JP2006015149A - 移植可能な医療用具のための改善された磁気共鳴画像装置適合性合金 - Google Patents

移植可能な医療用具のための改善された磁気共鳴画像装置適合性合金 Download PDF

Info

Publication number
JP2006015149A
JP2006015149A JP2005190299A JP2005190299A JP2006015149A JP 2006015149 A JP2006015149 A JP 2006015149A JP 2005190299 A JP2005190299 A JP 2005190299A JP 2005190299 A JP2005190299 A JP 2005190299A JP 2006015149 A JP2006015149 A JP 2006015149A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
implantable medical
medical device
solid solution
metal structure
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005190299A
Other languages
English (en)
Inventor
Robert Burgermeister
ロバート・バーガーメイスター
Volker Niermann
ボルカー・ニールマン
Yuchen Qiu
ユーチェン・キウ
Theresa Scheuble
テレサ・スケブル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cordis Corp
Original Assignee
Cordis Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cordis Corp filed Critical Cordis Corp
Publication of JP2006015149A publication Critical patent/JP2006015149A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/02Inorganic materials
    • A61L27/04Metals or alloys
    • A61L27/045Cobalt or cobalt alloys
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L31/00Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
    • A61L31/02Inorganic materials
    • A61L31/022Metals or alloys

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

【課題】 生体適合性の固溶体合金は、移植可能なあらゆる種類の医療用具に形成することができる。
【解決手段】 該固溶体合金は、それを磁気共鳴画像装置に適合させ且つ移植可能な医療用具のために必要な特性を保持する、特定比の諸元素の組合せを有している。生体適合性の固溶体合金は、鉄、ケイ素、リン及びイオウの含有量が実質的に減少したコバルト−クロム合金である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、移植可能な医療用具を製造するか又は作成するのに用いるための合金に関し、更に詳しくは、磁気共鳴画像装置に適合する合金から製造されたか又は作成された移植可能な医療用具に関する。
経皮経管的血管形成術(PTA)は、動脈を通って流れる血液を増大させるために用いられる治療的医療処置である。この処置では、狭窄した脈管の壁要素を剪断し破壊して、拡張された内腔を得るために、該脈管又は体の通路の内部で血管形成用バルーンを拡張させる。動脈狭窄症に関連し、非圧縮性プラーク(plaque)は不変のままであり、他方、体の通路の、いっそう弾力性があり、内側板及び外膜層(medial and adventitial layers)は該プラークの周りに伸びる。この方法は、体の通路の壁層の、解離(dissection)、又は分離(splitting)及び剥離(tearing)を生じる。この場合、動脈又は体の通路の脈管内膜又は内側面は、亀裂(fissuring)を被る。この解離は、下部組織の「フラップ(flap;組織弁)」を形成する。このフラップは、内腔を通って流れる血液を減少させるか、又は該内腔を完全に閉塞させる。体の通路の内部の膨張性内腔内圧は、所定の位置で、破壊された層又はフラップを保持することがある。もし、バルーンの拡張法によって作り出された内膜性フラップが、膨張した脈管内膜に対して所定の位置に保持されない場合、該内膜性フラップは、該内腔の中に折れて該内腔を閉塞するか、又は引き離されて体の通路の中に入ることもある。該内膜性フラップが体の通路を閉塞する場合、その問題を治療するための即時の手術が必要である。
生体の血管、胆管、尿管、又は他の類似器官の移植に関する医術において、最近、経腔的人工器官が広く用いられている。これらの人工器官は通常、ステントと呼ばれ、管状構造体を保持するか、開放するか又は拡張するために用いられている。一般に用いられているステントの例は、米国特許第4,733,665号、パルマッツ(Palmaz)に記載されている。そのようなステントはしばしば、バルーン拡張可能ステントと呼ばれる。該ステントは典型的には、ステンレス鋼でできた固体管で製造される。その後、該ステントの壁に、一連の切り口(cuts)が設けられている。該ステントは、第1の小径を有している。このことは、バルーンカテーテルの上に縮みじわを付ける(crimped)ことによって、該ステントがヒト脈管構造体を通って搬出されることを可能にする。該ステントは更に、バルーンカテーテルによって、管状部材の内部から半径方向に外に向かって力が加えられた時、第2の拡張された直径を有する。
しかし、そのようなステントに関する1つの問題は、それらステントを頚動脈のような幾種類かの脈において用いるのは、しばしば非実用的であることである。頚動脈は、人体の外部から容易にアクセスすることができ、しかも、皮膚の表面に近い。患者の頚動脈の中に配置されている、ステンレス鋼等で製造されたバルーン拡張可能ステントを有している該患者は、日常の活動によって激しい損傷を被るかも知れない。患者の首に配置される十分な力によって、該ステントは崩壊し、該患者に損傷を負わせることになるかも知れない。これを防ぐため、そのような脈管で用いるための自己膨張性(self-expanding)ステントが提案されている。自己膨張性ステントは、バネのように作用し、圧搾された後、回復して、それらステントの膨張した構造又は移植された構造になる。
従来技術は、形状記憶特性及び/又は超弾性特性を有する、ニチノール(Nitinol)(Ni−Ti合金)のような合金を、患者の体内に挿入されるように設計されている医療用具、例えば自己膨張性ステントに用いることに言及している。形状記憶特性によって、それら用具を変形することが可能となり、それら用具をヒト内腔又は空洞の中に挿入することが容易となり、次いで、体内で加熱され、その結果、該用具はそれの初期形状に戻る。他方、超弾性特性によると一般的に、該金属を変形し、その変形した状態で制止させることが可能となり、金属を有する医療用具を患者の体内に挿入することが容易となり、しかも、そのような変形によって相変態(phase transformation)が生じる。一旦、ヒト内腔の内部に入れば、超弾性部材上の抑制力は除去することができ、そうすることによって、その中の歪みは減少され、その結果、該超弾性部材は、それの初期相への変態戻り(transformation back)によって、それの初期の変形されていない形状に戻ることができる。
自己膨張性ステントと、超弾性材料から形成された他の医療用具とに関する1つの問題は、それら用具は、X線透視法の下、放射線不透過性を示すことがあるということである。この問題を克服するためには、非常に放射線不透過性の材料でできた標識(markers)を該ステントに取り付けるか、又はメッキプロセス又は被覆プロセスにおいて放射線不透過性材料を用いることが一般的実務である。これらの材料には典型的には、金、白金又はタンタルが包含される。従来技術は、ボートマン(Boatman)等の米国特許第5,632,771号、イムラン(Imran)の米国特許第6,022,374号、フランツェン(Frantzen)の米国特許第5,741,327号、ラム(Lam)等への米国特許第5,725,572号、及びアンダーソン(Anderson)等への米国特許第5,800,526号に記載のこれらの標識又は方法に言及している。しかし、それら標識の寸法と、ガルバニ列(galvanic series)におけるステントの卑金属の位置に対する、ガルバニ列におけるそれら標識を形成する材料の相対位置とに起因して、ある種の克服すべき難題、即ち、異種金属接触腐食(galvanic corrosion)の難題が存在している。更に、それら標識の寸法は、ステントの全プロフィールを増大させる。加えて、典型的な標識は、該ステントの構成要素ではなく、従って、該ステントの総合性能を妨害するだけでなく、該ステントから外れることがある。
