JP2005539208A - グルコース産生を変化させるための組成物および方法 - Google Patents
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Abstract
核内受容体ショートヘテロダイマーパートナー(SHP)の発現および/または活性をモジュレートすることによりグルコース産生を変化させる物質を同定する方法を提供する。さらに、かかる物質を含む組成物、ならびに被験者のグルコース産生を変化させるためのかかる物質の使用方法を提供する。
Description
本発明は、核内受容体ショートヘテロダイマーパートナー(SHP)の発現および/または活性をモジュレートする物質を介してグルコース産生を変化させる方法および組成物に関する。SHPの発現および/または活性を誘導または増大させる物質を含んでなる本発明の組成物は、グルコース産生を減少させる。したがって、これらの組成物は、高血糖症の治療に有用であることが予想される。SHPの発現および/または活性を抑制または低下させる物質を含んでなる本発明の組成物は、グルコース産生を増加させる。したがって、これらの組成物は、低血糖症の治療に有用であることが予想される。
インスリンは、肝臓における重要な生理学的効果(例えば、グルコース新生とも呼ばれるグルコース産生の抑制など)を多数有する(O'Brien, R. M., および Granner, D. K. Physiol. Rev. 1996 76:1109-61)。インスリンは、グルコース新生に関与するいくつかの遺伝子(例えば、グルコース新生における律速段階に対して触媒作用を及ぼすホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の遺伝子など)の転写を抑制することが知られている(O'Brien, R. M., および Granner, D. K. Physiol. Rev. 1996 76: 1109-61; Pilkis, S. J., および Granner, D. K. Annu. Rev. Physiol. 1992 54:885-909)。したがって、PEPCKの発現を抑制することによって肝臓におけるグルコース産生を減少させる化合物は、糖尿病(I型とII型両方)およびグルコース産生の上昇と高血糖を特徴とするその他の症状の治療に有用でありうる。
PEPCK遺伝子は、肝細胞核内受容体4(hepatocyte nuclear factor 4 ; HNF4)によって調節されている(Hallら, Proc. Natl Acad. Sci. USA 1995 92:412-6; Yoonら, Nature 2001 413:131-8)。HNF4は、ショートヘテロダイマーパートナー(SHP)(Leeら, Mol. Cell Biol. 2000 20:187-95)の確立された結合パートナーである。
ショートヘテロダイマーパートナー(SHP)は、転写因子の核内受容体ファミリーのオーファンメンバーである(Seolら, Science 1996 272:1336-9)。SHPは、核内受容体において通常見られるDNA結合ドメインを欠失しているという点で通常と異なる。SHPは、その他の核内受容体(例えば、HNF4や肝受容体ホモログ1(liver receptor homolog 1; LRH-1)など)と相互作用し、その活性を抑制することにより標的遺伝子の転写を調節する(Goodwinら, Mol. Cell. 2000 6:517-26; Leeら, Mol. Cell Biol. 2000 20:187-95; Luら, Mol. Cell 2000 6:507-15)。最近、SHPの発現は胆汁酸受容体FXRによって肝臓内で誘導されることが示された(Goodwinら, Mol. Cell. 2000 6:517-26; Leeら, Mol. Cell Biol. 2000 20:187-95; Luら, Mol. Cell 2000 6:507-15)。FXRは、9-cis レチノイン酸受容体(RXR)と一緒にヘテロダイマーとしてSHPプロモーター中のDNA応答エレメントに結合する。FXRによりSHPの発現が誘導されるとCYP7A1などのいくつかの遺伝子の抑制を生じる。CYP7A1は、コレステロールから胆汁酸への古典的変換経路における律速段階に対して触媒作用を及ぼす(Goodwinら, Mol. Cell. 2000 6:517-26; Luら, Mol. Cell 2000 6:507-15)。SHPは、CYP7A1と結合してCYP7A1の転写を促進させるLRH-1と相互作用することによりCYP7A1を抑制する(Goodwinら, Mol. Cell. 2000 6:517-26; Luら, Mol. Cell 2000 6:507-15)。この核内受容体カスケードによって、胆汁酸合成に関与する遺伝子の転写を胆汁酸が調整的に抑制するフィードバック調節機構がもたらされる。
分子的なメカニズムについてはまだ明らかではないが、CYP7A1の発現はインスリンによっても抑制される(Subbiah, M. T., および Yunker, R. L. Biochem. Biophys. Res. Commun. 1984 124:896-902)。
