JP2006006822A - 生体骨用スクリュー - Google Patents

生体骨用スクリュー Download PDF

Info

Publication number
JP2006006822A
JP2006006822A JP2004191751A JP2004191751A JP2006006822A JP 2006006822 A JP2006006822 A JP 2006006822A JP 2004191751 A JP2004191751 A JP 2004191751A JP 2004191751 A JP2004191751 A JP 2004191751A JP 2006006822 A JP2006006822 A JP 2006006822A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screw
small head
head
shaft
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004191751A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Shikinami
保夫 敷波
Hidekazu Bouya
英和 棒谷
Kenji Terasono
賢志 寺園
Masaki Okuno
政樹 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takiron Co Ltd
Original Assignee
Takiron Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takiron Co Ltd filed Critical Takiron Co Ltd
Priority to JP2004191751A priority Critical patent/JP2006006822A/ja
Publication of JP2006006822A publication Critical patent/JP2006006822A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

【課題】過大な回転トルクを加えてもスクリューの本体部分が破壊せず、骨折部分を固定した状態では頭部に突起がなく、回転具を斜めに傾けてねじ込むことができ、回転具で生体骨が損傷する心配もない生体骨用スクリューを提供する。
【解決手段】スクリュー頭部1の上面中央に細い短軸3を突設し、回転具10の筒部11を被嵌する小頭部4を短軸3の先端に形成し、小頭部4を筒部11の内側面に対して周方向に係合する形状とした、生体内分解吸収性ポリマーよりなる生体骨用スクリューとする。ねじ込みに必要なトルク以上の回転トルクを加えると短軸3が破断して小頭部4と短軸3が除去され、スクリューの本体部分に過大な回転トルクが伝達されないので破壊が防止される。小頭部4の形状によっては回転具10を斜めに傾けてねじ込むことができ、短軸3によるクリアランスの確保で回転具による生体骨の損傷を防止できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、生体骨の骨折部分の整復や固定に使用されたり、切断した腱を関節部分の生体骨に固定する場合に使用される生体骨用スクリューに関する。
従来より、整形外科、形成外科、胸部外科、口腔外科等の外科分野では、骨折部分の整復や固定を目的とする骨接合用デバイスとして、金属製あるいはセラミックス製のスクリューが使用されている。
けれども、金属製やセラミックス製のスクリューは弾性率が高いため、周囲骨の強度を低下させるなどの問題があり、特に、金属製のスクリューは金属イオンの溶出によって生体を損傷する恐れがあるため、骨折が治癒した時点で早期にそれを体内から取り出す再手術をしなければならないという問題があった。
そこで、本出願人は、バイオセラミックス粉体を含有させた生体内分解吸収性ポリマーよりなるスクリューであって、そのスクリュー頭部の上部にドライバー先端の外筒部を被嵌する凸部を形成すると共に、該凸部の中央にドライバー先端の内芯部を挿入する凹穴を形成して、ドライバー先端の外筒部と内芯部とで該凸部を外側と内側から挟持させ、該凸部に被嵌したドライバー先端の外筒部の内側面と該凸部の外側面とが周方向に係合するように、且つ、該凹穴に挿入したドライバー先端の内芯部の外側面と該凹穴の内側面とが周方向に係合するように構成した骨接合用スクリューを既に提案した(特許文献1)。