バルーン拡張性ステントと自己膨張性ステントの両方に関する問題は、磁気共鳴画像装置に対する適合性である。現在入手することのできる金属ステントは、磁気共鳴によって生じた画像にアーティファクト(artifacts)を引き起こすことが知られている。一般的に、高い透磁率を有する金属はアーティファクトを引き起こし、他方、低い透磁率を有する金属はより小さいアーティファクトを引き起こすか又はアーティファクトを全く引き起こさない。換言すれば、もし、ステント又は他の医療用具が、低透磁率を有する1種又は複数種の金属で製造されている場合、磁気共鳴画像法が適用されている間、より小さいアーティファクトが作り出され、次には、そのことによって、ステント又は他の医療用具に近接しているより多くの組織が画像化される。
磁気共鳴画像法の下に作り出されるアーティファクトは、局部的磁場の不均一性と、磁気共鳴画像装置により発生する磁場によって誘導される渦電流とによって助長される。磁場を破壊する強度は、金属製のステント又は他の医療用具の透磁率に比例する。加えて、ステント内部の信号減衰量は、金属製のステント又は他の医療用具が無線周波を遮蔽することによって引き起こされる。磁気共鳴画像装置により発生する無線周波信号は本質的に、ステント又は他の医療用具のケージ(cage)様構造体の内部に取り込まれることがある。また、該ステント内に誘導された渦電流は、該ステントの内側にいっそう小さい基準無線周波励起角度を引き起こすこともある。このことは、磁気共鳴画像装置の受信コイルによって得られる信号を減衰させることが知られている。アーティファクトに関連する信号の変化には、シグナルボイド(signal void)、又は信号の局部的増大が含まれることがあり、該信号変化は、次に、該用具の診断値を低下させる。
米国特許第4,733,665号 米国特許第5,632,771号 米国特許第6,022,374号 米国特許第5,741,327号 米国特許第5,725,572号 米国特許第5,800,526号
従って、磁気共鳴画像装置に適合することができ、しかも、ステントのような移植可能な医療用具が必要とする靭性、耐久性及び延性を保持している、ステントのような移植可能な医療用具を得るための材料を開発する必要性が存在している。
本発明は1つの面において、改善された磁気共鳴適合性の固溶体合金から形成されている移植可能な医療用具に向けられている。該固溶体合金は、クロムを約19重量%〜約21重量%の範囲で、タングステンを約14重量%〜約16重量%の範囲で、ニッケルを約9重量%〜約11重量%の範囲で、マンガンを約1重量%〜約2重量%の範囲で、炭素を約0.05重量%〜約0.15重量%の範囲で、鉄を0.3重量%を超えない量で、ケイ素を0.4重量%を超えない量で、リンを0.04重量%を超えない量で、イオウを0.03重量%を超えない量で含有し、残部がコバルトである。
本発明はもう1つの面において、改善された磁気共鳴適合性の固溶体合金から形成されている、生体適合性の負荷運搬用金属構造体に向けられている。該固溶体合金は、クロムを約19重量%〜約21重量%の範囲で、タングステンを約14重量%〜約16重量%の範囲で、ニッケルを約9重量%〜約11重量%の範囲で、マンガンを約1重量%〜約2重量%の範囲で、炭素を約0.05重量%〜約0.15重量%の範囲で、鉄を0.3重量%を超えない量で、ケイ素を0.4重量%を超えない量で、リンを0.04重量%を超えない量で、イオウを0.03重量%を超えない量で含有し、残部がコバルトである。
本発明の移植可能な医療用具を得るための生体適合性合金は、現在利用されている諸合金に比べて数多くの利点を提供する。本発明に係る生体適合性合金は、磁気共鳴画像装置に適合し、他の諸合金に比べて脆性がいっそう小さく、延性及び靭性が向上しており、しかも、耐久性が増大している。
移植可能な医療用具の磁気共鳴画像装置に対する適合性は、脈管内介入及び後処理評価のガイダンスを行うために興味を得ている。該医療用具を形成している1種又は複数種の材料の、磁気共鳴画像装置に対する適合性は、ヒト組織に関連するそれら材料の基本的な磁化率に関連する。鉄、コバルト及びニッケルを包含する多くの元素は、強磁性である。しかし、鉄は、これらの他の元素よりも数桁大きい磁化率を有している。従って、合金中の鉄含有量を減少させることによって、該合金の磁化率は実質的に減少し、そうすることによって、磁気共鳴画像は向上する。
本発明の移植可能な医療用具を得るための生体適合性合金は、例えば脈管ステント、胆管ステント、尿管ステントのような脈管開通性用具、例えば心房中隔及び心室中隔咬合器、卵円孔開存咬合器のような脈管閉塞用具、並びに、例えば固定用具のような矯正用具を包含する、あらゆる種類の医療用途のために利用することができる。加えて、該生体適合性合金は、種々の医療用具のための運搬用具を製造するのに利用することができる。例えば、該合金は、ガイドワイヤを製造するのに利用することができる。
本発明に係る生体適合性合金は、製造が単純且つ安価である。該生体適合性合金は、あらゆる種類の構造体又は用具に形成することができる。該生体適合性合金は、冷間加工及び熱処理を包含する加工熱処理によって加工して、様々な程度の強度と延性とを達成することができる。本発明に係る生体適合性合金は、時効硬化を行って、1種以上の第2の相を析出させることができる。
本発明の、前述の特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点は、諸添付図面に例示されるような本発明の好ましい諸態様に関する、次のいっそう詳しい記述から明らかになるであろう。
あらゆる種類の移植可能な医療用具を製造するのに、生体適合性固溶体合金を用いることができる。本発明による移植可能な医療用具のための生体適合性合金は、現在利用されている医用級合金より優れた多くの利点を提供する。本発明に係る生体適合性合金は、磁気共鳴画像装置に適合する。磁気共鳴画像装置は、有益な診断手段であり、従って、如何なる移植可能な医療用具も好ましくは、該医療用具及び取り囲む組織を精確に画像化し得るように、磁気共鳴画像装置に適合することが望ましい。これがとりわけ適切である、そのような1つの医療用具は、ステントである。
冠動脈ステント挿入は、現在最も広く利用されている経皮的冠動脈介入である。ステント挿入の主な利点は、バルーン血管形成単独の場合と比べたとき、再発狭窄症の発症率(restenosis-rate)が減少することである。それにもかかわらず、ステント内再発狭窄(in-stent restenosis)は、比較的一般的な臨床シナリオのままである。臨床症状がステント内再発狭窄を示唆する場合、X線による冠動脈造影法は現在、ステントの完全性(integrity)を評価するための標準と見なされている。従来のX線造影法は、潜在的重大な合併症に関する小さな危険性、ヨウ素の形態を含有する造影剤を必要とすること、及び放射線被爆を含む多くの短所を有している。従って、ステント管腔の完全性を直接評価するための非侵襲的画像方法は、好ましいであろう。磁気共鳴画像法はそのような方法を提供する。
現在、冠動脈ステントの大部分は、強磁性であるが、磁気共鳴画像は安全であると考えられている。これら用具は、磁気共鳴画像は安全であると考えられているものの、それら用具は伝統的に、臨床医によって検査されるとき、臨床的に問題とされる不正確な推定結果を有することのある画像アーティファクト(image artifacts)を引き起こす。例えば、L605[一般的商品名:ハイネス・インターナショナル社(Haynes International Corporation)からのHaynes 25]のような伝統的な生体適合性コバルト合金は、3重量%もの鉄を含有することがある。例えば鉄(それに限定されない)のような強磁性材料を含有する生体適合性金属合金は一般的に、意図されていない画像アーティファクトを引き起こす傾向のある高い透磁率を示す。更に、例えばステンレス鋼のような伝統的生体適合性の鉄基合金は、著しく高い濃度の、鉄のような強磁性材料を含有することがある。
