JP2005537376A - インク配合物およびそれらの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、水、着色剤、および架橋性の水溶性ポリビニルアルコールを含む医用デバイスをパッド印刷するための化学インクを提供する。インクは、50mPasより大きい粘度、および医用デバイスへの良好な密着性を有する。そのようなインクでコンタクトレンズを印刷する方法も開示されている。

Description

本発明は、コンタクトレンズの製造に用いられる型に、パッド印刷システムにより適用することのできるインクに関する。得られる製品は、着色インクが適用されたコンタクトレンズである。さらに、本発明は、着色コンタクトレンズの製造方法に関する。
美容目的で、レンズ中に分散された、あるいはレンズ上に印刷された1種以上の着色剤を有するコンタクトレンズに対する需要は高い。これらの着色されたコンタクトレンズは、眼の自然な美しさを高め、あるいは装用者の瞳孔上に独特のパターンを付与し、あるいは回転マーク、反転マーク、製品/ブランドコード、ロット番号、「デモ」レンズ等の装飾用以外のパターンまたはマークを付与し、装用者、アイケア実施者、および製造業者に有益である。
現在、コンタクトレンズにインクを印刷する方法は、クリシェインク転写印刷を含んでいる。この印刷の典型例は以下のとおりである。画像を金属にエッチングして、クリシェを形成する。クリシェをプリンター中に置く。一旦プリンターに置くと、クリシェは、開放型インク壷ドクターリングシステムまたは画像を横切ってスライドする閉鎖型インクカップにより、インク付けされる。その後、シリコンーンパッドがインク付けされた画像をクリシェから受け取って、画像をコンタクトレンズに転写する。シリコンーンパッドは、弾性が異なりうるシリコーンからなる材料で作られている。シリコーン材料の特性により、インクが一時的にパッドに付着し、コンタクトレンズ型に接触したときにパッドから完全に剥離することが可能となる。
多数のインクが、コンタクトレンズにカラー画像をクリシェインク転写印刷するための技術分野で公知である。そのようなインクの例として、米国特許第4,668,240号、第4,857,072号、第5,272,010号、および第5,414,477号各明細書に開示されたものが挙げられる。しかしながら、この分野で公知のそのようなインクは、パッド印刷システムを用いる場合、ネルフィルコン(nelfilcon、アクリレート変性PVA)上に高品質のカラー画像を製造することに不適合であるか、あるいは不可能である。
米国特許第6,162,844号(Lallyら)は、少なくとも1種の高分子染料およびポリビニルアルコールを型に入れ、架橋または重合してレンズを作製することを開示している。同様に、米国特許第6,149,842号(Lallyら)は、金属フタロシアニン染料または顔料をポリビニルアルコールと混合し、次いでレンズ型に入れ、架橋または重合して、染料または顔料をレンズのポリマーネットワーク中に閉じ込めることによる、着色レンズの製造を教示している。しかしながら、両者は、染料または顔料がレンズ全体に分散されたレンズをもたらし、レンズの表面またはその中に印刷された画像をもたらさない。
WO03/040242号明細書は、インクジェット法により医用デバイスに印刷する着色インクを開示している。しかしながら、その出願の教示に一致して、その中に開示されたすべてのインクは、50センチポアズより有意に小さい粘度を有している。そのようなインクは、本質的に、パッド印刷法には不適当である。
したがって、パッド印刷システムを用いて、ネルフィルコンコンタクトレンズ上に高品質のカラー画像を製造するのに適した方法およびインクへの要求がある。また、そのようなインクを製造する方法への要求もある。
[発明の概要]
本発明のインクは、パッド印刷システムを用いて、ネルフィルコンコンタクトレンズ上に高品質のカラー画像を製造するのに好適である。
一つの態様において、本発明は、水、着色剤、および架橋性で水溶性のポリビニルアルコールを含む医用デバイスのパッド印刷用のインクであって、50センチポアズより大きい粘度と医用デバイスへの良好な接着性を有するインクに関する。本発明のインクは、1以上の次の特性:50センチポアズ(cps)より大きい粘度;長時間の安定性(すなわち、少なくとも4時間安定、好ましくは少なくとも8時間安定、より好ましくは少なくとも24時間安定、さらにより好ましくは少なくとも7日間安定、最も好ましくは少なくとも3週間安定);適切なカラーレベル(眼に見える);医用デバイスに良好な密着性;および型から型中で製造された医用デバイスへの良好な転写性を有する。
本発明の他の態様において、着色コンタクトレンズの製造方法が提供される。その方法は、
(a)レンズ型の少なくとも一方のレンズ形成表面の少なくとも一部に、50センチポアズより大きい粘度を有する、水、着色剤、および架橋性の水溶性ポリビニルアルコールを含むインクをコーティングし、
(b)カラーコートを所定の位置に保持しながら、レンズ形成組成物をレンズ型に添加し、次いで、
(c)レンズ形成組成物を硬化してコーティングされたレンズを形成する、
工程を含み、そのコンタクトレンズが指摩擦試験(finger-rubbing test)に合格するものである。
本発明は、上記のおよび他の特徴を提供するものであり、本発明の利点は、添付の図面と共に、目下の好ましい実施態様の詳細な説明からさらに明らかとなろう。詳細な説明は、本発明を単に例証するものであって、添付の特許請求の範囲およびその均等物により定義される、本発明の範囲を限定するものではない。
〔好ましい実施態様の詳細な説明〕
本発明は、水、着色剤、および架橋性基を有する水溶性のポリビニルアルコールを含むインクを提供する。そのようなインクは、50センチポアズより大きい粘度と医用デバイスへの良好な接着性を有することで特徴付けられる。そこで、本発明のインクは、医用デバイスへのカラー画像の印刷、好ましくは着色眼用レンズの製造、より好ましくは着色コンタクトレンズの製造に有用である。
特に定義しないかぎり、本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同一の意味を有する。一般に、本明細書で用いられる命名法および実験室手順は、当該技術において周知のものであって、一般に使用されている。これらの手順には、慣用の方法、たとえば当該技術および種々の一般文献において提供されているものが用いられる。用語が単数形である場合、本発明者らは、この用語の複数形をも意図している。本明細書において使用されている命名法および以下に記載される実験室手順は、当該技術において周知のものであって、一般に使用されている。本開示を通じて使用されている以下の用語は、他に記載のないかぎり、以下の意味を有するものと理解されるべきである。
「着色剤」は、染料および不透明着色剤の双方の、単独または組合せのいずれをも含む。
