVを下げることによって分解率の上昇が確認された。PdPt/ZrO2CeO2、PdPt/CeO2 は、約65%まで分解率は上昇したが、Pt/Al2O3 のSV12000h-1での分解率以下であった。これに対してPt/Al2O3 では、ドライガス条件とほぼ同等の分解率が得られることが判明した。尚、酸化物触媒CeO2 についても同じく検討を行った結果、Pt/Al2O3と同等の98%以上の分解率が得られることが明らかとなった(表4(iii)、図1参照)。
4−3 反応温度の影響
SVを下げることによって、Pt/Al2O3 はドライガス条件下と同等の分解性能が得られたが、PdPt/ZrO2CeO2、PdPt/CeO2 では、Pt/Al2O3 のSV:12000h-1での分解率以下となった。そこで、PdPt/ZrO2CeO2 について反応温度を高めたときの変化について検討した。水蒸気導入試験と同じガス組成およびSV:6000h-1で反応温度を上昇させた結果を図7に示す。反応温度の上昇によって分解率は大きく上昇し、180℃でPt/Al2O3 と同等の分解率が得られることが確認された。そこでさらに、触媒をPt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2 に絞り込み、SV:12000h-1での水蒸気導入試験において反応温度を高めた場合の変化について検討した。図7に示すようにPt/Al2O3 は180℃、PdPt/ZrO2CeO2 では200℃でドライガス条件と同等の分解率を得られることが明らかとなった。尚、CeO2に関しては、SV:6000h-1、300℃でPt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2と同等の98%以上の分解率が得られることが明らかとなった(図2参照)
以上の結果から、同じ酸化物触媒であるZrO2CeO2 、CeO2の場合には、反応温度を高くすることである程度の分解率の上昇は認められたが、SVを変化させても、分解率の変化は認められず、目標とする分解率とはほど遠い物であった。CeO2に関しては、SVを6000h-1 に下げ、反応温度を300℃にすることで98%以上の分解率を示したことから、CeO2 が貴金属担持触媒の代替となる低コストなVOC分解触媒として有望であることを明らかにした(図2、表4(v)参照)。
これらの結果から、水蒸気を含むガス組成においても、SVが6000h-1、あるいは反応温度180℃以上にすることで、Pt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2 はVOC分解触媒として適用可能であることを見出した。
4−4 CeO2 の反応特性
各種触媒で水蒸気の影響が大きいことが確認されたが、図8に示すようにCeO2 は分解率が低いものの、水蒸気の影響はほとんどない。また、Pt などの貴金属担持触媒は高い触媒性能を有するが、その反面、高価であるため、より安価なCeO2 などの酸化物触媒がコスト面から望ましい。そこで、CeO2 による分解率向上を図るためにSVを6000h-1に下げて反応試験を試みた。貴金属担持触媒ではSVの効果が確認されたが、CeO2 では反応初期で分解率が少し高くなったのみで、SV:12000h-1と6000h-1ともに分解率20%以下となり、SVの効果は確認されなかった。そのため、貴金属担持触媒と同様、反応温度の上昇を試みたところ、図9に示すように、反応温度220℃までは分解率において大きな変化はなかったが、250℃から徐々に上昇し、300℃でPt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2 と同等の分解率を示すことが明らかとなった。しかしながら、反応ガスを検出能力のあまり高くないガス検知管(ガステック製)で測定したため、反応温度が250℃以上における正確な反応ガス量を測定できていない可能性が懸念された。そこで、実施例2ではガスクロマトグラフにより反応ガスの検出を行った結果、後に詳細するように、反応温度400℃、SV=5600h-1、水蒸気濃度約9%で95%の分解率となり、300℃付近では分解率は約30%程度であった。