参考のために述べると、移植可能な生体適合性用具材料として広く利用されている、例えば316L(即ち、UNS S31603)のような伝統的ステンレス鋼合金は、クロム(Cr)を約16重量%〜18重量%の範囲で、ニッケル(Ni)を約10重量%〜14重量%の範囲で、モリブデン(Mo)を約2重量%〜3重量%の範囲で、マンガン(Mn)を2重量%以下の範囲で、ケイ素(Si)を1重量%以下の範囲で含有することがあり、鉄は該組成物の残部(約65重量%)から成る。
加えて、移植可能な生体適合性用具材料としても広く利用されている、例えばL605(即ち、UNS R30605)のような伝統的コバルト基合金は、クロム(Cr)を約19重量%〜21重量%の範囲で、タングステン(W)を約14重量%〜16重量%の範囲で、ニッケル(Ni)を約9重量%〜11重量%の範囲で、鉄(Fe)を3重量%以下の範囲で、マンガン(Mn)を2重量%以下の範囲で、ケイ素(Si)を1重量%以下の範囲で含有することがあり、コバルト(Co)は該組成物の残部(約49重量%)から成る。
一般的に、例えばクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)及びモリブデン(Mo)のような、鉄基合金及び/又はコバルト基合金に添加されている単体添加物は、臨床的に問題とされる使用条件内での強度、機械加工性及び耐食性を含む、所望の性能特性を増大させるか又は付与するのに適している。
本発明に係る材料の組成は、強磁性成分を排除するどころか、磁気共鳴画像に対する適合性が改善されるようなやり方で、「磁化率」(即ち、透磁率)を変える。加えて、本発明に係る材料は、例えばケイ素(Si)のような伝統的な機械加工助剤によって引き起こされる有害作用を最小限に抑えることによって、測定可能な延性を改善するように意図されている。
伝統的なコバルト基合金L605は、非磁性のクロム−ニッケル−タングステン−コバルト合金である。該L605合金を構成している諸元素のうち、鉄、コバルト及びニッケルは、既知の強磁性金属である。これら3種の元素のうち、鉄は、最大の磁化率レベルを有する。磁化率は、該材料の物理的特性によって決定される単位なし定数である。更に詳しくは、鉄は、cgs単位系で200,000の磁化率レベルを有し、コバルトは、cgs単位系で250の磁化率レベルを有し、また、ニッケルは、cgs単位系で600の磁化率レベルを有する。これら磁化率レベルは、L605合金中の鉄は、L605合金の全磁気特性に対して最も影響力の大きい元素である場合があることを示している。L605の詳細な磁化率ははっきりしていないが、L605のための磁気性能(magnetic rating)は、常磁性と強磁性との間の範囲内であると評価される。
L605合金中の鉄含有量は、最大3重量%である。典型的な態様によると、該合金の鉄含有量は、1重量%以下のレベルまで、とりわけ0.3重量%未満のレベルまで減少させることができ、その減少分は、コバルトを増大させることによって相殺される。本明細書に開示されている鉄及びコバルトの、重量%単位での変動は、材料の機械特性に相当に重要な影響を与える訳ではない。従って、本明細書に記述されように製造方法を制御することによって、鉄含有量が著しく減少した合金を製造し、そうすることによって、該合金の全磁化率を低減することは、可能であり且つ経済的に実用的である。
今、図6aに関連し、2本のワイヤが磁場に対して実質的に垂直となるような具合に、それら2本のワイヤの磁気共鳴画像が例示されている。ワイヤ602は、標準L605(約2.29重量%の鉄含有量)から形成された直径0.005インチのワイヤである。ワイヤ604は、本発明に係る改善された合金(約0.1重量%の低鉄)から形成された直径0.005インチのワイヤである。それら2つの画像を比較することによって分かるように、本発明に係る低鉄合金からは、より明瞭な画像が生じる。図6bでは、同様のワイヤが磁場に対して実質的に平行に配置されている。標準L605から形成されているワイヤ606はぼやけており、他方、ワイヤ608は実質的に目に見えない。2組の画像に基づく結論は、本発明に係る低鉄合金は、より少ないアーティファクス(artifacts)を引き起こし、且つより良好な画像を生じるということであるかも知れない。
典型的な態様によると、移植可能な医療用具は、クロムを約19重量%〜約21重量%の範囲で、タングステンを約14重量%〜約16重量%の範囲で、ニッケルを約9重量%〜約11重量%の範囲で、マンガンを約1重量%〜約2重量%の範囲で、炭素を約0.05重量%〜約0.15重量%の範囲で、鉄を0.3重量%を超えない量で、ケイ素を0.4重量%を超えない量で、リンを0.04重量%を超えない量で、イオウを0.03重量%を超えない量で含有し、残部がコバルトである、固溶体合金から形成することができる。
この合金の伝統的配合物(即ち、L605/Haynes 25)とは対照的に、意図されている組成物は、従来の許容された微量不純物レベルを超える如何なる単体鉄(Fe)も如何なる単体ケイ素(Si)も含有しない。従って、この典型的な態様は、「磁化率」(即ち、透磁率)の著しい減少を示し、それによって、磁気共鳴画像の適合性が改善されることになる。加えて、この典型的な態様では、ケイ素(Si)が微量不純物レベルを超えて排除されていることに起因して、材料の延性と疲労強度[即ち、周期的耐久限度強度(cyclic endurance limit strength)]とが著しく改善される。
その好ましい態様は、上記に開示した必要な諸単体素材から、先ず機械的均一化(即ち、混合すること)を行い、次いで、圧縮固化(compaction)を行って未焼結状態の(即ち、前駆体の)成形品にすることによって製造することができる。必要に応じて、例えば、炭化水素基の潤滑剤及び/又は溶媒(例えば、鉱油、マシン油、灯油、イソプロパノール、及び関連アルコール)のような適切な製造助剤を使用して、完全な機械的均一化を確実にするのが望ましい。加えて、例えば、該混合物の超音波撹拌を行う工程、後続の、冷間圧縮(cold compaction)を行って不必要なあらゆる製造助剤を除去し、未焼結状態成形品内部の空間(void space)を減少させる工程のような他の諸製造工程が利用されることがある。未焼結状態成形品が確実に不必要なまでに汚染されないように、前処理及び/又は装置の構造体(例えば、混合容器材料、運搬容器、等)由来の、製造装置の内部又は表面上のあらゆる不純物を確実に十分に減少させることが好ましい。このことは、界面活性剤ベース洗浄剤を用いて、弱く付着している汚染物質を除去することによって、諸構成要素元素を添加する前、混合容器を十分に洗浄することによって達成することができる。
所望の組成のインゴットの中に未焼結状態成形品を初期溶融させる工程は、初期成形品が、耐火るつぼ内部の主要構成要素の融点を超える温度まで誘導加熱され、次いで、真空環境内(例えば、典型的には10-4mmHg以下)の第2の鋳型の中に注ぎ込まれる真空誘導溶解法(VIM)によって達成される。この真空処理によって、大気汚染は確実に著しく最小限に抑えられる。溶融池(molten pool)が固化する時、インゴットバー(ingot bar)は、典型的には、自然状態でセラミック(例えば、炭化物、酸化物又は窒化物)である第2の相の不純物の限定可能な域値(threshold)を有する、実質的に単一の(即ち、組成が均質な)相である。これらの不純物は典型的には、前駆体の単体素材から受け継がれている。
第2の相の不純物の濃度を、従来許容された微量不純物レベル(即ち、1,500ppm未満)まで更に減少させるために、真空アーク縮小化(vacuum arc reduction)(VAR)と呼ばれる第2の溶融法を利用する。大気汚染を確実に最小限に抑えるこの実務を実質的に具体化するインゴット配合の当業者は、他の諸方法を提供し得るであろう。加えて、インゴット形態の固溶体合金を更に均質化するため、初期の真空アーク縮小化工程の後、真空アーク縮小化処理を繰り返すことができる。均質化された合金は、例えば、インゴット・ピーリング(ingot peeling)工程、研削(grinding)工程、切削(cutting)工程、鍛造工程、成形工程、熱間圧延工程及び/又は冷間仕上げ処理工程のような(但し、それらに限定されない)工業的に容認されている様々な方法によって、初期インゴットの形状から製品寸法及び形状に更に縮小されて、所望の素材成形品まで更に縮小されることのある棒材が製造される。
