JP2006006613A - 吸収具およびその製造装置 - Google Patents

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光宏 星川
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Abstract

【課題】 装着感が良好でかつ、縁漏れ吸収材に吸収される水性の液体の逆戻りを防止する吸収具およびその製造装置を提供する。
【解決手段】 透水性を有する表側シート11と、不透水性を有する裏側シート12とが、親和性を有する吸収材13を介在させて積層し、表側シート11の表面上の少なくとも一部に疎水性を有する油剤15が塗布されて形成される透過抑制層14を含んで形成する。この吸収具10は、搬送される吸収材13を帯状の表側シート11の素材33および帯状の裏側シート12の素材34によって覆い、表側シート11の表面上に油剤塗布手段27aによって油剤15を塗布して、吸収具型抜き手段28によって複数の吸収具10を連続的に型抜きする型抜き工程を経て形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水性の液体を吸収するための吸収具およびその製造装置に関する。
図22は、従来の技術の吸収具1を示す断面図である。吸収具1は、透水性を有する表側シート2と表側シート2に積層される不透水性を有する裏側シート3を含んで構成される。また吸収具1は、表側シート2と裏側シート3の間に親水性を有する吸収材4を含む。吸収具1は、吸収具1の外方から表側シート2に水性の液体を付着させると、水性液体は、表側シート2を透過し、吸収材4によって吸収される(たとえば、特許文献1参照)。
他の従来の技術の吸収具は、吸収具1と同様の構成であって、複数の透孔を有する不透水性の表側シートたとえばポリエチレンなどの合成樹脂を含んで構成される。これによって吸収具は、表側シートが有する透孔から水性の液体を吸収具の内部に導き、吸収することができる。
さらに他の従来の技術の吸収具は、吸収具1と同様の構成であって、吸収材に高分子吸収材を用いて構成される。高分子吸収材は水性の液体を吸収すると、水性の液体とあいまって固化する。
特開2003−24376(第3−5頁、第1図)
従来の技術の吸収具1では、吸収具1が加圧などされることによって吸収材4に吸収された水性の液体が、表側シート2を透過して、吸収具1の外方に逆戻りする。吸収具1が人体の皮膚に接触させて使用する場合、逆戻りした水性の液体が皮膚に付着し、皮膚に付着した状態で放置したままにしておくと皮膚のかぶれおよび褥瘡を発症するおそれがあるので、長期間にわたって吸収具1を使用することができなかった。
図23は、吸収具1を装着した状態で上下方向に配置して使用している場合の断面図である。吸収具1を上下方向に配置する場合、水性の液体は、重力によって鉛直方向に流れ、供給位置より鉛直方向下方でしか吸収できず、側方で吸収できないので、前記液体を吸収する面積が小さく、吸収具1が前記液体を吸収しきれずに、縁漏れしていた。
他の従来の技術の吸収具では、ポリエチレン自体に柔軟性がなく、人体になじみにくいので、人体を動かした場合、人体の皮膚とポリエチレンとが摺接して、違和感を与え、装着感が悪い。
さらに他の従来の技術の吸収具では、高分子吸収材が水性の液体を吸収すると固化するので、吸収具を人体に接触させた場合、固化した高分子吸収材によって人体の皮膚が押圧され、違和感を与え、装着感が悪い。
したがって本発明の目的は、装着感が良好でかつ、縁漏れおよび吸収材に吸収される水性の液体の逆戻りを抑制する吸収具およびその製造装置を提供することである。
本発明は、透水性を有する表側シートと、
不透水性を有し、表側シートに積層される裏側シートと、
親水性を有し、表側シートおよび裏側シート間に設けられる吸収材と、
疎水性を有する油剤から成り、前記油剤が表側シートの一部の領域に塗布されて形成される透過抑制層とを含むことを特徴とする吸収具である。