「染料」は、溶媒に可溶であって、色を付与するために使用される物質を意味する。染料は、典型的には半透明であり、光を散乱させることなく吸収する。染料は、コンタクトレンズの(瞳孔にかぶさる)光学域および(瞳孔にかぶさらない)非光学域の両方を覆うことができる。蛍光染料、りん光染料、パール光沢染料、および従来の染料をはじめとする、ほとんどすべての染料が、本明細書に記載されている方法に適合するかぎり、本発明に使用することができる。
「不透明着色剤」は、顔料および粒状物の両方を含む。
不透明着色剤に関連する「顔料」とは、当該技術において公知の、多種の有機または無機の不溶性顔料をいい、たとえば二酸化チタン、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー(CI 74160))、ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン(CI 74260))、ピグメントブルー36(コバルトブルー(CI 77343))、またはクロムセスキオキシドである。ある種の顔料は、蛍光またはりん光を発することができる。本明細書を通じて特定の例が示されているが、当業者は、種々の顔料のいずれをも使用できることを認識するであろう。
不透明着色剤に関連する「粒状物」とは、当該技術において公知である多くの種類の着色粒状物をいい、たとえば墨(India ink)である。この用語はまた、無着色ではあるが、たとえば粒子による光の(たとえば)回折または散乱によって色を発現させる構造体をも含む。ある種の粒状物は、蛍光またはりん光を発することができる。
本明細書で用いている「眼に適合性」とは、眼の環境に有意な損傷を与えることなく、そして使用者の明らかな不快感なしに、長時間にわたって眼の環境に密に接触しうる材料または材料表面についていう。したがって、眼に適合性のコンタクトレンズは、有意な角膜腫脹を起こすこともなく、瞬きとともに眼上を適当に移動して適切な涙液交換を促し、実質的な量の脂質吸収がなく、そして所定の装用期間の間に本来の装用者に不快感を与えることはないであろう。本発明のレンズは、好ましくは眼に適合性のものである。
本明細書で用いている「眼の環境」とは、視力補正、薬物送達、傷の治療、眼色改変、または他の眼科用途に使用されるコンタクトレンズと密に接触しうる眼液(たとえば涙液)および眼組織(たとえば角膜)をいう。
「パターン」とは、コンタクトレンズ上に印刷される所定の像をいう。パターンは、外見が空想的または現実的のいずれでもよい。パターンは、好ましくは米国特許第5,160,463号(Evansら)および第5,414,477号(Jahnke)に従って設計される。
「医用デバイス」とは、それらの操作の過程で、患者の組織、血液、または他の体液と接触する表面を有するデバイスをいう。医用デバイスの例として、(1)その後患者に戻る血液と接触する、血液への酸素供給器、血液ポンプ、血液センサー、血液運搬用チューブなどの、手術用の体外デバイス;(2)血管または心臓に埋め込まれる、代用血管、ステント、ペースメーカーリード線、心臓弁などの、人間または動物体内に埋め込まれる人工器官;(3)モニターまたは修復する目的で血管または心臓に入れられるカテーテル、ガイド線などの、一時的に血管内で使用されるデバイス;ならびに(4)眼用レンズが挙げられる。
本明細書で用いている「眼用レンズ」とは、コンタクトレンズ(ハードまたはソフト)あるいは眼内レンズをいう。本発明のある態様において、レンズは、必ずしも、光学レンズ、たとえばコンタクトレンズとして機能しなくてもよく、使用者の視力の矯正、改善、または改変に関連する目的とは対照的に、美容目的に用いられる。
本明細書で用いている「眼用レンズ」とは、コンタクトレンズ(ハードまたはソフト)あるいは眼内レンズをいう。本発明のある態様において、レンズは、必ずしも、光学レンズ、たとえばコンタクトレンズとして機能しなくてもよく、使用者の視力の矯正、改善、または改変に関連する目的とは対照的に、美容目的に用いられる。
「着色眼用レンズ」とは、その上にカラー画像を有する眼用レンズをいう。「着色コンタクトレンズ」とは、その上に印刷されたカラー画像を有するコンタクトレンズ(ハードまたはソフト)をいう。カラー画像は、装飾用パターン、例えば瞳孔様のパターン、WILD EYE(商標)パターン、オーダーメード(MTO)のパターン等;使用者がコンタクトレンズを容易に取り扱い、挿入することを可能にする、反転マーク、例えばFRESHLOOK(商標)コンタクトレンズ(CIBAビジョン);または、例えば数字またはバーコードのいずれかの形態のコンタクトレンズ在庫管理ユニット(SKU)でありうる。カラー画像は、単一のカラー画像あるいは多数のカラー画像でありうる。カラー画像は、好ましくは、デジタル画像であるが、アナログ画像でもありうる。
本発明のインク組成物は、架橋性で水溶性のポリビニルアルコール(PVA)を含む。より好ましくは、PVAは、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基の数に基づいて、式I、IとII、IとIII、またはIとIIとIII:
Figure 2005537376
の単位を約0.5%〜約80%を含む、少なくとも約2000の分子量を有するポリビニルアルコールの誘導体であるポリヒドロキシ化合物に基づく架橋性ポリマーである。
式I、IIおよびIII中、R3は、水素、C1〜C6アルキル基またはシクロアルキル基である。
式I、IIおよびIII中、Rは、炭素数12まで、好ましくは炭素数8までを有するアルキレンであり、直鎖または分岐鎖であり得る。適切な例としては、オクチレン、へキシレン、ペンチレン、ブチレン、プロピレン、エチレン、メチレン、2−プロピレン、2−ブチレンおよび3−ペンチレンを含む。低級アルキレンRは、好ましくは炭素数6までを有し、特に好ましくは炭素数4までを有する。メチレンおよびブチレンが、特に好ましい。
式I中、R1は、水素、または炭素数7まで、特に4までを有する低級アルキルである。より好ましくは、R1は水素である。
式I中、R2は、オレフィン性不飽和の電子求引性の架橋性基であって、好ましくは炭素数25までを有する基である。一つの実施態様において、R2は、式:−CO−R4(式中、R4は、炭素数2〜24、好ましくは炭素数2〜8、特に好ましくは炭素数2〜4を有するオレフィン性不飽和の架橋性基である)のオレフィン性不飽和アシル基である。
炭素数2〜24を有するオレフィン性不飽和の架橋性基R4は、好ましくは炭素数2〜24を有するアルケニル、特に炭素数2〜8を有するアルケニル、特に好ましくは炭素数2〜4を有するアルケニル、例えば、エテニル、2−プロペニル、3−プロペニル、2−ブテニル、ヘキセニル、オクテニルまたはドデセニルである。エテニルおよび2−プロペニルが好ましく、したがって、−CO−R4基は、アクリル酸またはメタクリル酸のアシル基である。
他の実施態様において、基R2は、式IV、好ましくは式V:
−CO−NH−(R5−NH−CO−O)q−R6−O−CO−R4 (IV)
−[CO−NH−(R5−NH−CO−O)q−R6−O]p−CO−R4 (V)
