JP2005539219A - 新規の方法および装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、落射型微分(EDIC)鏡検プラス落射型蛍光(EF)鏡検を実施することにより表面上の生体物質の高速で高感度の検出および同定に用いられる鏡検システムに関し、顕微鏡は、ノーズピースにDICプリズムを、また長距離対物レンズを組み入れて、カバースリップまたは油浸もしくは水浸を必要とせずに物質が視覚化され得るようにしている。このシステムは、感染症の検出および同定に特に有用である。

Description

本発明は、表面上の生体物質の高速で高感度の検出および/または同定を行うための検出システムおよび鏡検方法に関し、具体的には、アミロイドプラーク病を含めた生物学的危険物質および感染症の検出または同定に関する。本発明はまた、この方法に用いられる鏡検装置、試薬および診断補助手段に関する。
TSE(伝達性海綿状脳症)およびアルツハイマー症を含めたアミロイド病のような高伝達性疾患の同定および治療は世界的な健康問題である。かかる高伝達性疾患では、汚染の危険性および懸念が大きな問題であり、極めて厳格な除染プロトコルの開発への強い必要性が存在する。かかるプロトコルの開発における制限は、手術器具、および検査が困難な他の複雑な表面上の高伝達性疾患病原体のスクリーニングおよび検出に適した方法が存在しないことである。現状では、器具および作業面上の感染性と考えられるプリオン物質の検出に用いられる実用的な方法は、大雑把な目視検査以外には存在しない。また、改善された診断方法も必要とされている。
プリオン病としても知られる伝達性海綿状脳症(TSE)は、致死的な退行性脳疾患であり、正常なαらせん状PrPタンパク質からβひだ状シートのPrPSCアイソフォームへの転化に関わるものである。現在の疫学的研究の証拠から、TSE患者から他の人間へのPrPSC伝達の危険性は極く低いことが示唆されているが、TSE病原体は、深刻な生物学的医学的危険物質である。証明済みの感染経路には汚染された手術器具が含まれており、特に神経組織と接触する手術器具がある。政府機関、世界保健機構および他の機関が安全な作業および感染の防止についての若干の指針を配布しているが、これらの指針は強制力を持つものではなく、また世界的に足並が揃っている訳でもない。英国では、医療器具の除染についての比較的厳密な基準を勧告する指針が、危険病原体諮問委員会、海綿状脳症諮問委員会および保健省から提示されている。
PrPSCは滅菌洗浄に対して耐性を有するため、準備処理、水洗、実際の消毒、最終水洗および貯蔵を通常含む内視鏡のような手術器具の除染についての問題が生ずる。PrPSCの破壊には、長時間のオートクレーブ処理が必要であり、現時点では最新式の剛性内視鏡でしか可能でない。実際に、オートクレーブ処理の実効性、必要とされる化学的消毒薬ならびに温度および接触時間については一般的な問題がある。これまで行われてきた多くの除染研究は、PrPSC病原体の溶液または懸濁液についてのものであり、表面結合した伝染性物質の挙動を反映させていないと言ってよい。注目すべき1つの研究では、Zobeley等(1999年)がステンレス鋼に結合したスクレイピーマウス脳ホモジェネートを用いて、リン酸緩衝塩水で繰り返し洗浄してもPrPSCが除去されないことを実証した。さらに、10%ホルムアルデヒド溶液で1時間にわたって処理した後にはプリオンが30分の1に減少した。プリオンで汚染された鋼を正常なマウス脳に導入すると依然として感染を生じた。具体的には、洗浄の前後で医療器具の全体的な汚染および特異的なPrPSC付着を高速かつ高感度で検出することが緊急に必要とされている。
長距離対物レンズを用いると共に顕微鏡ノーズピースにDIC(微分干渉型)プリズムを組み込むことにより、カバーガラスおよび油浸または水浸を用いなくても不透明表面上の物質を視覚化し得るように、落射型微分(EDIC)鏡検と落射型蛍光(EF)鏡検とを組み合わせ得ることが判明した。
したがって、本発明は、落射型微分(EDIC)鏡検プラス落射型蛍光(EF)鏡検を実施することにより表面上の生体物質の検出または同定に用いられる鏡検方法を提供し、この方法では、顕微鏡は、カバーガラスまたは油浸もしくは水浸を必要とせずに物質を視覚化し得るように、ノーズピースにDICプリズムを、また無限遠補正型光学系および長距離対物レンズを組み入れている。
長距離対物レンズは、作動距離が1ミリメートルまたは2ミリメートルよりも長い高倍率対物レンズである。
無限遠補正は平行光路で構成されており、系が多様な異なる学問領域を活用することを可能にし、余分な光学系を追加する必要性なく一定範囲内の高解像度画像を形成する。
検査可能な表面としては、彎曲面、隆起面、滑らかな不透明面または半透明面、透明面、繊維状面、粗面、または腐蝕面等がある。この方法は、ステンレス鋼器具、手術器具、作業面、プラスチック面、パイプもしくはパイプのバイオフィルム、衣料品、織物、食品、穀物、体内装置、生物標本、生検物質のバイオフィルム、膜、細胞内面、または細胞外面の検査に特に有用である。鉗子、外科用ナイフ若しくは外科用メス、剛性若しくは可撓性の内視鏡、拡大内視鏡、アプラネーション眼圧計の先端等を含めた器具を検査する能力が特に有用な開発対象である。検査が可能で有用である体内装置としては、コンタクトレンズおよびカテーテル等がある。
本発明は、タンパク質汚染のような多様な生体物質の検査を可能にし、バクテリアまたはウィルスおよびアミロイド生成性タンパク質に起因する疾患を含めた疾患のような生物学的危険物質の検出および同定に特に有用である。本発明に従って視覚化可能な病原体としては、ヘリコバクター、カンピロバクテリア、CMV、MRSA、TB、天然痘および炭疽菌等がある。疾患は、人体または人体以外を冒すものであり得る。人体以外を冒す疾患としては、BSE、スクレイピーまたはシカ類慢性消耗性疾患がある。
生体物質が蛍光発色団を結合させる能力の1つの有用な観点は、適当な染色法を用いて病原体の生存能力/活力を決定し得ることである。適当な染色法としては、CTCまたはDAPIおよび/もしくはPI等がある。このアプローチは、病原体がクリプトスポリジウムである場合に特に有用である。
他の利用可能な特異的プローブとしては、モノクローナル抗体、ペプチド、核酸または擬似核酸等がある。本発明の方法に有用な蛍光剤は、チオフラビンTまたはSのような蛍光チアゾール誘導体である。一方法では、Syproルビー蛍光染色を用いて一般的なタンパク質汚染を検出する。ステンレス鋼での検出レベルは、タンパク質1ピコグラム未満である。
さらにもう1つの観点では、本発明は、上述の方法に用いられる顕微鏡装置を提供する。本発明によれば、この顕微鏡は、標本上の光差を視覚化し得るように光路に配置されている高出力照明系およびフィルタを備えたEDIC顕微鏡を含んでいる。適当な高出力水銀照明系は例えば100ワットである。好ましい顕微鏡構成では、免疫金染色ブロックが含まれている。
本発明の顕微鏡は、手掌型装置もしくは可搬型装置を提供するように構成する、またはコンベヤベルトで用いられるように構成することも容易であるし、あるいは改良型収納キャビネットで用いられるように構成することも容易である。本発明による装置は、水処理産業でのバイオフィルム検査、医療施設内、食品産業での食品表面(例えばサラダ)の汚染、屠殺場、獣医科診療、歯科診療においてスクリーニングを行うのに有用である。本発明はまた、組織生検後の患者についてプリオン病の診断スクリーニングに用いられるキットまたは表面に結合した汚染の範囲の定量的な評価に用いられるキットを提供し、このキットは、標的物質の視覚化を可能にする方法と組み合わせて用いるように特に設計されている関連試薬パックを含んでいる。キットは好適には、関連する生体物質のためのプローブおよび/または任意の所要の染色を含んでいる。
本発明はさらに、プリオン病、または人間もしくは動物の被検体の体液、血液、尿、脳脊髄液、非ニューロン組織(脾臓、リンパ節を含む)、生体細胞を含めた細胞でのその他任意のアミロイド生成性疾患を含めた疾患の診断のためのシステムを提供する。他の用途としては、バイオフィルムを高速スクリーニングして内容物を評価するシステム等がある。可搬型(手掌型)モデルまたはコンベヤベルトステージモデルを用いると、極く短時間で広い表面積または多数の物品の高速走査を行うことができる。もう1つの選択肢は、品質管理/安全性スキャナであり、不透明面および工具/器具の構造的完全性を高速に視覚化して、これにより、生じた可能性のある点蝕、掻き傷、腐蝕または亀裂の程度を定量化する。他の用途としては、表面の清浄化方法または消毒法の効果または実効性の評価または確認を行う方法等がある。
本発明に従って検査することのできる表面としては、彎曲面、隆起面、滑らかな不透明面もしくは半透明面、繊維状面、粗面、または腐蝕面等がある。細胞の場合には、表面は内面であっても外面であってもよい。細胞とはすべての種類の細胞を包含しており、動植物、およびバクテリアのような微生物を含む。
本発明は、環境微生物学、昆虫学、バイオフィルムを含めた多くの環境分野および疾患検査で応用される。特にプリオン病に関連して、本発明は、蛍光標識法、モノクローナル抗体および先進的鏡検方法の利用を統合して、プリオンタンパク質検出のための高感度プロトコルを形成する。このためには、一般的なタンパク質汚染の包括的な高速染色、および蛍光標識を用いたβひだ状アミロイドのプロトコルの開発が関わる。これにより、手術器具および作業面上のプリオン付着物の同定が可能になり、また生検物質への応用可能性が開かれる。本発明の有用な一観点は、モノクローナル抗体を用いたプリオン診断の事後確認のために標本を選択するのに用いられる予備スクリーニングを可能にすることである。