この典型的な態様では、介入用具(interventional devices)のために適切な所望の小径薄壁管を最終的に製造する加工熱処理(thermomechanical processing)を始めるのに必要な、初期素材製品の成形品は、所定の長さの、あまり大きくないサイズの丸棒(例えば、直径1インチの丸棒材)である。初期丸棒材を遥かに小さい管状形に縮小するのを容易にするために、製品の全長に渡る丸棒材の中に、初期クリアランスホール(clearance hole;切りくず穴)を配置しなければならない。これら管穴(tube hollows)(即ち、複数の肉厚管)は、該棒材の「ガン・ドリリング(gun-drilling)」(即ち、高い[深さ]対[直径]比のドリリング)を行うことによって作り出すことができる。丸棒材から複数の管穴を作り出す、工業的に適切な他の諸方法は、管製造の当業者によって利用することができる。
例えば、圧縮外径(OD)の、精密に形成された(即ち、切断された)、円周が仕上げられている(complete)ダイスヤモンド・ダイスによる引抜き加工(drawing)のような連続的機械的冷間仕上げ作業であって、例えば、硬質マンドレル[即ち、棒引き抜き(rod draw)とも呼ばれる比較的長い移動式内径マンドレル]、フローティング・プラグ(floating-plug)[即ち、外径圧縮ダイスの領域内部で「浮く(floats)」比較的短い内径マンドレル]、及び、固定プラグ(fixed plug)[即ち、外径マンドレルは、比較的短い加工部材が加工される引き抜き装置に「固定」される]による引抜き加工のような、内部が支持される(即ち、内径、ID)諸方法(但し、必ずしも従来のこれら成形方法に限定されない)のいずれかを使用する、連続的機械的冷間仕上げ作業を用いることができる。これらの加工工程は、初期管穴の外径(OD)と対応する壁厚とを、最終製品の所望の寸法まで縮小するように意図されている。
必要の場合、内部支持を行わないで(即ち、内径マンドレルを用いないで)、圧縮ダイスによる加工部材の引抜き加工を行うことによって、空引き法(tube sinking)[即ち、実質的に管壁の縮小を引き起こすことなく、加工部材の外径を縮小する方法]を実行する。従来、空引き法は典型的には、所望の最終製品に帰する所望の寸法を達成するための、最終の又はほぼ最終の機械的処理工程として利用されている。
とりわけ重要という訳ではないが、特定組成の配合が、初期の素材形状から最終製品の所望の寸法まで単純な縮小化に耐えるならば、プロセス中(in-process)熱処理は必要でない。意図されている機械特性を達成する必要がある場合、最終熱処理工程を利用する。
一般的には、本発明によるあらゆる金属合金は、初期の素材形状から最終製品の所望の寸法を達成するために、インクレメンタルディメンションの縮小化(incremental dimensional reductions)を必要とする。この加工処理の制約は、構造破損(例えば、ひずみにより誘発される破損、亀裂、広範囲に渡る空隙形成、等)を生じることなく、1つの加工処理工程当りの誘発された機械的損傷の制限度合(finite degree)に耐える該素材の能力に基づく。
前述の諸冷間仕上げ工程(即ち、冷間加工)のいずれかを行う間に誘発された機械的損傷を補償するため、周期的な熱的加熱処理を利用して応力を除去し(即ち、冷間加工のようなプロセスの結果である有害な内部残留応力を最小限に抑え)、そうすることによって、後続の縮小化を行なう前、加工部材の加工性(即ち、測定可能な破損を引き起こすことなく、追加の機械的損傷に耐える能力)を増大させる。これらの熱処理は典型的には、例えば、不活性ガス炉(例えば、窒素、アルゴン、等)、酸素希薄な水素炉、従来の真空炉のような比較的不活性な環境の中で、一般的でない作業条件、大気圧空気の下で行われるが、必ずしもそれらに限定される訳ではない。真空炉が利用される場合、典型的にはmmHg又はトルの単位(ここに、1mmHgは1単位トルに等しい)で測定される真空(即ち、減圧)レベルは、加熱処理を行う間、過度で劣化を引き起こす高温酸化プロセスが、確実に機能的に作用しないようにするのに十分であるものとする。このプロセスは通常、10-4mmHg(0.0001トル)又はそれ以下(即ち、それより低い大きさ)の真空条件の下で達成することができる。
応力除去焼きなましのための熱処理温度は典型的には、大きさが十分に熱処理装置の等温領域(isothermal region)内にある、一般的な融点の82%〜86%の間(即ち、工業的に容認されている液相線温度、0.82〜0.86の同相温度)で一定に保持される。熱処理を受けている加工部材は、該加工部材が確実に熱平衡状態に達してしまうのに十分な限定された時間の間、応力除去焼きなまし及び/又は中間焼きなましの適切な反応速度論(即ち、時間依存性の材料プロセス)が十分に完成されるのを確保するのに十分な時間が経過するという理由で等温過程領域(isothermal processing region)内に保持される。該加工部材が該過程内に保持される、限定された時間の量は、該加工部材をプロセス室に運搬し、次いで、熱処理が完了した時、その作業を排除することから成る方法によって決まる。このプロセスは典型的には、従来のコンベヤベルト装置又は他の適切な機械的補助装置を使用することによって達成されるが、これらに限定される訳ではない。前者の場合、等温領域内で必要な、コンベヤベルト速度及び適切な限定された滞在時間は、該プロセスを意図された通りに確実に完了するのに十分な時間と温度とが確実に利用されるように制御される。
最終製品の所望の機械特性を得る必要がある場合、0.82〜0.86の同相温度の典型的な範囲内でない熱処理温度及び対応する限定された加工処理時間を意図的に利用することができる。必要に応じて、様々な時効硬化処理(即ち、加工処理されている金属合金の化学組成の全体的変化において変化を引き起こさない、通常の融点と比べて中程度の高温で、特性の変化を生じさせるプロセス)の工程を、0.82〜0.86の同相温度よりも実質的に低い温度で、先に記述した処理工程と一致したやり方で、実施することができる。本発明に係るCo基合金のためのこれら加工処理温度は、約0.29の同相温度と前述の応力除去焼きなましの温度範囲との間で変わることがある。熱処理を受けている加工部材は、加工処理装置から移される前、該加工部材が確実に熱平衡状態に到達してしまうのに十分である限定された時間の間、時効硬化の適切な反応速度論(即ち、時間依存性の材料プロセス)が確実に十分に完成されるのに十分な時間が経過するように等温過程領域内に保持される。
本発明に係るCo基合金に関し、場合によっては、時効硬化のための熱処理によって、炭化物、窒化物及び/又は酸化物のような第2の相のセラミック化合物の形成が誘発されるか又は促進される。これら第2の相の化合物は典型的には、本発明に係るCo基合金に関し、各々の粒子[即ち、結晶学的存在物(crystallographic entity)]を含有し且つ完全な多結晶合金を構成している構造的結晶平面の、熱力学的に有利な領域に沿って析出する諸炭化物であるが、それら炭化物に限定される訳ではない。これら第2の相の炭化物は、粒界に沿って存在するだけでなく、各々の粒状組織の内部[即ち、粒子内(intragranular)]にも存在することがある。本発明に係るCo基合金のための大抵の環境の下で化学量論的に存在すると予想される、主な第2の相の炭化物は、M6C[式中、Mは典型的には、コバルト(Co)である]である。金属間M6C相は、存在する場合、典型的には、本発明に係る多結晶合金の内部に各々の粒子を含有している構造的結晶平面の、熱力学的に有利な領域に沿って、粒子内に存在するものと予想される。実質的に共通している訳ではないが、単結晶(即ち、単粒子)合金に対しての、同等の材料現象が存在することがある。
加えて、時効硬化のための熱処理の結果として、もう1つの目立った第2の相の炭化物が誘発されるか又は促進されることもある。この相は、存在する場合、化学量論的にM236[式中、Mは、典型的にはクロム(Cr)であるが、とりわけCo基合金ではコバルト(Co)であることが観察される]であると予想される。金属間M236相は典型的には、本発明に係る多結晶合金の内部の粒界(即ち、粒子境界)に沿って存在すると予想される。金属間M6C相について既に解説したように、実質的に共通していないとしても、単結晶(即ち、単粒子)合金に対しての、金属間M236相の同等存在(equivalent presence)が存在することがある。
粒子間M236相の場合、この第2の相は一般に、構造的及び組成的に合金マトリックスと適合して結晶粒界及び該マトリックスの固有強度が十分にバランスが取れるという程度まで該結晶粒界を強化するような方法で形成されるとき、最も重要であると考えられる。材料強度のこの均衡レベルをミクロ構造レベルで生じさせることによって、最終管状製品の総合的な機械特性を所望のレベルまで更に最適化することができる。
