JP2006010222A - セラミック焼成用さや - Google Patents

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Abstract

【課題】 焼成不良や特性ばらつきを抑制して、歩留りを向上させると共に、セラミック成形体のさや詰め作業効率を改善することが可能なセラミック焼成用さやを提供すること。
【解決手段】 さや10は、矩形状の枠部11と、セラミック成形体1が載置される載置部13と、載置部13を覆う蓋部14とを備えており、無底状である。枠部11は、X軸方向でみて互いに対向する2つの第1の部分11a,11bと、Y軸方向でみて互いに対向する2つの第2の部分11c,11dとを有する。枠部11は、第1の部分11a,11b及び第2の部分11c,11dにより、開口15を形成する。載置部13は、枠部11から取り外し可能であると共に、開口15を横切るように枠部11における互いに対向する部分、すなわち枠部11の第1の部分11a,11bと第3の部分11eとに架け渡される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、セラミック焼成用さやに関する。
セラミック成形体(例えば、貫通孔が形成されたリング状のセラミック成形体)を焼成する際に用いるさや(匣鉢)として、厚み方向に並べて横に配列した複数のセラミック成形体を収納する溝が形成された盤状のさやが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−128789号公報
本発明は、焼成不良や特性ばらつきを抑制して、歩留りを向上させると共に、セラミック成形体のさや詰め作業効率を改善することが可能なセラミック焼成用さやを提供することを課題とする。
本発明者等は、焼成不良や特性ばらつきを抑制すると共に、さや詰め作業効率を改善し得るセラミック成形体の焼成方法について鋭意研究を行った結果、以下のような事実を新たに見出した。
特許文献1に記載されたさやを用いてセラミック成形体を焼成する場合、焼成不良や特性ばらつきが生じてしまうことが新たに判明した。通常、セラミック成形体が配列されたさやを多段に重ねて焼成炉内に導入し、所望の焼成雰囲気中でセラミック成形体を焼成している。盤状のさやを積み重ねた場合、さや内(上側に位置するさやと下側に位置するさやとの間の空間内)に流入した焼成雰囲気を構成するガス(以下、雰囲気ガスと称する。)は、さや間を移動することなくさやから排出されることとなる。したがって、雰囲気ガスが流入し難いさやが存在する場合、当該さやと雰囲気ガスが流入し難いさやとでは、雰囲気ガスによるセラミック成形体への熱伝導が不均一となってしまう。この結果、焼成されたセラミック成形体、すなわちセラミック焼結体にさや間で焼成不良や特性ばらつきが生じてしまう。
また、さや内におけるセラミック成形体の配置位置に起因して、焼成不良や特性ばらつきが生じてしまうことも新たに判明した。すなわち、セラミック成形体に配置位置によってはさやの影となるセラミック成形体が存在することとなり、輻射熱が各セラミック成形体に不均一に伝わってしまうといった理由により、焼成不良や特性ばらつきが生じてしまう。
ところで、近年では、電子機器に用いられる電子部品の小型、薄型化の要請が強く、電子部品、例えば電圧依存性非直線抵抗体(以下、バリスタと称する)に用いられるセラミック焼結体を得るためのセラミック成形体も小型、薄型化する必要がある。セラミック成形体を小型化した場合、当該セラミック成形体のさや詰め作業が煩雑となる。
かかる研究結果を踏まえ、本発明に係るセラミック焼成用さやは、開口を形成する枠部と、セラミック成形体が載置される載置部と、載置部を覆う蓋部と、を備えており、載置部は、枠部から取り外し可能であると共に、開口を横切るように枠部における互いに対向する部分に架け渡されることを特徴とする。
本発明に係るセラミック焼成用さやでは、当該さやを複数積み重ねた場合、積み重ねられたさや内に流入した雰囲気ガスは、各さやが開口を形成して無底状であることから、積み重ねられた複数のさやで画成される内側空間内を循環するように流れる。このため、さや間において、雰囲気ガスによるセラミック成形体への熱伝導が均一となる。また、載置部に載置されたセラミック成形体が蓋部で覆われることとなるので、当該セラミック成形体に伝わる輻射熱が均一となると共に、焼成炉からの落下物や焼成炉内の浮遊物等がセラミック成形体に付着するのを抑制できる。これらの結果、焼成不良や特性ばらつきの発生を抑制することができる。