本発明の発明者は、落射型微分干渉(EDIC)鏡検法を落射型蛍光(EF)鏡検法と結合させて実施すると、カバーガラスまたは油浸が必要とされないため上述のような汚染研究に特に適することを示すと共に、この方法は、他の手法を用いたのでは付随してしまうようなアーティファクトの生成を伴わずに不透明面および彎曲面上の物質を迅速に視覚化し得ることを示している。
脳および脾臓の切片についての初期研究によれば、蛍光診断手順は感度が高く、予備段階での結果はステンレス鋼表面での検出レベルとしてPrPSCの1pg未満を示した。特に伝達性海綿状脳症に関心が寄せられていることから、ここでは手術装置に対する一般的な汚染および特定的なプリオン汚染を評価する高速、高感度、視覚的な鏡検法が提供される。かかる高速、視覚的な落射型鏡検法によって、手術器具のような彎曲面、隆起面または滑らかな不透明面を有する物質の汚染の評価、ならびに検出および/または診断の方法として、バイオフィルムおよび細胞の内部または表面での汚染の存在の評価が可能になる。蛍光試薬の適用による手術器具および作業面上の生物学的危険物質による汚染、特にプリオンタンパク質および他のアミロイド生成性タンパク質、または蛍光発色団に結合したその他汚染物による汚染の検出しやすさが主な技術的進歩に相当する。
本発明の利点としては以下のものがある。本発明は、英国国民保健サービス、欧州および世界的な医療施設等において、一般的には汚染またはさらに明確に述べるとプリオンタンパク質についてのすべての手術器具のスクリーニングに有用である。他の具体的な用途は、食品処理業界、屠殺場、獣医科診療、および歯科診療での汚染のスクリーニングである。また、組織生検の後の患者のプリオン病についての簡易的な診断スクリーニング手順を提供する。
1つの特定例には4種の別個のアプローチがある。
・ PrPSCタンパク質に対して生成される6種のモノクローナル抗体(SAF抗体)の免疫組織化学的研究。これらの抗体の特性決定およびステンレス鋼上でのPrPSCを検出する適性。
・ 外科用ステンレス鋼上の一般的なタンパク性付着物の高感度検出を可能にする高感度蛍光タンパク質染色Syproルビーの改質。
・ 外科用ステンレス鋼上のプリオン付着物の高感度検出を行うための特異的βアミロイド試薬(チオフラビンSおよびチオフラビンT)およびその染色プロトコルの改良および強化。
・ 滅菌を通じて処理されており「清潔」と看做されている手術器具上の汚染の視覚化。
特に、本発明の研究は、ミクロン単位以下(<1pgタンパク質)のレベルに至る外科用ステンレス鋼上のプリオン汚染の高速で高感度の検出のために本発明に従って用いられる鏡検法および試薬の能力を実証する。
本発明の特に有用な観点は、いくつかの疾患の早期スクリーニング方法を提供することに関する。例えば、TSE疾患で感染した種の末梢血液、リンパ組織または他の体液での感染細胞または感染性プリオン集合体の検出を可能にする。かかるスクリーニング方法を用いると、これらの種の全体個体群での感染の発生率を決定することができ、したがって感染した個体の疾患の進行段階を決定することができる。同様に監視され得る他の疾患としては、CMV等がある。
容易に入手可能な標本から、感染した羊、牛および人間を疾患進行の早期段階で検出する用途に適した試験は現在存在していない。実際に、ヨーロッパ共同体(EC)では死後に用いられる試験しか認可されていない。したがって、終末臨床的な症候群および獣医科系の症候群が明らかになるよりも十分に前に、感染した個体を識別するのに用いることのできる診断試験を設計することは強く必要とされている。かかる試験は、同一種内および異種間での個体間の交差感染を回避するように管理を適正に行うことを可能にする。
本研究は、ピコグラム単位以下の汚染レベルに対応するステンレス鋼上のミクロン単位以下のアミロイドプラークを実証する。この三次元能力は、本手法がz方向検出について極めて良好であることを意味しており、10Å未満のレベル差を検査することが可能であり、これにより高い消光係数値の検出を可能にし、画像コントラストおよび輝度を高めることが判明した。本発明による装置はまた、一般的には汚染についてまたはさらに明確に述べるとMRSA、TBもしくはプリオンタンパク質のような病原体についての医療施設内外での手術器具のスクリーニング、食品産業、屠殺場、獣医科診療、歯科診療での汚染のスクリーニングに加え、水処理産業でバイオフィルムの検査に用いることができる。
本装置および方法はまた、組織生検後の患者におけるプリオン病の簡易的な診断スクリーニング試験の実行を可能にする。さらに他の用途としては、臨床病理学、または病原体もしくは生物学的危険物質を含めた望ましくない微生物汚染の分析を必要とする任意の分野がある。カンピロバクターは、この系を用いて容易に視覚化される。また、食品微生物学の分野でも、この系は多くの用途があり、例えばサラダの微生物汚染についてのスポットサンプリング等がある。この系は、例えば植物の病気、特に様々な微生物株によって生ずる病気の現場診断のような植物病理学の分野にも用いられる。本発明はまた、非破壊方法による付着物の高速な現場同定が重要な法医学分野にも用いられる。同様に、個人および公共の安全を確保するための生物学的危険物質の高速な同定に特に有用である。
鏡検法
既存の顕微鏡は、本発明によって要求されるような所要の画像を形成することができない。例えば、レーザ共焦点顕微鏡は高価で、低速で、カバーガラスまたは油浸もしくは水浸を必要とし、彎曲面を視覚化することができない。また、電子顕微鏡は極めて高価で、極めて低速で、ランニングコストが高く、乾燥を必要とし、応用および用途が関心対象の大きさによって限定される。
従来のDIC鏡検は、透過光を用い、カバーガラス付きスライドガラスに標本を載せて、油浸レンズを用いるように実施されている。この方法は、不透明な曲線型の器具または作業面での汚染検出には明らかに不適当である。
このことを念頭に置いて、本発明は、落射型DIC照明、したがってEDICを実施して標本を視覚化し、これにより従来の手法を凌ぐ多くの利点を与える改良型顕微鏡を提供する。用いられる長距離レンズは通常、金属用途にのみ応用され、従来は生物学的用途には応用されていない。本発明は、カバーガラスまたは浸漬の適用なしに不透明でかつ/または彎曲した面の高速で高感度の非接触型スクリーニングを本装置が実行することを可能にし、これにより臨床器具の検査に理想的となる。本装置は、業務特定的な動作を可能にするように適応構成して調節することができる。例えば、ステージの再構成または除去によって、手掌型装置もしくは可搬型装置の製造が可能になり、または例えば収納キャビネットへの隔離に適した装置の製造が可能になる。
EDIC鏡検用の顕微鏡は、Keevil,C.W.およびWalker,J.T.による「Normarski DIC microscopy and image analysis of biofilms」、Binary、第4号、第93頁〜第95頁(1992年)、ならびにRoger,J.およびKeevil,C.W.の「Immunogold and fluoroscein immunolablelling of Legionella pnemohila within an aquatic biofilm visualized by using episcopic differential interference contrast macroscopy」、Appl.Environ.Microbiol.、第58号、第2326頁〜第2330頁(1992年)に記載されている。
本発明によれば、後にあらためて詳述するように、改良型の落射型DIC顕微鏡が構成され、この顕微鏡は、カバーガラスまたは油浸を必要とせずにステンレス鋼表面の感染した脳ホモジェネートおよび脳スライスによる低レベル汚染を視覚化することに成功し、また彎曲面、隆起面または滑らかな不透明面、半透明面もしくは透明面の表面汚染の視覚化を可能にする。
長距離対物レンズ、蛍光および明視野媒体での動作能力、ならびにカバーガラスまたは油浸もしくは水浸が不要であることを統合することにより、従来は入手できなかったような表面物質および汚染物の画像をシステムが形成することが可能になる。
この顕微鏡法は、落射型蛍光(EF)鏡検法に加えて落射型微分(EDIC)方法を実施する。このシステムは、従来のノマルスキー鏡検を適応構成して、光路および顕微鏡構成要素の再設計によって落射型画像化を盛り込んでいる。
EDICは、光波の相殺的/建設的性質を実施する。光源からの光は、標本に到達する前に2本の偏光型平行ビームに分割される。対象を横断すると、2本のビームの光波路は標本の厚み、勾配および屈折率に従って変化する。この変化によって光ビーム同士の間の干渉が生じ、擬似三次元の外観で細部を視覚化することが可能になる。これにより、操作者は関心対象を視覚化するばかりでなく、かかる任意の対象の位置の指標を与えることができる。
例えば、新規の1種の顕微鏡が、いくつかの付加的な個々の改良特徴を含んでいる(図1および図2、または図40および図41を参照されたい)。
・ 個別のプリズムを下方に配置するのではなく1個のDICプリズムをステージの上方に配置する
・ 画像重ね合わせ表示のためにEDIC/EFキューブスライダーを改良する
・ 非接触型長距離レンズを改良する
・ 偏光子、プリズム、ズームおよびステージの構成を人間工学的によりよいものにする
・ x、yおよびz走査のためにステージを完全自動化する
