JP2005538030A - 組み合わせ療法での使用のための血管新生障害の画像診断用医薬 - Google Patents
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Abstract
本発明は、患者における組み合わせ療法での癌の診断および処置に有用な、式(I):(Q)d−Ln−Ch’の新規な化合物を提供する。本発明は、関節リウマチの処置に有用な新規な化合物を提供する。該医薬品は、血管新生の間に上方制御された受容体と結合する標的分子、任意の結合基および治療学的に有効な放射性同位元素または診断的に有効な画像診断可能な分子を含む。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、癌の診断および処置に有用な新規な医薬品、患者における腫瘍の画像診断法、および患者における癌の処置法を提供する。本発明はまた、新規な医薬組成物および組み合わせ療法にも関するものであって、これらは本発明の化合物またはその医薬的に許容し得る塩、並びに抗癌剤、光増感剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる薬物の少なくとも1つを含む。本発明はまた、治療学的な血管新生処置および新しい血管新生脈管構造の破壊を追跡するのに有用な新規な医薬品をも提供する。該医薬品は、血管新生の間に上方制御される受容体と結合する標的分子、任意の連結基、および治療学的に有効な放射性同位元素または診断的に有用な画像診断可能な分子を含む。該治療学的に有効な放射性同位元素は、細胞毒性となるのに十分な粒子または電子を放射する。該画像診断可能な分子は、γ線または陽電子を放射する放射性同位元素、核磁気共鳴画像診断造影剤、X−線造影剤、または超音波造影剤である。
【0002】
(背景技術)
癌は、米国および世界中での主な公衆の健康の関心事である。百万以上の新規なクラスの浸潤癌が、1998年に米国で診断されるであろうと見積もられている。該疾患の最も蔓延している形態は、肺、乳、前立腺、結腸および直腸の固形腫瘍である。癌は、典型的にインビトロ試験および画像診断法を組みあわせることによって診断される。該画像診断法としては、例えばX−線コンピュータ断層撮影法、核磁気共鳴画像診断法、超音波画像診断法および放射線核種シンチグラフィー法を含む。造影剤が患者に投与されて、X−線CT、MRIおよび超音波によって得られる画像が増大することが多い。腫瘍に局在化する放射性医薬品の投与は、放射線核種シンチグラフィー法に必要である。
【0003】
癌の処置は典型的に、該疾患の種類および大きさにより、外部ビーム放射線治療法および化学療法の単独または組み合わせのいずれかの使用を含む。多数の抗癌剤を入手することができるが、通常それらは全て、正常な組織に対する腫瘍特異性が欠如しており、その結果考慮すべき副作用を生じる。これらの処置様式の有効性はまた限られており、このことは多数の癌の種類、特により蔓延している固形腫瘍疾患についての高い死亡率によって証明される。より有効で特異的な処置方法が必要とされ続けている。
【0004】
様々な画像診断法を癌の診断にために入手することができるにも関わらず、改善された方法についての要求が存在する。特に、癌と他の病理学的な疾患または良性の生理学的な異常症とをよく区別することができる方法が必要とされている。この所望の改善を得るための1つの方法は、腫瘍においてだけ発現するかまたは他の組織中よりも腫瘍中でより有意な大きさにまで発現する受容体と結合させることによって、該腫瘍中で特異的に局在化する金属医薬品を患者に投与することであろう。次いで、該金属医薬品の位置を、ある放射性医薬品の場合には画像診断可能な放射線によるか、または核磁気共鳴画像診断造影剤の場合には直ぐ近傍の水の緩和速度に及ぼすその影響によるかいずれかによって、外部から検出することができる。
【0005】
この腫瘍特異的な金属医薬品の方法はまた、該金属医薬品が粒子を放射する放射性同位元素を含む場合には、癌の処置に使用することもできる。腫瘍部位での該同位元素の放射能の減衰は、腫瘍細胞にとって毒性となるのに十分な電離放射線を与える。腫瘍に対するこの方法の特異性は、細胞毒性剤に曝露されている正常な組織の量を最小とし、従って副作用がより少ないより有効な処置を与え得る。
【0006】
癌の画像診断および処置におけるこれらの所望する改善を得るための従来の努力は、腫瘍細胞の表面受容体と結合する放射線核種で標識化したモノクローナル抗体、抗体フラグメントおよび他のタンパク質またはポリペプチド(すなわち、分子量は10,000D以上である)の使用に集中していた。これらの放射性医薬品の特異性は非常に高いが、それらはいくつかの欠点を有することが多い。第1に、それらの高い分子量のために、それらは通常血流からゆっくりと取り除かれ、その結果該画像において長期間の血液バックグラウンドを生じる。また、それらの分子量のために、それらは腫瘍部位で容易に血管外遊出せず、次いで血管外腔から腫瘍細胞表面へほんのわずかに拡散される。このために、非常に限られた量の放射性医薬品が該受容体に達し、その結果画像診断において非常に低い信号の強度および処置のための不十分な細胞毒性効果を生じる。
【0007】
癌の画像診断および処置ヘの別の方法は、小分子(例えば、腫瘍細胞の表面の受容体と結合するペプチド)を含む。111Inで標識化したソマトスタチン受容体と結合するペプチドである、lllIn−DTPA−D−Phe1−オクテオチド(octeotide)は、ソマトスタチン受容体を発現する腫瘍を画像診断するのに、多数の国において臨床的に使用されている (BakerらによるLife Sci., 1991, 49,1583-91;およびKrenningらによるEur. J. Nucl. Med., 1993,20,716-31)。この放射性医薬品のより高い用量は、これらの種類の癌の潜在的な処置について調べられている(KrenningらによるDigestion, 1996,57,57-61)。いくつかのグループが、画像診断のためにTc−99mで標識化されたlllIn−DTPA−D−Phe1−オクテオチドのアナログ、および療法のためのRe−186で標識化されたアナログの使用について調べられている(Flanaganらによる米国特許第5,556,939号;Lyleらによる米国特許第5,382,654号;およびAlbertらによる米国特許第5,650,134号)。
【0008】
血管新生は、新しい血管が予め存在する毛細血管または毛細血管細動脈から形成することによるプロセスである。そのものは、様々な生理学的なプロセス(これは、排卵、胚発生、創傷修復および心筋での側枝血管の生成を含む)の重要な構成要素である。そのものはまた、多数の病理学的な症状(例えば、腫瘍の増殖および転移、糖尿病網膜症、並びに黄斑変性症)に集中している。該プロセスは、様々なサイトカインおよび成長因子に応答する存在する血管内皮細胞の活性化で開始する。腫瘍遊離性のサイトカインまたは血管新生因子は、該因子についての特定の細胞表面受容体と相互作用することによって血管内皮細胞を刺激する。該活性化された内皮細胞は血管の基底膜を分解する酵素を分泌する。次いで、該内皮細胞は増殖し、そして腫瘍組織に浸潤する。該内皮細胞は分化して管腔を生成し、予め存在する血管についての新しい血管の支脈を生成する。次いで、該新しい血管は腫瘍に栄養素を与え、更なる増殖および転移経路を与える。
【0009】
正常な条件下では、内皮細胞の増殖は非常に遅い反応であるが、そのものは胚形成、排卵および創傷治癒の間の短期間で増加する。細胞代謝回転におけるこの一時的な増加は、多数の増殖刺激因子および増殖抑制因子との組み合わせによって支配される。病理学的な血管新生の場合には、この正常なバランスは破壊され、その結果、続けて内皮細胞の増殖が生じる。同定されているいくつかの前血管新生因子(例えば、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、アンジオゲニン、TGF−α、TGF−βおよび血管内皮増殖因子(VEGF)を含み、一方でインターフェロン−α、インターフェロン−βおよびトロンボスポンジンは血管新生抑制剤の例である。
【0010】
細胞外マトリックスにおける内皮細胞の増殖および転移(migration)は、様々な細胞接着性分子との相互作用によって媒介される(Folkman, J.によるNature Medicine, 1995, 1, 27-31)。インテグリンは、ヘテロ二量体細胞表面受容体の多様なファミリーであって、このものによって内皮細胞は細胞外マトリックスと互いに結合したり、および他の細胞と結合する。インテグリンαvβ3とは、曝露されたトリペプチドであるArg-Gly-Asp分子を有する広範囲にわたる細胞外マトリックスタンパク質に対する受容体であって、このものはそのリガンドであるビトロネクチン、フィブロネクチンおよびフィブリノーゲン等との細胞性接着を媒介する。インテグリンαvβ3は正常な血管で最小限に発現するが、このものは様々なヒトの腫瘍中の血管細胞を有意に上方制御される。αvβ3受容体の機能は、内皮細胞と細胞外マトリックスとの相互作用を媒介し、血管新生シグナル、腫瘍細胞個体群の方向ヘの該細胞の転移を促進することである。bFGFまたはTNF−αによって誘発される血管新生は、インテグリンαvβ3の媒体(agency)に依存し、その一方でVEGFによって誘発される血管新生はインテグリンαvβ5による(ChereshらによるScience, 1995, 270, 1500-2)。内皮細胞の表面におけるインテグリンα1β1およびα2β1の発現の誘発は、VEGFが血管新生を促進することによる別の重要な機構である(SengerらによるProc. Natl. Acad, Sci USA, 1997, 94, 13612-7)。
【0011】
血管新生因子は、内皮細胞表面受容体(例えば、受容体チロシンキナーゼのEGFR、FGFR、PDGFR、Flk−1/KDR、Flt−1、Tek、Tie、ニューロピリン(neuropilin)−1、エンドグリン(endoglin)、エンドシアリン(endosialin)およびAx1)と相互作用する。該受容体Flk−1/KDR、ニューロピリン−1およびFlt−1はVEGFを認識し、これらの相互作用はVEGF誘発性の血管新生において重要な役割を果たしている。受容体チロシンキナーゼのTieサブファミリーもまた血管新生の間に顕著に発現する。
【0012】
腫瘍の増殖および転移反応にとって血管新生は重要であるために、多数の抗癌性の方法がこのプロセスを妨害したりまたは防止するために開発されている。これらの方法の1つは、抗血管新生タンパク質(例えば、アンジオスタチンおよびエンドスタチン)の使用を含む。アンジオスタチンとはプラスミノーゲンの38kDaのフラグメントであって、このものは動物モデルにおいて内皮細胞増殖の強いインヒビターであると示されている。(O'ReillyらによるCell, 1994, 79, 315-328)。エンドスタチンとはコラーゲンXVIIIの20kDaのC−末端フラグメントであって、このものはまた強いインビイターであると示されている(O'ReillyらによるCell, 1997, 88,277-285)。
【0013】
エンドスタチンを用いる全身療法は、動物モデルにおいて強い抗腫瘍活性を生じることが示されている。しかしながら、生物学的な起源のこれら2つの抗癌剤のヒト臨床トライアルは利用能の欠如によって阻害されてきた。
【0014】
抗血管新生療法についての別法は、抗癌剤と結合する血管新生脈管構造において発現する内皮細胞表面受容体と相互作用する標的分子を使用することである。BurrowsおよびThorpe(Proc. Nat. Acad. Sci, USA, 1993, 90, 8996-9000)は、抗体−免疫毒素の接合体を用いて、腫瘍の脈管構造を破壊することによってマウスモデルにおける腫瘍を根絶することを記載している。主な組織適合性複合体の内皮細胞のクラスII抗原に対する抗体を産生して、次いでこのものを細胞毒性剤である脱グリコシル化リシンA鎖と接合させた。同じグループ(Clin. Can. Res., 1995, 1, 1623-1634)は、脱グリコシル化リシンA鎖と接合させた、内皮細胞表面受容体、エンドグリンに対して産生させた抗体の使用について調べている。これらの接合体の両方は、マウスモデルにおいて強い抗腫瘍活性を示した。しかしながら、これらは共に通常のヒトの使用に対してはなお欠点を有する。ほとんどの抗体、または他の大きな外来性のタンパク質と同様に、ヒトへの投与を制限したりまたは排除することができる免疫学的な毒性についての考慮すべき危険が存在する。また、標的とする脈管構造は結合した抗癌剤の局所的な濃度を改善し得るが、該薬物は更に該抗体担体から除かれ、そして該細胞にまで運搬されたりまたは該細胞中に拡散されて細胞毒性となるに違いない。
【0015】
従って、腫瘍の新血管新生の管腔部位を標的とする、血管新生を標的とする治療学的な放射性医薬品と抗癌剤もしくは光増感剤またはそれらの医薬的に許容し得る塩との組み合わせを提供して、各々の処置様式の単独と比較して驚くべき且つ増大した程度の腫瘍の抑制を示し、有意な副次的な毒性を有しないことが望ましい。
【0016】
光力学的療法もまた、癌の処置において使用される。光力学的療法は、光増感剤の投与および続いて光を照射して該光増感剤を励起して、その結果、細胞毒性効果を与えることを含む。Spearsによる米国特許第4,512,762号;米国特許第4,566,636号;Kellyらによる米国特許第6,235,767号を参照のこと。
【0017】
光力学的療法において、使用する光増感剤は、自然の傾向によるかもしくはそれらが具体的な種類の組織を意図的に標的とする理由によるか、またはその両方によって、悪性細胞中に局在化することができる。放射する場合には、それらは蛍光することができ、従って標的組織を検出するのに関連する診断方法において有用ともなり得る。しかしながら、より重要なことには、該光増感剤は、該化合物が吸収する波長での光を放射した場合には、光増感剤が局在化する細胞または他の組織のいずれについても細胞毒性効果を引き起こす能力を有する。
【0018】
この療法の1つの形態において、特異的な光吸収波帯を有する光増感剤をまず患者に典型的に経口または注射のいずれかによって投与する。体内における異常組織は、正常な組織よりもずっと大きな程度で光増感剤を選択的に吸収することが知られる。より効果的な選択性は、標的とされた細胞における抗原と結合する抗体と結合する光増感剤を用いて達成することができる。次いで、該光増感剤色素を吸収したりまたはそのものと結合する癌腫組織または異常組織は、該光増感剤の吸収波長または波帯に相当する適当な波長または波帯の光を投与することによって破壊される。
【0019】
フォトフリン、ヘマトポルフィリン誘導体などの光増感剤が、知られる(Dougherty, T. J.による(1987) Photosensitizers: therapy and detection of malignant tumours. Photochem. Photobiol., 45, 879-889;並びに、Boyle R. W.およびD. Davidによる(1996) Structure and biodistribution relationships of photodynamic sensitizers. Photochem. Photobiol. 64, 469-485)。また、Rodgersら(米国特許第6,225,333号)は、様々な光増感剤を用いた癌の処置を開示している。該光増感剤は例えば、ナフタロシアニン光増感剤およびテトラピロールベースの光増感剤(このものは、例えばポルフィリン、クロリン(chlorins)、フタロシアニン、ナフタロシアニン、クマリン(coumarins)およびプソラレン(psoralens)を含む)を含む。その上、Mazurら(米国特許第6,229,048号)は、光力学的療法による固体腫瘍の処置法を開示しており、該方法は、以下の群から選ばれる光増感剤を投与することを含む:1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;および2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン。
【0020】
別の方法において、「緑色ポルフィリン」は波長が670〜780nmの範囲にわたる光を用いる光力学的療法において使用される。例えば、Levyらによる米国特許第5,399,583号;Levyらによる米国特許第4,920,143号;Levyらによる米国特許第5,095,030号;およびLevyらによる米国特許5,171,749号を参照。
【0021】
ほとんどの光力学的療法プロトコールにおいて、該光増感剤が局在化されている標的組織にまで放射光が達する方法が見出されなければいけない。例えば、光放射性バルーンカテーテルを使用するか、または「液体光(liquid light)」形態を脈管樹に注射して、該「液体光」が該標的部位での脈管構造を灌流させることができる。Spearsらによる米国特許第4,512,762号。
【0022】
別法
該標的組織は、ファイバー視覚性システムを用いて該処置部位を画像診断することによって視覚的に局在化され、その結果レーザー供給源からの光が該視覚性ファイバーによって正確に方向づけられて、該異常な組織を破壊することができる。内部処置部位が自然の体内オリフィスから接近することができる場合でさえも、標的組織を視覚化するのに、および該処置部位に投与する光療法を正確に方向付けるために、内視鏡が通常必要である。Chenら(米国特許第6,210,425号)は、光療法の投与および該部位の処置のための患者の体内の内部処置部位を同定するための装置および方法を開示している。
【0023】
従って、光増感剤(光力学的療法の一部)、血管新生を標的とする治療学的な放射性医薬品、並びに抗癌剤もしくは放射性増感剤またはそれらの医薬的に許容し得る塩の組み合わせを提供し、該組み合わせは腫瘍の新血管新生の管腔部位を標的として、各々の処置様式の単独と比較して驚くべき且つ増大した程度の腫瘍の抑制を示し、有意な副次的な毒性を有しない。
【0024】
虚血または乏しい灌流となる体内の領域での血流を改善するために、治療学的な血管新生における関心が増大している。数人の研究者は、局在的に投与した成長因子を用いて、肢または心臓のいずれかにおいて新しい脈管構造を形成させている。該成長因子VEGFおよびbFGFはこの使用のための最も一般的なものである。最近の刊行物としては、例えばTakeshita, S.,らによるJ. Clin. Invest., 1994, 93, 662-670;並びに、Schaper, W.およびSchaper, J.によるCollateral Circulation: Heart, Brain, Kidney, Limbs, Kluwer Academic Publishers, Boston, 1993を含む。多数の実験室において調べられている主な利用は、心臓の血流の改善および肢における末梢性血管血流の改善に関するものである。例えば、Henry, T.ら(J. Amer. College Cardiology, 1998, 31, 65A) は、治療学的な血管新生によって心筋の灌流を改善するための患者における組換えヒトVEGFの使用について記載している。患者にrhVEGFの注入を与え、そして処置の30および60日後に核灌流画像診断法によって追跡して、心筋の灌流の改善を測定した。約50%の患者が核灌流画像診断法による改善を示し、一方で5/7が血管造影法によって新しい側枝化(collatoralization)を示した。
【0025】
従って、核灌流画像診断法、新しい側枝(collatoral)血管の局所結果と同様ではない、新しい側枝血管自身を標的とする心筋血流の改善の追跡法を発見することが望まれる。
【0026】
(発明の概要)
本発明の1つの目的は、抗血管新生医薬品を提供することであって、該医薬品は腫瘍新血管新生において発現する受容体と結合する標的分子、任意の連結基および電離放射線を放射する放射性金属イオン(例えば、ベータ粒子、アルファ粒子およびオージェ電子またはコスタークローニッヒ電子)を含む。該受容体と結合する化合物は、腫瘍新血管新生に対する放射性同位元素を標的とする。ベータ粒子またはアルファ粒子を放射する放射性同位元素は、細胞毒性量の電離放射線を放射し、そのことにより細胞死を生じる。放射線の透過能力は、該細胞毒性薬が分散したり、または細胞ヘ運搬されて細胞毒性となる必要条件を回避する。
【0027】
本発明の別の目的は、関節リウマチを処置するための医薬品を提供することである。これらの医薬品は、血管新生の間に上方制御された受容体と結合する標的分子、任意の連結基、および細胞毒性放射線(すなわち、ベータ粒子、アルファ粒子およびオージェ電子またはコスタークローニッヒ電子)を放射する放射性同位元素を含む。関節リウマチの場合に、非常に高い血管を分布したパンヌスの内方成長は、マクロファージ、免疫細胞または炎症性細胞に浸潤することによって血管新生因子の過剰な産生によって生じる。従って、細胞毒性放射線を放射する本発明の放射性医薬品を用いて新しい血管新生脈管構造を破壊し、その結果該疾患を処置することができる。
【0028】
本発明の別の目的は、組み合わせ療法に使用するためのキットおよび治療学的な放射性医薬品を提供することであって、該医薬品は本発明の放射性医薬品、並びに抗癌剤および放射性増感剤からなる群から選ばれる薬物の少なくとも1つを含む。
【0029】
本発明の別の目的は、組み合わせ療法に使用するためのキットおよび治療学的な放射性医薬組成物を提供することであって、該組成物は本発明の放射性医薬品および光増感剤を含む。
【0030】
本発明の別の目的は、癌の処置法を提供することであって、該方法は癌の処置が必要な患者に本発明の治療学的な放射性医薬組成物を光力学的療法と組み合わせて投与することを含む。
【0031】
本発明の別の目的は、腫瘍画像診断薬を提供することであって、該診断薬は血管新生の間に上方制御された受容体と結合する標的分子、任意の連結基および画像診断可能な分子(例えば、γ線もしくは陽電子を放射する放射性同位元素)、核磁気共鳴画像診断造影剤、X−線造影剤または超音波造影剤を含む。
【0032】
本発明の別の目的は、治療学的な血管新生処置の進行および結果を追跡するための画像診断薬を提供することである。これらの薬物は血管新生の間に上方制御された受容体と結合する標的分子、任意の連結基および画像診断可能な分子を含む。増殖因子の投与後に、本発明の画像診断薬を定期的に静脈内投与し、画像診断を患部、心臓または肢について標準的な方法を用いて行なって、治療学的な血管新生処置の進行および結果を追跡する(すなわち、新血管の形成を画像診断する)ことができる。
【0033】
本発明の別の目的は、本発明の医薬品を製造するのに有用な化合物を提供することである。これらの化合物は、血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態の標的分子であるQ、任意の連結基であるLnおよび金属キレート因子または結合分子であるChを含む。該化合物は金属キレート因子または結合分子と結合する保護基を1つ以上有し得る。該保護基は、長期の保存のために該試薬の安定性を改善し、そして放射性医薬品の製造の直前または同時のいずれかで除く。別法として、本発明の化合物は血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態の標的分子であるQ、任意の連結基であるLnおよび界面活性剤であるSfを含む。
【0034】
本発明の医薬品は、診断用および/または治療学的な目的に使用することができる。本発明の診断用放射性医薬品は、診断学的に有用な放射性核種(すなわち、画像診断可能なγ線または陽電子の放射を有する放射性金属イオン)を含む。本発明の治療学的な放射性医薬品は、治療学的に有用な放射性核種、放射性金属イオン(このものは、例えばベータ粒子、アルファ粒子およびオージェ電子またはコスタークローニッヒ電子などの電離放射線を放射する)を含む。
【0035】
γ線およびまたは陽電子を放射する放射性金属イオンを含む医薬品は、γ線シンチグラフィーまたは陽電子放射性断層撮影法によって腫瘍を画像診断するのに有用である。γ線または陽電子を放射する放射性金属イオンを含む医薬品はまた、γ線シンチグラフィーまたは陽電子放射性断層撮影法によって治療学的な血管新生を画像診断するのに有用でもある。粒子を放射する放射性金属イオンを含む医薬品は、細胞毒性量の放射線を腫瘍に運搬することによって癌を処置するのに有用である。粒子を放射する放射性金属イオンを含む医薬品は、血管新生脈管構造の形成を破壊することによって、関節リウマチを処置するのに有用でもある。常磁性金属イオンを含む医薬品は、核磁気共鳴画像診断造影剤として有用である。X−線吸収剤または原子番号が20以上の「重原子」を含む医薬品は、X−線造影剤として有用である。生体適合性のガスの小泡、液体キャリアーおよび界面活性なミクロフェアを含む医薬品は、超音波造影剤として有用である。
【0036】
(詳細な記載)
[1]従って、第1の態様において、本発明は癌を処置するためのキットであって、このものは式(I)の化合物、抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの薬物またはその医薬的に許容し得る塩、並びに医薬的に許容し得る担体を含む。該式(I)の化合物は、
(Q)d−Ln−Chまたは(Q)d−Ln−(Ch)d'
(I)
の化合物およびおよびその医薬的に許容し得る塩である。
[上記式中、
Qは、独立して式:
【化21】
の群から選ばれるペプチドである。ここで、
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
【化22】
の群から選ばれる式を有する金属との結合単位である。ここで、
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化23】
を形成する。
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意の二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる]。
【0037】
[2]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供する:
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2 〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化24】
を形成する。ここで、
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる]。
【0038】
[3] 別の実施態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供する:
[式中、
Qは、式:
【化25】
の群から選ばれるペプチドである。
R1は、L−バリン、D−バリン、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたD−リシン、またはεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R2は、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、2−アミノチアゾール−4−酢酸、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシン、チロシン、または場合によりヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたチロシンである。
R3は、D−バリン、D−フェニルアラニンまたは場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R4は、D−フェニルアラニン、ヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたD−チロシン、または場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
但し、各QにおけるR1およびR2の一方がLnとの結合によって置換されており、且つR2が2−アミノチアゾール−4−酢酸であるという条件で、KはN−メチルアルギニンである。
dは、1または2である。
各Wは独立して、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、(CH2CH2O)s ’および (CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、NHC(=O)R11およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0である。
h’’は、0、1、2および3から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
s’は、1または2である。
tは、1または2である。
Chは、
【化26】
(式中、
A1は、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
A2、A4およびA6は各々、Nである。
A3、A5およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合またはLnとのNH−結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。
R17は、=Oである)
であるか;
Chは、
【化27】
(式中、
A1は、NH2またはN=C(R20) (R21)である。
Eは、結合である。
A2は、NHR13である。
R13は、R17で置換されたヘテロ環であって、該ヘテロ環はピリジンおよびピリミジンから選ばれる。
R17は、Lnとの結合、C(=O)NHR18およびC(=O)R18から選ばれる。
R18は、Lnとの結合である。
R24は、−CO2R25、−OR25、−SO3Hおよび−N(R25)2の群から選ばれる。
各R25は独立して、水素およびメチルの群から選ばれる)
であるか;あるいは、
Chは、
【化28】
(式中、
A1、A2、A3およびA4は各々、Nである。
A5、A6およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。そして、
R17は、=0である)
である]。
【0039】
[4] 別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供する。ここで、式Iの化合物は以下の群の化合物、またはそれらの医薬的に許容し得る塩から選ばれる:
(a) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(b) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソ−オクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val};
(c) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp};
(d) シクロ(Arg−Gly−Asp−d−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(e) シクロ{Arg−Gly−Asp−d−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(f) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(g) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(h) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(i) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal};
(j) シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val};
(k) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp};
(l) {シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(m) シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(n) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(o) シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg};
(p) シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(q) シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(r) 2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(s) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA)};
(t) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}2(DTPA);
(u) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA−3−アミノプロピル)−Val};
(v) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(w) シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(x) シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(y) シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(z) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(aa) シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(bb) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ] メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(cc) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(dd) シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(ee) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};および
(ff) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}。
【0040】
[5]別の態様において、本発明はキットが更に1つ以上の付属リガンドおよび還元剤を含む態様1に記載のキットを提供する。
【0041】
[6]別の態様において、本発明は付属リガンドがトリシンおよびTPPTSである態様5に記載のキットを提供する。
【0042】
[7]別の態様において、本発明は還元剤がスズ(II)である態様5に記載のキットを提供する。
【0043】
[8]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、該抗癌剤は、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0044】
[9]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、該抗癌剤はマイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビンおよびリスリドの群から選ばれる。
【0045】
[10]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、該抗癌剤はオキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノールおよびホルメスタンからなる群から選ばれる。
【0046】
[11]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、抗癌剤は、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0047】
[12]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、放射線増感剤は2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノールからなる群から選ばれる。
【0048】
[13]別の態様において、本発明は抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる薬物またはそれらの医薬的に許容し得る塩の少なくとも1つ、並びに放射性医薬品を含む、治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
a)放射性同位元素;
b)該放射性同位元素とキレート化することができるキレート因子;および
c)標的分子
を含み、
該標的分子は0〜1個の連結基によって該キレート因子と結合し、
該標的分子は血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態である。
【0049】
[14]別の態様において、本発明は態様13に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該標的分子は環状ペンタペプチドであって、該受容体はαvβ3である。
【0050】
[15]別の態様において、本発明は態様14に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
a)33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198AU、199AU、1 69Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素;並びに、
b)式(I):(Q)d−Ln−Chもしくは(Q)d−Ln−(Ch)d'の化合物、
(I)
およびそれらの医薬的に許容し得る塩を含む:
[上記式中、
Qは独立して群:
【化29】
から選ばれるペプチドである。ここで、
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
【化30】
の群から選ばれる式を有する金属との結合単位である。ここで、
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化31】
を形成する。
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意の二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる]。
【0051】
[16] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供する:
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2 〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化32】
を形成する。ここで、
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる]。
【0052】
[17] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性同位元素は153Smである。
【0053】
[18] 別の態様において、本発明は態様17に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−153Sm));
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−153Sm);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(153Sm)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる。
【0054】
[19] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性同位元素は177Luである。
【0055】
[20] 別の態様において、本発明は態様19に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−177Lu));
(DOTA−177Lu)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−177Lu);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(177Lu)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる。
【0056】
[21] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性同位元素は90Yである。
【0057】
[22] 別の態様において、本発明は態様21に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
(DOTA−90Y)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys− Arg−Gly−Asp−D−Phe}
である。
【0058】
[23] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、抗癌剤はマイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0059】
[24] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射線増感剤は2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノールからなる群から選ばれる。
【0060】
[25] 別の態様において、本発明は癌の処置が必要な患者に治療学的な放射性医薬品を投与することを含む患者の癌の処置法を提供するものであって、該治療学的な放射性医薬品は、
a)放射性同位元素;
d)該放射性同位元素1とキレート化することができるキレート因子;および e)標的分子
(ここで、
該標的分子は0〜1個の連結基によって該キレート因子と結合し、
該標的分子は血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態であり、
該放射性同位元素は、33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198Au、199Au、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素である);並びに
抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる薬物、またはそれらの医薬的に許容し得る塩の少なくとも1つ
を含む。
【0061】
[26] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該標的分子はペンタペプチドであって、該受容体はαvβ3またはαvβ5である。
【0062】
[27] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該治療学的な放射性医薬品は、
a)33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198AU、199AU、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素;並びに、
b)式(I):(Q)d−Ln−Chもしくは(Q)d−Ln−(Ch)d'の化合物、
(I)
およびそれらの医薬的に許容し得る塩を含む:
[上記式中、
Qは独立して群:
【化33】
から選ばれるペプチドである。ここで、
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
【化34】
の群から選ばれる式を有する金属との結合単位である。ここで、
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化35】
を形成する。
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意の二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる]。
【0063】
[28] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものである:
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化36】
を形成する。ここで、
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる]。
【0064】
[29] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものである:
[式中、
Qは、式:
【化37】
の群から選ばれるペプチドである。
R1は、L−バリン、D−バリン、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたD−リシン、またはεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R2は、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、2−アミノチアゾール−4−酢酸、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシン、チロシン、または場合によりヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたチロシンである。
R3は、D−バリン、D−フェニルアラニンまたは場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R4は、D−フェニルアラニン、ヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたD−チロシン、または場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
但し、各QにおけるR1およびR2の一方がLnとの結合によって置換されており、且つR2が2−アミノチアゾール−4−酢酸であるという条件で、KはN−メチルアルギニンである。
dは、1または2である。
各Wは独立して、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、(CH2CH2O)s ’および (CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、NHC(=O)R11およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0である。
h’’は、0、1、2および3から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
s’は、1または2である。
tは、1または2である。
Chは、
【化38】
(式中、
A1は、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
A2、A4およびA6は各々、Nである。
A3、A5およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合またはLnとのNH−結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。
R17は、=Oである)
であるか;
Chは、
【化39】
(式中、
A1は、NH2またはN=C(R20) (R21)である。
Eは、結合である。
A2は、NHR13である。
R13は、R17で置換されたヘテロ環であって、該ヘテロ環はピリジンおよびピリミジンから選ばれる。
R17は、Lnとの結合、C(=O)NHR18およびC(=O)R18から選ばれる。
R18は、Lnとの結合である。
R24は、−CO2R25、−OR25、−SO3Hおよび−N(R25)2の群から選ばれる。
各R25は独立して、水素およびメチルの群から選ばれる)
であるか;あるいは、
Chは、
【化40】
(式中、
A1、A2、A3およびA4は各々、Nである。
A5、A6およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。そして、
R17は、=0である)
である]。
【0065】
[30] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該式(I)の化合物は以下の化合物またはその医薬的に許容し得る塩形態からなる群から選ばれる:
(a) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(b) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソ−オクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val};
(c) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp};
(d) シクロ(Arg−Gly−Asp−d−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(e) シクロ{Arg−Gly−Asp−d−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(f) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(g) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(h) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(i) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal};
(j) シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val};
(k) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp};
(l) {シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(m) シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(n) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(o) シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg};
(p) シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(q) シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(r) 2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(s) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA)};
(t) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}2(DTPA);
(u) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA−3−アミノプロピル)−Val};
(v) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(w) シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(x) シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(y) シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(z) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(aa) シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(bb) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ] メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(cc) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(dd) シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(ee) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};および
(ff) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}。
【0066】
[31] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該放射性同位元素は153Smである。
【0067】
[32] 別の態様において、本発明は態様31に記載の方法を提供するものであって、放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−153Sm));
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−153Sm);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(153Sm)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる。
【0068】
[33] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該放射性同位元素は177Luである。
【0069】
[34] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該放射性医薬品は
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−177Lu));
(DOTA−177Lu)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−177Lu);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(177Lu)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる。
【0070】
[35] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該放射性同位元素は90Yである。
【0071】
[36] 別の態様において、本発明は態様35に記載の方法を提供するものであって、該放射性医薬品は、
(DOTA−90Y)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys− Arg−Gly−Asp−D−Phe}
である。
【0072】
[37] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該放射性医薬品および薬物の投与は同時である。
【0073】
[38] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該治療学的な放射性医薬品および薬物の投与は連続的である。
【0074】
[39] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該癌は、肺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、精巣癌、肝臓癌、耳下腺癌、胆管癌、結腸癌、直腸癌、頚部癌、子宮癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、甲状腺癌、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、黒色腫、神経こう腫および神経芽細胞腫の癌腫からなる群から選ばれる。
【0075】
[40] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、抗癌剤はマイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0076】
[41] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該放射線増感剤は、
2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、
N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、
3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、
1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび
1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノール
からなる群から選ばれる。
【0077】
[42] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該抗癌剤は抗癌薬物の剤である。
【0078】
[43] 別の態様において、本発明は態様25に記載の癌の処置法を提供するものであって、投与は注射または注入による。
【0079】
[44] 別の態様において、本発明は態様25に記載の癌の処置法を提供するものであって、該方法は更に近接照射療法、外部ビーム放射線療法、レーザー療法または外科的な除去法によって癌を処置することを含む。
【0080】
[45] 別の態様において、本発明は包装材料および該包装材料内に含まれる態様13に記載の治療学的な放射性医薬組成物を含むキットであって、該包装材料は該治療学的な放射性医薬組成物が癌を処置するのに使用することができることを示すラベルまたは添付書類を含む。
【0081】
[46] 別の態様において、本発明は態様13の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該組成物は更に光増感剤を含む。
【0082】
[47] 別の態様において、本発明は態様46に記載の治療学的な放射線医薬組成物を提供するものであって、該光増感剤は、フォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる。
【0083】
[48] 別の態様において、本発明は態様45に記載のキットを提供するものであって、該キットは更に光増感剤を含む。
【0084】
[49] 別の態様において、本発明は態様48に記載のキットを提供するものであって、該光増感剤はフォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる。
【0085】
[50] 別の態様において、本発明は態様25に記載の癌の処置法を提供するものであって、該方法は更に光力学的治療法を用いて患者を処置することを含む。
【0086】
[51] 別の態様において、本発明は態様50に記載の癌の処置法であって、該光力学的治療法は、
a)本発明の治療学的な放射性医薬組成物および光増感剤を患者に投与すること(ここで、該光増感剤は特徴的な光吸収波帯を有し、且つ異常組織によって優先的に吸収される);
b)複数の光供給源にとって必要であり、且つ内部の処置部位での異常組織を画像診断するのに使用する信号を得る画像診断装置を与えること(ここで、該光供給源は光増感剤に特徴的な光吸収波帯に相当する波帯で光を放射し、そして該波帯は患者の真皮層から内部の処置部位へ浸透するのに十分に長い波長を含む)
c)画像診断装置によって得られる信号に対する応答の際に発生した標的部位での異常組織のイメージを観察することによって、画像診断装置を用いて患者の体内の内部の標的部位での異常組織の位置を決定すること;
d)光供給源にエネルギーを与えて、画像診断装置を用いて決定した位置での内部の標的部位に光療法を投与すること
を含む。
【0087】
[52] 別の態様において、本発明は態様47に記載の癌の処置法を提供するものであって、該光増感剤(光反応性剤)と標的組織とを選択的に結合させる結合剤を含有することによって、該光増感剤は標的組織で特異的に標的化する。
【0088】
[53] 別の態様において、本発明は態様51に記載の癌の処置法を提供するものであって、光増感剤はフォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる。
【0089】
本発明の別の態様は、癌の画像診断薬としてまたは新しい血管の形成を画像診断するための画像診断薬として有用な放射性医薬品の製造のための診断用キットである。本発明の診断用キットは、減菌で非発熱性の製剤を含有するバイアルを1つ以上含み、該製剤は予め決めた量の本発明の試薬、並びに場合により他の成分(例えば、1個または2個の付属リガンド、還元剤、運搬リガンド、緩衝剤、凍結乾燥剤、安定化剤、可溶化剤および静菌剤)を含む。該製剤における1個以上の任意成分を含有することにより、当該分野の当業者による放射性医薬品の製造の容易さ、キットの製造の容易さ、キットの寿命または該放射性医薬品の安定性および寿命を改善されることが多い。1個または2個の付属リガンドの含有は、ヒドラジンまたはヒドラゾン結合分子を含有する試薬を含む診断用キットにとって必要である。該製剤の全てまたは一部を含む1個以上のバイアルが独立して、減菌な液体または凍結乾燥した固体の形態をとることができる。
【0090】
本発明の別の態様は、本発明の抗癌剤および血管新生を標的とする治療学的な放射性医薬品の組み合わせを企図し、これは腫瘍の新血管新生の管腔部位を標的として、各々の処置様式の単独と比較して驚くべき且つ増大した程度の腫瘍の抑制を示し、有意な副次的な毒性を有しない。
【0091】
本発明の別の態様は、本発明の化合物(すなわち、該化合物はキレート因子と結合する標的分子はペプチドまたはペプチド擬態であって、このものは血管新生の間に上方制御された受容体と結合し、該化合物は該標的分子およびキレート因子の間に0〜1つの連結基を有する)を企図する。該化合物は、1つ以上の以下の化合物からなる群から選ばれる抗癌剤の1つ以上の組み合わせ療法で投与する。ここで、抗癌剤はマイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0092】
該組み合わせ療法は更に場合により、放射線増感剤またはその医薬的に許容し得る塩を含んで、抗癌剤と一緒になって放射性治療学的な効果を増大する。該放射線増感剤は2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド、N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モリホリンカルボキサミジン、3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノールからなる群から選ばれる。放射線増感剤についての十分な詳細は、Rowinsky-EKによるOncology-Huntingt., 1999年10月13日 (10 Suppl 5): 61-70; CheN−AYらによるOncology-Huntingt. 1999年10月13日(10 Suppl 5): 39-46; Choy-HによるOncology-Huntingt. 1999年10月13日 (10 Suppl 5): 23-38;およびHerscher-LLらによるOncology-Huntingt. 1999年10月13日(10 Suppl 5): 11-22(これらは本明細書の一部を構成する)において提示されている。
【0093】
本発明の更なる態様は、複数の活性成分を有するキット(これは、担体を有したり、有しなかったりする)を提供するものであって、このものは一緒になって本発明の新規な組み合わせ療法を行なうのに有効に用いることができる。
【0094】
本発明の別の態様は、新規な医薬組成物を提供するものであって、有利な組み合わせ療法において使用する際に単独でおよび自発的に有効である。その理由は、該医薬組成物は本発明の化合物、および抗癌剤または放射線増感剤を含んでおり、そしてこれらは本発明に従って使用することができるからである。
【0095】
別の態様において、本発明は処置が必要な患者における癌の処置法を提供するものであって、該方法は本発明の化合物の治療学的に有効な量、および抗癌剤および放射線増感剤を含む群から選ばれる薬物の少なくとも1つの治療学的に有効な量を投与することを含む。
【0096】
光力学的を行なう方法および使用することができる光増感剤は、当該分野でよく知られる。例えば、それらは、米国特許第6,248,741号、6,248,734、6,248,727、6,248,117、6,245,811、6,238,426、6,238,392、6,233,481、6,229,048、6,232,613、6,225,333、6,223,071、6,219,577、6,219,575、6,217,869、6,217,848、6,216,540、6,212,425、6,211,626、6,208,886、6,207,464、6,207,107、6,198,532、6,194,415および6,186,628(これらは本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0097】
簡潔さのために、別々の態様の内容で記載する本発明のある特徴を、1つの態様において組み合わせとして提供することもできる。逆に言えば、簡潔さのために1つの態様において記載する本発明の様々な特徴を、別々にまたはいずれかの組み合わせで提供することもできる。
【0098】
(定義)
本明細書に記載の化合物は、不斉中心を有し得る。特に断わらなければ、全てのキラル形態、ジアステレオ的な形態およびラセミ形態は本発明に包含する。オレフィン、C=N二重結合等の多数の幾何異性体もまた本明細書に記載の化合物として存在することができ、それらの安定な異性体の全てを本発明に包含する。本発明の化合物は不斉な置換された炭素中心を含んでおり、そして光学的に活性な形態でまたはラセミ形態で単離することができることが認められるであろう。光学活性な形態の製造法(例えば、ラセミ体の分割または光学的に活性な出発物質からの製造)は当該分野で良く知られる。ペプチド結合における2つの別個の異性体(シスおよびトランス)が生じることが知られており、これらは共に本明細書に記載する化合物として存在することもでき、そしてそれらの安定な異性体の全てを本発明に包含する。特定のアミノ酸のD−異性体およびL−異性体は、例えばD−LeuまたはL−Leuによって示す通り、アミノ酸についての一般的な3文字表記を用いて本明細書に示す。
【0099】
いずれかの置換基またはいずれの式において改変部分が1つ以上ある場合には、各々の定義はあらゆる他の改変時でのその定義から独立している。従って、例えば基が0〜2個のR52で置換されている場合には、該基は場合により2個以下のR52で置換されており、各R52は独立して、可能なR52について定義した表から選ばれる。また、例えば基:−N(R53)2基については、N上の2つのR53置換基の各々は独立して、可能なR53について定義した表から選ばれる。組み合わせにより安定な化合物を与える場合においてだけ、置換および/または改変の組み合わせが許容され得る。置換基との結合が環内の2つの原子を連結する結合と交わっていると示す場合には、それらの置換基は該環上のいずれかの原子と結合することができる。
【0100】
「試薬」とは、本発明の金属医薬品に直接に変換することができる本発明の化合物を意味する。試薬は、本発明の金属医薬品の製造に直接に使用することができたり、あるいは本発明のキット中の成分であり得る。
【0101】
用語「結合剤」とは、ビトロネクチン受容体に対するアフィニティーを有したり、および該受容体と結合することができる本発明の金属医薬品を意味する。本発明の結合剤は、Kiが<1000nMを有することが好ましい。
【0102】
本明細書において使用する金属医薬品は、金属を含有する医薬的に許容し得る化合物を意味し、該化合物は画像診断、核磁気共鳴画像診断、造影画像診断またはX−線画像診断に有効である。該金属は診断上の利用において画像診断可能な信号の原因であり、放射性治療学的な利用における細胞毒性放射線の供給源である。放射性医薬品は、金属が放射性同位元素である金属医薬品である。
【0103】
本明細書における「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離および有効な医薬製剤ヘの製剤化に対して耐えるのに十分に強い化合物を意味する。
【0104】
本明細書に使用する用語「置換された」とは、示した原子または基の通常の原子価を越えないという条件で、該示す原子または基上の1つ以上の水素原子が示した基からの選択物で置き換わることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合には、該原子上の2つの水素原子は置き換わっている。
【0105】
本明細書において使用する「結合」とは、単結合または二重結合のいずれかを意味する。
【0106】
本明細書で使用する用語「塩」とは、水素イオンまたはヒドロキシルイオンを除くイオンを与えるいずれの物質と同じように、the CRC Handbook of Chemistry and Physics, 65th Edition, CRC Press, Boca Raton, Fla, 1984において定義されている通りに使用する。本明細書において使用する「医薬的に許容し得る塩」とは、酸または塩基の塩を製造することによって改変される開示した化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容し得る塩としては例えば、塩基性残基(例えば、アミン)の無機酸または有機酸の塩;酸性残基(例えば、カルボン酸)のアルカリ塩または有機塩等を含むが、これらに限定されない。
【0107】
本明細書で使用する用語「医薬的に許容し得る」とは、健全であるという医学的な判断の範囲内にあり、ヒトおよび動物の組織との接触の際に過剰な毒性、刺激作用、アレルギー応答または他の問題もしくは合併症を伴わずに使用するのに適当であり、合理的な利点/危険率が釣り合った化合物、物質、組成物および/または用量形態を意味するのに使用する。
【0108】
本明細書で使用する用語「医薬的に許容し得るプロドラッグ」とは、健全であるという医学的な判断の範囲内にあり、ヒトおよび下等動物の組織との接触の際に過度の毒性、刺激作用、アレルギー応答等を伴って使用するのに適当であり、合理的な利点および/危険率が釣り合っており、そしてそれらの目的の用途に有効である化合物のプロドラッグ、並びに可能ならば本発明の化合物の双性イオンを意味する。用語「プロドラッグ」とは、例えば血液中での加水分解によってインビボで容易に変換されて上記の式の親化合物を与える化合物を意味する。代謝による切断によってインビボで容易に変換することができる官能基は、本発明の化合物のカルボキシル基と反応性である基のクラスである。それらは例えば、アルカノイル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等)、無置換および置換のアロイル(例えば、ベンゾイルおよび置換されたベンゾイル)、アルコキシカルボニル(例えば、エトキシカルボニル)、トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリルおよびトリエチルシリル)、ジカルボン酸と一緒に形成するモノエステル(例えば、スクシニル)等を含むが、これらに限定されない。本発明に従って有用な化合物の代謝的に切断可能な基はインビボで切断することが容易であるために、それらの基を有する化合物はプロドラッグとして作用する。該代謝的に切断可能な基を有する化合物は、代謝的に切断可能な基の存在によって、親化合物に与えられている溶解度および/または吸収速度の増大の結果としてバイオアベイラビリティの改善を示すことができるという利点を有する。プロドラッグについての十分な詳細は以下で提示されている:Design of Prodrugs, H. Bundgaard編, Elsevier, 1985; Methods in Enzymology, K. Widderら編, Academic Press, 42, p. 309-396, 1985 ; A Textbook of Drug Design and Development, Krogsgaard-LarsenおよびH. Bundgaardによる編, 5章;「Design and Applications of Prodrugs」, p. 113-191, 1991; Advanced Drug Delivery Reviews, H. Bundgardによる8, p. 1-38, 1992; Journal of Pharmaceutical Sciences, 77, p. 285, 1988; Chem. Pharm. Bull., N. Nakeyaらによる32, p. 692, 1984; Pro-drugs as Novel Delivery Systems, T. HiguchiおよびV. Stellaによる, Vol. 14 of the A. C. S. Symposium Series;並びに、Bioreversible Carriers in Drug Design, Edward B. Roche編, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(これらは本明細書の一部を構成する)。
【0109】
本明細書で使用する用語「医薬的に許容し得る塩」とは、親化合物が酸また塩基の塩を生成することによって改変される、開示する化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容し得る塩としては、例えば塩基残基(例えば、アミン)の無機酸塩または有機酸塩;酸残基(例えば、カルボン酸)のアルカリ塩または有機塩基塩等を含むが、これらに限定されない。該医薬的に許容し得る塩は、例えば非毒性の無機酸または有機酸から形成される、親化合物の通常の非毒性塩または四級アンモニウム塩を含む。例えば、それら通常の非毒性塩としては無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等)から誘導された塩;および有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジフルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸等)から製造された塩を含む。
【0110】
本発明の医薬的に許容し得る塩は、通常の化学的な方法によって、塩基部分または酸部分を含む親化合物から製造することができる。通常、それらの塩はこれらの化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態を定量の適当な塩基または酸と、水もしくは有機溶媒中、またはそれら2つの混合物中で(通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリル等の非水性媒質が好ましい)反応させることによって製造することができる。適当な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985, p. 1418(これは本明細書の一部を構成する)において知られる。
【0111】
本明細書で使用する「アルキル」とは、特定の数の炭素原子を有する分枝および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する。C1 〜 10アルキルとはC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10アルキル基を含むことを意図する。アルキルとは、例えばメチル、エチル、N−プロピル、i−プロピル、N−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、N−ペンチルおよびs−ペンチルを含むが、これらに限定されない。「ハロアルキル」とは、特定の数の炭素原子を有し、1つ以上のハロゲンで置換された分枝および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する(例えば、−CvFwであって、ここで、vは1〜3であり、wは1〜(2v+1)である)。ハロアルキルとしては、例えばトリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチルおよびペンタクロロエチルを含むが、これらに限定されない。「アルコキシ」とは、示した数の炭素原子を有する、酸素結合(bridge)で連結した上で定義するアルキル基を意味する。C1 〜 10アルコキシとは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10のアルコキシ基を含むことを意図する。アルコキシとは例えば、メトキシ、エトキシ、N−プロポキシ、i−プロポキシ、N−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、N−ペントキシおよびs−ペントキシを含むが、これらに限定されない。「シクロアルキル」とは、飽和環基(例えば、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチル)を含むことを意図する。C3 〜 7シクロアルキルとは、C1、C2、C3、C4、C5、C6およびC7シクロアルキル基を含むことを意図する。「アルケニル」とは、直鎖または分枝のいずれかの配置であって、且つ1つ以上の不飽和炭素−炭素結合(これは、いずれかの安定な位置で該鎖に沿って存在し得る)の炭化水素鎖(例えば、エテニルおよびプロペニル)を含むことを意図する。C2 〜 10アルケニルとは、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10アルケニル基を含むことを意図する。「アルキニル」とは、直鎖または分枝のいずれかの配置であって、1つ以上の三重炭素−炭素結合(これは、いずれかの安定な位置で該鎖に沿って存在し得る)の炭化水素鎖(例えば、エチニルおよびプロピニル)を含むことを意図する。C2 〜 10アルキニルとは、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10アルキニル基を含むことを意図する。
【0112】
本明細書で使用する「炭素環」または「炭素環残基」とは、安定な3、4、5、6もしくは7員の単環もしくは二環、または7、8、9、10、11、12もしくは13員の二環もしくは三環であって、それらのいずれも飽和、一部不飽和、または芳香族であり得ることを意味すると意図する。それらの炭素環としては例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフチルを含むが、これらに限定されない。
【0113】
本明細書で使用する用語「アルカアリール」とは、アルキル基を有する、炭素数が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアリール基を意味する。用語「アルアルキル」とは、アリール基を有する、炭素数が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアルキル基を意味する。用語「アリールアルカアリール」とは、アリール基を有する、炭素数が1〜10個のアルキル基を有するアリール基を意味する。そして、用語「ヘテロシクロアルキル」とは、ヘテロ環を有する、炭素数が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアルキル基を意味する。
【0114】
