JP2006008431A - コンクリートの養生方法 - Google Patents

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Yoshiaki Shiotani
由明 塩谷
Michimare Minoda
理希 蓑田
Etsutaka Maeda
悦孝 前田
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Abstract

【課題】 コンクリート製品や構造物について、コンクリート内部と外部との温度差を効果的に緩和してひび割れの発生を防止する。
【解決手段】 コンクリート1の内部に中空パイプ6を貫通配置させ、加温槽7の中で養生する。中空パイプ6で暖められた水は、加温槽7内の水と混合してこの加温槽内の水の温度を上昇させる。このように冷却水を中空パイプ6と加温槽7内とを循環させて、コンクリート1の内部の温度を低下させると共に外部の温度の低下を抑制する。これによりコンクリートの内外温度差を効果的に緩和してひび割れの発生を防止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、コンクリート製品やコンクリート構造物等の内外温度差を緩和しつつ養生する方法に関する。
コンクリート打設後の養生時には、コンクリートの水和熱の蓄積によってコンクリート内部の温度が上昇し、コンクリート外部との温度差によるひび割れが発生する場合がある。このため大型タンク等のマスコンクリートの養生の際には、外部から例えば冷却水をパイプで供給して、高温の内部を冷却するパイプ冷却が行われている(例えば、非特許文献1〜3参照。)。
井上浩之、外3名、「酷暑条件下における大型PCタンクの施工」、第9回シンポジウム論文集、社団法人 プレストレストコンクリート技術協会、1999年10月、355−358頁 井上敏弘、外3名、「マッシブなPC梁のパイプクーリングによる温度ひび割れ制御」、コンクリート工学、社団法人 日本コンクリート工学協会、2003年7月、VOL.41、NO.7、35−40頁 西尾浩志、外3名、「酷暑条件下での温度応力を考慮した大型PCタンク側壁の施工」、コンクリート工学年次論文報告集、10-2、社団法人 日本コンクリート工学協会、1988年、127−132頁
ところでコンクリート製品や構造物については、強度と耐久性とを確保すべく、セメント等の結合材の割合を増加する傾向にあり、また水セメント比を55%以下にするという規制が設けられている(国土交通省通達「国官技第61号」及び運用について「国コ企第2号」、平成13年3月29日)。
しかるに結合材の割合を増加し、あるいは水セメント比を抑えると、強度と耐久性とは向上するものの、一方では初期発熱量が増大する。したがってコンクリートの内部と外部との温度差が大きくなり、この温度差によって外部にひび割れが発生し易くなるという問題が生じている。すなわち図1に示すように、本発明者が実測したところ、厚さが80cmの橋梁上部コンクリート構造の内外温度差は、約15℃であった。この内外温度差は、実際には30℃近くに達する場合があると考えられ、この温度差によって、コンクリートの外面に引っ張り力が発生してひび割れが生じる。特に外気温度が高い場合やコンクリートのサイズが大きいマスコンクリートの場合には、この内外温度差が拡大する傾向となって、よりひび割れが生じ易くなる。
このような内外温度差を緩和する方法としては、上述したように従来から、外部より空気や冷却水を通して、高温の内部を冷却する手段が用いられているが、この手段では、冷却中は、冷却水等を外部から継続的に供給および放出する設備等が必要になる。また高温の内部を冷却するだけでなく、同時に温度の低い外部を加温できれば、より効果的に内外温度差を緩和することができる。
そこで本発明の目的は、コンクリート製品や構造物について、内部と外部との温度差を効果的に緩和して、ひび割れの発生を防止し得るコンクリートの養生方法を提供することにある。