・ 彎曲画像に焦点を合わせるためのソフトウェアを自動化する
・ CCDカメラ撮影光学系を設けて二次元および三次元表現を改善する
・ レーザを必要としない共焦点構成を設ける
低倍率対物レンズ(20倍未満)は、標本から比較的長距離で作動する本質的能力を有する。しかしながら、殆どの高倍率レンズ(20倍超)にはこのことは当てはまらないため、作動距離が1ミリメートルまたは2ミリメートルよりも長い特殊な長距離対物レンズがこのシステムに適用されてきた。
前述の初期型の1992年式EDICシステムと比較すると、本発明の顕微鏡光学系構成(図1の模式図を参照)は、無限遠補正光学系に基づくものである。この系は、対物レンズの作動距離を長くすることを可能にし、無限遠補正型光路および光学系のため水銀光源から大幅な改善を可能にし、すなわちよりよい照明を可能にしている。
本発明によれば、EDICの装置は、対物レンズの直上でノーズピースに正確に配置され、この手法のために余分なプリズムを用いたり、次の光学的要求、すなわちこの場合には落射型蛍光のために画像を拡大する余分な光学ガラスを装着したりせずに、高品質EDICを達成することを可能にする。
この無限遠補正型EDICシステムはまた、DIC仕様であるか否かを問わず、選択された現在の無限遠補正型レンズに対して本システムを用いることを可能にする。このこともやはり改良された手法であり、利用者は、わずかに優れた品質を意味するDIC仕様のレンズを用いることもできるし、DIC仕様でないレンズを用いることもできる。この新規の改良型EDICによって任意の生物用対物レンズまたは材料科学用対物レンズを用いて作業することが可能になる。
免疫金染色ブロックをEDICと共に用いるか、または別個に用いるかを問わず、新規の無限遠補正型系との独立した相互作用によって、高品質画像を達成することができ、これらの手法は、スペクトル全体を通じて優れたスペクトル色を達成した落射型照明形式において両手法が係わり合っている場合には100%以上の照明を提供することにより互いに補い合う。
本システムは、25mmフィルタによる新規の改良型落射型蛍光フィルタの組合せ、および新規の改良フィルタの組合せのキューブ、すなわち新規のコーティング(例えば米国Chroma社のフィルタ)を用いることができ、所要の特定の波長および帯域通過の所要の励起の飽和をより広範囲にすることができる。本システムとは異なり、初期型の1992年式顕微鏡は、160mmチューブ長の光学系構成であって、余分な50mmインサートが必要とされ、すべての落射型材料科学用レンズは210mmとなっていた。生物学用レンズは160mmであった。したがって、長作動距離の材料科学用レンズを用いる場合には拡大率は正確であったが、生物学用レンズを用いる場合には、材料科学用レンズおよび落射型蛍光学系の正しい光路を得るために用いられる50mmインサートのせいで拡大率が大きめになっていた。新規の無限遠補正型系は光学系構成の整合性を優れたものにする。
1992年式EDICシステムは、免疫金染色ブロックと共に作用する回転式検光子を基本としていた。この検光子は、新規の改良型モデルとしてここに記載されているようなノマルスキー原理を含んでいなかった。代わりに、光路の内外にレンズを配置するレバーによって係合することのできる対物レンズの直後でプリズムを用いることにより、ノマルスキー干渉撮影を行っていた。
材料科学用長作動距離対物レンズは個別のプリズムを有しているが、生物学的レンズはプリズムを有しておらず、したがって、IGSブロックおよび検光子のみを用いて偏光および落射型蛍光撮影を得ており、したがって、1992年式EDICシステムを、現場に(in situ)ノマルスキープリズムを有するレンズに限定していた。対照的に、本システムは、任意の選択された対物レンズを用いることを可能にする。
1992年式EDICでは、ノマルスキー干渉撮影は、光路の内外にレンズを配置するレバーによって係合することのできる対物レンズの直後でプリズムを用いることにより行われていた。回転式検光子はまた、蛍光フィルタブロックの上方の位置に据え付けられ、回転してノマルスキー原理を実現していた。このEDICの構成は妥当な結果を与えていたが、現在通用する動作システムであるとの製造者による明言はなかった。しかしながら、無限遠補正型光学系を用いる本発明による構成は、遥かに優れた光学的品質を達成することができる。
フィルタブロックに一体化されていた元のフィルタは18mmしかなく、落射型蛍光作用が限定されていたが、ここでは新規のフィルタを25mmとして新規のフィルタブロックに一体化して用いることが可能になった。新規の無限遠補正型系の余分な利用可能な照明が大きいフィルタ面積と相俟って、1992年式EDICで可能であったものを遥かに上回る標本の励起および照明を可能にする。
1992年式EDICは、プッシュプル棒を介して光路に係合されている4個のフィルタブロックを含んでいたが、この方式の問題点は、光路内にフィルタブロックを正確に係合するのは特に不慣れな利用者には困難な場合があることであった。4個のブロックが容易に所定位置に嵌合するように新規のシステムを設計することにより、この問題点が克服され、またさらなる汎用性が加わる。新規の本システムはまた、必要に応じて、やはり無限遠補正型のさらなるフィルタブロック、例えば6個のフィルタブロックを容易に収容することができる。
以上から分かるように、新規の本システムは、特に無限遠補正型光学系、蛍光コーティング、ならびに初期型の160/210mm1992年式EDIC構成の利用を限定していた余分なガラス装着およびノマルスキープリズムを用いないでEDICを補完する構成変形の利用を通じて、優れた光学的品質および汎用性を提供する。
以下で添付図面を参照して例として本システムの全体像および本発明のさらに詳しい説明を掲げる。
本発明の顕微鏡の構成は、生物学側の要求および材料科学側の要求を組み合わせたものに基づき、不透明標本上の汚染の観察に重点を置く。この顕微鏡は、入射モード(顕微鏡の最上部のランプハウスからの光が光路を対物レンズまで下って標本に入射した後に、アイピースまで上方に戻って選択の画像を受像するモード)で蛍光およびDIC(微分干渉)を混在させる能力を有する。
このことを達成するためには、光強度出力を270CD(カンデラ)とした水銀ランプのような高出力ランプを用い、100ワット水銀ランプが適当である。この系を用いると、蛍光フィルタキューブに光を供給すると共に、同じ光を用いてDIC画像コントラストプリズム系を駆動することが可能になる。このことは、光路内に配置されたカスタマイズした偏光型フィルタキューブ(例えば免疫金染色したフィルタブロック)の利用を通じて可能になり、すると、擬似三次元の外観で細部を視覚化可能にした標本の光差を利用者が確定することが可能になる。さらに他の技術的情報は次の通りである。
DIC鏡検は、水銀光源からの光波の相殺的/建設的性質を実施する。光は、標本に到達する前に2本の偏光した平行ビームに分割される。対象を横断すると、2本のビームの光波路は標本の厚み、勾配および屈折率に従って変化する。この変化によって光ビームの間に干渉パターンが生じ、起伏(relief)および光差が達成され、したがって、利用者は、凹凸を観察することができ、三次元外観が与えられる。この三次元表現能力は、優れたZ方向検出を可能にし、また10Åの高低差を検査することを可能にすることが判明した。これにより、高い消光係数値の検出が可能になり、標本のコントラストおよび視野深さが増す。
この顕微鏡は、カバーガラス付きスライドガラスおよび油浸レンズの上に標本を載置する問題点を克服する。すなわち、不透明の彎曲した器具または作業面上の汚染検出については、下方から標本を透過する光では表面汚染を解像しない。したがって、標本を視覚化する水銀照明系による落射型DIC照明例えばEDICは、従来の手法を凌ぐ多くの利点を与える。
システムの特徴
既存のシステムを凌ぐ重要な利点を各々提供する具体的な特徴を以下で説明する。
DICプリズムをノーズピースに組み入れることについて。二段式コントラスト位置制御は、表面汚染および起伏の微調整を可能にする。
EDIC/EFキューブスライダーの改良について。コントラストおよび起伏を強化するために、2枚の落射型画像を重ね合わせ合成した画像を、やはりこのシステムで用いられている新たに研究された蛍光色素と結合させる。この落射型蛍光パッケージは、極めて強力な研究分析用システムを提供する。
EDICの利用は二部式工程である。まず、偏光子であり交差検光子である免疫金染色ブロックIGSを用いる。これにより、標本に直接偏光が与えられ、したがって、任意の構造に診断複屈折が与えられ、一旦、光路が標本と係わるとこの光路を変化させることができる。この方法は、水銀HBOランプハウスによる落射型偏光によるスタンドアロン型手法である。このIGSブロックはまた、EDICの要件は平行光であるため、DICプリズムを係わらせる場合にも要求される。IGSブロックはこのことを可能にし、したがってこれら2つの作用が協働する。
金属用対物レンズと生物用対物レンズとを一体型ノーズピースによって共に搭載した非接触型長作動距離レンズの改良について。このレンズは、ノーズピースを介して所要のレンズの選択の間に移動が生ずる必要があるせいで選択画像を取得することのできない非一体型レンズノーズピースを凌ぐ改良点である。
本発明による偏光子プリズムおよび新規のズーム系のよりよい人間工学的構成(「Best-Keevil」ズーム系)について。全体の拡大率を0.8倍から2倍まで増減することができ、したがって、アイピースの40倍レンズを400倍にし、生物学および材料科学の両方に対物レンズを1個しか用いないでもアイピースの倍率範囲が320倍から800倍になる。したがって、この構成は、走査ステージを用いながら正しい画像の要件を得るのに有用な付加作用である。