本明細書で使用する用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」とは、安定な5、6もしくは7員の単環もしくは二環のヘテロ環、または7、8、9もしくは10員の二環のヘテロ環であって、飽和、一部不飽和もしくは不飽和(芳香族)であり、炭素原子および1、2、3もしくは4個のヘテロ原子(これは独立して、N、NH、OおよびSからなる群から選ばれる)からなり、上で定義したヘテロ環のいずれかはベンゼン環と縮合しているいずれかの二環基を含有する環を意味すると意図する。該窒素原子および硫黄ヘテロ原子は場合により、酸化されていてもよい。該ヘテロ環はいずれかのヘテロ原子または炭素原子上でのぶら下がり基と結合して、安定な構造を与えることができる。本明細書に記載するヘテロ環は、得られた化合物が安定である場合には、炭素または窒素原子上で置換され得る。該ヘテロ環中の窒素は場合により四級化され得る。該ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を越えない場合には、これらのヘテロ原子は互いに近接していないことが好ましい。該ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を越えないことが好ましい。本明細書で使用する用語「芳香族性ヘテロ環式」または「ヘテロアリール」とは、安定な5、6もしくは7員の単環もしくは二環のヘテロ環式芳香環、または7、8、9もしくは10員の二環のヘテロ環式芳香環であって、炭原子および1、2、3もしくは4個のヘテロ原子(これは独立して、N、NH、OおよびSからなる群から選ばれる)からなる環を意味すると意図する。該芳香族ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を越えないことに注意すべきである。
【0115】
ヘテロ環とは例えば、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチオアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル(chromenyl)、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノオキサチイニル(phenoxathiinyl)、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、フテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアアントレニル(thianthrenyl)、チアゾリル、チアニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルを含むが、これらに限定されない。好ましいヘテロ環は例えば、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、1H−インダゾリル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキサインドリル(oxindolyl)、ベンゾオキサゾリニルおよびイサチノイルを含むが、これらに限定されない。例えば、上記のヘテロ環を含有する縮合環およびスピロ化合物をも含む。
【0116】
「ポリアルキレングリコール」とは、分子量が約5000より低く、ヒドロキシまたはアルキエーテル部分のいずれかで終結したポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリブチレングリコールである。
【0117】
「炭水化物(carbohydrate)」とは、ポリヒドロキシアルデヒド、ケトン、アルコールもしくは酸、またはそれらの誘導体であって、このものはアセタールタイプの重合連結基を有するポリマーを含む。
【0118】
「シクロデキストリン」とは、環状のオリゴ糖である。シクロデキストリンとは、例えばα−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、カルボキシメチル−β−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリン、硫酸化−β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリンおよび硫酸化−γ−シクロデキストリンを含むが、これらに限定されない。
【0119】
本明細書において使用する用語「ポリカルボキシアルキル」とは、2〜約100個の炭素原子および複数のカルボキシル置換基を有するアルキル基を意味する。用語「ポリアザアルキル」とは、2〜約100個の炭素原子を有し、且つ複数のアミン基によって中断されているかまたは置換されている、直鎖または分枝のアルキル基を意味する。
【0120】
「還元剤」とは、電子を放射性核種ヘ移動させることによって、比較的に非反応性な高酸化状態の化合物として得られる該放射性核種と反応してその低酸化状態として、その結果より反応性とする化合物である。放射性医薬品の製造においておよび該放射性医薬品の製造に有用な診断用キットにおいて有用な還元剤は、例えば塩化スズ、フッ化スズ、ホルムアミジンスルフィン酸、アスコルビン酸、システイン、ホスフィンおよび銅(I)もしくは鉄(II)塩を含むが、これらに限定されない。他の還元剤は、BrodackらによるPCT Application 94/22496(これは、本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0121】
「運搬リガンド」とは、望まない副反応から防止するのに十分に安定であるが、金属医薬品に変換するのに十分に反応活性である金属イオンとの中間体の複合体を形成するリガンドである。該中間体の複合体の生成は速度論的であることが好ましく、一方で金属医薬品の生成は熱力学的であることが好ましい。金属医薬品の製造において且つ診断用の放射性医薬品に製造に有用なキットにおいて有用な運搬リガンドとは、例えばグルコン酸、グルコヘプタン酸、マンニトール、グルカル酸、N, N, N', N'−エチレンジアミン四酢酸、ピロリン酸およびメチレンジホスホン酸を含むが、これらに限定されない。通常、運搬リガンドは酸素供与原子または窒素供与原子を含む。
【0122】
用語「供与原子」とは、化学結合によって金属と直接に結合している原子を意味する。
【0123】
「付属リガンド(ancillary)」または「補助リガンド(co-ligand)」とは、製造の間に放射性医薬品に取り込まれるリガンドである。それらは、放射性核種の配位圏を該試薬のキレート因子または放射性核種結合単位で完全なものとするように機能する。2成分のリガンドシステムを含む放射性医薬品については、総計で2種類のリガンドであるキレート因子または結合単位が存在するという条件で、該放射性核種の配位圏は1つ以上の試薬由来の1つ以上のキレート因子または試薬由来の結合単位、および1つ以上の付属リガンドまたは補助リガンドを含む。例えば、1つの放射性医薬品は、1つの試薬由来の1つのキレート因子または結合単位、および同一の付属リガンドまたは補助リガンドの2つを含む。1つもしくは2つの試薬由来の2つのキレート因子または結合単位、および1つの付属リガンドまたは補助リガンドを含む放射性医薬品は、共に2成分のリガンドシステムを含むと考えられる。3成分のリガンドシステムを含む放射性医薬品の場合には、総計で3種類のリガンド、キレート因子または結合単位が存在するという条件で、放射性核種の配位圏は1つ以上の試薬由来の1つ以上のキレート因子または結合単位、および1つ以上の2つの異なる種類の付属リガンドまたは補助リガンドを含む。例えば、1つの試薬由来の1つのキレート因子または結合単位、および2つの異なる付属リガンドまたは補助リガンドを含む放射性医薬品は、3成分のリガンドシステムを含むと考えられる。
【0124】
放射性医薬品の製造において、および該放射性医薬品の製造に有用な診断用キットにおいて有用な付属リガンドまたは補助リガンドは、1つ以上の酸素、窒素、炭素、硫黄、リン、アルシン、セレンおよびテルル供与原子を含む。リガンドは、放射性医薬品の製造における移動リガンドであり得て、そしてまた別の放射性医薬品における付属リガンドまたは補助リガンドとしても機能する。リガンドを移動リガンド、付属リガンドまたは補助リガンドと呼ぶかどうかは、該リガンドが放射性医薬品における放射性核種の配位圏に残っているかどうかによる。このことは、放射性核種の配位化学および、試薬のキレート因子または結合単位によって決まる。
【0125】
「キレート因子(chelator)」または「結合単位(bonding unit)」とは、1つ以上の供与原子を用いた化学結合を形成することによって金属イオンと結合する試薬上の分子または基である。
【0126】
用語「結合部位」とは、生物学的に活性な分子と結合するインビボまたはインビトロでの部位を意味する。
【0127】
「診断用キット」または「キット」とは成分の集合を含み、このものは診断用の放射性医薬品を製造するための臨床的な設定または薬学的な設定において実施しているエンドユーザーによって使用される1つ以上のバイアル中での製剤と呼ばれる。該キットは、実施しているエンドユーザーにとって通常入手することができるもの、例えば注射のための水またはサリン、放射性核種の溶液、放射性医薬品の製造の間にキットを加熱するための装置、必要であれば患者に放射性医薬品を投与するのに必要な装置(例えば、シリンジ、並びに遮蔽装置および画像診断装置)を除いて、診断用放射性医薬品を製造し、使用するのに必要とされる全ての成分を提供する。
【0128】
治療学的な放射性医薬品、X−線造影剤医薬品、超音波造影剤医薬品および核磁気共鳴画像造影剤のための金属医薬品は、典型的に1つのバイアル中に凍結乾燥した固体または水溶液のいずれかとして含まれる製剤の最終形態でエンドユーザーに提供される。該エンドユーザーは、水またはサリンで凍結乾燥したものを再構築し、患者の用量を撤回するか、または提供された水性液体製剤の用量をまさに撤回する。
【0129】
「凍結乾燥剤」とは、凍結乾燥のために好ましい物理的な性質(例えば、ガラス転移温度)を有する成分であって、このものは製剤に加えて、凍結乾燥用製剤の全成分の組み合わせの物理的な性質を改善する。
【0130】
「安定化剤」とは、金属医薬品を安定化するためかまたは使用する前の該キットの寿命を延ばすかのいずれかのために、該金属医薬品または該診断用キットヘ加える成分である。安定化剤は、抗酸化剤、還元剤またはラジカル捕捉剤であり得て、このものは他の成分を分解する種または金属医薬品と優先的に反応させることによって安定性を改善することができる。
【0131】
「可溶化剤」とは、製剤化に必要な媒質中での1つ以上の他の成分の溶解度を改善する成分である。
【0132】
「静菌剤(bacteriostat)」とは、使用前の貯蔵中、または診断用キットを用いて放射性医薬品を製造後のいずれかの間で、該製剤中での細菌の増殖を抑制する成分である。
【0133】
本明細書に記載する用語「アミノ酸」とは、塩基性アミノ基および酸性カルボキシル基の両方を含有する有機化合物を意味する。該用語は、天然のアミノ酸(例えば、L−アミノ酸)、改変した非天然アミノ酸(例えば、D−アミノ酸)、並びに生物学的に遊離な形態もしくは組み合わさった形態で生成するが、通常タンパク質中では生成しないことが知られるアミノ酸(例えば、Roberts and Vellaccio, The Peptides, 5: 342-429 (1983)(これは、本明細書の一部を構成する)に開示されているアミノ酸)を含む。天然のタンパク質を形成しているアミノ酸としては、例えばアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、チロシン、チロシン、トリプロファン、プロリンおよびバリンを含むが、これらに限定されない。天然の非タンパク質アミノ酸とは、例えばアルギノコハク酸、シトルリン、システインスルフィン酸、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、ホモシステイン、オルニチン、3−モノヨードチロシン、3,5−ジヨードチロシン、3,5,5’−トリヨードチロシンおよび3,3’,5,5’−テトラヨードチロシンを含むが、これらに限定されない。本発明を実施するのに使用することができる改変されたアミノ酸または異常アミノ酸とは、例えばD−アミノ酸、ヒドロキシリシン、4−ヒドロキシプロリン、N−Cbz−保護したアミノ酸、2,4−ジアミノ酪酸、ホモアルギニン、ノルロイシン、N−メチルアミノ酪酸、ナフチルアラニン、フェニルグリシン、β−フェニルプロリン、tert−ロイシン、4−アミノシクロヘキシルアラニン、N−メチルノルロイシン、3,4−デヒドロプロリン、N,N−ジメチルアミノグリシン、N−メチルアミノグリシン、4−アミノピペリジン−4−カルボン酸、6−アミノカプロン酸、トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸、2−,3−および4−(アミノメチル)安息香酸、1−アミノシクロペンタンカルボン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸および2−ベンジル−5−アミノペンタン酸を含むが、これらに限定されない。
【0134】
本明細書で使用する用語「ペプチド」とは、ペプチド結合という形で結合している、2つ以上のアミノ酸(これは、本明細書において定義する通りである)からなる直鎖化合物を意味する。本特許請求の範囲において使用する「ペプチド」とは、分子量が10,000ダルトンよりも低い(5,000ダルトンよりも低いことが好ましく、2,500ダルトンよりも低いことがより好ましい)分子を意味すると意図する。該用語「ペプチド」はまた、ペプチド成分および非ペプチド成分の両方(例えば、偽ペプチド、ペプチド擬態残基または非アミノ酸成分)を含有する化合物をも意味する。ペプチド成分および非ペプチド成分の両方を含有するそれらの化合物は、「ペプチドアナログ」と呼ぶこともできる。
【0135】
「偽ペプチド」または「ペプチド擬態(peptidomimetic)」とは、ペプチド擬態とアミノ酸残基との間でのアミド連結以外の連結基(偽ペプチド結合)を用いるか、並びに/あるいは非アミノ酸置換基および/または改変されたアミノ酸残基を用いることによって、アミノ酸残基またはペプチドの構造を模倣する化合物を意味する。「偽ペプチド残基」とは、ペプチド中に存在する偽ペプチドまたはペプチド擬態の部分を意味する。
【0136】
用語「ペプチド結合」とは、アミノ酸のカルボキシル基と第2のアミノ酸のアミノ基の間での1つの水分子の損失によって形成される共有アミド結合を意味する。
【0137】
用語「偽ペプチド結合」とは、通常のアミノ結合に対して置換基として置き代えることができるペプチド結合アイソスターを含む。これらの置換基またはアミド「等価性の」結合は、アミド結合の空間的な要件を模倣し、そして該分子が酵素による分解反応に対して安定であるべきであるペプチドまたはタンパク質中に通常見られない原子の組み合わせから形成される結合を意味する。
【0138】
以下の略号を本明細書において使用する:
Acmは、アセトアミドメチルであり;
b−Ala、ベータ−AlaまたはbAlaは、3−アミノプロピオン酸であり;
ATAは、2−アミノチアゾール5−酢酸または2−アミノチアゾール5−アセチル基であり;
Bocは、t−ブチルオキシカルボニルであり;
CBz、CbzまたはZは、カルボベンジルオキシであり;
Citは、シトクリン であり;
Dapは、2,3−ジアミノプロピオン酸であり;
DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドであり;
DIEAは、ジイソプロピルエチルアミンであり;
DMAPは、4−ジメチルアミノピリジンであり;
EOEは、エトキシエチルであり;
HBTUは、2−(1H−ベンゾトリアゾール)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン酸塩であり;
hynicは、boc−ヒドラジノニコチニル基または2−[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸であり;
NMeArgまたはMeArgは、N−メチルアルギニンであり;
NMeAspは、N−メチルアスパラギン酸であり;
NMMは、N−メチルモルホリンであり;
OcHexは、O−シクロヘキシルであり;
OBzlは、O−ベンジルであり;
oSuは、O−スクシンイミジルであり;
TBTUは、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートであり;
THFは、テトラヒドロフラニルであり;
THPは、テトラヒドロピラニルであり;
Tosは、トシルであり;
Trは、トリチルである。
【0139】
以下の通常の3文字表記のアミノ酸の略号を、本明細書に使用する。通常の1文字アミノ酸表記は、本明細書において使用しない:
Alaは、アラニンであり;
Argは、アルギニンであり;
Aspは、アスパラギン酸であり;
Cysは、システインであり;
Glnは、グルタミンであり;
Gluは、グルタミン酸であり;
Glyは、グリシンであり;
Hisは、ヒスチジンであり;
Ileは、イソロイシンであり;
Leuは、ロイシンであり;
Lysは、リシンであり;
Metは、メチオニンであり;
Nleは、ノルロイシンであり;
Ornは、オルニチンであり;
Pheは、フェニルアラニンであり;
Phgは、フェニルグリシンであり;
Proは、プロリンであり;
Sarは、サルコシンであり;
Serは、セリンであり;
Thrは、トレオニンであり;
Trpは、トリプロファンであり;
Tyrは、チロシンであり;
Valは、バリンである。
【0140】
本発明の医薬品は、血管新生腫瘍脈管構造において発現するかまたは上方制御された受容体に対する標的分子を含む。VEGF受容体、Flk1/KDR、
Flt−1およびニューロピリン−1の場合には、標的分子は該受容体と高いアフィニティーで結合するペプチドまたはペプチド擬態を含む。例えば、VEGFとVEGFRとの結合を競争的に抑制する、VEGFのC末端ドメインの23アミノ酸部分を含むペプチドが製造されている(SokerらによるJ. Biol. Chem., 1997, 272, 31582-8)。塩基性FGF受容体(bFGFR)と結合する11〜23のアミノ酸残基の直鎖ペプチドがCosicらによるMol. and Cell. Biochem., 1994, 130, 1-9によって記載されている。該bFGFRの好ましい直鎖ペプチド拮抗薬は、16アミノ酸のペプチド:
Met−Trp−Tyr−Arg−Pro−Asp−Leu−Asp−Glu−Arg−Lys−Gln−Gln−Lys−Arg−Gluである。Ghoら(Cancer Research, 1997, 57, 3733-40)は、内皮細胞の表面でのアンジオゲニン受容体に対して高いアフィニティーで結合する小ペプチドの同定について記載している。好ましいペプチドは、Ala−Gln−Leu−Ala−Gly−Glu−Cys−Arg−Glu−Asn−Val−Cys−Met−Gly−Ile−Glu−Gly−Argであって、ここで2つのCys残基は分子内スルフィド結合を形成する。ヤヨン(Yayon)ら(Proc. Natl. Acad. Sci, USA, 1993, 90, 10643-7)は、ランダムファージディスプレイペプチドライブラリーから同定されたFGFRの他の直鎖ペプチド拮抗薬物を記載している。2つの直鎖オクタペプチドであるAla−Pro−Ser−Gly−His−Tyr−Lys−GlyおよびLys−Arg−Thr−Gly−Gln−Tyr−Lys−Leuは、bFGFRとその受容体との結合を抑制するのに好ましい。
【0141】
腫瘍脈管構造において発現するインテグリンについての標的分子としては、αvβ3、αvβ5、α5β1、α4β1、α1β1およびα2β2と結合するペプチドおよびペプチド擬態を含む。PierschbacherおよびRouslahti (J. Biol. Chem., 1987, 262, 17294-8)は、α5β1およびαvβ3と選択的に結合するペプチドを記載している。米国特許第5,536,814号は、インテグリンα5β1と高いアフィニティーで結合するペプチドを記載している。BurgessおよびLim (J. Med. Chem., 1996,39,4520-6)は、αvβ3と高いアフィニティーで結合する3つのペプチド:シクロ[Arg−Gly−Asp−Arg−Gly−Asp]、シクロ[Arg−Gly−Asp−Arg−Gly−D−Asp]および直鎖ペプチドであるArg−Gly−Asp−Arg−Gly−Aspの製造を記載している。米国特許第5,770,565号および第5,766,591号は、αvβ3と高いアフィニティーで結合するペプチドを開示している。米国特許第5,767,071号および第5,780,426号は、αvβ3に対して高いアフィニティーを有するエキソ環状Argアミノ酸を有する環状ペプチドを開示している。Srivatsa et.ら(Cardiovascular Res., 1997,36,408-28)は、αvβ3に対する環状ペプチド拮抗薬であるシクロ[Ala−Arg−Gly−Asp−Mamb]を記載している。Tranら(Bioorg. Med. Chem. Lett., 1997,7,997-1002)は、αvβ3と高いアフィニティーで結合する環状ペプチドであるシクロ[Arg−Gly−Asp−Val−Gly−Ser−BTD−Ser−Gly−Val−Ala]を開示している。Arapら(Science, 1998,279,377-80)は、αvβ3およびαvβ5と結合する環状ペプチドである、Cys−Asp−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cysおよびシクロ[Cys−Asn−Gly−Asp−Cys]を記載している。Corbett etら(Biorg. Med. Chem. Lett., 1997, 7, 1371-6)は、αvβ3に選択的なペプチド擬態の群を記載している。そして、Haubnerら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1997, 36, 1374-89)は、ペプチドライブラリーから入手したペプチドおよびペプチド擬態のαvβ3拮抗薬を開示している。
【0142】
本発明の標的分子は、インテグリンαvβ3に対して1000nMよりも小さい結合アフィニティーを有することが好ましい。本発明の標的分子はインテグリンαvβ3に対して100nMよりも小さい結合アフィニティーを有することがより好ましい。本発明の標的分子はインテグリンαvβ3に対して10nMよりも小さい結合アフィニティーを有することがより一層好ましい。
【0143】
本発明の超音波造影剤は、生体適合性ガスの小泡、液体担体および界面活性なミクロスフェアと結合したりまたはその中にとり込まれる多数の血管新生腫瘍脈管構造の標的分子を含む。このものは、更に該標的分子および該小泡の間に、任意の結合分子のLnを含む。本明細書において、用語「液体担体」は水溶液を意味する。そして、用語「界面活性剤」とは、溶液中の界面張力の低下を生じるいずれかの両親媒性物質を意味する。界面ミクロフェアを生成するための適当な界面活性剤の表は、EP0727225A2(これは、本明細書の一部を構成する)に開示されている。用語「界面活性なミクロフェア」とは、例えばナノフェア、リポソーム、ビクルなどを含む。該生体適合性ガスは空気またはフッ化炭素(例えば、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタンまたはペルフルオロペンタンなどのC3〜C5ペルフルオロアルカン)であってよく、これらはエコー発生性が異なり、従って超音波画像処理において造影を与える。該ガスは、場合により結合基によって生物的に関連する(biodirecting)基と結合するミクロフェア中にとり込まれたりまたは含まれる。該結合は共有性、イオン性であってもよく、またはファンデルワールス力によってもよい。それらの造影剤の具体的な例としては、複数の腫瘍新血管新生受容体と結合したペプチドまたはペプチド擬態と一緒に脂質にとり込まれたペルフルオロ炭素を含む。
【0144】
本明細書で使用するSfは、上で定義する式:A1−E−A2の脂質または化合物のいずれかである界面活性剤である。該界面活性剤は、音波発生気体を含有することができるビヒクル(例えば、ミクロスフェア)を形成することを意図する。本発明の該超音波造影剤の組成物は、得られる生成物が音波造影剤として有用となり得るような方法で、かき混ぜ(例えば、振り混ぜ、撹拌など)時に、ビヒクル中に音波発生ガスをとり込むことができることを意図する。
【0145】
「ビヒクル]とは、内部空隙の存在を特徴とする球状の物を意味する。好ましいビヒクルは、脂質(これは、本明細書に記載の様々な脂質を含む)から製剤化される。いずれかのあるビヒクルにおいて、該脂質は単層または二層の形態であり得て、該単層または二層の脂質を用いて、1つ以上の単層または二層を得ることができる。1つ以上の単層または二層の場合には、該単層または二層は通常、短縮性である。本明細書に記載の脂質ビヒクルとしては、例えば通常リポソーム、ミセル、泡、小泡、ミクロスフェア等と呼ばれるものを含む。従って、該脂質を用いて単層ビヒクル(これは、1つの単層または二層を含む)、オリゴ層ビヒクル(これは、約2つまたは約3つの単層または二層を含む)または多重層ビヒクル(これは、約3つよりも大きい単層または二層を含む)を得ることができる。該ビヒクルの内部空隙容量は、所望するならば、脂質(これは例えば、水性脂質、ガス、ガス状の前駆体)および/または固体もしくは溶質物質(これは、例えば生理活性な薬物)を用いて充填することができる。
【0146】
「微小胞の組成物」とは、脂質から製剤化されたり、ビヒクルを含む組成物を意味する。
【0147】
「ビヒクル組成物」とは、ビヒクルおよび生理活性な試薬を含む組成物を意味する。
【0148】
本明細書において使用するミクロフェアは、10ミクロンよりも小さいかまたは同じである球であることが好ましい。本明細書において使用するリポソームは、1個の脂質層(脂質単層)、2個の脂質層(脂質二重層)または2よりも大きい脂質層(脂質多重層)を含み得る。「リポソーム」とは、通常両親媒性化合物(これは、脂質化合物を含む)の球状クラスターまたは集合体を意味する。これらは典型的に、1つ以上の短縮性の層の形態(例えば、二重層)である。それらは、本明細書において脂質ビヒクルと呼ぶこともある。
【0149】
本明細書において使用する用語「泡」とは、通常、ガスまたはその前駆体で満たされた内部空隙で囲まれている1つ以上の膜または壁の存在を特徴とするビヒクルを意味する。典型的な泡としては、例えばリポソーム、ミセル等を含む。
【0150】
「脂質」とは、合成または天然に存在する両親媒性の化合物であって、このものは親水性成分および親油性成分を含む。脂質としては、例えば脂肪酸、中性脂肪、リン脂質、糖脂質、脂肪族アルコール、ワックス、テルペンおよびステロイドを含む。
【0151】
「脂質組成物」とは、脂質化合物を含む組成物を意味する。典型的な脂質組成物とは、例えば懸濁液、乳液および小胞性組成物を含む。
【0152】
「脂質製剤」とは、脂質化合物および生理活性な薬物を含む組成物を意味する。
【0153】
適当な脂質のクラスおよび具体的で適当な脂質としては、例えば
ホスファチジルコリン(例えば、ジオレイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)およびジスアロイルホスファチジルコリン);
ホスファチジルエタノールアミン(例えば、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンおよびN−スクシニルジオレイルホスファチジルエタノールアミン);
ホスファチジルセリン;ホスファチジルグリセロール;スフィンゴ脂質;糖脂質(例えば、ガングリオシド(GM1));グルコ脂質;スルファチド;糖スフィンゴ脂質;ホスファチジル酸(例えば、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA));パルミチン脂肪酸;ステアリン脂肪酸;アラキドン脂肪酸;ラウリル脂肪酸;ミリスチン脂肪酸;ラウロオレイン(lauroleic)脂肪酸;フィセオレイン(physeteric)脂肪酸;ミリストオレイン(myristoleic)脂肪酸;パルミトオレイン(palmitoleic)脂肪酸;ペトロセリン(petroselinic)脂肪酸);オレイン脂肪酸; イソラウリル(isolauric)脂肪酸;イソミリスチン(isomyristic)脂肪酸;イソパルミチン(isopalmitic)脂肪酸;イソステアリン(isostearic)脂肪酸;
コレステロールおよびコレステロール誘導体(例えば、コレステロールヘミコハク酸、コレステロール硫酸およびコレステリル−(4’−トリメチルアンモニオ)酪酸);
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル;ポリオキシエチル化したソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールポリエチレングリコールオキシステアリン酸;グリセロールポリオキシエチレングリコールオキシステアリン酸;グリセロールポリエチレングリコールレシノール酸;エトキシル化大豆ステロール;エトキシル化ヒマシ油;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン脂肪酸高分子;ポリオキシエチレン脂肪酸ステアリン酸;12−((7’−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカン酸;N−[12−((7’−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカノイル]−2−アミノパルミチン酸;1,2−ジオレオイル−sN−グリセロール;1,2−パルミトイル−sN−3−スクシニルグリセロール;1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール;および1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグリセロホスホエタノールアミンおよびパルミトイルホモシステイン;ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド;セチルトリメチルアンモニウムブロミド;ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド;アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ここで、アルキルはC12、C14またはC16アルキルである);ベンジルジメチルドデシルアンモニウムブロミド;ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロリド;ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムブロミド;ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド;ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムブロミド;ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド;セチルジメチルエチルアンモニウムブロミド;セチルジメチルエチルアンモニウムクロリド;セチルピリジウムブロミド;セチルピリジウムクロリド;N−[1,2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン(DOTAP)および1,2−ジオレオイル−c−(4’−トリメチルアンモニオ)ブタノイル−sN−グリセロール(DOTB)を含む。
【0154】
音波発生ガスは、1つのガスまたはガス混合物であり得て、例えばCF4、C2F6、C3F8、シクロ−C4F8、C4F10、C5F12、シクロ−C5F10、シクロ−C4F7(1−トリフルオロメチル)、プロパン(2−トリフルオロメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロおよびブタン(2−トリフルオロメチル)−1,1,1,3,3,3,4,4,4−ノナフルオロを挙げられる。上記の化合物の対応する不飽和物(例えば、C2F4、C3F6、C2F4の異性体)もまた好ましい。これらのガスの混合物、特に他のペルフルオロ炭素とのペルフルオロ炭素の混合物、および他の不活性ガス(例えば、空気、N2、O2、He)とのペルフルオロ炭素の混合物もまた有用である。これらの例は、Quayによる米国特許第5,595,723号(これは、本明細書の一部を構成する)において知ることができる。
【0155】
本発明のX−線造影剤は、1つ以上のX−線吸収剤または原子番号が20以上の重原子と結合した1つ以上の血管新生腫瘍脈管構造の標的分子を含み、このものは更に該標的分子とX−線吸収原子との間に任意の結合分子、Lnを含む。X−線造影剤において用いられることの多い重原子はヨウ素である。最近、金属キレート因子を含むX−線造影剤(Wallace, R.による米国特許第5,417,959号)および複数の金属イオンを含むポリキレート因子(Loveによる米国特許第5,679,810号)が開示されている。より最近では、多重核クラスター複合体がX−線造影剤として開示されている(米国特許第5,804,161号、PCT W091/14460およびPCT WO 92/17215)。X−線薬物の例としては、上記の放射性核種の非放射性アナログまたは天然に存在するアナログと含む(例えば、Re、Sm、Ho、Lu、Pm、Y、Bi、Pd、Gd、La、Au、Au、Yb、Dy、Cu、Rh、AgおよびIr)。
【0156】
本発明のMRI造影剤は、1つ以上の常磁性金属イオンと結合した1つ以上の血管新生腫瘍脈管構造の標的分子を含み、このものは更に該標的分子と該常磁性金属イオンとの間に、任意の結合分子Lnを含む。該常磁性金属イオンは、金属複合体または金属酸化物粒子の形態で存在する。米国特許第5,412,148号および第5,760,191号は、MRI造影剤において使用するための常磁性金属イオンに対するキレート因子の例を記載している。米国特許第5,801,228号、第5,567,411号および第5,281,704号は、mMRI造影剤において使用するための1より大きい常磁性金属イオンを複合化するのに有用な1より大きいポリキレート因子の例を記載している。米国特許第5,520,904号は、MRI造影剤として使用するための常磁性金属イオンを含む微粒子状の組成物を記載している。
【0157】
それらの別の治療学的な薬物と組み合わせた本発明の化合物の投与は、該化合物および薬物の単独の場合よりも有効な利点を与えることができたり、各々のより低い用量の使用を可能としつつ、行なうことができる。より低い用量は副作用を可能性を最少とし、その結果安全性の限度を増大させる。本発明の化合物とそれらの別の治療学的な薬物との組み合わせは、相乗的な組み合わせであることが好ましい。相乗作用(例えば、ChouおよびTalalayによるAdv. Enzyme Regul. 22: 27-55 (1984)に記載されている)とは、組み合わせて投与した該化合物および薬物の治療学的な効果が単独で投与した場合の該化合物または薬物のいずれかの加成効果よりも大きい場合に生じる。通常、相乗的な効果は、本発明の化合物、抗癌剤、光増感剤または放射線増感剤のいずれかの単独の場合は(治療学的に)任意であるが、組み合わせると非常に有効であるレベルで最も明確に示される。個別的な処置の単独の場合での毒性の実質的な増加を伴わない腫瘍応答の改善の点で、または該個別的な成分と比較して該組み合わせのいくつかの他の有利な効果の点で、相乗作用であり得る。
【0158】
組み合わせ療法で用いる本発明の化合物および抗癌剤または放射線増感剤は、別々の製剤もしくは組み合わせた製剤のいずれかで、または異なる時間で(例えば、連続して)同時に投与することができ、その結果該組み合わせ効果が得られる。投与の量およびレジメは、好ましくはそれらの標準的な用量で開始し、次いで得られた結果を滴定(titrating)することによって、当該分野の当業者によって調節されるであろう。
【0159】
本発明は、癌を処置するのに有用な2つ以上の活性成分を組み合わせたキットまたは単一パッケージをも提供する。キットは、本発明の化合物、更に抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの薬物(単独でまたは希釈剤もしくは担体と組み合わせて)および光増感剤を(単独でまたは希釈剤もしくは担体と組み合わせて)提供することができる。
【0160】
本発明の医薬品は式:(Q)d−Ln−(Ch−X)、(Q)d−Ln−(Ch−X1)d ’、(Q)d−Ln−(Ch−X2)d ’’および(Q)d−Ln−(Ch−X3)を有する。該式中、Qは血管新生腫瘍脈管構造において発現する受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態であり、dは1〜10であり、Lnは任意の結合基であり、Chは金属キレート因子または結合分子であり、Xは放射性同位元素であり、X1は常磁性金属イオンであり、X2は常磁性金属イオンまたは不溶性固体粒子含有の重原子であり、d’’は1〜100であって、X3は音波発生ガスの界面活性なミクロフェアである。本発明の好ましい医薬品は標的分子Qを含み、このものはビトロネクチン受容体αvβ3およびαvβ5と結合するペプチドおよびペプチド擬態である。本発明のより好ましい医薬品は標的分子Qを含み、このものはαvβ3と結合するペプチドおよびペプチド擬態である。本発明の最も好ましい医薬品は、αvβ3の標的分子Qを含み、このものは独立して治療学的な放射性同位元素または画像診断可能な分子と結合した1〜10個の環状ペンタペプチドまたはペプチド擬態を含み、このものは更に該標的分子と治療学的な放射性同位元素または画像診断可能な分子の間での任意の結合分子Lnを含む。該環状ペプチドは、αvβ3受容体と結合するトリペプチド配列および2つのアミノ酸(それらのうちのいずれか1つはLn、Ch、X2、またはX3と結合することができる)を含む。該医薬品における環状ペプチドまたはペプチド擬態部分のトリペプチド認識配列と、αvβ3受容体との相互作用により、αvβ3受容体を発現する血管新生腫瘍脈管構造において該医薬品の局在化が生じる。
【0161】
本発明の医薬品は、いくつかの方法によって製造することができる。1つの方法は、標的ペプチドまたはペプチド擬態分子であるQの製造、並びに1つ以上の分子Qと、1つ以上の金属キレート因子または結合分子であるCh、常磁性金属イオンまたは固体粒子含有の重原子、または音波発生ガス小泡との直接的な結合を含む。別の方法は、1つ以上の分子Qと結合基Lnとの結合、次いでこのものと1つ以上の金属キレート因子もしくは結合分子であるCh、常磁性金属イオンもしくは固体微粒子含有の重原子、または音波発生ガス小泡との結合を含む。dが1である医薬品の製造に有用な別の方法は、分子:Q−Lnの製造、更に該ペプチドまたはペプチド擬態の製造に、Lnを有するアミノ酸またはアミノ酸擬態残基を導入することを含む。次いで、得られた分子Q−Lnを1つ以上の金属キレート因子もしくは結合分子Ch、常磁性金属イオンもしくは固体微粒子含有の重原子、または音波発生小泡と結合させる。別の方法は、連結基Lnのフラグメントを有するペプチドまたはペプチド擬態Qの製造を含み、次いで該ペプチドまたはペプチド擬態の1つ以上を該結合基の残りと結合させ、次いで1つ以上の金属キレート因子もしくは結合分子Ch、常磁性金属イオンもしくは固体微粒子含有の重原子、または音波発生ガス小泡と結合させる。
【0162】
場合により結合基Lnまたは該結合基のフラグメントを有するペプチドまたはペプチド擬態は、当該分野の当業者にとって知られる標準的な製造法を用いて製造することができる。好ましい方法は、以下に記載の方法を含むが、これらに限定されない。
【0163】
通常、ペプチドおよびペプチド擬態は、C末端残基のα−アミンを脱保護し、次いで適当に保護したアミノ酸を上記の方法を用いてペプチド結合によってカップリングさせることによって、伸張する。この脱保護法およびカップリング法は、所望する配列を得るまで繰り返す。このカップリング反応は、構成アミノ酸の逐次様式もしくはフラグメント(2〜いくつかのアミノ酸)の縮合、または両方の方法の組み合わせ、あるいは最初にMerrifieldによるJ. Am. Chem. Soc., 85, 2149-2154 (1963)(これは、本明細書の一部を構成する)に記載の方法による固相ペプチド製造によって行なうことができる。
【0164】
該ペプチドおよびペプチド擬態はまた、自動合成装置を用いて製造することもできる。上記に加えて、ペプチドおよびペプチド擬態の製造についての方法がStewartおよびYoungによる「Solid Phase Peptide Synthesis」, 2nd ed, Pierce
Chemical Co., Rockford, IL (1984); Gross, Meienhofer, Udenfriend編「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology」, Vol. 1,2,3,5,および9, Academic Press, New York, (1980-1987); Bodanszkyによる「Peptide Chemistry: A
Practical Textbook」, Springer-Verlag, New York (1988); およびBodanszky らによる「The Practice of Peptide Synthesis」, Springer-Verlag, New York (1984)(これらは本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0165】
2つのアミノ酸誘導体の、アミノ酸とペプチドもしくはペプチド擬態の、2つのペプチドフラグメントもしくはペプチド擬態フラグメントのカップリング反応、またはペプチドもしくはペプチド擬態の環化反応は、標準的なカップリング反応を用いて行なうことができる。例えば、アジド法、混合カルボン酸無水物(クロロギ酸イソブチル)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル)法、ウッドワードK試薬法、カルボニルジイミダゾール法、リン試薬(例えば、BOP−C1)法または酸化還元法を挙げられる。これらの方法のいくつか(特に、カルボジミド)は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを添加することによって増大することができる。これらのカップリング反応は、溶液(液相)または固相のいずれかで行なうことができる。
【0166】
該構成アミノ酸またはアミノ酸擬態の官能基は、所望しない結合が生成するのを避けるために、カップリング反応の間に保護しなければいけない。使用することができる保護基は、Greeneによる「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley & Sons, New York (1981)および「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology」, Vol. 3, Academic Press, New York (1981)(これらは、本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0167】
C末端残基のα−カルボキシル基は、通常エステル(これは、切断してカルボン酸を与えることができる)によって保護する。これらの保護基としては、例えば1)アルキルエステル(例えば、メチルエステルおよびt−ブチルエステル)、2)アリールエステル(例えば、ベンジルエステルおよび置換ベンジルエステル)、または3)弱塩基の処置または温和な還元方法によって切断することができるエステル(例えば、トリクロロエチルエステルおよびフェナシルエステル)を含む。固相の場合には、C−末端アミノ酸は不溶性の担体(通常は、ポリスチレン)に結合させる。これらの不溶な担体は、カルボキシ基と反応して、伸張条件に対しては安定であるが、後に容易に切断される基を含む。これらの例としては、オキシム樹脂(DeGradoおよびKaiserによる(1980) J. Org. Chem. 45,1295-1300)クロロまたはブロモメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂およびアミノメチル樹脂を挙げられる。所望するC−末端アミノ酸が既に包含されているこれらの樹脂の多数は、商業的に入手することができる。
【0168】
各々のアミノ酸のα−アミノ基は保護されなければいけない。当該分野で知られるいずれの保護基を使用することができる。これらの例としては、1)アシルタイプ(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリルおよびp−トルエンスルホニル);2)芳香族カルバメートタイプ(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換されたベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニルおよび9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc);3)脂肪族カルバメートタイプ(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニルおよびアリールオキシカルボニル;4)環状アルキルカルバメートタイプ(例えば、シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニル);5)アルキルタイプ(例えば、トリフェニルメチルおよびベンジル);6)トリアルキルシラン(例えば、トリメチルシラン);および7)チオール含有タイプ(例えば、メフェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイル)を挙げられる。好ましいα−アミノ保護基は、BocまたはFmocのいずれかである。ペプチド合成のために適当に保護された多数のアミノ酸誘導体またはアミノ酸擬態誘導体を、商業的に入手することができる。
【0169】
α−アミノ保護基は、次のアミノ酸のカップリング反応前に切断する。Boc基を使用する場合には、方法の選択はトリフルオロ酢酸のニートもしくはそのジクロロメタン溶液、またはHClのジオキサン溶液である。次いで、得られたアンモニウム塩を、カップリング反応前もしくはインシトゥーで塩基溶液(例えば、水性緩衝液または3級アミンのジクロロメタン溶液もしくはそのジメチルホルムアミド溶液)のいずれかを用いて中和する。Fmoc基を使用する場合には、試薬の選択はピペリジンまたは置換されたピペリジンのジメチルホルムアミド溶液であるが、いずれかの2級アミンまたは塩基水溶液を使用することができる。該脱保護反応は、温度が0℃〜室温で行なう。
【0170】
側鎖の官能基を有するアミノ酸またはアミノ酸擬態のいずれも、上記の基のいずれかを用いて該ペプチドの製造の間に保護しなければいけない。当該分野の当業者は、これらの側鎖の官能基についての適当な保護基の選択およびその使用がアミノ酸またはアミノ酸擬態、並びに該ペプチドまたはペプチド擬態の他の保護基の存在に依存することを認めるであろう。それらの保護基の選択は、α−アミノ基の脱保護およびカップリング反応の間に除去する必要がない点で重要である。
【0171】
例えば、Boc基をα−アミン保護として選択する場合には、以下の保護基を許容することができる:アルギニンの場合には、p−トルエンスルホニル(トシル)分子およびニトロ;リシンの場合には、ベンジルオキシカルボニル、置換されたベンジルオキシカルボニル、トシルまたはトリフルオロアセチル;グルタミン酸およびアスパラギン酸の場合にはベンジルエステルまたはアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル);セリンおよびトレオニンの場合には、ベンジルエーテル;チロシンの場合には、ベンジルエーテル、置換されたベンジルエーテルまたは2−ブロモベンジルオキシカルボニル;システインの場合には、p−メチルベンジル、p−メトキシベンジル、アセタミドメチル、ベンジルまたはt−ブチルスルホニル。そして、トリプトファンのインドールは保護しないままであるか、またはホルミル基で保護するかのいずれかであり得る。
【0172】
Fmocをα−アミン保護について選択する場合には、通常tert−ブチルベースの保護基を許容することができる。例えば、リシンの場合にBocを、セリン、トレオニンおよびチロシンの場合にtert−ブチルエーテルを、グルタミン酸およびスパラギン酸の場合にはtert−ブチルエステルを使用することができる。
【0173】
環状ペプチドもしくはペプチド擬態の伸張、または環状ペプチドもしくはペプチド擬態の伸張および環化反応が完結すれば、全ての保護基を除去する。液相合成の場合には、保護基の選択によって意図するいずれかの方法で該保護基を除去する。これらの方法は、当該分野の当業者にとって良く知られる。
【0174】
固相合成を環状ペプチドまたはペプチド擬態を製造するのに使用する場合には、該ペプチドまたはペプチド擬態は環化反応を妨害し得る官能基から保護基を同時に除去することなく、該樹脂から取り出すべきである。従って、ペプチドまたはペプチド擬態を溶液中で環化する場合には、他の保護基を同時に除去することなく遊離なカルボキシレートおよび遊離なアミノ基を得るような切断条件を選択する必要がある。別法として、該ペプチドまたはペプチド擬態をヒドラジノ分解によって該樹脂から取り出し、次いでアジド法によってカップリングさせることができる。別の非常に便利な方法は、オキシム樹脂上でのペプチドまたはペプド擬態の製造、続く該樹脂からの分子内求核置換反応を含み、これにより環状ペプチドまたはペプチド擬態を得る(Osapay, ProfitおよびTaylorによる(1990) Tetrahedron Letters 43, 6121-6124)。オキシム樹脂を使用する場合には、Boc保護様式を通常選択する。そこで、側鎖の保護基を除去するのに好ましい方法は、通常、添加物(例えば、ジメチルスルフィド、アニソール、チオアニソールまたはp−クレゾール)を含有する無水HFを0℃で用いた処理を含む。該ペプチドまたはペプチド擬態の切断は、他の酸性試薬(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸/トリフルオロ酢酸の混合物)によって達成することもできる。
【0175】
本発明で使用する異常アミノ酸は、当該分野の当業者にとって良く知られている標準的な方法によって製造することができる(「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 5, pp. 342-449, Academic Press, New York (1981))」。N−アルキルアミノ酸は、これまでに記載されている方法(Cheungらによる (1977) Can. J. Chem. 55,906; Freidingerらによる(1982) J. Org. Chem. 48,77 (1982)(これらは、本明細書の一部を構成する))を用いて製造することができる。
【0176】
ペプチドおよびペプチド擬態の標的分子を製造するのに当該分野の当業者によって使用することができる別の製造法が、PCT W094/22910(これは、本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0177】
結合基Lnと、該ペプチドおよびペプチド擬態Qとの結合;キレート因子または結合単位Chと、該ペプチドおよびペプチド擬態Qまたは該結合基Lnとの結合;および分子(Q)d−Lnの組み合わせ製造の場合には、連結基のフラグメントを有するペプチドおよびペプチド擬態と連結基の残りとの結合、次いで分子Chとの結合;の全てを、標準的な方法によって行なうことができる。このものとしては、例えばアミド化、エステル化、アルキル化、並びにウレアまたはチオウレアの形成を含むが、これらに限定されない。これらの結合を行なうための方法は、Brinkley, M.によるBioconjugate Chemistry 1992, 3 (1)(これは、本明細書の一部を構成する)において知ることができる。
【0178】
該ペプチドおよびペプチド擬態Qと、常磁性金属イオンまたは固体微粒子含有の重原子X2と結合するために、固体粒子の表面改変の分野における当業者によって、多数の方法を使用することができる。通常、該標的分子Qまたは組み合わせ(Q)dLnは固体粒子の表面の構成成分と反応するカップリング基と結合する。該カップリング基は、同時継続出願U. S. A. N 60/092,360に記載されている通り、固体粒子の表面での表面ヒドロキシ基と反応する多数のシランのいずれかであり得て、そしてこのものはまた、米国特許第5,520,904号に記載されている通り、該固体粒子の表面とカップリングするポリホスホネート、ポリカルボキシレート、ポリホスフェートまたはそれらの混合物を含み得る。
【0179】
多数の反応式を、該ペプチドおよびペプチド擬態Qを界面活性なミクロスフェアX3と結合するのに使用することができる。Sfが界面活性なミクロフェアを形成する界面活性分子である、以下の反応式を例示する。
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
これらの反応式において、置換基SfおよびQは同様に、逆転させることができる。
【0180】
該連結基Lnは、いくつかの機能を果たすことができる。第1に、そのものはCh−X、Ch−X2、X2およびX3が認識配列Qと血管新生腫瘍脈管受容体との受容体を妨害する可能性を最小限にするために、金属キレート因子または結合分子との間のスペーシング基Ch、常磁性金属イオンまたは固体粒子含有の重原子X2、界面活性なミクロフェアX3および1つ以上のペプチドまたはペプチド擬態Qを提供する。試薬中に連結基を包含する必要性は、Q、Ch−X、Ch−X1、X2およびX3の性質(identity)による。受容体に対するアフィニティーを実質的に減少させることなく、Ch−X、Ch−X1、X2およびX3がQと結合することができない場合に、連結基を使用する。連結基はまた、複数のペプチドおよびペプチド擬態Qと、Ch−X、Ch−X1、X2またはX3と結合する1つの基とを独立して結合する手段をも提供する。
【0181】
該連結基はまた、本発明の医薬品ヘ薬物動態学的な修飾因子を取り込ませる手段をも提供する。該薬物動態学的な修飾因子は、該標的分子Qと該腫瘍新血管新生において発現する受容体との相互作用による以外に、注入された医薬品体内分布(biodistibution)に関して機能する。広範囲な官能基が薬物動態学的な修飾因子として機能することができ、そのものとしては例えば炭水化物、ポリアルキレングリコール、ペプチドまたは他のポリアミノ酸およびシクロデキストリンを含むが、これらに限定されない。該修飾因子を用いて、親水性を増大させたりまたは減少させたり、および血液クリアランスの速度を増大させたりまたは低下させることができる。該修飾因子を、該医薬品の遊離の経路に関して使用することもできる。好ましい薬物動態学的な修飾因子は、弱から速い血液クリアランスおよび肝臓の分泌の増大を生じるものである。
【0182】
該金属キレート因子または結合分子のChは、特定の利用のために選択した金属イオンとの安定な複合体を形成するように選択する。診断用の放射性医薬品のためのキレート因子または結合分子は、画像診断可能なγ線または陽電子の放射を有する放射性同位元素(例えば、99mTc、95Tc、1llIn、62Cu、60Cu、64Cu、67Ga、68Ga、86Y)と安定な複合体を形成する。
【0183】
テクネチウム、銅およびガリウムの同位元素についてのキレート因子は、ジアミンジチオール、モノアミン−モノアミドジチオール、トリアミド−モノチオール、モノアミン−ジアミン−モノチオール、ジアミンジオキシムおよびヒドラジンから選択される。該キレート因子は通常、窒素、酸素および硫黄から選ばれる供与原子を有する四座配位子である。好ましい試薬は、アミン窒素およびチオール硫黄の供与原子を有するキレート因子、並びにヒドラジン結合単位を含む。該チオール硫黄原子および該ヒドラジンは、放射性医薬品を製造するための該試薬の使用前または、好ましくは該放射性医薬品の製造の間のインシトゥーのいずれかに置換され得る保護基を有することができる。
【0184】
典型的なチオール保護基は、GreeneおよびWutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley & Sons, New York (1991)(これは、本明細書の一部を構成する)を含む。当該分野において知られるいずれかのチオール保護基を使用することができる。チオール保護基の例としては、アセトアミドメチル、ベンズアミドメチル、1−エトキシエチル、ベンゾイルおよびトリフェニルメチルを含むが、これらに限定されない。
【0185】
ヒドラジン結合単位についての典型的な保護基はヒドラゾンであり、このものは、水素、アルキル、アリールおよびヘテロ環から選ばれる置換基を有するアルデヒドまたはケトンのヒドラゾンであり得る。特に好ましいヒドラゾンは、一部継続出願U. S. S. N. 08/476,296(これは、本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0186】
金属放射性核種と結合する場合のヒドラジン結合単位はヒドラジドまたはジアゼニド基と呼ばれ、このものは放射性核種と放射性医薬品の残りとの結合位置として機能する。ジアゼニド基は、末端であるか(該基の1原子だけが該放射性核種と結合している)またはキレート化するかのいずれかである。キレート化するジアゼニド基を有するために、該基の少なくとも1つの他の基もまた、該放射性核種と結合しなければいけない。該金属と結合する原子は、供与原子と呼ばれる。
【0187】
111Inおよび86Yについてのキレート因子は、環状および非環状のポリアミノカルボキシレートから選ばれ、このものは例えばDTPA、DOTA、D〇3A、2−ベンジル−DOTA、α−(2−フェネチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン(tetraazazcyclododecane)−1−酢酸(acetic)−4,7,10−トリス(メチル酢酸)、2−ベンジルシクロヘキシルジエチレントリアミンペンタ酢酸、2−ベンジル−6−メチル−DTPAおよび6,6’’−ビス[N,N,N’’,N’’−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2’’−テルピリジンを挙げられる。商業的に入手することができないこれらのキレート因子の製造法は、Brechbiel, M.およびGansow, 0.によるJ. Chem. Soc. Perkin Trans. 1992, 1, 1175; Brechbiel, M.およびGansow, 0.によるBioconjugate Chem. 1991, 2, 187; Deshpande, S.らによるJ. Nucl. Med. 1990, 31, 473; Kruper, J.による米国特許第5,064,956号;並びにToner, J.による米国特許第4,859,777号(これらは本明細書の一部を構成する)において知ることができる。
【0188】
金属イオンの配位圏は、該金属と結合している全てのリガンドまたは基を含む。安定である遷移金属放射性核種については、そのものは典型的に4以上で且つ8以下の整数を含む配位数(供与原子の数)を含む。すなわち、金属と結合する4〜8原子が存在し、そのものは完全な配位圏を有すると呼ばれる。安定な放射性核種複合体について必須の配位数は、該放射性核種の性質、その酸化状態および供与原子の種類によって決まる。該キレート因子または結合単位がその配位圏を完全とすることによって、該金属放射性核種を安定化するのに必要な全ての原子を与えない場合には、該配位圏は付属リガンドまたは補助リガンド(このものもまた末端であるかまたはキレート化するかのいずれかであり得る)と呼ばれる他のリガンド由来の供与原子によって完全とされる。
【0189】
多数のリガンドが付属リガンドまたは補助リガンドとして機能することができ、その選択は様々な事情によって決まる。該事情は、例えば該放射性医薬品の製造の容易さ、該付属リガンドの化学的および物理的な性質、製造速度、収率および得られる放射性医薬品の異性体の数、患者ヘ有害な生理学的結果を招くことなく該患者に該付属リガンドまたは補助リガンドを投与できる可能性、および凍結乾燥したキット製剤における該リガンドの適合性を挙げられる。該付属リガンドの電荷および親油性は、放射性医薬品の電荷および親油性に影響を及ぼすであろう。例えば、スルホネート基は生理学的な条件下でアニオンであろうという理由で、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホネートを使用することにより、別の2つのアニオン性基を有する放射性医薬品を得るであろう。N−アルキル置換された3,4−ヒドロキシピリジノンを使用することにより、アルキル置換キの大きさによって親油性の程度が変わった放射性医薬品を得る。
【0190】
本発明の好ましいテクネチウム放射性医薬品は、ヒドラジドもしくはジアゼニド結合単位および付属リガンドAL1、または結合単位および2種類の付属リガンドのAL1およびAL2、または2つの窒素原子および2つの硫黄原子を含む四座配位キレート因子を含む。付属リガンドであるAL1は、2つ以上のハードな供与原子(例えば、酸素およびアミン窒素(sp3混成)を含む。該供与原子は、放射性核種の配位圏における少なくとも2つの部位を占有する。該付属リガンドであるAL1は、3成分リガンドシステムにおける3つのリガンドの1つとして機能する。付属リガンドのAL1としては例えば、酸素リガンドおよび官能化されたアミノカルボキシレートを含むが、これらに限定されない。多数のそれらのリガンドを商業的な供給源から入手することができる。
【0191】
付属酸素リガンドとしては、金属イオンに少なくとも2つの酸素供与原子で配位するリガンドを含む。例えば、グルコヘプタン酸、グルコン酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、乳酸、酒石酸、マンニトール、グルカル酸、マルトール、コウジ酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、4,5−ジヒドロキシル−1,3−ベンゼンジスルホン酸または置換もしくは無置換の1,2もしくは3,4ヒドロキシピリジノンを含むが、これらに限定されない(これらの例におけるリガンド名は、該リガンドのプロトン化形態または非プロトン化形態のいずれかで呼ぶ)。
【0192】
官能化されたアミノカルボキシレートは、アミン窒素供与原子および酸素供与原子の配位を有するリガンドを含む。例えば、イミノジ酢酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、ニトリロ三酢酸、N,N’−エチレンジアミン二酢酸、N,N,N’−エチレンジアミン三酢酸、およびN,N’−エチレンジアミンビスヒドロキシフェニルグリシンを含むが、これらに限定されない(これらの例におけるリガンド名は、該リガンドのプロトン化形態または非プロトン化形態のいずれかで呼ぶ)。
【0193】
官能化されたアミノカルボキシレートの群は、Bridgerらによる米国特許第5,350,837号(これは、本明細書の一部を構成する)に開示されており、このものはテクネチウム標識のヒドラジノで改変したタンパク質の生成速度を改善する。我々は、これらのアミノカルボキシレートのあるものが本発明の放射性医薬品の収率を改善することを決定した。好ましい付属リガンドであるAL1で官能化されたアミノカルボキシレートはグリシン誘導体であり、最も好ましいのはトリシン(トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)である。
【0194】
本発明の最も好ましいテクネチウム放射性医薬品は、ヒドラジドまたはジアゼニド結合単位、および2種類の付属的に設計されたAL1およびAL2またはジアミンジチオールキレート因子を含む。第2のタイプの付属リガンドであるAL2は、1つ以上のソフト供与原子を含む。このものは、ホスフィンのリン原子、アルシンのヒ素原子、イミンの窒素原子(sp2混成)、硫黄(sp2混成)および炭素(sp混成);p−酸性を有する原子の群から選ばれる。リガンドAL2は、単座、二座または三座であり得て、座数(denticity)はリガンドにおける供与原子の数によって決まる。二座リガンドにおける2つの供与原子の1つおよび三座リガンドにおける3個の供与原子の1つは、ソフト供与原子でなければいけない。我々は、一部継続出願U. S. S. N. 08/415,908、U. S. S. N. 60/013360および08/646,886(これらは本明細書の一部を構成する)において、付属リガンドまたは補助リガンドであるAL2を1つ以上含む放射性医薬品が付属リガンドまたは補助リガンドであるAL2を1つも含まない放射性医薬品と比較して安定であること;すなわち、それらは最少数の異性体を有し、その相対的な比率は経時で有意に変化せず、希釈時でも実質的に無傷のままであることを開示している。
【0195】
ホスフィンまたはアルシンの供与原子を含むリガンドAL2は、三置換のホスフィン、三置換のアルシン、四置換のジホスフィンおよび四置換のジアルシンを含む。イミン窒素を含むリガンドAL2は、不飽和または芳香族性で窒素含有の5または6員のヘテロ環である。硫黄(sp2混成)供与原子を含む該リガンドは、分子C=Sを含むチオカルボニルである。炭素(sp混成)供与原子を含むリガンドは、分子CNR(ここで、Rは有機基である)を含むイソニトリルであある。それらのリガンドの多数は、商業的な供給源から入手することができる。イソニトリルは、欧州特許第0107734号および米国特許第4,988,827号(これらは本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0196】
好ましい付属リガンドであるAL2は、三置換ホスフィンおよび不飽和または芳香族性の5または6員のヘテロ環である。最も好ましい付属リガンドAL2は、三置換ホスフィンおよび不飽和な5員のヘテロ環である。
【0197】
該付属リガンドであるAL2は、アルキル、アリール、アルコキシ、ヘテロ環、アラルキル、アルカアリールおよびアリールアルカアリール基によって置換され得て、それらはヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、リンまたは硫黄)を含む官能基を有していてもまたは有していなくてもよい。それらの官能基としては例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキサミド、ニトロ、エーテル、ケトン、アミノ、アンモニウム、スルホネート、スルホンアミド、ホスホネートおよびホスホンアミドを含むが、これらに限定されない。該官能基は、該リガンドの親油性および水に対する溶解度(これらは、放射性医薬品の生物学的な性質に影響を及ぼすことができ、例えば非標識の組織、細胞または体液への分配の改変、並びに体内からの遊離の機構および速度の改変が挙げられる)を変えるように選択することができる。
【0198】
治療学的な放射性医薬品についてのキレート因子または結合分子は、アルファ粒子、ベータ粒子、オージェもしくはコスタークローニッヒ電子の放射(例えば、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、 90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198Au、199Au、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Ir)を有する放射性同位元素との安定な複合体を形成するように選択する。レニウム、銅、パラジウム、白金、イリジウム、ロジウム、銀および金の同位元素についてのキレート因子は、ジアミンジチオール、モノアミン−モノアミンジチオール、トリアミド−モノチオール、モノアミン−ジアミド−モノチオール、ジアミンジオキシムおよびヒドラジンから選ばれる。イッテリウム、ビスマスおよびランタニド同位元素についてのキレート因子は、環状および非環状のポリアミノカルボキシレート(例えば、DTPA、DOTA、DO3A、2−ベンジル−DOTA、α−(2−フェネチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−1−酢酸−4,7,10−トリス(メチル酢酸)、2−ベンジルシクロヘキシルジエチレントリアミン五酢酸、2−ベンジル−16−メチル−DTPAおよび6,6’’−ビス[N,N,N’’,N’’−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2’’−テルピリジン)から選択される。
【0199】
核磁気共鳴画像診断造影剤についてのキレート因子は、常磁性金属イオン(例えば、Gd(III)、Dy(III)、Fe(III)およびMn(II))と安定な複合体を形成するように選択され、例えば環状および非環状のポリアミノカルボキシレート(例えば、DTPA、DOTA、DO3A、2−ベンジル−DOTA、α−(2−フェネチル)−1,4,7,10−テトラザシクロデカン−1−酢酸−4,7,10−トリス(メチル酢酸)、2−ベンジルシクロヘキシルジエチレントリアミン5酢酸、2−ベンジル−16−メチル−DTPA、6,6’’−ビス[N,N,N’’,N’’−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2’’−テルピリジン)から選ばれる。
【0200】
ヒドラジドまたはジアゼニドの結合単位を含む本発明のテクネチウムおよびレニウムの放射性医薬品は、放射性核種、本発明の試薬、付属リガンドのAL1、付属リガンドのAL2および還元剤を、水溶液中、温度が0〜100℃で混合することによって容易に製造することができる。2つの窒素原子および2つの硫黄原子を有する四座配位キレート因子を含む本発明のテクネチウムおよびレニウムの放射性医薬品は、放射性核種、本発明の試薬および還元剤を水溶液中、温度が0〜100℃で混合することによって容易に製造することができる。
【0201】
本発明の試薬における結合単位がヒゾラゾン基として存在する場合には、そのものはまずヒドラジン(これはプロトン化されていてもまたはプロトン化されていなくてもよい)に変換され、その後金属放射性核種と複合体を形成する。該ヒドラゾン基の該ヒドラジンへの変換は、該放射性核種との反応前に(該放射性核種および付属リガンドもしくは補助リガンドまたはリガンドを該試薬と一緒ではなく、キレート因子もしくは結合単位を有する試薬の加水分解形態と一緒に組み合わせる場合)、あるいは該放射性核種の存在下で(該試薬そのものを該放射性核種および付属リガンドもしくは補助リガンドまたはリガンドと一緒に組み合わせる場合)起こり得る。後者の場合には、該反応混合物のpHを中性または酸性にしなければいけない。
【0202】
別法として、ヒドラジドまたはジアゼニドの結合単位を含む本発明の放射性医薬品は、まず放射性核種の塩、付属リガンドのAL1および還元剤を水溶液中、温度が0〜100℃で混合して該付属リガンドAL1との中間体の放射性核種複合体を得て、次いで本発明の試薬および付属リガンドのAL2を加え、そして更に温度が0〜100℃で反応させることによって製造することができる。
【0203】
別法として、ヒドラジドまたはジアゼニドの結合単位を含む、本発明の放射性医薬品は、まず該放射性核種の塩、付属リガンドのAL1、本発明の試薬および還元剤を水溶液中、温度が0〜100℃で混合して中間体の放射性核種複合体を得て、次いで付属リガンドのAL2を加え、更に温度が0〜100℃で反応させることによって製造することができる。
【0204】
該テクネチウムおよび過レニウムの放射性核種は、過テクネチウム酸または過レニウム酸の化学形態および医薬的に許容し得るカチオン形態であることが好ましい。該過テクネチウム酸塩は、過テクネチウム酸のナトリウム塩(例えば、商業的なTc−99m発生装置から得られるもの)であることが好ましい。本発明の放射性医薬品を製造するのに使用する該過テクネチウム酸の量は、0.1mCi〜1Ciの範囲であり得て、1〜200mCiであることがより好ましい。
【0205】
本発明のテクネチウムおよびレニウムの放性医薬品を製造するのに使用する本発明の試薬の量は、0.01〜10mgの範囲であり得て、0.5μg〜200μgであることがより好ましい。該使用量は、他の反応物の量および製造する本発明の放射性医薬品の性質によって決まるであろう。
【0206】
使用する付属リガンドAL1の量は0.1mg〜1gの範囲であり得て、1mg〜100mgであることがより好ましい。ある放射性医薬品についての正確な量は、製造する本発明の放射性医薬品の性質、使用方法および他の反応物の性質の量および性質の関数である。非常に多量のAL1は、生物学的に活性な分子を有しないテクネチウムで標識したAL1を含む副生成物、または付属リガンドAL1を含むが、付属リガンドAL2を含まないテクネチウムで標識した生物学的に活性な分子を生成するであろう。非常に少量のAL1は、他の副生成物(例えば、付属リガンドAL2を有するが、付属リガンドAL2を有しないテクネチウムで標識した生物学的に活性な分子)、または還元されて加水分解されたテクネチウムもしくはテクネチウムコロイドを生成するであろう。
【0207】
使用する付属リガンドAL2の量は0.001mg〜1gの範囲であり得て、0.01mg〜10mgであることがより好ましい。ある放射性医薬品の正確な量は、製造する本発明の放射性医薬品の性質、使用方法、並びに他の反応物の量および性質の関数である。非常に多量のAL2は、生物学的に活性な分子を有しないテクネチウムで標識したAL2を含む副生成物、または付属リガンドAL2を含むが、付属リガンドAL1を含まないテクネチウムで標識した生物学的に活性な分子を含む副生成物を生成するであろう。1つ以上の置換基を有する試薬が上記の通り、ソフト供与原子を含む置換基を1つ以上含む場合には、式2の試薬に対して少なくとも10倍モル過剰量の付属リガンドAL2が、該置換基が該付属リガンドAL2の金属放射性核種ヘの配位を妨害するのを防止するのに必要である。
【0208】
本発明の放射性医薬品の製造に適当な還元剤としては例えば、スズ(II)塩、亜ジチオン酸塩または亜硫酸水素塩、水素化ホウ素塩およびホルムアミジンスルフィン酸を含み、該塩はいずれかの医薬的に許容し得る形態である。該好ましい還元剤はスズ(II)塩である。使用する還元剤の量は0.001mg〜10mgの範囲であり得て、0.005mg〜1mgであることがより好ましい。
【0209】
ヒドラジドまたはジアゼニド結合単位を含む本発明の放射性医薬品の特異的な構造は、用いる本発明の試薬の性質、付属リガンドであるAL1の性質、付属リガンドであるAL2の性質、および放射性核種の性質に依存するであろう。濃度が<100μg/mLの試薬を用いて製造したヒドラジドまたはジアゼニド結合単位を含む放射性医薬品は、1つのヒドラジドまたはジアゼニド基を含むであろう。>1mg/mLの濃度を用いて製造したそれらの医薬品は、2つの試薬分子由来の2つのヒドラジド基またはジアゼニド基を含むであろう。ほとんどの使用の場合には、ほんの限られた量の生物学的に活性な分子を注射することができ、そのために所望しない副作用(例えば、化学的な毒性)が生じることはなく、生物学的な反応または該放射性医薬品の体内分布の改変が妨害されることもない。従って、生物学的に活性な分子の一部を含む該試薬のより高濃度を必要とする放射線医薬品は、それらの副作用を避けるために製造後に希釈するか、または精製されなければいけないであろう。
【0210】
付属リガンドであるAL1およびAL2の性質およびその使用量は、変数yおよびzの値を決めるであろう。yおよびzの値は独立して、1〜2の整数であり得る。組み合わせの場合には、yおよびzの値は少なくとも5で且つ7以下の供与原子からなるテクネチウム配位圏を与えるであろう。単座の付属リガンドであるAL2の場合には、zは1〜2の整数であり得る。二座または三座の付属リガンドであるAL2の場合には、zは1である。単座リガンドについての好ましい組み合わせは、yが1または2であって、zが1である。二座または三座のリガンドについての好ましい組み合わせは、yが1であって、zが1である。
【0211】
本発明のインジウム、銅、ガリウム、銀、パラジウム、ロジウム、金、白金、ビスマス、イッテリウムおよびランタニドの放射性医薬品は、放射性核種の塩および本発明の試薬を、水溶液中、温度が0〜100℃で混合することによって容易に製造することができる。これらの放射性核種は典型的に、鉱酸(例えば、塩酸、硝酸または硫酸)中の希釈水溶液として得る。該放射性核種は、水溶液に溶解した1〜約1000当量の本発明の試薬と組み合わせる。緩衝液は典型的に、該反応混合物のpHを3〜10の間に維持するために用いられる。
【0212】
本発明のガドリニウム、ジスプロシウム、鉄およびマンガンの金属放射性医薬品は、常磁性金属イオンの塩および本発明の試薬を、水溶液中、温度が0〜100℃の範囲で混合することによって容易に製造することができる。これらの常磁性金属イオンは典型的に、鉱酸(例えば、塩酸、硝酸または硫酸)の希釈水溶液として得られる。該常磁性金属イオンは、水溶液に溶解した1〜約1000当量の本発明の試薬と組み合わせる。緩衝液は典型的に、該反応混合物のpHを3〜10の間に維持するために使用する。
【0213】
製造の総時間は、金属イオンの性質、反応物の性質および量、並びに製造に使用する方法によって変わるであろう。該製造は完結して、1分間で放射性医薬品の>80%収率を得ることができたり、あるいはより長時間を必要とすることもある。より高純度の金属放射性医薬品を必要したりまたは所望される場合には、該生成物は当該分野の当業者にとってよく知られる多数の方法のいくつか(例えば、液体クロマトグラフィー法、固相抽出法、溶媒抽出法、透析または限外ろ過)によって精製することができる。
【0214】
金属医薬品の製造において、および該放射性医薬品の製造に有用な診断用キットにおいて有用な緩衝液としては、例えばリン酸塩、クエン酸塩、スルホサリチル酸塩および酢酸塩を含むが、これらに限定されない。より完全なリストは、米国薬局方で知ることができる。
【0215】
放射性医薬品の製造に有用な診断用キットの製造に有用な凍結乾燥剤としては、例えばマンニトール、ラクトース、ソルビトール、デキストラン、フィコールおよびポリビニルピロリドン(PVP)を含むが、これらに限定されない。
【0216】
金属医薬品の製造において、および放射性医薬品の製造に有用な診断用キットにおいて有用な安定化剤としては、例えばアスコルビン酸、システイン、モノチオグリセロール、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、ゲンチジン酸およびイノシトールを含むが、これらに限定されない。
【0217】
金属医薬品の製造において、および放射性医薬品の製造において有用な診断用キットにおいて有用な可溶化剤としては、例えばエタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン・モノオレイン酸塩、ソルビタン・モノオレイン酸塩、ポリソリベート、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロック共重合体(プルロニック(Pluronics))およびレシチンを含むが、これらに限定されない。好ましい可溶化剤は、ポリエチレングリコールおよびプルロニックである。
【0218】
金属医薬品の製造において、および放射性医薬品の製造において有用な診断用キットにおいて有用な静菌剤としては、例えばベンジルアルコール、ベンズアルコニウムクロリド、クロロブタノール、およびメチル、プロピルもしくはブチルパラベンを含むが、これらに限定されない。
【0219】
診断用キットにおける成分はまた、1つ以上の機能を果たすことができる。還元剤はまた安定化剤として機能することもでき、緩衝液はまた運搬リガンドとして機能することもでき、凍結乾燥剤はまた運搬、付属または補助リガンドなどとして機能することもできる。
【0220】
該診断用放射性医薬品は、通常サリン溶液中で、体重70kg当たり1〜100mCiの用量で静脈内注射によって投与する。画像診断は公知の方法を用いて行なう。
【0221】
治療学的な放射性医薬品は、通常サリン溶液中で、体重70kg当たり0.1〜100mCiの用量で、好ましくは体重70kg当たり0.5〜5mCiの用量で静脈内注射によって投与する。
【0222】
本発明の核磁気共鳴画像診断造影剤は、米国特許第5,155,215号;米国特許第5,087,440号;MargerstadtらによるMagn. Reson. Med., 1986, 3, 808;RungeらによるRadiology, 1988, 166, 835;およびBousquetらによるRadiology, 1988, 166, 693に記載されている他のMRI剤と同様な方法で使用することができる。通常、造影剤の減菌した水溶液は、用量が体重kg当たり0.01〜1.0mmolの範囲で患者に静脈内投与される。
【0223】
X−線造影剤として使用する場合には、本発明の組成物は通常、濃度が1mM〜5M、好ましくは0.1M〜2Mの重原子を有する。静脈内注射によって投与される用量は典型的に、0.5mmol/kg〜1.5mmol/kgであり、好ましくは0.8mmol/kg〜1.2mmol/kgである。画像診断は、公知の方法を用いて行ない、X−線コンピューターの断層撮影が好ましい。
【0224】
本発明の超音波造影剤は、体重kg当たり音波発生ガスの10〜30μLの用量で静脈内注射によるか、または速度が約3μL/kg/分での注入によって投与する。画像診断は、断層撮影の公知の方法を用いて行なう。
【0225】
本発明の他の特徴は、以下の典型的な態様の記載から明白となるであろうが、これらは本発明を例示するものであって、限定することを意図するものではない。
【0226】
実施例
本発明の化合物を製造するのに使用することができる代表的な物質および方法を、以下に記載する。
【0227】