本発明によるコンクリートの養生方法の第1の特徴は、コンクリートの内部と外部とに流体を循環させる循環経路を設け、このコンクリートの内部と外部との温度差を緩和させつつ養生することにある。ここで流体とは、水や油等の液体や空気等の気体も含まれる。上記循環経路は、少なくとも上記コンクリート内を貫通して通過する経路と、このコンクリートを挿入する加温槽とからなることが望ましい。また上記循環経路は、少なくとも上記コンクリート内を通過する経路と、このコンクリート内を通過する経路から流出した上記流体をこのコンクリートの外面に散布する経路と、この散布した流体を上記コンクリート内を通過する経路に導入する経路とからなることが望ましい。
また上記循環経路は、少なくとも上記コンクリート内を通過する経路と、このコンクリートの型枠内を通過する経路とからなることが望ましい。なおここで型枠内を通過する経路とは、型枠自体の内部に経路を設ける場合に限らず、型枠の内側面または外側面に通過経路を密着して設ける場合も含む。さらに上記コンクリートの型枠内を通過する経路は、上記流体が通過可能な多孔性部材または繊維性部材のいずれかからなることが望ましい。ここで多孔性部材とは、ダンボールのように波板をサンドイッチ構造としたものや、多数の貫通孔を内部に形成した金属板構造や合成樹脂板等を意味する。また繊維性部材とは、通気(または水)性の高い繊維を板状に形成し、その表裏面、及び上下または左右のいずれかの両端面の通気(または水)性を、溶着、シール剤の塗布、あるいは板材またはシート等を重ねる手段等により、遮断したものを意味する。
また上記コンクリート内を通過する経路は、上記流体の流れ方向が逆の近接した一対の経路からなることが望ましい。この経路は、原則的には互いに近接した2本の経路からなるが、4本以上の偶数本の経路を互いに近接させ、その半数本づつについて、流体の流れ方向を逆にする場合も含まれる。
本発明によるコンクリートの養生方法の第2の特徴は、上記特徴1に記載したコンクリートは、単位結合材量が少なくとも300kg/mであることにある。ここで結合材とは、セメント及びスラグ等を意味する。また本発明によるコンクリートの養生方法の第3の特徴は、上記特徴1または2に記載したコンクリートは、高炉スラグ微粉末を混和したものであることにある。
すなわち高炉スラグ微粉末を混和することによって、コンクリート水和熱が減少し、内外温度差によるひび割れを抑制できる効果があるが、その効果は、高炉スラグ微粉末の種類と置換率とによって異なり、また蒸気養生の条件によっても相違する。一般に比較的比表面積の小さい高炉スラグ微粉末4000の混和は、内外温度差によるひび割れの抑制に有効と考えられているが、置換率が30%未満では抑制効果が小さく、ときとして置換率を50%程度まで増加しても、十分な抑制効果が得られない場合もある。一方比表面積が比較的大きい高炉スラグ微粉末6000を混和した場合は、置換率を増していくと発熱量も増加する傾向があり、温度条件にもよるが、置換率をかなり高くしないと温度上昇の抑制を期待できない場合が多い。したがって高炉スラグ微粉末を混和した場合であって、内外温度差が大きくなる場合に、本発明によるコンクリートの養生方法を使用することによって、コンクリートのひび割れが抑制できる。
また本発明によるコンクリートの養生方法の第4の特徴は、養生時の最大内外温度差が、少なくとも20℃であるコンクリート構造物に使用されることにある。
コンクリートの内部と外部とに、水等の流体を循環させる循環経路を設けることによって、このコンクリートの高温内部を冷却すると同時に、さらに低温外部を加温できるので、内外温度差を効率的に緩和させることができる。またいったん循環経路に水等を供給すれば、その後はこの水等を継続的に供給及び放出する必要がなくなるため、大掛かりな水等の供給や後処理設備が不要になる。
上記循環経路を、少なくとも上記コンクリート内を貫通して通過する経路と、このコンクリートを挿入する加温槽とから構成することによって、例えばコンクリートブロック等の比較的小型で安価なものを、低コストで容易に養生することができる。また上記循環経路を、少なくとも上記コンクリート内を通過する経路と、このコンクリート内を通過する経路から流出した上記流体をこのコンクリートの外面に散布する経路と、この散布した流体を上記コンクリート内を通過する経路に導入する経路とから構成すれば、この散布する経路の配置を可変にすることは容易であるため、主に工場内において、サイズが異なるコンクリート対象物に対して併用可能となる。