(式中、pおよびqは、互いに独立に、0または1であり、R5およびR6は、互いに独立に、炭素数2〜8を有する低級アルキレン、炭素数6〜12を有するアリーレン、炭素数6〜10を有する飽和の二価脂環式基、炭素数7〜14を有するアリーレンアルキレンもしくはアルキレンアリーレンまたは炭素数13〜16を有するアリーレンアルキレンアリーレンであり、R4は、上記と同様である)
の基である。
低級アルキレンR5またはR6は、好ましくは炭素数2〜6を有し、特に直鎖である。適切な例としては、プロピレン、ブチレン、へキシレン、ジメチルエチレン、特に好ましくは、エチレンが挙げられる。
アリーレンR5またはR6は、好ましくは非置換であるか、または低級アルキルもしくは低級アルコキシにより置換されているフェニレンであり、特に1,3−フェニレン、1,4−フェニレンもしくはメチル−1,4−フェニルレンである。
飽和の二価脂環式基R5またはR6は、好ましくはシクロヘキシレンまたはシクロヘキシレン(低級アルキレン)、例えば、非置換であるか、または1個以上のメチル基により置換された、シクロヘキシレンメチレンであり、例えばトリメチルシクロヘキシレンメチレン、例えば二価イソホロン基である。
アルキレンアリーレンまたはアリーレンアルキレンR5またはR6のアリーレン単位は、好ましくは、非置換であるか、または低級アルキルもしくは低級アルコキシにより置換された、フェニレンであり、そのアルキレン単位は、好ましくは低級アルキレンであり、例えばメチレンまたはエチレンであり、特にメチレンである。したがって、このタイプの基R5またはR6は、好ましくはフェニレンメチレンまたはメチレンフェニレンである。
アリーレンアルキレンアリーレンR5またはR6は、好ましくはアルキレン単位に炭素数4までを有するフェニレン(低級アルキレン)フェニレンであり、例えばフェニレンエチレンフェニレンである。
基R5またはR6は、好ましくは、互いに独立して、炭素数2〜6を有する低級アルキレン、非置換または低級アルキルもしくは低級アルコキシにより置換されたフェニレン、非置換または低級アルキルもしくは低級アルコキシにより置換されたシクロヘキシレンもしくはシクロヘキシレン(低級アルキレン)、フェニレン(低級アルキレン)、(低級アルキレン)フェニレンまたはフェニレン(低級アルキレン)フェニレンである。
式II中、R7は、第一級、第二級もしくは第三級アミノ基または式N+(R’)3-の第四級アミノ基であり、ここで、各々のR’は互いに独立に、水素またはC1〜C4アルキル基であり、Xは対イオン、例えばHSO4 -、F-、Cl-、Br-、I-、CH3COO-、OH-、BF4 -またはH2PO4 -である。
基R7は、特に、アミノ、モノーもしくはジ(低級アルキル)アミノ、モノーもしくはジフェニルアミノであり、(低級アルキル)フェニルアミノまたはヘテロ環に組み込まれた第三級アミノであり、例えば−NH2、−NH−CH3、−N(CH32、−NH(C25)、−N(C252、−NH(フェニル)、−N(C25)フェニルまたは
Figure 2005537376

である。
式III中、R8は、一塩基性、二塩基性もしくは三塩基性の、飽和もしくは不飽和の、脂肪族もしくは芳香族有機酸またはスルホン酸である。好ましい基R8は、例えば、クロロ酢酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フタル酸およびトリメリット酸から誘導される。
本発明の目的で、基および化合物に関連して使用されている用語「低級」は、特記のない限り、炭素数7まで、好ましくは炭素数4までを有する基または化合物を意味する。
低級アルキルは、特に炭素数7まで、好ましくは炭素数4までを有し、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチルである。
低級アルコキシは、特に炭素数7まで、好ましくは炭素数4までを有し、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシまたはtert−ブトキシである。
二価基−R5−NH−CO−O−は、qが1の場合は存在し、qが0の場合は存在しない。qが0である架橋基を含むポリマーが好ましい。
二価基−CO−NH−(R5−NH−CO−O)q−R6−O−は、pが1の場合は存在し、pが0の場合は存在しない。pが0である架橋基を含むポリマーが好ましい。
pが1である架橋基を含む単位を含むポリマーにおいて、指数qは好ましくは0である。pが1であり、指数qが0であり、R5が低級アルキレンである架橋基を含むポリマーが特に好ましい。
式N+(R’)3-において、R’は、好ましくは水素またはC1〜C3アルキルであり、Xはハライド、アセテートまたはホスファイトであり、例えば−N+(C253CH3COO-、−N+(C253Cl-、および−N+(C2532PO4 -である。
式I、IとII、IとIII、またはIとIIとIIIの単位を含む架橋性ポリマーは、それ自体既知の方法で調製されうる。例えば、米国特許第5,583,163号および第6,303,687号に、式I、IとII、IとIII、またはIとIIとIIIの単位を含む架橋性ポリマーをいかにして製造するかが開示及び教示されている。好ましいPVAはネルフィルコンである。
ポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールの上記の誘導体をバインダーポリマーとして用いることの利点は、これらのバインダーポリマーが、広い範囲の粘度にわたって多くの顔料を懸濁させる分散剤のようにも機能しうることである。「分散剤」とは、粒子の分離を改善し、沈降または凝集を防止するために懸濁液に加えられる界面活性物質をいう。したがって、本発明において、独立した分散剤の必要はない。場合によっては、存在していてもよいが、インクは実質的に分散剤を含まないことが好ましい。
本発明のインクは、ポリビニルアルコールを溶解し、約50センチポアズの粘度を達成するのに十分な量の水を溶媒として含む。
インクは、水に加えて、(含まないことが好ましいが)溶媒を含んでいてもよい。溶媒は、任意の適切な有機または無機溶媒でありうる。ポリビニルアルコールを析出させず、着色剤に悪影響を及ぼさない限り、任意の公知の好適な溶媒を使用することができる。溶媒の例としては、限定するものではないが、アセトン、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等)、グリコール類、ケトン類、エステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトフェノン、二塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、二塩化エチレン、イソホロン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、2−ニトロプロパン、エチレングリコールモノエチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノール、クロロホルム、トリクロロエチレン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、クロロベンゼン、ニトロエタン、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、1−ブタノール、メチルイソブチルケトン、ニトロメタン、トルエン、エタノール、ジエチレングリコール、ベンゼン、ジエチルエーテル、エタノールアミン、四塩化炭素、プロピレングリコール、ヘキサン、エチレングリコールおよびホルムアミドが挙げられる。