この骨接合用スクリューは、生体骨と同程度もしくはそれ以上の初期強度を備え、生体骨との結合性があり、骨折部分が治癒した後はすみやかに加水分解、吸収されて生体骨と置換するため、再手術を行う必要性がまったくなく、しかも、スクリュー頭部の凸部がドライバー先端の外筒部と内芯部によって外側と内側から挟持された状態でねじ込まれるため、該凸部に大きい回転トルクがかかっても該凸部が割れたり欠けたりし難い等の長所を有するものであった。
しかながら、上記の骨接合用スクリューを骨折部分にねじ込んで接合固定すると、その接合固定部分からスクリュー頭部の凸部が突き出すため、スクリュー頭部が皮下の浅い部分に位置するような場合には、皮膚の上からでも上記凸部の存在がわかることがあった。また、この骨接合用スクリューのように、ドライバー先端の外筒部と内芯部によってスクリュー頭部の凸部を外側と内側から挟持した状態でねじ込むものは、常にスクリューとドライバーが同軸的な位置関係(換言すれば直線的な位置関係)となり、スクリューに対してドライバーを斜めに傾けた状態でねじ込むことが難しいため、ドライバーの方向をスクリューの軸の方向に一致させることができない骨折部位では接合が困難になることもあった。更に上記のスクリューは、ドライバー先端の外筒部がスクリュー頭部の周囲にはみ出すため、例えばスクリューを生体骨に対して斜めにねじ込むような場合、最後にスクリューを強く締め込むときにドライバー先端の外筒部が生体骨に当たって傷つける心配もあった。また、生体内分解吸収性ポリマーよりなるスクリューは、生体骨と同等もしくはそれ以上の強度を有するとはいうものの、金属製のスクリューに比べると強度が小さいため、金属製のスクリューを用いた骨接合に熟練している術者が金属製スクリューと同程度の大きい回転トルクで生体内分解吸収性ポリマーのスクリューをねじ込むと、該スクリューが破壊される虞れもあった。
特開平11−70126号公報
本発明は上記に鑑みなされたもので、過大な回転トルクが作用してもスクリューの本体部分が破壊せず、骨折部分にねじ込んで接合固定した状態ではスクリュー頭部に突起がなく、スクリュー軸に対してドライバー等の回転具を斜めにしてもねじ込むことができ、最後に締め込む際に回転具が生体骨に当たって傷つける心配もない、生体内分解吸収性で再手術の不要な生体骨用スクリューを提供することを解決課題としている。
そして、人工腱などの固定に適したスクリュー頭部のないスクリューであって、スクリュー軸に対して回転具を斜めにしてもねじ込むことができ、回転具が生体骨に当たって傷つける心配がない生体骨用スクリューを提供することも解決課題としている。
上記課題を解決するため、本発明に係る第一の生体骨用スクリューは、生体内分解吸収性ポリマーよりなるスクリューであって、そのスクリュー頭部の上面中央にスクリュー軸よりも細い短軸を突設すると共に、回転具先端の筒部を被嵌する小頭部を短軸の先端に形成し、小頭部を筒部の内側面に対して周方向に係合する形状としたことを特徴とするものである。
そして、本発明に係る第二の生体骨用スクリューは、生体内分解吸収性ポリマーよりなる、スクリュー頭部がないスクリュー軸のみのスクリューであって、そのスクリュー軸の一端にスクリュー軸よりも細い短軸を突設すると共に、回転具先端の筒部を被嵌する小頭部を短軸の先端に形成し、小頭部を筒部の内側面に対して周方向に係合する形状としたことを特徴とするものである。
上記の第一及び第二の生体骨用スクリューにおいては、短軸の付根部分に周方向の切込み溝を形成することが好ましい。そして、小頭部の上面を上方に膨出した凸球面とすると共に、小頭部の下面を下方に膨出した凸球面とし、上面と下面が小頭部の外縁部において接近し又は一部連続する構成とすることが好ましい。
更に、第一の生体骨用スクリューにおいては、スクリュー頭部の外径以下の外径を備えた回転具先端の筒部を小頭部に被嵌できるように、小頭部の外径をスクリュー頭部の外径よりも小さくすることが好ましく、また、第二の生体用スクリューにおいては、スクリュー軸の外径以下の外径を備えた回転具先端の筒部を小頭部に被嵌できるように、小頭部の外径をスクリュー軸の外径よりも小さくすることが好ましい。
