JP2006003525A - パターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 波長200nm以下のエキシマレーザー光を露光光として用いたパターンの形成方法において、レジストのコントラストを向上させて、パターン精度を改善する。
【解決手段】 フッ素含有樹脂からなるレジストに、添加剤として光退色性のある化合物を使用する。この光退色性化合物としては、ジアゾ化合物が適している。本発明のプロセスは、光退色性化合物を添加したレジストを被処理基板に塗布し、エキシマレーザー光を照射して露光し、定法に従って現像して、レジストパターンを形成する。このレジストとして、化学増幅型レジストとすることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体などの製造において採用されるリソグラフィーに適したパターン形成方法に関し、特に波長200nm以下のエキシマレーザーを用いた微細なパターン形成方法に関する。
IC、LSI等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造などには、レジストを基板上に塗布し、紫外線、X線、電子線等の短波長の活性光線を用いるレジストを露光し、現像した後、エッチングなどの方法によってパターンを形成するリソグラフィー工程が採用されている。
近年、半導体集積回路の高集積化が進み、集積回路の微細化が急速に進んでいる。微細化に対応するために、リソグラフィー工程では露光光源の短波長化が進んでいが、KrFエキシマレーザー(248nm)はすでに実用化されており、さらに短波長のArFエキシマレーザー(193nm)も実用化が始まりつつある。今後も、更なる微細化要求は続くと予想され、この要求に応える方法として、F2エキシマレーザー(157nm)の採用が有望視されており、今日、開発が急速に進んでいる。
従来のi線およびKrFエキシマレーザーでは、レジストとしてノボラック樹脂やポリビニルフェノール樹脂等の芳香環含有樹脂を用いてきた。しかしながら、芳香環含有樹脂は、ArFエキシマレーザー領域の光吸収が強く、レジストのパターン形成が極めて困難となったために、レジスト樹脂としては脂環式樹脂が採用されるようになった。
しかし、さらに短波長のF2エキシマレーザー領域では、ベンゼン環含有樹脂および脂環式樹脂のいずれも光吸収が大きく、レジストとして使用に適さない。このため、この波長領域において、光吸収の小さいフッ素含有非芳香環樹脂をレジストとして用いる技術の開発が進んでおり、近年、数種の高透明樹脂が見出されており、今後これらの樹脂を実用化するに当たって、パターンの精度を向上させるためには、コントラストを向上することが必要不可欠の技術となっている。
ところで、波長200nm以下の短波長領域の露光光を用いたリソグラフィーに適したレジスト樹脂においては、高透明化は進んでいるものの、この波長域のリソグラフィー用レジストにおいて必要と考えられている化学増幅型レジストとして必須である酸発生剤を添加すると、レジストの透明性が著しく悪化する。このため、コントラストが悪化し、出来上がりのレジストパターンはテーパー形状になってしまうという問題が存在していた。
従来の、KrFのような比較的長波長の露光光を用いたリソグラフィーにおいても、コントラスト向上は、重要な技術であり、そのための手法として、ベースポリマーにブリーチング剤を添加することが知られている(特許文献1参照)。この手法によれば、透明性の高いレジスト樹脂を用いた場合に、露光光が、レジスト樹脂層の下層に到達し、その表面で乱反射してパターンのコントラストを低下させる現象を改善することが期待できる。しかしながら、この方法で用いているレジストは、前述のようにKrF用レジストであって、波長200nm以下の露光光によるリソグラフィーには使用することができない。また、この方法において用いているジフェニルスルフォンのようなブリーチング剤も波長200nm以下の露光光では効果的に退色せず、コントラスト改善には結びつむず、この文献の記載によっても、波長200nm以下のような短波長の露光光を用いたリソグラフィーの改善を期待することはできないものであり、短波長領域の露光光を用いたリソグラフィーにおいてコントラストを効果的に改善する手法の開発が求められていた。
特開平7−120927号公報