また上記循環経路を、少なくとも上記コンクリート内を通過する経路と、このコンクリートの型枠内を通過する経路とから構成することによって、コンクリートの外面の広さや形状に関わらず、この外面を加温する経路の設置や取扱い等の作業性が向上し、特に現場打ちへの適用が容易になる。さらに上記コンクリートの型枠内を通過する経路を、上記流体が通過可能な多孔性部材または繊維性部材のいずれかで構成することによって、加温経路を設けた型枠を容易かつ低コストで製作することができる。また型枠を連結したり曲げたりすることが容易になるため、コンクリートの外面積が広い場合や曲面であっても、容易に設置することができる。さらにコンクリートの外面を面として加温できるので、外面を均一に加温することができる。
また上記コンクリート内を通過する経路を、上記流体の流れ方向が逆の近接した一対の経路で構成することによって、コンクリート内への流入個所と流出個所とにおける流体の温度差を相殺することができる。このためコンクリート内を効果的、かつ均一に冷却することができる。
施工される構造物が、断面積の大きいマスコンクリートである場合において、コンクリートの単位結合材量が300kg/mを超える場合や、比表面積が比較的小さい高炉スラグ微粉末4000を混和した場合であっても、その置換率が低くて十分な発熱抑制効果が期待できない場合や、あるいは比表面積が大きい高炉スラグ微粉末6000を混和した場合には、水和熱の増大によるコンクリートの内外温度差が大きくなって、コンクリートにひび割れが発生する可能性が高くなる。また、製作の際に蒸気養生を施されるコンクリート製品等においても、内外温度差が大きくなる場合が多く、コンクリートにひび割れが発生する可能性が高い。したがって、このようなコンクリートに対して本発明による養生方法を使用することによって、ひび割れの発生を効果的に防止することができる。
なお高炉スラグ微粉末の混和量は、通常20%程度以上を対象とするが、30〜50%程度混和することによって、海水や水道水等に含まれている塩分に対する耐塩害性を向上させることができると共に、製鉄の残滓である高炉スラグの産業上の有効利用を促進することができる。
図2〜図10を参照しつつ、本発明によるコンクリート養生方法を説明する。図2〜図3は、例えばコンクリートブロック等のコンクリート製品を、加温槽7内に挿入してコンクリート製品の製作工場内で養生する方法の一例を示している。すなわちコンクリート製品は、所定の配筋(図示せず。)をして、周囲に横型枠2,2、上型枠3、下型枠4及び側型枠5,5を設置した上で、これらの型枠内にコンクリート1を打設する。ここで打設するコンクリート1は、次のものを使用している。
コンクリート1の単位結合材量は、少なくとも300kg/m、望ましくは300〜500kg/mであって、水セメント比は55%以下に抑えてある。すなわち単位結合材量を300〜500kg/mとすれば、コンクリート1の強度を増加させることができ、また水セメント比を55%以下にすることによって、より耐久性を向上させることができる。
またコンクリート1には、比表面積が6000cm/gの高炉スラグの微粉末を、セメントと同じ重量比(50,50%)で混和する。ここで高炉スラグとは、鉄鉱石と石灰石等の副原料とを高炉で溶融して銑鉄を製造する際に、大量に分離回収される鉄以外の副産物である。そしてこの分離回収された溶融スラグを、加圧水の噴射によって急冷すると、ガラス質の水砕スラグが得られる。この水砕スラグを微粉末化して、望ましくは30%以上コンクリートに混和すると、耐塩害性が向上することが確認されている。したがって高炉スラグの微粉末を配合することによって、例えば海岸近くの橋や凍結防止剤が散布される道路に使用するコンクリートの耐久性と耐塩害性とを向上させることができる。
しかるに結合材の増加や比表面積が大きい高炉スラグ微粉末の混和等は、いずれもコンクリートの水和反応によってコンクリートの内部温度を大きくする傾向がある。したがってコンクリートの強度、耐久性あるいは耐塩害性を向上しつつ、同時に内外温度差によるひび割れの発生を防止するためには、本発明による内外温度差の抑制が極めて重要な手段となる。
さて横型枠2,2には、上下左右方向に所定の間隔を隔てた貫通穴2aが設けてあり、コンクリート1を打設する前に、この貫通穴を通して中空パイプ6を横断設置してある。なお中空パイプ6は、合成樹脂製を使用するが、例えば鉄等の異形鉄筋に中空パイプを使用して、コンクリート1の強度を向上させると共に、このコンクリートと流体との熱伝達を促進させることもできる。