本発明の第一の生体骨用スクリューは、その小頭部に回転具(例えばドライバーなど)の先端の筒部を被嵌して回転させながらスクリュー軸を骨折部分にねじ込むことにより骨折部分の接合固定を行うものであるが、その際、スクリューの小頭部が回転具先端の筒部の内側面に対して周方向に係合する形状であるため、回転具が空回りすることなく、確実に回転トルクをスクリューに伝えてねじ込むことができる。そして、スクリューをねじ込んでスクリューの締め付けが完了した後、締め付けに必要なトルク以上の一定のトルクを加えると、短軸が破断してスクリュー本体部分(スクリュー頭部及びスクリュー軸部の全体)から小頭部と短軸が除去され、スクリュー本体部分に回転具から回転トルクが伝達されなくなる。この短軸の破断によって、過大な回転トルクがスクリュー本体にかかってスクリュー本体が破損することを防止することができる。このように第一の生体骨用スクリューは小頭部と短軸が除去されるので、従来の骨接合用スクリューのようにスクリュー頭部から凸部が突き出したまま残ることはない。
しかも、この第一の生体骨用スクリューは、小頭部に被嵌した回転具先端の筒部とスクリュー頭部との間に、短軸の長さに相当する隙間が存在し、骨折部分にねじ込んで締め付ける際に回転具先端の筒部と生体骨との間に上記の隙間に相当するクリアランスを確保できるので、回転具先端の筒部によって生体骨を傷付ける心配がない。そして、この生体骨用スクリューは、骨折部分が治癒した後、生体内で分解吸収されて消滅するため、従来の金属製のスクリューのように再手術をして体外へ取り出す必要も全くない。
一方、スクリュー頭部がない本発明の第二の生体骨用スクリューは、その小頭部に回転具先端の筒部を被嵌して回転させながらスクリュー軸を例えば関節部分の腱固定用の孔にねじ込むことによって、この孔に一端が挿入された人工腱の固定等を行うものであるが、この第二のスクリューも回転具が空回りすることなく確実に回転トルクをスクリューに伝えてねじ込むことができ、第一の生体骨用スクリューと同様に、ねじ込み完了後に締め付けトルク以上の一定の回転トルクを加えると、短軸が破断して小頭部と短軸がスクリュー本体部分(スクリュー軸)から除去され、過大な回転トルクがスクリュー本体部分にかからなくなるので、スクリュー本体の破損を防止することができる。そして、小頭部に被嵌した回転具先端の筒部とスクリュー軸の端面との間に短軸の長さに相当する隙間が存在し、スクリュー軸を最後までねじ込む際に回転具先端の筒部と生体骨との間に上記の隙間に相当するクリアランスが確保されるので、回転具先端の筒部が生体骨に当たって傷付けることもない。また、このスクリューも生体内で分解吸収されて消滅するため、再手術をして体外へ取り出す必要がない。
上記の第一及び第二の生体骨用スクリューにおいて、短軸の付根部分に周方向の切込み溝を形成したものは、この切込み溝のところで短軸が破断されやすいため、短軸の根元部分がスクリュー頭部の上面やスクリュー軸の端面に残りにくくなり、短軸と小頭部を除去したあとのスクリュー頭部の上面やスクリュー軸の端面がきれいになる。しかも、この切込み溝の深さを調節すると、短軸の破断に要する回転トルクを調節できるため、比較的小さな回転トルクで簡単に短軸と小頭部を除去することが可能となる。
また、小頭部の上面を上方に膨出した凸球面とすると共に、小頭部の下面を下方に膨出した凸球面とし、上面と下面が小頭部の外縁部において接近し又は一部連続する構成とした第一及び第二の生体骨用スクリューは、小頭部とこれに被嵌する回転具先端の筒部との間に僅かの遊び(筒部を小頭部に被嵌するのに必要な微小間隙)があれば、スクリュー軸に対して回転具先端の筒部の中心線の方向が斜めになるように回転具の方向を傾け、その状態で回転具を回転させながら生体骨用スクリューをねじ込むことができる。従って、このような第一及び第二の生体骨用スクリューは、回転具の方向を該スクリューのねじ込み方向に一致させることが難しい骨折部分の接合固定や関節部分の人工腱の固定等に好ましく使用され、また、顎骨のように積層構造でスクリュー頭部を前後左右に揺すりながらねじ込む必要がある箇所の接合固定にも好ましく使用される。
更に、第一の生体骨用スクリューにおいて、スクリュー頭部の外径以下の外径を備えた回転具先端の筒部を小頭部に被嵌できるように、小頭部の外径をスクリュー頭部の外径よりも小さくしたものや、第二の生体用スクリューにおいて、スクリュー軸の外径以下の外径を備えた回転具先端の筒部を小頭部に被嵌できるように、小頭部の外径をスクリュー軸の外径よりも小さくしたものは、小頭部に被嵌する回転具先端の筒部がスクリュー頭部の周囲やスクリュー軸の周囲にはみ出さないため、ねじ込む際に筒部による生体骨の損傷をより確実に防止することができる。また、狭小部位であってもスクリュー頭部やスクリュー軸が通過できる部位であれば、生体骨用スクリューと共に回転具の先端を挿入して確実に骨の接合固定や人工腱の固定等を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳述する。
