JP2006009788A - 音響ライナおよび騒音シグニチュアを改善するための改装方法 - Google Patents

音響ライナおよび騒音シグニチュアを改善するための改装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 冷却流の存在にもかかわらず、高い音響アドミタンスを示す音響ライナを提供する。
【解決手段】 流体を取り扱うダクトにおいて有用な冷却された音響ライナは、ネック部(56)を有する共振器室(52)、表面板(86)、および表面板と室との間に設けられる冷媒プレナム(80)を含んでいる。冷媒は、共振器室を通って流れるというよりはむしろ共振器室をバイパスし、その結果、冷媒が共振器室およびネック部を通って流れるライナにおけるよりも良好な音響的な減衰を生じる。
【選択図】 図2B

Description

本発明は、音響ライナに関し、とくに優れた騒音減衰を達成するために高い音響アドミタンスを有するライナに関する。
音響ライナは、ダクトを通って流れる流体の流れに関して所望でない騒音を減衰するために、流体を取り扱うダクトにおいて利用される。このようなダクトの例は、ガスタービンエンジンの入口および排気装置のダクトを含む。典型的な音響ライナは、後板、後板から間隔を置いた表面板、および室の列を画成するために表面板と後板との間に延びた一連の壁を含んでいる。通常1つの室あたり1組の穴またはネック部が、室と流体流との間の連通を確立するために、表面板を貫通している。それぞれの室およびその関連するネック部は、ネック部の面積および長さ、室の容積および音の局所的な速度に依存して狭い帯域幅の騒音周波数を減衰するように同調された(すなわち設計された)ヘルムホルツ共振器である。ライナは、ダクトの壁に沿って配置されており、表面板は、ダクトを通る流体流の方向に対してほぼ平行に延びている。
動作中に、共振器の列は、流体流内における圧力乱れによる騒音を減衰する。その設計周波数範囲における騒音の減衰における共振器の有効性は、室内へ乱れを通す能力に、すなわち音響アドミタンスと呼ばれる特性に依存している。また、共振器が乱れを通す能力がないことは音響インピーダンスと呼ばれ、これは実成分が抵抗として知られる複素数量である。
ヘルムホルツ共振器の音響ライナの多くの利点にもかかわらず、種々の要因が、その音響アドミタンスを劣化することがある。たとえばライナが流体を取り扱うダクトを覆うために利用されるとき、流れる流体は、入口を通って共振器のネック部を通過し、これにより共振器の音響アドミタンスを減少する。このことは、通過する流体がネック部の内側に流体の再循環する領域を発生し、この領域が、ネック部の有効な面積を減少し、それにより音響アドミタンスを減少するためである。
音響アドミタンスを劣化することがある別の要因は、共振器のネック部を通る冷媒の流れである。冷媒の利用は、タービンエンジンの排気装置のダクトを通って流れる燃焼生成物のような高温の流体流れをダクトが運ぶ場合、しばしば必要である。冷却は、室の壁を通ってまたはライナの後板を通って共振器室内に冷媒(通常は比較的冷たい空気)を導入することによって通常達成される。それから冷媒は、共振器のネック部を通って室から流出する。ネック部を通る冷媒の流れは、共振器の音響アドミタンスを減少する。音響アドミタンスの損失は、冷媒のマッハ数の増加とともにさらに激しくなる。
音響ライナに対する特定の用途、およびその設計に課される特定の制約は、追加の課題となりうる。たとえば音響ライナを冷却する必要が、製品設計の初期の段階で予測されていなかった場合、製品のその他の性質に不利な影響を及ぼすことなく、製品内に冷却されるライナを後から取り付けることは、困難でありうる。また音響ライナの必要性が製品設計の初期に認識されていたかどうかにかかわりなく、ガスタービンエンジンの設計者が直面する厳しい空間の制約は、低い周波数の騒音を減衰するライナを設計することを本来的に困難にする。このことは、ヘルムホルツ設計周波数が室の容積に逆比例するためである。したがって低い周波数の騒音を減衰するためには、大きな容積(大量の空間)が必要である。
それ故に本発明の目的は、冷却流の存在にもかかわらず、高い音響アドミタンスを示す音響ライナを提供することにある。
本発明の別の目的は、ライナを通過する流通流れの存在にもかかわらず、高い音響アドミタンスを示す音響ライナを提供することにある。