マニュアル固相ペプチド合成は、25mLのポリプロピレンろ過チューブ(BioRad社製)または60mLの時間−ガラス(hour-glass)反応容器(Peptides International社製)中で行なった。オキシム樹脂(置換レベルは0.96 mmol/g)は、公知の方法(DeGradoおよびKaiserによるJ.Org. Chem. 1980, 45, 1295)に従って製造するか、あるいはNovabiochem社(置換レベルは0.62 mmol/g)から購入した。全ての化学品および溶媒(試薬グレード)は、更に精製することなく、引用した売主から供給されたままで使用した。t−ブチルオキシカルボニル(Boc)アミノ酸および他の出発アミノ酸は、Bachem Inc., Bachem Biosciences Inc. (Philadelphia, PA)、Advanced ChemTech (Louisville, KY)、Peninsula Laboratories (Belmont, CA)またはSigma (St. Louis, MO)から商業的に入手した。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびTBTUは、Advanced ChemTech社から購入した。N−メチルモルホリン(NMM)、m−クレゾール、D−2−アミノ酪酸(Abu)、トリメチルアセチルクロリド、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、1,2,4−トリアゾール、塩化スズ(II)二水和物およびトリス(3−スルホネートフェニル)ホスフィントリナトリウム塩(TPPTS)は、Aldrich Chemical Companyから購入した。ビス(3−スルホネートフェニル)フェニルホスフィン二ナトリウム塩(TPPDS)は、公知の方法(Kuntz, E.による米国特許第4,248,802号)によって製造した。(3−スルホネートフェニル)ジフェニルホスフィン・モノナトリウム塩(TPPMS)は、TCI America, Inc.から購入した。トリシンは、Research Organic, Inc.から入手した。テクネチウム−99m過テクネチウム酸塩(99mTcO4 -)は、DuPont Pharma 99Mo/99mTc テクネライト(Technelite)(登録商標)generatorから入手した。In−111クロリド(インジクロール(Indichlor)(登録商標))は、Amersham Medi-Physics, Inc.から入手した。Sm−153−クロリドおよびルテチウム−177−クロリドは、University of Missouri Research Reactor (MURR)から入手した。イッテリウム−90−クロリドは、Pacific Northwest Research Laboratoriesから入手した。ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸エチル、クロロホルム(CHCl3)、メタノール(MeOH)、ピリジンおよび塩酸(HCl)は、Bakerから入手した。アセトニトリル、ジクロロメタン(DCM)、酢酸(HOAc)、トリフルオロ酢酸(TFA)、エチルエーテル、トリエチルアミン、アセトンおよび硫酸マグネシウムは商業的に入手した。無水エタノールは、Quantum Chemical Corporationから入手した。
【0228】
環状ペプチドの製造のための、オキシム樹脂上でのBoc化学を用いた固相ペプチド合成の一般的製法
実施例において記載する適当に保護した環状ペプチドは、p−ニトロベンゾフェノンオキシム固体支持体(DeGrado, 1982, Scarr and Findeis, 1990)上でBoc−ティーバッグ(teabag)化学(Houghton, 1985)を用いてマニュアル固相ペプチド固相合成によって製造した。5.0 cm x 5.0 cmのティーバッグは、0.75 mmメッシュのポリプロピレンフィルター(Spectra Filters)から調製し、該オキシム樹脂の0.5g(または、1g)を用いてろ過した。該カップリング反応および脱保護反応の工程は、かき混ぜのためのテーブル−トップ撹拌器(table-top shaker)を用いるポリプレピレン反応器中で行なった。該保護したペンタペプチド樹脂中間体の製造は、まずBoc-Gly-OHをオキシム樹脂(置換は0.69 mmol/gまたは0.95 mmol/g)とカップリングさせた。該オキシム樹脂上へのBoc-Gly-OHの結合は、アミノ酸、HBTUおよびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の各々5当量をDMF中で用いることによって達成した。第1のアミノ酸のカップリング反応は通常、2〜3日かけて行なった。洗浄後に、置換レベルをピクリン酸アッセイ(StewartおよびMartin)を用いて測定した。次いで、該樹脂上の未反応のオキシム基を、DIPEAおよびトリメチルアセチルクロリドのDMF溶液を用いてキャップした。該boc基を50%または25%のTFAのDCM溶液を用いて脱保護した(30分間)。他の保護されたbocアミノ酸のカップリング反応は、終夜振り混ぜる(1〜2日間)ことによって、同様な方法で行なった。各新たに付加させたアミノ酸についての該カップリング収率は、ピクリン酸アッセイを用いて測定した。
【0229】
環状ペプチドの製造のための、HMPB-BHA樹脂上でのFmoc−化学を用いた固相ペプチド合成の一般的製法
実施例において記載する適当に保護した直鎖ペプチド前駆体は、Advanced ChemTech Model 90合成機でのFmoc化学および固体支持体としてのHMPB-BHA樹脂を用いた自動固相ペプチド製造によっても製造した。該保護されたペンタペプチド樹脂中間体の製造は、アミノ酸、HBTU、HOBTおよびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の各々3〜5当量をDMF中で使用することによって、商業的に入手可能な(Novabiochem 製)Fmoc-Gly-HMPB BHA樹脂(通常2g、置換は0.47〜0.60mmol/g)ヘ連続してFmoc−アミノ酸をカップリングさせる(3時間)ことによって達成した。該Fmoc−基を、20%ピペリジンのDMF溶液を用いて脱保護した(30分間)。該ペプチドを1%TFA/DCM溶液を用いてHMPB−BHA樹脂から切断し、ピリジンのメタノール溶液(1:10)中の該ペプチド溶液を集めた。該直鎖の保護されたペプチドは、真空下で溶媒および試薬を除去し、該粗残渣のジエチルエーテルをトリチュレートすることによって単離した。
【0230】
商業的に入手することができないいくつかのアミノ酸の製造を、以下の製法において記載する。
【0231】
Tfaアミノ酸の製造
Boc−ホモLys (Tfa)−OHおよびBoc−Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−OHは、それぞれBoc−ホモLys−OHおよびBoc−Cys(2−アミノエチル)−OHをNaOH水溶液中でチオトリフルオロ酢酸エチルと反応させることによって製造し、エタノールから再結晶することによって精製する。
【0232】
Boc−Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)の製造
Boc−Orn (1mmol)のDMF(30mL)溶液に、ベンジルイソシアネート(2.2mmol)およびジイソプロピルアミン(3mmol)を加える。次いで、該反応混合物を室温で終夜撹拌する。該揮発物を真空下で除去し、該粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的の生成物を得る。
【0233】
Boc−Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)の製造
Boc−Orn−OH (10mmol)、1−トシル−2−メチルチオ−2−イミダゾリン(12mmol、このものは商業的に入手可能な2−メチルチオ−2−イミダゾリンヨウ化水素酸(hydriodide)およびp−トルエンスルホン酸無水物をトリエチルアミンの存在下でジクロロメタン(0℃〜RT)中で反応させることから製造する)およびジイソプロピルエチルアミン(12mmol)の溶液を、終夜還流下で撹拌する。該揮発物を除去し、クロマトグラフィー精製によって目的物を単離する。
【0234】
Dap(b−(1−Tos−2−ベンズイミダゾリルアセチル))の製造
1−Tos−2−ベンズイミダゾリル酢酸(10mmol、このものはトシルクロリドおよび通常報告されている条件を用いて製造する)およびN−メチルモルホリン(10mmol)の無水DMF溶液に、クロロギ酸イソブチル(10mmol)を加える。氷浴下で5〜10分間撹拌後に、Boc−Orn−OH(10mmol)およびN−メチルモルホリン(20mmol)の無水DMFを1回で加える。該反応混合物を室温で終夜撹拌し、揮発物を真空下で除去し、該生成物をクロマトグラフィーによって精製する(別法として、Boc−Orn−OHを使用して、該単離した生成物をLiOH水溶液を用いて処理して該酸を得る)。
【0235】
使用するHPLC分析法を以下に記載する。
プレパラティブHPLC(1法)
装置:HP1050
カラム:ビダック(Vydac)C−18(4.6 × 250mm)
検出器:ダイオードアレイ検出器220nm×500ref
流速:1.0mL/分
カラムの温度:50℃
サンプルサイズ:15μL
【0236】
実施例1
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化45】
A部:シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列がBoc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Arg(Tos)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分)。該樹脂をDCM(×5)を用いて洗浄して、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.7474g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物(444.4mg)を得た。ESMS:(C51H63N9O12Sとして)計算値:1025.43;実測値:1026.6[M+H]+1。HPLC分析(1A法)Rt=14.366分、純度=75%。
【0237】
B部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
【化46】
シクロ{Arg(Tos−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.150g、0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を滴下し、温度を−10℃に保った。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却して、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。得た該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(29.7mg、23%)を得た。ESMS:(C29H45N9O8として)計算値:647.34;実測値:648.5[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=10.432分、純度=91%。
【0238】
プレパラティブHPLC(1法)
装置:レイニンラビット(Rainin Rabbit);ダイナマックス(Dynamax)ソフトウェア
カラム:ビダックC−18(21.2mm × 25cm)
検出器:クナウエル(Knauer)VWM
流速:15mL/分
カラムの温度:RT
【0239】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.020g、0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた・該反応混合物を7日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC1法によって精製して、凍結乾燥した固体の標題生成物(TFA塩)(8.9mg、37%)を得た。HRMS:(C42H54N12O12S+Hとして)計算値:951.3783;実測値:951.3767。HPLC分析(1B法)、Rt=14.317分、純度=95%。
【0240】
実施例2
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソ−オクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化47】
A部:3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパン酸の製造
N−(3−(2−(2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)(tert−ブトキシ)ホルムアミド(1.5g、4.68mmol)をDMF(15mL)に加えた。この溶液に、ピリジン(15mL)およびコハク酸無水物(0.47g、4.68mmol)を加え、続いてジメチルアミノピリジン(62mL、0.468μmol)を加えた。該反応混合物を100℃で終夜撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮して、該残渣を水に溶かし、1N HClを用いてpHを2.5とし、酢酸エチル(3×)を用いて抽出した。該有機抽出液を合わせてMgSO4を用いて乾燥し、ろ過した。該ろ液を真空下で濃縮して、油状物の生成物(1.24g、63%)を得た。目的の生成物を更に精製することなく使用した。1H NMR (CDC13) 3.67-3.45 (m, 11H), 3.41-3.28 (m, 2H), 3.21-3.09 (m, 2H), 2.95-2.82 (m, 2H), 2.80-2.35 (m, 3H), 1.81-1.68 (m, 4H), 1.50-1.35 (s, 9H);ESMS(C19H36N2O8として計算)計算値:420.2471;実測値:419.3[M−H]−1。
【0241】
B部:3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパン酸スクシンイミドエステルの製造
【化48】
3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパン酸(1.12g、2.66 mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.40g、3.46mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)溶液に、1−(3−ジメチルアミノピロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.6g、3.46mmol)を加えた。該反応混合物を室温で48時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮して、残渣を0.1N HClに溶かし、酢酸エチル(×3)を用いて抽出した。該有機抽出液を合わせて、水(2×)、次いで飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥してろ過した。該ろ液を真空下で濃縮して、油状物の生成物(1.0g、73%)を得た。該目的の生成物を更に精製することなく使用した。ESMS(C23H39N3O10として計算)計算値:517.2635;実測値:518.2[M+H]+1。
【0242】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−(3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパンアミド)プロピル)−Val}の製造
【化49】
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val・TFA塩(0.040g、0.0457mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(19.1μL、0.137mmol)を加え、5分間撹拌後に、3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパン酸スクシンイミドエステル(0.0284g、0.0548mmol)を加えた。該反応混合物をN2下で48時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートして、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。該粗生成物をプレパラティブHPLC1法によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(7.4mg、14%)を得た。ESMS(C48H79N11O15として計算)計算値:1049.58;実測値:1050.5[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=20.417分、純度=100%。
【0243】
D部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−(3−(N−(3−(2−(2−(3−(アミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパンアミド)プロピル)−Val}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−(3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパンアミド)プロピル)−Val}(6.0mg、0.00515mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。該溶液を2時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をジエチルエーテルを用いてトリチュレートして、生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で濃縮して目的の生成物(6.0mg、98%)を得た。ESMS(C43H71N11O13として計算)計算値:949.52;実測値:950.6[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=14.821分、純度=73%。
【0244】
E部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソオクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−(3−(N−(3−(2−(2−(3−(アミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパンアミド)プロピル)−Val}(5.0 mg、0.00424mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(1.8μL、0.0127mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(2.2mg、0.00509mmol)を加えた。該反応混合物を24時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(2.2mg、38%)を得た。ESMS(C56H80N14O17Sとして計算)計算値:1252.6;実測値:1253.7[M+H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=17.328分、純度=100%。
【0245】
実施例3
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
【化50】
A部:Boc−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp} (0.040g、0.0457mmol)をジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(19.1μL、0.137mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。Boc−Glu(OSu)−OSu(0.0101g、0.0229mmol)を加え、該反応混合物をN2下で18時間撹拌した。次いで、該反応混合物を高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物(38.0mg、55%)を得た。ESMS(C68H103N19O20として計算)計算値:1505.76;実測値:1504.9[M−H]−1。HPLC分析(1B法)、Rt=19.797分、純度=73%。
【0246】
B部:Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}・TFA塩の製造
【化51】
Boc−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}(0.035g、0.0232mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮し、エーテルを用いてトリチュレートした。得られた生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物(30.7mg、76%)を得た。ESMS(C63H95N19O18として計算)計算値:1405.71;実測値:1404.7[M−H]−1。HPLC分析(1B法)、Rt=15.907分、純度=77%。
【0247】
C部:[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]−ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}(0.025g、0.0143mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(6.0μL、0.0429mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0076g、0.0172mmol)を加え、該反応混合物を5日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した目的生成物(12.0mg、43%)を得た。ESMS(C76H104N22O22Sとして計算)計算値:1708.7;実測値:1710.1[M+H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=17.218分、純度=94%。
【0248】
実施例4
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化52】
A部:シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(Bzl)−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列がBoc−Asp(OBzl)−D−Tyr(Bzl)−Lys(z)−Arg(Tos)−Glyオキシム樹脂のN−末端Boc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFA/CH2Cl2)を用いて脱保護した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.8711g、0.44mmol/g)をDMF(15mL)に懸濁した。氷酢酸(47.1μL、0.823mmol)を加え、該反応液を60℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的物(653.7mg)を得た。ESMS(C56H65N9O12Sとして計算)計算値:1087.45;実測値:1088.7[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=17.559分、純度=82%。
【0249】
B部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−Lys}の製造
【化53】
シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(Bzl)−Lys(Cbz)}(0.200g、0.184mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を滴下し、温度を−10℃に保った。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−50℃まで冷却し、1時間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄して高真空下で乾燥した。該粗生成物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(15.2mg、10%)を得た。ESMS(C27H41N9O8+Hとして)計算値:620.3156;実測値:620.3145。HPLC分析(1B法)、Rt=8.179分、純度=100%。
【0250】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−Lys}・TFA塩(0.010g、0.0118mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(5.0μL、0.0354mmol)を加え、5分間撹拌後に、[2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0062g、0.0142mmol)を加えた。該反応混合物を20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した目的生成物(6.2mg、46%)を得た。ESMS(C40H50N12O12S+Hとして計算)計算値:923.3470;実測値:923.3486。HPLC分析(1B法)、Rt=11.954分、純度=100%。
【0251】
実施例5
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化54】
A部:シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列がBoc−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(z)−Arg(Tos)−Gly−オキシムのN−末端Boc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFA/CH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を続けて、DCM(×5)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.7053g、0.44mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(43.0μL、0.750mmol)を加え、該反応混合物を60℃まで72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DCM(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で乾燥して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物(510.3mg)を得た。ESMS(C49H59N9O11S+Hとして計算)計算値:981.40;実測値:982.6。HPLC分析(1A法)、Rt=15.574分、純度=89%。
【0252】
B部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}の製造
【化55】
シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}(0.200g、0.204mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解して、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を滴下し、温度を−10℃に保った。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−50℃まで冷却し、1時間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、プレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した。固体の目的生成物(121.1mg、71%)を得た。HRMS(C27H41N9O7+Hとして計算)計算値:604.3207;実測値:604.3206。HPLC分析(1B法)、Rt=11.197分、純度=100%。
【0253】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}・TFA塩(0.040 g、0.0481 mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(20.1μL、0.144mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0254g、0.0577mmol)を加えた。該反応混合物を20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した目的生成物(38.2mg、78%)を得た。HRMS(C40H50N12O11S+Hとして計算)計算値:907.3521;実測値:907.3534。HPLC分析(1B法)、Rt=14.122分、純度=91%。
【0254】
実施例6
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化56】
A部.Boc−Glu(OSu)−OSuの製造
【化57】
Boc−Glu−OH(8.0g、32.25mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(8.94g、77.64mmol)およびDMF(120mL)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(14.88g、77.64mmol)を加えた。該反応混合物を室温で48時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、残渣を0.1N HClに溶かし、酢酸エチル(3×)を用いて抽出した。該有機抽出液を合わせて、水、飽和炭酸水素ナトリウム、次いで飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥し、ろ過した。該ろ液を真空下で濃縮して、逆相HPLC(ビダックC18カラム、0.1%のTFAを含有する18〜90%のアセトニトリル勾配を使用、Rt=9.413分)によって精製して、白色粉末の目的生成物(8.5g、60%)を得た。1H NMR (CDC13) : 2.98-2.70 (m, 11H), 2.65-2.25 (m, 2H), 1.55-1.40 (s, 9H);ESMS(C18H23N3O10として)計算値:441.1383;実測値:459.2[M+NH4]+1。
【0255】
B部.Boc−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
シクロ(Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe)(0.050g、0.0601mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(25.1μL、0.183mmol)を加えた。5分間撹拌後に、Boc−Glu(OSu)−OSu(0.0133g、0.0301mmol)を加えた。該反応混合物をN2下で20時間撹拌して、次いで高真空下で濃縮して油状物を得て、このものを酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた生成物をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物(43.7g、44%)を得た。HRMS(C64H95N19O18として計算)計算値:1417.71;実測値:1418.8[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=19.524分、純度=73%。
【0256】
C部:Glu(シクロ[Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}・TFA塩の製造
【化58】
Boc−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(0.040g、0.0243mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをジエチルエーテルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的物(39.9mg、100%)を得た。HRMS(C59H87N19O16として計算)計算値:1317.66;実測値:1318.9[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=15.410分、純度=73%。
【0257】
D部:[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ {Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(0.030g、0.0183mmol)のジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、トリエチルアミン(7.6μL、0.0549mmol)を加えて、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0096g、0.0220mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(11.0mg、32%)を得た。ESMS(C72H96N22O20Sとして計算)計算値:1620.7;実測値:1620.1[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=16.753分、純度=91%。
【0258】
実施例7
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化59】
A部:Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化60】
Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(23.4 mg、0.014 mmol)およびトリエチルアミン(7.8μL、0.56mmol)のDMF(2mL)溶液を5分間撹拌した。このものに、Boc−Phe−OSu(5.1mg、0.014mmol)を加え、該反応混合物を窒素下、室温で終夜撹拌した。DMFを真空下で除去し、得られた残渣をTFA(1.5mL)およびジクロロメタン(1.5mL)に溶解した。該溶液を2時間撹拌し、真空下で濃縮してTFA塩の目的生成物(31mg)を得た。ESMS(C68H96N20O17Sして計算)計算値:1464.7;実測値:1465.6[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=15.48分、純度=95%。
【0259】
B部:[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(0.030g、0.016mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(9μL、0.064mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]−ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0099g、0.0220mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。残渣をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(7mg、22%)を得た。ESMS(C81H195N23O21Sして計算)計算値:1767.8;実測値:1768.8[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=17.68分、純度=99%。
【0260】
実施例8
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化61】
A部:シクロ{Arg(Mtr)−Gly−Asp(OtBu)−D−Nal−Lys(Boc)} の製造
【化62】
ペプチド:Asp(OtBu)−D−Nal−Lys(Boc)−Arg(Mtr)−Glyは、Fmoc化学を用いた自動固相合成によって得た。丸底フラスコ(100mL)をHBTU(349mg、0.92mmol)およびDMF(10mL)を用いて満たした。該溶液を60℃で5分間撹拌した。このものに、Asp(OtBu)−D−Nal−Lys(Boc)−Arg(Mtr)−Gly(0.684g)およびヒューニッヒ塩基(0.34mL、1.97mmol)のDMF(10mL)溶液を加え、該溶液を窒素下、60℃で4時間撹拌した。次いで、該溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該固体をろ過し、酢酸エチル(3×5mL)を用いて洗浄し、真空下で乾燥して目的の生成物(520mg、86%)を得た。ESMS(C50H71N9O12Sして計算)計算値:1021.5;実測値:1022.5[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=15.91分、純度=99%。
【0261】
B部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys}・ビスTHF塩の製造
【化63】
シクロ{Arg(Mtr)−Gly−Asp(OtBu)−D−Nal−Lys(Boc)}(500 mg、0.49mmol)、TFA(7mL)、トリイソプロピルシラン(0.25mL)および水(0.25mL)の溶液を、窒素下、室温で18時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去し(3時間かけて)、残渣をジエチルエーテルを用いてトリチュレートして、TFA塩の目的生成物(426mg、98%)を得た。ESMS(C31H43N9O7として計算)計算値:653.3;実測値:654.3[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.30分、純度=97%。
【0262】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[(5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノメチル]−ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys}・TFA塩(0.056g、0.064mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(27μL、0.19mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.039g、0.089mmol)を加えた。該反応混合物を窒素下、終夜撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(49.3mg、72%)を得た。ESMS(C44H52N12O11Sとして計算)計算値:956.4;実測値:957.5[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=16.19分、純度=98%。
【0263】
実施例9
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}の製造
【化64】
A部.Boc−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}の製造
シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}(0.052g、0.059mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(25μL)を加えた。5分間撹拌後に、Boc−Glu(OSu)−OSu(0.013g、0.029mmol)を加えた。該反応混合物をN2下で20分間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得て、このものを酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた生成物をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で濃縮して粗形態の目的生成物(35.2mg)を得た。ESMS(C72H99N19O18としてk計算)計算値:1517.7;実測値:760.1[M+2H]+2。HPLC分析(1B法)、Rt=21.07分(65%)。
【0264】
B部:Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}の製造
【化65】
粗Boc−Glu(シクロ{Lys−Arg− Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}(35.2 mg)のジクロロメタン(1.5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、ジエチルエーテルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して粗目的の生成物(THF塩)(34.9mg)を得た。ESMS(C67H91N19O16として計算)計算値:1417.69;実測値:1418.7[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=19.1分、純度=62%。
【0265】
C部.[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−AspD−Nal}の製造
Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}(34.9 mg)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(10μL、0.074mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(15.2mg、0.0344mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、目的の生成物(THF塩)(3mg)を得た。ESMS(C80H100N22O20Sとして計算)計算値:1720.7;実測値:1722.6[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=19.78分、純度=92%。
【0266】
実施例10
シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val)の製造
【化66】
A部.シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−Lys(Cbz)−D−Val}の製造
ペプチド配列がBoc−Asp(OBzl)−Lys(z)−D−Val−Arg(Tos)−Gly−オキシムのN−末端のBoc−保護基を、標準的な方法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂をジエチルホルムアミド(1.3229g、0.44mmol/g)をジメチルホルムアミド(10mL)に懸濁した。氷酢酸(33.3μL、0.582mmol)を加え、該反応液を65℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートして、高真空下で乾燥し、次いでプレパラティブHPLC(2法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(93.0mg)を得た。ESMS(C45H59N9O11Sとして計算)計算値:933.41;実測値:934.5[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=14.078分、純度=85%。
【0267】
プレパラティブHPLC(2法)
装置:レイニンラビット;ダイナマックスソフトウェア
カラム:ビダックC−18(21.2mm × 25cm)
検出器:クナウエル VWM
流速:15mL/分
カラムの温度:RT
【0268】
B部.シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys−D−Val}の製造
【化67】
シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−Lys(Cbz)−D−Val}(0.080g、0.0856mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解して、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5ml)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。得られた該粗生成物をろ過し、エーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(44.2mg、66%)を得た。ESMS(C23H41N9O7として計算)計算値:555.31;実測値:556.3[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=8.959分、純度=92%。
【0269】
C部.シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys−D−Val}(0.036g、0.0459mmol)のジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、トリエチルアミン(19.2μL、0.0138mmol)を加え、5分間撹拌した。メチルスルホキシド(0.7mL)を加え、続いて2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0243g、0.0551mmo)を加え、該反応混合物を20時間撹拌した。該反応混合物を高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(13.9mg、31%)を得た。ESMS(C36H50N12O11S+Hとして計算)計算値:859.3443;実測値:859.3503[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.479分、純度=92%。
【0270】
実施例11
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
【化68】
A部.Boc−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}(0.400g、0.51mmol)のジメチルホルムアミド(7mL)溶液に、トリエチルアミン(0.21mL、1.53mmol)を加えた。5分間撹拌後に、Boc−Glu(OSu)−OSu(115 mg、0.26mmol)を加えた。該反応混合物をN2下で20時間撹拌し、次いで濃縮して油状物を得た。その結果得られた該生成物をプレパラティブRP−HPLCによっていくらか精製して、生成物(124mg)を得た。ESMS(C56H95N19O18として計算)計算値:1321.71;実測値:1322.6[M+H]+1。
【0271】
B部.Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
【化69】
Boc−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}(0.124g)のジクロロメタン(5mL)溶液に、トリフロオロ酢酸(5mL)を加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをジエチルエーテルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、RP−HPLC精製後に、目的の生成物(THF塩)(16.2mg)を得た。ESMS(C51H87N19O16として計算)計算値:1221.66;実測値:1222.6[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=11.43分、純度=93%。
【0272】
C部.[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}(0.016g、0.01mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液にトリエチルアミン(4.2μL)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0063g、0.014mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該残渣をプレパラティブRP−HPLC(1法)によって精製して、目的の生成物(THF塩)を得た。ESMS(C64H96N22O20Sとして計算)計算値:1524.7;実測値:1525.7[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.20分、純度=99%。
【0273】
実施例12
{シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化70】
A部.シクロ{Arg(Tos)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}の製造
ペプチド配列がBoc−Arg(Tos)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCM(×8)を用いて洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて中和した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.08g、0.36mmol/g)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を55℃まで72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して、油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該得られた固体を逆相HPLC(ビダックC18カラム、0.1%TFAを含有する18〜90%のアセトニトリル勾配を使用、Rt=15.243分)によって精製して、白色粉末の生成物(30%)(101mg)を得た。ESMS(C44H57N9O12Sとして計算)計算値:935.3847;実測値:936.5[M+H]+1。
【0274】
B部.シクロ{Arg−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化71】
保護された環状ペプチドであるシクロ{Arg(Tos)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}(90mg、0.0961mmol)をトリフルオロ酢酸(0.95mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.116mmol)、続いてアニソール(190mL)を加えた。該反応混合物を−16℃で3時間撹拌した。次いで、該ドライアイス/アセトン浴を−35℃まで冷却し、冷エーテル(40mL)を該溶液に加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥し、逆相プレパラティブHPLC(ビダックC18、0.1%TFAを含有する18〜90%勾配のアセトニトリルを使用、Rt=13.383分)によって精製して、標題生成物(17mg、27%)を得た。ESMS(C29H45N9O8として)計算値:647.3391;実測値:648.2[M+H]+1。
【0275】
C部.{シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
シクロ{Arg−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}(14mg、0.0216mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(15mL、0.108mmol)を加え、このものを室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノスルホン酸塩(11mg、0.0260mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、該残渣を逆粗HPLC(ビダックC18カラム、0.1%TFAを含有する10〜90%勾配のアセトニトリルを使用、Rt=16.264分)によって精製して白色粉末の生成物(10mg、49%)を得た。ESMS(C42H54N12O12Sとして計算)計算値:950.3705;実測値:951.3[M+H]+1。
【0276】
実施例13
シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化72】
A部.シクロ{D−Lys(Cbz)−D−Phe−D−Asp(OBzl)−Gly−Arg(Tos)}の製造
ペプチド配列がBoc−Arg(Tos)−D−Lys(Cbz)−D−Phe−D−Asp(OBzl)−Glyオキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFA/CH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DACを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.93g、0.44mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(77μL)を加え、該反応液を60℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得て、次いでこのものをプレパラティブRP−HPLCによって精製した(収量=252mg)。ESMS(C49H59N9O11Sとして計算)計算値:981.40;実測値:982.3[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=14.577分。
【0277】
B部.シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}・TFA塩の製造
【化73】
シクロ{D−Lys(Cbz)−D−Phe−D−Asp(OBzl)−Gly−Arg(Tos)}(0.152g、0.155mmol)をトリフルオロ酢酸(1.55mL)に溶解して−16℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(1.86mL)を温度を−16℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.31mL)を加え、該反応液を−16℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−35℃まで冷却し、20分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、プレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(69mg、〜53%)を得た。ESMS(C27H41N9O7+Hとして計算)計算値:604.3207;実測値:604.4。HPLC分析(1B法)、Rt=10.35分、純度=93%。
【0278】
C部.シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}・TFA塩の製造
シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}・TFA塩(0.056g、0.0673mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(28μL、0.202mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.029g、0.0673mmol)を加えた。該反応混合物を70時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して凍結乾燥した固体の目的生成物(THF塩)(14mg、78%)を得た。ESMS(C40H50N12O11S+Hとして計算)計算値:907.3521;実測値:907.3。HPLC分析(1B法)、Rt=14.17分、純度=99%。
【0279】
実施例14
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化74】
A部.Boc−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp− Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
シクロ(D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg)(0.190g、0.228mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)溶液に、トリエチルアミン(95μL、0.684mmol)を加えた。5分間撹拌後に、Boc−Glu(OSu)−OSu(0.050g、0.114mmol)を加えた。該反応混合物をN2下、20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得て、このものを酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた生成物をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して粗形態の目的生成物(172mg)を得た。ESMS(C64H95N19O18として計算)計算値:1417.71;実測値:1418.7[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=16.8分。
【0280】
B部.Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化75】
Boc−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}(0.172g)のジクロロメタン(4.5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(4.5mL)を加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをジエチルエーテルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥してRP−HPLC後に凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(38mg)を得た。ESMS(C59H87N19O16として計算)計算値:1317.66;実測値:1318.9[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.06分。純度=93%。
【0281】
C部.[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化76】
Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}(0.025g、0.015mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(6.3μL、0.045mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0092g、0.0210mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した目的生成物(TFA塩)(12.5mg)を得た。ESMS(C72H96N22O20Sとして計算)計算値:1620.7;実測値:1622.5[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=14.62分。純度=96%。
【0282】
実施例15
シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化77】
A部.シクロ{D−Phe−D−Lys(Cbz)−D−Asp(OBzl)−Gly−Arg(Tos)}の製造
ペプチド配列がBoc−Arg(Tos)−D−Phe−D−Lys(Cbz)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.5g、0.44mmol/g)をジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(61μL)を加え、該反応液を60℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た(収量=370mg)。ESMS(C49H59N9O11Sとして計算)計算値:981.40;実測値:982.4[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=14.32分(純度=60%)。
【0283】
B部.シクロ{D−Phe−D−Lys−D−Asp−Gly−Arg}・ビスTFA塩の製造
【化78】
粗シクロ{D−Phe−D−Lys(Cbz)−D−Asp(OBzl)−Gly−Arg(Tos)}(0.146g)をトリフルオロ酢酸(1.5mL)に溶解し、−16℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(1.8mL)を、温度を−16℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.3mL)を加え、該反応液を−16℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−35℃まで冷却し、20分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥してプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(100mg)を得た。ESMS(C27H41N9O7+Hとして計算)計算値:604.3;実測値:604.3[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=10.25分、純度=90%。
【0284】
C部.シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg}の製造
シクロ{D−Phe−D−Lys−D−Asp−Gly−Arg}・TFA塩(0.090g、0.108mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(45μL、0.324mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.048g、0.108mmol)を加えた。該反応混合物を70時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(10mg)を得た。ESMS(C40H50N12O11S+Hとして計算)計算値:907.4;実測値:907.3[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.47分、純度=89%。
【0285】
実施例16
シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化79】
A部.シクロ{N−Me−Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−ATA−D−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−ATA−D−Lys(z)−N−Me−Arg(Tos)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCM(8×)を用いて洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で終夜乾燥した。次いで、該樹脂(1.24g、0.39mmol/g)をDMF(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該得られた固体を逆相HPLC(ビダックC18カラム、0.1%TFAを含有する18〜90%のアセトニトリル勾配を使用、Rt=14.129分)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(42mg、9%)を得た。ESMS(C46H56N10O11S2として計算)計算値:988.3571;実測値:989.4[M+H]+1。
【0286】
B部.シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys}の製造
【化80】
シクロ{N−Me−Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−ATA−D−Lys(Cbz)}(36mg、0.0364mmol)をトリフルオロ酢酸(0.364mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.437mmol)を加え、続いてアニソール(70mL)を加えた。該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。次いで、該ドライアイス/アセトン浴を−35℃まで冷却し、該溶液に冷エーテル(40mL)を加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌し、次いで−50℃まで更に冷却し、更に30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥して標題生成物(35mg、100%)を得た。ESMS(C24H38N100O7Sとして計算)計算値:610.2646;実測値:611.4[M+H]+1。
【0287】
C部.シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys}(31mg、0.051mmol)のDMF(2mL)溶液に、トリエチルアミン(28mL、0.204mmol)を加え、該反応混合物を室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ1ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(27mg、0.0612mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。得られた残渣を逆相HPLC(シャンドン(Shandon)HS−BDSカラム、3〜10%のアセトニトリルを使用、Rt=13.735分)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(4mg、8.8%)を得た。ESMS(C37H47N13O11S2として計算)計算値:913.2959;実測値:914.5[M+H]+1。
【0288】
実施例17
シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化81】
A部.シクロ{Cit−Gly−Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)}の製造
ペプチド:Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)−Cit−Glyを、Fmoc化学を用いた自動固相ペプチド合成によって得た(一般的な製法を参照)。丸底フラスコ(100mL)をHBTU(271mg、0.71mmol)およびDMF(10mL)で満たした。該溶液を60℃で5分間撹拌した。このものに、Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)−Cit−Gly(0.456g)およびヒューニッヒ塩基(0.27mL、1.53mmol)のDMF(10mL)を加え、該溶液を窒素下、60℃で4時間撹拌した。次いで、該溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該固体をろ過し、酢酸エチル(3×6mL)を用いて洗浄し、真空下で乾燥して目的の生成物(305mg、78%)を得た。ESMS(C36H56N8O10として計算)計算値:760.4;実測値:761.4[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=11.8分(純度=99%)。
【0289】
B部.シクロ{Cit−Gly−Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)}の製造
【化82】
シクロ{Cit−Gly−Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)}(287mg、0.38mmol)、TFA(6mL)、トリイソプロピルシラン(0.25mL)および水(0.25mL)溶液を、窒素下、室温で4時間撹拌した。該溶媒を真空下で(3時間)除去し、該残渣をジエチルエーテルを用いてトリチュレートして、ろ過し、エーテルを用いて洗浄して目的の生成物(THF塩)(315mg)を得た。ESMS(C27H40N8O8として計算)計算値:604.3;実測値:605.4[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=9.6分、純度=97%。
【0290】
C部.シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys}・TFA塩(0.044g)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(22μL、0.156mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.032g、0.073mmol)を加えた。該反応混合物を窒素下で終夜撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。残渣をプレパラティブRP−HPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(37mg、70%)を得た。ESMS(C40H49N11O12Sとして計算)計算値:907.3;実測値:908.4[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=14.15分、純度=99%。
【0291】
実施例18A
トリス(t−ブチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸の製造
【化83】
A部.2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(((tert−ブチル)オキシカルボニル)メチル)シクロドデシル)酢酸フェニルメチルの製造
【化84】
(1,4,7,10−テトラアザ−4,7−ビス(((tert−ブチル)オキシカルボニル)メチル)シクロドデシル)酢酸tert−ブチル(0.922g、1.79mmol)、TEA(1.8mL)およびブロモ酢酸ベンジル(0.86mL、5.37mmol)の無水DMF(24mL)溶液を、窒素下、周囲温度で24時間撹拌した。該DMFを真空下で除去し、得られた油状物をEtOAc(300mL)に溶解した。この溶液を連続して、水(2×50mL)および飽和NaCl(50mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮してアモルファス固体の標題化合物(1.26g)を得た。MS:m/e 663.5[M+H]。
【0292】
B部.2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(((tert−ブチル)オキシカルボニル)メチル)シクロドデシル) 酢酸の製造
上記のA部の生成物(165mg、0.25mmol)を、EtOH(15mL)中、10%Pd−炭素(50mg)上で24時間水素添加(60psi)を行った。該触媒をフィルターを通してろ過することによって除去し、EtOHを用いて洗浄した。該ろ液を濃縮してアモルファス固体の標題化合物(134mg、94%)を得た。MS:m/e 573.5[M+H]。
【0293】
実施例18
2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化85】
A部.2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(t−ブトキシカルボニルメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化86】
トリス(t−ブチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(28mg、0.049mmol)およびヒューニッヒ塩基(14μL)のDMF(2mL)溶液に、HBTU(17mg、0.0456mmol)を加え、該混合物を5分間撹拌した。このものに、Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(54.1mg、0.0326mmol)のDMF(1mL)溶液を加え、該反応混合物を窒素下、室温で4時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去し、残渣をプレパラティブRP−HPLCによって精製して、凍結乾燥した固体の生成物(THF塩)(18.3mg)を得た。ESMS:(C87H137N23O23として計算)計算値:1872.0;実測値:937.2[M+2H]+2。HPLC分析(1B法)、Rt=19.98分、純度=99%。
【0294】
B部.2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(t−ブトキシカルボニルメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(18.3mg、8.71mmol)のTFA(3mL)溶液を、窒素下、室温で5時間撹拌した。該反応液を真空下で濃縮し、残渣をプレパラティブRP−HPLCによって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(8mg、45%)を得た。ESMS(C75H113N23O23として計算)計算値:1703.8;実測値:853.0[M+2H]+2。HPLC分析(1B法)、Rt=13.13分、純度=99%。
【0295】
実施例19
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA)}の製造
【化87】
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}(0.050g、0.0601mmol)のDMF(2mL)溶液に、トリエチルアミン(41.9μL、0.301mmol)を加えた。この溶液をジエチレントリアミン五酢酸二無水物(0.1074g、0.301mmol)のDMF(2mL)およびメチルスルホキシド(2mL)溶液に4時間かけて滴下した。次いで、該反応混合物を16時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(29.9mg、46%)を得た。ESMS(C41H62N12O16として計算)計算値:978.4;実測値:977.5[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=11.916分、純度=100%。
【0296】
実施例20
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}2(DTPA)の製造
【化88】
実施例9のプレパラティブHPLC(1法)による精製において得た油状物をまた、凍結乾燥した固体の目的生成物(21.5mg、21%)を得た。ESMS(C68H101N21O22として計算)計算値:1563.7;実測値:1562.8[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=15.135分、純度=93%。
【0297】
実施例21
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化89】
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}(0.050g、0.0571mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(39.8μL、0.286mmol)を加えた。この溶液をジエチレントリアミンペンタ酢酸二無水物(0.1020g、0.286mmol)のメチルスルホキシド(2mL)溶液に5時間かけて滴下した。該反応混合物を更に18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(41.9mg、65%)を得た。ESMS(C43H66N12O17として計算)計算値:1022.5;実測値:1021.4[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=15.690分、純度=96%。
【0298】
実施例22
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化90】
A部.シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Orn(d−N−1−Tos−2-イミダゾリニル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(例えば、25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×20分間)。該樹脂を連続して、DCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た。
【0299】
B部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0300】
C部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0301】
実施例23
シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化91】
A部.シクロ[Lys(TFA)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Lys(TFA)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応液を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た。
【0302】
B部.シクロ{Lys(TFA)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Lys(TFA)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却して、30分間撹拌した。得られた該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0303】
C部.シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Lys(Tfa)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)を、DMF(1mL)に溶解しした。トリエチルアミン(0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。該油状物を20%ピペリジン/DMFを用いて処理し、該粗物質をプレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0304】
実施例24
シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化92】