図1の(A)は本発明に係る実施例1の生体骨用スクリューの正面図、(B)は同スクリューの平面図、図2は同スクリューの主要部と回転具先端の筒部を一部破断して示す部分拡大図、図3は同スクリューの小頭部に回転具先端の筒部を被嵌したところを一部破断して示す正面図、図4は同スクリューを骨折部分にねじ込んでいるところを示す説明図、図5は骨折部分にねじ込んだ同スクリューから小頭部を短軸と共に除去したところを示す説明図である。
この実施例1の生体骨用スクリューは、バイオセラミックス粉体を含有させた生体内分解吸収性ポリマーよりなるスクリューであって、図1の(A)に示すように、スクリュー頭部1と、雄ネジが形成されたスクリュー軸2を備えている。そして、このスクリュー頭部1の上面中央には、スクリュー軸2の外径より小さい外径を有する細い短軸3が同軸的に突設されており、この短軸3の先端には、スクリュー頭部1の外径より小さい外径を有する小頭部4が形成されている。なお、この実施例のスクリューや後述する他の実施例のスクリューは、いずれもスクリュー軸2の全長に亘って雄ネジを形成しているが、雄ネジは必ずしもスクリュー軸2の全長に亘って形成する必要はなく、スクリュー軸2の途中から先端部分にかけて雄ネジを形成するだけでもよい。
この小頭部4は、図3に示すようにドライバー等の回転具10の先端に形成された専用の筒部11を被嵌して回転させながらスクリュー軸2を骨折部分にねじ込むために形成されたものであって、回転具10が空回りしないように、筒部11の内側面に対して周方向に係合する形状とされている。即ち、この実施例1では、図1(B)に示すように小頭部4が正六角形の平面形状とされており、図2に示すように正六角筒状に形成された回転具先端の筒部11の内側面11aと周方向に係合して確実に回転具10の回転トルクが伝わるようになっている。
小頭部4の平面形状は上記の正六角形に限定されるものではなく、正三角形、正四角形、正五角形、正七角形、正八角形、それ以上の正多角形としてもよい。また、星形の平面形状としてもよく、その中でも、図6に示すようなヘクサロビュラ穴の輪郭と同じ輪郭を有する六角星形の小頭部4は、これに対応する六角星形の内側面を備えた回転具先端の筒部11から回転トルクが集中することなく小頭部4の側面に分散して加わり、小頭部4が欠けたり割れたりし難いので、特に好ましい。
上記の小頭部4は、その外径がスクリュー頭部1の外径より小さく設定され、スクリュー頭部1の外径以下の外径を備えた回転具先端の筒部11が被嵌されるようになっている。また、小頭部4の上面4aは図2に示すように上方に膨出した凸球面とされ、その下面4bは下方に膨出した凸球面とされている。そして、この上面4aと下面4bは小頭部4の外縁部において接近し、正六角形のそれぞれの角部のところで接点状に一部連続している。従って、この小頭部4の外側面は、紡錘形状の六つの側面が正六角形のそれぞれの角部のところで点接触して連続したものとなっている。一方、回転具先端の筒部11の内天面11bは、図2に示すように小頭部の上面4aに対応して上方に凹入した凹球面とされ、この筒部11を小頭部4に被嵌したとき、その内天面11bが小頭部4の上面4aと面接触するようになっている。なお、筒部11の内天面11bは平坦面にしてもよい。
小頭部4が上記構造であると、被嵌される回転具先端の上記筒部11と該小頭部4との間に僅かの遊び(微小間隙)があれば、図4に示すようにスクリュー軸2に対して斜めになるように回転具10の方向を傾けることが可能となり、このように傾けた状態で回転具10を回転させながらスクリュー軸2を骨折部分にねじ込むことが可能となる。
また、上記の小頭部4を支持する短軸3は、スクリュー軸2を骨折部分にねじ込んだ後、ねじ込みに必要な回転トルクよりも大きく、スクリュー本体部分を破損する回転トルクよりも小さい回転トルクをかけることによって破断し、小頭部4を容易に除去できるようにするために突設されたものであって、スクリュー軸2の外径(雄ネジの外径)よりも小さい外径を有しており、図2に示すように、短軸3の付根部分には周方向の切込み溝3aが形成されている。この切込み溝3aは、短軸3の破断に要する回転トルクを調節する役目と、短軸3を付根部分で破断させる役目を果たすものであり、その切込み深さを調節することによって、スクリュー軸2のねじ込みに必要な回転トルクでは破断を生じないが、それより大きい回転トルクを加えると切込み溝3aのところで容易に破断が生じるように設計されている。なお、小頭部4及び短軸3は、スクリュー本体部分の破損を防止するものであるが、スクリューのねじ込みが完了した後は、切込み溝3aにおいて折り曲げて破断、除去してもよい。