本発明の別の目的は、処理の必要性が当初には予期されていなかった製品に音響的な処理を後から行うことを可能にすることにある。
本発明の別の目的は、ヘルムホルツ共振器室の容積に厳しい制約が課される用途において、その高いアドミタンスが低い周波数の騒音を減衰する困難さを補償する助けになる音響ライナを提供することにある。
本発明の1つの構成によれば、音響ライナは、共振器室および表面板を含む。冷媒プレナムは、表面板と室との間に設けられる。冷媒は、共振器室を通って流れるというよりは、むしろ共振器室をバイパスし、その結果、改善された音響アドミタンスを生じる。
別の構成において、ライナは、表面板と騒音源との間にシールドも含む。開口が、比較的低い表面板多孔性および比較的高いシールド多孔性を設定するために、表面板およびシールドの両方を貫通している。本発明のシールドを含む構成は、流体がライナを通過することによる音響アドミタンスの減少を防止する。
必ずしも冷却されない別の構成は、共振器室、比較的低い多孔性の表面板および比較的高い多孔性のシールドを含むが、冷媒が共振器室をバイパスするための冷媒プレナムを含まない。
本発明の1つの形態は、取り外し可能なキャップを備えた内部で仕切られた共振器箱を利用する。箱の底面から突出した管は、折りたたまれた一組の共振器ネック部を画成するためにキャップから突出した対向するリムと協働する。箱は、処理されていない流体取り扱いダクトに音響的な処理を後から行うために便利な方法を提供する。
ダクトまたは類似の流体取り扱いモジュールを改装する関連する方法は、モジュールに開口を設けること、および共振器ネック部の入口が設けられた開口に整列するようにモジュールに共振器箱を取り付けることを含む。
今度は本発明のこれらおよびその他の構成および特徴を、本発明を実施するための最良のモードの次の説明および添付の図面において、さらに詳細に説明する。
図1および図2Aによれば、高性能航空機のためのアフターバーニング可変サイクルのガスタービンエンジンは、エンジン軸14を囲む、外側ケース10および内部センタボディ12を含んでいる。エンジン内部部品は、周方向に配置されたタービン排気ベーン16の列、それぞれのベーン16と一体のアフターバーナ火炎保持器18、調整されるエンジン冷却(MEC)モジュール20、およびアフターバーナダクト22も含んでいる。作動媒体流路24は、エンジンの長さに沿って軸線方向に延びている。エンジンの動作中に、熱い燃焼ガスを含む流体流Fは、ベーン列16、MECモジュール20およびアフターバーナダクト22を通って流れる。航空機のパイロットが、アフターバーニング動作を選択したとき、エンジンの燃料装置は、火炎保持器の近くにおいて燃焼ガス内に燃料を導入する。燃焼ガスは、燃料を点火し、追加的な推力を発生する。
既存のMECモジュール20は、MECダクト28、およびダクトを囲むMECストラップ30を含んでいる。ストラップ30は、ダクトに回転可能に取り付けられているので、図示しないアクチュエータは、軸線14の回りにおいてダクトに対して相対的にストラップを回転することができる。種々の開口が、高いまたは低いストラップの透過性の周方向に交互の領域SHP,SLPを画成するために、MECストラップを通って貫通している。とくに大きな窓32が領域SHPにおいてストラップを貫通しており、多数の冷媒通路34が領域SLPにおいてストラップを貫通している。領域SLPにおいてストラップを貫通するように示された開口40は、既存のMECストラップには存在せず、したがって上述したようなその透過性には関連しない。種々の開口は、低いおよび高いダクトの透過性の周方向に交互の領域DLP,DHPを画成するために、MECダクト28も貫通している。とくに多数の冷媒通路36(窓32を通して見ることができる)が領域DLPにおいてダクトを貫通しており、比較的少数の大きな開口38が領域DHPにおいてダクトを貫通している。
エンジンの動作中に、制御装置は、ダクトの高いおよび低い透過性の領域とストラップの高いおよび低い透過性の領域をそれぞれ整列するために、またはダクトの低いおよび高い透過性の領域とストラップの高いおよび低い透過性の領域をそれぞれ整列するために、MECダクト28に対して相対的にMECストラップ30を回転する。高いおよび低い透過性の領域の整列またはずれは、エンジンの要求にしたがって冷媒の流入を調整し、かつエンジンの熱力学的なサイクルを変えるために、エンジンのバイパス比も調節する。