また、本発明では、載置部が、枠部から取り外し可能であると共に、開口を横切るように枠部における互いに対向する部分に架け渡されるので、予めセラミック成形体を載置した載置部を枠部に配することが可能となる。この結果、セラミック成形体が小型化した場合であっても、さや詰め作業効率を改善することができる。
また、載置部には、断面凹状であり且つ当該載置部の長手方向に伸びる凹部が形成され、蓋部には、断面凹状であり且つ当該蓋部の長手方向に伸びる凹部が形成されており、蓋部により載置部が覆われた状態で、載置部に形成された凹部と蓋部に形成された凹部とにより、複数のセラミック成形体が配される成形体配置空間が構成されることが好ましい。この場合、セラミック成形体を当該セラミック成形体の厚み方向に並べて凹部に沿って整列させた状態で上記成形体配置空間に配することができる。
また、凹部には、載置部の長手方向に交差する方向に伸びる縦壁が設けられていることが好ましい。この場合、縦壁により凹部に配されたセラミック成形体の倒れを防止することができる。
また、枠部における互いに対向する部分には、載置部が係合する凹部が形成されていることが好ましい。この場合、凹部により、載置部を位置決めすることができる。
また、枠部の上面には、凸部が形成されていることが好ましい。さやを複数積み重ねた場合、凸部により、隣接する2つのさやのうちの上側に位置するさやと下側に位置するさやとの間に上下方向(枠部の厚み方向)に幅広の間隙が形成される。したがって、積み重ねられたさや内でセラミック成形体を焼成する際に、雰囲気ガスが上記幅広の間隙を通って積み重ねられたさや内に良好に流入することとなる。この結果、焼成不良や特性ばらつきの発生をより一層抑制することができる。
また、蓋部は、多孔質体であることが好ましい。この場合、蓋部により載置部が覆われた状態であっても、載置部に載置されたセラミック成形体に蓋部を通して雰囲気ガスを供給することができる。また、積み重ねられたさや内に流入した雰囲気ガスは、上述したように、積み重ねられた複数のさやで画成される内側空間内を循環するように流れる。このため、セラミック成形体の周囲を所望の焼成雰囲気に調整することができない、あるいは、セラミック成形体から発生する燃焼成分をさやから円滑に排出することができない状態で、セラミック成形体が焼成されてしまうことはない。この結果、焼成不良や特性ばらつきの発生をより一層抑制することができる。
本発明によれば、焼成不良や特性ばらつきを抑制して、歩留りを向上させると共に、セラミック成形体のさや詰め作業効率を改善することが可能なセラミック焼成用さやを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るセラミック焼成用さやの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
本実施形態は、本発明をバリスタに用いる磁器(以下、バリスタ磁器と称する)の製造方法に用いるさやに適用したものである。図1は、本実施形態に係るバリスタ磁器の製造過程を説明するためのフロー図である。尚、公知の製造過程については、説明を簡略化する。
まず、セラミック成形体1を成型する(成型工程:S101)。成型工程S101では、原料粉末を、混合、仮焼、粉砕、成型の順に処理し、貫通孔3が形成されたセラミック成形体1を得る(図2(a)及び(b)参照)。図2(a)はセラミック成形体を示す平面図であり、図2(b)はセラミック成形体を示す側面図である。
原料粉末には、通常、バリスタ磁器を構成する元素それぞれの化合物の粉末を用いる。原料粉末には、酸化物又は焼成によって酸化物となる化合物、例えば、炭酸塩、水酸化物等を用いることができる。原料粉末を、最終組成が所望の組成となるように秤量し、混合(例えば、湿式混合等)する。次いで、脱水処理した後、乾燥し、例えば1080〜1250℃程度で2〜4時間程度仮焼成する。次いで、仮焼成物を粉砕した後、有機バインダを加え、さらに水、pH調整剤、保湿剤等を加えて混合する。次いで、混合物をリング状に成型する。セラミック成形体1の外周形状及び貫通孔3の形状は、平面視で円形を呈している。