本発明によれば、吸収具は透過抑制層を有するので、表面シートを透過する水性の液体の量を抑制することができる。また吸収具は、表側シートに付着する水性の液体を徐々に吸収する。したがって透過抑制層は、表側シートの一部に油剤を塗布することによって形成されるので、吸収具が水性の液体を吸収することに影響を与えない。このような吸収具は、使用者が人体の皮膚を表側シート側に接触させて、体内から分泌または排泄される液体を吸収させることができる。また人体に接触させて用いる場合、一度吸収させた前記液体の逆戻りを抑制することができるので、前記液体が逆戻りして、人体の皮膚に付着する量を少なくすることができる。したがって逆戻りした液体が人体の皮膚に付着することによる不快感を軽減することができる。また、前記液体の付着する量が少ないので、付着した液体内での細菌などの繁殖に起因するかぶれおよび褥瘡などを発症することを抑制される状態で長時間にわたって使用することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の吸収具10の一部を拡大して示す斜視断面図である。図2は、吸収具10を示す断面図である。図3は、吸収具10を示す平面図である。吸収具10は、水性の液体を吸収するために用いられ、たとえば生理用品および医療用パッドなどに用いられる。吸収具10は、透水性を有する表側シート11と、不透水性を有する裏側シート12と、表側シート11および裏側シート12の間に介在される吸収材13と、透過抑制層14とを含んで構成される。吸収具10は、人体の皮膚に装着することができ、たとえば図3のように略楕円形状に形成される。
表側シート11は、たとえば不織布によって実現され、水性の液体を透過することができる。吸収具10を装着するときは、表側シート11が使用者の皮膚に対向するように配置される。このため肌着に近い感触を有する不織布を用いることによって、違和感なく前記吸収具10を装着することができる。吸収材13は、たとえばフラッフパルプおよび吸水ポリマを含んで構成される。この吸収材13は、表側シート11を透過した水性液体を吸収して保持することができる。裏側シート12は、ポリエチレンなどの熱可塑性合成樹脂によって実現され、吸収具10が使用されている状態で吸収材13に吸収された液体が外部に漏れ出ないようにすることができる。表側シート11および裏側シート12は、吸収材13を介在して、各シート11,12の周縁部18がホットメルト型接着剤によって相互に固着される。
透過抑制層14は、表側シート11の吸収材13に臨む一表面11aと反対側の他表面11bに疎水性を有する油剤15を塗布することによって形成される。油剤15は、油剤15が塗布される塗布領域16と油剤15が塗布されない非塗布領域17とが縞状に形成されるように表側シート11の他表面11bに塗布される。また油剤15は、隣り合う塗布領域16の間隔L1および厚みが、吸収具10を皮膚に接触させて装着する場合、皮膚が隣り合う塗布領域16に塗布される油剤15によって支持され、非塗布領域17において皮膚と表側シート11との間に空隙が形成されるような長さおよび厚さに塗布される。具体的には、間隔L1が約0.5〜5mmであって、厚みが均一となるように塗布されている。油剤15は、肌に接触した場合に、違和感がない粘性を有する油脂たとえばラノリンなどの動物から抽出される動物油脂、椿油およびオリーブオイルなどの植物から抽出される植物油脂によって実現される。
吸収具10の表側シート11側の一表面に局所的に水性の液体が付着した場合、前記液体は、油剤15によって非塗布領域17に案内され、表側シート11を浸入方向Aに透過し、吸収具10内部に浸入する。浸入する液体は、吸収材13によって吸収される。
吸収具10は、押圧などされると、吸収材13に吸収された水性の液体が、吸収材13の外部に排出される。排出される水性の液体のうち吸収具10の内部から外部に向う第1排出方向B1に排出される液体は、表面シート11を透過して、非塗布領域17から表側シート11の外表面に染み出る、すなわち逆戻りする。排出される水性の液体のうち第2排出方向B2に排出される液体は、表側シート11を透過するけれども、表側シート11に疎水性を有する油剤15が塗布されているので、油剤15によって外部への流出が阻止され、吸収材13に導く内部方向C1に案内される。これによって吸収具10は、前記液体が油剤15によって吸収具10の外部方向C2に流出することを防ぐことができる。したがって吸収具10からの逆戻りを抑制することができる。また吸収具10は、皮膚に装着されても、油剤15によって表側シート11と皮膚との間に空隙が形成されるので、逆戻りする水性の液体が皮膚に付着することを防ぐことができる。
図4は、吸収具10を製造するための製造装置20を簡略して示す平面図である。図5は、製造装置20に用いられる油剤転写コートロール40を示す斜視図である。製造装置20は、吸収材素材供給手段21、綿状パルプ散布手段22、吸収材型抜き手段23、表側素材供給手段24、裏側素材供給手段25、接着剤塗布手段26、油剤塗布装置27および吸収具型抜き手段28を含んで構成される。
吸収材素材供給手段21は、帯状の吸収材の素材31、たとえばティシュを供給する。綿状パルプ散布手段22は、供給される前記素材31上に綿状パルプ32を散布し、所定の厚さに積層する。吸収材型抜き手段23は、たとえばロータリカッターであり、吸収材の素材31に綿状パルプ32を散布した帯状吸収材35から吸収材13を型抜きする。