応力除去焼きなまし及び時効硬化に関連する熱処理工程の他に、加工部材の溶体化(solutionizing)[即ち、1種以上の合金成分が固溶体−「特異相(singular phase)」の一部となるように熱力学的に強いるのに十分に高い温度及びいっそう長い加工処理時間であって、完全焼きなまし(full annealing)とも呼ばれるもの]を利用することができる。本発明に係るCo基合金のための典型的な溶体化温度は、約0.88から0.90までの同相温度の間で変わることがある。熱処理が施されている加工部材は、加工処理装置から移される前、該加工部材が確実に熱平衡状態に到達してしまうのに十分である限定された時間の間、溶体化の適切な反応速度論(即ち、時間依存性の材料プロセス)が十分に確実に完成されるのに十分な時間が経過するように等温過程領域内に保持される。
機械的な冷間仕上げ操作、応力除去焼きなまし、時効硬化及び溶体化を含むことのある(但し、必ずしも含まない)諸加工熱処理工程の、連続的且つ選択的に順序良く配置された組合せは、明確なはっきり認識することのできる微細構造特性の結果として、広範囲に渡る測定可能な機械特性を誘発し且つ提供することができる。この材料現象は、図1に記述することができる。図1は、本発明による、降伏強さ及び(伸び百分率の単位で与えられる)延性のような測定可能な機械特性に及ぼす、冷間加工のような加工熱処理(TMP)及びプロセス中熱処理の影響を表わすチャートを示す。この例において、加工熱処理(TMP)グループ1〜5に、冷間仕上げ、応力除去焼きなまし、及び時効硬化の様々な組合せを行なったが、必ずしも示されている順序で行った訳ではない。通常、各々の加工熱処理グループに適用された、主な等温時効硬化熱処理は、グループ1では約0.74〜0.78の同相温度の間、グループ2では約0.76〜0.80の同相温度の間、グループ3では約0.78〜0.82の同相温度の間、グループ4では約0.80〜0.84の同相温度の間、及びグループ5では約0.82〜0.84の同相温度の間で変化した。熱処理が施されている各々の加工部材は、該加工部材が確実に熱平衡状態に到達してしまうのに十分である限定された時間の間、時効硬化の反応速度論が十分に確実に完成されるのに十分な時間が経過するように等温過程領域内に保持された。
更にそのようにして、本発明に係るCo基合金の周期的耐疲労性に及ぼす加工熱処理(TMP)の影響を、図2に示す。図2に係る実験は、先に解説した加工熱処理グループ2及びグループ4を得るための加工熱処理の関数としての疲れ強さ(即ち、耐久限界)に及ぼす影響を示している。この特定の例において利用された、この図からの加工熱処理グループ2は、加工熱処理グループ4に比べて、疲れ強さ(即ち、耐久限界、それ未満では材料が無限数の応力サイクルに恐らく耐え得る最大応力)が著しく増大していることを示している。
上述の合金は、移植可能なあらゆる種類の医療用具に利用することができる。該合金はとりわけ、磁気共鳴画像装置が、例えばステント内再狭窄(in-stent restenisis)を確認する、有用な診断手段である状況において好都合である。従って、該合金は移植可能なあらゆる医療用具に利用することができるが、該合金で構成される典型的なステントを以下に記述する。
図3は、本発明に係る合金を利用して作成することのできるステントの典型的な態様の平面配置図である。ステント10は、ステント10の各々の端部に配置されている、ストラット部材(strut members)の端部セット12と、可撓性「M」形リンク16のセットによって互いに連結されている、ストラット部材の中央部セット14とを備えている。ストラット部材の端部セット12はそれぞれ、閉鎖された円周方向構造体を形成するために一緒に連結されている斜めセクション20と交互曲がりセクション(alternating curved sections)18とを備えている。ストラット部材の端部セット12の間に縦方向に配置されているストラット部材の中央部セット14は、閉鎖された円周方向輪状構造体を形成するために一緒に連結されている斜めセクション24と曲がりセクション22とを備えている。
図4に関連し、ステント10の可撓性「M」形リンク16の拡大を例示する。各々の「M」形リンク16は、円周方向の長さ(即ち、線11の上方の長さ「L’」及び線11の下方の長さ「L”」)を有している。線11は、「M」形リンク16が、隣接する曲がりセクション(18又は22)に取り付けられている取り付け地点13の間に引かれている。そのようなバランスの取れた設計は、可撓性リンク16が動脈又は他の脈管の内腔の中に広がるあらゆる可能性を減少させることが好ましい。
図3に例示されるように、ストラット部材の端部セット12の斜めセクション20は長さが、ストラット部材の中央部セット14の斜めセクション24よりも短い。ヒトの脈管の中への到達可能性(deliverability)を改善するために、より短い斜めセクション20は、ステント10の端部における金属の縦方向長さを縮小することが好ましい。ステント10において、斜めセクション(20及び24)の幅は、互いに異なっている。
図5に関連し、ストラット部材の端部セット12とストラット部材の中央部セット14とを備えているステントセクションの拡大図を例示する。例示されるように、ストラット部材の中央部セットの斜めセクション24は、それの中央での幅(Tc)と、それの端での幅(Te)(式中、TcはTeより大きい)とを有している。この形状(configuration;相対的配置)は、ステントを拡張するのに密接に関係する主要なステント要素である曲がりセクション22の設計に悪影響を与えることなく、放射線不透過性(radiopacity)が増大することを考慮に入れてある。典型的な態様において、それら曲がりセクション(22及び18)22は、先細になっていることがあり、また、後で詳細に説明されるように、互いに均一な幅を有することがある。ストラット部材の端部セット12の斜めセクション20もまた、先細形状(tapered shape)を有する。斜めセクション20は、中央の幅(Tc−end)と、端での幅(Te−end)(式中、Tc−endはTe−endより大きい)とを有する。ストラット部材の端部セット12がステント10の最も放射線不透過性の部分であることが好ましいので、ストラット部材の端部セット12の斜めセクション20の中央の幅(Tc−end)は、斜めセクション24の幅(Tc)よりも広い。通常、より幅の広い金属片は、いっそう放射線不透過性である。従って、ステント10は、ストラット部材のセットの斜めセクションを連結している、単一曲がりを有する曲がりセクションと、ストラット部材の円周方向セットの曲がりセクションを連結している可撓性連結リンクとを備えている。
曲がりセクション(22及び18)の幅は、湾曲部の中央から、それらの各々の斜めセクション(24及び20)の最小幅に実質的に等しい所定の最小幅まで、進むにつれて先細になっている。このテーパーを達成するため、曲がりセクション(22及び18)の内側弧部は、外側弧部の中央から長手方向に置き換えられている中心部を有している。曲がりセクション(22及び18)のためのこのテーパー形状は、金属の歪みを著しく減少させ、しかも、均一なストラット幅を有するストラット部材のセットを備えているステントに比べて、拡張されたステントの半径方向の強度に影響をほとんど及ぼさない。
本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)改善された磁気共鳴適合性の固溶体合金から形成されている移植可能な医療用具であって、該固溶体合金が、クロムを約19重量%〜約21重量%の範囲で、タングステンを約14重量%〜約16重量%の範囲で、ニッケルを約9重量%〜約11重量%の範囲で、マンガンを約1重量%〜約2重量%の範囲で、炭素を約0.05重量%〜約0.15重量%の範囲で、鉄を0.3重量%を超えない量で、ケイ素を0.4重量%を超えない量で、リンを0.04重量%を超えない量で、イオウを0.03重量%を超えない量で含有し、残部がコバルトである、移植可能な医療用具。
(2)前記固溶体合金は、完全に冷間加工された状態で比較的高い強度と低い延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、実施態様1記載の移植可能な医療用具。
(3)前記固溶体合金は、部分的に冷間加工された状態で比較的中程度の強度と中程度の延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、実施態様1記載の移植可能な医療用具。
(4)前記固溶体合金は更に、実質的に単一の相構造体から、粒子内相及び粒子間相の少なくとも一方を含有する1種以上の第2の相が析出するように、アニール温度よりも低い温度でガス環境内で所定時間の間、時効硬化を行うことによって製造されている、実施態様3記載の移植可能な医療用具。
(5)前記時効硬化の温度は、約750°F〜約2150°Fの範囲である、実施態様4記載の移植可能な医療用具。