所定のエンジン動作条件において、アフターバーナの利用の結果、エンジンの流路24において大いに所望でない騒音シグニチュアが生じる。これらの動作条件は、図2Aに示すように、MECダクト領域DHPとMECストラップ領域SLPが整列した場合に相当する。所望でない騒音シグニチュアは、以下に説明する本発明の実施例にしたがって、音響ライナを利用することによって減衰することができる。
今度は図2Aないし図2Cによれば、騒音減衰共振器箱44は、底面46、底面から延びた外部壁48および底面から延びた内部壁50を含んでいる。壁48,50は、共振器室52の列を画成するために、底面とおよび互いに協働する。開口54は底面を貫通しており、1つの室あたり1つの開口が設けられている。内部の管60は、それぞれの開口54から室の内部に突出している。外部の管62は、室から外に突出している。共振器箱は、リム68を有する取り外し可能なキャップ66も含んでいる。ねじ70は、キャップを所定の位置に取り付ける。ろう付けのようなキャップを取り付ける別の手段を利用してもよい。図示しないシールが、箱内にまたは箱外におよび個々の室52の間における流体の漏れを防止するために、キャップと壁48,50との間に設けられている。キャップを設置したとき、それぞれのリムは、内部の管に対向しかつこれを囲んでいる。
共振器箱は、周方向に延びた1対の取り付けラグ74も含んでいる。箱は、ピン76によってMECストラップ30に取り付け可能であり、これらのピンは、ラグにおける穴を通って突出しており、かつストラップにおけるレール78にろう付けされている。外部の管62は、底面46とMECストラップ30との間において冷媒プレナム80を画成するために、スタンドオフとして使われる。それぞれの管62の端部は、液密のシールを提供するために、MECストラップにろう付けされている。
既存のMECストラップには存在しない開口40がストラップに設けられているので、上述したように、共振器箱がストラップに取り付けられたとき、開口40は、外部の管62に整列している。それ故に開口40は、共振器開口と称する。それぞれの共振器開口は入口42を有する。図2Bおよび図2Cの実施例において、それぞれの開口40、外部の管62、内部の管60およびリム68は、出口72を有する折り返された共振器のネック部56を画成している。共振器のネック部は、室52とそれらの局所的な環境との間の連通を確立している。そのうちいくつかを後に説明するその他のネック部構成を利用してもよい。
さし当たってMECダクト28を無視すれば、上記のアセンブリーは、エンジン流路24内における騒音源において発生される騒音を減衰するために、図2Bにおいてもっとも良好に示されたような音響ライナを画成している。ライナは、少なくとも1つの室52によってかつMECストラップ領域SLPによって画成される共振器を含み、この領域SLPは、室と騒音源との間に設けられる音響ライナの表面板86として機能する。エンジンの動作中に、室およびその関連するネック部56は、ヘルムホルツ共振器を構成し、この共振器は、騒音源から発生される騒音を減衰する。加えてプレナム80からの冷媒は、表面板86を冷却するために、通路34を通って流れる。この冷媒は、ネック部56を通って流れるというよりは、ネック部56を完全にバイパスするので、冷媒の流れは、音響ライナの音響アドミタンスに不利な影響を及ぼさない。したがってライナは、通常のように冷媒がネック部56を通して放出される場合よりも良好に、その設計周波数帯域における騒音を減衰することができる。また、冷媒のいくらかの部分は、室およびネック部を通過することができ、上述したように、冷媒の残りの部分は共振器をバイパスする。ネック部を通って流れる冷媒は、音響アドミタンスを劣化させるとはいえ、音響特性の損失は、冷媒が全く共振器をバイパスしない場合に比べて小さい。
今度は図2Aおよび図2Cによれば、MECストラップ30(音響ライナの表面板86)およびMECダクト28の両方を含むタービンエンジンに関連して、他の実施例が提供される。図2Cにもっとも良好に示すように、MECダクト28およびMECストラップ30は、分配室82を画成するために、互いに半径方向に局所的にオフセットされている。後に説明するように、MECダクトは、流通シールドとして使われる。ダクト領域DHPは、上記の開口38のため、比較的高い音響的な多孔性を有するダクト領域DHとして作用する。領域DHの多孔性は、領域DHの面積で割り算した開口38の集合面積であり、この領域DHの面積は、寸法L1とL2の積である。