A部.シクロ{Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて脱保護した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(×5)を用いて洗浄して、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物を得た。
【0305】
B部.シクロ{Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5ml)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。該得られた粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0306】
C部.シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を20%ピペリジンのDMFを用いて処理し、該粗物質をプレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0307】
実施例25
シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化93】
A部.シクロ{ホモLys(Tfa)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−ホモLys(Tfa)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をDCM(×5)を用いて洗浄して、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物を得た。
【0308】
B部.シクロ{ホモLys(Tfa)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{ホモLys(Tfa)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。得られる粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0309】
C部.シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{ホモLys(Tfa)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を20%ピペリジンのDMFを用いて処理し、該粗物質をプレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0310】
実施例26
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化94】
A部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的物を得た。
【0311】
B部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。得られた粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0312】
C部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLCによって精製して目的の精製物を得た。
【0313】
実施例27
シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化95】
A部.シクロ{Dap(b−(1−Tos−2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Dap(b−(1−Tos−2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をDMF(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物を得た。
【0314】
B部.シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Dap(b−(1−Tos−2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。該得られた粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0315】
C部.シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を以下に記載の方法によって精製して目的の生成物を得た。
【0316】
実施例28
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化96】
A部.シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Z)−Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を続けて、DCM(×5)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DCM(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た。
【0317】
B部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys}の製造
シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}(0.204mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応液を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−50℃まで冷却し、1時間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0318】
C部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys}・TFA塩(0.0481mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(20.1μL、0.144mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ1ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0254g、0.0577mmol)を加えた。該反応混合物を20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0319】
実施例29
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化97】
A部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Z)−Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応液を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た。
【0320】
B部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys}の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}(0.204mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応液を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−50℃まで冷却し、1時間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0321】
C部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys}・TFA塩(0.0481mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(20.1μL、0.144mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0254g、0.0577mmol)を加えた。該反応混合物を20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0322】
実施例30
シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化98】
A部.シクロ{Lys(Tfa)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}の製造
アミノ配列:Boc−Lys(Tfa)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(50%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて中和した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で終夜乾燥した。次いで、該樹脂(1.0g、約0.36mmol/g)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を55℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。目的の生成物を逆相HPLCによって精製した。
【0323】
B部.シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}・トリフルオロ酢酸塩の製造
保護された環状ペプチドであるシクロ{Lys(Tfa)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}(0.10mmol)をトリフルオロ酢酸(0.95mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.12mmol)を加え、続いてアニソール(190mL)を加えた。該反応混合物を−16℃で3時間撹拌した。次いで、ドライアイス/アセトン浴を−35℃まで冷却し、冷エーテル(40mL)を該溶液に加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌し、次いで−50℃まで冷却し、更に30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥し、逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0324】
C部.シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
シクロ{Lys(Tfa)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}(0.0216mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(15mL、0.108mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0260mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、油状物を20%ピペリジンのDMFを用いて処理し、再度真空下で濃縮した。該残渣を逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0325】
実施例31
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化99】
A部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}の製造
ペプチド配列:Boc-Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbzアミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(50%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCM(×8)を用いて洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて中和した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で終夜乾燥した。次いで、該樹脂(1.0g、約0.36mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を55℃まで72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して、油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。目的の生成物を逆相HPLCによって精製した。
【0326】
B部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}・トリフルオロ酢酸塩の製造
該保護した環状ペプチドであるシクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D-Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}(0.10mmol)をトリフルオロ酢酸(0.95mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.12mmol)を加え、続いてアニソール(190mL)を加えた。該反応混合物を−16℃で3時間撹拌した。次いで、該ドライアイス/アセトン浴を−35℃まで冷却し、冷エーテル(40mL)を該溶液に加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌し、次いで−50℃まで冷却し、更に30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥し、逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0327】
C部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}(0.216mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(15mL、0.108mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0260mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、該残渣を逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0328】
実施例32
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化100】
A部.シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}の製造
ペプチド配列:Boc−Orn(d−N−1−Tos-2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(50%TFA/CH2Cl2)を用いて除去した。DCM(×8)を用いて洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて中和した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で終夜乾燥した。次いで、該樹脂(1.0g、約0.36mmol/g)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を55℃まで72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。目的の生成物を逆相HPLCによって精製した。
【0329】
B部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}・トリフルオロ酢酸塩の製造
保護された環状ペプチドであるシクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}(0.10mmol)をトリフルオロ酢酸(0.95mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.12mmol)を加え、続いてアニソール(190mL)を加えた。該反応混合物を−16℃で3時間撹拌した。次いで、該ドライアイス/アセトン浴を−35℃にまで冷却し、冷エーテル(40mL)を該溶液に加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌し、次いで−50℃まで冷却し、更に30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥し、逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0330】
C部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}(0.0216mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(15mL、0.108mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0260mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、残渣を逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0331】
放射性医薬品の例
以下の方法(A、B)は、式:99mTc(VnA)(トリシン)(ホスフィン)である本発明の放射性医薬品の製造を記載する。ここで、(VnA)はジアゼニド(−N=N−)またはヒドラジド(=N−NH−)部分でTcと結合したビトロネクチン受容体拮抗薬化合物である。該ジアゼニドまたはヒドラジド部分は該ヒドラジノニコチンアミド基の反応から生成し、これらはTc−99mと一緒に遊離ヒドラジンとして存在するかまたはヒドラゾンとして保護されている。Tc配位圏における他の2つのリガンドは、トリシンおよびホスフィンである。
【0332】
A法
スズ還元剤を用いた、式:99mTc(VnA)(トリシン)(ホスフィン)であるTc−99mビトロネクチン受容体拮抗薬複合体の製造
サリンまたは50%水性エタノールに溶解した本発明の試薬(10〜30μg、0.2〜0.4mL)、トリシン(40mg、0.4mL)の水溶液、水またはエタノールに溶解したホスフィン(1〜7mg、0.10〜0.30mL)、0.1M HClに溶解したSnCl2・2H2O(25μg、25μL)、0〜0.25mLのエタノール、およびサリン中の50〜150mCiの99mTcO4 -を、10ccのバイアル中で混合した。該キットを100℃の水浴中で10〜20分間加熱し、次いで試料(50μL)をHPLC(3法)によって分析した。必要ならば、該複合体をHPLCに300〜400μLを注入することによって精製し、該画分を集めて遮蔽したフラスコに入れた。該集めた画分を蒸発させて乾固し、0〜5容量%のツウィーン80を含有するサリンに再溶解し、次いでHPLC(3法)を用いて再分析した。
【0333】
B法
スズ還元剤を使用しない、式:99mTc(VnA)(トリシン)(TPPTS)であるTc−99mビトロネクチン受容体拮抗薬複合体の製造
TPPTS(4.84mg)、トリシン(6.3mg)、マンニトール(40mg)およびコハク酸緩衝液(pH 4.8、0.25mmol)を含有する凍結乾燥したバイアルに、サリンまたは50%エタノール水溶液に溶解した本発明の試薬(0.2〜0.4mL、20〜40μg)、50〜100mCiの99mTcO4 -のサリンを加え、更にサリンを加えて、総量が1.3〜1.5mLを得た。
該キットを、100℃の水浴中で10〜15分間加熱し、次いで該試料をHPLC(3法)によって分析した。必要ならば、該複合体をHPLC上に300〜400μLを注入することによって精製し、該画分を集めて遮蔽されたフラスコに入れた。該集めた画分を蒸発させて乾固し、0〜5容量%のツウィーン80を含有するサリンに再溶解し、次いでHPLC(3法)を用いて再分析した。
【表1】
【0334】
以下の実施例は、式:99mTc(VnA)(トリシン)(L)(ここで、Lはイミン窒素を含有するヘテロ環である)である本発明の放射性医薬品の製造について記載する。ここで、(VnA)はジアゼニド(−N=N−)またはヒドラジド(=N−NH−)部分でTcと結合したビトロネクチン受容体拮抗薬化合物である。Tc配位圏における他の2つのリガンドは、トリシンおよびイミン窒素含有のヘテロ環である。
【0335】
実施例51
Tc−99mビトロネクチン受容体拮抗薬複合体である99mTc(VnA)(トリシン)(1,2,4−トリアゾール)の製造
実施例1の試薬(30μg;0.30mL 50/50のEtOH/H2O)、トリシン(40mg;0.25mL/H2O)、1,2,4−トリアゾール(8mg;0.25mL/H2O)、SnCl2(25μg;25μL/0.1N HCl)、水(0.50mL)および50±5mCiの99mTcO4 -(0.20mL)を遮蔽した10ccのバイアル中で混合し、100℃で10分間加熱した。該キットの内容物(50μL)を以下の方法を用いるHPLC法によって分析した。該生成物は保持時間が8.33分で溶出し、放射化学純度は88.1%であった。
【0336】
DOTA(実施例18)、DTPAモノアミド(実施例19および20)またはDTPAビスアミドキレート因子(実施例21)のいずれかを含む本発明のし薬は、元素記号が31、39,49および58〜71の金属イオンと容易に複合体を形成する。以下の実施例は、153Sm、177Luおよび90Y(これらは、放射性医薬療法において使用するベータ粒子放射性の同位元素である)、並びに111In(これは、放射性医薬造影剤において使用されるガンマ放出性の同位元素である)との複合体の製造を示す。両方のタイプの複合体において、金属イオンは該試薬のDOTA、DTPAモノアミドまたはDTPAビスアミドのキレート化部分と結合する。
【0337】
実施例52および53
Y−90およびLu−177 DOTA含有のビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
透明な封した10mLバイアルに、実施例18の試薬(0.5mL;200μg/mLの0.25M酢酸アンモニウム緩衝液、pH 7.0)を加え、続いて0.05〜0.1mLのゲンチシン酸(ナトリウム塩、10mg/mLの0.25M酢酸アンモニウム緩衝液、pH 7.0)溶液、0.25M 酢酸アンモニウム緩衝液(pH 7.0、0.3mL)、および177LuCl3または90YCl3(100〜200mCi/mL)の0.05N HCl溶液を加えた。該得られた混合物を100℃で35分間加熱した。室温まで冷却後に、得られた溶液の試料について放射性HPLCおよびITLCによって分析した。実施例53の複合体を、質量分析法によって分析した((C75H110N23O23Luとして計算)計算値:1877.6。実測値:1875.8)。このものは同一であることを確認した。
【0338】
実施例54
111In DOTAを含有するビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
鉛で遮蔽したオートサンプラー(300μL)に、ゲンチシン酸(50μL;10mg/mL、0.1M酢酸アンモニウム緩衝液、pH 6.75)溶液を加え、続いて実施例18の試薬(100μL;200μg/mLの0.2M酢酸アンモニウム緩衝液、pH 5.0)および111InCl3(50μL;10mCi/mL)の0.04N HCl溶液を加えた。該反応混合物のpHを約4.0とした。該溶液を100℃で25分間加熱した。得られた溶液の試料を放射性HPLCおよびITLCによって分析した。
表1A:DOTAと共役したビトロネクチン受容体拮抗薬のY−90、In−111およびLu−177複合体についての分析データおよび収率データ
【表2】
【0339】
実施例55および56
In−111 DTPA−モノアミドまたはDTPA−ビスアミドを含有するビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
111InCl3(0.2mL、1.7mCi)の0.1N HCl、1.0M酢酸アンモニウム緩衝液(pH 6.9)および水に溶解した本発明の試薬(0.1mL)を10ccのガラスバイアル中で混合し、室温で30分間反応させた。該反応混合物をHPLC(3法)によって分析した。
表2:111In複合体についての分析データおよび収率データ
【表3】
【0340】
実施例57〜59
Sm−153ビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
0.25mLの153SmCl3ストック溶液(54mCi/μmolのSm、40mCi/mL)の0.1N HClを、1N酢酸アンモニウム緩衝液に溶解した本発明の試薬(50倍モル過剰量)と、10ccのガラスバイアル中で混合した。該反応を室温で〜30分間進行させて、次いでITLCおよびHPLC(3法)によって分析した。必要ならば、該複合体をHPLC上に300〜400μLを注入することによって精製し、該画分を集めて遮蔽したフラスコに入れた。該集めた画分を蒸発させて乾固し、サリンに再溶解し、次いでHPLC(3法)を用いて再分析した。
表3:153Sm複合体についての分析データおよび収率データ
【表4】
【0341】
実施例59の放射性医薬品の非放射性(天然に存在する)サマリウムアナログは、1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH 7、2mL)に溶解した実施例21の試薬(3.3mg、2.9μmol)および0.01M SmCl3の0.1N HCl溶液(0.29mL)とを混合することによって製造した。該反応を室温で〜5時間進行させ、次いで該生成物をHPLC(3法)によって単離した。該揮発物を凍結乾燥することによって除去した。該複合体の同定は、質量分析(API−ESMS:C43H64N12Ol7Smとして計算;計算値[M+2H+ = 1172.9、実測値1172.4])によって確認した。該複合体のストック溶液を水中で調製し、その濃度をビトロネクチン受容体αvβ3に対する該複合体の結合アフィニティーを測定するのに使用するためにICP分析によって測定した。本発明の代表的なIn−111(実施例56)、Y−90(実施例52)およびSm−153(実施例59)の放射性医薬品の構造は、以下に示す通りである。
【化101】
【0342】
実施例60〜62
Lu−177ビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
5×10-9molの本発明の試薬を0.1N 酢酸緩衝液(pH 6.8、1.0mL)に溶解した。0.1N HClに溶解した1×10-9molのLu−177(40μl、3mCi)を加え、該反応を室温で30〜45分間進行させた。該反応混合物をHPLC(3法)によって分析した。
表4:177Lu複合体についての分析データおよび収率データ
【表5】
【0343】
実施例63
実施例21の試薬のガドリニウム複合体を、以下の方法に従って製造した。該試薬(33.5mg)を1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH 7.0、2mL)に溶解し、それに1当量のGd(NO3)3溶液(0.02Mの水溶液)を加えた。該反応混合物を室温で3〜5時間放置し、該生成物をHPLC(4法)によって単離した。該複合体を含有する画分を凍結乾燥し、H2O(1mL)に溶解し、ICP分析によって測定される通り、約2mMのGd溶液を得た。該複合体の同定は、質量分析によって確認した(API−ESMS:(C43H64N12O17Gdとして計算)計算値:1176.2 [M+2H+]、実測値:1176.9)。
【0344】
以下の実施例は、αvβ3受容体拮抗薬である腫瘍血管新生についての標的分子を含む、本発明の超音波造影剤の製造を記載する。
【0345】
実施例64
A部.1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミノ)−12−(シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)ドデカン−1,12−ジオンの製造
【化102】
ドデカン−1,12−二酸ジスクシンイミジルドデシル(0.424g、1mmol)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1.489g、1mmol)およびシクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)・TFA塩(0.831g、1mmol)のクロロホルム(25mL)溶液を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(1mmol)および硫酸ナトリウム(1mmol)を加え、該溶液を窒素下、室温で18時間撹拌した。DMFを真空下で除去し、該粗生成物を精製して、標題化合物を得た。
【0346】
B部.造影剤組成物の製造
1−(1,2−ジパルミトイル−sn−3−ホスホノエタノールアミノ)−12−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)ドデカン−1,12−ジオンの製造は、3つの他の脂質、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホチジン酸、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンおよびN−(メトキシポリエチレングリコール5000カルバモイル)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミンと相対量で1重量%、6重量%、54重量%および41重量%で一緒に混合した。次いで、この脂質混合物の水溶液(1mg/mL)、塩化ナトリウム(7mg/mL)、グリセリン(0.1mg/mL)、プロピレングリコール(0.1mL/mL)の水溶液(pH 6〜7)を2ccガラスバイアル中で調製した。該バイアル中の空気を排気し、ペルフルオロプロパンで置換えて、該バイアルを封した。超音波造影剤組成物は、歯科用のアマルガム機中で該封したバイアルを30〜45秒間振り混ぜることによって完全なものとして、乳白色溶液を得た。
【0347】
実施例65
A部.(ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)の製造
【化103】
N−Boc−ω−アミノ−PEG3400−α−カルボン酸スクシンイミジルエステル(1mmol)およびシクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)(1mmol)のDMF(25mL)溶液に、トリエチルアミン(3mmol)を加えた。該反応混合物を窒素下、室温で終夜撹拌し、該溶媒を真空下で除去した。該粗生成物を50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンに溶解し、4時間撹拌した。揮発物を除去し、ジエチルエーテル中でトリチュレートすることによって、標題化合物をTFA塩として単離した。
【0348】
B部.1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミノ)−12−((ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))ドデカン−1,12−ジオンの製造
【化104】
ドデカン酸ジスクシンイミジル(1mmol)、1,2−ジパルミトイル−sN−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1mmol)および(ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)・TFA塩(1mmol)のクロロホルム(25mL)溶液を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(1mmol)および硫酸ナトリウム(1mmol)を加え、該溶液を窒素下、室温で18時間撹拌した。DMFを真空下で除去し、該粗生成物を精製して標題化合物を得た。
【0349】
C部.造影剤組成物の製造
1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミノ)−12−((ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))ドデカン−1,12−ジオンを、3つの他の脂質:1,2−ジパルミトイル−グリセロ−3−ホスホチジン酸、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホチジルコリンおよびN−(メトキシポリエチレングリコール5000カルバモイル)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミンと相対量が1重量%、6重量%、54重量%、41重量%で一緒に混合した。次いで、この脂質混合物(1mg/mL)、塩化ナトリウム(7mg/mL)、グリセリン(0.1mL/mL)およびプロピレングリコール(0.1mL/mL)の水溶液(pH 6〜7)を、2ccのガラスバイアル中で調製した。該バイアル中の空気を排気し、ペルフルオロプロパンで置換え、該バイアルを封した。該超音波造影剤組成物は、歯科用アマルガム機中で該封したバイアルを30〜45秒間振り混ぜることによって完全なものとして、乳白色の溶液を得た。
【0350】
実施例66
A部.(ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−Glu−(シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))2の製造
【化105】
N−Boc−ω−アミノ−PEG3400−α−カルボン酸スクシンイミジルエステル(1mmol)およびGlu(シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))2(1mmol)のDMF(25mL)溶液に、トリエチルアミン(3mmol)を加えた。該反応混合物を窒素下、室温で終夜撹拌し、該溶媒を真空下で除去した。該粗生成物を50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンに溶解し、4時間撹拌した。揮発物を除去し、ジエチルエーテル中でトリチュレートすることによって、該標題化合物をTFA塩として単離した。
【0351】
B部.1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホノエタノールアミノ)−12−((ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−Glu−シクロ(Arg-Gly-Asp-D-Phe-Lys))2−ドデカン−1,12−ジオンの製造
【化106】
ドデカン酸ジスクシンイミジル(1mmol)、1,2−ジパルミトル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1mmol)および(ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−Glu−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))2・TFA塩(1mmol)のクロロホルム(25mL)溶液を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(1mmol)および硫酸ナトリウム(1mmol)を加え、該溶液を窒素下、室温で18時間撹拌した。DMFを真空下で除去し、該粗生成物を精製して、標題化合物を得た。
【0352】
C.造影剤組成物の製造
1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミノ)−12−((ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−Glu−(シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))2)−ドデカン−1,12−ジオンを、3つの他の脂質:1,2−ジパルミトイル−sN−グリセロ−3−ホスホチジン酸、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンおよびN−(メトキシポリエチレングリコール5000カルバモイル)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミンと相対量が1重量%、6重量%、54重量%および41重量%で一緒に混合した。この脂質の混合物(1mg/mL)、塩化ナトリウム(7mg/mL)、グリセリン(0.1mL/mL)、プロピレングリコール(0.1mL/mL)の水溶液(pH 6〜7)を、2ccのガラスバイアル中で調製した。該バイアル中の空気を排気し、ペルフルオロプロパンで置換え、該バイアルを封した。超音波造影剤組成物は、歯科用のアマルガム機中で該封したバイアルを30〜45秒間振り混ぜることによって完全なものとして乳白色溶液を得た。
【0353】
分析法
HPLC(3法)
カラム:ゾルバックスC18(25cm × 4.6mm)または
ビダックC18(25cm × 4.6mm)
カラムの温度:周囲温度
流速:1.0mL/分
溶媒A:10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH 6)
溶媒B:100%アセトニトリル
検出器:ヨウ化ナトリウム(NaI)放射測定プローブまたはβ線検出器
【数1】
【数2】
HPLC(4法)
カラム:ゾルバックスC18(25cm × 4.6mm)
流速:1.0mL/分
溶媒A:10mM 酢酸アンモニウム
溶媒B:100%メタノール
勾配:
t(分) 0 23 26 27
%B 8 100 100 8
UV検出
【0354】
ITLC法
ゲルマン(Gelman)ITLC−SGストリップス(strips)(2cm×7.5cm)
溶媒系:アセトン:サリン(1:1)
バイオスキャンシステム200を用いて検出。
【0355】
用途
本発明の医薬品は、患者における血管新生の腫瘍脈管構造を画像診断するのに、または患者における癌を処置するのに有用である。γ線を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品は、血管新生の新生脈管構造を含む病理学的な反応(例えば、癌、糖尿病網膜症、黄斑変性症、血管新生術後の血管の再狭窄、および創傷治癒を含む)の画像診断に有用である。診断的な用途としてはまた、不安定な冠動脈症候群(例えば、不安定な冠動脈プラーク)を画像診断することをも含む。ベータ、アルファまたはオージェ電子を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品は、細胞毒性用量の放射線を脈管性新血管新生の部位ヘ運搬することによって、脈管性新血管新生を含む病理学的な反応の処置に有用である。癌の処置は、腫瘍にとって細胞毒性放射用量を与える放射性医薬品を全身投与することによって影響を及ぼす。
【0356】
ガドリニウム、ジスプロシウム、鉄およびマンガンから選ばれる常磁性金属イオンの1つ以上を含む本発明の化合物は、脈管性新血管新生を含む病理学的な反応の核磁気共鳴画像診断法(MRI)の造影剤として有用である。
【0357】
原子番号が20以上である重原子の1つ以上を含む本発明の化合物は、脈管性新血管新生を含む病理学的な反応のX−線画像診断のためのX−線造影剤として有用である。
【0358】
界面活性なミクロフェアを含有する音波発生ガスを含む本発明の化合物は、脈管性新血管新生の含む病理学的な反応の断層撮影のための超音波造影剤として有用である。
【0359】
本発明の代表的な化合物は、以下のインビトロおよびインビボのアッセイおよびモデルにおいて調べ、このものが活性であることが分かった。
【0360】
固定化されたヒト胎盤αvβ3受容体アッセイ
該アッセイ条件を開発し、[I−125]ビトロネクチンを用いて確認した。アッセイの確認はスキャッチャード型式(format)分析(n=3)を含め、受容体の数(B最大値)およびKd(アフィニティー)を測定した。アッセイ型式は、IC50測定前に、最終濃度が10および100nMで予備的にスクリーニングするようにする。3つの標準品(ビトロネクチン、抗αvβ3抗体のLM609および抗αvβ5のP1F6)および5つの参照ペプチドを、IC50測定について評価した。簡単に言えば、該方法は96ウェルプレート中で予め単離した受容体を固体化すること、および終夜インキュベートすることを含む。該受容体を正常で新しく非感染性の(HIV、B型およびC型肝炎、梅毒、並びにHTLVなし)ヒト胎盤から単離した。組織を溶解し、組織デブリを遠心分離によって除いた。該溶解液をろ過した。該受容体を固定化したαvβ3抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって単離した。次いで、該プレートを洗浄用緩衝液を用いて洗浄(3×)する。遮断用(blocking)緩衝液を加え、プレートを室温で120分間インキュベートする。この間、被験化合物および[I−125]ビトロネクチンを貯蔵プレート中で予め混合する。遮断用緩衝液を除き、化合物の混合物をピペットする。競争反応は室温で60分間行なう。次いで、非結合物質を除き、ウェルを分離し、ガンマシンチレーションによってカウントする。
【0361】
他の受容体との結合アッセイ
VEGF受容体、Flk-1/KDRおよびFlt-1に対する本発明の医薬品の結合アフィニティーの測定のためのホールセルアッセイは、OrtegaらによるAmer. J. Pathol., 1997, 151, 1215-1224およびDougherらによるGrowth Factors, 1997, 14, 257-268に記載されている。bFGF受容体に対する本発明の医薬品のアフィニティーを測定するためのインビトロアッセイは、YayonらによるProc. Natl. Acad. Sci USA, 1993, 90, 10643-10647に記載されている。GhoらによるCancer Research, 1997, 57, 3733-40は、アンジオゲニン受容体結合ペプチドについてのアッセイを記載している。SengerらによるProc. Natl. Acad. Sci USA, 1997, 94, 13612-13617は、インテグリンa1B1およびa2B1の拮抗薬についてのアッセイを記載している。米国特許第5,536,814号は、インテグリンa5Blと結合する化合物についてのアッセイを記載している。
【0362】
オンコマウス(Oncomouse)(登録商標)の画像診断
該研究は、c-Neuオンコマウス(登録商標)および同時にコントロールとしてのFVBマウスの使用を含む。該マウスをペントバルビタールナトリウムを用いて麻酔をかけ、約0.5mCiの放射性医薬品を注射する。注射前に、各オンコマウス(登録商標)における腫瘍の位置を記録し、腫瘍の大きさをノギスを用いて測定する。該動物の前側または後側を画像診断するためにカメラの前方に、動物を位置させる。256×256マトリックスおよび2×のズームを用いて2時間かけて連続して、5分間の動的な画像を得る。研究の完結時に、目的の標的領域(ROI)としての該腫瘍および頚動脈の唾液腺の下方の頚部領域におけるバックグラウンド部位を取り囲む(circumscribing)ことによって、画像を評価する。
【0363】
このモデルを用いて、ベータ、アルファまたはオージェ電子を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品の有効性を評価することもできる。該放射性医薬品を適当な量で投与し、該腫瘍における取り込みを非侵襲的に同時発生的な画像診断可能なガンマ放射線を用いたそれら同位元素について画像診断することによるか、または腫瘍の切除および標準的な方法によって存在する放射能の量をカウントすることによるかいずれかによって定量化することができる。該放射性医薬品の治療学的な効果は、コントロールマウスにおける腫瘍の増殖速度対本発明の放射性医薬品を投与したマウスにおける該増殖速度を追跡することによって評価することができる。
【0364】
このモデルを使用して、MRI造影剤としての常磁性金属を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の該常磁性化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能な核磁気共鳴画像診断装置に置き、該腫瘍を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0365】
このモデルを用いて、X−線造影剤としての重原子を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量のX−線吸収化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能なX−線画像診断装置に置き、該腫瘍を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0366】
このモデルを用いて、超音波造影剤としての界面活性なミクロフェアを含有する音波発生ガスを含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の音波発生化合物を投与後に、該動物における腫瘍を、該腫瘍の近位に保った超音波プローブを用いて画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0367】
ウサギのマトリゲル(Matrigel)モデル
このモデルはマウスにおける血管新生の研究を意図するマトリゲルモデルから適用した。マトリゲル(Becton & Dickinson, USA)は、ラミニン、コラーゲンIV、エンタクチン(entactin)、HSPGおよび他の成長因子が豊富な基底膜である。成長因子(例えば、bFGF [500 ng/ml]またはVEGF [2 μg/ml])と一緒に組みあわせ、および該マウスにおける中央の腹腔部位に同時注射した場合には、そのものは凝固してゲルとなり、4〜8日以内に注射部位において血管新生を刺激する。該ウサギモデルにおいて、ニュージーランド白色ウサギ(2.5〜3.0kg)にマトリゲル(2.0ml)をbFGF(1μg)およびVEGF(4μg)と一緒に注射する。次いで、該放射性医薬品を7日後に注射し、画像を得る。
【0368】
このモデルを用いて、ベータ、アルファまたはオージェ電子を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品の有効性を評価することもできる。該放射性医薬品を適当な量で投与し、血管新生部位での取り込みを、非侵襲的に同時発生的な画像診断可能なガンマ放射線を用いたそれら同位元素について画像診断することによるか、または腫瘍の切除および標準的な方法によって存在する放射能の量をカウントすることによるかいずれかによって定量化することができる。該放射性医薬品の治療学的な効果は、コントロールウサギにおける血管新生部位の増殖速度対本発明の放射性医薬品を投与したウサギにおける該速度を追跡することによって評価することができる。
【0369】
このモデルを用いて、MRI造影剤としての常磁性金属を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の該常磁性化合物を投与した後に、全ての動物を商業的に入手可能な核磁気共鳴画像診断装置に置き、血管新生部位を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0370】
このモデルを用いて、X−線造影剤としての重原子を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量のX−線吸収化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能な画像診断装置に置き、血管新生部位を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0371】
このモデルを用いて、超音波造影剤としての界面活性なミクロフェアを含有する音波発生ガスを含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の音波発生化合物を投与後に、該動物における血管新生部位を該腫瘍の近位に保った超音波プローブを用いて画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0372】
イヌの自発性腫瘍モデル
自発性の乳腫瘍を有する成体のイヌを、キシラジン(20mg/kg)/アトロピン(1mL/kg)を用いて鎮静化する。鎮静時に、該動物を完全な麻酔のためにケタミン(5mg/kg)/ジアゼパム(0.25mg/kg)を用いて挿管する。化学的な抑制は、ケタミン(3mg/kg)/キシラジン(6mg/kg)を用いて続け、必要に応じて滴定する。要求されるならば、研究の間、該動物は気管内のチューブによって室内の空気と換気した(12動作/分、25mL/kg)。末梢性動脈は、20Gの静脈内注射用のカテーテルを用いてカテーテル処理した。該カテーテルは一方を化合物の注入部分として機能させ、他方を血液試料の取り出し部分(exfusion)とした。心拍およびEKGを、心拍タコメーター(Biotech, Grass Quincy, MA)(これは、肢の誘導(lead)によって発生した第II誘導の心電図からトリガーする)を用いて追跡した。血液試料を通常、〜10分(コントロール)、注入の最後、(1分)、15分、30分、60分、90分および120分時に、全血の細胞数のカウントのために、採取する。放射性医薬品の用量は、サリンを流しながら、静脈内ボーラスとして300μCi/kgとした。紙のスピードが10mm/分または10mm/秒でポリグラフ記録計(Model 7E Grass)上で、パラメーターを絶え間なく記録した。
【0373】
側方の画像診断は、256×256マトリックス、ズームなしおよび5分間の動的な画像を用いて2時間とした。公知の供給源を、画像場(image field)(20〜90μCi)に置き、目的の領域(ROI)での取り込みを評価する。注射の24時間後に、また画像を得て、該化合物の腫瘍における保持率を測定する。ROI/供給源についての記した領域における全カウントの画分を採取し、公知のμCiを掛けることによって、該取り込みを測定する。該結果は、ROIについてのμCiである。
【0374】
このモデルを用いて、ベータ、アルファまたはオージェ電子を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品の有効性を評価することもできる。該放射性医薬品を適当な量で投与し、該腫瘍での取り込みを、非侵襲的に同時発生的な画像診断可能なガンマ放射線を用いたそれら同位元素について画像診断することによるか、または腫瘍の切除および標準的な方法によって存在する放射能の量をカウントすることによるかいずれかによって定量化することができる。該放射性医薬品の治療学的な効果は経時での腫瘍の大きさを追跡することによって評価することができる。
【0375】
このモデルを用いて、MRI造影剤としての常磁性金属を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の常磁性化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能な核磁気共鳴画像診断装置に置き、該腫瘍を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0376】
このモデルを用いて、X−線造影剤としての重原子を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量のX−線吸収化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能なX−線画像診断装置に置き、該腫瘍を画像診断することができる。造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0377】
このモデルを用いて、音波造影剤としての界面活性なミクロフェアを含有する音波発生ガスを含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の造影剤を投与後に、動物における腫瘍を腫瘍の近位に保った超音波プローブを用いて画像診断することができる。造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0378】
明らかに、本発明の多数の修飾および改変は上記の教示に照らして可能である。従って、本明細書において特に断らない限り、本発明は本特許請求の範囲内で実施することができると理解されるべきである。
(技術分野)
本発明は、癌の診断および処置に有用な新規な医薬品、患者における腫瘍の画像診断法、および患者における癌の処置法を提供する。本発明はまた、新規な医薬組成物および組み合わせ療法にも関するものであって、これらは本発明の化合物またはその医薬的に許容し得る塩、並びに抗癌剤、光増感剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる薬物の少なくとも1つを含む。本発明はまた、治療学的な血管新生処置および新しい血管新生脈管構造の破壊を追跡するのに有用な新規な医薬品をも提供する。該医薬品は、血管新生の間に上方制御される受容体と結合する標的分子、任意の連結基、および治療学的に有効な放射性同位元素または診断的に有用な画像診断可能な分子を含む。該治療学的に有効な放射性同位元素は、細胞毒性となるのに十分な粒子または電子を放射する。該画像診断可能な分子は、γ線または陽電子を放射する放射性同位元素、核磁気共鳴画像診断造影剤、X−線造影剤、または超音波造影剤である。
【0002】
(背景技術)
癌は、米国および世界中での主な公衆の健康の関心事である。百万以上の新規なクラスの浸潤癌が、1998年に米国で診断されるであろうと見積もられている。該疾患の最も蔓延している形態は、肺、乳、前立腺、結腸および直腸の固形腫瘍である。癌は、典型的にインビトロ試験および画像診断法を組みあわせることによって診断される。該画像診断法としては、例えばX−線コンピュータ断層撮影法、核磁気共鳴画像診断法、超音波画像診断法および放射線核種シンチグラフィー法を含む。造影剤が患者に投与されて、X−線CT、MRIおよび超音波によって得られる画像が増大することが多い。腫瘍に局在化する放射性医薬品の投与は、放射線核種シンチグラフィー法に必要である。
【0003】
癌の処置は典型的に、該疾患の種類および大きさにより、外部ビーム放射線治療法および化学療法の単独または組み合わせのいずれかの使用を含む。多数の抗癌剤を入手することができるが、通常それらは全て、正常な組織に対する腫瘍特異性が欠如しており、その結果考慮すべき副作用を生じる。これらの処置様式の有効性はまた限られており、このことは多数の癌の種類、特により蔓延している固形腫瘍疾患についての高い死亡率によって証明される。より有効で特異的な処置方法が必要とされ続けている。
【0004】
様々な画像診断法を癌の診断にために入手することができるにも関わらず、改善された方法についての要求が存在する。特に、癌と他の病理学的な疾患または良性の生理学的な異常症とをよく区別することができる方法が必要とされている。この所望の改善を得るための1つの方法は、腫瘍においてだけ発現するかまたは他の組織中よりも腫瘍中でより有意な大きさにまで発現する受容体と結合させることによって、該腫瘍中で特異的に局在化する金属医薬品を患者に投与することであろう。次いで、該金属医薬品の位置を、ある放射性医薬品の場合には画像診断可能な放射線によるか、または核磁気共鳴画像診断造影剤の場合には直ぐ近傍の水の緩和速度に及ぼすその影響によるかいずれかによって、外部から検出することができる。
【0005】
この腫瘍特異的な金属医薬品の方法はまた、該金属医薬品が粒子を放射する放射性同位元素を含む場合には、癌の処置に使用することもできる。腫瘍部位での該同位元素の放射能の減衰は、腫瘍細胞にとって毒性となるのに十分な電離放射線を与える。腫瘍に対するこの方法の特異性は、細胞毒性剤に曝露されている正常な組織の量を最小とし、従って副作用がより少ないより有効な処置を与え得る。
【0006】
癌の画像診断および処置におけるこれらの所望する改善を得るための従来の努力は、腫瘍細胞の表面受容体と結合する放射線核種で標識化したモノクローナル抗体、抗体フラグメントおよび他のタンパク質またはポリペプチド(すなわち、分子量は10,000D以上である)の使用に集中していた。これらの放射性医薬品の特異性は非常に高いが、それらはいくつかの欠点を有することが多い。第1に、それらの高い分子量のために、それらは通常血流からゆっくりと取り除かれ、その結果該画像において長期間の血液バックグラウンドを生じる。また、それらの分子量のために、それらは腫瘍部位で容易に血管外遊出せず、次いで血管外腔から腫瘍細胞表面へほんのわずかに拡散される。このために、非常に限られた量の放射性医薬品が該受容体に達し、その結果画像診断において非常に低い信号の強度および処置のための不十分な細胞毒性効果を生じる。
【0007】
癌の画像診断および処置ヘの別の方法は、小分子(例えば、腫瘍細胞の表面の受容体と結合するペプチド)を含む。111Inで標識化したソマトスタチン受容体と結合するペプチドである、lllIn−DTPA−D−Phe1−オクテオチド(octeotide)は、ソマトスタチン受容体を発現する腫瘍を画像診断するのに、多数の国において臨床的に使用されている (BakerらによるLife Sci., 1991, 49,1583-91;およびKrenningらによるEur. J. Nucl. Med., 1993,20,716-31)。この放射性医薬品のより高い用量は、これらの種類の癌の潜在的な処置について調べられている(KrenningらによるDigestion, 1996,57,57-61)。いくつかのグループが、画像診断のためにTc−99mで標識化されたlllIn−DTPA−D−Phe1−オクテオチドのアナログ、および療法のためのRe−186で標識化されたアナログの使用について調べられている(Flanaganらによる米国特許第5,556,939号;Lyleらによる米国特許第5,382,654号;およびAlbertらによる米国特許第5,650,134号)。
【0008】
血管新生は、新しい血管が予め存在する毛細血管または毛細血管細動脈から形成することによるプロセスである。そのものは、様々な生理学的なプロセス(これは、排卵、胚発生、創傷修復および心筋での側枝血管の生成を含む)の重要な構成要素である。そのものはまた、多数の病理学的な症状(例えば、腫瘍の増殖および転移、糖尿病網膜症、並びに黄斑変性症)に集中している。該プロセスは、様々なサイトカインおよび成長因子に応答する存在する血管内皮細胞の活性化で開始する。腫瘍遊離性のサイトカインまたは血管新生因子は、該因子についての特定の細胞表面受容体と相互作用することによって血管内皮細胞を刺激する。該活性化された内皮細胞は血管の基底膜を分解する酵素を分泌する。次いで、該内皮細胞は増殖し、そして腫瘍組織に浸潤する。該内皮細胞は分化して管腔を生成し、予め存在する血管についての新しい血管の支脈を生成する。次いで、該新しい血管は腫瘍に栄養素を与え、更なる増殖および転移経路を与える。
【0009】
正常な条件下では、内皮細胞の増殖は非常に遅い反応であるが、そのものは胚形成、排卵および創傷治癒の間の短期間で増加する。細胞代謝回転におけるこの一時的な増加は、多数の増殖刺激因子および増殖抑制因子との組み合わせによって支配される。病理学的な血管新生の場合には、この正常なバランスは破壊され、その結果、続けて内皮細胞の増殖が生じる。同定されているいくつかの前血管新生因子(例えば、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、アンジオゲニン、TGF−α、TGF−βおよび血管内皮増殖因子(VEGF)を含み、一方でインターフェロン−α、インターフェロン−βおよびトロンボスポンジンは血管新生抑制剤の例である。
【0010】
細胞外マトリックスにおける内皮細胞の増殖および転移(migration)は、様々な細胞接着性分子との相互作用によって媒介される(Folkman, J.によるNature Medicine, 1995, 1, 27-31)。インテグリンは、ヘテロ二量体細胞表面受容体の多様なファミリーであって、このものによって内皮細胞は細胞外マトリックスと互いに結合したり、および他の細胞と結合する。インテグリンαvβ3とは、曝露されたトリペプチドであるArg-Gly-Asp分子を有する広範囲にわたる細胞外マトリックスタンパク質に対する受容体であって、このものはそのリガンドであるビトロネクチン、フィブロネクチンおよびフィブリノーゲン等との細胞性接着を媒介する。インテグリンαvβ3は正常な血管で最小限に発現するが、このものは様々なヒトの腫瘍中の血管細胞を有意に上方制御される。αvβ3受容体の機能は、内皮細胞と細胞外マトリックスとの相互作用を媒介し、血管新生シグナル、腫瘍細胞個体群の方向ヘの該細胞の転移を促進することである。bFGFまたはTNF−αによって誘発される血管新生は、インテグリンαvβ3の媒体(agency)に依存し、その一方でVEGFによって誘発される血管新生はインテグリンαvβ5による(ChereshらによるScience, 1995, 270, 1500-2)。内皮細胞の表面におけるインテグリンα1β1およびα2β1の発現の誘発は、VEGFが血管新生を促進することによる別の重要な機構である(SengerらによるProc. Natl. Acad, Sci USA, 1997, 94, 13612-7)。
【0011】
血管新生因子は、内皮細胞表面受容体(例えば、受容体チロシンキナーゼのEGFR、FGFR、PDGFR、Flk−1/KDR、Flt−1、Tek、Tie、ニューロピリン(neuropilin)−1、エンドグリン(endoglin)、エンドシアリン(endosialin)およびAx1)と相互作用する。該受容体Flk−1/KDR、ニューロピリン−1およびFlt−1はVEGFを認識し、これらの相互作用はVEGF誘発性の血管新生において重要な役割を果たしている。受容体チロシンキナーゼのTieサブファミリーもまた血管新生の間に顕著に発現する。
【0012】
腫瘍の増殖および転移反応にとって血管新生は重要であるために、多数の抗癌性の方法がこのプロセスを妨害したりまたは防止するために開発されている。これらの方法の1つは、抗血管新生タンパク質(例えば、アンジオスタチンおよびエンドスタチン)の使用を含む。アンジオスタチンとはプラスミノーゲンの38kDaのフラグメントであって、このものは動物モデルにおいて内皮細胞増殖の強いインヒビターであると示されている。(O'ReillyらによるCell, 1994, 79, 315-328)。エンドスタチンとはコラーゲンXVIIIの20kDaのC−末端フラグメントであって、このものはまた強いインビイターであると示されている(O'ReillyらによるCell, 1997, 88,277-285)。
【0013】
エンドスタチンを用いる全身療法は、動物モデルにおいて強い抗腫瘍活性を生じることが示されている。しかしながら、生物学的な起源のこれら2つの抗癌剤のヒト臨床トライアルは利用能の欠如によって阻害されてきた。
【0014】
抗血管新生療法についての別法は、抗癌剤と結合する血管新生脈管構造において発現する内皮細胞表面受容体と相互作用する標的分子を使用することである。BurrowsおよびThorpe(Proc. Nat. Acad. Sci, USA, 1993, 90, 8996-9000)は、抗体−免疫毒素の接合体を用いて、腫瘍の脈管構造を破壊することによってマウスモデルにおける腫瘍を根絶することを記載している。主な組織適合性複合体の内皮細胞のクラスII抗原に対する抗体を産生して、次いでこのものを細胞毒性剤である脱グリコシル化リシンA鎖と接合させた。同じグループ(Clin. Can. Res., 1995, 1, 1623-1634)は、脱グリコシル化リシンA鎖と接合させた、内皮細胞表面受容体、エンドグリンに対して産生させた抗体の使用について調べている。これらの接合体の両方は、マウスモデルにおいて強い抗腫瘍活性を示した。しかしながら、これらは共に通常のヒトの使用に対してはなお欠点を有する。ほとんどの抗体、または他の大きな外来性のタンパク質と同様に、ヒトへの投与を制限したりまたは排除することができる免疫学的な毒性についての考慮すべき危険が存在する。また、標的とする脈管構造は結合した抗癌剤の局所的な濃度を改善し得るが、該薬物は更に該抗体担体から除かれ、そして該細胞にまで運搬されたりまたは該細胞中に拡散されて細胞毒性となるに違いない。
【0015】
従って、腫瘍の新血管新生の管腔部位を標的とする、血管新生を標的とする治療学的な放射性医薬品と抗癌剤もしくは光増感剤またはそれらの医薬的に許容し得る塩との組み合わせを提供して、各々の処置様式の単独と比較して驚くべき且つ増大した程度の腫瘍の抑制を示し、有意な副次的な毒性を有しないことが望ましい。
【0016】
光力学的療法もまた、癌の処置において使用される。光力学的療法は、光増感剤の投与および続いて光を照射して該光増感剤を励起して、その結果、細胞毒性効果を与えることを含む。Spearsによる米国特許第4,512,762号;米国特許第4,566,636号;Kellyらによる米国特許第6,235,767号を参照のこと。
【0017】
光力学的療法において、使用する光増感剤は、自然の傾向によるかもしくはそれらが具体的な種類の組織を意図的に標的とする理由によるか、またはその両方によって、悪性細胞中に局在化することができる。放射する場合には、それらは蛍光することができ、従って標的組織を検出するのに関連する診断方法において有用ともなり得る。しかしながら、より重要なことには、該光増感剤は、該化合物が吸収する波長での光を放射した場合には、光増感剤が局在化する細胞または他の組織のいずれについても細胞毒性効果を引き起こす能力を有する。
【0018】
この療法の1つの形態において、特異的な光吸収波帯を有する光増感剤をまず患者に典型的に経口または注射のいずれかによって投与する。体内における異常組織は、正常な組織よりもずっと大きな程度で光増感剤を選択的に吸収することが知られる。より効果的な選択性は、標的とされた細胞における抗原と結合する抗体と結合する光増感剤を用いて達成することができる。次いで、該光増感剤色素を吸収したりまたはそのものと結合する癌腫組織または異常組織は、該光増感剤の吸収波長または波帯に相当する適当な波長または波帯の光を投与することによって破壊される。
【0019】
フォトフリン、ヘマトポルフィリン誘導体などの光増感剤が、知られる(Dougherty, T. J.による(1987) Photosensitizers: therapy and detection of malignant tumours. Photochem. Photobiol., 45, 879-889;並びに、Boyle R. W.およびD. Davidによる(1996) Structure and biodistribution relationships of photodynamic sensitizers. Photochem. Photobiol. 64, 469-485)。また、Rodgersら(米国特許第6,225,333号)は、様々な光増感剤を用いた癌の処置を開示している。該光増感剤は例えば、ナフタロシアニン光増感剤およびテトラピロールベースの光増感剤(このものは、例えばポルフィリン、クロリン(chlorins)、フタロシアニン、ナフタロシアニン、クマリン(coumarins)およびプソラレン(psoralens)を含む)を含む。その上、Mazurら(米国特許第6,229,048号)は、光力学的療法による固体腫瘍の処置法を開示しており、該方法は、以下の群から選ばれる光増感剤を投与することを含む:1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;および2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン。
【0020】
別の方法において、「緑色ポルフィリン」は波長が670〜780nmの範囲にわたる光を用いる光力学的療法において使用される。例えば、Levyらによる米国特許第5,399,583号;Levyらによる米国特許第4,920,143号;Levyらによる米国特許第5,095,030号;およびLevyらによる米国特許5,171,749号を参照。
【0021】
ほとんどの光力学的療法プロトコールにおいて、該光増感剤が局在化されている標的組織にまで放射光が達する方法が見出されなければいけない。例えば、光放射性バルーンカテーテルを使用するか、または「液体光(liquid light)」形態を脈管樹に注射して、該「液体光」が該標的部位での脈管構造を灌流させることができる。Spearsらによる米国特許第4,512,762号。
【0022】
別法
該標的組織は、ファイバー視覚性システムを用いて該処置部位を画像診断することによって視覚的に局在化され、その結果レーザー供給源からの光が該視覚性ファイバーによって正確に方向づけられて、該異常な組織を破壊することができる。内部処置部位が自然の体内オリフィスから接近することができる場合でさえも、標的組織を視覚化するのに、および該処置部位に投与する光療法を正確に方向付けるために、内視鏡が通常必要である。Chenら(米国特許第6,210,425号)は、光療法の投与および該部位の処置のための患者の体内の内部処置部位を同定するための装置および方法を開示している。
【0023】
従って、光増感剤(光力学的療法の一部)、血管新生を標的とする治療学的な放射性医薬品、並びに抗癌剤もしくは放射性増感剤またはそれらの医薬的に許容し得る塩の組み合わせを提供し、該組み合わせは腫瘍の新血管新生の管腔部位を標的として、各々の処置様式の単独と比較して驚くべき且つ増大した程度の腫瘍の抑制を示し、有意な副次的な毒性を有しない。
【0024】
虚血または乏しい灌流となる体内の領域での血流を改善するために、治療学的な血管新生における関心が増大している。数人の研究者は、局在的に投与した成長因子を用いて、肢または心臓のいずれかにおいて新しい脈管構造を形成させている。該成長因子VEGFおよびbFGFはこの使用のための最も一般的なものである。最近の刊行物としては、例えばTakeshita, S.,らによるJ. Clin. Invest., 1994, 93, 662-670;並びに、Schaper, W.およびSchaper, J.によるCollateral Circulation: Heart, Brain, Kidney, Limbs, Kluwer Academic Publishers, Boston, 1993を含む。多数の実験室において調べられている主な利用は、心臓の血流の改善および肢における末梢性血管血流の改善に関するものである。例えば、Henry, T.ら(J. Amer. College Cardiology, 1998, 31, 65A) は、治療学的な血管新生によって心筋の灌流を改善するための患者における組換えヒトVEGFの使用について記載している。患者にrhVEGFの注入を与え、そして処置の30および60日後に核灌流画像診断法によって追跡して、心筋の灌流の改善を測定した。約50%の患者が核灌流画像診断法による改善を示し、一方で5/7が血管造影法によって新しい側枝化(collatoralization)を示した。
【0025】
従って、核灌流画像診断法、新しい側枝(collatoral)血管の局所結果と同様ではない、新しい側枝血管自身を標的とする心筋血流の改善の追跡法を発見することが望まれる。
【0026】
(発明の概要)
本発明の1つの目的は、抗血管新生医薬品を提供することであって、該医薬品は腫瘍新血管新生において発現する受容体と結合する標的分子、任意の連結基および電離放射線を放射する放射性金属イオン(例えば、ベータ粒子、アルファ粒子およびオージェ電子またはコスタークローニッヒ電子)を含む。該受容体と結合する化合物は、腫瘍新血管新生に対する放射性同位元素を標的とする。ベータ粒子またはアルファ粒子を放射する放射性同位元素は、細胞毒性量の電離放射線を放射し、そのことにより細胞死を生じる。放射線の透過能力は、該細胞毒性薬が分散したり、または細胞ヘ運搬されて細胞毒性となる必要条件を回避する。
【0027】
本発明の別の目的は、関節リウマチを処置するための医薬品を提供することである。これらの医薬品は、血管新生の間に上方制御された受容体と結合する標的分子、任意の連結基、および細胞毒性放射線(すなわち、ベータ粒子、アルファ粒子およびオージェ電子またはコスタークローニッヒ電子)を放射する放射性同位元素を含む。関節リウマチの場合に、非常に高い血管を分布したパンヌスの内方成長は、マクロファージ、免疫細胞または炎症性細胞に浸潤することによって血管新生因子の過剰な産生によって生じる。従って、細胞毒性放射線を放射する本発明の放射性医薬品を用いて新しい血管新生脈管構造を破壊し、その結果該疾患を処置することができる。
【0028】
本発明の別の目的は、組み合わせ療法に使用するためのキットおよび治療学的な放射性医薬品を提供することであって、該医薬品は本発明の放射性医薬品、並びに抗癌剤および放射性増感剤からなる群から選ばれる薬物の少なくとも1つを含む。
【0029】
本発明の別の目的は、組み合わせ療法に使用するためのキットおよび治療学的な放射性医薬組成物を提供することであって、該組成物は本発明の放射性医薬品および光増感剤を含む。
【0030】
本発明の別の目的は、癌の処置法を提供することであって、該方法は癌の処置が必要な患者に本発明の治療学的な放射性医薬組成物を光力学的療法と組み合わせて投与することを含む。
【0031】
本発明の別の目的は、腫瘍画像診断薬を提供することであって、該診断薬は血管新生の間に上方制御された受容体と結合する標的分子、任意の連結基および画像診断可能な分子(例えば、γ線もしくは陽電子を放射する放射性同位元素)、核磁気共鳴画像診断造影剤、X−線造影剤または超音波造影剤を含む。
【0032】
本発明の別の目的は、治療学的な血管新生処置の進行および結果を追跡するための画像診断薬を提供することである。これらの薬物は血管新生の間に上方制御された受容体と結合する標的分子、任意の連結基および画像診断可能な分子を含む。増殖因子の投与後に、本発明の画像診断薬を定期的に静脈内投与し、画像診断を患部、心臓または肢について標準的な方法を用いて行なって、治療学的な血管新生処置の進行および結果を追跡する(すなわち、新血管の形成を画像診断する)ことができる。
【0033】
本発明の別の目的は、本発明の医薬品を製造するのに有用な化合物を提供することである。これらの化合物は、血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態の標的分子であるQ、任意の連結基であるLnおよび金属キレート因子または結合分子であるChを含む。該化合物は金属キレート因子または結合分子と結合する保護基を1つ以上有し得る。該保護基は、長期の保存のために該試薬の安定性を改善し、そして放射性医薬品の製造の直前または同時のいずれかで除く。別法として、本発明の化合物は血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態の標的分子であるQ、任意の連結基であるLnおよび界面活性剤であるSfを含む。
【0034】
本発明の医薬品は、診断用および/または治療学的な目的に使用することができる。本発明の診断用放射性医薬品は、診断学的に有用な放射性核種(すなわち、画像診断可能なγ線または陽電子の放射を有する放射性金属イオン)を含む。本発明の治療学的な放射性医薬品は、治療学的に有用な放射性核種、放射性金属イオン(このものは、例えばベータ粒子、アルファ粒子およびオージェ電子またはコスタークローニッヒ電子などの電離放射線を放射する)を含む。
【0035】
γ線およびまたは陽電子を放射する放射性金属イオンを含む医薬品は、γ線シンチグラフィーまたは陽電子放射性断層撮影法によって腫瘍を画像診断するのに有用である。γ線または陽電子を放射する放射性金属イオンを含む医薬品はまた、γ線シンチグラフィーまたは陽電子放射性断層撮影法によって治療学的な血管新生を画像診断するのに有用でもある。粒子を放射する放射性金属イオンを含む医薬品は、細胞毒性量の放射線を腫瘍に運搬することによって癌を処置するのに有用である。粒子を放射する放射性金属イオンを含む医薬品は、血管新生脈管構造の形成を破壊することによって、関節リウマチを処置するのに有用でもある。常磁性金属イオンを含む医薬品は、核磁気共鳴画像診断造影剤として有用である。X−線吸収剤または原子番号が20以上の「重原子」を含む医薬品は、X−線造影剤として有用である。生体適合性のガスの小泡、液体キャリアーおよび界面活性なミクロフェアを含む医薬品は、超音波造影剤として有用である。
【0036】
(詳細な記載)
[1]従って、第1の態様において、本発明は癌を処置するためのキットであって、このものは式(I)の化合物、抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの薬物またはその医薬的に許容し得る塩、並びに医薬的に許容し得る担体を含む。該式(I)の化合物は、
(Q)d−Ln−Chまたは(Q)d−Ln−(Ch)d'
(I)
の化合物およびおよびその医薬的に許容し得る塩である。
[上記式中、
Qは、独立して式:
【化21】
の群から選ばれるペプチドである。ここで、
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
【化22】
の群から選ばれる式を有する金属との結合単位である。ここで、
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化23】
を形成する。
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意の二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる]。
【0037】
[2]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供する:
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2 〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化24】
を形成する。ここで、
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる]。
【0038】
[3] 別の実施態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供する:
[式中、
Qは、式:
【化25】
の群から選ばれるペプチドである。
R1は、L−バリン、D−バリン、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたD−リシン、またはεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R2は、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、2−アミノチアゾール−4−酢酸、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシン、チロシン、または場合によりヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたチロシンである。
R3は、D−バリン、D−フェニルアラニンまたは場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R4は、D−フェニルアラニン、ヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたD−チロシン、または場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
但し、各QにおけるR1およびR2の一方がLnとの結合によって置換されており、且つR2が2−アミノチアゾール−4−酢酸であるという条件で、KはN−メチルアルギニンである。
dは、1または2である。
各Wは独立して、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、(CH2CH2O)s ’および (CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、NHC(=O)R11およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0である。
h’’は、0、1、2および3から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
s’は、1または2である。
tは、1または2である。
Chは、
【化26】
(式中、
A1は、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
A2、A4およびA6は各々、Nである。
A3、A5およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合またはLnとのNH−結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。