表側素材供給手段24は、搬送されてくる吸収材13を下側から覆うように、帯状の表側シートの素材33を供給する。また裏側素材供給手段25は、搬送されてくる吸収材13を上側から覆うように、帯状の裏側シートの素材34を供給する。
接着剤塗布手段26は、帯状の表側シートの素材33に接着剤を塗布する第1接着剤塗布手段26aと、帯状の裏側シートの素材34に接着剤を塗布する第2接着剤塗布手段26bとを含む。
油剤塗布装置27は、油剤15を貯える油剤貯蔵手段27a、油剤15を搬送する油剤搬送手段27b、搬送された油剤15を転写する油剤転写手段27cおよび転写された油剤15を搬送される帯状の表側シートの素材33に塗布する油剤塗布手段27dを有する。
油剤搬送手段27bは、略円筒形状に形成され、回転方向D1に沿って回転し、油剤搬送手段27bの外周面部の一部が油剤貯蔵手段27aに貯えられる油剤15に浸漬するように設けられる。油剤転写手段27cは、略円筒形状に形成され、回転方向D2に沿って回転し、油剤搬送手段27bの外周面部と油剤転写手段27cの外周面部とが転がり接触するように設けられる。転写ローラである油剤塗布手段27dは、略円筒形状であって、外周面部に凹凸が形成され、回転方向D3に沿って回転し、油剤転写手段27cの外周面部と搬送される帯状の表側シートの素材33とが転がり接触するように設けられる。たとえば、図5に示すような油剤転写コートロール40によって実現される。
油剤転写コートロール40は、略円筒形状に形成され、外周面部に周方向に延びる凸部42を、全周にわたって形成し、周方向と略垂直方向に長さL1の間隔で連続的に形成する。これによって外周面部に縞状凸部43が形成される。
油剤搬送手段27bは、外周面部を油剤貯蔵手段27aに貯えられる油剤15に浸漬し、外周面部に油剤15を付着させる。油剤搬送手段27bは、回転方向D1に回転するとともに、油剤転写手段27cに転がり接触し、付着する油剤15を油剤転写手段27cの外周面部に塗布する。油剤転写手段27cは、回転方向D2に回転するとともに、油剤塗布手段27dに転がり接触し、付着する油剤15を、油剤塗布手段27dの外周面部に塗布する。油剤塗布手段27dは、帯状の表側シートの素材33に転がり接触し、付着する油剤15を塗布する。油剤塗布手段27dの外周面部に凹凸が形成されているので、帯状の表側シートの素材33に凹凸に基づいた模様、たとえば油剤転写ロール40Dでは縞状に油剤15が塗布され、透過抑制層14が形成される。吸収具型抜き手段28は、たとえばロータリカッターであり、吸収材13が帯状の表側シートの素材33と帯状の裏側シートの素材34とによって覆われた帯状の吸収具37から吸収具10を型抜きする。
製造装置20は、吸収材素材供給手段21が供給する帯状の吸収材13の素材31上に、綿状パルプ32を散布することによって帯状の吸収材35を形成する。帯状の吸収材35は、吸収材型抜き手段によって型抜きされ、単一個の吸収材13が形成される。
このようにして形成された吸収材13は、図示しない搬送手段によって矢符Fで示される搬送方向に予め定める間隔ΔL2で連続して搬送され、吸収材13の下方に設けられる表側素材供給手段24から供給される帯状の表側シートの素材33上に乗り移り、この吸収材3の上方に設けられる裏側素材供給手段25から供給される帯状の裏側シートの素材が乗載される。また帯状の表側シートの素材33が供給されるときに、帯状の表側シートの素材33が帯状の裏側シートの素材34と対向する表面に、第1接着剤塗布手段26aによってホットメルト型接着剤が塗布され、帯状の裏側シートの素材34が供給されるときに、帯状の裏側シート素材34が帯状の表側シートの素材と対向する表面に、第2接着剤塗布手段26bによってホットメルト型接着剤が塗布される。
帯状の表側および裏側シートの素材33,34間に吸収材13を介在させた状態で、一対の加熱ローラ(図示せず)間を搬送されると表側および裏側シートの素材33,34に塗布されたホットメルト型接着剤によって、吸収具10の周縁の領域では表側シートの素材33と裏側シートの素材34とが接着され、吸収材13が介在する領域では吸収材13が表側および裏側シートの素材33,34に接着される。これによって吸収材13が形崩れしにくくなる。これによって帯状の表側および裏側シートの素材33,34間に吸収材13を介在させる帯状の吸収具10の素材36が形成される。