標準的なげっ歯類糖尿病モデルであるZucker糖尿病肥満ラットの肝臓のホルモンインスリンによってもSHPの発現が誘導されることが明らかになった。対照的に、PEPCKの発現は、同じ条件のもと抑制されることが示された。したがって、これらのデータは、SHPの誘導が、肝臓でのPEPCKの発現とグルコース新生の抑制を引き起こすことを示すものである。したがって、SHPの発現および/または活性を誘導する物質は、高血糖症などのグルコースの過剰産生に関連した疾患の治療に有用であることが予想され、一方、SHPの発現および/または活性を抑制する物質は、低血糖症などのグルコースの産生不足に関連した疾患の治療に有用であることが予想される。
発明の概要
本発明の目的は、SHPの発現および/または活性のモジュレーションを介してグルコース新生またはグルコース産生を変化させる新しい治療物質を同定するための方法を提供することである。ある実施形態において、本発明の物質は、SHPの発現および/または活性を誘導することによりグルコースの産生を抑制する。かかる物質は、高血糖症などのグルコースの過剰産生に関連する症状の治療に有用である。別の実施形態において、本発明の物質は、SHPの発現および/または活性を抑制することによりグルコースの産生を誘導する。かかる物質は、低血糖症などのグルコースの産生不足に関連する症状の治療に有用である。
本発明の目的は、SHPの発現および/または活性のモジュレーションを介してグルコース新生またはグルコース産生を変化させる新しい治療物質を同定するための方法を提供することである。ある実施形態において、本発明の物質は、SHPの発現および/または活性を誘導することによりグルコースの産生を抑制する。かかる物質は、高血糖症などのグルコースの過剰産生に関連する症状の治療に有用である。別の実施形態において、本発明の物質は、SHPの発現および/または活性を抑制することによりグルコースの産生を誘導する。かかる物質は、低血糖症などのグルコースの産生不足に関連する症状の治療に有用である。
本発明の別の目的は、グルコース産生を変化させるのに使用する、SHPの発現および/または活性をモジュレートする物質を含んでなる組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、SHPの発現および/または活性をモジュレートする物質を被験者に投与することを含んでなる、それを必要とする被験者のグルコース産生を変化させる方法を提供することである。SHPの発現および/または活性を誘導または増大させる物質を投与することにより、被験者のグルコース産生を抑制する。SHPの発現および/または活性を抑制または低下させる物質を投与することにより、被験者のグルコース産生を誘導する。
本発明の別の目的は、SHPの発現および/または活性を誘導または増大させる物質を、高血糖症を罹患する被験者に投与することを含んでなる、被験者の高血糖症を治療するための方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、SHPの発現および/または活性を抑制または低下させる物質を、低血糖症を罹患する被験者に投与することを含んでなる、被験者の低血糖症を治療するための方法を提供することである。
発明の詳細な説明
高血糖症、すなわち、循環血液中のグルコースレベルが異常に高い状態は、様々な症状に罹患する被験者において生じる。かかる症状としては、例えば、限定するものではないが、肥満症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、代謝性シンドロームX、II型糖尿病、I型糖尿病、または心血管系疾患を挙げることができる。スルホニル尿素は、最も広く処方されている高血糖症を治療するための経口薬である。スルホニル尿素は、より多くのインスリンを分泌させるように膵臓を刺激することにより作用する。ビグアナイドファミリーの仲間であるメトホルミンも臨床上使用されており、その他のメカニズムによって高血糖を低下させる。腸管刷毛縁α-グルコシダーゼの競合阻害剤や、チアゾリジオン等のインスリンのポテンシエーターも高血糖症に対する経口薬として使用することがある。
高血糖症、すなわち、循環血液中のグルコースレベルが異常に高い状態は、様々な症状に罹患する被験者において生じる。かかる症状としては、例えば、限定するものではないが、肥満症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、代謝性シンドロームX、II型糖尿病、I型糖尿病、または心血管系疾患を挙げることができる。スルホニル尿素は、最も広く処方されている高血糖症を治療するための経口薬である。スルホニル尿素は、より多くのインスリンを分泌させるように膵臓を刺激することにより作用する。ビグアナイドファミリーの仲間であるメトホルミンも臨床上使用されており、その他のメカニズムによって高血糖を低下させる。腸管刷毛縁α-グルコシダーゼの競合阻害剤や、チアゾリジオン等のインスリンのポテンシエーターも高血糖症に対する経口薬として使用することがある。