ダクト領域DHに周方向に整列されたストラップ領域SLPは、比較的低い音響的な多孔性のストラップ領域SLとして作用する。これらの低い音響的な多孔性のストラップ領域SLは、冷媒の供給およびエンジンのバイパス比の変化に関連して、前に低い透過性のストラップ領域SLPとして説明した同じ領域である。しかしながら音響特性に関連して、領域SLの低い音響的な多孔性は、ストラップ30(すなわち音響ライナの表面板86)を貫通する共振器開口40の結果として生じ、冷却および熱力学的なサイクルに関連してのみ重要な通路34の結果として生じるのではない。したがってストラップ30(表面板86)の音響的な多孔性は、領域SLの面積によって割り算された共振器開口40の集合した入口面積であり、この面積は、ほぼL1×L2である。換言すれば、通路34の集合面積は、表面板の音響的な多孔性には貢献しない。ダクト領域DHの多孔性は、ストラップ領域SLの多孔性を上回っている。
動作中に、ストラップ領域SLがMECダクト領域DHに周方向に整列するように、MECストラップが配置されたとき、ライナによって提供される音響的な減衰が必要であり、かつ達成される。冷媒は、通路34を通って分配室82に流れ、かつ開口38を通って流れ、流路24内に排出される。冷媒は、共振器室およびネック部を通って流れるというよりは、むしろヘルムホルツ共振器をバイパスするので、その存在は、ライナの音響アドミタンスを劣化しない。開口38を通る冷媒の放出の効果は、ライナの音響アドミタンスを認識できるほど劣化しない低速の放出である。MECダクト領域DHも、開口40と流体流Fとの間の流通シールドとして作用することによって、ライナの音響アドミタンスを保護する助けになる。
したがって本発明による音響ライナの他の実施例は、表面板86と流路24内における騒音源との間のシールド88も含む。シールドは、分配室82を画成するために、表面板からオフセットされている。シールドは、シールド開口38による音響的な多孔性を有する。シールドの音響的な多孔性は、領域DHの総合面積によって割り算された開口38の集合面積であり、この領域DHの総合面積は、ほぼL1×L2である。シールドの多孔性は、表面板の多孔性を上回る。高い多孔性のシールドの存在は、通常軸線方向に表面板86を通過する燃焼ガスの結果として起こる音響アドミタンスの損失を制限する。このことは、2つの理由によって起こる。第1に表面板は流通する流れに露出されていないので、流通する流れによって発生される流体再循環の領域は、共振器の開口40においてというより、むしろ流通シールド開口38において起こる。第2に表面板に対して流通シールドの多孔性が相対的に高いため、シールド内における音響速度の変動は、質量の保存の結果として比較的小さい。それ故に音響抵抗は、表面板抵抗によって制御され、かつ流通シールド抵抗によって制限されない。
図2Aおよび図2Cの本発明の1つの特定の実施例において、それぞれの共振器開口40は、ほぼ0.170インチ(ほぼ4.3mm)の直径を有し、その結果、ほぼ3%の表面板多孔性が生じる。それぞれのシールド開口38は、ほぼ0.148インチ(ほぼ3.8mm)の直径を有する。シールド開口の直径は、共振器開口よりもわずかに小さいとはいえ、これらのシールド開口は、比較的多く、その結果、ほぼ30%のシールド多孔性が生じる。したがってシールドの多孔性対表面板の多孔性の比は、ほぼ10:1である。
図3Aおよび図3Bは、図2Aないし図2Cの折りたたまれたネック部ではなく、延長されたネック部56を有する音響ライナを示している。図4Aおよび図4Bは、延長されても折り返されてもいない単純なネック部を有する実施例を示している。設計者は、その外部の寸法に影響を及ぼすことなく、所望の周波数帯域にライナを同調するために、これらのおよびその他のネック部の変形を利用することができる。
再び図2Aによれば、共振器箱は、ダクトに音響的な処理を後から行う便利な方法を提供し、この処理の望ましいことは、製品の設計および開発の初期の段階の間には認識されていなかった。既存のMECモジュールにおいて、ストラップは、窓32を有する領域SHP、および通路34を有するが共振器開口40を含まない領域SLPを含んでいる。MECダクトは、通路36を有する領域DLP,および開口38を有する領域DHPを含んでいる。領域SLPが、図2Aに示すように、領域DHPと周方向に整列したときに、騒音の減衰が望まれる。所望の騒音の減衰を提供するために、ストラップの領域SLPに共振器開口40を設け、かつネック部56が共振器開口40に整列するように、それぞれの領域SLPに共振器箱を取り付けることだけが必要である。