そしてこれらの型枠2等内にコンクリート1を打設した後に、上型枠3を取付け、例えば板金製の加温槽7に収納する。加温槽7には、上型枠3が十分水没する深さまで水を投入する。なお各型枠2,3,4,5は、木や合成樹脂等の非金属材を使用することもできるが、コンクリートの外面との熱伝達を促進するためには、鉄板等の金属材を使用することが効果的である。
次に上述したコンクリート1の養生方法の作用について説明する。すなわちコンクリート1の養生時には、水和熱が蓄積して、上述したように通常内部の温度が外面の温度より高くなる。しかるに本発明では、コンクリート1の内部の発熱は、中空パイプ6を介してその中の流体、すなわち水に吸収され、このコンクリートの内部の温度は低下する。そして温度が高くなった中空パイプ6内の水は、周囲の温度の低い加温槽7内の水と比重差によって入れ替わり、水がこの中空パイプとこの加温槽内とを循環する。
一方コンクリート1の外面部は、中空パイプ6で暖められた加温槽7内の水によって、各型枠2〜5を介して加温されるため、このコンクリートの内外温度差が抑制される。なお加温槽7内には、攪拌装置8が設けてあり、上部と底部の水を攪拌することによって、この加温槽内の水の温度を均等化して、コンクリート1の養生温度が均一になるようにしている。
図4〜図5は、コンクリート製品を、製造工場内で養生する他の方法を示している。すなわちコンクリート製品は、所定の配筋(図示せず。)をして、周囲に横型枠12,12、上型枠13、下型枠14及び側型枠15,15を設置した上で、これらの型枠内にコンクリート11を打設する。ここで打設するコンクリート11及び各型枠12,13,14,15は、上述したものと同様のものを使用している。
さて横型枠12,12及び上型枠13には、所定の間隔を隔てた貫通穴12a,13aが設けてあり、コンクリート11を打設する前に、これらの貫通穴を通してL字型に屈曲させた中空パイプ16が設置してある。なお中空パイプ16は、合成樹脂製を使用するが、例えば鉄等の中空の異形鉄筋を使用して、コンクリート11の強度を補充させると共に、このコンクリートと流体との熱伝達を促進させることもできる。
そしてこれらの各型枠12等内にコンクリート11を打設した後に、水受槽17内に設置し、上型枠13の外側に突出した中空パイプ16に流体の供給装置9を連結する。流体の供給装置9は、各中空パイプ16の突出端部にそれぞれ取付ける流入管91と、この各流入管の他端に連結する合成樹脂製の集合流入管92と、この集合流入管の一端に設けたフィルター93と、このフィルターの後流側に設けたポンプ94を備えている。そしてポンプ94の後流側は、流出管95が連結され、この流出管には、所定の位置に流体の噴出ノズル穴95aが開口している。なお流体には、水を使用する。
水受槽17は、板金製の容器に限らず、木材や合成樹脂等のその他の材料からなる容器であってもよい。また水受槽17の深さは、水が流入する貫通穴12aが、充分水没する程度で足りるが、深さと容積とを余裕のあるサイズにすれば、サイズの大きいコンクリート11にも併用することができる。さらに水の供給装置9の流入管91や流出管95にフレキシブルホース等の可動管を使用すれば、サイズの異なるコンクリート11にも、容易に併用することができる。
次に上述したコンクリート11の養生方法の作用について説明する。すなわち水受槽17内に、中空パイプ16の下端にある貫通穴12aが十分水没する程度に水を投入する。この水は、ポンプ94によって、中空パイプ16、流入管91、集合流入管92及びフィルター93を介して吸い上げられる。なおフィルター93では、水に混和するコンクリート11の粉末等を濾し取る。ポンプ94から供給される水は、流出管95に流入し、この流出管に開口する噴出ノズル穴95aから、横型枠12,12に吹付けられた後に、水受槽17内に落下して集合する。
このようにして水が循環することによって、中空パイプ16を介してコンクリート11の内部温度が冷却され、暖められた水を横型枠12,12に吹付けることによって、外面部温度の低下が抑制される。したがって高温側の内部が冷たい水によって冷やされ、逆に低温側の外面部が暖められた水で加温されることによって、内外温度差を効率的に少なくすることができる。