反射光鏡検用ガラスインサート付き8スライドステージが設けられる。好ましい設計は、対角に移動するY位置における駆動モータを採用しており、操作者にさらに大きい移動自由度を提供する。顕微鏡を隔離する必要がある場合には、突起部があるためステージの位置が問題になる。新規の構成のさらにもう1つの利点は、この部分の突起に対処できることであり、すると、例えばACDP(危険病原体に関する諮問委員会)のカテゴリー1、2または3の収納キャビネットに顕微鏡を配置するときに、顕微鏡を隔離することができる。他の特徴としては、このステージの制御用電子回路入力をコンピュータを介して右側から左側へ移動させることがある。図40および図41を参照されたい。
このシステムは、XYZ軸またはこれら方向での完全自動式コンピュータ走査ステージを用いており、彎曲画像に焦点を合わせるためのソフトウェア、解析および研究のために平方mm当たりの細胞数を数える細胞バーコード読み取り器を確立する専用ソフトウェア、ならびに蛍光およびDICの下で表面特性をマッピングするように設計されている2回の空間的に同等な走査を実行するソフトウェアを含んでいる。各画像は、合成相手の画像と合成/重ね合わせ表示される。
表示系
二次元および三次元表現を改善するためのクールスナップ電荷結合素子(CCD)低照度カメラ系について。顕微鏡の三眼ヘッドからCCDカメラへの境界光学系を本発明に従って設計して、光学系および撮影系によって生成される照明および画像コントラストの品質を高め、これにより表面品質を最大限に高めた。
本発明はまた、レーザを必要としない共焦点構成の導入にも関わる。本書で示すようなテクスチャ付き標本の三次元マッピングのためのOptiGrid実時間デジタル光学的切片の導入は明らかに、向上した優れた解像度を提供する(OptiGrid技術は、英国特許第2,338,858号および米国特許第6,376,818号に記載されている)。
また、IGS(免疫金染色)およびEDICと共に、カスタマイズされた透過型(diascopic)微分干渉コントラスト(DDIC)が開発される。汚染標本の下方からの透視光または透過光を用い、蛍光が必要とされた。標本を上から見下ろす光によるEDICに対し、DDICは標本を通して下から見上げる。このために、コントラスト手法としてホフマン(Hoffman)コントラストが用いられる。(米国特許第4,200,353号、Modulation contrast microscope)。両方の手法を同時に用いることにより、DDICにおけるホフマン三次元起伏と結合されてEDICの三次元起伏の強調が可能になる。
スタンドアロン型偏光系としてのIGSを落射型形式のEDICに組み入れて透過形式のホフマン偏光法と結合させると、半透明標本にかなりの解像度およびコントラストが加わる。これらを組み合わせて用いてもよいし別個に用いてもよい。Thales-Optem社の上述のようなOptiGrid実時間デジタル光学的切片形成を加えることにより顕微鏡およびレンズの性能を超えた解像度が可能になる。以上に列挙した各手法を組み合わせるので、共焦点は標本に対して複数の解像度を確立することができ、一連の積層画像を組み合わせて、透視光および透過光からの光を同時に採取しながら1枚の鮮鋭な画像を形成することができる。
ホフマン
コンデンサと共にホフマンに用いられるレンズは偏光型であってスペクトルのグレイ部分のみを与え、これにより、EDIC/蛍光からの光は全色スペクトルを与え、したがって、利用者は、標本の画像テクスチャを最大化するような方法で動作するようにシステムを均衡させて、2種の起伏手法の間の変化を修正することにより、汚染レベルを定義することができる。
「改良型」ホフマン
ホフマン40倍レンズは、透明な非染色生体細胞に対し高いコントラストおよび解像度での観察を可能にする。このレンズはこの顕微鏡系ではホフマンレンズのみであるので、偏光された装備をサブステージコンデンサ上に移動させることなくもう1つのレンズに移動する場合に、ホフマン装備を有しない生物用レンズおよび材料科学レンズにおいて透過光形式で「擬似ホフマン」画像を依然として良好な解像度で達成することができる。本質的に、これにより、透過光で標本に対し優れた起伏が与えられ、凹凸を識別しながら高低差を確定することができる。
つまり、以上の諸特徴および構成は、不透明彎曲面の高速で高感度の非接触型スクリーニングをカバーガラスまたは油浸の適用を行わずに実行する顕微鏡を提供し、したがって、この顕微鏡を不透明基材および臨床用手術器具の検査および解析に理想的なものにする。本発明による顕微鏡は、表面構造の汚染やバイオフィルム等を観察する新規の革命的な方法に相当する。
この装置のさらなる汎用性は表3を参照して説明することができ、この表は、顕微鏡を設定し得る様々な構成の全体像を掲げている。
落射型(epi)照明
落射型照明構成の下では、システムは、顕微鏡設定に対して如何なる大きな調節も必要とせずに、「白色」光でも蛍光励起下でも任意種の表面を表示する能力を有する。これにより、落射型蛍光(構成1)画像およびEDIC「白色光」(構成3)画像の両方、または落射型偏光(構成2)画像を同じ関心領域について撮影することができる。この能力の一例は図13に明らかに示されており、同図では、ステンレス鋼表面のタンパク質汚染が、蛍光(図13a)およびEDIC(図13b)照明の両方の下で表示されている。先進型ソフトウェアを続いて適用すると、これら2種の構成の合成画像を表示することが可能になり、このようにして、汚染物の正確な識別を達成することが可能になる(図13c)。
「Thales-Optem OptiGrid」の付加によって、視野深さを拡張することができ、またシステムがレーザ共焦点と同様の方法で、ただし高価な追加設備を必要とせずに対象の多数の平面を走査することが可能になる。このシステムは、「白色光」(構成6/7、図37)または蛍光(構成6)のいずれかを用いたポリエチレンパイプ切片上のバイオフィルムの視覚化を可能にする。
透過型照明
透過型照明は半透明媒体内または媒体上の標本を視覚化することのみができる。明らかに、明視野構成(構成8)は、従来の免疫組織化学染色(図9および図10)のような従来の鏡検を実行することを可能にする。ホフマンモジュレーション(構成9)は、起伏の視覚化を可能にするが、他の照明方法ではプラスチックによって発生されるようなアーティファクトを蒙らず、細胞の視覚化のような分野に適用することができる(図31)。
透過光および落射型照明
システムの光源を組み合わせる能力によって、蛍光モードおよび白色光モードの両方に関わる媒体および被検体について最高品質の画像を形成するためにシステムを調節する融通性が得られる。この一例は、カンピロバクタージェジュニのようなバクテリアを視覚化する能力である(構成13)。カンピロバクターは、胃腸炎の世界的に最も重要な原因であり糞による汚染を介して伝染する細菌性病原体である。
以下、さらに詳細な実施例によって本発明を説明するが、これらの実施例は当業者が本発明を実施するのを支援することを目的とするのであって、如何なる意味でも本発明を限定するものではない。
実施例
顕微鏡
本システムはNikon Eclipse ME600を中心として必要に応じて改変を加え、以下に記載する蛍光対物レンズ、金属用対物レンズおよびホフマンモジュレーションコントラスト対物レンズの組合せを取り付けたものである。
10倍生物用対物レンズ(Nikon) - Plan10倍、NA 0.25、WD 10.5
40倍蛍光対物レンズ(Nikon) - PlanFluor40倍、NA 0.6、WD 3.7〜2.7
40倍HMC(Modulation optics Inc) - HMC40倍、NA 0.55、WD 1.7〜2.7
50倍金属用対物レンズ(Nikon) - LU Plan50倍、NA 0.55、WD 10.1
100倍金属用対物レンズ(Nikon) - L Plan100倍、NA 0.7、WD 6.5
このシステムは4個のフィルタブロックを収容することができ、1個は白色光EDIC/落射型偏光照明用の免疫金染色ブロックであり、3個はNikonの蛍光フィルタブロックであって、コードはUV-2E/C、BV-2AおよびG-2E/Cであった。
一般的な汚染および清浄化
トークン表面に新鮮凍結の埋め込みのない非感染脳組織ブロックを付着させることにより表面を汚染した。脳物質による汚染後の直接評価をEDIC鏡検法によって行った。Syproルビー(SR)評価(米国オレゴン州、Molecular Probes)を用いるとタンパク質が検出された。標本を7%酢酸水溶液、10%メタノール内で15分間にわたって固定した後に、リン酸緩衝塩水で5分間ずつ3回洗浄した。標本をSRと共に10分間にわたってインキュベーションした後に、濾過した脱イオン水で10分間にわたって洗浄した。
器具には固定(7%酢酸水溶液、10%メタノール内で15分間)は行わなかった。
清浄化ステップでは、標本を室温で5分間にわたって水洗し、次いでトークン表面をLabGuardスクラブ(英国エセックス州、Day-Implex Ltd)の存在下で2分間にわたって外科用綿棒で拭うことにより物理的に清浄化した後に、水を変えて5分間ずつ3回洗浄した。次いで、トークンをSyproルビーで染色して顕微鏡で検査した。
免疫細胞化学