このような生体骨用スクリューは、バイオセラミックス粉体を含有させた生体内分解吸収性ポリマーを溶融成形して該成形体を切削加工するか、或いは、該成形体を更に2〜8倍程度に一軸延伸して分子鎖を延伸配向させたものを切削加工するか、或いは、上記の溶融成形体を更に圧縮成形して分子鎖(結晶)を周囲から中心線に向かって斜めに配向させたものを切削加工することによって製造される。後二者のように溶融成形体を延伸配向させたり圧縮配向させると、得られる生体骨用スクリューの強度が向上し、特に圧縮配向させる場合は、緻密質で種々の方向の外力に対して大きい強度を有する生体骨用スクリューを製造できる利点がある。
材料の生体内分解吸収性ポリマーとしては、初期の粘度平均分子量が15万〜60万程度、好ましくは20万〜55万程度のポリ乳酸、乳酸−グリコール酸共重合体などが好適であり、また、バイオセラミックス粉体としては、生体骨との結合性や骨伝導形成能に優れたハイドロキシアパタイト、特に全吸収性の非焼成ハイドロキシアパタイトが好適に使用される。かかるバイオセラミックス粉体は生体内分解吸収性ポリマーに10〜60質量%含有させることが好ましい。尚、バイオセラミックス粉体は省略可能である。
以上のような生体骨用スクリューを用いて骨折部分を接合固定する場合は、まず、骨折部分の生体骨に、該スクリューをねじ込むためのタッピング穴を形成する。そして、図3に示すように、回転具10の先端の筒部11を生体骨用スクリューの小頭部4に被嵌し、回転具10を回転させながら、図4に示すようにスクリュー軸2を骨折部分の生体骨B,Bに形成された上記のタッピング穴5にねじ込む。このとき、回転具10の方向をスクリュー軸2に対して斜めに傾けてもスクリュー軸2をねじ込むことができるので、骨折部分が回転具10の方向とスクリュー軸2の方向を一致させることが難しい場所であっても、接合固定が可能であり、また、回転具先端の筒部11がスクリュー頭部1の周囲からはみ出さないので、ねじ込んだスクリュー軸2を締め付ける際に該筒部11が生体骨Bに当たって傷付ける心配もない。例えば、図12に示す使用例のように下顎骨B1の奥の骨折部位を接合固定する場合は、生体内分解吸収性ポリマーからなる骨接合プレートPを骨折部位に当てがい、口Mを大きく横に拡げて回転具10(ドライバー)を挿入し、骨接合プレートPの穴を通して生体骨用スクリューのスクリュー軸2を骨折部位にねじ込む関係上、どうしても回転具10の方向がスクリュー軸2に対して斜めになり、スクリュー軸2と回転具10が「く」字形の位置関係とならざるを得ないのであるが、このような場合でも、回転具10を回してスクリューを確実に下顎骨B1の骨折部位にねじ込むことが可能であり、かつ、回転具10の方向が斜めになっても回転具先端10の筒部11がスクリュー頭部1からはみ出さないので、下顎骨B1が筒部11によって傷付けられる心配もない。
スクリュー軸2のねじ込みが終わると、スクリューのねじ込みに必要な回転トルクよりも大きく、スクリュー本体部分を破損する回転トルクよりも小さい回転トルクを加える。すると、図5に示すように、短軸3がその付根部分の切込み溝のところで破断し、小頭部4が短軸3と共にスクリュー頭部1から除去される。従って、過大な回転トルクはスクリュー本体部分に伝わらないので、スクリュー本体部分が破壊することはない。このように切込み溝3aのところで短軸3が破断すると、短軸3の根元部分がスクリュー頭部1の上面に殆ど残らなくなり、小頭部4と短軸3を除去したあとのスクリュー頭部1の上面が凸凹の少ない面になる。この生体骨用スクリューは上記のように最終的に小頭部4が短軸3と共にスクリュー頭部1から除去されるため、スクリュー頭部1が皮下の浅い部分に位置するような場合でも、皮膚の上からスクリュー頭部1の存在が分かり難くなる。
上記のように本発明の生体骨用スクリューで骨折部分を接続固定すると、バイオセラミックス粉体の骨伝導形成能によって早期に生体骨用スクリューが生体骨Bと結合するため、スクリューの緩みなどを生じる心配はない。そして、経時的に生体骨用スクリューの加水分解が進行し、骨折部分が治癒した後は、生体内ですみやかに分解吸収されながら、バイオセラミックス粉体の骨伝導形成能により骨組織と置換されて消滅する。従って、金属製のスクリューのように再手術をして体外へ取り出す必要がないので、患者の負担を軽減することができる。