追加的な溶媒は、いくつかの有機溶媒の混合物または水と1種以上の水溶性または水混和性有機成分との混合物であってもよく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド類、エーテル類、尿素、置換尿素、カルボン酸およびそれらの塩、エステル類、アルコール類、有機スルフィド類、有機スルホキシド類、スルホン類(例えば、スルホラン)、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エーテル誘導体、アミノアルコール類、ケトン類、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、ヒドロキシエーテル類、スルホキシド類、ラクトン類、高分子電解質、メチルスルホニルエタノール、イミダゾール、ベタイン、および他の水溶性または水混和性材料、ならびにこれらの混合物である。
ポリビニルアルコールと相溶性である限り、ほとんどすべての顔料または染料を使用することができる。
しかしながら、染料は、顔料が与えることができるようには高度に不透明な印刷を与えることができない。したがって、本発明のインク中の着色剤は、少なくとも1種の顔料を含む。着色剤は、また、2種以上の顔料の混合物であってもよく、2種以上の原色を単に一緒に混合することにより任意の色を得ることができるので、それらを組み合わせて所望の色を与える。本明細書で定義されるように、「原色」は、シアン、イエロー、マゼンタ、白および黒を意味する。着色剤はまた、少なくとも1種の顔料と少なくとも1種の染料の混合物であってもよい。当業者であれば、着色剤をどのように選択するかを知っている。
顔料は必ずしも官能基を有している必要はないので、その選択にはきわめて柔軟性がある。顔料は、所望の色を提供するいかなる着色物質またはそれの組合せでもよい。好ましい顔料は、青色には、フタロシアニンブルー(ピグメントブルー15、C.I.74160)、コバルトブルー(ピグメントブルー36、C.I.77343);緑色には、フタロシアニングリーン(ピグメントグリーン7、C.I.74260)、およびクロムセスキオキシド;黄色、赤色、褐色および黒色には、種々の酸化鉄;紫色には、カルバゾールバイオレット、を含む(C.I.はカラーインデックス番号である)。もちろん、いかなる色も2種以上の原色を単に混合するだけで得られるので、このような原色混合物が所望の色合いを出すのに用いられる。二酸化チタンは、パターンの不透明度を増すために、それに添加することができる。
いずれにせよ、医用デバイスが眼用レンズである場合、得られるレンズが眼に適合性であることが重要である。したがって、任意の好適な着色剤を用いうるが、着色剤は耐熱性で、無毒性で、水溶液に不溶性である顔料であることが、今のところ、好ましい。本発明にとって決定的ではないが、本発明で使用される顔料の粒径は、一般に、約0.02ミクロン〜約10ミクロン、より好ましくは3ミクロン以下で変化する。最も好ましくは、顔料は1ミクロンより小さい。周知のように、より大きな顔料は、より小さな顔料に摩砕することができる。顔料の粒径を減少させる好ましい方法として、高速ミキサー、カディ(Kady)ミル、コロイドミル、ホモジナイザー、マイクロフリューダイザー(microfluidizer)、ソナレーター(sonalator)、超音波ミル、ロールミル、ボールミル、ローラーミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、バリキネティック(varikinetic)ディスペンサー、3本ロールミル、バンバリーミキサー、または当業者に周知の他の方法が挙げられる。
レンズ材料に適用されるバインダーポリマーの粘度は、印刷の品質を保持するために重要である。インク溶液の粘度は、約5,000センチポアズ(cps)程度までであるが、好ましくは約50〜1000cpsの間である。粘度は、好ましくは100cps超;より好ましくは約200cps超である。最も好ましくは、インクの粘度は、250〜350cpsの間である。粘度を自然対数粘度で表した場合、最も好ましい範囲は、5.5〜5.9 log(cps)である。
好ましいインク粘度を達成する、ネルフィルコン、着色剤、および水の適正な濃度は、例えば、二次D−最適混合物設計として設計をモデル化することによる、実験の設計によって決定することができる。これは、例えば、Design Expert(v.6.0.0、Stat-Ease of Minneapolis, MN)等の市販のソフトウエアプログラムで行うことができる。実施例2で調製されたインクを用いて、そのような配合物に対する一つの式が、この方法で発明者らにより得られた(r2=0.9970と予測):ln(粘度)=0.077186*ネルフィルコン+0.94358*PCN+5.81792E-003*水−7.51736E-003*ネルフィルコン*PCN−8.15566E-003*PCN8水、ここでln(粘度)は5.9〜5.5の間である。
本発明の一つの実施態様において、インク配合物は、約1重量%〜59重量%、好ましくは約21重量%〜52重量%、より好ましくは約28重量%〜45重量%の量の水;約1重量%〜約75重量%、好ましくは約55重量%〜約75重量%、より好ましくは約59重量%〜約71重量%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール;および約0重量%〜約8重量%、好ましくは約0.5重量%〜約8重量%、より好ましくは約0.5重量%〜5重量%の量の着色剤を含む。
本発明の好ましい実施態様において、インク配合物は、約26重量%〜30重量%、好ましくは約27重量%〜29重量%の量の水;約1重量%〜約75重量%、好ましくは約55重量%〜約75重量%、より好ましくは約59重量%〜約71重量%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール;および約0重量%〜約8重量%、好ましくは約0.5重量%〜約8重量%、より好ましくは約0.5重量%〜5重量%の量の着色剤を含む。
本発明の他の好ましい実施態様において、インク配合物は、約1重量%〜59重量%、好ましくは約21重量%〜52重量%、より好ましくは約28重量%〜45重量%の量の水;約45重量%〜約75重量%、好ましくは約47重量%〜約71重量%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール;および約0重量%〜約8重量%、好ましくは約0.5重量%〜約8重量%、より好ましくは約0.5重量%〜5重量%の量の着色剤を含む。