帯状の吸収具10の素材36は、搬送手段によって搬送方向Fの下流方向に表側シートの素材33が油剤塗布手段27dと転がり接触するように搬送され、油剤塗布手段27dの外周面部に形成される凸部に付着する油剤15を表側シートの素材33の吸収材13と対向する面と反対側の表面に塗布する。本実施の形態では、図5に示すような油剤転写コートロール40を用いて、前記表面に油剤15を縞状に塗布し、吸収具10が有する透過抑制層14を形成する。これによって油剤15が塗布された帯状の吸収具の素材36である帯状の吸収具37が形成される。
このように形成された帯状の吸収具37は、搬送手段によって搬送方向Fの下流へ搬送され、吸収具型抜き手段28によって型抜きされ、単一個の吸収具10を形成する。このようにして製造装置20によって連続的に吸収具10を製造する。
図6は、本発明の実施の他の形態の吸収具10A(以下、理解を容易にするために「母乳吸収パッド10A」という場合がある。)の装着状態を示す断面図である。図7は、母乳吸収パット10Aを示す平面図である。図8は、母乳吸収パッド10Aの一部を拡大して示す平面図である。図9は、母乳吸収パッド10Aの一部を拡大して示す断面図である。母乳吸収パッド10Aは、出産前後の女性が乳房に装着して、漏れ出る母乳を吸収するために用いられる。
母乳吸収パッド10Aは、前述の実施の形態の吸収具10と同様の構成であるので、同一の符号を付して説明を省略する。母乳吸収パッド10Aは、油剤15が予め定められた方向に延びる縞状に塗布される透過抑制層14を有する。
母乳吸収パッド10Aは、油剤15の延びる方向と矢状面52とが略垂直となり、この状態で母乳吸収パッド10Aが有する透過抑制層14の上下方向(矢状面52に沿う方向)の中央位置が乳首53に対向するように、透過抑制層14を内側にして肌に接触させて、乳房51に装着される。
母乳吸収パッド10Aが乳房51に装着され、乳首53から母乳が漏れると、母乳は、乳首53より重力下方向に母乳吸収パッド10Aの表側シート11の表面に沿って流れる。前記母乳は、表側シート11上を流れ、油剤15が形成する第1油剤筋15aに達すると、油剤15が延びる方向に案内される。案内された母乳は、表側シート11を透過し、吸収材13によって吸収される。また案内および吸収されなかった母乳は、第1油剤筋15aより下方向に形成される第2油剤筋15bに達すると、第1油剤筋15aと同様に、油剤15が延びる方向に案内し、吸収材13によって吸収される。このようにして乳首から漏れ出る母乳は、縞状に油剤15が塗布されて形成される透過抑制層14によって、油剤15が延びる方向に案内し、拡散させることができる。また拡散された母乳は、非塗布領域17から表側シート11を透過して吸収材13に吸収させることができる。これによって母乳吸収パッド10Aは、乳首53から漏れる母乳を透過抑制層14を形成する油剤15によって拡散させ、広範囲で吸収することができる。したがって母乳が母乳吸収パッド10Aで迅速に吸収され、母乳吸収パッド10Aから母乳が漏れることを抑制することができる。
図10は、本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Bが人体60に装着される状態の一部を拡大して示す断面図である。図11は吸収具10Bが人体60に装着される状態を示す側面図である。本実施の形態の吸収具10Bは、前述の実施の形態の吸収具10と同様の構成であり、油剤15は、常温で固体であって一定の温度に達すると溶融し粘性を有し人体に付着しやすくなる油剤、たとえばラノリンが用いられている。
吸収具10Bは、表側シート11を内側にして透過抑制層14と人体60の皮膚61とを接触させて、人体60に変位可能に装着される。吸収具10Bは、人体60に装着して、体内から排泄される老廃物、たとえば汗および尿などを非塗布領域17から表側シート11を浸入方向Aに透過し、吸収材13に吸収する。
吸収具10Bにおいて透過抑制層14を形成する油剤15は、一定温度に達すると、透過抑制層14が人体60の皮膚61と接触することによって人体60の皮膚61に付着する。また吸収具10Bを、人体60に沿って油剤15が延びる方向と異なる方向に変位させると、吸収具10Bの変位に伴って透過抑制層14が接触する範囲よりも広範囲にわたって皮膚61に油剤15を付着させることができる。また人体60を、吸収具10Bに沿って油剤15が延びる方向と異なる方向に変位させることによっても同様の効果を得ることができる。これによって皮膚61の一部を、油剤15によって覆うことができ、油剤15によって水性の液体が皮膚61に付着することを防ぎ、水性の液体の付着による不快感などをなくすことができる。