低血糖症、すなわち、循環血液中のグルコースレベルが異常に低い状態は、下垂体機能低下症、アジソン病、および粘液水腫などの特定の内分泌疾患、肝機能不全関連疾患、腎不全、または膵臓癌などの場合において生じる。血中のグルコースレベルを上昇させることによって、これらの低血糖性疾患に関連する症候を緩和し得る。
本発明は、核内受容体ショートヘテロダイマーパートナー(SHP)の発現および/または活性を変化させることを介する、グルコース産生を変化させるための新規組成物および方法に関する。
標準的なげっ歯類糖尿病モデルであるZucker糖尿病肥満(ZDF) ラットを使用して、SHPの発現がホルモンインスリンによって誘導されることが示された。対照的に、同じ条件のもと、グルコース新生における律速段階に対して触媒作用を及ぼすホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)は抑制された(O'Brien, R. M., および Granner, D. K. Physiol. Rev. 1996 76:1109-61; Pilkis, S. J., および Granner, D. K. Annu. Rev. Physiol. 1992 54:885-909)。
これらの実験において、ZDFラットは、インスリンまたはビヒクル(0.9% 正常生理食塩水)のみを用いて6時間処置した。この期間の終了時に、ラットを犠牲にし、ラットの肝臓からRNAを調製した。プールRNAサンプルのリアルタイム定量的PCR分析によって、インスリンに応答してSHPのmRNAレベルが約17倍に増加したことが明らかになった。対照的に、PEPCKのレベルはインスリンに応答して約2分の1に減少した。
これらのデータは、SHPがPEPCK遺伝子の転写を抑制することと一致する。さらに、これらのデータは、SHPの誘導が、肝臓でのPEPCK発現およびグルコース新生の抑制を引き起こすことを示すものである。
このように、本発明は、SHPの発現および/または活性をモジュレートする試験物質の能力に基づく高血糖症および低血糖症の治療のための組成物を同定する新規方法を提供する。SHPの発現および/または活性を誘導または増大させる試験物質は、グルコースの過剰産生に関連する疾患の治療に有用であることが予想されるのに対して、SHPの発現および/または活性を抑制または低下させる試験物質は、グルコースの産生不足に関連する疾患の治療に有用であることが予想される。したがって、本発明は、SHPの発現および/または活性をモジュレートする物質を含む組成物、ならびに被験者のグルコース産生を変化させるための該物質の使用方法にも関する。
本発明の目的のための“モジュレーション”、“モジュレート”、または“モジュレーター”とは、SHPに関連する生理学的な条件またはパラメーターを調節すること、調整すること、または変化させることを意味するものである。したがって、モジュレーションの例としては、限定するものではないが、SHPの遺伝子発現または活性を増大または低下させる物質、この核内受容体の発現時期の変更、グルコース産生またはグルコース新生の増大または低下、ならびにグルコース恒常性における変更などを挙げることができる。本発明の好ましい実施形態において、SHPの発現および/または活性を誘導または増大させることによって、PEPCKの発現および/または活性の減少ならびにグルコース産生の低下を生じる。
本発明の目的のための“変化させる”、“変化させること”、または“変化(変更)”とは、SHPの発現および/または活性のモジュレーターを投与したときに、該モジュレーターを投与する前のグルコースレベルと比較して、グルコースレベルを増大させることまたは低下させることを意味する。
本発明の目的のための“物質”または“試験物質”とは、SHPによるPEPCKの抑制を増大または低下させるすべての分子を含むことを意味する。好ましい実施形態において、該物質はインスリン以外の小有機分子である。該分子がSHPに対するリガンドであるのも好ましい。
SHPのリガンドを同定するために様々なアッセイを使用することができる。
例えば、本発明の組成物中に使用するリガンドは、Parks, D.J. 1999. Science 284:1365-1368および国際公開WO 00/25134号に記載されているFRETアッセイなどのアッセイを利用して化合物ライブラリーのスクリーニングによって日常的に同定することができる。FRETアッセイは、第1の位置に配置されたドナーと第2の位置に配置されたアクセプターとを含むサンプル部分を、ドナー中の第1の電子遷移を誘導しうる第1の波長の光に暴露する工程を含んでなり、この時、該ドナーは、ランタノイドキレートと、該キレートと結合しうるランタノイドとの錯体を含んでなり、かつ、ドナーの放出とアクセプターの吸収のスペクトルの重なり合いが十分あって、アクセプターの発光の検出可能な増加により測定されるドナーからアクセプターヘのエネルギー移動が可能である。FRETアッセイにおいて使用するための様々なコアクチベーターが記載されている。その例としては、限定するものではないが、ステロイド受容体複合体(Steroid Receptor Complex; SRC1)、CREB結合タンパク質(CREB binding protein; CBP)、およびレチノイド相互作用タンパク質(Retinoid Interacting Protein; RIP 140)を挙げることができる。