本発明の他の好ましい実施態様において、インク配合物は、約1重量%〜59重量%、好ましくは約21重量%〜52重量%、より好ましくは約28重量%〜45重量%の量の水;約1重量%〜約75重量%、好ましくは約55重量%〜約75重量%、より好ましくは約59重量%〜約71重量%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール;および約0.5重量%〜約5重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%、より好ましくは約4重量%〜5重量%の量の着色剤を含む。
本発明のより好ましい配合物は、約27重量%〜29重量%、好ましくは約28重量%の量の水;約70重量%〜約72重量%、好ましくは約71重量%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール;および約0.5重量%〜約1.5重量%、好ましくは約1%の量の着色剤を含む。
本発明の他のより好ましい配合物は、約35重量%〜40重量%、好ましくは36重量%〜37重量%の量の水;約58重量%〜約60重量%、好ましくは約59%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール;および約4重量%〜約5重量%、好ましくは約4.5%の量の着色剤を含む。
本発明のインクはまた、医用デバイス、好ましくは眼用レンズ、より好ましくはコンタクトレンズに良好な密着性を有する。本明細書で使用されるような、インクに関連する「医用デバイスへの良好な密着性」とは、型から医用デバイス上に転写されたカラー画像が少なくとも指摩擦試験に合格できるものであることを意味する。そのような印刷された医用デバイスが指摩擦試験および滅菌存続試験(sterilization-surviving test)に合格することが好ましい。
指摩擦試験は、水和されたコンタクトレンズを包装溶液、例えば食塩水から取り出し、二本の指または一本の指と手のひらの間のいずれかでレンズを約10秒間指でこすることにより行われる。着色剤の滲み出し、不鮮明化、または層間剥離が目視で、あるいは顕微鏡で(〜10X)観察されると、摩擦試験での不合格を示す。
コンタクトレンズを含む医用デバイスの製造は、常に、オートクレーブまたはUV光、X線等の照射などの滅菌工程を含む。「滅菌存続試験に合格する」とは、滅菌後に有意な退色または層間剥離等が観察されないことを意味する。例えば、オートクレーブ存続試験は、滅菌したコンタクトレンズを包装溶液、例えば食塩水から取り出し、それをメタノールのバイアル中に浸漬することにより行われる。水和されたコンタクトレンズおよびメタノールを含むバイアルは、標準的な実験室のソニケーターを用いて30秒間超音波処理される。次いで、レンズをメタノールから取り出し、包装溶液に戻す。指摩擦試験をこのレンズについて行う。滲み出し、不鮮明化、または層間剥離が観察されると、摩擦試験での不合格を示す。
好ましい実施態様において、本発明のインクは、型から医用デバイスへの良好な転写性を有する。インクに関連する「型から医用デバイスへの良好な転写性」とは、インクで型に印刷されたカラー画像を、その型中で硬化した医用デバイス上に完全に転写できることを意味する。
本発明の好ましい実施態様において、インクは少なくとも4時間安定である。より好ましくは、インクは少なくとも8時間安定である。さらにより好ましくは、インクは少なくとも2日間安定である。最も好ましくは、インクは少なくとも1週間、あるいは少なくとも3週間安定である。インクに関連する「安定」とは、有意な粘度の増大が、ある特定の時間にわたって生じないことを意味する。安定なインクは、着色眼用レンズの大量生産において、より柔軟性を与える。粘度の増大(ゲル化とも称される)は、典型的には、インク成分の間の架橋反応により引き起こされる。したがって、カラーコートは、好ましくは、通常の条件下でポリビニルアルコールの架橋を引き起こす塩等の化合物を実質的に含まない。
本発明のインクを用いて、任意の医用デバイスを印刷することができるが、インクは特に、コンタクトレンズの印刷に有用である。本発明により着色されるレンズは、眼科用途に好適な任意の公知の重合性の親水性または疎水性材料から形成することができる。コンタクトレンズの製造に好適なレンズ形成材料は、多数の発行された米国特許で例示されており、当業者は精通している、好ましい材料は、親水性のものであり、かなりの量の水を吸収してヒドロゲルを形成する。レンズ材料の選択は最終コンタクトレンズの使用の最終的な様相により主に決定されるが、今のところ好ましいレンズ材料はネルフィルコンである。ネルフィルコンコンタクトレンズは、CIBA Vision(Duluth,GA)より市販されている。
重合、架橋、および/または成形によるレンズの製造は、当該技術で周知であり、現在、本発明の決定的な部分とは考えられない。キャスト成型およびスピンキャスティングの周知技術のいずれも使用しうる。
コンタクトレンズの印刷方法は、当該技術で周知である。典型的には、カラー画像は、コンタクトレンズを製造する型上にまず印刷され、次いで、型中の重合性または架橋性液体混合物が硬化され、カラー画像が型から転写されて着色コンタクトレンズが形成される。そのような方法は、装用者により多くの快適さを提供しうる滑らかな表面を持つコンタクトレンズを製造する。本発明は、より具体的には、眼用レンズ、好ましくはコンタクトレンズまたはコンタクトレンズ製造用の型上にカラー画像をパッド印刷するためのインクに関する。
パッド転写印刷法においては、画像はパッド転写装置上に配置または印刷され、そしてこのパッド転写装置上の画像は別の表面、たとえばポリマーまたはレンズへと転写される(米国特許第3,536,386号(Spivack);第4,582,402号および第4,704,017号(Knapp);第5,034,166号(Rawlingsら))。たとえば、適したパッド転写印刷構造には、当該技術で公知の、タンポ型印刷構造(Tampo vario 90/130)、ゴム印、シンブル、ドクターブレード、直接印刷または転写印刷が含まれるが、これらに限定されない。
カラーコートをレンズ自体にではなく、レンズ型に適用する場合は、カラーコートを型の表面に塗布し、その後、この型にレンズ形成用モノマーを仕込むが、その際、カラーコートを虹彩部分に保持し、そして樹脂をそのカラーコートの周辺に形成するようにする。その後レンズモノマーは、周知の重合手法のいずれかを用いて重合する。あるいはまた、レンズ形成用組成物がポリマー(たとえばポリビニルアルコール)である場合には、その後、その組成物を周知の技法に従って架橋する。このような方法で、成形されたレンズを型から取り出したとき、カラーコートはレンズ本体と一体化されたものになっている。得られたレンズは、カラーコートを有する表面が実質的に滑らかで連続した面になっている。