次に、複数のセラミック成形体1をさや10に配置する(さや詰め工程:S103)。さや詰め工程S103では、まず、さや10を用意する(図3〜図7参照)。図3及び図5は、さやを示す斜視図である。図4は、さやを示す平面図である。図6は図4におけるVI−VI線に沿った断面図であり、図7は図4におけるVII−VII線に沿った断面図である。
さや10は、矩形状の枠部11と、セラミック成形体1が載置される載置部13と、載置部13を覆う蓋部14とを備えており、無底状である。枠部11は、X軸方向でみて互いに対向する2つの第1の部分11a,11bと、Y軸方向でみて互いに対向する2つの第2の部分11c,11dとを有している。枠部11は、第1の部分11a,11b及び第2の部分11c,11dにより、開口15を形成している。枠部11は、当該枠部11における互いに対向する2つの部分11c,11dに連結される第3の部分11eを更に有している。第3の部分11eは、第1の部分11a,11bに対向して、開口15を分割するように2つの部分11c,11d間を伸びている。枠部11、載置部13及び蓋部14の材料としては、耐熱性(耐火性)を有する材料、例えば、アルミナ、ムライト、又はジルコニア等が用いられる。
枠部11は、枠部11の第1の部分11a,11bに位置する第1の上面30と、枠部11の第2の部分11c,11dに位置する第2の上面32とを含んでいる。第1の上面30と第2の上面32とは、必ずしも同じ高さに位置しなくてもよい。
各第1の部分11a,11bの第1の上面30には、複数の凹部40が形成されている。各凹部40は、縦断面形状が略円弧状の溝である。凹部40の深さ(凹部40が形成された位置での枠部11の上下方向の厚み)は、後述するように蓋部14で覆われた載置部13を枠部11で支持した状態で、載置部13及び蓋部14がさや10(枠部11)からはみ出さない、すなわち当該載置部13及び蓋部14がさや10の上下方向での厚みの範囲内に収まるように設定されている。凹部40の間隔は、同じく載置部13を枠部11で支持した際に、隣接する載置部13が相互に接触しないように設定されている。
枠部11の四隅にはそれぞれ凸部34が形成されている。各凸部34は、縦断面形状が略台形状であり、第1の上面30及び第2の上面32から隆起するように形成された部分である。凸部34の上面は、さや10が多段に積み重ねられた際に、上側に位置するさや10の下面36に当接する。
第1の部分11a,11bの第1の上面30には、複数の凸部42が所定の間隔でそれぞれ形成されている。各凸部42は、縦断面形状が略台形状であり、第1の上面30から隆起するように形成された部分である。凸部42の頂は、枠部11の四隅に位置する凸部34の上面と同じ高さに位置している。したがって、凸部42は、さや10が多段に積み重ねられた際に、上側に位置するさや10の下面36に当接する。
各第2の部分11c,11dの第2の上面32には、凸部44がそれぞれ形成されている。各凸部44は、縦断面形状が略台形状であり、第2の上面32から隆起するように形成された部分である。凸部44の頂は、枠部11の四隅に位置する凸部34の上面と同じ高さに位置している。したがって、凸部44は、凸部42と同じく、さや10が多段に積み重ねられた際に、上側に位置するさや10の下面36に当接する。
枠部11の凸部34の上面には、さや10を積み重ねる際に、上側に位置するさや10と係合し横ずれを防ぐ隆起部46が形成されている。さや10の下面36の四隅には、隆起部46に対応する位置に、段下がり部48が形成されている。段下がり部48は、下面36から凸部34の上面側に引き込むように形成されている。段下がり部48には、さや10を積み重ねた際に、下側に位置するさや10の枠部11の隆起部46が係合することとなる。
第3の部分11eの上面には、複数の凹部60が等間隔に形成されている。各凹部60は、縦断面形状が略円弧状の溝である。凹部60の深さ(凹部60が形成された位置での第3の部分11eの上下方向の厚み)は、後述するように蓋部14で覆われた載置部13を枠部11で支持した状態で、載置部13及び蓋部14がさや10(枠部11)からはみ出さない、すなわち当該載置部13及び蓋部14がさや10の上下方向での厚みの範囲内に収まるように設定されている。凹部60の間隔は、凹部40の間隔と同じであり、載置部13を枠部11で支持した際に、隣接する載置部13が相互に接触しないように設定されている。第1の上面30に形成された凹部40と第3の部分11eの上面に形成された凹部60とは、各載置部13が相互に略平行であり且つ当該2つの部分11a,11bに直交する位置に位置決めされるように、互いに対応付けられて形成されている。