R17は、=Oである)
であるか;
Chは、
【化27】
(式中、
A1は、NH2またはN=C(R20) (R21)である。
Eは、結合である。
A2は、NHR13である。
R13は、R17で置換されたヘテロ環であって、該ヘテロ環はピリジンおよびピリミジンから選ばれる。
R17は、Lnとの結合、C(=O)NHR18およびC(=O)R18から選ばれる。
R18は、Lnとの結合である。
R24は、−CO2R25、−OR25、−SO3Hおよび−N(R25)2の群から選ばれる。
各R25は独立して、水素およびメチルの群から選ばれる)
であるか;あるいは、
Chは、
【化28】
(式中、
A1、A2、A3およびA4は各々、Nである。
A5、A6およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。そして、
R17は、=0である)
である]。
【0039】
[4] 別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供する。ここで、式Iの化合物は以下の群の化合物、またはそれらの医薬的に許容し得る塩から選ばれる:
(a) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(b) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソ−オクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val};
(c) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp};
(d) シクロ(Arg−Gly−Asp−d−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(e) シクロ{Arg−Gly−Asp−d−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(f) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(g) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(h) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(i) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal};
(j) シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val};
(k) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp};
(l) {シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(m) シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(n) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(o) シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg};
(p) シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(q) シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(r) 2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(s) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA)};
(t) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}2(DTPA);
(u) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA−3−アミノプロピル)−Val};
(v) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(w) シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(x) シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(y) シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(z) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(aa) シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(bb) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ] メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(cc) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(dd) シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(ee) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};および
(ff) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}。
【0040】
[5]別の態様において、本発明はキットが更に1つ以上の付属リガンドおよび還元剤を含む態様1に記載のキットを提供する。
【0041】
[6]別の態様において、本発明は付属リガンドがトリシンおよびTPPTSである態様5に記載のキットを提供する。
【0042】
[7]別の態様において、本発明は還元剤がスズ(II)である態様5に記載のキットを提供する。
【0043】
[8]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、該抗癌剤は、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0044】
[9]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、該抗癌剤はマイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビンおよびリスリドの群から選ばれる。
【0045】
[10]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、該抗癌剤はオキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノールおよびホルメスタンからなる群から選ばれる。
【0046】
[11]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、抗癌剤は、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0047】
[12]別の態様において、本発明は態様1に記載のキットを提供するものであって、放射線増感剤は2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノールからなる群から選ばれる。
【0048】
[13]別の態様において、本発明は抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる薬物またはそれらの医薬的に許容し得る塩の少なくとも1つ、並びに放射性医薬品を含む、治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
a)放射性同位元素;
b)該放射性同位元素とキレート化することができるキレート因子;および
c)標的分子
を含み、
該標的分子は0〜1個の連結基によって該キレート因子と結合し、
該標的分子は血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態である。
【0049】
[14]別の態様において、本発明は態様13に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該標的分子は環状ペンタペプチドであって、該受容体はαvβ3である。
【0050】
[15]別の態様において、本発明は態様14に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
a)33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198AU、199AU、1 69Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素;並びに、
b)式(I):(Q)d−Ln−Chもしくは(Q)d−Ln−(Ch)d'の化合物、
(I)
およびそれらの医薬的に許容し得る塩を含む:
[上記式中、
Qは独立して群:
【化29】
から選ばれるペプチドである。ここで、
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
【化30】
の群から選ばれる式を有する金属との結合単位である。ここで、
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化31】
を形成する。
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意の二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる]。
【0051】
[16] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供する:
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2 〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化32】
を形成する。ここで、
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる]。
【0052】
[17] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性同位元素は153Smである。
【0053】
[18] 別の態様において、本発明は態様17に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−153Sm));
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−153Sm);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(153Sm)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる。
【0054】
[19] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性同位元素は177Luである。
【0055】
[20] 別の態様において、本発明は態様19に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−177Lu));
(DOTA−177Lu)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−177Lu);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(177Lu)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる。
【0056】
[21] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性同位元素は90Yである。
【0057】
[22] 別の態様において、本発明は態様21に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射性医薬品は、
(DOTA−90Y)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys− Arg−Gly−Asp−D−Phe}
である。
【0058】
[23] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、抗癌剤はマイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0059】
[24] 別の態様において、本発明は態様15に記載の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該放射線増感剤は2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノールからなる群から選ばれる。
【0060】
[25] 別の態様において、本発明は癌の処置が必要な患者に治療学的な放射性医薬品を投与することを含む患者の癌の処置法を提供するものであって、該治療学的な放射性医薬品は、
a)放射性同位元素;
d)該放射性同位元素1とキレート化することができるキレート因子;および e)標的分子
(ここで、
該標的分子は0〜1個の連結基によって該キレート因子と結合し、
該標的分子は血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態であり、
該放射性同位元素は、33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198Au、199Au、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素である);並びに
抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる薬物、またはそれらの医薬的に許容し得る塩の少なくとも1つ
を含む。
【0061】
[26] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該標的分子はペンタペプチドであって、該受容体はαvβ3またはαvβ5である。
【0062】
[27] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該治療学的な放射性医薬品は、
a)33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198AU、199AU、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素;並びに、
b)式(I):(Q)d−Ln−Chもしくは(Q)d−Ln−(Ch)d'の化合物、
(I)
およびそれらの医薬的に許容し得る塩を含む:
[上記式中、
Qは独立して群:
【化33】
から選ばれるペプチドである。ここで、
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
【化34】
の群から選ばれる式を有する金属との結合単位である。ここで、
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化35】
を形成する。
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意の二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる]。
【0063】
[28] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものである:
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
【化36】
を形成する。ここで、
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる]。
【0064】
[29] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものである:
[式中、
Qは、式:
【化37】
の群から選ばれるペプチドである。
R1は、L−バリン、D−バリン、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたD−リシン、またはεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R2は、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、2−アミノチアゾール−4−酢酸、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシン、チロシン、または場合によりヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたチロシンである。
R3は、D−バリン、D−フェニルアラニンまたは場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R4は、D−フェニルアラニン、ヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたD−チロシン、または場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
但し、各QにおけるR1およびR2の一方がLnとの結合によって置換されており、且つR2が2−アミノチアゾール−4−酢酸であるという条件で、KはN−メチルアルギニンである。
dは、1または2である。
各Wは独立して、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、(CH2CH2O)s ’および (CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、NHC(=O)R11およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0である。
h’’は、0、1、2および3から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
s’は、1または2である。
tは、1または2である。
Chは、
【化38】
(式中、
A1は、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
A2、A4およびA6は各々、Nである。
A3、A5およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合またはLnとのNH−結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。
R17は、=Oである)
であるか;
Chは、
【化39】
(式中、
A1は、NH2またはN=C(R20) (R21)である。
Eは、結合である。
A2は、NHR13である。
R13は、R17で置換されたヘテロ環であって、該ヘテロ環はピリジンおよびピリミジンから選ばれる。
R17は、Lnとの結合、C(=O)NHR18およびC(=O)R18から選ばれる。
R18は、Lnとの結合である。
R24は、−CO2R25、−OR25、−SO3Hおよび−N(R25)2の群から選ばれる。
各R25は独立して、水素およびメチルの群から選ばれる)
であるか;あるいは、
Chは、
【化40】
(式中、
A1、A2、A3およびA4は各々、Nである。
A5、A6およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。そして、
R17は、=0である)
である]。
【0065】
[30] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該式(I)の化合物は以下の化合物またはその医薬的に許容し得る塩形態からなる群から選ばれる:
(a) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(b) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソ−オクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val};
(c) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp};
(d) シクロ(Arg−Gly−Asp−d−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(e) シクロ{Arg−Gly−Asp−d−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(f) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(g) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(h) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(i) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal};
(j) シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val};
(k) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp};
(l) {シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(m) シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(n) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(o) シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg};
(p) シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(q) シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(r) 2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(s) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA)};
(t) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}2(DTPA);
(u) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA−3−アミノプロピル)−Val};
(v) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(w) シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(x) シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(y) シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(z) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(aa) シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(bb) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ] メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(cc) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(dd) シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(ee) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};および
(ff) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}。
【0066】
[31] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該放射性同位元素は153Smである。
【0067】
[32] 別の態様において、本発明は態様31に記載の方法を提供するものであって、放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−153Sm));
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−153Sm);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(153Sm)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる。
【0068】
[33] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該放射性同位元素は177Luである。
【0069】
[34] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該放射性医薬品は
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−177Lu));
(DOTA−177Lu)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−177Lu);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(177Lu)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる。
【0070】
[35] 別の態様において、本発明は態様27に記載の方法を提供するものであって、該放射性同位元素は90Yである。
【0071】
[36] 別の態様において、本発明は態様35に記載の方法を提供するものであって、該放射性医薬品は、
(DOTA−90Y)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys− Arg−Gly−Asp−D−Phe}
である。
【0072】
[37] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該放射性医薬品および薬物の投与は同時である。
【0073】
[38] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該治療学的な放射性医薬品および薬物の投与は連続的である。
【0074】
[39] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該癌は、肺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、精巣癌、肝臓癌、耳下腺癌、胆管癌、結腸癌、直腸癌、頚部癌、子宮癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、甲状腺癌、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、黒色腫、神経こう腫および神経芽細胞腫の癌腫からなる群から選ばれる。
【0075】
[40] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、抗癌剤はマイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0076】
[41] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該放射線増感剤は、
2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、
N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、
3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、
1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび
1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノール
からなる群から選ばれる。
【0077】
[42] 別の態様において、本発明は態様25に記載の方法を提供するものであって、該抗癌剤は抗癌薬物の剤である。
【0078】
[43] 別の態様において、本発明は態様25に記載の癌の処置法を提供するものであって、投与は注射または注入による。
【0079】
[44] 別の態様において、本発明は態様25に記載の癌の処置法を提供するものであって、該方法は更に近接照射療法、外部ビーム放射線療法、レーザー療法または外科的な除去法によって癌を処置することを含む。
【0080】
[45] 別の態様において、本発明は包装材料および該包装材料内に含まれる態様13に記載の治療学的な放射性医薬組成物を含むキットであって、該包装材料は該治療学的な放射性医薬組成物が癌を処置するのに使用することができることを示すラベルまたは添付書類を含む。
【0081】
[46] 別の態様において、本発明は態様13の治療学的な放射性医薬組成物を提供するものであって、該組成物は更に光増感剤を含む。
【0082】
[47] 別の態様において、本発明は態様46に記載の治療学的な放射線医薬組成物を提供するものであって、該光増感剤は、フォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる。
【0083】
[48] 別の態様において、本発明は態様45に記載のキットを提供するものであって、該キットは更に光増感剤を含む。
【0084】
[49] 別の態様において、本発明は態様48に記載のキットを提供するものであって、該光増感剤はフォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる。
【0085】
[50] 別の態様において、本発明は態様25に記載の癌の処置法を提供するものであって、該方法は更に光力学的治療法を用いて患者を処置することを含む。
【0086】
[51] 別の態様において、本発明は態様50に記載の癌の処置法であって、該光力学的治療法は、
a)本発明の治療学的な放射性医薬組成物および光増感剤を患者に投与すること(ここで、該光増感剤は特徴的な光吸収波帯を有し、且つ異常組織によって優先的に吸収される);
b)複数の光供給源にとって必要であり、且つ内部の処置部位での異常組織を画像診断するのに使用する信号を得る画像診断装置を与えること(ここで、該光供給源は光増感剤に特徴的な光吸収波帯に相当する波帯で光を放射し、そして該波帯は患者の真皮層から内部の処置部位へ浸透するのに十分に長い波長を含む)
c)画像診断装置によって得られる信号に対する応答の際に発生した標的部位での異常組織のイメージを観察することによって、画像診断装置を用いて患者の体内の内部の標的部位での異常組織の位置を決定すること;
d)光供給源にエネルギーを与えて、画像診断装置を用いて決定した位置での内部の標的部位に光療法を投与すること
を含む。
【0087】
[52] 別の態様において、本発明は態様47に記載の癌の処置法を提供するものであって、該光増感剤(光反応性剤)と標的組織とを選択的に結合させる結合剤を含有することによって、該光増感剤は標的組織で特異的に標的化する。
【0088】
[53] 別の態様において、本発明は態様51に記載の癌の処置法を提供するものであって、光増感剤はフォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる。
【0089】
本発明の別の態様は、癌の画像診断薬としてまたは新しい血管の形成を画像診断するための画像診断薬として有用な放射性医薬品の製造のための診断用キットである。本発明の診断用キットは、減菌で非発熱性の製剤を含有するバイアルを1つ以上含み、該製剤は予め決めた量の本発明の試薬、並びに場合により他の成分(例えば、1個または2個の付属リガンド、還元剤、運搬リガンド、緩衝剤、凍結乾燥剤、安定化剤、可溶化剤および静菌剤)を含む。該製剤における1個以上の任意成分を含有することにより、当該分野の当業者による放射性医薬品の製造の容易さ、キットの製造の容易さ、キットの寿命または該放射性医薬品の安定性および寿命を改善されることが多い。1個または2個の付属リガンドの含有は、ヒドラジンまたはヒドラゾン結合分子を含有する試薬を含む診断用キットにとって必要である。該製剤の全てまたは一部を含む1個以上のバイアルが独立して、減菌な液体または凍結乾燥した固体の形態をとることができる。
【0090】
本発明の別の態様は、本発明の抗癌剤および血管新生を標的とする治療学的な放射性医薬品の組み合わせを企図し、これは腫瘍の新血管新生の管腔部位を標的として、各々の処置様式の単独と比較して驚くべき且つ増大した程度の腫瘍の抑制を示し、有意な副次的な毒性を有しない。
【0091】
本発明の別の態様は、本発明の化合物(すなわち、該化合物はキレート因子と結合する標的分子はペプチドまたはペプチド擬態であって、このものは血管新生の間に上方制御された受容体と結合し、該化合物は該標的分子およびキレート因子の間に0〜1つの連結基を有する)を企図する。該化合物は、1つ以上の以下の化合物からなる群から選ばれる抗癌剤の1つ以上の組み合わせ療法で投与する。ここで、抗癌剤はマイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる。
【0092】
該組み合わせ療法は更に場合により、放射線増感剤またはその医薬的に許容し得る塩を含んで、抗癌剤と一緒になって放射性治療学的な効果を増大する。該放射線増感剤は2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド、N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モリホリンカルボキサミジン、3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノールからなる群から選ばれる。放射線増感剤についての十分な詳細は、Rowinsky-EKによるOncology-Huntingt., 1999年10月13日 (10 Suppl 5): 61-70; CheN−AYらによるOncology-Huntingt. 1999年10月13日(10 Suppl 5): 39-46; Choy-HによるOncology-Huntingt. 1999年10月13日 (10 Suppl 5): 23-38;およびHerscher-LLらによるOncology-Huntingt. 1999年10月13日(10 Suppl 5): 11-22(これらは本明細書の一部を構成する)において提示されている。
【0093】
本発明の更なる態様は、複数の活性成分を有するキット(これは、担体を有したり、有しなかったりする)を提供するものであって、このものは一緒になって本発明の新規な組み合わせ療法を行なうのに有効に用いることができる。
【0094】
本発明の別の態様は、新規な医薬組成物を提供するものであって、有利な組み合わせ療法において使用する際に単独でおよび自発的に有効である。その理由は、該医薬組成物は本発明の化合物、および抗癌剤または放射線増感剤を含んでおり、そしてこれらは本発明に従って使用することができるからである。
【0095】
別の態様において、本発明は処置が必要な患者における癌の処置法を提供するものであって、該方法は本発明の化合物の治療学的に有効な量、および抗癌剤および放射線増感剤を含む群から選ばれる薬物の少なくとも1つの治療学的に有効な量を投与することを含む。
【0096】
光力学的を行なう方法および使用することができる光増感剤は、当該分野でよく知られる。例えば、それらは、米国特許第6,248,741号、6,248,734、6,248,727、6,248,117、6,245,811、6,238,426、6,238,392、6,233,481、6,229,048、6,232,613、6,225,333、6,223,071、6,219,577、6,219,575、6,217,869、6,217,848、6,216,540、6,212,425、6,211,626、6,208,886、6,207,464、6,207,107、6,198,532、6,194,415および6,186,628(これらは本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0097】
簡潔さのために、別々の態様の内容で記載する本発明のある特徴を、1つの態様において組み合わせとして提供することもできる。逆に言えば、簡潔さのために1つの態様において記載する本発明の様々な特徴を、別々にまたはいずれかの組み合わせで提供することもできる。
【0098】
(定義)
本明細書に記載の化合物は、不斉中心を有し得る。特に断わらなければ、全てのキラル形態、ジアステレオ的な形態およびラセミ形態は本発明に包含する。オレフィン、C=N二重結合等の多数の幾何異性体もまた本明細書に記載の化合物として存在することができ、それらの安定な異性体の全てを本発明に包含する。本発明の化合物は不斉な置換された炭素中心を含んでおり、そして光学的に活性な形態でまたはラセミ形態で単離することができることが認められるであろう。光学活性な形態の製造法(例えば、ラセミ体の分割または光学的に活性な出発物質からの製造)は当該分野で良く知られる。ペプチド結合における2つの別個の異性体(シスおよびトランス)が生じることが知られており、これらは共に本明細書に記載する化合物として存在することもでき、そしてそれらの安定な異性体の全てを本発明に包含する。特定のアミノ酸のD−異性体およびL−異性体は、例えばD−LeuまたはL−Leuによって示す通り、アミノ酸についての一般的な3文字表記を用いて本明細書に示す。
【0099】
いずれかの置換基またはいずれの式において改変部分が1つ以上ある場合には、各々の定義はあらゆる他の改変時でのその定義から独立している。従って、例えば基が0〜2個のR52で置換されている場合には、該基は場合により2個以下のR52で置換されており、各R52は独立して、可能なR52について定義した表から選ばれる。また、例えば基:−N(R53)2基については、N上の2つのR53置換基の各々は独立して、可能なR53について定義した表から選ばれる。組み合わせにより安定な化合物を与える場合においてだけ、置換および/または改変の組み合わせが許容され得る。置換基との結合が環内の2つの原子を連結する結合と交わっていると示す場合には、それらの置換基は該環上のいずれかの原子と結合することができる。
【0100】
「試薬」とは、本発明の金属医薬品に直接に変換することができる本発明の化合物を意味する。試薬は、本発明の金属医薬品の製造に直接に使用することができたり、あるいは本発明のキット中の成分であり得る。
【0101】
用語「結合剤」とは、ビトロネクチン受容体に対するアフィニティーを有したり、および該受容体と結合することができる本発明の金属医薬品を意味する。本発明の結合剤は、Kiが<1000nMを有することが好ましい。
【0102】
本明細書において使用する金属医薬品は、金属を含有する医薬的に許容し得る化合物を意味し、該化合物は画像診断、核磁気共鳴画像診断、造影画像診断またはX−線画像診断に有効である。該金属は診断上の利用において画像診断可能な信号の原因であり、放射性治療学的な利用における細胞毒性放射線の供給源である。放射性医薬品は、金属が放射性同位元素である金属医薬品である。
【0103】
本明細書における「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離および有効な医薬製剤ヘの製剤化に対して耐えるのに十分に強い化合物を意味する。
【0104】
本明細書に使用する用語「置換された」とは、示した原子または基の通常の原子価を越えないという条件で、該示す原子または基上の1つ以上の水素原子が示した基からの選択物で置き換わることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合には、該原子上の2つの水素原子は置き換わっている。
【0105】
本明細書において使用する「結合」とは、単結合または二重結合のいずれかを意味する。
【0106】
本明細書で使用する用語「塩」とは、水素イオンまたはヒドロキシルイオンを除くイオンを与えるいずれの物質と同じように、the CRC Handbook of Chemistry and Physics, 65th Edition, CRC Press, Boca Raton, Fla, 1984において定義されている通りに使用する。本明細書において使用する「医薬的に許容し得る塩」とは、酸または塩基の塩を製造することによって改変される開示した化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容し得る塩としては例えば、塩基性残基(例えば、アミン)の無機酸または有機酸の塩;酸性残基(例えば、カルボン酸)のアルカリ塩または有機塩等を含むが、これらに限定されない。
【0107】
本明細書で使用する用語「医薬的に許容し得る」とは、健全であるという医学的な判断の範囲内にあり、ヒトおよび動物の組織との接触の際に過剰な毒性、刺激作用、アレルギー応答または他の問題もしくは合併症を伴わずに使用するのに適当であり、合理的な利点/危険率が釣り合った化合物、物質、組成物および/または用量形態を意味するのに使用する。
【0108】
本明細書で使用する用語「医薬的に許容し得るプロドラッグ」とは、健全であるという医学的な判断の範囲内にあり、ヒトおよび下等動物の組織との接触の際に過度の毒性、刺激作用、アレルギー応答等を伴って使用するのに適当であり、合理的な利点および/危険率が釣り合っており、そしてそれらの目的の用途に有効である化合物のプロドラッグ、並びに可能ならば本発明の化合物の双性イオンを意味する。用語「プロドラッグ」とは、例えば血液中での加水分解によってインビボで容易に変換されて上記の式の親化合物を与える化合物を意味する。代謝による切断によってインビボで容易に変換することができる官能基は、本発明の化合物のカルボキシル基と反応性である基のクラスである。それらは例えば、アルカノイル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等)、無置換および置換のアロイル(例えば、ベンゾイルおよび置換されたベンゾイル)、アルコキシカルボニル(例えば、エトキシカルボニル)、トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリルおよびトリエチルシリル)、ジカルボン酸と一緒に形成するモノエステル(例えば、スクシニル)等を含むが、これらに限定されない。本発明に従って有用な化合物の代謝的に切断可能な基はインビボで切断することが容易であるために、それらの基を有する化合物はプロドラッグとして作用する。該代謝的に切断可能な基を有する化合物は、代謝的に切断可能な基の存在によって、親化合物に与えられている溶解度および/または吸収速度の増大の結果としてバイオアベイラビリティの改善を示すことができるという利点を有する。プロドラッグについての十分な詳細は以下で提示されている:Design of Prodrugs, H. Bundgaard編, Elsevier, 1985; Methods in Enzymology, K. Widderら編, Academic Press, 42, p. 309-396, 1985 ; A Textbook of Drug Design and Development, Krogsgaard-LarsenおよびH. Bundgaardによる編, 5章;「Design and Applications of Prodrugs」, p. 113-191, 1991; Advanced Drug Delivery Reviews, H. Bundgardによる8, p. 1-38, 1992; Journal of Pharmaceutical Sciences, 77, p. 285, 1988; Chem. Pharm. Bull., N. Nakeyaらによる32, p. 692, 1984; Pro-drugs as Novel Delivery Systems, T. HiguchiおよびV. Stellaによる, Vol. 14 of the A. C. S. Symposium Series;並びに、Bioreversible Carriers in Drug Design, Edward B. Roche編, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(これらは本明細書の一部を構成する)。
【0109】
本明細書で使用する用語「医薬的に許容し得る塩」とは、親化合物が酸また塩基の塩を生成することによって改変される、開示する化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容し得る塩としては、例えば塩基残基(例えば、アミン)の無機酸塩または有機酸塩;酸残基(例えば、カルボン酸)のアルカリ塩または有機塩基塩等を含むが、これらに限定されない。該医薬的に許容し得る塩は、例えば非毒性の無機酸または有機酸から形成される、親化合物の通常の非毒性塩または四級アンモニウム塩を含む。例えば、それら通常の非毒性塩としては無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等)から誘導された塩;および有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジフルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸等)から製造された塩を含む。
【0110】
本発明の医薬的に許容し得る塩は、通常の化学的な方法によって、塩基部分または酸部分を含む親化合物から製造することができる。通常、それらの塩はこれらの化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態を定量の適当な塩基または酸と、水もしくは有機溶媒中、またはそれら2つの混合物中で(通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリル等の非水性媒質が好ましい)反応させることによって製造することができる。適当な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985, p. 1418(これは本明細書の一部を構成する)において知られる。
【0111】
本明細書で使用する「アルキル」とは、特定の数の炭素原子を有する分枝および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する。C1 〜 10アルキルとはC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10アルキル基を含むことを意図する。アルキルとは、例えばメチル、エチル、N−プロピル、i−プロピル、N−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、N−ペンチルおよびs−ペンチルを含むが、これらに限定されない。「ハロアルキル」とは、特定の数の炭素原子を有し、1つ以上のハロゲンで置換された分枝および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する(例えば、−CvFwであって、ここで、vは1〜3であり、wは1〜(2v+1)である)。ハロアルキルとしては、例えばトリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチルおよびペンタクロロエチルを含むが、これらに限定されない。「アルコキシ」とは、示した数の炭素原子を有する、酸素結合(bridge)で連結した上で定義するアルキル基を意味する。C1 〜 10アルコキシとは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10のアルコキシ基を含むことを意図する。アルコキシとは例えば、メトキシ、エトキシ、N−プロポキシ、i−プロポキシ、N−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、N−ペントキシおよびs−ペントキシを含むが、これらに限定されない。「シクロアルキル」とは、飽和環基(例えば、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチル)を含むことを意図する。C3 〜 7シクロアルキルとは、C1、C2、C3、C4、C5、C6およびC7シクロアルキル基を含むことを意図する。「アルケニル」とは、直鎖または分枝のいずれかの配置であって、且つ1つ以上の不飽和炭素−炭素結合(これは、いずれかの安定な位置で該鎖に沿って存在し得る)の炭化水素鎖(例えば、エテニルおよびプロペニル)を含むことを意図する。C2 〜 10アルケニルとは、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10アルケニル基を含むことを意図する。「アルキニル」とは、直鎖または分枝のいずれかの配置であって、1つ以上の三重炭素−炭素結合(これは、いずれかの安定な位置で該鎖に沿って存在し得る)の炭化水素鎖(例えば、エチニルおよびプロピニル)を含むことを意図する。C2 〜 10アルキニルとは、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10アルキニル基を含むことを意図する。
【0112】
本明細書で使用する「炭素環」または「炭素環残基」とは、安定な3、4、5、6もしくは7員の単環もしくは二環、または7、8、9、10、11、12もしくは13員の二環もしくは三環であって、それらのいずれも飽和、一部不飽和、または芳香族であり得ることを意味すると意図する。それらの炭素環としては例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフチルを含むが、これらに限定されない。
【0113】
本明細書で使用する用語「アルカアリール」とは、アルキル基を有する、炭素数が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアリール基を意味する。用語「アルアルキル」とは、アリール基を有する、炭素数が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアルキル基を意味する。用語「アリールアルカアリール」とは、アリール基を有する、炭素数が1〜10個のアルキル基を有するアリール基を意味する。そして、用語「ヘテロシクロアルキル」とは、ヘテロ環を有する、炭素数が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアルキル基を意味する。
【0114】
本明細書で使用する用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」とは、安定な5、6もしくは7員の単環もしくは二環のヘテロ環、または7、8、9もしくは10員の二環のヘテロ環であって、飽和、一部不飽和もしくは不飽和(芳香族)であり、炭素原子および1、2、3もしくは4個のヘテロ原子(これは独立して、N、NH、OおよびSからなる群から選ばれる)からなり、上で定義したヘテロ環のいずれかはベンゼン環と縮合しているいずれかの二環基を含有する環を意味すると意図する。該窒素原子および硫黄ヘテロ原子は場合により、酸化されていてもよい。該ヘテロ環はいずれかのヘテロ原子または炭素原子上でのぶら下がり基と結合して、安定な構造を与えることができる。本明細書に記載するヘテロ環は、得られた化合物が安定である場合には、炭素または窒素原子上で置換され得る。該ヘテロ環中の窒素は場合により四級化され得る。該ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を越えない場合には、これらのヘテロ原子は互いに近接していないことが好ましい。該ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を越えないことが好ましい。本明細書で使用する用語「芳香族性ヘテロ環式」または「ヘテロアリール」とは、安定な5、6もしくは7員の単環もしくは二環のヘテロ環式芳香環、または7、8、9もしくは10員の二環のヘテロ環式芳香環であって、炭原子および1、2、3もしくは4個のヘテロ原子(これは独立して、N、NH、OおよびSからなる群から選ばれる)からなる環を意味すると意図する。該芳香族ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を越えないことに注意すべきである。
【0115】
ヘテロ環とは例えば、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチオアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル(chromenyl)、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノオキサチイニル(phenoxathiinyl)、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、フテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアアントレニル(thianthrenyl)、チアゾリル、チアニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルを含むが、これらに限定されない。好ましいヘテロ環は例えば、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、1H−インダゾリル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキサインドリル(oxindolyl)、ベンゾオキサゾリニルおよびイサチノイルを含むが、これらに限定されない。例えば、上記のヘテロ環を含有する縮合環およびスピロ化合物をも含む。
【0116】
「ポリアルキレングリコール」とは、分子量が約5000より低く、ヒドロキシまたはアルキエーテル部分のいずれかで終結したポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリブチレングリコールである。
【0117】
「炭水化物(carbohydrate)」とは、ポリヒドロキシアルデヒド、ケトン、アルコールもしくは酸、またはそれらの誘導体であって、このものはアセタールタイプの重合連結基を有するポリマーを含む。
【0118】
「シクロデキストリン」とは、環状のオリゴ糖である。シクロデキストリンとは、例えばα−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、カルボキシメチル−β−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリン、硫酸化−β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリンおよび硫酸化−γ−シクロデキストリンを含むが、これらに限定されない。
【0119】
本明細書において使用する用語「ポリカルボキシアルキル」とは、2〜約100個の炭素原子および複数のカルボキシル置換基を有するアルキル基を意味する。用語「ポリアザアルキル」とは、2〜約100個の炭素原子を有し、且つ複数のアミン基によって中断されているかまたは置換されている、直鎖または分枝のアルキル基を意味する。
【0120】
「還元剤」とは、電子を放射性核種ヘ移動させることによって、比較的に非反応性な高酸化状態の化合物として得られる該放射性核種と反応してその低酸化状態として、その結果より反応性とする化合物である。放射性医薬品の製造においておよび該放射性医薬品の製造に有用な診断用キットにおいて有用な還元剤は、例えば塩化スズ、フッ化スズ、ホルムアミジンスルフィン酸、アスコルビン酸、システイン、ホスフィンおよび銅(I)もしくは鉄(II)塩を含むが、これらに限定されない。他の還元剤は、BrodackらによるPCT Application 94/22496(これは、本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0121】
「運搬リガンド」とは、望まない副反応から防止するのに十分に安定であるが、金属医薬品に変換するのに十分に反応活性である金属イオンとの中間体の複合体を形成するリガンドである。該中間体の複合体の生成は速度論的であることが好ましく、一方で金属医薬品の生成は熱力学的であることが好ましい。金属医薬品の製造において且つ診断用の放射性医薬品に製造に有用なキットにおいて有用な運搬リガンドとは、例えばグルコン酸、グルコヘプタン酸、マンニトール、グルカル酸、N, N, N', N'−エチレンジアミン四酢酸、ピロリン酸およびメチレンジホスホン酸を含むが、これらに限定されない。通常、運搬リガンドは酸素供与原子または窒素供与原子を含む。
【0122】
用語「供与原子」とは、化学結合によって金属と直接に結合している原子を意味する。
【0123】
「付属リガンド(ancillary)」または「補助リガンド(co-ligand)」とは、製造の間に放射性医薬品に取り込まれるリガンドである。それらは、放射性核種の配位圏を該試薬のキレート因子または放射性核種結合単位で完全なものとするように機能する。2成分のリガンドシステムを含む放射性医薬品については、総計で2種類のリガンドであるキレート因子または結合単位が存在するという条件で、該放射性核種の配位圏は1つ以上の試薬由来の1つ以上のキレート因子または試薬由来の結合単位、および1つ以上の付属リガンドまたは補助リガンドを含む。例えば、1つの放射性医薬品は、1つの試薬由来の1つのキレート因子または結合単位、および同一の付属リガンドまたは補助リガンドの2つを含む。1つもしくは2つの試薬由来の2つのキレート因子または結合単位、および1つの付属リガンドまたは補助リガンドを含む放射性医薬品は、共に2成分のリガンドシステムを含むと考えられる。3成分のリガンドシステムを含む放射性医薬品の場合には、総計で3種類のリガンド、キレート因子または結合単位が存在するという条件で、放射性核種の配位圏は1つ以上の試薬由来の1つ以上のキレート因子または結合単位、および1つ以上の2つの異なる種類の付属リガンドまたは補助リガンドを含む。例えば、1つの試薬由来の1つのキレート因子または結合単位、および2つの異なる付属リガンドまたは補助リガンドを含む放射性医薬品は、3成分のリガンドシステムを含むと考えられる。
【0124】
放射性医薬品の製造において、および該放射性医薬品の製造に有用な診断用キットにおいて有用な付属リガンドまたは補助リガンドは、1つ以上の酸素、窒素、炭素、硫黄、リン、アルシン、セレンおよびテルル供与原子を含む。リガンドは、放射性医薬品の製造における移動リガンドであり得て、そしてまた別の放射性医薬品における付属リガンドまたは補助リガンドとしても機能する。リガンドを移動リガンド、付属リガンドまたは補助リガンドと呼ぶかどうかは、該リガンドが放射性医薬品における放射性核種の配位圏に残っているかどうかによる。このことは、放射性核種の配位化学および、試薬のキレート因子または結合単位によって決まる。
【0125】
「キレート因子(chelator)」または「結合単位(bonding unit)」とは、1つ以上の供与原子を用いた化学結合を形成することによって金属イオンと結合する試薬上の分子または基である。
【0126】
用語「結合部位」とは、生物学的に活性な分子と結合するインビボまたはインビトロでの部位を意味する。
【0127】
「診断用キット」または「キット」とは成分の集合を含み、このものは診断用の放射性医薬品を製造するための臨床的な設定または薬学的な設定において実施しているエンドユーザーによって使用される1つ以上のバイアル中での製剤と呼ばれる。該キットは、実施しているエンドユーザーにとって通常入手することができるもの、例えば注射のための水またはサリン、放射性核種の溶液、放射性医薬品の製造の間にキットを加熱するための装置、必要であれば患者に放射性医薬品を投与するのに必要な装置(例えば、シリンジ、並びに遮蔽装置および画像診断装置)を除いて、診断用放射性医薬品を製造し、使用するのに必要とされる全ての成分を提供する。
【0128】
治療学的な放射性医薬品、X−線造影剤医薬品、超音波造影剤医薬品および核磁気共鳴画像造影剤のための金属医薬品は、典型的に1つのバイアル中に凍結乾燥した固体または水溶液のいずれかとして含まれる製剤の最終形態でエンドユーザーに提供される。該エンドユーザーは、水またはサリンで凍結乾燥したものを再構築し、患者の用量を撤回するか、または提供された水性液体製剤の用量をまさに撤回する。
【0129】
「凍結乾燥剤」とは、凍結乾燥のために好ましい物理的な性質(例えば、ガラス転移温度)を有する成分であって、このものは製剤に加えて、凍結乾燥用製剤の全成分の組み合わせの物理的な性質を改善する。
【0130】
「安定化剤」とは、金属医薬品を安定化するためかまたは使用する前の該キットの寿命を延ばすかのいずれかのために、該金属医薬品または該診断用キットヘ加える成分である。安定化剤は、抗酸化剤、還元剤またはラジカル捕捉剤であり得て、このものは他の成分を分解する種または金属医薬品と優先的に反応させることによって安定性を改善することができる。
【0131】
「可溶化剤」とは、製剤化に必要な媒質中での1つ以上の他の成分の溶解度を改善する成分である。
【0132】
「静菌剤(bacteriostat)」とは、使用前の貯蔵中、または診断用キットを用いて放射性医薬品を製造後のいずれかの間で、該製剤中での細菌の増殖を抑制する成分である。
【0133】
本明細書に記載する用語「アミノ酸」とは、塩基性アミノ基および酸性カルボキシル基の両方を含有する有機化合物を意味する。該用語は、天然のアミノ酸(例えば、L−アミノ酸)、改変した非天然アミノ酸(例えば、D−アミノ酸)、並びに生物学的に遊離な形態もしくは組み合わさった形態で生成するが、通常タンパク質中では生成しないことが知られるアミノ酸(例えば、Roberts and Vellaccio, The Peptides, 5: 342-429 (1983)(これは、本明細書の一部を構成する)に開示されているアミノ酸)を含む。天然のタンパク質を形成しているアミノ酸としては、例えばアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、チロシン、チロシン、トリプロファン、プロリンおよびバリンを含むが、これらに限定されない。天然の非タンパク質アミノ酸とは、例えばアルギノコハク酸、シトルリン、システインスルフィン酸、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、ホモシステイン、オルニチン、3−モノヨードチロシン、3,5−ジヨードチロシン、3,5,5’−トリヨードチロシンおよび3,3’,5,5’−テトラヨードチロシンを含むが、これらに限定されない。本発明を実施するのに使用することができる改変されたアミノ酸または異常アミノ酸とは、例えばD−アミノ酸、ヒドロキシリシン、4−ヒドロキシプロリン、N−Cbz−保護したアミノ酸、2,4−ジアミノ酪酸、ホモアルギニン、ノルロイシン、N−メチルアミノ酪酸、ナフチルアラニン、フェニルグリシン、β−フェニルプロリン、tert−ロイシン、4−アミノシクロヘキシルアラニン、N−メチルノルロイシン、3,4−デヒドロプロリン、N,N−ジメチルアミノグリシン、N−メチルアミノグリシン、4−アミノピペリジン−4−カルボン酸、6−アミノカプロン酸、トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸、2−,3−および4−(アミノメチル)安息香酸、1−アミノシクロペンタンカルボン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸および2−ベンジル−5−アミノペンタン酸を含むが、これらに限定されない。
【0134】
本明細書で使用する用語「ペプチド」とは、ペプチド結合という形で結合している、2つ以上のアミノ酸(これは、本明細書において定義する通りである)からなる直鎖化合物を意味する。本特許請求の範囲において使用する「ペプチド」とは、分子量が10,000ダルトンよりも低い(5,000ダルトンよりも低いことが好ましく、2,500ダルトンよりも低いことがより好ましい)分子を意味すると意図する。該用語「ペプチド」はまた、ペプチド成分および非ペプチド成分の両方(例えば、偽ペプチド、ペプチド擬態残基または非アミノ酸成分)を含有する化合物をも意味する。ペプチド成分および非ペプチド成分の両方を含有するそれらの化合物は、「ペプチドアナログ」と呼ぶこともできる。
【0135】
「偽ペプチド」または「ペプチド擬態(peptidomimetic)」とは、ペプチド擬態とアミノ酸残基との間でのアミド連結以外の連結基(偽ペプチド結合)を用いるか、並びに/あるいは非アミノ酸置換基および/または改変されたアミノ酸残基を用いることによって、アミノ酸残基またはペプチドの構造を模倣する化合物を意味する。「偽ペプチド残基」とは、ペプチド中に存在する偽ペプチドまたはペプチド擬態の部分を意味する。
【0136】
用語「ペプチド結合」とは、アミノ酸のカルボキシル基と第2のアミノ酸のアミノ基の間での1つの水分子の損失によって形成される共有アミド結合を意味する。
【0137】
用語「偽ペプチド結合」とは、通常のアミノ結合に対して置換基として置き代えることができるペプチド結合アイソスターを含む。これらの置換基またはアミド「等価性の」結合は、アミド結合の空間的な要件を模倣し、そして該分子が酵素による分解反応に対して安定であるべきであるペプチドまたはタンパク質中に通常見られない原子の組み合わせから形成される結合を意味する。
【0138】
以下の略号を本明細書において使用する:
Acmは、アセトアミドメチルであり;
b−Ala、ベータ−AlaまたはbAlaは、3−アミノプロピオン酸であり;
ATAは、2−アミノチアゾール5−酢酸または2−アミノチアゾール5−アセチル基であり;
Bocは、t−ブチルオキシカルボニルであり;
CBz、CbzまたはZは、カルボベンジルオキシであり;
Citは、シトクリン であり;
Dapは、2,3−ジアミノプロピオン酸であり;
DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドであり;
DIEAは、ジイソプロピルエチルアミンであり;
DMAPは、4−ジメチルアミノピリジンであり;
EOEは、エトキシエチルであり;
HBTUは、2−(1H−ベンゾトリアゾール)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン酸塩であり;
hynicは、boc−ヒドラジノニコチニル基または2−[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸であり;
NMeArgまたはMeArgは、N−メチルアルギニンであり;
NMeAspは、N−メチルアスパラギン酸であり;
NMMは、N−メチルモルホリンであり;
OcHexは、O−シクロヘキシルであり;
OBzlは、O−ベンジルであり;
oSuは、O−スクシンイミジルであり;
TBTUは、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートであり;
THFは、テトラヒドロフラニルであり;
THPは、テトラヒドロピラニルであり;
Tosは、トシルであり;
Trは、トリチルである。
【0139】
以下の通常の3文字表記のアミノ酸の略号を、本明細書に使用する。通常の1文字アミノ酸表記は、本明細書において使用しない:
Alaは、アラニンであり;
Argは、アルギニンであり;
Aspは、アスパラギン酸であり;
Cysは、システインであり;
Glnは、グルタミンであり;
Gluは、グルタミン酸であり;
Glyは、グリシンであり;
Hisは、ヒスチジンであり;
Ileは、イソロイシンであり;
Leuは、ロイシンであり;
Lysは、リシンであり;
Metは、メチオニンであり;
Nleは、ノルロイシンであり;
Ornは、オルニチンであり;
Pheは、フェニルアラニンであり;
Phgは、フェニルグリシンであり;
Proは、プロリンであり;
Sarは、サルコシンであり;
Serは、セリンであり;
Thrは、トレオニンであり;
Trpは、トリプロファンであり;
Tyrは、チロシンであり;
Valは、バリンである。
【0140】
本発明の医薬品は、血管新生腫瘍脈管構造において発現するかまたは上方制御された受容体に対する標的分子を含む。VEGF受容体、Flk1/KDR、
Flt−1およびニューロピリン−1の場合には、標的分子は該受容体と高いアフィニティーで結合するペプチドまたはペプチド擬態を含む。例えば、VEGFとVEGFRとの結合を競争的に抑制する、VEGFのC末端ドメインの23アミノ酸部分を含むペプチドが製造されている(SokerらによるJ. Biol. Chem., 1997, 272, 31582-8)。塩基性FGF受容体(bFGFR)と結合する11〜23のアミノ酸残基の直鎖ペプチドがCosicらによるMol. and Cell. Biochem., 1994, 130, 1-9によって記載されている。該bFGFRの好ましい直鎖ペプチド拮抗薬は、16アミノ酸のペプチド:
Met−Trp−Tyr−Arg−Pro−Asp−Leu−Asp−Glu−Arg−Lys−Gln−Gln−Lys−Arg−Gluである。Ghoら(Cancer Research, 1997, 57, 3733-40)は、内皮細胞の表面でのアンジオゲニン受容体に対して高いアフィニティーで結合する小ペプチドの同定について記載している。好ましいペプチドは、Ala−Gln−Leu−Ala−Gly−Glu−Cys−Arg−Glu−Asn−Val−Cys−Met−Gly−Ile−Glu−Gly−Argであって、ここで2つのCys残基は分子内スルフィド結合を形成する。ヤヨン(Yayon)ら(Proc. Natl. Acad. Sci, USA, 1993, 90, 10643-7)は、ランダムファージディスプレイペプチドライブラリーから同定されたFGFRの他の直鎖ペプチド拮抗薬物を記載している。2つの直鎖オクタペプチドであるAla−Pro−Ser−Gly−His−Tyr−Lys−GlyおよびLys−Arg−Thr−Gly−Gln−Tyr−Lys−Leuは、bFGFRとその受容体との結合を抑制するのに好ましい。
【0141】
腫瘍脈管構造において発現するインテグリンについての標的分子としては、αvβ3、αvβ5、α5β1、α4β1、α1β1およびα2β2と結合するペプチドおよびペプチド擬態を含む。PierschbacherおよびRouslahti (J. Biol. Chem., 1987, 262, 17294-8)は、α5β1およびαvβ3と選択的に結合するペプチドを記載している。米国特許第5,536,814号は、インテグリンα5β1と高いアフィニティーで結合するペプチドを記載している。BurgessおよびLim (J. Med. Chem., 1996,39,4520-6)は、αvβ3と高いアフィニティーで結合する3つのペプチド:シクロ[Arg−Gly−Asp−Arg−Gly−Asp]、シクロ[Arg−Gly−Asp−Arg−Gly−D−Asp]および直鎖ペプチドであるArg−Gly−Asp−Arg−Gly−Aspの製造を記載している。米国特許第5,770,565号および第5,766,591号は、αvβ3と高いアフィニティーで結合するペプチドを開示している。米国特許第5,767,071号および第5,780,426号は、αvβ3に対して高いアフィニティーを有するエキソ環状Argアミノ酸を有する環状ペプチドを開示している。Srivatsa et.ら(Cardiovascular Res., 1997,36,408-28)は、αvβ3に対する環状ペプチド拮抗薬であるシクロ[Ala−Arg−Gly−Asp−Mamb]を記載している。Tranら(Bioorg. Med. Chem. Lett., 1997,7,997-1002)は、αvβ3と高いアフィニティーで結合する環状ペプチドであるシクロ[Arg−Gly−Asp−Val−Gly−Ser−BTD−Ser−Gly−Val−Ala]を開示している。Arapら(Science, 1998,279,377-80)は、αvβ3およびαvβ5と結合する環状ペプチドである、Cys−Asp−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cysおよびシクロ[Cys−Asn−Gly−Asp−Cys]を記載している。Corbett etら(Biorg. Med. Chem. Lett., 1997, 7, 1371-6)は、αvβ3に選択的なペプチド擬態の群を記載している。そして、Haubnerら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1997, 36, 1374-89)は、ペプチドライブラリーから入手したペプチドおよびペプチド擬態のαvβ3拮抗薬を開示している。
【0142】
本発明の標的分子は、インテグリンαvβ3に対して1000nMよりも小さい結合アフィニティーを有することが好ましい。本発明の標的分子はインテグリンαvβ3に対して100nMよりも小さい結合アフィニティーを有することがより好ましい。本発明の標的分子はインテグリンαvβ3に対して10nMよりも小さい結合アフィニティーを有することがより一層好ましい。
【0143】
本発明の超音波造影剤は、生体適合性ガスの小泡、液体担体および界面活性なミクロスフェアと結合したりまたはその中にとり込まれる多数の血管新生腫瘍脈管構造の標的分子を含む。このものは、更に該標的分子および該小泡の間に、任意の結合分子のLnを含む。本明細書において、用語「液体担体」は水溶液を意味する。そして、用語「界面活性剤」とは、溶液中の界面張力の低下を生じるいずれかの両親媒性物質を意味する。界面ミクロフェアを生成するための適当な界面活性剤の表は、EP0727225A2(これは、本明細書の一部を構成する)に開示されている。用語「界面活性なミクロフェア」とは、例えばナノフェア、リポソーム、ビクルなどを含む。該生体適合性ガスは空気またはフッ化炭素(例えば、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタンまたはペルフルオロペンタンなどのC3〜C5ペルフルオロアルカン)であってよく、これらはエコー発生性が異なり、従って超音波画像処理において造影を与える。該ガスは、場合により結合基によって生物的に関連する(biodirecting)基と結合するミクロフェア中にとり込まれたりまたは含まれる。該結合は共有性、イオン性であってもよく、またはファンデルワールス力によってもよい。それらの造影剤の具体的な例としては、複数の腫瘍新血管新生受容体と結合したペプチドまたはペプチド擬態と一緒に脂質にとり込まれたペルフルオロ炭素を含む。
【0144】
本明細書で使用するSfは、上で定義する式:A1−E−A2の脂質または化合物のいずれかである界面活性剤である。該界面活性剤は、音波発生気体を含有することができるビヒクル(例えば、ミクロスフェア)を形成することを意図する。本発明の該超音波造影剤の組成物は、得られる生成物が音波造影剤として有用となり得るような方法で、かき混ぜ(例えば、振り混ぜ、撹拌など)時に、ビヒクル中に音波発生ガスをとり込むことができることを意図する。
【0145】
「ビヒクル]とは、内部空隙の存在を特徴とする球状の物を意味する。好ましいビヒクルは、脂質(これは、本明細書に記載の様々な脂質を含む)から製剤化される。いずれかのあるビヒクルにおいて、該脂質は単層または二層の形態であり得て、該単層または二層の脂質を用いて、1つ以上の単層または二層を得ることができる。1つ以上の単層または二層の場合には、該単層または二層は通常、短縮性である。本明細書に記載の脂質ビヒクルとしては、例えば通常リポソーム、ミセル、泡、小泡、ミクロスフェア等と呼ばれるものを含む。従って、該脂質を用いて単層ビヒクル(これは、1つの単層または二層を含む)、オリゴ層ビヒクル(これは、約2つまたは約3つの単層または二層を含む)または多重層ビヒクル(これは、約3つよりも大きい単層または二層を含む)を得ることができる。該ビヒクルの内部空隙容量は、所望するならば、脂質(これは例えば、水性脂質、ガス、ガス状の前駆体)および/または固体もしくは溶質物質(これは、例えば生理活性な薬物)を用いて充填することができる。
【0146】
「微小胞の組成物」とは、脂質から製剤化されたり、ビヒクルを含む組成物を意味する。
【0147】
「ビヒクル組成物」とは、ビヒクルおよび生理活性な試薬を含む組成物を意味する。
【0148】
本明細書において使用するミクロフェアは、10ミクロンよりも小さいかまたは同じである球であることが好ましい。本明細書において使用するリポソームは、1個の脂質層(脂質単層)、2個の脂質層(脂質二重層)または2よりも大きい脂質層(脂質多重層)を含み得る。「リポソーム」とは、通常両親媒性化合物(これは、脂質化合物を含む)の球状クラスターまたは集合体を意味する。これらは典型的に、1つ以上の短縮性の層の形態(例えば、二重層)である。それらは、本明細書において脂質ビヒクルと呼ぶこともある。
【0149】
本明細書において使用する用語「泡」とは、通常、ガスまたはその前駆体で満たされた内部空隙で囲まれている1つ以上の膜または壁の存在を特徴とするビヒクルを意味する。典型的な泡としては、例えばリポソーム、ミセル等を含む。
【0150】
「脂質」とは、合成または天然に存在する両親媒性の化合物であって、このものは親水性成分および親油性成分を含む。脂質としては、例えば脂肪酸、中性脂肪、リン脂質、糖脂質、脂肪族アルコール、ワックス、テルペンおよびステロイドを含む。
【0151】
「脂質組成物」とは、脂質化合物を含む組成物を意味する。典型的な脂質組成物とは、例えば懸濁液、乳液および小胞性組成物を含む。
【0152】
「脂質製剤」とは、脂質化合物および生理活性な薬物を含む組成物を意味する。
【0153】
適当な脂質のクラスおよび具体的で適当な脂質としては、例えば
ホスファチジルコリン(例えば、ジオレイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)およびジスアロイルホスファチジルコリン);
ホスファチジルエタノールアミン(例えば、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンおよびN−スクシニルジオレイルホスファチジルエタノールアミン);
ホスファチジルセリン;ホスファチジルグリセロール;スフィンゴ脂質;糖脂質(例えば、ガングリオシド(GM1));グルコ脂質;スルファチド;糖スフィンゴ脂質;ホスファチジル酸(例えば、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA));パルミチン脂肪酸;ステアリン脂肪酸;アラキドン脂肪酸;ラウリル脂肪酸;ミリスチン脂肪酸;ラウロオレイン(lauroleic)脂肪酸;フィセオレイン(physeteric)脂肪酸;ミリストオレイン(myristoleic)脂肪酸;パルミトオレイン(palmitoleic)脂肪酸;ペトロセリン(petroselinic)脂肪酸);オレイン脂肪酸; イソラウリル(isolauric)脂肪酸;イソミリスチン(isomyristic)脂肪酸;イソパルミチン(isopalmitic)脂肪酸;イソステアリン(isostearic)脂肪酸;
コレステロールおよびコレステロール誘導体(例えば、コレステロールヘミコハク酸、コレステロール硫酸およびコレステリル−(4’−トリメチルアンモニオ)酪酸);