レンズが外見的に自然に見えることを意図する場合には、レンズに適用されたパターンが隙間(voids)を含むことが好ましい。典型的には、隙間はパターン面積の約5〜約80%を占める。他方、パターンはレンズの虹彩領域(またはレンズの虹彩領域に対応する型の部分)の面積の50%〜全部を占めるのが好ましい。着色剤が不透明な場合、通常は虹彩に対応するレンズ部分のみが被覆され、瞳孔の部分は透明のまま残される。虹彩より直径の大きいレンズは、虹彩を超えて延びるレンズ部分は印刷せずに残しておいてよい。
前面または後面のいずれか一方を、または両面ともに印刷することが可能ではあるが、インクは、レンズの前面に適用するのが好ましい。しかしながら、前面および後面の両方にパターンを付与することによって達成できる特別な装飾効果がある。たとえば、1色の着色パターン(たとえば白色)をレンズの後面または対応する型半(mold-half)に適用することができ、そして同一のまたは異なる着色パターン(たとえば暗青色)をレンズの前面または対応する型半に適用することができる。このようにすると、外見がきわめて実物そっくりの多色の肌合いの外見、または観察者に向けて反射する白色の背景を用いた一層明るい色調を有することができるレンズが得られるであろう。
型の両面に印刷する方法でレンズの両面にインクを適用する場合、前述したように、後面の型および前面の型の両方にパターンを塗布する。レンズ形成用のモノマー混合物の一部をそれぞれの型半に供給し、それぞれを部分重合してパターンをレンズの前面および後面に固着させる。2個の型半を組み合わせ、その組み合わせたものを相互重合させると、両表面にパターンを有するレンズの硬化および形成が完了する。
好ましくは、インクは開始剤を含む。適した開始剤は、ラジカル重合開始剤および光重合開始剤を包含する。もちろん、選択される開始剤は、行われる硬化の種類に依存する。ラジカル重合開始剤の典型例は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、およびクメンペルオキシドを含む。このような硬化用組成物は、商業的に入手可能な、CIBAスペシャルティ ケミカルズの商品名「IRGACURE」および「DAROCUR」の商品、およびDuPontの商品名「VAZO」の商品、たとえばVAZO64(AIBN)、VAZO67(ブタンニトリル,2−メチル,2,2′−アゾビス)およびVAZO88(シクロヘキサンカルボニトリル,1,1′−アゾビス)を含む。
光重合開始剤の典型例としては、ベンゾイン光重合開始剤、たとえばオルトベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾイルギ酸メチル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、またはベンゾインn−ブチルエーテル;フェノン光重合開始剤、たとえば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、またはN,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム;チオキサントン光重合開始剤、たとえば2−クロロチオキサントンまたは2−メチルチオキサントン;ジベンゾスバロン;2−エチルアントラキノン;アクリル酸ベンゾフェノン;ベンゾフェノン;およびベンジル(benzil)が挙げられる。
重合開始剤の種類は、決定的なものではなく、そして本発明の部分を構成しない。通常の当業者ならば、本発明において良好な結果が得られるであろう光開始剤の種類および量を容易に認識するであろう。発明者が現在好ましいする開始剤は、光開始剤DAROCUR1173である。
本発明のインクは、場合により架橋剤を含みうる(ただし、好ましくは含まない)。「架橋剤」とは、当該技術で公知であるように、2個以上の官能基を含む化合物をいう。架橋剤分子は、2種以上のモノマーまたはポリマー分子を架橋するために使用することができる。架橋剤は当該技術で公知であり、種々の米国特許に開示されている。そのような架橋剤は、硬化インクの物性(例えば、弾性率)をそれが適用される硬化レンズのそれに適合させるために添加しうる。
本発明のインクは、場合により界面活性剤を含みうる(ただし、好ましくは含まない)。「界面活性剤」とは、その用語は当該技術で公知であるように、例えばサーフィノール(surfynol)420およびサーフィノール104(Air Products製)、プルロニック(Pluronic)F108およびF38(BASF製)等の界面活性化合物をいう。界面活性剤は、次の1以上の機能:インクの界面張力を調整すること、消泡すること、顔料粒子の分離を改善すること、および顔料粒子の沈殿または凝集を防止することを有しうる。
本発明のインクは、場合により抗菌性の化合物を含みうる(ただし、好ましくは含まない)。いくつかの好適な抗菌性材料として、米国特許第3,931,319号(Greenら)に記載されたもの(例えば、「POLYQUAT」)等の、ポリ四級アンモニウム化合物が挙げられる。本発明で利用できる他の抗菌剤または殺菌剤は、ペプチド、他のポリコート(polyquats)、ムチン、ムチン類似体、糖ペプチド、糖タンパク質、絹タンパク質、セルロース、デキストランまたは他の抗菌剤または殺菌剤である。
以上の開示は、当業者が本発明を実施することを可能にするであろう。読者が具体的な実施態様およびそれの利点をさらによく理解できるように、以下の非限定的な実施例を参照することを示す。しかしながら、以下の例は本発明の範囲を限定するものであると解釈すべきではない。
実施例1
この実施例は、本発明のインクのマスターバッチをいかに製造するかを説明する。
青色インクのマスターバッチは、フタロシアニンブルー(PCN)(顔料)32.08g(11.8重量%)、ネルフィルコン(アクリル化ポリビニルアルコール)171.78g(63.0%)および水69.00g(25.3%)をアトライター摩砕システムで摩砕することにより調製した。アトライター摩砕システムは、3/8”ステンレススチールシャフトに接続した、固体テフロン単一ミリングインペラー(EMS T60, BYK Gardner)を用いて構築した。シャフトは、Arrow6000 1/10 hp直接駆動ミキサーにより駆動された。約200mlのジルコニアビーズ(直径1.6〜2.5mm、BYK Gardner)を、テフロンインペラーヘッドに沿って、500mlステンレススチール水ジャケット付容器(500ml容、BYK Gardner)の中に入れた。ネルフィルコンプレポリマー、続いてPCNブルーを添加した。インペラー速度は、1200〜1000rpmに設定し、64時間にわたって摩砕した。得られた液を、メッシュを通して注ぐことにより、ビーズを除いた。マスターバッチを、必要となるまで、室温でプラスチック容器中に保存した。マスターバッチは、実験の間を通して、液体のままであった。
ウインドウスシステム上でHoriba LA-920粒径分析器を用いて、粒径分析を行った。使用した屈折比率は、PCNブルー/水について1.04であり、10の虚数項(imaginary term)が含まれていた(104A010I)。