以上、模擬燃焼排ガス中のVOC分解触媒として、酸化物触媒、および貴金属担持触媒によるスクリーニングの結果、以下の結果を得た。
(1)CO2:15%、O2:5%、ガス流量400ml/min(空間速度SV:12000h-1)、反応温度150℃でのベンゼン分解反応試験において、Pd/Al2O3、Pt/Al2O3 およびPdPt/ZrO2CeO2 などの貴金属担持触媒は高い触媒性能を示すことが明らかとなった。
(2)各種触媒での反応試験において、水蒸気の存在によって分解率は大きく低下することが判明した。しかし、SVの低下(12000h-1 → 6000h-1)、反応温度180℃以上でPt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2 では,ドライガス条件下と同等の触媒性能が得られることを見出した。
(3)各種触媒の中でCeO2 は水蒸気の影響をほとんど受けず、尚かつ水蒸気存在下であってSV:6000h-1、反応温度300℃のときにはPt/Al2O3、PdPt/ZrO2CeO2 と同等の触媒性能を示し、高価な貴金属触媒より安価なVOC分解触媒として有望であることを見出した。しかしながら、上記したように、実施例2でガスクロマトグラフにより反応ガスの検出を行った結果、反応温度400℃、SV=5600h-1、水蒸気濃度約9%で95%の分解率となり、300℃付近では分解率は約30%程度であった。
[実施例2]
次に、セリア(CeO2)が工場排ガスなどに含まれるVOCを分解する触媒として用いることができること、並びにそのときの好適な反応条件などについて実験した。実験では、VOC分解反応におけるSV、反応温度および水蒸気濃度の影響を、VOCがベンゼンまたはトルエンの場合について検討した。
1.ベンゼンまたはトルエンの分解反応試験
ベンゼンまたはトルエンの分解反応試験には、図3と同じ実験装置を用いた。石英製の反応管2に触媒1としてセリア(CeO;第一稀元素化学工業,HS)を2〜2.7ml充填し、石英ウール(図示省略)により触媒1の前後を固定した。触媒1を充填した反応管2を管状電気炉3内に設置し、所定温度に昇温後、反応試験を開始した。ベンゼン(試薬特級:>99.5%,関東化学製)またはトルエン(試薬特級:>99.5%,関東化学製)はガラス製拡散管4に注入し、その後一定温度に保持し、窒素を一定流量流すことによって希釈したガスを発生させた。また、水蒸気は、水蒸気発生部5において水を一定温度でバブリングすることによって導入した。ベンゼンと水蒸気もしくはトルエンと水蒸気を含んだガスの流路は、リボンヒーターで130℃以上に保温した(図中ではリボンヒーターで加熱される部分を斜線で示している)。反応条件は、燃焼排ガス組成を想定し、15%CO、5%OおよびNバランスガスの総ガス流量を250〜400ml/min(空間速度SV=5600〜12000h-1)とし、反応温度150℃により反応試験をおこなった。各種固定発生源からの排ガス中のVOC濃度は、化学工場などで数ppm〜数100ppm、廃棄物処理では数ppm〜20ppm程度と発生源によって異なるが、今回は、VOC発生部から安定供給できる範囲で制御し、ベンゼン(約30〜40ppm)またはトルエン(80、220、230〜250ppm)を導入した。尚、反応ガスは実施例1で用いたガス検知管(ガステック製)ではなく、より計測精度を上げることを目的として、ガスクロマトグラフ(島津製作所:C−R14A CHROMATOPAC、検出器:FID)を用いて計測した。
2.トルエン分解反応後の生成物分析
トルエンの分解反応後において、ガスクロマトグラフにより反応ガスの検出を行った結果、トルエンおよび極微量のベンゼンが検出されたが、それら以外の成分については確認しなかった。そこで、反応後のガスを、GC−MS(横河アナリティカルシステム(株):5973A−N series GC/MSD system)により、定性分析し、トルエン分解反応後のガス組成について検討した。