本発明は、波長200nm以下という短波長領域の露光光を用いたリソグラフィーにおけるレジストの透過率劣化およびコントラスト劣化という問題に鑑みてなされたものであり、レジスト透過率を向上させることにより、コントラストを改善し、レジストパターンの異常の発生を防止するパターン形成方法を提供することである。
本発明者は、レジストパターン形成方法を鋭意検討した結果、レジスト添加物として、ジアゾ化合物を用いることでコントラストを改善できることを知得し本発明に至った。
本発明は、フッ素含有樹脂に、光退色性化合物を添加したレジストを被処理基板に塗布し、露光・現像処理してレジストパターンを被処理基板上に形成することを特徴とするパターン形成方法である。
前記本発明において、前記光退色性化合物が、ジアゾ化合物であることが好ましい。
前記露光の活性光線が、波長200nm以下のエキシマレーザー光であることが好ましく、さらには、F2エキシマレーザー光であることが好ましい。
前記光退色性化合物の量は、前記レジストの固形分に対して3〜5wt%の範囲で添加して使用することができる。
本発明のレジストは、特にF2エキシマレーザーを露光光源とする場合、レジスト露光部、未露光部間のコントラス差を増大できるため、パターン形成性能が向上する。また、レジストから発生するガスは、時にレンズコンタミネーションの原因となるが、本発明において、ジアゾ化合物の分解によって放出されるガスは窒素であるために、レンズに異物が付着する懸念もなく、装置のメインテナンスが容易なシステムを構築できる。
以下本発明の原理について説明する。
本発明で用いる光退色性化合物は、露光光の波長領域において光吸収が大きく透明性が低いものの、光照射に伴い分解反応などが進行して、光吸収が低下するような材料である。光退色性化合物として適しているジアゾ化合物は、光吸収が強く透明性において劣るが、波長200nm以下、特に157nmの光を照射するとジアゾ化合物のジアゾ基の部位が分解するため、露光部のみ透明性が改善される。このため、ジアゾ化合物を含有するレジスト層を露光すると、露光部分の透明性が向上するため、露光部一未露光部間のコントラスト差が増大されるものである。
以下に、光退色性化合物を添加した化学増幅型レジストを用い、波長200nm以下の短波長露光光を用いたリソグラフィーの実施の形態について説明する。
まず、シリコンウエハ等の基板、あるいはその表面に、金属配線、層間絶縁膜、各種機能膜などの下地層を形成した基板、あるいは、さらにその表面に、レジストと基板との密着性を向上させるためのシランカップリング剤処理を施した基板、あるいは基板表面に反射防止膜を形成した基板などの被処理基板表面に、公知の溶剤に溶解したレジスト材料を、スピンコ一夕ーなどの塗布装置を用いて塗布する。塗布厚は、数十nmから数μmの範囲で決定することができる。前記反射防止膜としては、従来公知の有機反射防止膜あるいは無機反射防止膜を用いることができる。
(レジスト)
本実施の形態に適したレジストは、化学増幅型レジストであり、この化学増幅型レジストは、一般的にはベースポリマーに、光酸発生剤、溶剤、溶解阻害剤、架橋剤などを添加・混合して形成したものであるが、本実施の形態のレジスト材料においては、この化学増幅型レジストに、さらに光退色性化合物を添加したものである。
本実施の形態のレジストを構成する樹脂材料としては、露光光波長200nm以下の波長領域で透明性が高い材料であれば使用することができるが、このような材料としては、従来公知のレジスト用フッ素樹脂を用いることができる。このフッ素樹脂としては、具体的には、ポリスチレンにヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル基を導入したポリマーあるいはコポリマー、トリフルオロメタクリル酸やノルボルネンにヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル基を導入したポリマーあるいはコポリマー、テトラフルオロエチレンとノルボルネンとの共重合体、及び単環ポリマー、さらにパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレン基含有樹脂など公知のレジスト樹脂を挙げることができる。
本実施の形態の光退色性化合物としては、露光光波長領域の光を吸収して、変質し、透明度が上昇する材料を用いることができる。このような材料としては、下記化学式1で表されるジアゾ化合物を用いることができるが、特に、みどり化学社からDAM301という商品名で市販されているジアゾ化合物が好ましい。このDAM301は、下記化学式1において、Rl及びR2が、ともにシクロへキシル基であるジアゾ化合物である。