ネルフィルコン/水媒体は、PCNブルーについて良好な懸濁液を提供した。PCNブルーは、多くの週の間懸濁したままであった。マスターバッチは、摩砕の後に泡の合体を示さず、消泡に約1日を要した。
摩砕は、粒径の減少を示し、平均粒径は、摩砕工程の後、1.8〜0.3mmに減少した。約98%の粒子が1mmより小さいものであり、他の2%は濾過しうるものであった。インクの超音波処理手段は粒径の減少を示さず、懸濁液が安定であることの証拠を提供した。ネルフィルコン/水媒体中で調製したインクは、泡立ちを示したが、24時間放置した後に消泡した。所望であれば、泡立ちは、サーフィノール420、IPA、または乳酸エチル等の界面活性剤を少量添加することにより減少させることができる。
実施例2
14種の水系シアンパッド印刷インク(2A〜2N)を、実施例1で調製されたPCNインクのマスターバッチ(PCNブルー11.8%、ネルフィルコン63.0%および水25.3%)から調製した。各々のシアンパッド印刷インクは、PCNマスターバッチ中の添加されたネルフィルコンと水を補償して、PCNインクのマスターバッチを水およびネルフィルコンで希釈することにより調製した。
粘度測定は、スピンドル16でブルックフィールドLVTDV−IIを用いて、25℃、60rpmで行った。結果を表1に示す。
Figure 2005537376
「N/A」と示されたそれらの試料は、目視検査で非常に高粘度であることが判明したため、粘度を測定しなかった。
実施例3
実施例2A、2B、2I、2Jおよび2Nを、手動プリンターで標準的なパッド印刷を用いて、コンタクトレンズに適用した。具体的には、インクを典型的なクリシェパターンを通してインク滴を塗出することにより適用した。パターンをシリコンパッドでクリシェから持ち上げ、ポリプロピレンコンタクトレンズ型のオス側に転写した。
メス型を、エッペンドルフマルチピペッターを用いてネルフィルコン100μlで満たした。オス型をメス型上に適合させてプレスし、〜24psiに圧縮した。レンズを、手持ち式のUV源(Spectroline Model EMF-260, 365 nmボタン)を0.5cmで300秒間またはDr.グレーベルの光源(UV-LQ400/C, 高圧水銀灯、Dr. Groebel UV-Elektronik GmbHより入手可能)を〜0.5cm、7秒間で硬化させた。Dr.グレーベルの光源については、還流冷却器および305nmカットオフフィルターを光源の前に置いた。異なる波長における測定された光強度のチャートを表2に示す。
強度は、280nmではUVPS IL400Aラジオメーター(範囲245〜320 nm)で、300nmでは較正したUVX−31(UVP, Upland CA, 範囲260〜360 nm)で、365nmではUVX−36(UVP, Upland CA, 範囲300〜400 nm)で測定した。Dr.グレーベルの値は、検出器の増幅を補償するために、表示された数字から0.1を乗じた。Dr.グレーベルのランプは還流冷却器および305nmカットオフフィルターの後で測定した。
Figure 2005537376
硬化後、型を開き、レンズを水和溶液中におよそ30秒間置いた。レンズはオス側を剥離し、包装溶液中で保存した。オートクレーブ処理は、卓上型熱滅菌器を使用して行った(典型的なサイクル時間は130℃、45分間)。
最初の摩擦試験は、水和されたレンズを包装溶液から取り出し、二本の指または一本の指と手のひらの間のいずれかでレンズを約10秒間指でこすることにより行った。着色剤の滲み出し、不鮮明化、または層間剥離が目視で、あるいは顕微鏡で(〜10X)観察されると、摩擦試験での不合格を示す。
引き続く摩擦試験は、水和されたレンズを包装溶液から取り出し、それをメタノールのバイアル中に浸漬することにより行った。バイアルを、標準的な実験室のソニケーターを用いて30秒間超音波処理した。レンズをメタノールから取り出し、包装溶液に戻した。摩擦試験を行った。層間剥離が観察されると、摩擦試験での不合格を示す。
8%のPCNブルーレベルと最小のネルフィルコン濃度を有するインク(実施例2Iおよび2N)は、悪い密着性を示した。しかしながら、他のすべての実施例は、水和、包装、オートクレーブ処理、および指での強い摩擦手順の後に、硬化されたコンタクトレンズに密着していた。2Iおよび2Nのポリマー密度は、高いPCNレベルを保持するには低すぎたと推測される。
実施例4
マゼンタインクのマスターバッチは、Sun Chemicalから得られたRed122(Fastogen Super Magenta)34.8g(12%)、ネルフィルコン26.1g(9%)および水229.1g(79%)を実施例1に記載のアトライター摩砕システムで約24時間摩砕することにより調製した。Red122を最初に、その後、ネルフィルコンと水を添加した。マスターバッチを、必要となるまで、室温でナルジーン瓶中に保存した。マスターバッチは、実験の間を通して、液体のままであった。
元の試料の粒径分析は、粒子0.2〜20μmの間の大きな分布を示した。ほんの数時間の摩砕の後、96%より多くの粒子が0.6μmより小さかった。インクの超音波処理は認知しうる粒径の減少を全く示さず、懸濁液が相対的に安定であることを示した。Red122は、多くの週の間懸濁したままであった。摩砕工程後、マスターバッチ中で泡立ちが生じたが、数時間放置することにより消失した。
マスターバッチ配合物(Red122を12%、ネルフィルコン9%および水79%)は、43.8cpsの粘度を有していた。インクは、このマスターバッチから、ネルフィルコンを添加することにより調製し、50cpsより大きい粘度が得られた。あるいは、マスターバッチは、この実施例よりも多いネルフィルコンで製造することができる。
実施例5
イエローインクのマスターバッチは、Sun ChemicalからのYellow154(Symuler Fast yellow)34.8g(12%)、ネルフィルコン26.1g(9%)および水229.1g(79%)を実施例1に記載のアトライター摩砕システムで約24時間摩砕することにより調製した。Yellow154を最初に、その後、ネルフィルコンと水を添加した。マスターバッチを、必要となるまで、室温でナルジーン瓶中に保存した。マスターバッチは、実験の間を通して、液体のままであった。
元の試料の粒径分析は、粒子0.5〜100μmの間の分布を示した。試料を超音波処理した後に、粒径は、70%の粒子が1μmより小さいというより狭い分布範囲内であることが測定された。3時間の摩砕の後、96%より多くの粒子が1μmより小さかった。マスターバッチインクの超音波処理は粒径の減少をもたらさず、懸濁液が安定であることを示した。Yellow154粒子は、多くの週の間懸濁したままであった。摩砕工程後、マスターバッチ中で泡立ちが生じたが、数時間放置することにより消失した。
マスターバッチ配合物(Yellow154を12%、ネルフィルコン9%および水79%)は、33.4cpsの粘度を有していた。インクは、このマスターバッチから、ネルフィルコンを添加することにより調製し、50cpsより大きい粘度が得られた。あるいは、マスターバッチは、この実施例よりも多いネルフィルコンで製造することができる。