リガンドが受容体のリガンドポケットに結合すると、該コアクチベーターは受容体-コアクチベーター複合体を形成する。現在のコアクチベーターモデルは、リガンドがリガンド結合ドメイン(ligand binding domain; LBD)に結合して、該ポケット内に的確に折りたたまれて配置され、該ポケット内にリガンドを捕捉するアクチベーション作用2(activation function 2; AF-2)を示すというものである。新たな界面(LXXLLモチーフ)がリガンドの捕捉により形成され、これによって、コアクチベーターがAF-2と相互作用することが可能となる。したがって、AF-2はリガンド依存性のトランスアクチベーションにおいて重要である。インデューサーまたはアゴニストが結合する場合、それは転写的に活性であるのに対して、インヒビターまたはアンタゴニストの結合は受容体共同因子の相互作用を妨害する。
SHPまたはSHPのリガンド結合ドメインを(単独でまたは融合タンパク質として)含む無細胞結合アッセイを行うこともできる。これらのアッセイにおいては、SHPまたはSHPのリガンド結合ドメインを、有利には検出可能なラベル(例えば、放射性ラベルまたは蛍光ラベル)を担持する試験物質と一緒にインキュベートする。次いで、遊離しているまたは試験物質と結合しているSHPまたはそのリガンド結合ドメインを、様々な方法(例えば、ゲルろ過クロマトグラフィー(例:Sephadex G50スピンカラムによる)またはヒドロキシアパタイト樹脂で捕捉することによる)のいずれかを用いて、遊離している試験物質から分離する。次いで、SHPまたはそのリガンド結合ドメインに結合している試験物質の量を標識の検出により測定する。
SHPまたはそのリガンド結合ドメインと結合した放射標識した試験物質を検出するための別のアプローチはシンチレーションプロキシミティアッセイ法(scintillation proximity assay; SPA)である。このアッセイ法では、ビーズ(または、その他の粒子)にシンチラントを含浸させ、SHPまたはそのリガンド結合ドメインを捕捉しうる分子でコーティングする(例えば、ストレプトアビジンコーティングビーズを用いてビオチニル化SHPリガンド結合ドメインを補足することができる)。放射標識した試験物質と、SHPまたはそのリガンド結合ドメインとの複合体がSPAビーズの表面上に捕捉されて、放射活性標識が、シンチラントがシグナルを放出するのに十分なように近位になった場合にのみ放射性カウントが検出される。この方法は、結合している試験物質と遊離している試験物質とを分離する必要がないという利点を有する(Nicholsら, Anal. Biochem. 257:112-119 (1998))。
試験物質がSHPリガンド結合ドメインと相互作用するかどうかを調べるためのアッセイは、競合結合アッセイを介して行うこともできる。このアッセイにおいては、SHPまたはそのリガンド結合ドメインを、SHPと相互作用することが知られている化合物とインキュベートする。該化合物は、有利には、検出可能なラベル(例えば、放射性ラベルまたは蛍光ラベル)を担持する。試験物質を反応物中に添加し、SHPまたはそのリガンド結合ドメインと結合する標識化合物と競合する能力についてアッセイする。結合している化合物と遊離している公知の(標識)化合物とを分離する工程を用いる標準的アッセイ、あるいはSPAフォーマットを利用して、試験物質が競合する能力を評価することができる。
試験物質がSHPをアクチベートしてPEPCKを抑制するかどうかを調べるために、SHPのリガンド結合ドメインを、(例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、ヒスチジンタグまたはマルトース結合タンパク質との)融合タンパク質として調製する(例えば、発現させる)。該融合タンパク質とコアクチベーター(有利にはいずれかまたは両方を放射性標識または蛍光タグなどの検出可能なラベルで標識する)を、試験物質の存在下および不在下でインキュベートし、該コアクチベーターと該融合タンパク質との結合の度合いを測定する。試験物質の存在下で相互作用が誘導されれば、該試験物質がSHPのアクチベーターであることを示す。
本発明にしたがうSHPアクチベーションアッセイは、全長SHPと、SHP結合ドメインによって認識されるDNA結合部位を1コピー以上含むレポーターシステムとを、使用して行うことができる。しかし、より好ましくは、該アクチベーションアッセイは、確立されているキメラレポーターシステムを用いて行う。例えば、SHPのリガンド結合ドメインは、例えば、酵母転写因子GAL4のDNA結合ドメインと、またはエストロゲン受容体もしくは糖質コルチコイド受容体のDNA結合ドメインと融合させることができる。該キメラ(例えば、GAL4-SHPキメラ)のための発現ベクターは、レポーター構築物とともに宿主細胞(例えば、CV-1、HuH7、HepG2またはCaco2細胞)中にトランスフェクトすることができる。該レポーター構築物は、レポーター遺伝子(例えば、CAT、SPAPまたはルシフェラーゼ)の発現を駆動する、キメラ内に存在する結合ドメイン(例えば、GAL4 DNA結合部位)によって認識されるDNA結合部位を1コピー以上(例えば、5コピー)含むことができる。次いで、該構築物を含む細胞を、ビヒクル単独または試験物質を含むビヒクルのいずれかで処理し、レポーター遺伝子の発現レベルを測定する。このアッセイにしたがい、試験物質存在下でレポーター遺伝子の発現が増大するのは、該試験物質が、SHPをアクチベートし、それによって、グルコース産生のインヒビターとして機能しうることを示す。