図7は本発明に係る実施例2の生体骨用スクリューの正面図、図8は同スクリューの小頭部に回転具先端の筒部を被嵌したところを一部破断して示す正面図、図9は同スクリューから小頭部を短軸と共に除去したところを一部破断して示す正面図である。
この生体骨用スクリューは、図7に示すように、小頭部4が正六角柱の形状とされている。この小頭部4は、正三角柱、正四角柱、正五角柱、正七角柱、正八角柱、それ以上の正多角柱の形状としてもよく、また、前述の星形断面を有する柱形状としてもよい。この生体骨用スクリューの他の構成や材質は、前述した実施例1の生体骨用スクリューと同様であるので、図7〜図9において同一部材に同一符号を付すに止め、説明を省略する。
この生体骨用スクリューも、図8に示すように、小頭部4に回転具10の先端の筒部11(正六角筒形の筒部)を被嵌して回転させることにより、骨折部分にねじ込まれるが、小頭部4が正六角柱の形状で、これに先端の筒部11を被嵌した回転具10をスクリュー軸2に対して斜め方向に傾けることができないため、ねじ込み後に回転具10を傾けると、図9に示すように短軸3が付根部分の切込み溝3aのところで折れて、短軸3と小頭部4をスクリュー頭部1から除去することができる。また、ねじ込みに必要な回転トルクよりも大きく、スクリュー本体部分を破壊する回転トルクより小さい回転トルクを加えても、短軸3が切込み溝3aのところで破断されるので、短軸3と小頭部4を除去することができる。
図10は本発明に係る実施例3の生体骨用スクリューの正面図、図11は同スクリューの使用例を示す説明図である。
この生体骨用スクリューは、前述した実施例1,2の生体骨用スクリューと同様のバイオセラミックス粉体を含んだ生体内分解吸収性ポリマーからなるものであるが、人工腱の固定などに使用できるようにするため、図10に示すようにスクリュー軸2の一端にスクリュー頭部を形成しないで、スクリュー軸2より細い短軸3を同軸的に突設し、この短軸3の先端に回転具先端の筒部を被嵌する小頭部4を形成している。そして、短軸3の付根部分には、実施例1,2の生体骨用スクリューにおける切込み溝と同じ切込み溝3aを形成している。
小頭部4は、前述した実施例1の生体骨用スクリューにおける小頭部4と同じ形状とされており、これに被嵌する回転具10の先端の筒部11も実施例1に用いる回転具先端の筒部11と同じ形状とされている。従って、スクリュー軸2に対して回転具10の方向を斜めに傾けて回転させてスクリュー軸2をねじ込むことができ、また、回転具先端の筒部11がスクリュー軸2の端面の周囲にはみ出さないので、ねじ込む際に回転具先端の筒部11が生体骨に当たって傷付くのを防止することもできるようになっている。
上記の生体骨用スクリューを用いて例えば人工腱を固定する場合は、図11に示すように、まず、人工腱6を固定すべき関節部分の生体骨Bにタッピング穴5を形成すると共に、タッピング穴5に沿って人工腱6を挿入する溝7を形成し、この溝7に人工腱6の端部を挿入する。そして、生体骨用スクリューの小頭部4に回転具10先端の筒部11を被嵌して回転させながらスクリュー軸2をタッピング穴5にねじ込み、人工腱6をスクリュー軸2で押圧固定する。その後、スクリュー軸2のねじ込みに必要な回転トルクより大きく、スクリュー軸2を破壊させる回転トルクより小さい回転トルクを加えると、図11に示すように、短軸3が切込み溝3aのところで破断し、小頭部4が短軸3と共にスクリュー軸2の端面から除去される。従って、過大な回転トルクはスクリュー軸2に加わらないので、スクリュー軸2が破損することはない。このように本発明の生体骨用スクリューで人工腱6を固定すると、バイオセラミックス粉体の骨伝導形成能によって早期にスクリュー軸2が生体骨Bと結合するので緩みを生じる心配がなく、骨折部分が治癒した後はスクリュー軸2が骨組織と置換されて消滅するので再手術が全く不要となる。
(A)は本発明に係る実施例1の生体骨用スクリューの正面図であり、(B)は同スクリューの平面図である。 同スクリューの主要部と回転具先端の筒部を一部破断して示す部分拡大図である。 同スクリューの小頭部に回転具先端の筒部を被嵌したところを一部破断して示す正面図である。 同スクリューを骨折部分にねじ込んでいるところを示す説明図である。 骨折部分にねじ込んだ同スクリューから小頭部を短軸と共に除去したところを示す説明図である。 六角星形の小頭部を有する生体骨用スクリューの平面図である。 本発明に係る実施例2の生体骨用スクリューの正面図である。 同スクリューの小頭部に回転具先端の筒部を被嵌したところを一部破断して示す正面図である。 同スクリューから小頭部を短軸と共に除去したところを一部破断して示す正面図である。 本発明に係る実施例3の生体骨用スクリューの正面図である。 同スクリューの使用例を示す説明図である。 本発明に係る実施例1の生体骨用スクリューの一使用例の説明図である。