吸収具10Bは、たとえば下着63の内側に設けられ、人体60の臀部62に臀部62と表側シート11が対向するように、透過抑制層14を内側にして臀部62の皮膚61に接触させて、装着される。これによって使用者が体を動かすことによって、油剤15が臀部62の広範囲の部分に付着し、水性の液体が臀部62の皮膚61に付着することを防ぐことができる。したがって水性の液体が皮膚61に付着した状態で放置されたままになることを防ぎ、前記液体の付着によって生じる皮膚61のふやけおよび付着した液体内での細菌などの繁殖に起因するかぶれおよび褥瘡などの発症の心配がなくなり、長期間にわたって使用することができる。
図12は、本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Cを拡大して示す断面図である。図13は、吸収具10Cの一部の水性の液体が透過する量の分布を示すグラフである。図14は、吸収具10Cを示す平面図であり、図15は、吸収具10Cを示す断面図である。図13では、吸収具10Cの吸収材13に透過する水性の液体の量を示し、矢印の長さが長いほど、透過する前記液体の量が多いことを示す。本実施の形態の吸収具10Cは、前述の実施の形態の吸収具10と類似しており、異なる点についてだけ説明し、同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。吸収具10Cは、表側シート11、裏側シート12、吸収材13および油剤15によって形成される透過抑制層14Cを含む。
吸収具10Cは、略矩形状に形成される。また吸収材13も、略矩形状に形成される。油剤15は、吸収材13が表側シート11と裏側シート12に介在している領域だけに、吸収具10Cの長手方向と垂直な方向に延びる縞状に塗布され、長手方向に塗布する油剤15の厚みを不均一にする。たとえば図12のように透過抑制層14における縞の各塗布領域16Cの延びる方向と垂直な断面が、一辺が表側シート11に接する略三角形状となるように油剤15を塗布する。油剤15は、塗布される厚みに従って表側シート11を透過する水性の液体の量が変化するので、吸収具10Cは、水性の液体の透過量が連続的に変化する透過抑制層14Cを形成することができる。透過抑制層14Cを透過する水性の液体の量は、油剤15の厚みが一番大きい所で最小となり、厚みが減少するとともに増大し、非塗布領域17Cで最大となる。したがって水性の液体の透過量の分布は、図13に示されるように、表側シート11に塗布された油剤15の厚みの分布を反転した形となる。このようにして油剤15を塗布する厚みを変化させることによって、透過させ、吸収させる水性の液体の量を調整することができる。
図16は、本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Dの一部を拡大して示す拡大図である。図17は吸収具10Dを示す平面図である。図18は、吸収具10Dを製造するために用いられる油剤転写コートロール40Dを示す斜視図である。本実施の形態の吸収具10Dは、前述の実施の形態の吸収具10と類似しており、異なる点だけ説明し、同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。吸収具10Dは、表側シート11、裏側シート12、吸収材13および油剤15を塗布することによって形成される透過抑制層14Dを含んで構成され、略楕円形状に形成される。
透過抑制層14Dは、油剤15を塗布領域16Dと非塗布領域17Dとが市松模様になるように塗布して形成される。塗布領域16Dの略正方形の一辺の長さL3は、1〜10mmとなるように油剤15が塗布されている。また塗布領域16Dに塗布された油剤15の厚みは、均一であっても、不均一であってもよい。これによって吸収具10Dは、局所的に水性の液体の透過量を減少させることが可能となり、吸収材13に吸収された水性の液体の逆戻り抑制の効果を高くすることができる。
油剤転写コートロール40Dは、吸収具10Dを製造装置20を用いて製造する場合に、吸収具10を製造するために用いられる前述の油剤転写コートロール40に代わって用いる。油剤転写コートロール40Dは、略円筒形状に形成され、凸部42Dが市松模様状に外周面部の全周面にわたって形成され、外周面部に市松模様状凸部43Dを形成する。これによって製造装置20は、油剤転写コートロール40によって透過抑制層14Dを形成することができる。したがって製造装置20を用いて吸収具10Dを製造することが可能となる。
図19は、本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Eを示す平面図である。本実施の形態の吸収具10Eは、前述の実施の形態の吸収具10と類似しており、異なる点についてだけ説明し、同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。吸収具10Eは、表側シート11、裏側シート12、吸収材13、第1透過抑制層81および第2透過抑制層82を含んで構成される。吸収具10Eは、略楕円形状に形成される。