Figure 2006003525

上記化学式において、R及びRは、アルキル基、もしくはシクロアルキル基から選ばれ、これらはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本実施の形態のレジストにおいて、レジスト中に配合される光退色性化合物の量としては、レジストの固形分に対して3〜5wt%の範囲が好ましい。光退色性化合物の量が、前記範囲を下回った場合には、十分なコントラストの改善効果が見られず、一方、光退色性化合物の量が前記範囲を上回った場合、レジスト層の強度が低下し、好ましくない。
本実施の形態において用いる光酸発生剤としては、従来公知のものを採用することができるが、具体的にはビススルホニウジアゾメタン類、ニトロベンジル誘導体、ポリヒドロキシ化合物と脂肪族または芳香族スルホン酸エステル類、オニウム塩、スルホニルカルボニルアルカン類、スルホニルカルボニルジアゾメタン類、ハロゲン含有トリアジン化合物類、オキシムスルホネート系化合物類、フェニルスルホニルオキシフタルイミド類などの化合物が挙げられる。
また、前記レジストのベースポリマー等を溶解する溶剤としては、一般に使用されている溶剤を用いることが可能であり、具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、2−ヘプタノン(MAK)、エチルラクテート(EL)、シクロヘキサノンプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等が用いられる。
(ベーク処理)
次いで、前記被処理基板に塗布したレジストを乾燥した後、ベーク処理を施す。この際の温度条件は、70〜150℃の温度範囲で、30〜300秒間加熱処理することによって行うことができる。これによって、塗布されたレジスト層中に残存している溶剤を揮散させる。熱処理後、レジスト層を備えた基板を室温程度までに冷却する。
(露光)
次いで、所要のマスクを用いて、波長200nm以下のエキシマレーザー、具体的には、ArFエキシマレーザー、あるいはF2エキシマレーザー光を用いて、レジスト層に露光を行う。本実施の形態においては、特にF2エキシマレーザーを用いることが、微細パターンを形成する上では、好ましい。また、F2エキシマレーザーを用いた場合には、F2エキシマレーザーの波長領域で、光吸収が大きくかつその波長領域で効果的に退色することから、光退色性化合物として、ジアゾ化合物が好ましい。
この工程において、エキシマレーザーによる露光量は、3〜200mJ/cmの範囲で設定できる。
(PEB)
次いで、露光を行ったレジスト層を備えた基板を加熱し、露光後べ−ク(PEB)を行う。この工程の熱処理は、70〜150℃の範囲で、30〜300秒間行うが、この加熱処理は、化学増幅型レジストにおいて、溶解抑制剤の脱離反応を促進し、現像処理を容易にするために行うもので、加熱温度が上記範囲を下回った場合、感度(必要露光量)が著しく悪化する問題があり、一方、加熱温度が上記範囲を上回った場合、樹脂などの成分が分解する問題が発生する。また、加熱時間が上記範囲を下回った場合、感度劣化および線幅均一性の劣化の問題があり、加熱時間が上記範囲を上回った場合、スループットの悪化もしくは付帯設備が必要となる問題がある。レジストの種類によってはこの工程を省略することが可能である。PEB処理を行った場合には、被処理基板を概ね室温にまで冷却する。
(現像)
次いで、露光後、アルカリ現像液を用いて現像処理を行う。アルカリ現像液としては、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液のような標準現像液を用いる。この工程で、現像処理条件は、一般に採用されているF2エキシマレーザー、及び、フッ素樹脂レジストを採用したプロセスと同様の条件で現像することができる。
以上の工程によって、F2エキシマレーザーを用いたパターン形成処理を行うことができる。このプロセスによれば、光退色性化合物を配合したことによって、フッ素樹脂レジストのコントラストが向上し、その結果パターン異常発生の確率が大幅に低下する。
上記プロセスでは、被処理基板としてシリコンウエハを用いた場合を示したが、シリコンウエハ表面に、金属配線、絶縁膜、各種機能膜などからなる下地膜を形成した基板とすることもできる。また、レジスト層として複数の層を形成したものに適用することもできる。さらに、被処理基板上に直接レジストを塗布せず、被処理基板とレジストとの間に、有機反射防止膜或いは無機反射防止膜を形成することもできる。また、本実施の形態においては、上記記載にとらわれることなく、発明の趣旨を損なわない範囲で各種変更が可能である。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