免疫細胞化学については正規食塩水(formal saline)で固定した組織を用いた。PrPSC検出では、PrPCを破壊するように切片を前処理した。この処理は、15分間の高圧蒸気オートクレーブ処理、および続いて5分間のギ酸(>95%)処理から成っていた。次いで、プロトコルではmouse kit29(Vector labs)上でマウスを用いた。一次抗体6H4(Prionics)すなわちPrPタンパク質のC末端領域に対して生成されたモノクローナル抗体を、濃度を1:4000として4℃で一晩、インキュベーションした。ジアミノベンジジン(DAB)を色素(chromagen)として用いて陽性染色を視覚化し、ヘマトキシリンで対比染色した。
チアゾール染色
チオフラビンS(Sigma) - 新鮮な組織の切片をスライドガラスまたは鋼クーポンに載せて4℃で10分間にわたって4%パラホルムアルデヒド(w/v)内で固定した。PBSで洗浄した後に、室温で10分間にわたってチオフラビンS(0.01%w/v溶液)と共に切片をインキュベーションした。続いて、アルコール濃度を低下させながらスライドを洗浄し、切片を蛍光担持水性媒体(Dako Cytomation)で被覆した。
チオフラビンT(Sigma) - 新鮮な組織の切片をスライドガラスまたは鋼クーポンに載せて4℃で10分間にわたって100%エタノール内で固定した。次いで、PBSで洗浄した後に、室温で10分間にわたってチオフラビンT(0.03%w/v溶液)と共に切片をインキュベーションした。次いで、標本を40分間にわたって酢酸の1%脱イオン水溶液で洗浄し、切片を蛍光担持水性媒体(Dako Cytomation)で被覆した。
プリオン検出
1.1 プリオン伝播
メスのC57B1/6Jマウスを5〜6匹ずつのグループとして、12時間の昼夜周期にした温度制御室(21℃)内のプラスチックケージ内で飼育した。マウスは水および餌を自由に摂ることができた。
陽性動物は、脳の右背側海馬領域(ブレグマ(頭蓋の頂部の冠状縫合と矢状縫合との会合点)からの座標:前後方向=1.94mm、横方向=1.5mm、深さ=1.5mm)に定位的に10%(w/v)ME7脳ホモジェネートの1マイクロリットルを注射されたものであった。
二組の対照動物を実施した。
・ 注射を受けないままの非感染C57BL/6Jマウス、および
・ 正常C57BL/6Jマウスから誘導された10%(w/v)脳ホモジェネートを右背側海馬に定位的に注射されたマウスの正常脳ホモジェネート(NBH)。
次いで、接種から19週〜21週(または非感染群については同等の期間)後にすべての動物を屠殺し、実施したい試験方法に応じて灌流によってホルマリンで組織を固定するか、または液体窒素で新鮮凍結させた。
1.2 組織化学
薄い組織切片で一次検査を行った。これにより、
・ 病状、小神経膠細胞活性化およびプリオン蓄積を知ることによりマウス脳の区域を画定する
・ プリオンアミロイドプラーク組織化学を知る
・ 切断パラメータを確定する。10μm切片(約5μm厚まで乾燥)として、1細胞厚み未満に等しくした
・ EDIC/EFを較正するためにステンレス鋼上への配置を可能にする
ことを確定し、したがって、鏡検原理の確認を可能にした。
ME7モデルは、十分に解明されたPrPSC特性[8-15]を有し、脳の海馬領域の切片内部に形成する異常タンパク質の濃度は高かった。具体的には、稠密なPrPSC付着物領域が歯状回の門の内部に、海馬のCA3領域の苔状線維に続いて生じた。加えて、はっきりとした稠密な円形アミロイドプラークが、視床内部および時折脳梁の上方に見られた(図3)。
1.3 神経組織のタンパク質定量化
神経切片のタンパク質含有量を次の両方の方法で決定した(付録1)。i)マウス脳の刊行データの理論的導出、およびii)Bio-Rad総タンパク質検定法を用いた個々の切片のタンパク質検定。各方法の間には近接した一致が見られた。
図3は、ME7についてPrPSC陽性領域を示すマウスの切片を示す図である。
1.4 抗体検査
1.5 小神経膠細胞
プリオン感染内部の小神経膠細胞の活性化については十分な報告が既にある[16-25]。実際に、かかる単球由来抗体の増加作用は、プリオン病のときに蒙るアポトーシスおよび細胞損傷にこれらの抗体が関わっていることを含意するようなものである[26]
ステンレス鋼トークン上で切断された組織切片についての標準的な二段免疫組織化学手法を確立した。小神経膠細胞CD68標識、モノクローナル抗体、FA11(Serotec)を一次抗体として実施し、ビオチン標識二次抗体とFITC-アビジン複合体Neutravidin(米国オレゴン州Eugene、Molecular Probes Inc.)との結合によって蛍光信号を発生した。
1.6 プリオンタンパク質
6種のモノクローナルスクレイピー会合線維(SAF)抗体(表1、図4)はJ Grassi教授(CEA/Saclay)によって提供された。
組織をホルマリン固定して、2種の前処理すなわち121℃で20分間にわたる多孔質オートクレーブ処理および5分間にわたるギ酸(>95%)処理を施して、正常形態のPrPタンパク質(PrPC)を破壊し異常PrPSCのエピトープを発現させた。
表1 SAFモノクローナル抗体およびPrPタンパク質上のそのエピトープ
図4は、タンパク質と関連したSAF Mab抗体によって認識されるPrPエピトープを示す図である。
前処理の後に、Vector LabsのM.O.M.キットの手順に従って、SAFインキュベーションを2時間として切片を処理し、次いで、アビジン-ビオチン複合体を適用し、続いて標準的なジアミノベンジジン(DAB)反応を適用した。
初期特性決定作業のすべてはガラスに載せた切片に対して行われ、すべての抗体をME7、非感染およびNBH物質に対して試験した。次いで、SAF抗体を市販の既知特性のモノクローナル抗体6H4(Prionics)抗体と比較して性能を評価した。
1.7 直接蛍光色素染色
現在のところ、表面汚染に試薬は適用されておらず、また彎曲面、隆起面または滑らかな不透明面もしくは半透明面でのタンパク質の検出にも適用されていない。
1.8 一般的なタンパク質汚染
ゲルの低タンパク質濃度のみの高感度染色のためにSyproルビー蛍光染料(米国、郵便番号97402、オレゴン州Eugene、Molecular Probes Inc.)が開発された。一般的なタンパク質汚染は、Syproルビー染色の修正適用によって視覚化された。この染色は、一般的なタンパク質に対して極めて高い親和性を有し、ゲルおよびガラス面の両方に対して高感度であることが判明した[27-32]。Syproルビーの励起スペクトルおよび放出スペクトルを以下に掲げる(図5)。
この染色を金属トークン上の組織に適用することに成功したことから、医療器具のための衛生スクリーンとしてのこの染色の適性が示された。したがって、後の染色の実施形態を廃棄された医療装置について開始した。
図5は、Syproルビーの励起スペクトル/放出スペクトルを示す図である。
以下の文献も参照されたい。
Berggren,K.N et al.、「An improved formaultion of SYPRO Ruby protein gel stain:comparison with the original formulation and with a ruthenium II tris(Bathophenanthroline disulfonate) formulation」、Proteomics;2(5):486-98、2002。
Steinberg,T.H et al.、「Rapid and simple single nanogram detection of glycoproteins in polyacrylamide gels and on electroblots」、Proteomics;I(7):841-55、2001。
Lopez,M.F et al.、「A comparison of silver stain and SYPRO Ruby Protein gel Stain with respect to protein detection in two-dimensional gels and identification by peptide mas profiling」、Electrophoresis;21 917) :3673-83、2000。
Berggren,K et al.、「A luminescent ruthenium complex for ultrasensitive detection of proteins immobilized on membrane support」、Anal.Biochem;176(2):129-43、1999。
1.9 プリオンアミロイドタンパク質
チアゾール誘導体であるチオフラビンT(ThT)およびチオフラビンS(ThS)(図6)は、いくつかの神経変性疾患からの組織学切片内でアミロイドプラークに関連したアミロイド付着物を標識する能力を有することが判明している[33-48]。体液内および死後の組織学切片内のアミロイド付着物を検出するために、チオフラビンSおよびチオフラビンTのようなチアゾールが用いられている。ThTおよびThSの両方とも、約482nmに最大値を有する放出スペクトルを有する[49]。ThS放出は385nmでの励起によって刺激され、溶液内の遊離染料に対して不変である。しかしながら、ThTは、一旦結合すると励起スペクトルの変化を生じ、遊離染料には存在しない新たなピークが450nmに現われる。この知見およびチアゾール誘導体の適用に対する染色方法の修正をスライドガラスおよびステンレス鋼トークン上に載置された10μmの凍結切片について検討した。