(6)前記時効硬化のガス環境は、水素、窒素、アルゴン及び空気を含有している、実施態様4記載の移植可能な医療用具。
(7)前記固溶体合金は更に、靭性及び延性が増大するように、実質的に単一の相を保持しながら、アニール温度よりも低い温度でガス環境内で所定時間の間、応力除去焼きなましを行うことによって製造されている、実施態様3記載の移植可能な医療用具。
(8)前記応力除去焼きなましの温度は、前記アニール温度よりも約100°F以下低い、実施態様7記載の移植可能な医療用具。
(9)前記応力除去焼きなましのガス環境は、水素、窒素、アルゴン及び空気を含有している、実施態様7記載の移植可能な医療用具。
(10)前記固溶体合金は、完全に焼きなましされた状態で比較的低い強度と高い延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、実施態様1記載の移植可能な医療用具。
(11)ステントを含む、実施態様1記載の移植可能な医療用具。
(12)血管ステントを含む、実施態様1記載の移植可能な医療用具。
(13)前記固溶体合金は更に、靭性及び延性が増大するように、実質的に単一の相を保持しながら、アニール温度よりも低い温度で真空環境で所定時間の間、応力除去焼きなましを行うことによって製造されている、実施態様3記載の移植可能な医療用具。
(14)前記応力除去焼きなましの温度は、前記アニール温度よりも約100°F以下低い、実施態様13記載の移植可能な医療用具。
(15)改善された磁気共鳴適合性の固溶体合金から形成されている、生体適合性の負荷運搬用金属構造体であって、該固溶体合金が、クロムを約19重量%〜約21重量%の範囲で、タングステンを約14重量%〜約16重量%の範囲で、ニッケルを約9重量%〜約11重量%の範囲で、マンガンを約1重量%〜約2重量%の範囲で、炭素を約0.05重量%〜約0.15重量%の範囲で、鉄を0.3重量%を超えない量で、ケイ素を0.4重量%を超えない量で、リンを0.04重量%を超えない量で、イオウを0.03重量%を超えない量で含有し、残部がコバルトである、生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(16)前記固溶体合金は、完全に冷間加工された状態で比較的高い強度と低い延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、実施態様15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(17)前記固溶体合金は、部分的に冷間加工された状態で比較的中程度の強度と中程度の延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、実施態様15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(18)前記固溶体合金は更に、実質的に単一の相構造体から、粒子内相及び粒子間相の少なくとも一方を含有する1種以上の第2の相が析出するように、アニール温度よりも低い温度でガス環境内で所定時間の間、時効硬化を行うことによって製造されている、実施態様15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(19)前記時効硬化の温度は、約750°F〜約2150°Fの範囲である、実施態様18記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(20)前記時効硬化のガス環境は、水素、窒素、アルゴン及び空気を含有している、実施態様18記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(21)前記固溶体合金は更に、靭性及び延性が増大するように、実質的に単一の相を保持しながら、アニール温度よりも低い温度でガス環境内で所定時間の間、応力除去焼きなましを行うことによって製造されている、実施態様17記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(22)前記応力除去焼きなましの温度は、前記アニール温度よりも約100°F以下低い、実施態様21記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(23)前記応力除去焼きなましのガス環境は、水素、窒素、アルゴン及び空気を含有している、実施態様21記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(24)前記固溶体合金は、完全に焼きなましされた状態で比較的低い強度と高い延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、実施態様15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(25)固定用具を含む、実施態様15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(26)人工関節インプラントを含む、実施態様15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(27)前記固溶体合金は更に、靭性及び延性が増大するように、実質的に単一の相を保持しながら、アニール温度よりも低い温度で真空環境で所定時間の間、応力除去焼きなましを行うことによって製造されている、実施態様17記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
(28)前記応力除去焼きなましの温度は、前記アニール温度よりも約100°F以下低い、実施態様27記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
この軽減歪みの設計は、幾つかの利点を有する。先ず、それによって、均一なストラット幅を有するステントに比べて遥かに大きい使用可能な範囲の半径方向の伸張を有するように、典型的な設計を行うことができる。第2に、それによって、湾曲部の中心部における幅を増大させることが可能となり、それによって、金属の歪みを大きく増大させることなく、半径方向の強度が増大する(即ち、より強度の強いステントを製造することが可能となる)。最後に、該テーパーによってステント内の金属の量が減少し、それによって、ステントの凝塊形成性(thrombogenicity)は改善されるであろう。
ストラット部材の端部セット12の曲がりセクション18とストラット部材の中央部セット14の曲がりセクション22とは、同様の幅を有している。この設計の結果として、より短い斜めセクション20を有しているストラット部材の端部セット12は、ストラット部材の中央部セット14によって受ける歪みレベルよりも大きい歪みレベルで、最大許容直径に到達する。
ステントが記述されているが、前記合金は、移植可能なあらゆる種類の医療用具のために利用することができることに注目することが重要である。
最も実際的で且つ好ましい諸態様であると思われるものが、図示され記述されているものの、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することのない、記述され図示されている特定の諸設計及び諸方法から逸脱はそれら自体、当業者によって提案され且つ使用されることがある。本発明は、記述され例示された特定の構造に限定されるのではなく、特許請求の範囲に入る全ての部分修正を包含するように構成されているものとする。
本発明に係るコバルト−クロム合金を得るための加工熱処理の関数として、重要な機械特性の変化をグラフ表示したものである。 本発明に係るコバルト−クロム合金を得るための加工熱処理の関数として、耐久限界チャートをグラフ表示したものである。 本発明による、生体適合性合金から作成された典型的なステントの平面配置の略図である。 本発明による図3の典型的なステントの「M」形リンクの拡大図である。 本発明による図3の典型的なステントの部分拡大図である。 磁場における、本発明に係る異なる合金を含有するワイヤの磁気共鳴画像である。
符号の説明
10 ステント
11 線
12 ストラット部材の端部セット
13 取り付け地点
14 ストラット部材の中央部セット
16 M形リンク
18 曲がりセクション
20 斜めセクション
22 曲がりセクション
24 斜めセクション
602 ワイヤ
604 ワイヤ
606 ワイヤ
608 ワイヤ
c 斜めセクション24の中央での幅
e 斜めセクション24の端での幅
c−end 斜めセクション20の中央での幅
e−end 斜めセクション20の端での幅
L’ 線11の上方の長さ
L” 線11の下方の長さ