SHPのリガンドを同定するために適切な別のフォーマットは酵母ツーハイブリッドアッセイ法である。これは、酵母中で行なわれるタンパク質-タンパク質相互作用を検出するための確立されたアプローチである。タンパク質#1(ベイトを表す)は、DNA結合ドメイン(例えば、GAL4)とのキメラとして酵母中で発現させる。タンパク質#2(プレデターを表す)は、強力な転写アクチベーションドメインとのキメラとして同じ酵母細胞内で発現させる。ベイトとプレデターの相互作用は、レポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼまたはβ-ガラクトシダーゼ)のアクチベーションまたは選択マーカー(例えば、LEU2遺伝子)のレギュレーションを生じる。このアプローチは、例えば、SHPとコアクチベータータンパク質(例えば、SRCI、TIFI、TIF2、ACTR)等の他のタンパク質またはその断片との間のリガンド依存性の相互作用を検出するためのスクリーニング法として使用することができる(Fieldsら, Nature 340:245-2.46 (1989))。
上記アッセイにおいて試験しうる適切な試験物質としては、例えば、コンビナトリアルライブラリー、定義済みの化学物質もしくは化合物、ペプチドもしくはペプチドミメティック、オリゴヌクレオチド、およびディスプレイ(例えば、ファージディスプレイライブラリー)もしくは抗体産物などの天然物ライブラリーを挙げることができる。
通常は、有機分子を、好ましくは分子量が50〜2500ダルトンの低分子量の有機分子をスクリーニングする。候補物質は、糖類、脂肪酸、ステロイド類、プリン類、ピリミジン類、誘導体、構造類似体またはそれらの組み合わせ等の生体分子である。かかる物質は、合成または天然の化合物等の広範な供給源から得ることができる。さらに、公知の薬物を、構造類似体を生成させるために、意図的またはランダムに化学的改変(例えば、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化等)させることができる。
試験物質は、反応当たり例えば10種類の物質を初回のスクリーニングに使用することができ、抑制または活性化を示すこれらバッチの物質を個別に調べることができる。試験物質は、1 nM〜1000μM、好ましくは1 μM〜100μM、より好ましくは1 μM〜10μMの濃度で使用することができる。好ましくは、試験物質の活性を、公知のアクチベーターまたはインヒビターによって示される活性と比較する。インヒビターとして作用する試験物質は、好ましくは、受容体の活性を50%抑制する。あるいは、アクチベーターとして作用する試験物質は、好ましくは、公知のアクチベーターを使用して得られた最大活性の50%の活性を生じる。
SHPの発現および/または活性のモジュレーターとして同定された物質は、グルコース産生を変化させるために被験者に投与することができる。SHPの発現および/または活性を誘導または増大させる物質は、PEPCKの発現レベルを低下させることによってグルコース産生を低下させる。したがって、SHPの発現および/または活性を誘導または増大させる物質を含む本発明の組成物は、被験者のグルコース産生を低下させること、ならびに高血糖症の治療において有用である。かかる物質は、例えば、肥満症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、代謝性シンドロームX、II型糖尿病、I型糖尿病、または心血管系疾患などを原因とする高血糖症の治療に有用である。SHPの発現および/または活性を抑制または低下させる物質は、PEPCKの発現レベルを増大させることによってグルコース産生を増大させる。SHPの発現および/または活性を抑制または低下させる物質を含む本発明の組成物は、被験者のグルコースを増加させること、ならびに低血糖症の治療において有用である。
投薬計画ならびに本発明の物質を含む組成物のための適切な投与経路の選択は、本明細書中に記載したin vitroまたはin vivoアッセイにおける該物質の薬理活性に基づいて、当業者によってルーチンに決定することができる。本発明の組成物は、グルコース産生を変化させるためにPEPCKの発現レベルをモジュレートするのに有効な量で該物質を含むのが好ましい。この有効量は、本明細書中に記載したin vitroでのスクリーニングアッセイまたは動物モデルでのin vivoにおける活性に基づいて、同定された物質それぞれについてルーチンに決定することができる。有効量はそれを必要とする被験者において、該被験者のグルコースレベルに及ぼす該物質の効果をモニターすることによって確認することができる。被験者のグルコースレベルをモニターする方法は周知であり、当業者によって通常どおり実施される。