第3の部分11eの上面には、複数の凸部62が所定の間隔で形成されている。各凸部62は、縦断面形状が略台形状であり、第3の部分11eの上面から隆起するように形成された部分である。凸部62の頂は、凸部34の上面、凸部42の頂及び凸部44の頂と同じ高さに位置している。第3の部分11eの下面は、枠部11の下面36と同じ高さに位置している。したがって、凸部62は、さや10が多段に積み重ねられた際に、上側に位置するさや10の第3の部分11eの上面に当接する。
載置部13は、枠部11から取り外し可能であると共に、開口15を横切るように枠部11における互いに対向する部分、すなわち枠部11の第1の部分11a,11bと第3の部分11eとに架け渡される。載置部13には、断面凹状であり且つ当該載置部13の長手方向に伸びる凹部70が形成されている。本実施形態において、載置部13は、パイプを縦に半割りした形状(半割りパイプ形状)を呈している。凹部70は、縦断面形状が略円弧状の溝である。載置部13は、当該載置部13の一端が第1の部分11a,11bの第1の上面30に形成された凹部40と係合し、他端が第3の部分11eの上面に形成された凹部60と係合することにより、その両端がさや10(枠部11)で支えられることとなる。凹部70の表面には、接触によるセラミック成形体1の反応を防止するために、酸化ジルコニウム(ZrO)のコーティングを施すことが好ましい。
蓋部14は、載置部13の上に載せられることで、載置部13を覆う。蓋部14には、断面凹状であり且つ当該蓋部14の長手方向に伸びる凹部71が形成されている。蓋部14は、載置部13と同じく、半割りパイプ形状を呈している。蓋部14にて載置部13が覆われた状態で、当該蓋部14と載置部13とにより囲まれる内側の領域、すなわち載置部13の凹部70と蓋部14の凹部71とにより構成される領域が、複数のセラミック成形体1が配される成形体配置空間となる。
さや10を用意すると、まず、セラミック成形体1を載置部13の凹部70の長手方向に整列させながら当該凹部70に載置する。これにより、複数のセラミック成形体1が、当該セラミック成形体1の厚み方向に並べて凹部70に沿って整列させた状態で載置部13に配されることとなる(図8参照)。図8は、載置部を示す斜視図である。
続いて、セラミック成形体1が配された複数本の載置部13をさや10の対向する枠部11の部分11a,11bと第3の部分11eとに架け渡して、載置部13の両端が対応する各部分11a,11b,11eでそれぞれ支持される状態とし、略平行に並べる(図9及び図10参照)。各載置部13は、凹部40,60により位置決めされる。これにより、複数のセラミック成形体1がさや詰めされ、さや10に配されることとなる。図9はさやを示す平面図であり、図10は図9におけるX−X線に沿った断面図である。図9及び図10は、さや10がセラミック成形体1を配した載置部13を支持している状態を描いている。
続いて、蓋部14を載置部13の上に載せて、載置部13に配された複数のセラミック成形体1を蓋部14にて覆う。なお、蓋部14が載せられた状態で、載置部13を枠部11に並べてもよい。
載置部13及び蓋部14の長さは、図4及び図9から分かるように、第3の部分11eと第1の部分11a,11bとの間隔に対応した長さに設定されている。載置部13及び蓋部14は、載置部13の中心軸方向に、複数本(本実施形態においては、2本)並べられることとなる。
次に、セラミック成形体1を焼成炉20で焼成する(焼成工程:S105)。焼成炉20は、図11に示されるように、一端に入口部21と、他端に出口部23とを備え、トンネル形状とされている。焼成炉20内は、焼成雰囲気が還元雰囲気とされ、当該還元雰囲気を構成するガス(例えば、NとHとの混合ガス)がさや10の搬送方向(図11中、矢印A方向)とは反対の方向(図11中、矢印B方向)に流れている。