図6はチアゾール誘導体構造を示す図である。
1.10 「清潔な」手術器具の表面汚染
EDIC顕微鏡の汎用的性質のため、多様な異なる形状および寸法の器具を汚染について走査することが可能になる(図7)。
用いられた器具は、通常の清浄化、検査および滅菌手順を通過した。いくつかの器具は、手術室での再利用には不十分であると看做された。しかしながら、いずれも汚染によって循環から取り除くことはしなかった。
剛性拡大内視鏡はペンシル型の細い延長部を有し、先端に照明およびレンズの両方を備えて、膀胱または尿道の内壁に焦点を合わせることを可能にしている。これにより、医師が次のような状態を診断することができる。
・ 持続性尿路感染
・ 血尿
・ 尿失禁
・ 間質性膀胱炎、排尿痛
・ 尿道閉塞(前立腺肥大)、狭窄。
EDIC顕微鏡を用いて拡大内視鏡一式を走査し、次いで清浄化した。
結果
1.11 抗体検査
1.12 小神経膠細胞
最初の研究では、ME7感染した神経組織切片を、CD68標識に対して生成されたFITC共役抗体で標識して、活性化された小神経膠細胞を探した。
鏡検で明らかになったことによれば、小神経膠細胞の広範囲の活性化および増加が海馬の切片内に生じ、これらはステンレス鋼に載せた脳切片上で明瞭に見えた(図8aおよび8b)。倍率を上げると、単一の小神経膠細胞およびその経過を視床内部で視覚化することができる(図8c)。
図8は、ステンレス鋼上の脳切片の活性化された小神経膠細胞を示す図である。
1.13 プリオンタンパク質
図9から分かるように、海馬の歯状回領域はPrPSC付着物について認識される領域であり、対照組織は歯状回内に陽性域を有しなかった(a)。SAF83抗体およびSAF32抗体の適用は、両方とも歯状回内部に陽性信号を与え(b)、6H4 Mabを用いて得られる所見に匹敵する(c)。
図9は、6H4に匹敵する歯状回内の陽性SAF域を示す図である。
ME7モデルにおけるPrPSC集合体のもう1つの既知部位は海馬のCA3領域であり、これについて調査した(図10)。明らかに、対照組織はこの場合にも、CA3領域内部に陽性域を有しない(a)。SAF83抗体およびSAF32抗体の適用は、両方ともCA3内部に陽性染色を与え(c)、この場合にも6H4 Mabからの所見に匹敵する(b)。
図10は、6H4と同様の海馬のCA3領域の陽性SAF信号を示す図である。
6種のSAF抗体の適性および6H4との比較のまとめを表2に掲げる。SAF抗体のうちSAF83およびSAF32の2種が最も有望に見える。両方とも良好な陽性信号を与えるが、6H4モノクローナルよりも大きい背景信号を発生するようであった。反対に、この信号の増大は、6H4が検出しないような極く小さい面積(ミクロン単位以下)のプリオンタンパク質によって生じ得ると主張することもできる。結果として、SAF抗体は本質的に、かかる付着物に対する感度がさらに高い。
表2は、10μm脳切片でのPrPSCを染色するSAF Mabの適性を示す。
直接蛍光色素染色
1.14 一般的なタンパク質汚染
ME7感染したマウス脳を外科用ステンレス鋼表面に塗抹して(図11)、低倍率のEDIC鏡検を用いて視覚化した。神経付着物とステンレス鋼との間のコントラストを明瞭に見ることができる。倍率を高めた同じ脳塗抹を下に示す(図12)。
図11は、ステンレス鋼上の脳汚染物の低倍率EDIC画像を示す図である。
図12は、ステンレス鋼上の脳汚染物の高倍率EDIC画像を示す図である。
1.15 Syproルビー染色
図13は、脳で汚染したステンレス鋼トークンを高感度蛍光タンパク質標識(Syproルビー)で染色したものを示す。鋼上の脳汚染のEDIC画像(a)および染色後のEF画像(b)であり、ソフトウェアで導出した上記2枚の合成画像がタンパク性汚染の位置を示している。
図13は、ステンレス鋼上の脳汚染物のタンパク性物質を示すSyproルビー染色を示す図である。
外科用ステンレス鋼表面を脳物質を塗抹することにより汚染した。次いで、これらの表面に温水を当て、LabGuardスクラブに浸漬し、外科用綿棒で拭って、最後に温水で濯ぐことにより清浄化した。次いで、トークンをSyproルビーで染色して、顕微鏡で検査した。低倍率(図14)では、EDICでのみ幾分かの汚染を見ることができる(a)。一旦、Syproルビーで染色すると、汚染はさらに明瞭になり(b)、分析用複合体を生成するとタンパク性付着物の大きさおよび位置が明瞭に見える(c)。図15は、同じ表面であるがさらに倍率を高めて示す。この画像から、脂質汚染とタンパク質汚染との間の区別を見分けることができる。
図14は、洗浄およびSyproルビー染色の後に残ったタンパク質付着物の検出を示すEDIC/EF低倍率画像を示す図である。
図15は、洗浄およびSyproルビー染色の後に残ったタンパク質付着物の検出を示す高倍率EDIC/EF画像を示す図である。
1.16 プリオンアミロイドタンパク質
脳の代表的なPrPSC陽性切片を外科用ステンレス鋼表面に載置して、チアゾールで検討した。海馬の歯状回領域の内部の陽性信号(図16)およびCA3領域の内部の陽性信号(図17)を見ることができる。チオフラビンSでの染色(a)およびチオフラビンTでの染色(b)を示しており、染色の表面プロット(c)を生成して陽性信号を定量化可能にすることができる。これらの陽性域は、免疫組織学的研究の範囲内で見られるものと同等である。
図16は、ステンレス鋼上の感染した歯状回の10μm切片におけるチオフラビン陽性領域を示す図である。
図17は、ステンレス鋼上の海馬の感染したCA3領域の10μm切片におけるチオフラビン陽性域を示す図である。
図18は、外科用ステンレス鋼トークン上に載置されたプリオン陽性切片の視床の内部の6H4 Mab(a)およびチオフラビン(b、c)による免疫組織学的な染色を直接比較した図である。
図17は、ステンレス鋼上の6H4 Mab染色に匹敵する感染した視床の10μm切片におけるチオフラビン陽性領域を示す図である。
以上の図から、プリオンタンパク質検出の最低レベルはlμm径未満であることが分かる。この値は、プリオンタンパク質1pg未満と同等であり(付録1)、EDIC/EF染色法の感度、容易さおよび速度を実証する。
1.17 「清潔な」手術器具の表面汚染 - スペンサーウェルズ鉗子
スペンサーウェルズ鉗子(図19)はNHSの全体にわたって徹底的に用いられて、多様な把持処置に適用される。EDIC鏡検は、鉗子の外面の汚染を示した(図20)。この可視の汚染を画像解析によって表面プロットに変換して、汚染の視覚化を強化することができる。
図19は、スペンサーウェルズ鉗子を示す図である。
図20は、スペンサーウェルズ鉗子の外面に見られる汚染を示す図である。
1.18 ツェルナー吸い込み管
ツェルナー吸い込み管(図21および図22)は耳および脳からのデブリの除去に用いられる。吸い込み管の外部ケーシングの一部を切り落として内腔面を見えるようにした。EDIC鏡検(図22a)のみでは、汚染を識別することは困難である。しかしながら、Syproルビー染色(図22b)、および後続の画像の合成(図22c)の後には、タンパク性付着物の領域を明瞭に観察することができる。
図21は、ツェルナー吸い込み管の内腔を露出して示す拡大図である。
図22は、内腔面の汚染のSyproルビー染色を示す図である。
1.19 拡大内視鏡
拡大内視鏡一式(図23)は、異なるレンズ角を有する2個の観察鏡、閉鎖部、および関心領域に観察鏡を支障なく通すための鞘の4個の部品で構成されている。最初のEDIC検査は、観察鏡について開始した。可視の汚染が発見され、この指標は図24および図25に容易に示される。
図23は、拡大内視鏡一式を示す図である。
図24は、70°型拡大内視鏡の先端での汚染を示す図である。
図25は、70°型拡大内視鏡の中央部での汚染を示す図である。
閉鎖具鞘は、可視の内腔面の内部(図26)および外面(図27)の両方で観察された。外部走査によって小面積の未知の付着物が捕えられ、一方、内腔表面の汚染範囲は、「清潔な」金属の視覚化を困難にするようなものであった。
図26は、拡大内視鏡一式の閉鎖具鞘の内腔面の汚染を示す図である。
図27は、拡大内視鏡一式の閉鎖具鞘の外面の汚染を示す図である。
続いて、閉鎖部先端を走査して汚染の小さなパッチを観察した(図28)。閉鎖部先端は大きく彎曲しており、EDIC鏡検およびソフトウェア画像解析を適用するとこの曲率を如何に容易に視覚化し得るかは特筆に価する。
図28は、拡大内視鏡閉鎖部の先端の汚染を示す図である。
結論
本研究は、EDIC/EF鏡検を適当なプローブと組み合わせて用いることにより外科用ステンレス鋼および手術器具上の低レベルのタンパク性汚染を明らかにすることができるという証拠を与える。チアゾール、チオフラビンTおよびチオフラビンSを用いて、プリオン病に冒された脳からのβヒダ状アミロイドによる汚染を証明した。結果から判明した事によると、外科用ステンレス鋼上のβ-アミロイドの検出の感度は、免疫ペルオキシダーゼ法によるPrPSCの免疫細胞化学検出によって検出されるものに匹敵する。
本発明の方法および手法は次のようなものである。
・ 高速かつ単純で、使いやすく、多数の環境にわたる応用範囲を可能にする。
・ ミクロン単位以下(<1pg)のプリオンプラークを検出することが可能な高感度手法である。
・ 定量的であり、かつ本質的に医療または産業用の表面または器具の汚染指標を提供することができる。
EDIC/EF顕微鏡の汎用的性質および顕微鏡手法の格別の能力を試薬および抗体と組み合わせることにより、高感度の走査および品質管理装置を可能にするばかりでなく、有用な診断の補助手段を得ることができる。