SHPのモジュレーターとして同定される本発明の物質は、グルコース産生のモジュレーションに適した任意の経路により被験者に投与するための製薬上許容される組成物として製剤化することができる。好適な医薬製剤としては、限定するものではないが、経口、経直腸、経鼻、局所(バッカルおよび舌下を含む)、経膣、または非経口(筋肉内、皮下、静脈内、および患部組織中への直接投与を含む)投与のためのもの、あるいは、吸入または吸引による投与に適した形態のものを挙げることができる。製剤は、適切な場合には、便利な個別の投与単位として提供することができ、また、薬剤の技術分野における周知の任意の方法によって調製することができる。すべての方法が、活性物質と、液体担体または細かい固体担体またはその両方とを一緒に混合する工程を含み、必要な場合には、次に所望の製剤に該生成物を成形する工程を含む。
経口投与に適した医薬製剤は便利な分離した単位として提供することができる。かかる製剤としては、限定するものではないが、カプセル剤、カシェ剤または錠剤を挙げることができ、それぞれが、所定量の活性物質を、粉末または顆粒として、溶液、懸濁液またはエマルジョンとして含有する。該活性物質はボーラス、舐剤またはペーストとして提供することもできる。経口投与のための錠剤およびカプセル剤は、結合剤、増量剤、滑沢剤、崩壊剤または湿潤剤などの通常の添加剤を含有してもよい。錠剤は当技術分野で周知の方法にしたがってコーティングすることができる。当技術分野で公知である徐放剤も好適でありうる。経口液体製剤は、例えば、水性または油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシールの形態であってもよく、あるいは、用時に水またはその他の好適なビヒクルで構成する乾燥製品として提供することもできる。かかる液体製剤は、懸濁化剤、非水性ビヒクル(例えば、植物油)、または保存剤などの通常の添加剤を含有することができる。
また、SHPのモジュレーターとして同定される本発明の物質は、注射(例えば、ボーラス注射または連続輸液)などの非経口投与用として製剤化することもでき、アンプル、プレフィルドシリンジ、少量輸液(small volume infusion)等の単位投与剤型として、あるいは保存剤を添加した複数回投与容器に入ったものとして提供することができる。非経口投与用として活性物質を含む製薬上許容される組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンの形態をとることができ、また、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などの製剤化物質を含むことができる。あるいは、活性成分は、発熱物質を含まない滅菌水などの適切なビヒクルを用いて用時調製するために、滅菌固体の無菌的単離により、あるいは溶液からの凍結乾燥により取得された、粉末の形態であってもよい。
表皮への局所投与のために、SHPのモジュレーターとして同定される本発明の物質は、軟膏、クリームもしくはローションとして、または経皮パッチとして製剤化することができる。例えば、軟膏とクリームは、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を添加して水性または油性の基剤を用いて製剤化することができる。ローションは水性または油性の基剤を用いて製剤化することができ、通常、1種以上の乳化剤、安定化剤、懸濁化剤、増粘剤または着色剤も含有しうる。口腔内への局所投与に適する製剤としては、例えば、味のついた基剤(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)中に活性成分を含むロゼンジ; 不活性基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア)中に活性成分を含む芳香製剤; ならびに、適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤等を挙げることができる。眼への局所投与のために、該活性物質は、適切な水性または非水性無菌ビヒクル中の溶液または懸濁液として調製することができる。バッファー(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはエデト酸二ナトリウム)などの添加物およびヒプロメロース(hypromellose)などの増粘剤も含有させることができる。
担体が固体である直腸投与に適する医薬製剤の場合、単位投与形態の坐剤として提供するのが好ましい。適切な担体としては、カカオバターおよび当技術分野で通常使用される他の物質を挙げることができ、軟らかくしたもしくは溶かした1種以上の担体と活性物質とを混合した後に冷却して型の中で成形することにより、坐剤を都合よく製造することができる。
経膣投与のために適する製剤は、活性物質の他に、当技術分野で適切であることが知られている担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォームまたはスプレーとして提供することができる。