3.実験結果
3−1.ベンゼンのドライガス条件下における反応温度およびSVの影響
ベンゼンのドライガス条件下における反応温度およびSVの影響を詳細に検討した結果を図10に示す。150℃においては、SVが6000h-1以下では30〜33%、6900h-1以上では20%以下と低い分解性能を示したが、反応温度を180℃に上げると、各SVでの分解率は大きく向上し、SVが6000h-1以下では95%以上の分解率が得られた。さらに温度を上げると、分解率は緩やかに低下したが、300℃から再び上昇する傾向を示し、SVが8000h-1以下では、350℃で95%以上、400℃では99%以上の分解率が得られた。また、12000h-1においても400℃で99%以上を示した。400℃ではSV値に起因する分解率の差が認められなかったことから、400℃以上の反応温度では、SV値に影響を受けないと思われる。従って、工場等から排出されるVOCを含む排ガスが低温の場合には、熱交換器等を用いて廃熱を利用して昇温させることが好ましい。これらの結果から、より低温で目標性能を得るためにSVを5600h-1に設定することが好ましいことは判明した。そこで、以下、SVを5600h-1に設定して実験を行った。
尚、各SVにおいて、200℃以上から分解率が低下し、300℃以上で再び分解率が上昇する温度依存性が確認された。本反応試験では、触媒入口と出口でのベンゼン濃度の差から分解率を計算している。この現象は、反応開始から200℃までは、触媒表面にベンゼンが徐々に吸着するとともに、分解反応が起こり、分解率が上昇するが、200℃を超えると、触媒表面に吸着しないベンゼンがそのまま通過するため、200℃以上では出口濃度が上がり、分解率が低下する。さらに300℃以上になると触媒表面の活性が上がることで分解率が再び上昇していると推察された。
3−2.ベンゼン分解反応における水蒸気濃度の影響
SVが5600h-1の場合について水蒸気の影響を検討した。排ガス中において想定される水蒸気濃度は、燃焼ガスレベルの8%程度から燃焼プロセス以外の各種工場施設での排ガスレベルである2〜3%である。そこで、各種工場などの排ガスレベルの約2%から燃焼排ガスレベル以上の約10%になるよう水蒸気濃度を制御した。図11に水蒸気導入試験結果を示す。図10と比較して、水蒸気の存在により分解率の低下が確認されたが、2.07%、6.05%および7.34%の水蒸気濃度では300℃以上からは分解率は上昇し、400℃で95%以上の分解率が得られることが確認された。また、8.84%および10.83%の水蒸気濃度においても300℃以上から分解率は上昇し、400℃で90%以上の分解率が得られることが確認された。
以上の結果から、水蒸気の混入によって分解率は幾分低下するものの、水蒸気濃度が11%以下の場合においては、300℃以上から分解率は向上し、400℃に上げることで十分な分解性能を示すことが確認された。すなわち、工場等からの排ガスに含まれる水蒸気濃度(2〜3%)は勿論のこと、燃焼排ガスレベルの水蒸気濃度(8%)に対しても反応温度が300℃以上であれば、セリア触媒はベンゼン分解反応に十分に適用可能であることが確認された。
3−3.トルエンの分解反応における反応温度の影響
ベンゼンの分解反応試験結果から、各条件下において400℃以上で90%以上の分解率を示すことが確認されたが、ベンゼン以外のVOC成分についても同様の分解性能が望まれる。そこで、VOC成分の中でも様々な用途に用いられており、VOC排出量の中でも、排出割合が高いトルエンの分解性能について検討した。トルエンの発生源となる各種工場、特に印刷、塗装施設などでは、VOC対策のニーズが高まってきており、その排出濃度は発生源によって数10ppm〜数100ppm以上と業種によって異なるが、本実験では、まず、100ppm以下での分解性能を検討した。反応条件は、トルエン濃度80ppm、反応ガスとして、15%CO、5%OおよびNバランスガスの総ガス流量を250ml/min(SV:5600h-1)とし、反応温度150℃〜300℃で反応試験を行った。図12の符号△にドライガス条件下でのトルエン反応試験結果を示す。150℃では約35%の分解率を示したが、180℃に上げると急激に分解率は上昇し、200℃では99%以上の分解性能が得られ、ベンゼンよりも低温で高い分解率が得られることが明らかとなった。