次に図6〜図8に、コンクリート製品を製造工場内で養生する他の方法を示している。すなわちコンクリート製品は、所定の配筋(図示せず。)をして、周囲に横型枠22、側型枠25および下型枠24を設置し、さらに後述する中空パイプ26を配置した後に、これらの型枠内にコンクリート21を打設する。ここで打設するコンクリート21は、上述したものと同様のものを使用している。さて横型枠22,22の内部にはそれぞれ、両端部で8段に折り返した中空パイプ22aが水平方向に設けてある。一方横型枠22,22と側型枠25,25とで囲まれた容器の中には、コンクリート21を打設する前に予め、図7および図8中の左端部で2段に折り返した中空パイプ26が、水平方向に2列並行して取付けられる。
中空パイプ22aの上端部分は、横型枠22の側端面から一旦外部に突出し、その後下方および内側にそれぞれ曲げられて、側型枠25に設けた開口穴22dに挿入され、中空パイプ26の上端部分に連結されている。一方中空パイプ22aの下端部分は、側型枠25に設けた開口穴22cを貫通して、外部に設置してあるポンプ29に連結されている。
また中空パイプ26の下端部分も、側型枠25に設けた開口穴22eを貫通して、外部に設置してあるポンプ29に連結されている。なお中空パイプ26は、コンクリート21に埋め込んだまま使用されるので、養生後に側型枠25を外すときに、この側型枠に設けた開口穴22dおよび開口穴22eの位置で、外側部分と分離できるように連結してある。また中空パイプ22a、中空パイプ26および横型枠22,22は、それぞれ鋼鉄製の材料を使用して、熱伝達を促進している。
次にこのコンクリートの養生方法の作用を説明する。すなわちコンクリート21を打設した後に、ポンプ29によって中空パイプ22aおよび中空パイプ26の内部に充填した流体、ここでは水を循環させる。これによりコンクリート21の内部は、中空パイプ26内を通過する水によって冷却され、逆にこの中空パイプ内を通過する水は暖められる。そしてこの暖められた水は、横型枠22,22内に設けた中空パイプ22aに送られて、コンクリート21の冷えた表面部を加温し、逆にこの中空パイプ内を通過する水は冷却される。
したがって、上述したようにコンクリート21の養生時には、水和熱が蓄積して内部の温度が表面部より高くなるが、この養生方法によって、内部は中空パイプ26で冷却され逆に表面部は中空パイプ22aで加温される。そこでポンプ29を介して、中空パイプ26内および中空パイプ22a内に水を循環させて、この冷却と加温とを連続的に繰り返すことにより、効率的に内外温度差を小さくすることができる。
なお中空パイプ22aおよび中空パイプ26については、中空パイプであれば、断面形状は円形に限らず、楕円、矩形等のいずれの形状でもよく、またこれらのパイプの配置構成も、上述したものに限らず、配列段数やピッチ間隔等を変更することも容易にできる。
また横型枠22,22だけでなく、側型枠25,25の内部にも、加温する中空パイプを配置することも容易にできる。
次に図9〜図10に、波板を挟んだダンボールのような型枠の実施の形態を説明する。すなわち図9に示すコンクリート養生用の型枠は、平板32の内部に、所定の間隔をおいて隔壁を設け、これにより中空の矩形貫通穴34を形成したものである。このように型枠を構成することによって、それぞれの中空の矩形貫通穴34の隔壁が、丁度フィンの役割を担い、内部を通過する流体との伝熱面積を極めて大きくすることができ、さらに型枠の剛性を高めつつ軽量化を図ることが可能となる。なお中空の貫通穴は、矩形に限らず、円形、楕円、多角形等の他の断面形状でもよく、2枚の平板の間に波板を挟んだものでもよい。また平板32は、鉄板等の板金製のものを使用する他、木材やプラスチック等の非金属材料で形成することも可能である。
図10に示すコンクリートの養生用の型枠は繊維性部材44を板状に形成し、その表裏面を薄板42で被い、かつ上下または左右のいずれかの両端面を、溶着、シール材の塗布、あるいは板材またはシート等の重ね合わせ等の手段によって、通気または通水性を遮断したものである。このように型枠内に繊維性部材44を挿入することによって、内部を通過する流体との伝熱面積を極めて大きくすることができ、さらに型枠が潰れることを防止しつつ軽量化を図ることが可能となる。なお繊維性部材44は、金属ワイヤ、金網、または合成樹脂の繊維等を使用することができる。