鼻腔内投与のために、SHPのモジュレーターとして同定される本発明の物質は、液体スプレーまたは分散性粉末として、または液滴の形態で使用することができる。液滴は、水性または非水性基剤を用いて製剤化することができ、また、1以上の分散化剤、可溶化剤、または懸濁化剤を含んでいてもよい。液体スプレーは加圧パックから便利に送達される。
吸入による投与のために、SHPのモジュレーターとして同定される本発明の物質は、インサフレーター、ネブライザーもしくは加圧パック、またはエアゾールスプレーを送達する他の便利な装置によって送達することができる。加圧パックは、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、またはその他の適切な気体)を含んでもよい。加圧エアゾールの場合、投与単位は計量された量を送達するバルブを備えることにより決定することができる。
あるいは、吸入または吸引による投与のために、本発明の活性物質は、ドライパウダー組成物(例えば、SHPをモジュレートする物質と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物)の形態をとることができる。該パウダー組成物は、例えば、ゼラチンからなるカプセル、カートリッジまたはブリスターパックの単位投与形態として提供することができ、インハレーターまたはインサフレーターを利用してパウダーをそれから投与することができる。
所望の場合、上記した製剤のいずれもが、SHPのモジュレーターとして同定される本発明の物質の持続的放出を可能とするように適合させることができる。
SHPの発現および/または活性をモジュレートする物質を含む本発明の医薬組成物は、その他の治療用物質と組み合わせて使用することもできる。
治療で使用するのに必要とされる本発明の物質の量は、当然、投与経路、治療する症状の種類・性質、治療する被験者の年齢や症状によって変化しうる。本明細書中で「治療的に有効な量または濃度」と呼ぶかかる量の選択は、最終的に主治医の判断による。しかしながら、一般的には、治療的に有効な量である、SHPの発現および/または活性をモジュレートする物質を提供する本発明の医薬組成物の好適な用量は、1日当たり体重1kgにつき約0.1〜300 mg、特に1日当たり体重1kgにつき約1〜100 mgの範囲でありうる。経口投与のための適切な投与単位は、通常、約1〜約250 mg、より好ましくは25〜250 mgの活性物質を含有する。
高血糖症の治療に使用する場合、SHPの発現および/または活性のインデューサーを含む医薬組成物は、上記した経路のいずれかにより、好ましくは経口または注射により投与することができる。70 kg の体重の哺乳動物に対する1日用量は、通常、本発明の活性物質の約5 mg〜5 gの範囲である。同様の1日用量の、SHPの発現および/または活性のインヒビターを低血糖症の治療のために投与することができる。
以下の非限定的実施例を、本発明をさらに説明するために提供する。
実施例1: ZDFラットに対するインスリン処置
実施したすべての手順は、米国動物保護法、米国農務省規定を遵守したものであり、GlaxoSmithKline社 施設内動物取扱使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)に承認されたものである。動物は、華氏72°、相対湿度50%、12時間の明暗サイクルのもと収容し、コントロール食(Formulab Diet 5008, PMI Feeds Inc., Richmond, Indiana)を与えた。インスリン処置した動物に、HUMULIN(登録商標)NおよびHUMULIN(登録商標)R (Lilly, Indianapolis, Indiana)の混合物を皮下注射により投与し、6時間後に殺した。RTQ-PCRを、Wayらによる記載(Endocrinology 2001 142: 1269-77)にしたがって、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System 装置・ソフトウェア(PE Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA)を使用して行った。
実施したすべての手順は、米国動物保護法、米国農務省規定を遵守したものであり、GlaxoSmithKline社 施設内動物取扱使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)に承認されたものである。動物は、華氏72°、相対湿度50%、12時間の明暗サイクルのもと収容し、コントロール食(Formulab Diet 5008, PMI Feeds Inc., Richmond, Indiana)を与えた。インスリン処置した動物に、HUMULIN(登録商標)NおよびHUMULIN(登録商標)R (Lilly, Indianapolis, Indiana)の混合物を皮下注射により投与し、6時間後に殺した。RTQ-PCRを、Wayらによる記載(Endocrinology 2001 142: 1269-77)にしたがって、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System 装置・ソフトウェア(PE Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA)を使用して行った。