次に、水蒸気による影響を検討した。図12の符号○に水蒸気存在下でのトルエン反応試験結果を示す。水蒸気濃度としては、トルエンの発生源となる各種工場施設などの排ガス中の水蒸気レベルである3%以下に制御し、水蒸気を含む15%CO、5%OおよびNバランスガスの総ガス流量を250ml/min(SV:5600h-1)とし、反応温度150〜300℃で試験を行った。150℃では、約8%と低い分解率であるが、ドライガス条件下と同様に180℃で大きく分解率は上昇し、180℃で95%以上、200℃で97%以上、300℃では約99%の分解性能が得られることが明らかとなった。従って、水蒸気濃度が3%以下で、トルエン濃度が80ppm以下の場合には、反応温度が180℃以上であれば、セリア触媒はトルエン分解反応に十分に適用可能であることが確認された。また、反応温度を400℃以上にすれば、ベンゼンとトルエンの双方を99%以上分解できる。
尚、前述のようにトルエンは多用途に使用され、排ガス中のVOC濃度も数10ppm〜100ppm以上と発生源によって異なる。そこで、入口濃度の影響を検討するために、トルエン濃度を増加させた反応試験をおこなった。トルエン濃度は、本反応装置のVOC発生部からトルエンを安定供給できる濃度範囲で制御し、約220ppmとした。図13に反応試験結果を示す。80ppmの結果同様、180℃から急激に分解率は上昇し、200℃で98%以上の分解性能を示し、入口濃度の影響がないことが確認された。
次に、入口濃度をさらに高濃度(230〜250ppm)にした場合のSV、水蒸気濃度の影響を検討した。図14に水蒸気濃度約3%におけるSVが5600〜10000h-1の反応試験結果を示す。反応温度の上昇とともに各条件下での分解性能は上昇し、180℃で90%以上の分解率が得られ、300℃で95%以上の分解率が得られた。
次に5600h-1での水蒸気濃度が約2%から10%の反応試験結果を図15に示す。反応温度を150℃から180℃に上げることで分解率は上昇し、水蒸気濃度の増加に伴い、分解性能は若干低下するが、水蒸気濃度が7%以下では90%以上の分解率を示し、水蒸気濃度が10%の場合には80%程度の分解率を示すことが明らかとなった。
従って、水蒸気濃度が10%以下の場合には、反応温度が180℃以上であれば、セリア触媒はトルエン分解反応に十分に適用可能であることが確認された。
3−4.トルエン分解反応後の生成物分析
図16にトルエンの分解反応後のガスをGC−MSにより定性分析した結果を示す。この結果から、VOC成分としては未反応分のトルエンのみが検出され、それ以外のVOC成分の生成は無いことが確認された。ベンゼンが検出されなかった原因は、採取したパック等への付着もしくは経時変化によるものと考えられる。したがって、トルエンが分解反応することで、トルエンおよびベンゼン以外の新たなVOCの生成は起こらないことが確認された。
以上、VOC分解触媒としてセリア(CeO2)を用いた場合のVOC分解反応におけるSV、温度および水蒸気濃度の影響を、VOCがベンゼンおよびトルエンの場合について検討した結果、以下の知見を得た。
(1)ベンゼン分解反応試験
ドライガス条件下では、400℃で99%以上の分解性能が得られ、特に、SV=5600h-1ではより低温でも97%以上と高い分解率を示すことが明らかとなった。
また、SV=5600h-1での水蒸気導入試験の結果、約11%の水蒸気濃度では400℃で90%、約2%では、97%以上の分解率が得られ、各条件下において十分な分解性能が確認された。