スクリーニング方法
CMVアンチジェネミア試験は、高速で高感度かつ定量化可能な試験であって、CMV感染の早期検出に有用である。早期検出によって、医師は危険に晒されている患者を予測し、適当な治療および監視を開始することができる。
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Pk65タンパク質の出現は、CMV疾患の最初の兆候の1つである。ある患者がCMVを有しているか否かを十分に早期に検出することが可能であれば、適当な薬物を投与することができる。変種タンパク質を見出すことにより、移植患者(または典型的には危険に晒されている他の患者群)を例えば血液または他の組織の標本採取によって定型業務としてスクリーニングすることのできる方法があれば、有用な警告システムとなり得る。
図29は、サイトメガロウィルス(CMV)の早期Pk65タンパク質に対するモノクローナル抗体で染色された末梢血液単核細胞を示す図である。MicroGen BioproductのCMVアンチジェネミアキット(M83)は、英国Surrey州CamberleyのMicrogen Bioproducts Limitedから入手可能である。
顕微鏡構成
以下の各図は、本システムの汎用性をさらに詳細に示す。参照される顕微鏡構成は表3に列挙したものである。
構成1
図30は、CMVの図である。
図31は、CMVの図である。
図32は、高倍率蛍光画像である(ホフマン)。
図33は、チオフラビンTで染色した歯状回であってプリオンアミロイド集合体を示す図である。(FITCフィルタブロック)1000倍。
図34は、Syproルビー染色したチオフラビンの複合体を示す図である(TRITCフィルタブロック)。
構成3
図35は、産卵後のショウジョウバエの卵によって放出された液滴を示す図である。EDIC鏡検法、1000倍。
構成6/7
図36は、単焦点平面EDIC/共焦点鏡検を示す図である。(No.7)OptiGrid。
図37は、室温で10枚の積層画像を合成してポリエチレンパイプ上の飲用水バイオフィルムを示す図である。EDIC/共焦点鏡検(No.7)OptiGrid。
構成8
図38は、明視野400倍で脾臓を示す図である。
構成9
図39は、ホフマンモジュレーションコントラスト1000倍で脾臓を示す図である。
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〔付録1〕:C57BL 6Jマウスでのタンパク質計算
モデル:中脳、円形モデル、楕円形モデル(図29参照)
正常マウス脳
理論値
脳重量(全脳):482.3mg(23リットル内のマウス129匹から得た平均値i)
脳内タンパク質百分率ii,iii,iv:12%
嗅葉を除く脳寸法:11mm×5.5mm(Dav)×8mm(Lav)
(AP×DV×ML)(平均した結果(n=47)v)
平均的なマウス脳のタンパク質の量(g)=58mg
および可能な10μm切片の数〜約1100切片
平均タンパク質/切片=58/1100=52.6μg/切片
各々の切片が
a)円形である
b)楕円形である
と仮定すると、切片の近似的な表面積は次のようにして計算することができる。
a)平均表面積(円)=πr1 2
→3.142×(rl)2
→3.142×(((Lav+Dav)/2)/2)2
→3.142×(6.75/2)2
→3.142×(3.375)2
=36mm2
mm2当たり平均タンパク質=52.6/36→1.46μg/mm2
b)平均表面積(楕円形)
→(平均中央矩形面積+平均円面積)
→(Lav-Dav)Dav+π(Dav/2)2
→(8-5.5)×5.5+23.8
=37.5mm2
mm2当たり平均タンパク質=52.6/37.5→1.40μg/mm2
ソフトウェアで導出した物理的測定の比較
脳の海馬域からの1枚の切片を次の両方のソフトウェアを用いて算出した。面積を求めるソフトウェアパッケージOptilab、および前述の数学的モデリング手法。
切片寸法:9mm(L)×5.75mm(D)
Optilabの結果は、48mm2の表面積を示した。
a)円形 =(((9+5.75)/2)/2)2×π
=43mm2
→〜10%差
b)楕円形=(9-5.75)5.75+π(5.75/2)2
=(18.68)+(25.97)=45mm2
→〜6%差
この結果は、脳の数学的モデルと実際の物理的モデルとの間の極めて近い相関を示しているようである。
相関が相対的に大きいので、以下では楕円形モデルのみを考える。
プリオンマウス脳
理論
非感染マウス脳の理論的モデルをプリオン病脳に適用した。プリオン脳の外寸は非感染脳の外寸と同等であって、内部空胞化によって何らかの重量損が生ずるものと想定した。
ホルマリン固定プリオン脳の重量:Wtpr=463mg(n=3)
注:この値は非感染脳よりも約4%少ない。
したがって、
12%タンパク質→55.6mgタンパク質
1100切片 →50.5μgタンパク質/切片
楕円形モデルのみを用いて以上から得られたものと同じ表面積値を実施すると、
→50.5/37.5=1.35μg/mm2 (1)
上述のものと同じプラーク上でのタンパク質の測定
プラークのタンパク質=20×10-6mm2×1.35μg/mm2→〜27pg
したがって、1μm径のプラークについて、
円の面積=πr2→π×(1×10-3/2)2mm2
→〜0.79×10-6mm2
プラークのタンパク質=0.79×10-6mm2×1.35μg/mm2(楕円形)→〜1pg
アボガドロ数(6×1023)およびプリオンタンパク質の分子量(約30kDA)を実施することにより、上の値を実際のプリオン分子と等しくしようとすると、
1Mol=6×1023分子=30,000g
→ (6×1023/30000)分子=1g
→ (2×1019/1012)分子=1pg
→ 2×107分子=1pg
したがって、感染単位(IU)は1×105プリオン分子と定義されているので、lμm径のプラークは約200感染単位を含有する。
Bio-Radタンパク質検定
切片内でのタンパク質の物理量を評価するためにBio-Rad総タンパク質検定の実施形態を実行した。
ME7感染したマウスの後期(冠状)海馬領域から10μm切片を採取した。
切片の寸法はstereotaxic atlasから得られ、切片の寸法が約9(L)mm×5.75(D)mmであることを示していた。
この10μm切片を50μlのPBS内で均質化して、検定指針に従って5μlの標本を採取した。
Bio-Radプロトコルに厳密に従って、インキュベーション時間を10分間とした。
次いで、ELISAプレートをDynex Revelationの3.2比色計(波長=630nm)に載置して、タンパク質標準(標準的な曲線値が0.9928)と関連してタンパク質の濃度を計算した。
結果
10μm切片については、システムは1270μg/mlの平均値をエクスポートした。
5μlの場合 →(1270×5)/1000(μg)
→6.4μg
50μlの場合(すなわち切片)→6.4×10(μg/切片)
→64μg/切片 (2)
ここで、脳切片の表面積を計算して上の(1)で計算した平均タンパク質/mm2の値を実施すると、以下のようになる。
切片の表面積 →〜5.75mm×9mm
→48mm2(Optilabによる値)
切片当たりのタンパク質含有量→48×1.35→64.8μg/切片(楕円形モデル) (3)
明らかに、計算値(3)は、得られた値(2)とよく相関している。(〜1%差)
また、64μg/切片という値が妥当な値であることをさらにチェックするために、この値を補外して全脳を網羅することができる。
64μg/切片は48mm2切片では →1.33μg/mm2
したがって、平均切片 →1.33×37.5
→49.9μg/平均切片
脳(1100切片)であるので、 →54.9mgタンパク質/脳
タンパク質=12%であるので、→457mg脳
→この値と平均プリオン脳重量との間の差は〜1%。
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Figure 2005539219
Figure 2005539219
Figure 2005539219