なお図9および図10に示すコンクリートの養生用の型枠を使用する場合には、型枠の両端部分に、集合樋やマニホールド部材を連結して、これらを介して流体を型枠内に導入する。したがって、コンクリートの表面部をいわゆる面として、より均一に加温することができる。
また上述したいずれのコンクリ−トの養生方法においても、コンクリートの内部を冷却した水等の流体と、コンクリートの表面部を加温した流体との温度差を、温度センサで計測し、その温度差の程度に応じて流体の循環速度を変更するように、ポンプの回転数やバイパス流量等を制御することも容易にできる。すなわちこのように発明を構成することによって、外気温等の外部環境や、コンクリートのサイズ等の相違に関わらず、コンクリートの内外温度差を一定の許容値以下におさえつつ、過剰なポンプ駆動電力の浪費を防止することができる。
内外温度差によるひび割れの発生の可能性があるコンクリートブロックや構造物等について広く適用できる。
コンクリートの内外温度差を測定した結果の説明図である。 本発明による養生方法を使用したコンクリートの側面断面図である。 本発明による養生方法を使用したコンクリートの正面断面図である。 本発明による養生方法を使用した他のコンクリートの側面断面図である。 本発明による養生方法を使用した他のコンクリートの正面断面図である。 本発明による養生方法を使用した他のコンクリートの側面断面図である。 本発明による養生方法を使用した他のコンクリートの正面断面図である。 本発明による養生方法を使用した他のコンクリートの上面断面図である。 中空の矩形貫通穴を内部に形成した横型枠の斜視図である。 繊維性部材を内部に形成した横型枠の斜視図である。
符号の説明
1,11,21 コンクリート
17 水受槽
2,12,22 横型枠
22a 中空パイプ(循環経路)
29 ポンプ
32 平板
34 矩形貫通穴(多孔性部材)
42 薄板
44 繊維性部材
5,15,25 側型枠
6,16,26 中空パイプ(循環経路)
7 加温槽
9 水の供給装置
94 ポンプ
95a 噴出ノズル穴

Claims (9)

  1. コンクリートの内部と外部とに流体を循環させる循環経路を設け、
    上記コンクリートの内部と外部との温度差を緩和させつつ養生する
    ことを特徴とするコンクリートの養生方法。
  2. 請求項1において、上記循環経路は、少なくとも上記コンクリート内を貫通して通過する経路と、このコンクリートを挿入する加温槽とからなることを特徴とするコンクリートの養生方法。
  3. 請求項1において、上記循環経路は、少なくとも上記コンクリート内を通過する経路と、このコンクリート内を通過する経路から流出した上記流体をこのコンクリートの外面に散布する経路と、この散布した流体を上記コンクリート内を通過する経路に導入する経路とからなることを特徴とするコンクリートの養生方法。
  4. 請求項1において、上記循環経路は、少なくとも上記コンクリート内を通過する経路と、このコンクリートの型枠内を通過する経路とからなることを特徴とするコンクリートの養生方法。
  5. 請求項4において、上記コンクリートの型枠内を通過する経路は、上記流体が通過可能な多孔性部材または繊維性部材のいずれかからなることを特徴とするコンクリートの養生方法。
  6. 請求項2〜4のいずれかの1において、上記コンクリート内を通過する経路は、上記流体の流れ方向が逆の近接した一対の経路からなることを特徴とするコンクリートの養生方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかの1において、上記コンクリートは、単位結合材量が少なくとも300kg/mであることを特徴とするコンクリートの養生方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかの1において、上記コンクリートは、高炉スラグ微粉末を混和したものであることを特徴とするコンクリートの養生方法。
  9. 養生時の最大内外温度差が、少なくとも20℃であるコンクリート構造物に使用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの1に記載したコンクリートの養生方法。
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