シリコン基板1上に、ジアゾ化合物(みどり化学製、DAM301)5wt%を添加したF2レジストを回転塗布し、110℃60secの熱処理を行い、膜厚150nmのレジスト膜2を形成した。この膜の吸収係数を求めたところ、1.5/μmであった。本ウエハをF2レーザー露光装置で50mJ/cmの露光量で露光した後、露光部分の吸収係数を測定したところ、吸収係数は1.2/μmに減少していることを確認した。
(実施例2)
シリコン基板1上に有機反射防止膜DUV30Jを回転塗布し、205℃60s e cの熱処理を行い、膜厚85nmのDUV30J膜3を形成した。膜3上にジアゾ化合物(みどり化学製、DAM301)5wt%を添加したF2レジストを回転塗布し、110℃60secの熱処理を行い、膜厚150nmのレジスト膜4を形成した。このレジスト膜に、F2レーザー露光装置により、35mJ/cmの露光量で露光した。露光後、110℃60secの熱処理を行い、続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を液盛したところ、レジストパターンの断面図である図1に見られるように、垂直な形状のレジストパターンを得ることができた。
(比較例1)
シリコン基板1上に有機反射防止膜DUV30Jを回転塗布し、205℃60secの熱処理を行い、膜厚85nmのDUV30J膜3を形成した。膜3上に吸収係数1.5/μmのF2レジストを回転塗布し、110℃60secの熱処理を行い、膜厚150nmのレジスト膜5を形成した。このレジスト膜に、F2レーザー露光装置により、20mJ/cmの露光量で露光した。露光後、110℃60secの熱処理を行い、続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を液盛したところ、図2に見られるように、得られたレジストパターンは、断面がテーパー形状であった。
(比較例2)
シリコン基板1上に有機反射防止膜DUV30Jを回転塗布し、205℃60secの熱処理を行い、膜厚85nmのDUV30J膜3を形成した。膜3上に吸収係数1.2/μmのF2レジストを回転塗布し、110℃60secの熱処理を行い、膜厚150nmのレジスト膜5を形成した。このレジスト膜に、F2レーザー露光装置により、30mJ/cmの露光量で露光した。露光後、110℃60secの熱処理を行い、続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を液盛したところ、図3に見られるように、レジストパターンの断面は、ややテーパー形状であった。
本発明の一実施例で得られるレジストパターンの形状を示す概略断面図。 比較例で得られるレジストパタ←ンの形状を示す概略断面図。 他の比較例で得られるレジストパターンの形状を示す概略断面図。
符号の説明
1 シリコンウエハ基板
2 ジアゾ化合物を添加したレジスト層
3 反射防止膜層
4 ジアゾ化合物を添加しないレジスト層

Claims (5)

  1. フッ素含有樹脂に、光退色性化合物を添加したレジストを被処理基板に塗布し、露光・現像処理してレジストパターンを被処理基板上に形成することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記光退色性化合物が、ジアゾ化合物であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記露光の活性光線が、波長200nm以下のエキシマレーザー光であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記露光の活性光線が、F2エキシマレーザー光であることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法。
  5. 前記光退色性化合物の量が、前記レジストの固形分に対して3〜5wt%であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン形成方法。
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