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル;ポリオキシエチル化したソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールポリエチレングリコールオキシステアリン酸;グリセロールポリオキシエチレングリコールオキシステアリン酸;グリセロールポリエチレングリコールレシノール酸;エトキシル化大豆ステロール;エトキシル化ヒマシ油;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン脂肪酸高分子;ポリオキシエチレン脂肪酸ステアリン酸;12−((7’−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカン酸;N−[12−((7’−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカノイル]−2−アミノパルミチン酸;1,2−ジオレオイル−sN−グリセロール;1,2−パルミトイル−sN−3−スクシニルグリセロール;1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール;および1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグリセロホスホエタノールアミンおよびパルミトイルホモシステイン;ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド;セチルトリメチルアンモニウムブロミド;ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド;アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ここで、アルキルはC12、C14またはC16アルキルである);ベンジルジメチルドデシルアンモニウムブロミド;ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロリド;ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムブロミド;ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド;ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムブロミド;ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド;セチルジメチルエチルアンモニウムブロミド;セチルジメチルエチルアンモニウムクロリド;セチルピリジウムブロミド;セチルピリジウムクロリド;N−[1,2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン(DOTAP)および1,2−ジオレオイル−c−(4’−トリメチルアンモニオ)ブタノイル−sN−グリセロール(DOTB)を含む。
【0154】
音波発生ガスは、1つのガスまたはガス混合物であり得て、例えばCF4、C2F6、C3F8、シクロ−C4F8、C4F10、C5F12、シクロ−C5F10、シクロ−C4F7(1−トリフルオロメチル)、プロパン(2−トリフルオロメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロおよびブタン(2−トリフルオロメチル)−1,1,1,3,3,3,4,4,4−ノナフルオロを挙げられる。上記の化合物の対応する不飽和物(例えば、C2F4、C3F6、C2F4の異性体)もまた好ましい。これらのガスの混合物、特に他のペルフルオロ炭素とのペルフルオロ炭素の混合物、および他の不活性ガス(例えば、空気、N2、O2、He)とのペルフルオロ炭素の混合物もまた有用である。これらの例は、Quayによる米国特許第5,595,723号(これは、本明細書の一部を構成する)において知ることができる。
【0155】
本発明のX−線造影剤は、1つ以上のX−線吸収剤または原子番号が20以上の重原子と結合した1つ以上の血管新生腫瘍脈管構造の標的分子を含み、このものは更に該標的分子とX−線吸収原子との間に任意の結合分子、Lnを含む。X−線造影剤において用いられることの多い重原子はヨウ素である。最近、金属キレート因子を含むX−線造影剤(Wallace, R.による米国特許第5,417,959号)および複数の金属イオンを含むポリキレート因子(Loveによる米国特許第5,679,810号)が開示されている。より最近では、多重核クラスター複合体がX−線造影剤として開示されている(米国特許第5,804,161号、PCT W091/14460およびPCT WO 92/17215)。X−線薬物の例としては、上記の放射性核種の非放射性アナログまたは天然に存在するアナログと含む(例えば、Re、Sm、Ho、Lu、Pm、Y、Bi、Pd、Gd、La、Au、Au、Yb、Dy、Cu、Rh、AgおよびIr)。
【0156】
本発明のMRI造影剤は、1つ以上の常磁性金属イオンと結合した1つ以上の血管新生腫瘍脈管構造の標的分子を含み、このものは更に該標的分子と該常磁性金属イオンとの間に、任意の結合分子Lnを含む。該常磁性金属イオンは、金属複合体または金属酸化物粒子の形態で存在する。米国特許第5,412,148号および第5,760,191号は、MRI造影剤において使用するための常磁性金属イオンに対するキレート因子の例を記載している。米国特許第5,801,228号、第5,567,411号および第5,281,704号は、mMRI造影剤において使用するための1より大きい常磁性金属イオンを複合化するのに有用な1より大きいポリキレート因子の例を記載している。米国特許第5,520,904号は、MRI造影剤として使用するための常磁性金属イオンを含む微粒子状の組成物を記載している。
【0157】
それらの別の治療学的な薬物と組み合わせた本発明の化合物の投与は、該化合物および薬物の単独の場合よりも有効な利点を与えることができたり、各々のより低い用量の使用を可能としつつ、行なうことができる。より低い用量は副作用を可能性を最少とし、その結果安全性の限度を増大させる。本発明の化合物とそれらの別の治療学的な薬物との組み合わせは、相乗的な組み合わせであることが好ましい。相乗作用(例えば、ChouおよびTalalayによるAdv. Enzyme Regul. 22: 27-55 (1984)に記載されている)とは、組み合わせて投与した該化合物および薬物の治療学的な効果が単独で投与した場合の該化合物または薬物のいずれかの加成効果よりも大きい場合に生じる。通常、相乗的な効果は、本発明の化合物、抗癌剤、光増感剤または放射線増感剤のいずれかの単独の場合は(治療学的に)任意であるが、組み合わせると非常に有効であるレベルで最も明確に示される。個別的な処置の単独の場合での毒性の実質的な増加を伴わない腫瘍応答の改善の点で、または該個別的な成分と比較して該組み合わせのいくつかの他の有利な効果の点で、相乗作用であり得る。
【0158】
組み合わせ療法で用いる本発明の化合物および抗癌剤または放射線増感剤は、別々の製剤もしくは組み合わせた製剤のいずれかで、または異なる時間で(例えば、連続して)同時に投与することができ、その結果該組み合わせ効果が得られる。投与の量およびレジメは、好ましくはそれらの標準的な用量で開始し、次いで得られた結果を滴定(titrating)することによって、当該分野の当業者によって調節されるであろう。
【0159】
本発明は、癌を処置するのに有用な2つ以上の活性成分を組み合わせたキットまたは単一パッケージをも提供する。キットは、本発明の化合物、更に抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの薬物(単独でまたは希釈剤もしくは担体と組み合わせて)および光増感剤を(単独でまたは希釈剤もしくは担体と組み合わせて)提供することができる。
【0160】
本発明の医薬品は式:(Q)d−Ln−(Ch−X)、(Q)d−Ln−(Ch−X1)d ’、(Q)d−Ln−(Ch−X2)d ’’および(Q)d−Ln−(Ch−X3)を有する。該式中、Qは血管新生腫瘍脈管構造において発現する受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態であり、dは1〜10であり、Lnは任意の結合基であり、Chは金属キレート因子または結合分子であり、Xは放射性同位元素であり、X1は常磁性金属イオンであり、X2は常磁性金属イオンまたは不溶性固体粒子含有の重原子であり、d’’は1〜100であって、X3は音波発生ガスの界面活性なミクロフェアである。本発明の好ましい医薬品は標的分子Qを含み、このものはビトロネクチン受容体αvβ3およびαvβ5と結合するペプチドおよびペプチド擬態である。本発明のより好ましい医薬品は標的分子Qを含み、このものはαvβ3と結合するペプチドおよびペプチド擬態である。本発明の最も好ましい医薬品は、αvβ3の標的分子Qを含み、このものは独立して治療学的な放射性同位元素または画像診断可能な分子と結合した1〜10個の環状ペンタペプチドまたはペプチド擬態を含み、このものは更に該標的分子と治療学的な放射性同位元素または画像診断可能な分子の間での任意の結合分子Lnを含む。該環状ペプチドは、αvβ3受容体と結合するトリペプチド配列および2つのアミノ酸(それらのうちのいずれか1つはLn、Ch、X2、またはX3と結合することができる)を含む。該医薬品における環状ペプチドまたはペプチド擬態部分のトリペプチド認識配列と、αvβ3受容体との相互作用により、αvβ3受容体を発現する血管新生腫瘍脈管構造において該医薬品の局在化が生じる。
【0161】
本発明の医薬品は、いくつかの方法によって製造することができる。1つの方法は、標的ペプチドまたはペプチド擬態分子であるQの製造、並びに1つ以上の分子Qと、1つ以上の金属キレート因子または結合分子であるCh、常磁性金属イオンまたは固体粒子含有の重原子、または音波発生ガス小泡との直接的な結合を含む。別の方法は、1つ以上の分子Qと結合基Lnとの結合、次いでこのものと1つ以上の金属キレート因子もしくは結合分子であるCh、常磁性金属イオンもしくは固体微粒子含有の重原子、または音波発生ガス小泡との結合を含む。dが1である医薬品の製造に有用な別の方法は、分子:Q−Lnの製造、更に該ペプチドまたはペプチド擬態の製造に、Lnを有するアミノ酸またはアミノ酸擬態残基を導入することを含む。次いで、得られた分子Q−Lnを1つ以上の金属キレート因子もしくは結合分子Ch、常磁性金属イオンもしくは固体微粒子含有の重原子、または音波発生小泡と結合させる。別の方法は、連結基Lnのフラグメントを有するペプチドまたはペプチド擬態Qの製造を含み、次いで該ペプチドまたはペプチド擬態の1つ以上を該結合基の残りと結合させ、次いで1つ以上の金属キレート因子もしくは結合分子Ch、常磁性金属イオンもしくは固体微粒子含有の重原子、または音波発生ガス小泡と結合させる。
【0162】
場合により結合基Lnまたは該結合基のフラグメントを有するペプチドまたはペプチド擬態は、当該分野の当業者にとって知られる標準的な製造法を用いて製造することができる。好ましい方法は、以下に記載の方法を含むが、これらに限定されない。
【0163】
通常、ペプチドおよびペプチド擬態は、C末端残基のα−アミンを脱保護し、次いで適当に保護したアミノ酸を上記の方法を用いてペプチド結合によってカップリングさせることによって、伸張する。この脱保護法およびカップリング法は、所望する配列を得るまで繰り返す。このカップリング反応は、構成アミノ酸の逐次様式もしくはフラグメント(2〜いくつかのアミノ酸)の縮合、または両方の方法の組み合わせ、あるいは最初にMerrifieldによるJ. Am. Chem. Soc., 85, 2149-2154 (1963)(これは、本明細書の一部を構成する)に記載の方法による固相ペプチド製造によって行なうことができる。
【0164】
該ペプチドおよびペプチド擬態はまた、自動合成装置を用いて製造することもできる。上記に加えて、ペプチドおよびペプチド擬態の製造についての方法がStewartおよびYoungによる「Solid Phase Peptide Synthesis」, 2nd ed, Pierce
Chemical Co., Rockford, IL (1984); Gross, Meienhofer, Udenfriend編「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology」, Vol. 1,2,3,5,および9, Academic Press, New York, (1980-1987); Bodanszkyによる「Peptide Chemistry: A
Practical Textbook」, Springer-Verlag, New York (1988); およびBodanszky らによる「The Practice of Peptide Synthesis」, Springer-Verlag, New York (1984)(これらは本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0165】
2つのアミノ酸誘導体の、アミノ酸とペプチドもしくはペプチド擬態の、2つのペプチドフラグメントもしくはペプチド擬態フラグメントのカップリング反応、またはペプチドもしくはペプチド擬態の環化反応は、標準的なカップリング反応を用いて行なうことができる。例えば、アジド法、混合カルボン酸無水物(クロロギ酸イソブチル)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル)法、ウッドワードK試薬法、カルボニルジイミダゾール法、リン試薬(例えば、BOP−C1)法または酸化還元法を挙げられる。これらの方法のいくつか(特に、カルボジミド)は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを添加することによって増大することができる。これらのカップリング反応は、溶液(液相)または固相のいずれかで行なうことができる。
【0166】
該構成アミノ酸またはアミノ酸擬態の官能基は、所望しない結合が生成するのを避けるために、カップリング反応の間に保護しなければいけない。使用することができる保護基は、Greeneによる「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley & Sons, New York (1981)および「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology」, Vol. 3, Academic Press, New York (1981)(これらは、本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0167】
C末端残基のα−カルボキシル基は、通常エステル(これは、切断してカルボン酸を与えることができる)によって保護する。これらの保護基としては、例えば1)アルキルエステル(例えば、メチルエステルおよびt−ブチルエステル)、2)アリールエステル(例えば、ベンジルエステルおよび置換ベンジルエステル)、または3)弱塩基の処置または温和な還元方法によって切断することができるエステル(例えば、トリクロロエチルエステルおよびフェナシルエステル)を含む。固相の場合には、C−末端アミノ酸は不溶性の担体(通常は、ポリスチレン)に結合させる。これらの不溶な担体は、カルボキシ基と反応して、伸張条件に対しては安定であるが、後に容易に切断される基を含む。これらの例としては、オキシム樹脂(DeGradoおよびKaiserによる(1980) J. Org. Chem. 45,1295-1300)クロロまたはブロモメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂およびアミノメチル樹脂を挙げられる。所望するC−末端アミノ酸が既に包含されているこれらの樹脂の多数は、商業的に入手することができる。
【0168】
各々のアミノ酸のα−アミノ基は保護されなければいけない。当該分野で知られるいずれの保護基を使用することができる。これらの例としては、1)アシルタイプ(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリルおよびp−トルエンスルホニル);2)芳香族カルバメートタイプ(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換されたベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニルおよび9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc);3)脂肪族カルバメートタイプ(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニルおよびアリールオキシカルボニル;4)環状アルキルカルバメートタイプ(例えば、シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニル);5)アルキルタイプ(例えば、トリフェニルメチルおよびベンジル);6)トリアルキルシラン(例えば、トリメチルシラン);および7)チオール含有タイプ(例えば、メフェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイル)を挙げられる。好ましいα−アミノ保護基は、BocまたはFmocのいずれかである。ペプチド合成のために適当に保護された多数のアミノ酸誘導体またはアミノ酸擬態誘導体を、商業的に入手することができる。
【0169】
α−アミノ保護基は、次のアミノ酸のカップリング反応前に切断する。Boc基を使用する場合には、方法の選択はトリフルオロ酢酸のニートもしくはそのジクロロメタン溶液、またはHClのジオキサン溶液である。次いで、得られたアンモニウム塩を、カップリング反応前もしくはインシトゥーで塩基溶液(例えば、水性緩衝液または3級アミンのジクロロメタン溶液もしくはそのジメチルホルムアミド溶液)のいずれかを用いて中和する。Fmoc基を使用する場合には、試薬の選択はピペリジンまたは置換されたピペリジンのジメチルホルムアミド溶液であるが、いずれかの2級アミンまたは塩基水溶液を使用することができる。該脱保護反応は、温度が0℃〜室温で行なう。
【0170】
側鎖の官能基を有するアミノ酸またはアミノ酸擬態のいずれも、上記の基のいずれかを用いて該ペプチドの製造の間に保護しなければいけない。当該分野の当業者は、これらの側鎖の官能基についての適当な保護基の選択およびその使用がアミノ酸またはアミノ酸擬態、並びに該ペプチドまたはペプチド擬態の他の保護基の存在に依存することを認めるであろう。それらの保護基の選択は、α−アミノ基の脱保護およびカップリング反応の間に除去する必要がない点で重要である。
【0171】
例えば、Boc基をα−アミン保護として選択する場合には、以下の保護基を許容することができる:アルギニンの場合には、p−トルエンスルホニル(トシル)分子およびニトロ;リシンの場合には、ベンジルオキシカルボニル、置換されたベンジルオキシカルボニル、トシルまたはトリフルオロアセチル;グルタミン酸およびアスパラギン酸の場合にはベンジルエステルまたはアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル);セリンおよびトレオニンの場合には、ベンジルエーテル;チロシンの場合には、ベンジルエーテル、置換されたベンジルエーテルまたは2−ブロモベンジルオキシカルボニル;システインの場合には、p−メチルベンジル、p−メトキシベンジル、アセタミドメチル、ベンジルまたはt−ブチルスルホニル。そして、トリプトファンのインドールは保護しないままであるか、またはホルミル基で保護するかのいずれかであり得る。
【0172】
Fmocをα−アミン保護について選択する場合には、通常tert−ブチルベースの保護基を許容することができる。例えば、リシンの場合にBocを、セリン、トレオニンおよびチロシンの場合にtert−ブチルエーテルを、グルタミン酸およびスパラギン酸の場合にはtert−ブチルエステルを使用することができる。
【0173】
環状ペプチドもしくはペプチド擬態の伸張、または環状ペプチドもしくはペプチド擬態の伸張および環化反応が完結すれば、全ての保護基を除去する。液相合成の場合には、保護基の選択によって意図するいずれかの方法で該保護基を除去する。これらの方法は、当該分野の当業者にとって良く知られる。
【0174】
固相合成を環状ペプチドまたはペプチド擬態を製造するのに使用する場合には、該ペプチドまたはペプチド擬態は環化反応を妨害し得る官能基から保護基を同時に除去することなく、該樹脂から取り出すべきである。従って、ペプチドまたはペプチド擬態を溶液中で環化する場合には、他の保護基を同時に除去することなく遊離なカルボキシレートおよび遊離なアミノ基を得るような切断条件を選択する必要がある。別法として、該ペプチドまたはペプチド擬態をヒドラジノ分解によって該樹脂から取り出し、次いでアジド法によってカップリングさせることができる。別の非常に便利な方法は、オキシム樹脂上でのペプチドまたはペプド擬態の製造、続く該樹脂からの分子内求核置換反応を含み、これにより環状ペプチドまたはペプチド擬態を得る(Osapay, ProfitおよびTaylorによる(1990) Tetrahedron Letters 43, 6121-6124)。オキシム樹脂を使用する場合には、Boc保護様式を通常選択する。そこで、側鎖の保護基を除去するのに好ましい方法は、通常、添加物(例えば、ジメチルスルフィド、アニソール、チオアニソールまたはp−クレゾール)を含有する無水HFを0℃で用いた処理を含む。該ペプチドまたはペプチド擬態の切断は、他の酸性試薬(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸/トリフルオロ酢酸の混合物)によって達成することもできる。
【0175】
本発明で使用する異常アミノ酸は、当該分野の当業者にとって良く知られている標準的な方法によって製造することができる(「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 5, pp. 342-449, Academic Press, New York (1981))」。N−アルキルアミノ酸は、これまでに記載されている方法(Cheungらによる (1977) Can. J. Chem. 55,906; Freidingerらによる(1982) J. Org. Chem. 48,77 (1982)(これらは、本明細書の一部を構成する))を用いて製造することができる。
【0176】
ペプチドおよびペプチド擬態の標的分子を製造するのに当該分野の当業者によって使用することができる別の製造法が、PCT W094/22910(これは、本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0177】
結合基Lnと、該ペプチドおよびペプチド擬態Qとの結合;キレート因子または結合単位Chと、該ペプチドおよびペプチド擬態Qまたは該結合基Lnとの結合;および分子(Q)d−Lnの組み合わせ製造の場合には、連結基のフラグメントを有するペプチドおよびペプチド擬態と連結基の残りとの結合、次いで分子Chとの結合;の全てを、標準的な方法によって行なうことができる。このものとしては、例えばアミド化、エステル化、アルキル化、並びにウレアまたはチオウレアの形成を含むが、これらに限定されない。これらの結合を行なうための方法は、Brinkley, M.によるBioconjugate Chemistry 1992, 3 (1)(これは、本明細書の一部を構成する)において知ることができる。
【0178】
該ペプチドおよびペプチド擬態Qと、常磁性金属イオンまたは固体微粒子含有の重原子X2と結合するために、固体粒子の表面改変の分野における当業者によって、多数の方法を使用することができる。通常、該標的分子Qまたは組み合わせ(Q)dLnは固体粒子の表面の構成成分と反応するカップリング基と結合する。該カップリング基は、同時継続出願U. S. A. N 60/092,360に記載されている通り、固体粒子の表面での表面ヒドロキシ基と反応する多数のシランのいずれかであり得て、そしてこのものはまた、米国特許第5,520,904号に記載されている通り、該固体粒子の表面とカップリングするポリホスホネート、ポリカルボキシレート、ポリホスフェートまたはそれらの混合物を含み得る。
【0179】
多数の反応式を、該ペプチドおよびペプチド擬態Qを界面活性なミクロスフェアX3と結合するのに使用することができる。Sfが界面活性なミクロフェアを形成する界面活性分子である、以下の反応式を例示する。
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
これらの反応式において、置換基SfおよびQは同様に、逆転させることができる。
【0180】
該連結基Lnは、いくつかの機能を果たすことができる。第1に、そのものはCh−X、Ch−X2、X2およびX3が認識配列Qと血管新生腫瘍脈管受容体との受容体を妨害する可能性を最小限にするために、金属キレート因子または結合分子との間のスペーシング基Ch、常磁性金属イオンまたは固体粒子含有の重原子X2、界面活性なミクロフェアX3および1つ以上のペプチドまたはペプチド擬態Qを提供する。試薬中に連結基を包含する必要性は、Q、Ch−X、Ch−X1、X2およびX3の性質(identity)による。受容体に対するアフィニティーを実質的に減少させることなく、Ch−X、Ch−X1、X2およびX3がQと結合することができない場合に、連結基を使用する。連結基はまた、複数のペプチドおよびペプチド擬態Qと、Ch−X、Ch−X1、X2またはX3と結合する1つの基とを独立して結合する手段をも提供する。
【0181】
該連結基はまた、本発明の医薬品ヘ薬物動態学的な修飾因子を取り込ませる手段をも提供する。該薬物動態学的な修飾因子は、該標的分子Qと該腫瘍新血管新生において発現する受容体との相互作用による以外に、注入された医薬品体内分布(biodistibution)に関して機能する。広範囲な官能基が薬物動態学的な修飾因子として機能することができ、そのものとしては例えば炭水化物、ポリアルキレングリコール、ペプチドまたは他のポリアミノ酸およびシクロデキストリンを含むが、これらに限定されない。該修飾因子を用いて、親水性を増大させたりまたは減少させたり、および血液クリアランスの速度を増大させたりまたは低下させることができる。該修飾因子を、該医薬品の遊離の経路に関して使用することもできる。好ましい薬物動態学的な修飾因子は、弱から速い血液クリアランスおよび肝臓の分泌の増大を生じるものである。
【0182】
該金属キレート因子または結合分子のChは、特定の利用のために選択した金属イオンとの安定な複合体を形成するように選択する。診断用の放射性医薬品のためのキレート因子または結合分子は、画像診断可能なγ線または陽電子の放射を有する放射性同位元素(例えば、99mTc、95Tc、1llIn、62Cu、60Cu、64Cu、67Ga、68Ga、86Y)と安定な複合体を形成する。
【0183】
テクネチウム、銅およびガリウムの同位元素についてのキレート因子は、ジアミンジチオール、モノアミン−モノアミドジチオール、トリアミド−モノチオール、モノアミン−ジアミン−モノチオール、ジアミンジオキシムおよびヒドラジンから選択される。該キレート因子は通常、窒素、酸素および硫黄から選ばれる供与原子を有する四座配位子である。好ましい試薬は、アミン窒素およびチオール硫黄の供与原子を有するキレート因子、並びにヒドラジン結合単位を含む。該チオール硫黄原子および該ヒドラジンは、放射性医薬品を製造するための該試薬の使用前または、好ましくは該放射性医薬品の製造の間のインシトゥーのいずれかに置換され得る保護基を有することができる。
【0184】
典型的なチオール保護基は、GreeneおよびWutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley & Sons, New York (1991)(これは、本明細書の一部を構成する)を含む。当該分野において知られるいずれかのチオール保護基を使用することができる。チオール保護基の例としては、アセトアミドメチル、ベンズアミドメチル、1−エトキシエチル、ベンゾイルおよびトリフェニルメチルを含むが、これらに限定されない。
【0185】
ヒドラジン結合単位についての典型的な保護基はヒドラゾンであり、このものは、水素、アルキル、アリールおよびヘテロ環から選ばれる置換基を有するアルデヒドまたはケトンのヒドラゾンであり得る。特に好ましいヒドラゾンは、一部継続出願U. S. S. N. 08/476,296(これは、本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0186】
金属放射性核種と結合する場合のヒドラジン結合単位はヒドラジドまたはジアゼニド基と呼ばれ、このものは放射性核種と放射性医薬品の残りとの結合位置として機能する。ジアゼニド基は、末端であるか(該基の1原子だけが該放射性核種と結合している)またはキレート化するかのいずれかである。キレート化するジアゼニド基を有するために、該基の少なくとも1つの他の基もまた、該放射性核種と結合しなければいけない。該金属と結合する原子は、供与原子と呼ばれる。
【0187】
111Inおよび86Yについてのキレート因子は、環状および非環状のポリアミノカルボキシレートから選ばれ、このものは例えばDTPA、DOTA、D〇3A、2−ベンジル−DOTA、α−(2−フェネチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン(tetraazazcyclododecane)−1−酢酸(acetic)−4,7,10−トリス(メチル酢酸)、2−ベンジルシクロヘキシルジエチレントリアミンペンタ酢酸、2−ベンジル−6−メチル−DTPAおよび6,6’’−ビス[N,N,N’’,N’’−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2’’−テルピリジンを挙げられる。商業的に入手することができないこれらのキレート因子の製造法は、Brechbiel, M.およびGansow, 0.によるJ. Chem. Soc. Perkin Trans. 1992, 1, 1175; Brechbiel, M.およびGansow, 0.によるBioconjugate Chem. 1991, 2, 187; Deshpande, S.らによるJ. Nucl. Med. 1990, 31, 473; Kruper, J.による米国特許第5,064,956号;並びにToner, J.による米国特許第4,859,777号(これらは本明細書の一部を構成する)において知ることができる。
【0188】
金属イオンの配位圏は、該金属と結合している全てのリガンドまたは基を含む。安定である遷移金属放射性核種については、そのものは典型的に4以上で且つ8以下の整数を含む配位数(供与原子の数)を含む。すなわち、金属と結合する4〜8原子が存在し、そのものは完全な配位圏を有すると呼ばれる。安定な放射性核種複合体について必須の配位数は、該放射性核種の性質、その酸化状態および供与原子の種類によって決まる。該キレート因子または結合単位がその配位圏を完全とすることによって、該金属放射性核種を安定化するのに必要な全ての原子を与えない場合には、該配位圏は付属リガンドまたは補助リガンド(このものもまた末端であるかまたはキレート化するかのいずれかであり得る)と呼ばれる他のリガンド由来の供与原子によって完全とされる。
【0189】
多数のリガンドが付属リガンドまたは補助リガンドとして機能することができ、その選択は様々な事情によって決まる。該事情は、例えば該放射性医薬品の製造の容易さ、該付属リガンドの化学的および物理的な性質、製造速度、収率および得られる放射性医薬品の異性体の数、患者ヘ有害な生理学的結果を招くことなく該患者に該付属リガンドまたは補助リガンドを投与できる可能性、および凍結乾燥したキット製剤における該リガンドの適合性を挙げられる。該付属リガンドの電荷および親油性は、放射性医薬品の電荷および親油性に影響を及ぼすであろう。例えば、スルホネート基は生理学的な条件下でアニオンであろうという理由で、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホネートを使用することにより、別の2つのアニオン性基を有する放射性医薬品を得るであろう。N−アルキル置換された3,4−ヒドロキシピリジノンを使用することにより、アルキル置換キの大きさによって親油性の程度が変わった放射性医薬品を得る。
【0190】
本発明の好ましいテクネチウム放射性医薬品は、ヒドラジドもしくはジアゼニド結合単位および付属リガンドAL1、または結合単位および2種類の付属リガンドのAL1およびAL2、または2つの窒素原子および2つの硫黄原子を含む四座配位キレート因子を含む。付属リガンドであるAL1は、2つ以上のハードな供与原子(例えば、酸素およびアミン窒素(sp3混成)を含む。該供与原子は、放射性核種の配位圏における少なくとも2つの部位を占有する。該付属リガンドであるAL1は、3成分リガンドシステムにおける3つのリガンドの1つとして機能する。付属リガンドのAL1としては例えば、酸素リガンドおよび官能化されたアミノカルボキシレートを含むが、これらに限定されない。多数のそれらのリガンドを商業的な供給源から入手することができる。
【0191】
付属酸素リガンドとしては、金属イオンに少なくとも2つの酸素供与原子で配位するリガンドを含む。例えば、グルコヘプタン酸、グルコン酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、乳酸、酒石酸、マンニトール、グルカル酸、マルトール、コウジ酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、4,5−ジヒドロキシル−1,3−ベンゼンジスルホン酸または置換もしくは無置換の1,2もしくは3,4ヒドロキシピリジノンを含むが、これらに限定されない(これらの例におけるリガンド名は、該リガンドのプロトン化形態または非プロトン化形態のいずれかで呼ぶ)。
【0192】
官能化されたアミノカルボキシレートは、アミン窒素供与原子および酸素供与原子の配位を有するリガンドを含む。例えば、イミノジ酢酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、ニトリロ三酢酸、N,N’−エチレンジアミン二酢酸、N,N,N’−エチレンジアミン三酢酸、およびN,N’−エチレンジアミンビスヒドロキシフェニルグリシンを含むが、これらに限定されない(これらの例におけるリガンド名は、該リガンドのプロトン化形態または非プロトン化形態のいずれかで呼ぶ)。
【0193】
官能化されたアミノカルボキシレートの群は、Bridgerらによる米国特許第5,350,837号(これは、本明細書の一部を構成する)に開示されており、このものはテクネチウム標識のヒドラジノで改変したタンパク質の生成速度を改善する。我々は、これらのアミノカルボキシレートのあるものが本発明の放射性医薬品の収率を改善することを決定した。好ましい付属リガンドであるAL1で官能化されたアミノカルボキシレートはグリシン誘導体であり、最も好ましいのはトリシン(トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)である。
【0194】
本発明の最も好ましいテクネチウム放射性医薬品は、ヒドラジドまたはジアゼニド結合単位、および2種類の付属的に設計されたAL1およびAL2またはジアミンジチオールキレート因子を含む。第2のタイプの付属リガンドであるAL2は、1つ以上のソフト供与原子を含む。このものは、ホスフィンのリン原子、アルシンのヒ素原子、イミンの窒素原子(sp2混成)、硫黄(sp2混成)および炭素(sp混成);p−酸性を有する原子の群から選ばれる。リガンドAL2は、単座、二座または三座であり得て、座数(denticity)はリガンドにおける供与原子の数によって決まる。二座リガンドにおける2つの供与原子の1つおよび三座リガンドにおける3個の供与原子の1つは、ソフト供与原子でなければいけない。我々は、一部継続出願U. S. S. N. 08/415,908、U. S. S. N. 60/013360および08/646,886(これらは本明細書の一部を構成する)において、付属リガンドまたは補助リガンドであるAL2を1つ以上含む放射性医薬品が付属リガンドまたは補助リガンドであるAL2を1つも含まない放射性医薬品と比較して安定であること;すなわち、それらは最少数の異性体を有し、その相対的な比率は経時で有意に変化せず、希釈時でも実質的に無傷のままであることを開示している。
【0195】
ホスフィンまたはアルシンの供与原子を含むリガンドAL2は、三置換のホスフィン、三置換のアルシン、四置換のジホスフィンおよび四置換のジアルシンを含む。イミン窒素を含むリガンドAL2は、不飽和または芳香族性で窒素含有の5または6員のヘテロ環である。硫黄(sp2混成)供与原子を含む該リガンドは、分子C=Sを含むチオカルボニルである。炭素(sp混成)供与原子を含むリガンドは、分子CNR(ここで、Rは有機基である)を含むイソニトリルであある。それらのリガンドの多数は、商業的な供給源から入手することができる。イソニトリルは、欧州特許第0107734号および米国特許第4,988,827号(これらは本明細書の一部を構成する)に記載されている。
【0196】
好ましい付属リガンドであるAL2は、三置換ホスフィンおよび不飽和または芳香族性の5または6員のヘテロ環である。最も好ましい付属リガンドAL2は、三置換ホスフィンおよび不飽和な5員のヘテロ環である。
【0197】
該付属リガンドであるAL2は、アルキル、アリール、アルコキシ、ヘテロ環、アラルキル、アルカアリールおよびアリールアルカアリール基によって置換され得て、それらはヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、リンまたは硫黄)を含む官能基を有していてもまたは有していなくてもよい。それらの官能基としては例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキサミド、ニトロ、エーテル、ケトン、アミノ、アンモニウム、スルホネート、スルホンアミド、ホスホネートおよびホスホンアミドを含むが、これらに限定されない。該官能基は、該リガンドの親油性および水に対する溶解度(これらは、放射性医薬品の生物学的な性質に影響を及ぼすことができ、例えば非標識の組織、細胞または体液への分配の改変、並びに体内からの遊離の機構および速度の改変が挙げられる)を変えるように選択することができる。
【0198】
治療学的な放射性医薬品についてのキレート因子または結合分子は、アルファ粒子、ベータ粒子、オージェもしくはコスタークローニッヒ電子の放射(例えば、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、 90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198Au、199Au、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Ir)を有する放射性同位元素との安定な複合体を形成するように選択する。レニウム、銅、パラジウム、白金、イリジウム、ロジウム、銀および金の同位元素についてのキレート因子は、ジアミンジチオール、モノアミン−モノアミンジチオール、トリアミド−モノチオール、モノアミン−ジアミド−モノチオール、ジアミンジオキシムおよびヒドラジンから選ばれる。イッテリウム、ビスマスおよびランタニド同位元素についてのキレート因子は、環状および非環状のポリアミノカルボキシレート(例えば、DTPA、DOTA、DO3A、2−ベンジル−DOTA、α−(2−フェネチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−1−酢酸−4,7,10−トリス(メチル酢酸)、2−ベンジルシクロヘキシルジエチレントリアミン五酢酸、2−ベンジル−16−メチル−DTPAおよび6,6’’−ビス[N,N,N’’,N’’−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2’’−テルピリジン)から選択される。
【0199】
核磁気共鳴画像診断造影剤についてのキレート因子は、常磁性金属イオン(例えば、Gd(III)、Dy(III)、Fe(III)およびMn(II))と安定な複合体を形成するように選択され、例えば環状および非環状のポリアミノカルボキシレート(例えば、DTPA、DOTA、DO3A、2−ベンジル−DOTA、α−(2−フェネチル)−1,4,7,10−テトラザシクロデカン−1−酢酸−4,7,10−トリス(メチル酢酸)、2−ベンジルシクロヘキシルジエチレントリアミン5酢酸、2−ベンジル−16−メチル−DTPA、6,6’’−ビス[N,N,N’’,N’’−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2’’−テルピリジン)から選ばれる。
【0200】
ヒドラジドまたはジアゼニドの結合単位を含む本発明のテクネチウムおよびレニウムの放射性医薬品は、放射性核種、本発明の試薬、付属リガンドのAL1、付属リガンドのAL2および還元剤を、水溶液中、温度が0〜100℃で混合することによって容易に製造することができる。2つの窒素原子および2つの硫黄原子を有する四座配位キレート因子を含む本発明のテクネチウムおよびレニウムの放射性医薬品は、放射性核種、本発明の試薬および還元剤を水溶液中、温度が0〜100℃で混合することによって容易に製造することができる。
【0201】
本発明の試薬における結合単位がヒゾラゾン基として存在する場合には、そのものはまずヒドラジン(これはプロトン化されていてもまたはプロトン化されていなくてもよい)に変換され、その後金属放射性核種と複合体を形成する。該ヒドラゾン基の該ヒドラジンへの変換は、該放射性核種との反応前に(該放射性核種および付属リガンドもしくは補助リガンドまたはリガンドを該試薬と一緒ではなく、キレート因子もしくは結合単位を有する試薬の加水分解形態と一緒に組み合わせる場合)、あるいは該放射性核種の存在下で(該試薬そのものを該放射性核種および付属リガンドもしくは補助リガンドまたはリガンドと一緒に組み合わせる場合)起こり得る。後者の場合には、該反応混合物のpHを中性または酸性にしなければいけない。
【0202】
別法として、ヒドラジドまたはジアゼニドの結合単位を含む本発明の放射性医薬品は、まず放射性核種の塩、付属リガンドのAL1および還元剤を水溶液中、温度が0〜100℃で混合して該付属リガンドAL1との中間体の放射性核種複合体を得て、次いで本発明の試薬および付属リガンドのAL2を加え、そして更に温度が0〜100℃で反応させることによって製造することができる。
【0203】
別法として、ヒドラジドまたはジアゼニドの結合単位を含む、本発明の放射性医薬品は、まず該放射性核種の塩、付属リガンドのAL1、本発明の試薬および還元剤を水溶液中、温度が0〜100℃で混合して中間体の放射性核種複合体を得て、次いで付属リガンドのAL2を加え、更に温度が0〜100℃で反応させることによって製造することができる。
【0204】
該テクネチウムおよび過レニウムの放射性核種は、過テクネチウム酸または過レニウム酸の化学形態および医薬的に許容し得るカチオン形態であることが好ましい。該過テクネチウム酸塩は、過テクネチウム酸のナトリウム塩(例えば、商業的なTc−99m発生装置から得られるもの)であることが好ましい。本発明の放射性医薬品を製造するのに使用する該過テクネチウム酸の量は、0.1mCi〜1Ciの範囲であり得て、1〜200mCiであることがより好ましい。
【0205】
本発明のテクネチウムおよびレニウムの放性医薬品を製造するのに使用する本発明の試薬の量は、0.01〜10mgの範囲であり得て、0.5μg〜200μgであることがより好ましい。該使用量は、他の反応物の量および製造する本発明の放射性医薬品の性質によって決まるであろう。
【0206】
使用する付属リガンドAL1の量は0.1mg〜1gの範囲であり得て、1mg〜100mgであることがより好ましい。ある放射性医薬品についての正確な量は、製造する本発明の放射性医薬品の性質、使用方法および他の反応物の性質の量および性質の関数である。非常に多量のAL1は、生物学的に活性な分子を有しないテクネチウムで標識したAL1を含む副生成物、または付属リガンドAL1を含むが、付属リガンドAL2を含まないテクネチウムで標識した生物学的に活性な分子を生成するであろう。非常に少量のAL1は、他の副生成物(例えば、付属リガンドAL2を有するが、付属リガンドAL2を有しないテクネチウムで標識した生物学的に活性な分子)、または還元されて加水分解されたテクネチウムもしくはテクネチウムコロイドを生成するであろう。
【0207】
使用する付属リガンドAL2の量は0.001mg〜1gの範囲であり得て、0.01mg〜10mgであることがより好ましい。ある放射性医薬品の正確な量は、製造する本発明の放射性医薬品の性質、使用方法、並びに他の反応物の量および性質の関数である。非常に多量のAL2は、生物学的に活性な分子を有しないテクネチウムで標識したAL2を含む副生成物、または付属リガンドAL2を含むが、付属リガンドAL1を含まないテクネチウムで標識した生物学的に活性な分子を含む副生成物を生成するであろう。1つ以上の置換基を有する試薬が上記の通り、ソフト供与原子を含む置換基を1つ以上含む場合には、式2の試薬に対して少なくとも10倍モル過剰量の付属リガンドAL2が、該置換基が該付属リガンドAL2の金属放射性核種ヘの配位を妨害するのを防止するのに必要である。
【0208】
本発明の放射性医薬品の製造に適当な還元剤としては例えば、スズ(II)塩、亜ジチオン酸塩または亜硫酸水素塩、水素化ホウ素塩およびホルムアミジンスルフィン酸を含み、該塩はいずれかの医薬的に許容し得る形態である。該好ましい還元剤はスズ(II)塩である。使用する還元剤の量は0.001mg〜10mgの範囲であり得て、0.005mg〜1mgであることがより好ましい。
【0209】
ヒドラジドまたはジアゼニド結合単位を含む本発明の放射性医薬品の特異的な構造は、用いる本発明の試薬の性質、付属リガンドであるAL1の性質、付属リガンドであるAL2の性質、および放射性核種の性質に依存するであろう。濃度が<100μg/mLの試薬を用いて製造したヒドラジドまたはジアゼニド結合単位を含む放射性医薬品は、1つのヒドラジドまたはジアゼニド基を含むであろう。>1mg/mLの濃度を用いて製造したそれらの医薬品は、2つの試薬分子由来の2つのヒドラジド基またはジアゼニド基を含むであろう。ほとんどの使用の場合には、ほんの限られた量の生物学的に活性な分子を注射することができ、そのために所望しない副作用(例えば、化学的な毒性)が生じることはなく、生物学的な反応または該放射性医薬品の体内分布の改変が妨害されることもない。従って、生物学的に活性な分子の一部を含む該試薬のより高濃度を必要とする放射線医薬品は、それらの副作用を避けるために製造後に希釈するか、または精製されなければいけないであろう。
【0210】
付属リガンドであるAL1およびAL2の性質およびその使用量は、変数yおよびzの値を決めるであろう。yおよびzの値は独立して、1〜2の整数であり得る。組み合わせの場合には、yおよびzの値は少なくとも5で且つ7以下の供与原子からなるテクネチウム配位圏を与えるであろう。単座の付属リガンドであるAL2の場合には、zは1〜2の整数であり得る。二座または三座の付属リガンドであるAL2の場合には、zは1である。単座リガンドについての好ましい組み合わせは、yが1または2であって、zが1である。二座または三座のリガンドについての好ましい組み合わせは、yが1であって、zが1である。
【0211】
本発明のインジウム、銅、ガリウム、銀、パラジウム、ロジウム、金、白金、ビスマス、イッテリウムおよびランタニドの放射性医薬品は、放射性核種の塩および本発明の試薬を、水溶液中、温度が0〜100℃で混合することによって容易に製造することができる。これらの放射性核種は典型的に、鉱酸(例えば、塩酸、硝酸または硫酸)中の希釈水溶液として得る。該放射性核種は、水溶液に溶解した1〜約1000当量の本発明の試薬と組み合わせる。緩衝液は典型的に、該反応混合物のpHを3〜10の間に維持するために用いられる。
【0212】
本発明のガドリニウム、ジスプロシウム、鉄およびマンガンの金属放射性医薬品は、常磁性金属イオンの塩および本発明の試薬を、水溶液中、温度が0〜100℃の範囲で混合することによって容易に製造することができる。これらの常磁性金属イオンは典型的に、鉱酸(例えば、塩酸、硝酸または硫酸)の希釈水溶液として得られる。該常磁性金属イオンは、水溶液に溶解した1〜約1000当量の本発明の試薬と組み合わせる。緩衝液は典型的に、該反応混合物のpHを3〜10の間に維持するために使用する。
【0213】
製造の総時間は、金属イオンの性質、反応物の性質および量、並びに製造に使用する方法によって変わるであろう。該製造は完結して、1分間で放射性医薬品の>80%収率を得ることができたり、あるいはより長時間を必要とすることもある。より高純度の金属放射性医薬品を必要したりまたは所望される場合には、該生成物は当該分野の当業者にとってよく知られる多数の方法のいくつか(例えば、液体クロマトグラフィー法、固相抽出法、溶媒抽出法、透析または限外ろ過)によって精製することができる。
【0214】
金属医薬品の製造において、および該放射性医薬品の製造に有用な診断用キットにおいて有用な緩衝液としては、例えばリン酸塩、クエン酸塩、スルホサリチル酸塩および酢酸塩を含むが、これらに限定されない。より完全なリストは、米国薬局方で知ることができる。
【0215】
放射性医薬品の製造に有用な診断用キットの製造に有用な凍結乾燥剤としては、例えばマンニトール、ラクトース、ソルビトール、デキストラン、フィコールおよびポリビニルピロリドン(PVP)を含むが、これらに限定されない。
【0216】
金属医薬品の製造において、および放射性医薬品の製造に有用な診断用キットにおいて有用な安定化剤としては、例えばアスコルビン酸、システイン、モノチオグリセロール、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、ゲンチジン酸およびイノシトールを含むが、これらに限定されない。
【0217】
金属医薬品の製造において、および放射性医薬品の製造において有用な診断用キットにおいて有用な可溶化剤としては、例えばエタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン・モノオレイン酸塩、ソルビタン・モノオレイン酸塩、ポリソリベート、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロック共重合体(プルロニック(Pluronics))およびレシチンを含むが、これらに限定されない。好ましい可溶化剤は、ポリエチレングリコールおよびプルロニックである。
【0218】
金属医薬品の製造において、および放射性医薬品の製造において有用な診断用キットにおいて有用な静菌剤としては、例えばベンジルアルコール、ベンズアルコニウムクロリド、クロロブタノール、およびメチル、プロピルもしくはブチルパラベンを含むが、これらに限定されない。
【0219】
診断用キットにおける成分はまた、1つ以上の機能を果たすことができる。還元剤はまた安定化剤として機能することもでき、緩衝液はまた運搬リガンドとして機能することもでき、凍結乾燥剤はまた運搬、付属または補助リガンドなどとして機能することもできる。
【0220】
該診断用放射性医薬品は、通常サリン溶液中で、体重70kg当たり1〜100mCiの用量で静脈内注射によって投与する。画像診断は公知の方法を用いて行なう。
【0221】
治療学的な放射性医薬品は、通常サリン溶液中で、体重70kg当たり0.1〜100mCiの用量で、好ましくは体重70kg当たり0.5〜5mCiの用量で静脈内注射によって投与する。
【0222】
本発明の核磁気共鳴画像診断造影剤は、米国特許第5,155,215号;米国特許第5,087,440号;MargerstadtらによるMagn. Reson. Med., 1986, 3, 808;RungeらによるRadiology, 1988, 166, 835;およびBousquetらによるRadiology, 1988, 166, 693に記載されている他のMRI剤と同様な方法で使用することができる。通常、造影剤の減菌した水溶液は、用量が体重kg当たり0.01〜1.0mmolの範囲で患者に静脈内投与される。
【0223】
X−線造影剤として使用する場合には、本発明の組成物は通常、濃度が1mM〜5M、好ましくは0.1M〜2Mの重原子を有する。静脈内注射によって投与される用量は典型的に、0.5mmol/kg〜1.5mmol/kgであり、好ましくは0.8mmol/kg〜1.2mmol/kgである。画像診断は、公知の方法を用いて行ない、X−線コンピューターの断層撮影が好ましい。
【0224】
本発明の超音波造影剤は、体重kg当たり音波発生ガスの10〜30μLの用量で静脈内注射によるか、または速度が約3μL/kg/分での注入によって投与する。画像診断は、断層撮影の公知の方法を用いて行なう。
【0225】
本発明の他の特徴は、以下の典型的な態様の記載から明白となるであろうが、これらは本発明を例示するものであって、限定することを意図するものではない。
【0226】
実施例
本発明の化合物を製造するのに使用することができる代表的な物質および方法を、以下に記載する。
【0227】
マニュアル固相ペプチド合成は、25mLのポリプロピレンろ過チューブ(BioRad社製)または60mLの時間−ガラス(hour-glass)反応容器(Peptides International社製)中で行なった。オキシム樹脂(置換レベルは0.96 mmol/g)は、公知の方法(DeGradoおよびKaiserによるJ.Org. Chem. 1980, 45, 1295)に従って製造するか、あるいはNovabiochem社(置換レベルは0.62 mmol/g)から購入した。全ての化学品および溶媒(試薬グレード)は、更に精製することなく、引用した売主から供給されたままで使用した。t−ブチルオキシカルボニル(Boc)アミノ酸および他の出発アミノ酸は、Bachem Inc., Bachem Biosciences Inc. (Philadelphia, PA)、Advanced ChemTech (Louisville, KY)、Peninsula Laboratories (Belmont, CA)またはSigma (St. Louis, MO)から商業的に入手した。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびTBTUは、Advanced ChemTech社から購入した。N−メチルモルホリン(NMM)、m−クレゾール、D−2−アミノ酪酸(Abu)、トリメチルアセチルクロリド、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、1,2,4−トリアゾール、塩化スズ(II)二水和物およびトリス(3−スルホネートフェニル)ホスフィントリナトリウム塩(TPPTS)は、Aldrich Chemical Companyから購入した。ビス(3−スルホネートフェニル)フェニルホスフィン二ナトリウム塩(TPPDS)は、公知の方法(Kuntz, E.による米国特許第4,248,802号)によって製造した。(3−スルホネートフェニル)ジフェニルホスフィン・モノナトリウム塩(TPPMS)は、TCI America, Inc.から購入した。トリシンは、Research Organic, Inc.から入手した。テクネチウム−99m過テクネチウム酸塩(99mTcO4 -)は、DuPont Pharma 99Mo/99mTc テクネライト(Technelite)(登録商標)generatorから入手した。In−111クロリド(インジクロール(Indichlor)(登録商標))は、Amersham Medi-Physics, Inc.から入手した。Sm−153−クロリドおよびルテチウム−177−クロリドは、University of Missouri Research Reactor (MURR)から入手した。イッテリウム−90−クロリドは、Pacific Northwest Research Laboratoriesから入手した。ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸エチル、クロロホルム(CHCl3)、メタノール(MeOH)、ピリジンおよび塩酸(HCl)は、Bakerから入手した。アセトニトリル、ジクロロメタン(DCM)、酢酸(HOAc)、トリフルオロ酢酸(TFA)、エチルエーテル、トリエチルアミン、アセトンおよび硫酸マグネシウムは商業的に入手した。無水エタノールは、Quantum Chemical Corporationから入手した。
【0228】
環状ペプチドの製造のための、オキシム樹脂上でのBoc化学を用いた固相ペプチド合成の一般的製法
実施例において記載する適当に保護した環状ペプチドは、p−ニトロベンゾフェノンオキシム固体支持体(DeGrado, 1982, Scarr and Findeis, 1990)上でBoc−ティーバッグ(teabag)化学(Houghton, 1985)を用いてマニュアル固相ペプチド固相合成によって製造した。5.0 cm x 5.0 cmのティーバッグは、0.75 mmメッシュのポリプロピレンフィルター(Spectra Filters)から調製し、該オキシム樹脂の0.5g(または、1g)を用いてろ過した。該カップリング反応および脱保護反応の工程は、かき混ぜのためのテーブル−トップ撹拌器(table-top shaker)を用いるポリプレピレン反応器中で行なった。該保護したペンタペプチド樹脂中間体の製造は、まずBoc-Gly-OHをオキシム樹脂(置換は0.69 mmol/gまたは0.95 mmol/g)とカップリングさせた。該オキシム樹脂上へのBoc-Gly-OHの結合は、アミノ酸、HBTUおよびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の各々5当量をDMF中で用いることによって達成した。第1のアミノ酸のカップリング反応は通常、2〜3日かけて行なった。洗浄後に、置換レベルをピクリン酸アッセイ(StewartおよびMartin)を用いて測定した。次いで、該樹脂上の未反応のオキシム基を、DIPEAおよびトリメチルアセチルクロリドのDMF溶液を用いてキャップした。該boc基を50%または25%のTFAのDCM溶液を用いて脱保護した(30分間)。他の保護されたbocアミノ酸のカップリング反応は、終夜振り混ぜる(1〜2日間)ことによって、同様な方法で行なった。各新たに付加させたアミノ酸についての該カップリング収率は、ピクリン酸アッセイを用いて測定した。
【0229】
環状ペプチドの製造のための、HMPB-BHA樹脂上でのFmoc−化学を用いた固相ペプチド合成の一般的製法
実施例において記載する適当に保護した直鎖ペプチド前駆体は、Advanced ChemTech Model 90合成機でのFmoc化学および固体支持体としてのHMPB-BHA樹脂を用いた自動固相ペプチド製造によっても製造した。該保護されたペンタペプチド樹脂中間体の製造は、アミノ酸、HBTU、HOBTおよびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の各々3〜5当量をDMF中で使用することによって、商業的に入手可能な(Novabiochem 製)Fmoc-Gly-HMPB BHA樹脂(通常2g、置換は0.47〜0.60mmol/g)ヘ連続してFmoc−アミノ酸をカップリングさせる(3時間)ことによって達成した。該Fmoc−基を、20%ピペリジンのDMF溶液を用いて脱保護した(30分間)。該ペプチドを1%TFA/DCM溶液を用いてHMPB−BHA樹脂から切断し、ピリジンのメタノール溶液(1:10)中の該ペプチド溶液を集めた。該直鎖の保護されたペプチドは、真空下で溶媒および試薬を除去し、該粗残渣のジエチルエーテルをトリチュレートすることによって単離した。
【0230】
商業的に入手することができないいくつかのアミノ酸の製造を、以下の製法において記載する。
【0231】
Tfaアミノ酸の製造
Boc−ホモLys (Tfa)−OHおよびBoc−Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−OHは、それぞれBoc−ホモLys−OHおよびBoc−Cys(2−アミノエチル)−OHをNaOH水溶液中でチオトリフルオロ酢酸エチルと反応させることによって製造し、エタノールから再結晶することによって精製する。
【0232】
Boc−Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)の製造
Boc−Orn (1mmol)のDMF(30mL)溶液に、ベンジルイソシアネート(2.2mmol)およびジイソプロピルアミン(3mmol)を加える。次いで、該反応混合物を室温で終夜撹拌する。該揮発物を真空下で除去し、該粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的の生成物を得る。
【0233】
Boc−Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)の製造
Boc−Orn−OH (10mmol)、1−トシル−2−メチルチオ−2−イミダゾリン(12mmol、このものは商業的に入手可能な2−メチルチオ−2−イミダゾリンヨウ化水素酸(hydriodide)およびp−トルエンスルホン酸無水物をトリエチルアミンの存在下でジクロロメタン(0℃〜RT)中で反応させることから製造する)およびジイソプロピルエチルアミン(12mmol)の溶液を、終夜還流下で撹拌する。該揮発物を除去し、クロマトグラフィー精製によって目的物を単離する。
【0234】
Dap(b−(1−Tos−2−ベンズイミダゾリルアセチル))の製造
1−Tos−2−ベンズイミダゾリル酢酸(10mmol、このものはトシルクロリドおよび通常報告されている条件を用いて製造する)およびN−メチルモルホリン(10mmol)の無水DMF溶液に、クロロギ酸イソブチル(10mmol)を加える。氷浴下で5〜10分間撹拌後に、Boc−Orn−OH(10mmol)およびN−メチルモルホリン(20mmol)の無水DMFを1回で加える。該反応混合物を室温で終夜撹拌し、揮発物を真空下で除去し、該生成物をクロマトグラフィーによって精製する(別法として、Boc−Orn−OHを使用して、該単離した生成物をLiOH水溶液を用いて処理して該酸を得る)。
【0235】
使用するHPLC分析法を以下に記載する。
プレパラティブHPLC(1法)
装置:HP1050
カラム:ビダック(Vydac)C−18(4.6 × 250mm)
検出器:ダイオードアレイ検出器220nm×500ref
流速:1.0mL/分
カラムの温度:50℃
サンプルサイズ:15μL
【0236】
実施例1
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化45】
A部:シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列がBoc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Arg(Tos)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分)。該樹脂をDCM(×5)を用いて洗浄して、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.7474g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物(444.4mg)を得た。ESMS:(C51H63N9O12Sとして)計算値:1025.43;実測値:1026.6[M+H]+1。HPLC分析(1A法)Rt=14.366分、純度=75%。
【0237】
B部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
【化46】
シクロ{Arg(Tos−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.150g、0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を滴下し、温度を−10℃に保った。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却して、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。得た該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(29.7mg、23%)を得た。ESMS:(C29H45N9O8として)計算値:647.34;実測値:648.5[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=10.432分、純度=91%。
【0238】
プレパラティブHPLC(1法)
装置:レイニンラビット(Rainin Rabbit);ダイナマックス(Dynamax)ソフトウェア
カラム:ビダックC−18(21.2mm × 25cm)
検出器:クナウエル(Knauer)VWM
流速:15mL/分
カラムの温度:RT
【0239】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.020g、0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた・該反応混合物を7日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC1法によって精製して、凍結乾燥した固体の標題生成物(TFA塩)(8.9mg、37%)を得た。HRMS:(C42H54N12O12S+Hとして)計算値:951.3783;実測値:951.3767。HPLC分析(1B法)、Rt=14.317分、純度=95%。
【0240】
実施例2
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソ−オクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化47】
A部:3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパン酸の製造
N−(3−(2−(2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)(tert−ブトキシ)ホルムアミド(1.5g、4.68mmol)をDMF(15mL)に加えた。この溶液に、ピリジン(15mL)およびコハク酸無水物(0.47g、4.68mmol)を加え、続いてジメチルアミノピリジン(62mL、0.468μmol)を加えた。該反応混合物を100℃で終夜撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮して、該残渣を水に溶かし、1N HClを用いてpHを2.5とし、酢酸エチル(3×)を用いて抽出した。該有機抽出液を合わせてMgSO4を用いて乾燥し、ろ過した。該ろ液を真空下で濃縮して、油状物の生成物(1.24g、63%)を得た。目的の生成物を更に精製することなく使用した。1H NMR (CDC13) 3.67-3.45 (m, 11H), 3.41-3.28 (m, 2H), 3.21-3.09 (m, 2H), 2.95-2.82 (m, 2H), 2.80-2.35 (m, 3H), 1.81-1.68 (m, 4H), 1.50-1.35 (s, 9H);ESMS(C19H36N2O8として計算)計算値:420.2471;実測値:419.3[M−H]−1。
【0241】
B部:3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパン酸スクシンイミドエステルの製造
【化48】
3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパン酸(1.12g、2.66 mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.40g、3.46mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)溶液に、1−(3−ジメチルアミノピロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.6g、3.46mmol)を加えた。該反応混合物を室温で48時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮して、残渣を0.1N HClに溶かし、酢酸エチル(×3)を用いて抽出した。該有機抽出液を合わせて、水(2×)、次いで飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥してろ過した。該ろ液を真空下で濃縮して、油状物の生成物(1.0g、73%)を得た。該目的の生成物を更に精製することなく使用した。ESMS(C23H39N3O10として計算)計算値:517.2635;実測値:518.2[M+H]+1。
【0242】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−(3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパンアミド)プロピル)−Val}の製造
【化49】
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val・TFA塩(0.040g、0.0457mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(19.1μL、0.137mmol)を加え、5分間撹拌後に、3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパン酸スクシンイミドエステル(0.0284g、0.0548mmol)を加えた。該反応混合物をN2下で48時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートして、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。該粗生成物をプレパラティブHPLC1法によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(7.4mg、14%)を得た。ESMS(C48H79N11O15として計算)計算値:1049.58;実測値:1050.5[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=20.417分、純度=100%。
【0243】
D部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−(3−(N−(3−(2−(2−(3−(アミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパンアミド)プロピル)−Val}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−(3−(N−(3−(2−(2−(3−((tert−ブトキシ)カルボニルアミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパンアミド)プロピル)−Val}(6.0mg、0.00515mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。該溶液を2時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をジエチルエーテルを用いてトリチュレートして、生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で濃縮して目的の生成物(6.0mg、98%)を得た。ESMS(C43H71N11O13として計算)計算値:949.52;実測値:950.6[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=14.821分、純度=73%。
【0244】
E部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソオクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−(3−(N−(3−(2−(2−(3−(アミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバモイル)プロパンアミド)プロピル)−Val}(5.0 mg、0.00424mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(1.8μL、0.0127mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(2.2mg、0.00509mmol)を加えた。該反応混合物を24時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(2.2mg、38%)を得た。ESMS(C56H80N14O17Sとして計算)計算値:1252.6;実測値:1253.7[M+H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=17.328分、純度=100%。
【0245】
実施例3
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
【化50】
A部:Boc−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp} (0.040g、0.0457mmol)をジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(19.1μL、0.137mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。Boc−Glu(OSu)−OSu(0.0101g、0.0229mmol)を加え、該反応混合物をN2下で18時間撹拌した。次いで、該反応混合物を高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物(38.0mg、55%)を得た。ESMS(C68H103N19O20として計算)計算値:1505.76;実測値:1504.9[M−H]−1。HPLC分析(1B法)、Rt=19.797分、純度=73%。
【0246】
B部:Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}・TFA塩の製造
【化51】
Boc−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}(0.035g、0.0232mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮し、エーテルを用いてトリチュレートした。得られた生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物(30.7mg、76%)を得た。ESMS(C63H95N19O18として計算)計算値:1405.71;実測値:1404.7[M−H]−1。HPLC分析(1B法)、Rt=15.907分、純度=77%。
【0247】
C部:[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]−ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp}(0.025g、0.0143mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(6.0μL、0.0429mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0076g、0.0172mmol)を加え、該反応混合物を5日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した目的生成物(12.0mg、43%)を得た。ESMS(C76H104N22O22Sとして計算)計算値:1708.7;実測値:1710.1[M+H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=17.218分、純度=94%。
【0248】
実施例4
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化52】
A部:シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(Bzl)−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列がBoc−Asp(OBzl)−D−Tyr(Bzl)−Lys(z)−Arg(Tos)−Glyオキシム樹脂のN−末端Boc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFA/CH2Cl2)を用いて脱保護した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.8711g、0.44mmol/g)をDMF(15mL)に懸濁した。氷酢酸(47.1μL、0.823mmol)を加え、該反応液を60℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的物(653.7mg)を得た。ESMS(C56H65N9O12Sとして計算)計算値:1087.45;実測値:1088.7[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=17.559分、純度=82%。
【0249】
B部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−Lys}の製造
【化53】
シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(Bzl)−Lys(Cbz)}(0.200g、0.184mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を滴下し、温度を−10℃に保った。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−50℃まで冷却し、1時間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄して高真空下で乾燥した。該粗生成物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(15.2mg、10%)を得た。ESMS(C27H41N9O8+Hとして)計算値:620.3156;実測値:620.3145。HPLC分析(1B法)、Rt=8.179分、純度=100%。
【0250】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr−Lys}・TFA塩(0.010g、0.0118mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(5.0μL、0.0354mmol)を加え、5分間撹拌後に、[2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0062g、0.0142mmol)を加えた。該反応混合物を20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した目的生成物(6.2mg、46%)を得た。ESMS(C40H50N12O12S+Hとして計算)計算値:923.3470;実測値:923.3486。HPLC分析(1B法)、Rt=11.954分、純度=100%。
【0251】
実施例5
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化54】
A部:シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列がBoc−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(z)−Arg(Tos)−Gly−オキシムのN−末端Boc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFA/CH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を続けて、DCM(×5)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.7053g、0.44mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(43.0μL、0.750mmol)を加え、該反応混合物を60℃まで72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DCM(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で乾燥して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物(510.3mg)を得た。ESMS(C49H59N9O11S+Hとして計算)計算値:981.40;実測値:982.6。HPLC分析(1A法)、Rt=15.574分、純度=89%。
【0252】
B部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}の製造
【化55】
シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}(0.200g、0.204mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解して、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を滴下し、温度を−10℃に保った。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−50℃まで冷却し、1時間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、プレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した。固体の目的生成物(121.1mg、71%)を得た。HRMS(C27H41N9O7+Hとして計算)計算値:604.3207;実測値:604.3206。HPLC分析(1B法)、Rt=11.197分、純度=100%。
【0253】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}・TFA塩(0.040 g、0.0481 mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(20.1μL、0.144mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0254g、0.0577mmol)を加えた。該反応混合物を20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した目的生成物(38.2mg、78%)を得た。HRMS(C40H50N12O11S+Hとして計算)計算値:907.3521;実測値:907.3534。HPLC分析(1B法)、Rt=14.122分、純度=91%。