図5Aおよび図5Bは、必ずしも冷却されない追加的な実施例を示している。音響ライナのこの実施例において図2B,図3Bおよび図4Bの外部の管62は存在しないので、共振器箱の底面46は、表面板86に接触している。音響的な観点によれば、底面46と表面板との間に区別はなく、かつこれらは、単一のユニットとして構成することができる。表面板は、共振器室52と流路24内における騒音源との間に設けられる。表面板は、共振器開口40による表面板多孔性を有する。流通シールド88が、表面板と騒音源との間に設けられており、かつ分配室82を画成するために表面板から間隔を置いている。シールドは、シールド開口38による多孔性を有する。シールド多孔性は、表面板多孔性を上回る。その結果、ライナの音響アドミタンスは、ライナを通過する流体流Fの流通作用によって劣化されない。
図6Aおよび図6Bは、必ずしも冷却されないさらに別の実施例を示している。この実施例において、シールド88は、表面板86に接触しているので、図5Bの室82のような分配室は存在しない。加えてシールド開口38の数は、共振器開口40の数に等しく、かつそれぞれの開口38は、開口40に整列している。さらにシールド開口の直径は、共振器開口より大きいので、シールドの多孔性は、表面板の多孔性を上回る。図示した実施例において、直径の比は、ほぼ3:1であり、その結果、シールドの多孔性は、表面板の多孔性のほぼ10倍である。その他のシールドを含む実施例のように、シールドは、共振器開口40における流体の再循環を減少しまたは除去する。加えて表面板に対して相対的に高いシールドの多孔性は、開口38の音響抵抗を減少するので、流体流Fの流通作用は、ライナの音響アドミタンスを大きく劣化させることがない。
図5および図6の実施例は必ずしも冷却されないとはいえ、必要な場合には、室52内に冷媒を導入しかつこれを開口38を通して排出することによって、冷却を行うことができる。このようなライナにおいて、冷媒入口通路(図示せず)が、室52内への冷媒を計量するために、共振器外部壁48および/またはキャップ66を貫通する。続いて、冷媒は、共振器室52を通って、かつ図示した共振器開口40およびシールド開口38を通って流れる。
本発明は、MECストラップ、MECダクトおよび別個の共振器箱を有するタービンエンジンに関連して説明した。しかしながらこのことは、タービンMECダクト内における既存の開口38を利用し、共振器箱だけを用いるとともにMECストラップ内に開口40を設けることによってあらかじめ処理されていないダクトに音響的な処理を導入する1つの特定の構成であるにすぎない。さらに結果として生じる音響的な処理は、優れた騒音の減衰のための高い音響アドミタンスを有する。一般に開示されたライナは、広い範囲の製品に適用可能な一般的な音響ライナである。
本発明により構成された音響ライナは、すべて同じ周波数に同調された多数の共振器を含むことができる。また、共振器は、広帯域の騒音減衰を達成するために、異なる周波数に同調することができる。さらにライナは、室が複数のネック部によってその環境に連通するように構成することができる。
本発明を図示し、かつその詳細な実施例を引用して説明したとはいえ、特許請求の範囲に述べたような本発明から外れることなく、形態および詳細における種々の変更を行うことができることは、当該技術分野の専門化には明らかであろう。
調整された排気冷却(MEC)モジュールを含むエンジンの内部の部品を露出するために一部切り欠いて示すエンジンケーシングを含むアフターバーニングガスタービンエンジンの後側端部の側面断面図である。 冷却された音響ライナのためにMECダクト、MECストラップおよび共振器の列を有する共振器箱を含む図1のMECモジュールの分解斜視図である。 図2Aの共振器列およびMECストラップを利用するがMECダクトを利用しない音響ライナを示す側面断面図である。 図2Aの共振器列、MECストラップおよびMECダクトを利用する音響ライナを示す側面断面図である。 本発明による音響ライナの他の実施例の共振器箱の斜視図である。 本発明による音響ライナの他の実施例の共振器箱の側面断面図である。 本発明による音響ライナのまた他の実施例の共振器箱の斜視図である。 本発明による音響ライナのまた他の実施例の共振器箱の側面断面図である。 必ずしも冷却されない音響ライナの共振器箱の斜視図である。 必ずしも冷却されない音響ライナの共振器箱の側面断面図である。 図5Aおよび図5Bの実施例に対する代案を示す図である。 図5Bおよび図5Bの実施例に対する代案を示す図である。