第1透過抑制層81は、表側シート11上に塗布領域16Eと非塗布領域17Eとが市松模様状となるように油剤15が塗布されて形成される油剤塗布部83と第1透過抑制層81の少なくとも一部に油剤15が塗布されない非油剤塗布部84とを含んで構成される。たとえば、図19のように第1透過抑制層81の中央部に略楕円形状の非油剤塗布部84を形成する。これによって油剤15を塗布することが好ましくない部位がある場合、前記部位を非塗布部84に対向させることによって油剤15が前記部位に塗布されることを防ぐことができる。また局所的に透過する水性の液体の量を多くすることができる。
第2透過抑制層82は、吸収具10Eの周縁部の少なくとも一部の領域に油剤15が全面に塗布されて形成される。これによって吸収材13に吸収された水性の液体が逆戻りする場合、第2透過抑制層によって吸収具10Eの周縁部から逆戻りし、吸収具10Eから漏れ出ることを防ぐことができる。
したがって吸収具10Eは、水性の液体の供給源を非油剤塗布部84に対向させることによって、水性の液体の吸収性を高くし、第1透過抑制層83によって逆戻りを防止し、第2透過抑制層84によって吸収具10Eから吸収材13に吸収された水性の液体が縁漏れすることを防ぐことができる。
図20は、本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10F(以下、理解を容易にするために「尿取りパッド10F」という場合がある。)を示す平面図である。尿取りパッド10Fは、人体60の恥骨部から会陰を経て、臀部にわたって覆って装着することができるように形成され排泄される尿などを吸収することができる。尿取りパッド10Fは、前述の実施の吸収具10と類似しており、同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。尿取りパッド10Fは、表側シート11、裏側シート12、吸収材13および透過抑制層14Fを含んで構成される。
透過抑制層14Fは、油剤15が塗布されない高透水性部91と油剤15が塗布される低透水性部92を含んで構成される。高透水性部91は、尿取りパッド10Fを装着した場合、尿などの排泄物を吸収するために表側シート11を内側にして人体60の皮膚61に接触して、恥骨部から会陰にわたって覆うように形成される。低透水性部92は、表側シート11上に塗布領域16Fが網点状になるように油剤15を塗布して形成される。低透水性部92は、尿取りパッド10Fが装着された場合、低透水性部92が押圧されることによって吸収された水性の液体が逆戻りして、臀部に付着することを抑制するために臀部を覆うように形成される。
このようにして高透水性部91によって尿などの排泄物を効率よく吸収するとともに、低透水性部92によって局所的に排泄物が逆戻りすることが好ましくない範囲の逆戻りを抑制することができる利便性の高い尿取りパッド10Fを実現することができる。
図21は、本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10G(以下、理解を容易にするために「生理用ナプキン10G」という場合がある。)を示す平面図である。生理用ナプキン10Gは、会陰を覆って装着することができるように形成され、経血を吸収することができる。生理用ナプキン10Gは、前述の実施の形態の吸収具10に類似しており、異なる点についてだけ説明し、同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。生理用ナプキン10Gは、表側シート11、裏側シート12、吸収材13および透過抑制層14Gを含んで構成される。透過抑制層14Gは、油剤15を塗布領域16Gが外周の径が異なる同心の楕円領域が少なくとも1つ以上形成されるように塗布することによって形成される。これによって体位を変えても生理用ナプキンに付着した経血が油剤15によって油剤15に沿った方向に案内され、経血が生理用ナプキン10Gの周縁部から外部へ漏れ出ることを防ぐことができ、生理用ナプキンから経血が縦漏れおよび横漏れすることを防ぐことができる。
本実施の形態の吸収具10では、表側シート11の面積に対する油剤15の塗布領域の割合は、0%を超えて100%未満の範囲で部位に合わせて塗布することができる。吸収具10の使用状態などを考慮すると、個人差、部位および用途などにかかわらず好適に用いるために前記割合は、10%以上80%以下の範囲が好ましい。これによってどのような部位に装着しても、漏れおよび逆戻りによって皮膚に水性の液体が付着することを抑制した状態で使用することができる。また油剤15を塗布した場合、塗布される厚みは、1m2あたり1g〜20g程度が好ましい。また油剤15は、動物油脂および植物油脂だけでなく、鉱物系油脂、たとえばシリコーン油などであってもよい。