【0254】
実施例6
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化56】
A部.Boc−Glu(OSu)−OSuの製造
【化57】
Boc−Glu−OH(8.0g、32.25mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(8.94g、77.64mmol)およびDMF(120mL)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(14.88g、77.64mmol)を加えた。該反応混合物を室温で48時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、残渣を0.1N HClに溶かし、酢酸エチル(3×)を用いて抽出した。該有機抽出液を合わせて、水、飽和炭酸水素ナトリウム、次いで飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥し、ろ過した。該ろ液を真空下で濃縮して、逆相HPLC(ビダックC18カラム、0.1%のTFAを含有する18〜90%のアセトニトリル勾配を使用、Rt=9.413分)によって精製して、白色粉末の目的生成物(8.5g、60%)を得た。1H NMR (CDC13) : 2.98-2.70 (m, 11H), 2.65-2.25 (m, 2H), 1.55-1.40 (s, 9H);ESMS(C18H23N3O10として)計算値:441.1383;実測値:459.2[M+NH4]+1。
【0255】
B部.Boc−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
シクロ(Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe)(0.050g、0.0601mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(25.1μL、0.183mmol)を加えた。5分間撹拌後に、Boc−Glu(OSu)−OSu(0.0133g、0.0301mmol)を加えた。該反応混合物をN2下で20時間撹拌して、次いで高真空下で濃縮して油状物を得て、このものを酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた生成物をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物(43.7g、44%)を得た。HRMS(C64H95N19O18として計算)計算値:1417.71;実測値:1418.8[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=19.524分、純度=73%。
【0256】
C部:Glu(シクロ[Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}・TFA塩の製造
【化58】
Boc−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(0.040g、0.0243mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをジエチルエーテルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的物(39.9mg、100%)を得た。HRMS(C59H87N19O16として計算)計算値:1317.66;実測値:1318.9[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=15.410分、純度=73%。
【0257】
D部:[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ {Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(0.030g、0.0183mmol)のジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、トリエチルアミン(7.6μL、0.0549mmol)を加えて、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0096g、0.0220mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(11.0mg、32%)を得た。ESMS(C72H96N22O20Sとして計算)計算値:1620.7;実測値:1620.1[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=16.753分、純度=91%。
【0258】
実施例7
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化59】
A部:Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化60】
Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(23.4 mg、0.014 mmol)およびトリエチルアミン(7.8μL、0.56mmol)のDMF(2mL)溶液を5分間撹拌した。このものに、Boc−Phe−OSu(5.1mg、0.014mmol)を加え、該反応混合物を窒素下、室温で終夜撹拌した。DMFを真空下で除去し、得られた残渣をTFA(1.5mL)およびジクロロメタン(1.5mL)に溶解した。該溶液を2時間撹拌し、真空下で濃縮してTFA塩の目的生成物(31mg)を得た。ESMS(C68H96N20O17Sして計算)計算値:1464.7;実測値:1465.6[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=15.48分、純度=95%。
【0259】
B部:[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(0.030g、0.016mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(9μL、0.064mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]−ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0099g、0.0220mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。残渣をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(7mg、22%)を得た。ESMS(C81H195N23O21Sして計算)計算値:1767.8;実測値:1768.8[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=17.68分、純度=99%。
【0260】
実施例8
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化61】
A部:シクロ{Arg(Mtr)−Gly−Asp(OtBu)−D−Nal−Lys(Boc)} の製造
【化62】
ペプチド:Asp(OtBu)−D−Nal−Lys(Boc)−Arg(Mtr)−Glyは、Fmoc化学を用いた自動固相合成によって得た。丸底フラスコ(100mL)をHBTU(349mg、0.92mmol)およびDMF(10mL)を用いて満たした。該溶液を60℃で5分間撹拌した。このものに、Asp(OtBu)−D−Nal−Lys(Boc)−Arg(Mtr)−Gly(0.684g)およびヒューニッヒ塩基(0.34mL、1.97mmol)のDMF(10mL)溶液を加え、該溶液を窒素下、60℃で4時間撹拌した。次いで、該溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該固体をろ過し、酢酸エチル(3×5mL)を用いて洗浄し、真空下で乾燥して目的の生成物(520mg、86%)を得た。ESMS(C50H71N9O12Sして計算)計算値:1021.5;実測値:1022.5[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=15.91分、純度=99%。
【0261】
B部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys}・ビスTHF塩の製造
【化63】
シクロ{Arg(Mtr)−Gly−Asp(OtBu)−D−Nal−Lys(Boc)}(500 mg、0.49mmol)、TFA(7mL)、トリイソプロピルシラン(0.25mL)および水(0.25mL)の溶液を、窒素下、室温で18時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去し(3時間かけて)、残渣をジエチルエーテルを用いてトリチュレートして、TFA塩の目的生成物(426mg、98%)を得た。ESMS(C31H43N9O7として計算)計算値:653.3;実測値:654.3[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.30分、純度=97%。
【0262】
C部:シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[(5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノメチル]−ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys}・TFA塩(0.056g、0.064mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(27μL、0.19mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.039g、0.089mmol)を加えた。該反応混合物を窒素下、終夜撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(49.3mg、72%)を得た。ESMS(C44H52N12O11Sとして計算)計算値:956.4;実測値:957.5[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=16.19分、純度=98%。
【0263】
実施例9
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}の製造
【化64】
A部.Boc−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}の製造
シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}(0.052g、0.059mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(25μL)を加えた。5分間撹拌後に、Boc−Glu(OSu)−OSu(0.013g、0.029mmol)を加えた。該反応混合物をN2下で20分間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得て、このものを酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた生成物をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で濃縮して粗形態の目的生成物(35.2mg)を得た。ESMS(C72H99N19O18としてk計算)計算値:1517.7;実測値:760.1[M+2H]+2。HPLC分析(1B法)、Rt=21.07分(65%)。
【0264】
B部:Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}の製造
【化65】
粗Boc−Glu(シクロ{Lys−Arg− Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}(35.2 mg)のジクロロメタン(1.5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、ジエチルエーテルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して粗目的の生成物(THF塩)(34.9mg)を得た。ESMS(C67H91N19O16として計算)計算値:1417.69;実測値:1418.7[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=19.1分、純度=62%。
【0265】
C部.[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−AspD−Nal}の製造
Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal}(34.9 mg)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(10μL、0.074mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(15.2mg、0.0344mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、目的の生成物(THF塩)(3mg)を得た。ESMS(C80H100N22O20Sとして計算)計算値:1720.7;実測値:1722.6[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=19.78分、純度=92%。
【0266】
実施例10
シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val)の製造
【化66】
A部.シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−Lys(Cbz)−D−Val}の製造
ペプチド配列がBoc−Asp(OBzl)−Lys(z)−D−Val−Arg(Tos)−Gly−オキシムのN−末端のBoc−保護基を、標準的な方法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂をジエチルホルムアミド(1.3229g、0.44mmol/g)をジメチルホルムアミド(10mL)に懸濁した。氷酢酸(33.3μL、0.582mmol)を加え、該反応液を65℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートして、高真空下で乾燥し、次いでプレパラティブHPLC(2法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(93.0mg)を得た。ESMS(C45H59N9O11Sとして計算)計算値:933.41;実測値:934.5[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=14.078分、純度=85%。
【0267】
プレパラティブHPLC(2法)
装置:レイニンラビット;ダイナマックスソフトウェア
カラム:ビダックC−18(21.2mm × 25cm)
検出器:クナウエル VWM
流速:15mL/分
カラムの温度:RT
【0268】
B部.シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys−D−Val}の製造
【化67】
シクロ{Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−Lys(Cbz)−D−Val}(0.080g、0.0856mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解して、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5ml)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。得られた該粗生成物をろ過し、エーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(44.2mg、66%)を得た。ESMS(C23H41N9O7として計算)計算値:555.31;実測値:556.3[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=8.959分、純度=92%。
【0269】
C部.シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val}の製造
シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys−D−Val}(0.036g、0.0459mmol)のジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、トリエチルアミン(19.2μL、0.0138mmol)を加え、5分間撹拌した。メチルスルホキシド(0.7mL)を加え、続いて2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0243g、0.0551mmo)を加え、該反応混合物を20時間撹拌した。該反応混合物を高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(13.9mg、31%)を得た。ESMS(C36H50N12O11S+Hとして計算)計算値:859.3443;実測値:859.3503[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.479分、純度=92%。
【0270】
実施例11
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
【化68】
A部.Boc−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}(0.400g、0.51mmol)のジメチルホルムアミド(7mL)溶液に、トリエチルアミン(0.21mL、1.53mmol)を加えた。5分間撹拌後に、Boc−Glu(OSu)−OSu(115 mg、0.26mmol)を加えた。該反応混合物をN2下で20時間撹拌し、次いで濃縮して油状物を得た。その結果得られた該生成物をプレパラティブRP−HPLCによっていくらか精製して、生成物(124mg)を得た。ESMS(C56H95N19O18として計算)計算値:1321.71;実測値:1322.6[M+H]+1。
【0271】
B部.Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
【化69】
Boc−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}(0.124g)のジクロロメタン(5mL)溶液に、トリフロオロ酢酸(5mL)を加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをジエチルエーテルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、RP−HPLC精製後に、目的の生成物(THF塩)(16.2mg)を得た。ESMS(C51H87N19O16として計算)計算値:1221.66;実測値:1222.6[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=11.43分、純度=93%。
【0272】
C部.[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}の製造
Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp}(0.016g、0.01mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液にトリエチルアミン(4.2μL)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0063g、0.014mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該残渣をプレパラティブRP−HPLC(1法)によって精製して、目的の生成物(THF塩)を得た。ESMS(C64H96N22O20Sとして計算)計算値:1524.7;実測値:1525.7[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.20分、純度=99%。
【0273】
実施例12
{シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化70】
A部.シクロ{Arg(Tos)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}の製造
ペプチド配列がBoc−Arg(Tos)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCM(×8)を用いて洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて中和した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.08g、0.36mmol/g)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を55℃まで72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して、油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該得られた固体を逆相HPLC(ビダックC18カラム、0.1%TFAを含有する18〜90%のアセトニトリル勾配を使用、Rt=15.243分)によって精製して、白色粉末の生成物(30%)(101mg)を得た。ESMS(C44H57N9O12Sとして計算)計算値:935.3847;実測値:936.5[M+H]+1。
【0274】
B部.シクロ{Arg−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化71】
保護された環状ペプチドであるシクロ{Arg(Tos)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}(90mg、0.0961mmol)をトリフルオロ酢酸(0.95mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.116mmol)、続いてアニソール(190mL)を加えた。該反応混合物を−16℃で3時間撹拌した。次いで、該ドライアイス/アセトン浴を−35℃まで冷却し、冷エーテル(40mL)を該溶液に加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥し、逆相プレパラティブHPLC(ビダックC18、0.1%TFAを含有する18〜90%勾配のアセトニトリルを使用、Rt=13.383分)によって精製して、標題生成物(17mg、27%)を得た。ESMS(C29H45N9O8として)計算値:647.3391;実測値:648.2[M+H]+1。
【0275】
C部.{シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
シクロ{Arg−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}(14mg、0.0216mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(15mL、0.108mmol)を加え、このものを室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノスルホン酸塩(11mg、0.0260mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、該残渣を逆粗HPLC(ビダックC18カラム、0.1%TFAを含有する10〜90%勾配のアセトニトリルを使用、Rt=16.264分)によって精製して白色粉末の生成物(10mg、49%)を得た。ESMS(C42H54N12O12Sとして計算)計算値:950.3705;実測値:951.3[M+H]+1。
【0276】
実施例13
シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化72】
A部.シクロ{D−Lys(Cbz)−D−Phe−D−Asp(OBzl)−Gly−Arg(Tos)}の製造
ペプチド配列がBoc−Arg(Tos)−D−Lys(Cbz)−D−Phe−D−Asp(OBzl)−Glyオキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFA/CH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DACを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.93g、0.44mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(77μL)を加え、該反応液を60℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得て、次いでこのものをプレパラティブRP−HPLCによって精製した(収量=252mg)。ESMS(C49H59N9O11Sとして計算)計算値:981.40;実測値:982.3[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=14.577分。
【0277】
B部.シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}・TFA塩の製造
【化73】
シクロ{D−Lys(Cbz)−D−Phe−D−Asp(OBzl)−Gly−Arg(Tos)}(0.152g、0.155mmol)をトリフルオロ酢酸(1.55mL)に溶解して−16℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(1.86mL)を温度を−16℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.31mL)を加え、該反応液を−16℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−35℃まで冷却し、20分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、プレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(69mg、〜53%)を得た。ESMS(C27H41N9O7+Hとして計算)計算値:604.3207;実測値:604.4。HPLC分析(1B法)、Rt=10.35分、純度=93%。
【0278】
C部.シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}・TFA塩の製造
シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}・TFA塩(0.056g、0.0673mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(28μL、0.202mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.029g、0.0673mmol)を加えた。該反応混合物を70時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して凍結乾燥した固体の目的生成物(THF塩)(14mg、78%)を得た。ESMS(C40H50N12O11S+Hとして計算)計算値:907.3521;実測値:907.3。HPLC分析(1B法)、Rt=14.17分、純度=99%。
【0279】
実施例14
[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化74】
A部.Boc−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp− Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
シクロ(D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg)(0.190g、0.228mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)溶液に、トリエチルアミン(95μL、0.684mmol)を加えた。5分間撹拌後に、Boc−Glu(OSu)−OSu(0.050g、0.114mmol)を加えた。該反応混合物をN2下、20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得て、このものを酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた生成物をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して粗形態の目的生成物(172mg)を得た。ESMS(C64H95N19O18として計算)計算値:1417.71;実測値:1418.7[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=16.8分。
【0280】
B部.Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化75】
Boc−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}(0.172g)のジクロロメタン(4.5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(4.5mL)を加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをジエチルエーテルを用いてトリチュレートした。該生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥してRP−HPLC後に凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(38mg)を得た。ESMS(C59H87N19O16として計算)計算値:1317.66;実測値:1318.9[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.06分。純度=93%。
【0281】
C部.[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化76】
Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg}(0.025g、0.015mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(6.3μL、0.045mmol)を加え、該反応混合物を5分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0092g、0.0210mmol)を加え、該反応混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した目的生成物(TFA塩)(12.5mg)を得た。ESMS(C72H96N22O20Sとして計算)計算値:1620.7;実測値:1622.5[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=14.62分。純度=96%。
【0282】
実施例15
シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg}の製造
【化77】
A部.シクロ{D−Phe−D−Lys(Cbz)−D−Asp(OBzl)−Gly−Arg(Tos)}の製造
ペプチド配列がBoc−Arg(Tos)−D−Phe−D−Lys(Cbz)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.5g、0.44mmol/g)をジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(61μL)を加え、該反応液を60℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た(収量=370mg)。ESMS(C49H59N9O11Sとして計算)計算値:981.40;実測値:982.4[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=14.32分(純度=60%)。
【0283】
B部.シクロ{D−Phe−D−Lys−D−Asp−Gly−Arg}・ビスTFA塩の製造
【化78】
粗シクロ{D−Phe−D−Lys(Cbz)−D−Asp(OBzl)−Gly−Arg(Tos)}(0.146g)をトリフルオロ酢酸(1.5mL)に溶解し、−16℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(1.8mL)を、温度を−16℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.3mL)を加え、該反応液を−16℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−35℃まで冷却し、20分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥してプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(100mg)を得た。ESMS(C27H41N9O7+Hとして計算)計算値:604.3;実測値:604.3[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=10.25分、純度=90%。
【0284】
C部.シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg}の製造
シクロ{D−Phe−D−Lys−D−Asp−Gly−Arg}・TFA塩(0.090g、0.108mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(45μL、0.324mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.048g、0.108mmol)を加えた。該反応混合物を70時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(10mg)を得た。ESMS(C40H50N12O11S+Hとして計算)計算値:907.4;実測値:907.3[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=13.47分、純度=89%。
【0285】
実施例16
シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化79】
A部.シクロ{N−Me−Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−ATA−D−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−ATA−D−Lys(z)−N−Me−Arg(Tos)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCM(8×)を用いて洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で終夜乾燥した。次いで、該樹脂(1.24g、0.39mmol/g)をDMF(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該得られた固体を逆相HPLC(ビダックC18カラム、0.1%TFAを含有する18〜90%のアセトニトリル勾配を使用、Rt=14.129分)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(42mg、9%)を得た。ESMS(C46H56N10O11S2として計算)計算値:988.3571;実測値:989.4[M+H]+1。
【0286】
B部.シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys}の製造
【化80】
シクロ{N−Me−Arg(Tos)−Gly−Asp(OBzl)−ATA−D−Lys(Cbz)}(36mg、0.0364mmol)をトリフルオロ酢酸(0.364mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.437mmol)を加え、続いてアニソール(70mL)を加えた。該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。次いで、該ドライアイス/アセトン浴を−35℃まで冷却し、該溶液に冷エーテル(40mL)を加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌し、次いで−50℃まで更に冷却し、更に30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥して標題生成物(35mg、100%)を得た。ESMS(C24H38N100O7Sとして計算)計算値:610.2646;実測値:611.4[M+H]+1。
【0287】
C部.シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys}(31mg、0.051mmol)のDMF(2mL)溶液に、トリエチルアミン(28mL、0.204mmol)を加え、該反応混合物を室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ1ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(27mg、0.0612mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。得られた残渣を逆相HPLC(シャンドン(Shandon)HS−BDSカラム、3〜10%のアセトニトリルを使用、Rt=13.735分)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(4mg、8.8%)を得た。ESMS(C37H47N13O11S2として計算)計算値:913.2959;実測値:914.5[M+H]+1。
【0288】
実施例17
シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化81】
A部.シクロ{Cit−Gly−Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)}の製造
ペプチド:Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)−Cit−Glyを、Fmoc化学を用いた自動固相ペプチド合成によって得た(一般的な製法を参照)。丸底フラスコ(100mL)をHBTU(271mg、0.71mmol)およびDMF(10mL)で満たした。該溶液を60℃で5分間撹拌した。このものに、Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)−Cit−Gly(0.456g)およびヒューニッヒ塩基(0.27mL、1.53mmol)のDMF(10mL)を加え、該溶液を窒素下、60℃で4時間撹拌した。次いで、該溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該固体をろ過し、酢酸エチル(3×6mL)を用いて洗浄し、真空下で乾燥して目的の生成物(305mg、78%)を得た。ESMS(C36H56N8O10として計算)計算値:760.4;実測値:761.4[M+H]+1。HPLC分析(1A法)、Rt=11.8分(純度=99%)。
【0289】
B部.シクロ{Cit−Gly−Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)}の製造
【化82】
シクロ{Cit−Gly−Asp(OtBu)−D−Phe−Lys(Boc)}(287mg、0.38mmol)、TFA(6mL)、トリイソプロピルシラン(0.25mL)および水(0.25mL)溶液を、窒素下、室温で4時間撹拌した。該溶媒を真空下で(3時間)除去し、該残渣をジエチルエーテルを用いてトリチュレートして、ろ過し、エーテルを用いて洗浄して目的の生成物(THF塩)(315mg)を得た。ESMS(C27H40N8O8として計算)計算値:604.3;実測値:605.4[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=9.6分、純度=97%。
【0290】
C部.シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys}・TFA塩(0.044g)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(22μL、0.156mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.032g、0.073mmol)を加えた。該反応混合物を窒素下で終夜撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。残渣をプレパラティブRP−HPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(TFA塩)(37mg、70%)を得た。ESMS(C40H49N11O12Sとして計算)計算値:907.3;実測値:908.4[M+H]+1。HPLC分析(1B法)、Rt=14.15分、純度=99%。
【0291】
実施例18A
トリス(t−ブチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸の製造
【化83】
A部.2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(((tert−ブチル)オキシカルボニル)メチル)シクロドデシル)酢酸フェニルメチルの製造
【化84】
(1,4,7,10−テトラアザ−4,7−ビス(((tert−ブチル)オキシカルボニル)メチル)シクロドデシル)酢酸tert−ブチル(0.922g、1.79mmol)、TEA(1.8mL)およびブロモ酢酸ベンジル(0.86mL、5.37mmol)の無水DMF(24mL)溶液を、窒素下、周囲温度で24時間撹拌した。該DMFを真空下で除去し、得られた油状物をEtOAc(300mL)に溶解した。この溶液を連続して、水(2×50mL)および飽和NaCl(50mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮してアモルファス固体の標題化合物(1.26g)を得た。MS:m/e 663.5[M+H]。
【0292】
B部.2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(((tert−ブチル)オキシカルボニル)メチル)シクロドデシル) 酢酸の製造
上記のA部の生成物(165mg、0.25mmol)を、EtOH(15mL)中、10%Pd−炭素(50mg)上で24時間水素添加(60psi)を行った。該触媒をフィルターを通してろ過することによって除去し、EtOHを用いて洗浄した。該ろ液を濃縮してアモルファス固体の標題化合物(134mg、94%)を得た。MS:m/e 573.5[M+H]。
【0293】
実施例18
2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化85】
A部.2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(t−ブトキシカルボニルメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
【化86】
トリス(t−ブチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(28mg、0.049mmol)およびヒューニッヒ塩基(14μL)のDMF(2mL)溶液に、HBTU(17mg、0.0456mmol)を加え、該混合物を5分間撹拌した。このものに、Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(54.1mg、0.0326mmol)のDMF(1mL)溶液を加え、該反応混合物を窒素下、室温で4時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去し、残渣をプレパラティブRP−HPLCによって精製して、凍結乾燥した固体の生成物(THF塩)(18.3mg)を得た。ESMS:(C87H137N23O23として計算)計算値:1872.0;実測値:937.2[M+2H]+2。HPLC分析(1B法)、Rt=19.98分、純度=99%。
【0294】
B部.2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}の製造
2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(t−ブトキシカルボニルメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe}(18.3mg、8.71mmol)のTFA(3mL)溶液を、窒素下、室温で5時間撹拌した。該反応液を真空下で濃縮し、残渣をプレパラティブRP−HPLCによって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(8mg、45%)を得た。ESMS(C75H113N23O23として計算)計算値:1703.8;実測値:853.0[M+2H]+2。HPLC分析(1B法)、Rt=13.13分、純度=99%。
【0295】
実施例19
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA)}の製造
【化87】
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}(0.050g、0.0601mmol)のDMF(2mL)溶液に、トリエチルアミン(41.9μL、0.301mmol)を加えた。この溶液をジエチレントリアミン五酢酸二無水物(0.1074g、0.301mmol)のDMF(2mL)およびメチルスルホキシド(2mL)溶液に4時間かけて滴下した。次いで、該反応混合物を16時間撹拌し、高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(29.9mg、46%)を得た。ESMS(C41H62N12O16として計算)計算値:978.4;実測値:977.5[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=11.916分、純度=100%。
【0296】
実施例20
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}2(DTPA)の製造
【化88】
実施例9のプレパラティブHPLC(1法)による精製において得た油状物をまた、凍結乾燥した固体の目的生成物(21.5mg、21%)を得た。ESMS(C68H101N21O22として計算)計算値:1563.7;実測値:1562.8[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=15.135分、純度=93%。
【0297】
実施例21
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化89】
シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}(0.050g、0.0571mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(39.8μL、0.286mmol)を加えた。この溶液をジエチレントリアミンペンタ酢酸二無水物(0.1020g、0.286mmol)のメチルスルホキシド(2mL)溶液に5時間かけて滴下した。該反応混合物を更に18時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得て、このものをプレパラティブHPLC(1法)によって精製して、凍結乾燥した固体の目的生成物(41.9mg、65%)を得た。ESMS(C43H66N12O17として計算)計算値:1022.5;実測値:1021.4[M−H+]。HPLC分析(1B法)、Rt=15.690分、純度=96%。
【0298】
実施例22
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化90】
A部.シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Orn(d−N−1−Tos−2-イミダゾリニル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(例えば、25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×20分間)。該樹脂を連続して、DCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。該固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た。
【0299】
B部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0300】
C部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0301】
実施例23
シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化91】
A部.シクロ[Lys(TFA)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Lys(TFA)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応液を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た。
【0302】
B部.シクロ{Lys(TFA)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Lys(TFA)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却して、30分間撹拌した。得られた該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0303】
C部.シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Lys(Tfa)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)を、DMF(1mL)に溶解しした。トリエチルアミン(0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。該油状物を20%ピペリジン/DMFを用いて処理し、該粗物質をプレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0304】
実施例24
シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化92】
A部.シクロ{Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて脱保護した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(×5)を用いて洗浄して、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物を得た。
【0305】
B部.シクロ{Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5ml)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。該得られた粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0306】
C部.シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Cys(2−N−Tfa−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を20%ピペリジンのDMFを用いて処理し、該粗物質をプレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0307】
実施例25
シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化93】
A部.シクロ{ホモLys(Tfa)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−ホモLys(Tfa)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をDCM(×5)を用いて洗浄して、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物を得た。
【0308】
B部.シクロ{ホモLys(Tfa)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{ホモLys(Tfa)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。得られる粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0309】
C部.シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{ホモLys(Tfa)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を20%ピペリジンのDMFを用いて処理し、該粗物質をプレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0310】
実施例26
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化94】
A部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的物を得た。
【0311】
B部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。得られた粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0312】
C部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLCによって精製して目的の精製物を得た。
【0313】
実施例27
シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
【化95】
A部.シクロ{Dap(b−(1−Tos−2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−Val−Dap(b−(1−Tos−2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をDMF(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物を得た。
【0314】
B部.シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩の製造
シクロ{Dap(b−(1−Tos−2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp(OBzl)−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−Val}(0.146mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応混合物を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応混合物を−35℃まで冷却し、次いで30分間撹拌した。該反応混合物を更に−50℃まで冷却し、30分間撹拌した。該得られた粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0315】
C部.シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val}の製造
シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val}・トリフルオロ酢酸塩(0.0228mmol)をDMF(1mL)に溶解した。トリエチルアミン(9.5μL、0.0648mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0121g、0.0274mmol)を加えた。該反応混合物を1〜2日間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物を以下に記載の方法によって精製して目的の生成物を得た。
【0316】
実施例28
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化96】
A部.シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Z)−Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を続けて、DCM(×5)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応混合物を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DCM(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た。
【0317】
B部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys}の製造
シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}(0.204mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応液を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−50℃まで冷却し、1時間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0318】
C部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys}・TFA塩(0.0481mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(20.1μL、0.144mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ1ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0254g、0.0577mmol)を加えた。該反応混合物を20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0319】
実施例29
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
【化97】
A部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}の製造
ペプチド配列:Boc−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Z)−Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(25%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて処理した(2×10分間)。該樹脂を連続してDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で乾燥した。次いで、該樹脂(1.75g、0.55mmol/g)をジメチルホルムアミド(15mL)に懸濁した。氷酢酸(55.0μL、0.961mmol)を加え、該反応液を50℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(2×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた該油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。その結果得られた固体をろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥して目的の生成物を得た。
【0320】
B部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys}の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp(OBzl)−D−Phe−Lys(Cbz)}(0.204mmol)をトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を、温度を−10℃に保ちながら滴下した。アニソール(0.1mL)を加え、該反応液を−10℃で3時間撹拌した。ジエチルエーテルを加え、該反応液を−50℃まで冷却し、1時間撹拌した。該粗生成物をろ過し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、高真空下で乾燥し、プレパラティブHPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0321】
C部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])}の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys}・TFA塩(0.0481mmol)をDMF(2mL)に溶解した。トリエチルアミン(20.1μL、0.144mmol)を加え、5分間撹拌後に、2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0254g、0.0577mmol)を加えた。該反応混合物を20時間撹拌し、次いで高真空下で濃縮して油状物を得た。該油状物をプレパラティブHPLCによって精製して、目的の生成物を得た。
【0322】
実施例30
シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化98】
A部.シクロ{Lys(Tfa)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}の製造
アミノ配列:Boc−Lys(Tfa)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(50%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCMを用いて8回洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて中和した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で終夜乾燥した。次いで、該樹脂(1.0g、約0.36mmol/g)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を55℃で72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。目的の生成物を逆相HPLCによって精製した。
【0323】
B部.シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}・トリフルオロ酢酸塩の製造
保護された環状ペプチドであるシクロ{Lys(Tfa)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}(0.10mmol)をトリフルオロ酢酸(0.95mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.12mmol)を加え、続いてアニソール(190mL)を加えた。該反応混合物を−16℃で3時間撹拌した。次いで、ドライアイス/アセトン浴を−35℃まで冷却し、冷エーテル(40mL)を該溶液に加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌し、次いで−50℃まで冷却し、更に30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥し、逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0324】
C部.シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
シクロ{Lys(Tfa)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}(0.0216mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(15mL、0.108mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0260mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、油状物を20%ピペリジンのDMFを用いて処理し、再度真空下で濃縮した。該残渣を逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0325】
実施例31
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化99】
A部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}の製造
ペプチド配列:Boc-Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbzアミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(50%TFAのCH2Cl2)を用いて除去した。DCM(×8)を用いて洗浄した後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて中和した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で終夜乾燥した。次いで、該樹脂(1.0g、約0.36mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を55℃まで72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して、油状物を得た。該得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。目的の生成物を逆相HPLCによって精製した。
【0326】
B部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}・トリフルオロ酢酸塩の製造
該保護した環状ペプチドであるシクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D-Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}(0.10mmol)をトリフルオロ酢酸(0.95mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.12mmol)を加え、続いてアニソール(190mL)を加えた。該反応混合物を−16℃で3時間撹拌した。次いで、該ドライアイス/アセトン浴を−35℃まで冷却し、冷エーテル(40mL)を該溶液に加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌し、次いで−50℃まで冷却し、更に30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥し、逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0327】
C部.シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}(0.216mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(15mL、0.108mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0260mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、該残渣を逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0328】
実施例32
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
【化100】
A部.シクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}の製造
ペプチド配列:Boc−Orn(d−N−1−Tos-2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly−オキシム樹脂のN−末端のBoc−保護基を、標準的な脱保護法(50%TFA/CH2Cl2)を用いて除去した。DCM(×8)を用いて洗浄後に、該樹脂を10%DIEA/DCMを用いて中和した(2×10分間)。該樹脂をDCM(5×)を用いて洗浄し、高真空下で終夜乾燥した。次いで、該樹脂(1.0g、約0.36mmol/g)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に懸濁した。氷酢酸(67mL、1.16mmol)を加え、該反応混合物を55℃まで72時間加熱した。該樹脂をろ過し、DMF(3×10mL)を用いて洗浄した。該ろ液を高真空下で濃縮して油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチルを用いてトリチュレートした。目的の生成物を逆相HPLCによって精製した。
【0329】
B部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}・トリフルオロ酢酸塩の製造
保護された環状ペプチドであるシクロ{Orn(d−N−1−Tos−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−Cbz−3−アミノプロピル)−D−Asp(OBzl)−Gly}(0.10mmol)をトリフルオロ酢酸(0.95mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−10℃まで冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.12mmol)を加え、続いてアニソール(190mL)を加えた。該反応混合物を−16℃で3時間撹拌した。次いで、該ドライアイス/アセトン浴を−35℃にまで冷却し、冷エーテル(40mL)を該溶液に加えた。該混合物を−35℃で30分間撹拌し、次いで−50℃まで冷却し、更に30分間撹拌した。該粗生成物をろ過し、水/アセトニトリル(1/1)に再溶解し、凍結乾燥し、逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0330】
C部.シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}の製造
シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}(0.0216mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、トリエチルアミン(15mL、0.108mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。2−[[[5−[[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]カルボニル−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチルベンゼンスルホン酸・モノナトリウム塩(0.0260mmol)を加え、該混合物を18時間撹拌した。該混合物を高真空下で濃縮し、残渣を逆相HPLCによって精製して目的の生成物を得た。
【0331】
放射性医薬品の例
以下の方法(A、B)は、式:99mTc(VnA)(トリシン)(ホスフィン)である本発明の放射性医薬品の製造を記載する。ここで、(VnA)はジアゼニド(−N=N−)またはヒドラジド(=N−NH−)部分でTcと結合したビトロネクチン受容体拮抗薬化合物である。該ジアゼニドまたはヒドラジド部分は該ヒドラジノニコチンアミド基の反応から生成し、これらはTc−99mと一緒に遊離ヒドラジンとして存在するかまたはヒドラゾンとして保護されている。Tc配位圏における他の2つのリガンドは、トリシンおよびホスフィンである。
【0332】
A法
スズ還元剤を用いた、式:99mTc(VnA)(トリシン)(ホスフィン)であるTc−99mビトロネクチン受容体拮抗薬複合体の製造
サリンまたは50%水性エタノールに溶解した本発明の試薬(10〜30μg、0.2〜0.4mL)、トリシン(40mg、0.4mL)の水溶液、水またはエタノールに溶解したホスフィン(1〜7mg、0.10〜0.30mL)、0.1M HClに溶解したSnCl2・2H2O(25μg、25μL)、0〜0.25mLのエタノール、およびサリン中の50〜150mCiの99mTcO4 -を、10ccのバイアル中で混合した。該キットを100℃の水浴中で10〜20分間加熱し、次いで試料(50μL)をHPLC(3法)によって分析した。必要ならば、該複合体をHPLCに300〜400μLを注入することによって精製し、該画分を集めて遮蔽したフラスコに入れた。該集めた画分を蒸発させて乾固し、0〜5容量%のツウィーン80を含有するサリンに再溶解し、次いでHPLC(3法)を用いて再分析した。
【0333】
B法
スズ還元剤を使用しない、式:99mTc(VnA)(トリシン)(TPPTS)であるTc−99mビトロネクチン受容体拮抗薬複合体の製造
TPPTS(4.84mg)、トリシン(6.3mg)、マンニトール(40mg)およびコハク酸緩衝液(pH 4.8、0.25mmol)を含有する凍結乾燥したバイアルに、サリンまたは50%エタノール水溶液に溶解した本発明の試薬(0.2〜0.4mL、20〜40μg)、50〜100mCiの99mTcO4 -のサリンを加え、更にサリンを加えて、総量が1.3〜1.5mLを得た。
該キットを、100℃の水浴中で10〜15分間加熱し、次いで該試料をHPLC(3法)によって分析した。必要ならば、該複合体をHPLC上に300〜400μLを注入することによって精製し、該画分を集めて遮蔽されたフラスコに入れた。該集めた画分を蒸発させて乾固し、0〜5容量%のツウィーン80を含有するサリンに再溶解し、次いでHPLC(3法)を用いて再分析した。
【表1】
【0334】
以下の実施例は、式:99mTc(VnA)(トリシン)(L)(ここで、Lはイミン窒素を含有するヘテロ環である)である本発明の放射性医薬品の製造について記載する。ここで、(VnA)はジアゼニド(−N=N−)またはヒドラジド(=N−NH−)部分でTcと結合したビトロネクチン受容体拮抗薬化合物である。Tc配位圏における他の2つのリガンドは、トリシンおよびイミン窒素含有のヘテロ環である。
【0335】
実施例51
Tc−99mビトロネクチン受容体拮抗薬複合体である99mTc(VnA)(トリシン)(1,2,4−トリアゾール)の製造
実施例1の試薬(30μg;0.30mL 50/50のEtOH/H2O)、トリシン(40mg;0.25mL/H2O)、1,2,4−トリアゾール(8mg;0.25mL/H2O)、SnCl2(25μg;25μL/0.1N HCl)、水(0.50mL)および50±5mCiの99mTcO4 -(0.20mL)を遮蔽した10ccのバイアル中で混合し、100℃で10分間加熱した。該キットの内容物(50μL)を以下の方法を用いるHPLC法によって分析した。該生成物は保持時間が8.33分で溶出し、放射化学純度は88.1%であった。
【0336】
DOTA(実施例18)、DTPAモノアミド(実施例19および20)またはDTPAビスアミドキレート因子(実施例21)のいずれかを含む本発明のし薬は、元素記号が31、39,49および58〜71の金属イオンと容易に複合体を形成する。以下の実施例は、153Sm、177Luおよび90Y(これらは、放射性医薬療法において使用するベータ粒子放射性の同位元素である)、並びに111In(これは、放射性医薬造影剤において使用されるガンマ放出性の同位元素である)との複合体の製造を示す。両方のタイプの複合体において、金属イオンは該試薬のDOTA、DTPAモノアミドまたはDTPAビスアミドのキレート化部分と結合する。
【0337】
実施例52および53
Y−90およびLu−177 DOTA含有のビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
透明な封した10mLバイアルに、実施例18の試薬(0.5mL;200μg/mLの0.25M酢酸アンモニウム緩衝液、pH 7.0)を加え、続いて0.05〜0.1mLのゲンチシン酸(ナトリウム塩、10mg/mLの0.25M酢酸アンモニウム緩衝液、pH 7.0)溶液、0.25M 酢酸アンモニウム緩衝液(pH 7.0、0.3mL)、および177LuCl3または90YCl3(100〜200mCi/mL)の0.05N HCl溶液を加えた。該得られた混合物を100℃で35分間加熱した。室温まで冷却後に、得られた溶液の試料について放射性HPLCおよびITLCによって分析した。実施例53の複合体を、質量分析法によって分析した((C75H110N23O23Luとして計算)計算値:1877.6。実測値:1875.8)。このものは同一であることを確認した。
【0338】
実施例54
111In DOTAを含有するビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
鉛で遮蔽したオートサンプラー(300μL)に、ゲンチシン酸(50μL;10mg/mL、0.1M酢酸アンモニウム緩衝液、pH 6.75)溶液を加え、続いて実施例18の試薬(100μL;200μg/mLの0.2M酢酸アンモニウム緩衝液、pH 5.0)および111InCl3(50μL;10mCi/mL)の0.04N HCl溶液を加えた。該反応混合物のpHを約4.0とした。該溶液を100℃で25分間加熱した。得られた溶液の試料を放射性HPLCおよびITLCによって分析した。
表1A:DOTAと共役したビトロネクチン受容体拮抗薬のY−90、In−111およびLu−177複合体についての分析データおよび収率データ
【表2】
【0339】
実施例55および56
In−111 DTPA−モノアミドまたはDTPA−ビスアミドを含有するビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
111InCl3(0.2mL、1.7mCi)の0.1N HCl、1.0M酢酸アンモニウム緩衝液(pH 6.9)および水に溶解した本発明の試薬(0.1mL)を10ccのガラスバイアル中で混合し、室温で30分間反応させた。該反応混合物をHPLC(3法)によって分析した。
表2:111In複合体についての分析データおよび収率データ
【表3】
【0340】
実施例57〜59