符号の説明
10…外側ケース
12…センタボディ
14…エンジン軸
16…ベーン
18…火炎保持器
20…MECモジュール
22…アフターバーナダクト
24…流路
28…MECダクト
30…MECストラップ
32…窓
34…冷媒通路
36…冷媒通路
38…開口
40…開口
42…入口
44…共振器箱
46…底面
48…壁
50…壁
52…共振器室
54…開口
56…ネック部
60…内部の管
62…外部の管
66…キャップ
68…リム
70…ねじ
72…出口
74…ラグ
76…ピン
78…レール
80…プレナム
82…分配室
86…表面板

Claims (16)

  1. 室を含む共振器と、
    前記室と騒音源との間に設けられた表面板と、
    前記表面板と前記室との間に設けられた冷媒プレナムと、
    を含むことを特徴とする、騒音源において発生される騒音を減衰するための音響ライナ。
  2. 前記表面板と前記騒音源との間に設けられたシールドと、
    前記表面板を貫通し、かつ該表面板の多孔性を設定する共振器開口と、
    前記シールドを貫通し、かつ前記表面板の多孔性よりも大きなシールドの多孔性を設定するシールド開口と、
    を含むことを特徴とする、請求項1記載の音響ライナ。
  3. 前記表面板と前記シールドとの間に分配室を含むことを特徴とする、請求項2記載の音響ライナ。
  4. 前記シールドの多孔性対前記表面板の多孔性の比が、約10:1であることを特徴とする、請求項2記載の音響ライナ。
  5. 前記シールドの多孔性が、約30%であることを特徴とする、請求項4記載の音響ライナ。
  6. 前記表面板を貫通する冷媒通路を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の音響ライナ。
  7. 前記室の内部に延びたネック部を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の音響ライナ。
  8. 前記ネック部は、前記室の内部に延びた管を含むことを特徴とする、請求項7記載の音響ライナ。
  9. 前記ネック部は、折りたたまれていることを特徴とする、請求項7記載の音響ライナ。
  10. 前記折りたたまれたネック部は、前記共振器開口から前記室の内部に突出した管、および出口を画成するために前記管を囲む対向するリムを含むことを特徴とする、請求項9記載の音響ライナ。
  11. 前記シールドがダクトの一部であり、かつ前記表面板が前記ダクトに取り付けられたストラップの一部であることを特徴とする、請求項2記載のライナ。
  12. 前記ストラップは、前記ダクトに対して相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項11記載の音響ライナ。
  13. 底面と、
    前記底面から延び、かつ底面とおよび互いに協働して室の列を画成する壁と、
    それぞれ入口を有し、かつ前記室の内部に突出した管を含む共振器のネック部と、
    リムが前記管を囲んで出口を画成するように、該管に対向する持ち上がったリムを有する取り外し可能なキャップと、
    を含むことを特徴とする、流体取り扱いダクトのための共振器箱。
  14. 室を含む共振器と、
    前記室と騒音源との間に設けられるとともに、表面板多孔性を有する表面板と、
    前記表面板と前記騒音源との間に設けられるとともに、表面板多孔性よりも大きな多孔性を有するシールドと、
    を含むことを特徴とする、騒音源において発生される騒音を減衰するための音響ライナ。
  15. 前記表面板と前記シールドとの間に分配室を含むことを特徴とする、請求項14記載の音響ライナ。
  16. 共振器入口を有する共振器箱を提供し、
    ストラップに共振器開口を設け、
    前記共振器入口が前記共振器開口に整列するように前記共振器箱を前記ストラップ上に取り付ける、
    ことを含むことを特徴とする、回転可能な冷却空気調整ストラップを含む流体取り扱いモジュールにおける騒音シグニチュアを改善するための改装方法。
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