Claims (28)

  1. 改善された磁気共鳴適合性の固溶体合金から形成されている移植可能な医療用具であって、該固溶体合金が、クロムを約19重量%〜約21重量%の範囲で、タングステンを約14重量%〜約16重量%の範囲で、ニッケルを約9重量%〜約11重量%の範囲で、マンガンを約1重量%〜約2重量%の範囲で、炭素を約0.05重量%〜約0.15重量%の範囲で、鉄を0.3重量%を超えない量で、ケイ素を0.4重量%を超えない量で、リンを0.04重量%を超えない量で、イオウを0.03重量%を超えない量で含有し、残部がコバルトである、移植可能な医療用具。
  2. 前記固溶体合金は、完全に冷間加工された状態で比較的高い強度と低い延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、請求項1記載の移植可能な医療用具。
  3. 前記固溶体合金は、部分的に冷間加工された状態で比較的中程度の強度と中程度の延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、請求項1記載の移植可能な医療用具。
  4. 前記固溶体合金は更に、実質的に単一の相構造体から、粒子内相及び粒子間相の少なくとも一方を含有する1種以上の第2の相が析出するように、アニール温度よりも低い温度でガス環境内で所定時間の間、時効硬化を行うことによって製造されている、請求項3記載の移植可能な医療用具。
  5. 前記時効硬化の温度は、約750°F〜約2150°Fの範囲である、請求項4記載の移植可能な医療用具。
  6. 前記時効硬化のガス環境は、水素、窒素、アルゴン及び空気を含有している、請求項4記載の移植可能な医療用具。
  7. 前記固溶体合金は更に、靭性及び延性が増大するように、実質的に単一の相を保持しながら、アニール温度よりも低い温度でガス環境内で所定時間の間、応力除去焼きなましを行うことによって製造されている、請求項3記載の移植可能な医療用具。
  8. 前記応力除去焼きなましの温度は、前記アニール温度よりも約100°F以下低い、請求項7記載の移植可能な医療用具。
  9. 前記応力除去焼きなましのガス環境は、水素、窒素、アルゴン及び空気を含有している、請求項7記載の移植可能な医療用具。
  10. 前記固溶体合金は、完全に焼きなましされた状態で比較的低い強度と高い延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、請求項1記載の移植可能な医療用具。
  11. ステントを含む、請求項1記載の移植可能な医療用具。
  12. 血管ステントを含む、請求項1記載の移植可能な医療用具。
  13. 前記固溶体合金は更に、靭性及び延性が増大するように、実質的に単一の相を保持しながら、アニール温度よりも低い温度で真空環境で所定時間の間、応力除去焼きなましを行うことによって製造されている、請求項3記載の移植可能な医療用具。
  14. 前記応力除去焼きなましの温度は、前記アニール温度よりも約100°F以下低い、請求項13記載の移植可能な医療用具。
  15. 改善された磁気共鳴適合性の固溶体合金から形成されている、生体適合性の負荷運搬用金属構造体であって、該固溶体合金が、クロムを約19重量%〜約21重量%の範囲で、タングステンを約14重量%〜約16重量%の範囲で、ニッケルを約9重量%〜約11重量%の範囲で、マンガンを約1重量%〜約2重量%の範囲で、炭素を約0.05重量%〜約0.15重量%の範囲で、鉄を0.3重量%を超えない量で、ケイ素を0.4重量%を超えない量で、リンを0.04重量%を超えない量で、イオウを0.03重量%を超えない量で含有し、残部がコバルトである、生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  16. 前記固溶体合金は、完全に冷間加工された状態で比較的高い強度と低い延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、請求項15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  17. 前記固溶体合金は、部分的に冷間加工された状態で比較的中程度の強度と中程度の延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、請求項15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  18. 前記固溶体合金は更に、実質的に単一の相構造体から、粒子内相及び粒子間相の少なくとも一方を含有する1種以上の第2の相が析出するように、アニール温度よりも低い温度でガス環境内で所定時間の間、時効硬化を行うことによって製造されている、請求項15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  19. 前記時効硬化の温度は、約750°F〜約2150°Fの範囲である、請求項18記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  20. 前記時効硬化のガス環境は、水素、窒素、アルゴン及び空気を含有している、請求項18記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  21. 前記固溶体合金は更に、靭性及び延性が増大するように、実質的に単一の相を保持しながら、アニール温度よりも低い温度でガス環境内で所定時間の間、応力除去焼きなましを行うことによって製造されている、請求項17記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  22. 前記応力除去焼きなましの温度は、前記アニール温度よりも約100°F以下低い、請求項21記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  23. 前記応力除去焼きなましのガス環境は、水素、窒素、アルゴン及び空気を含有している、請求項21記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  24. 前記固溶体合金は、完全に焼きなましされた状態で比較的低い強度と高い延性特性とを示すように、加工熱処理によって製造されている、請求項15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  25. 固定用具を含む、請求項15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  26. 人工関節インプラントを含む、請求項15記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  27. 前記固溶体合金は更に、靭性及び延性が増大するように、実質的に単一の相を保持しながら、アニール温度よりも低い温度で真空環境で所定時間の間、応力除去焼きなましを行うことによって製造されている、請求項17記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
  28. 前記応力除去焼きなましの温度は、前記アニール温度よりも約100°F以下低い、請求項27記載の生体適合性の負荷運搬用金属構造体。
JP2005190299A 2004-06-30 2005-06-29 移植可能な医療用具のための改善された磁気共鳴画像装置適合性合金 Pending JP2006015149A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/881,424 US7794493B2 (en) 2004-06-30 2004-06-30 Magnetic resonance imaging compatibility alloy for implantable medical devices