符号の説明
1 スクリュー頭部
2 スクリュー軸
3 短軸
3a 切込み溝
4 小頭部
5 タッピング穴
6 人工腱
10 回転具
11 回転具先端の筒部
B 生体骨
B1 下顎骨

Claims (6)

  1. 生体内分解吸収性ポリマーよりなるスクリューであって、そのスクリュー頭部の上面中央にスクリュー軸よりも細い短軸を突設すると共に、回転具先端の筒部を被嵌する小頭部を短軸の先端に形成し、小頭部を筒部の内側面に対して周方向に係合する形状としたことを特徴とする生体骨用スクリュー。
  2. 生体内分解吸収性ポリマーよりなる、スクリュー頭部がないスクリュー軸のみのスクリューであって、そのスクリュー軸の一端にスクリュー軸よりも細い短軸を突設すると共に、回転具先端の筒部を被嵌する小頭部を短軸の先端に形成し、小頭部を筒部の内側面に対して周方向に係合する形状としたことを特徴とする生体骨用スクリュー。
  3. 短軸の付根部分に周方向の切込み溝を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生体骨用スクリュー。
  4. 小頭部の上面を上方に膨出した凸球面とすると共に、小頭部の下面を下方に膨出した凸球面とし、上面と下面が小頭部の外縁部において接近し又は一部連続する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生体骨用スクリュー。
  5. スクリュー頭部の外径以下の外径を備えた回転具先端の筒部を小頭部に被嵌できるように、小頭部の外径をスクリュー頭部の外径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の生体骨用スクリュー。
  6. スクリュー軸の外径以下の外径を備えた回転具先端の筒部を小頭部に被嵌できるように、小頭部の外径をスクリュー軸の外径よりも小さくしたことを特徴とする請求項2に記載の生体骨用スクリュー。
JP2004191751A 2004-06-29 2004-06-29 生体骨用スクリュー Pending JP2006006822A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004191751A JP2006006822A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 生体骨用スクリュー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004191751A JP2006006822A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 生体骨用スクリュー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006006822A true JP2006006822A (ja) 2006-01-12

Family

ID=35774687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004191751A Pending JP2006006822A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 生体骨用スクリュー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006006822A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007105600A1 (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Takiron Co., Ltd. インプラント複合材料
JP2008029746A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Takiron Co Ltd 腱または靱帯固定用インターフェアランススクリュー、および、腱または靱帯固定セット
JP2008029680A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Takiron Co Ltd アンカー部材及び人工靱帯