使用したプライマーは以下の通りである:
ラット PEPCK フォワード: TGAGGAAGTTTGTGGAAG (配列番号1)
ラット PEPCK リバース: GCCGTCGCAGATGTGAAT (配列番号2)
ラット PEPCK プローブ: TGCCCAGCTGTGCCAGCC (配列番号3)
ラット SHP フォワード: TGGTACCCAGCTAGCCAAG (配列番号4)
ラット SHP リバース: TGTTCTTGAGGGTGGAAGC (配列番号5)
ラット SHP プローブ: CGCCTGGCCCGAATCCTCC (配列番号6)
ラット PEPCK フォワード: TGAGGAAGTTTGTGGAAG (配列番号1)
ラット PEPCK リバース: GCCGTCGCAGATGTGAAT (配列番号2)
ラット PEPCK プローブ: TGCCCAGCTGTGCCAGCC (配列番号3)
ラット SHP フォワード: TGGTACCCAGCTAGCCAAG (配列番号4)
ラット SHP リバース: TGTTCTTGAGGGTGGAAGC (配列番号5)
ラット SHP プローブ: CGCCTGGCCCGAATCCTCC (配列番号6)
図: インスリンで処置したZDF fa/fa ラットにおけるPEPCKおよびSHPの発現
値は生理食塩水のみを与えた対照動物と比較して表した。両方のケースにおいて、インスリンは、SHPの発現を誘導し、PEPCKのレベルを抑制した。
値は生理食塩水のみを与えた対照動物と比較して表した。両方のケースにおいて、インスリンは、SHPの発現を誘導し、PEPCKのレベルを抑制した。
実施例2 SHPは、PEPCKとグルコース新生の公知のポジティブレギュレーターである糖質コルチコイド受容体(GR)の活性を抑制することにより、グルコース新生を抑制する。
市販のサル腎臓由来細胞系(CV-1)を、マウス乳癌ウイルス(mouse mammary tumor virus; MMTV)、ヒトGR発現ベクター、および、場合によりヒトSHP発現ベクターから作製したGR応答ルシフェラーゼレポーター遺伝子構築物を用いてトランスフェクトした。トランスフェクション効率をコントロールするために、pβ-アクチンプロモーターに連結させたヒト分泌胎盤性アルカリホスファターゼcDNAを含むpβ-アクチン-SPAPを用いて細胞をコトランスフェクトした(Goodwinら, Mol. Cell. 2000 6:517-26)。細胞を高アフィニティーGRリガンド (デキサメタゾン1μM)の存在下で24時間培養し、ルシフェラーゼレポーター遺伝子活性の測定の前に回収した。レポーター遺伝子活性はSPAP活性に対して正規化した。
市販のサル腎臓由来細胞系(CV-1)を、マウス乳癌ウイルス(mouse mammary tumor virus; MMTV)、ヒトGR発現ベクター、および、場合によりヒトSHP発現ベクターから作製したGR応答ルシフェラーゼレポーター遺伝子構築物を用いてトランスフェクトした。トランスフェクション効率をコントロールするために、pβ-アクチンプロモーターに連結させたヒト分泌胎盤性アルカリホスファターゼcDNAを含むpβ-アクチン-SPAPを用いて細胞をコトランスフェクトした(Goodwinら, Mol. Cell. 2000 6:517-26)。細胞を高アフィニティーGRリガンド (デキサメタゾン1μM)の存在下で24時間培養し、ルシフェラーゼレポーター遺伝子活性の測定の前に回収した。レポーター遺伝子活性はSPAP活性に対して正規化した。
Claims (9)
- グルコース新生またはグルコース産生を変化させる試験物質を同定するための方法であって、ショートヘテロダイマーパートナーの発現または活性をモジュレートする能力について試験物質を測定することを含んでなる、前記方法。
- グルコース新生またはグルコース産生を変化させるための組成物であって、ショートヘテロダイマーパートナーの発現または活性をモジュレートする物質を製薬上許容される処方で含んでなる、前記組成物。
- 該物質がショートヘテロダイマーパートナーの発現または活性を誘導または増大させる、請求項2記載の組成物。
- 該物質がショートヘテロダイマーパートナーの発現または活性を抑制または低下させる、請求項2記載の組成物。
- 請求項2記載の組成物を、それを必要とする被験者に投与することを含む、被験者のグルコース産生を変化させる方法。
- 請求項3記載の組成物を、それを必要とする被験者に投与することを含む、被験者のグルコース産生を低下させる方法。
- 被験者が肥満症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、代謝性シンドロームX、II型糖尿病、I型糖尿病、または心血管系疾患を罹患している、請求項6記載の方法。
- 高血糖症を罹患している被験者に請求項3記載の組成物を投与することを含む、被験者の高血糖症を治療する方法。
- 低血糖症を罹患している被験者に請求項4記載の組成物を投与することを含む、被験者の低血糖症を治療する方法。
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