Sm−153ビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
0.25mLの153SmCl3ストック溶液(54mCi/μmolのSm、40mCi/mL)の0.1N HClを、1N酢酸アンモニウム緩衝液に溶解した本発明の試薬(50倍モル過剰量)と、10ccのガラスバイアル中で混合した。該反応を室温で〜30分間進行させて、次いでITLCおよびHPLC(3法)によって分析した。必要ならば、該複合体をHPLC上に300〜400μLを注入することによって精製し、該画分を集めて遮蔽したフラスコに入れた。該集めた画分を蒸発させて乾固し、サリンに再溶解し、次いでHPLC(3法)を用いて再分析した。
表3:153Sm複合体についての分析データおよび収率データ
【表4】
【0341】
実施例59の放射性医薬品の非放射性(天然に存在する)サマリウムアナログは、1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH 7、2mL)に溶解した実施例21の試薬(3.3mg、2.9μmol)および0.01M SmCl3の0.1N HCl溶液(0.29mL)とを混合することによって製造した。該反応を室温で〜5時間進行させ、次いで該生成物をHPLC(3法)によって単離した。該揮発物を凍結乾燥することによって除去した。該複合体の同定は、質量分析(API−ESMS:C43H64N12Ol7Smとして計算;計算値[M+2H+ = 1172.9、実測値1172.4])によって確認した。該複合体のストック溶液を水中で調製し、その濃度をビトロネクチン受容体αvβ3に対する該複合体の結合アフィニティーを測定するのに使用するためにICP分析によって測定した。本発明の代表的なIn−111(実施例56)、Y−90(実施例52)およびSm−153(実施例59)の放射性医薬品の構造は、以下に示す通りである。
【化101】
【0342】
実施例60〜62
Lu−177ビトロネクチン拮抗薬複合体の製造
5×10-9molの本発明の試薬を0.1N 酢酸緩衝液(pH 6.8、1.0mL)に溶解した。0.1N HClに溶解した1×10-9molのLu−177(40μl、3mCi)を加え、該反応を室温で30〜45分間進行させた。該反応混合物をHPLC(3法)によって分析した。
表4:177Lu複合体についての分析データおよび収率データ
【表5】
【0343】
実施例63
実施例21の試薬のガドリニウム複合体を、以下の方法に従って製造した。該試薬(33.5mg)を1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH 7.0、2mL)に溶解し、それに1当量のGd(NO3)3溶液(0.02Mの水溶液)を加えた。該反応混合物を室温で3〜5時間放置し、該生成物をHPLC(4法)によって単離した。該複合体を含有する画分を凍結乾燥し、H2O(1mL)に溶解し、ICP分析によって測定される通り、約2mMのGd溶液を得た。該複合体の同定は、質量分析によって確認した(API−ESMS:(C43H64N12O17Gdとして計算)計算値:1176.2 [M+2H+]、実測値:1176.9)。
【0344】
以下の実施例は、αvβ3受容体拮抗薬である腫瘍血管新生についての標的分子を含む、本発明の超音波造影剤の製造を記載する。
【0345】
実施例64
A部.1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミノ)−12−(シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)ドデカン−1,12−ジオンの製造
【化102】
ドデカン−1,12−二酸ジスクシンイミジルドデシル(0.424g、1mmol)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1.489g、1mmol)およびシクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)・TFA塩(0.831g、1mmol)のクロロホルム(25mL)溶液を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(1mmol)および硫酸ナトリウム(1mmol)を加え、該溶液を窒素下、室温で18時間撹拌した。DMFを真空下で除去し、該粗生成物を精製して、標題化合物を得た。
【0346】
B部.造影剤組成物の製造
1−(1,2−ジパルミトイル−sn−3−ホスホノエタノールアミノ)−12−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)ドデカン−1,12−ジオンの製造は、3つの他の脂質、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホチジン酸、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンおよびN−(メトキシポリエチレングリコール5000カルバモイル)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミンと相対量で1重量%、6重量%、54重量%および41重量%で一緒に混合した。次いで、この脂質混合物の水溶液(1mg/mL)、塩化ナトリウム(7mg/mL)、グリセリン(0.1mg/mL)、プロピレングリコール(0.1mL/mL)の水溶液(pH 6〜7)を2ccガラスバイアル中で調製した。該バイアル中の空気を排気し、ペルフルオロプロパンで置換えて、該バイアルを封した。超音波造影剤組成物は、歯科用のアマルガム機中で該封したバイアルを30〜45秒間振り混ぜることによって完全なものとして、乳白色溶液を得た。
【0347】
実施例65
A部.(ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)の製造
【化103】
N−Boc−ω−アミノ−PEG3400−α−カルボン酸スクシンイミジルエステル(1mmol)およびシクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)(1mmol)のDMF(25mL)溶液に、トリエチルアミン(3mmol)を加えた。該反応混合物を窒素下、室温で終夜撹拌し、該溶媒を真空下で除去した。該粗生成物を50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンに溶解し、4時間撹拌した。揮発物を除去し、ジエチルエーテル中でトリチュレートすることによって、標題化合物をTFA塩として単離した。
【0348】
B部.1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミノ)−12−((ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))ドデカン−1,12−ジオンの製造
【化104】
ドデカン酸ジスクシンイミジル(1mmol)、1,2−ジパルミトイル−sN−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1mmol)および(ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)・TFA塩(1mmol)のクロロホルム(25mL)溶液を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(1mmol)および硫酸ナトリウム(1mmol)を加え、該溶液を窒素下、室温で18時間撹拌した。DMFを真空下で除去し、該粗生成物を精製して標題化合物を得た。
【0349】
C部.造影剤組成物の製造
1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミノ)−12−((ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))ドデカン−1,12−ジオンを、3つの他の脂質:1,2−ジパルミトイル−グリセロ−3−ホスホチジン酸、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホチジルコリンおよびN−(メトキシポリエチレングリコール5000カルバモイル)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミンと相対量が1重量%、6重量%、54重量%、41重量%で一緒に混合した。次いで、この脂質混合物(1mg/mL)、塩化ナトリウム(7mg/mL)、グリセリン(0.1mL/mL)およびプロピレングリコール(0.1mL/mL)の水溶液(pH 6〜7)を、2ccのガラスバイアル中で調製した。該バイアル中の空気を排気し、ペルフルオロプロパンで置換え、該バイアルを封した。該超音波造影剤組成物は、歯科用アマルガム機中で該封したバイアルを30〜45秒間振り混ぜることによって完全なものとして、乳白色の溶液を得た。
【0350】
実施例66
A部.(ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−Glu−(シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))2の製造
【化105】
N−Boc−ω−アミノ−PEG3400−α−カルボン酸スクシンイミジルエステル(1mmol)およびGlu(シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))2(1mmol)のDMF(25mL)溶液に、トリエチルアミン(3mmol)を加えた。該反応混合物を窒素下、室温で終夜撹拌し、該溶媒を真空下で除去した。該粗生成物を50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンに溶解し、4時間撹拌した。揮発物を除去し、ジエチルエーテル中でトリチュレートすることによって、該標題化合物をTFA塩として単離した。
【0351】
B部.1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホノエタノールアミノ)−12−((ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−Glu−シクロ(Arg-Gly-Asp-D-Phe-Lys))2−ドデカン−1,12−ジオンの製造
【化106】
ドデカン酸ジスクシンイミジル(1mmol)、1,2−ジパルミトル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1mmol)および(ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−Glu−シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))2・TFA塩(1mmol)のクロロホルム(25mL)溶液を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(1mmol)および硫酸ナトリウム(1mmol)を加え、該溶液を窒素下、室温で18時間撹拌した。DMFを真空下で除去し、該粗生成物を精製して、標題化合物を得た。
【0352】
C.造影剤組成物の製造
1−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミノ)−12−((ω−アミノ−PEG3400−α−カルボニル)−Glu−(シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys))2)−ドデカン−1,12−ジオンを、3つの他の脂質:1,2−ジパルミトイル−sN−グリセロ−3−ホスホチジン酸、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンおよびN−(メトキシポリエチレングリコール5000カルバモイル)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミンと相対量が1重量%、6重量%、54重量%および41重量%で一緒に混合した。この脂質の混合物(1mg/mL)、塩化ナトリウム(7mg/mL)、グリセリン(0.1mL/mL)、プロピレングリコール(0.1mL/mL)の水溶液(pH 6〜7)を、2ccのガラスバイアル中で調製した。該バイアル中の空気を排気し、ペルフルオロプロパンで置換え、該バイアルを封した。超音波造影剤組成物は、歯科用のアマルガム機中で該封したバイアルを30〜45秒間振り混ぜることによって完全なものとして乳白色溶液を得た。
【0353】
分析法
HPLC(3法)
カラム:ゾルバックスC18(25cm × 4.6mm)または
ビダックC18(25cm × 4.6mm)
カラムの温度:周囲温度
流速:1.0mL/分
溶媒A:10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH 6)
溶媒B:100%アセトニトリル
検出器:ヨウ化ナトリウム(NaI)放射測定プローブまたはβ線検出器
【数1】
【数2】
HPLC(4法)
カラム:ゾルバックスC18(25cm × 4.6mm)
流速:1.0mL/分
溶媒A:10mM 酢酸アンモニウム
溶媒B:100%メタノール
勾配:
t(分) 0 23 26 27
%B 8 100 100 8
UV検出
【0354】
ITLC法
ゲルマン(Gelman)ITLC−SGストリップス(strips)(2cm×7.5cm)
溶媒系:アセトン:サリン(1:1)
バイオスキャンシステム200を用いて検出。
【0355】
用途
本発明の医薬品は、患者における血管新生の腫瘍脈管構造を画像診断するのに、または患者における癌を処置するのに有用である。γ線を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品は、血管新生の新生脈管構造を含む病理学的な反応(例えば、癌、糖尿病網膜症、黄斑変性症、血管新生術後の血管の再狭窄、および創傷治癒を含む)の画像診断に有用である。診断的な用途としてはまた、不安定な冠動脈症候群(例えば、不安定な冠動脈プラーク)を画像診断することをも含む。ベータ、アルファまたはオージェ電子を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品は、細胞毒性用量の放射線を脈管性新血管新生の部位ヘ運搬することによって、脈管性新血管新生を含む病理学的な反応の処置に有用である。癌の処置は、腫瘍にとって細胞毒性放射用量を与える放射性医薬品を全身投与することによって影響を及ぼす。
【0356】
ガドリニウム、ジスプロシウム、鉄およびマンガンから選ばれる常磁性金属イオンの1つ以上を含む本発明の化合物は、脈管性新血管新生を含む病理学的な反応の核磁気共鳴画像診断法(MRI)の造影剤として有用である。
【0357】
原子番号が20以上である重原子の1つ以上を含む本発明の化合物は、脈管性新血管新生を含む病理学的な反応のX−線画像診断のためのX−線造影剤として有用である。
【0358】
界面活性なミクロフェアを含有する音波発生ガスを含む本発明の化合物は、脈管性新血管新生の含む病理学的な反応の断層撮影のための超音波造影剤として有用である。
【0359】
本発明の代表的な化合物は、以下のインビトロおよびインビボのアッセイおよびモデルにおいて調べ、このものが活性であることが分かった。
【0360】
固定化されたヒト胎盤αvβ3受容体アッセイ
該アッセイ条件を開発し、[I−125]ビトロネクチンを用いて確認した。アッセイの確認はスキャッチャード型式(format)分析(n=3)を含め、受容体の数(B最大値)およびKd(アフィニティー)を測定した。アッセイ型式は、IC50測定前に、最終濃度が10および100nMで予備的にスクリーニングするようにする。3つの標準品(ビトロネクチン、抗αvβ3抗体のLM609および抗αvβ5のP1F6)および5つの参照ペプチドを、IC50測定について評価した。簡単に言えば、該方法は96ウェルプレート中で予め単離した受容体を固体化すること、および終夜インキュベートすることを含む。該受容体を正常で新しく非感染性の(HIV、B型およびC型肝炎、梅毒、並びにHTLVなし)ヒト胎盤から単離した。組織を溶解し、組織デブリを遠心分離によって除いた。該溶解液をろ過した。該受容体を固定化したαvβ3抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって単離した。次いで、該プレートを洗浄用緩衝液を用いて洗浄(3×)する。遮断用(blocking)緩衝液を加え、プレートを室温で120分間インキュベートする。この間、被験化合物および[I−125]ビトロネクチンを貯蔵プレート中で予め混合する。遮断用緩衝液を除き、化合物の混合物をピペットする。競争反応は室温で60分間行なう。次いで、非結合物質を除き、ウェルを分離し、ガンマシンチレーションによってカウントする。
【0361】
他の受容体との結合アッセイ
VEGF受容体、Flk-1/KDRおよびFlt-1に対する本発明の医薬品の結合アフィニティーの測定のためのホールセルアッセイは、OrtegaらによるAmer. J. Pathol., 1997, 151, 1215-1224およびDougherらによるGrowth Factors, 1997, 14, 257-268に記載されている。bFGF受容体に対する本発明の医薬品のアフィニティーを測定するためのインビトロアッセイは、YayonらによるProc. Natl. Acad. Sci USA, 1993, 90, 10643-10647に記載されている。GhoらによるCancer Research, 1997, 57, 3733-40は、アンジオゲニン受容体結合ペプチドについてのアッセイを記載している。SengerらによるProc. Natl. Acad. Sci USA, 1997, 94, 13612-13617は、インテグリンa1B1およびa2B1の拮抗薬についてのアッセイを記載している。米国特許第5,536,814号は、インテグリンa5Blと結合する化合物についてのアッセイを記載している。
【0362】
オンコマウス(Oncomouse)(登録商標)の画像診断
該研究は、c-Neuオンコマウス(登録商標)および同時にコントロールとしてのFVBマウスの使用を含む。該マウスをペントバルビタールナトリウムを用いて麻酔をかけ、約0.5mCiの放射性医薬品を注射する。注射前に、各オンコマウス(登録商標)における腫瘍の位置を記録し、腫瘍の大きさをノギスを用いて測定する。該動物の前側または後側を画像診断するためにカメラの前方に、動物を位置させる。256×256マトリックスおよび2×のズームを用いて2時間かけて連続して、5分間の動的な画像を得る。研究の完結時に、目的の標的領域(ROI)としての該腫瘍および頚動脈の唾液腺の下方の頚部領域におけるバックグラウンド部位を取り囲む(circumscribing)ことによって、画像を評価する。
【0363】
このモデルを用いて、ベータ、アルファまたはオージェ電子を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品の有効性を評価することもできる。該放射性医薬品を適当な量で投与し、該腫瘍における取り込みを非侵襲的に同時発生的な画像診断可能なガンマ放射線を用いたそれら同位元素について画像診断することによるか、または腫瘍の切除および標準的な方法によって存在する放射能の量をカウントすることによるかいずれかによって定量化することができる。該放射性医薬品の治療学的な効果は、コントロールマウスにおける腫瘍の増殖速度対本発明の放射性医薬品を投与したマウスにおける該増殖速度を追跡することによって評価することができる。
【0364】
このモデルを使用して、MRI造影剤としての常磁性金属を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の該常磁性化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能な核磁気共鳴画像診断装置に置き、該腫瘍を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0365】
このモデルを用いて、X−線造影剤としての重原子を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量のX−線吸収化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能なX−線画像診断装置に置き、該腫瘍を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0366】
このモデルを用いて、超音波造影剤としての界面活性なミクロフェアを含有する音波発生ガスを含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の音波発生化合物を投与後に、該動物における腫瘍を、該腫瘍の近位に保った超音波プローブを用いて画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0367】
ウサギのマトリゲル(Matrigel)モデル
このモデルはマウスにおける血管新生の研究を意図するマトリゲルモデルから適用した。マトリゲル(Becton & Dickinson, USA)は、ラミニン、コラーゲンIV、エンタクチン(entactin)、HSPGおよび他の成長因子が豊富な基底膜である。成長因子(例えば、bFGF [500 ng/ml]またはVEGF [2 μg/ml])と一緒に組みあわせ、および該マウスにおける中央の腹腔部位に同時注射した場合には、そのものは凝固してゲルとなり、4〜8日以内に注射部位において血管新生を刺激する。該ウサギモデルにおいて、ニュージーランド白色ウサギ(2.5〜3.0kg)にマトリゲル(2.0ml)をbFGF(1μg)およびVEGF(4μg)と一緒に注射する。次いで、該放射性医薬品を7日後に注射し、画像を得る。
【0368】
このモデルを用いて、ベータ、アルファまたはオージェ電子を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品の有効性を評価することもできる。該放射性医薬品を適当な量で投与し、血管新生部位での取り込みを、非侵襲的に同時発生的な画像診断可能なガンマ放射線を用いたそれら同位元素について画像診断することによるか、または腫瘍の切除および標準的な方法によって存在する放射能の量をカウントすることによるかいずれかによって定量化することができる。該放射性医薬品の治療学的な効果は、コントロールウサギにおける血管新生部位の増殖速度対本発明の放射性医薬品を投与したウサギにおける該速度を追跡することによって評価することができる。
【0369】
このモデルを用いて、MRI造影剤としての常磁性金属を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の該常磁性化合物を投与した後に、全ての動物を商業的に入手可能な核磁気共鳴画像診断装置に置き、血管新生部位を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0370】
このモデルを用いて、X−線造影剤としての重原子を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量のX−線吸収化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能な画像診断装置に置き、血管新生部位を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0371】
このモデルを用いて、超音波造影剤としての界面活性なミクロフェアを含有する音波発生ガスを含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の音波発生化合物を投与後に、該動物における血管新生部位を該腫瘍の近位に保った超音波プローブを用いて画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0372】
イヌの自発性腫瘍モデル
自発性の乳腫瘍を有する成体のイヌを、キシラジン(20mg/kg)/アトロピン(1mL/kg)を用いて鎮静化する。鎮静時に、該動物を完全な麻酔のためにケタミン(5mg/kg)/ジアゼパム(0.25mg/kg)を用いて挿管する。化学的な抑制は、ケタミン(3mg/kg)/キシラジン(6mg/kg)を用いて続け、必要に応じて滴定する。要求されるならば、研究の間、該動物は気管内のチューブによって室内の空気と換気した(12動作/分、25mL/kg)。末梢性動脈は、20Gの静脈内注射用のカテーテルを用いてカテーテル処理した。該カテーテルは一方を化合物の注入部分として機能させ、他方を血液試料の取り出し部分(exfusion)とした。心拍およびEKGを、心拍タコメーター(Biotech, Grass Quincy, MA)(これは、肢の誘導(lead)によって発生した第II誘導の心電図からトリガーする)を用いて追跡した。血液試料を通常、〜10分(コントロール)、注入の最後、(1分)、15分、30分、60分、90分および120分時に、全血の細胞数のカウントのために、採取する。放射性医薬品の用量は、サリンを流しながら、静脈内ボーラスとして300μCi/kgとした。紙のスピードが10mm/分または10mm/秒でポリグラフ記録計(Model 7E Grass)上で、パラメーターを絶え間なく記録した。
【0373】
側方の画像診断は、256×256マトリックス、ズームなしおよび5分間の動的な画像を用いて2時間とした。公知の供給源を、画像場(image field)(20〜90μCi)に置き、目的の領域(ROI)での取り込みを評価する。注射の24時間後に、また画像を得て、該化合物の腫瘍における保持率を測定する。ROI/供給源についての記した領域における全カウントの画分を採取し、公知のμCiを掛けることによって、該取り込みを測定する。該結果は、ROIについてのμCiである。
【0374】
このモデルを用いて、ベータ、アルファまたはオージェ電子を放射する同位元素を含む本発明の放射性医薬品の有効性を評価することもできる。該放射性医薬品を適当な量で投与し、該腫瘍での取り込みを、非侵襲的に同時発生的な画像診断可能なガンマ放射線を用いたそれら同位元素について画像診断することによるか、または腫瘍の切除および標準的な方法によって存在する放射能の量をカウントすることによるかいずれかによって定量化することができる。該放射性医薬品の治療学的な効果は経時での腫瘍の大きさを追跡することによって評価することができる。
【0375】
このモデルを用いて、MRI造影剤としての常磁性金属を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の常磁性化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能な核磁気共鳴画像診断装置に置き、該腫瘍を画像診断することができる。該造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0376】
このモデルを用いて、X−線造影剤としての重原子を含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量のX−線吸収化合物を投与後に、全ての動物を商業的に入手可能なX−線画像診断装置に置き、該腫瘍を画像診断することができる。造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0377】
このモデルを用いて、音波造影剤としての界面活性なミクロフェアを含有する音波発生ガスを含む本発明の化合物を評価することもできる。適当な量の造影剤を投与後に、動物における腫瘍を腫瘍の近位に保った超音波プローブを用いて画像診断することができる。造影剤の有効性は、造影剤を投与していない動物から得られる画像と比較することによって容易に知ることができる。
【0378】
明らかに、本発明の多数の修飾および改変は上記の教示に照らして可能である。従って、本明細書において特に断らない限り、本発明は本特許請求の範囲内で実施することができると理解されるべきである。
Claims (53)
- 癌を処置するためのキットであって、
式(I)の化合物、抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの薬物またはその医薬的に許容し得る塩、並びに医薬的に許容し得る担体を含み、
該式(I)の化合物は、
(Q)d−Ln−Chまたは(Q)d−Ln−(Ch)d'
(I)
の化合物およびおよびその医薬的に許容し得る塩であるキット:
[上記式中、
Qは、独立して式:
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意的な二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる] - 請求項1に記載のキット。
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2 〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる] - 請求項1に記載のキット。
[式中、
Qは、式:
R1は、L−バリン、D−バリン、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたD−リシン、またはεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R2は、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、2−アミノチアゾール−4−酢酸、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシン、チロシン、または場合によりヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたチロシンである。
R3は、D−バリン、D−フェニルアラニンまたは場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R4は、D−フェニルアラニン、ヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたD−チロシン、または場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
但し、各QにおけるR1およびR2の一方がLnとの結合によって置換されており、且つR2が2−アミノチアゾール−4−酢酸であるという条件で、KはN−メチルアルギニンである。
dは、1または2である。
各Wは独立して、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、(CH2CH2O)s ’および (CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、NHC(=O)R11およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0である。
h’’は、0、1、2および3から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
s’は、1または2である。
tは、1または2である。
Chは、
A1は、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
A2、A4およびA6は各々、Nである。
A3、A5およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合またはLnとのNH−結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。
R17は、=Oである)
であるか;
Chは、
A1は、NH2またはN=C(R20) (R21)である。
Eは、結合である。
A2は、NHR13である。
R13は、R17で置換されたヘテロ環であって、該ヘテロ環はピリジンおよびピリミジンから選ばれる。
R17は、Lnとの結合、C(=O)NHR18およびC(=O)R18から選ばれる。
R18は、Lnとの結合である。
R24は、−CO2R25、−OR25、−SO3Hおよび−N(R25)2の群から選ばれる。
各R25は独立して、水素およびメチルの群から選ばれる)
であるか;あるいは、
Chは、
A1、A2、A3およびA4は各々、Nである。
A5、A6およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。そして、
R17は、=0である)
である] - 式(I)の化合物は、群:
(a) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(b) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソ−オクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val};
(c) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp};
(d) シクロ(Arg−Gly−Asp−d−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(e) シクロ{Arg−Gly−Asp−d−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(f) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(g) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(h) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(i) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal};
(j) シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val};
(k) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp};
(l) {シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(m) シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(n) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(o) シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg};
(p) シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(q) シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(r) 2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(s) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA)};
(t) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}2(DTPA);
(u) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA−3−アミノプロピル)−Val};
(v) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(w) シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(x) シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(y) シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(z) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(aa) シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(bb) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ] メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(cc) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(dd) シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(ee) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};および
(ff) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}
の化合物、またはそれらの医薬的に許容し得る塩からなる群から選ばれる、請求項1に記載のキット。 - キットは更に1つ以上の付属リガンドおよび還元剤を含む、請求項1に記載のキット。
- 付属リガンドはトリシンまたはTPPTSである、請求項5に記載のキット。
- 還元剤はスズ(II)である、請求項5に記載のキット。
- 抗癌剤は、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる、請求項1に記載のキット。
- 抗癌剤は、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビンおよびリスリドの群から選ばれる、請求項1に記載のキット。
- 抗癌剤はオキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノールおよびホルメスタンからなる群から選ばれる、請求項1に記載のキット。
- 抗癌剤は、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる、請求項1に記載のキット。
- 放射線増感剤は、2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノールからなる群から選ばれる、請求項1に記載のキット。
- 抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる薬物またはそれらの医薬的に許容し得る塩の少なくとも1つ、並びに放射性医薬品を含む、治療学的な放射性医薬組成物であって、
該放射性医薬品は、
d)放射性同位元素;
e)該放射性同位元素とキレート化することができるキレート因子;および
f)標的分子
を含み、
該標的分子は0〜1個の連結基によって該キレート因子と結合し、
該標的分子は血管新生の間に上方制御される受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態である、該治療学的な放射性医薬組成物。 - 標的分子は環状ペンタペプチドであって、受容体はαvβ3である、請求項13に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
- 放射性医薬品は、以下の群を含む請求項14に記載の治療学的な放射性医薬組成物:
b)33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198AU、199AU、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素;並びに、
b)式(I):(Q)d−Ln−Chもしくは(Q)d−Ln−(Ch)d'の化合物、
(I)
およびそれらの医薬的に許容し得る塩:
[上記式中、
Qは独立して群:
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意的な二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる]。 - 請求項15に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2 〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23で置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる] - 放射性同位元素は153Smである、請求項15に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
- 放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−153Sm));
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−153Sm);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(153Sm)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる、請求項17に記載の治療学的な放射性医薬組成物。 - 放射性同位元素は177Luである、請求項15に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
- 放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−177Lu));
(DOTA−177Lu)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−177Lu);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(177Lu)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる、請求項19に記載の治療学的な放射性医薬組成物。 - 放射性同位元素は90Yである、請求項15に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
- 放射性医薬品は、
(DOTA−90Y)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys− Arg−Gly−Asp−D−Phe}
である、請求項21に記載の治療学的な放射性医薬組成物。 - 抗癌剤は、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる、請求項15に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
- 放射線増感剤は、2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノールからなる群から選ばれる、請求項15に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
- 癌の処置が必要な患者に治療学的な放射性医薬品を投与することを含む患者の癌の処置法であって、該治療学的な放射性医薬品は、
a)放射性同位元素;
d)該放射性同位元素1とキレート化することができるキレート因子;および
e)標的分子
(ここで、
該標的分子は0〜1個の連結基によって該キレート因子と結合し、
該標的分子は血管新生の間に上方制御された受容体と結合するペプチドまたはペプチド擬態であり、
該放射性同位元素は、33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198Au、199Au、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素である);並びに
抗癌剤および放射線増感剤からなる群から選ばれる薬物、またはそれらの医薬的に許容し得る塩の少なくとも1つ
を含む、該処置法。 - 標的分子は環状のペンタペプチドであって、受容体はαvβ3またはαvβ5である、請求項25に記載の方法。
- 治療学的な放射性医薬品は、以下の群を含む請求項25に記載の方法:
b)33P、125I、186Re、188Re、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、212Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198AU、199AU、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、67Cu、105Rh、111Agおよび192Irの群から選ばれる放射性同位元素;並びに、
b)式(I):(Q)d−Ln−Chもしくは(Q)d−Ln−(Ch)d'の化合物、
(I)
およびそれらの医薬的に許容し得る塩:
[式中、
Qは独立して群:
各Kは独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から独立して選ばれるL−アミノ酸である。
各K’は独立して、アルギニン、シトルリン、N−メチルアルギニン、リシン、ホモリシン、2−アミノエチルシステイン、δ−N−2−イミダゾリニルオルニチン、δ−N−ベンジルカルバモイルオルニチンおよびβ−2−ベンズイミダゾリルアセチル−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるD−アミノ酸である。
各Lは独立して、グリシン、L−アラニンおよびD−アラニンの群から選ばれる。
Mは、L−アスパラギン酸である。
M’は、D−アスパラギン酸である。
各R1は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミンおよびメチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、2−アミノヘキサン酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、セリン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、システイン、ペニシラミン、メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミンおよびD−メチオニンの群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、D−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−2−アミノヘキサン酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸、D−システイン、D−ペニシラミン、D−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、0〜1個のLnとの結合で置換された、独立してグリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−2−アミノヘキサン酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−セリン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸、L−システイン、L−ペニシラミン、L−メチオニンおよび2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
但し、各QにおけるR1、R2、R3、R4およびR5の1つは、Lnとの結合で置換されており;
更に、R2が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KはN−メチルアルギニンであり;
更に、R4が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、KおよびK’はN−メチルアルギニンである;そして、
更に、R5が2−アミノチアゾール−4−酢酸である場合には、K’はN−メチルアルギニンである。
dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g+h+g'+k+h’+g''+h''+g'''は0以外であるという条件で、Lnは、式:
(CR6R7)g−(W)h−(CR6aR7a)g ’−(Z)k−(W)h ’−(CR8R9)g''−(W)h"−(CR8aR9a)g'''
を有する連結基である。ここで、
各Wは独立して、O、S、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C (=O)O、 OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s'、(OCH2CH2CH2)s"、(CH2CH2CH2O)tおよび(aa)t'の群から選ばれる。
各aaは独立して、アミノ酸である。
Zは、0〜3個のR10で置換されたアリール;0〜3個のR10で置換されたC3 〜 10のシクロアルキル;5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aの各々は独立して、COOH、SO3H、PO3H、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルキル、0〜3個のR10で置換されたアリール、0〜3個のR10で置換されたベンジル、0〜3個のR10で置換されたC1〜C5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は、Chとの結合、COOR11、OH、NHR11、SO3H、PO3H、0〜3個のR11で置換されたアリール、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1 〜 5アルコキシおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR11で置換されている)の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸、0〜1個のR12で置換されたポリカルボキシアルキル、0〜1個のR12で置換されたポリアザアルキル、0〜1個のR12で置換されたペプチド(該ペプチドは2〜10個のアミノ酸を含む)およびChとの結合から選ばれる。
R12は、Chとの結合である。
kは、0、1および2から選ばれる。
hは、0、1および2から選ばれる。
h’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
h’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
s’’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
t’は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選ばれる。
Chは、式:
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8の各々は独立して、N、NR13、NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、O、OH、PR13、PR13Rl4、P(O)R15Rl6およびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)、並びに電子の群から選ばれるか;あるいは、
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R15およびR16は各々独立して、Lnとの結合、−OH、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキル、0〜3個のR17で置換されたヘテロ環−C1 〜 10アルキル(該ヘテロ環基は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する5〜10員のヘテロ環である)、0〜3個のR17で置換されたC6 〜 10アリール−C1 〜 10アルキル、0〜3個のR17で置換されたC1 〜 10アルキル−C6 〜 10アリール、および5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれる。
各R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CHO、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−SR18、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N (R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、NO2、−C(=O)NHOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ) エトキシ、C1〜C5アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C2〜C6アルコキシアルキル、0〜2個のR18で置換されたアリールおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)の群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C6アルコキシ、ハライド、ニトロ、シアノおよびトリフルオロメチルの群から選ばれる。
Pgは、チオ−ル保護基である。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C10アルキル、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、0〜3個のR23で置換されたC2〜C10の1−アルキレン、0〜3個のR23で置換されたアリール、不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23置換されている)および0〜3個のR23で置換された不飽和のC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
R22およびR23は独立して、H、R24、0〜3個のR24で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルケニル、0〜3個のR24で置換されたC2〜C10アルキニル、0〜3個のR24で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR24で置換されている)および0〜3個のR24で置換されたC3 〜 10炭素環の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
aおよびbは、任意的な二重結合の位置を示す。
nは、0または1である。
各R24は独立して、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R25、−C(=O)R25、−C(=O)N(R25)2、−N(R25)3 +、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OC(=O)OR25a、−OR25、−OC(=O)N(R25)2、−NR26C(=O)R25、−NR26C(=O)OR25a、−NR26C(=O)N(R25)2、−NR26SO2N(R25)2、−NR26SO2R25a、−SO3H、−SO2R25a、−SR25、−S(=O)R25a、−SO2N(R25)2、−N(R25)2、=NOR25、−C(=O)NHOR25、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ)エトキシの群から選ばれる。そして、
R25、R25aおよびR26は各々独立して、水素およびC1〜C6アルキルの群から選ばれる]。 - 請求項27に記載の方法。
[式中、
Lは、グリシンである。
各R1は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、D−バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸および1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R2は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してバリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、2−アミノ酪酸、チロシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、チエニルアラニン、フェニルグリシン、ビフェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、リシン、オルニチン、1,2−ジアミノ酪酸、1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R3は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−リシン、D−セリン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸およびD−1,2−ジアミノプロピオン酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R4は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してD−バリン、D−アラニン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−ノルロイシン、D−2−アミノ酪酸、D−チロシン、D−フェニルアラニン、D−チエニルアラニン、D−フェニルグリシン、D−シクロヘキシルアラニン、D−ホモフェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、D−リシン、D−オルニチン、D−1,2−ジアミノ酪酸、D−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
各R5は、場合によりLnとの結合で置換された、独立してL−バリン、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−ノルロイシン、L−2−アミノ酪酸、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−チエニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−シクロヘキシルアラニン、L−ホモフェニルアラニン、L−1−ナフチルアラニン、L−リシン、L−オルニチン、L−1,2−ジアミノ酪酸、L−1,2−ジアミノプロピオン酸および2−アミノチアゾール−4−酢酸の群から選ばれるアミノ酸である。
dは、1、2および3から選ばれる。
各Wは独立して、O、NH、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、SO2、(OCH2CH2)s、(CH2CH2O)s ’、(OCH2CH2CH2)s"および(CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
Zは、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR10で置換されている)の群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、=O、COOH、SO3H、0〜1個のR10で置換されたC1〜C5シクロアルキル、0〜1個のR10で置換されたアリール、0〜1個のR10で置換されたベンジル、0〜1個のR10で置換されたC1 〜 5アルコキシ、NHC(=O)R11、C(=O)NHR11、NHC(=O)NHR11、NHR11、R11およびChとの結合の群から選ばれる。
各R10は独立して、COOR11、OH、NHR11、SO3H、0〜1個のR11で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR11で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルキル、0〜1個のR12で置換されたC1〜C5アルコキシおよびChとの結合の群から選ばれる。
各R11は独立して、H、0〜1個のR12で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜1個のR12で置換されている)、0〜1個のR12で置換されたポリアルキレングリコ−ル、0〜1個のR12で置換された炭水化物、0〜1個のR12で置換されたシクロデキストリン、0〜1個のR12で置換されたアミノ酸およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0または1である。
hは、0または1である。
h’は、0または1である。
sは、0、1、2、3、4および5である。
s’は、0、1、2、3、4および5である。
s’’は、0、1、2、3、4および5である。
tは、0、1、2、3、4および5である。
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7およびA8は各々独立して、NR13、 NR13Rl4、S、SH、S(Pg)、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
各Eは、結合;CH;または、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、0〜3個のR17で置換されたC3 〜 10シクロアルキルおよび5〜10員のヘテロ環(該へテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)の群から選ばれるスペーサー基である。
R13およびR14の一方が電子である場合には、他方もまた電子であるという条件で、R13およびR14は各々独立して、Lnとの結合、水素、0〜3個のR17で置換されたC1〜C10アルキル、0〜3個のR17で置換されたアリール、5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR17で置換されている)および電子からなる群から選ばれるか;あるいは
R13およびR14は一緒になって=C(R20)(R21)を形成する。
R17は独立して、Lnとの結合、=O、F、Cl、Br、I、−CF3、−CN、−CO2R18、−C(=O)R18、−C(=O)N(R18)2、−CH2OR18、−OC(=O)R18、−OC(=O)OR18a、−OR18、−OC(=O)N(R18)2、−NR19C(=O)R18、−NR19C(=O)OR18a、−NR19C(=O)N(Rl8)2、−NR19SO2N(R18)2、−NR19SO2R18a、−SO3H、−SO2R18a、−S(=O)R18a、−SO2N(R18)2、−N(R18)2、−NHC(=S)NHR18、=NOR18、−C(=O)NHNR18R18a、−OCH2CO2Hおよび2−(1−モルホリノ) エトキシの群から選ばれる。
R18、R18aおよびR19は各々独立して、Lnとの結合、HおよびC1〜C6アルキルの群から選ばれる。
R20およびR21は独立して、H、C1〜C5アルキル、−CO2R25、0〜3個のR23で置換されたC2〜C5の1−アルケン、0〜3個のR23で置換されたC2 〜C5の1−アルキン、0〜3個のR23で置換されたアリールおよび不飽和の5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有し、且つ0〜3個のR23置換されている)の群から選ばれるか;あるいは、
R20およびR21はそれらが結合している二価の炭素基と一緒になって式:
R22およびR23は独立して、HおよびR24の群から選ばれるか;あるいは、
R22およびR23は一緒になって、縮合した芳香環または5〜10員のヘテロ環(該ヘテロ環は独立して、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子の1〜4個を含有する)を形成する。
各R24は独立して、−CO2R25、−C(=O)(R25)2、−CH2OR25、−OC(=O)R25、−OR25、−SO3H、−N(R25)2および−OCH2CO2Hの群から選ばれる。そして、
各R25は独立して、水素およびC1〜C3アルキルの群から選ばれる] - 請求項27に記載の方法。
Qは、式:
R1は、L−バリン、D−バリン、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたD−リシン、またはεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R2は、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、D−1−ナフチルアラニン、2−アミノチアゾール−4−酢酸、場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシン、チロシン、または場合によりヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたチロシンである。
R3は、D−バリン、D−フェニルアラニンまたは場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
R4は、D−フェニルアラニン、ヒドロキシ基がLnとの結合で置換されたD−チロシン、または場合によりεアミノ基がLnとの結合で置換されたL−リシンである。
但し、各QにおけるR1およびR2の一方がLnとの結合によって置換されており、且つR2が2−アミノチアゾール−4−酢酸であるという条件で、KはN−メチルアルギニンである。
dは、1または2である。
各Wは独立して、NHC(=O)、C(=O)NH、C(=O)、(CH2CH2O)s ’および (CH2CH2CH2O)tの群から選ばれる。
R6、R6a、R7、R7a、R8、R8a、R9およびR9aは各々独立して、H、NHC(=O)R11およびChとの結合の群から選ばれる。
kは、0である。
h’’は、0、1、2および3から選ばれる。
gは、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
g’’’は、0、1、2、3、4および5から選ばれる。
s’は、1または2である。
tは、1または2である。
Chは、
A1は、OHおよびLnとの結合の群から選ばれる。
A2、A4およびA6は各々、Nである。
A3、A5およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合またはLnとのNH−結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。
R17は、=Oである)
であるか;
Chは、
A1は、NH2またはN=C(R20) (R21)である。
Eは、結合である。
A2は、NHR13である。
R13は、R17で置換されたヘテロ環であって、該ヘテロ環はピリジンおよびピリミジンから選ばれる。
R17は、Lnとの結合、C(=O)NHR18およびC(=O)R18から選ばれる。
R18は、Lnとの結合である。
R24は、−CO2R25、−OR25、−SO3Hおよび−N(R25)2の群から選ばれる。
各R25は独立して、水素およびメチルの群から選ばれる)
であるか;あるいは、
Chは、
A1、A2、A3およびA4は各々、Nである。
A5、A6およびA8は各々、OHである。
A7は、Lnとの結合である。
Eは、0〜1個のR17で置換されたC2アルキルである。そして、
R17は、=0である)
である] - 式Iの化合物は、群:
(a) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(b) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr((N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−18−アミノ−14−アザ−4,7,10−オキシ−15−オキソ−オクタデコイル)−3−アミノプロピル)−Val};
(c) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{D−Tyr(3−アミノプロピル)−Val−Arg−Gly−Asp};
(d) シクロ(Arg−Gly−Asp−d−Tyr−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(e) シクロ{Arg−Gly−Asp−d−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(f) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(g) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Phe−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(h) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Nal−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(i) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Nal};
(j) シクロ{Arg−Gly−Asp−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Val};
(k) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp})−シクロ{Lys−D−Val−Arg−Gly−Asp};
(l) {シクロ(Arg−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(m) シクロ{D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(n) [2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−Glu(シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg})−シクロ{D−Lys−D−Phe−D−Asp−Gly−Arg};
(o) シクロ{D−Phe−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])−D−Asp−Gly−Arg};
(p) シクロ{N−Me−Arg−Gly−Asp−ATA−D−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(q) シクロ{Cit−Gly−Asp−D−Phe−Lys([2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(r) 2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1−シクロドデシル)アセチル−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
(s) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA)};
(t) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys}2(DTPA);
(u) シクロ{Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA−3−アミノプロピル)−Val};
(v) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(w) シクロ{Lys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(x) シクロ{Cys(2−アミノエチル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(y) シクロ{ホモLys−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(z) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(aa) シクロ{Dap(b−(2−ベンズイミダゾリルアセチル))−Gly−Asp−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−Val};
(bb) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ] メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(cc) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−Gly−Asp−D−Phe−Lys(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸])};
(dd) シクロ{Lys−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};
(ee) シクロ{Orn(d−N−ベンジルカルバモイル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly};および
(ff) シクロ{Orn(d−N−2−イミダゾリニル)−D−Val−D−Tyr(N−[2−[[[5−[カルボニル]−2−ピリジニル]ヒドラゾノ]メチル]ベンゼンスルホン酸]−3−アミノプロピル)−D−Asp−Gly}
の化合物、またはそれらの医薬的に許容し得る塩形態からなる群から選ばれる、請求項27に記載の方法。 - 放射性同位元素は153Smである、請求項27に記載の方法。
- 放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−153Sm));
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−153Sm);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(153Sm)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる、請求項31に記載の方法。 - 放射性同位元素は177Luである、請求項27に記載の方法。
- 放射性医薬品は、
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys(DTPA−177Lu));
(DOTA−177Lu)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe};
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)2(DTPA−177Lu);および
シクロ(Arg−Gly−Asp−D−Tyr(N−DTPA(177Lu)−3−アミノプロピル)−Val)
の群から選ばれる、請求項27に記載の方法。 - 放射性同位元素は90Yである、請求項27に記載の方法。
- 放射性医薬品は、
(DOTA−90Y)−Glu(シクロ{Lys−Arg−Gly−Asp−D−Phe})−シクロ{Lys− Arg−Gly−Asp−D−Phe}
である、請求項35に記載の方法。 - 治療学的な放射性医薬品および薬物の投与は同時投与である、請求項25に記載の方法。
- 治療学的な放射性医薬品および薬物の投与は連続的である、請求項25に記載の方法。
- 癌は、肺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、精巣癌、肝臓癌、耳下腺癌、胆管癌、結腸癌、直腸癌、頚部癌、子宮癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、甲状腺癌、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、黒色腫、神経こう腫および神経芽細胞腫の癌腫からなる群から選ばれる、請求項25に記載の方法。
- 抗癌剤は、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキセート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレックスド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウム酢酸塩、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトル、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニレウキンジフチトックス、インターロイキン−2および黄体形成ホルモン放出因子の群から選ばれる、請求項25に記載の方法。
- 放射線増感剤は、
2−(3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド、
N−(3−ニトロ−4−キノリニル)−4−モルホリンカルボキサミジン、
3−アミノ−1,2,4−ベンゾトリアジン−1,4−ジオキシド、
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロイミダゾール−1−アセトアミド、
1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−(1−ピペリジニル)−2−プロパノールおよび
1−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)−3−(1−アジリジノ)−2−プロパノール
からなる群から選ばれる、請求項25に記載の方法。 - 抗癌剤は抗癌薬物の剤である、請求項25に記載の方法。
- 投与は注射または注入による、請求項25に記載の癌の処置方法。
- 更に、近接照射療法、外部ビーム放射線療法、レーザー療法または外科的な除去法によって癌を処置することを含む、請求項25に記載の方法。
- 包装材料および該包装材料内に含まれる請求項13に記載の治療学的な放射性医薬組成物を含むキットであって、
該包装材料は該治療学的な放射性医薬組成物が癌を処置するのに使用することができることを示すラベルまたは添付書類を含む、該キット。 - 更に光増感剤を含む、請求項13に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
- 光増感剤は、フォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる、請求項46に記載の治療学的な放射性医薬組成物。
- 更に光増感剤を含む、請求項45に記載のキット。
- 光増感剤は、フォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる、請求項48に記載のキット。
- 更に、光力学的治療法を用いて患者を処置することを含む、請求項25に記載の癌の処置法。
- 請求項50に記載の癌の処置法であって、該光力学的治療法は、
a)本発明の治療学的な放射性医薬組成物および光増感剤を患者に投与すること(ここで、該光増感剤は特徴的な光吸収波帯を有し、且つ異常組織によって優先的に吸収される);
b)複数の光供給源にとって必要であり、且つ内部の処置部位での異常組織を画像診断するのに使用する信号を得る画像診断装置を与えること(ここで、該光供給源は光増感剤に特徴的な光吸収波帯に相当する波帯で光を放射し、そして該波帯は患者の真皮層から内部の処置部位へ浸透するのに十分に長い波長を含む)
c)画像診断装置によって得られる信号に対する応答の際に発生した標的部位での異常組織のイメージを観察することによって、画像診断装置を用いて患者の体内の内部の標的部位での異常組織の位置を決定すること;
d)光供給源にエネルギーを与えて、画像診断装置を用いて決定した位置での内部の標的部位に光療法を投与すること
を含む、該癌の処置法。 - 光増感剤(光反応性剤)と標的組織とを選択的に結合させる結合剤を含有させることによって、該光増感剤は標的組織で特異的に標的化される、請求項47に記載の癌の処置法。
- 光増感剤は、フォトフリン;ナフタロシアニン光増感剤;テトラピロールベースの光増感剤;ポルフィリン;クロリン;フタロシアニン;ナフタロシアニン;クマリン;ソラレン;1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロン;10,13−ジ(メトキシカルボニル)−1,3,4,6−テトラメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシヘリアントロン;1,6−ジ−N−ブチルアミノ−3,4−ジメトキシ−10,13−ジメチルヘリアントロン;1,6−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)−3,4−ジメトキシヘリアントロン;2,5−ジブロモ−1,3,4,6−テトラヒドロヘリアントロンおよび2,5−ジブロモ−10,13−ジメチル−1,3,4,6−テトラヒドロキシヘリアントロンからなる群から選ばれる、請求項51に記載の癌の処置法。
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