JP2011509145A (ja) * 2008-01-16 2011-03-24 カスタム スパイン インコーポレーテッド バネ付勢された動的な茎ねじアセンブリ
JP2017523895A (ja) * 2014-08-05 2017-08-24 メダルティス・ホールディング・アクチェンゲゼルシャフトMedartis Holding Ag 挿通ポストを有するねじ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007105600A1 (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Takiron Co., Ltd. インプラント複合材料
JP2008029746A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Takiron Co Ltd 腱または靱帯固定用インターフェアランススクリュー、および、腱または靱帯固定セット
JP2008029680A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Takiron Co Ltd アンカー部材及び人工靱帯
JP2011509145A (ja) * 2008-01-16 2011-03-24 カスタム スパイン インコーポレーテッド バネ付勢された動的な茎ねじアセンブリ
JP2017523895A (ja) * 2014-08-05 2017-08-24 メダルティス・ホールディング・アクチェンゲゼルシャフトMedartis Holding Ag 挿通ポストを有するねじ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI3675769T3 (en) STEERING SCREW
JP3754455B2 (ja) 小さな骨の骨折の固定の為の器具
US8192199B2 (en) Dental implant for implanting an artificial tooth on the anterior portion of the mandible of a patient
JP4185361B2 (ja) 骨ねじ
US9526546B2 (en) Method of using a minimal incision removable bone screw
KR20150140738A (ko) 개방 구조 간섭 나사
US20020052608A1 (en) Distraction osteogenesis fixture
JP2004528061A5 (ja)
JP2008212624A (ja) 再吸収可能な先端を備えるセルフタップねじ
US20140222087A1 (en) Orthopedic implant having non-circular cross section and method of use thereof
WO2017024277A1 (en) Tapping devices, systems and methods for use in bone tissue
WO2005079697A1 (en) Anchoring element, dental anchoring member, and dental anchoring unit
US20050137598A1 (en) Self-drilling bone screw
US8162663B2 (en) Dental implant
JP2006006822A (ja) 生体骨用スクリュー
JP3418323B2 (ja) 骨接合用スクリュー
KR101802994B1 (ko) 치과용 스크류 드라이버
JP2000166937A (ja) 生体内分解吸収性スクリュー
JP4343042B2 (ja) 生体骨用スクリューと回転具とのセット
KR100475269B1 (ko) 의료용 스크류
JP4343041B2 (ja) 生体骨用スクリュー
ES2894288T3 (es) Implante dental con rosca progresiva
JP3958448B2 (ja) 骨接合用スクリュー
RU2782108C2 (ru) Биорезорбируемый винт
JP5588876B2 (ja) 骨用ネジセット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090701