焼成工程S107では、図11に示されるように、さや詰め工程S103にて複数のセラミック成形体1がさや詰めされたさや10を多段(例えば、5段等)に積み重ねて台板25に載置し、台板25をプッシャー27で押すことによりさや10を焼成炉20内に搬送する。これにより、セラミック成形体1は、載置部13に配された状態で還元焼成され、セラミック焼結体としてのバリスタ磁器が得られることとなる。さや10は、当該さや10に配された載置部13の中心軸方向が上記搬送方向と略平行となるように、台板25に載置される。
最上段のさや10の上には、蓋29が載置される。詳細には、蓋29は、枠部11の隆起部46に載置される。このとき、蓋29と枠部11の各部分11a,11bとの間には、図12(a)に示されるように、第1の上面30と凸部34の上面との高さの差(凸部42の高さ)及び隆起部46の高さに対応する間隔の間隙G1が形成されることとなる。また、蓋29と枠部11の各部分11c,11dとの間には、図12(b)に示されるように、第2の上面32と凸部34の上面との高さの差(凸部44の高さ)及び隆起部46の高さに対応する間隔の間隙G2が形成されることとなる。
さや10とさや10との間、すなわち上側に位置する枠部11の各部分11a,11bと下側に位置する枠部11の各部分11a,11bとの間には、図13(a)に示されるように、第1の上面30と凸部34の上面との高さの差(凸部42の高さ)に対応する間隔の間隙G3が形成されることとなる。また、上側に位置する枠部11の各部分11c,11dと下側に位置する枠部11の各部分11c,11dとの間には、図13(b)に示されるように、第2の上面32と凸部34の上面との高さの差(凸部44の高さ)高さに対応する間隔の間隙G4が形成されることとなる。
積み重ねられたさや10内には、図14に示されるように、上記間隙G1〜G4を通して、還元雰囲気を構成するガス(以下、還元雰囲気ガスと称する)が搬送方向前側から流入する。さや10は、無底状であることから、さや10内に流入した還元雰囲気ガスは、積み重ねられた複数のさや10により画成される空間内を循環する。そして、さや10内に存在する還元雰囲気ガスは、主として、積み重ねられた複数のさや10の搬送方向後側に位置する間隙から排出される。
また、載置部13に形成された凹部70と蓋部14に形成された凹部71とにより構成される成形体配置空間にも、当該成形体配置空間の一端側から還元雰囲気ガスが流入し、他端側から排出される。これにより、成形体配置空間に配された複数のセラミック成形体1が還元雰囲気で焼成されることとなる。
次に、さや10から焼成したセラミック成形体1(バリスタ磁器)を取り出す(さやあけ工程:S107)。さやあけ工程S109では、載置部13を略水平に保ちながらさや10から取り外す。載置部13には焼成されたセラミック成形体1が配されているが、焼成時に隣接するセラミック成形体1の間で圧迫し合うような力が働かないため、載置部13に配されたセラミック成形体1は隣接するもの同士で付着することがない。なお、リング状のバリスタ磁器は載置部13に配された状態で次の工程に移送してもよい。
以上のように、本実施形態においては、さや10を複数積み重ねた場合、積み重ねられたさや10内に流入した還元雰囲気ガスは、各さや10(枠部11)が開口15を形成して無底状であることから、積み重ねられた複数のさや10で画成される内側空間内を循環するように流れる。このため、さや10間において、還元雰囲気ガスによるセラミック成形体1への熱伝導が均一となる。また、載置部13に載置されたセラミック成形体1が蓋部14で覆われることとなるので、当該セラミック成形体1に伝わる輻射熱が均一となると共に、焼成炉20からの落下物や焼成炉20内の浮遊物等がセラミック成形体1に付着するのを抑制できる。これらの結果、焼成不良や特性ばらつきの発生を抑制することができる。
また、各さや10(枠部11)が無底状であることから、有底状のさやに比べて、さや10の熱容量が小さい。このため、所望の焼成温度を得るために必要なエネルギーも少なくてすみ、焼成の際に必要なエネルギーのコストも低減することができる。