以上の記述および特定の実施態様は、単に本発明およびそれの原理の最良の形態を具体的に説明するものであること、そして当業者によって、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、種々の変更および追加がその装置に対してなされうることを理解すべきであり、よって本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであると理解すべきである。さらに、好ましい実施態様の記載の種々の部分のすべての見出しは、便宜のためだけのものであって、本発明の範囲を限定することを意味するものでは一切ない。

Claims (25)

  1. 水、着色剤、および架橋性で水溶性のポリビニルアルコールを含む医用デバイスのパッド印刷用のインクであって、50センチポアズより大きい粘度と医用デバイスへの良好な接着性を有するインク。
  2. 前記インクで医用デバイス上に印刷されたカラー画像が、オートクレーブ残存試験に合格するものである、請求項1記載のインク。
  3. 粘度が100〜1000cpsである、請求項1記載のインク。
  4. 粘度が250〜350cpsである、請求項3記載のインク。
  5. 着色剤が、水にほとんど溶けないか、または不溶性である顔料および染料よりなる群から選択されるものである、請求項1記載のインク。
  6. 約1重量%〜59重量%の量の水、約1重量%〜約75重量%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール、および約0.5重量%〜約8重量%の量の着色剤を含む、請求項5記載のインク。
  7. 約26重量%〜30重量%の量の水を含む、請求項6記載のインク。
  8. 約47重量%〜約71重量%の量の水溶性のポリビニルアルコールを含む、請求項6記載のインク。
  9. 約1重量%〜5重量%の量の着色剤を含む、請求項6記載のインク。
  10. 着色剤が、フタロシアニンブルー、コバルトブルー、フタロシアニングリーン、クロムセスキオキシド、酸化鉄顔料およびカルバゾールバイオレットよりなる群から選択される顔料を含む、請求項5記載のインク。
  11. 着色剤が、フタロシアニンブルーを含む、請求項10記載のインク。
  12. 約27重量%〜29重量%の量の水、約70重量%〜約72重量%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール、および約0.5重量%〜約1.5重量%の量のフタロシアニンブルーを含む、請求項11記載のインク。
  13. 約36重量%〜37重量%の量の水、約58重量%〜約60重量%の量の架橋性で水溶性のポリビニルアルコール、および約4重量%〜約5重量%の量のフタロシアニンブルーを含む、請求項11記載のインク。
  14. 医用デバイスが眼用レンズである、請求項1記載のインク。
  15. 眼用レンズがコンタクトレンズである、請求項14記載のインク。
  16. ポリビニルアルコールが複数の架橋性基を含み、且つ、複数の架橋性基が、硬化した場合に、高分子マトリックスが顔料を結合または捕捉して形成できるように、同種のまたは異種の他の架橋性基と分子内および分子間架橋を形成しうるものである、請求項1記載のインク。
  17. ポリビニルアルコールが、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基の数に基づいて、式I、IとII、IとIII、またはIとIIとIII:
    Figure 2005537376

    (式中、Rは、炭素数12までを有するアルキレンであり、R1は、水素または低級アルキルであり、R2は、オレフィン性不飽和の電子求引性の架橋性基であって、好ましくは炭素数25までを有する基であり、R3は、水素、C1〜C6アルキル基またはシクロアルキル基である)、
    Figure 2005537376

    (式中、RとR3は上記と同様であり、R7は、第一級、第二級もしくは第三級アミノ基または式N+(R’)3-の第四級アミノ基であり、ここで、各々のR’は互いに独立に、水素またはC1〜C4アルキル基であり、Xは対イオン、例えばHSO4 -、F-、Cl-、Br-、I-、CH3COO-、OH-、BF4 -またはH2PO4 -である)、
    Figure 2005537376

    (式中、RとR3は上記と同様であり、R8は、一塩基性、二塩基性もしくは三塩基性の、飽和もしくは不飽和の、脂肪族もしくは芳香族有機酸またはスルホン酸である)
    の単位を約0.5%〜約80%を含む、少なくとも約2000の分子量を有するポリビニルアルコールの誘導体であるポリヒドロキシ化合物に基づく架橋性ポリマーである、請求項1記載のインク。
  18. 2が、式IV、好ましくは式V:
    −CO−NH−(R5−NH−CO−O)q−R6−O−CO−R4 (IV)
    −[CO−NH−(R5−NH−CO−O)q−R6−O]p−CO−R4 (V)
    (式中、pおよびqは、互いに独立に、0または1であり、R5およびR6は、互いに独立に、炭素数2〜8を有する低級アルキレン、炭素数6〜12を有するアリーレン、炭素数6〜10を有する飽和の二価脂環式基、炭素数7〜14を有するアリーレンアルキレンもしくはアルキレンアリーレン、または炭素数13〜16を有するアリーレンアルキレンアリーレンであり、R4は、炭素数2〜24、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜4を有するオレフィン性不飽和の重合性基である)
    の基である、請求項17記載のインク。
  19. ポリビニルアルコールがネルフィルコンである、請求項18記載のインク。
  20. インクが、コンタクトレンズを製造するための型からコンタクトレンズへの良好な転写性を有する、請求項1記載のインク。
  21. インクが、少なくとも4時間安定である、請求項1記載のインク。
  22. インクが、少なくとも24時間安定である、請求項21記載のインク。
  23. インクが、少なくとも3週間安定である、請求項22記載のインク。
  24. 架橋性ポリビニルアルコールがUV放射に曝すことにより架橋されるものである、請求項23記載のインク。
  25. (a)レンズ型の少なくとも一方のレンズ形成表面の少なくとも一部に、50センチポアズより大きい粘度を有する、水、着色剤、および架橋性の水溶性ポリビニルアルコールを含むインクをコーティングし、
    (b)カラーコートを所定の位置に保持しながら、レンズ形成組成物をレンズ型に添加し、次いで、
    (c)レンズ形成組成物を硬化してコーティングされたレンズを形成する、
    工程を含む着色コンタクトレンズの製造方法であって、そのコンタクトレンズが指摩擦試験を合格するものである、方法。
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