EDIC顕微鏡の模式図である。 EDIC顕微鏡を示す図である。 ME7についてPrPSC陽性領域を示すマウスの切片を示す図である。 タンパク質と関連したSAF Mab抗体によって認識されるPrPエピトープを示す図である。 Syproルビーの励起スペクトル/放出スペクトルを示す図である。 チアゾール誘導体構造を示す図である。 EDIC顕微鏡の汎用的性質を示す図である。 ステンレス鋼上の脳切片の活性化された小神経膠細胞を示す図である。 6H4に匹敵する歯状回内の陽性SAF域を示す図である。 6H4と同様の海馬のCA3領域の陽性SAF信号を示す図である。 ステンレス鋼上の脳汚染物の低倍率EDIC画像を示す図である。 ステンレス鋼上の脳汚染物の高倍率EDIC画像を示す図である。 ステンレス鋼上の脳汚染物のタンパク性物質を示すSyproルビー染色を示す図である。 洗浄およびSyproルビー染色の後に残ったタンパク質付着物の検出を示すEDIC/EF低倍率画像を示す図である。 洗浄およびSyproルビー染色の後に残ったタンパク質付着物の検出を示す高倍率EDIC/EF画像を示す図である。 ステンレス鋼上の感染した歯状回の10μm切片におけるチオフラビン陽性領域を示す図である。 ステンレス鋼上の海馬の感染したCA3領域の10μm切片におけるチオフラビン陽性域を示す図である。 ステンレス鋼上の6H4 Mab染色に匹敵する感染した視床の10μm切片におけるチオフラビン陽性領域を示しており、外科用ステンレス鋼トークン上に載置されたプリオン陽性切片の視床の内部の6H4 Mab(a)およびチオフラビン(b、c)による免疫組織学的な染色を直接比較した図である。 スペンサーウェルズ鉗子を示す図である。 スペンサーウェルズ鉗子の外面に見られる汚染を示す図である。 ツェルナー吸い込み管の内腔を露出して示す拡大図である。 内腔面の汚染のSyproルビー染色を示す図である。 拡大内視鏡一式を示す図である。 70°型拡大内視鏡の先端での汚染を示す図である。 70°型拡大内視鏡の中央部での汚染を示す図である。 拡大内視鏡一式の閉鎖具鞘の内腔面の汚染を示す図である。 拡大内視鏡一式の閉鎖具鞘の外面の汚染を示す図である。 拡大内視鏡閉鎖具の先端の汚染を示す図である。 脳切片を示す図である。 Microgen BioproductsのCMVアンチジェネミアキット(M83)によってサイトメガロウィルス(CMV)の早期Pk65タンパク質に対するモノクローナル抗体で染色した末梢血液単核細胞を示す図である。 Microgen BioproductsのCMVアンチジェネミアキット(M83)によってサイトメガロウィルス(CMV)の早期Pk65タンパク質に対するモノクローナル抗体で染色した末梢血液単核細胞を示す図である。(構成1(表3を参照))。 Microgen BioproductsのCMVアンチジェネミアキット(M83)によってサイトメガロウィルス(CMV)の早期Pk65タンパク質に対するモノクローナル抗体で染色した末梢血液単核細胞の蛍光画像(高倍率)の図である。(ホフマン構成(表3を参照))。 チオフラビンTで染色した歯状回であってプリオンアミロイド集合体を示す図である。(FITCフィルタブロック)1000倍。(構成1(表3を参照))。 Syproルビー染色したチオフラビン/Syproルビーの複合体の図である。(TRITCフィルタブロック)(構成1(表3を参照))。 産卵後のショウジョウバエの卵によって放出された液滴を示す図である。(EDIC鏡検法)1000倍。(構成3(表3を参照))。 ポリエチレンパイプ上の飲用水バイオフィルムを示す図である。室温単焦点平面EDIC/共焦点鏡検(OptiGrid)(構成6(表3を参照))。 ポリエチレンパイプ上の飲用水バイオフィルムを示す図である。室温(積層画像10枚の合成)。EDIC共焦点鏡検(OptiGrid)(構成6(表3を参照))。 脾臓明視野を示す図である。400倍(構成8(表3を参照))。 脾臓-ホフマンモジュレーションコントラストを示す図である。100倍および1000倍。(構成9(表3を参照)) 顕微鏡の写真の図である。 顕微鏡の写真の図である。

Claims (37)

  1. 落射型微分(EDIC)鏡検プラス落射型蛍光(EF)鏡検を実施することにより表面上の生体物質の検出または同定に用いられる鏡検方法であって、顕微鏡は、ノーズピースにDICプリズムを、また免疫金染色ブロックおよび長距離対物レンズを組み入れて、カバースリップまたは油浸もしくは水浸を必要とせずに前記物質が視覚化され得るようにした鏡検方法。
  2. 前記表面は、彎曲面、隆起面、滑らかな不透明面もしくは半透明面、透明面、繊維状面、粗面、または腐蝕面である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記表面は、ステンレス鋼器具、手術器具、作業面、プラスチック面、パイプもしくはパイプバイオフィルム、衣料品、織物、食品、穀物、体内装置、生物標本、生検物質のバイオフィルム、膜、細胞内面、または細胞外面である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記器具は、鉗子、外科用ナイフ若しくは外科用メス、剛性若しくは可撓性内視鏡、拡大内視鏡、アプラネーション眼圧計の先端である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記体内装置はコンタクトレンズまたはカテーテルである、請求項3に記載の方法。
  6. 前記生体物質はタンパク質汚染または生物学的危険物質である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記生体物質は疾患である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記疾患はバクテリアまたはウィルスによるものである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記疾患はアミロイド生成性タンパク質によるものである、請求項7に記載の方法。
  10. 前記物質は、ヘリコバクター、カンピロバクテリア、CMV、MRSA、TB、天然痘または炭疽菌である、請求項6に記載の方法。
  11. 前記疾患は人体以外を冒している、請求項6に記載の方法。
  12. 前記疾患は、BSE、スクレイピーまたはシカ類慢性消耗性疾患である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記生体物質は蛍光発色団に結合している、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  14. 病原体の生存能力/活力が適当な染色法を用いて決定される、請求項6に記載の方法。
  15. 前記染色法は、CTC、またはDAPIおよび/もしくはPIである、請求項13に記載の方法。
  16. 前記疾患はクリプトスポリジウムである、請求項14または15に記載の方法。
  17. 蛍光試薬または特異的生物学的プローブが用いられる、請求項13に記載の方法。
  18. 前記特異的プローブは、モノクローナル抗体、ペプチド、核酸または擬似核酸である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記蛍光発色団薬剤は蛍光チアゾール誘導体である、請求項17に記載の方法。
  20. 前記誘導体はチオフラビンTまたはSである、請求項19に記載の方法。
  21. 一般的なタンパク質汚染がSyproルビー蛍光染色を用いて検出される、請求項1に記載の方法。
  22. ステンレス鋼での検出レベルはタンパク質1ピコグラム未満である、請求項8に記載の方法。
  23. 前記請求項のいずれか一項に記載の方法に用いられる顕微鏡装置。
  24. 標本上での光差が視覚化され得るように、高出力照明系およびフィルタを光路に配置したEDIC顕微鏡を含んでいる請求項23に記載の顕微鏡。
  25. 前記照明系は水銀照明系である、請求項24に記載の顕微鏡。
  26. 免疫金染色ブロックを含んでいる請求項23、24または25に記載の顕微鏡。
  27. 請求項1から22のいずれか一項に記載の方法に用いられる顕微鏡装置であって、手掌型装置もしくは可搬型装置を提供するように構成されているか、コンベヤベルトに用いられるように構成されているか、または改良型収納キャビネットに用いられるように構成されている落射型微分(EDIC)顕微鏡を備えた顕微鏡装置。
  28. 請求項1から22のいずれか一項に記載の方法に用いられる顕微鏡装置であって、レーザを必要とせずに共焦点構成に対応する落射型微分(EDIC)顕微鏡を備えた顕微鏡装置。
  29. 水処理産業でのバイオフィルム検査、医療施設内、食品産業での食品表面の汚染、屠殺場、獣医科診療、歯科診療においてスクリーニングを行うために構成されている装置であって、請求項23から28のいずれか一項に記載の顕微鏡を備えた装置。
  30. 請求項1に記載の方法に用いられ、組織生検後の患者におけるプリオン病の診断スクリーニングのためのキット。
  31. 請求項1に記載の方法に用いられ、表面に結合した汚染の範囲の定量的な評価のためのキットであって、ターゲット細胞の視覚化を可能にするように前記方法と共に用いられるように特に設計されている関連試薬パックを備えたキット。
  32. 請求項1に記載の方法または請求項23から28のいずれか一項に記載の顕微鏡装置を用いて、人間または動物の被検体の体液、血液、尿、脳脊髄液、非ニューロン組織(脾臓、リンパ節を含む)、生体細胞を含めた細胞でのプリオン病またはその他任意のアミロイド生成性疾患を含めた疾患の診断のためのシステム。
  33. 請求項1に記載の方法または請求項23から28のいずれか一項に記載の顕微鏡装置を用いて、バイオフィルムを高速スクリーニングしてその内容物を評価するシステム。
  34. 請求項1に記載の方法または請求項23から28のいずれか一項に記載の顕微鏡装置を用いて、極めて短時間での広い表面積または多数の物品の高速走査を可能にする可搬型(手掌型)またはコンベヤベルトステージモデル。
  35. 請求項1に記載の方法または請求項23から28のいずれか一項に記載の顕微鏡装置を用いて、不透明面および工具/器具の構造的完全性を迅速に視覚化して、これにより、生じている可能性のある点蝕、掻き傷、腐蝕または亀裂の程度を定量化することが可能な品質管理/安全性スキャナ。
  36. 請求項1に記載の方法または請求項23から28のいずれか一項に記載の顕微鏡装置を用いて、表面の清浄化方法または消毒方法の効果または実効性の評価または確認を行う方法。
  37. 生体物質用の適当なプローブおよび/または任意の所要の染色を備えた請求項1、32または36に記載の方法に用いられるキット。
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