また、本実施形態においては、載置部13が、枠部11から取り外し可能であると共に、開口15を横切るように枠部11における互いに対向する部分11a,11b,11eに架け渡されるので、予めセラミック成形体1を載置した載置部13を枠部11に配することが可能となる。この結果、セラミック成形体1が小型化した場合であっても、当該セラミック成形体1のさや詰め作業効率を改善することができる。
また、本実施形態においては、載置部13には、断面凹状であり且つ当該載置部13の長手方向に伸びる凹部70が形成されており、蓋部14には、断面凹状であり且つ当該蓋部14の長手方向に伸びる凹部71が形成されており、蓋部14により載置部13が覆われた状態で、載置部13に形成された凹部70と蓋部14に形成された凹部71とにより、複数のセラミック成形体1が配される成形体配置空間が構成される。これにより、セラミック成形体1を当該セラミック成形体1の厚み方向に並べて凹部70に沿って整列させた状態で上記成形体配置空間に配することができる。
また、本実施形態においては、枠部11における互いに対向する部分11a,11b,13には、載置部13が係合する凹部40,60が形成されている。これらの凹部40,60により、載置部13を確実に位置決めすることができる。
また、本実施形態においては、枠部11には、凸部34,42,44が形成されている。さや10を複数積み重ねた場合、凸部34,42,44により、隣接する2つのさや10のうちの上側に位置するさや10と下側に位置するさや10との間に上下方向(枠部の厚み方向)に幅広の間隙G1〜G4が形成される。したがって、積み重ねられたさや10内でセラミック成形体1を焼成する際に、還元雰囲気ガスが上記幅広の間隙G1〜G4を通って積み重ねられたさや10内に良好に流入することとなる。この結果、焼成不良や特性ばらつきの発生をより一層抑制することができる。
本実施形態の変形例として、図15(a)及び(b)に示されるように、載置部13の凹部70には、載置部13の長手方向に交差する方向に伸びる縦壁72が設けられていてもよい。この場合、縦壁72により凹部70に配されたセラミック成形体1の倒れを防止することができる。縦壁72は、凹部70の両端部(載置部13の長手方向での両端部)に設けてもよく、途中部分に設けてもよい。なお、縦壁72を蓋部14の凹部71にも設けてもよい。
また、蓋部14は、多孔質体であってもよい。この場合、蓋部14により載置部13が覆われた状態であっても、載置部13に載置されたセラミック成形体1に蓋部14を通して還元雰囲気ガスを供給することができる。また、積み重ねられたさや10内に流入した還元雰囲気ガスは、上述したように、積み重ねられた複数のさや10で画成される内側空間内を循環するように流れる。このため、セラミック成形体1の周囲を所望の焼成雰囲気に調整することができない、あるいは、セラミック成形体1から発生する燃焼成分をさやから円滑に排出することができない状態で、セラミック成形体1が焼成されてしまうことはない。この結果、焼成不良や特性ばらつきの発生をより一層抑制することができる。
以上、本発明者等によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、セラミック成形体1(貫通孔3)及びさや10(枠部11)の形状等は、上述したものに限られない。セラミック成形体1は、貫通孔が形成されていない円板形状を呈していてもよい。
本実施形態において、載置部13の形状は半割りパイプ形状であるが、これに限られるものではない。凹部70は、図16(a)及び(b)に示されるように、縦断面形状が例えば略V字状あるいは略矩形状の溝であってもよい。また、載置部13の外側形状も、略円弧状に限られることなく、図17(a)〜(c)に示されるように、縦断面形状が例えば略矩形状であってもよい。もちろん、凹部40,60の形状も、載置部13の外側形状に対応させて変更される。
本実施形態において、蓋部14の形状は半割りパイプ形状であるが、これに限られるものではない。凹部71は、図18(a)及び(b)に示されるように、縦断面形状が例えば略V字状あるいは略矩形状の溝であってもよい。また、蓋部14の外側形状も、略円弧状に限られることなく、図19(a)〜(c)に示されるように、縦断面形状が例えば略矩形状であってもよい。
また、枠部11における互いに対向する部分11a,11b,11eに凹部40,60を形成する代わりに、載置部13を挟むようにして当該載置部13を位置決めする凸部を形成してもよい。また、第3の部分11eを設けることなく、載置部13を第1の部分11aと第1の部分11bとに架け渡してもよい。