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006015149A true JP2006015149A (ja) 2006-01-19

Family

ID=35219680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005190299A Pending JP2006015149A (ja) 2004-06-30 2005-06-29 移植可能な医療用具のための改善された磁気共鳴画像装置適合性合金

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7794493B2 (ja)
EP (1) EP1614435A1 (ja)
JP (1) JP2006015149A (ja)
CA (1) CA2511149C (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3025685B1 (en) 2007-10-19 2019-07-17 CeloNova Biosciences, Inc. Implantable and lumen-supporting stents
US8382840B2 (en) * 2009-09-03 2013-02-26 Zimmer Spine, Inc. Spinal implant delivery methods and devices
US10849769B2 (en) * 2017-08-23 2020-12-01 Vesper Medical, Inc. Non-foreshortening stent
CN109984864B (zh) * 2017-12-29 2020-07-17 先健科技(深圳)有限公司 用于分支血管的支架

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH059682A (ja) * 1991-07-05 1993-01-19 Toyota Motor Corp アルミニウム粉末合金部材の熱処理方法
JPH06330101A (ja) * 1993-05-26 1994-11-29 Sumitomo Electric Ind Ltd Cu−Cr系複合材料の製造方法
JPH09506025A (ja) * 1994-05-09 1997-06-17 シュナイダー・(ユーエスエイ)・インコーポレーテッド クラッド複合ステント
JPH1043314A (ja) * 1996-04-30 1998-02-17 Schneider Usa Inc コバルト−クロム−モリブデン合金のステントおよびステント−グラフト
JPH10204565A (ja) * 1996-12-30 1998-08-04 Keum Kang Co Ltd コバルトの基礎耐熱合金
JPH11319070A (ja) * 1998-03-30 1999-11-24 Cordis Corp 内部人工装具
JP2001003126A (ja) * 1999-04-23 2001-01-09 Terumo Corp Ti−Zr系合金からなる医療器具
JP2001512529A (ja) * 1997-02-06 2001-08-21 バクームシュメルツェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ニッケル不含のオーステナイト系コバルトベース合金
JP2001526575A (ja) * 1997-05-27 2001-12-18 メディコープ・アール・アンド・ディー・ベネルクス・ソシエテ・アノニム 自己拡張体内補てつ物
JP2002102358A (ja) * 2000-09-22 2002-04-09 Cordis Corp 最適強度と放射線不透過性をもつステント
JP2002540294A (ja) * 1999-03-31 2002-11-26 アメリカン スーパーコンダクター コーポレイション 合金材料
JP2003527931A (ja) * 2000-03-24 2003-09-24 アドバンスド、カーディオバスキュラー、システムズ、インコーポレーテッド 放射線不透過性の管腔内ステント

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4733665C2 (en) * 1985-11-07 2002-01-29 Expandable Grafts Partnership Expandable intraluminal graft and method and apparatus for implanting an expandable intraluminal graft
US5044368A (en) * 1990-04-23 1991-09-03 Ad-Tech Medical Instrument Corporation Diagnostic electrode for use with magnetic resonance imaging
JPH08507243A (ja) * 1993-07-23 1996-08-06 クック インコーポレイティッド シート材料から形成されたパターンを有するフレキシブルなステント
JP2825452B2 (ja) * 1994-04-25 1998-11-18 アドヴァンスド カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレーテッド ラジオパク・ステント・マーカ
CA2171896C (en) * 1995-03-17 2007-05-15 Scott C. Anderson Multi-anchor stent
US5733326A (en) * 1996-05-28 1998-03-31 Cordis Corporation Composite material endoprosthesis
US5741327A (en) * 1997-05-06 1998-04-21 Global Therapeutics, Inc. Surgical stent featuring radiopaque markers
US6022374A (en) * 1997-12-16 2000-02-08 Cardiovasc, Inc. Expandable stent having radiopaque marker and method
US6620192B1 (en) * 1999-03-16 2003-09-16 Advanced Cardiovascular Systems, Inc. Multilayer stent
US20050273156A1 (en) * 2004-06-07 2005-12-08 Rober Burgermeister Biocompatible alloy for implantable medical devices
US20050277937A1 (en) 2004-06-10 2005-12-15 Leung Takkwong R Bone plating system

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH059682A (ja) * 1991-07-05 1993-01-19 Toyota Motor Corp アルミニウム粉末合金部材の熱処理方法
JPH06330101A (ja) * 1993-05-26 1994-11-29 Sumitomo Electric Ind Ltd Cu−Cr系複合材料の製造方法
JPH09506025A (ja) * 1994-05-09 1997-06-17 シュナイダー・(ユーエスエイ)・インコーポレーテッド クラッド複合ステント
JPH1043314A (ja) * 1996-04-30 1998-02-17 Schneider Usa Inc コバルト−クロム−モリブデン合金のステントおよびステント−グラフト
JPH10204565A (ja) * 1996-12-30 1998-08-04 Keum Kang Co Ltd コバルトの基礎耐熱合金
JP2001512529A (ja) * 1997-02-06 2001-08-21 バクームシュメルツェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ニッケル不含のオーステナイト系コバルトベース合金
JP2001526575A (ja) * 1997-05-27 2001-12-18 メディコープ・アール・アンド・ディー・ベネルクス・ソシエテ・アノニム 自己拡張体内補てつ物
JPH11319070A (ja) * 1998-03-30 1999-11-24 Cordis Corp 内部人工装具
JP2002540294A (ja) * 1999-03-31 2002-11-26 アメリカン スーパーコンダクター コーポレイション 合金材料
JP2001003126A (ja) * 1999-04-23 2001-01-09 Terumo Corp Ti−Zr系合金からなる医療器具
JP2003527931A (ja) * 2000-03-24 2003-09-24 アドバンスド、カーディオバスキュラー、システムズ、インコーポレーテッド 放射線不透過性の管腔内ステント
JP2002102358A (ja) * 2000-09-22 2002-04-09 Cordis Corp 最適強度と放射線不透過性をもつステント

Also Published As

Publication number Publication date
US7794493B2 (en) 2010-09-14
EP1614435A1 (en) 2006-01-11
CA2511149C (en) 2011-04-12
CA2511149A1 (en) 2005-12-30
US20060004435A1 (en) 2006-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1604691B1 (en) Biocompatible alloy for implantable medical devices
US7780798B2 (en) Medical devices including hardened alloys
US20060020325A1 (en) Material for high strength, controlled recoil stent
Poncin et al. Stent tubing: understanding the desired attributes
US8137614B2 (en) Medical devices and method for making the same
US7128757B2 (en) Radiopaque and MRI compatible nitinol alloys for medical devices
US8500787B2 (en) Radiopaque markers and medical devices comprising binary alloys of titanium
US20080288056A1 (en) Radiopaque markers comprising binary alloys of titanium
EP1655384A1 (en) A cobalt-chromium-molybdenum fatigue resistant alloy for intravascular medical devices
EP1604692B1 (en) Cobalt-nickel-chromium biocompatible alloy for implantable medical devices
EP1657318A1 (en) Quaternary cobalt-nickel-chromium-molybdenum fatigue resistant alloy for intravascular medical devices
JP7486228B2 (ja) コバルトクロム合金部材の製造方法
JP2006015149A (ja) 移植可能な医療用具のための改善された磁気共鳴画像装置適合性合金
EP1623683A2 (en) Intraluminal stent made of metal with well-defined granularity
Herliansyah et al. The effect of annealing temperature on the physical and mechanical properties of stainless steel 316L for stent application
JP2008036076A (ja) バルーン拡張型ステントおよびその製造方法
WO2023239573A1 (en) Processing of cobalt-tungsten alloys

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080411

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20111102

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20111108

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20111202

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20111207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121204