(2)トルエン分解反応試験
ドライガスでは180℃以上で分解性能98%以上を示し、水蒸気導入試験(水蒸気濃度3%、SV=5600h-1)においても、180℃以上で分解性能95%以上を示した。また、入口濃度(80ppm、220ppm)を変化させた場合でも分解性能に影響はないことが確認された。さらに、SVが10000h-1以下(水蒸気濃度3%以下)の場合には、反応温度180℃で90%以上の分解性能を示し、水蒸気濃度10%以下(SV:5600h-1)では、反応温度180℃で80%以上の分解性能を示すことが明らかとなった。従って、VOC分解触媒としてセリア触媒が十分適用可能であることが確認された。
また、反応生成ガスをGC−MS分析した結果、未反応分のトルエンのみが検出され、それ以外のVOC成分の生成は無いことが確認された。すなわち、トルエンが分解反応することで、トルエンおよびベンゼン以外の新たなVOCの生成は起こらないことが確認された。
なお、以上の結果はベンゼンの場合にはガス中の水蒸気濃度が11%以下、トルエンの場合には10%以下という条件下で得られたものであるが、これは水蒸気が存在するという条件の一例に過ぎず、本発明が適用可能な条件はこれらには限られず、水蒸気濃度が異なる範囲であってもあるいはドライガスにおいても本発明の適用が可能である。
また、本明細書における「ガス中に水蒸気が存在する条件」は、例えば化石燃料の燃焼排ガスのように元来排ガス中に水蒸気が含まれているような場合はもちろん、人為的に水蒸気を導入した場合も含まれる。したがって、例えば従来の貴金属担持触媒によるVOC処理に場合のようなドライガスに対し人為的に水蒸気を注入して水蒸気混入状態としたガスに対しても本発明を適用することが可能である。
本発明の実施例におけるベンゼン分解反応試験の結果(SVの効果)を示すグラフである。 本実施例におけるベンゼン分解反応試験の結果(反応温度の効果)を示すグラフである。 本実施例におけるVOC分解反応試験装置の構成図である。 本実施例におけるベンゼン分解反応試験の結果を示すグラフである。 本実施例における水蒸気導入試験の結果を示すグラフである。 本実施例におけるベンゼン分解反応試験の結果(SVの効果)を示すグラフである。 本実施例におけるベンゼン分解反応試験の結果(反応温度の効果)を示すグラフである。 本実施例におけるCeO2 での水蒸気の影響を示すグラフである。 本実施例におけるCeO2 での反応の影響を示すグラフである。 本実施例におけるベンゼン分解反応試験の結果(ドライガスでのSVの影響)を示すグラフである。 本実施例におけるベンゼン分解反応試験の結果(水蒸気の影響)を示すグラフである。 本実施例におけるトルエン分解反応試験の結果(水蒸気の影響)を示すグラフである。 本実施例におけるトルエン分解反応試験の結果(入口濃度の影響)を示すグラフである。 本実施例におけるトルエン分解反応試験の結果(SVの影響)を示すグラフである。 本実施例におけるトルエン分解反応試験の結果(水蒸気の影響)を示すグラフである。 本実施例におけるトルエンの分解反応後のガスをGC−MSにより定性分析した結果を示す図である。
符号の説明
1 触媒

Claims (4)

  1. 排ガス中の揮発性有機化合物の分解除去法において、触媒としてセリア(CeO2)を使うことを特徴とする揮発性有機化合物の分解除去法。
  2. 前記分解除去法を水蒸気の存在下で行うことを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物の分解除去法。
  3. 排ガス中の揮発性有機化合物を分解するために用いられ、セリア(CeO2)からなることを特徴とする揮発性有機化合物の分解除去用触媒。
  4. 前記排ガス中には水蒸気が存在することを特徴とする請求項3に記載の揮発性有機化合物の分解除去用触媒。
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