また、本実施形態においては、さや10を搬送しながら当該さや10に配置したセラミック成形体1を焼成しているが、これに限られることなく、さや10を搬送することなくセラミック成形体1を焼成してもよい。また、焼成炉20内にて還元雰囲気ガスの流れをさや10の搬送方向とは反対の方向に生成しているが、焼成炉20内が還元雰囲気とされているのであれば、必ずしも上記還元雰囲気ガスの流れを生成する必要はない。また、さや10を積み重ねる段数も、上述したものに限られない。
また、本実施形態においては、焼成炉20内を還元雰囲気としたが、これに限られるものではない。セラミック成形体1に用いられる材料に応じて適宜選択すればよく、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気等であってもよい。
本発明は、上述したバリスタ磁器の製造方法に限らず、誘電体磁器、圧電磁器、又は半導体磁器等の製造方法に適用しても同様の効果を得ることができる。
本実施形態に係るバリスタ磁器の製造過程を説明するためのフロー図である。 (a)はセラミック成形体を示す平面図であり、(b)はセラミック成形体を示す側面図である。 さやを示す斜視図である。 さやを示す平面図である。 さやを示す斜視図である。 図4におけるVI−VI線に沿った断面図である。 図4におけるVII−VII線に沿った断面図である。 複数のセラミック成形体が配される状態にある載置部を示す斜視図である。 さやを示す平面図である。 図9におけるX−X線に沿った断面図である。 焼成炉を説明するための概略図である。 (a)及び(b)は、さや及び蓋を示す側面図である。 (a)及び(b)は、積み重ねられた複数のさやを示す側面図である。 還元雰囲気ガスの流れを説明するための模式図である。 (a)及び(b)は、載置部の一変形例を示す斜視部である。 (a)及び(b)は、載置部の一変形例を示す斜視部である。 (a)〜(c)は、載置部の一変形例を示す斜視部である。 (a)及び(b)は、蓋部の一変形例を示す斜視部である。 (a)〜(c)は、蓋部の一変形例を示す斜視部である。
符号の説明
1…セラミック成形体、11…枠部、11a,11b…第1の部分、11c,11d…第2の部分、11e…第3の部分、13…載置部、14…蓋部、15…開口、20…焼成炉、34…凸部、40…凹部、42…凸部、44…凸部、60…凹部、62…凸部、70…凹部、71…凹部、72…縦壁。

Claims (6)

  1. 開口を形成する枠部と、
    セラミック成形体が載置される載置部と、
    前記載置部を覆う蓋部と、を備えており、
    前記載置部は、前記枠部から取り外し可能であると共に、前記開口を横切るように前記枠部における互いに対向する部分に架け渡されることを特徴とするセラミック焼成用さや。
  2. 前記載置部には、断面凹状であり且つ当該載置部の長手方向に伸びる凹部が形成され、
    前記蓋部には、断面凹状であり且つ当該蓋部の長手方向に伸びる凹部が形成されており、
    前記蓋部により前記載置部が覆われた状態で、前記載置部に形成された前記凹部と前記蓋部に形成された前記凹部とにより、複数のセラミック成形体が配される成形体配置空間が構成されることを特徴とする請求項1に記載のセラミック焼成用さや。
  3. 前記凹部には、前記載置部の長手方向に交差する方向に伸びる縦壁が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のセラミック焼成用さや。
  4. 前記枠部における互いに対向する前記部分には、前記載置部が係合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック焼成用さや。
  5. 前記枠部の上面には、凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック焼成用さや。
  6. 前記蓋部は、多孔質体であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック焼成用さや。
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