本実施の形態の吸収具10は、1組の表側シート11と透過抑制層14とが設けられているけれども、複数組の表側シート11と透過抑制層14を裏側シート12に積層してもよい。また油剤15が異なる形状に塗布されて形成される2以上の透過抑制層14を表側シート11上に積層してもよい。これによって逆戻り抑制効果を一層高くすることができる。また透過抑制層14,14C,14D,14E,14F,14Gを形成する油剤15が、塗布される形状は、前述のような縞状、市松模様状および網点状などに限定されず、蜂の巣状、斑模様状、その他幾何学模様状および不幾何学模様状であってもよい。また、塗布領域16,16C,16D,16E,16Fの各々の形状は、略三角形または丸であってもよく、その形状は、限定されない。さらに吸収具10Eのようにこれらを組み合わせた形状であってもよい。吸収具10の形状も前述のような形状に限定されず、三角形および台形であってもよく、さらにこれらを組合せた形状であってもよく、使用状況に合わせて形状を適宜変更することができる。また油剤塗布手段27dも、塗布領域16,16C,16D,16E,16Fの各々の形状に合わせて、外周面部の凹凸の形状を適宜変更することができる。
本発明の実施の一形態の吸収具10の一部を拡大して示す斜視断面図である。 吸収具10を示す断面図である。 吸収具10を示す平面図である。 吸収具10を製造するための製造装置20を簡略して示す平面図である。 製造装置20に用いられる油剤転写コートロール40を示す斜視図である。 本発明の実施の他の形態の母乳吸収パッド10Aの装着状態を示す断面図である。 吸収具10Aを示す平面図である。 吸収具10Aの一部を拡大して示す平面図である。 吸収具10Aの一部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Bが人体60に装着される状態の一部を拡大して示す断面図である。 吸収具10Bが人体60に装着される状態を示す側面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Cを拡大して示す断面図である。 吸収具10Cの一部の水性の液体が透過する量の分布を示すグラフである。 吸収具10Cを示す平面図である。 吸収具10Cを示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Dの一部を拡大して示す拡大図である。 吸収具10Dを示す平面図である。 吸収具10Dを製造するために用いられる油剤転写コートロール40Dを示す斜視図である。 本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Eを示す平面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Fを示す平面図である。
本発明の実施のさらに他の形態の吸収具10Gを示す平面図である。 従来の技術の吸収具1を示す断面図である。 吸収具1を装着した状態で上下方向に配置して使用している場合の断面図である。
符号の説明
10,10B,10C,10D,10E,10F,10G 吸収具
11 表側シート
12 裏側シート
13 吸収材
14,14C,14D,14F,14G 透過抑制層
15 油剤
16,16C,16D,16E,16F 塗布領域
17,17C,17D,17E 非塗布領域
20 製造装置
27a 油剤貯蔵手段
27b 油剤搬送手段
27c 油剤転写手段
27d 油剤塗布手段
40,40D 油剤転写コートロール
81 第1透過抑制層
82 第2透過抑制層

Claims (1)

  1. 透水性を有する表側シートと、
    不透水性を有し、表側シートに積層される裏側シートと、
    親水性を有し、表側シートおよび裏側シート間に設けられる吸収材と、
    疎水性を有する油剤から成り、前記油剤が表側シートの一部の領域に塗布されて形成される透過抑制層とを含むことを特徴とする吸収具。
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JP2019202138A (ja) * 2018-05-16 2019-11-28 第一衛材株式会社 衛生吸収具

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